説明

センサ

【課題】車室外側の水が車室内側に移動することをより確実に防止可能なセンサを提供する。
【解決手段】センサ1は、センサ本体10と、センサ本体10とコネクタ29とを接続する被覆電線21〜24と、内部に被覆導線21〜24の全てを挿通する筒状の本体部31と、本体部31の一端から円柱状に突出する円柱部33とを有するグロメット30と、円柱部33の外周にかしめ固定される環状体40とを備える。
円柱部33には、各被覆電線21〜24を挿通させる挿通孔51〜54が柱方向に貫設されている。円柱部33の柱方向に垂直な面で見たとき、環状体40は、円柱部33の軸心Lを通る第1直線K方向に突出する突出部41を形成し、挿通孔51〜54は、円柱部33の外周の近くに周方向で偶数個配置された周方向配置挿通孔である。周方向配置挿通孔51〜54は、円柱部33の軸心Lを通り、且つ第1直線Kに垂直な第2直線Nと重ならない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1開示のセンサが知られている。このセンサは、センサ本体、複数本の被覆電線、グロメット及び環状体等を備えている。
【0003】
各被覆電線は、自己の一端側がセンサ本体に接続され、自己の他端側が外部回路に接続するコネクタと接続されている。そして、各被覆導線と自動車の車室壁面との間には、グロメットが配置されている。グロメットは、内部に複数の被覆導線の全てを挿通する筒状の本体部と、本体部の一端から円柱状に突出すると共に、各被覆電線を挿通させる1個の挿通孔が形成された円柱部とを有している。特許文献1開示のセンサは、全被覆電線をチューブによって被覆し、このチューブとともに全被覆電線を挿通孔に挿通させている。環状体は、円柱部の外周側にかしめ固定されている。
【0004】
このような構成である従来のセンサは、例えば、自動車に搭載され、センサ本体が自動車の車室外側において、エンジンの吸気系配管や排気系配管等に装着される。また、センサ本体内から導出される各被覆電線の他端側は、グロメットを介して自動車の車室壁面を挿通し、車室内側まで引き込まれて電装関係機器にコネクタを介して接続される。
【0005】
こうして、このセンサは、ガス成分や温度等を測定するセンサ本体からの電気信号を各被覆電線により車室内側の電装関係機器に伝達することが可能となっている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−72020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、車室外側に取り付けられるセンサは、水がかかりやすく(被水しやすく)、車室外側の水がグロメットの円柱部における挿通孔を介して車室内側に浸入してしまうことを懸念しなければならない。具体的には、グロメットの円柱部は、環状体が加締め固定される際に力を受けて変形し、さらにこの変形によって、挿通孔も加締め方向に縮む変形をしている。これに対して、被覆電線は、加締めによる変形を受けにくく、挿通孔と被覆導線との隙間が生じ、センサが被水したときにその隙間から水が浸入するおそれがある。この場合には、浸入した水が直近のコネクタに付着し、配線のショート等の不具合を生じるおそれがある。
【0008】
この点、上記従来のセンサでは、チューブを挿通孔に挿通させ、そのチューブ内に全被覆電線を存在させている。このため、グロメットの円柱部が変形したとしても、この変形にならうようにチューブも変形することができるため、チューブと挿通孔との間の密着性が十分となり、隙間ができにくくできる。しかしながら、センサ本体からチューブ内に水が浸入してしまった場合には、上述のように被覆電線が加締めによる変形を受けにくい点から、その水がチューブと各被覆電線との間を毛細管現象によってより一層車室内側に移動するおそれもある。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、車室外側の水が車室内側に移動することをより確実に防止可能なセンサを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のセンサは、被測定対象を検出するセンサ本体と、
該センサ本体内と外部回路に接続するコネクタとを接続する複数の被覆電線と、
内部に複数の被覆導線の全てを挿通する筒状の本体部と、該本体部の一端から円柱状に突出する円柱部を有するグロメットと、
該円柱部の外周にかしめ固定される環状体と、を備えるセンサにおいて、
前記円柱部には、前記被覆電線のそれぞれを挿通させる複数個の挿通孔が柱方向に延びるように形成され、
前記円柱部の柱方向に垂直な面で見たときに、
前記環状体は、前記円柱部の中心を通る第1直線方向に突出する突出部を形成し、
挿通孔は、円柱部の外周の近くに周方向で偶数個配置された周方向配置挿通孔を有し、各該周方向配置挿通孔は、円柱部の中心を通り、且つ第1直線と垂直な第2直線と重ならないことを特徴とする。
【0011】
このような構成である本発明のセンサは、各被覆電線のそれぞれを挿通させる複数個の挿通孔を円柱部に形成したグロメットを採用している。このため、各被覆電線と各挿通孔との間の密着性さえ十分とし、隙間を形成できないようにすれば、チューブ内に全被覆電線を挿通させ、チューブを挿通孔に挿通させるグロメットにおいて懸念される、チューブと被覆電線とで生じる毛細管現象によって水が挿通孔から車室内側に移動することを防ぐことができる。
【0012】
そして、この隙間が形成できないようにするために、本発明のセンサでは、挿通孔の配置を特定している。具体的には、円柱部の柱方向に垂直な面で見たときに、環状体は、円柱部の中心を通る第1直線方向に突出する突出部を形成し、挿通孔は、円柱部の外周の近くに周方向で偶数個配置された周方向配置挿通孔を有し、各周方向配置挿通孔は、円柱部の中心を通り、且つ第1直線と垂直な第2直線と重ならないようにしている。環状体が円柱部に加締め固定される際、環状体には、加締め方向に対して略垂直な方向である第1直線方向に突出する突出部が形成される。これに対して、挿通孔のうち加締めによって最も変形しやすい円柱部の外周近くに周方向に偶数個配置された周方向配置挿通孔を、第1直線方向に垂直な方向である第2直線方向(加締め方向)に重ならないようにすると、周方向配置挿通孔が加締めによる変形を受けにくい。その結果、被覆導線と挿通孔との隙間が形成されにくく、密着性を充分に保つことができる。
【0013】
したがって、本発明のセンサは、車室外側の水が車室内側に移動することをより確実に防止可能である。このため、このセンサは、車両等に搭載されても、水の侵入による配線のショート等の不具合が生じ難い。
【0014】
本発明のセンサにおいて、各挿通孔は4個の周方向配置挿通孔を有することが好ましい。この場合、このセンサは、環状部の加締めによる各周方向配置挿通孔に対する圧縮力を均一化させることができ、本発明の作用効果を確実に奏することができる。
【0015】
本発明のセンサは、全ての前記被覆電線を挿通させるチューブを備え、
該チューブの一端側は前記センサ本体に封止固定され、該チューブの他端側は、前記円柱部と前記環状体との間に介在するようにして前記グロメットに封止固定され得る。
【0016】
この場合、チューブの内部空間は、両端が封止された閉空間となる。このため、このセンサは、チューブ内に挿通される被覆電線に水がかかる事態が一層生じ難くなり、車室外側の水が車室内側に移動する不具合が一層生じ難い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施例1を図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0018】
図1及び図2に示すように、実施例1のセンサ1は、自動車に搭載されるガスセンサであり、センサ本体10、4本の被覆電線21、22、23、24、グロメット30及び環状体40を備えている。なお、図1及び図3において、左方が先端側であり、右方が後端側である。
【0019】
センサ本体10は、自動車の車室外側において、エンジンの吸気系配管や排気系配管等に装着されて、ガス成分や温度等を測定するものである。
【0020】
各被覆電線21〜24の先端側はセンサ本体10内に接続され、各被覆電線21〜24の後端側は外部に導出されている。そして、各被覆電線21〜24の後端には、車室内側の電装関係機器に接続するためのコネクタ29が装着されている。
【0021】
グロメット30は、図3及び図4に示すように、フッ素系ゴム等の弾性材料からなる一体成形品であり、本体部31と円筒部32と円柱部33とを有している。
【0022】
本体部31は、フランジ状に形成されており、外周側に凹設された凹溝31aが車室壁面に形成された開口の内周縁(図示しない)に嵌め合わされることにより、車室壁面に密着固定される。
【0023】
円筒部32は、本体部31から先端側に向けて円筒状に突出するように形成されており、内部空間に各被覆電線21〜24の後端側を挿通させる。
【0024】
円柱部33は、円筒部32から先端側に向けて円柱状に突出するように形成されている。そして、円柱部33には、図4に示すように、軸芯Lを中心とする円周R上に等間隔で配置され、軸芯Lと平行な4個の周方向配置挿通孔51、52、53、54が貫設されている。周方向配置挿通孔51は、図3に示すように、内径が各被覆電線21〜24の外径より僅かに大きくされ、かつ、その途中に、内径が各被覆電線21〜24の外径より僅かに小さくされたリブ51a、51bが形成されている。他の周方向配置挿通孔52、53、54も、周方向配置挿通孔51と同様である。
【0025】
図1及び図2に示すように、周方向配置挿通孔51は、被覆電線21の後端側を外部から円筒部32を介して本体部31内に挿通させている。周方向配置挿通孔52は、被覆電線22の後端側を外部から円筒部32を介して本体部31内に挿通させている。周方向配置挿通孔53は、被覆電線23の後端側を外部から円筒部32を介して本体部31内に挿通させている。周方向配置挿通孔54は、被覆電線24の後端側を外部から円筒部32を介して本体部31内に挿通させている。
【0026】
環状体40は、元々、図5に示すように、内径が円柱部33の外径より僅かに大きくされた金属製の円筒である。そして、環状体40は、下記の手順により、円柱部33の外周側にかしめ固定される。
【0027】
まず、環状体40は、図6(a)に示すように、円柱部33の外周側に装着される。また、各周方向配置挿通孔51〜54には、被覆電線21〜24が1本ずつ挿通される。そして、1対のかしめ金型90a、90bにより環状体40、円柱部33及び被覆電線21〜24をプレスする。その結果、環状体40は、図6(b)に示すように塑性変形して、円柱部33の外周側にかしめ固定され、各周方向配置挿通孔51〜54も圧縮変形する。この際、環状体40には、第1直線K方向に突出する突出部41が形成される。こうして、このセンサ1では、各被覆電線21〜24と各周方向配置挿通孔51〜54との間が密着している。
【0028】
この際、実施例1のセンサ1では、図6(a)に示すように、第1直線Kに垂直な第2直線N上に各周方向配置挿通孔51〜54が位置しないように環状体40が円柱部33の外周側にかしめ固定される。より詳しくは、図4に示すように、各周方向配置挿通孔51〜54は、軸芯Lを中心とする円周R上に等間隔で配置されており、加締め方向に略同等の方向である第2直線上から等距離で離れている。このため、このセンサ1では、周方向配置挿通孔51〜54に対する圧縮力をほぼ均一にすることができている。
【0029】
このような構成である実施例1のセンサ1は、例えば、自動車に搭載され、センサ本体10が自動車の車室外側において、エンジンの吸気系配管や排気系配管等に装着される。また、センサ本体10内から導出される各被覆電線21〜24の後端側は、グロメット30を介して自動車の車室壁面を挿通し、車室内側まで引き込まれて電装関係機器にコネクタ29を介して接続される。
【0030】
こうして、このセンサ1は、ガス成分や温度等を測定するセンサ本体10からの電気信号を各被覆電線21〜24により車室内側の電装関係機器に伝達することが可能となっている。
【0031】
ここで、実施例1のセンサ1は、各被覆電線21〜24をそれぞれ挿通させる4個の周方向配置挿通孔51〜54を円柱部33に形成したグロメット30を採用している。このため、各被覆電線21〜24と各周方向配置挿通孔51〜54との間の密着性さえ十分とし、隙間を形成できないようにすれば、チューブ70内に全被覆電線21〜24を挿通させ、チューブ70を挿通孔に挿通させるグロメット30において懸念される、チューブ70と被覆電線21〜24とで生じる毛細管現象によって水が車室内側に移動することを懸念する必要がない。
【0032】
そして、円柱部33の柱方向に垂直な面で見たときに、環状体40は、円柱部33の中心Lを通る第1直線方向Kに突出する突出部41を形成し、周方向配置挿通孔51〜54は、円柱部33の中心Lを通り、且つ第1直線Kと垂直な第2直線Nと重ならないようにしている。これにより、周方向配置挿通孔51〜54が加締めによる変形を受けにくい。その結果、被覆導線21〜24と周方向配置挿通孔51〜54との隙間が形成されにくく、密着性を充分に保つことができる。
【0033】
したがって、実施例1のセンサ1は、車室外側の水が車室内側に移動することをより確実に防止することができている。このため、このセンサ1は、車両等に搭載されても、水の侵入による配線のショート等の不具合が生じ難い。
【0034】
ここで、実施例1のセンサ1について、グロメット30内への水の浸入の有無を調べた。
【0035】
<試験例1>
試験例1では、実施例1のセンサ1のグロメット30の円柱部33に向けて、外部から所定の条件(噴射圧力:7〜8MPa、水量:10±1L/min、噴射時間:5秒/サイクル)で水を噴射して、グロメット30の円筒部32の内部空間に水が侵入するか否かを調べた。なお、試験例1として2個のセンサ1を用意した。
【0036】
その結果、実施例1のセンサ1において、1サイクル実施した後には、2つとも、円筒部32の内部空間に水は侵入しなかった。また、別途、3サイクル実施した後にも、2つとも、円筒部32の内部空間に水は侵入しなかった。
【0037】
<比較例1>
他方、図7(a)及び(b)に示すように、実施例1のセンサ1の周方向配置挿通孔51、54が第2直線Nと重なるように変更して、環状体40をかしめ固定したものを比較例1のセンサとして用意した。そして、その他の条件及び構成については試験例1と同一として、比較例1のセンサについて、グロメット30内への水の浸入の有無を調べた。なお、比較例1として2個のセンサ1を用意した。
【0038】
その結果、比較例1のセンサにおいて、1サイクル実施した後には、1つについては円筒部32の内部空間に水が侵入しなかったが、もう1つについては円筒部32の内部空間に水が侵入した。また、別途、3サイクル実施した後には、2つとも、円筒部32の内部空間に水が侵入した。
【0039】
上記試験例1及び比較例1の結果から、実施例1のセンサ1が、上述の作用効果を奏することが明らかである。
【実施例2】
【0040】
実施例2のセンサは、図1に示す被覆電線21〜24の全てを挿通させるチューブ70の先端70aが延長されて、センサ本体10に封止固定され、チューブ70の後端70bが延長されて、円柱部33と環状体40との間に介在するようにして、グロメット30に封止固定されている。その他の構成は実施例1のセンサ1と同様であるので、説明は省く。
【0041】
このような構成である実施例2のセンサでは、チューブ70の内部空間は、両端70a、70bが封止された閉空間となっている。このため、このセンサは、チューブ70内に挿通される被覆電線21〜24に水がかかる事態が一層生じ難くなっており、車室外側の水が車室内側に移動する不具合が一層生じ難い。
【0042】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明はセンサに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施例1のガスセンサの側面図である。
【図2】実施例1のガスセンサに係り、図1のII−II断面を示す断面図である。
【図3】実施例1のガスセンサに係り、グロメットの側面図(部分断面図)である。
【図4】実施例1のガスセンサに係り、グロメットの正面図(図3のA方向から見た図)である。
【図5】実施例1のガスセンサに係り、環状体の斜視図である。
【図6】実施例1のガスセンサに係り、(a)は環状体を円柱部の外周側にかしめ固定する工程を示す断面図であり、(b)は環状体がかしめ固定された円柱部を示す断面図である。
【図7】比較例1のガスセンサに係り、(a)は環状体を円柱部の外周側にかしめ固定する工程を示す断面図であり、(b)は環状体がかしめ固定された円柱部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1…センサ
10…センサ本体
21、22、23、24…被覆電線
29…コネクタ
30…グロメット
31…本体部
32…円筒部
33…円柱部
40…環状体
41…突出部
51、52、53、54…挿通孔(周方向配置挿通孔)
70…チューブ
K…第1直線
N…第2直線
L…中心(軸心)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象を検出するセンサ本体と、
該センサ本体と外部回路に接続するコネクタとを接続する複数の被覆電線と、
内部に複数の前記被覆導線の全てを挿通する筒状の本体部と、該本体部の一端から円柱状に突出する円柱部とを有するグロメットと、
該円柱部の外周にかしめ固定される環状体と、を備えるセンサにおいて、
前記円柱部には、前記被覆電線のそれぞれを挿通させる複数個の挿通孔が柱方向に延びるように形成され、
前記円柱部の柱方向に垂直な面で見たときに、
前記環状体は、前記円柱部の中心を通る第1直線方向に突出する突出部を形成し、
前記挿通孔は、前記円柱部の外周の近くに周方向で偶数個配置された周方向配置挿通孔を有し、
該周方向配置挿通孔は、前記円柱部の中心を通り、且つ前記第1直線に垂直な第2直線と重ならないことを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記挿通孔は4個の前記周方向配置挿通孔を有することを特徴とする請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
全ての前記被覆電線を挿通させるチューブを備え、
該チューブの一端側は前記センサ本体に封止固定され、該チューブの他端側は、前記円柱部と前記環状体との間に介在するようにして前記グロメットに封止固定されている請求項1又は2記載のセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−304236(P2008−304236A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−149968(P2007−149968)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】