説明

ジッタ付加装置及びジッタ付加方法

【課題】ジッタ付加対象である対象信号に付加するジッタのパラメータを簡便に設定できる。
【解決手段】ジッタ付加対象となる対象信号に対して任意に設定したジッタを付加するジッタ付加装置1において、位相変調量と変調周波数の2つのパラメータで座標軸が構成される2次元グラフデータからなり、機器毎に設定されたジッタ設定可能範囲が示されるパラメータグラフ情報を表示する表示部15と、パラメータグラフ情報が表示される同一画面上に表示されたポインタPで当該パラメータグラフ情報のジッタ設定可能範囲内の任意の位置を選択する際に操作される操作部11と、ポインタの座標位置に応じて前記対象信号に付加するジッタの各パラメータを設定する制御部13とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望のパラメータ設定をしたジッタを付加対象となる信号に対して付加するジッタ付加装置及びジッタ付加方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディジタル伝送システムにおいて、データ信号の位相のジッタ(位相揺らぎ)や信号の時間的ズレが大きくなると、正常にデータ信号を伝達できなくなる。このため、この種のシステムで使用される電子機器やそれらに使用される部品は、ITU−T(International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector)で規定されたジッタトレランス(耐力)規格を満足する必要がある。このジッタトレランス規格とは、所定量のジッタを有する信号を被測定装置に入力したときに、その装置が入力信号のジッタをどの程度抑圧して出力するかを表すものである。
【0003】
ここで、ジッタ耐力を測定するためのジッタ変調された信号であるジッタ信号について図5を用いて説明する。ジッタ信号bは、送信すべき基準信号としての基準矩形波信号aに対して、位相が所定の変動速度で、且つ所定の変動範囲で変化する信号を示し、この位相変動の範囲、すなわち位相変動量をジッタ量と定義し、位相の変動速度を変調周波数と定義する。
【0004】
また、ジッタ量(以下、「位相変調量」ともいう)の単位は、基準矩形波信号aの周期(unit interval :UI)の倍数で示す。例えば、90°の位相変調量は0.25UIとなり、1周期のジッタ量は1UIとなる。なお、変調周波数や位相変調量を随時変更しながらジッタ変調した信号を被試験デバイス(Device Under Test :DUT)等を含む被測定系に送信してジッタ耐力の試験を行う装置としては、例えば下記特許文献1に開示されるジッタ発生装置が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−285043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1を含む従来のジッタ発生装置においては、発生するジッタ信号bの変調周波数及び位相変調量を任意に設定できることが望まれている。そして、従来のジッタ発生装置では、変調周波数や位相変調量を設定する場合、テンキーを操作して例えば表示画面上に表示される各パラメータの入力設定欄に数値を直接入力したり、スライダーを移動させてその操作に応じた数値を設定している。
【0007】
しかしながら、被測定系のジッタ伝送特性試験のように変調周波数と位相変調量を頻繁に設定しなければならない状況の場合、その都度、変調周波数と位相変調量を設定しなければならず設定作業が非常に煩雑であった。また、テンキーからの直接入力やスライダーによる数値設定では、実際に設定した値とジッタ設定可能な値との対応関係が把握しずらいため、直感的な設定方法が望まれていた。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ジッタ付加対象となる信号に付加するジッタの変調周波数及び位相変調量を簡易的に、且つ直感的に設定することのできるジッタ付加装置及びジッタ付加方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、請求項1記載のジッタ付加装置は、ジッタ付加対象となる対象信号に対して任意に設定したジッタを付加するジッタ付加装置1において、
位相変調量と変調周波数の2つのパラメータで座標軸が構成される2次元グラフデータからなり、機器毎に設定されたジッタ設定可能範囲が示されるパラメータグラフ情報を表示する表示部15と、
前記パラメータグラフ情報が表示される同一画面上に表示されたポインタPで当該パラメータグラフ情報のジッタ設定可能範囲内の任意の位置を選択する際に操作される操作部11と、
前記ポインタの座標位置に応じて前記対象信号に付加するジッタの各パラメータを設定する制御部13と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載のジッタ付加装置は、ジッタ付加対象となる対象信号に対して任意に設定したジッタを付加するジッタ付加装置1において、
位相変調量と変調周波数の2つのパラメータで座標軸が構成される2次元グラフデータからなり、機器毎に設定されたジッタ設定可能範囲が示されるパラメータグラフ情報と、当該パラメータグラフ情報のジッタ設定可能範囲内における任意の位置を選択するとき操作されるポインタPを表示する表示部15と、
前記表示部に表示された前記パラメータグラフ情報の前記ジッタ設定可能範囲内において前記ポインタを移動操作した際の当該ポインタの移動量をポインタ移動情報として出力するとともに、前記ジッタ設定可能範囲内において前記ポインタで前記ジッタ設定可能範囲内の任意の位置を選択決定したことを示す位置決定情報を出力する操作部11と、
該操作部からの前記位置決定情報から検出した前記ポインタの座標位置を示すポインタ位置決定情報と前記パラメータグラフ情報とを照合し、前記ポインタの座標位置に応じた位相変調量と変調周波数をジッタ設定情報として出力する制御部13と、
該パラメータ判別処理手段からの前記ジッタ設定情報に基づくジッタを発生して前記対象信号に付加して出力するジッタ付加部14と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載のジッタ付加装置は、請求項2記載のジッタ付加装置において、前記制御部13は、
前記ポインタPの移動に伴い前記操作部11から入力する前記ポインタ移動情報に基づき前記ポインタの座標位置をポインタ位置情報として出力する位置情報検出手段13aと、
該位置情報検出手段からの前記ポインタ位置情報を入力すると、当該ポインタ位置情報と前記パラメータグラフ情報とを照合して現在の前記ポインタの座標位置に基づく位相変調量と変調周波数をパラメータ情報として出力するパラメータ判別処理手段13bとを備え、
前記表示部15は、前記パラメータグラフ情報の前記ジッタ設定可能範囲内における前記ポインタの位置に応じた各パラメータを表示するパラメータ表示欄15aを前記表示部に表示し、さらに前記パラメータ判別処理手段から前記ポインタの移動に伴い入力するパラメータ情報に基づき前記ポインタの移動軌跡に追従して前記各パラメータ表示欄のパラメータを更新表示することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載のジッタ付加方法は、ジッタ付加対象となる対象信号に対して任意に設定したジッタを付加するジッタ付加方法において、
位相変調量と変調周波数の2つのパラメータで座標軸が構成される2次元グラフデータからなり、機器毎に設定されたジッタ設定可能範囲が示されるパラメータグラフ情報を表示する表示ステップと、
前記パラメータグラフ情報が表示される同一画面上に表示されたポインタPで当該パラメータグラフ情報のジッタ設定可能範囲内の任意の位置を選択する際に操作される操作ステップと、
前記ポインタの座標位置に応じて前記対象信号に付加するジッタの各パラメータを設定する制御ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載のジッタ付加方法は、ジッタ付加対象となる対象信号に対して任意に設定したジッタを付加するジッタ付加方法において、
位相変調量と変調周波数の2つのパラメータで座標軸が構成される2次元グラフデータからなり、機器毎に設定されたジッタ設定可能範囲が示されるパラメータグラフ情報と、当該パラメータグラフ情報のジッタ設定可能範囲内における任意の位置を選択するとき操作されるポインタPを表示する表示ステップと、
前記表示部に表示された前記パラメータグラフ情報の前記ジッタ設定可能範囲内において前記ポインタを移動操作した際の当該ポインタの移動量をポインタ移動情報として出力するとともに、前記ジッタ設定可能範囲内において前記ポインタで前記ジッタ設定可能範囲内の任意の位置を選択決定したことを示す位置決定情報を出力する操作ステップと、
該操作部からの前記位置決定情報から検出した前記ポインタの座標位置を示すポインタ位置決定情報と前記パラメータグラフ情報とを照合し、前記ポインタの座標位置に応じた位相変調量と変調周波数をジッタ設定情報として出力する制御ステップと、
該パラメータ判別処理手段からの前記ジッタ設定情報に基づくジッタを発生して前記対象信号に付加して出力するジッタ付加ステップ、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のジッタ付加装置によれば、操作者は表示部に表示されたパラメータグラフ情報を視認しながら操作部によるポインタ移動のみで対象信号に付加するジッタの位相変調量及び変調周波数の2種のパラメータをジッタ設定可能範囲の中で同時に設定することができるため、ジッタのパラメータ設定操作を簡便に、且つ速やかに行うことができる。
【0015】
また、表示画面上のパラメータグラフ情報を視認しながら直感的にジッタの各パラメータを設定することができるため、操作性がより高まるとともに機器操作に不慣れな操作者であっても対象信号に対して所望のジッタ付加作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るジッタ付加装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】同装置におけるパラメータグラフ情報の表示例を示す説明図である。
【図3】同装置におけるジッタ設定前の表示例を示す説明図である。
【図4】同装置におけるジッタ設定後の表示例を示す説明図である。
【図5】基準矩形は信号とジッタ変調された信号との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者等によりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれる。
【0018】
まず、本発明に係るジッタ付加装置の装置構成について、図1を参照しながら説明する。本例のジッタ付加装置1は、例えば試験対象となる被試験デバイス(Device Under Test :DUT)にジッタを付加した信号を送信し、その被試験デバイスがジッタ信号を正しく伝送しているか否かを誤り率測定装置で測定する試験システムにおける送信側に具備され、ジッタの付加対象となる内部若しくは外部で発生した信号(以下、「対象信号」という)に対し、変調周波数(f)及び位相変調量(UI)の各パラメータを任意に設定したジッタを付加した信号を出力している。
【0019】
図1に示すように、本例のジッタ付加装置1は、操作部11、記憶部12、制御部13、ジッタ付加部14、表示部15を備えている。
【0020】
操作部11は、表示部15の表示画面上に表示されたポインタPを移動操作して、表示画面上におけるポインタPの位置の指定や装置駆動に必要な設定項目の選択をするマウス等のポインティングデバイスで構成される。なお、本例では、操作部11としてマウスを使用した例で説明する。操作部11は、記憶部12に記憶されるパラメータグラフ情報が表示画面上に表示展開されると、所定操作に応じて画面上に表示されたポインタPを現在の位置から任意の位置へ移動操作(例えばドラッグアンドドロップ)し、この移動に伴うX方向及びY方向の移動量をポインタ移動情報として制御部13に出力している。
【0021】
また、操作部11は、ポインタPの位置を選択決定するための動作(例えば表示画面上における任意の位置でのクリック動作、ポインタPのドラッグアンドドロップにおけるドロップ等)がされたとき、その位置で決定されたことを示す位置決定情報を制御部13に出力している。さらに、操作部11から表示部15に表示された波形選択項目を操作することで、対象信号に付加するジッタの変調波形タイプ(サイン波、三角波、方形波)を任意に選択することができる。
【0022】
記憶部12は、表示部15に表示した際に、例えば図2に示すようなパラメータとして縦軸(X軸)を位相変調量、横軸(Y軸)を変調周波数とし、分解能に応じた1画素あたりの各パラメータ(位相変調量及び変調周波数)の値やポインタPの移動量に応じた各パラメータの変化量が設定された2次元グラフデータからなるパラメータグラフ情報を使用する機器毎に複数記憶している。また、パラメータグラフ情報には、機器毎に設定されジッタにおける位相変調量と変調周波数が設定可能な範囲を示すジッタ設定可能範囲(図中太線)が表示されている。従って、操作者は表示画面上を視認しながらジッタ設定可能範囲内でポインタPを移動操作することで、対象信号に付加するジッタの各パラメータを任意に設定することができる。
【0023】
制御部13は、位置情報検出手段13a、パラメータ判別処理手段13b、表示制御手段13cとを備えて構成され、ジッタ付加装置1を構成する各部の駆動制御を行っている。
【0024】
位置情報検出手段13aは、操作部11からのポインタ移動情報を入力すると、表示画面上におけるポインタPの移動前の座標位置から移動後の座標位置までの移動量を検出し、現在のポインタPの座標位置をポインタ位置情報としてパラメータ判別処理手段13bに出力している。なお、操作部11からの操作に追従してポインタPが移動するため、操作部11が操作されている間は随時ポインタ移動情報を入力し、その移動情報に基づくポインタ位置情報を出力している。
【0025】
また、位置情報検出手段13aは、操作部11から位置決定情報を入力すると、位置決定されたポインタPの座標位置をポインタ位置決定情報をパラメータ判別処理手段13bに出力している。
【0026】
パラメータ判別処理手段13bは、位置情報検出手段13aからのポインタ位置情報を入力すると、その都度記憶部12に記憶されるパラメータグラフ情報と照合し、現在のポインタPの座標位置に基づく位相変調量と変調周波数をパラメータ情報として表示制御手段13cに出力する。また、パラメータ判別処理手段13bは、位置情報検出手段13aからのポインタ位置決定情報を入力すると、記憶部12に記憶されるパラメータグラフ情報と照合し、位置決定されたポインタPの座標位置に基づく位相変調量と変調周波数の各パラメータをジッタ設定情報として表示制御手段13cとジッタ付加部14に出力している。
【0027】
表示制御手段13cは、制御部13からの表示制御に関する各種情報(ポインタ位置情報やポインタ位置決定情報等)に基づく映像信号を生成し、この信号を表示部15に出力して表示させている。
表示制御手段13cにおける表示制御例としては、記憶部12に記憶されるパラメータグラフ情報を表示部15に表示する制御、位置情報検出手段13aからのポインタ位置情報に基づくポインタPの表示制御、パラメータ表示欄15aの表示及びポインタ移動に伴うパラメータ表示欄15aに表示する位相変調量及び変調周波数の更新表示制御、表示されたパラメータグラフ情報の表示内容における指定したエリアの拡大/縮小表示、付加するジッタの変調波形タイプ(サイン波、三角波、方形波)を選択する波形選択項目の表示制御、選択された変調波形タイプに応じた変調波形イメージの表示制御等がある。
【0028】
ジッタ付加部14は、D/Aコンバータと位相変調器とで構成され、例えばクロック信号や試験信号等の操作者が任意にパラメータ設定した対象信号に対し、設定されたパラメータのジッタを付加し、指定されたジッタ量を有する信号(ジッタ付加信号)として出力している。具体的には、パラメータ判別処理手段13bからディジタル信号として入力したジッタ設定情報をD/A変換し、アナログ変換された変調信号に基づき操作部11で設定されたパラメータのジッタを発生させ、対象信号に付加している。
【0029】
表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示機器で構成され、表示制御手段13cの制御に基づき記憶部12に記憶されるパラメータグラフ情報に基づく表示内容を表示している。表示部15に表示される表示内容としては、例えば図3、4に示すように前述したパラメータグラフ情報、ジッタ設定可能範囲内においてジッタのパラメータを任意に設定するためのポインタP、ポインタPの移動位置に応じた位相変調量と変調周波数を表示するパラメータ表示欄15a、付加するジッタの変調波形タイプを選択する波形選択項目15bが表示される。なお、パラメータ表示欄15aは、スピンボックスで構成されているため、例えばパラメータの直接入力や微調整を行う場合は、パラメータ表示欄15aの上下キーを操作することで任意の数値入力が可能となっている。
【0030】
次に、上述したジッタ付加装置1における処理動作の一例について図3、4を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、本装置をジッタ試験システムに採用した例であり、操作部11としてマウスを使用し、外部で発生した対象信号であるクロック信号にサイン波のジッタを付加したジッタ付加信号を被測定デバイスに出力する例である。
【0031】
まず、図3に示すように、操作者は装置を起動して機器に応じたパラメータグラフ情報を選択して表示部15に表示させる。次に、表示画面でジッタ設定可能範囲を確認しながら、設定可能範囲の中でジッタの付加対象となる対象信号に付加するジッタの位相変調量と変調周波数を設定する。
【0032】
このとき、図3に示すように、操作者は、マウスで表示画面上のポインタPをドラッグしながら直感的に所定方向に移動させ、図4に示すようにジッタ設定可能範囲内における任意の位置でドロップする。なお、ドラッグアンドドロップの際に移動するポインタPの移動軌跡に追従して位相変調量と変調周波数の各パラメータをパラメータ表示欄15aに表示される数値も更新表示される。これにより、ジッタ設定範囲内において対象信号に付加するジッタのパラメータが同時に設定される。
【0033】
そして、設定されたジッタ設定情報に基づくジッタを発生させ、この発生したジッタをクロック信号に付加して被測定デバイスに出力し、誤り率測定装置で被試験デバイスを介して入力されるジッタ変調された被測定信号が正しく伝送しているか否かを測定する。
【0034】
以上説明したように、上述したジッタ付加装置1は、表示部15にパラメータグラフ情報を表示し、この表示されたパラメータグラフ情報におけるジッタ設定可能範囲内において操作部11でポインタPを操作して任意のジッタを発生させるためのパラメータを設定する。そして、設定したパラメータに基づくジッタを発生させ、この発生したジッタを対象信号に付加して出力する。
【0035】
これにより、操作者は表示部15に表示されたパラメータグラフ情報を視認しながら操作部11によるポインタPの移動のみで対象信号に付加するジッタの位相変調量及び変調周波数の2種のパラメータを同時にすることができるため、ジッタの設定時の操作を簡便に行うことができる。
【0036】
また、表示画面上のパラメータグラフ情報を視認しながら直感的にジッタの各パラメータを設定することができるため、機器操作に不慣れな操作者であっても対象信号に対して所望のジッタ付加作業を容易に行うことができる。
【0037】
ところで、上述した形態における操作部11の構成としてマウスを用いた例で説明したが、表示部15の構成としてタッチパネル方式を採用し、表示画面上に表示されたポインタPを直接触れるためのスタイラスや指先を操作部11として用いた構成とすることもできる。これにより、より直感的にジッタのパラメータ設定を行うことができる。
【符号の説明】
【0038】
1…ジッタ付加装置
11…操作部
12…記憶部
13…制御部(13a…位置情報検出手段、13b…パラメータ判別処理手段、13c…表示制御手段)
14…ジッタ付加部
15…表示部(15a…パラメータ表示欄、15b…波形選択項目)
P…ポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジッタ付加対象となる対象信号に対して任意に設定したジッタを付加するジッタ付加装置(1)において、
位相変調量と変調周波数の2つのパラメータで座標軸が構成される2次元グラフデータからなり、機器毎に設定されたジッタ設定可能範囲が示されるパラメータグラフ情報を表示する表示部(15)と、
前記パラメータグラフ情報が表示される同一画面上に表示されたポインタ(P)で当該パラメータグラフ情報のジッタ設定可能範囲内の任意の位置を選択する際に操作される操作部(11)と、
前記ポインタの座標位置に応じて前記対象信号に付加するジッタの各パラメータを設定する制御部(13)と、
を備えたことを特徴とするジッタ付加装置。
【請求項2】
ジッタ付加対象となる対象信号に対して任意に設定したジッタを付加するジッタ付加装置(1)において、
位相変調量と変調周波数の2つのパラメータで座標軸が構成される2次元グラフデータからなり、機器毎に設定されたジッタ設定可能範囲が示されるパラメータグラフ情報と、当該パラメータグラフ情報のジッタ設定可能範囲内における任意の位置を選択するとき操作されるポインタ(P)を表示する表示部(15)と、
前記表示部に表示された前記パラメータグラフ情報の前記ジッタ設定可能範囲内において前記ポインタを移動操作した際の当該ポインタの移動量をポインタ移動情報として出力するとともに、前記ジッタ設定可能範囲内において前記ポインタで前記ジッタ設定可能範囲内の任意の位置を選択決定したことを示す位置決定情報を出力する操作部(11)と、
該操作部からの前記位置決定情報から検出した前記ポインタの座標位置を示すポインタ位置決定情報と前記パラメータグラフ情報とを照合し、前記ポインタの座標位置に応じた位相変調量と変調周波数をジッタ設定情報として出力する制御部(13)と、
該パラメータ判別処理手段からの前記ジッタ設定情報に基づくジッタを発生して前記対象信号に付加して出力するジッタ付加部(14)と、
を備えたことを特徴とするジッタ付加装置。
【請求項3】
前記制御部(13)は、
前記ポインタ(P)の移動に伴い前記操作部(11)から入力する前記ポインタ移動情報に基づき前記ポインタの座標位置をポインタ位置情報として出力する位置情報検出手段(13a)と、
該位置情報検出手段からの前記ポインタ位置情報を入力すると、当該ポインタ位置情報と前記パラメータグラフ情報とを照合して現在の前記ポインタの座標位置に基づく位相変調量と変調周波数をパラメータ情報として出力するパラメータ判別処理手段(13b)とを備え、
前記表示部(15)は、前記パラメータグラフ情報の前記ジッタ設定可能範囲内における前記ポインタの位置に応じた各パラメータを表示するパラメータ表示欄(15a)を前記表示部に表示し、さらに前記パラメータ判別処理手段から前記ポインタの移動に伴い入力するパラメータ情報に基づき前記ポインタの移動軌跡に追従して前記各パラメータ表示欄のパラメータを更新表示することを特徴とする請求項2記載のジッタ付加装置。
【請求項4】
ジッタ付加対象となる対象信号に対して任意に設定したジッタを付加するジッタ付加方法において、
位相変調量と変調周波数の2つのパラメータで座標軸が構成される2次元グラフデータからなり、機器毎に設定されたジッタ設定可能範囲が示されるパラメータグラフ情報を表示する表示ステップと、
前記パラメータグラフ情報が表示される同一画面上に表示されたポインタ(P)で当該パラメータグラフ情報のジッタ設定可能範囲内の任意の位置を選択する際に操作される操作ステップと、
前記ポインタの座標位置に応じて前記対象信号に付加するジッタの各パラメータを設定する制御ステップと、
を含むことを特徴とするジッタ付加方法。
【請求項5】
ジッタ付加対象となる対象信号に対して任意に設定したジッタを付加するジッタ付加方法において、
位相変調量と変調周波数の2つのパラメータで座標軸が構成される2次元グラフデータからなり、機器毎に設定されたジッタ設定可能範囲が示されるパラメータグラフ情報と、当該パラメータグラフ情報のジッタ設定可能範囲内における任意の位置を選択するとき操作されるポインタ(P)を表示する表示ステップと、
前記表示部に表示された前記パラメータグラフ情報の前記ジッタ設定可能範囲内において前記ポインタを移動操作した際の当該ポインタの移動量をポインタ移動情報として出力するとともに、前記ジッタ設定可能範囲内において前記ポインタで前記ジッタ設定可能範囲内の任意の位置を選択決定したことを示す位置決定情報を出力する操作ステップと、
該操作部からの前記位置決定情報から検出した前記ポインタの座標位置を示すポインタ位置決定情報と前記パラメータグラフ情報とを照合し、前記ポインタの座標位置に応じた位相変調量と変調周波数をジッタ設定情報として出力する制御ステップと、
該パラメータ判別処理手段からの前記ジッタ設定情報に基づくジッタを発生して前記対象信号に付加して出力するジッタ付加ステップ、
を含むことを特徴とするジッタ付加方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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