説明

ストロットマシン

【課題】スロットマシンにおいて、遊技者によりインパクトのある態様でのボーナス告知を可能にすること。
【解決手段】役抽選によりボーナス役が内部当選した場合には、全リール6L,6C,6Rの回転が開始されてから各リール6L,6C,6Rの回転速度が所定の速度VR3に達するまでの間、リール6L,6C,6Rの回転速度を段階的に上げる制御が実行される。このとき、リール6L,6C,6Rの回転速度に合わせて演出画像が通常よりも遅い速度で表示されるとともに、演出画像に関連する演出音が演出画像の表示速度に合わせて通常よりも遅い速度で出力される。そして、リール6L,6C,6Rの回転が開始されてからリール6L,6C,6Rの回転速度が所定の速度VR3に達したときに停止ボタン27L,27C,27Rの目押し操作がなされると、その操作内容が有効とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボーナス役が内部的に成立している場合にはその旨が告知されるスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチスロと称されるスロットマシンは、外周面に複数種類の図柄が配置された3つの回転リール(図柄変動列)毎に図柄の変動表示及び停止表示を行うための図柄表示手段と、全回転リールの回転を開始させて図柄の変動表示を開始させるための始動レバーと、各回転リールに対応して配置されており、回転リールの回転を停止させることにより図柄の変動表示を停止表示させるための3つの停止ボタンとを備えている。このようなスロットマシンにおける基本遊技は、遊技媒体としてのメダルが投入されることにより、3つの回転リールを横切る有効ライン(有効化された賭けライン)が設定されるとともに始動レバーの操作が許容され、始動レバーが操作されると役の成立に関する内部抽選(以下、単に「役抽選」という)が行われるとともに、設定された有効ライン上を図柄が変動表示され、この状態で停止ボタンが順次目押しされると、変動表示されていた図柄が当該目押し順序に応じて停止表示され、全ての回転リールの図柄が停止表示されたときに有効ライン上に停止表示された3つの図柄の組合せが、予め設定された役の入賞図柄の組合せ(以下、単に「入賞図柄」ともいう)と一致した場合には、当該役の種類に応じた数のメダルが配当として払い出されるといったものであり、遊技者は、このような一連の遊技を繰り返し、できるだけ多くのメダルを獲得しようと楽しむものである。
【0003】
ここに、「目押し」とは、表示窓内での図柄の変動表示をよく観察し、且つ、停止表示させるべき図柄が表示窓内に出現するタイミングをよく見計らって停止ボタンを押す行為である。
【0004】
一般的に、初心者は、図柄の変動速度に追いつくことができず、うまく目押し操作をすることができない。このため、スロットマシンは、目押し操作に長けた特定の遊技者にとっての受けがよく、初心者にはとっつきにくいものになっている傾向がある。
【0005】
そこで、近時、初心者にとっても目押し操作がし易いようにしたスロットマシンが種々提案されている。
【0006】
かかるスロットマシンの典型的な例としては、特許文献1にて提案されているものを挙げることができる。
【0007】
この特許文献1で開示されているスロットマシンは、リールが一斉に回転開始してからその回転速度が一定速度に達したことを条件として、停止ボタンの操作が有効化され、その後の所定の期間において、段階的にリールの回転速度が低下するように構成されている。
【0008】
【特許文献1】特開2002−210078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記役抽選で抽選の対象となる役は複数種類あり、これら役毎に入賞図柄が設定されている。役の一般例としては、入賞によりボーナスゲームを所定の期間行うことができ、この期間に大量のメダルを獲得することができるビッグボーナス(BB)役、レギュラーボーナス(RB)役などと称されるボーナス役、入賞時に1度だけメダルの配当が得られる小役と称されるものなどがある。したがって、遊技者は、大量のメダルの獲得が可能なRB役やBB役の入賞を狙って遊技を行うのが通常である。なお、以下の説明において、RB役及びBB役を総称するときは、「ボーナス役」と称する。
【0010】
このような遊技状況の下、スロットマシンにおいては、画像、音及び光等により、上記役抽選でボーナス役が内部当選しボーナス役が内部的に成立している旨を遊技者に告知するように構成した機種があるが、上記画像、音及び光等によるボーナス告知は遊技者にすぐに飽きられる傾向にある。
【0011】
そこで、上記特許文献1に記載の技術をボーナス告知に転用することが考えられるが、リールの回転速度が一定速度になった後にすぐに目押し操作が実行されると、リールの回転速度変化によるボーナス告知が実行されないこととなり、ボーナス告知として採用し難いのが実情である。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑みなされたもので、遊技者によりインパクトのある態様でのボーナス告知が可能なスロットマシンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明では、始動レバーが操作されてリールが回転を開始してから、このリールの回転速度が所定の速度に達し一定速度で回転するまでの間に、リール、演出画像及び演出音を用いてボーナス告知を行うようにしている。すなわち、本発明に係るスロットマシンは、複数の図柄変動列毎に複数種類の図柄の変動表示及び停止表示を行うための図柄表示手段と、遊技の演出画像を動画表示する画像表示手段と、該画像表示手段に表示される前記演出画像に関連する演出音を出力する音出力手段と、前記図柄が停止表示されたときに、各図柄変動列の一部の図柄が横並びとして視認できるように設けられた表示窓と、該表示窓内において複数の図柄変動列を横切る賭けラインのうち、投入された遊技媒体の数に応じた数の賭けラインを有効化して有効ラインを設定する有効ライン設定手段と、前記有効ラインが設定されていることを条件として前記図柄表示手段による図柄の変動表示を開始させるための始動操作手段と、該始動操作手段が操作されることを契機として複数種類の役の成立に関する抽選を行うための役抽選手段と、前記複数の図柄変動列毎に対応して設けられ、前記図柄表示手段による図柄の変動表示を停止表示させるための複数の停止操作手段と、該停止操作手段が操作されることにより前記図柄変動列の図柄の停止表示を実行する停止制御手段と、前記役抽選手段による抽選で当選している役に対応する入賞図柄の組合せが、前記有効ライン上に停止表示されたときに入賞と判定し、入賞した役に応じた数の遊技媒体の払出を行う入賞判定手段と、を備えたスロットマシンであって、前記図柄表示手段による図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が所定の速度に達したことを条件として、前記停止操作手段による停止操作を有効化する停止操作有効化手段と、前記役抽選手段によりボーナス役が当選したことを条件として、前記図柄表示手段による図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が前記所定の速度に達するまでの間、当該図柄の変動速度を段階的に上げる制御を行う図柄変動速度制御手段と、該図柄変動速度制御手段により前記所定の速度よりも遅い図柄の変動速度としているときに、当該図柄の変動速度に合わせて前記画像表示手段に表示する演出画像を通常よりも遅い表示速度とするとともに、前記音出力手段から出力する演出音を前記画像の表示速度に合わせて通常よりも遅い出力速度とする演出制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、役抽選によりボーナス役が内部当選した場合には、図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が所定の速度に達するまでの間、図柄の変動速度を段階的に上げる制御が実行される。つまり、ボーナス役が内部当選していることを告知しないときには、直ちに図柄の変動速度を所定の速度(通常の速度)まで上げるとともに演出画像及び演出音を違和感のない所定(通常)の表示速度及び出力速度において遊技演出(通常演出)を行うが、ボーナス告知を行う場合には、先ずは通常の速度よりも遅い変動速度で図柄を変動させ、この変動速度に合わせて演出画像が通常(所定)よりも遅い速度で表示されるとともに、演出画像に関連する演出音が演出画像の表示速度に合わせて通常(所定)よりも遅い速度で出力される(スロー演出)。そして、図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が所定の速度に達したときに図柄変動の停止操作がされると、その操作内容が有効とされる。
【0015】
なお、上記スロットマシンにおいて、前記図柄変動速度制御手段は、図柄の変動表示の開始タイミングを各図柄変動列毎に所定の順序でずらすための手段を含むことが好ましい。
【0016】
また、上記スロットマシンにおいて、前記演出制御手段は、前記停止操作手段による停止操作が受け付けられたことを契機として、前記演出画像の表示速度を通常よりも遅くして表示するとともに、当該表示速度に合わせて前記演出音を通常よりも遅くして出力する制御を、通常の表示速度及び出力速度に戻すための手段を含む。この通常の表示速度及び出力速度に戻すための手段は、前記複数の停止操作手段のうちのいずれかが最初に有効的に操作された(停止操作が受け付けられた)ときに、演出画像及び演出音を通常の表示速度及び出力速度に戻すようにすることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、図柄変動の停止操作が有効化されて、停止操作が受け付けられると、これを契機に演出画像の表示速度が通常の速度に戻されるとともに、演出音の出力速度が通常の速度に戻されるので、始動操作に伴う図柄変動開始→図柄変動速度制御(図柄のスロー変動)→図柄のスロー変動に伴う演出のスロー演出開始→図柄の通常速度回転→停止操作→停止操作に伴う演出のスロー演出終了の一連の流れを有するボーナス告知が創出される。
【0018】
さらに、上記スロットマシンにおいて、ボーナス告知用ランプなど各種ランプなどの発光手段を設け、これを演出画像及び演出音に合わせて、徐々に明るくして点灯させたり、徐々に暗くして消灯させたりするスロー点灯又はスロー点滅を前記演出制御手段にさせるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、図柄のスロー変動、演出画像のスロー表示及び演出音のスロー出力によるスロー演出を用いたボーナス告知が行われるので、このボーナス告知は、遊技者にとってインパクトのあるものとなる。つまり、スロットマシン上に生じる演出の変化が図柄の変動速度と相俟ってスローになることで、遊技者に視覚的及び聴覚的に違和感を与えることができ、これまでにない新鮮感覚のボーナス告知を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
<実施の形態1>
[外観構成]
図1を参照して、本実施の形態1に係るスロットマシン1は、前面が開放している箱形の筐体2と、この筐体2に対して開閉自在に取り付けられている前扉3とを備えている。
【0022】
前扉3の中央部正面には、正面パネル4が装着されている。この正面パネル4の主要部には、表示窓5が形成されている。それゆえ、この正面パネル4は、表示窓5の枠体として機能する。
【0023】
表示窓5は、主として、筐体2内の3つの回転リール6L,6C,6Rを観察するためのものであって、各リール6L,6C,6Rの外周面には、それぞれ、ボーナス役図柄、小役図柄及びリプレイ役図柄を含む、複数種類の役図柄が周方向に沿って描かれている。これらの図柄は、表示窓5を通して3つずつ観察される。表示窓5及び各リール6L,6C,6Rの両者は、正面パネル4上において遊技者に対面している。
【0024】
表示窓5の左側には、5つの賭けライン表示ランプ7A,7B,7C,7D,7Eが設けられている。これら5つの賭けライン表示ランプ7A〜7Eは、1遊技における有効ラインを示すために点灯するランプである。他方、表示窓5の右側には、スタートランプ8、投入指示ランプ9、リプレイタイム告知ランプ10、アシストタイム(AT)告知ランプ11及びゲームオーバーランプ12が設けられている。スタートランプ8は、遊技が開始できる状態となった場合に点灯又は点滅するランプである。投入指示ランプ9は、メダルをスロットマシン1に投入できる状態である場合に点灯又は点滅するランプである。RT告知ランプ10は、遊技状態が高確率再遊技状態(RT)に移行した場合に点灯又は点滅するランプである。AT告知ランプ11は、遊技状態が画像や音などにより役の入賞を支援する情報が報知される状態に移行した場合に点灯又は点滅するランプである。ゲームオーバーランプ12は、遊技が終了したときに点灯又は点滅するランプである。これらランプ8〜12は、正面パネル4の上方から下方に向かってこの順で配置されている。
【0025】
表示窓5上には、当該表示窓5の窓面を通過する5本の賭けラインが設けられている。具体的には、第1の賭けラインは、表示窓5の中段において水平に延びており、この賭けラインの左端に第1の賭けライン表示ランプ7Aが配置されている。第2の賭けラインは、表示窓5の上段において水平に延びており、この賭けラインの左端に第2の賭けライン表示ランプ7Bが配置されている。第3の賭けラインは、表示窓5の下段において水平に延びており、この賭けラインの左端には第3の賭けライン表示ランプ7Cが配置されている。第4の賭けラインは、表示窓5の左上段から右下段に向かって斜め下方向に延びており、この賭けラインの左端には第4の賭けライン表示ランプ7Dが配置されている。第5の賭けラインは、表示窓5の左下段から右上段に向かって斜め上方向に延びており、この賭けラインの左端には第5の賭けライン表示ランプ7Eが配置されている。
【0026】
表示窓5の下方には、払出数表示器14及びクレジット数表示器15が設けられている。払出数表示器14は、入賞が発生した場合に遊技者に対して払い出されるメダル数を表示する表示器である。クレジット数表示器15は、遊技者が所有する有価価値としてスロットマシン1にクレジットされているメダル数を表示する表示器である。これら表示器14、15は、7セグメント表示器であって、正面パネル4上で左から右に向かってこの順で配置されている。
【0027】
前扉3の上部には、上パネル17が装着されている。この上パネル17の中央部には、液晶表示装置(以下、「LCD」という)18が設けられている。このLCD18は、遊技に関する種々の演出などを表示により行うための手段であって、例えば遊技中の演出画像を各種遊技状態のとき毎に異なるものとして表示したり、ボーナス役が内部当選している旨を画像表示により告知したり、遊技にリンクした演出情報などを表示する。LCD18を挟んだ左右両側には、スピーカー19A,19Bが配置されており、この左右一対のスピーカー19A,19Bは、上パネル18に嵌め込まれている。これらのスピーカー19A,19Bは、LCD18に表示された演出画像に対応した演出音、遊技状態に応じた効果音等を出力するための手段である。他方、前扉3の下部には、下パネル20が装着されている。この下パネル20には、機種名及びイメージデザイン等が印刷されており、その下方には、メダル払出口21及びメダル受け皿22が設けられている。
【0028】
正面パネル4と下パネル20との間には、操作部23が設けられている。この操作部23には、メダル投入口24、ベットボタン25、始動レバー26、停止ボタン27L,27C,27R及び精算ボタン28が備えられている。メダル投入口24は、操作部23の上面の右側に配置されている。ベットボタン25は、投入口24から投入されたメダルを何枚賭けるかを設定する際に使用されるボタンであって、操作部23の上面において始動レバー26及び左停止ボタン27Lの両者の中間位置に配置されている。始動レバー26は、遊技を開始する際に使用されるレバーであり、他方停止ボタン27L,27C,27Rは、リール6L,6C,6Rの回転を停止させる際に使用されるボタンである。具体的には、左停止ボタン27Lを操作すると、左リール6Lの回転が停止する。中停止ボタン27Cを操作すると、中リール6Cの回転が停止する。右停止ボタン27Rを操作すると、右リール6Rの回転が停止する。これら停止ボタン27L,27C,27Rは、操作部23の正面中央部において各リール6L,6C,6Rに対応して配置されている。これに対して、始動レバー26は、操作部23の正面において停止ボタン27L,27C,27Rの左側に配置されている。精算ボタン28は、スロットマシン1にクレジットされたメダルを精算する際に使用されるボタンであって、操作部23の正面において始動レバー26の左側に配置されている。
【0029】
本スロットマシン1では、遊技はクレジットモードで進行される。すなわち、1遊技毎にベットボタン25が1回押されると、3枚のメダルが賭け対象となり、上記の5本の賭けラインの全てが有効化される。このとき、上記の5つの賭けライン表示ランプ7A〜7Eが点灯する。
【0030】
かかるクレジットモードでは、上記有効化された賭けライン(有効ライン)の何れかのライン上で入賞図柄の組合せが揃い、それによって入賞が成立した場合には、この入賞の発生に伴いクレジットの上限を超えない範囲で払い出されるメダル数がクレジットとしてスロットマシン1にストアーされる。クレジットの上限を超える場合には、その上限を超えた数のメダルが払出口21から受け皿22に払い出される。
【0031】
上記のクレジットモードの手順に則して賭け対象となるメダルの枚数が設定されると、図示しない制御部は、この設定された賭け枚数分のメダルを取り込む。このメダルの取り込みにより、遊技を開始する条件が整う。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。このスタートランプ8の作動状態において、始動レバー26が操作されると、制御部は、全てのリール6L,6C,6Rを一斉に回転させる。
【0032】
各停止ボタン27L,27C,27Rを押圧操作すると、その操作に対応するリールの回転が停止する。全リール6L,6C,6Rの回転が停止したときに、有効ライン上に入賞図柄の組合せの1つが停止表示する(揃う)と、制御部は、成立した入賞役の種類に従って、予め定められている枚数のメダルを上記メダルの入力モードに応じた態様で遊技者に払い出す。
【0033】
[内部構成]
図2を参照して、筐体2内には、リール6L,6C,6R、各リール6L,6C,6Rの駆動源であるステッピングモーター、ホッパー30及び確率設定ボックス31が備えられている。
【0034】
リール6L,6C,6Rは、筐体2内の中央部に配置されており、これらリール6L,6C,6Rを基準として、ホッパー30及び確率設定ボックス31の設置箇所が決定されている。各リール6L,6C,6Rの回転軸は、それぞれ、筐体2内のブラケットに回転自在に支持されており、当該各回転軸の端部が各ステッピングモーターSML,SMC,SMR(図3参照)の出力軸に結合されている。
【0035】
ホッパー30は、メダルの貯留・放出を行うための手段であって、リール6L,6C,6Rの下方において、筐体2の底面に取り付けられている。他方、確率設定ボックス31は、ホッパー30の左側において、筐体2の底面に取り付けられている。
【0036】
リール6L,6C,6Rの上方で筐体2の背面には、スロットマシン1の基本動作やリール制御などを司るプログラムが収められたCPU1001、RAM1002,ROM1003(共に図3参照)などが搭載されたメイン制御基板が収められた主基板ケース1000が取り付けられており、リール6L,6C,6Rを支持するブラケットの側面には、特に図示しないが、サブ制御基板が収められたサブ基板ケースが取り付けられている。
【0037】
また、前扉3に装着されたLCD18の裏側には、LCD18に表示する画像を制御するための映像表示基板が収められた映像表示基板ケース2000が取り付けられており、前扉3に装着された表示窓5の正面パネル4の裏側には、カバー体50が装着されている。このカバー体50は、上記の払出数表示器14及びクレジット数表示器15並びにコネクタ等が搭載される回路基板を覆う。
[電気的構成]
図3を参照して、本スロットマシン1は、制御装置100を含む、この制御装置100は、マイクロコンピューターであって、CPU1001、RAM1002、ROM1003、クロックパルス発生回路1004、乱数発生器1005、モーター駆動制御回路1006、ランプ駆動制御回路1007、表示器駆動制御回路1008、LCD駆動制御回路1009、音出力制御回路10010及びホッパー駆動制御回路10011を備えている。
【0038】
CPU1001は、スロットマシン1の制御中枢を司るものであって、ROM1003に記憶されているプログラムに従って種々の制御を行う。このCPU1001の制御対象としては、ステッピングモーターSML,SMC,SMR、各種のランプ7A〜7E,8〜12、各種の表示器14〜16、LCD18、スピーカー19A,19B及びホッパー30を挙げることができる。これら各制御要素に対する制御信号は、それぞれ、モーター駆動制御回路1006、ランプ駆動制御回路1007、表示駆動制御回路1008、LCD駆動制御回路1009、音出力制御回路1009及びホッパー駆動制御回路10011を介して、CPU1001から与えられる。特に、本実施の形態では、CPU1001は、CPU1001に内蔵されたタイマにより後述するボーナス告知処理の各種(T1〜T8)のタイミングを監視し制御を行う。
【0039】
CPU1001には、ベットボタン25、始動レバー26、停止ボタン27L,27C,27R及び精算ボタン28の各操作信号と、メダル投入検知センサー200及びメダル排出検知センサー300の各センシング出力と、回転位置検出回路400の回転位置検出信号と、キースイッチSW1、確率設定スイッチSW2及びリセットスイッチSW3の各スイッチング信号とが与えられる。
【0040】
停止ボタン27L,27C,27Rの操作信号は、リール停止信号処理回路500によって所定の処理が施された後、リール停止信号としてCPU1001に入力される。
【0041】
メダル投入検知センサー200は、メダル投入口24から投入されたメダルを検知するためのセンサーであって、メダル投入口24に関連して設けられている。他方、メダル排出検知センサー300は、ホッパー30のメダル放出位置に関連して設けられており、そのセンシング信号は、メダル排出完了信号処理回路600によって所定の処理が施された後、メダル排出完了信号としてCPU1001に入力される。
【0042】
回転位置検出回路400は、各リール6L,6C,6Rの回転位置を検知するための回路であって、各リール6L,6C,6Rに関連して設けられている光センサーや、各ステッピングモーターSML,SMC,SMRの近傍に設けられているロータリーエンコーダを含んでいる。各リール6L,6C,6Rの回転が停止したときに、CPU1001は、回転位置検出回路400の検出信号に基づいて、有効ライン上での当該各リール6L,6C,6Rの停止図柄の種類を特定する。
【0043】
キースイッチSW1、確率設定スイッチSW2及びリセットスイッチSW3は、確率設定ボックス31に内蔵されている。キースイッチSW1は、遊技モードと確率設定モードとを互いに切り替えるためのスイッチである。他方、確率設定スイッチSW2は、役抽選に関する当選確率の設定を切り替えるためのスイッチであって、そのスイッチング信号は、キースイッチSW1によって確率設定モードになっている場合に限り、CPU1001に入力が受け付けられる。
【0044】
遊技を開始するために、遊技者によって始動レバー26が操作され、その操作信号が入力されると、CPU1001は、リール6L,6C,6Rの回転を開始させるべく、モーター駆動制御回路1006を介してステッピングモーターSML,SMC,SMRに始動信号を出力する。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動表示が開始される。他方、リール6L,6C,6Rの回転を停止するために、遊技者によって停止ボタン27L,27C,27Rが押圧操作され、その操作信号が入力されると、CPU1001は、操作された停止ボタンに対応するリールの回転を停止させるべく、モーター駆動制御回路1006を介してステッピングモーターSML,SMC,SMRに停止信号を出力する。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止表示される。
【0045】
RAM1002は、CPU1001と互いにインターフェイスをとっており、CPU1001のワーキングメモリとして機能する。したがって、RAM1002では、遊技や図柄変更の制御に必要なフラグや変数の値の書き込み及び読み出しなどが行われる。
【0046】
ROM1003には、スロットマシン1を制御して遊技を進行するための遊技プログラム、遊技プログラムで用いる変数の初期値、図柄の組合せと乱数との対応関係を示すデータ群などが格納されている。特に、ROM1003には、演出のための動画用の画像データ、当該画像データに対応する演出音用の音データが格納されている。
【0047】
クロックパルス発生回路1004は、基準クロックパルスを発生させるための回路であって、発生させた基準クロックパルスをCPU1001に供給する。
【0048】
乱数発生器1005は、上記の役の成立に関する電子抽選などをマシン1内部で行う際に用いられる乱数を発生させ、この発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出するための手段であって、抽出した乱数をCPU1001に供給する。例えば、役抽選を行うに際して乱数を発生させるコマンドが、CPU1001から乱数発生器1005に対して与えられると、乱数発生器1005は、所定の範囲の乱数を発生させ、その乱数の値を示す信号をCPU1001に出力する。
【0049】
ランプ駆動制御回路1007は、CPU1001からの指示信号に基づいてランプ駆動信号を生成し、この生成したランプ駆動信号を各種のランプ7A〜7E,8〜12に与える。その結果、各種のランプ7A〜7E,8〜12は、所定の事象を告知するために点灯又は点滅する。
【0050】
表示器駆動制御回路1008は、CPU1001からの指示信号に基づいて表示器駆動信号を生成し、この生成した表示器駆動信号を各種の表示器14〜16に与える。その結果、各種の表示器14〜16は、所定の事象を表示する。
【0051】
LCD駆動制御回路1009は、CPU1001からの指示信号に基づいてLCD駆動信号を生成し、この生成したLCD駆動信号をLCD18に与える。その結果、LCD18は、その表示面上に種々の遊技演出情報を表示する。
【0052】
音出力制御回路10010は、CPU1001からの指示信号に基づいて音出力信号を生成し、この生成した音出力信号をスピーカー19A,19Bに与える。その結果、スピーカー19A,19Bは、遊技状態に応じた効果音等を含む演出音を発する。
【0053】
ホッパー駆動制御回路10011は、CPU1001からの指示信号に基づいてホッパー駆動信号を生成し、この生成したホッパー駆動信号をホッパー30に与える。その結果、ホッパー30は、貯留しているメダルを受け皿22に放出する。
【0054】
[リール停止制御]
スロットマシン1では、役抽選の抽選結果によって何らかの役が成立すると、当該当選役の当選フラグが立てられ、当選フラグが立っている役の入賞図柄が有効ライン上に揃いやくするための引き込み停止制御が実行される。他方、当選フラグが立っていない役の入賞図柄は、有効ライン上に揃わせないための蹴飛ばし停止制御が実行される。
【0055】
上記「引き込み停止制御」とは、リールの回転及び停止による図柄の変動状態及び停止状態を見るための表示窓5の領域を遊技者が視認しつつ3つの停止ボタン27L,27C,27Rを操作(以下、この行為を「目押し」という)したときに、その操作タイミングと、フラグ成立している当選役の入賞図柄が有効ライン上を通過するタイミングとの間にズレがあっても、所定の範囲内のズレであれば入賞図柄を有効ライン上に引き込んで(停止表示させるタイミングを遅延させることにより調節して)停止するようにするリールの停止制御である。具体的には、リール6L〜6Rに対応したカウンターが(図示せず)設けられており、CPU1001は、ステッピングモーターSML,SMC,SMRに駆動パルスを出力したときは対応するカウンターを駆動パルス数だけインクリメントするとともに、位置検出センサーがリール6L,6C,6Rの基準回転位置を検出したときはカウンターをリセットするようにしている。このようにして、CPU1001は、カウンターのカウント値に基づいてリール6L,6C,6Rの基準回転位置からの現在の回転位置を判断する。しかし、回転位置を判断できてもどの図柄で停止するかを判断できなければ、引き込み制御は実現できないため、このような図柄の判断のために各リール6L,6C,6Rにおける図柄の配列情報である図柄テーブルを利用する。つまり、リール停止信号処理回路500から、各停止ボタン27L,27C,27Rに対する操作信号がCPU1001に通知される。この通知を受けたCPU1001は、リール6L,6C,6Rの回転位置と図柄の種類との位置関係を記憶した図柄テーブルを利用して、入賞図柄を有効ライン上に停止させるための引き込みコマ数を設定し、モーター駆動制御回路1006から停止信号をステッピングモーターSML,SMC,SMRに送信してリールの引き込み停止動作を実行するのである。このように、リール6L,6C,6Rの外周のどの位置にどのような図柄が設けられているかを示す図柄テーブルを利用することによって、引き込み制御が実行できるのである。このような引き込み制御は、一般的に国内においてパチスロとも呼ばれるスロットマシンにおいて周知の技術である。なお、このような引き込み制御を行えるのは、目標とする図柄から所定の数以内のコマズレ、即ち引き込み最大コマ数(許容コマ数)以内であれば、どのようなタイミングで遊技者が停止操作を行ったとしてもフラグ成立している当選役の入賞を成立させるための図柄を停止表示することが可能となっている。
【0056】
一方、役抽選により当選していない役(当選フラグが成立していない役)の入賞図柄(の組合せ)が有効ライン上に揃うことを防止するために、何れの役の入賞図柄をも有効ライン上に揃わせないようにしたりするために蹴飛ばし停止制御(ハズレ図柄の組合せを有効ライン上に引き込んで停止表示させる引き込み停止制御)が利用される。つまり、上記「蹴飛ばし停止制御」とは、入賞が許容された入賞図柄以外の入賞図柄の組合せを有効ライン上に停止させないためのリール停止制御である。具体的には、遊技者による停止ボタン27L,27C,27Rの操作(目押し)タイミングと、当選役の入賞図柄が有効ライン上を通過するタイミングとにズレが生じなかったとしても、強制的に入賞図柄を有効ライン上からずらせて(はずして)リール停止させる制御である。このような蹴飛ばし制御も上記パチスロにおいて一般的に使用されるものである。
【0057】
なお、本実施の形態1のスロットマシン1では、上記の引き込み又は蹴飛ばし許容コマ数は、一般的な4コマに設定されている。
【0058】
[制御の流れ]
図4を参照して、まず、制御装置100内のCPU1001は、賭けラインが有効化されてベットが完了するのを待つ(ステップS1)。クレジットモードでベットボタン25を押してメダルをスロットマシン1に投入したりすることによって、全ての賭けライン13A〜13Eが有効化されると、CPU1001は、ベットが完了したと判断し、始動レバー26が操作されるのを待つ(ステップS2)。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。
【0059】
始動レバー26が操作されると、CPU1001は、役の成立に関する内部抽選(役抽選)を行う(ステップS3)。この役抽選において、何れかの役が当選するとその当選した役の当選フラグを成立(ON)させる。なお、この抽選は、乱数を用いたマシン1内部の電子抽選で達成される。また、小役及びリプレイ役は当選フラグが成立した場合であってもそのゲームで入賞できないとその当選フラグはOFFされてしまい次ゲーム以降に持ち越されることはないが、ボーナス役(BB役及びRB役)の当選フラグは入賞が成立するまでそのON状態が以降のゲームに持ち越される。
【0060】
役抽選が終了すると、CPU1001は、内部当選した役がボーナス役か否かを判断する(ステップS4)。
【0061】
上記ステップS4において、内部当選役がボーナス役であると判断した場合には、CPU1001は、モーター制御回路1006、LCD駆動制御回路1009及び音出力回路10010を介してステッピングモータSML,SMC,SMR、LCD18及びスピーカー19A,19Bを制御して、ボーナス役が内部的に成立している(ボーナス役当選フラグがON状態である)旨を遊技者に告知するためのボーナス告知処理を行う(ステップS5)。このボーナス告知処理の具体的な処理内容は後述する。
【0062】
ボーナス告知処理が終了して全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止すると、CPU1001は、ボーナス役が入賞したか否かを判別する(ステップS6)。ボーナス役が入賞した場合には、CPU1001は、ボーナスゲーム処理を行い(ステップS7)、その後、処理をステップS1に戻して次のベットの完了を待つ。他方、ボーナス役が入賞しなかった場合には、CPU1001は、ボーナスゲーム処理を行うことなく、処理をステップS1に戻す。なお、ボーナスゲーム処理の内容は、従来公知の処理内容と同様であるのでその説明を省略する。
【0063】
これに対し、上記ステップS4において、内部当選役がボーナス役でないと判断した場合には、CPU1001は、全リール6L,6C,6Rの回転を開始させ(ステップS8)、その後、停止ボタン27L,27C,27Rの目押し(停止操作)の完了を待つ(ステップS9)。
【0064】
停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了すると、CPU1001は、その操作に応じて順次リール6L,6C,6Rの回転を停止させる(ステップS10)。このときの際のリール停止処理は、上記ステップS3での役抽選において、ボーナス役に当選せずその役の当選フラグがOFFしているので、ボーナス役以外の何れかの役に当選しその役の当選フラグが成立している場合には、当選役の入賞図柄を有効ライン上に引き込むリール停止制御が実行され、何れの当選フラグも成立していない場合には、何れの役も成立させないように蹴飛ばし停止制御が実行される。
【0065】
全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止すると、CPU1001は、小役が入賞したか否かを判断する(ステップS11)。小役が入賞した場合には、CPU1001は、その入賞小役に応じたメダルの払い出しを行い(ステップS12)、その後、処理をステップS1に戻す。他方、第1の小役が入賞しなかった場合には、CPU1001は、処理をステップS13に移す。
【0066】
ステップS13に移行すると、CPU1001は、リプレイ役が入賞したか否かを判断する。リプレイ役が入賞した場合には、CPU1001は、メダルの払い出しを行うことなく、処理をステップS2に戻し始動レバー26が操作されるのを待つ。他方、リプレイ役が入賞しなかった場合には、CPU1001は、ハズレとみなして処理をステップS1に戻す。
【0067】
(ボーナス告知処理)
図5及び図6を参照して、上記ステップS5におけるボーナス告知処理の処理内容を説明する。なお。ここでは、左停止ボタン27L,中停止ボタン27C,右停止ボタン27Rの順で目押しが行われるものとして説明を行う。
【0068】
ボーナス告知処理に投入されると、全リール6L,6C,6Rの回転が開始されてから各リール6L,6C,6Rの回転速度が所定の速度(定格速度)VR3に達するまでの間、リール6L,6C,6Rの回転速度を段階的に上げるリール回転速度制御が行われる。具体的には、CPU1001は、リール6L,6C,6Rが回転を開始してから時間T1が経過後、時間T2に達するまでの期間は、第1の速度VR1でリール6L,6C,6Rを回転させる(ステップS21)。そして、CPU1001は、時間T2が経過するのを待ち(ステップS22)、時間T2に達すると、時間T3に達するまでの間にリール6L,6C,6Rの回転速度を再び上昇させ、時間T3が経過してから時間T4に達するまでの間、上記第1の速度VR1より速い第2の速度VR2でリール6L,6C,6Lを回転させる(ステップS23)。その後、CPU1001は、時間T4が経過するのを待ち(ステップS24)、時間T4が経過すると、リール6L,6C,6Rの回転速度を時間T5に達するまで上昇し、時間T5に達した時点で上記定格速度としての所定の速度VR3でリール6L,6C,6Lの回転速度を安定させる(ステップS25)。CPU1001は、このリール6L,6C,6Rの回転速度が所定の速度VR3に達するまでは、停止ボタン27L,27C,27Rによる図柄停止操作を有効化しない(ステップS26)。
【0069】
上記のリール回転速度制御が実行されている間において、全リール6L,6C,6Lの回転速度が第1の回転速度VR1に達した時点で、CPU1001は、LCD18上での演出画像の表示速度を通常の速度VF1よりも遅い表示速度VF2とすると同時に、スピーカー19A,19Bから出力される演出音の出力速度を通常の速度VS1よりも遅い出力速度VS2とする(ステップS21)。すなわち、リール回転制御実行中に全リール6L,6C,6Lの回転速度が第1の回転速度VR1に達すると、演出画像及びこれに関連する演出音の両者を第1の回転速度VR1に合わせるいわゆるスロー再生(第1のスロー再生)が開始される。
【0070】
また、全リール6L,6C,6Lの回転速度が第2の回転速度VR2に達した時点で、CPU1001は、LCD18上での演出画像の表示速度を通常の速度VF1よりも遅く表示速度VF2よりも速い表示速度VF3とすると同時に、スピーカー19A,19Bから出力される演出音の出力速度を通常の速度VS1よりも遅く出力速度VS2よりも速い出力速度VS3とする(ステップS23)。すなわち、リール回転制御実行中に全リール6L,6C,6Lの回転速度が第2の回転速度VR2に達すると、演出画像及びこれに関連する演出音を第2の回転速度VR2に合わせた第2のスロー再生とする。
【0071】
上記ステップS25において全リール6L,6C,6Rの回転速度が定格速度としての所定の速度VR3に達した後、最初の停止ボタン操作(目押し操作)として、左停止ボタン27Lの押圧操作がなされると(ステップS27)、CPU1001は、左リール6Lの回転を停止させる(ステップS28)。このとき、CPU1001は、LCD18上において表示速度を通常の速度VF1よりも遅い表示速度VF3で表示されていた演出画像を通常の表示速度VF1に戻すと同時に、スピーカー19A,19Bから出力速度を通常の速度VS1よりも遅い出力速度VS3で出力されていた演出音を通常の速度VS1に戻す(ステップS29)。すなわち、全リール6L,6C,6Rの回転速度が定格速度としての所定の速度VR3に達した後の最初の停止操作がなされた時点で、上記演出画像及びこれに関連する演出音の両者のスロー再生を終了させ、違和感のない通常の表示速度及び出力速度に戻す。
【0072】
その後、CPU1001は、中停止ボタン27C及び右停止ボタン27Rの順で目押し操作がなされ(ステップS27)、これに応じて中リール6C及び右リール6Rの順でリールの回転が停止し(ステップS28)、全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止すると(ステップS30)、本ボーナス告知処理を終了させ、処理を上記ステップS6に移す。なお、リール6L,6C,6Rの回転を停止させると、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄変動が停止され、この際のリール停止処理は、上記ステップS3での役抽選において、ボーナス役に当選しその役の当選フラグがONしているので、ボーナス役の入賞図柄を有効ライン上に引き込むリール停止制御が実行される。
【0073】
なお、本ボーナス告知処理において、演出画像及び演出音の再生速度を切り替えるタイミングは、時間T1〜T5を例えばCPU1001に内蔵されたタイマ(計時手段)を用いて計時したり、リール6L、6C、6Rの回転速度を検知したりすることで行うことができる。また、T1からT2及びT3からT4の期間の長さは、遊技者にスロー演出が行われたことを認識させうる以上の長さであればよく、適宜設定可能である。さらに、本ボーナス告知処理では、演出画像及び演出音の再生速度を変えることでスロー再生(演出)を創出するようにしているが、演出データとして通常の表示速度や出力速度で演出を行える演出画像データ及び演出音データとは別に、スロー演出用の演出画像データ及び演出音データを用意しておくことで通常演出及びスロー演出を創出することができる。
【0074】
[作用・効果]
本実施の形態によると、以下の作用・効果を奏する。
【0075】
(1)役抽選によりボーナス役が内部当選した場合には、全リール6L,6C,6Rの回転が開始されてから各リール6L,6C,6Rの回転速度が所定の速度VR3に達するまでの間、リール6L,6C,6Rの回転速度を段階的に上げる制御が実行される。このとき、リール6L,6C,6Rの回転速度に合わせて演出画像が通常よりも遅いで表示されるとともに、演出画像に関連する演出音が演出画像の表示速度に合わせて通常よりも遅い速度で出力される。そして、リール6L,6C,6Rの回転が開始されてからリール6L,6C,6Rの回転速度が所定の速度VR3に達したときに停止ボタン27L,27C,27Rの目押し操作がなされると、その操作内容が有効とされる。
【0076】
(2)停止ボタン27L,27C,27Lの停止操作が有効化されると、これを契機に演出画像の表示速度が通常の速度に戻されるとともに、演出記音が出力速度が通常の速度に戻されるので、(A)始動レバー26の操作に伴うリール6L,6C,6Rの回転開始→(B)リール6L,6C,6Rの回転速度制御→(C)リール6L,6C,6Rの回転速度に応じた演出画像及び演出音のスロー再生開始→(D)停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作の有効化→(F)停止ボタン27L,27C,27の停止操作に伴う演出画像及びこれに関連する演出音のスロー再生終了の一連の流れを有するボーナス告知が創出される。
【0077】
以上のように、リールの回転速度の変化と演出のスロー再生とを融合したボーナス告知が行われるので、このボーナス告知は、遊技者にとってインパクトのあるものとなる。
【0078】
<実施の形態2>
図7を参照して、以下、本実施の形態に係るボーナス告知処理の処理内容を詳細に説明する。本実施の形態2のボーナス告知処理の特徴は、リール6L,6C,6Rの回転開始タイミングを各リール6L,6C,6R毎に所定の順序でずらして上述したボーナス告知処理が行われる点にあり、その他の構成は実施の形態1とほぼ同様である。
【0079】
なお。ここでは、リールは左リール6L、中リール6C及び右リール6Rの順で回転を開始し、かつ、左停止ボタン27L,中停止ボタン27C,右停止ボタン27Rの順で停止操作(目押し)が行われるものとして説明を行う。
【0080】
本ボーナス告知処理にでは、まず、左リール6Lが回転を開始する。左リール6Lの回転が開始されてから左リール6Lの回転速度が定格速度である所定の速度VR3に達するまでの間、左リール6Lの回転速度を段階的に上げるリール回転速度制御が行われる。このリール回転速度制御では、時間T1において始動レバー26の操作が行われると(図4ステップS2:YES)、左リール6Lの回転を開始し時間T2が経過した時点で第1の速度VR1となるように左リール6Lを回転させ、同速度で時間T5まで回転を維持する。時間T5に達すると、左リール6Lの回転速度を上昇させ、時間T6が経過した時点で所定(通常)の速度VR3となるように回転させ、同速度で停止操作が行われるまで回転を維持する。
【0081】
時間T2になると、次に中リール6Cが回転を開始する。中リール6Cの回転が開始されてから中リール6Cの回転速度が定格速度である所定の速度VR3に達するまでの間、中リール6Cの回転速度を段階的に上げるリール回転速度制御が行われる。このリール回転速度制御では、時間T2において左リール6Lが回転速度VR1で安定するのを見計らって、中リール6Cの回転を開始し時間T3が経過した時点で第1の速度VR1となるように中リール6Cを回転させ、同速度で時間T6まで回転を維持する。時間T6に達し左リール6Lの回転速度が所定の速度VR3に達すると、中リール6Cの回転速度を上昇させ、時間T7が経過した時点で所定の速度VR3となるように回転させ、同速度で停止操作が行われるまで回転を維持する。
【0082】
時間T3になると、最後に右リール6Rが回転を開始する。右リール6Rの回転が開始されてから右リール6Rの回転速度が定格速度である所定の速度VR3に達するまでの間、右リール6Rの回転速度を段階的に上げるリール回転速度制御が行われる。このリール回転速度制御では、時間T3において左リール6L及び中リール6Cが回転速度VR1で安定するのを見計らって、右リール6Rの回転を開始し時間T4が経過した時点で第1の速度VR1となるように右リール6Rを回転させ、同速度で時間T7まで回転を維持する。時間T7に達し左リール6L及び中リール6Cの回転速度が所定の速度VR3で安定的な回転となると、右リール6Rの回転速度を上昇させ、時間T8が経過した時点で所定の速度VR3となるように回転させ、同速度で停止操作が行われるまで回転を維持する。
【0083】
以上のように3つのリール6L,6C,6Rを時間をずらせて始動させ、時間T4に達した時点で、全てのリール6L,6C,6Rが通常の回転速度VR3よりも遅い回転速度VR1で安定した回転となる。その後、3つのリール6L,6C,6Rを時間をずらせて回転速度を上昇させ、時間T8に達した時点で、全てのリール6L,6C,6Rが通常の所定速度VR3で安定した回転となるようにしている。なお、全てのリール6L,6C,6Rの回転速度を同時に第1の回転速度VR1から所定の速度VR3へ上げるようにしてもよい。
【0084】
本実施の形態では、全てのリール6L,6C,6Rの回転速度が所定の速度VR3に達するまでは、停止ボタン27L,27C,27Rによる図柄停止操作は有効化されない。
【0085】
上記左リール6Lの回転速度制御が実行されている間において、時間T2において左リール6Lの回転速度が第1の回転速度VR1に達した時点で、LCD18上での演出画像の表示速度が通常の速度VF1よりも遅い表示速度VF2とされると同時に、スピーカー19A,19Bから出力される演出音の出力速度が通常の速度VS1よりも遅い出力速度VS2とされる。すなわち、リール回転制御実行中に左リール6Lの回転速度が第1の回転速度VR1に達すると、演出画像及びこれに関連する演出音の両者のいわゆるスロー再生が開始される。
【0086】
全リール6L,6C,6Rの回転速度が定格速度としての所定の速度VR3に達した後、最初の停止操作(目押し操作)として、左停止ボタン27Lの押圧操作がなされると、左リール6Lの回転は停止するが、このとき、LCD18上において表示速度を通常の速度VF1よりも遅い表示速度VF2で表示されていた演出画像が通常の表示速度VF1に戻されると同時に、スピーカー19A,19Bから出力速度を通常の速度VS1よりも遅い出力速度VS2で出力されていた演出音が通常の速度VS1に戻される。すなわち、全リール6L,6C,6Rの回転速度が定格速度としての所定の速度VR3に達した後の最初の停止操作がなされた時点で、上記演出画像及びこれに関連する演出音の両者のスロー再生が終了し、通常に戻る。
【0087】
その後、中停止ボタン27C及び右停止ボタン27Rの順で目押し操作がなされると、これに応じて中リール6C及び右リール6Rの順でリールの回転が停止する。
【0088】
このように、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、リールの回転速度の変化と演出のスロー再生とを融合したボーナス告知が行われるので、このボーナス告知は、遊技者にとってインパクトのあるものとなる。
【0089】
なお、本ボーナス告知処理において、演出画像及び演出音の再生速度を切り替えるタイミングは、時間T1〜T8を例えばCPU1001に内蔵されたタイマ(計時手段)を用いて計時したり、リール6L、6C、6Rの回転速度を検知したりすることで行うことができる。また、T2からT5、T3からT6及びT4からT7の期間の長さは、遊技者にスロー演出が行われたことを認識させうる以上の長さであればよく、適宜設定可能である。さらに、本ボーナス告知処理では、演出画像及び演出音の再生速度を変えることでスロー再生(演出)を創出するようにしているが、演出データとして通常の表示速度や出力速度で演出を行える演出画像データ及び演出音データとは別に、スロー演出用の演出画像データ及び演出音データを用意しておくことで通常演出及びスロー演出を創出することができる。
【0090】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態においては、2段階及び3段階でリールの回転速度を上げるようにしたが、これ以上にしてもよいし、リールのスロー回転速度に合わせて、演出画像及び演出音に加え演出光の点灯、消灯、点滅の速度をもスローにしてもよい。また、本発明をメカニカルリール方式のスロットマシンに適用した例について記載した。しかし、本発明はそのような構成には限定されない。本発明をシミュレートリール方式のスロットマシンに適用しても、本発明の目的は十分に達成し得る。さらに、上記実施の形態においては、最初の目押しがなされたことを契機に演出画像及び演出音のスロー再生を通常の再生速度に戻す例について記載したが、3回の目押しのうち何れ回数の目押しを契機に演出画像及び演出音のスロー再生を通常の再生速度に戻すように設定するかは任意である。そのた、本明細書に添付の特許請求の範囲内での種々の設計変更及び修正を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスロットマシンの外観構成を示す斜視図である。
【図2】スロットマシンの内部構成を示す斜視図であって、前扉を開けた状態を示す。
【図3】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】スロットマシンの制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1におけるボーナス告知処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】ボーナス告知処理の処理内容を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2に係るスロットマシンにおけるボーナス告知処理の処理内容を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0092】
1 スロットマシン
6L,6C,6R 回転リール
18 LCD
19A,19B スピーカー
25 ベットボタン
26 始動レバー
27L,27C,27R 停止ボタン
100 制御装置
1001 CPU
1002 RAM
1003 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄変動列毎に複数種類の図柄の変動表示及び停止表示を行うための図柄表示手段と、
遊技の演出画像を動画表示する画像表示手段と、
該画像表示手段に表示される前記演出画像に関連する演出音を出力する音出力手段と、
前記図柄が停止表示されたときに、各図柄変動列の一部の図柄が横並びとして視認できるように設けられた表示窓と、
該表示窓内において複数の図柄変動列を横切る賭けラインのうち、投入された遊技媒体の数に応じた数の賭けラインを有効化して有効ラインを設定する有効ライン設定手段と、
前記有効ラインが設定されていることを条件として前記図柄表示手段による図柄の変動表示を開始させるための始動操作手段と、
該始動操作手段が操作されることを契機として複数種類の役の成立に関する抽選を行うための役抽選手段と、
前記複数の図柄変動列毎に対応して設けられ、前記図柄表示手段による図柄の変動表示を停止表示させるための複数の停止操作手段と、
該停止操作手段が操作されることにより前記図柄変動列の図柄の停止表示を実行する停止制御手段と、
前記役抽選手段による抽選で当選している役に対応する入賞図柄の組合せが、前記有効ライン上に停止表示されたときに入賞と判定し、入賞した役に応じた数の遊技媒体の払出を行う入賞判定手段と、を備えたスロットマシンであって、
前記図柄表示手段による図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が所定の速度に達したことを条件として、前記停止操作手段による停止操作を有効化する停止操作有効化手段と、
前記役抽選手段によりボーナス役が当選したことを条件として、前記図柄表示手段による図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が前記所定の速度に達するまでの間、当該図柄の変動速度を段階的に上げる制御を行う図柄変動速度制御手段と、
該図柄変動速度制御手段により前記所定の速度よりも遅い図柄の変動速度としているときに、当該図柄の変動速度に合わせて前記画像表示手段に表示する演出画像を通常よりも遅い表示速度とするとともに、前記音出力手段から出力する演出音を前記画像の表示速度に合わせて通常よりも遅い出力速度とする演出制御手段と、を含むことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記図柄変動速度制御手段は、図柄の変動表示の開始タイミングを各図柄変動列毎に所定の順序でずらすための手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記演出制御手段は、前記停止操作手段による停止操作が受け付けられたことを契機として、前記演出画像の表示速度を通常よりも遅くして表示するとともに、当該表示速度に合わせて前記演出音を通常よりも遅くして出力する制御を、通常の表示速度及び出力速度に戻すための手段を含むことを請求項1又は2に記載のスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−273813(P2009−273813A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130257(P2008−130257)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(301073598)株式会社SNKプレイモア (116)
【Fターム(参考)】