センサシステム
【課題】電力消費量を低減することができるセンサシステムを提供する。
【解決手段】人感センサ240A〜240Gは、動作モードとして、電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードとを含む。各人感センサは、センシング動作の検知信号をホームコントローラ100に対して送信し、ホームコントローラ100から受信する制御指令に従って動作モードを切替える。ホームコントローラ100は、受信する検知信号に基づく制御指令を、当該検知信号の送信元の人感センサの近傍に在る人感センサに対して送信する。各人感センサの近傍に在る人感センサは、各人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度に基づき判定される。
【解決手段】人感センサ240A〜240Gは、動作モードとして、電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードとを含む。各人感センサは、センシング動作の検知信号をホームコントローラ100に対して送信し、ホームコントローラ100から受信する制御指令に従って動作モードを切替える。ホームコントローラ100は、受信する検知信号に基づく制御指令を、当該検知信号の送信元の人感センサの近傍に在る人感センサに対して送信する。各人感センサの近傍に在る人感センサは、各人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度に基づき判定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はセンサシステムに関し、特に、複数の人感センサを備えるセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費エネルギー削減の観点から、電気機器が消費する電力量を一括して管理するシステムが提供される。かかるシステムでは、人などの移動体を検知するセンサを家屋内に設置し、照明、空調機器等の運転制御(人が居ない所では、機器のOFFまたは明るさ、設定温度の変更)を行うことにより、電力消費量の低減を図っている。このようなシステムの一例が特許文献1(特開2010−33837号公報)の照明制御システム、または特許文献2(特開2000−164367号公報)の照明装置として提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−33837号公報
【特許文献2】特開2000−164367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
システムに係る電力消費量を低減するために、人感センサ自体の消費電力量の低減も求められるところ、特許文献1と2は、その要求に応えることが困難である。
【0005】
つまり、特許文献1の照明制御システムの各センサは、扉の開閉または空間の明るさを基に起動される、すなわち風による扉開閉、日差しによる明るさ変化など人の存在の変化がなくても起動されてしまうという無駄な起動によって電力が消費されるとの課題を有する。
【0006】
また、特許文献2の照明装置は、照明器具と人感センサとを一体的に内蔵する複数台の照明ユニットのそれぞれが、他の照明ユニットの人感センサから授受する検出結果に基づき、自己が内蔵する照明器具を点灯/消灯制御するが、人感センサは常時、人の存否を検出可能なように電力が供給され続けるから、人感センサ自体の消費電力量を低減することは困難である。
【0007】
それゆえに、この発明の目的は、電力消費量を低減することができるセンサシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面に従うセンサシステムは、異なる動作モードを有し、相互に無線通信する複数の人感センサと、各人感センサと通信するコントローラと、を備える。
【0009】
異なる動作モードには、人感センサの電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードが含まれる。
【0010】
各人感センサは、外部装置と通信するための通信部と、センシング動作をするセンサ部と、動作モードを切替えるためのモード切替部と、を含む。通信部は、センシング動作による検知信号をコントローラに対して送信する。
【0011】
コントローラは、受信する検知信号に基づき動作モードを切替えるための制御指令を、当該検知信号の送信元である人感センサの近傍に在る人感センサに対して送信する指令送信部を、含み、各人感センサの近傍に在る人感センサを、各人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度に基づき判定する。
【0012】
好ましくは、各人感センサは、他の人感センサから受信する信号の強度を算出する強度算出部を含む。コントローラは、各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表わす強度データを受信し、受信する強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定する近傍判定部を、含む。
【0013】
指令送信部は、各人感センサの近傍にあると判定される人感センサに対して、当該各人感センサから受信する検知信号に基づく制御指令を送信する。
【0014】
好ましくは、近傍判定部は、各人感センサから受信する強度データとしきい値とに基づき、各人感センサについて近傍に在る人感センサを判定する。
【0015】
好ましくは、しきい値は可変に設定される。
好ましくは、しきい値は、他の人感センサのうち所定の人感センサについて取得される強度データに基づき設定される。
【0016】
好ましくは、コントローラは、受信する検知信号に基づき複数の機器に対し運転制御信号を送信する。そして、複数の機器が設置されるエリアと、複数の人感センサが設置されるエリアとは重複する。
【0017】
好ましくは、低消費電力モードには、センサ部が、センシング動作可能な起動モードが含まれ、非低消費電力モードには、センサ部が、センシング動作不可能なモードであって起動モードに比較し消費電力量が少ない休止モードが含まれる。そして、モード切替部は、制御指令に従って動作モードを起動モードまたは休止モードに切替える。
【0018】
好ましくは、指令送信部は、検知信号に基づき人の不在から在への変化が検知されたと判定すると、近傍に在ると判定される人感センサに対して、制御指令として、動作モードを起動モードに変化させるための起動指令を送信する。
【0019】
好ましくは、指令送信部は、検知信号に基づき人の不在から在への変化が検知されたと判定すると、近傍に在る人感センサに対して起動指令を送信し、その後に、検知信号の送信元の人感センサに対して、制御指令として、動作モードを休止モードに変化させるための休止指令を送信する。
【0020】
好ましくは、低消費電力モードには、通信部が、通信動作可能なアクティブモードが含まれ、非低消費電力モードには、通信部が、通信動作不可能なモードであってアクティブモードに比較し消費電力量が少ないスリープモードが含まれる。モード切替部は、動作モードを、間欠的にアクティブモードまたはスリープモードに切替える。
【0021】
この発明の他の局面に従うコントローラは、複数の人感センサと通信するコントローラであって、各人感センサは、電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードとを含む異なる動作モードを有する。
【0022】
各人感センサは、動作モードを切替えるためのモード切替部を含み、センシング動作による検知信号をコントローラに対して送信する。
【0023】
コントローラは、各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表わす強度データを受信し、受信する強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定する近傍判定部と、受信する検知信号に基づく動作モード切替のための制御指令を、当該検知信号の送信元である人感センサの近傍に在ると判定される人感センサに対して送信する指令送信部と、を含む。
【0024】
この発明の他の局面に従うセンサ制御方法は、異なる動作モードを有した複数の人感センサと通信するための通信インターフェイスと、各人感センサのセンシング動作を制御するためのプロセッサとを、含むコントローラにおけるセンサ制御方法である。
【0025】
異なる動作モードには、人感センサの電力量の消費が抑制される低消費電力モードと非低消費電力モードが含まれる。
【0026】
センサ制御方法は、プロセッサが、各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表す強度データを通信インターフェイスを介して受信するステップと、プロセッサが、受信する強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定するステップと、プロセッサが、センシング動作による検知信号を通信インターフェイスを介して受信するステップと、検知信号に基づき動作モードを切替えるための制御指令を、当該検知信号の送信元である人感センサの近傍に在ると判定される人感センサに対して、通信インターフェイスを介して送信するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、センサシステム全体の消費電力量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係るネットワークシステムの全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る人感センサの配置例を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る人感センサの構成と動作を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るホームコントローラの構成を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るしきい値テーブルの構成図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る近傍テーブルの構成図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る受信テーブルの構成図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るフレームの構成例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るフレームの他の構成例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る近傍テーブル作成モードのフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に係る運転モードのフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に係るフレームのさらなる他の構成例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る人感センサの動作モードを説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る他のネットワークシステムの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては同一または対応する部分に図中同一の符号を付し、その説明は繰返さない。
【0030】
本実施の形態では、電気機器とは、家屋で使用される電気機器であり、外部から供給される電力によって駆動される電気機器を指す。家屋は、たとえば、住宅、オフィス、工場、倉庫、店舗などを指す。
【0031】
本実施の形態で用いる用語について説明する。「人感センサ」は、人の存在の変化を検知するために、たとえば人体表面から放出される赤外線を受信し、受信信号に基づき人の存在を検出する。検出方法は、これに限定されず他の方法、たとえば赤外線ビームを発射し、そのビームの反射光を受信することで検出してもよい。
【0032】
人感センサは、センサと通信部とを備え、複数の異なる「動作モード」を有する。異なる動作モードには、電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードとが含まれる。具体的には、センサに関して非低消費電力モードである「起動モード」と低消費電力モードである「休止モード」が含まれる。「起動モード」は、人の存在の変化をセンシング動作可能な動作モードを指し、「休止モード」はセンシング動作不可能なモードであって起動モードに比較し消費電力量が少ない動作モードを指す。異なる動作モードには、さらに、通信部に関して非低消費電力モードである「アクティブモード」と低消費電力モードである「スリープモード」が含まれる。「アクティブモード」は、外部装置との通信が可能なモードを指し、「スリープモード」は外部装置との通信が不可能なモードであってアクティブモードに比較し消費電力量が少ない動作モードを指す。
【0033】
[実施の形態1]
<ネットワークシステムの全体構成>
まず、本実施の形態に係るネットワークシステムの全体構成について説明する。図1を参照して、本実施の形態に係る家屋内に敷設されたネットワークシステム1は、電気機器200A〜200Gを含む。図示される電機機器は、テレビ、空調機、電動カーテン、照明機器などであるが、これらは一例であり限定されるものではない。
【0034】
ネットワークシステム1は、太陽光発電装置200X、バッテリー200Y、それらを制御するためのパワーコンディショナ200Zを含む。なお、バッテリー200Yは、住宅などに設置されるものであってもよいし、自動車用のバッテリーを住宅用のバッテリーとして兼用するものであってもよい。ネットワークシステム1は、電機機器とは別個に、人感センサ240A〜240Gを含む。
【0035】
ネットワークシステム1は、電気機器200A〜200G、パワーコンディショナ200Z、および人感センサ240A〜240Gなどを制御するためのホームコントローラ100を含む。ホームコントローラ100は、有線あるいは無線のネットワーク401を介して、電気機器200A〜200G、太陽光発電装置200X、バッテリー200Y、パワーコンディショナ200Z、および人感センサ240A〜240Gなどと通信する。
【0036】
ネットワーク401として、たとえば、無線LAN(Local Area Network)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、またはPLC(Power Line Communications)などを利用することができる。ホームコントローラ100は、持ち運び可能であってもよいし、テーブル上に載置されたベース(図示せず)に着脱自在であってもよいし、部屋の壁に固設されるものであってもよい。
【0037】
本実施の形態に係るネットワークシステム1においては、パワーコンディショナ200Zは、電力線402を介して、バッテリー200Yと系統と電気機器200A〜200Gと人感センサ240A〜240Gとに電力を供給する。そして、パワーコンディショナ200Zは、電力線402を介して、太陽光発電装置200X、バッテリー200Y、および系統(電力会社が提供する電力系統など)から電力を取得する。
【0038】
図1に示すように、ネットワークシステム1は、ホームコントローラ100が人感センサ240A〜240Gを制御するセンサシステムを包含する。ここでは、説明のために、人感センサ240A〜240Gを人感センサ240と総称する場合がある。
【0039】
本実施の形態では、人感センサ240は、他の人感センサ240と無線により通信するとともに、ホームコントローラ100とはネットワーク401を介して通信する。無線通信としてはZigBee(登録商標)に従う通信手順を採用する。したがって、無線信号を送受信できる範囲であれば、人感センサ240の設置位置を可変に変更することができる。
【0040】
なお、各人感センサ240とホームコントローラ100とは有線通信に代替して無線通信するとしてもよい。その場合、混信を回避するために、各人感センサ240は、ホームコントローラ100との通信に用いる周波数帯域と、他の人感センサ240との通信に使用する周波数帯域とを異ならせるようにする。
【0041】
<ネットワークシステムの動作概要>
ネットワークシステム1では、ホームコントローラ100は、人感センサ240A〜240Gからセンシング動作による検知信号を受信すると、検知信号に基づく運転制御信号を送信することにより複数の電気機器200A〜200Gのそれぞれの運転を制御する。
【0042】
ここでは、電気機器200A〜200Gが設置されるエリアと、人感センサ240A〜240Gが設置されるエリアとは一部または全部が重複する。したがって、各電気機器と、当該電気機器の付近に設置されている人感センサ240とを対応付けた情報を記憶しておくことで、当該記憶情報に従えば、人感センサ240の検知信号に基づき当該人感センサ240付近の電気機器を運転制御することができる。
【0043】
以下、このような機能を実現するためのネットワークシステム1の具体的な構成について詳述する。
【0044】
<人感センサ240の設置例>
図2を参照して、人感センサ240の屋内における配置例を説明する。人感センサ240A〜240Gのそれぞれは、屋内の壁面、より好ましくは天井面において適度の間隔で散在するように配置される。この屋内には、図示しないが電気機器200A〜200Gが設置されている。
【0045】
屋内の入口のドア付近には、人感センサ240Aが設置される。人感センサ240Aの動作モードは、常時、起動モードであると想定する。また、人は屋内を移動する場合、まず入口ドアから入り、その後、屋内を移動すると想定する。
【0046】
<人感センサ240の構成>
人感センサ240A〜240Gは同様の構成を有する。ここでは、人感センサ240どうしは、特に省電力向けの無線通信規格であるZigBee(登録商標)に従ったフレーム通信をすると想定するが、適用可能な通信規格はこれに限るものではない。
【0047】
図3の(A)を参照して、人感センサ240の回路構成について説明する。人感センサ240は、CPU(Central Processing Unit)241、センサ242、電力線402からの電力を人感センサ240内の各部に供給するための電源回路300、ホームコントローラ100および他の人感センサ240と通信するための変調・復調回路を有する通信I/F(インターフェイスの略)244、メモリ245およびタイマ250を含む。電源回路300は、センサ242への電力の供給または遮断を切替えるためのSW(スイッチの略)回路243を含む。
【0048】
センサ242は、センシング動作のために、移動体(ここでは、人間)から放射される赤外線を受光し、受光レベルに応じたレベルの電気信号である検知信号をCPU241に出力するフォトダイオードを含む。フォトダイオードは、たとえば5V定格電源により動作する。SW回路243は、CPU241からの信号に従って電源回路300を制御することで、センサ242に供給する電源電圧(5V)信号のON/OFF(供給/遮断)を切替える。起動モードでは、センサ242へ定格電源(5V)が供給され、休止モードでは遮断される。したがって、休止モードでは、センシング動作は不可能であるが、起動モードに比べて人感センサ240における消費電力量を低減することができる。
【0049】
通信I/F244は、外部の装置(ホームコントローラ100または人感センサ240)と通信するためにMPU(Micro Processing Unit)、および通信回路部(変調回路、復調回路、誤り訂正回路など)を有する。MPUは、通信I/F244の動作モードを、CPU241からの制御信号に従ってアクティブモードまたはスリープモードに切替える。MPUは、アクティブモードにおいては、通信回路部に対して、電源回路300からの電力を供給するが、スリープモードにおいては電力を遮断する。したがって、スリープモードでは、外部装置との通信動作は不可能であるが、アクティブモードに比べて人感センサ240における消費電力量を低減することができる。
【0050】
CPU241は、センサ242からの検知信号を通信I/F244を介してホームコントローラ100に送信する。また、CPU241は、検知信号に基づき人の不在から在への変化が検知されたか否かを判定する。図3の(B)には、CPU241がメモリ245のプログラムを実行することにより実現される機能が示される。CPU241は、機能として、センサ242のセンシング動作による検知信号をホームコントローラ100に対して送信するための検知送信部、動作モードを切替えるためのモード切替部251、他の各人感センサ240から受信強度を表すデータを取得する強度取得部252、および自己の受信強度を算出する強度算出部253を含む。
【0051】
メモリ245には、当該人感センサ240を識別するために割当てられた自己アドレス246、通信のためにホームコントローラ100を識別するためのコントローラアドレス247、受信強度テーブル248、および現在の動作モードを指すデータ249が格納される。
【0052】
受信強度テーブル248には、強度取得部252が他の人感センサ240からの受信強度(後述のLQI(Link Quality Indicator))と、当該他の人感センサ240の識別子であるアドレスとが対応付けされて格納される。
【0053】
人感センサ240Aのデータ249は常時“起動モード”を指すが、他の人感センサ240B〜240Gのデータ249は、モード切替部251により書替えられる。
【0054】
<受信強度の算出と取得>
ここでは、説明を簡単にするために、各人感センサ240による送信信号の電波強度は同じであり、当該送信信号はノイズ干渉などを受けずに(減衰することなく)他の人感センサ240により受信されると想定する。
【0055】
強度算出部253は、他の人感センサ240から信号を受信すると、その受信信号の信号強度を算出する。具体的には、他の人感センサ240からフレームを受信した際に、通信I/F244による復調後の信号そのものの強度、すなわち受信信号の電波強度を用いてLQIを算出する。LQIの単位は「dBm」で表される。そして、算出されたLQIを、受信フレームの送信元である他の人感センサ240宛てに送信する。LQIの算出手順については、公知のものを採用する。
【0056】
他の人感センサ240の強度取得部252は、LQIを受信すると、受信したLQIを格納するための受信テーブル101Cを生成する。受信テーブル101Cの生成手順の詳細は後述する。
【0057】
なお、本実施の形態では、受信強度を表すデータとして、ZigBee(登録商標)の受信強度の指標であるLQIを用いたが、これに限定されない。たとえば、ZigBee(登録商標)とは異なる無線通信規格を使用する場合には、LQIに代替して例えばRSSI(Received Signal Strength Indication)を用いてもよい。
【0058】
<ホームコントローラ100の構成>
本実施の形態に係るホームコントローラ100の構成の一態様について説明する。
【0059】
図4の(A)を参照して、ホームコントローラ100は、メモリ101、ディスプレイ102、タブレット103、ボタン104、通信インターフェイス105、音声出力のためのスピーカ107、時間を計時するための時計108、およびCPU(Central Processing Unit)110を含む。
【0060】
メモリ101は、各種のRAM(Random Access Memory)や、ROM(Read-Only Memory)や、ハードディスクなどによって実現される。たとえば、メモリ101は、読取用のインターフェイスを介して利用される、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体などによっても実現される。
【0061】
メモリ101は、CPU110によって実行される制御プログラムおよびそのためのデータを記憶する。データには、しきい値テーブル101A、近傍テーブル101B、各人感センサ240に対応の受信テーブル101C、通信のために自己を識別するための自己アドレス101Dおよびネットワークシステム1に接続される各人感センサ240を識別するためのアドレス群101Eが含まれる。各テーブルの詳細は後述する。
【0062】
ディスプレイ102は、CPU110によって制御されることによって、電気機器200A〜200Gやパワーコンディショナ200Zの状態を表示する。タブレット103は、ユーザの指によるタッチ操作を検出して、検出した操作に基づくユーザ指示をCPU110に出力する。ユーザは、ボタン104を操作することによっても、ユーザ指示をCPU110に与えることができる。
【0063】
本実施の形態においては、ディスプレイ102の表面にタブレット103が敷設されている。すなわち、本実施の形態においては、ディスプレイ102とタブレット103とがタッチパネル106を構成する。ただし、ホームコントローラ100は、タブレット103を有していなくともよい。
【0064】
通信インターフェイス105は、CPU110によって制御されることによって、ネットワーク401を介して、電気機器200A〜200Gおよび人感センサ240A〜240Gと通信する。
【0065】
図4の(B)には、CPU110がメモリ101のプログラムを実行することにより実現される機能が示される。CPU110は、当該機能として、テーブル作成部111、および制御指令を生成して生成された制御指令を通信I/F105を介して送信するための指令送信部114を含む。テーブル作成部111は、しきい値テーブル101Aに値を設定するしきい値設定部112、および、各人感センサ240の近傍に在る(存在する)人感センサ240を他の人感センサ240のうちから判定(抽出)するための近傍判定部113を含む。
【0066】
近傍判定部113は、各人感センサ240について、当該人感センサに対応の受信テーブル101CのLQIと、しきい値テーブル101Aの当該人感センサに対応のしきい値501とに基づき、当該人感センサの近傍に在る人感センサを判定し、判定した結果を、近傍テーブル101Bに格納する。各人感センサ240の受信テーブル101Cは、当該人感センサ240から受信する受信強度テーブル248を用いて作成される。
【0067】
本実施の形態による近傍の判定について図4の(C)を参照して説明する。図4の(C)には、LQIと、送信元と受信元との距離x(単位:m)との関係が示される。受信電波強度を表すLQIの値を“y”とすると、係数aを用いて距離xとの関係は、y=1/(ax2)の反比例関係として表すことができる。したがって、LQIにより、距離xの指標を得ることができるから、LQIと近傍判定のためのしきい値501とを比較すれば距離的に近い、すなわち近傍に在る人感センサ240を判定(識別)することができる。
【0068】
ここでは、図4の(B)の各機能はプログラムで構成されるとしているが、プログラムと回路モジュールの組合せにより構成されてもよい。
【0069】
(テーブルの構成)
各テーブルでは、人感センサ240A〜240Gそれぞれの識別子であるアドレスとして“A”〜“G”を用いる。
【0070】
しきい値テーブル101Aには、図5に示すように、人感センサ240A〜240Gのそれぞれに対応して、当該人感センサ240のアドレスを指す識別子500およびしきい値501が格納される。しきい値設定部112は、各人感センサ240について、所定距離(単位:m)を上述の反比例式に従ってLQIを換算する(図4の(C)参照)。換算されたLQIをしきい値501として、入力された識別子500と対応付けてしきい値テーブル101Aに格納する。ここでは、しきい値501をLQIとしたが、所定距離(単位:m)であってもよい。その場合には、近傍判定部113は、近傍を判定するに際して、しきい値501の距離をLQIに換算する。
【0071】
なお、各人感センサ240について近傍を指定するための所定距離は、ユーザがタッチパネル106を操作して入力する情報に基づき可変に変更することができる。したがって、人感センサ240の追加・削除・移動(室内のレイアウト変更に伴う移動など)に応じて所定距離、すなわちしきい値501を変更してもよい。
【0072】
このように、しきい値設定部112は、各人感センサ240について、しきい値501を変更することで、近傍に存すると判定されるべき他の人感センサ240を変更することができる、すなわち各人感センサ240のセンシングエリアを可変に変更することができる。したがって、電機機器を含む備品のレイアウト、間取りなどが変更されたとしても、しきい値501を変更することで対応することができる。
【0073】
図6を参照して近傍テーブル101Bには、人感センサ240A〜240Gのそれぞれに対応して、当該人感センサ240のアドレスを指す識別子502、および近傍判定部113によって当該人感センサ240の近傍に在ると判定された他の人感センサ240のアドレスを指す識別子503が格納される。
【0074】
図7を参照して、各受信テーブル101Cは、当該受信テーブル101Cに対応の人感センサ240から受信した受信強度テーブル248を用いて生成される。CPU110は、受信強度テーブル248を受信すると、受信強度テーブル248を用いて受信テーブル101Cを生成し、メモリ101に格納する。具体的には、受信テーブル101Cは、受信強度テーブル248の送信元の人感センサ240のアドレスを指す識別子504、受信強度テーブル248の内容(他の各人感センサ240に対応して当該人感センサ240のアドレスを指す送信元識別子505およびLQI506)を含む。
【0075】
<通信フレームについて>
図8と図9を参照して、人感センサ240どうし、および人感センサ240とホームコントローラ100どうしの通信に用いるフレームの構成について説明する。
【0076】
フレームは、フレームの種別データを含むヘッダ部HE、データ部DBおよびフレームの終端を表わすストップビットなどからなる終端部STを含む。ホームコントローラ100および人感センサ240は、受信フレームのヘッダ部HEの種別データに基づき、当該受信フレームの種別を判定することができる。
【0077】
図8の(A)のフレームF1はヘッダ部HEと、宛先アドレス、送信元アドレスおよび要求コードを有するデータ部DBと、終端部STとを含む。
【0078】
図8の(B)のフレームF2は、ヘッダ部HEと、宛先アドレス、送信元アドレスおよび問合せコードを有するデータ部DBと、終端部STとを含む。フレームF2の宛先アドレスは、すべての人感センサ240を宛先として指示する“ALL”が割当てられる。
【0079】
図8の(C)のフレームF3は、ヘッダ部HEと、宛先アドレス、送信元アドレスおよびLQIを含むデータ部DBと、終端部STとを含む。
【0080】
図8の(D)のフレームF4は、ヘッダ部HEと、宛先アドレス、送信元アドレスおよび各人感センサ240対応のLQIを有するデータ部DBと、終端部STとを含む。データ部DBの各人感センサ240対応LQIは、受信強度テーブル248の情報を指す。
【0081】
図9の(A)のフレームF5は、人感センサ240が、センサ242の検知信号を送信するためのフレームであって、ヘッダ部HE、宛先アドレス、送信元アドレスおよび検知コードを有するデータ部DB、および終端部STを含む。検知コードは、センサ242から出力される検知信号に基づくコードを指す。
【0082】
人感センサ240のCPU241は、センサ242から検知信号を入力すると、検知信号に基づく検知コードを格納したフレームF5を生成し通信I/F244を介して送信する。フレームF5には宛先アドレスおよび送信元アドレスとして、CPU241がメモリ245から読出したコントローラアドレス246および自己アドレス247がそれぞれ格納される。
【0083】
図9の(B)のフレームF6は、ホームコントローラ100から制御指令を送信するためのフレームであって、ヘッダ部HE、宛先アドレス、送信元アドレスおよび起動/休止指令を有するデータ部DB、および終端部STを含む。起動/休止指令は、動作モードを起動モードに変化させるための起動指令または動作モードを休止モードに変化させるための休止指令を指す。
【0084】
ホームコントローラ100のCPU110は、通信I/F105を介してフレームF5を受信すると、受信フレームF5の送信元アドレスに基づきテーブル101Bを検索し、近傍の人感センサ240の識別子503を読出す。指令送信部114は、起動指令を格納するフレームF6を生成し通信I/F105を介して送信する。フレームF6には宛先アドレスおよび送信元アドレスとして、テーブル101Bから読出した近傍の人感センサ240の識別子503および自己アドレス101Dがそれぞれ格納される。
【0085】
フレームF6を受信した人感センサ240のうち、フレームF6の宛先アドレスと自己アドレス246とを比較照合し、その結果、自己宛てのフレームF6と判定した人感センサ240では、モード切替部251は、受信フレームF6の起動/休止指令に基づき、起動指令であれば動作モードを起動モードに切替え、休止指令であれば休止モードに切替える。
【0086】
<近傍テーブル作成モードについて>
ネットワークシステム1に人感センサ240が配置されたとき、または配置が変更されるなどした場合には、近傍テーブル101Bを作成するために、ホームコントローラ100および各人感センサ240は近傍テーブル作成モードで動作する。つまり、ユーザがタッチパネル106を操作して近傍テーブル作成を指示すると、CPU110はホームコントローラ100の動作モードを近傍テーブル作成モードに切替えるとともに、各人感センサ240に対して近傍テーブル作成モードに切替えるように通知する。これにより、ホームコントローラ100および各人感センサ240の動作モードは、近傍テーブル作成モードに切替る。なお、ホームコントローラ100のメモリ101には、近傍テーブル101Bおよび受信テーブル101Cを除くデータは、予め格納されていると想定する。
【0087】
図10のフローチャートを参照して、近傍テーブル作成の手順について説明する。
まず、コントローラ100のテーブル作成部111は、フレームF1を生成して送信する(ステップS1)。フレームF1のヘッダ部HEには、受信強度テーブル248の送信を要求するフレーム種別が格納され、データ部DBには、宛先アドレスとしてセンサアドレス群101Eから読出した1つのアドレスが格納される。また、送信元アドレスとしてメモリ101の自己アドレス101Dが格納され、および要求コードとして受信強度テーブル248の送信要求のコードが格納される。
【0088】
各人感センサ240は、フレームF1を受信すると、自己宛てのフレームであるか否かを判定する(ステップT1)。自己宛てでないと判定すると(ステップT1でNO)、当該フレームF1を破棄し、ステップT1の処理を繰返す。
【0089】
フレームF1は自己宛てであると判定すると(ステップT1でYES)、強度取得部252はフレームF2を生成し、他の各人感センサ240に対し送信する(ステップT3)。フレームF2のヘッダ部HEには、受信強度の問合せをするフレーム種別が格納され、データ部DBには、宛先アドレスとして“ALL”、送信元アドレスとしてメモリ245の自己アドレス246、および問合コードとして受信強度を問合せるコードが格納される。
【0090】
他の各人感センサ240はフレームF2を受信するまで待機する(ステップR1でNO)。フレームF2を受信すると(ステップR1でYES)、受信フレームの問合せコードに応じて、強度算出部253は受信フレームF2についてLQIを算出する(ステップR3)。CPU241は、算出したLQIを格納したフレームF3を生成し、送信元(フレームF2の送信元)人感センサ240に対し送信する(ステップR5)。フレームF3のヘッダ部HEには、問合せに対する返信フレーム種別が格納され、データ部DBには、宛先アドレスとして受信フレームF2から読出した送信元アドレスが格納され、送信元アドレスとしてメモリ245の自己アドレス246が格納され、および取得されたLQIが格納される。
【0091】
LQI問合せのフレームF2を送信した人感センサ240の強度取得部252は、返信のフレームF3を受信するか否かを判定する(ステップT5)。フレームF3を受信したと判定すると(ステップT5でYES)、受信したフレームF3を解析し、解析結果に基づき受信強度テーブル248に、フレームF3から読出した送信元アドレスとLQIとを対応付けて格納する(ステップT7)。他の全ての人感センサ240からの返信フレームF3の受信を完了したか否か、すなわち他の全ての人感センサ240からLQIを取得できたか否かを判定する(ステップT9)。たとえば、ステップT3でフレームF2を送信してから所定時間経過したか否かを判定し、経過したと判定したとき他の全ての人感センサ240からの返信フレームF3の受信を完了したと判定する。したがって、所定時間を経過しない間は(ステップT9でNO)、処理はステップT5に戻り、強度取得部252は返信を待機する。
【0092】
他のすべての人感センサ240からLQI返信のフレームF3の受信を完了したと判定したとき(ステップT9でYES)、受信強度テーブル248は、他の各人感センサ240のアドレスに対応付けてLQIの格納が完了した状態となる。その後、強度取得部252は、フレームF4を生成しコントローラ100宛てに送信する(ステップT11)。フレームF4は、ヘッダ部HEには、フレームF1の要求コードに対する応答フレーム種別が格納され、データ部DBには、宛先アドレスとして受信フレームF1から読出した(または、メモリ245のコントローラアドレス)が、送信元アドレスとしてメモリ245の自己アドレス246が、およびメモリ245の受信強度テーブル248がそれぞれ格納される。
【0093】
コントローラ100のテーブル作成部111は、ステップS1でフレームF1を送信後、応答のフレームF4を受信するまで待機する(ステップS3でNO)。
【0094】
フレームF1の宛先である人感センサ240からの応答フレームF4を受信したと判定すると(ステップS3でYES)、受信したフレームF4を解析し(ステップS5)、解析結果に基づき受信テーブル101Cを作成し、メモリ101に格納する(ステップS7)。受信テーブル101Cには、センサ識別子504として受信フレームF4の送信元アドレスが格納され、識別子505と対応のLQI506として受信フレームF4の各センサ対応LQI(すなわち、受信強度テーブル248)が格納される。
【0095】
テーブル作成部111は、センサアドレス群101Eから全てのアドレスを読出したか否かを判定することにより、全ての人感センサ240について受信テーブル101Cの作成が終了したか否かを判定する(ステップS9)。作成は終了していないと判定すると(ステップS9でNO)、処理はステップS1に戻り、センサアドレス群101Eから次のアドレスを読出し、読出したアドレスを宛先アドレスとして格納したフレームF1を送信する(ステップS1)。そして、以降の処理が同様に行われる。
【0096】
テーブル作成部111により、受信テーブル101Cの作成が終了したと判定されると(ステップS9でYES)、近傍判定部113は、各人感センサ240に対応の受信テーブル101Cと、しきい値テーブル101Aの当該人感センサ240に対応のしきい値501とに基づき、近傍センサの識別子505を判定し、判定結果を用いて近傍テーブル101Bを生成し、生成された近傍テーブル101Bをメモリ101に格納する(ステップS11)。
【0097】
具体的には、受信テーブル101CのLQI506のそれぞれと、しきい値テーブル101Aのしきい値510とを比較し、比較結果に基づき、しきい値510より大きいと判定されたLQI506に対応の識別子505を、識別子504と対応付ける。各人感センサ240について同様に処理することにより、各人感センサ240について識別子505と、識別子504との対応付け情報が取得されて、こられをメモリ101にテーブル形式で識別子502および近傍センサの識別子503として格納することにより、近傍テーブル101Bが生成される。近傍テーブル101Bが生成されると、図10の近傍テーブル作成モードは終了する。
【0098】
<運転時の制御>
近傍テーブル101Bがメモリ101に格納されると、図11のフローチャートに従い、ホームコントローラ100により人感センサ240の運転が制御される。なお、人感センサ240A〜240Gのうち人感センサ240Aは上述したように常時、起動モードにセットされて、他の人感センサ240B〜240Gは予め休止モードにセットされていると想定する。
【0099】
動作モードが起動モードである人感センサ240が、センサ242の検知信号に基づき人の不在から在への変化を検知したか否かを判定する(ステップT13)。検知したと判定すると(ステップT13でYES)、CPU241は、検知したことを通知するためのフレームF5を生成し、ホームコントローラ100宛てに送信する(ステップT19)。
【0100】
コントローラ100は、フレームF5を受信するか否かを判定する(ステップT21)。フレームF5を受信したと判定すると指令送信部114は受信フレームF5の送信元アドレスに基づき近傍テーブル101Bを検索し、検索結果に基づき、当該送信元アドレスを指すセンサ識別子502に対応する近傍センサ識別子503を読出す(ステップT23)。そして、2種類のフレームF6を生成する。1つは、読出した近傍センサ識別子503の各アドレス宛ての起動指令を格納したフレームF6であり、他の1つは、受信フレームF5の送信元アドレスを宛先アドレスとした休止指令を格納したフレームF6である。
【0101】
生成した2種類のフレームF6を送信する。具体的には、まず、起動指令を格納した各フレームF6を送信し、その後所定時間は経過した後に、休止指令を格納したフレームF6を送信する(ステップT25)。なお、この所定時間は人の移動時間に基づき決定される。起動指令を格納したフレームF6それぞれには、宛先アドレスとして、近傍センサ識別子503の各アドレスが格納されている。
【0102】
フレームF6は、ネットワーク401を介して送信されるので、すべての人感センサ240がこれを受信する。各人感センサ240は、フレームF6を受信すると、宛先アドレスと自己アドレス101Dとの照合に基づき、自己宛てであるか否かを判定する(ステップR7)。自己宛てではないと判定すると(ステップR7でNO)受信フレームF6を廃棄し、ステップR7の処理を繰返す。
【0103】
自己宛てと判定すると(ステップR7でYES)、フレームF6を解析し、受信指令は起動指令であるか否かを判定する(ステップR9)。起動指令であると判定すると(ステップR9でYES)、モード切替部251は、メモリ245のデータ249に基づき現在休止モードにあるか否かを判定する(ステップR11)。休止モードでないと判定すると、既に起動モードにあることから動作モードが切替えられることはなく、一連の処理は終了する。
【0104】
一方、休止モードであると判定すると(ステップR11でYES)、モード切替部251は休止モードから起動モードに切替えるとともに、データ259を“起動モード”を指すように書換える(ステップR13)。
【0105】
一方、受信したフレームF6の制御指令は起動指令ではない、すなわち休止指令であると判定すると(ステップR9でNO)、モード切替部251は、メモリ245のデータ249に基づき現在休止モードにあるか否かを判定する(ステップR15)。休止モードにあると判定すると(ステップR15でYES)、既に休止モードにあることから動作モードが切替えられることはなく、一連の処理は終了する。
【0106】
一方、休止モードにないと判定すると(ステップR15でNO)、モード切替部251は、起動モードから休止モードに切替えるとともに、データ259を“休止モード”を指すように書換える(ステップR17)。以上で処理は終了する。
【0107】
このように、人の移動による不在→在への変化を検知した人感センサ240は、ホームコントローラ100を経由して、自己の近傍に在る他の人感センサ240の動作モードをセンシング動作可能な起動モードに切替えることができ、距離的に近い、すなわち人が移動しそうなエリアに在る他の人感センサ240を選択的に起動することができる。また、近傍の人感センサ240を起動モードに切替えると、自己はホームコントローラ100により休止モードに切替えられる。すなわち、人の移動が検知されなくなったエリアに在る人感センサ240は起動モードから休止モードに切替わり、不要なセンシング動作に伴う消費電力量を削減できる。
【0108】
また、人感センサ240は、扉や照明機器の動きに連動して起動するものではなく、人の存在の変化に応じて他の人感センサ240を起動するから、汎用性がある。
【0109】
(近傍判定に係る変形例)
上述の実施の形態では、ホームコントローラ100が各人感センサ240の近傍に在る他の人感センサ240を判定したが、ホームコントローラ100に代わって各人感センサ240が判定してもよい。つまり、各人感センサ240は、受信強度テーブル248の各LQIと、しきい値501とに基づき、近傍に在る他の人感センサ240を判定し、その判定結果をホームコントローラ100に送信するとしてもよい。
【0110】
また、各人感センサ240に対応のしきい値501は、しきい値テーブル101Aにより設定されるとしたが、受信テーブル101CのLQI506に基づき設定してもよい。つまり、しきい値設定部112は、所定の他の人感センサ240の識別子505に対応のLQI506に基づき、所望の人感センサ240が近傍に在ると判定され得るようなしきい値を設定するようにしてもよい。
【0111】
(消費電力量の低減に係る変形例)
上述したネットワークシステム1では、各人感センサ240の動作モードを、センサ242に関して起動モードと休止モードに切替えることにより消費電力量を低減するようにしたが、人感センサ240の消費電力量の低減方法はこれに限定されず、次のように、通信I/F244に関してアクティブモードとスリープモードに切替えることにより消費電力量を低減するようにしてもよい。
【0112】
図12を参照して、本実施の形態の変形例に係る通信用のフレーム構成について説明する。変形例に係るフレームの基本構成は、上述したものと同様に、ヘッダHE、データ部DBおよび終端部STを含む。ホームコントローラ100および人感センサ240は、受信フレームのヘッダHEの種別データに基づき、当該受信フレームの種別を判定する。
【0113】
各人感センサ240から送信される図12の(A)のフレームF7の種別は、ホームコントローラ100に対して、自己宛てのデータを要求するためのフレームを指し、フレームF8のデータ部DBに、宛先アドレス、送信元アドレスおよび要求(Request)コードが含まれる。図12の(B)のフレームF8の種別は、ホームコントローラ100がフレームF7の要求コードに応答して送信するデータを格納したフレームを指し、フレームF8の構成は、図9の(B)のフレームF6の構成と同様であるので、説明を略す。
【0114】
図13は、本実施の形態の変形例に係る通信I/F244に関するアクティブモードとスリープモードの切替えを説明する図である。変形例に係る各人感センサ240のCPU241は、タイマ250からの時間データに基づき、モード切替のための制御信号を出力する。通信I/F244のMPUは、CPU249からの制御信号がアクティブモードへの切替を指示する場合には、通信回路部への電力をON(供給)し、スリープモードへの切替を指示する場合には、通信回路部への電力をOFF(遮断)する。
【0115】
図13に示すように、モード切替のための制御信号に基づき通信I/F244に関する動作モードは、間欠的にアクティブモードまたはスリープモードに切替えられる。ここでは、各人感センサ240のアクティブモードの期間およびアクティブモードへの切替周期は、ホームコントローラ100から自己宛てのフレームF8を適宜のタイミング受信できるような期間および周期に設定されていると想定し、この期間の長さおよび周期は予め実験により取得されていると想定する。
【0116】
ホームコントローラ100は、図示されるように、常時、通信可能なモードであり、また、人感センサ240Aは常時、アクティブモードであると想定する。
【0117】
各人感センサ240は、コントローラ100と通信することにより、タイマ250と時計108との間で同期を取る。これにより、人感センサ240の間では、タイマ250は同期して計時動作することから、各人感センサ240のアクティブモードの期間およびアクティブモードへの切替周期は一致していると想定する。
【0118】
図13では、消費電力量を低減し易くするために、単位期間あたりのアクティブモードの期間は、スリープモードの期間に比較して十分に短くなるように設定されているが、上述の間欠的な切替えであればよく、動作モードの切替パターンは図13に示す態様に限定されるものではない。
【0119】
動作において、各人感センサ240の通信I/F244は、アクティブモードでは、ホームコントローラ100と通信しながら図11に示した動作が行われる。
【0120】
具体的には、フレームF7を生成してホームコントローラ100に送信する。ホームコントローラ100はフレームF7を受信すると、要求元の人感センサ240宛てのフレームF8を生成している場合には、当該フレームF8を、応答として送信する。CPU241は、ホームコントローラ100からのフレームF8を、通信I/F244を介して受信すると、図11の手順(ステップR7〜R17)に従って、受信フレームF8の内容に基づきセンサ242に関する動作モードを、起動モードまたは休止モードに切替える。
【0121】
また、アクティブモードでは、通信I/F244は、センサ242の検知結果に基づき生成されるフレームF5(図9の(A)参照)をホームコントローラ100宛てに送信する(図11のステップT13とT19参照)。ホームコントローラ100はフレームF5を受信すると、図11の手順(ステップT21〜T25)に従って、受信フレームF5に基づきフレームF8を生成し、当該フレームF8を人感センサ240宛てに送信する。人感センサ240は、ホームコントローラ100からのフレームF8を、通信I/F244を介して受信する。そして、CPU241は、図11の手順(ステップR7〜R17)に従って、受信フレームF8の内容に基づきセンサ242に関する動作モードを、起動モードまたは休止モードに切替える。
【0122】
このように、通信I/F244に関する動作モードを間欠的にアクティブモードまたはスリープモードに切替えることにより、人感センサ240自体の消費電力量を低減することができる。
【0123】
(機器の配置に係る変形例)
また、ネットワークシステムにおいて電気機器と人感センサとの配置は、図14に示すように自在に変更可能であってもよい。図14には、変形例に係るネットワークシステム1Bが示される。上述の実施の形態に係るネットワークシステム1では、電気機器200A〜200Gとホームコントローラ100とが通信する構成であったが、ネットワークシステム1Bでは、電気機器200Bを除く各電気機器は、当該電気機器に電力を供給するためのコンセントに取り付けられた通信装置(スマートタップ)400A〜400Gによってホームコントローラ100と通信するものである。電気機器200Bを除く電気機器200A〜200Gは、コンセント250A〜250Gを介して通信装置400A〜400Gに着脱自在に装着される。
【0124】
同様にして、人感センサ240A〜240Gは、ネットワーク401と電力線402に接続される通信装置440A〜440Gに着脱自在に装着される。人感センサ240A〜240Gは、装着されている通信装置440A〜440Gを介して電力が供給され、またホームコントローラ100と通信することができる。
【0125】
図14の構成によれば、人感センサ240が設置されるエリアを、たとえば電気機器の設置エリアに併せて自在に変更することができ、また住人の移動経路、間取りなどの変更に合わせて変更することができる。
【0126】
なお、ネットワークシステム1Bの他の構成については、ネットワークシステム1のそれらと同様であるため、説明を繰り返さない。
【0127】
[他の実施の形態]
ホームコントローラ100のCPU110は、メモリ101に記憶されている各種のプログラムを実行することによって、各種の情報処理を実行する。同様に、人感センサ240のCPU241はメモリ245に格納されているプログラムを実行することにより上述した機能を実現する。
【0128】
ホームコントローラ100および人感センサ240における処理は、各ハードウェアおよびCPUにより実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ101および245に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。
【0129】
このようなソフトウェアは、図示しない読取装置を利用することによってその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス105,244を利用することによってダウンロードされて、メモリ101,245に一旦格納される。CPUは、メモリからプログラムを読出し、当該プログラムを実行する。
【0130】
なお、記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0131】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等も含む。
【0132】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0133】
1,1B ネットワークシステム、100 ホームコントローラ、101A しきい値テーブル、101B 近傍テーブル、101C 受信テーブル、111 テーブル作成部、112 しきい値設定部、113 近傍判定部、114 指令送信部、200A〜200G 電気機器、240A〜240G 人感センサ、251 モード切替部、252 強度取得部、253 強度算出部。
【技術分野】
【0001】
この発明はセンサシステムに関し、特に、複数の人感センサを備えるセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費エネルギー削減の観点から、電気機器が消費する電力量を一括して管理するシステムが提供される。かかるシステムでは、人などの移動体を検知するセンサを家屋内に設置し、照明、空調機器等の運転制御(人が居ない所では、機器のOFFまたは明るさ、設定温度の変更)を行うことにより、電力消費量の低減を図っている。このようなシステムの一例が特許文献1(特開2010−33837号公報)の照明制御システム、または特許文献2(特開2000−164367号公報)の照明装置として提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−33837号公報
【特許文献2】特開2000−164367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
システムに係る電力消費量を低減するために、人感センサ自体の消費電力量の低減も求められるところ、特許文献1と2は、その要求に応えることが困難である。
【0005】
つまり、特許文献1の照明制御システムの各センサは、扉の開閉または空間の明るさを基に起動される、すなわち風による扉開閉、日差しによる明るさ変化など人の存在の変化がなくても起動されてしまうという無駄な起動によって電力が消費されるとの課題を有する。
【0006】
また、特許文献2の照明装置は、照明器具と人感センサとを一体的に内蔵する複数台の照明ユニットのそれぞれが、他の照明ユニットの人感センサから授受する検出結果に基づき、自己が内蔵する照明器具を点灯/消灯制御するが、人感センサは常時、人の存否を検出可能なように電力が供給され続けるから、人感センサ自体の消費電力量を低減することは困難である。
【0007】
それゆえに、この発明の目的は、電力消費量を低減することができるセンサシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面に従うセンサシステムは、異なる動作モードを有し、相互に無線通信する複数の人感センサと、各人感センサと通信するコントローラと、を備える。
【0009】
異なる動作モードには、人感センサの電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードが含まれる。
【0010】
各人感センサは、外部装置と通信するための通信部と、センシング動作をするセンサ部と、動作モードを切替えるためのモード切替部と、を含む。通信部は、センシング動作による検知信号をコントローラに対して送信する。
【0011】
コントローラは、受信する検知信号に基づき動作モードを切替えるための制御指令を、当該検知信号の送信元である人感センサの近傍に在る人感センサに対して送信する指令送信部を、含み、各人感センサの近傍に在る人感センサを、各人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度に基づき判定する。
【0012】
好ましくは、各人感センサは、他の人感センサから受信する信号の強度を算出する強度算出部を含む。コントローラは、各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表わす強度データを受信し、受信する強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定する近傍判定部を、含む。
【0013】
指令送信部は、各人感センサの近傍にあると判定される人感センサに対して、当該各人感センサから受信する検知信号に基づく制御指令を送信する。
【0014】
好ましくは、近傍判定部は、各人感センサから受信する強度データとしきい値とに基づき、各人感センサについて近傍に在る人感センサを判定する。
【0015】
好ましくは、しきい値は可変に設定される。
好ましくは、しきい値は、他の人感センサのうち所定の人感センサについて取得される強度データに基づき設定される。
【0016】
好ましくは、コントローラは、受信する検知信号に基づき複数の機器に対し運転制御信号を送信する。そして、複数の機器が設置されるエリアと、複数の人感センサが設置されるエリアとは重複する。
【0017】
好ましくは、低消費電力モードには、センサ部が、センシング動作可能な起動モードが含まれ、非低消費電力モードには、センサ部が、センシング動作不可能なモードであって起動モードに比較し消費電力量が少ない休止モードが含まれる。そして、モード切替部は、制御指令に従って動作モードを起動モードまたは休止モードに切替える。
【0018】
好ましくは、指令送信部は、検知信号に基づき人の不在から在への変化が検知されたと判定すると、近傍に在ると判定される人感センサに対して、制御指令として、動作モードを起動モードに変化させるための起動指令を送信する。
【0019】
好ましくは、指令送信部は、検知信号に基づき人の不在から在への変化が検知されたと判定すると、近傍に在る人感センサに対して起動指令を送信し、その後に、検知信号の送信元の人感センサに対して、制御指令として、動作モードを休止モードに変化させるための休止指令を送信する。
【0020】
好ましくは、低消費電力モードには、通信部が、通信動作可能なアクティブモードが含まれ、非低消費電力モードには、通信部が、通信動作不可能なモードであってアクティブモードに比較し消費電力量が少ないスリープモードが含まれる。モード切替部は、動作モードを、間欠的にアクティブモードまたはスリープモードに切替える。
【0021】
この発明の他の局面に従うコントローラは、複数の人感センサと通信するコントローラであって、各人感センサは、電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードとを含む異なる動作モードを有する。
【0022】
各人感センサは、動作モードを切替えるためのモード切替部を含み、センシング動作による検知信号をコントローラに対して送信する。
【0023】
コントローラは、各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表わす強度データを受信し、受信する強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定する近傍判定部と、受信する検知信号に基づく動作モード切替のための制御指令を、当該検知信号の送信元である人感センサの近傍に在ると判定される人感センサに対して送信する指令送信部と、を含む。
【0024】
この発明の他の局面に従うセンサ制御方法は、異なる動作モードを有した複数の人感センサと通信するための通信インターフェイスと、各人感センサのセンシング動作を制御するためのプロセッサとを、含むコントローラにおけるセンサ制御方法である。
【0025】
異なる動作モードには、人感センサの電力量の消費が抑制される低消費電力モードと非低消費電力モードが含まれる。
【0026】
センサ制御方法は、プロセッサが、各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表す強度データを通信インターフェイスを介して受信するステップと、プロセッサが、受信する強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定するステップと、プロセッサが、センシング動作による検知信号を通信インターフェイスを介して受信するステップと、検知信号に基づき動作モードを切替えるための制御指令を、当該検知信号の送信元である人感センサの近傍に在ると判定される人感センサに対して、通信インターフェイスを介して送信するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、センサシステム全体の消費電力量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係るネットワークシステムの全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る人感センサの配置例を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る人感センサの構成と動作を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るホームコントローラの構成を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るしきい値テーブルの構成図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る近傍テーブルの構成図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る受信テーブルの構成図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るフレームの構成例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るフレームの他の構成例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る近傍テーブル作成モードのフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に係る運転モードのフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に係るフレームのさらなる他の構成例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る人感センサの動作モードを説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る他のネットワークシステムの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては同一または対応する部分に図中同一の符号を付し、その説明は繰返さない。
【0030】
本実施の形態では、電気機器とは、家屋で使用される電気機器であり、外部から供給される電力によって駆動される電気機器を指す。家屋は、たとえば、住宅、オフィス、工場、倉庫、店舗などを指す。
【0031】
本実施の形態で用いる用語について説明する。「人感センサ」は、人の存在の変化を検知するために、たとえば人体表面から放出される赤外線を受信し、受信信号に基づき人の存在を検出する。検出方法は、これに限定されず他の方法、たとえば赤外線ビームを発射し、そのビームの反射光を受信することで検出してもよい。
【0032】
人感センサは、センサと通信部とを備え、複数の異なる「動作モード」を有する。異なる動作モードには、電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードとが含まれる。具体的には、センサに関して非低消費電力モードである「起動モード」と低消費電力モードである「休止モード」が含まれる。「起動モード」は、人の存在の変化をセンシング動作可能な動作モードを指し、「休止モード」はセンシング動作不可能なモードであって起動モードに比較し消費電力量が少ない動作モードを指す。異なる動作モードには、さらに、通信部に関して非低消費電力モードである「アクティブモード」と低消費電力モードである「スリープモード」が含まれる。「アクティブモード」は、外部装置との通信が可能なモードを指し、「スリープモード」は外部装置との通信が不可能なモードであってアクティブモードに比較し消費電力量が少ない動作モードを指す。
【0033】
[実施の形態1]
<ネットワークシステムの全体構成>
まず、本実施の形態に係るネットワークシステムの全体構成について説明する。図1を参照して、本実施の形態に係る家屋内に敷設されたネットワークシステム1は、電気機器200A〜200Gを含む。図示される電機機器は、テレビ、空調機、電動カーテン、照明機器などであるが、これらは一例であり限定されるものではない。
【0034】
ネットワークシステム1は、太陽光発電装置200X、バッテリー200Y、それらを制御するためのパワーコンディショナ200Zを含む。なお、バッテリー200Yは、住宅などに設置されるものであってもよいし、自動車用のバッテリーを住宅用のバッテリーとして兼用するものであってもよい。ネットワークシステム1は、電機機器とは別個に、人感センサ240A〜240Gを含む。
【0035】
ネットワークシステム1は、電気機器200A〜200G、パワーコンディショナ200Z、および人感センサ240A〜240Gなどを制御するためのホームコントローラ100を含む。ホームコントローラ100は、有線あるいは無線のネットワーク401を介して、電気機器200A〜200G、太陽光発電装置200X、バッテリー200Y、パワーコンディショナ200Z、および人感センサ240A〜240Gなどと通信する。
【0036】
ネットワーク401として、たとえば、無線LAN(Local Area Network)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、またはPLC(Power Line Communications)などを利用することができる。ホームコントローラ100は、持ち運び可能であってもよいし、テーブル上に載置されたベース(図示せず)に着脱自在であってもよいし、部屋の壁に固設されるものであってもよい。
【0037】
本実施の形態に係るネットワークシステム1においては、パワーコンディショナ200Zは、電力線402を介して、バッテリー200Yと系統と電気機器200A〜200Gと人感センサ240A〜240Gとに電力を供給する。そして、パワーコンディショナ200Zは、電力線402を介して、太陽光発電装置200X、バッテリー200Y、および系統(電力会社が提供する電力系統など)から電力を取得する。
【0038】
図1に示すように、ネットワークシステム1は、ホームコントローラ100が人感センサ240A〜240Gを制御するセンサシステムを包含する。ここでは、説明のために、人感センサ240A〜240Gを人感センサ240と総称する場合がある。
【0039】
本実施の形態では、人感センサ240は、他の人感センサ240と無線により通信するとともに、ホームコントローラ100とはネットワーク401を介して通信する。無線通信としてはZigBee(登録商標)に従う通信手順を採用する。したがって、無線信号を送受信できる範囲であれば、人感センサ240の設置位置を可変に変更することができる。
【0040】
なお、各人感センサ240とホームコントローラ100とは有線通信に代替して無線通信するとしてもよい。その場合、混信を回避するために、各人感センサ240は、ホームコントローラ100との通信に用いる周波数帯域と、他の人感センサ240との通信に使用する周波数帯域とを異ならせるようにする。
【0041】
<ネットワークシステムの動作概要>
ネットワークシステム1では、ホームコントローラ100は、人感センサ240A〜240Gからセンシング動作による検知信号を受信すると、検知信号に基づく運転制御信号を送信することにより複数の電気機器200A〜200Gのそれぞれの運転を制御する。
【0042】
ここでは、電気機器200A〜200Gが設置されるエリアと、人感センサ240A〜240Gが設置されるエリアとは一部または全部が重複する。したがって、各電気機器と、当該電気機器の付近に設置されている人感センサ240とを対応付けた情報を記憶しておくことで、当該記憶情報に従えば、人感センサ240の検知信号に基づき当該人感センサ240付近の電気機器を運転制御することができる。
【0043】
以下、このような機能を実現するためのネットワークシステム1の具体的な構成について詳述する。
【0044】
<人感センサ240の設置例>
図2を参照して、人感センサ240の屋内における配置例を説明する。人感センサ240A〜240Gのそれぞれは、屋内の壁面、より好ましくは天井面において適度の間隔で散在するように配置される。この屋内には、図示しないが電気機器200A〜200Gが設置されている。
【0045】
屋内の入口のドア付近には、人感センサ240Aが設置される。人感センサ240Aの動作モードは、常時、起動モードであると想定する。また、人は屋内を移動する場合、まず入口ドアから入り、その後、屋内を移動すると想定する。
【0046】
<人感センサ240の構成>
人感センサ240A〜240Gは同様の構成を有する。ここでは、人感センサ240どうしは、特に省電力向けの無線通信規格であるZigBee(登録商標)に従ったフレーム通信をすると想定するが、適用可能な通信規格はこれに限るものではない。
【0047】
図3の(A)を参照して、人感センサ240の回路構成について説明する。人感センサ240は、CPU(Central Processing Unit)241、センサ242、電力線402からの電力を人感センサ240内の各部に供給するための電源回路300、ホームコントローラ100および他の人感センサ240と通信するための変調・復調回路を有する通信I/F(インターフェイスの略)244、メモリ245およびタイマ250を含む。電源回路300は、センサ242への電力の供給または遮断を切替えるためのSW(スイッチの略)回路243を含む。
【0048】
センサ242は、センシング動作のために、移動体(ここでは、人間)から放射される赤外線を受光し、受光レベルに応じたレベルの電気信号である検知信号をCPU241に出力するフォトダイオードを含む。フォトダイオードは、たとえば5V定格電源により動作する。SW回路243は、CPU241からの信号に従って電源回路300を制御することで、センサ242に供給する電源電圧(5V)信号のON/OFF(供給/遮断)を切替える。起動モードでは、センサ242へ定格電源(5V)が供給され、休止モードでは遮断される。したがって、休止モードでは、センシング動作は不可能であるが、起動モードに比べて人感センサ240における消費電力量を低減することができる。
【0049】
通信I/F244は、外部の装置(ホームコントローラ100または人感センサ240)と通信するためにMPU(Micro Processing Unit)、および通信回路部(変調回路、復調回路、誤り訂正回路など)を有する。MPUは、通信I/F244の動作モードを、CPU241からの制御信号に従ってアクティブモードまたはスリープモードに切替える。MPUは、アクティブモードにおいては、通信回路部に対して、電源回路300からの電力を供給するが、スリープモードにおいては電力を遮断する。したがって、スリープモードでは、外部装置との通信動作は不可能であるが、アクティブモードに比べて人感センサ240における消費電力量を低減することができる。
【0050】
CPU241は、センサ242からの検知信号を通信I/F244を介してホームコントローラ100に送信する。また、CPU241は、検知信号に基づき人の不在から在への変化が検知されたか否かを判定する。図3の(B)には、CPU241がメモリ245のプログラムを実行することにより実現される機能が示される。CPU241は、機能として、センサ242のセンシング動作による検知信号をホームコントローラ100に対して送信するための検知送信部、動作モードを切替えるためのモード切替部251、他の各人感センサ240から受信強度を表すデータを取得する強度取得部252、および自己の受信強度を算出する強度算出部253を含む。
【0051】
メモリ245には、当該人感センサ240を識別するために割当てられた自己アドレス246、通信のためにホームコントローラ100を識別するためのコントローラアドレス247、受信強度テーブル248、および現在の動作モードを指すデータ249が格納される。
【0052】
受信強度テーブル248には、強度取得部252が他の人感センサ240からの受信強度(後述のLQI(Link Quality Indicator))と、当該他の人感センサ240の識別子であるアドレスとが対応付けされて格納される。
【0053】
人感センサ240Aのデータ249は常時“起動モード”を指すが、他の人感センサ240B〜240Gのデータ249は、モード切替部251により書替えられる。
【0054】
<受信強度の算出と取得>
ここでは、説明を簡単にするために、各人感センサ240による送信信号の電波強度は同じであり、当該送信信号はノイズ干渉などを受けずに(減衰することなく)他の人感センサ240により受信されると想定する。
【0055】
強度算出部253は、他の人感センサ240から信号を受信すると、その受信信号の信号強度を算出する。具体的には、他の人感センサ240からフレームを受信した際に、通信I/F244による復調後の信号そのものの強度、すなわち受信信号の電波強度を用いてLQIを算出する。LQIの単位は「dBm」で表される。そして、算出されたLQIを、受信フレームの送信元である他の人感センサ240宛てに送信する。LQIの算出手順については、公知のものを採用する。
【0056】
他の人感センサ240の強度取得部252は、LQIを受信すると、受信したLQIを格納するための受信テーブル101Cを生成する。受信テーブル101Cの生成手順の詳細は後述する。
【0057】
なお、本実施の形態では、受信強度を表すデータとして、ZigBee(登録商標)の受信強度の指標であるLQIを用いたが、これに限定されない。たとえば、ZigBee(登録商標)とは異なる無線通信規格を使用する場合には、LQIに代替して例えばRSSI(Received Signal Strength Indication)を用いてもよい。
【0058】
<ホームコントローラ100の構成>
本実施の形態に係るホームコントローラ100の構成の一態様について説明する。
【0059】
図4の(A)を参照して、ホームコントローラ100は、メモリ101、ディスプレイ102、タブレット103、ボタン104、通信インターフェイス105、音声出力のためのスピーカ107、時間を計時するための時計108、およびCPU(Central Processing Unit)110を含む。
【0060】
メモリ101は、各種のRAM(Random Access Memory)や、ROM(Read-Only Memory)や、ハードディスクなどによって実現される。たとえば、メモリ101は、読取用のインターフェイスを介して利用される、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体などによっても実現される。
【0061】
メモリ101は、CPU110によって実行される制御プログラムおよびそのためのデータを記憶する。データには、しきい値テーブル101A、近傍テーブル101B、各人感センサ240に対応の受信テーブル101C、通信のために自己を識別するための自己アドレス101Dおよびネットワークシステム1に接続される各人感センサ240を識別するためのアドレス群101Eが含まれる。各テーブルの詳細は後述する。
【0062】
ディスプレイ102は、CPU110によって制御されることによって、電気機器200A〜200Gやパワーコンディショナ200Zの状態を表示する。タブレット103は、ユーザの指によるタッチ操作を検出して、検出した操作に基づくユーザ指示をCPU110に出力する。ユーザは、ボタン104を操作することによっても、ユーザ指示をCPU110に与えることができる。
【0063】
本実施の形態においては、ディスプレイ102の表面にタブレット103が敷設されている。すなわち、本実施の形態においては、ディスプレイ102とタブレット103とがタッチパネル106を構成する。ただし、ホームコントローラ100は、タブレット103を有していなくともよい。
【0064】
通信インターフェイス105は、CPU110によって制御されることによって、ネットワーク401を介して、電気機器200A〜200Gおよび人感センサ240A〜240Gと通信する。
【0065】
図4の(B)には、CPU110がメモリ101のプログラムを実行することにより実現される機能が示される。CPU110は、当該機能として、テーブル作成部111、および制御指令を生成して生成された制御指令を通信I/F105を介して送信するための指令送信部114を含む。テーブル作成部111は、しきい値テーブル101Aに値を設定するしきい値設定部112、および、各人感センサ240の近傍に在る(存在する)人感センサ240を他の人感センサ240のうちから判定(抽出)するための近傍判定部113を含む。
【0066】
近傍判定部113は、各人感センサ240について、当該人感センサに対応の受信テーブル101CのLQIと、しきい値テーブル101Aの当該人感センサに対応のしきい値501とに基づき、当該人感センサの近傍に在る人感センサを判定し、判定した結果を、近傍テーブル101Bに格納する。各人感センサ240の受信テーブル101Cは、当該人感センサ240から受信する受信強度テーブル248を用いて作成される。
【0067】
本実施の形態による近傍の判定について図4の(C)を参照して説明する。図4の(C)には、LQIと、送信元と受信元との距離x(単位:m)との関係が示される。受信電波強度を表すLQIの値を“y”とすると、係数aを用いて距離xとの関係は、y=1/(ax2)の反比例関係として表すことができる。したがって、LQIにより、距離xの指標を得ることができるから、LQIと近傍判定のためのしきい値501とを比較すれば距離的に近い、すなわち近傍に在る人感センサ240を判定(識別)することができる。
【0068】
ここでは、図4の(B)の各機能はプログラムで構成されるとしているが、プログラムと回路モジュールの組合せにより構成されてもよい。
【0069】
(テーブルの構成)
各テーブルでは、人感センサ240A〜240Gそれぞれの識別子であるアドレスとして“A”〜“G”を用いる。
【0070】
しきい値テーブル101Aには、図5に示すように、人感センサ240A〜240Gのそれぞれに対応して、当該人感センサ240のアドレスを指す識別子500およびしきい値501が格納される。しきい値設定部112は、各人感センサ240について、所定距離(単位:m)を上述の反比例式に従ってLQIを換算する(図4の(C)参照)。換算されたLQIをしきい値501として、入力された識別子500と対応付けてしきい値テーブル101Aに格納する。ここでは、しきい値501をLQIとしたが、所定距離(単位:m)であってもよい。その場合には、近傍判定部113は、近傍を判定するに際して、しきい値501の距離をLQIに換算する。
【0071】
なお、各人感センサ240について近傍を指定するための所定距離は、ユーザがタッチパネル106を操作して入力する情報に基づき可変に変更することができる。したがって、人感センサ240の追加・削除・移動(室内のレイアウト変更に伴う移動など)に応じて所定距離、すなわちしきい値501を変更してもよい。
【0072】
このように、しきい値設定部112は、各人感センサ240について、しきい値501を変更することで、近傍に存すると判定されるべき他の人感センサ240を変更することができる、すなわち各人感センサ240のセンシングエリアを可変に変更することができる。したがって、電機機器を含む備品のレイアウト、間取りなどが変更されたとしても、しきい値501を変更することで対応することができる。
【0073】
図6を参照して近傍テーブル101Bには、人感センサ240A〜240Gのそれぞれに対応して、当該人感センサ240のアドレスを指す識別子502、および近傍判定部113によって当該人感センサ240の近傍に在ると判定された他の人感センサ240のアドレスを指す識別子503が格納される。
【0074】
図7を参照して、各受信テーブル101Cは、当該受信テーブル101Cに対応の人感センサ240から受信した受信強度テーブル248を用いて生成される。CPU110は、受信強度テーブル248を受信すると、受信強度テーブル248を用いて受信テーブル101Cを生成し、メモリ101に格納する。具体的には、受信テーブル101Cは、受信強度テーブル248の送信元の人感センサ240のアドレスを指す識別子504、受信強度テーブル248の内容(他の各人感センサ240に対応して当該人感センサ240のアドレスを指す送信元識別子505およびLQI506)を含む。
【0075】
<通信フレームについて>
図8と図9を参照して、人感センサ240どうし、および人感センサ240とホームコントローラ100どうしの通信に用いるフレームの構成について説明する。
【0076】
フレームは、フレームの種別データを含むヘッダ部HE、データ部DBおよびフレームの終端を表わすストップビットなどからなる終端部STを含む。ホームコントローラ100および人感センサ240は、受信フレームのヘッダ部HEの種別データに基づき、当該受信フレームの種別を判定することができる。
【0077】
図8の(A)のフレームF1はヘッダ部HEと、宛先アドレス、送信元アドレスおよび要求コードを有するデータ部DBと、終端部STとを含む。
【0078】
図8の(B)のフレームF2は、ヘッダ部HEと、宛先アドレス、送信元アドレスおよび問合せコードを有するデータ部DBと、終端部STとを含む。フレームF2の宛先アドレスは、すべての人感センサ240を宛先として指示する“ALL”が割当てられる。
【0079】
図8の(C)のフレームF3は、ヘッダ部HEと、宛先アドレス、送信元アドレスおよびLQIを含むデータ部DBと、終端部STとを含む。
【0080】
図8の(D)のフレームF4は、ヘッダ部HEと、宛先アドレス、送信元アドレスおよび各人感センサ240対応のLQIを有するデータ部DBと、終端部STとを含む。データ部DBの各人感センサ240対応LQIは、受信強度テーブル248の情報を指す。
【0081】
図9の(A)のフレームF5は、人感センサ240が、センサ242の検知信号を送信するためのフレームであって、ヘッダ部HE、宛先アドレス、送信元アドレスおよび検知コードを有するデータ部DB、および終端部STを含む。検知コードは、センサ242から出力される検知信号に基づくコードを指す。
【0082】
人感センサ240のCPU241は、センサ242から検知信号を入力すると、検知信号に基づく検知コードを格納したフレームF5を生成し通信I/F244を介して送信する。フレームF5には宛先アドレスおよび送信元アドレスとして、CPU241がメモリ245から読出したコントローラアドレス246および自己アドレス247がそれぞれ格納される。
【0083】
図9の(B)のフレームF6は、ホームコントローラ100から制御指令を送信するためのフレームであって、ヘッダ部HE、宛先アドレス、送信元アドレスおよび起動/休止指令を有するデータ部DB、および終端部STを含む。起動/休止指令は、動作モードを起動モードに変化させるための起動指令または動作モードを休止モードに変化させるための休止指令を指す。
【0084】
ホームコントローラ100のCPU110は、通信I/F105を介してフレームF5を受信すると、受信フレームF5の送信元アドレスに基づきテーブル101Bを検索し、近傍の人感センサ240の識別子503を読出す。指令送信部114は、起動指令を格納するフレームF6を生成し通信I/F105を介して送信する。フレームF6には宛先アドレスおよび送信元アドレスとして、テーブル101Bから読出した近傍の人感センサ240の識別子503および自己アドレス101Dがそれぞれ格納される。
【0085】
フレームF6を受信した人感センサ240のうち、フレームF6の宛先アドレスと自己アドレス246とを比較照合し、その結果、自己宛てのフレームF6と判定した人感センサ240では、モード切替部251は、受信フレームF6の起動/休止指令に基づき、起動指令であれば動作モードを起動モードに切替え、休止指令であれば休止モードに切替える。
【0086】
<近傍テーブル作成モードについて>
ネットワークシステム1に人感センサ240が配置されたとき、または配置が変更されるなどした場合には、近傍テーブル101Bを作成するために、ホームコントローラ100および各人感センサ240は近傍テーブル作成モードで動作する。つまり、ユーザがタッチパネル106を操作して近傍テーブル作成を指示すると、CPU110はホームコントローラ100の動作モードを近傍テーブル作成モードに切替えるとともに、各人感センサ240に対して近傍テーブル作成モードに切替えるように通知する。これにより、ホームコントローラ100および各人感センサ240の動作モードは、近傍テーブル作成モードに切替る。なお、ホームコントローラ100のメモリ101には、近傍テーブル101Bおよび受信テーブル101Cを除くデータは、予め格納されていると想定する。
【0087】
図10のフローチャートを参照して、近傍テーブル作成の手順について説明する。
まず、コントローラ100のテーブル作成部111は、フレームF1を生成して送信する(ステップS1)。フレームF1のヘッダ部HEには、受信強度テーブル248の送信を要求するフレーム種別が格納され、データ部DBには、宛先アドレスとしてセンサアドレス群101Eから読出した1つのアドレスが格納される。また、送信元アドレスとしてメモリ101の自己アドレス101Dが格納され、および要求コードとして受信強度テーブル248の送信要求のコードが格納される。
【0088】
各人感センサ240は、フレームF1を受信すると、自己宛てのフレームであるか否かを判定する(ステップT1)。自己宛てでないと判定すると(ステップT1でNO)、当該フレームF1を破棄し、ステップT1の処理を繰返す。
【0089】
フレームF1は自己宛てであると判定すると(ステップT1でYES)、強度取得部252はフレームF2を生成し、他の各人感センサ240に対し送信する(ステップT3)。フレームF2のヘッダ部HEには、受信強度の問合せをするフレーム種別が格納され、データ部DBには、宛先アドレスとして“ALL”、送信元アドレスとしてメモリ245の自己アドレス246、および問合コードとして受信強度を問合せるコードが格納される。
【0090】
他の各人感センサ240はフレームF2を受信するまで待機する(ステップR1でNO)。フレームF2を受信すると(ステップR1でYES)、受信フレームの問合せコードに応じて、強度算出部253は受信フレームF2についてLQIを算出する(ステップR3)。CPU241は、算出したLQIを格納したフレームF3を生成し、送信元(フレームF2の送信元)人感センサ240に対し送信する(ステップR5)。フレームF3のヘッダ部HEには、問合せに対する返信フレーム種別が格納され、データ部DBには、宛先アドレスとして受信フレームF2から読出した送信元アドレスが格納され、送信元アドレスとしてメモリ245の自己アドレス246が格納され、および取得されたLQIが格納される。
【0091】
LQI問合せのフレームF2を送信した人感センサ240の強度取得部252は、返信のフレームF3を受信するか否かを判定する(ステップT5)。フレームF3を受信したと判定すると(ステップT5でYES)、受信したフレームF3を解析し、解析結果に基づき受信強度テーブル248に、フレームF3から読出した送信元アドレスとLQIとを対応付けて格納する(ステップT7)。他の全ての人感センサ240からの返信フレームF3の受信を完了したか否か、すなわち他の全ての人感センサ240からLQIを取得できたか否かを判定する(ステップT9)。たとえば、ステップT3でフレームF2を送信してから所定時間経過したか否かを判定し、経過したと判定したとき他の全ての人感センサ240からの返信フレームF3の受信を完了したと判定する。したがって、所定時間を経過しない間は(ステップT9でNO)、処理はステップT5に戻り、強度取得部252は返信を待機する。
【0092】
他のすべての人感センサ240からLQI返信のフレームF3の受信を完了したと判定したとき(ステップT9でYES)、受信強度テーブル248は、他の各人感センサ240のアドレスに対応付けてLQIの格納が完了した状態となる。その後、強度取得部252は、フレームF4を生成しコントローラ100宛てに送信する(ステップT11)。フレームF4は、ヘッダ部HEには、フレームF1の要求コードに対する応答フレーム種別が格納され、データ部DBには、宛先アドレスとして受信フレームF1から読出した(または、メモリ245のコントローラアドレス)が、送信元アドレスとしてメモリ245の自己アドレス246が、およびメモリ245の受信強度テーブル248がそれぞれ格納される。
【0093】
コントローラ100のテーブル作成部111は、ステップS1でフレームF1を送信後、応答のフレームF4を受信するまで待機する(ステップS3でNO)。
【0094】
フレームF1の宛先である人感センサ240からの応答フレームF4を受信したと判定すると(ステップS3でYES)、受信したフレームF4を解析し(ステップS5)、解析結果に基づき受信テーブル101Cを作成し、メモリ101に格納する(ステップS7)。受信テーブル101Cには、センサ識別子504として受信フレームF4の送信元アドレスが格納され、識別子505と対応のLQI506として受信フレームF4の各センサ対応LQI(すなわち、受信強度テーブル248)が格納される。
【0095】
テーブル作成部111は、センサアドレス群101Eから全てのアドレスを読出したか否かを判定することにより、全ての人感センサ240について受信テーブル101Cの作成が終了したか否かを判定する(ステップS9)。作成は終了していないと判定すると(ステップS9でNO)、処理はステップS1に戻り、センサアドレス群101Eから次のアドレスを読出し、読出したアドレスを宛先アドレスとして格納したフレームF1を送信する(ステップS1)。そして、以降の処理が同様に行われる。
【0096】
テーブル作成部111により、受信テーブル101Cの作成が終了したと判定されると(ステップS9でYES)、近傍判定部113は、各人感センサ240に対応の受信テーブル101Cと、しきい値テーブル101Aの当該人感センサ240に対応のしきい値501とに基づき、近傍センサの識別子505を判定し、判定結果を用いて近傍テーブル101Bを生成し、生成された近傍テーブル101Bをメモリ101に格納する(ステップS11)。
【0097】
具体的には、受信テーブル101CのLQI506のそれぞれと、しきい値テーブル101Aのしきい値510とを比較し、比較結果に基づき、しきい値510より大きいと判定されたLQI506に対応の識別子505を、識別子504と対応付ける。各人感センサ240について同様に処理することにより、各人感センサ240について識別子505と、識別子504との対応付け情報が取得されて、こられをメモリ101にテーブル形式で識別子502および近傍センサの識別子503として格納することにより、近傍テーブル101Bが生成される。近傍テーブル101Bが生成されると、図10の近傍テーブル作成モードは終了する。
【0098】
<運転時の制御>
近傍テーブル101Bがメモリ101に格納されると、図11のフローチャートに従い、ホームコントローラ100により人感センサ240の運転が制御される。なお、人感センサ240A〜240Gのうち人感センサ240Aは上述したように常時、起動モードにセットされて、他の人感センサ240B〜240Gは予め休止モードにセットされていると想定する。
【0099】
動作モードが起動モードである人感センサ240が、センサ242の検知信号に基づき人の不在から在への変化を検知したか否かを判定する(ステップT13)。検知したと判定すると(ステップT13でYES)、CPU241は、検知したことを通知するためのフレームF5を生成し、ホームコントローラ100宛てに送信する(ステップT19)。
【0100】
コントローラ100は、フレームF5を受信するか否かを判定する(ステップT21)。フレームF5を受信したと判定すると指令送信部114は受信フレームF5の送信元アドレスに基づき近傍テーブル101Bを検索し、検索結果に基づき、当該送信元アドレスを指すセンサ識別子502に対応する近傍センサ識別子503を読出す(ステップT23)。そして、2種類のフレームF6を生成する。1つは、読出した近傍センサ識別子503の各アドレス宛ての起動指令を格納したフレームF6であり、他の1つは、受信フレームF5の送信元アドレスを宛先アドレスとした休止指令を格納したフレームF6である。
【0101】
生成した2種類のフレームF6を送信する。具体的には、まず、起動指令を格納した各フレームF6を送信し、その後所定時間は経過した後に、休止指令を格納したフレームF6を送信する(ステップT25)。なお、この所定時間は人の移動時間に基づき決定される。起動指令を格納したフレームF6それぞれには、宛先アドレスとして、近傍センサ識別子503の各アドレスが格納されている。
【0102】
フレームF6は、ネットワーク401を介して送信されるので、すべての人感センサ240がこれを受信する。各人感センサ240は、フレームF6を受信すると、宛先アドレスと自己アドレス101Dとの照合に基づき、自己宛てであるか否かを判定する(ステップR7)。自己宛てではないと判定すると(ステップR7でNO)受信フレームF6を廃棄し、ステップR7の処理を繰返す。
【0103】
自己宛てと判定すると(ステップR7でYES)、フレームF6を解析し、受信指令は起動指令であるか否かを判定する(ステップR9)。起動指令であると判定すると(ステップR9でYES)、モード切替部251は、メモリ245のデータ249に基づき現在休止モードにあるか否かを判定する(ステップR11)。休止モードでないと判定すると、既に起動モードにあることから動作モードが切替えられることはなく、一連の処理は終了する。
【0104】
一方、休止モードであると判定すると(ステップR11でYES)、モード切替部251は休止モードから起動モードに切替えるとともに、データ259を“起動モード”を指すように書換える(ステップR13)。
【0105】
一方、受信したフレームF6の制御指令は起動指令ではない、すなわち休止指令であると判定すると(ステップR9でNO)、モード切替部251は、メモリ245のデータ249に基づき現在休止モードにあるか否かを判定する(ステップR15)。休止モードにあると判定すると(ステップR15でYES)、既に休止モードにあることから動作モードが切替えられることはなく、一連の処理は終了する。
【0106】
一方、休止モードにないと判定すると(ステップR15でNO)、モード切替部251は、起動モードから休止モードに切替えるとともに、データ259を“休止モード”を指すように書換える(ステップR17)。以上で処理は終了する。
【0107】
このように、人の移動による不在→在への変化を検知した人感センサ240は、ホームコントローラ100を経由して、自己の近傍に在る他の人感センサ240の動作モードをセンシング動作可能な起動モードに切替えることができ、距離的に近い、すなわち人が移動しそうなエリアに在る他の人感センサ240を選択的に起動することができる。また、近傍の人感センサ240を起動モードに切替えると、自己はホームコントローラ100により休止モードに切替えられる。すなわち、人の移動が検知されなくなったエリアに在る人感センサ240は起動モードから休止モードに切替わり、不要なセンシング動作に伴う消費電力量を削減できる。
【0108】
また、人感センサ240は、扉や照明機器の動きに連動して起動するものではなく、人の存在の変化に応じて他の人感センサ240を起動するから、汎用性がある。
【0109】
(近傍判定に係る変形例)
上述の実施の形態では、ホームコントローラ100が各人感センサ240の近傍に在る他の人感センサ240を判定したが、ホームコントローラ100に代わって各人感センサ240が判定してもよい。つまり、各人感センサ240は、受信強度テーブル248の各LQIと、しきい値501とに基づき、近傍に在る他の人感センサ240を判定し、その判定結果をホームコントローラ100に送信するとしてもよい。
【0110】
また、各人感センサ240に対応のしきい値501は、しきい値テーブル101Aにより設定されるとしたが、受信テーブル101CのLQI506に基づき設定してもよい。つまり、しきい値設定部112は、所定の他の人感センサ240の識別子505に対応のLQI506に基づき、所望の人感センサ240が近傍に在ると判定され得るようなしきい値を設定するようにしてもよい。
【0111】
(消費電力量の低減に係る変形例)
上述したネットワークシステム1では、各人感センサ240の動作モードを、センサ242に関して起動モードと休止モードに切替えることにより消費電力量を低減するようにしたが、人感センサ240の消費電力量の低減方法はこれに限定されず、次のように、通信I/F244に関してアクティブモードとスリープモードに切替えることにより消費電力量を低減するようにしてもよい。
【0112】
図12を参照して、本実施の形態の変形例に係る通信用のフレーム構成について説明する。変形例に係るフレームの基本構成は、上述したものと同様に、ヘッダHE、データ部DBおよび終端部STを含む。ホームコントローラ100および人感センサ240は、受信フレームのヘッダHEの種別データに基づき、当該受信フレームの種別を判定する。
【0113】
各人感センサ240から送信される図12の(A)のフレームF7の種別は、ホームコントローラ100に対して、自己宛てのデータを要求するためのフレームを指し、フレームF8のデータ部DBに、宛先アドレス、送信元アドレスおよび要求(Request)コードが含まれる。図12の(B)のフレームF8の種別は、ホームコントローラ100がフレームF7の要求コードに応答して送信するデータを格納したフレームを指し、フレームF8の構成は、図9の(B)のフレームF6の構成と同様であるので、説明を略す。
【0114】
図13は、本実施の形態の変形例に係る通信I/F244に関するアクティブモードとスリープモードの切替えを説明する図である。変形例に係る各人感センサ240のCPU241は、タイマ250からの時間データに基づき、モード切替のための制御信号を出力する。通信I/F244のMPUは、CPU249からの制御信号がアクティブモードへの切替を指示する場合には、通信回路部への電力をON(供給)し、スリープモードへの切替を指示する場合には、通信回路部への電力をOFF(遮断)する。
【0115】
図13に示すように、モード切替のための制御信号に基づき通信I/F244に関する動作モードは、間欠的にアクティブモードまたはスリープモードに切替えられる。ここでは、各人感センサ240のアクティブモードの期間およびアクティブモードへの切替周期は、ホームコントローラ100から自己宛てのフレームF8を適宜のタイミング受信できるような期間および周期に設定されていると想定し、この期間の長さおよび周期は予め実験により取得されていると想定する。
【0116】
ホームコントローラ100は、図示されるように、常時、通信可能なモードであり、また、人感センサ240Aは常時、アクティブモードであると想定する。
【0117】
各人感センサ240は、コントローラ100と通信することにより、タイマ250と時計108との間で同期を取る。これにより、人感センサ240の間では、タイマ250は同期して計時動作することから、各人感センサ240のアクティブモードの期間およびアクティブモードへの切替周期は一致していると想定する。
【0118】
図13では、消費電力量を低減し易くするために、単位期間あたりのアクティブモードの期間は、スリープモードの期間に比較して十分に短くなるように設定されているが、上述の間欠的な切替えであればよく、動作モードの切替パターンは図13に示す態様に限定されるものではない。
【0119】
動作において、各人感センサ240の通信I/F244は、アクティブモードでは、ホームコントローラ100と通信しながら図11に示した動作が行われる。
【0120】
具体的には、フレームF7を生成してホームコントローラ100に送信する。ホームコントローラ100はフレームF7を受信すると、要求元の人感センサ240宛てのフレームF8を生成している場合には、当該フレームF8を、応答として送信する。CPU241は、ホームコントローラ100からのフレームF8を、通信I/F244を介して受信すると、図11の手順(ステップR7〜R17)に従って、受信フレームF8の内容に基づきセンサ242に関する動作モードを、起動モードまたは休止モードに切替える。
【0121】
また、アクティブモードでは、通信I/F244は、センサ242の検知結果に基づき生成されるフレームF5(図9の(A)参照)をホームコントローラ100宛てに送信する(図11のステップT13とT19参照)。ホームコントローラ100はフレームF5を受信すると、図11の手順(ステップT21〜T25)に従って、受信フレームF5に基づきフレームF8を生成し、当該フレームF8を人感センサ240宛てに送信する。人感センサ240は、ホームコントローラ100からのフレームF8を、通信I/F244を介して受信する。そして、CPU241は、図11の手順(ステップR7〜R17)に従って、受信フレームF8の内容に基づきセンサ242に関する動作モードを、起動モードまたは休止モードに切替える。
【0122】
このように、通信I/F244に関する動作モードを間欠的にアクティブモードまたはスリープモードに切替えることにより、人感センサ240自体の消費電力量を低減することができる。
【0123】
(機器の配置に係る変形例)
また、ネットワークシステムにおいて電気機器と人感センサとの配置は、図14に示すように自在に変更可能であってもよい。図14には、変形例に係るネットワークシステム1Bが示される。上述の実施の形態に係るネットワークシステム1では、電気機器200A〜200Gとホームコントローラ100とが通信する構成であったが、ネットワークシステム1Bでは、電気機器200Bを除く各電気機器は、当該電気機器に電力を供給するためのコンセントに取り付けられた通信装置(スマートタップ)400A〜400Gによってホームコントローラ100と通信するものである。電気機器200Bを除く電気機器200A〜200Gは、コンセント250A〜250Gを介して通信装置400A〜400Gに着脱自在に装着される。
【0124】
同様にして、人感センサ240A〜240Gは、ネットワーク401と電力線402に接続される通信装置440A〜440Gに着脱自在に装着される。人感センサ240A〜240Gは、装着されている通信装置440A〜440Gを介して電力が供給され、またホームコントローラ100と通信することができる。
【0125】
図14の構成によれば、人感センサ240が設置されるエリアを、たとえば電気機器の設置エリアに併せて自在に変更することができ、また住人の移動経路、間取りなどの変更に合わせて変更することができる。
【0126】
なお、ネットワークシステム1Bの他の構成については、ネットワークシステム1のそれらと同様であるため、説明を繰り返さない。
【0127】
[他の実施の形態]
ホームコントローラ100のCPU110は、メモリ101に記憶されている各種のプログラムを実行することによって、各種の情報処理を実行する。同様に、人感センサ240のCPU241はメモリ245に格納されているプログラムを実行することにより上述した機能を実現する。
【0128】
ホームコントローラ100および人感センサ240における処理は、各ハードウェアおよびCPUにより実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ101および245に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。
【0129】
このようなソフトウェアは、図示しない読取装置を利用することによってその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス105,244を利用することによってダウンロードされて、メモリ101,245に一旦格納される。CPUは、メモリからプログラムを読出し、当該プログラムを実行する。
【0130】
なお、記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0131】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等も含む。
【0132】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0133】
1,1B ネットワークシステム、100 ホームコントローラ、101A しきい値テーブル、101B 近傍テーブル、101C 受信テーブル、111 テーブル作成部、112 しきい値設定部、113 近傍判定部、114 指令送信部、200A〜200G 電気機器、240A〜240G 人感センサ、251 モード切替部、252 強度取得部、253 強度算出部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる動作モードを有し、相互に無線通信する複数の人感センサと、
各人感センサと通信するコントローラと、を備え、
異なる動作モードには、人感センサの電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードが含まれ、
各人感センサは、
外部装置と通信するための通信部と、
センシング動作をするセンサ部と、
動作モードを切替えるためのモード切替部と、を含み、
前記通信部は、センシング動作による検知信号を前記コントローラに対して送信し、
前記コントローラは、
受信する前記検知信号に基づき動作モードを切替えるための制御指令を、当該検知信号の送信元である前記人感センサの近傍に在る人感センサに対して送信する指令送信部を、含み、
各人感センサの近傍に在る人感センサを、各人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度に基づき判定する、センサシステム。
【請求項2】
各人感センサは、
他の人感センサから受信する信号の強度を算出する強度算出部を、含み、
前記コントローラは、
各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表わす強度データを受信し、受信する前記強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定する近傍判定部を、含み、
前記指令送信部は、
各人感センサの近傍にあると判定される人感センサに対して、当該各人感センサから受信する検知信号に基づく前記制御指令を送信する、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記近傍判定部は、
各人感センサから受信する前記強度データとしきい値とに基づき、各人感センサについて近傍に在る人感センサを判定する、請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記しきい値を可変に設定する、請求項3に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記しきい値は、他の人感センサのうち所定の人感センサについて取得される強度データに基づき設定する、請求項4に記載のセンサシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、受信する検知信号に基づき複数の機器に対し運転制御信号を送信し、
前記複数の機器が設置されるエリアと、前記複数の人感センサが設置されるエリアとは重複する、請求項1から5のいずれかに記載のセンサシステム。
【請求項7】
前記低消費電力モードには、前記センサ部が、センシング動作可能な起動モードが含まれ、前記非低消費電力モードには、前記センサ部が、センシング動作不可能なモードであって前記起動モードに比較し消費電力量が少ない休止モードが含まれ、
前記モード切替部は、前記制御指令に従って動作モードを起動モードまたは休止モードに切替える、請求項1から6のいずれかに記載のセンサシステム。
【請求項8】
前記指令送信部は、前記検知信号に基づき人の不在から在への変化が検知されたと判定すると、近傍に在ると判定される人感センサに対して、前記制御指令として、動作モードを起動モードに変化させるための起動指令を送信する、請求項7に記載のセンサシステム。
【請求項9】
前記指令送信部は、前記検知信号に基づき人の不在から在への変化が検知されたと判定すると、近傍に在る人感センサに対して前記起動指令を送信し、その後に、前記検知信号の送信元の人感センサに対して、前記制御指令として、動作モードを休止モードに変化させるための休止指令を送信する、請求項8に記載のセンサシステム。
【請求項10】
前記低消費電力モードには、前記通信部が、通信動作可能なアクティブモードが含まれ、前記非低消費電力モードには、前記通信部が、通信動作不可能なモードであって前記アクティブモードに比較し消費電力量が少ないスリープモードが含まれ、
前記モード切替部は、動作モードを、間欠的に前記アクティブモードまたは前記スリープモードに切替える、請求項1から9のいずれかに記載のセンサシステム。
【請求項11】
複数の人感センサと通信するコントローラであって、
各人感センサは、電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードとを含む異なる動作モードを有し、
各人感センサは、
動作モードを切替える切替部を含み、
センシング動作による検知信号を前記コントローラに対して送信し、
前記コントローラは、
各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表わす強度データを受信し、受信する前記強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定する近傍判定部と、
受信する検知信号に基づき動作モードを切替えるための制御指令を、当該検知信号の送信元である前記人感センサの近傍に在ると判定される人感センサに対して送信する指令送信部と、を含む、コントローラ。
【請求項12】
異なる動作モードを有した複数の人感センサと通信するための通信インターフェイスと、
各人感センサのセンシング動作を制御するためのプロセッサとを、含むコントローラにおけるセンサ制御方法であって、
異なる動作モードには、人感センサの電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードが含まれ、
前記センサ制御方法は、
前記プロセッサが、各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表す強度データを前記通信インターフェイスを介して受信するステップと、
前記プロセッサが、受信する強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定するステップと、
前記プロセッサが、前記センシング動作による検知信号を前記通信インターフェイスを介して受信するステップと、
検知信号に基づき前記動作モードを切替えるための制御指令を、当該検知信号の送信元である人感センサの近傍に在ると判定される人感センサに対して、前記通信インターフェイスを介して送信するステップと、を含む、センサ制御方法。
【請求項1】
異なる動作モードを有し、相互に無線通信する複数の人感センサと、
各人感センサと通信するコントローラと、を備え、
異なる動作モードには、人感センサの電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードが含まれ、
各人感センサは、
外部装置と通信するための通信部と、
センシング動作をするセンサ部と、
動作モードを切替えるためのモード切替部と、を含み、
前記通信部は、センシング動作による検知信号を前記コントローラに対して送信し、
前記コントローラは、
受信する前記検知信号に基づき動作モードを切替えるための制御指令を、当該検知信号の送信元である前記人感センサの近傍に在る人感センサに対して送信する指令送信部を、含み、
各人感センサの近傍に在る人感センサを、各人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度に基づき判定する、センサシステム。
【請求項2】
各人感センサは、
他の人感センサから受信する信号の強度を算出する強度算出部を、含み、
前記コントローラは、
各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表わす強度データを受信し、受信する前記強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定する近傍判定部を、含み、
前記指令送信部は、
各人感センサの近傍にあると判定される人感センサに対して、当該各人感センサから受信する検知信号に基づく前記制御指令を送信する、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記近傍判定部は、
各人感センサから受信する前記強度データとしきい値とに基づき、各人感センサについて近傍に在る人感センサを判定する、請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記しきい値を可変に設定する、請求項3に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記しきい値は、他の人感センサのうち所定の人感センサについて取得される強度データに基づき設定する、請求項4に記載のセンサシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、受信する検知信号に基づき複数の機器に対し運転制御信号を送信し、
前記複数の機器が設置されるエリアと、前記複数の人感センサが設置されるエリアとは重複する、請求項1から5のいずれかに記載のセンサシステム。
【請求項7】
前記低消費電力モードには、前記センサ部が、センシング動作可能な起動モードが含まれ、前記非低消費電力モードには、前記センサ部が、センシング動作不可能なモードであって前記起動モードに比較し消費電力量が少ない休止モードが含まれ、
前記モード切替部は、前記制御指令に従って動作モードを起動モードまたは休止モードに切替える、請求項1から6のいずれかに記載のセンサシステム。
【請求項8】
前記指令送信部は、前記検知信号に基づき人の不在から在への変化が検知されたと判定すると、近傍に在ると判定される人感センサに対して、前記制御指令として、動作モードを起動モードに変化させるための起動指令を送信する、請求項7に記載のセンサシステム。
【請求項9】
前記指令送信部は、前記検知信号に基づき人の不在から在への変化が検知されたと判定すると、近傍に在る人感センサに対して前記起動指令を送信し、その後に、前記検知信号の送信元の人感センサに対して、前記制御指令として、動作モードを休止モードに変化させるための休止指令を送信する、請求項8に記載のセンサシステム。
【請求項10】
前記低消費電力モードには、前記通信部が、通信動作可能なアクティブモードが含まれ、前記非低消費電力モードには、前記通信部が、通信動作不可能なモードであって前記アクティブモードに比較し消費電力量が少ないスリープモードが含まれ、
前記モード切替部は、動作モードを、間欠的に前記アクティブモードまたは前記スリープモードに切替える、請求項1から9のいずれかに記載のセンサシステム。
【請求項11】
複数の人感センサと通信するコントローラであって、
各人感センサは、電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードとを含む異なる動作モードを有し、
各人感センサは、
動作モードを切替える切替部を含み、
センシング動作による検知信号を前記コントローラに対して送信し、
前記コントローラは、
各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表わす強度データを受信し、受信する前記強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定する近傍判定部と、
受信する検知信号に基づき動作モードを切替えるための制御指令を、当該検知信号の送信元である前記人感センサの近傍に在ると判定される人感センサに対して送信する指令送信部と、を含む、コントローラ。
【請求項12】
異なる動作モードを有した複数の人感センサと通信するための通信インターフェイスと、
各人感センサのセンシング動作を制御するためのプロセッサとを、含むコントローラにおけるセンサ制御方法であって、
異なる動作モードには、人感センサの電力量の消費が抑制される低消費電力モードと、非低消費電力モードが含まれ、
前記センサ制御方法は、
前記プロセッサが、各人感センサから、当該人感センサが他の人感センサから受信する信号の強度を表す強度データを前記通信インターフェイスを介して受信するステップと、
前記プロセッサが、受信する強度データを用いて、各人感センサの近傍に在る人感センサを判定するステップと、
前記プロセッサが、前記センシング動作による検知信号を前記通信インターフェイスを介して受信するステップと、
検知信号に基づき前記動作モードを切替えるための制御指令を、当該検知信号の送信元である人感センサの近傍に在ると判定される人感センサに対して、前記通信インターフェイスを介して送信するステップと、を含む、センサ制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図4】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−230780(P2012−230780A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97158(P2011−97158)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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