説明

スロットマシン

【課題】 本発明は、新鮮かつわかりやすい態様でのボーナス告知を行うことができるスロットマシンの提供を目的とする。
【解決手段】 特定の小役の入賞図柄として、第1の特定小役図柄及びこれとは視認性の異なる第2の特定小役図柄を設けておき、特定の小役のみが内部当選している場合には、第1の特定小役図柄を有効ライン上に引き込む制御を行い、他方特定の小役とボーナス役とが内部当選している場合には、第2の特定小役図柄を有効ライン上に引き込む制御を実行することで、遊技者は、第2の特定小役図柄による入賞が成立することで、ボーナス役が内部成立していることを知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一の小役の入賞図柄の組合せを構成する図柄として複数種類の図柄を設け、これら異なる図柄を用いてボーナス役が内部的に成立している状態を遊技者に告知することができるスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチスロと称されるスロットマシンは、周面に複数種類の図柄が描かれた3つの回転リールをそれぞれ回転及び停止させて3つの図柄変動列において図柄の変動表示及び停止表示を行う図柄表示手段と、図柄表示手段による図柄の変動表示を開始させるための始動レバーと、図柄変動列に対応して配置されており、図柄表示手段による図柄の変動表示を停止表示させるための複数の停止ボタンとを備えている。このようなスロットマシンにおける基本(通常)遊技は、遊技媒体としてのメダルがメダル投入口から投入されることにより或いはクレジットされたメダルがベットスイッチの操作により投入されることにより、複数の図柄変動列を横切る有効ラインが設定されるとともに始動レバーの操作が許容され、始動レバーが操作されると役の成立に関する内部抽選(以下、単に「役抽選」という)が行われるとともに、設定された有効ライン上を図柄が変動表示され、この状態で停止ボタンが順次押圧操作されると、表示窓内で変動表示されていた図柄が押圧操作された順序に応じて停止表示され、全ての図柄変動列の図柄が停止表示されたときに前面側に設けられた表示窓内に設定された有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、予め設定された役の入賞図柄の組合せ(以下、単に「入賞図柄」ともいう)と一致した場合には、当該役の種類に応じた数のメダルが配当として払い出されるといったものであり、遊技者は、このような一連の遊技を繰り返し、できるだけ多くのメダルを獲得しようと楽しむものである。
【0003】
この種のスロットマシンは、上記表示窓内に3×3のマトリクス状に9つの図柄が視認できるように設けられている。表示窓内に設定される有効ライン数と投入される(賭けられる)メダル数との関係は、1遊技当たり、メダルの賭け枚数が最大3枚とされ、これにより最大5本の有効ラインが設定可能とされているものが大多数であり、より詳しくは、メダル1枚で1本の有効ラインが、メダル2枚で3本の有効ラインが、そしてメダル3枚で5本の有効ラインが設定されることになっている。
【0004】
他方、上記予め設定される役としては、ボーナス役、小役、リプレイ役などを挙げることができ、これら役は所定の当選確率で役抽選され、入賞確率が制御されている。小役とは、入賞した遊技において1回だけメダルの配当付与がなされるものであって、通常メダルの配当枚数の異なる複数種類のものが用意されている。また、ボーナス役とは、入賞すると遊技状態がボーナス遊技状態に移行し、当該ボーナス遊技状態において、高確率でメダルの配当付与を受けることができるボーナス遊技を複数回行うことができる、遊技者にとってより有利な入賞役である。かかるボーナス役としては、レギュラーボーナス(以下、「RB」という)役及びビッグボーナス(以下、「BB」という)役を挙げることができる。
【0005】
上記RB役は、その入賞が成立すると、RB遊技状態とされ、ボーナス遊技(所謂、JACゲーム)を所定回数連続して行える権利が与えられる。他方、上記BB役は、その入賞が成立すると、BB遊技状態が実行され、上記RB遊技状態を複数セット行える権利が与えられる。このボーナス遊技は、一般に、1遊技あたりメダルの賭け枚数及び有効ライン数が1とされ、JAC役の入賞を対象とした遊技で、高確率でJAC役が入賞するようにされている。また近年、このようなRB役及びBB役に代えて、ボーナス遊技によるメダルの払出数の上限を設けることで終了させるようにしたRB役及びBB役も登場してきている。なお、以下の説明において、「RB役」及び「BB役」を総称することきは「ボーナス役」と称し、「RB遊技状態」及び「BB遊技状態」を総称するときは「ボーナス遊技状態」或いは「ボーナスゲーム状態」と称する。
【0006】
また、上記リプレイ役とは、入賞すると、当該入賞したときの遊技と同じメダルの賭け数(有効ライン数)において再遊技できる役であり、リプレイ役の入賞が成立すると、自動的に同じ有効ライン数が設定され、始動レバーの操作が許容される。
【0007】
このような従来のスロットマシンにおいては、各小役に対応する入賞図柄の組合せを構成する図柄は1種類しかなく、この単一の図柄が有効ライン上に3つ並んで停止表示したときに入賞とされている。例えば、小役の一種であるベル役の場合には、ベルを模した図柄が1種類用意され、有効ライン上にこの図柄が3つ横並びになる図柄の組合せがベルの入賞図柄の組合せに相当し、他の小役のスイカ役の入賞図柄の組合せを構成する図柄も同様にスイカを模した図柄が1種類用意されている。
【0008】
従前より、スロットマシンの遊技においては、ボーナス役が内部当選している場合に、その旨を遊技者に告知することが行われている。例えば、ボーナス役が内部成立している状態の遊技で停止ボタンの操作により全ての図柄変動列を停止表示させたときに、表示窓内に視認可能な9つの図柄を用いて所定の図柄の組合せである、所謂「リーチ目」を停止表示させることによるボーナス告知や、上記「リーチ目」に代えて、必ずしもボーナス役が内部成立しているとは限らないが、ボーナス役の入賞可能性を同様に9つの図柄の組合せである、所謂「チャンス目」を停止表示させることによるボーナス告知が採用されている。また、近年、このようなボーナス告知を、趣向を凝らした種々の方法で行うことができるスロットマシンも提案されてきている。例えば、特許文献1にて提案されているスロットマシンでは、ボーナス告知ランプを設け、これを点灯させることによりボーナス役が内部当選していることを告知するように構成されている。さらに、特許文献2にて提案されているスロットマシンでは、表示窓の上部に設けられた液晶表示部に、複数遊技にわたって表示される演出画像によりボーナス告知演出を行うように構成されている。
【0009】
【特許文献1】特開2003−33474号公報
【0010】
【特許文献2】特開2003−265692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような従来のスロットマシンにおいては、画像、音及び光等により、上記役抽選で内部当選したボーナス役を遊技者に告知するように構成されているが、上記画像、音及び光等により内部状態を告知する方法は、既に長年行われてきており遊技者に既に飽きられる傾向にある。また、リーチ目やチャンス目によるボーナス告知も歴史が古く、新鮮味にかけている。
【0012】
そこで、本発明は、上記実情に鑑みなされたもので、新鮮かつわかりやすい態様でのボーナス告知を行うことができるスロットマシンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明では、複数の図柄変動列毎に複数種類の図柄の変動表示及び停止表示を行うための図柄表示手段と、前記図柄が停止表示されたときに、各図柄変動列の一部の図柄が横並びとして視認できるように設けられた表示窓と、該表示窓内において複数の図柄変動列を横切る賭けラインを、遊技媒体が賭けられることにより有効化して有効ラインを設定する有効ライン設定手段と、前記有効ラインが設定されていることを条件として前記図柄表示手段による図柄の変動表示を開始させるための始動操作手段と、該始動操作手段が操作されることを契機として、小役及びボーナス役を含む複数種類の役の成立に関する抽選を行うための役抽選手段と、前記始動操作手段の操作により前記図柄表示手段による図柄の変動表示を制御するための変動制御手段と、前記複数の図柄変動列毎に対応して設けられ、前記図柄表示手段による図柄の変動表示を停止表示させるための複数の停止操作手段と、前記停止操作手段が操作されることにより前記図柄変動列の図柄の停止表示を実行するためのものであって、停止表示の際に前記役抽選手段による抽選でいずれかの役が内部当選しているときには、当該役の入賞図柄の組合せを構成する図柄が前記有効ライン上に停止表示しやすいようにする引き込み制御を実行する停止制御手段と、前記役抽選手段による抽選で内部当選している役に対応する入賞図柄の組合せが、前記有効ライン上に停止表示されたときに入賞と判定し、入賞した役に応じた特典の付与を行う入賞判定手段と、該入賞判定手段によりボーナス役が入賞したと判定された場合に、ボーナス遊技を実行するボーナス遊技実行手段とを備えたスロットマシンにおいて、前記図柄変動列には、特定の小役の入賞図柄の組合せを構成する図柄として、第1の特定小役図柄及びこれとは視認性の異なる第2の特定小役図柄が設けられており、前記停止表示手段は、前記役抽選手段による抽選で特定の小役及びボーナス役のいずれもが内部当選しているときに、前記第2の特定小役図柄を前記有効ライン上に引き込む制御を実行することを特徴とする。
【0014】
本発明における前記小役とは、入賞時に該入賞した役に応じた数の遊技媒体が特典として1回払出される役のことで、リプレイ役をも含む概念であり、特定の小役としてリプレイ役を選択してもよく、前記役抽選手段は、特定の小役とボーナス役とを1回の抽選(遊技)において同時に内部当選させることができるものとしてもよいし、小役が内部当選したときには、内部当選したときの遊技で入賞させることができないと該内部当選を消去する一方で、ボーナス役が内部当選したときには入賞するまで該内部当選状態を持ち越すようにして、ボーナス役が内部当選しているときの役抽選で特定の小役が内部当選することで、特定の小役とボーナス役とが内部当選している状態を発生させるようにしてもよい。
【0015】
なお、ボーナス役とは、入賞後に小役が入賞したときよりも多数の遊技媒体が獲得できるボーナス遊技が特典として付与されるもので、例えば公知のBB役、RB役などを挙げることができる。
【0016】
また、第1の特定小役図柄と第2の特定小役図柄とを視認性が異なる図柄にする手段としては、例えば、大きさを異ならせた相似形により視認性を異ならせたり、図柄の色や配色を異ならせることにより視認性を異ならせたり、同一図柄であっても周囲を枠で囲んだりするなど別のデザインを付加することにより視認性を異ならせることができる。
【0017】
上記本発明によれば、特定の小役のみが内部当選している場合には、停止制御手段は、第1の特定小役図柄を有効ライン上に引き込む制御を行い、他方特定の小役とボーナス役とが内部当選している場合には、停止操作手段により図柄変動列の停止表示がなされることにより、停止制御手段は第2の特定小役図柄を有効ライン上に引き込む制御を実行する。つまり、特定の小役のみが内部当選している場合には、第1の特定小役図柄の組合せによる特定の小役の入賞が発生しやすい図柄停止制御状態とされ、一方特定の小役及びボーナス役の両方が内部当選している場合には、第2の特定小役図柄の組合せによる特定の小役の入賞が発生しやすい図柄停止制御状態とされ、これにより遊技者は、第2の特定小役図柄の組合せによる特定の小役の入賞が発生することで、ボーナス役の内部当選を知ることができる。本発明においては、上述のような内部当選状態となった場合に効率よくボーナス告知できるようにするために、特定の小役及びボーナス役の両方が内部当選しているときには、第2の特定小役図柄が必ず有効ライン上に停止表示されるように、第2の特定小役図柄の図柄変動列(図柄配列)における配置間隔と引き込み停止制御における最大引き込み量(コマ数)との関係を設定するのが好ましい。
【0018】
このように本発明によれば、これまでにない新鮮な方法でかつ明確にボーナス役の内部当選を告知することができる。また、本発明ではボーナス告知を図柄変動列を利用して行うようにしているので、別途告知演出を行うために液晶表示装置などの演出表示装置を設ける必要がなく、仮に演出用の表示装置を設けた場合には、内部当選役の告知以外の演出、例えばストーリー性のある映像を連続的に表示したり、他の情報を表示したりと、告知以外の目的に特化して使用することができ、遊技者に対して豊富な情報を提供することができる。
【0019】
また、本発明のスロットマシンにおいて、ボーナス役が内部当選していないにもかかわらず第2の特定小役図柄の組合せによる入賞を発生させる、所謂ガセ告知を行える機能を付加してもよく、これにより一層多様なボーナス告知演出を行うことができる。具体的には、前記ボーナス役が内部当選していない場合であっても前記特定の小役が内部当選している場合に、前記第2の特定小役図柄による前記特定の小役の入賞図柄の組合せを前記有効ライン上に引き込む制御を実行するか否かを決定するためのガセ告知決定手段を有し、前記停止制御手段は、前記ガセ告知決定手段により前記第2の特定小役図柄による前記特定の小役の入賞図柄の組合せを前記有効ライン上に引き込む制御を実行すると決定された場合には、前記第2の特定小役図柄を前記有効ライン上に引き込む制御を実行するようにする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、これまでにない新感覚のボーナス告知を提供することができると共に、図柄の停止表示に遊技者を集中させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
<実施の形態1>
[外観構成]
図1を参照して、本実施の形態1に係るスロットマシン1は、前面が開放している箱形の筐体2と、この筐体2に対して開閉自在に取り付けられている前扉3とを備えている。
【0023】
前扉3の中央部正面には、正面パネル4が装着されている。この正面パネル4の主要部には、表示窓5が形成されている。それゆえ、この正面パネル4は、表示窓5の枠体として機能する。
【0024】
表示窓5は、主として、筐体2内の3つの回転リール6L,6C,6Rを観察するためのものであって、各リール6L,6C,6Rの外周面には、それぞれ、ボーナス役図柄、小役図柄及びリプレイ役図柄を含む、複数種類の役図柄が周方向に沿って描かれている。これらの図柄は、表示窓5を通して3つずつ観察される。表示窓5及び各リール6L,6C,6Rの両者は、正面パネル4上において遊技者に対面している。
【0025】
表示窓5の左側には、5つの賭けライン表示ランプ7A,7B,7C,7D,7Eが設けられている。これら5つの賭けライン表示ランプ7A〜7Eは、1遊技における有効ラインを示すために点灯するランプである。他方、表示窓5の右側には、スタートランプ8、投入指示ランプ9、リプレイタイム告知ランプ10、アシストタイム(AT)告知ランプ11及びゲームオーバーランプ12が設けられている。スタートランプ8は、遊技が開始できる状態となった場合に点灯又は点滅するランプである。投入指示ランプ9は、メダルをスロットマシン1に投入できる状態である場合に点灯又は点滅するランプである。RT告知ランプ10は、遊技状態が高確率再遊技状態(RT)に移行した場合に点灯又は点滅するランプである。AT告知ランプ11は、遊技状態が画像や音などにより役の入賞を支援する情報が報知される状態に移行した場合に点灯又は点滅するランプである。ゲームオーバーランプ12は、遊技が終了したときに点灯又は点滅するランプである。これらランプ8〜12は、正面パネル4の上方から下方に向かってこの順で配置されている。
【0026】
表示窓5上には、当該表示窓5の窓面を通過する5本の賭けライン13A〜13Eが設けられている。具体的には、第1の賭けライン13Aは、表示窓5の中段において水平に延びており、この賭けライン13Aの左端に第1の賭けライン表示ランプ7Aが配置されている。第2の賭けライン12Bは、表示窓5の上段において水平に延びており、この賭けライン13Bの左端に第2の賭けライン表示ランプ7Bが配置されている。第3の賭けライン12Cは、表示窓5の下段において水平に延びており、この賭けライン13Cの左端には第3の賭けライン表示ランプ7Cが配置されている。第4の賭けライン13Dは、表示窓5の左上段から右下段に向かって斜め下方向に延びており、この賭けライン13Dの左端には第4の賭けライン表示ランプ7Dが配置されている。第5の賭けライン13Eは、表示窓5の左下段から右上段に向かって斜め上方向に延びており、この賭けライン13Eの左端には第5の賭けライン表示ランプ7Eが配置されている。
【0027】
表示窓5の下方には、払出数表示器14及びクレジット数表示器15が設けられている。払出数表示器14は、入賞が発生した場合に遊技者に対して払い出されるメダル数を表示する表示器である。クレジット数表示器15は、遊技者が所有する有価価値としてスロットマシン1にクレジットされているメダル数を表示する表示器である。これら表示器14、15は、7セグメント表示器であって、正面パネル4上で左から右に向かってこの順で配置されている。
【0028】
前扉3の上部には、上パネル17が装着されている。この上パネル17の中央部には、液晶表示装置(以下、「LCD」という)18が設けられている。このLCD18は、遊技に関する種々の演出、他の情報などを表示により行うための手段であって、例えば遊技中の演出画像を各種遊技状態のとき毎に異なるものとして表示したり、連続的にストーリー性のある動画を表示したり、遊技店又は周辺地域の情報を表示したりする。LCD18を挟んだ左右両側には、スピーカー19A,19Bが配置されており、この左右一対のスピーカー19A,19Bは、上パネル18に嵌め込まれている。これらのスピーカー19A,19Bは、LCD18に表示された演出画像等に対応した演出音、遊技状態に応じた効果音等を出力するための手段である。他方、前扉3の下部には、下パネル20が装着されている。この下パネル20には、機種名及びイメージデザイン等が印刷されており、その下方には、メダル払出口21及びメダル受け皿22が設けられている。
【0029】
正面パネル4と下パネル20との間には、操作部23が設けられている。この操作部23には、メダル投入口24、ベットボタン25、始動レバー26、停止ボタン27L,27C,27R及び精算ボタン28が備えられている。メダル投入口24は、操作部23の上面の右側に配置されている。ベットボタン25は、投入口24から投入されたメダルを何枚賭けるかを設定する際に使用されるボタンであって、操作部23の上面において始動レバー26及び左停止ボタン27Lの両者の中間位置に配置されている。始動レバー26は、遊技を開始する際に使用されるレバーであり、他方停止ボタン27L,27C,27Rは、リール6L,6C,6Rの回転を停止させる際に使用されるボタンである。具体的には、左停止ボタン27Lを操作すると、左リール6Lの回転が停止する。中停止ボタン27Cを操作すると、中リール6Cの回転が停止する。右停止ボタン27Rを操作すると、右リール6Rの回転が停止する。これら停止ボタン27L,27C,27Rは、操作部23の正面中央部において各リール6L,6C,6Rに対応して配置されている。これに対して、始動レバー26は、操作部23の正面において停止ボタン27L,27C,27Rの左側に配置されている。精算ボタン28は、スロットマシン1にクレジットされたメダルを精算する際に使用されるボタンであって、操作部23の正面において始動レバー26の左側に配置されている。
【0030】
本スロットマシン1では、例えば、遊技はクレジットモードで進行される。すなわち、1遊技毎にベットボタン25が1回押されると、3枚のメダルが賭け対象となり、上記の5本の賭けライン13A〜13Eの全てが有効化される。このとき、上記の5つの賭けライン表示ランプ7A〜7Eが点灯する。
【0031】
かかるクレジットモードでは、上記有効化された賭けライン(有効ライン)の何れかのライン上で入賞図柄の組合せが揃い、それによって入賞が成立した場合には、この入賞の発生に伴いクレジットの上限を超えない範囲で払い出されるメダル数がクレジットとしてスロットマシン1にストアーされる。クレジットの上限を超える場合には、その上限を超えた数のメダルが払出口21から受け皿22に払い出される。
【0032】
上記のクレジットモードの手順に則して賭け対象となるメダルの枚数が設定されると、図示しない制御部は、この設定された賭け枚数分のメダルを取り込む。このメダルの取り込みにより、遊技を開始する条件が整う。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。このスタートランプ8の作動状態において、始動レバー26が操作されると、制御部は、全てのリール6L,6C,6Rを一斉に回転させる。
【0033】
全てのリール6L,6C,6Rの回転速度が所定の速度に達すると回転リールの停止操作が有効化(許容)され、この状態で各停止ボタン27L,27C,27Rが押圧操作されると、その操作に対応するリールの回転が停止する。
【0034】
そして、全リール6L,6C,6Rの回転が停止したときに、有効ライン上に入賞図柄の組合せの1つが停止表示する(揃う)と、制御部は、成立した入賞役の種類に従って、予め定められている枚数のメダルを上記メダルの入力モードに応じた態様で遊技者に払い出す。
【0035】
[内部構成]
図2を参照して、筐体2内には、リール6L,6C,6R、各リール6L,6C,6Rの駆動源であるステッピングモーター、ホッパー30及び確率設定ボックス31が備えられている。
【0036】
リール6L,6C,6Rは、筐体2内の中央部に配置されており、これらリール6L,6C,6Rを基準として、ホッパー30及び確率設定ボックス31の設置箇所が決定されている。各リール6L,6C,6Rの回転軸は、それぞれ、筐体2内のブラケットに回転自在に支持されており、当該各回転軸の端部が各ステッピングモーターSML,SMC,SMR(図3参照)の出力軸に結合されている。
【0037】
ホッパー30は、メダルの貯留・放出を行うための手段であって、リール6L,6C,6Rの下方において、筐体2の底面に取り付けられている。他方、確率設定ボックス31は、ホッパー30の左側において、筐体2の底面に取り付けられている。
【0038】
リール6L,6C,6Rの上方で筐体2の背面には、スロットマシン1の基本動作やリール制御などを司るプログラムが収められたCPU1001、RAM1002,ROM1003(共に図3参照)などが搭載されたメイン制御基板が収められた主基板ケース1000が取り付けられており、リール6L,6C,6Rを支持するブラケットの側面には、特に図示しないが、サブ制御基板が収められたサブ基板ケースが取り付けられている。
【0039】
また、前扉3に装着されたLCD18の裏側には、LCD18に表示する画像を制御するための映像表示基板が収められた映像表示基板ケース2000が取り付けられており、前扉3に装着された表示窓5の正面パネル4の裏側には、カバー体50が装着されている。このカバー体50は、上記の払出数表示器14及びクレジット数表示器15並びにコネクタ等が搭載される回路基板を覆う。
[電気的構成]
図3を参照して、本スロットマシン1は、制御装置100を含む、この制御装置100は、マイクロコンピューターであって、CPU1001、RAM1002、ROM1003、クロックパルス発生回路1004、乱数発生器1005、モーター駆動制御回路1006、ランプ駆動制御回路1007、表示器駆動制御回路1008、LCD駆動制御回路1009、音出力制御回路10010及びホッパー駆動制御回路10011を備えている。
【0040】
CPU1001は、スロットマシン1の制御中枢を司るものであって、ROM1003に記憶されているプログラムに従って種々の制御を行う。このCPU1001の制御対象としては、ステッピングモーターSML,SMC,SMR、各種のランプ7A〜7E,8〜12、各種の表示器14,15、LCD18、スピーカー19A,19B及びホッパー30を挙げることができる。これら各制御要素に対する制御信号は、それぞれ、モーター駆動制御回路1006、ランプ駆動制御回路1007、表示駆動制御回路1008、LCD駆動制御回路1009、音出力制御回路1009及びホッパー駆動制御回路10011を介して、CPU1001から与えられる。
【0041】
CPU1001には、ベットボタン25、始動レバー26、停止ボタン27L,27C,27R及び精算ボタン28の各操作信号と、メダル投入検知センサー200及びメダル排出検知センサー300の各センシング出力と、回転位置検出回路400の回転位置検出信号と、キースイッチSW1、確率設定スイッチSW2及びリセットスイッチSW3の各スイッチング信号とが与えられる。
【0042】
停止ボタン27L,27C,27Rの操作信号は、リール停止信号処理回路500によって所定の処理が施された後、リール停止信号としてCPU1001に入力される。
【0043】
メダル投入検知センサー200は、メダル投入口24から投入されたメダルを検知するためのセンサーであって、メダル投入口24に関連して設けられている。他方、メダル排出検知センサー300は、ホッパー30のメダル放出位置に関連して設けられており、そのセンシング信号は、メダル排出完了信号処理回路600によって所定の処理が施された後、メダル排出完了信号としてCPU1001に入力される。
【0044】
回転位置検出回路400は、各リール6L,6C,6Rの回転位置を検知するための回路であって、各リール6L,6C,6Rに関連して設けられている光センサーや、各ステッピングモーターSML,SMC,SMRの近傍に設けられているロータリーエンコーダを含んでいる。各リール6L,6C,6Rの回転が停止したときに、CPU1001は、回転位置検出回路400の検出信号に基づいて、有効ライン上での当該各リール6L,6C,6Rの停止図柄の種類を特定する。
【0045】
キースイッチSW1、確率設定スイッチSW2及びリセットスイッチSW3は、確率設定ボックス31に内蔵されている。キースイッチSW1は、遊技モードと確率設定モードとを互いに切り替えるためのスイッチである。他方、確率設定スイッチSW2は、役抽選に関する当選確率の設定を切り替えるためのスイッチであって、そのスイッチング信号は、キースイッチSW1によって確率設定モードになっている場合に限り、CPU1001に入力が受け付けられる。
【0046】
遊技を開始するために、遊技者によって始動レバー26が操作され、その操作信号が入力されると、CPU1001は、リール6L,6C,6Rの回転を開始させるべく、モーター駆動制御回路1006を介してステッピングモーターSML,SMC,SMRに始動信号を出力する。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動表示が開始される。他方、リール6L,6C,6Rの回転を停止するために、遊技者によって停止ボタン27L,27C,27Rが押圧操作され、その操作信号が入力されると、CPU1001は、操作された停止ボタンに対応するリールの回転を停止させるべく、モーター駆動制御回路1006を介してステッピングモーターSML,SMC,SMRに停止信号を出力する。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止表示される。
【0047】
RAM1002は、CPU1001と互いにインターフェイスをとっており、CPU1001のワーキングメモリとして機能する。したがって、RAM1002では、遊技や図柄変更の制御に必要なフラグや変数の値の書き込み及び読み出しなどが行われる。
【0048】
ROM1003には、スロットマシン1を制御して遊技を進行するための遊技プログラム、遊技プログラムで用いる変数の初期値、図柄の組合せと乱数との対応関係を示すデータ群などが格納されている。特に、ROM1003には、演出のための動画用の画像データ、当該画像データに対応する演出音用の音データが格納されている。
【0049】
クロックパルス発生回路1004は、基準クロックパルスを発生させるための回路であって、発生させた基準クロックパルスをCPU1001に供給する。
【0050】
乱数発生器1005は、上記の役の成立に関する電子抽選などをマシン1内部で行う際に用いられる乱数を発生させ、この発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出するための手段であって、抽出した乱数をCPU1001に供給する。例えば、役抽選を行うに際して乱数を発生させるコマンドが、CPU1001から乱数発生器1005に対して与えられると、乱数発生器1005は、所定の範囲の乱数を発生させ、その乱数の値を示す信号をCPU1001に出力する。
【0051】
ランプ駆動制御回路1007は、CPU1001からの指示信号に基づいてランプ駆動信号を生成し、この生成したランプ駆動信号を各種のランプ7A〜7E,8〜12に与える。その結果、各種のランプ7A〜7E,8〜12は、所定の事象を告知するために点灯又は点滅する。
【0052】
表示器駆動制御回路1008は、CPU1001からの指示信号に基づいて表示器駆動信号を生成し、この生成した表示器駆動信号を各種の表示器14、15に与える。その結果、各種の表示器14、15は、所定の事象を表示する。
【0053】
LCD駆動制御回路1009は、CPU1001からの指示信号に基づいてLCD駆動信号を生成し、この生成したLCD駆動信号をLCD18に与える。その結果、LCD18は、その表示面上に種々の遊技演出情報を表示する。
【0054】
音出力制御回路10010は、CPU1001からの指示信号に基づいて音出力信号を生成し、この生成した音出力信号をスピーカー19A,19Bに与える。その結果、スピーカー19A,19Bは、遊技状態に応じた効果音等を含む演出音を発する。
【0055】
ホッパー駆動制御回路10011は、CPU1001からの指示信号に基づいてホッパー駆動信号を生成し、この生成したホッパー駆動信号をホッパー30に与える。その結果、ホッパー30は、貯留しているメダルを受け皿22に放出する。
【0056】
[リール図柄の配列]
図4を参照して、各リール6L、6C、6Rの周面に設けられた図柄の配列について説明する。各リール6L、6C、6Rには、2種類のボーナス役(BB役及びRB役)の入賞にかかる「7」図柄A及び「BAR」図柄B(BB役入賞図柄の組合せ:7−7−7、RB役入賞図柄の組合せ:7−7−BAR)、小役の入賞にかかる「小さいベル(チビベル)」図柄C1、「大きいベル(デカベル)」図柄C2(ベル役入賞図柄の組合せ:チビベル−チビベル−チビベル、デカベル−デカベル−デカベル)、「スイカ」図柄E(スイカ役入賞図柄の組合せ:スイカ−スイカ−スイカ)及び「チェリー」図柄D(チェリー役入賞図柄の組合せ:チェリー−ANY−ANY)、「RP」図柄F(リプレイ役入賞図柄の組合せ:RP−RP−RP)が所定の間隔及び数(21個)配設されている。なお、ベル役に係る「チビベル」図柄C1及び「デカベル」図柄C2、並びにリプレイ役に係る「RP」図柄Fは、全てのリール6L、6C、6Rにおいて後述する引き込み最大コマ数である4コマずれた場合に有効ライン上に引き込み可能な5コマ以内の間隔で配置されている。
【0057】
上記各役の入賞にともない提供される特典として、BB役が入賞するとメダルの払出合計が345枚を超えると終了するBBゲーム状態に移行され、RB役が入賞するとメダルの払出合計が119枚を超えると終了するRBゲーム状態に移行される。また、ベル役(特定の小役)が入賞すると10枚、スイカ役が入賞すると15枚、チェリー役が入賞すると2枚のメダルがそれぞれ配当として払出される。リプレイ役が入賞するとメダルをベットすることなく同じ条件のゲーム(再遊技)が提供される。なお、ボーナス役は役抽選で一旦当選し当選フラグが成立すると、入賞が成立するまで次遊技へとフラグが持ち越されるが、小役(リプレイ役を含む)の当選フラグは、成立したときの遊技においてのみ有効で、当該遊技で入賞できなかった場合には次遊技に当選フラグが持ち越されることはない。また、ボーナス役の当選フラグが持ち越されている状態における遊技の役抽選で小役(リプレイ役を含む)が当選した場合、或いはボーナス役と小役(ベル役)とが同時に内部当選した場合には、後述のリール停止制御において小役の入賞図柄が優先されて有効ライン上に停止表示されるようになっている。
【0058】
[役抽選]
スロットマシン1にける役抽選は、公知の乱数抽選により実行することができる。つまり、各役と乱数値の範囲とを対応付けたテーブルを用い、このテーブルと抽出した乱数値とを照合し、何れの役に対応する乱数値の範囲に属するかによって当選役を決定する。図5を参照して、抽選対象となる役としては、上述したBB役、RB役、ベル役、スイカ役、チェリー役、リプレイ役及び図示していないが何れの役も当選していないハズレ役とされ、特に本実施の形態では、ベル役はBB役又はRB役と同時当選する場合を設定している。
【0059】
[リール停止制御]
スロットマシン1では、役抽選の抽選結果によって何らかの役が成立(内部当選)すると、当該当選役の当選フラグが立てられ、当選フラグが立っている役の入賞図柄が有効ライン上に揃いやくするための引き込み停止制御が実行される。他方、当選フラグが立っていない役の入賞図柄は、有効ライン上に揃わせないための蹴飛ばし停止制御が実行される。また、小役とボーナス役の両方が内部的に成立している場合には、小役の入賞を優先し、該小役の入賞図柄を優先的に有効ライン上に揃えようとする引き込み停止制御が実行される。特に、本発明においては、特定の小役としてのベル役がボーナス役(BB役、RB役)と同時に内部成立している状態においては、ベル役の大きいほうの入賞図柄(デカベル)を有効ライン上に引き込み、他方ベル役のみ内部成立している状態においては、ベル役の小さいほうの入賞図柄(チビベル)を有効ライン上に引き込む停止制御が実行される。
【0060】
上記「引き込み停止制御」とは、リールの回転及び停止による図柄の変動状態及び停止状態を見るための表示窓5の領域を遊技者が視認しつつ3つの停止ボタン27L,27C,27Rを操作(目押し)したときに、その操作タイミングと、フラグ成立している当選役の入賞図柄が有効ライン上を通過するタイミングとの間にズレがあっても、所定の範囲内のズレであれば入賞図柄を有効ライン上に引き込んで(停止表示させるタイミングを遅延させることにより調節して)停止するようにするリールの停止制御である。具体的には、リール6L〜6Rに対応したカウンターが(図示せず)設けられており、CPU1001は、ステッピングモーターSML,SMC,SMRに駆動パルスを出力したときは対応するカウンターを駆動パルス数だけインクリメントするとともに、位置検出センサーがリール6L,6C,6Rの基準回転位置を検出したときはカウンターをリセットするようにしている。このようにして、CPU1001は、カウンターのカウント値に基づいてリール6L,6C,6Rの基準回転位置からの現在の回転位置を判断する。しかし、回転位置を判断できてもどの図柄で停止するかを判断できなければ、引き込み制御は実現できないため、このような図柄の判断のために各リール6L,6C,6Rにおける図柄の配列情報である図柄テーブルを利用する。つまり、リール停止信号処理回路500から、各停止ボタン27L,27C,27Rに対する操作信号がCPU1001に通知される。この通知を受けたCPU1001は、リール6L,6C,6Rの回転位置と図柄の種類との位置関係を記憶した図柄テーブルを利用して、入賞図柄を有効ライン上に停止させるための引き込みコマ数を設定し、モーター駆動制御回路1006から停止信号をステッピングモーターSML,SMC,SMRに送信してリールの引き込み停止動作を実行するのである。このように、リール6L,6C,6Rの外周のどの位置にどのような図柄が設けられているかを示す図柄テーブルを利用することによって、引き込み制御が実行できるのである。このような引き込み制御は、一般的に国内においてパチスロとも呼ばれるスロットマシンにおいて周知の技術である。なお、このような引き込み制御を行えるのは、目標とする図柄から所定の数以内のコマズレ、即ち引き込み最大コマ数(許容コマ数)以内であれば、どのようなタイミングで遊技者が停止操作を行ったとしてもフラグ成立している当選役の入賞を成立させるための図柄を停止表示することが可能となっている。
【0061】
一方、役抽選により当選していない役(当選フラグが成立していない役)の入賞図柄(の組合せ)が有効ライン上に揃うことを防止するために、何れの役の入賞図柄をも有効ライン上に揃わせないようにしたりするために蹴飛ばし停止制御(ハズレ図柄の組合せを有効ライン上に引き込んで停止表示させる引き込み停止制御)が利用される。つまり、上記「蹴飛ばし停止制御」とは、入賞が許容された入賞図柄以外の入賞図柄の組合せを有効ライン上に停止させないためのリール停止制御である。具体的には、遊技者による停止ボタン27L,27C,27Rの操作(目押し)タイミングと、当選役の入賞図柄が有効ライン上を通過するタイミングとにズレが生じなかったとしても、強制的に入賞図柄を有効ライン上からずらせて(はずして)リール停止させる制御である。このような蹴飛ばし制御も上記パチスロにおいて一般的に使用されるものである。なお、本実施の形態1のスロットマシン1では、上記の引き込み又は蹴飛ばし許容コマ数は、一般的な4コマに設定されているものとする。
【0062】
[制御の流れ]
以下、実施の形態1に係るスロットマシン1を用いた遊技の一例について説明する。図6を参照して、まず、制御装置100内のCPU1001は、賭けラインが有効化されてベットが完了するのを待つ(ステップS1)。マニュアル投入モードでメダルを投入口24から投入したり、クレジットモードでベットボタン25を押してメダルをスロットマシン1に投入したりすることによって、賭けライン13A〜13Eが有効化されると、CPU1001は、ベットが完了したと判断し、始動レバー26が操作されるのを待つ(ステップS2)。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。
【0063】
始動レバー26が操作されると、CPU1001は、役の成立に関する内部抽選(役抽選)を行う(ステップS3)。このとき、何れかの役が当選すると、その当選した役の当選フラグがONされる。なお、小役(リプレイ役を含む)は当選フラグが成立(ON)した場合であってもそのゲームで入賞できないとその当選フラグはOFFされてしまい次ゲーム以降に持ち越されることはないが、ボーナス役の当選フラグは入賞が成立するまでそのON状態が以降のゲームに持ち越される。
【0064】
上記役抽選が終了すると、CPU1001は、全リール6L,6C,6Rの回転を開始させる(ステップS4)。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動が開始されるとともに、LCD18に演出画像が表示される。
【0065】
リール6L,6C,6Rの回転が開始されると、CPU1001は、後述するリール停止処理が実行される(ステップS5)。
【0066】
ステップS5のリール停止処理が終了し、全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止すると、CPU1001は、入賞判定を行う。有効ライン13上にボーナス役入賞図柄の組合せが揃い、ボーナス役の入賞が成立した場合には(ステップS6:YES)、CPU1001は、入賞したボーナス役の種類に応じたボーナスゲーム処理を実行し(ステップS7)、ボーナスゲーム処理終了後ボーナス役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS1に戻す。なお、ボーナスゲーム処理は、公知のものと同様にして行うことができ、その説明は省略する。
【0067】
上記ステップS6において、ボーナス役の入賞が成立していない場合(ステップS6:NO)には、CPU1001は、リプレイ役以外の小役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS8)。有効ライン13上にリプレイ役以外の小役の入賞図柄の組合せが揃い、入賞が成立したと判断された場合には、CPU1001は、遊技者に配当をするために入賞した小役に対応した枚数のメダルの払出を行う(ステップS9)。その後、CPU1001は、小役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS1に戻して再びベットの完了を待つ。一方、リプレイ役以外の小役の入賞が成立していない場合(ステップS8:NO)には、CPU1001は、リプレイ役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS10)。有効ライン13上にリプレイ役の入賞図柄の組合せが揃い、リプレイ役の入賞が成立したと判断された場合には、CPU1001は、リプレイ役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS2に戻して再遊技を開始すべく始動レバー26の操作を待つ。
【0068】
ステップS10において、リプレイ役の入賞が成立していない場合(ステップS10:NO)には、CPU1001は、ボーナス役以外の役の当選フラグが成立していればそれをOFFとした後、直ちに処理をステップS1に戻して再びベットの完了を待つ。
【0069】
(リール停止処理)
図7を参照して、上記ステップS5のリール停止処理の制御の流れについて説明する。
リール6L,6C,6Rが所定の回転速度で回転すると、CPU1001は、停止ボタン27L,27C,27Rの操作が行われるのを待つ(ステップS11)。停止ボタン27L,27C,27Rが押圧されて操作されると、CPU1001は、ボーナス役の当選フラグが成立しているかを判定する(ステップS12)。ボーナス役の当選フラグが成立していると判定した場合、CPU1001は、ベル役の当選フラグが成立しているかを判定し(ステップS13)、ベル役も内部当選していると判定した場合、すなわちボーナス役とベル役との両方が内部成立している場合には、有効ライン上に図柄「デカベル」を引き込んで操作された停止ボタンに対応するリールを停止させ(ステップS14)、処理をステップS22に移す。なお、図柄「デカベル」は、上述したように各リールにおける配置間隔と最大引き込みコマ数との関係から、引き込み停止制御により必ず有効ライン上に停止表示させることができる。
【0070】
上記ステップS13においてベル役が内部当選していないと判定した場合には、CPU1001は、ベル役以外の他の小役(スイカ役、チェリー役、リプレイ役)が内部成立していないかを判定する(ステップS15)。他の小役が内部成立していないと判定した場合、すなわちボーナス役のみ内部成立している場合には、CPU1001は、有効ライン上に図柄「7」又は「BAR」を引き込むリール停止制御のもと操作された停止ボタンに対応するリールを停止させ(ステップS16)、処理をステップS22に移す。なお、図柄「7」は、各リールにおける配置間隔と最大引き込みコマ数との関係から、引き込み停止制御によっても、有効ライン上に引き込んで停止表示できない場合がある。他方、他の小役が内部成立していると判定した場合、すなわちボーナス役とベル役以外の小役との両方が内部成立している場合には、CPU1001は、内部成立している小役の入賞図柄を有効ライン上に引き込むリール停止制御のもと操作された停止ボタンに対応するリールを停止させ(ステップS20)、その後処理をステップS22に移す。
【0071】
上記ステップS12においてボーナス役が内部当選していないと判定した場合には、CPU1001は、ベル役が当選しているかを判定する(ステップS17)。ベル役が当選している場合(ステップS17:YES)、すなわちベル役のみ内部成立している場合には、CPU1001は、有効ライン上に図柄「チビベル」を引き込むリール停止制御のもと操作された停止ボタンに対応するリールを停止させ(ステップS18)、処理をステップS22に移す。なお、図柄「チビベル」は、上述したように各リールにおける配置間隔と最大引き込みコマ数との関係から、引き込み停止制御によって必ず有効ライン上に引き込んで停止表示することができる。他方、ステップS17においてベル役が内部成立していないと判定した場合には、CPU1001は、ベル役以外の他の小役が内部成立していないかを判定し(ステップS19)、他の小役が内部成立している場合には、内部成立している小役の入賞図柄を有効ライン上に引き込むリール停止制御のもと操作された停止ボタンに対応するリールを停止させ(ステップS20)、その後処理をステップS22に移す。
【0072】
上記ステップS19において、他の小役の内部成立がなく、何れの役も内部当選していないと判定した場合には、CPU1001は、何れの役の入賞も成立しないように蹴飛ばし停止制御によるリールの停止制御を行い(ステップS21)、その後処理をステップS22に移す。
【0073】
ステップS22に移って、CPU1001は、全てのリール6L,6C,6Rが停止したかを判定する。全停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作が完了して全てのリール6L,6C,6Rが停止したと判定した場合には、CPU1001は、本リール停止制御を終了し、制御をステップS6に移し、入賞判定処理を行う。他方、未だ全リール6L,6C,6Rの停止が完了していないと判定した場合には、CPU1001は、処理をステップS11に戻し、残りのリールに対応する停止ボタンの操作を待つ。
【0074】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明するが、この実施の形態2は、上記実施の形態1におけるリール停止処理の変形例であり、ボーナス役についてガセ告知を取り入れた場合のもので、スロットマシンの構成及び制御は実施の形態1のものとほぼ同様であり、以下同一の符号を用い、以下説明する。
【0075】
[制御の流れ]
(リール停止処理)
図8を参照して、上記ステップS4においてリール6L,6C,6Rが所定の回転速度で回転すると(図6参照)、CPU1001は、停止ボタン27L,27C,27Rの操作が行われるのを待つ(ステップS31)。停止ボタン27L,27C,27Rが押圧されて操作されると、CPU1001は、ボーナス役の当選フラグが成立しているかを判定する(ステップS32)。ボーナス役の当選フラグが成立していると判定した場合、CPU1001は、ベル役の当選フラグが成立しているかを判定し(ステップS33)、ベル役も内部当選していると判定した場合、すなわちボーナス役とベル役との両方が内部成立している場合には、有効ライン上に図柄「デカベル」を引き込んで操作された停止ボタンに対応するリールを停止させ(ステップS34)、処理をステップS45に移す。なお、図柄「デカベル」は、上述したように各リールにおける配置間隔と最大引き込みコマ数との関係から、引き込み停止制御により必ず有効ライン上に停止表示させることができる。
【0076】
上記ステップS33においてベル役が内部当選していないと判定した場合には、CPU1001は、ベル役以外の他の小役(スイカ役、チェリー役、リプレイ役)が内部成立していないかを判定する(ステップS35)。他の小役が内部成立していないと判定した場合、すなわちボーナス役のみ内部成立している場合には、CPU1001は、有効ライン上に図柄「7」又は「BAR」を引き込むリール停止制御のもと操作された停止ボタンに対応するリールを停止させ(ステップS36)、処理をステップS45に移す。なお、図柄「7」は、各リールにおける配置間隔と最大引き込みコマ数との関係から、引き込み停止制御によっても、有効ライン上に引き込んで停止表示できない場合がある。他方、他の小役が内部成立していると判定した場合、すなわちボーナス役とベル役以外の小役との両方が内部成立している場合には、CPU1001は、内部成立している小役の入賞図柄を有効ライン上に引き込むリール停止制御のもと操作された停止ボタンに対応するリールを停止させ(ステップS43)、その後処理をステップS45に移す。
【0077】
上記ステップS32においてボーナス役が内部当選していないと判定した場合には、CPU1001は、ベル役が当選しているかを判定する(ステップS37)。ベル役が当選している場合(ステップS37:YES)、すなわちベル役のみ内部成立している場合には、CPU1001は、処理をステップS38に移し、ボーナス役が内部成立していないにもかかわらずあたかもボーナス役が内部成立しているかの告知を行う、所謂ガセ告知を行うか否かの抽選を行う(ステップS38)。ガセ告知を行うと判定した場合(ステップS39:YES)には、CPU1001は、有効ライン上に図柄「デカベル」を引き込んで操作された停止ボタンに対応するリールを停止させ(ステップS40)、処理をステップS45に移す。他方、ガセ告知を行わないと判定した場合(ステップS39:NO)には、CPU1001は、有効ライン上に図柄「チビベル」を引き込んで操作された停止ボタンに対応するリールを停止させ(ステップS41)、処理をステップS45に移す。なお、ステップS38におけるガセ告知の抽選は、公知の乱数抽選により行うことができる。
【0078】
他方、ステップS37においてベル役が内部成立していないと判定した場合には、CPU1001は、ベル役以外の他の小役が内部成立していないかを判定し(ステップS42)、他の小役が内部成立している場合には、内部成立している小役の入賞図柄を有効ライン上に引き込むリール停止制御のもと操作された停止ボタンに対応するリールを停止させ(ステップS43)、その後処理をステップS45に移す。
【0079】
上記ステップS42において、他の小役の内部成立がなく、何れの役も内部当選していないと判定した場合には、CPU1001は、何れの役の入賞も成立しないように蹴飛ばし停止制御によるリールの停止制御を行い(ステップS44)、その後処理をステップS45に移す。
【0080】
ステップS45に移って、CPU1001は、全てのリール6L,6C,6Rが停止したかを判定する。全停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作が完了して全てのリール6L,6C,6Rが停止したと判定した場合には、CPU1001は、本リール停止制御を終了し、制御をステップS6に移し、入賞判定処理を行う。他方、未だ全リール6L,6C,6Rの停止が完了していないと判定した場合には、CPU1001は、処理をステップS31に戻し、残りのリールに対応する停止ボタンの操作を待つ。
【0081】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれら実施の形態に限定されるものではない。例えば、本発明をメカニカルリール方式のスロットマシンに適用した例について記載したが、当然シミュレートリール方式のスロットマシンに適用しても、本発明の目的は十分に達成し得る。また、上記実施の形態では、特定の小役としてのベル役の入賞図柄を、大きさの異なる2種類のベル図柄(チビベル及びデカベル)を用いたが、これに限らず、図柄の色や配色を異ならせたり、同一のベル図柄であっても周囲を枠で囲んだり、これに別のデザインを付加することにより視認性を異ならせて用いることができる。その他、本明細書に添付の特許請求の範囲内での種々の設計変更及び修正を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。
【図2】スロットマシン1の内部構成を示す斜視図であって、前扉を開けた状態を示す。
【図3】スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】スロットマシン1のリール図柄の配列を説明する図である。
【図5】スロットマシン1の役抽選における抽選対象役を説明する図である。
【図6】実施の形態1におけるスロットマシンの制御の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1におけるリール停止処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2におけるリール停止処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1 スロットマシン
6L,6C,6R 回転リール
13A〜13E 有効ライン
25 ベットボタン
26 始動レバー
27L,27C,27R 停止ボタン
100 制御装置
1001 CPU
1002 RAM
1003 ROM
C1 チビベル
C2 デカベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄変動列毎に複数種類の図柄の変動表示及び停止表示を行うための図柄表示手段と、
前記図柄が停止表示されたときに、各図柄変動列の一部の図柄が横並びとして視認できるように設けられた表示窓と、
該表示窓内において複数の図柄変動列を横切る賭けラインを、遊技媒体が賭けられることにより有効化して有効ラインを設定する有効ライン設定手段と、
前記有効ラインが設定されていることを条件として前記図柄表示手段による図柄の変動表示を開始させるための始動操作手段と、
該始動操作手段が操作されることを契機として、小役及びボーナス役を含む複数種類の役の成立に関する抽選を行うための役抽選手段と、
前記始動操作手段の操作により前記図柄表示手段による図柄の変動表示を制御するための変動制御手段と、
前記複数の図柄変動列毎に対応して設けられ、前記図柄表示手段による図柄の変動表示を停止表示させるための複数の停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作されることにより前記図柄変動列の図柄の停止表示を実行するためのものであって、停止表示の際に前記役抽選手段による抽選でいずれかの役が内部当選しているときには、当該役の入賞図柄の組合せを構成する図柄が前記有効ライン上に停止表示しやすいようにする引き込み制御を実行する停止制御手段と、
前記役抽選手段による抽選で内部当選している役に対応する入賞図柄の組合せが、前記有効ライン上に停止表示されたときに入賞と判定し、入賞した役に応じた特典の付与を行う入賞判定手段と、
該入賞判定手段によりボーナス役が入賞したと判定された場合に、ボーナス遊技を実行するボーナス遊技実行手段とを備えたスロットマシンにおいて、
前記図柄変動列には、特定の小役の入賞図柄の組合せを構成する図柄として、第1の特定小役図柄及びこれとは視認性の異なる第2の特定小役図柄が設けられており、
前記停止表示手段は、前記役抽選手段による抽選で特定の小役及びボーナス役のいずれもが内部当選しているときに、前記第2の特定小役図柄を前記有効ライン上に引き込む制御を実行することを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記ボーナス役が内部当選していない場合であっても前記特定の小役が内部当選している場合に、前記第2の特定小役図柄による前記特定の小役の入賞図柄の組合せを前記有効ライン上に引き込む制御を実行するか否かを決定するためのガセ告知決定手段を有し、
前記停止制御手段は、前記ガセ告知決定手段により前記第2の特定小役図柄による前記特定の小役の入賞図柄の組合せを前記有効ライン上に引き込む制御を実行すると決定された場合には、前記第2の特定小役図柄を前記有効ライン上に引き込む制御を実行することを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−4984(P2010−4984A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165494(P2008−165494)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(301073598)株式会社SNKプレイモア (116)
【Fターム(参考)】