説明

スティック

【課題】歩行するためにスティックを必要とする者がグラウンドゴルフ、ゲートボール等の球技をする場合、歩行の補助手段としても使用可能なスティックを提供する。
【解決手段】シャフトと、このシャフトの上端を取り付けるシャフト上端取付部を有し、長手方向の一端側に把持部を有したグリップとを備えたスティックにおいて、シャフト上端取付部は、グリップの長手方向の中心よりも他端側に設けられ、グリップの他端には、シャフトの長手方向と略平行な打撃面が設けられ、球技をする場合は、シャフトの下端近傍を把持して、打撃面にて球を打撃するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に歩行の補助として用いられるスティックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より歩行の補助として用いられるスティックに関する多くの技術が開示されている。これらのスティックは、シャフトの一端にグリップが設けられたものが一般的である(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−136148号公報
【特許文献2】特開2007−075557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、歩行するためにスティックを必要とする者であってもエッグゴルフ(実用新案登録第3134579号公報)、グラウンドゴルフ、ゲートボール等の球技をする場合がある。このような場合、歩行の補助として用いるスティックの他に球技用スティックが必要であるという問題があった。
【0005】
また、盲人や視力が悪い者等が健常者の補助を得てエッグゴルフ等の球技をした場合、プレーヤー本人が、球技用スティックにて実際に球(ボール)を打撃したことが分からない場合があり、球技のおもしろさに欠けるという問題もあった。
【0006】
本発明は、前記した問題を解決するためになされたものであって、スティック本来の歩行補助としての杖としての機能のみならず、球技用スティック(打撃具)としての機能を持たせたスティックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(第1発明)
第1発明に係るスティックは、シャフトと、このシャフトの上端を取り付けるシャフト上端取付部を有し、長手方向の一端側に把持部を有したグリップと、を備えたスティックにおいて、シャフト上端取付部は、グリップの長手方向の中心よりも他端側に設けられ、グリップの他端には、シャフトの長手方向と略平行な打撃面が設けられ、球技をする場合は、シャフトの下端近傍を把持して、打撃面にて球を打撃するものである。
【0008】
かかる構成により、スティック本来の歩行補助としての杖としての機能のみならず、球技用スティックとしての機能を持たせたスティックを提供することができる。
【0009】
すなわち、本第1発明に係るスティックは、本来の歩行を補助するための杖として使用する場合は、グリップを上、シャフトを下にし、グリップの長手方向の一端側に設けた把持部を手で把持して使用する。そして、球技をする場合は、スティックの上下を逆、つまり、グリップを下、シャフトを上にし、シャフトの下端近傍を手で把持して、グリップの他端に設けた打撃面にて球を打撃する。
【0010】
(第2発明)
第2発明に係るスティックは、前記した第1発明において、グリップの打撃面の近傍上面は、グリップの把持部の上面よりも突出したものである。
【0011】
言い換えれば、第1発明に係るスティックは、歩行の補助として使用する場合(グリップが上、シャフトが下の場合)において、グリップの打撃面の近傍上面は、グリップの把持部の上面よりも高い位置にあるものである。
【0012】
かかる構成により、スティックの上下を逆にして(グリップが下、シャフトが上)、球技用スティックとして使用する場合、打撃面の近傍上面(この場合はスティックの上下が逆になっているので、実際には下面)が地面、床等に接するため、杖として使用する際に手で把持するグリップの把持部が地面、床等に接することが無い。このため、球技を終えた後、再度、スティックを杖として使用する場合に、球技によって把持部が汚れていないので、把持部を手で掴んでも手に土等が付着する等して汚れることが無い。
【0013】
(第3発明)
第3発明に係るスティックは、前記した第1発明または第2発明において、シャフトは、着脱可能な上部シャフトと下部シャフトとからなり、この上部シャフトまたはグリップの内部には、振動センサが設けられ、下部シャフトの内部には、振動センサの出力に基づいて振動する振動発生器が設けられたものである。
【0014】
かかる構成により、第3発明に係るスティックを用いて、盲人等が健常者の補助を得て、エッグゴルフ、グラウンドゴルフ、ゲートボール等の球技をした場合、盲人等は、球を打撃したことを振動により知ることができるので、球技の面白みをより一層味わうことができる。
【0015】
つまり、球技中に自分が打撃する順番が回ってきた場合、第3発明に係るスティックを、杖として機能している状態(グリップが上、シャフトが下)から、上下を逆にして、球技用スティックとして機能する状態(グリップが下、シャフトが上)にし、グリップの打撃面で球を打撃する。そうすると、打撃面と球が衝突することによりグリップに生じた小さな振動は、上部シャフトまたはグリップの内部に設けられた振動センサが検知する。そして、かかる振動センサの出力(電気信号)は、下部シャフトの内部に設けられた振動発生器に送られ、振動発生器が振動することにより、下部シャフトの下端近傍を把持した手に振動が伝わるのである。
【0016】
(第4発明)
第4発明に係るスティックは、前記した第1発明または第2発明において、シャフトは、着脱可能な上部シャフトと下部シャフトとからなり、この上部シャフトまたはグリップの内部には、振動センサが設けられ、上部シャフトおよび/または下部シャフトには、振動センサの出力に基づいて発光する発光素子が設けられたものである。
【0017】
かかる構成により、第4発明に係るスティックを用いて、グラウンドゴルフ等の球技をした場合、プレイヤーは、球を打撃したことを光により周りにいるギャラリーに知らせることができるので、球技の面白みをより一層味わうことができる。
【0018】
(第5発明)
第5発明に係るスティックは、前記した第1発明または第2発明において、シャフトは、着脱可能な上部シャフトと下部シャフトとからなり、この上部シャフトまたはグリップの内部には、振動センサが設けられ、上部シャフトおよび/または下部シャフトには、振動センサの出力に基づいて発音する発音素子が設けられたものである。
【0019】
かかる構成により、第5発明に係るスティックを用いて、グラウンドゴルフ、エッグゴルフ、ゲートボール等の球技をした場合、プレイヤーは、球を打撃したことを音により周りにいるギャラリーに知らせることができるので、球技の面白みをより一層味わうことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、スティック本来の歩行補助としての杖としての機能のみならず、球技用スティック(打撃具)としての機能を持たせたスティックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(1)本発明に係るスティックを杖として使用した場合の側面図、(2)本発明に係るスティックを杖として使用した場合の正面図(図1(1)の矢視A)
【図2】(1)本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の側面図、(2)本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の背面図(図2(1)の矢視B)
【図3】本発明に係るスティックの上部の組み立てを説明するための斜視図
【図4】(1)本発明に係るスティックを杖として使用した場合の側面図、(2)本発明に係るスティックを杖として使用した場合の正面図(図4(1)の矢視A)
【図5】(1)本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の側面図、(2)本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の背面図(図5(1)の矢視B)
【図6】本発明に係るスティックを使用した状態を示す側面図
【図7】本発明に係るスティックを杖として使用した場合の側面図
【図8】本発明に係るスティックを使用した状態を示す側面図
【図9】(1)本発明に係るスティックを杖として使用した場合の側面図、(2)本発明に係るスティックを杖として使用した場合の正面図(図9(1)の矢視A)
【図10】(1)本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の側面図、(2)本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の背面図(図10(1)の矢視B)
【図11】本発明に係るスティックを使用した状態を示す側面図
【図12】本発明に係るスティックを杖として使用した場合に側面から見た断面図
【図13】本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合に側面から見た断面図
【図14】本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合に側面から見た断面図
【図15】本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合に側面から見た断面図
【図16】本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合に側面から見た断面図
【図17】本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合に側面から見た断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1(1)は本発明に係るスティックを杖として使用した場合の側面図であり、図1(2)は本発明に係るスティックを杖として使用した場合の正面図(図1(1)の矢視A)である。また、図2(1)は本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の側面図であり、図2(2)は本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の背面図(図2(1)の矢視B)である。また、図3は、本発明に係るスティックの組み立てを説明するための斜視図である。
【0024】
(スティック)
図1に示すように、本発明に係るスティック7は、シャフト1と、このシャフト1の上端9を取り付けるシャフト上端取付部2を有し、長手方向の一端5の側に把持部3を有したグリップ4とを備えたものである。そして、シャフト上端取付部2は、グリップ4の長手方向の中心8よりも他端6の側に設けられており、このグリップ4の他端6には、シャフト1の長手方向と略平行な打撃面11が設けられている。
【0025】
ここで、シャフト上端取付部2とは、図3に示すように、グリップ4の長手方向とは垂直な方向に設けられた孔のことであり、このシャフト上端取付部2にシャフト1の上端9を圧入または挿入して接着固定することにより、シャフト1とグリップ4とを連結する。
【0026】
(杖として使用する場合)
このスティック7を杖として使用する場合は、図1に示すように、シャフト1を下、グリップ4を上にして使用する。すなわち、スティック7の使用者は、グリップ4の把持部3を片手または両手で把持し、歩行に応じて、シャフト1の下端10を地面の異なる位置に接触させて(突き立てて)歩行する。
【0027】
(球技用スティックとして使用する場合)
また、スティック7を球技用スティックとして使用する場合は、図2に示すように、シャフト1を上、グリップ4を下にして使用する。すなわち、スティック7の使用者は、シャフト1の下端10の近傍の把持部Dを片手または両手で把持し、地面に置かれた球20を、グリップ4の他端6に設けられた打撃面11で打撃する。
【0028】
このように、スティック7は、図1に示すように、シャフト1を下、グリップ4を上にした場合、杖として使用することができ、図2に示すように、シャフト1を上、グリップ4を下にした場合、球技用スティックとして使用することができる。
【0029】
つまり、1本のスティックにより、杖および球技用スティックの2通りの使い方ができるので、杖による歩行の補助を必要とする者が、球技用スティックにより球を打撃するエッグゴルフ、グラウンドゴルフ、ゲートボール等のプレイヤーである場合に、2本のスティックを持って移動等する必要が無い。
【実施例2】
【0030】
以下に本発明に係るスティックの第2実施例について図4乃至図6を用いて説明する。
図4(1)は本発明に係るスティックを杖として使用した場合の側面図であり、図4(2)は本発明に係るスティックを杖として使用した場合の正面図(図4(1)の矢視A)である。また、図5(1)は本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の側面図であり、図5(2)は本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の背面図(図5(1)の矢視B)である。また、図6は、本発明に係るスティックを使用した状態を示す側面図である。尚、実施例1と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
本実施例2に係るスティックの実施例1に係るスティックとの主な相違点は、図4(1)および図5(1)に示すように、グリップ4の他端6に形成された打撃面11の近傍の上面26がグリップ4の把持部3の上面27よりも寸法Eだけ突出した点である。
【0032】
すなわち、図4に示すように、グリップ4の打撃面11の近傍の上面には、突出部12が形成されているため、図5に示すように、球技用スティックとして使用する場合(シャフト1が上、グリップ4が下)、突出部12の上面26のみが地面に接触するため、把持部3の上面27が地面に接触することが無い。このため、図4に示すように、球技が終わった後、再度杖として使用(シャフト1が下、グリップ4が上)しても、把持部3が土等で汚れていないので、手が汚れることがない。
【0033】
また、グリップ4の一端5の近傍上面27が、他端6の近傍上面26よりも寸法Eだけ引っ込んでいるため、図6に示すように、球20をスティック7により打撃した後、スティック7を振り切っても、グリップ4の一端5の近傍の上面27が地面に接触することが少ない。このため、球20をスティック7により打撃する際に、スティック7を力一杯振ることができる。
【実施例3】
【0034】
以下に本発明に係るスティックの第3実施例について図7および図8を用いて説明する。
図7は本発明に係るスティックを杖として使用した場合の側面図であり、図8は、本発明に係るスティックを打球用スティックとして使用した状態を示す側面図である。尚、実施例2と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
本実施例3に係るスティックの実施例2に係るスティックとの主な相違点は、グリップ4の一端5の上面の角部に切り欠き24を形成した点である。かかる構成により、前記した実施例2の効果を奏するのみならず、切り欠き24が形成されているので、図8に示すように、球20をスティック7により打撃した際にグリップ4の一端5の近傍の上面27が地面に接触する可能性を、実施例2に係るスティックを使用した場合よりもさらに小さくすることができる。このため、球20をスティック7の打撃面で打撃する際に、スティック7を力一杯振り切ることができる。
【実施例4】
【0036】
以下に本発明に係るスティックの第4実施例について図9乃至図11を用いて説明する。
図9(1)は本発明に係るスティックを杖として使用した場合の側面図であり、図9(2)は本発明に係るスティックを杖として使用した場合の正面図(図9(1)の矢視A)である。また、図10(1)は本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の側面図であり、図10(2)は本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合の背面図(図10(1)の矢視B)である。また、図11は、本発明に係るスティックを使用した状態を示す側面図である。尚、実施例2と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
本実施例4に係るスティックの実施例2に係るスティックとの主な相違点は、図9に示すように、グリップ4の他端6に形成された打撃面11の近傍の上面が円弧面25になっている点である。このように、打撃面11の近傍の上面が円弧面25になっているので、スティック7を球技用スティックとして使用した場合に、図11に示すように円弧面25が地面に接触した際のエネルギーロス(シャフト1に伝えられる衝撃)を小さくし、スティック7をスムーズに振り切ることができる。
【0038】
このため、より多くのエネルギーを球に与えることができ、球の飛距離を伸ばすことができる。
尚、本実施例4に係るスティックは、実施例3に係るスティックと同様、グリップ4の一端5の上面の角部に図7に示すような切り欠き24を形成しても良い。この場合は、言うまでもなく、本実施例4の効果のみならず、実施例3の効果も得ることができる。
【実施例5】
【0039】
以下に本発明に係るスティックの第5実施例について図12および図13を用いて説明する。
図12は本発明に係るスティックを杖として使用した場合に側面から見た断面図であり、図13は本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合に側面から見た断面図である。尚、実施例4と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
本実施例5に係るスティックの実施例4に係るスティックとの主な相違点は、シャフト1が着脱可能な上部シャフト13と下部シャフト14とからなり、上部シャフト13の内部には振動センサ15が設けられ、下部シャフト14の内部には振動センサ15の出力に基づいて振動する振動発生器16が設けられた点である。
【0041】
さらに詳述すると、図12に示すように、シャフト1は、アルミニウム等の金属、またはプラスチックの中空のパイプ状の材料からなる上部シャフト13と下部シャフト14の2部品で構成され、これら上部シャフト13と下部シャフト14は、接続部21において接続されている。
【0042】
この接続部21は、2本のシャフトを接続するための公知の技術を採用することができる。例えば、接続部21における上部シャフト13の外周面に雄ねじを形成し、接続部21における下部シャフト14の内周面に雌ねじを形成し、この雌ねじに雄ねじを螺合する等である。
【0043】
そして、上部シャフト13の中空部の上方(グリップ4の近傍)には、グリップ4の他端6に設けられた打撃面11に発生した振動を検知する振動センサ15が設けられ、上部シャフト13の中空部の下方には、振動センサ15と後述する振動発生器16の動作を制御する制御装置17、および電源装置23が設けられている。尚、電源装置23は、長尺な専用バッテリーであっても、市販されている単一電池等の汎用電池を複数直列に接続して構成しても良い。また、下部シャフト14の中空部の下方には、振動発生器16が設けられている。
【0044】
前記した構成のスティック7を、球技用スティックとして使用する場合は、図13に示すように、上下逆にして、シャフト1を上、グリップ4を下にする。そして、打撃面11で球を打撃した際にグリップ4に発生した振動は、上部シャフト13のグリップ4の近傍に設けられた振動センサ15により検出することができる。振動センサ15は、検出した振動を、振動の大きさに対応したアナログまたはデジタルの電気信号αに変換し、制御装置17に図示しない配線を介して送信する。
【0045】
制御装置17は、振動センサ15からの電気信号αを受信して、所定時間(例えば、0.5秒)経過した後、下部シャフト14に設けられた振動発生器16に対して、受信した電気信号αに対応したアナログまたはデジタルの電気信号βを所定時間(例えば、15秒)図示しない配線を介して送信する。そうすると、振動発生器16は、この電気信号βに対応した大きさの振動を発生する。
【0046】
尚、制御装置17が電気信号αを受信した後、所定時間経過後に電気信号βを出力する、すなわち、遅延回路を有する理由は、振動発生器16により生じた振動がシャフト1を介してグリップに伝わり、球の打撃に影響することが無いようにするためである。
【0047】
振動発生器16は下部シャフト14の下方、すなわち、球技用スティックの把持部Dの近傍に設けられているので、プレイヤーがスティック7で球を打撃すると、シャフト1を把持する手に振動発生器16による増幅された振動が伝えられる。
【0048】
すなわち、盲人、難聴者等が健常者の補助を得て、エッグゴルフ、グラウンドゴルフ、ゲートボール等のプレイヤーとなる場合、当該プレイヤーは、球を打撃したことを手に伝わる振動により知ることができるので、球技の面白みをより一層味わうことができる。
尚、本実施例5に係るスティックは、実施例3に係るスティックと同様、グリップ4の一端5の上面の角部に図7に示すような切り欠き24を形成しても良い。この場合は、言うまでもなく、本実施例5の効果のみならず、実施例3の効果も得ることができる。
【実施例6】
【0049】
以下に本発明に係るスティックの第6実施例について図14を用いて説明する。
図14は本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合に側面から見た断面図である。尚、実施例5と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
本実施例6に係るスティックの実施例5に係るスティックとの主な相違点は、振動センサ15をグリップ4の内部に設けた点である。
かかる構成であっても、前記した実施例5と同様の効果を得ることができる。
【実施例7】
【0051】
以下に本発明に係るスティックの第7実施例について図15を用いて説明する。
図15は本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合に側面から見た断面図である。尚、実施例5と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施例7に係るスティックの実施例5に係るスティックとの主な相違点は、振動発生器16の代わりに、上部シャフト13および下部シャフト14に振動センサ15の出力に基づいて発光する発光素子18を設けた点である。
【0053】
さらに詳述すると、図15に示すように、シャフト1は、透明プラスチック材料からなる中空パイプの上部シャフト13と下部シャフト14の2部品で構成され、これら上部シャフト13と下部シャフト14は、接続部21において接続されている。
【0054】
そして、上部シャフト13の中空部の上方(グリップ4の近傍)には、グリップ4に発生した振動を検知する振動センサ15が設けられ、上部シャフト13の中空部の下方には、振動センサ15と振動発生器16の動作を制御する制御装置17と、電源装置23が設けられている。
また、上部シャフト13および下部シャフト14の中空部には、高輝度LED等からなる発光素子18が設けられている。
【0055】
かかる構成のスティック7を、球技用スティックとして使用する場合は、図15に示すように、シャフト1を上、グリップ4を下にする。そして、打撃面11で球を打撃した際にグリップ4に発生した振動は、上部シャフト13のグリップ4の近傍に設けられた振動センサ15により検出することができる。振動センサ15は、検出した振動を、振動の大きさに対応したアナログまたはデジタルの電気信号αに変換し、制御装置17に送信する。
【0056】
制御装置17は、振動センサ15からの電気信号αを受信して、上部シャフト13および下部シャフト14に設けられた発光素子18に対して、受信した電気信号αに対応したアナログまたはデジタルの電気信号βを所定時間(例えば、15秒)送信する。そうすると、発光素子18は、この電気信号βに対応した大きさの光を前記した所定時間発生する。
【0057】
本実施例7に係るスティックは、球を打撃した後、所定時間発光するので、エッグゴルフ、グラウンドゴルフ、ゲートボール等の球技をした場合、球を打撃したことを光により周囲のギャラリーに知らせることができる。このため、プレイヤーは、球技の面白みをより一層味わうことができる。
【0058】
尚、本実施例7は、発光素子を上部シャフト13および下部シャフト14に設けたスティックを示したが、発光素子は、上部シャフト13または下部シャフト14のいずれか一方に設けても良い。また、振動センサは、実施例6に示したように、グリップ4の内部に設けても良い。
【実施例8】
【0059】
以下に本発明に係るスティックの第8実施例について図16を用いて説明する。
図16は本発明に係るスティックを球技用スティックとして使用した場合に側面から見た断面図である。尚、実施例7と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
本実施例8に係るスティックの実施例7に係るスティックとの主な相違点は、発光素子18の代わりに、上部シャフト13および下部シャフト14に振動センサ15の出力に基づいて発音する発音素子19を設けた点である。
【0061】
さらに詳述すると、図16に示すように、シャフト1は、金属またはプラスチック材料からなる中空パイプの上部シャフト13と下部シャフト14の2部品で構成され、これら上部シャフト13と下部シャフト14は、接続部21において接続されている。
【0062】
そして、上部シャフト13の中空部の上方(グリップ4の近傍)には、グリップ4に発生した振動を検知する振動センサ15が設けられ、上部シャフト13の中空部の下方には、振動センサ15と振動発生器16の動作を制御する制御装置17と、電源装置23が設けられている。
また、上部シャフト13および下部シャフト14の中空部には、音を発する発音素子19が設けられている。
【0063】
かかる構成のスティック7を、球技用スティックとして使用する場合は、図16に示すように、シャフト1を上、グリップ4を下にする。そして、打撃面11で球を打撃した際にグリップ4に発生した振動は、上部シャフト13のグリップ4の近傍に設けられた振動センサ15により検出することができる。振動センサ15は、検出した振動を、振動の大きさに対応したアナログまたはデジタルの電気信号αに変換し、制御装置17に送信する。
【0064】
制御装置17は、振動センサ15からの電気信号αを受信して、上部シャフト13および下部シャフト14に設けられた発音素子19に対して、受信した電気信号αに対応したアナログまたはデジタルの電気信号βを送信する。そうすると、発音素子19は、この電気信号βに対応した大きさの音を発生させる。
【0065】
本実施例7に係るスティックは、球を打撃した際に、発音装置により増幅された音を発するので、エッグゴルフ、グラウンドゴルフ、ゲートボール等の球技をした場合、球を打撃したことを音により周囲のギャラリーに知らせることができる。このため、プレイヤーは、球技の面白みをより一層味わうことができる。
【0066】
尚、本実施例7は、発音素子を上部シャフト13および下部シャフト14に設けたスティックを示したが、発音素子は、上部シャフト13または下部シャフト14のいずれか一方に設けても良い。また、振動センサは、実施例6に示したように、グリップ4の内部に設けても良い。
【0067】
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明としてはそれに限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書および図面の記載から当業者が認識する事ができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更、削除および付加が可能である。
【0068】
例えば、図17に示すように、本発明に係るスティックは、発光素子18と発音素子19の両方を用いて構成しても良く、さらに振動発生器を加えて構成しても良い。
また、図12乃至図17に示したスティックにおいて、図7および図8に示した切り欠き24を設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、歩行の補助として用いられるスティックに適用できる。
【符号の説明】
【0070】
1 シャフト
2 シャフト上端取付部
3 把持部
4 グリップ
5 グリップの一端
6 グリップの他端
7 スティック
8 グリップの長手方向の中心
9 シャフトの上端
10 シャフトの下端
11 打撃面
13 上部シャフト
14 下部シャフト
15 振動センサ
16 振動発生器
18 発光素子
19 発音素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
該シャフトの上端を取り付けるシャフト上端取付部を有し、長手方向の一端側に把持部を有したグリップと、
を備えたスティックにおいて、
前記シャフト上端取付部は、前記グリップの長手方向の中心よりも他端側に設けられ、
前記グリップの他端には、前記シャフトの長手方向と略平行な打撃面が設けられ、
球技をする場合は、前記シャフトの下端近傍を把持して、前記打撃面にて球を打撃することを特徴とするスティック
【請求項2】
前記グリップの前記打撃面の近傍上面は、前記グリップの前記把持部の上面よりも突出した請求項1に記載のスティック
【請求項3】
前記シャフトは、着脱可能な上部シャフトと下部シャフトとからなり、
該上部シャフトまたは前記グリップの内部には、振動センサが設けられ、
該下部シャフトの内部には、前記振動センサの出力に基づいて振動する振動発生器が設けられた請求項1または請求項2に記載のスティック
【請求項4】
前記シャフトは、着脱可能な上部シャフトと下部シャフトとからなり、
該上部シャフトまたは前記グリップの内部には、振動センサが設けられ、
前記上部シャフトおよび/または前記下部シャフトには、前記振動センサの出力に基づいて発光する発光素子が設けられた請求項1または請求項2に記載のスティック
【請求項5】
前記シャフトは、着脱可能な上部シャフトと下部シャフトとからなり、
該上部シャフトまたは前記グリップの内部には、振動センサが設けられ、
前記上部シャフトおよび/または前記下部シャフトには、前記振動センサの出力に基づいて発音する発音素子が設けられた請求項1または請求項2に記載のスティック

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−158491(P2010−158491A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4163(P2009−4163)
【出願日】平成21年1月12日(2009.1.12)
【出願人】(502359046)信愛商事株式会社 (6)
【Fターム(参考)】