説明

シート材搬送装置、印刷システム、シート材冷却方法

【課題】搬送装置に次々と用紙が搬送されてきても、生産性や冷却効果の低下が少ないシート材搬送装置、印刷システム及びシート材冷却方法を提供すること。
【解決手段】画像形成装置100が排紙したシート材20を搬送するシート材搬送装置98であって、外気を吸入する吸気ファン24と、内部の空気を排気する排気ファン25と、シート材進入口からシート材出口までの少なくとも一部が分岐し、シート材の通過時間が互いに略等しい複数の搬送経路7,8,9と、搬送経路毎に前記シート材を独立に搬送する搬送モータ26,27、28と、シート材が搬送される前記搬送経路を切り替える搬送経路切替手段6と、画像形成装置からシート材が進入する毎に、搬送路切替手段6に複数の前記搬送経路を順番に切り替えさせる搬送経路制御手段64と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置から排紙されるシート材を搬送するシート材搬送装置、印刷システム及びシート材冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、トナー像を転写した用紙が定着器を通過する際、用紙に転写されたトナーが溶解されトナーが用紙に圧接定着される。用紙は定着器を通過した後、自然冷却しながら搬送されるが、定着器の通過後、用紙表面温度が高い状態が継続する。
【0003】
用紙に定着されたトナーは冷えるまで粘着性を持っており、好ましくない条件が整うと、用紙が排紙部に積載されることで、積載用紙の重なり合った用紙面でのトナーの張り付きや、用紙を離す際のトナー剥がれ等、トナーブロッキング現象という現象が発生する。
【0004】
好ましくない条件とは、次から次に途切れなく用紙が搬送される場合や、積載部に大量の用紙が積載される場合(用紙が重なった時の気密性が高い場合、積載部に積載する用紙枚数が多くなり用紙に圧力が掛かる場合)や、用紙の両面にトナー像が定着された場合や、定着温度が高く設定された場合や、環境温度・湿度が高い場合や、トナーの定着性が悪い用紙の種類を使用した場合や、積載部で長時間積載したままにする場合等である。
【0005】
A.このブロッキング現象を防止するため、これまで、用紙を冷却する手段が種々考案されてきた。図1は、従来の冷却搬送装置の概略を説明する図の一例である。冷却搬送装置は画像形成工程の下流に配置され、用紙を冷却するためのU字状の搬送経路と、搬送経路の板金を冷却するため外気を吸引する吸気ファン(上面と底面)と、冷却搬送装置内の空気を装置の外に排出する排気ファン(紙面から見て冷却搬送装置の背面)を有する。
【0006】
画像形成装置から搬送されてきた用紙は、冷却用の搬送経路の板金に接触しながら搬送されることで、温度が低下する。用紙通過により熱を帯びた冷却搬送装置の搬送経路の板金は、吸気ファンからの風を受けて冷却され、用紙の冷却効果を保持するように設計されている。すなわち、十分な間隔を持って用紙が次々と搬送される限り、吸気ファンによる風により板金が冷却されるので、板金はトナーブロッキング現象が発生しない程度に用紙を冷却することができる。
【0007】
なお、冷却搬送装置の下流にはスタッカーが配置され、用紙を積層することができるようになっている。
【0008】
B.また、積載用紙のトナーブロッキング現象を抑えるため、冷却装置の搬送経路で用紙を一旦停止する、又は、減速することで冷却する、冷却方法が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
C.また、搬送用紙を冷却する目的で、両面印刷への搬送経路を2系統有し搬送経路を交互に使用することで、搬送用紙を冷却する冷却方法が考案されている(例えば、特許文献2参照。)。この従来技術では、定着部により加熱された用紙が十分に冷却しきらない状態で再び画像形成部に供給される場合があると、用紙からの放熱により現像器内のトナーが昇温して帯電性が劣化し、画像濃度が薄くなる等の画像異常が発生してしまうため、これを防止するために、定着器を通過した用紙を搬送経路で冷却し、冷却された用紙に再び、転写部に搬送し、トナーを用紙に転写させた後、定着器を通過させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、Aの冷却方法では、上記の条件が極端に整ったり複数の条件が整うと、次々と用紙が搬送されることで、搬送経路の板金に熱が次第に蓄積されるため、冷却効果が低下することがあった。そのため、積載用紙のトナーブロッキング現象が発生するおそれがあるという問題がある。冷却効果を維持するために、用紙の搬送間隔を開けることも考えられるが、この方法では次々と用紙を搬送することができないため、生産性が低下してしまう。
【0011】
また、Bの冷却方法では確かに用紙を冷却しやすいが、停止させたり減速する冷却搬送方法では次々と用紙を搬送させることができないため、生産性が低下するという問題がある。
【0012】
また、Cの冷却方法では、表面を印刷した後、裏面を印刷するまでの間に用紙が搬送される搬送経路で用紙を冷却できる。しかし、裏面を印刷した後、用紙は冷却用の搬送経路を通過しないので、用紙の温度が高いまま積載部に搬送されることとなり、積載用紙のトナーブロッキング現象が発生するという問題がある。
【0013】
また、A〜Cの他、冷却搬送装置に長さの異なる2つの搬送経路を配置し、トナーブロッキング現象が発生しやすい条件では、長い方の搬送経路により用紙を搬送させる技術も考えられる。しかしながら、搬送経路が長いだけでは次々と用紙が搬送されることで、いずれは板金の冷却能力が低下し、トナーブロッキング現象が生じるおそれがある。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑み、搬送装置に次々と用紙が搬送されてきても、生産性や冷却効果の低下が少ないシート材搬送装置、印刷システム及びシート材冷却方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題に鑑み、画像形成装置が排紙したシート材を搬送するシート材搬送装置であって、外気を吸入する吸気ファンと、内部の空気を排気する排気ファンと、シート材進入口からシート材出口までの少なくとも一部が分岐し、シート材の通過時間が互いに略等しい複数の搬送経路と、前記搬送経路毎に前記シート材を独立に搬送する搬送モータと、前記シート材が搬送される前記搬送経路を切り替える搬送経路切替手段と、前記画像形成装置から前記シート材が進入する毎に、前記搬送路切替手段に複数の前記搬送経路を順番に切り替えさせる搬送経路制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
搬送装置に次々と用紙が搬送されてきても、生産性や冷却効果の低下が少ないシート材搬送装置、印刷システム及びシート材冷却方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、従来の冷却搬送装置の概略を説明する図の一例である。
【図2】図2は、画像形成装置に接続された冷却搬送装置の外観図の一例である。
【図3】図3は、冷却搬送装置の概略図の一例である。
【図4】図4は、分岐冷却パスにおける用紙の停止位置について説明する図の一例である。
【図5】図5は、画像形成装置のコントローラのハードウェア構成図の一例である。
【図6】図6は、冷却搬送装置の制御部のブロック図の一例である。
【図7】図7は、画像形成装置と冷却搬送装置の機能ブロック図の一例である。
【図8】図8は、搬送経路決定部が搬送経路を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図9】図9は、分岐冷却パスの効果と比較するため、分岐冷却パスを切り替えない場合の冷却搬送動作について説明するタイミングチャート図の一例である。
【図10】図10は、図9のタイミングチャート図において用紙検知時間と用紙未検知時間の比率を数値にて説明する図の一例である。
【図11】図11は、冷却パスを切り替えた場合の用紙検知時間と用紙未検知時間のタイミングチャート図の一例である。
【図12】図12は、図11のタイミングチャートを採用した場合の用紙検知時間の割合と用紙未検知時間の割合の関係を走行センサ毎に示す図の一例である。
【図13】図13は、冷却パスを切り替え、さらに分岐冷却パス内で用紙を停止させた場合の用紙検知時間と用紙未検知時間のタイミングチャート図の一例である。
【図14】図14は、図13のタイミングチャートを採用した場合の用紙検知時間の割合と用紙未検知時間の割合の関係を走行センサ毎に示す図である。
【図15】図15は、冷却パスの2箇所で交互に用紙を4t時間停止させた場合の用紙検知時間と用紙未検知時間のタイミングチャート図の一例である。
【図16】図16は、図15のタイミングチャートを採用した場合の用紙検知時間の割合と用紙未検知時間の割合の関係を走行センサ毎に示す図である。
【図17】図17は、隣接した分岐冷却パスの用紙が互いに異なる位置に停止するように4t時間停止させた場合の用紙検知時間と用紙未検知時間のタイミングチャート図の一例である。
【図18】図18は、図17のタイミングチャートを採用した場合の用紙検知時間の割合と用紙未検知時間の割合の関係を走行センサ毎に示す図の一例である。
【図19】図19は、冷却搬送装置がパス切替ゲートを制御する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図20】図20は、冷却搬送装置が搬送モータを制御する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図21】図21は、実施の形態2における用紙検知時間と用紙未検知時間のタイミングチャートである。
【図22】図22は、図21のタイミングチャートを採用した場合の用紙検知時間の割合と用紙未検知時間の割合の関係を走行センサ毎に示す図である。
【図23】図23は、実施の形態2におけるパス切替ゲートの切替制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】図24は、パス切替データの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図2は、実施の形態1の画像形成装置100に接続された冷却搬送装置98の外観図の一例を示す。画像形成装置100には、種々のオプションが連結されている。冷却搬送装置98はこのオプションの1つである。各種のオプションは画像形成の上では必須でなく、最も簡単な構成は画像形成装置100が単体で存在する構成である。しかし、このようなオプションが連結されていることで、生産性を向上させることができる。画像形成装置100に1つ以上のオプションが接続されたシステムを印刷システム300という。
【0020】
画像形成装置100は当初一般のオフィス等に普及したが、近年、小ロットへの対応性とバリアブル印刷(チラシやダイレクトメール等に可変データを印刷すること)の特長を生かし、これまでオフセット印刷機が主流であったプロダクション市場(商用印刷市場や企業内印刷市場)にも普及し始めている。
【0021】
プロダクション印刷用の画像形成装置100は、印刷方式はオフィス用の画像形成装置100と同じ電子写真方式であるが、大量の転写紙に印刷することが多く、また、印刷物が商品となるため、画像品質がより重要視されることが多い。このため、画像形成装置100の感光体の直径もオフィス用の画像形成装置100のそれよりも大きくかつ高速に回転するようになっている。また、オフィス用の画像形成装置100より、消耗品が早く消費されるので、大容量の給紙装置、トナー供給装置等が設けられている。また、印刷後の用紙を顧客のニーズに合わせて製本等するため、下流工程に様々なオプションを連結することができる。
【0022】
なお、画像形成装置100は、用紙に画像形成する機能を有すればよいが、複写機能、スキャナー機能及びFAX機能の1つ以上を備えているMFP(Multifunction Peripheral)であってもよい。
【0023】
オプションについて簡単に説明する。給紙トレイユニット99は、大容量の転写紙を積載しておくための給紙専用装置である。インサートフィーダ97は、おもて紙/うら紙、合紙を転写紙間にインサートする装置である。Z折りユニット96は、転写紙をZ折りする装置である。スタッカー95は印刷後(製本後)の転写紙を積載し、台車で搬送することが可能な装置である。フィニッシャー94は紙揃えしながら転写紙を積層する装置である。この他、オプションには、中綴じユニット(複数の転写紙を例えばステープルにより中綴じする)やリング製本機などもある。
【0024】
そして、冷却搬送装置98が本実施形態の主な特徴部を有する装置であり、画像が形成された用紙を冷却するための装置である。
【0025】
〔概略的な特徴〕
図3は、本実施形態における冷却搬送装置98の概略図の一例である。まず、冷却搬送装置98の概略的な特徴を説明する。
(1)冷却搬送装置98は、複数の同じ長さの分岐冷却パス7〜9を備えており、各用紙は各分岐冷却パス7〜9を順番に搬送される。概略を言えば、冷却パスが1本の場合に比べ、単位長さの冷却能力が3倍になり(吸気ファンの風が均等に当たる理想的な状態の場合)、分岐冷却パス7〜9の長さが同じなので(用紙の通過時間が同じなので)、各用紙が分岐冷却パス7〜9を抜けて合流する際の用紙間の時間間隔は冷却パスが1本の場合と同じにすることができる。したがって、生産性が全く低下しないことになる。
【0026】
すなわち、途切れなく次々と用紙が冷却搬送装置98に搬送された場合でも、1つの分岐冷却パス7〜9を搬送される用紙の時間的な密度を少なくすることができる。これにより分岐冷却パス7〜9に蓄積された熱の放熱効果を高め、板金の冷却効果を効果的に回復させることができる。
(2)複数の分岐冷却パス7〜9を有するので、用紙を一時停止させたとしても、冷却パスが1本の場合に比べ、生産性の低下を大幅に抑制できる。
【0027】
すなわち、用紙を一時停止させれば用紙の冷却時間を長くすることができ、しかも、1つの分岐冷却パス7に用紙が停止していても別の分岐冷却パス8,9に用紙が進入し停止できるので、生産性の低下は停止時間のみに抑制できる。
【0028】
〔構成〕
冷却搬送装置98は、フィニッシャー94と接続されている。図3(a)は冷却搬送装置98とフィニッシャー94の正面図であり、図3(b)は冷却搬送装置98のファンの取り付け位置を示す正面図である。なお、図2に示したようにフィニッシャー94と冷却搬送装置98の間に種々のオプション(スタッカー、中綴じユニット、Z折りユニット、各種の製本装置、等)が配置されることがある。
【0029】
図3(a)に示すように、冷却搬送装置98は、外気を取り込む吸気ファン24と、冷却搬送装置98内の空気を排出する排気ファン25と、を有する。吸気ファン24は、冷却搬送装置98の筐体の天板、底板及び背面に計3つ設けられている。また、排気ファン25は、冷却搬送装置98の背面に3つ隣接して設けられている。
【0030】
場所と数は一例であるが、用紙の温度が高いほど外気との温度差が高いため効果的に温度を下げることができる。このため、吸気ファン24を背面の入口側に設けることで、冷却搬送装置98内の入口側(分岐冷却パス7〜9)に外気を吹き付けるようになっている。
【0031】
冷却搬送装置98は、用紙の熱を放熱させる、分岐冷却パス7、分岐冷却パス8、分岐冷却パス9及び冷却パス11を備える。分岐冷却パス7、分岐冷却パス8、分岐冷却パス9と冷却パス11は、板金がU字状に連接することで搬送経路を構成している。分岐冷却パス7、分岐冷却パス8及び分岐冷却パス9は側面(例えば入口方向)から見ると、板金が重畳している構成になる。
【0032】
吸気ファン24が取り込んだ外気は常時、分岐冷却パス7、分岐冷却パス8、分岐冷却パス9及び冷却パス11に吹き付けられるので、分岐冷却パス7、分岐冷却パス8、分岐冷却パス9及び冷却パス11の熱が放熱し、板金の冷却効果を持続させることができる。なお、分岐冷却パス7、分岐冷却パス8及び分岐冷却パス9は、生産性を保つために物理的に同じ長さとすることが好ましい。しかしながら、この長さを同じとする要請は、用紙20が分岐冷却パス7〜9を通過する時間的な長さが同程度であることを要請するのと同じことなので、搬送モータ26〜29の回転速度を調整することで、用紙20が分岐冷却パス7、分岐冷却パス8及び分岐冷却パス9を通過する時間を略同じにすることもできる。
【0033】
排気ファン25は、分岐冷却パス7、分岐冷却パス8、分岐冷却パス9及び冷却パス11の熱が放熱したことによって暖められた冷却搬送装置98内の空気を冷却搬送装置98の外に排出する。
【0034】
上述したように、入口側の搬送路5を3つに分岐することによって、用紙と外気の温度差が高い状態で用紙が分岐冷却パス7〜9を搬送できるようになる。よって用紙の温度を効率的に低下させることができる。
【0035】
また、図示するように3つの分岐冷却パス7〜9の合流部を底面の手前とすることで、用紙が通過する分岐冷却パス7〜9に関わりなく、全ての用紙が底面と天板の吸気ファン24により冷却されやすい底部の冷却パス11を通過できる。
【0036】
しかしながら、図示する構成は、分岐冷却パス7〜9を冷却搬送装置98内の全搬送経路に渡って分岐したままとする態様、分岐冷却パス7〜9が底面付近を含む入口から半分を超えるまで合流しないとする態様、を否定するものではない。分岐冷却パス7〜9の合流地点は、吸気ファン24や排気ファン25の配置により適宜、設計できる。
【0037】
冷却搬送装置98は、搬送ローラ2と搬送ローラ2を回転させる搬送モータ4を備えており、搬送モータ4を駆動して搬送ローラ2を回転することで、画像形成装置100から搬送されてきた用紙20を冷却搬送装置98の中に搬送する。用紙20は、まず、搬送路5を搬送される。
【0038】
冷却搬送装置98は、搬送ローラ2の先に走行センサ3、及び、パス切替ゲート6、を備える。パス切替ゲート6は、搬送路5と分岐冷却パス7〜9のいずれかを選択的に接続する搬送経路の切り替え装置である。
【0039】
冷却搬送装置98は、走行センサ3に用紙20が到達したら、パス切替ゲート6に用紙20が到達する前に、パス切替ゲート6を駆動して搬送経路を切り替えて、用紙20を分岐冷却パス7、分岐冷却パス8又は分岐冷却パス9の何れかに搬送する。
【0040】
冷却搬送装置98は、画像形成装置100からの指示により、パス切替ゲート6を駆動して、用紙20を搬送する分岐冷却パスを、分岐冷却パス7、分岐冷却パス8、分岐冷却パス9の順に、用紙20毎に搬送先の切替えを行う。分岐冷却パス7〜9が「順に」切換えられるので、分岐冷却パス7〜9は均等に用紙20を搬送する。なお、分岐冷却パスの数は3つに限られず、2つでもよくまた4つ以上でもよい。
【0041】
また、冷却搬送装置98は、画像形成装置100からの指示により、パス切替ゲート6を駆動して、用紙20を搬送する分岐冷却パスを分岐冷却パス7、分岐冷却パス8又は分岐冷却パス9のいずれかに固定して搬送を行うこともできる。なお、画像形成装置100からの指示については後述する。
【0042】
分岐冷却パス7は、搬送モータ26で駆動回転する搬送ローラ10と走行センサ14を備え、搬送ローラ10を回転することで、分岐冷却パス7の先の冷却パス11に用紙20を搬送する。分岐冷却パス7は、熱伝導性のよい一枚又は複数枚の板金により搬送経路を提供しており、分岐冷却パス7に用紙が接触しながら通過することで、板金が用紙20の熱を奪い、用紙20の温度を下げる。また、この分岐冷却パス7は、走行センサ14で用紙20の位置を監視して、搬送モータ26の駆動を停止して搬送ローラ10の回転を停止することで、分岐冷却パス7上に用紙20を停止させることができる。
【0043】
冷却搬送装置98は、画像形成装置100からの指示により、分岐冷却パス7上に用紙20を停止させる。分岐冷却パス7で用紙20を停止させる位置は、3つの走行センサ14のうち2つの走行センサ14で用紙20を検知する位置で停止させることができる。停止位置については後述する。
【0044】
なお、画像形成装置100は、3つの走行センサ14のうちどのセンサで検知する位置に用紙20を停止させるかを冷却搬送装置98に指示する。
【0045】
冷却搬送装置98は、画像形成装置100からの停止時間tが指示されると、分岐冷却パス7上に用紙20を停止させて、停止後、指示された停止時間tが経過したら用紙20の搬送を再開する。
【0046】
冷却搬送装置98は、図示していない、画像形成装置100からの停止時間tが「0(ゼロ)」時間で指示されると、分岐冷却パス7上に用紙20を停止しないで用紙20の搬送を続ける。
【0047】
分岐冷却パス8は、搬送モータ27で駆動回転する搬送ローラ12と走行センサ15を備え、搬送ローラ12を回転することで、分岐冷却パス8の先の冷却パス11に用紙20を搬送する。
【0048】
分岐冷却パス8は、熱伝導性の良い一枚又は複数枚の板金により搬送経路を提供しており、分岐冷却パス8に用紙が接触しながら通過することで板金が用紙20の熱を奪い、用紙20の温度を下げる。また、この分岐冷却パス8は、走行センサ15で用紙20の位置を監視して、搬送モータ27の駆動を停止して搬送ローラ12の回転を停止することで、分岐冷却パス8上に用紙20を停止させることができる。
【0049】
冷却搬送装置98は、画像形成装置100からの停止時間tが指示されると、分岐冷却パス8上に用紙20を停止させて、停止後、指示された停止時間tが経過したら用紙20の搬送を再開する。
【0050】
分岐冷却パス8上に用紙20を停止させる位置は、3つの走行センサ15の2つのセンサ15で用紙を検知する位置で停止させることができる。停止位置については後述する。
【0051】
画像形成装置100は、3つの走行センサ15のどのセンサで検知する位置に用紙20を停止させるかを冷却搬送装置98に指示する。
【0052】
冷却搬送装置98は、画像形成装置100からの停止時間tが「0」時間で指示されると、分岐冷却パス8上に用紙20を停止しないで用紙20の搬送を続ける。
【0053】
分岐冷却パス9は、搬送モータ28で駆動回転する搬送ローラ13と走行センサ16を備え、搬送ローラ13を回転することで、分岐冷却パス9の先の冷却パス11に用紙20を搬送する。
【0054】
分岐冷却パス9は、熱伝導性の良い一枚又は複数枚の板金により搬送経路を提供しており、分岐冷却パス9に用紙20が接触しながら通過することで板金が用紙20の熱を奪い、用紙20の温度を下げる。また、この分岐冷却パス9は、走行センサ16で用紙20の位置を監視して、搬送モータ28の駆動を停止して搬送ローラ13の回転を停止することで、分岐冷却パス9上に用紙20を停止させることができる。
【0055】
分岐冷却パス9上に用紙20を停止させる位置は、3つの走行センサ16のうち2つの走行センサ16で用紙20を検知する位置で停止させることができる。停止位置については後述する。
【0056】
画像形成装置100は、3つの走行センサ16のどのセンサで検知する位置に用紙20を停止させるかを冷却搬送装置98に指示する。
【0057】
冷却搬送装置98は、画像形成装置100からの停止時間tが指示されると、分岐冷却パス9上に用紙20を停止させて、停止後、指示された停止時間tが経過したら用紙20の搬送を再開する。
【0058】
冷却搬送装置98は、画像形成装置100からの停止時間tが「0」時間で指示されると、分岐冷却パス9上に用紙20を停止しないで用紙20の搬送を続ける。
【0059】
また、冷却搬送装置98は、生産性を保つため、分岐冷却パス7、分岐冷却パス8及び分岐冷却パス9を用紙20が通過する時間が、同じ時間となるように搬送モータ26,27,28制御する。
【0060】
冷却パス11は、搬送モータ29で駆動回転する搬送ローラ17と走行センサ18を備え、搬送ローラ17を回転することで、冷却パス11の先のフィニッシャー94に用紙20を搬送する。
【0061】
冷却パス11は、熱伝導性の良い一枚又は複数枚の板金により搬送経路を提供しており、冷却パス11に用紙20が接触しながら通過することで、板金が用紙20の熱を奪い、用紙20の温度を下げる。
【0062】
フィニッシャー94は、用紙20を積載する積載トレイ19を備え、冷却搬送装置98で冷却された用紙20を積載トレイ19に積載する。
【0063】
〔停止位置について〕
図4は、分岐冷却パス7〜9における用紙20の停止位置について説明する図の一例である。
【0064】
図4(a)(b)は、分岐冷却パス7における用紙20の停止位置を、図4(c)(d)は、分岐冷却パス8における用紙20の停止位置を、図4(e)(f)は、分岐冷却パス9における用紙20の停止位置を、それぞれ示す。
【0065】
<分岐冷却パス7>
・冷却搬送装置98は、走行センサ14aと走行センサ14bで用紙20を検知する停止位置30に用紙20を一時停止させることができる。
・冷却搬送装置98は、走行センサ14bと走行センサ14cで用紙20を検知する停止位置31に用紙20を停止させることができる。
・冷却搬送装置98は、画像形成装置100からの指示により、用紙20を、分岐冷却パス7の停止位置30又は停止位置31に一時停止させる。
【0066】
<分岐冷却パス8>
・冷却搬送装置98は、走行センサ15aと走行センサ15bで用紙20を検知する停止位置32に用紙20を一時停止させることができる。
・冷却搬送装置98は、走行センサ15bと走行センサ15cで用紙20を検知する停止位置33に用紙20を停止させることができる。
・冷却搬送装置98は、画像形成装置100からの指示により、用紙20を、分岐冷却パス8の停止位置32又は停止位置33に一時停止させる。
【0067】
<分岐冷却パス9>
・冷却搬送装置98は、走行センサ16aと走行センサ16bで用紙20を検知する停止位置34に用紙20を一時停止させることができる。
・冷却搬送装置98は、走行センサ16bと走行センサ16cで用紙20を検知する停止位置35に用紙20を停止させることができる。
・冷却搬送装置98は、画像形成装置100からの指示により、用紙20を、分岐冷却パス9の停止位置34又は停止位置35に一時停止させる。
【0068】
<画像形成装置>
図5は、画像形成装置100のコントローラ150のハードウェア構成図の一例を示す。画像形成装置100のコントローラ150は一般的なコンピュータとしての機能を備える。
【0069】
画像形成装置100は、画像形成装置100の全体を制御するコントローラ150と、用紙に画像を印刷するためのエンジン160と、オペレータとのユーザインタフェースとなる操作部140とを有する。
【0070】
コントローラ150は、CPU151、ROM152、RAM153、NVRAM154、ネットワークI/F155、エンジンI/F156、パネルI/F157、HDD158を有する。
【0071】
ROM152は、起動用のプログラムや初期設定値などが記憶されている。RAM153は、コントローラ150が作成するページメモリやソフトウエアが動作するために必要なワークメモリとして利用される。NVRAM154は、画像形成装置100に設定された印刷条件などを保存しておく不揮発性メモリである。ネットワークI/F155は、ネットワーク400上に接続された不図示のサーバやホストPC180とデータを送受信する。エンジンI/F156は印刷指示等を行いエンジン160を制御する。
【0072】
エンジン160は、少なくとも画像形成を行う上述したプロッタエンジンを有する。なお、プロッタエンジンは、インクジェット方式でもよい。また、エンジン160には、スキャナエンジンやFAXエンジンがある。
【0073】
操作部140は、オペレータが画像形成装置100を操作する為に用いる入力部と表示部を備える。入力部は、ハードキーと表示部に表示される各種のソフトキーである。また、表示部はGUI画面に操作メニューやソフトキーを表示する液晶などの表示手段である。表示部にはタッチパネルが一体に設けられ、オペレータによるソフトキーの操作を受け付ける。
【0074】
パネルI/F157は操作部140との入出力を制御する。HDD158は不揮発性の記憶手段の一例であり、フラッシュメモリなどで代用することができる。HDD158には後述する本実施例に特徴的なデータや、プログラム161が記憶されている。
【0075】
<冷却搬送装置>
図6は、冷却搬送装置98の制御部50のブロック図の一例を示す。冷却搬送装置98の制御部50は、これまで説明した搬送モータ4,26〜29、及び、走行センサ3、14〜16,18と接続されている。また、制御部50は、一般的なモータ制御の構成として、モータコントローラ44,45,46、CPU48、RAM49、ROM51及びI/O47がバスに接続された構成を有する。なお、搬送モータ4,26〜29は例えばステッピングモータとして説明するがDCモータなどでもよい。また、吸気ファン24と排気ファン25を回転させるモータは例えばDCモータである。
【0076】
I/O47には走行センサ3、14〜16,18が接続されている。走行センサ3、14〜16,18は例えば用紙の通過を光量の変化により検出する光学センサであり、光量を電気信号に変換してI/O47に送信している。I/O47は電気信号をA/D変換してCPU48に出力する。
【0077】
CPU48は、ROM51に記憶されたプログラム52をRAM49を作業メモリにして実行する。プログラム52の機能については次述するが、画像形成装置100の指示に従い、走行センサ3、14〜16,18が検出する用紙位置に基づき、搬送モータ4,26〜29、の駆動/停止、及び、パス切替ゲート6の接続先を制御する。
【0078】
CPU48は、予め定められた回転速度をモータコントローラ44に指示する。モータコントローラ44は、回転速度に応じた周波数のパルス信号を各DR(ドライバ)41に出力する。各DR41は、パルス信号と励磁方式に基づき各励磁相に対応したシリアルデータを作成し、シリアルデータに基づいてスイッチング処理を行って、ステッピングモータの各励磁相に流れる電流を制御する。
【0079】
また、搬送モータ4,26〜29を停止させる場合、CPU48は回転速度ゼロをDR41に出力するので、各DR41はパルス信号を出力しないことで搬送モータ4,26〜29を停止させる。
【0080】
吸気ファン24と排気ファン25についても同様に制御できる。モータコントローラ45はDR42に、吸気ファン24と排気ファン25の目標回転速度に応じたPWM信号を出力する。
【0081】
また、パス切替ゲート6の制御にもステッピングモータを用いることができる。この場合、CPU48は、走行センサ3が用紙の先端を検出すると、モータコントローラ46に回転量と方向を指示する。モータコントローラ46は、回転方向の指示と回転量に対応した数だけ所定の周波数のパルス信号をDR43に出力する。DR43は受け取ったパルス信号の数に応じた回転角だけ指示された回転方向にパス切替ゲート6を駆動するので、パス切替ゲート6を所望の位置に切り替えることができる。なお、パス切替ゲート6の制御に用いる機構は適宜設計できる。
【0082】
〔搬送経路の決定〕
画像形成装置100は、用紙の種類、用紙の厚み、定着温度、機内温度や湿度、及び、画像形成装置100から積載部までの搬送経路の長さによって、用紙20を搬送する冷却搬送の方法を冷却搬送装置98に指示する。
【0083】
冷却搬送装置98は、画像形成装置100の指示により、複数の分岐冷却パス7〜9の切り替えや、複数の分岐冷却パス7〜9で用紙を一時停止することを行なう。
【0084】
図7は、画像形成装置100と冷却搬送装置98の機能ブロック図の一例を示す。まず、画像形成装置100は、通信部65、接続オプション検出部66及び搬送経路決定部67とを有する。接続オプション検出部66は、画像形成装置100に接続されている上記のオプションを検出する。画像形成装置100とオプションは、画像形成装置100を頂点とするツリー構造又は連続状に電気的に接続されているので、画像形成装置100にとって接続されているオプションの種類は既知となる。
【0085】
また、オプションに製本装置、Z折りユニットなどが接続されている場合、冷却搬送装置98を通過した用紙20はすぐには積層されないのでトナーブロッキング現象が発生する可能性はないとしてよい。
【0086】
接続オプション検出部66は、このようにオプションを検出して搬送経路決定部67に分岐冷却パス7〜9の切換は必要ないという指示を通知する。分岐冷却パス7〜9の切換が必要ないことは、例えば、オプションと搬送経路長又は搬送時間の関係を登録しておき検出したオプションの搬送経路長又搬送時間の積算値が所定値以上になったことから検出する。また、単に、冷却搬送装置98よりも下流にて検出されたオプションの数が所定値以上になったことから検出してもよい。また、分岐冷却パス7〜9の切り替えが必要ないオプション、換言すると用紙の積層前に搬送経路長又は搬送時間が所定値以上となるオプションを画像形成装置100に登録しておき、接続オプション検出部66が、該オプションの接続を検出することで分岐冷却パス7〜9の切り替えが必要ないと判定してもよい。
【0087】
次に、搬送経路決定部67は、用紙の種類、用紙の厚み、設定された定着温度、機内温度や湿度に応じて、搬送経路を決定する。
【0088】
図8は、搬送経路決定部67が搬送経路を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0089】
搬送経路決定部67は、まず、印刷に使用する用紙の種類、用紙の厚み、設定された定着温度、機内温度及び湿度を収集する(S10)。用紙の種類と用紙の厚みは、ユーザが操作部140から用紙の種類と厚みを選択することで入力される。設定された定着温度は、画像形成装置100のエンジンI/F156にパラメータとして設定されている。機内温度や湿度は、画像形成装置100に内蔵されたセンサから取得してもよいし、ユーザが操作部140から入力してもよい。
【0090】
そして、搬送経路決定部67は、各条件毎に閾値と比較し、条件を満たす場合に、放熱必要度をカウントアップする。放熱必要度は用紙の温度が上昇しやすいほど大きな値となる、搬送経路決定部67が搬送経路を決定するためのパラメータである。
【0091】
まず、搬送経路決定部67は定着温度が閾値1(例えば、200〜220度)以上か否かを判定する(S20)。定着温度が閾値1以上の場合(S20のYes)、搬送経路決定部67は放熱必要度を1つ大きくする(S30)。一方、定着温度が閾値1未満の場合(S20のNo)、S30の処理は行われない。
【0092】
搬送経路決定部67は機内温度が閾値2(例えば40〜50度)以上か湿度が閾値3(例えば50〜60%)以上か否かを判定する(S40)。室内温度が閾値2以上か又は湿度が閾値3以上の場合(S40のYes)、搬送経路決定部67は放熱必要度を1つ大きくする(S50)。一方、室内温度が閾値2未満かつ湿度が閾値3未満の場合(S40のNo)、S50の処理は行われない。
【0093】
搬送経路決定部67は用紙の厚みが閾値4(例えば、80g/m2)以上か否かを判定する(S60)。用紙の厚みが閾値4以上の場合(S60のYes)、搬送経路決定部67は放熱必要度を1つ大きくする(S70)。一方、用紙の厚みが閾値4以上の場合(S60のNo)、S70の処理は行われない。
【0094】
搬送経路決定部67は用紙の種類が特定の種類か否かを判定する(S80)。用紙の種類が予め登録された所定の用紙の場合(S80のYes)、搬送経路決定部67は放熱必要度を1つ大きくする(S90)。一方、用紙の種類が予め登録された所定の用紙でない場合(S80のNo)、S90の処理は行われない。なお、特定の種類の用紙は予め画像形成装置100に登録されている。
【0095】
そして、搬送経路決定部67は、放熱必要度に応じて搬送経路を次述の搬送経路1〜4のいずれかに決定する(S100)。搬送経路1〜4は、数値が大きいほど用紙の冷却能力が大きいとする(なお、搬送経路3と4は、吸気ファンの場所などによって冷却能力が入れ替わることもある。)。したがって、搬送経路決定部67は、例えば、放熱必要度が1の場合、搬送経路1を、放熱必要度が2の場合、搬送経路2を、放熱必要度が3の場合、搬送経路3を、放熱必要度が4の場合、搬送経路4を、決定する。この場合、停止時間は固定値(例えば後述する4t)とすればよい。
【0096】
なお、放熱必要度の算出方法はあくまで一例であって、用紙の種類、用紙の厚み、設定された定着温度、機内温度及び湿度に応じて放熱必要度の重み付けを変えることもできる。したがって、放熱必要度は用紙の温度の上昇のしやすさを適切に反映するように決定できる。この場合、停止時間は放熱必要度に応じて大きくすることができる。
放熱必要度1〜4 →搬送経路1〜4(停止時間ゼロ)
放熱必要度5〜7 →搬送経路2〜4(停止時間4t)
放熱必要度8〜10→搬送経路2〜4(停止時間6t)

搬送経路1〜4について詳細は後述するが、それぞれ以下のような搬送経路である。
搬送経路1:分岐冷却パス7〜9に用紙を順番に振り分ける。
搬送経路2:分岐冷却パス7〜9に用紙を順番に振り分け、用紙を同じ場所で停止させる。
搬送経路3:分岐冷却パス7〜9に用紙を順番に振り分け、用紙を停止させる場所を用紙毎に切り替える。
搬送経路4:分岐冷却パス7〜9に用紙を順番に振り分け、隣接した分岐冷却パスの用紙の停止場所が同じにならないように停止場所を決定する。
【0097】
搬送経路決定部67は、決定した搬送経路に応じて冷却搬送装置98に、例えば、次のような冷却搬送用の指示を出す。
(i){分岐冷却パスに振り分ける(Yes又はNo)}
(ii){停止時間(ゼロ又は停止時間t)}
(iii){停止位置(1,2、3又は4)}
したがって、各搬送経路1〜4の指示は以下のようになる。
・搬送経路1:{分岐冷却パスに振り分ける(yes)}{停止時間(ゼロ)}{停止位置(−)}・搬送経路2:{分岐冷却パスに振り分ける(yes)}{停止時間(nt)}{停止位置(1or2)}
・搬送経路3:{分岐冷却パスに振り分ける(yes)}{停止時間(nt)}{停止位置(3)}・搬送経路4:{分岐冷却パスに振り分ける(yes)}{停止時間(nt)}{停止位置(4)}
なお、停止位置(1)とは、停止位置を図4の停止位置30,32,34とする指示であり、停止位置(2)とは、停止位置を図4の停止位置31,33,35とする指示である。また”n”は自然数である。
【0098】
停止位置(3)は、分岐冷却パス7〜9それぞれで停止位置(1)と停止位置(2)を用紙毎に切り替えるという指示である。
【0099】
停止位置(4)は、分岐冷却パス7〜9のうち隣接する分岐冷却パスの用紙の停止位置を異ならせるという指示である。
【0100】
なお、搬送経路決定部67は、用紙の種類が特定の用紙の種類の場合、用紙の厚みが閾値4以上の場合、定着温度が閾値1以上の場合、機内温度が閾値2以上の場合、又は、機内湿度が閾値3以上の場合、のいずれか1つ以上の条件を満たす場合に、単に分岐冷却パス7〜9に分岐するとだけ(搬送経路1を指示する)判定することもできる。
【0101】
また、この場合、分岐するだけでなく用紙を停止させるため、搬送経路決定部67は搬送経路2,3,4のいずれかを固定的に指示することもできる。
【0102】
図7に戻り、冷却搬送装置98は、通信部61、ファンモータ制御部62、搬送モータ制御部63、及び、ゲート切替制御部64を有する。ファンモータ制御部62は、一定回転速度又は冷却搬送装置98内の温度に応じた回転速度で吸気ファン24及び排気ファン25を回転させる。
【0103】
搬送モータ制御部63は、画像形成装置100からの冷却搬送用の指示に応じて、走行センサ3,14〜16が検出する用紙位置に基づき、搬送モータ4,26,27,28の停止/回転を制御する。なお、搬送モータ26,27,28は、各用紙の通過時間が同じになるよう予め回転速度が設定されている。
【0104】
また、搬送モータ制御部63は、冷却搬送用の指示の停止時間がゼロ以外の場合、停止位置(1)又は(2)において、停止時間tの間、搬送モータ4,26,27,28を停止した状態を維持する。
【0105】
ゲート切替制御部64は、パス切替ゲート6に搬送路5の接続先を分岐冷却パス7〜9のいずれかに切り替えさせる。画像形成装置100からの指示において、分岐冷却パス7〜9に振り分けるが”No”の場合、搬送経路決定部67は分岐冷却パスを切り替えず固定にする(分岐冷却パス7〜9のいずれかをつかう)。
【0106】
画像形成装置100からの冷却搬送用の指示において、分岐冷却パスに振り分けるが”Yes”の場合、搬送経路決定部67は搬送路5の接続先を用紙毎に分岐冷却パス7〜9に順番に切り替える。
【0107】
〔分岐冷却パスを切り替えない場合の冷却搬送動作〕
図9を用いて、本実施形態の分岐冷却パスの効果と比較するため、分岐冷却パスを切り替えない場合の冷却搬送動作について説明する。
【0108】
図9は、用紙検知時間と用紙を検出していない時間のタイミングチャートを示している。各走行センサで用紙を検出している時間(以下、用紙検知時間という)は網掛けで表示され、各走行センサで用紙を検出していない時間(以下、用紙未検知時間という)を網掛け無しで表示されている。用紙検知時間は、分岐冷却パス7〜9及び冷却パス11が用紙を冷却し、分岐冷却パス7〜9及び冷却パス11に熱が蓄積される時間である。用紙未検知時間は、分岐冷却パス7〜9及び冷却パス11に蓄積した熱を放熱する時間である。
【0109】
なお、図9では搬送経路を分岐冷却パス7に固定した状態を示すが、分岐冷却パス8、9に固定してもタイミングチャートは同じになる。分岐冷却パス8、9を使用しない場合、騒音と消費電力を抑える為、冷却搬送装置98は搬送しない分岐冷却パス8,9の搬送モータ27,28は、停止しておく。
【0110】
複数の分岐する分岐冷却パス7〜9に切り替えないで搬送する場合、冷却搬送装置98に搬送されてきた用紙20は、走行センサ3を通過した後、走行センサ14a、走行センサ14b、走行センサ14c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していく。なお、用紙Iの用紙通過時間は25t時間である。この用紙通過時間は、冷却搬送装置98で用紙を冷却した用紙冷却時間と等しい。
【0111】
図10は、用紙検知時間と用紙未検知時間の比率を数値にて説明する図の一例である。途切れることなく次々と用紙が搬送されてきた場合、図10に示すように、分岐冷却パス7、冷却パス11上のどの走行センサ14、18も、用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:1(80%:20%)である。図10では、タイミングチャートの1目盛りを「t時間」とした。この「t時間」は用紙の通過間隔でもある。
【0112】
そのため、分岐冷却パス7と冷却パス11が4t時間で冷却パスに蓄積された熱を、t時間で、放熱することができないと、分岐冷却パス7と冷却パス11の熱を放熱できないまま次々と次の用紙を冷却する必要が生じ、冷却効果が低下してしまう。
【0113】
熱を蓄積しやすい条件(用紙の種類、用紙の厚み、設定され定着温度、機内温度及び湿度)が整い、さらに、途切れなく次々に用紙が搬送されてくると、十分に分岐冷却パス7と冷却パス11の熱を放熱できず、用紙の温度を下げる冷却効果が低下してしまう。
【0114】
冷却搬送装置98は、熱を蓄積しやすい条件以外であるため、十分に、用紙の温度を下げることができる時は、画像形成装置100からの冷却搬送用の指示に従い図10に示す冷却搬送を行なう。
【0115】
〔分岐冷却パスを切り替えた場合の冷却搬送動作(搬送経路1)〕
図11は、冷却パスを切り替えた場合の用紙検知時間と用紙未検知時間のタイミングチャートを示している。すなわち、冷却搬送装置98は、用紙一枚毎に、各用紙を3つに分岐する分岐冷却パス7〜9に、順番に切り替えて搬送した場合の冷却搬送動作と冷却効果を示す。
【0116】
図11では、各走行センサで用紙検知時間を網掛けで示し、各走行センサ14,15,16,18で用紙未検知時間を網掛けなしで示している。用紙検知時間は、分岐冷却パス7〜9及び冷却パス11が用紙を冷却し、分岐冷却パス7〜9及び冷却パス11に熱が蓄積される時間である。用紙未検知時間は、分岐冷却パス7〜9及び冷却パス11に蓄積した熱を放熱する時間である。
【0117】
用紙通過時間は、分岐冷却パス7〜9を切り替えるか否かに関わりなく一定なので、図11の用紙通過時間は図9の用紙通過時間と同じ25t時間である。用紙通過時間は、冷却搬送装置98で用紙を冷却した時間である。
【0118】
冷却搬送装置98は、3つの分岐する分岐冷却パス7〜9に用紙一枚毎に、順番に用紙を搬送する。
【0119】
走行センサ3に時系列に示されているように、冷却搬送装置98に画像形成装置100から用紙I〜VIIが順番に搬送されてくる。用紙I、用紙IVは、分岐冷却パス7に、用紙II、用紙Vは、分岐冷却パス8に、用紙III、用紙VIは、分岐冷却パス9に分配される。
【0120】
走行センサ3を通過した用紙I、用紙IVは、走行センサ14a、走行センサ14b、走行センサ14c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していくことになる。
【0121】
走行センサ3を通過した用紙II、用紙Vは、走行センサ15a、走行センサ15b、走行センサ15c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していくことになる。
【0122】
走行センサ3を通過した用紙III、用紙VIは、走行センサ16a、走行センサ16b、走行センサ16c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していくことになる。
【0123】
図12は、図11のタイミングチャートを採用した場合の用紙検知時間の割合と用紙未検知時間の割合の関係を走行センサ毎に示す図である。途切れることなく次々と用紙が搬送されてきた場合、図12に示すように、搬送路5の走行センサ3、及び、冷却パス11の走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:1(80%:20%)であり図10と同じである。そのため、搬送路5、及び、冷却パス11では、4t時間で冷却パスに蓄積された熱を、t時間で、放熱することになる。
【0124】
これに対し、分岐冷却パス7の「走行センサ14a、走行センサ14b、走行センサ14c」、分岐冷却パス8の「走行センサ15a、走行センサ15b、走行センサ15c」、分岐冷却パス9の「走行センサ16a、走行センサ16b、走行センサ16c」の用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:11(26.7%:73.3%)である。また、分岐冷却パス7と分岐冷却パス8と分岐冷却パス9のどの分岐冷却パスを用紙が通過しても用紙通過時間は25tのままである。
【0125】
図9と比較すると、用紙未検知時間が20%から73.3%に増大したことを意味するので、図9の状況よりも冷却パス11の放熱効果が53.3%増大していることになる。そのため、図9のように用紙を分配しない場合よりも、搬送路5から冷却パス11までの用紙の冷却効果を維持することができる。
【0126】
走行センサ18a、18b、18c、18dの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:1(80%:20%)である。検出していない時間は、t時間で走行センサ3の検出していない時間と同じである。このため、生産性は分岐しない場合と同じであり全く低下していないことが確認できる。
【0127】
したがって、図11、12に示される本実施形態の特徴によれば、熱を蓄積しやすい状況で、途切れなく、次々に用紙が搬送されても、用紙を十分に冷却できることが期待できる。
【0128】
画像形成装置100は、途切れなく、次々に用紙を搬送する際、複数の条件(用紙の種類、用紙の厚み、設定され定着温度、機内温度及び湿度、画像形成装置100から積載部までの搬送経路の長さの組み合わせ)の組み合わせ又はこの1つ以上の条件に応じて、冷却搬送装置98に図11の冷却搬送を指示する。
【0129】
〔分岐冷却パスを切り替えた場合の冷却搬送動作(搬送経路2)〕
図13は、冷却パスを切り替え、さらに分岐冷却パス内で用紙を停止させた場合の用紙検知時間と用紙未検知時間のタイミングチャートを示している。
【0130】
図13では、各走行センサで用紙検知時間を網掛けで示し、各走行センサで用紙未検知時間を網掛け無しで示している。用紙検知時間と用紙未検知時間についてはすでに説明したので省略する。
【0131】
冷却搬送装置98は、用紙一枚毎に3つの分岐する分岐冷却パス7〜9に、順番に切り替えて用紙を搬送する。
【0132】
冷却搬送装置98に搬送されてきた用紙I〜VIIは、いずれも走行センサ3を通過する。用紙I、用紙IVは、走行センサ14a、走行センサ14b、走行センサ14c、走行センサ18d、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していく。
【0133】
用紙Iは、走行センサ14aと走行センサ14bに検知された状態で4t時間停止した後、搬送を続けることになる。用紙Iは走行センサ14aに検知された状態で3t時間、搬送されたことで、走行センサ14bに到達する。この状態で、用紙Iは、4t時間、停止する。
【0134】
その後、用紙Iは、走行センサ14aに検知された状態で1t時間搬送され、合計4t時間搬送される。また、用紙Iは、走行センサ14bに検知された状態で4t時間搬送され、走行センサ14cでは停止せずに、冷却パス11に送り出される。用紙IVについても同様である。
【0135】
走行センサ3を通過した用紙II、用紙Vは、走行センサ15a、走行センサ15b、走行センサ15c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していくことになる。
【0136】
用紙IIは、走行センサ15aと走行センサ15bに検知された状態で4t時間停止した後、搬送を続けることになる。用紙IIは走行センサ15aに検知された状態で3t時間、搬送されたことで、走行センサ15bに到達する。この状態で、用紙IIは、4t時間、停止している。
【0137】
その後、用紙IIは、走行センサ15aに検知された状態で1t時間搬送され、合計4t時間搬送される。また、用紙IIは、走行センサ15bに検知された状態で4t時間搬送され、走行センサ15cでは停止せずに、冷却パス11に送り出される。用紙Vについても同様である。
【0138】
走行センサ3を通過した用紙III、用紙VIは、走行センサ16a、走行センサ16b、走行センサ16c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していくことになる。
【0139】
用紙IIIは、走行センサ16aと走行センサ16bに検知された状態で4t時間停止した後、搬送を続けることになる。用紙IIIは走行センサ16aに検知された状態で3t時間、搬送されたことで、走行センサ16bに到達する。この状態で、用紙IIIは、4t時間、停止している。
【0140】
その後、用紙IIIは、走行センサ16aに検知された状態で1t時間搬送され、合計4t時間搬送される。また、用紙IIIは、走行センサ16bに検知された状態で4t時間搬送され、走行センサ16cでは停止せずに、冷却パス11に送り出される。用紙VIについても同様である。
【0141】
図14は、図13のタイミングチャートを採用した場合の用紙検知時間の割合と用紙未検知時間の割合の関係を走行センサ毎に示す図である。途切れることなく次々と用紙が搬送されてきた場合、図14に示すように、搬送路5の走行センサ3、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:1(80%:20%)であり分岐冷却パス7〜9を使用しない時と割合は同じである。そのため、4t時間で冷却パス11に蓄積された熱を、t時間で、放熱することになる。この結果、用紙通過時間は29tとなる。
【0142】
これに対し、走行センサ14a、走行センサ14b、走行センサ15a、走行センサ15b、走行センサ16a、走行センサ16bの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、8:7(53.3%:46.7%)である。
【0143】
これは、冷却パスを切り替えない場合よりも、放熱効果が18.9%増大していることになる。そのため、冷却パスを切り替えない場合よりも、図14のように用紙を停止させることで、冷却効果を維持することができる。
【0144】
また、用紙通過時間を比較すると明らかなように、用紙が停止したことで、冷却パスが熱を蓄積する時間が、冷却パスを切り替えない場合よりも4t時間増えている。これから、用紙の冷却効果も高いことが分かる。
【0145】
ところで、各冷却パスの下流側にある走行センサ14c、走行センサ15c、走行センサ16cの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:11(26.7%:73.3%)である。これは、冷却パスを切り替えない場合よりも、放熱効果が53.3%増大していることになる。そのため、冷却パスを切り替えない場合よりも、図13のように用紙を停止させることで、冷却効果を維持することができる。
【0146】
また、走行センサ18dの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:1(80% :20%)であり、用紙未検知時間は、t時間である。これは冷却パスを切り替えない場合と同じであるので、生産性も、低下していない。つまり、図14の場合の冷却搬送装置98の用紙通過時間は29t時間であるので、冷却パスを切り替えない場合よりも4t長い。しかしこれは最初の1ページだけ出力されるまでの時間が4t長くなるが、以降は、t時間毎に印刷されることを意味する。
【0147】
〔分岐冷却パスを切り替えた場合の冷却搬送動作(搬送経路3)〕
図15は、冷却パスの2箇所で交互に用紙を4t時間停止させた場合の用紙検知時間と用紙未検知時間のタイミングチャートを示している。すなわち、分岐冷却パス7で説明すれば、冷却搬送装置98は、走行センサ14aと14bの間で用紙を停止させた後は、分岐冷却パス8,9に用紙を送り出した後、分岐冷却パス7では走行センサ14bと走行センサ14cの間で用紙を停止させる。
【0148】
搬送経路1、2と同様、冷却搬送装置98は、用紙一枚毎に、用紙の搬送先を3つの分岐する分岐冷却パス7〜9のいずれかに切り替えて順番に搬送する。画像形成装置100から冷却搬送装置98に搬送され、走行センサ3を通過した用紙I、用紙IVは、走行センサ14a、走行センサ14b、走行センサ14c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していく。
【0149】
用紙Iは、走行センサ14aと走行センサ14bに検知された状態で4t時間停止した後、走行センサ14cを通過し、引き続き搬送パス18を搬送される。用紙IVは、走行センサ14aを停止することなく通過し、走行センサ14bと走行センサ14cに検知された状態で4t時間停止した後、引き続き搬送パス18を搬送される。
【0150】
画像形成装置100から冷却搬送装置98に搬送され、走行センサ3を通過した用紙II、用紙Vは、走行センサ15a、走行センサ15b、走行センサ15c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していく。
【0151】
用紙IIは、走行センサ15aと走行センサ15bに検知された状態で4t時間停止した後、走行センサ15cを通過し、引き続き搬送パス18を搬送される。用紙Vは、走行センサ15aを停止することなく通過し、走行センサ15bと走行センサ15cに検知された状態で4t時間停止した後、引き続き搬送パス18を搬送される。
【0152】
画像形成装置100から冷却搬送装置98に搬送され、走行センサ3を通過した用紙III、用紙VIは、走行センサ16a、走行センサ16b、走行センサ16c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していく。
【0153】
用紙IIIは、走行センサ16aと走行センサ16bに検知された状態で4t時間停止した後、引き続き冷却パス11を搬送される。用紙VIは、走行センサ16bと走行センサ16cに検知された状態で4t時間停止した後、引き続き冷却パス11を搬送される。
【0154】
図16は、図15のタイミングチャートを採用した場合の用紙検知時間の割合と用紙未検知時間の割合の関係を走行センサ毎に示す図である。途切れることなく次々と用紙が搬送されてきた場合、図16に示すように、冷却搬送パスの走行センサ3、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は4:1(80%:20%)であり図9のタイミングチャート図と割合は同じである。そのため、4t時間で冷却パスに蓄積された熱を、t時間で、放熱することになる。
走行センサ14b、走行センサ15b、走行センサ16bの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、8:7(53.3%:46.7%)である。これは、分岐させない場合よりも分岐冷却パスの放熱効果が33.3%増大していることになる。そのため、分岐しない図10よりも、板金の冷却効果を維持することができる。
【0155】
また、走行センサ14a、走行センサ14c、走行センサ15a、走行センサ15c、走行センサ16a、走行センサ16cの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、12:18(40%:60%)である。
【0156】
これは、分岐させない場合よりも分岐冷却パスの放熱効果が40%増大していることになる。そのため、分岐させない場合よりも、板金の冷却効果を維持することができる。また、冷却パスに熱を蓄積する時間が、分岐しない場合の4t時間から、12t時間と長くなったことで、分岐させない場合よりも、用紙の冷却効果が高いことがわかる。
【0157】
また、分岐冷却パス7と分岐冷却パス8と冷却パス9のどの分岐冷却パスを用紙が通過しても、停止時間は4tなので通過時間29tである。これは、分岐させない場合(停止させない場合)よりも4t時間長い。このため、分岐させない場合よりも4t時間(21%UP)長く用紙を冷却したことになり、板金による用紙の冷却効果が高いことになる。
【0158】
走行センサ18dの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:1(80%:20%)である。用紙未検知時間は、t時間で走行センサ3と同じである。このため、生産性も低下していない。
【0159】
また、図15のように用紙毎に停止位置を切り替えることで、同じ位置に用紙が停止しないため、図13より、冷却パス全体を使って用紙を冷却することができる。図14と図16の走行センサ14a、14c同士を比較すると分かるように、走行センサ14aでは用紙未検知時間が46.7%から60%にアップしている。一方、走行センサ14cでは用紙未検知時間が73.3%から60%にダウンしている。この数値の変化は冷却パス全体を使って用紙が冷却されていることを示している。
【0160】
なお、板金は外気により冷却されるので、板金の温度がある程度下がると冷却時間を長くしても(用紙未検知時間を長くしても)、冷却能力の向上にあまり影響しなくなる。よって、用紙未検知時間が73.3%から60%にダウンしても、60%という用紙未検知時間が外気による板金の冷却に十分な時間であれば、板金は用紙を十分に冷却することができる。
【0161】
〔分岐冷却パスを切り替えた場合の冷却搬送動作(搬送経路4)〕
図17は、隣接した分岐冷却パスの用紙が互いに異なる位置に停止するように4t時間停止させた場合の用紙検知時間と用紙未検知時間のタイミングチャートを示している。すなわち、冷却搬送装置98は、分岐冷却パス7と分岐冷却パス9は、それぞれ走行センサ14aと14b、16aと16bの間に用紙を4t時間停止させ、分岐冷却パス8は、走行センサ15bと15cの間に用紙を4t時間停止させる。
【0162】
なお、分岐冷却パス7と分岐冷却パス9が、それぞれ走行センサ14bと走行センサ14c、走行センサ16bと走行センサ16cの間に用紙を4t時間停止させ、分岐冷却パス8は、走行センサ15aと15bの間に用紙を4t時間停止させることもできる。
【0163】
冷却搬送装置98は、3つの分岐する分岐冷却パス7〜9に用紙一枚毎に、用紙を順番に搬送する。
【0164】
冷却搬送装置98に搬送されてきた用紙は、走行センサ3を通過した用紙I、用紙IVは、走行センサ14a、走行センサ14b、走行センサ14c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していくことになる。
【0165】
用紙I、用紙IVは、走行センサ14aと走行センサ14bに検知された状態で4t時間停止した後、走行センサ14c、冷却パス11上を引き続き搬送される。
【0166】
走行センサ3を通過した用紙II、用紙Vは、走行センサ15a、走行センサ15b、走行センサ15c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していく。
【0167】
用紙II、用紙Vは、走行センサ15aを通過した後、走行センサ15bと走行センサ15cに検知された状態で4t時間停止した後、冷却パス11上を引き続き搬送される。
【0168】
このように、分岐冷却パス7と分岐冷却パス8が隣り合っているため、入口から見て同じ位置で用紙を停止しないようにすることで、分岐冷却パス7,8の冷却効果を高めることができる。
【0169】
走行センサ3を通過した用紙III、用紙VIは、走行センサ16a、走行センサ16b、走行センサ16c、走行センサ18c、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していく。
【0170】
用紙III、用紙VIは、走行センサ16aと走行センサ16bに検知された状態で4t時間停止した後、走行センサ16cを通過して、冷却パス11上を引き続き搬送される。
【0171】
分岐冷却パス8と分岐冷却パス9が隣り合っているため、入口から見て同じ位置で用紙を停止しないようにすることで、分岐冷却パス8,9の冷却効果を高めることができる。
【0172】
図18は、図17のタイミングチャートを採用した場合の用紙検知時間の割合と用紙未検知時間の割合の関係を走行センサ毎に示す図である。途切れることなく次々と用紙が搬送されてきた場合、図18に示すように、搬送路5の走行センサ3、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は4:1(80%:20%)であり図10の時と割合は同じである。すなわち、搬送路5と冷却パス11は、4t時間で冷却パスに蓄積された熱を、t時間で、放熱することになる。
【0173】
走行センサ14aと走行センサ14b、走行センサ15bと走行センサ15c、走行センサ16aと走行センサ16bの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、8:7(53.3%:46.7%)である。これは、分岐させない場合よりも、分岐冷却パス7〜9の放熱効果が26.7%増大していることを示す。このため、分岐させない場合よりも、板金の冷却効果を維持することができる。
【0174】
また、走行センサ14c、走行センサ15a、走行センサ16cの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:11(26.7%:73.3%)である。これは、分岐させない場合よりも分岐冷却パス7〜9の放熱効果が53.3%増大していることになる。そのため、分岐させない場合よりも、板金の冷却効果を維持することができる。
【0175】
走行センサ18dの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:1(80%:20%)である。用紙未検知時間は、t時間で走行センサ3と同じである。このため、生産性も、低下していないことがわかる。
【0176】
また、用紙が4t時間停止したため、分岐冷却パス7と分岐冷却パス8と分岐冷却パス9のどの冷却パスを用紙が通過しても用紙通過時間29tである。このため、分岐させない場合よりも4t時間(21%UP)長く用紙を冷却したことになり、分岐させない場合よりも用紙の冷却効果が高いことがわかる。
【0177】
また、図14と図18の走行センサ14a〜14c、走行センサ16a〜16cを比較すると、用紙未検知時間は同じである。走行センサ15a〜15cについても走行センサ15b・15cと15a・15b、走行センサ15aと15cを比較すれば用紙未検知時間は同じである。
【0178】
しかしながら、3つの分岐冷却パス7〜9は吸気ファンで冷却されるが、板金が密集した空間は空気が通過しにくいことを考えると、図17のように隣接する分岐冷却パス7〜9間で用紙20の停止位置を切り替えることで、分岐冷却パス7〜9に熱が留まりにくくなり、効率的に冷却できる。
【0179】
〔制御手順〕
図19は、冷却搬送装置98がパス切替ゲート6を制御する手順を示すフローチャート図の一例であり、図20は、冷却搬送装置98が搬送モータ26,27,28を制御する手順を示すフローチャート図の一例である。図19と図20は並行して実行される。
【0180】
図19、20の手順は、冷却搬送装置98が、例えば画像形成装置100から印刷開始の信号と共に、冷却搬送用の指示を受信することでスタートする。
【0181】
まず、ゲート切替制御部64は、冷却搬送用の指示が「振り分ける」が”Yes”か否かを判定する(S1−1)。冷却搬送用の指示が「振り分ける」でない場合(S1−1のNo)、ゲート切替制御部64がパス切替ゲート6の接続先を切り替える必要がないので、図19の処理は終了する。
【0182】
この場合、ゲート切替制御部64は、印刷のジョブ毎に分岐冷却パス7〜9を切り替えて又はランダム(無作為)に決定した分岐冷却パス7〜9のいずれかに、パス切替ゲート6の接続先を固定し、その接続先の分岐冷却パス7〜9を搬送モータ制御部63に通知する。これにより、搬送モータ制御部63は、1つの分岐冷却パスの搬送モータ26,27,28のいずれかだけを制御すればよいので、消費電力や騒音を抑制できる。
【0183】
冷却搬送用の指示が「振り分ける」の場合(S1−1のYes)、パス切替ゲート6の接続先の分岐冷却パスを順番に切り替えるため、ゲート切替制御部64は枚数カウンタを”0”に初期化する(S1−2)。
【0184】
そして、ゲート切替制御部64は、走行センサ3が用紙の通過を検出したか否かを判定する(S1−3)。用紙の先端が走行センサ3を通過したことで、ゲート切替制御部64はパス切替ゲート6を切り替える必要があることを検知できる。用紙先端が走行センサ3の通過を検出していない場合は(S1−3のNo)、S1−3の処理を繰り返す。
【0185】
一方、用紙の先端が走行センサ3を通過した場合(S1−3のYes)、CPU48は走行センサ3から割り込みされるなどしてそれを検出し、ゲート切替制御部64は枚数カウンタを1つ大きくする(S1−4)。
【0186】
そして、ゲート切替制御部64は、枚数カウンタの値に応じてパス切替ゲート6の接続先を分岐冷却パス7〜9のいずれかに切り替える(S1−5)。例えば、枚数カウンタの値が「1」なら分岐冷却パス7に、「2」なら分岐冷却パス8に、「3」なら分岐冷却パス9に、切り替えるようにプログラム52に記述されている。
【0187】
このような制御により、用紙が走行センサ3を通過する毎に、パス切替ゲート6の接続先を各分岐冷却パス7〜9に順番に切り替えることができる。
【0188】
そして、ゲート切替制御部64は、枚数カウンタが3になったら0に戻し(S1−6)、ステップS1−3からの処理を繰り返す。
【0189】
図20に進み、搬送モータ制御部63はゲート切替制御部64がパス切替ゲート6を切り替えている間、並行的に搬送モータ26〜29を制御している。
【0190】
まず、搬送モータ制御部63は冷却搬送用の指示の「停止時間」がゼロか否かを判定する(S2−1)。停止時間がゼロであることは(S2−1のYes)、停止しないことを意味するので、図20の処理は終了する。
【0191】
停止時間がゼロでない場合(S2−1のNo)、搬送モータ制御部63は停止位置が(1)〜(4)のいずれであるかに応じて処理を切り分ける(S2−2)。
【0192】
停止位置(1)の場合、分岐冷却パス7の走行センサ14aと走行センサ14bの間、分岐冷却パス8の走行センサ15aと15bの間、分岐冷却パス9の走行センサ16aと16bの間に、搬送モータ制御部63は用紙を停止させる。
【0193】
このため、搬送モータ制御部63は走行センサ14a、14bが共に用紙を検出したか否かを判定する(S2−3)。CPU48は走行センサ14aから割り込みされた後、14bからも割り込みされるなどしてそれを検出する。
【0194】
走行センサ14a、14bが共に用紙を検出した場合(S2−3のYes)、搬送モータ制御部63は搬送モータ26を停止させる(S2−4)。搬送モータ制御部63は停止時間の計測を開始する。
【0195】
そして、搬送モータ制御部63は指示された停止時間が経過したか否かを判定する(S2−5)。
【0196】
停止時間が経過した場合(S2−5のYes)、搬送モータ制御部63は搬送モータ26の回転を再開する(S2−6)。
【0197】
以上のようにして、分岐冷却パス7は走行センサ14a、14bの間に指示された停止時間だけ用紙を停止させることができる。
【0198】
なお、分岐冷却パス8の走行センサ15aと15bの間における用紙の停止と、分岐冷却パス9の走行センサ16aと16bの間における用紙の停止も、同様に制御される。
【0199】
ステップS2−2において停止位置(2)の場合、制御手順は停止位置(1)の場合と同様であり、異なるのは停止位置だけである。すなわち、停止位置(2)の場合、分岐冷却パス7の走行センサ14bと14cの間、分岐冷却パス8の走行センサ15bと15cの間、分岐冷却パス9の走行センサ16bと16cの間に、搬送モータ制御部63は用紙を停止させる。
【0200】
このため、搬送モータ制御部63は走行センサ14b、14cが共に用紙を検出したか否かを判定する(S2−11)。CPU48は走行センサ14bから割り込みされた後、14cからも割り込みされるなどしてそれを検出する。
【0201】
走行センサ14b、14cが共に用紙を検出した場合(S2−11のYes)、搬送モータ制御部63は搬送モータ26を停止させる(S2−12)。搬送モータ制御部63は停止時間の計測を開始する。
【0202】
そして、搬送モータ制御部63は指示された停止時間が経過したか否かを判定する(S2−13)。
【0203】
停止時間が経過した場合(S2−13のYes)、搬送モータ制御部63は搬送モータ26の回転を再開する(S2−14)。
【0204】
以上のようにして、分岐冷却パス7は走行センサ14b、14cの間に指示された停止時間だけ用紙を停止させることができる。
【0205】
なお、分岐冷却パス8の走行センサ15bと15cの間における用紙の停止と、分岐冷却パス9の走行センサ16bと16cの間における用紙の停止も、同様に制御される。
【0206】
停止位置(3)は、分岐冷却パス7〜9それぞれで停止位置(1)と停止位置(2)を用紙毎に切り替えるという停止位置である。このため、搬送モータ制御部63はフラグにより停止位置(1)と停止位置(2)を切り替える。なお、このフラグは分岐冷却パス7〜9毎に設けられている。フラグが”0”の場合、停止位置(1)で停止することを、フラグが”1”の場合、停止位置(2)で停止することを、示すものとする。なお、フラグの初期状態は”0”である。
【0207】
搬送モータ制御部63は、フラグがゼロか否かを判定する(S2−21)。フラグがゼロの場合(S2−21のYes)、停止位置(1)で用紙を停止させるので、以降の処理は停止位置(1)の場合と同様である。
【0208】
すなわち、搬送モータ制御部63は走行センサ14a、14bが共に用紙を検出したか否かを判定する(S2−22)。CPU48は走行センサ14aから割り込みされた後、14bからも割り込みされるなどしてそれを検出する。
【0209】
走行センサ14a、14bが共に用紙を検出した場合(S2−22のYes)、搬送モータ制御部63は搬送モータ26を停止させる(S2−23)。搬送モータ制御部63は停止時間の計測を開始する。
【0210】
そして、搬送モータ制御部63は指示された停止時間が経過したか否かを判定する(S2−24)。
【0211】
停止時間が経過した場合(S2−24のYes)、搬送モータ制御部63は搬送モータ26の回転を再開する(S2−25)。
【0212】
そして、次の用紙の停止位置を切り替えるため、搬送モータ制御部63はフラグを反転させる(S2−26)。これにより、フラグが”0”なら”1”に、フラグが”1”なら”0”に反転する。
【0213】
ステップS2−21においてフラグがゼロでない場合(S2−21のNo)、停止位置(2)で用紙を停止させるので、以降の処理は停止位置(2)の場合と同様である。
【0214】
すなわち、走行センサ14b、14cが共に用紙を検出した場合(S2−27のYes)、搬送モータ制御部63は搬送モータ26を停止させ、停止時間の経過の後、再開し、フラグを反転させる。
【0215】
なお、分岐冷却パス8の走行センサ15aと15bの間における用紙の停止と、分岐冷却パス9の走行センサ16aと16bの間における用紙の停止も、同様に制御される。
【0216】
停止位置(4)は、分岐冷却パス7〜9のうち隣接する分岐冷却パスの用紙の停止位置を異ならせるという停止位置である。したがって、分岐冷却パス7,9では停止位置(1)と同様の制御を、分岐冷却パス8では停止位置(2)と同様の制御を、搬送モータ制御部63が行えばよいことになる。
【0217】
搬送モータ制御部63は走行センサ14a、14bが共に用紙を検出したか否かを判定する(S2−31)。CPU48は走行センサ14aから割り込みされた後、14bからも割り込みされるなどしてそれを検出する。
【0218】
走行センサ14a、14bが共に用紙を検出した場合(S2−31のYes)、搬送モータ制御部63は搬送モータ26を停止させる(S2−32)。搬送モータ制御部63は停止時間の経過を開始する。
【0219】
そして、搬送モータ制御部63は指示された停止時間が経過したか否かを判定する(S2−33)。
【0220】
停止時間が経過した場合(S2−33のYes)、搬送モータ制御部63は搬送モータ26の回転を再開する(S2−34)。分岐冷却パス9の走行センサ16aと16bの間における用紙の停止も同様に制御される。
【0221】
一方、分岐冷却パス8については、用紙の停止位置が走行センサ15bと15cの間になる。よって、制御手順は停止位置(2)と同じである。搬送モータ制御部63は走行センサ15b、15cが共に用紙を検出したか否かを判定する。CPU48は走行センサ15bから割り込みされた後、15cからも割り込みされるなどしてそれを検出する。
【0222】
走行センサ15b、15cが共に用紙を検出した場合、搬送モータ制御部63は搬送モータ26を停止させる。搬送モータ制御部63は停止時間の経過を開始する。
【0223】
そして、搬送モータ制御部63は指示された停止時間が経過したか否かを判定する。
【0224】
停止時間が経過した場合、搬送モータ制御部63は搬送モータ26の回転を再開する。以上のようにして、隣接した分岐冷却パスでは用紙を停止させる位置を変えることができる。
【0225】
以上説明したように、本実施形態の冷却搬送装置98は、用紙の通過時間が同じ複数の分岐冷却パス7〜9を有し、用紙毎に各分岐冷却パス7〜9を順番に搬送経路とすることで、生産性を低下させることなく冷却能力を格段に増大させることができる。
【0226】
また、用紙を一時停止させることでさらに冷却能力が増大するが、複数の分岐冷却パス7〜9を有するので、冷却パスが1本の場合に比べ、生産性の低下を大幅に抑制できる。
【0227】
(実施の形態2)
実施の形態1の冷却搬送装置98では、用紙毎に各分岐冷却パス7〜9を順番に搬送経路としているが、複数の分岐冷却パス7〜9が限られたスペースに設置されているため、吸気ファン24から取り込んだ外気が板金に当たっても、隣接する分岐冷却パス7〜9の放熱の影響を受けて、放熱効果が低い分岐冷却パス7〜9ができてしまうおそれがある。
【0228】
すなわち、図3では、複数の分岐冷却パス7〜9に吸気ファン24の風が均等に当たる理想的な場合を想定していたが、実際は、両側が分岐冷却パス7と分岐冷却パス9とに隣接している真中の分岐冷却パス8が、両側の分岐冷却パス7,9の熱も放熱させるため、それぞれの分岐冷却パス7〜9の放熱効果が違う場合がある。さらに、分岐冷却パス7は、冷却パス11の存在のため、それぞれの分岐冷却パス7〜9の放熱効果が違う場合がある。
【0229】
このような場合、シート材が、進入する毎に、搬送経路を切り替える方法では、各搬送経路の放熱効果に違いがある場合は、均等に放熱効果を得られない。
【0230】
また、用紙のサイズと、用紙種別(コート紙、封筒紙など)についての条件も考慮する必要がある。すなわち、用紙サイズによって、分岐冷却パス7〜9の放熱効果に違いがあるため、搬送経路の切替動作を行なう判断の条件として用紙のサイズと、用紙種別を考慮する必要がある。また、用紙サイズによって、放熱効果に違いがあるため、搬送経路の切替動作の方法を選択する場合がある。
【0231】
そこで、実施の形態2にかかる冷却搬送装置98では、冷却搬送装置98に次々と用紙が搬送されてきたときに、分岐した複数の搬送経路の中で、放熱効果が低い搬送経路の冷却効果を低下させず、また、放熱効果が低い搬送経路の冷却効果が低下しないようにする搬送経路の切替制御の方法を選択する判断基準として、用紙サイズや用紙種別を考慮している。
【0232】
本実施の形態の冷却搬送装置98は、実施の形態1と同様に、複数の分岐冷却パス7〜9に分岐し、複数の分岐冷却パス7〜9のそれぞれの用紙の搬送経路を切り替えるパス切替ゲート6を有し、複数の分岐冷却パス7〜9の出口は、同じ搬送パスに合流する構成となっている。そして、本実施の形態の冷却搬送装置98では、途切れなく次々と用紙が冷却搬送装置に搬送された場合に、搬送する複数の分岐冷却パス7〜9を切り替える制御を、複数の分岐冷却パス7〜9の放熱し易さに応じて、分散する用紙枚数を搬送経路毎に設定し、設定枚数の用紙を搬送したら、分岐冷却パス7〜9を切り替える。これにより、放熱し難い分岐冷却パス7〜9への用紙を搬送する割合を少なくして、蓄積された熱の放熱効果を高め、冷却効果を回復することが可能となる。
【0233】
本実施の形態の画像形成システムの構成、冷却搬送装置98の概略構成、分岐冷却パス7〜9における用紙20の停止位置、画像形成装置100のコントローラのハードウェア構成、冷却搬送装置98の制御部の構成、冷却搬送装置98および画像形成装置100の機能的構成は、それぞれ、図2、図3、図4、図5、図6、図7を用いて説明した実施の形態1と同様である。
【0234】
図21は、実施の形態2の冷却搬送装置98において、分岐冷却パス7〜9に用紙を分散させる割合である用紙分散割合D1を{分岐冷却パス7:分岐冷却パス8:分岐冷却パス9}={2:1:3}とした場合の例における用紙検知時間と用紙未検知時間のタイミングチャートである。
【0235】
図21の例では、隣接する分岐冷却パスの放熱効果の影響を受けるため、分岐冷却パス8は、分岐冷却パス9および分岐冷却パス7の放熱効果の影響を受け、分岐冷却パス9が分岐冷却パス7と分岐冷却パス8よりも放熱効果が最も低く、分岐冷却パス9は、片側に搬送経路がない為、分岐冷却パス7よりも、放熱効果が高い。このため、各分岐冷却パス7〜9の放熱効果の違いを考慮して、上記用紙分散割合D1を定めている。
【0236】
すなわち、本実施の形態の冷却搬送装置98は、放熱効果が高い順に、分岐冷却パス7〜9に対する用紙分散割合D1を3:2:1の数値で設定し、設定された数値の枚数分を分岐冷却パスに搬送したら、搬送経路を切り替えて、別の分岐冷却パスに搬送させる。
【0237】
ここで、用紙分散割合D1は、用紙サイズや、コート紙や封筒紙などの用紙種別に基づいて画像形成装置100の搬送経路決定部67で決定され、後述するパス切替データに含められる。用紙分散割合D1は、各分岐冷却パス7〜9のそれぞれに対して分散する用紙の割合とする他、当該割合に応じて、各分岐冷却パス7〜9のそれぞれに実際に搬送する用紙の枚数を設定してもよい。
【0238】
画像形成装置100の搬送経路決定部67は、この他、枚数カウンタ切替枚数D2、枚数カウンタ0に戻す枚数D3も決定し、パス切替データに設定する。パス切替データは、画像形成装置100の通信部65によって冷却搬送装置98に送信される。
【0239】
なお、用紙分散割合D1を予め画像形成装置100内のメモリ等に設定したり、ユーザが画像形成装置100に対して設定入力するように構成することもできる。
【0240】
図21では、各走行センサで用紙検知時間を網掛けで示し、各走行センサ14,15,16,18で用紙未検知時間を網掛けなしで示している。用紙検知時間は、分岐冷却パス7〜9及び冷却パス11が用紙を冷却し、分岐冷却パス7〜9及び冷却パス11に熱が蓄積される時間である。用紙未検知時間は、分岐冷却パス7〜9及び冷却パス11に蓄積した熱を放熱する時間である。
【0241】
用紙通過時間は、分岐冷却パス7〜9を切り替えるか否かに関わりなく一定なので、図21の用紙通過時間は、図9の用紙通過時間と同じ25t時間である。用紙通過時間は、冷却搬送装置98で用紙を冷却した時間である。
【0242】
冷却搬送装置98は、3つの分岐する分岐冷却パス7〜9に放熱効果を数値化した数字分の用紙枚数を搬送する。
【0243】
走行センサ3に時系列に示されているように、冷却搬送装置98に画像形成装置100から用紙I〜VIが順番に搬送されてくる。用紙I、用紙IIは、分岐冷却パス7に、用紙III、分岐冷却パス8に、用紙IV、用紙V、用紙VIは、分岐冷却パス9に分配される。
【0244】
走行センサ3を通過した用紙I、用紙IIは、走行センサ14a、走行センサ14b、走行センサ14c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していくことになる。
【0245】
走行センサ3を通過した用紙IIIは、走行センサ15a、走行センサ15b、走行センサ15c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していくことになる。
【0246】
走行センサ3を通過した用紙IV、用紙V、用紙VIは、走行センサ16a、走行センサ16b、走行センサ16c、走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dを順番に通過していくことになる。
【0247】
図22は、図21のタイミングチャートを採用した場合の用紙検知時間の割合と用紙未検知時間の割合の関係を走行センサ毎に示す図である。途切れることなく次々と用紙が搬送されてきた場合、図22に示すように、搬送路5の走行センサ3、及び、冷却パス11の走行センサ18a、走行センサ18b、走行センサ18c、走行センサ18dの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:1(80%:20%)であり図10の例と同じである。このため、搬送路5、及び、冷却パス11では、4t時間で冷却パス11に蓄積された熱を、t時間で、放熱することになる。
【0248】
これに対し、分岐冷却パス7の「走行センサ14a、走行センサ14b、走行センサ14c」の用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、8:22(26.7%:73.3%)である。分岐冷却パス8の「走行センサ15a、走行センサ15b、走行センサ15c」の用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:26(13.3%:86、7%)である。
【0249】
分岐冷却パス9の「走行センサ16a、走行センサ16b、走行センサ16c」の用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、12:18(40%:60%)である。また、分岐冷却パス7と分岐冷却パス8と分岐冷却パス9のどの分岐冷却パスを用紙が通過しても用紙通過時間は25tのままである。
【0250】
図9と比較すると、分岐冷却パス7は、用紙未検知時間が20%から73.3%に増大したことを意味するので、図9の状況よりも分岐冷却パスの放熱効果が53.3%増大していることになる。分岐冷却パス8は、用紙未検知時間が20%から86.7%に増大したことを意味するので、図9の状況よりも分岐冷却パスの放熱効果が66.7%増大していることになる。分岐冷却パス9は、用紙未検知時間が20%から60%に増大したことを意味するので、図9の状況よりも分岐冷却パスの放熱効果が40%増大していることになる。このため、図9のように用紙を分配しない場合よりも、搬送路5から冷却パス11までの用紙の冷却効果を維持することができる。
【0251】
また、用紙未検知の割合が、図11の例では、分岐冷却パス8、分岐冷却パス7、分岐冷却パス9は、同じ割合だったのに対し、図22の例では、用紙未検知割合が高い順に並べると、分岐冷却パス8、分岐冷却パス7、分岐冷却パス9の順となる。これは、図22の例が、各分岐冷却パスの放熱効果に合わせて用紙を分散させた結果である。
【0252】
分岐冷却パス毎に 走行センサ18a、18b、18c、18dの用紙検知時間と用紙未検知時間の割合は、4:1(80%:20%)である。検出していない時間は、t時間で走行センサ3の検出していない時間と同じである。このため、生産性は分岐しない場合と同じであり全く低下していないことが確認できる。
【0253】
従って、図21、22に示される実施の形態2では、分岐する分岐冷却パス毎に、放熱効果が異なる場合でも、熱を蓄積しやすい状況で、途切れなく、次々に用紙が搬送されても、用紙を十分に冷却できることが期待できる。
【0254】
画像形成装置100は、途切れなく、次々に用紙を搬送する際、複数の条件(用紙の種類、用紙の厚み、用紙サイズ、設定された定着温度、機内温度及び湿度、画像形成装置100から積載部までの搬送経路の長さの組み合わせ)の組み合わせ又はこの1つ以上の条件に応じて、冷却搬送装置98に図21で示す用紙分散割合D1で冷却搬送を指示する。
【0255】
次に、本実施の形態の冷却搬送装置98によるパス切替ゲートの切替制御について説明する。図23は、実施の形態2におけるパス切替ゲートの切替制御処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態においても、冷却搬送装置98が、例えば画像形成装置100から印刷開始の信号と共に、冷却搬送用の指示を受信することで、パス切替ゲートの切替制御処理がスタートする。
【0256】
まず、ゲート切替制御部64は、冷却搬送用の指示の「振り分ける」が”Yes”か否かを判定する(S2301)。冷却搬送用の指示が「振り分ける」でない場合(S2301のNo)、ゲート切替制御部64がパス切替ゲート6の接続先を切り替える必要がないので、図23の処理は終了する。
【0257】
冷却搬送用の指示が「振り分ける」の場合(S2301のYes)、パス切替ゲート6の接続先の分岐冷却パスを順番に切り替えるため、ゲート切替制御部64は枚数カウンタを”0”に初期化する(S2302)。
【0258】
そして、ゲート切替制御部64は、走行センサ3が用紙の通過を検出したか否かを判定する(S2303)。用紙先端が走行センサ3の通過を検出していない場合は(S2303のNo)、S2303の処理を繰り返す。
【0259】
なお、S2303では、走行センサ3を起点にしているが、画像形成装置100から用紙が搬送されてくる情報を起点にしても良い。
【0260】
一方、用紙の先端が走行センサ3を通過した場合(S2303のYes)、CPU48は走行センサ3から割り込みされるなどしてそれを検出し、ゲート切替制御部64は枚数カウンタを1つ大きくする(S2304)。
【0261】
そして、ゲート切替制御部64は、画像形成装置100から受信したパス切替データの枚数カウンタ切替枚数D2に応じて、パス切替ゲート6の接続先を分岐冷却パス7〜9のいずれかに切り替える(S2305)。
【0262】
図24は、パス切替データの一例を示す説明図である。このパス切替データは、画像形成装置100の搬送経路決定部67で生成され、冷却搬送装置98に送信される。図24に示すように、パス切替データは、分岐冷却パス7〜9のそれぞれに対して、用紙分散割合D1と、枚数カウンタ切替枚数D2が対応づけられて登録されている。
【0263】
用紙分散割合D1は、上述したとおり、各分岐冷却パス7〜9のそれぞれに対して用紙を分散させる割合である。図24の例では、用紙分散割合D1は、上述の図21,22の例と同様に、分岐冷却パス7:分岐冷却パス8:分岐冷却パス9=2:1:3が設定されている。
【0264】
枚数カウンタ切替枚数D2は、パス切替ゲート6の接続先を各分岐冷却パス7〜9のいずれかに切り替えるタイミングとなる枚数カウンタのカウント値である。図24の例では、分岐冷却パス7への切替えの枚数カウンタ切替枚数D2は「1」、分岐冷却パス8への切替えの枚数カウンタ切替枚数D2は「3」、分岐冷却パス9への切替えの枚数カウンタ切替枚数D2は「4」が設定されている。
【0265】
S2305では、枚数カウンタの値がこの枚数カウンタ切替枚数D2に達した場合に、パス切替ゲート6の接続先を分岐冷却パス7〜9のいずれかに切り替える。図24のパス切替データの例では、枚数カウンタの値が「1」なら分岐冷却パス7に、「3」なら分岐冷却パス8に、「4」なら分岐冷却パス9に切り替えるようにプログラム52に記述されている。
【0266】
枚数カウンタ0に戻す枚数D3は、枚数カウンタを0に初期化する用紙の枚数である。図24の例では、枚数カウンタ0に戻す枚数D3に「6」が設定されている。図24の例では、枚数カウンタ0に戻す枚数D3は、各分岐冷却パスの用紙分散割合D1を合計した値となっている。
【0267】
なお、図24のパス切替データは一例であり、パス切替データにおいて、用紙サイズ、用紙種別、用紙厚、他の条件により、用紙分散割合D1、枚数カウンタ切替枚数D2、枚数カウンタ0に戻す枚数D3のデータを複数設定するように構成してもよい。
【0268】
図23に戻り、S2305の処理の後、ゲート切替制御部64は、枚数カウンタが枚数カウンタ0に戻す枚数D3になったら0に戻し(S2306)、ステップS2303からの処理を繰り返す。
【0269】
このように本実施の形態では、途切れなく次々と用紙が冷却搬送装置98に搬送された場合に、搬送する複数の分岐冷却パス7〜9を切り替える制御を、複数の分岐冷却パス7〜9の放熱し易さに応じて、分散する用紙枚数を搬送経路毎に設定し、設定枚数の用紙を搬送したら、分岐冷却パス7〜9を切り替える。これにより、放熱し難い分岐冷却パス7〜9への用紙を搬送する割合を少なくして、蓄積された熱の放熱効果を高め、冷却効果を回復することができる。
【符号の説明】
【0270】
2,10,12,13,17 搬送ローラ
3,14,15,16,17 走行センサ
4,26,27,28,29 搬送モータ
5 搬送路
6 パス切替ゲート
7,8,9 分岐冷却パス
11 冷却パス
19 積載トレイ
24 吸気ファン
25 排気ファン
61,65 通信部
62 ファンモータ制御部
63 搬送モータ制御部
64 ゲート切替制御部
66 接続オプション検出部
67 搬送経路決定部
94 フィニッシャー
98 冷却搬送装置
100 画像形成装置
300 印刷システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0271】
【特許文献1】特開2007−079151号公報
【特許文献2】特開2009−265349号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置が排紙したシート材を搬送するシート材搬送装置であって、
外気を吸入する吸気ファンと、内部の空気を排気する排気ファンと、
シート材進入口からシート材出口までの少なくとも一部が分岐し、シート材の通過時間が互いに略等しい複数の搬送経路と、
前記搬送経路毎に前記シート材を独立に搬送する搬送モータと、
前記シート材が搬送される前記搬送経路を切り替える搬送経路切替手段と、
前記画像形成装置から前記シート材が進入する毎に、前記搬送路切替手段に複数の前記搬送経路を順番に切り替えさせる搬送経路制御手段と、
を有することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項2】
前記搬送モータを制御して、各搬送経路上で前記シート材を、互いに略同じ時間、停止させる搬送モータ制御手段、
を有することを特徴とする請求項1に記載のシート材搬送装置。
【請求項3】
前記搬送モータ制御手段は、前記搬送経路における複数の停止位置のいずれかに選択的に前記シート材を停止させる、
ことを特徴とする請求項2に記載のシート材搬送装置。
【請求項4】
前記搬送モータ制御手段は、前記搬送経路を前記シート材が通過する毎に、該搬送経路における前記停止位置を変更する、
ことを特徴とする請求項3に記載のシート材搬送装置。
【請求項5】
前記搬送モータ制御手段は、第一の搬送経路の前記シート材を、前記第一の搬送経路と隣接した第二の搬送経路の前記停止位置と異なった前記停止位置に停止させる、
ことを特徴とする請求項3に記載のシート材搬送装置。
【請求項6】
前記搬送経路制御手段は、前記シート材の厚みが所定値以上の場合、前記画像形成装置から前記シート材が進入する毎に、前記搬送路切替手段に複数の前記搬送経路を順番に切り替えさせる、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート材搬送装置。
【請求項7】
前記搬送経路制御手段は、環境温度又は環境湿度が所定値以上の場合、前記画像形成装置から前記シート材が進入する毎に、前記搬送路切替手段に複数の前記搬送経路を順番に切り替えさせる、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート材搬送装置。
【請求項8】
前記搬送経路制御手段は、前記画像形成装置の定着温度が所定値以上の場合、前記画像形成装置から前記シート材が進入する毎に、前記搬送路切替手段に複数の前記搬送経路を順番に切り替えさせる、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート材搬送装置。
【請求項9】
前記搬送経路制御手段は、前記画像形成装置からの指示によって、前記搬送路切替手段に、前記画像形成装置から進入する前記シート材を搬送する前記搬送経路を固定させる、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート材搬送装置。
【請求項10】
前記搬送経路制御手段は、前記複数の搬送経路のそれぞれに搬送する前記シート材を分散させる割合である分散割合に応じた枚数分、前記シート材を搬送した後に、前記搬送路切替手段に前記搬送経路を切り替えさせる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート材搬送装置。
【請求項11】
前記搬送経路制御手段は、前記シート材のサイズに基づいて、前記搬送路切替手段に前記搬送経路を切り替えさせる、
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のシート材搬送装置。
【請求項12】
前記搬送経路制御手段は、前記シート材の種別に基づいて、前記搬送路切替手段に前記搬送経路を切り替えさせる、
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のシート材搬送装置。
【請求項13】
画像形成装置と、該画像形成装置が排紙したシート材を搬送するシート材搬送装置とを有する印刷システムであって、
前記シート材搬送装置は、外気を吸入する吸気ファンと、内部の空気を排気する排気ファンと、
シート材進入口からシート材出口までの少なくとも一部が分岐し、シート材の通過時間が互いに略等しい複数の搬送経路と、
前記搬送経路毎に前記シート材を独立に搬送する搬送モータと、
前記シート材が搬送される前記搬送経路を切り替える搬送経路切替手段と、
前記画像形成装置から前記シート材が進入する毎に、前記搬送路切替手段に複数の前記搬送経路を順番に切り替えさせる搬送経路制御手段と、を有し
前記画像形成装置は、
前記シート材の前記搬送経路を決定する搬送経路決定手段と、
決定した搬送経路の指示を前記シート材搬送装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項14】
前記搬送経路決定手段は、当該画像形成装置よりも下流に接続された一以上の装置を検出して、前記一以上の装置を前記シート材が搬送される搬送距離又は搬送時間が所定値以上となる場合、前記シート材を搬送する前記搬送経路を固定する決定を行う、
ことを特徴とする請求項13に記載の印刷システム。
【請求項15】
前記搬送経路制御手段は、前記複数の搬送経路のそれぞれに搬送する前記シート材を分散させる割合である分散割合に応じた枚数分、前記シート材を搬送した後に、前記搬送路切替手段に前記搬送経路を切り替えさせ、
前記搬送経路決定手段は、さらに、前記分散割合を設定し、
前記送信手段は、さらに、設定された前記分散割合を前記シート材搬送装置に送信すること、
を特徴とする請求項13に記載の印刷システム。
【請求項16】
前記搬送経路決定手段は、前記シート材のサイズに基づいて、前記分散割合を設定すること、
を特徴とする請求項15に記載の印刷システム。
【請求項17】
前記搬送経路決定手段は、前記シート材の種別に基づいて、前記分散割合を設定すること、
を特徴とする請求項15または16に記載の印刷システム。
【請求項18】
前記搬送経路決定手段は、前記分散割合として、前記複数の搬送経路毎に分散する前記シート材の枚数を設定すること、
を特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項19】
外気を吸入する吸気ファンと、内部の空気を排気する排気ファンと、
シート材進入口からシート材出口までの少なくとも一部が分岐し、シート材の通過時間が互いに略等しい複数の搬送経路と、
前記搬送経路毎に前記シート材を独立に搬送する搬送モータと、
前記シート材が搬送される前記搬送経路を切り替える搬送経路切替手段と、を有するシート材搬送装置のシート材冷却方法であって、
搬送経路制御手段が、画像形成装置から前記シート材が進入する毎に、前記搬送路切替手段に複数の前記搬送経路を順番に切り替えさせるステップ、
を有することを特徴とするシート材冷却方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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