シート処理装置及び画像形成装置
【課題】簡単な構成で接着力の強度を調整することのできるシート処理装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】複写機本体100に設けられた画像形成部120により、シートの貼り合わされるトナー像に接着力調整用のトナー像を形成すると共に、フィニッシャ500に設けられた糊付け機1009により、シートの接着領域に接着剤を塗布する。さらに、フィニッシャ500に設けられた第2突き出し部材1008と第2折りローラ対1006とにより、シートの接着剤が塗布された接着領域と、シートの接着力調整用のトナー像が形成されたトナー像を貼り合わせる。そして、画像形成部120により形成される接着力調整用のトナー像を形作るトナーの量を調整することにより、接着剤による接着力を調整する。
【解決手段】複写機本体100に設けられた画像形成部120により、シートの貼り合わされるトナー像に接着力調整用のトナー像を形成すると共に、フィニッシャ500に設けられた糊付け機1009により、シートの接着領域に接着剤を塗布する。さらに、フィニッシャ500に設けられた第2突き出し部材1008と第2折りローラ対1006とにより、シートの接着剤が塗布された接着領域と、シートの接着力調整用のトナー像が形成されたトナー像を貼り合わせる。そして、画像形成部120により形成される接着力調整用のトナー像を形作るトナーの量を調整することにより、接着剤による接着力を調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理装置及び画像形成装置に関し、特に画像が形成されたシートを接着剤により貼り合わせる処理を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンタ、これらの複合機等の画像形成装置においては、画像が形成された例えば紙、樹脂フィルム、金属シート等のシートを貼り合わせるシート処理装置を備えたものがある。そして、このようにシートを貼り合わせる方法として、液状の接着剤、或は乾燥型の接着剤塗布による接着手法が一般的に実施されている。
【0003】
ところで、近年、シート接着の際の、接着力に関するニーズは多岐にわたってきている。例えば、情報の機密性を考慮し、情報表示面を折り畳んで、そのままダイレクトメールにする書類であれば、接着力は郵送中の負荷に対して折り畳んだ情報表示面が開かないよう、ある程度の強度が必要である。また、手で貼り付け部を開けようとした時には、書類が破損しない程度の剥離力を有する接着強度である必要がある。
【0004】
また、付箋紙のような一時的に貼り付けるためのシートの場合には、接着力は弱く、剥離性を高くする必要が有り、機密封書のような場合は、貼り付け部からは容易に剥がれないような高い接着強度を必要とする。つまり、接着するシートの種類や用途に応じて、それぞれ異なる接着強度や剥離性が必要であり、このためシート処理装置においては、それぞれ対応するように装置ごとに調整する必要があった。
【0005】
そこで、このような接着力を容易に調整できるようにしたものとして、例えば微小硬質物質を含む接着力調整剤が添加された接着剤調整層を中間に設け、この接着剤調整層により接着強度の調整を行っているものがある(特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
また、感圧性接着剤を用いて、接着剤塗布面の30〜60%の範囲に4色インキでスクリーン印刷することで、感圧性接着剤の露出面積の調整によって、接着強度を調整する方法が開示されている(特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平5−185768号公報
【特許文献2】特開平7−1872号公報
【特許文献3】特開平7−299974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、既述した従来のシート処理装置及び画像形成装置において、例えば接着剤調整層をシートと接着剤の中間部に設けて接着強度を調整する方式の場合、シートと接着剤の間に接着力調整剤が塗布された接着剤調整シートを挿し込む工程が必要となる。
【0009】
ここで、この挿し込み工程はシートへの印字の前にあることが前提条件となるため、画像形成部の上流に接着剤調整シートと、シートの合流部が必要である。また、接着剤として感圧性接着剤を使用するようにしているため、画像形成部の下流に折り・加圧手段を設ける必要がある。
【0010】
さらに、接着剤調整シートを使用する際、合流部の上流に接着剤調整シートをセットするが、接着強度調整が必要なシート上の領域、或は接着強度自体の設定が変わるたびに、異なるサイズの強度調整シートを用意し、装置に設定する必要があった。また、シートとの合流部においても、挿し込みタイミングを変更するなど、その他の調整事項も多い。
【0011】
この結果、装置の大型化、装置コストアップ、生産シート単価アップ、接着剤の限定特殊化、生産効率の低下(特に多品種小ロット生産のようなオンデマンド生産能力の欠如)という課題がある。
【0012】
また、接着剤塗布面の30〜60%の範囲に印刷し、感圧性接着剤の露出面積を調整することによって接着強度を調整する方法においては、少なくとも印字は接着剤塗布後に行う必要がある。
【0013】
ここで、画像形成部と接着剤との関係を考慮すると、一般的なオフセット、凸版、凹版、孔版、電子写真トナー等のような版と被印刷体とを接触で印刷する方式を用いると、印字部が接着剤の粘性体によって、消耗する可能性が高い。また、接着剤として液状タイプを使用すると、インクを接着剤の上に印刷するため、インクの載り性が低下する。
【0014】
このようなことから、接着剤の上にインクを塗り重ねて接着強度を調整する方式においては、使用できる接着剤は乾燥性の感圧性接着剤に限定される。更に、感圧性接着剤を使用する場合、接着性を付与するために、加圧手段が必要になる。また、加圧手段により加圧した場合、インクが印字面の反対側に転移するオフセット現象が発生する可能性がある。
【0015】
この結果、装置の大型化、装置コストアップ、生産シート単価アップ、接着剤の限定特殊化という課題があった。
【0016】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で接着力の強度を調整することのできるシート処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、画像形成装置において、シート上にトナー像を形成する画像形成部と、シートに接着剤を塗布する接着剤塗布部を有するシート処理装置と、を備え、前記画像形成部によりシート上に形成されたトナー像と、シートの前記接着剤が塗布された接着領域とを貼り合わせることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明のように、シートの、接着剤が塗布された接着領域に貼り合わされる部分に形成されるトナー像のトナーの量を調整して接着剤による接着力を調整することにより、簡単な構成で接着力の強度を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の一例である複写機の構成を示す図である。
【0021】
図1において、100Aは白黒・カラー複写機(以下、複写機という)、100は複写機本体(画像形成装置本体)である。この複写機本体100の上部には原稿給送部131を備えた画像読取部130が、内部には画像形成部120がそれぞれ設けられると共に、複写機本体100の側面にはシート処理装置であるフィニッシャ500が接続されている。
【0022】
ここで、この画像形成部120は、不図示の超音波モータにより駆動されると共に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する、平行に配置された4つの感光体ドラム101(101a〜101d)を備えている。また、感光体ドラム101a〜101dの周囲には、それぞれ一次帯電器102(102a〜102d)、現像器103(103a〜103d)及び転写帯電器104(104a〜104d)が配置されている。
【0023】
また、感光体ドラム101の上方にはLED等で構成される不図示の露光装置が配置され、感光体ドラム101と転写帯電器104との間には、これを縦断する態様で配置された転写ベルト121が配置されている。
【0024】
次に、このように構成された複写機100Aの画像形成動作について説明する。
【0025】
画像読取部130により原稿画像が読み取られる、あるいは、外部のPC401(図7)からのプリントデータが送信されると、画像形成動作が開始される。一方、画像形成部120では、まず感光体ドラム101が時計回りに回転駆動され、これにより一次帯電器102は感光体ドラム101の周面に一様な電荷を付与する。この後、不図示の露光装置は、画像読取部130により読み取られた原稿画像情報、あるいは外部のPC401からのプリントデータに基づいて感光体ドラム101の周面に露光を行う。これにより、感光体ドラム101周面上には静電潜像が形成される。
【0026】
次に、この静電潜像を現像器103によって現像することにより、感光体ドラム表面にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のトナー画像が形成される。
【0027】
また、このトナー画像形成動作に並行して給紙カセット107a,107bに収容されたシートSは、搬送ベルト108a,108bに連通されたファンからのエア吸引により上層部が捌かれ、1枚ずつピックアップされる。この後、シートSは、搬送ローラ109a,109bを経て、レジストローラ110でタイミングを合わされた後、搬送ガイドに案内されて押さえローラ110aと転写ベルト121で構成されるニップ部に搬送され、転写ベルト121上を搬送される。
【0028】
なお、この押さえローラ110aは不図示の加圧アームで保持され、不図示の加圧ばねにより転写ベルト側に付勢されると共に、転写ベルト121を挟んだ対向側にはバックアップローラ110bが設けられている。
【0029】
次に、このように転写ベルト121上を搬送されるシートSが感光体ドラム101と転写ベルト121とが圧接する転写部に搬送される。そして、この転写部において、トナーと逆極性の電圧を印加された転写帯電器104により感光体ドラム101上のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー画像が、シートS上に順次重ね合わせて転写される。
【0030】
次に、このように4色のトナー画像が多重転写されたシートSは、定着装置111へと搬入され、この定着装置111において、トナー像がシートS上に定着され、トナー像が定着されたシートSは、排紙ローラ対113によりフィニッシャ500に排出される。
【0031】
ここで、このフィニッシャ500は、複写機本体100から排出されたシートを順に取り込み、取り込んだ複数のシートを整合して1つの束に束ねる処理、束ねたシート束の後端をステイプルで綴じるステイプル処理を行うものである。さらに、取り込んだシートの後端付近に孔あけをするパンチ処理、ソート処理、ノンソート処理、中綴じ製本処理、折り処理、糊付け処理、閉封処理等の処理を行うものである。
【0032】
また、このフィニッシャ500は複写機本体100から排出されるシートを、オンラインで処理することができるようになっている。さらに、フィニッシャ500は、オプションとして使用されることがあるため、複写機本体100は、単独でも使用できるようになっている。また、フィニッシャ500と複写機本体100は、一体であってもよい。
【0033】
このフィニッシャ500は、複写機本体100から排出されたシートを内部に導くための入口ローラ対602を有している。この入口ローラ対602の下流側には、シートを、平綴じ処理部300に案内する平綴じ製本パスX、又は折り製本処理部1000に案内する中綴じ製本パスYに選択的に案内する切り替え部材601が設けられている。
【0034】
そして、切り替え部材601により平綴じ製本パスXに導かれたシートは、搬送ローラ対603を介してバッファローラ605に向けて送られる。ここで、バッファローラ605は、その外周に送られたシートを所定枚数積層して巻き付けられるローラである。バッファローラ605に送られたシートは、下流に配置された切り替え部材611によって、サンプルトレイ621に積載されるか、若しくは平綴じ処理部300内のシート積載手段である中間処理トレイ330に積載される。
【0035】
この後、中間処理トレイ330上に束状に積載されたシートは、必要に応じて整合処理、ステイプラ301によるステイプル処理等が施された後、排出ローラ380a,380bによりスタックトレイ622上に排出される。
【0036】
なお、650は搬送ローラ対603とバッファローラ605との間に設けられたパンチユニットであり、このパンチユニット650は、必要に応じて動作し、搬送されてきたシートの後端付近に孔をあけるようになっている。
【0037】
一方、切り替え部材601により中綴じ製本パスYに案内されたシートは、図2に示す搬送ローラ対1001により、折り装置としての折り製本処理部1000に設けられた収納ガイド1020内に収納される。そして、シート先端が可動式のシート位置決め部材1011に接するまで搬送される。
【0038】
この後、処理工程で糊付け処理を施す場合は糊付け機1009と加圧ローラ1010によって、シートに対して糊付け処理が施される。また、複数回折りを施す場合は、第1折りローラ対1003と第1突き出し部材1002とにより構成される第1折り処理部によって、1箇所目の折りが施される。なお、このように第1折りローラ対1003のニップによって折り目を付与した後、次の処理工程に備えるために、第1折りローラ対1003は逆回転してシートをスイッチバックさせる。これにより、後端部(上側部)が仮折りされた状態で、再び先端(下側部)が収納ガイドのシート位置決め部材1011に当接するまで戻される。
【0039】
さらに、収納ガイド1020の途中位置には、2対のステイプラ1005が設けられており、このステイプラ1005と、対向するアンビル1004との協働により、シート束が中綴じされる。
【0040】
また、このステイプラ1005の下流位置には、第2折りローラ対1006と、第2折りローラ対1006に対向して設けられた第2突出し部材1008とにより構成される第2折り処理部が設けられている。
【0041】
そして、この第2折り処理部において、上流部で糊付け処理や第1折り処理、中綴じ処理を施されたシート束を、さらに折る処理が施される。なお、ここまでの各処理は全て、シート位置決め部材1011によってシートの先端位置を規制しながら、順次、シート位置決め部材1011を所定距離分だけ下降させて行う。
【0042】
次に、第2折りローラ対1006によって折られたシートは搬送ベルト1017に搬送されながら、円盤カッター1014により、シート束の天地(搬送方向の両サイド)を切断される。さらに、小口カッター1015によりシート束の小口部を切断され、この後、排出ローラ1016によりトレイ1018上に排出される。
【0043】
なお、図2において、501は画像形成動作を行わずに直接、中間処理トレイ330や収納ガイド1020にシートを挿入する装置であるインサータである。そして、このインサータ501により、表紙、合紙、裏表紙等のインサートシートを画像形成シート束の中に挿し込むことにより、インサートシートと画像形成済みのシートとを一緒に、中綴じ、或は平綴じすることができる。
【0044】
このようなインサータ501において、インサートシートを画像形成シート束の中に挿し込む場合は、インサート給紙トレイ140,141にセットされたインサートシートをピックアップローラ142,143によって給送する。そして、このインサートシートを、搬送ローラ144,145,147,148により搬送し、インサーターパス149を通って入口ローラ対602の上流部で合流させる。
【0045】
なお、このようにインサートシートをインサートするタイミングとしては、表紙であれば、束の先頭タイミングで入口ローラ対602の上流部で合流させる。このとき、複写機本体側では表紙が製本パスXに合流しきるまでの時間分、画像形成タイミングを待った後、最初のシートを、インサートシート分シート間隔を空けて搬送する。
【0046】
合紙、裏表紙の時も同様、インサートシートのシート間隔だけ空けて複写機本体100は稼動し、インサート給紙はそのシート間隔にあてはまるタイミングで給紙していく。これらのタイミングはすべて、搬送パス中のセンサーの応答信号でモニターし、制御している。
【0047】
なお、図3〜図6は、このような折り製本処理部1000において、生成される製本物の形態を示す図である。なお、図3の(a)は中折りされた1枚のシートS、図3の(b)は中綴じ製本されたシート束SAを示している。図4の(a)は内面が糊封された中折りシートS、図4の(b)は貼り合わされた2枚のシートSを示している。
【0048】
図5の(a)は三つ折りされたシートS、図5の(b)は両端を折ったものをさらに二つ折りにして観音折りされたシートSを、図6は表紙を包み込んで閉封した、即ち中綴じ製本されたシート束SAを示している。なお、このような形態以外にも「糊」と「折り」と「綴じ」を組み合わせれば、様々な形態のシート加工書類が生成可能となる。
【0049】
図7は、複写機100Aの制御ブロック図である。制御装置としてのCPU回路部400Aは、CPU407、制御プログラム等を格納したROM408、制御データを一時的に保持するための領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられるRAM409を有している。
【0050】
なお、図7において、402は複写機100Aと外部のPC401とのインターフェースである外部I/F(インターフェース)である。この外部I/F402はPC401からのプリントデータを受信すると、このデータをビットマップ画像に展開し、画像データとして画像信号制御部405へ出力する。
【0051】
そして、この画像信号制御部405は、このデータをプリンタ制御部406へ出力し、プリンタ制御部406は、画像信号制御部405からのデータを不図示の露光制御部へ出力する。なお、イメージリーダ制御部404から画像信号制御部405へは、イメージセンサ(図1参照)で読み取った原稿の画像が出力され、画像信号制御部405は、この画像出力をプリンタ制御部406へ出力する。
【0052】
また、操作部410は、画像形成に関する各種機能を設定するための複数のキー及び設定状態を表示するための表示部等を有している。そして、ユーザによる各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部400Aに出力すると共に、CPU回路部400Aからの信号に基づき対応する情報を表示部に表示する。
【0053】
CPU回路部400Aは、ROM408に格納された制御プログラム及び操作部410の設定に従い、画像信号制御部405を制御すると共に、原稿給送制御部403を介して原稿給送部131を制御する。
【0054】
また、CPU回路部400Aは、イメージリーダ制御部404を介して画像読取部(イメージリーダ部)130を、プリンタ制御部406を介して画像形成部120をそれぞれ制御する。さらに、フィニッシャ制御部411を介して、図8に示すようにフィニッシャ500に設けられた平綴じ処理部300及び折り製本処理部1000等をそれぞれ制御する。
【0055】
また、CPU回路部400Aは、PC401又は操作部410より入力、設定された、処理のモード等に基づきフィニッシャ制御部411を制御する。なお、図8は、制御部としてのフィニッシャ制御部411の制御ブロック図であり、このフィニッシャ制御部411は、I/O4110を介してシートの搬送を制御する搬送制御部4111、折り処理搬送部4112、糊付け処理部4113を制御する。
【0056】
また、フィニッシャ制御部411は、I/O4110を介して第1折り処理部4114、第2折り処理部4115、ステイプル処理部4116、折り搬送処理部4117を制御する。
【0057】
次に、トナー像と剥離力の関係について図9を用いて説明する。
【0058】
図9において、S1a〜S3aは、はがき、枚葉紙、封筒、連続紙といった一般的にトナー像を転写する電写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等によって、画像形成が可能なシートである。
【0059】
そして、このシートS1a〜S3aは、図9の(a)〜(c)に示すように貼り付け領域(トナー像部)A1〜A3が設けられており、この貼り付け領域A1〜A3にはトナー像1a〜3aが形成されている。
【0060】
S1b〜S3bは、シートS1a〜S3aに接着されるシートであり、このシートS1b〜S3bは、シートS1a〜S3aと同等の特性を有すると共に、スプレー糊、固形糊、液状糊等の接着剤が塗布される領域(接着領域)B1〜B3が設けられている。そして、この領域B1〜B3に接着剤を塗布し、矢印方向に手動、若しくは不図示のシート貼り合わせ装置により、シートS1b〜S3bをシートS1a〜S3aに貼り付けるようにしている。
【0061】
図9の(a)と(b)とを比較すると、(b)の方は、(a)のトナー像1aに比べて広い面積(例えば、約1.6倍)のトナー像2aが貼り付け領域A2に定着されている。また、図9の(c)は、(b)のトナー像2aの線に比べて、線が狭いトナー像3aが形成されている。
【0062】
図10の(a)は、シートS1bとシートS2bの剥離力及び接着面上に占めるトナー面積率と剥離力との関係を示したグラフ(図)である。そして、このグラフに示すように、接着面上に占めるトナー面積率が大きくなるほど、剥離力が小さくなっている。
【0063】
これは、トナー像の表面性と、トナー中に含有するワックス成分や定着する際に付着するシリコンオイル成分に起因するもので、トナー像と非トナー像で接着剤の接着力が変化するためである。したがって、同じ線の太さで本数が少ないためトナー像の面積が図9の(b)のシートS2aよりも少ない、図9の(a)のシートS1aの剥離力は、シートS2aに比べて大きくなる。また、線の数が同じで図9の(b)の線の太さよりも狭い、図9の(c)のシートS3aの剥離力はシートS2aに比べて大きくなる。
【0064】
また、図10の(b)は、トナー像の専有面積を一定にして、像中のトナー載り量と剥離力の関係を示したグラフ(図)である。そして、このグラフに示すように、トナーの載り量が多くなるほど、剥離力が小さくなっている。これは、トナー像の多重塗布による表面性の向上とワックス成分の増量が接着力の変化に寄与しているためである。
【0065】
このように、シートの剥離力(接着力)は、トナー像を形作るトナーの量により調整することができる。本実施の形態では、制御装置としてのCPU回路部400Aにより、プリンタ制御部406を介してトナー量を調整しながら接着力調整用のトナー像を形成するトナー像形成部である画像形成部120による接着力調整用トナー像形成動作を制御している。
【0066】
具体的には、CPU回路部400Aは画像形成部120を制御し、接着剤による接着力を調整するため画像形成部120により形成される接着力調整用のトナー像の形成面積を調整するようにしている。或は、CPU回路部400Aは接着力調整用のトナー像の単位面積あたりのトナーの量(載り量)を調整するようにしている。
【0067】
次に、このようなシート上のトナー像を形作るトナーの量により接着力の調整を行うようにした折り製本処理部1000におけるシート接着方法について説明する。
【0068】
以下、既述した図4の(a)に示す内面糊封中折りシートと、図6に示す表紙閉封中綴じ製本されたシート束SAの作成を例にして説明する。なお、図4の(a)は給与明細や個人情報等が記載された面を内側にして二つ折りされたもので、糊の貼り付け強度を高くして、中の記載事項を隠す必要がある親展書類である。図6は表紙によって閉/開封性を有する中綴じ製本で、機密性はあまり高くなく、どちらかといえば何度も繰り返し開封/閉封を行いたい書類であるとする。
【0069】
そして、本実施の形態においては、この2つの書類をシート処理装置であるフィニッシャ500において、糊の種類を変更せず実現させることができる。
【0070】
まず、内面糊封中折りシートを作成する動作について説明する。
【0071】
この場合、まず複写機本体100に設けられた操作部410(図7参照)により、「製本形態」と「糊付け箇所」、「糊付け強度」を設定し、プリント出力動作をスタートさせる。これにより、複写機本体100において、図11の(a)のようにシートSの周縁部Tに本文(通常の記録部分)以外の接着力調整用のトナー像3を載せたシート面が形成される。
【0072】
そして、このシートSは、図11の(b)のようにトナー像3を載せたシート面が下側になるように、複写機本体100から排出され、フィニッシャ500の折り製本処理部1000に導かれる。この後、このシートSは、図12の(a)に示すように、折り製本処理部1000の収納ガイド1020内に収納される。
【0073】
次に、このシートSが所定位置まで通過すると、通常は破線で示す待機位置にある加圧ローラ1010が、糊付け機側に移動し、これによりシートSは、加圧ローラ1010と、糊付け機1009とによって挟持されながら搬送される。そして、このとき図12の(b)に示すシートSの後端の斜線領域に対し、加圧ローラ1010と共に接着剤塗布部を構成する糊付け機1009によって糊付け処理が施され、シートSの接着領域である糊付け部Nが形成される。
【0074】
この後、糊付け部Nが形成されたシートSは、シート位置決め部材1011により、図13の(a)に示すように、シート中央と第2折りローラ対1006のニップ位置が一致する高さまで移動する。なお、この途中、不図示の搬送ローラは糊付け部Nの通過に合わせて離間するように構成されており、糊付け部Nの糊がローラ表面に付着することを防止している。
【0075】
次に、図13の(b)に示すように、第2突き出し部材1008によって、シートSの中央部が突かれ、第2折りローラ対1006によって折り込まれる。このとき、図12(b)に示す糊付け部Nにより、シートPの、折り部と反対側の開放側の、図11の(a)に示す周縁部Tにトナー像3を載せたシート面が貼り合わされる。
【0076】
次に、このようにシート貼り合わせ手段である第2突き出し部材1008と第2折りローラ対1006とにより、糊付け部Nと、シートの接着力調整用のトナー像3が形成された部分が貼り合わされたシートSは、搬送ベルト1017により搬送される。
【0077】
そして、このように搬送ベルト1017により搬送されながら、その途中で、図14の(a)に示すように、トンボ(基準)位置に合わせるように、予め移動していた円盤カッター1014により天地が切断される。更に、搬送ベルト1017と排出ローラ1016によって送られ、図14の(b)に示すように、小口部が小口カッター1015により切断される。
【0078】
なお、このようにして製本された後、排出された生成物(図4の(a)参照)は糊の接着強度が非常に強く、簡単には剥がれるものではない。したがって、このままの生成物状態でも機密書類として使用可能である。また、場合によっては、オフラインで設けたミシン目付け機によって、折り目以外の3辺にスリットを設けることで開封性をあげることも可能である。また、トナー像の面積を変えることによって、接着強度を変えることが可能である。
【0079】
なお、図4の(b)の成果物は、図4の(a)の折り部を小口カッター1015にてカットしたものである。ここで、これまでの説明においては、トナー像と接着領域とを同一のシート上に形成し、このシートSを貼り合せる場合について説明した。しかし、2枚のシートの一方にトナー像、他方に接着領域を形成し、トナー像と接着領域を貼り合わせることにより2枚のシートを接着しても、また2枚のシートの両方に、トナー像と接着領域を各々対応するように形成し、貼り合わせても同等の成果物が得られる。
【0080】
次に、図6に示す表紙によって閉/開封性を有する中綴じ製本されたシート束SAを作成する動作について説明する。
【0081】
この場合、まず複写機本体100に設けられた接着剤による接着力の大きさを指定する入力部である操作部410により、「製本形態」と「糊付け箇所」、「糊付け強度」を設定し、プリント出力動作をスタートさせる。これにより、複写機本体100において、シートに順次画像が形成され、この後、シートはフィニッシャ500の折り製本処理部1000の収納ガイド1020内に順次導かれる。
【0082】
そして、最後に、図15に示すように、収納ガイド1020内に順次導かれたシートを包み込む表紙及び裏面が一体になった表面シートS’の裏面となる部分Sbに接着力調整用のトナー像3が形成される。なお、図15において、Saは、この表面シートS’によりシート束を包み込んだ際、シート束の表紙となる部分である。
【0083】
この後、この表面シートS’は、表紙面が上側になるように複写機本体100から排出されて、折り製本処理部1000の収納ガイド1020内に収納される。そして、表面シートS’が所定位置まで通過すると、図16の(a)に示す待機位置にある加圧ローラ1010が、糊付け機側に移動する。
【0084】
これにより、表面シートS’は、加圧ローラ1010と糊付け機1009とによって挟持されながら搬送される。そして、このとき、糊付け機1009により、図16の(b)のように表面シートS’の表紙の表面と反対側の面の後端部の斜線領域に糊付け処理が施され、糊付け部Nが形成される。
【0085】
この後、糊付け部Nが形成された表面シートS’は、図17の(a)に示すように第1折りローラ対1003と第1突き出し部材1002により、表面シートS’の図16に示す表紙部分Saの破線部分Scに対して折りが施される。そして、このような折り処理の後、次の処理工程に備えるために表紙シートS’はスイッチバックし、図17の(b)に示すように再び先端が収納ガイドのシート位置決め部材1011に当接するまで戻される。
【0086】
次に、このようにシート位置決め部材1011に当接するまで戻された表紙シートS’と、既にシート位置決め部材1011に当接している中身のシートとの整合を行う。そして、整合が終了すると、図18の(a)に示すようにステイプラ1005によって表紙シートS’及び中身シートが、中身シートの中央部で中綴じされる。この後、中綴じされたシート束は、シート位置決め部材1011によって、中身シートの中央と第2折りローラ対1006のニップ位置が一致する高さまで移動される。
【0087】
次に、第2突き出し部材1008によって、図18の(b)に示すように、シート束SDの中央部が突かれ、第2折りローラ対1006によって折り込まれる。なお、このシート束SDの折り部が第2折りローラ対1006を通過し、先頭部が搬送ベルト1017上に載った位置で、図19の(a)に示すように第2折りローラ対1006は上下に離間する。
【0088】
この後、表紙シートS’の後端部が切替ガイド1019の先端を超えた位置で、搬送ベルト1017を逆回転させる。ここで、この切替ガイド1019は、上下方向に回動可能となっており、表紙シートS’の後端部が切替ガイド1019の先端を越えると、その先端は図19の(b)に示すように搬送ベルト1017の上方に移動するようになっている。
【0089】
このため、搬送ベルト1017を逆回転させると、表紙シートS’の後端部が切替ガイド1019の下に潜り込むようになる。また、同時に第2折りローラ対1006も接触する方向に移動する。
【0090】
次に、切替ガイド1019を下方へ動作させながら、更に搬送ベルト1017によって第2折りローラ対1006の方向に搬送する。これにより、図20の(a)に示すように、第1折りローラ対1003による折り目位置を第2折りローラ対1006にニップさせ、糊づけ位置を加圧して貼り付ける。
【0091】
この後、貼り付けが終了すると、図20の(b)に示すように、搬送ベルト1017と第2折りローラ対1006を再び逆回転し、排出ローラ1016によってトレイ1018上に排出される。
【0092】
ここで、排出された生成物は、図6に示すように、表紙によって包まれた形であるが、糊の接着強度が比較的弱く、剥離性も良いので、接着領域において繰り返し着脱することが可能となる。なお、本実施の形態においては、表紙シートS’を複写機本体100から直接、フィニッシャ500へ搬送したが、予め、複写機本体100にて出力したものを、インサータ501から給送するようにしても、同等の成果物を得ることができる。
【0093】
次に、制御部としてのフィニッシャ制御部411における、得ようとする成果物に応じた糊処理加工の制御について図21に示すフローチャートを用いて説明する。
【0094】
ユーザの操作による糊付け情報は、既述した図7に示すPC401、若しくは操作部410で設定され、外部I/F402を介して、フィニッシャ制御部411に送られる。
【0095】
そして、フィニッシャ制御部411は、まず操作部410等により糊付け処理があるか、即ち糊付け処理が設定されているかを判断する(STEP1)。糊付け処理が無い場合(STEP1のN)、STEP4へ進む。糊付け処理がある場合は(STEP1のY)、最終成果物の糊貼りつき力選択フローに移る(STEP2)。
【0096】
ここで貼り付き強度を大きく設定した場合は、STEP31へ進み、糊付け処理部(図8参照)により設定されるトナー糊付け制御パターンAによって、接着力調整用のトナー像3を形作るトナー量(少なめ)及び糊付け位置が制御される。
【0097】
また、貼り付き強度を中程度に設定した場合は、STEP32へ進み、トナー糊付け制御パターンBによってトナー量(普通)及び糊付け位置が制御される。さらに、貼り付き強度を小さく設定した場合は、STEP33へ進み、トナー糊付け制御パターンCによって、トナー量(多め)及び糊付け位置が制御される。
【0098】
そして、このように接着力調整用のトナー像3を形作るトナーの量を、得ようとする成果物に応じて調整することにより、接着剤による接着力を調整するようにしている。なお、このようなトナーの量の調整は、既述したようにトナー像の形成面積を調整する、或はトナー像の単位面積あたりのトナーの量を調整することにより行う。
【0099】
次に、このように各STEP31〜33により、糊付け処理制御が確定した後、複数折り処理が有るか判断する(STEP4)。複数折り処理が無い場合は(STEP4のN)、STEP6へ進み、複数折り処理が有る場合は(STEP4のY)、STEP5へ進み、まず第1折り処理部(図8参照)の制御によって第1折り処理が施される。
【0100】
次に、シートのステイプル綴じ処理(中綴じ処理)が有るかを判断し(STEP6)、シートのステイプル綴じ処理がない場合は(STEP6のN)、STEP8に進む。ステイプル綴じ処理がある場合は(STEP6のY)、ステイプル処理部(図8参照)の制御によって、シート(束)の中央に中綴じ処理が施される(STEP7)。次に、第2折り処理部(図8参照)の制御によって、シート(束)の折り処理制御が施される(STEP8)。
【0101】
次に、表紙包み処理があるか判断し(STEP9)、表紙包み処理がない場合は(STEP9のN)、STEP11に進む。表紙包み処理がある場合は(STEP9のY)、折り搬送処理部(図8参照)による切替ガイド駆動モータM1の駆動制御により切替ガイド1019を駆動することによって、表紙包み処理が行われる(STEP10)。
【0102】
次に、天地カットがあるか判断し(STEP11)、天地カット処理が無い場合は(STEP11のN)、STEP13へ進む。天地カット処理がある場合は(STEP11のY)、折り搬送処理部(図8参照)による前/奥円盤カッター(駆動)モータM2,M3の駆動制御によりシート(束)の天と地がカットされる(STEP12)。
【0103】
次に、小口カットがあるか判断し(STEP13)、小口カット処理が無い場合は(STEP13のN)、STEP15へ進む。小口カット処理がある場合は(STEP13のY)、折り搬送処理部(図8参照)による小口カッター駆動モータM5の駆動制御によりシート(束)の小口部がカットされる(STEP14)。そして、このようなシート(束)の天と地、及び小口部のカットが終了すると、シート(束)はトレイ上に排出される(STEP15)。
【0104】
このように、本発明によれば、シートの、糊付け部Nに貼り合わされるトナー像(部)に形成される接着力調整用のトナー像3のトナーの量を調整することにより、接着剤による接着力の強度を調整することができる。
【0105】
これにより、必要以上に大型な装置を用意することなく、また装置コストを上げることなく、さらに成果物の生産単価を上げることなく、簡易的な構成で自由に接着力の強度を調整することができる。また、接着強度設定が簡単で、自由に幅広く接着力の強度を調整することができるため、オンデマンド提供型の成果物にも対応可能となる。
【0106】
さらに、例えば、スプレー接着剤、ホットメルト等、接着剤の種類を選ぶことなしに、液状のものから固形のものまで幅広いタイプの接着剤に対して、接着力の強度を調整することができるため、使用用途が大きい。また、一般に市場普及されている装置を使用して接着力の強度を調整することができるため、幅広く利用することができる。
【0107】
なお、これまでの説明においては、フィニッシャ500を複写機本体100に接続し、複写機本体100からのシートを、フィニッシャ500によりオンラインで処理する場合について述べてきたが、本発明は、これに限らない。例えば、予め接着力調整用のトナー像が形成されたシートをインサータ501にセットすることにより、フィニッシャ500を単独で使用することができる。この場合、シートの貼り合わせ処理は、フィニッシャ制御部411(図8参照)による制御により行う。
【0108】
また、接着剤塗布部を構成する加圧ローラ1010と糊付け機1009、及びシート貼り合わせ手段を構成する第2突き出し部材1008と第2折りローラ対1006を複写機本体100に組み込み、処理するようにしてもよい。
【0109】
ところで、これまでの説明においては、糊付け部Nに貼り合わされるトナー像に形成される接着力調整用のトナー像3のトナーの量を調整することにより、接着剤による接着力の強度を調整するようにしたが、これに限らない。
【0110】
例えば、通常の記録部分に接着剤を塗布するようにしても良い。この場合、画像信号制御部405(図7)からの画像データに基づいて塗布すべき接着剤の量を決定する。具体的には、画像形成部120によって画像形成される通常の記録部分の画像データに基づいて決定されたトナー量に応じて接着剤を塗布すべき場所、面積等決定する。
【0111】
これにより、わざわざ通常の記録領域外に接着力調整用のトナー像を形成する必要がなくなり、通常の記録部分のトナー量に応じて接着剤の塗布量を調整することにより接着力の強度を調整することができる。
【0112】
また、記録領域外に接着力調整用のトナー像を形成する際、透明(クリア)トナーを用いるようにしてもよい。透明トナーにより形成された無色の接着領域は見栄えがよくなる。
【0113】
さらに、複写機本体100から折り製本処理部1000までの搬送パスに画像読取手段を設け、接着剤塗布部の塗布量を制御する制御部であるフィニッシャ制御部411が搬送シートから読み取った画像データに応じて接着剤の塗布量を調整するようにしてもよい。
【0114】
なお、インサータ501を利用して予めトナー像が形成されたシートをフィニッシャ500で処理する場合は、ユーザが操作部410からトナー載り量(例えば「少なめ」「普通」「多め」)を入力することにより接着剤の塗布量を調整する。あるいは、インサータ501からの搬送パスに画像読取手段を設け、フィニッシャ制御部411が挿入されたシートから読み取った画像データに応じて接着剤の塗布量を調整するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の一例である複写機の構成を示す図。
【図2】上記複写機に設けられたフィニッシャの構成を説明する図。
【図3】上記フィニッシャに設けられた折り製本処理部において、生成される製本物の形態を示す第1の図。
【図4】上記フィニッシャに設けられた折り製本処理部において、生成される製本物の形態を示す第2の図。
【図5】上記フィニッシャに設けられた折り製本処理部において、生成される製本物の形態を示す第3の図。
【図6】上記フィニッシャに設けられた折り製本処理部において、生成される製本物の形態を示す第4の図。
【図7】上記複写機の制御ブロック図。
【図8】上記フィニッシャに設けられたフィニッシャ制御部の制御ブロック図。
【図9】上記フィニッシャにおける接着方法を説明する図。
【図10】上記接着方法における、(a)は剥離力とトナー面積の関係を示す図、(b)は剥離力とトナー載り量の関係を示す図。
【図11】上記シート処理装置の内面糊封中折りシートを作成する動作を説明する第1の図。
【図12】上記シート処理装置の内面糊封中折りシートを作成する動作を説明する第2の図。
【図13】上記シート処理装置の内面糊封中折りシートを作成する動作を説明する第3の図。
【図14】上記シート処理装置の内面糊封中折りシートを作成する動作を説明する第4の図。
【図15】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第1の図。
【図16】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第2の図。
【図17】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第3の図。
【図18】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第4の図。
【図19】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第5の図。
【図20】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第6の図。
【図21】上記フィニッシャ制御部における得ようとする成果物に応じた糊処理加工の制御を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0116】
3 接着力調整用のトナー像
100A 白黒・カラー複写機
100 複写機本体
120 画像形成部
400A CPU回路部
410 操作部
411 フィニッシャ制御部
500 フィニッシャ
1000 折り製本処理部
1006 第2折りローラ対
1008 第2突出し部材
1009 糊付け機
1010 加圧ローラ
N 糊付け部
S シート
S’ 表面シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理装置及び画像形成装置に関し、特に画像が形成されたシートを接着剤により貼り合わせる処理を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンタ、これらの複合機等の画像形成装置においては、画像が形成された例えば紙、樹脂フィルム、金属シート等のシートを貼り合わせるシート処理装置を備えたものがある。そして、このようにシートを貼り合わせる方法として、液状の接着剤、或は乾燥型の接着剤塗布による接着手法が一般的に実施されている。
【0003】
ところで、近年、シート接着の際の、接着力に関するニーズは多岐にわたってきている。例えば、情報の機密性を考慮し、情報表示面を折り畳んで、そのままダイレクトメールにする書類であれば、接着力は郵送中の負荷に対して折り畳んだ情報表示面が開かないよう、ある程度の強度が必要である。また、手で貼り付け部を開けようとした時には、書類が破損しない程度の剥離力を有する接着強度である必要がある。
【0004】
また、付箋紙のような一時的に貼り付けるためのシートの場合には、接着力は弱く、剥離性を高くする必要が有り、機密封書のような場合は、貼り付け部からは容易に剥がれないような高い接着強度を必要とする。つまり、接着するシートの種類や用途に応じて、それぞれ異なる接着強度や剥離性が必要であり、このためシート処理装置においては、それぞれ対応するように装置ごとに調整する必要があった。
【0005】
そこで、このような接着力を容易に調整できるようにしたものとして、例えば微小硬質物質を含む接着力調整剤が添加された接着剤調整層を中間に設け、この接着剤調整層により接着強度の調整を行っているものがある(特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
また、感圧性接着剤を用いて、接着剤塗布面の30〜60%の範囲に4色インキでスクリーン印刷することで、感圧性接着剤の露出面積の調整によって、接着強度を調整する方法が開示されている(特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平5−185768号公報
【特許文献2】特開平7−1872号公報
【特許文献3】特開平7−299974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、既述した従来のシート処理装置及び画像形成装置において、例えば接着剤調整層をシートと接着剤の中間部に設けて接着強度を調整する方式の場合、シートと接着剤の間に接着力調整剤が塗布された接着剤調整シートを挿し込む工程が必要となる。
【0009】
ここで、この挿し込み工程はシートへの印字の前にあることが前提条件となるため、画像形成部の上流に接着剤調整シートと、シートの合流部が必要である。また、接着剤として感圧性接着剤を使用するようにしているため、画像形成部の下流に折り・加圧手段を設ける必要がある。
【0010】
さらに、接着剤調整シートを使用する際、合流部の上流に接着剤調整シートをセットするが、接着強度調整が必要なシート上の領域、或は接着強度自体の設定が変わるたびに、異なるサイズの強度調整シートを用意し、装置に設定する必要があった。また、シートとの合流部においても、挿し込みタイミングを変更するなど、その他の調整事項も多い。
【0011】
この結果、装置の大型化、装置コストアップ、生産シート単価アップ、接着剤の限定特殊化、生産効率の低下(特に多品種小ロット生産のようなオンデマンド生産能力の欠如)という課題がある。
【0012】
また、接着剤塗布面の30〜60%の範囲に印刷し、感圧性接着剤の露出面積を調整することによって接着強度を調整する方法においては、少なくとも印字は接着剤塗布後に行う必要がある。
【0013】
ここで、画像形成部と接着剤との関係を考慮すると、一般的なオフセット、凸版、凹版、孔版、電子写真トナー等のような版と被印刷体とを接触で印刷する方式を用いると、印字部が接着剤の粘性体によって、消耗する可能性が高い。また、接着剤として液状タイプを使用すると、インクを接着剤の上に印刷するため、インクの載り性が低下する。
【0014】
このようなことから、接着剤の上にインクを塗り重ねて接着強度を調整する方式においては、使用できる接着剤は乾燥性の感圧性接着剤に限定される。更に、感圧性接着剤を使用する場合、接着性を付与するために、加圧手段が必要になる。また、加圧手段により加圧した場合、インクが印字面の反対側に転移するオフセット現象が発生する可能性がある。
【0015】
この結果、装置の大型化、装置コストアップ、生産シート単価アップ、接着剤の限定特殊化という課題があった。
【0016】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で接着力の強度を調整することのできるシート処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、画像形成装置において、シート上にトナー像を形成する画像形成部と、シートに接着剤を塗布する接着剤塗布部を有するシート処理装置と、を備え、前記画像形成部によりシート上に形成されたトナー像と、シートの前記接着剤が塗布された接着領域とを貼り合わせることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明のように、シートの、接着剤が塗布された接着領域に貼り合わされる部分に形成されるトナー像のトナーの量を調整して接着剤による接着力を調整することにより、簡単な構成で接着力の強度を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の一例である複写機の構成を示す図である。
【0021】
図1において、100Aは白黒・カラー複写機(以下、複写機という)、100は複写機本体(画像形成装置本体)である。この複写機本体100の上部には原稿給送部131を備えた画像読取部130が、内部には画像形成部120がそれぞれ設けられると共に、複写機本体100の側面にはシート処理装置であるフィニッシャ500が接続されている。
【0022】
ここで、この画像形成部120は、不図示の超音波モータにより駆動されると共に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する、平行に配置された4つの感光体ドラム101(101a〜101d)を備えている。また、感光体ドラム101a〜101dの周囲には、それぞれ一次帯電器102(102a〜102d)、現像器103(103a〜103d)及び転写帯電器104(104a〜104d)が配置されている。
【0023】
また、感光体ドラム101の上方にはLED等で構成される不図示の露光装置が配置され、感光体ドラム101と転写帯電器104との間には、これを縦断する態様で配置された転写ベルト121が配置されている。
【0024】
次に、このように構成された複写機100Aの画像形成動作について説明する。
【0025】
画像読取部130により原稿画像が読み取られる、あるいは、外部のPC401(図7)からのプリントデータが送信されると、画像形成動作が開始される。一方、画像形成部120では、まず感光体ドラム101が時計回りに回転駆動され、これにより一次帯電器102は感光体ドラム101の周面に一様な電荷を付与する。この後、不図示の露光装置は、画像読取部130により読み取られた原稿画像情報、あるいは外部のPC401からのプリントデータに基づいて感光体ドラム101の周面に露光を行う。これにより、感光体ドラム101周面上には静電潜像が形成される。
【0026】
次に、この静電潜像を現像器103によって現像することにより、感光体ドラム表面にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のトナー画像が形成される。
【0027】
また、このトナー画像形成動作に並行して給紙カセット107a,107bに収容されたシートSは、搬送ベルト108a,108bに連通されたファンからのエア吸引により上層部が捌かれ、1枚ずつピックアップされる。この後、シートSは、搬送ローラ109a,109bを経て、レジストローラ110でタイミングを合わされた後、搬送ガイドに案内されて押さえローラ110aと転写ベルト121で構成されるニップ部に搬送され、転写ベルト121上を搬送される。
【0028】
なお、この押さえローラ110aは不図示の加圧アームで保持され、不図示の加圧ばねにより転写ベルト側に付勢されると共に、転写ベルト121を挟んだ対向側にはバックアップローラ110bが設けられている。
【0029】
次に、このように転写ベルト121上を搬送されるシートSが感光体ドラム101と転写ベルト121とが圧接する転写部に搬送される。そして、この転写部において、トナーと逆極性の電圧を印加された転写帯電器104により感光体ドラム101上のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー画像が、シートS上に順次重ね合わせて転写される。
【0030】
次に、このように4色のトナー画像が多重転写されたシートSは、定着装置111へと搬入され、この定着装置111において、トナー像がシートS上に定着され、トナー像が定着されたシートSは、排紙ローラ対113によりフィニッシャ500に排出される。
【0031】
ここで、このフィニッシャ500は、複写機本体100から排出されたシートを順に取り込み、取り込んだ複数のシートを整合して1つの束に束ねる処理、束ねたシート束の後端をステイプルで綴じるステイプル処理を行うものである。さらに、取り込んだシートの後端付近に孔あけをするパンチ処理、ソート処理、ノンソート処理、中綴じ製本処理、折り処理、糊付け処理、閉封処理等の処理を行うものである。
【0032】
また、このフィニッシャ500は複写機本体100から排出されるシートを、オンラインで処理することができるようになっている。さらに、フィニッシャ500は、オプションとして使用されることがあるため、複写機本体100は、単独でも使用できるようになっている。また、フィニッシャ500と複写機本体100は、一体であってもよい。
【0033】
このフィニッシャ500は、複写機本体100から排出されたシートを内部に導くための入口ローラ対602を有している。この入口ローラ対602の下流側には、シートを、平綴じ処理部300に案内する平綴じ製本パスX、又は折り製本処理部1000に案内する中綴じ製本パスYに選択的に案内する切り替え部材601が設けられている。
【0034】
そして、切り替え部材601により平綴じ製本パスXに導かれたシートは、搬送ローラ対603を介してバッファローラ605に向けて送られる。ここで、バッファローラ605は、その外周に送られたシートを所定枚数積層して巻き付けられるローラである。バッファローラ605に送られたシートは、下流に配置された切り替え部材611によって、サンプルトレイ621に積載されるか、若しくは平綴じ処理部300内のシート積載手段である中間処理トレイ330に積載される。
【0035】
この後、中間処理トレイ330上に束状に積載されたシートは、必要に応じて整合処理、ステイプラ301によるステイプル処理等が施された後、排出ローラ380a,380bによりスタックトレイ622上に排出される。
【0036】
なお、650は搬送ローラ対603とバッファローラ605との間に設けられたパンチユニットであり、このパンチユニット650は、必要に応じて動作し、搬送されてきたシートの後端付近に孔をあけるようになっている。
【0037】
一方、切り替え部材601により中綴じ製本パスYに案内されたシートは、図2に示す搬送ローラ対1001により、折り装置としての折り製本処理部1000に設けられた収納ガイド1020内に収納される。そして、シート先端が可動式のシート位置決め部材1011に接するまで搬送される。
【0038】
この後、処理工程で糊付け処理を施す場合は糊付け機1009と加圧ローラ1010によって、シートに対して糊付け処理が施される。また、複数回折りを施す場合は、第1折りローラ対1003と第1突き出し部材1002とにより構成される第1折り処理部によって、1箇所目の折りが施される。なお、このように第1折りローラ対1003のニップによって折り目を付与した後、次の処理工程に備えるために、第1折りローラ対1003は逆回転してシートをスイッチバックさせる。これにより、後端部(上側部)が仮折りされた状態で、再び先端(下側部)が収納ガイドのシート位置決め部材1011に当接するまで戻される。
【0039】
さらに、収納ガイド1020の途中位置には、2対のステイプラ1005が設けられており、このステイプラ1005と、対向するアンビル1004との協働により、シート束が中綴じされる。
【0040】
また、このステイプラ1005の下流位置には、第2折りローラ対1006と、第2折りローラ対1006に対向して設けられた第2突出し部材1008とにより構成される第2折り処理部が設けられている。
【0041】
そして、この第2折り処理部において、上流部で糊付け処理や第1折り処理、中綴じ処理を施されたシート束を、さらに折る処理が施される。なお、ここまでの各処理は全て、シート位置決め部材1011によってシートの先端位置を規制しながら、順次、シート位置決め部材1011を所定距離分だけ下降させて行う。
【0042】
次に、第2折りローラ対1006によって折られたシートは搬送ベルト1017に搬送されながら、円盤カッター1014により、シート束の天地(搬送方向の両サイド)を切断される。さらに、小口カッター1015によりシート束の小口部を切断され、この後、排出ローラ1016によりトレイ1018上に排出される。
【0043】
なお、図2において、501は画像形成動作を行わずに直接、中間処理トレイ330や収納ガイド1020にシートを挿入する装置であるインサータである。そして、このインサータ501により、表紙、合紙、裏表紙等のインサートシートを画像形成シート束の中に挿し込むことにより、インサートシートと画像形成済みのシートとを一緒に、中綴じ、或は平綴じすることができる。
【0044】
このようなインサータ501において、インサートシートを画像形成シート束の中に挿し込む場合は、インサート給紙トレイ140,141にセットされたインサートシートをピックアップローラ142,143によって給送する。そして、このインサートシートを、搬送ローラ144,145,147,148により搬送し、インサーターパス149を通って入口ローラ対602の上流部で合流させる。
【0045】
なお、このようにインサートシートをインサートするタイミングとしては、表紙であれば、束の先頭タイミングで入口ローラ対602の上流部で合流させる。このとき、複写機本体側では表紙が製本パスXに合流しきるまでの時間分、画像形成タイミングを待った後、最初のシートを、インサートシート分シート間隔を空けて搬送する。
【0046】
合紙、裏表紙の時も同様、インサートシートのシート間隔だけ空けて複写機本体100は稼動し、インサート給紙はそのシート間隔にあてはまるタイミングで給紙していく。これらのタイミングはすべて、搬送パス中のセンサーの応答信号でモニターし、制御している。
【0047】
なお、図3〜図6は、このような折り製本処理部1000において、生成される製本物の形態を示す図である。なお、図3の(a)は中折りされた1枚のシートS、図3の(b)は中綴じ製本されたシート束SAを示している。図4の(a)は内面が糊封された中折りシートS、図4の(b)は貼り合わされた2枚のシートSを示している。
【0048】
図5の(a)は三つ折りされたシートS、図5の(b)は両端を折ったものをさらに二つ折りにして観音折りされたシートSを、図6は表紙を包み込んで閉封した、即ち中綴じ製本されたシート束SAを示している。なお、このような形態以外にも「糊」と「折り」と「綴じ」を組み合わせれば、様々な形態のシート加工書類が生成可能となる。
【0049】
図7は、複写機100Aの制御ブロック図である。制御装置としてのCPU回路部400Aは、CPU407、制御プログラム等を格納したROM408、制御データを一時的に保持するための領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられるRAM409を有している。
【0050】
なお、図7において、402は複写機100Aと外部のPC401とのインターフェースである外部I/F(インターフェース)である。この外部I/F402はPC401からのプリントデータを受信すると、このデータをビットマップ画像に展開し、画像データとして画像信号制御部405へ出力する。
【0051】
そして、この画像信号制御部405は、このデータをプリンタ制御部406へ出力し、プリンタ制御部406は、画像信号制御部405からのデータを不図示の露光制御部へ出力する。なお、イメージリーダ制御部404から画像信号制御部405へは、イメージセンサ(図1参照)で読み取った原稿の画像が出力され、画像信号制御部405は、この画像出力をプリンタ制御部406へ出力する。
【0052】
また、操作部410は、画像形成に関する各種機能を設定するための複数のキー及び設定状態を表示するための表示部等を有している。そして、ユーザによる各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部400Aに出力すると共に、CPU回路部400Aからの信号に基づき対応する情報を表示部に表示する。
【0053】
CPU回路部400Aは、ROM408に格納された制御プログラム及び操作部410の設定に従い、画像信号制御部405を制御すると共に、原稿給送制御部403を介して原稿給送部131を制御する。
【0054】
また、CPU回路部400Aは、イメージリーダ制御部404を介して画像読取部(イメージリーダ部)130を、プリンタ制御部406を介して画像形成部120をそれぞれ制御する。さらに、フィニッシャ制御部411を介して、図8に示すようにフィニッシャ500に設けられた平綴じ処理部300及び折り製本処理部1000等をそれぞれ制御する。
【0055】
また、CPU回路部400Aは、PC401又は操作部410より入力、設定された、処理のモード等に基づきフィニッシャ制御部411を制御する。なお、図8は、制御部としてのフィニッシャ制御部411の制御ブロック図であり、このフィニッシャ制御部411は、I/O4110を介してシートの搬送を制御する搬送制御部4111、折り処理搬送部4112、糊付け処理部4113を制御する。
【0056】
また、フィニッシャ制御部411は、I/O4110を介して第1折り処理部4114、第2折り処理部4115、ステイプル処理部4116、折り搬送処理部4117を制御する。
【0057】
次に、トナー像と剥離力の関係について図9を用いて説明する。
【0058】
図9において、S1a〜S3aは、はがき、枚葉紙、封筒、連続紙といった一般的にトナー像を転写する電写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等によって、画像形成が可能なシートである。
【0059】
そして、このシートS1a〜S3aは、図9の(a)〜(c)に示すように貼り付け領域(トナー像部)A1〜A3が設けられており、この貼り付け領域A1〜A3にはトナー像1a〜3aが形成されている。
【0060】
S1b〜S3bは、シートS1a〜S3aに接着されるシートであり、このシートS1b〜S3bは、シートS1a〜S3aと同等の特性を有すると共に、スプレー糊、固形糊、液状糊等の接着剤が塗布される領域(接着領域)B1〜B3が設けられている。そして、この領域B1〜B3に接着剤を塗布し、矢印方向に手動、若しくは不図示のシート貼り合わせ装置により、シートS1b〜S3bをシートS1a〜S3aに貼り付けるようにしている。
【0061】
図9の(a)と(b)とを比較すると、(b)の方は、(a)のトナー像1aに比べて広い面積(例えば、約1.6倍)のトナー像2aが貼り付け領域A2に定着されている。また、図9の(c)は、(b)のトナー像2aの線に比べて、線が狭いトナー像3aが形成されている。
【0062】
図10の(a)は、シートS1bとシートS2bの剥離力及び接着面上に占めるトナー面積率と剥離力との関係を示したグラフ(図)である。そして、このグラフに示すように、接着面上に占めるトナー面積率が大きくなるほど、剥離力が小さくなっている。
【0063】
これは、トナー像の表面性と、トナー中に含有するワックス成分や定着する際に付着するシリコンオイル成分に起因するもので、トナー像と非トナー像で接着剤の接着力が変化するためである。したがって、同じ線の太さで本数が少ないためトナー像の面積が図9の(b)のシートS2aよりも少ない、図9の(a)のシートS1aの剥離力は、シートS2aに比べて大きくなる。また、線の数が同じで図9の(b)の線の太さよりも狭い、図9の(c)のシートS3aの剥離力はシートS2aに比べて大きくなる。
【0064】
また、図10の(b)は、トナー像の専有面積を一定にして、像中のトナー載り量と剥離力の関係を示したグラフ(図)である。そして、このグラフに示すように、トナーの載り量が多くなるほど、剥離力が小さくなっている。これは、トナー像の多重塗布による表面性の向上とワックス成分の増量が接着力の変化に寄与しているためである。
【0065】
このように、シートの剥離力(接着力)は、トナー像を形作るトナーの量により調整することができる。本実施の形態では、制御装置としてのCPU回路部400Aにより、プリンタ制御部406を介してトナー量を調整しながら接着力調整用のトナー像を形成するトナー像形成部である画像形成部120による接着力調整用トナー像形成動作を制御している。
【0066】
具体的には、CPU回路部400Aは画像形成部120を制御し、接着剤による接着力を調整するため画像形成部120により形成される接着力調整用のトナー像の形成面積を調整するようにしている。或は、CPU回路部400Aは接着力調整用のトナー像の単位面積あたりのトナーの量(載り量)を調整するようにしている。
【0067】
次に、このようなシート上のトナー像を形作るトナーの量により接着力の調整を行うようにした折り製本処理部1000におけるシート接着方法について説明する。
【0068】
以下、既述した図4の(a)に示す内面糊封中折りシートと、図6に示す表紙閉封中綴じ製本されたシート束SAの作成を例にして説明する。なお、図4の(a)は給与明細や個人情報等が記載された面を内側にして二つ折りされたもので、糊の貼り付け強度を高くして、中の記載事項を隠す必要がある親展書類である。図6は表紙によって閉/開封性を有する中綴じ製本で、機密性はあまり高くなく、どちらかといえば何度も繰り返し開封/閉封を行いたい書類であるとする。
【0069】
そして、本実施の形態においては、この2つの書類をシート処理装置であるフィニッシャ500において、糊の種類を変更せず実現させることができる。
【0070】
まず、内面糊封中折りシートを作成する動作について説明する。
【0071】
この場合、まず複写機本体100に設けられた操作部410(図7参照)により、「製本形態」と「糊付け箇所」、「糊付け強度」を設定し、プリント出力動作をスタートさせる。これにより、複写機本体100において、図11の(a)のようにシートSの周縁部Tに本文(通常の記録部分)以外の接着力調整用のトナー像3を載せたシート面が形成される。
【0072】
そして、このシートSは、図11の(b)のようにトナー像3を載せたシート面が下側になるように、複写機本体100から排出され、フィニッシャ500の折り製本処理部1000に導かれる。この後、このシートSは、図12の(a)に示すように、折り製本処理部1000の収納ガイド1020内に収納される。
【0073】
次に、このシートSが所定位置まで通過すると、通常は破線で示す待機位置にある加圧ローラ1010が、糊付け機側に移動し、これによりシートSは、加圧ローラ1010と、糊付け機1009とによって挟持されながら搬送される。そして、このとき図12の(b)に示すシートSの後端の斜線領域に対し、加圧ローラ1010と共に接着剤塗布部を構成する糊付け機1009によって糊付け処理が施され、シートSの接着領域である糊付け部Nが形成される。
【0074】
この後、糊付け部Nが形成されたシートSは、シート位置決め部材1011により、図13の(a)に示すように、シート中央と第2折りローラ対1006のニップ位置が一致する高さまで移動する。なお、この途中、不図示の搬送ローラは糊付け部Nの通過に合わせて離間するように構成されており、糊付け部Nの糊がローラ表面に付着することを防止している。
【0075】
次に、図13の(b)に示すように、第2突き出し部材1008によって、シートSの中央部が突かれ、第2折りローラ対1006によって折り込まれる。このとき、図12(b)に示す糊付け部Nにより、シートPの、折り部と反対側の開放側の、図11の(a)に示す周縁部Tにトナー像3を載せたシート面が貼り合わされる。
【0076】
次に、このようにシート貼り合わせ手段である第2突き出し部材1008と第2折りローラ対1006とにより、糊付け部Nと、シートの接着力調整用のトナー像3が形成された部分が貼り合わされたシートSは、搬送ベルト1017により搬送される。
【0077】
そして、このように搬送ベルト1017により搬送されながら、その途中で、図14の(a)に示すように、トンボ(基準)位置に合わせるように、予め移動していた円盤カッター1014により天地が切断される。更に、搬送ベルト1017と排出ローラ1016によって送られ、図14の(b)に示すように、小口部が小口カッター1015により切断される。
【0078】
なお、このようにして製本された後、排出された生成物(図4の(a)参照)は糊の接着強度が非常に強く、簡単には剥がれるものではない。したがって、このままの生成物状態でも機密書類として使用可能である。また、場合によっては、オフラインで設けたミシン目付け機によって、折り目以外の3辺にスリットを設けることで開封性をあげることも可能である。また、トナー像の面積を変えることによって、接着強度を変えることが可能である。
【0079】
なお、図4の(b)の成果物は、図4の(a)の折り部を小口カッター1015にてカットしたものである。ここで、これまでの説明においては、トナー像と接着領域とを同一のシート上に形成し、このシートSを貼り合せる場合について説明した。しかし、2枚のシートの一方にトナー像、他方に接着領域を形成し、トナー像と接着領域を貼り合わせることにより2枚のシートを接着しても、また2枚のシートの両方に、トナー像と接着領域を各々対応するように形成し、貼り合わせても同等の成果物が得られる。
【0080】
次に、図6に示す表紙によって閉/開封性を有する中綴じ製本されたシート束SAを作成する動作について説明する。
【0081】
この場合、まず複写機本体100に設けられた接着剤による接着力の大きさを指定する入力部である操作部410により、「製本形態」と「糊付け箇所」、「糊付け強度」を設定し、プリント出力動作をスタートさせる。これにより、複写機本体100において、シートに順次画像が形成され、この後、シートはフィニッシャ500の折り製本処理部1000の収納ガイド1020内に順次導かれる。
【0082】
そして、最後に、図15に示すように、収納ガイド1020内に順次導かれたシートを包み込む表紙及び裏面が一体になった表面シートS’の裏面となる部分Sbに接着力調整用のトナー像3が形成される。なお、図15において、Saは、この表面シートS’によりシート束を包み込んだ際、シート束の表紙となる部分である。
【0083】
この後、この表面シートS’は、表紙面が上側になるように複写機本体100から排出されて、折り製本処理部1000の収納ガイド1020内に収納される。そして、表面シートS’が所定位置まで通過すると、図16の(a)に示す待機位置にある加圧ローラ1010が、糊付け機側に移動する。
【0084】
これにより、表面シートS’は、加圧ローラ1010と糊付け機1009とによって挟持されながら搬送される。そして、このとき、糊付け機1009により、図16の(b)のように表面シートS’の表紙の表面と反対側の面の後端部の斜線領域に糊付け処理が施され、糊付け部Nが形成される。
【0085】
この後、糊付け部Nが形成された表面シートS’は、図17の(a)に示すように第1折りローラ対1003と第1突き出し部材1002により、表面シートS’の図16に示す表紙部分Saの破線部分Scに対して折りが施される。そして、このような折り処理の後、次の処理工程に備えるために表紙シートS’はスイッチバックし、図17の(b)に示すように再び先端が収納ガイドのシート位置決め部材1011に当接するまで戻される。
【0086】
次に、このようにシート位置決め部材1011に当接するまで戻された表紙シートS’と、既にシート位置決め部材1011に当接している中身のシートとの整合を行う。そして、整合が終了すると、図18の(a)に示すようにステイプラ1005によって表紙シートS’及び中身シートが、中身シートの中央部で中綴じされる。この後、中綴じされたシート束は、シート位置決め部材1011によって、中身シートの中央と第2折りローラ対1006のニップ位置が一致する高さまで移動される。
【0087】
次に、第2突き出し部材1008によって、図18の(b)に示すように、シート束SDの中央部が突かれ、第2折りローラ対1006によって折り込まれる。なお、このシート束SDの折り部が第2折りローラ対1006を通過し、先頭部が搬送ベルト1017上に載った位置で、図19の(a)に示すように第2折りローラ対1006は上下に離間する。
【0088】
この後、表紙シートS’の後端部が切替ガイド1019の先端を超えた位置で、搬送ベルト1017を逆回転させる。ここで、この切替ガイド1019は、上下方向に回動可能となっており、表紙シートS’の後端部が切替ガイド1019の先端を越えると、その先端は図19の(b)に示すように搬送ベルト1017の上方に移動するようになっている。
【0089】
このため、搬送ベルト1017を逆回転させると、表紙シートS’の後端部が切替ガイド1019の下に潜り込むようになる。また、同時に第2折りローラ対1006も接触する方向に移動する。
【0090】
次に、切替ガイド1019を下方へ動作させながら、更に搬送ベルト1017によって第2折りローラ対1006の方向に搬送する。これにより、図20の(a)に示すように、第1折りローラ対1003による折り目位置を第2折りローラ対1006にニップさせ、糊づけ位置を加圧して貼り付ける。
【0091】
この後、貼り付けが終了すると、図20の(b)に示すように、搬送ベルト1017と第2折りローラ対1006を再び逆回転し、排出ローラ1016によってトレイ1018上に排出される。
【0092】
ここで、排出された生成物は、図6に示すように、表紙によって包まれた形であるが、糊の接着強度が比較的弱く、剥離性も良いので、接着領域において繰り返し着脱することが可能となる。なお、本実施の形態においては、表紙シートS’を複写機本体100から直接、フィニッシャ500へ搬送したが、予め、複写機本体100にて出力したものを、インサータ501から給送するようにしても、同等の成果物を得ることができる。
【0093】
次に、制御部としてのフィニッシャ制御部411における、得ようとする成果物に応じた糊処理加工の制御について図21に示すフローチャートを用いて説明する。
【0094】
ユーザの操作による糊付け情報は、既述した図7に示すPC401、若しくは操作部410で設定され、外部I/F402を介して、フィニッシャ制御部411に送られる。
【0095】
そして、フィニッシャ制御部411は、まず操作部410等により糊付け処理があるか、即ち糊付け処理が設定されているかを判断する(STEP1)。糊付け処理が無い場合(STEP1のN)、STEP4へ進む。糊付け処理がある場合は(STEP1のY)、最終成果物の糊貼りつき力選択フローに移る(STEP2)。
【0096】
ここで貼り付き強度を大きく設定した場合は、STEP31へ進み、糊付け処理部(図8参照)により設定されるトナー糊付け制御パターンAによって、接着力調整用のトナー像3を形作るトナー量(少なめ)及び糊付け位置が制御される。
【0097】
また、貼り付き強度を中程度に設定した場合は、STEP32へ進み、トナー糊付け制御パターンBによってトナー量(普通)及び糊付け位置が制御される。さらに、貼り付き強度を小さく設定した場合は、STEP33へ進み、トナー糊付け制御パターンCによって、トナー量(多め)及び糊付け位置が制御される。
【0098】
そして、このように接着力調整用のトナー像3を形作るトナーの量を、得ようとする成果物に応じて調整することにより、接着剤による接着力を調整するようにしている。なお、このようなトナーの量の調整は、既述したようにトナー像の形成面積を調整する、或はトナー像の単位面積あたりのトナーの量を調整することにより行う。
【0099】
次に、このように各STEP31〜33により、糊付け処理制御が確定した後、複数折り処理が有るか判断する(STEP4)。複数折り処理が無い場合は(STEP4のN)、STEP6へ進み、複数折り処理が有る場合は(STEP4のY)、STEP5へ進み、まず第1折り処理部(図8参照)の制御によって第1折り処理が施される。
【0100】
次に、シートのステイプル綴じ処理(中綴じ処理)が有るかを判断し(STEP6)、シートのステイプル綴じ処理がない場合は(STEP6のN)、STEP8に進む。ステイプル綴じ処理がある場合は(STEP6のY)、ステイプル処理部(図8参照)の制御によって、シート(束)の中央に中綴じ処理が施される(STEP7)。次に、第2折り処理部(図8参照)の制御によって、シート(束)の折り処理制御が施される(STEP8)。
【0101】
次に、表紙包み処理があるか判断し(STEP9)、表紙包み処理がない場合は(STEP9のN)、STEP11に進む。表紙包み処理がある場合は(STEP9のY)、折り搬送処理部(図8参照)による切替ガイド駆動モータM1の駆動制御により切替ガイド1019を駆動することによって、表紙包み処理が行われる(STEP10)。
【0102】
次に、天地カットがあるか判断し(STEP11)、天地カット処理が無い場合は(STEP11のN)、STEP13へ進む。天地カット処理がある場合は(STEP11のY)、折り搬送処理部(図8参照)による前/奥円盤カッター(駆動)モータM2,M3の駆動制御によりシート(束)の天と地がカットされる(STEP12)。
【0103】
次に、小口カットがあるか判断し(STEP13)、小口カット処理が無い場合は(STEP13のN)、STEP15へ進む。小口カット処理がある場合は(STEP13のY)、折り搬送処理部(図8参照)による小口カッター駆動モータM5の駆動制御によりシート(束)の小口部がカットされる(STEP14)。そして、このようなシート(束)の天と地、及び小口部のカットが終了すると、シート(束)はトレイ上に排出される(STEP15)。
【0104】
このように、本発明によれば、シートの、糊付け部Nに貼り合わされるトナー像(部)に形成される接着力調整用のトナー像3のトナーの量を調整することにより、接着剤による接着力の強度を調整することができる。
【0105】
これにより、必要以上に大型な装置を用意することなく、また装置コストを上げることなく、さらに成果物の生産単価を上げることなく、簡易的な構成で自由に接着力の強度を調整することができる。また、接着強度設定が簡単で、自由に幅広く接着力の強度を調整することができるため、オンデマンド提供型の成果物にも対応可能となる。
【0106】
さらに、例えば、スプレー接着剤、ホットメルト等、接着剤の種類を選ぶことなしに、液状のものから固形のものまで幅広いタイプの接着剤に対して、接着力の強度を調整することができるため、使用用途が大きい。また、一般に市場普及されている装置を使用して接着力の強度を調整することができるため、幅広く利用することができる。
【0107】
なお、これまでの説明においては、フィニッシャ500を複写機本体100に接続し、複写機本体100からのシートを、フィニッシャ500によりオンラインで処理する場合について述べてきたが、本発明は、これに限らない。例えば、予め接着力調整用のトナー像が形成されたシートをインサータ501にセットすることにより、フィニッシャ500を単独で使用することができる。この場合、シートの貼り合わせ処理は、フィニッシャ制御部411(図8参照)による制御により行う。
【0108】
また、接着剤塗布部を構成する加圧ローラ1010と糊付け機1009、及びシート貼り合わせ手段を構成する第2突き出し部材1008と第2折りローラ対1006を複写機本体100に組み込み、処理するようにしてもよい。
【0109】
ところで、これまでの説明においては、糊付け部Nに貼り合わされるトナー像に形成される接着力調整用のトナー像3のトナーの量を調整することにより、接着剤による接着力の強度を調整するようにしたが、これに限らない。
【0110】
例えば、通常の記録部分に接着剤を塗布するようにしても良い。この場合、画像信号制御部405(図7)からの画像データに基づいて塗布すべき接着剤の量を決定する。具体的には、画像形成部120によって画像形成される通常の記録部分の画像データに基づいて決定されたトナー量に応じて接着剤を塗布すべき場所、面積等決定する。
【0111】
これにより、わざわざ通常の記録領域外に接着力調整用のトナー像を形成する必要がなくなり、通常の記録部分のトナー量に応じて接着剤の塗布量を調整することにより接着力の強度を調整することができる。
【0112】
また、記録領域外に接着力調整用のトナー像を形成する際、透明(クリア)トナーを用いるようにしてもよい。透明トナーにより形成された無色の接着領域は見栄えがよくなる。
【0113】
さらに、複写機本体100から折り製本処理部1000までの搬送パスに画像読取手段を設け、接着剤塗布部の塗布量を制御する制御部であるフィニッシャ制御部411が搬送シートから読み取った画像データに応じて接着剤の塗布量を調整するようにしてもよい。
【0114】
なお、インサータ501を利用して予めトナー像が形成されたシートをフィニッシャ500で処理する場合は、ユーザが操作部410からトナー載り量(例えば「少なめ」「普通」「多め」)を入力することにより接着剤の塗布量を調整する。あるいは、インサータ501からの搬送パスに画像読取手段を設け、フィニッシャ制御部411が挿入されたシートから読み取った画像データに応じて接着剤の塗布量を調整するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の一例である複写機の構成を示す図。
【図2】上記複写機に設けられたフィニッシャの構成を説明する図。
【図3】上記フィニッシャに設けられた折り製本処理部において、生成される製本物の形態を示す第1の図。
【図4】上記フィニッシャに設けられた折り製本処理部において、生成される製本物の形態を示す第2の図。
【図5】上記フィニッシャに設けられた折り製本処理部において、生成される製本物の形態を示す第3の図。
【図6】上記フィニッシャに設けられた折り製本処理部において、生成される製本物の形態を示す第4の図。
【図7】上記複写機の制御ブロック図。
【図8】上記フィニッシャに設けられたフィニッシャ制御部の制御ブロック図。
【図9】上記フィニッシャにおける接着方法を説明する図。
【図10】上記接着方法における、(a)は剥離力とトナー面積の関係を示す図、(b)は剥離力とトナー載り量の関係を示す図。
【図11】上記シート処理装置の内面糊封中折りシートを作成する動作を説明する第1の図。
【図12】上記シート処理装置の内面糊封中折りシートを作成する動作を説明する第2の図。
【図13】上記シート処理装置の内面糊封中折りシートを作成する動作を説明する第3の図。
【図14】上記シート処理装置の内面糊封中折りシートを作成する動作を説明する第4の図。
【図15】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第1の図。
【図16】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第2の図。
【図17】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第3の図。
【図18】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第4の図。
【図19】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第5の図。
【図20】上記シート処理装置の中綴じ製本されたシート束を作成する動作を説明する第6の図。
【図21】上記フィニッシャ制御部における得ようとする成果物に応じた糊処理加工の制御を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0116】
3 接着力調整用のトナー像
100A 白黒・カラー複写機
100 複写機本体
120 画像形成部
400A CPU回路部
410 操作部
411 フィニッシャ制御部
500 フィニッシャ
1000 折り製本処理部
1006 第2折りローラ対
1008 第2突出し部材
1009 糊付け機
1010 加圧ローラ
N 糊付け部
S シート
S’ 表面シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置において、
シート上にトナー像を形成する画像形成部と、
シートに接着剤を塗布する接着剤塗布部を有するシート処理装置と、を備え、
前記画像形成部によりシート上に形成されたトナー像と、シートの前記接着剤が塗布された接着領域とを貼り合わせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記トナー像と前記接着領域とは同一のシート上に形成されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シート処理装置は、シートを折る折り装置を備え、
シートが前記折り装置によって折られることによって前記トナー像と前記接着領域が貼り合わされることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
2枚のシートの一方に前記トナー像、他方に前記接着領域を形成し、前記トナー像と前記接着領域を貼り合わせることにより2枚のシートが接着されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像のトナーの量を調整することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像の形成面積を調整することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像の単位面積あたりのトナーの量を調整することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記接着剤による接着力の大きさを指定する入力部を備え、
前記制御装置は、前記入力部により指定された接着力の大きさに応じて前記接着剤による接着力を調整することを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
トナー像が形成されたシートを貼り合わせる処理を行うシート処理装置において、
シートに接着剤を塗布する接着剤塗布部、を備え、
シート上に形成されたトナー像と、シートの前記接着剤が塗布された接着領域とを貼り合わせることを特徴とするシート処理装置。
【請求項10】
前記接着領域は、前記トナー像が形成されたシート上に形成されることを特徴とする請求項9記載のシート処理装置。
【請求項11】
シートを折る折り装置を備え、
シートが前記折り装置によって折られることによって前記トナー像と前記接着領域が貼り合わされることを特徴とする請求項9又は10記載のシート処理装置。
【請求項12】
前記トナー像が形成されたシートとは別のシートに前記接着領域を形成し、前記トナー像と前記接着領域を貼り合わせることにより2枚のシートが接着されることを特徴とする請求項9記載のシート処理装置。
【請求項13】
前記接着剤塗布部の塗布量を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記接着剤による接着力を調整するためにトナー像のトナーの量に応じて前記接着剤塗布部による接着剤の塗布量を調整することを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項14】
シートを接着剤により貼り合わせる処理を行う画像形成装置において、
シート上にトナー像を形成する画像形成部と、
シートに接着剤を塗布する接着剤塗布部と、を有し、
シート上に形成されたトナー像と、シートの前記接着剤が塗布された接着領域とを貼り合わせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
前記トナー像と前記接着領域とは同一のシート上に形成されることを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
【請求項16】
シートを折る折り装置を備え、
シートが前記折り装置によって折られることによって前記トナー像と前記接着領域が貼り合わされる請求項14又は15記載の画像形成装置。
【請求項17】
2枚のシートの一方に前記トナー像、他方に前記接着領域を形成し、前記トナー像と前記接着領域を貼り合わせることにより2枚のシートが接着されることを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像のトナーの量を調整することを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像の形成面積を調整することを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像の単位面積あたりのトナーの量を調整することを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記接着剤による接着力の大きさを指定する入力部を備え、
前記制御装置は、前記入力部により指定された接着力の大きさに応じて前記接着剤による接着力を調整することを特徴とする請求項18ないし20のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像形成装置において、
シート上にトナー像を形成する画像形成部と、
シートに接着剤を塗布する接着剤塗布部を有するシート処理装置と、を備え、
前記画像形成部によりシート上に形成されたトナー像と、シートの前記接着剤が塗布された接着領域とを貼り合わせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記トナー像と前記接着領域とは同一のシート上に形成されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シート処理装置は、シートを折る折り装置を備え、
シートが前記折り装置によって折られることによって前記トナー像と前記接着領域が貼り合わされることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
2枚のシートの一方に前記トナー像、他方に前記接着領域を形成し、前記トナー像と前記接着領域を貼り合わせることにより2枚のシートが接着されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像のトナーの量を調整することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像の形成面積を調整することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像の単位面積あたりのトナーの量を調整することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記接着剤による接着力の大きさを指定する入力部を備え、
前記制御装置は、前記入力部により指定された接着力の大きさに応じて前記接着剤による接着力を調整することを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
トナー像が形成されたシートを貼り合わせる処理を行うシート処理装置において、
シートに接着剤を塗布する接着剤塗布部、を備え、
シート上に形成されたトナー像と、シートの前記接着剤が塗布された接着領域とを貼り合わせることを特徴とするシート処理装置。
【請求項10】
前記接着領域は、前記トナー像が形成されたシート上に形成されることを特徴とする請求項9記載のシート処理装置。
【請求項11】
シートを折る折り装置を備え、
シートが前記折り装置によって折られることによって前記トナー像と前記接着領域が貼り合わされることを特徴とする請求項9又は10記載のシート処理装置。
【請求項12】
前記トナー像が形成されたシートとは別のシートに前記接着領域を形成し、前記トナー像と前記接着領域を貼り合わせることにより2枚のシートが接着されることを特徴とする請求項9記載のシート処理装置。
【請求項13】
前記接着剤塗布部の塗布量を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記接着剤による接着力を調整するためにトナー像のトナーの量に応じて前記接着剤塗布部による接着剤の塗布量を調整することを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項14】
シートを接着剤により貼り合わせる処理を行う画像形成装置において、
シート上にトナー像を形成する画像形成部と、
シートに接着剤を塗布する接着剤塗布部と、を有し、
シート上に形成されたトナー像と、シートの前記接着剤が塗布された接着領域とを貼り合わせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
前記トナー像と前記接着領域とは同一のシート上に形成されることを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
【請求項16】
シートを折る折り装置を備え、
シートが前記折り装置によって折られることによって前記トナー像と前記接着領域が貼り合わされる請求項14又は15記載の画像形成装置。
【請求項17】
2枚のシートの一方に前記トナー像、他方に前記接着領域を形成し、前記トナー像と前記接着領域を貼り合わせることにより2枚のシートが接着されることを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像のトナーの量を調整することを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像の形成面積を調整することを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記画像形成部を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記接着剤による接着力を調整するために前記画像形成部により形成されるトナー像の単位面積あたりのトナーの量を調整することを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記接着剤による接着力の大きさを指定する入力部を備え、
前記制御装置は、前記入力部により指定された接着力の大きさに応じて前記接着剤による接着力を調整することを特徴とする請求項18ないし20のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2009−51670(P2009−51670A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189701(P2008−189701)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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