説明

スクータ型車両の吸気装置

【課題】シート下方にエアクリーナが存在する場合にもシート高さを低く設定できること。
【解決手段】シートの下方空間に、エンジン32と動力伝達装置38が一体化され、この動力伝達装置が後輪を支持するパワーユニット39を車両高さ方向に揺動自在に車体フレーム12に枢支すると共に、吸気装置44を構成するエアクリーナ45がパワーユニットと揺動一体に設けられたスクータ型自動二輪車10の吸気装置44において、車体フレームは、車幅方向に所定距離離間して一対配置されてシートを支持するシートフレーム22を備え、エアクリーナ45は、シート下方で、一対のシートフレーム22間に配置されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクータ型車両の吸気装置に係り、特にスクータ型自動二輪車の吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のスクータ型自動二輪車には、車輪後部を側方から覆うリアカウルを備え、このリアカウルの後端が後輪よりも後方に配置され、シートと後輪との間に物品収納室が配設され、この物品収納室の下方にエアクリーナが配置されたものが開示されている。
【0003】
上記スクータ型自動二輪車では、エンジンと動力伝達装置とが一体化され、この動力伝達装置に後輪が支持されたパワーユニット(ユニットスイングエンジン)が車体フレームに揺動自在に枢支され、このパワーユニットの上方に上記エアクリーナが配置されている。このエアクリーナは、車幅方向(左右方向)に長尺で車体フレームよりも左右に長く、その両端が後輪を挟んで左右両側に突出し、エアクリーナの左側部分が動力伝達装置の上方に位置している。
【0004】
また、特許文献2に記載のスクータ型自動二輪車には、後輪のフェンダ部分にエアクリーナが一体化されたものが開示されている。この自動二輪車においても、更に、シート下方に物品収納体が配置されている。
【0005】
更に、特許文献3に記載のスクータ型自動二輪車には、ユニットスイングエンジンが、車幅方向にそれぞれ配置された左右のリンクを介して車体フレームに懸架されており、これら左右のリンクアーム同士が連結パイプによって連結されたものが開示されている。そして、この連結パイプの中央部を上向きに半円状に屈曲させて得られる空間に、吸気通路を構成するコンチューブが貫通して配置されている。
【特許文献1】特開2006−111086号公報
【特許文献2】特開平6−117338号公報
【特許文献3】特開平3−213482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載のスクータ型自動二輪車では、エアクリーナがエンジンと共に揺動するので、このエアクリーナと車体フレームとの干渉を避けるために、車体フレームは、エアクリーナの上方に後輪の揺動量分だけクリアランスを設けて配設される。この車体フレームの上方にシートが載置されるため、このような構成ではシートが高くなってしまい、シート高を低く設定することが困難となる。
【0007】
また、特許文献2に記載のスクータ型自動二輪車では、シートの下方に物品収納体が設けられており、容量確保のために、この物品収納体の高さ寸法を大きく設定しなければならない。また、エアクリーナとの干渉を避けるために、物品収納体を高位置に配置しなければならない。これらのことから、物品収納体の上方に位置するシートの位置が高くなってしまう。
【0008】
更に、この特許文献2に記載のスクータ型自動二輪車では、物品収納体を備えた車体フレームはモノコック構造であり、車幅方向に一対のシートフレームを備えておらず、両シートフレーム間にエアクリーナを収めるという思想が存在しない。そもそも、側面視において、物品収納体とエアクリーナとがオーバーラップしてもいない。
【0009】
更に、特許文献3に記載のスクータ型自動二輪車では、吸気通路が連結パイプの下方に配置されるため、この吸気通路が屈曲し、または吸気通路の曲率が小さくなって、吸気抵抗が増大してしまい、エンジンの燃焼効率が低下してしまう。また、連結パイプを屈曲させるため、この連結パイプの捩り剛性が低下する恐れがある。
【0010】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、シート下方にエアクリーナが存在する場合にもシート高さを低く設定できるスクータ型車両の吸気装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、吸気抵抗を低減して燃焼効率を向上できるスクータ型車両の吸気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、シート下方空間に、エンジンと動力伝達装置が一体化され、この動力伝達装置が後輪を支持するパワーユニットを車両高さ方向に揺動自在に車体フレームに枢支すると共に、吸気装置を構成するエアクリーナが、前記パワーユニットと揺動一体に設けられたスクータ型車両の吸気装置において、前記車体フレームは、車幅方向に所定距離離間して一対配置されて前記シートを支持するシートフレームを備え、前記エアクリーナは、前記シート下方で前記一対のシートフレーム間に配置されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、エアクリーナはパワーユニットと共に車両高さ方向に揺動しても、シートフレームと干渉することがないため、シート下方にエアクリーナが存在する場合にも車体フレームを低位に配置でき、その結果、シート高さを低く設定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るスクータ型車両の吸気装置における一実施形態が適用されたスクータ型自動二輪車を示す全体左側面図である。図2は、図1のスクータ型自動二輪車の全体平面図である。図3は、図1のスクータ型自動二輪車の車体カバーなどを省略して示す左側面図である。図4は、図1のスクータ型自動二輪車の車体カバーなどを省略して示す右側面図である。
【0016】
これらの図1及び図2に示すスクータ型車両としてのスクータ型自動二輪車10は、図3及び図4に示す車体フレーム11等が車体カバー12により覆われて構成される。ここで、スクータ型自動二輪車10は、他の自動二輪車と比較したとき、シート13の前方に当該シート13に着座した乗員の脚部前方を保護するレッグシールド14を備えた点と、シート13の下方に当該シート13に着座した乗員の足部を載置する平板形状のフートボード15を備えた点と、シート13の前方が当該シート13よりも低く形成された点に特徴を有する自動二輪車である。
【0017】
このようなスクータ型自動二輪車10における車体フレーム11は、図3及び図4に示すように、前端部にヘッドパイプ16を備えると共に、フロントアッパフレーム17、アッパフレーム18、フロントロアフレーム19、ロアフレーム20、ブリッジフレーム21、シートフレーム22及びフートボードフレーム23を有して構成される。
【0018】
フロントアッパフレーム17は、ヘッドパイプ16の上部から後ろ下方へ傾斜して延び、車幅方向に一対設けられる。また、アッパフレーム18は、車幅方向に一対設けられて車両前後方向に延び、前部においてフロントアッパフレーム17の下端が接合される。
【0019】
フロントロアフレーム19は、ヘッドパイプ16の下部から後ろ下方へ、フロントアッパフレーム17と略平行に傾斜して延び、車幅方向に一対設けられて、それぞれが一対のアッパフレーム18に接合される。また、ロアフレーム20は、アッパフレーム18においてフロントロアフレーム19の接合位置近傍の下部に接合され、後ろ下方に傾斜して延びた後に後ろ上方へ傾斜し、車幅方向に一対設けられる。
【0020】
ブリッジフレーム21は、車両正面視でU字形状に形成されると共に、両上端が、一対のアッパフレーム18の車両前後方向の略中央位置に接合されており、ブリッジフレーム21の両上端間には車幅方向に延設する補強部材が接合される。シートフレーム22は、ブリッジフレーム21の車幅方向両側における車両高さ方向の略中央位置と一対のアッパフレーム18の後端部との間に、それぞれ1本ずつ合計2本設置される。
【0021】
フートボードフレーム23は、一対のロアフレーム20のそれぞれの外側に配置され、前端部が斜め上方へ湾曲して形成されて、アッパフレーム18の前端部に接合され、他の部分が水平にブリッジフレーム21位置まで延びて、ロアフレーム20に固定される。
【0022】
上述の車体フレーム11のヘッドパイプ16に、前輪24を支持するフロントフォーク25(図1)が回動可能に枢支され、このフロントフォーク25の上端部にハンドルバー26が回転一体に連結される。このハンドルバー26の操作により、前輪24が車幅方向に回動自在に操舵される。
【0023】
車体カバー12におけるそれぞれ一対のフロントアッパフレーム17、アッパフレーム18、フロントロアフレーム19及びロアフレーム20に囲まれた空間である後述のセンタートンネル部76内に、物品収納ボックス27及び燃料タンク28が配置される。また、フロントロアフレーム19の下方にラジエータ29が、アッパフレーム18の前端部などに支持されて配置される。また、燃料タンク28は、ロアフレーム20に取り付けられた燃料タンクブラケット20Aにより支持される。
【0024】
アッパフレーム18とシートフレーム22の交差位置には、これらのアッパフレーム18とシートフレーム22に懸架ブラケット30が固定される。この懸架ブラケット30及びシートフレーム22にリンクプレート31を介して、前傾シリンダを有するエンジン32が、エンジン揺動軸33を中心にして車両高さ方向に揺動自在に軸支される。このエンジン32は、水冷式の例えば4サイクル単気筒エンジンであり、ラジエータ29からの冷却水によって冷却される。
【0025】
エンジン32は、クランクケース34(図4)の前部にシリンダブロック35、シリンダヘッド36及びヘッドカバー37が順次設置されてなり、シリンダブロック35及びシリンダヘッド36等が、クランクケース34に対して略水平になるまで前方に傾斜して構成される。前記エンジン揺動軸33は、クランクケース34の前上部に配置される。そして、エンジン32は、クランクケース34における車幅方向一方側(例えば左側)に動力伝達装置38が一体化されてパワーユニット(ユニットスイングエンジンとも称する)39を構成する。上記動力伝達装置38の後部に後輪40が後輪軸を介して回転可能に支持される。
【0026】
また、エンジン32は、クランクケース34における前下部が、図3に示すリンクレバー機構41を介してリアクッションユニット42の下端に連結される。このリアクッションユニット42は、長手方向が車両高さ方向に略平行に配置され、その上端がブリッジフレーム21の補強部材に支持される。このリアクッションユニット42によって、パワーユニット39及び後輪40の車両高さ方向の揺動が緩衝される。
【0027】
また、リアクッションユニット42は、車両側面視においてエンジン32のヘッドカバー37と燃料タンク28との間に配置される。この場合、燃料タンク28に接続された燃料注入管43が、燃料タンク28から車幅方向の他方側(例えば右側)へ向けて斜め後ろ上方に延びるため、リアクッションユニット42は、燃料注入管43の反対側である車幅方向の一方側(例えば左側)に偏って配置される。従って、リンクレバー機構41も、エンジン32のシリンダブロック35及びシリンダヘッド36の下方側に位置するが、クランクケース34における車幅方向の一方側(例えば左側)に偏って設置される。
【0028】
エンジン32におけるシリンダヘッド36の上面には、このシリンダヘッド36の吸気ポート(図示せず)に連通して吸気装置44が接続される。この吸気装置44は、エンジン32の上方に配置される。このうち、吸気装置44を構成するエアクリーナ45は、図4に示すようにクランクケース34の上方で、一対のシートフレーム22間に配置される。このエアクリーナ45は、エンジン32に固定して取り付けられて、その他の吸気装置44と共に、エンジン32と一体に揺動可能に設けられる。
【0029】
また、エンジン32におけるシリンダヘッド36の下面には、このシリンダヘッド36の排気ポート(図示せず)に連通して排気管46が接続される。この排気管46は、シリンダヘッド36から、リンクレバー機構41と反対側の車幅方向他方側(例えば右側)の下方へ湾曲して延び、クランクケース34の側部下方を通って後方へ延設されて、排気マフラー47に接続される。この排気マフラー47は、後輪40を挟んで、車幅方向に動力伝達装置38と反対側(例えば右側)に配置され、マフラー取引ブラケット48に取り付けられる。このマフラー取引ブラケット48は、スイングアーム49を用いて、エンジン32のクランクケース34の右側後部に揺動自在に連結される。これにより、排気マフラー47は、排気管46と共に、エンジン32と一体に揺動可能に設けられる。
【0030】
図1及び図3に示すように、前記車体カバー12は、車体フレーム11と、この車体フレーム11に設けられた物品収納ボックス27、燃料タンク28、ラジエータ29、エンジン32、リアクッションユニット42、吸気装置44及び排気管46など、シート13の前方から下方の領域に存在する構成部品を覆う。ここで、シート13は、車体フレーム11におけるアッパフレーム18の後半部及びシートフレーム22により支持され、前方側のライダーシート13Aと後方側のタンデムシート13Bとが一体化されたシートである。前述の物品収納ボックス27がシート13下方空間に存在しないため、ライダーシート13Aとタンデムシート13Bとの座面が大きな段差を有さない構成となっている。
【0031】
車体カバー12は、ヘッドパイプ16の前部及びフロントフォーク25の上部を覆うフロントカバー50と、このフロントカバー50の後縁に連設されるインナーカバー51と、このインナーカバー51の後縁に連設される車幅方向に一対のセンターカバー52と、このセンターカバー52の下縁に連設される車幅方向に一対のリアカバー53と、センターカバー52の後縁及びリアカバー53の後上縁に連設される車幅方向に一対のリアカウル54と、これらのリアカウル54の後縁に連設されるテールカバー55と、リアカバー53の下縁に連設される車幅方向に一対の平板形状の前記フートボード15と、これらのフートボード15の外側下縁に連設される車幅方向に一対のアンダーカバー56と、これらのアンダーカバー56の下縁間を覆うボトムカバー57とを有して構成される。
【0032】
インナーカバー51は、ヘッドパイプ16の後部、フロントフォーク25の上部、フロントアッパフレーム17及びフロントロアフレーム19の前部、並びにラジエータ29を覆う。結合されて一体化されたフロントカバー50とインナーカバー51の両側部は、前記レッグシールド14を構成する。このレッグシールド14の下部後面74は、フートボード15の前縁に連設される。また、このフロントカバー50及びインナーカバー51のそれぞれの下部がラジエータ29を覆う。
【0033】
センターカバー52は、フロントアッパフレーム17及びフロントロアフレーム19の後部、アッパフレーム18、ロアフレーム20の前部、並びに物品収納ボックス27等を覆う。また、リアカバー53は、ブリッジフレーム21、シートフレーム22、燃料タンク28の上部、リアクッションユニット42、及びエンジン32を覆う。
【0034】
リアカウル54は、シートフレーム22の上端部及びエアクリーナ45を覆う。また、フートボード15は、前端部を除くフートボードフレーム23を覆い、このフートボードフレーム23に支持される。更に、アンダーカバー56は、ロアフレーム20の下部、ブリッジフレーム21の下端部、燃料タンク28の下部、リンクレバー機構41及び排気管46等を覆う。
【0035】
前輪24の上部を覆うフロントフェンダ58と、ハンドルバー26を覆うハンドルカバー59とが、フロントフォーク25に回動一体に取り付けられる。また、後輪40の上部はリアフェンダ60により、動力伝達装置38はアウターカバー61により、排気マフラー47はマフラーカバー62(図4)によりそれぞれ覆われる。
【0036】
図1及び図3に示すように、アンダーカバー56の配設位置には、車幅方向の一方側(例えば左側)にサイドスタンド63が配置される。このサイドスタンド63は、車幅方向の一方側(例えば左側)のロアフレーム20に固定されたサイドスタンドブラケット64を用いて枢支される。同じく、アンダーカバー56の配設位置でサイドスタンド63の後方に、センタースタンド65が配置される。このセンタースタンド65は、ブリッジフレーム21の底部に一対固定されたセンタースタンドブラケット66を用いて枢支される。
【0037】
フロントカバー50には、ヘッドライト67が設置されると共に、このヘッドライト67の両側に車幅灯68及び方向指示灯69が接近して配置される。また、テールカバー55に制動灯70が設置されると共に、この制動灯70の両側で、一対のリアカウル54のそれぞれに車幅灯71及び方向指示灯72が接近して配置される。また、符号73はグラブバーを示す。
【0038】
さて、図1、図5及び図6に示すように、インナーカバー51、センターカバー52及びリアカバー53において、シート13の略前端部75の下方から前方のインナーカバー51の下部に至る領域には、車幅方向に一対のフートボード15間、及びこのフートボード15の前端に連続する両レッグシールド14の下部後面74間が、上方に膨出してセンタートンネル部76が形成される。このセンタートンネル部76内には、前方側に前記物品収納ボックス27が、後方側に前記燃料タンク28がそれぞれ配置される。この燃料タンク28は、センタートンネル部76の後方側と、この後方側に連通する一対のアンダーカバー56間の空間との範囲に配置される。
【0039】
燃料タンク28は、図3及び図4に示すように、その後部28Aが上方へ膨出して、側面視で後部28Aが高い略台形状に形成されると共に、燃料タンク28前端から後部28Aに至る部分の上面が前方下がりに傾斜しており、前記物品収納ボックス27の底面82の後部82Bとの干渉を回避しながら相互の容量を大きく確保する。この後部28Aの上部に前記燃料注入管43が接続される。この燃料注入管43は、図4及び図6に示すように、前述のごとく、車幅方向の他方側(例えば右側)に向けて斜め後ろ上方へ延在され、この燃料注入管43の先端に燃料供給口77が形成される。この燃料供給口77は、図7に示すように、車幅方向に一対のセンターカバー52の他方側、例えば右側のセンターカバー52において、シート13の略前端部75下方に設けられる。当該右側のセンターカバー52には、燃料供給口77を覆うフューエルリッド78(図2)が配置される。
【0040】
このスクータ型自動二輪車10においては、図1及び図6に示すように、燃料供給口77及びフューエルリッド78が設けられた側に対し反対側、例えば左側のアンダーカバー56位置にサイドスタンド63が配置される。このサイドスタンド63は、前述のごとくロアフレーム20に回動自在に枢支される。
【0041】
同じく、図7に示す燃料供給口77及びフューエルリッド78が設けられた側に対し反対側、例えば左側のセンターカバー52に、図5に示すように、駐車時に後輪40を回転不能に固定する駐車ブレーキの操作レバー、つまりパーキングブレーキレバー79が配置される。このパーキングブレーキレバー79は、左側のセンターカバー52におけるシート13の略前端部75の下方位置に設けられる。従って、このパーキングブレーキレバー79は、サイドスタンド63を用いて駐車し、スクータ型自動二輪車10が地面または床面80(図6)に接近して傾斜されたときに、低位置に位置づけられることになり、反対に、燃料供給口77及びフューエルリッド78は、高位置に位置づけられることになる。
【0042】
図3及び図5に示すように、前記物品収納ボックス27は、ヘルメット81等の物品を収納可能に構成される。この物品収納ボックス27の底面82の後部82Bは、燃料タンク28の上面と共に、後ろ上方へ傾斜して形成される。物品収納ボックス27と燃料タンク28は、平面視において、物品収納ボックス27の底面82の後部82Bと燃料タンク28の上面とが車両前後方向に重なるようにして接近して配置される。また、物品収納ボックス27の底面82の前部82Aは、フロントロアフレーム19に沿って前上方に向けて傾斜して形成される。これにより、物品収納ボックス27の底面82は、前部82Aと後部82Bとの境界部分が最も深く形成されて、ヘルメット81を、その頂部81Aを前下方へ向けて収納可能に構成される。
【0043】
また、物品収納ボックス27における底面82の前部82Aの下方に、前記ラジエータ29が配置される。これにより、底面82の前部82Aからラジエータ29へ向かって走行風が導かれる導風路が構成される。
【0044】
図8〜図10に示すように、物品収納ボックス27は、その上部の開口部83を開閉する開閉蓋84を備える。この開閉蓋84は、図5及び図10に示すように、回動軸85を用いて回動可能に枢支されるが、この回動軸85は、車幅方向の片側である一方側(例えば左側)の縁部に、前上方に傾斜して設置される。つまり、この回動軸85は、車幅方向においてサイドスタンド63と同じ側に設置される。回動軸85を中心に回動する開閉蓋84の前縁84Aの回動軌跡は、図9に示すように、インナーカバー51の上部の後面86に沿って車幅方向に回動する軌跡となっている。
【0045】
次に、前述のエンジン懸架構造について、図11、図13及び図14を用いて詳説する。車幅方向に一対配置されたリンクプレート31のそれぞれの先端側がエンジン32のエンジン側懸架部88を支持し、基端側が車体フレーム11の第1車体側懸架部89及び第2車体側懸架部90に取り付けられる。従って、これらのエンジン側懸架部88と第1車体側懸架部89及び第2車体側懸架部90とは、リンクプレート31により連結される。また、一対のリンクプレート31は、第1車体側懸架部89及び第2車体側懸架部90側に配置された連結バー91によって一体に連結される。
【0046】
第1車体側懸架部89は、車体フレーム11のシートフレーム22に設けられ、各リンクプレート31をシートフレーム22に固定して取り付ける。第2車体側懸架部90は、車体フレーム11の一部をなす懸架ブラケット30に設けられ、各リンクプレート31を懸架ブラケット30に、ゴム等の弾性体を介して防振可能に固定して取り付けられる。懸架ブラケット30は、アッパフレーム18とシートフレーム22とに跨るようにして設けられる。また、エンジン側懸架部88は、エンジン32のクランクケース34に挿通されたエンジン揺動軸33を有し、このエンジン揺動軸33が各リンクプレート31の先端部に支持される。このエンジン揺動軸33は、クランクケース34の前上部に設けられている。
【0047】
従って、これらのエンジン側懸架部88、第1車体側懸架部89、第2車体側懸架部90及びリンクプレート31によって、エンジン32(したがってパワーユニット39)は、エンジン揺動軸33を中心として車両高さ方向に揺動自在に枢支されて、車体フレーム11に懸架される。
【0048】
シートフレーム22は、車幅方向に所定距離離間して一対配置されて、アッパフレーム18の後半部と共にシート13を支持する。また、エンジン32は、シリンダブロック35、シリンダヘッド36及びヘッドカバー37から成るシリンダ部92が、クランクケース34の前部から前方へ傾斜して配置されて、前傾シリンダを構成する。これにより、シリンダ部92とクランクケース34との上方に凹状領域93(図13)が形成される。
【0049】
図11及び図12に示すように、シート13の下方で、一対のシートフレーム22間にエアクリーナ45が配置される。このエアクリーナ45は、更に上記凹状領域93内で、特にクランクケース34の上方に配置され、主要部45A(エアクリーナ45の前方にあって容積が相対的に大きな部分)がエンジン側懸架部88の上方、例えば略直上に位置づけられる。従って、エアクリーナ45は、側面視において、少なくともその一部が常にシートフレーム22とオーバーラップするように設定されている。
【0050】
また、このエアクリーナ45は、図3及び図11に示すように、後輪40の前方に配置されると共に、側面視において、エアクリーナ45の底面45Bが後輪40の上部よりも低い位置に位置づけられる。また、このエアクリーナ45の底面45Bの後端で車幅方向中央部分は、リアフェンダ60を迂回するために、内側へ凸の湾曲面に形成されている。
【0051】
図11及び図12に示すように、エアクリーナ45からエンジン32のシリンダヘッド36へ向かって吸気通路が延び、この吸気通路として、エアクリーナ45側からスロットルボディー95、インテークパイプ94が順次配設される。インテークパイプ94にはフューエルインジェクタ96が装着され、このフューエルインジェクタ96とスロットルボディー95とで燃料供給装置が構成される。そして、エアクリーナ45、スロットルボディー95、フューエルインジェクタ96及びインテークパイプ94が吸気装置44を構成する。
【0052】
エアクリーナ45は、クランクケース34に取り付けられたエアクリーナ取付ブラケット107(図11、図13)を介して、当該クランクケース34に固定して取り付けられる。従って、エアクリーナ45を含む吸気装置44は、パワーユニット39と揺動一体に構成される。
【0053】
この吸気装置44の吸気通路は、側面視において、リンクプレート31の連結バー91の上方に、この連結バー91を迂回して略湾曲して形成される。従って、吸気通路を構成するインテークパイプ94に配設されたフューエルインジェクタ96も上記連結バー91の上方に配置されて、フューエルインジェクタ96に接続された燃料配管(図示せず)が連結バー91に接触することが回避される。
【0054】
次に、前述のフートボード15及び排気管46等について、図2、図5、図16及び図17等を用いて詳説する。図2及び図5に示すように、シート13の下方には、このシート13に着座した乗員の足部を載置するフートボード15が、車幅方向に一対配置される。これら一対のフートボード15は、車両前後方向の長さが異なって構成されている。
【0055】
つまり、一方側(例えば右側)のフートボード15の後方には、図16に示すように排気マフラー47が配置され、このフートボード15は、その後端97が排気マフラー47、及びこの排気マフラーに装着されたマフラーカバー62の両前端に近接する位置まで延設される。また、他方側(例えば左側)のフートボード15の後方には、動力伝達装置38が配置され、このフートボード15は、その後端98が動力伝達装置38、及びこの動力伝達装置38に装着されたアウターカバー61の両前端まで延設され、またはこの両前端に近接する位置まで延設される。更に、フートボード15に連設されるアンダーカバー56も排気マフラー47、動力伝達装置38の前端に近接して延設される。
【0056】
これら一対のフートボード15は、図5及び図17に示すように、車両前方側から後方側に亘り、車両高さ方向に段差のない平坦形状に形成される。つまり、一対のそれぞれのフートボード15は、ライダーシート13Aに着座するライダー(運転者)の足部を載置する領域も、タンデムシート13Bに着座するタンデムライダー(同業者)の足部を載置する領域も、同一高さに設定される。尚、図16に示すように、動力伝達装置38側(例えば左側)のフートボード15の外縁部分には、サイドスタンド63操作用の切欠き部99と、センタースタンド65迂回用の切欠き部100とがそれぞれ形成されている。
【0057】
図14〜図17に示すように、排気管46は、前述のごとく、エンジン32のシリンダヘッド36から車幅方向一方側である排気マフラー47側(例えば右側)の下方へ湾曲して延び、クランクケース34の一方側である排気マフラー47側(例えば右側)の側部101の下方を通って後方へ延設されて、排気マフラー47に接続される。また、クランクケース34の他方側である動力伝達装置38側(例えば左側)の側部102に動力伝達装置38が一体化されている。
【0058】
上述の排気管46には、図11、図15及び図16に示すように、クランクケース34の排気マフラー47側(例えば右側)の側部101よりも前方であって、シリンダ部92の下部空間105に臨む位置に、Oセンサ等の排気センサ103が、ボス部104を用いて取り付けられる。更に、この排気センサ103は、車幅方向の内側に向けて斜め上方に排気管46に突設される。
【0059】
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、次の効果(1)〜(20)を奏する。
【0060】
(1)エアクリーナ45は、図11及び図12に示すように、シート13の下方で車幅方向に一対のシートフレーム22間に配置されたことから、パワーユニット39及び後輪40と共に車両高さ方向に揺動しても、シートフレーム22と干渉することがない。このため、シート13の下方にエアクリーナ45が存在する場合にも、車体フレーム11(特にアッパフレーム18及びシートフレーム22)を低位に配置でき、その結果、シート13の高さを低く設定できる。
【0061】
(2)エアクリーナ45がクランクケース34の上方に配置されると共に、その主要部45Aが、クランクケース34の前上部に設けられてパワーユニット39の揺動中心となるエンジン側懸架部88(エンジン揺動軸33)の上方に位置づけられたので、エアクリーナ45の車両高さ方向の変位量を低減できる。この結果、エアクリーナ45の上面とシート13との干渉を回避するために確保されるクリアランスを小さく設定でき、この点からもシート13の高さを低く設定できる。
【0062】
(3)図3及び図11に示すように、エアクリーナ45が後輪40の前方に配置されると共に、エアクリーナ45の底面45Bが、側面視において、後輪40の上部よりも低い位置に設定され、しかもエアクリーナ45がパワーユニット39及び後輪40と揺動一体に構成されている。この結果、エアクリーナ45と後輪40との干渉を防止しつつ、エアクリーナ45を低位置に配置できるので、シート13の高さを低く設定できる。
【0063】
この場合、エアクリーナ45が、略水平に近い状態まで前傾したシリンダを有するエンジン32のシリンダ部92とクランクケース34との上方の凹状領域93内に配置されているので、エアクリーナ45を車両高さ方向に更に低く設定でき、この結果、シート13の高さをより一層低く設定できる。
【0064】
(4)図11、図12及び図14に示すように、一対のリンクプレート31を一体に連結する連結バー91の上方に、吸気通路が略湾曲して配置されたので、この吸気通路の曲率を大きく設定でき、吸気抵抗を低減できる。この結果、エンジン32の燃焼効率を高めることができ、出力及び燃費を共に向上させることができる。
【0065】
(5)吸気装置44のフューエルインジェクタ96がリンクプレート31の連結バー91の上方に配置されたので、フューエルインジェクタ96に接続された燃料配管も連結バー91の上方に配置される。従って、吸気装置44がパワーユニット39及び後輪40と共に揺動した場合においても、燃料配管が連結バー91に接触して損傷を受けることを防止できる。
【0066】
(6)図2及び図16に示すように、車幅方向に一対配置されたフートボード15は、車両前後方向の長さが異なって構成されたので、不必要な長さに成形されることがない。従って、これらのフートボード15を支持する金属製のフートボードフレーム23も、不必要な長さに形成されることがないので、スクータ型自動二輪車10の軽量化を実現できる。また、フートボード15が長尺化されると、当該フートボード15の強度を高める必要があるが、フートボード15が不必要に長尺化されていないので、このフートボード15の強度を必要以上に高めなくてもよい。
【0067】
(7)排気マフラー47側(例えば右側)のフートボード15の後端97が排気マフラー47の前端に近接して配置され、動力伝達装置38側(例えば左側)のフートボードの後端98が動力伝達装置38の前端に配置され、またはこの前端に近接して配置されたので、フートボード15と排気マフラー47、動力伝達装置38とによって連続性のある意匠を実現できる。
【0068】
更に、図17に示すように、排気マフラー47側のフートボード15と排気マフラー47との隙間106を小さく設定できるので、この隙間106に飛石が入り込んで排気マフラー47や排気管46が損傷することなどを防止できる。
【0069】
(8)一対のフートボード15のそれぞれは、図1に示すように、車両の前方側から後方側に亘り段差のない平坦形状に形成されたので、ライダー(運転者)とタンデムライダー(同業者)の足載せ位置が同一高さとなる。この結果、タンデムライダーの足載せ位置の自由度が拡大して快適性能を向上できると共に、乗車時におけるライダーとタンデムライダーとの一体感が高まって、走行安定性を向上させることができ、更に、タンデムライダーの乗降時における車両安定性も向上させることができる。
【0070】
(9)図16に示すように、エンジン32から後方に延設されて排気マフラー47に接続される排気管46が、エンジン32のクランクケース34における排気マフラー47側(例えば右側)の側部101の下方に配置されたので、排気管46及び排気マフラー47を車幅方向内側に配置することができる。従って、その分、排気マフラー47側(例えば右側)のフートボード15の後端97を、車幅方向外側へ張り出させることなく後方に延設することができると共に、当該フートボード15を平坦形状に構成できる。
【0071】
(10)排気管46には、クランクケース34の排気マフラー47側(例えば右側)の側部101よりも前方位置に排気センサ103が取り付けられたことから、この排気マフラー47側のフートボード15の後端97を、車幅方向に張り出したり、高位置に配置したりせずとも後方へ延設でき、フートボード15の平坦化に寄与できる。
【0072】
しかも、この排気センサ103は、図11に示すように、シリンダ部92の下部空間105内で、車幅方向内側へ向けて排気管46から突設されたので、例えば車体カバー12が欠損した場合にも損傷が防止されて保護される。
【0073】
(11)燃料タンク28が、図5及び図7に示すように、インナーカバー51、センターカバー52及びリアカバー53において、インナーカバー51の下部からシート13の略前端部75の下方に至る領域に形成されたセンタートンネル部76内の後方側に配置され、また、燃料タンク28から延びる燃料注入管43の先端の燃料供給口77が、シート13の略前端部75の下方に位置づけられたことから、燃料タンク28と燃料供給口77とが接近して配置されることになる。従って、燃料注入管43の長さ、つまり燃料供給口77から燃料タンク28までの燃料供給経路を短縮できる。
【0074】
(12)サイドスタンド63が、燃料供給口77が設けられた車幅方向の一方側(例えば左側)に対し反対側(例えば右側)に設けられたので、図6に示すように、このサイドスタンド63を使用した駐車時に、スクータ型自動二輪車10が地面または床面80に接近して傾斜する側と反対側の高位置に燃料供給口77が位置づけられることになると共に、燃料注入管43が略鉛直方向を指向することになる。このように、燃料供給口77が高位置に位置づけられることで、この燃料供給口77への燃料供給作業を容易化できる。更に、燃料注入管43が略鉛直方向に指向することで、燃料供給中の燃料タンク28内の燃料の液面87(図6)と燃料供給口77とのヘッド差が大きくなる。この結果、燃料過供給時においても、燃料供給口77からの燃料の漏洩を防止できる。
【0075】
(13)燃料タンク28は、図4に示すように、後部28Aが高く形成され、この後部28Aの上部に燃料注入管43が接続されるので、燃料注入管43先端の燃料供給口77への燃料供給時に、燃料注入管43を通しての燃料タンク28内の空気抜きを良好に実施できる。
【0076】
(14)燃料供給口77が設けられた側と反対側(例えば左側)のセンターカバー52において、図5に示すように、シート13の略前端部75下方にパーキングブレーキレバー79が設けられている。このため、後輪40に設けられたパーキングブレーキとパーキングブレーキレバー79との距離を短縮することができるので、パーキングブレーキレバー79からパーキングブレーキへ操作力を伝達する伝達部材(例えばボーデンワイヤ)の長さを短縮できる。
【0077】
また、シート13の略前端部75下方にパーキングブレーキレバー79が設けられたので、このパーキングブレーキレバー79の操作を乗員が乗車姿勢を大きく変えることなく実施できると共に、降車時にも、パーキングブレーキレバー79がスクータ型自動二輪車10の重心付近にあることで、この自動二輪車10を支えずにパーキングブレーキレバー79を操作することができる。
【0078】
(15)インナーカバー51、センターカバー52及びリアカバー53において、シート13の略前端部75の下方よりも前方の領域に形成されたセンタートンネル部76内の前方側に物品収納ボックス27が配置されたので、シート13の高さを低く設定できると共に、この物品収納ボックス27からの物品(例えばヘルメット81)の出し入れを、乗員がシート13に着座した状態で容易に実施できる。
【0079】
(16)物品収納ボックス27の底面82の後部82Bが、燃料タンク28の後部28A上面と共に後ろ上方に傾斜して形成され、物品収納ボックス27と燃料タンク28は、底面82の後面82Bと燃料タンク28の後部28A上面とが重なるように互いに接近して配置されたので、スクータ型自動二輪車10のホイールベースを短縮して設定できる。
【0080】
(17)物品収納ボックス27の底面82の前部82Aが、フロントロアフレーム19の形状に沿って前上方に傾斜して形成されたので、物品収納ボックス27を前輪24に接近して配置でき、この点からもスクータ型自動二輪車10のホイールベースを短縮できる。
【0081】
(18)前上方に傾斜して形成された物品収納ボックス27の底面82の前部82Aの下方にラジエータ29(図3)が配置されたので、この底面82の前部82Aからラジエータ29へ走行風を良好に導く導風路を形成できる。このため、ラジエータ29による熱交換が確実となり、エンジン32を好適に冷却できる。
【0082】
(19)物品収納ボックス27の開閉蓋84が、前上方に傾斜して設けられた回動軸85を用いて回動自在に枢支されたので、開閉蓋84の開閉操作を、乗員がシート13に着座した状態で容易に実施できる。
【0083】
(20)図5に示すように、物品収納ボックス27の開閉蓋84を枢支する回動軸85が車幅方向においてサイドスタンド63と同じ側に設けられたので、サイドスタンド63を用いたスクータ型自動二輪車10の駐車時に開閉蓋84を開いたとき、この開閉蓋84が自重によって不用意に閉じてしまうことを防止できる。
【0084】
また、駐車時にハンドルバー26をハンドルロック位置(左側への最大回動位置)にした状態で開閉蓋84を操作する際、開閉蓋84とハンドルバー26とが接触しないように開閉蓋84の車幅方向寸法と回動軸85の位置を設定したので、ハンドルロック時における開閉蓋84の操作性が向上し、物品収納ボックス27内へのアクセスが良好なものとなる。
【0085】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本実施形態では、スクータ型自動二輪車の場合を述べたが、スクータ型自動三輪車であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係るスクータ型車両の吸気装置における一実施形態が適用されたスクータ型自動二輪車を示す全体左側面図。
【図2】図1のスクータ型自動二輪車の全体平面図。
【図3】図1のスクータ型自動二輪車の車体カバーなどを省略して示す左側面図。
【図4】図1のスクータ型自動二輪車の車体カバーなどを省略して示す右側面図。
【図5】図1のスクータ型自動二輪車の車両前後方向中央部分を示す部分左側面図。
【図6】図4のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】図1のスクータ型自動二輪車の車両前後方向中央部分を示す部分右側面図。
【図8】図5のVIII矢視図。
【図9】図5のスクータ型自動二輪車において開閉蓋を開いた状態を示す部分左側面図。
【図10】図9のX矢視図。
【図11】図3の車両後部を拡大して示す部分左側面図。
【図12】図11のXII矢視図。
【図13】図12においてエアクリーナを含む吸気装置を除いて示す斜視図。
【図14】図11のXIV−XIV線に沿う断面図。
【図15】図11のパワーユニットを示す斜視図。
【図16】図1のスクータ型自動二輪車のフートボード、パワーユニット及び排気マフラーなどの位置関係を示す平面図。
【図17】図1のスクータ型自動二輪車の車両後部を示す部分右側面図。
【符号の説明】
【0087】
10 スクータ型自動二輪車
11 車体フレーム
12 車体カバー
13 シート
15 フートボード
19 フロントロアフレーム
27 物品収納ボックス
28 燃料タンク
28A 燃料タンクの後部
29 ラジエータ
31 リンクプレート
39 パワーユニット
40 後輪
43 燃料注入管
44 吸気装置
45 エアクリーナ
45A エアクリーナの主要部
45B エアクリーナの底面
46 排気管
47 排気マフラー
51 インナーカバー
52 センターカバー
53 リアカバー
63 サイドスタンド
75 シートの略前端部
76 センタートンネル部
77 燃料供給口
79 パーキングブレーキレバー(駐車ブレーキの操作レバー)
81 ヘルメット(物品)
81A ヘルメットの頂部
82 物品収納ボックスの底面
82A 底面の前部
82B 底面の後部
83 物品収納ボックスの開口部
84 開閉蓋
85 回動軸
88 エンジン側懸架部
89 第1車体側懸架部
90 第2車体側懸架部
91 連結バー
92 シリンダ部
93 凹状領域
94 吸気通路
96 フューエルインジェクタ
97、98 フートボードの後端
101 クランクケースの側部
103 排気センサ
105 下部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート下方空間に、エンジンと動力伝達装置が一体化され、この動力伝達装置が後輪を支持するパワーユニットを車両高さ方向に揺動自在に車体フレームに枢支すると共に、吸気装置を構成するエアクリーナが前記パワーユニットと揺動一体に設けられたスクータ型車両の吸気装置において、
前記車体フレームは、車幅方向に所定距離離間して一対配置されて前記シートを支持するシートフレームを備え、
前記エアクリーナは、前記シート下方で前記一対のシートフレーム間に配置されたことを特徴とするスクータ型車両の吸気装置。
【請求項2】
前記エンジンは、パワーユニットを揺動自在に枢支するエンジン側懸架部がクランクケースの前上部に設けられ、
前記エアクリーナは、前記クランクケースの上方に配置されると共に、その主要部が前記エンジン側懸架部の上方に位置づけられたことを特徴とする請求項1に記載のスクータ型車両の吸気装置。
【請求項3】
前記エンジンは、シリンダ部がクランクケースに対し前傾して配置されてこれらのシリンダ部及びクランクケースの上方に凹状領域を形成し、
前記エアクリーナは、後輪の前方で、且つ前記凹状領域内に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のスクータ型車両の吸気装置。
【請求項4】
前記エアクリーナは、後輪よりも前方に配置されると共に、側面視において、その底面が前記後輪の上部よりも低い位置に位置づけられたことを特徴とする請求項1に記載のスクータ型車両の吸気装置。
【請求項5】
前記車体フレームは、前記パワーユニットを懸架すると共に車幅方向に一対設けられる車体側懸架部を備え、これらの車体側懸架部が、一対のリンクプレートのそれぞれを介してエンジン側懸架部に連結される一方、これらのリンクプレート同士が連結バーにて一体に連結され、
側面視において、前記連結バーよりも上方に前記エアクリーナからエンジンへ至る吸気通路が配置されたことを特徴とする請求項2に記載のスクータ型車両の吸気装置。
【請求項6】
前記吸気通路にフュ−エルインジェクタが設けられ、このフュ−エルインジェクタが前記リンクプレートの連結バーよりも上方に配置されたことを特徴とする請求項5に記載のスクータ型車両の吸気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−101893(P2009−101893A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276015(P2007−276015)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】