ステッピングモータの駆動方法および駆動装置
【課題】 指定された負荷情報及びモータ出力トルクの利用率(トルクマージン)に基づいて加減速プロファイルを生成することにより、負荷情報と移動量入力だけで位置決め運転を行うことができ、効率の高い最短位置決めが生成できるステッピングモータの駆動方法および駆動装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、運転速度プロファイルを生成し、この運転速度プロファイルに基づきモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動方法において、運転速度プロファイル生成機能3に移動量の他に負荷情報を入力して、運転速度プロファイルを作成し、この運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する位置情報4からモータ駆動回路2を制御してステッピングモータ1を駆動することにある。
【解決手段】 本発明は、運転速度プロファイルを生成し、この運転速度プロファイルに基づきモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動方法において、運転速度プロファイル生成機能3に移動量の他に負荷情報を入力して、運転速度プロファイルを作成し、この運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する位置情報4からモータ駆動回路2を制御してステッピングモータ1を駆動することにある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステッピングモータの駆動方法ならびに駆動装置に関し、さらに詳しくはステッピングモータの速度プロファイルを生成し、この速度プロファイルに基づきステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動方法および駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のステッピングモータの駆動装置としては、例えば、特許文献1がある。
この特許文献1に記載されたステッピングモータの駆動装置は、ステッピングモータを励磁するための電気信号を送出する駆動回路と、ステッピングモータの駆動に係る負荷トルクを検知する負荷トルク検知手段と、負荷トルク検知手段が検知する負荷トルクに応じた駆動指令値を送出することによって前記駆動回路における電気信号を定める制御回路とで構成されている。
【0003】
また、図9が、ステッピングモータの一般的な位置決め運転速度プロファイルである。
起動からいきなり運転速度を指令せず時間をかけて直線状に加速して運転速度に到達、運転速度から時間をかけて直線状に減速し停止する、いわゆる「台形駆動」と呼ばれる速度プロファイルを形成する。ステッピングモータの駆動においては時間をかけて変速することで加速度、すなわち加減速時の必要トルクを抑え、モータの同期が失われる(以下、脱調)のを防ぐ。従来の方法では運転プロファイル生成機能への入力は移動量または目標位置情報の他に起動速度、運転速度、加速時間、減速時間など速度プロファイルの台形形状に関わる情報を入力する。
【特許文献1】特開平1−218392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に運転速度プロファイルはユーザが負荷情報とモータトルク情報に基づいて決定(設計)する。
しかしながら、このような従来のステッピングモータの運転速度プロファイル生成方法にあっては、 負荷慣性、摩擦、重力から決まる必要トルクが図10の速度−トルク特性及びトルクマージンより決まるモータトルク(図中、使用可能なトルク)以下に収まるように加減速時間や運転速度を決定しなければならないため、設計の手間が多いという問題点があった。
【0005】
また多くのステッピングモータでは高速になるにつれてモータトルクが低下する。
しかし台形駆動では加速度一定で直線状に加速するため、図11のように最もモータトルクが低くなる、運転速度最大時のモータトルク1点によって全体の加減速トルク(すなわち加速時間、減速時間)が決定される場合がほとんどである。その場合、低速時の大きなモータトルクは使われないことになり、その分、位置決め時間が短縮できてないという問題点があった。
【0006】
本発明は、前記課題を解決し、指定された負荷情報及びモータ出力トルクの利用率(トルクマージン)に基づいて加減速プロファイルを生成することにより、負荷情報と移動量入力だけで位置決め運転を行うことができ、効率の高い最短位置決めが生成できるステッピングモータの駆動方法および駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、運転速度プロファイルを生成し、この運転速度プロファイルに基づきモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動方法において、運転速度プロファイル生成機能に移動量の他に負荷情報を入力して、運転速度プロファイルを作成し、この運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する位置情報からモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動することにある。
また、本発明は、運転速度プロファイル生成機能のシステムはモータトルク情報を内部に持ち、指定された負荷情報を元に速度別に使用可能なトルクから加速度を計算し、加速中、減速中に加速度を切り替えながら加減速することにある。
さらに、本発明は、前記負荷情報として慣性、摩擦、重力を用いることにある。
またさらに、本発明は、モータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動装置において、移動量の他に負荷情報を入力して運転速度プロファイルを生成する運転速度プロファイル生成装置と、前記運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する指令位置情報を生成する指令位置情報生成装置を設け、この指令位置情報生成装置から送られる指令位置情報によりステッピングモータを駆動する前記モータ駆動回路を制御することにある。
また、本発明は、前記運転速度プロファイルに、指定された負荷情報及びモータ出力トルクの利用率に基づいて加減速プロファイルを生成したことにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下に列挙する効果が得られる。
請求項1によれば、運転速度プロファイルを生成し、この運転速度プロファイルに基づきモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動方法において、運転速度プロファイル生成機能に移動量の他に負荷情報を入力して、運転速度プロファイルを作成し、この運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する位置情報からモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するので、負荷情報と移動量入力だけで位置決め運転ができるようになり、効率の高い最短位置決めが自動生成できる。また、フィードバックシステムでないため(開ループ)応答がばらつかない、繰り返し性がよい。
請求項2によれば、運転速度プロファイル生成機能のシステムはモータトルク情報を内部に持ち、指定された負荷情報を元に速度別に使用可能なトルクから加速度を計算し、加速中、減速中に加速度を切り替えながら加減速するので、前記運転速度プロファイルに、指定された負荷情報及びモータ出力トルクの利用率に基づいて加減速プロファイルを生成することから、トルクマージンを一定に保ち最適効率で運転されるため脱調の不安が低減する。
請求項3によれば、前記負荷情報として慣性、摩擦、重力を用いるので、機器の応答、負担に応じてトルクマージンの指定により運転全体のアグレッシブ度を容易に変更できる。
請求項4によれば、モータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動装置において、移動量の他に負荷情報を入力して運転速度プロファイルを生成する運転速度プロファイル生成装置と、前記運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する指令位置情報を生成する指令位置情報生成装置を設け、この指令位置情報生成装置から送られる指令位置情報によりステッピングモータを駆動する前記モータ駆動回路を制御するので、負荷情報と移動量入力だけで位置決め運転ができるようになり、効率の高い最短位置決めが自動生成できる。また、フィードバックシステムでないため(開ループ)応答がばらつかない、繰り返し性がよい。
請求項5によれば、前記運転速度プロファイルに、指定された負荷情報及びモータ出力トルクの利用率に基づいて加減速プロファイルを生成したので、トルクマージンを一定に保ち最適効率で運転されるため脱調の不安が低減する。また、機器の応答、負担に応じてトルクマージンの指定により運転全体のアグレッシブ度を容易に変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図示の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明のステッピングモータの駆動方法に適用する駆動装置を示したもので、1はステッピングモータであり、2はステッピングモータ1を駆動するモータ駆動回路である。
3は、運転速度プロファイル生成装置で、この運転速度プロファイル生成装置3は、運転速度プロファイルに基づきモータ駆動回路2を制御するものである。この運転速度プロファイル生成装置3には、運転速度プロファイル生成機能に指令移動量または目標位置と、負荷情報を運転前に入力して、運転速度プロファイルを作成するものである。前記負荷情報としては慣性、摩擦、重力及びトルクマージンなどが採用される。
【0011】
運転速度プロファイル生成装置3で生成された運転速度プロファイルは、リアルタイム指令位置生成装置4に入力されるもので、このリアルタイム指令位置生成装置4は、予め定められた処理フローに従い、生成した配列を用いて0.1mS間隔などの定期処理で指令速度、指令位置をリアルタイムに計算し、モータ駆動回路2へ指令位置情報をリアルタイムに伝達するものである。モータ駆動回路2はリアルタイム指令位置生成装置4からの指令位置情報に基づきステッピングモータ1を駆動するものである。
【0012】
次に、ステッピングモータの駆動方法を説明する。
運転プロファイラ生成機能において、システムは、図2に示すように、代表的な速度〔V〕、設定電流〔I〕、入力電圧〔Vin〕におけるモータトルク情報を予めメモリなどの記憶装置に所有する。
【0013】
図2のデータテーブルの配列構成を以下に示す。
・速度[RPS] [ 1, 2, 3.2, 5, 8, 10, 12, 15, 20, 25, 32, 40, 50, 70, 90]
・電流[定格値(I)に対する比率[%][25, 50, 75, 100]
・ドライバ電圧[V][12, 24, 36, 48]
位置決め運転の実行指令を検出すると、運転開始前に図3に示すような速度プロファイルに関する各値を計算する。図4はその計算手順を示す処理フローである。
【0014】
以下手順について処理フローに従って説明する。
(1).指定された設定電流に対する定格トルクTQ[n]を速度-トルク特性から速度区間V[n]について計算する(ステップS1)。nを0から始め、1ずつインクリメントしていく。
(nは速度区間数、本例ではn=15)
(2).計算された定格トルクTQ[n]とトルク利用率TU、慣性LI、摩擦LF、重力LGなどの負荷情報から加速時間TA[n]、減速時間TD[n]を計算する(ステップS2)。加速時間TA[n]、減速時間TD[n]は次式によって求める。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】
(3).区間nにおける加速時と減速時の移動量PA,PDを次式3,4により計算、これを加算して累積移動量を算出する(ステップS3)。
【0018】
【数3】
【0019】
【数4】
【0020】
累積移動量は加速側と減速側の移動量を低速から高速へ向かって積み上げた値となる。
【0021】
以上の3ステップを1速度区間とし、それを終える毎に累積移動量と指令移動量を比較し(ステップS4)、累積移動量が指令移動量を超えない場合は区間nをインクリメントして次の速度区間について同じ3ステップを繰り返す(ステップS5)。
【0022】
累積移動量が指令移動量を上回った場合は速度区間を1つ戻し(V[n]→V[n-1])、V[n-1]の速度から三角駆動で残りの移動量を満たすようなピーク速度、加速時間、減速時間を再計算して(ステップS6)、プロファイル形状を完成する。
プロファイル形状が完成したら、図5に示す処理フローに従い生成した配列を用いて定期処理で指令速度、指令位置をリアルタイムに計算し、図1に示すモータ駆動回路2へ指令位置情報をリアルタイムに伝達する。
【0023】
図5の処理フローは、ステップS10からステップS27にて構成され、自動運転速度プロファイラを作成する(ステップS10)。
まず、ステップS11で、運転開始をしたか(YES)、否か(NO)を判定し、NOならばステップS11で確認する。YESならばステップS12に行き、運転前計算を行う。
【0024】
そして、n=0(ステップS13)ならば、t=0、T=TA[n]、V=V[n+1](ステップS14)に基づき加速時速度、位置計算(定期処理)(ステップS15)を行う。
【0025】
次に、t=Tを判定し(ステップS16)、YESならば指令速度=ピーク速度を判定する(ステップS17)。
【0026】
NOならばn=n+1(ステップS171)としてステップ14に戻る。また、YESならばステップS18に行き、等速時速度、位置計算をし、次のステップS19で指令位置>減速開始位置を判定する。これがNOならばステップS18に戻り、YESならばステップS20に行く。ステップS20では、t=0、T=td[n]、V=v[n+1]に基づき、減速時速度、位置計算(定期処理)を行う(ステップS21)。
【0027】
そして、t=T?を判定し(ステップS22)、NOならば、ステップS21に戻り、YESならばステップS23に行く。そして、指令位置=指令移動量?を判定し、NOならば、n=0?(ステップS24)を判定し、YESならばステップS21に戻る。NOならばステップS25に行き、n=n-1としてステップS20に戻る。
【0028】
指令位置=指令移動量?の判定(ステップS23)がYESならばステップS26に行き、指令位置=指令移動量として終了する(ステップS27)。
【0029】
各速度区間の加速は直線加速とし、加速、減速によって速度区間が切り替わるときは参照配列要素[n]を切り替えることで指令加速度をリアルタイムに切り替えていく。
【0030】
図5中、ステップS15,ステップS18,ステップS21の処理は指令速度、指令位置の更新であるがこれらは従来と同じ直線加速の方法である。
【0031】
次に、上記の実施例の作用を説明する。
図6に直線加速との比較を示す。左の図6(a)が本発明による自動運転速度プロファイラの応答例、右の図6(b)が直線加速の応答例である。
波形:上から指令速度50[RPS/2div]、指令トルク1[Nm/2div]、実速度32.05[RPS/div]、時間軸100[msec/div]
図6(a)の自動速度プロファイラでは脱調することなく位置決めできている。図6(b)の直線加速ではそれと同じ加減速時間になるように指令したが追従できず、脱調してしまったことが示されている。
【0032】
図7に本発明により慣性負荷を変更した場合の速度応答を示す。図7(a)に対して図7(b)は慣性負荷を大きくしている。図7(a)は慣性負荷1542[gcm2]の応答例、図7(b)は慣性負荷2994[gcm2]の応答例である。
波形:上から指令速度30[RPS/2div]、指令トルク1[Nm/2div]、実速度12.82[RPS/div]、時間軸50[msec/div]
慣性負荷が大きくなるにつれて加減速が緩やかになることが分かる。
【0033】
図8に摩擦負荷を変更した場合の速度応答を示す。図8(a)に対して図8(b)は、摩擦負荷を大きく設定している。図8(a)は摩擦負荷0.08[Nm]の応答例、図8(b)は摩擦負荷0.2[Nm]の応答例である。
波形:上から指令速度30[RPS/2div]、指令トルク1[Nm/2div]、実速度12.82[RPS/div]、時間軸50[msec/div]
摩擦負荷があるときは摩擦が減速時のブレーキトルクになり減速時間が短縮されることがわかる。
【0034】
これらのプロファイルが負荷情報の指定だけで運転ごとに自動生成できることが本発明の特徴である。
【0035】
上記実施の形態によれば、システムはモータトルク情報を内部に持ち、指定された負荷情報を元に速度別に加速トルクから加速度を計算し、加速中、減速中に加速度を切り替えながら加減速する。その結果、運転速度プロファイルは移動量と負荷情報の指定によってシステムが決定する。
このように、本発明は、負荷情報と移動量入力だけで位置決め運転ができるようになり、効率の高い最短位置決めが自動生成できる。
トルクマージンを一定に保ち最適効率で運転されるため脱調の不安が低減する。
機器の応答、負担に応じてトルクマージンの指定により運転全体のアグレッシブ度を 容易に変更できる。
フィードバックシステムでないため(開ループ)応答がばらつかない、繰り返し性がよい。
【0036】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更して実施し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のステッピングモータの駆動装置を示すブロック図である。
【図2】本発明においてシステムが所有するモータトルク情報の一例を示す特性図である。
【図3】本発明において運転前に計算されるデータの一例を示す特性図である。
【図4】本発明の駆動方法におけるプロファイルデータの生成手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の駆動方法におけるリアルタイムに変化する位置情報の出力処理を示すフローチャートである。
【図6】図6(a)(b)は、本発明の自動運転プロファイルと直線加速との特性図を比較して示す図である。
【図7】図7(a)(b)は、本発明の自動運転プロファイルにおける慣性負荷の違いに対するプロファイルを示す特性図である。
【図8】図8(a)(b)は、本発明の自動運転プロファイルにおける摩擦負荷の違いに対するプロファイルを示す特性図である。
【図9】従来のステッピングモータの駆動方法におけるステッピングモータの一般的な位置決め運転速度プロファイルを示す図である。
【図10】従来のステッピングモータの速度−トルク特性と使用可能なトルクの関係を示す特性図である。
【図11】図10における直線加速では使用できないトルク領域を示す特性図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ステッピングモータ
2 モータ駆動回路
3 運転速度プロファイル生成装置
4 リアルタイム指令位置生成装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステッピングモータの駆動方法ならびに駆動装置に関し、さらに詳しくはステッピングモータの速度プロファイルを生成し、この速度プロファイルに基づきステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動方法および駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のステッピングモータの駆動装置としては、例えば、特許文献1がある。
この特許文献1に記載されたステッピングモータの駆動装置は、ステッピングモータを励磁するための電気信号を送出する駆動回路と、ステッピングモータの駆動に係る負荷トルクを検知する負荷トルク検知手段と、負荷トルク検知手段が検知する負荷トルクに応じた駆動指令値を送出することによって前記駆動回路における電気信号を定める制御回路とで構成されている。
【0003】
また、図9が、ステッピングモータの一般的な位置決め運転速度プロファイルである。
起動からいきなり運転速度を指令せず時間をかけて直線状に加速して運転速度に到達、運転速度から時間をかけて直線状に減速し停止する、いわゆる「台形駆動」と呼ばれる速度プロファイルを形成する。ステッピングモータの駆動においては時間をかけて変速することで加速度、すなわち加減速時の必要トルクを抑え、モータの同期が失われる(以下、脱調)のを防ぐ。従来の方法では運転プロファイル生成機能への入力は移動量または目標位置情報の他に起動速度、運転速度、加速時間、減速時間など速度プロファイルの台形形状に関わる情報を入力する。
【特許文献1】特開平1−218392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に運転速度プロファイルはユーザが負荷情報とモータトルク情報に基づいて決定(設計)する。
しかしながら、このような従来のステッピングモータの運転速度プロファイル生成方法にあっては、 負荷慣性、摩擦、重力から決まる必要トルクが図10の速度−トルク特性及びトルクマージンより決まるモータトルク(図中、使用可能なトルク)以下に収まるように加減速時間や運転速度を決定しなければならないため、設計の手間が多いという問題点があった。
【0005】
また多くのステッピングモータでは高速になるにつれてモータトルクが低下する。
しかし台形駆動では加速度一定で直線状に加速するため、図11のように最もモータトルクが低くなる、運転速度最大時のモータトルク1点によって全体の加減速トルク(すなわち加速時間、減速時間)が決定される場合がほとんどである。その場合、低速時の大きなモータトルクは使われないことになり、その分、位置決め時間が短縮できてないという問題点があった。
【0006】
本発明は、前記課題を解決し、指定された負荷情報及びモータ出力トルクの利用率(トルクマージン)に基づいて加減速プロファイルを生成することにより、負荷情報と移動量入力だけで位置決め運転を行うことができ、効率の高い最短位置決めが生成できるステッピングモータの駆動方法および駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、運転速度プロファイルを生成し、この運転速度プロファイルに基づきモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動方法において、運転速度プロファイル生成機能に移動量の他に負荷情報を入力して、運転速度プロファイルを作成し、この運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する位置情報からモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動することにある。
また、本発明は、運転速度プロファイル生成機能のシステムはモータトルク情報を内部に持ち、指定された負荷情報を元に速度別に使用可能なトルクから加速度を計算し、加速中、減速中に加速度を切り替えながら加減速することにある。
さらに、本発明は、前記負荷情報として慣性、摩擦、重力を用いることにある。
またさらに、本発明は、モータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動装置において、移動量の他に負荷情報を入力して運転速度プロファイルを生成する運転速度プロファイル生成装置と、前記運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する指令位置情報を生成する指令位置情報生成装置を設け、この指令位置情報生成装置から送られる指令位置情報によりステッピングモータを駆動する前記モータ駆動回路を制御することにある。
また、本発明は、前記運転速度プロファイルに、指定された負荷情報及びモータ出力トルクの利用率に基づいて加減速プロファイルを生成したことにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下に列挙する効果が得られる。
請求項1によれば、運転速度プロファイルを生成し、この運転速度プロファイルに基づきモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動方法において、運転速度プロファイル生成機能に移動量の他に負荷情報を入力して、運転速度プロファイルを作成し、この運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する位置情報からモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するので、負荷情報と移動量入力だけで位置決め運転ができるようになり、効率の高い最短位置決めが自動生成できる。また、フィードバックシステムでないため(開ループ)応答がばらつかない、繰り返し性がよい。
請求項2によれば、運転速度プロファイル生成機能のシステムはモータトルク情報を内部に持ち、指定された負荷情報を元に速度別に使用可能なトルクから加速度を計算し、加速中、減速中に加速度を切り替えながら加減速するので、前記運転速度プロファイルに、指定された負荷情報及びモータ出力トルクの利用率に基づいて加減速プロファイルを生成することから、トルクマージンを一定に保ち最適効率で運転されるため脱調の不安が低減する。
請求項3によれば、前記負荷情報として慣性、摩擦、重力を用いるので、機器の応答、負担に応じてトルクマージンの指定により運転全体のアグレッシブ度を容易に変更できる。
請求項4によれば、モータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動装置において、移動量の他に負荷情報を入力して運転速度プロファイルを生成する運転速度プロファイル生成装置と、前記運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する指令位置情報を生成する指令位置情報生成装置を設け、この指令位置情報生成装置から送られる指令位置情報によりステッピングモータを駆動する前記モータ駆動回路を制御するので、負荷情報と移動量入力だけで位置決め運転ができるようになり、効率の高い最短位置決めが自動生成できる。また、フィードバックシステムでないため(開ループ)応答がばらつかない、繰り返し性がよい。
請求項5によれば、前記運転速度プロファイルに、指定された負荷情報及びモータ出力トルクの利用率に基づいて加減速プロファイルを生成したので、トルクマージンを一定に保ち最適効率で運転されるため脱調の不安が低減する。また、機器の応答、負担に応じてトルクマージンの指定により運転全体のアグレッシブ度を容易に変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図示の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明のステッピングモータの駆動方法に適用する駆動装置を示したもので、1はステッピングモータであり、2はステッピングモータ1を駆動するモータ駆動回路である。
3は、運転速度プロファイル生成装置で、この運転速度プロファイル生成装置3は、運転速度プロファイルに基づきモータ駆動回路2を制御するものである。この運転速度プロファイル生成装置3には、運転速度プロファイル生成機能に指令移動量または目標位置と、負荷情報を運転前に入力して、運転速度プロファイルを作成するものである。前記負荷情報としては慣性、摩擦、重力及びトルクマージンなどが採用される。
【0011】
運転速度プロファイル生成装置3で生成された運転速度プロファイルは、リアルタイム指令位置生成装置4に入力されるもので、このリアルタイム指令位置生成装置4は、予め定められた処理フローに従い、生成した配列を用いて0.1mS間隔などの定期処理で指令速度、指令位置をリアルタイムに計算し、モータ駆動回路2へ指令位置情報をリアルタイムに伝達するものである。モータ駆動回路2はリアルタイム指令位置生成装置4からの指令位置情報に基づきステッピングモータ1を駆動するものである。
【0012】
次に、ステッピングモータの駆動方法を説明する。
運転プロファイラ生成機能において、システムは、図2に示すように、代表的な速度〔V〕、設定電流〔I〕、入力電圧〔Vin〕におけるモータトルク情報を予めメモリなどの記憶装置に所有する。
【0013】
図2のデータテーブルの配列構成を以下に示す。
・速度[RPS] [ 1, 2, 3.2, 5, 8, 10, 12, 15, 20, 25, 32, 40, 50, 70, 90]
・電流[定格値(I)に対する比率[%][25, 50, 75, 100]
・ドライバ電圧[V][12, 24, 36, 48]
位置決め運転の実行指令を検出すると、運転開始前に図3に示すような速度プロファイルに関する各値を計算する。図4はその計算手順を示す処理フローである。
【0014】
以下手順について処理フローに従って説明する。
(1).指定された設定電流に対する定格トルクTQ[n]を速度-トルク特性から速度区間V[n]について計算する(ステップS1)。nを0から始め、1ずつインクリメントしていく。
(nは速度区間数、本例ではn=15)
(2).計算された定格トルクTQ[n]とトルク利用率TU、慣性LI、摩擦LF、重力LGなどの負荷情報から加速時間TA[n]、減速時間TD[n]を計算する(ステップS2)。加速時間TA[n]、減速時間TD[n]は次式によって求める。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】
(3).区間nにおける加速時と減速時の移動量PA,PDを次式3,4により計算、これを加算して累積移動量を算出する(ステップS3)。
【0018】
【数3】
【0019】
【数4】
【0020】
累積移動量は加速側と減速側の移動量を低速から高速へ向かって積み上げた値となる。
【0021】
以上の3ステップを1速度区間とし、それを終える毎に累積移動量と指令移動量を比較し(ステップS4)、累積移動量が指令移動量を超えない場合は区間nをインクリメントして次の速度区間について同じ3ステップを繰り返す(ステップS5)。
【0022】
累積移動量が指令移動量を上回った場合は速度区間を1つ戻し(V[n]→V[n-1])、V[n-1]の速度から三角駆動で残りの移動量を満たすようなピーク速度、加速時間、減速時間を再計算して(ステップS6)、プロファイル形状を完成する。
プロファイル形状が完成したら、図5に示す処理フローに従い生成した配列を用いて定期処理で指令速度、指令位置をリアルタイムに計算し、図1に示すモータ駆動回路2へ指令位置情報をリアルタイムに伝達する。
【0023】
図5の処理フローは、ステップS10からステップS27にて構成され、自動運転速度プロファイラを作成する(ステップS10)。
まず、ステップS11で、運転開始をしたか(YES)、否か(NO)を判定し、NOならばステップS11で確認する。YESならばステップS12に行き、運転前計算を行う。
【0024】
そして、n=0(ステップS13)ならば、t=0、T=TA[n]、V=V[n+1](ステップS14)に基づき加速時速度、位置計算(定期処理)(ステップS15)を行う。
【0025】
次に、t=Tを判定し(ステップS16)、YESならば指令速度=ピーク速度を判定する(ステップS17)。
【0026】
NOならばn=n+1(ステップS171)としてステップ14に戻る。また、YESならばステップS18に行き、等速時速度、位置計算をし、次のステップS19で指令位置>減速開始位置を判定する。これがNOならばステップS18に戻り、YESならばステップS20に行く。ステップS20では、t=0、T=td[n]、V=v[n+1]に基づき、減速時速度、位置計算(定期処理)を行う(ステップS21)。
【0027】
そして、t=T?を判定し(ステップS22)、NOならば、ステップS21に戻り、YESならばステップS23に行く。そして、指令位置=指令移動量?を判定し、NOならば、n=0?(ステップS24)を判定し、YESならばステップS21に戻る。NOならばステップS25に行き、n=n-1としてステップS20に戻る。
【0028】
指令位置=指令移動量?の判定(ステップS23)がYESならばステップS26に行き、指令位置=指令移動量として終了する(ステップS27)。
【0029】
各速度区間の加速は直線加速とし、加速、減速によって速度区間が切り替わるときは参照配列要素[n]を切り替えることで指令加速度をリアルタイムに切り替えていく。
【0030】
図5中、ステップS15,ステップS18,ステップS21の処理は指令速度、指令位置の更新であるがこれらは従来と同じ直線加速の方法である。
【0031】
次に、上記の実施例の作用を説明する。
図6に直線加速との比較を示す。左の図6(a)が本発明による自動運転速度プロファイラの応答例、右の図6(b)が直線加速の応答例である。
波形:上から指令速度50[RPS/2div]、指令トルク1[Nm/2div]、実速度32.05[RPS/div]、時間軸100[msec/div]
図6(a)の自動速度プロファイラでは脱調することなく位置決めできている。図6(b)の直線加速ではそれと同じ加減速時間になるように指令したが追従できず、脱調してしまったことが示されている。
【0032】
図7に本発明により慣性負荷を変更した場合の速度応答を示す。図7(a)に対して図7(b)は慣性負荷を大きくしている。図7(a)は慣性負荷1542[gcm2]の応答例、図7(b)は慣性負荷2994[gcm2]の応答例である。
波形:上から指令速度30[RPS/2div]、指令トルク1[Nm/2div]、実速度12.82[RPS/div]、時間軸50[msec/div]
慣性負荷が大きくなるにつれて加減速が緩やかになることが分かる。
【0033】
図8に摩擦負荷を変更した場合の速度応答を示す。図8(a)に対して図8(b)は、摩擦負荷を大きく設定している。図8(a)は摩擦負荷0.08[Nm]の応答例、図8(b)は摩擦負荷0.2[Nm]の応答例である。
波形:上から指令速度30[RPS/2div]、指令トルク1[Nm/2div]、実速度12.82[RPS/div]、時間軸50[msec/div]
摩擦負荷があるときは摩擦が減速時のブレーキトルクになり減速時間が短縮されることがわかる。
【0034】
これらのプロファイルが負荷情報の指定だけで運転ごとに自動生成できることが本発明の特徴である。
【0035】
上記実施の形態によれば、システムはモータトルク情報を内部に持ち、指定された負荷情報を元に速度別に加速トルクから加速度を計算し、加速中、減速中に加速度を切り替えながら加減速する。その結果、運転速度プロファイルは移動量と負荷情報の指定によってシステムが決定する。
このように、本発明は、負荷情報と移動量入力だけで位置決め運転ができるようになり、効率の高い最短位置決めが自動生成できる。
トルクマージンを一定に保ち最適効率で運転されるため脱調の不安が低減する。
機器の応答、負担に応じてトルクマージンの指定により運転全体のアグレッシブ度を 容易に変更できる。
フィードバックシステムでないため(開ループ)応答がばらつかない、繰り返し性がよい。
【0036】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更して実施し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のステッピングモータの駆動装置を示すブロック図である。
【図2】本発明においてシステムが所有するモータトルク情報の一例を示す特性図である。
【図3】本発明において運転前に計算されるデータの一例を示す特性図である。
【図4】本発明の駆動方法におけるプロファイルデータの生成手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の駆動方法におけるリアルタイムに変化する位置情報の出力処理を示すフローチャートである。
【図6】図6(a)(b)は、本発明の自動運転プロファイルと直線加速との特性図を比較して示す図である。
【図7】図7(a)(b)は、本発明の自動運転プロファイルにおける慣性負荷の違いに対するプロファイルを示す特性図である。
【図8】図8(a)(b)は、本発明の自動運転プロファイルにおける摩擦負荷の違いに対するプロファイルを示す特性図である。
【図9】従来のステッピングモータの駆動方法におけるステッピングモータの一般的な位置決め運転速度プロファイルを示す図である。
【図10】従来のステッピングモータの速度−トルク特性と使用可能なトルクの関係を示す特性図である。
【図11】図10における直線加速では使用できないトルク領域を示す特性図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ステッピングモータ
2 モータ駆動回路
3 運転速度プロファイル生成装置
4 リアルタイム指令位置生成装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転速度プロファイルを生成し、この運転速度プロファイルに基づきモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動方法において、運転速度プロファイル生成機能に移動量の他に負荷情報を入力して、運転速度プロファイルを作成し、この運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する位置情報からモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動することを特徴とするステッピングモータの駆動方法。
【請求項2】
運転速度プロファイル生成機能のシステムはモータトルク情報を内部に持ち、指定された負荷情報を元に速度別に使用可能なトルクから加速度を計算し、加速中、減速中に加速度を切り替えながら加減速することを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの駆動方法。
【請求項3】
前記負荷情報として慣性、摩擦、重力を用いることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの駆動方法。
【請求項4】
モータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動装置において、移動量の他に負荷情報を入力して運転速度プロファイルを生成する運転速度プロファイル生成装置と、前記運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する指令位置情報を生成する指令位置情報生成装置を設け、この指令位置情報生成装置から送られる指令位置情報によりステッピングモータを駆動する前記モータ駆動回路を制御することを特徴とするステッピングモータの駆動装置。
【請求項5】
前記運転速度プロファイルに、指定された負荷情報及びモータ出力トルクの利用率に基づいて加減速プロファイルを生成したことを特徴とする請求項4に記載のステッピングモータの駆動装置。
【請求項1】
運転速度プロファイルを生成し、この運転速度プロファイルに基づきモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動方法において、運転速度プロファイル生成機能に移動量の他に負荷情報を入力して、運転速度プロファイルを作成し、この運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する位置情報からモータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動することを特徴とするステッピングモータの駆動方法。
【請求項2】
運転速度プロファイル生成機能のシステムはモータトルク情報を内部に持ち、指定された負荷情報を元に速度別に使用可能なトルクから加速度を計算し、加速中、減速中に加速度を切り替えながら加減速することを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの駆動方法。
【請求項3】
前記負荷情報として慣性、摩擦、重力を用いることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの駆動方法。
【請求項4】
モータ駆動回路を制御してステッピングモータを駆動するステッピングモータの駆動装置において、移動量の他に負荷情報を入力して運転速度プロファイルを生成する運転速度プロファイル生成装置と、前記運転速度プロファイルに基づきリアルタイムに変化する指令位置情報を生成する指令位置情報生成装置を設け、この指令位置情報生成装置から送られる指令位置情報によりステッピングモータを駆動する前記モータ駆動回路を制御することを特徴とするステッピングモータの駆動装置。
【請求項5】
前記運転速度プロファイルに、指定された負荷情報及びモータ出力トルクの利用率に基づいて加減速プロファイルを生成したことを特徴とする請求項4に記載のステッピングモータの駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−185052(P2007−185052A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1967(P2006−1967)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000103792)オリエンタルモーター株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000103792)オリエンタルモーター株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
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