説明

スクリーン印刷方法

【課題】 紗を有するスクリーン版による印刷方法であって、印刷材料の転写量を多くでき、且つ、被印刷物へ印刷材料からなる閉路パターンを形成できる、印刷方法を提供する。
【解決手段】 スクリーン版の下面に被印刷物を設置し、枠体と被印刷物との間にスペーサを配して、被印刷物と該スクリーン版の下面との間隔を、印刷する厚さに対応した幅に保持し、且つ、該スクリーン版の上面に、該スクリーン版領域全体にわたり、印刷材料を載せた状態で、該スクリーン版領域全体にわたり、該印刷材料に均一に圧力をかけ、該スクリーン版の開口部から印刷材料を、被印刷物に達するまで、所定量、押し出し、前記圧力による押し出しを止めて、前記スペーサと枠体とを一体として被印刷物から離し、被印刷物の面上に印刷材料からなる印刷パターンを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紗を有するスクリーン版による印刷方法に関し、特に、表示パネル用基板におけるリブパターンや、イメージセンサ、MEMS(Micro Electro Mechanical System)、液晶表示材料等の電子部品等のエレクトロニクスの分野において、閉路のパターン(例えば、三角形、四角形、多角形、円などのパターン)を印刷形成する印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロ二クス分野をはじめとして、三角形、四角形、多角形、円などの閉路パターンを印刷形成する場合が多々ある。
例えば、特開平6−59226号公報(特許文献1)に記載のように、液晶表示を有する製品に於いて、支持体上に載せられた液晶表示材料は、上からアクリルやガラス製の透明な保護カバーでカバーされるが、そのような保護カバーの支持体への接着は、印刷技術を用いて接着剤を先ず液晶表示材料が既に載せられている支持体上に載せ、次に保護カバーを上からかぶせて行うのが有利である。
このような印刷には、メタルマスク版の貫通孔を通して接着剤を所望の位置に載せる方法が適している。
しかし、貫通孔からなる開口に紗を用いない通常の開口のメタルマスクで閉路パターンの印刷形成を行うことは困難である。
【0003】
このため、特開平6−59226号公報の記載においては、金属製の紗を付けた金属板を所望のパターンにエッチングして形成したメタルマスクを用いている。
【特許文献1】特開平6−59226号公報(特許文献1) また、紗とメタルマスクを組み合わせる方法も、以下、特開平6−938号公報(特許文献2)、特開平6−127165号公報(特許文献3)、特開平8−183151号公報(特許文献4)、特開平10−323962号公報(特許文献5)、特開平11−17313号公報(特許文献6)、特開2004−284182号公報(特許文献7)等に記載のように、多く知られている。
【特許文献2】特開平6−938号公報
【特許文献3】特開平6−127165号公報
【特許文献4】特開平8−183151号公報
【特許文献5】特開平10−323962号公報
【特許文献6】特開平11−17313号公報
【特許文献7】特開2004−284182号公報 しかし、紗を有するスクリーン版および紗とメタルマスクを組み合わせた版で、スクリーン印刷をした場合、印刷材料が被印刷物への転写されたときに、紗の目が生じて膜厚が均一になりにくい(紗の交点で膜厚が薄くなる)という問題があり、また、メタルマスクに比べ、紗を有するため開口率が低く、印刷材料の転写量が少ないという問題がある。 例えば、印刷パターンが、閉路であるリブパターンを、図5に示すように、通常のスキージを用いるスクリーン印刷方式にて形成する場合、印刷材料の転写量が少なく、所望のリブ高さを得るためには、スキージ工程を繰り返し行い、何回かに分けて少しずつ積み上げる方法が、一般に、採られていたが、ペーストを一回印刷するたびに乾燥工程と位置合わせ工程、更にスキージ工程を繰り返し行わなければならず、工数が増大して低コスト化の障害となり、生産面で問題となっていた。 また、スキージ工程を行いスクリーン版の開口部から印刷材料を吐出する際に、印刷材料がスクリーン版の領域全体について均一に吐出されないため、リブの高さにバラツキが発生して問題となっていた。 尚、図5にその全体を示す印刷方法は、詳しくは、図6(a)〜図6(c)に印刷工程を示すように、スクリーン版110の上面に印刷材料160を載せて、スキージ131下部で被印刷物140へ接しながらスキージ131を摺動(スキージング)することによって、開口部に印刷材料160を充填し、スクリーン版の被印刷物140に接した箇所が、スキージ131の移動とともに被印刷物140から離れることによって、印刷材料160を被印刷物140上へ転写させるもので、通常、スクリーン版110の厚みは0.2mm程度で、被印刷物140とスクリーン版110とのクリアランスは1mm〜2mmとしている。
【0004】
また、別に、ディスペンサで閉路パターンを形成する方法も一般的に知られている。
しかし、ディスペンサにて閉路パターンを形成した場合、スクリーン印刷がパターンを一括形成できるメリットがあるのに対し、各パターンを1個づつパターニングするため、パターンの数(面付け)が多いほど、多大な時間を要する、という問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、イメージセンサ、MEMS(Micro Electro Mechanical System)、液晶表示材料等のエレクトロ二クス分野においては、閉路パターンを形成する場合が多々あるが、通常の開口メタルマスクで閉路パターンの印刷形成を行うことは困難であり、紗を有するスクリーン版および紗とメタルマスクを組み合わせた版で、スクリーン印刷をしてパターン形成した場合、印刷材料が被印刷物への転写したときに、紗の目が生じて膜厚が均一になりにくい(紗の交点で膜厚が薄くなる)という問題があり、また、メタルマスクに比べ、紗を有するため開口率が低く、印刷材料の転写量が少ないという問題がある。
また、ディスペンサにて、閉路パターンを形成する場合は、スクリーン印刷がパターンを一括形成できるメリットがあるのに対し、各パターンを1個づつパターニングするため、パターンの数(面付け)が多いほど、多大な時間を要する、という問題がある。
本発明はこれらに対応するもので、具体的には、紗を有するスクリーン版による印刷方法であって、印刷材料の転写量を多くでき、且つ、被印刷物へ印刷材料からなる閉路パターンを形成できる、印刷方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスクリーン印刷方法は、外周を枠体に支持されて展張された、紗を有するスクリーン版による印刷方法であって、前記スクリーン版の下面に被印刷物を設置し、前記枠体と被印刷物との間にスペーサを配して、被印刷物と該スクリーン版の下面との間隔を、印刷する厚さに対応した幅に保持し、且つ、該スクリーン版の上面に、該スクリーン版領域全体にわたり、印刷材料を載せた状態で、該スクリーン版領域全体にわたり、該印刷材料に均一に圧力をかけ、該スクリーン版の開口部から印刷材料を、被印刷物に達するまで、所定量、押し出し、前記圧力による押し出しを止めて、前記スペーサと枠体とを一体として被印刷物から離し、被印刷物の面上に印刷材料からなる印刷パターンを形成することを特徴とするものである。
そして、上記のスクリーン印刷方法であって、前記圧力による押し出しは、前記枠体の内側に嵌合し、且つ、スクリーン版領域全体にわたる板状物を、スクリーン版との間に印刷材料を挟みながら、スクリーン版側に移動させて行うものであることを特徴とするものである。
そしてまた、請求項2に記載のスクリーン印刷方法であって、前記板状物の移動を、エアシリンダーの軸の移動にて行うものであることを特徴とするものであり、前記エアシリンダーの軸の移動量で前記印刷材料の押し出す量(印刷量)を管理することを特徴とするものである。
また、上記いずれかのスクリーン印刷方法であって、前記印刷パターンが、閉路パターンであることを特徴とするものである。
また、上記いずれかのスクリーン印刷方法であって、前記印刷パターンが、表示パネル用基板におけるリブパターンであることを特徴とするものである。
また、上記いずれかのスクリーン印刷方法であって、前記印刷パターンが、イメージセンサ、MEMS(Micro Electro Mechanical System)、液晶表示材料等の電子部品を保護するための保護カバーの支持体となるものであることを特徴とするものであり、該印刷材料が、接着剤であることを特徴とするものである。
また、ここで、閉路パターンとは、印刷材料で閉路を形成するパターンを言い、例えば、印刷材料からなる直線状のパターンを連結して、三角形、四角系等の多角形の閉路を形成したパターン、あるいは、印刷材料からなる曲線状のパターンにて円等の閉路を形成したパターンを言う。
【0007】
(作用)
本発明のスクリーン印刷方法は、このような構成にすることにより、紗を有するスクリーン版による印刷方法であって、印刷材料の転写量を多くでき、且つ、被印刷物へ印刷材料からなる閉路パターンを形成できる、印刷方法の提供を可能としている。
即ち、通常の紗を有するメタルマスクを用いてスキージの摺動により印刷できる印刷厚よりも、大きな印刷厚を制御して、印刷厚のバラツキを少なく、印刷可能としている。
具体的には、スクリーン版の下面に被印刷物を設置し、枠体と被印刷物との間にスペーサを配して、被印刷物と該スクリーン版の下面との間隔を、印刷する厚さに対応した幅に保持し、且つ、該スクリーン版の上面に、該スクリーン版領域全体にわたり、印刷材料を載せた状態で、該スクリーン版領域全体にわたり、該印刷材料に均一に圧力をかけ、該スクリーン版の開口部から印刷材料を、被印刷物に達するまで、所定量、押し出し、前記圧力による押し出しを止めて、前記スペーサと枠体とを一体として被印刷物から離し、被印刷物の面上に印刷材料からなる印刷パターンを形成することにより、これを達成している。
詳しくは、スペーサを配して、被印刷物と該スクリーン版の下面との間隔を、印刷する厚さに対応した所定幅に保持することにより、印刷厚を該所定幅に設定することを可能としている。
また、スクリーン版領域全体にわたり、印刷材料に均一に圧力をかけ、該スクリーン版の開口部から印刷材料を、被印刷物に達するまで、所定量、押し出すことにより、前記圧力を調整することにより、印刷材料の押し出し量を調整できるものとしている。
また、圧力による押し出しを止めて、スペーサと枠体とを一体として被印刷物から離すことにより、一定量押し出した後に、押し出された印刷材料を被印刷物に転写できるものとしている。
結果、印刷される印刷材料の量を通常の紗を有するメタルマスクを用いてスキージの摺動により印刷する場合よりも、多くできるものとしている。
【0008】
また、前記圧力による押し出しとしては、前記枠体の内側に嵌合し、且つ、スクリーン版領域全体にわたる板状物を、スクリーン版との間に印刷材料を挟みながら、スクリーン版側に移動させて行うものである、請求項2の発明の形態とすることにより、スクリーン版領域全体にわたり、印刷材料に均一に圧力をかけて、印刷材料を押し出すことを可能としている。
更に具体的には、板状物の移動を、エアシリンダーの軸の移動にて行う形態が挙げられる。
この場合は、前記エアシリンダーの軸の移動量で印刷材料の押し出す量(印刷量)を管理する形態が挙げられる。
【0009】
特に、前記印刷パターンが、閉路パターンである、請求項5の発明の形態とすることにより、従来の、紗をもたないメタルマスクにおいて出来なかった閉路の印刷パターンの形成を可能としている。
先にも述べたように、ここで、閉路パターンとは、印刷材料で閉路を形成するパターンを言い、例えば、印刷材料からなる直線状のパターンを連結して、三角形、四角系等の多角形の閉路を形成したパターン、あるいは、印刷材料からなる曲線状のパターンにて円等の閉路を形成したパターンを言う。
印刷対象とする印刷パターンとしては、表示パネル用基板におけるリブパターンが挙げられる。
あるいは、印刷パターンとしては、イメージセンサ、MEMS(Micro Electro Mechanical System)、液晶表示材料等の電子部品を保護するための保護カバーの支持体となるものであるものが挙げられる。
この場合、前記印刷材料が、接着剤である場合が挙げられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のように、紗を有するスクリーン版による印刷方法であって、印刷材料の転写量を多くでき、且つ、被印刷物へ印刷材料からなる閉路パターンを形成できる、印刷方法の提供を可能とした。
特に、表示パネル用基板におけるリブパターン、あるいは、イメージセンサ、MEMS(Micro Electro Mechanical System)、液晶表示材料等の電子部品を保護するための保護カバーの支持体となる、閉路パターンを形成する場合において、閉路パターンの形状を安定的に保ち、且つ、印刷材料の転写量を多くできる、印刷方法の提供を可能とした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1(a)〜図1(c)は本発明のスクリーン印刷方法の実施の形態の1例の工程を断面図で示した工程図で、図2(d)〜図2(f)は、図1に続く工程を断面図で示した工程図で、図3(a)はスクリーン版の開口パターンの1例を示した図で、図3(b)は前記開口パターンにより印刷形成される閉路パターンを示した図で、図4(a)はスクリーン版の開口パターンの別の1例を示した図で、図4(b)は前記開口パターンにより印刷形成される閉路パターンを示した図である。
図1(a)の太い矢印は印刷材料供給部の移動方向を示し、図2(d)において、太実線矢印はシリンダーの軸70の移動方向を示し、点線矢印は開口11aにおける印刷材料の移動方向を示している。
図1〜図4中、10、10a、10bはスクリーン版、11はマスキング部、11aは開口部、12、12aは紗、15は枠体(支持部とも言う)、20は印刷材料供給部、30は印刷材料、35は印刷パターン、35a、35bは閉路パターン、40は被印刷物、50はスペーサ、60は板状物(単に板とも言う)、70は(エアシリンダーの)軸、W0は幅である。
【0012】
本発明のスクリーン印刷方法の実施の形態の1例を、図1、図2に基づいて説明する。 本例のスクリーン印刷方法は、外周を枠体15に支持されて展張された、紗12、12aを有するスクリーン版10による印刷方法であって、スクリーン版10の下面に被印刷物40を設置し、枠体15と被印刷物40との間にスペーサ50を配して、被印刷物40とスクリーン版10の下面との間隔を、印刷する厚さに対応した所定の幅に保持し、且つ、スクリーン版10の上面に、スクリーン版領域全体にわたり、印刷材料30を載せた状態で、スクリーン版領域全体にわたり、印刷材料30に均一に圧力をかけ、該スクリーン版10の開口部11aから印刷材料30を、被印刷物40に達するまで、所定量、押し出し、前記圧力による押し出しを止めて、前記スペーサ50と枠体15とを一体として被印刷物40から離し、被印刷物40の面上に印刷材料からなる印刷パターン35を形成するものである。
本例のスクリーン印刷方法は、図5に示すような、通常の紗を有し、スキージを用いて印刷する方法の場合における、印刷材料の転写量が小さいという欠点と、紗を持たないメタルマスクにてスキージを用いて印刷する方法の場合における、印刷材料の転写量が大きいが、閉路パターンの印刷ができないという欠点を、回避して、印刷材料の転写量を大きくして、且つ、閉路パターンの印刷を可能とするものであり、特に、表示パネル用基板におけるリブパターンや、イメージセンサ、MEMS(Micro Electro Mechanical System)、液晶表示材料等の電子部品等のエレクトロニクスの分野において、閉路のパターン(例えば、三角形、四角形、多角形、円などのパターン)を印刷形成する際に、好適に利用できるものであるが、これらに適用を限定されない。
本例において、スクリーン版10として、例えば、図3(a)に示すような四角形状の開口11a有するものを用いることにより、図3(b)に示す四角形状の閉路パターン35aを形成するころができ、また、例えば、スクリーン版10として、図4(a)に示すような三角形状の開口11a有するものを用いることにより、図3(b)に示す三角形状の閉路パターン35bを形成することができる。
【0013】
本例のスクリーン印刷方法においては、前記圧力による押し出しは、枠体15の内側に嵌合し、且つ、スクリーン版領域全体にわたる板状物60を、スクリーン版10との間に印刷材料30を挟みながら、エアシリンダーの軸70の移動にて、スクリーン版10側に移動させて行うものであり、エアシリンダーの軸70の移動量で印刷材料30の押し出される量(印刷量)を管理している。
【0014】
本例のスクリーン印刷方法の各工程を、順に、図1、図2に基づいて説明する。
先ず、図1(a)に示すように、印刷材料供給部20により、枠体15に展張支持されたスクリーン版10の上面側を移動させながら、上面側の全領域に印刷材料30を塗布する。
次いで、スクリーン版10の下面に被印刷物40を設置し、枠体15と被印刷物40との間にスペーサ50を配して、被印刷物40とスクリーン版10の下面との間隔を、印刷する厚さに対応した所定の幅W0に保持する。(図1(b))
印刷材料供給部20としては、液吐出口の形状がスリット状のダイ等が挙げられる。
次いで、エアシリンダー(全体は図示していない)を動作して、その軸70を移動させ、軸70に接続した板状物60を印刷材料30側に、即ち、下側に移動させる。(図1(c))
板状物60は、枠体15の内側に嵌合し、且つ、スクリーン版10の領域全体にわたるものである。
この段階では、まだ、板状物60と印刷材料30とは接していない。
次いで、更に、エアシリンダーの軸70を下側に移動させて、印刷材料30の圧が均一にかかるようにして、開口11aに印刷材料を押し込む。(図2(d))
スクリーン版10は、その開口11aを含み全体に紗12、12aを有し、剛性のあるものを用いている。
更に、エアシリンダーの軸70を下側に移動させて、印刷材料30の圧が均一にかかるようにして、スクリーン版10の開口部11aから印刷材料30を、被印刷物40に達するまで、所定量、押し出し、前記圧力による押し出しを止める。(図2(e))
エアシリンダーの軸70の下側への移動量を決め、被印刷物40に達するまで移動させる。
印刷材料30の押し出される量(印刷量)は、下側への移動量により管理される。
そして、エアシリンダーの軸70の下側への移動を止め、上側への移動として印刷材料30から板状物60を離すことにより、印刷材料30にかかる板状物60からの圧力をなくし、この状態で、更に、枠体15、スクリーン版10を一体として上側に移動させる、印刷パターン35を形成する。(図2(f))
開口11a領域の印刷材料は、開口11a内に残るようにして分離して、先に述べた幅W0に相当する高さの印刷材料が印刷パターン35として被印刷物40側に残る。
このようにして、印刷パターン35は形成される。
尚、1つのスクリーン版にて、複数の被印刷物を、順に、印刷する場合には、印刷材料30を追加供給して、図2(b)の状態にして、同様に印刷を行う。
【0015】
本発明は、上記に限定はされない。
上記の例では、板状物(図1の60)の移動をエアシリンダーの移動にしているが、例えば、液圧を利用した形態、電気駆動にした形態としても良い。
また、更に、板状物をスクリーン版の全領域に均一に圧力をかけることを安定してできるように、複数の箇所で板状物を移動する軸に固定する形態も挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1(a)〜図1(c)は本発明のスクリーン印刷方法の実施の形態の1例の工程を断面図で示した工程図である。
【図2】図2(d)〜図2(f)は、図1に続く工程を断面図で示した工程図である。
【図3】図3(a)はスクリーン版の開口パターンの1例を示した図で、図3(b)は前記開口パターンにより印刷形成される閉路パターンを示した図である。
【図4】図4(a)はスクリーン版の開口パターンの別の1例を示した図で、図4(b)は前記開口パターンにより印刷形成される閉路パターンを示した図である。
【図5】従来の、紗を有するスクリーン版の印刷方法を示した図である。
【図6】図6(a)〜図6(c)は図5に示す印刷方法の印刷工程を示した図である。
【符号の説明】
【0017】
10、10a、10b スクリーン版
11 マスキング部
11a 開口部
12、12a 紗
15 枠体(支持部とも言う)
20 印刷材料供給部
30 印刷材料
35 印刷パターン
35a、35b 閉路パターン
40 被印刷物
50 スペーサ
60 板状物(単に板とも言う)
70 (エアシリンダー)の軸
W0 幅
110 スクリーン版
111 マスキング部
111a 開口
112、112a 紗
120 枠体
131 スキージ
132 スキージ保持部
140 被印刷物
150 台
160 印刷材料
165 印刷パターン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周を枠体に支持されて展張された、紗を有するスクリーン版による印刷方法であって、前記スクリーン版の下面に被印刷物を設置し、前記枠体と被印刷物との間にスペーサを配して、被印刷物と該スクリーン版の下面との間隔を、印刷する厚さに対応した幅に保持し、且つ、該スクリーン版の上面に、該スクリーン版領域全体にわたり、印刷材料を載せた状態で、該スクリーン版領域全体にわたり、該印刷材料に均一に圧力をかけ、該スクリーン版の開口部から印刷材料を、被印刷物に達するまで、所定量、押し出し、前記圧力による押し出しを止めて、前記スペーサと枠体とを一体として被印刷物から離し、被印刷物の面上に印刷材料からなる印刷パターンを形成することを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項2】
請求項1に記載のスクリーン印刷方法であって、前記圧力による押し出しは、前記枠体の内側に嵌合し、且つ、スクリーン版領域全体にわたる板状物を、スクリーン版との間に印刷材料を挟みながら、スクリーン版側に移動させて行うものであることを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項3】
請求項2に記載のスクリーン印刷方法であって、前記板状物の移動を、エアシリンダーの軸の移動にて行うものであることを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項4】
請求項3に記載のスクリーン印刷方法であって、前記エアシリンダーの軸の移動量で前記印刷材料の押し出す量(印刷量)を管理することを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項5】
前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスクリーン印刷方法であって、前記印刷パターンが、閉路パターンであることを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項6】
前記請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスクリーン印刷方法であって、前記印刷パターンが、表示パネル用基板におけるリブパターンであることを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項7】
前記請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスクリーン印刷方法であって、前記印刷パターンが、イメージセンサ、MEMS(Micro Electro Mechanical System)、液晶表示材料等の電子部品を保護するための保護カバーの支持体となるものであることを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項8】
前記請求項7に記載のスクリーン印刷方法であって、前記印刷材料が、接着剤であることを特徴とするスクリーン印刷方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−23717(P2008−23717A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195150(P2006−195150)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】