説明

シート処理装置及びこれを備えた画像形成システム

【課題】シートを切削処理する際に屑収納ボックスの屑紙片の堆積量を簡単な機構で正確に検出することの可能なシート処理装置の提供。
【解決手段】上記課題を達成するため本発明のシート処理装置は、装置フレームと、装置フレームに配置され搬送シートに穿孔、裁断などの切削を施すシート処理手段と、シート処理手段で生成された紙片屑を収容する屑収納ボックスと、屑収納ボックス内の屑量を検出する屑量検知手段とを備え、その屑収納ボックスを、上記装置フレームに上記搬送シートの搬送方向に対し直交方向で上記紙片屑を収納する装着位置と収納した紙片屑を除去する非装着位置との間で位置移動可能に支持すると共に、屑量検知手段を、互いに上記搬送シートの搬送方向に対し直交方向で前記装着位置に有る前記屑収納ボックス内に堆積された屑量を検出可能な位置に対向配置された一対のセンサで構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに穿孔、裁断など切削処理するシート処理装置と、これを備えた画像形成システムに係わり、処理部で生成された紙片屑を収容する屑収納構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成されたシートにファイリング用のパンチ穴を形成する処理装置は画像形成装置に付設された後処理装置として広く知られている。例えば特許文献1には画像形成されたシートを複写機から搬出は、このシートを排紙スタッカに案内する経路中に穿孔装置を設け、シートの排紙過程でパンチ穴を穿設する装置が開示されている。このような画像形成システムにおける後処理装置として画像形成したシートにパンチ穴を形成或いはトリミングカットする装置は種々提案されている。
【0003】
このような装置においてシートに穿孔或いはトリミングカットなど切断処理を施すとその切り屑(紙片)の除去機構が必要となる。このため特許文献1及び特許文献2に開示されているパンチ装置は屑ボックスをパンチ機構の下側に設け、このボックスを装置フレームに引出し可能に支持している。そして屑ボックスには内部に堆積した紙片を縦貫センサで検知する満杯検知機構が提案されている。
【特許文献1】特開昭63−212499号公報
【特許文献2】特開平7−136993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようにパンチユニット、断裁ユニットなどでシートに切削加工(穴開け加工、切断加工などを「切削加工」と総称する)を施す場合に屑紙片の除去が問題となる。例えばシートにパンチ穴を穿孔する穿孔装置の場合、屑紙片は屑ボックスなどの回収箱に収納され、この回収箱は装置内の装着位置(処理位置)と装置外の非装着位置との間で位置移動可能に構成される。
【0005】
このようにパンチ、断裁など処理部の下側に収納ボックスを設け、屑紙片をボックス内に収納して装置外部に取り出す紙片屑回収機構を採用する場合に次の不都合が生ずる。まず、屑収納ボックスから屑紙片がオーバフローすることがある。この場合収納ボックスから溢れ出した屑紙片が処理シートに付着し、或いはシート搬送経路内に漏れ出す。このとき屑紙片がシートに付着すると最終的な仕上がり品位をおとす原因となる。また、シートの搬送経路内に屑紙片が流出すると、シートセンサなどの誤作動を招きシートジャムなどの原因となる。
【0006】
この屑紙片のオーバフローの問題と同時に、収納ボックスが処理位置の直下など正常な位置に位置していなければ屑紙片がボックス内に収納されず装置内に飛散する問題を引き起こす。
【0007】
従来は、上述の問題を解決する為、収納ボックス内に収納された屑紙片の堆積量を検出する満杯検出或いはニァフル検出センサの検出機構を正確に検出するように工夫している。またこの検出センサとは別に屑収納ボックスが正確な位置に装着されているか否かを検出する位置検出センサを配置している。
【0008】
そして、その内部に収納された屑紙片の堆積量の検出方法として、上記特許文献1及び特許文献2は何れも屑収納ボックスの引き出し方向に対し直交方向に一対の検出センサを対向配置し、屑山の頂部若しくは屑山の中腹の一箇所を検出することで屑紙片の堆積量を検出するものである。
【0009】
しかしながら、例えばパンチユニットには、仕向け国によって図8に示すように2穴パンチ、3穴パンチ、4穴パンチ、6穴パンチと言ったパンチ穴の数と穴間隔の仕様が異なっている。このため上記特許文献1及び特許文献2のような検知方法では、その仕向け国のパンチ穴仕様に合わせ屑箱に対し一対の検出センサを最適位置に個々取り付けざるを得ず、結果、組立管理等が複雑となる欠点を有していた。
【0010】
また、図8でパンチ穴を黒く塗りつぶした箇所のパンチ仕様のパンチユニットでは、4穴パンチの内側2穴を使って2穴パンチとして兼用することが出来る。この場合、4穴パンチとして使うか、2穴パンチとして使うか、その使用頻度に応じ屑山の状態が変化し、結果、上記特許文献1及び特許文献2の様な検出方法では屑山の状態を捉えることが出来ず、正確な屑堆積量の検出が出来ない。
【0011】
更に、上記特許文献1の様に屑収納ボックスが正確な位置に装着されているか否かの検出を屑検知センサとは別に設けることでセンシング機構のコストアップと大型化を招いている。
【0012】
本発明はシートの切削処理モードを複数備えるシート処理装置で屑紙片の堆積量を簡単な機構で正確に検出することが可能な検出機構を備えたシート処理装置の提供をその主な課題としている。
【0013】
また、本発明はその屑紙片の堆積量を検出するセンサを兼用し屑収納ボックスの装着位置への装着状態をも検知可能なシート処理装置の提供を第2の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の主な課題を達成するため本発明のシート処理装置は、装置フレームと、装置フレームに配置され搬送シートに穿孔、裁断などの切削を施すシート処理手段と、シート処理手段で生成された紙片屑を収容する屑収納ボックスと、屑収納ボックス内の屑量を検出する屑量検知手段とを備え、その屑収納ボックスを、上記装置フレームに上記搬送シートの搬送方向に対し直交方向で上記紙片屑を収納する装着位置と収納した紙片屑を除去する非装着位置との間で位置移動可能に支持すると共に、屑量検知手段を、互いに上記搬送シートの搬送方向に対し直交方向で前記装着位置に有る前記屑収納ボックス内に堆積された屑量を検出可能な位置に対向配置された一対のセンサで構成して成るものである。
【0015】
また、上記第2の課題を達成するため本発明のシート処理装置は、前記一対のセンサを、互いに対向配置された発光素子と受光素子と、この発光素子と受光素子の間の検出光を遮蔽する遮蔽部材とで構成し、その遮蔽部材を、上記屑収納ボックスの装着位置と離脱位置との間の移動に連動して上記発光素子と受光素子との間の検出光を遮蔽するように構成している。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、屑収納ボックスを、上記装置フレームに上記搬送シートの搬送方向に対し直交方向で上記紙片屑を収納する装着位置と収納した紙片屑を除去する非装着位置との間で位置移動可能に支持すると共に、屑量検知手段を、互いに上記搬送シートの搬送方向に対し直交方向で前記装着位置に有る前記屑収納ボックス内に堆積された屑量を検出可能な位置に対向配置された一対のセンサで構成するようにしたものであるから次の効果を奏する。
【0017】
まず、本発明は、複数のパンチ穴を穿孔するパンチ列の方向と、屑収納ボックスの着脱方向と、屑紙片の検出エリア(検出方向)の3者を同一方向に設定することによって、パンチ列の方向と同一方向に発光素子と受光素子を配置し複数の山状に堆積される屑紙片を縦貫して満杯或いはニアー満杯位置を検出することが出来、仕向け国によってパンチ穴仕様が異なっても共通の屑収納ボックスと屑量検知手段を使って検出が可能となり、至って簡単な機構で正確な検出が可能で、しかも装置生産効率を著しく向上することが出来る。
【0018】
また、4穴パンチを2穴パンチとして兼用するような場合で、その使用頻度によって屑山の状態が変化しても、一対のセンサを使って屑山の状態を捉えることが出来、正確な屑堆積量の検出が出来る。
【0019】
更に、本発明は、収納ボックス内に堆積された屑量と屑収納ボックスが装着位置に位置するか否かの検出を単一のセンサの検知エリア内に設定するようにしたものであるから単一のセンサで収納ボックスの装着位置と内部に堆積された屑量を検出することができ、検出機構を簡単な構造で安価に構成することが出来、同様にその判別回路などの制御構成も簡潔に構成することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図示する好適な実施形態に従って本発明を詳述する。図1は本発明に係わる画像形成システムの全体構成を示し、ユニットとしてシート処理装置が内蔵されている。図3及び図4はシート処理装置の構成説明図である。
【0021】
[画像形成システム]
図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aと後処理装置Bとから構成され、後処理装置Bにはシート処理装置Cがパンチユニットとして内蔵されている。そして画像形成装置Aの排紙口3に後処理装置Bの搬入口23aが連結され、画像形成装置Aで画像形成されたシートを後処理装置Bでステップル綴じしてスタックトレイ21に収納するように構成されている。パンチユニット(シート処理装置:以下同様)Cは搬入口23aに供給された搬送シートの搬送方向に対し略直交方向に少なくとも二箇所以上のファイリング穴を搬送シートに形成するユニットとしてシート搬入経路P1に配置されている。
【0022】
[画像形成装置]
画像形成装置Aは図1に示すように、給紙部1からシートを画像形成部2に送り、画像形成部2でシートに印刷した後、排紙口3から排出するように構成されている。給紙部1は複数サイズのシートが1a、1bに収納してあり、指定されたシートを1枚ずつ分離して画像形成部2に給送する。画像形成部2は例えば静電ドラム4と、その周囲に配置された印字ヘッド(レーザ発光器)5と現像器6と、転写チャージャ7と定着器8が配置され、静電ドラム上にレーザ発光器5で静電潜像を形成し、これに現像器6でトナーを付着し、転写チャージャ7でシート上に画像を転写し、定着器8で加熱定着する。このように画像形成されたシートは排紙口3から順次搬出される。図示9は循環経路であり、定着器8から表面側に印刷したシートを、スイッチバック経路10を介して表裏反転した後、再び画像形成部2に給送してシートの裏面側に印刷する両面印刷の経路である。このように両面印刷されたシートはスイッチバック経路10で表裏反転された後排紙口3から搬出される。
【0023】
図示11は画像読取装置であり、プラテン12上にセットした原稿シートをスキャンユニット13で走査し、図示しない光電変換素子で電気的に読み取る。この画像データは画像処理部で例えばデジタル処理された後、データ記憶部(不図示)に転送され、前記レーザ発光器5に画像信号を送る。また、図示15は原稿送り装置であり、給紙トレイ16に収容した原稿シートをプラテン12に給送するフィーダ装置である。
【0024】
上記構成の画像形成装置Aには、図7に示す制御部60が設けられたコントロールパネル18から画像形成条件、例えばシートサイズ指定、カラー・モノクロ印刷指定、プリント部数指定、片面・両面印刷指定、拡大・縮小印刷指定などの印刷条件が設定される。一方、画像形成装置Aには上記スキャンユニット13で読み取った画像データ或いは外部のネットワークから転送された画像データがデータ貯蔵部17に蓄積され、このデータ貯蔵部17から画像データはバッファメモリ19に転送され、このバッファメモリ19から順次レーザ発光器5にデータ信号が移送されるように構成されている。
【0025】
上記コントロールパネル18からは上述の片面/両面印刷、拡大/縮小印刷、モノクロ/カラー印刷などの画像形成条件と同時に後処理条件も入力指定される。この後処理条件は例えば「プリントアウトモード」「綴じ仕上げモード」「パンチ仕上げモード」などが選定される。
【0026】
[後処理装置の構成]
後処理装置Bは、画像形成装置Aの排紙口3から画像形成されたシートを受け入れ、(1)このシートをスタックトレイ21に収容するか(前述の「プリントアウトモード」)、(2)排紙口3からのシートを束状に部揃えしてステップル綴じした後、スタックトレイ21に収納するか(前述の「綴じ仕上げモード」)と、(3)これらの処理時にパンチ穴を穿孔するか(前述の「パンチ仕上げモード」)が設定される。その各構成について以下説明する。
【0027】
後処理装置Bのケーシング20には搬入口23aが設けられ、この搬入口23aは画像形成装置Aの排紙口3に連結されている。そしてケーシング20内には搬入口23aからのシートを部揃え集積して綴じ仕上げする処理トレイ29が配置されている。このため搬入口23aには、シート搬入経路P1が配置され、図示の搬入経路P1はケーシング20に略水平方向に配置されている。そしてシート搬入経路P1の下流側には段差を形成して処理トレイ29が配置されている。このシート搬入経路P1には入り口センサS1とシート搬送ローラ24と、排紙ローラ25と排紙センサS2が配置されている。そしてこのシート搬入経路P1に下記のパンチユニットCが配置されている。
【0028】
[パンチユニットの構成]
パンチユニットCは図2に示すようにシート搬入経路P1に配置され、図3にその縦断面図を、図4にこれと異なる方向の断面図を示す。このパンチユニットCは図3に示すように穿孔シートSが通過する間隙dを有する上部フレーム30と、下部フレーム38と、上部フレーム30に装備されたパンチ部材32と、下部フレーム38に装備されたダイ(刃受孔)31とで構成されている。
【0029】
上部フレーム30と下部フレーム38は被穿孔シートSの幅サイズに応じた長さ寸法に形成され、下部フレーム38に沿って搬送されるシートに上部フレーム30に設けられたパンチ部材32で所定数のパンチ穴を形成する。この為、上記パンチ部材32は円柱形状に構成され、その先端に穿孔刃33が設けてある。このパンチ部材32は上部フレーム30に所定の規格(ファイル穴規格)に応じた間隔で、2穴、3穴、4穴など装置仕様に応じて複数配置される。図示のものは4個所に第1パンチ部材32a、第2パンチ部材32b、第3パンチ部材32c、第4パンチ部材32dが配置され、シートに2穴、4穴のパンチ穴を選択的に穿孔するようになっている。
【0030】
[パンチ部材の構成]
上記各パンチ部材32a〜32dは、同一構造で構成されているのでその1つについて説明する。パンチ部材32は、パンチ軸34と、その先端に設けられた穿孔刃33で構成されている。このパンチ部材32は炭素鋼、超硬合金などで構成され適宜長さの棒状パンチ軸と、その先端に形成した穿孔刃で構成されている。穿孔刃33の刃先端面は円環形状に形成され円周方向に波状の凹凸部を形成する斜裁形状に形成されている。そしてパンチ軸34を上部フレーム30に往復動可能に軸支持されている。その軸受構造を図4に示す。
【0031】
図4に示すように、上部フレーム30は断面コの字状のチャンネル材で構成され、パンチ部材32が所定ストロークで上下往復動するようになっている。そして上部フレーム30には駆動回転軸35が設けられ。この駆動回転軸35に駆動カム36a、36b、36c、36dが一体的に取り付けられている。そして駆動カム36は各パンチ軸34のヘッド部に係合するように配置されている。図示37a〜37dは復帰スプリングである。従って駆動回転軸35を駆動モータMで回転すると駆動カム36が回転し、このカムと係合するパンチ軸34は復帰スプリング37に抗して下降する。このように複数列状に配置されたパンチ部材32は装置フレーム(上部フレーム30)に上死点と下死点との間で往復動するように軸支持され、駆動モータMの回転で上死点から下死点に下降する。この上死点から下死点への下降動作でシートに所定数のパンチ穴を形成し、復帰スプリング37で下死点かにら上死点に復帰する。
【0032】
上記上部フレーム30に間隔dを隔てて下部フレーム38が対向配置され、この下部フレーム38にはパンチ部材32の穿孔刃33に適合する刃受孔(ダイ)31が形成されている。この刃受孔31に穿孔刃33が嵌合する過程でシートにパンチ穴が形成され、その紙片屑dsは刃受孔31の下方に落下する。
【0033】
そこで上記下部フレーム38には屑収納ボックス40が刃受孔31から落下する紙片屑dsを収納するように配置されている。このため屑収納ボックス40はパンチ部材32の配列寸法(図3L)に合わせた寸法形状に構成され、図3矢印方向(搬送シートの搬送方向に対し略直交方向で、パンチ部材32により穿孔される少なくとも二箇所以上のパンチ穴の形成方向とほぼ平行な方向)に移動可能に装置フレームとの間に形成したガイドレール41に沿って位置移動可能に構成されている。このように複数列状に配列されたパンチ部材32の刃受孔31には屑収納ボックス40が設けられ、このボックス40はパンチ部材32の配列方向(図3左右方向)に位置移動自在に装置フレームに取り付けられている。そして屑収納ボックス40は図3に示す装着状態で上方の刃受孔31から落下する紙片屑を収納し、同図矢印方向に引き出すことによってケーシング20の外側に取外すことが出来るようになっている。
【0034】
図示の装置はガイドレール41とスライダ42を屑収納ボックス40と装置フレームに配置する。このときガイドレール41に段差41dが形成してあり、この段差41dは屑収納ボックス40を高位置H1と低位置H2に姿勢変更する。つまり図6(a)(b)に示すように装着位置では屑収納ボックス40は高位置H1に姿勢保持され、この装着位置から非装着位置方向に移動したとき低位置H2に姿勢保持される。このようにガイドレール41に高低差(段差41d)を形成したのは屑収納ボックス40を装着位置から非装着位置に位置移動するとき屑収納ボックス40の高さ位置を高位置H1から低位置H2に姿勢変更することによって後述する屑量検知手段70が屑収納ボックス40の壁面に衝突するのを避ける為である。
【0035】
本発明は上記屑収納ボックス40内に収納された紙片屑dsの堆積量を検知する屑量検知手段70を以下のように配置したことを特徴としている。屑収納ボックス40内の紙片屑などの物体を検知するセンサ(屑量検知手段)70を配置する。図示のものは図3に示すように装着位置に位置する屑収納ボックス40内に所定の検知エリア(検知ライン;以下同様)Saを構成する一対の発信ディバイス(光、超音波など)71と受信ディバイス72を配置する。図示のものは下部フレーム38から第1ブラケット73と第2ブラケット74が間隔L1を隔てて対向配置されている。この第1ブラケット73に発信ディバイス(発光素子/発光ダイオード)71が取付けられ、第2ブラケット74に受信ディバイス(受光素子/受光センサ)72が取り付けられている。そしてこの一対の発光ダイオード71と受光センサ72とは検知エリアSaを構成し、この検知エリアSa内の光(又は超音波)を遮る物体の有無を検知する。
【0036】
上記発光ダイオード(発信ディバイス)71と受光センサ(受信ディバイス)72との間には光(又は超音波)を遮蔽する遮蔽部材(シャッタ板)75が設けられ、この遮蔽部材75は屑収納ボックス40が装着位置に位置するか否かを受光センサ(受信ディバイス)72で検出出来るようにしている。このため発信ディバイス側の第1ブラケット73にはシャッタ板75が回動可能に軸ピン75pで支持され、シャッタ板75は発光素子71の投光開口71bを開閉するように取り付けられている。そしてシャッタ板75には開閉アーム75aが一体形成してあり、この開閉アーム75aでシャッタ板75を図6(a)反時計方向に回転すると投光開口71bは開口され、時計方向に回転すると投光開口71bは閉蓋される。
【0037】
そして上記開閉アーム75aと係合する作動片40aが屑収納ボックス40に設けてあり、この屑収納ボックス40に一体形成した作動片40aは装着位置では投光開口71bを開口し、それ以外の非装着位置では投光開口71bを閉蓋する。従って受光センサ(受信ディバイス)72は検知エリアSaに紙片屑dsが存在するとき、及び検出光が遮蔽部材75で遮られたときに「OFF」となりその状態を検出する。従って上記受光センサ(受信ディバイス)72と電気的に接続された制御CPU65は発光素子(発信ディバイス)71に通電したとき受光素子(受信ディバイス)72が「ON」であれば屑収納ボックス40は装着位置に位置し、同時に検知エリア(検知ライン)Sa内に紙片屑が存在しない状態(正常な動作状態)と判断する。また受光素子(受信ディバイス)72が「OFF」であれば屑収納ボックス40が装着位置に位置していないか(離脱状態或いはセット不良)、又は検知エリア(ライン)Sa内に紙片屑dsが存在する状態(満杯或いはニァ満杯)と判断(不正常な動作状態)する。
【0038】
このように構成された判別手段は、不正常な動作状態と判断したときはオペレータに警告し、「屑ボックスを装着位置にセットする操作」或いは「屑ボックスの紙片除去操作」を促す。
【0039】
以上のように本発明は屑収納ボックス40内の紙片屑の満杯状態(堆積量)を検知するのと同時に、この屑収納ボックス40が紙片屑を収容可能な装着位置に位置するか否かを例えば発光素子(発信ディバイス)71と受光素子(受信ディバイス)72の一対の検知センサで検出することが出来る。
【0040】
更に本発明は発光素子(発信ディバイス)71と受光素子(受信ディバイス)72とで構成する検知エリア(検知ライン)Saを複数のパンチ部材を配置した配列ラインと一致する方向に検知ラインを設定したこと、及びこの検知ライン方向に屑収納ボックス40をスライド可能に支持たことを特徴としている。
【0041】
[制御部の構成]
上述した画像形成システムの制御構成を図7のブロック図に従って説明する。図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aの制御部(以下「本体制御部」という)60と後処理装置Bの制御部(以下「後処理制御部」という)65を備えている。本体制御部60は画像形成制御部61と給紙制御部62と入力部63を備えている。そしてこの入力部63に設けられたコントロールパネル18から「画像形成モード」「後処理モード」の設定を行う。画像形成モードは前述したように、プリントアウト部数、シートサイズ、カラー・モノクロ印刷、拡大・縮小印刷、両面・片面印刷、その他の画像形成条件を設定する。そして本体制御部60はこの設定された画像形成条件に応じて画像形成制御部61及び給紙制御部62を制御し、所定のシートに画像形成した後、本体排紙口3からシートを順次搬出する。
【0042】
上記後処理制御部65は、指定された仕上げモードに応じて後処理装置Bを動作させる制御CPU65と、動作プログラムを記憶したROM70と、制御データを記憶するRAM71を備えている。そしてこの制御CPU65は、搬入口23aに送られたシートの搬送を実行する「シート搬送制御部66a」と、画像形成装置Aからのシートにパンチ穴を穿孔する「パンチ制御部67p」と、処理トレイ29へのシートの部揃え集積を制御する「シート集積動作制御部66b」と、処理トレイ29に集積したシート束に綴じ処理を施す「綴じ動作制御部66c」とで構成されている。
【0043】
「シート搬送制御部」
上記シート搬送制御部66aは前述のシート搬入経路P1の排紙ローラ25の駆動モータ(不図示)の制御回路に連結され、またこのシート搬入経路P1に配置された入り口センサS1からの検知信号を受信するように構成されている。このシート搬送制御部66aは搬入口23aからのシートを搬送ローラ24、排紙ローラ25で排紙口25xに向けて搬送する。このとき処理モードが「パンチモード」のときにはシート搬入経路内のパンチユニットCでパンチ穴を穿孔する。
【0044】
「パンチ制御部」
パンチ制御部67pは、後処理モードが「プリントアウトモードでパンチ穴穿孔」或いは「端綴じ仕上げモードでパンチ穴穿孔」に設定されたとき、シート搬入経路P1に案内されたシートにパンチ穴を穿孔するように構成されている。このためパンチ制御部67pはパンチユニットCのパンチ駆動モータMと、このパンチユニットCにシートを搬送する搬送ローラ24の駆動モータ(不図示)を制御する。つまりパンチ制御部67pは入り口センサS1からの信号でシートを所定のパンチ処理位置に停止するように搬送ローラ24を制御する。このときパンチ制御部67pは前記屑量検知手段70からの信号が「OFF(不正常)」のときには、「屑ボックス異常」などの警告を発し、屑量検知手段70からの信号が「ON(正常)」するのを待つ。
【0045】
そしてパンチ制御部67pは屑量検知手段70からの信号が「ON」のとき搬送ローラ24でシートを所定位置に搬送した後、この搬送ローラ24を停止し、パンチ駆動モータMをONする。この通電制御でパンチ駆動モータMは図示しないエンコーダで位置制御され、ホームポジションから所定量回転する。このパンチ駆動モータMの回転で駆動カム51が回転し、パンチ部材32を上死点から下死点に移動する。そして図示しないエンコーダからのホームポジション復帰信号でパンチ制御部67pは搬送ローラ24を再起動してシートを排紙口25xに向けて搬送する。
【0046】
「シート集積動作制御部」
シート集積動作制御部66bは、後処理モードが「プリントアウトモード」或いは「端綴じ仕上げモード」に設定されたとき、正逆転ローラ26と、紙押さえガイド50を制御する。このシート集積動作制御部66bは、処理トレイ29にシートを集積するために前記正逆転ローラ26に備えられた昇降モータMRの駆動回路に結線されている。
【0047】
そして排紙口25xに配置された排紙センサS2からの検知信号で正逆転ローラ26を待機位置からシート係合位置に移動し、処理トレイ29上に搬入されたシートをスタックトレイ21側に移送する。その後シート後端が処理トレイ上に搬入された見込み時間の後、正逆転ローラ26を逆転させ、シートを処理トレイ29に配置された後端規制ストッパ32に向けて送る。
【0048】
また、上記シート集積動作制御部66bは処理トレイ29上に配置された整合板28の作動モータ(不図示)の駆動回路に連結されている。そして、正逆転ローラ26で送られたシートを整合板で幅寄せ整合するように構成されている。
【0049】
「綴じ動作制御部」
綴じ動作制御部66cは、後処理モードが「端綴じ仕上げモード」に設定されたとき、ステープル手段51と、束搬出手段(不図示)を司るように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係わる画像形成システムの全体構成説明図。
【図2】図1の装置におけるシート処理装置の配置説明図。
【図3】本発明に係わるシート処理装置の縦断面図。
【図4】図3の装置の側面断面図。
【図5】図3の装置における屑収納屑ボックスの斜視図。
【図6】屑収納ボックスと屑量検知手段との関係図を示し、(a)はボックスの装着状態であり、(b)は非装着状態。
【図7】本発明に係わる画像形成システムの制御構成を示すブロック図。
【図8】パンチユニットの種類とパンチ穴の間隔を説明する説明図。
【符号の説明】
【0051】
A 画像形成装置
B 後処理装置
C シート処理装置(パンチユニット)
S1 入り口センサ
S2 排紙センサ
M 駆動モータ
ds 紙片屑
21 スタックトレイ
23a 搬入口
24 シート搬送ローラ
25 排紙ローラ
25x 排紙口
29 処理トレイ
30 上部フレーム
31 ダイ(刃受孔)
32 パンチ部材(32a〜32d)
33 穿孔刃
34 パンチ軸
35 駆動回転軸
36 駆動カム(36a〜36d)
37 復帰スプリング(37a〜37d)
38 下部フレーム
40 屑収納ボックス
40a 作動片
41 ガイドレール
41d 段差
42 スライダ
65 制御CPU
60 制御部
67p パンチ制御部
70 屑量検知手段
71 発信ディバイス(発光素子)(発光ダイオード)
71b 投光開口
72 受信ディバイス(受光素子)(受光センサ)
73 第1ブラケット
74 第2ブラケット
75 遮蔽部材(シャッタ板)
75a 開閉アーム
75p 軸ピン
Sa 検知エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置フレームと、
上記装置フレームに配置され搬送シートに穿孔、裁断などの切削を施すシート処理手段と、
上記シート処理手段で生成された紙片屑を収容する屑収納ボックスと、
上記屑収納ボックス内の屑量を検出する屑量検知手段と、
を備え、
上記屑収納ボックスは、上記装置フレームに上記搬送シートの搬送方向に対し直交方向で上記紙片屑を収納する装着位置と収納した紙片屑を除去する非装着位置との間で位置移動可能に支持され、
上記屑量検知手段は、互いに上記搬送シートの搬送方向に対し直交方向で前記装着位置に有る前記屑収納ボックス内に堆積された屑量を検出可能な位置に対向配置された一対のセンサで構成して成ることを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記シート処理手段は、シートの複数個所を穿孔するパンチ手段で構成され、
前記屑収納ボックスには集積される紙片屑が複数個所に山状に堆積され、
前記一対のセンサは、この複数個所の山状紙片屑を縦貫して過ぎるように配置して成ることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
シートの複数個所を穿孔する前記パンチ手段の穿孔処理ラインと、
前記収納ボックスを装着位置と非装着位置との間でガイドする軌道レールの方向と
前記前記収納ボックスに収納された複数個所の山状紙片屑を縦貫して過ぎる方向とは
一致する方向に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記屑収納ボックスを装着位置と非装着位置との間で移動可能に案内する軌道レールが前記屑収納ボックスと装置フレームの少なくとも一方に配置され、
この軌道レールは、装着位置から非装着位置に向けて移動する上記屑収納ボックスを
紙片屑の堆積方向下方に所定量降下させる傾斜ガイド面を有していることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記一対のセンサは、互いに対向配置された発光素子と受光素子と、
この発光素子と受光素子の間の検出光を遮蔽する遮蔽部材と、
で構成され、
その遮蔽部材は、上記屑収納ボックスの装着位置と離脱位置との間の移動に連動して上記発光素子と受光素子との間の検出光を遮蔽するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項6】
順次シート上に画像形成する画像形成手段と、
上記画像形成手段からのシートに後処理を施すシート処理装置と、
から構成され、
上記シート処理装置は請求項1乃至5のいずれか1項に記載の構成を備えていることを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−137932(P2010−137932A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313715(P2008−313715)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】