説明

ソースドライバおよび液晶表示装置

【課題】ソースラインに接続されずに余る電位出力端が生じる場合でも、タイミングコントローラによるスタートパルス入力後に、ダミーデータなしで、実際の画像データを読み込むことができるソースドライバを提供する。
【解決手段】シフトレジスタ1は、ラッチ部5に対してデータ読み込み指示信号を出力するデータ読み込み指示信号出力部2を複数個備える。第1スイッチ3は、タイミングコントローラからのスタートパルスを一番左のデータ読み込み指示信号出力部2に入力するか、左から4番目のデータ読み込み指示信号出力部2に入力するかを切り替え可能である。第2スイッチ4は、スタートパルスを左から802番目のデータ読み込み指示信号出力部2に入力するか、左から799番目のデータ読み込み指示信号出力部2に入力するかを切り替え可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルのソースラインの電位を設定するソースドライバとそれを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを駆動する駆動回路が種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1には、ソースドライバの960個のソース端子を、1番目から320番目までのソース端子群、321番目から640番目までのソース端子群、および、641番目から960番目までのソース端子群の3つに区分し、区分毎に集中アンプ方式によって液晶パネルを駆動することが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、制御信号の発行タイミングや信号幅、出力極性等を任意に設定可能な回路構成を有することによって、VGA(Video Graphics Array)、WVGA(Wide-VGA )等を問わず、1種のICで多種の液晶パネルを表示できる液晶駆動回路が記載されている。
【0004】
以下、説明を簡単にするために、液晶パネルが、ソースラインおよびゲートラインを含むTFT(Thin Film Transistor)液晶パネルである場合を例にして説明する。
【0005】
また、表示回路の解像度の規格が種々知られている。このような解像度の種類として、上述のVGA(640RGB×480),WVGA(800RGB×480)の他に、SWVGA(1024RGB×600)等がある。なお、例えば、“640RGB×480”とは、横方向に640ピクセル存在し、そのそれぞれがR(赤色),G(緑色),B(青色)のサブピクセルを含み、縦方向に480ピクセル存在することを意味する。従って、この場合、ソースラインの本数は、640×3=1920本であり、ゲートラインの本数が480本となる。なお、以下の説明において、サブピクセルを画素と記す場合がある。
【0006】
また、一般に、VGA,WVGA,SWVGA等の液晶パネルにおけるソースラインの本数と、液晶パネルの駆動に用いられるソースドライバの電位出力端の数とは一致しない。例えば、804個の電位出力端を有するソースドライバ等が各種解像度の液晶パネルの駆動に用いられる。以下、804個の電位出力端を有するソースドライバを例にして説明する。なお、ここで述べた「電位出力端」とは、ソースラインに接続され、ソースラインの電位を設定する端子を意味する。
【0007】
液晶パネルのソースラインの本数よりもソースドライバの電位出力端の数の方が少ない場合、複数のソースドライバを用いて液晶パネルを駆動する。複数のソースドライバを用いると、それらのソースドライバの電位出力端の総数が、液晶パネルのソースラインの本数よりも多くなる。そして、電位出力端の総数がソースラインの本数を大きく上回る場合には、各ソースドライバの電位出力端の並びにおける中央部分の電位出力端群を使用しない。すなわち、中央部分の電位出力端群をソースラインに接続させない。なお、ソースラインに接続させない電位出力端を定める場合、R,G,Bの組単位で定めるので、中央部分においてソースラインに接続させないと定められる電位出力端の数は3の倍数にする必要がある。
【0008】
中央部分の電位出力端群をソースラインに接続させないようにしても、ソースラインの数と、使用すると定めた電位出力端の数(換言すれば、ソースラインに接続させると定めた電位出力端の数)は一致せず、ソースラインに接続されずに余る電位出力端が存在する。
【0009】
例えば、VGAの場合、液晶パネルのソースライン本数は、640×3=1920本である。この液晶パネルを、804個の電位出力端を有するソースドライバで駆動する場合、3個のソースドライバを用いれば、電位出力端の総数は2412個となり、ソースライン本数を上回る。このとき、電位出力端の総数とソースライン本数の差が大きくなるので、各ソースドライバにおける中央付近の電位出力端(具体的には、319番目から480番目までの電位出力端)を使用せずに、642個の電位出力端を使用することとする。この場合、使用すると定めた電位出力端の総数は、642×3=1926個であるが、ソースラインの本数は1920本であるため、6個の電位出力端が余る。なお、以下の説明において、電位出力端の順番は、視認側から見て左側を基準にして定めるものとする。
【0010】
また、例えば、WVGAの場合、液晶パネルのソースラインの本数は、800×3=2400本である。この液晶パネルを、804個の電位出力端を有するソースドライバで駆動する場合、3個のソースドライバを用いれば、電位出力端の総数は2412個となり、ソースライン本数を上回る。この場合には、電位出力端の総数とソースライン本数の差が小さいので、各ソースドライバにおいて、804個の電位出力端を全て使用すると定めればよい。この場合、使用すると定めた電位出力端の総数は、804×3=2412個となるが、ソースラインの本数は2400本であるので、12個の電位出力端が余る。
【0011】
また、例えば、SWVGAの場合、804個の電位出力端を有するソースドライバを4個用いて、各ドライバにおける中央付近の電位出力端を使用しないように定めればよい。この場合でも、使用すると定めた電位出力端の総数がソースラインの本数を上回ることになり、ソースラインに接続されずに残る電位出力端が生じる。
【0012】
図8および図9は、3個のソースドライバでVGAの液晶パネルを駆動する場合に余る電位出力端の配置例を示す説明図である。図8および図9において、ソースドライバ91の近傍に示した数は、ソースラインに接続させると定めた電位出力端の範囲を表し、ソースドライバ91において黒色で示した部分は、ソースラインに接続させないと定めた電位出力端の位置を示す。すなわち、各ソースドライバ91において、左から1番目から318番目までの電位出力端および左から481番目から804番目までの電位出力端がソースラインに接続させると定める。また、左から319番目から480番目までの電位出力端は、ソースラインに接続させないと定める。ただし、既に説明したように、この場合、6個の電位出力端がソースラインに接続されずに余る。
【0013】
ソースラインに接続されずに残る6個の電位出力端を、図8に示すように、視認側から見て一番右端に配置されるソースドライバの一番右側に集中させる構成が考えられる。すなわち、左側から1番目および2番目のソースドライバ91では、左から1番目から318番目までの電位出力端および左から481番目から804番目までの電位出力端をソースラインに接続させる。そして、一番右端のソースドライバでは、左から1番目から318番目までの電位出力端および左から481番目から804番目までの電位出力端のうち、右側から6番目までの電位出力端をソースラインに接続させずに余らせる。
【0014】
また、ソースラインに接続されずに残る6個の電位出力端を、図9に示すように、視認側から見て一番左側に配置されるソースドライバの左側と、一番右側に配置されるソースドライバの右側とに3つずつ均等に振り分ける構成が考えられる。すなわち、左側から1番目のソースドライバ91では、左から1番目から318番目までの電位出力端および左から481番目から804番目までの電位出力端のうち、左側から3番目までの電位出力端をソースラインに接続させずに余らせる。左から2番目のソースドライバ91では、左から1番目から318番目までの電位出力端および左から481番目から804番目までの電位出力端をソースラインに接続させる。そして、一番右端のソースドライバでは、左から1番目から318番目までの電位出力端および左から481番目から804番目までの電位出力端のうち、右側から3番目までの電位出力端をソースラインに接続させずに余らせる。
【0015】
図8および図9では、VGAの液晶パネルを3個のソースドライバで駆動する場合を例示したが、他の解像度の場合においても、図8や図9と同様に、余らせる電位出力端を右側に集中させたり、あるいは、左右に振り分けたりすればよい。
【0016】
また、一般に、ソースドライバは、タイミングコントローラ(図示略)からスタートパルスが入力された後、タイミングコントローラから入力されるクロック信号の周期に合わせて、画像データを順番に読み込む。ここで、液晶パネルを視認側から見た場合に、左側に位置するピクセルに対応する画像データから順に読み込んでいく態様を正スキャンと記す。逆に、右側に位置するピクセルに対応する画像データから順に読み込んでいく態様を逆スキャンと記す。
【0017】
また、ピクセルを単位として(換言すれば、R,G,Bの組を単位として)画像データを読み込むことを、「パラレルに画像データを読み込む」と称する場合がある。また、R,G,Bの個々のサブピクセルを単位として画像データを読み込むことを、「シリアルに画像データを読み込む」と称する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2009−69199号公報
【特許文献2】特開2005−241821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
図8に例示する構成とし、正スキャンで画像を読み込む場合、タイミングコントローラ(図示略)が一番左側のソースドライバにスタートパルスおよびクロック信号を入力すれば、そのソースドライバは、スタートパルスの入力後、クロック信号の周期に合わせて、画像データを読み込む。しかし、逆スキャンの場合には、右側に位置するピクセルに対応する画像データから順に読み込む。このとき、一番右側のソースドライバにおける右側の6個の電位出力端は、ソースラインに接続されていない。そのため、タイミングコントローラは、一番右側のソースドライバにスタートパルスを入力した後、2ピクセル分のダミーデータをそのソースドライバに読み込ませてから実際の画像データを読み込ませるように制御する必要がある。すなわち、図8に例示する構成とした場合、正スキャンの場合と逆スキャンの場合とで、タイミングコントローラは異なる動作をしなければならない。なお、2ピクセル分のダミーデータは、ソースドライバがパラレルに画像データを読み込む場合、クロック信号2周期分のデータに相当する。
【0020】
一方、図9に例示する構成では、正スキャンの場合、タイミングコントローラは、一番左側のソースドライバにスタートパルスを入力した後、1ピクセル分のダミーデータをそのソースドライバに読み込ませてから実際の画像データを読み込ませるように制御する。また、逆スキャンの場合、タイミングコントローラは、一番右側のソースドライバにスタートパルスを入力した後、1ピクセル分のダミーデータをそのソースドライバに読み込ませてから実際の画像データを読み込ませるように制御する。すなわち、タイミングコントローラは、正スキャンの場合と逆スキャンの場合とで同様の動作を行えばよい。ただし、ソースドライバにスタートパルスを入力した後、1ピクセル分のダミーデータをそのソースドライバに読み込ませてから実際の画像データを読み込ませるように制御しなければならない。そのため、タイミングコントローラにそのような制御を実行させるアプリケーションを用意しなければならなかった。
【0021】
そこで、本発明は、ソースラインに接続されずに余る電位出力端が生じる場合でも、タイミングコントローラによるスタートパルス入力後に、ダミーデータなしで、実際の画像データを読み込むことができるソースドライバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明による第1態様のソースドライバは、液晶パネルのソースラインに電位を設定するソースドライバであって、1画素分の画像データの読み込みを指示するデータ読み込み指示信号を出力するデータ読み込み指示信号出力部を複数個含み、外部から特定の制御信号(例えば、スタートパルス)を入力されたデータ読み込み指示信号出力部から、定められた順序でデータ読み込み指示信号を出力するシフトレジスタ(例えば、シフトレジスタ1,31)と、シフトレジスタから1つのデータ読み込み指示信号が入力される毎に、1画素分の画像データを読み込み、保持するラッチ手段(例えば、ラッチ部5,15)と、ラッチ手段に読み込まれた画像データに応じた電位の設定先として予め定められたソースラインに対して、その画像データに応じた電位を設定する電位設定手段(例えば、電位設定部7)とを備え、データ読み込み指示信号出力部がシフトレジスタ内に並べて配置され、外部から入力される特定の制御信号を、シフトレジスタ内のどのデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能なスイッチ(例えば、第1スイッチ3)を備えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明による第2態様のソースドライバは、シフトレジスタが、ラッチ手段に液晶パネルの所定側に該当する画像データから読み込ませる第1の読み込み態様(例えば、正スキャン)における動作と、ラッチ手段に所定側とは反対側に該当する画像データから読み込ませる第2の読み込み態様(例えば、逆スキャン)における動作とに切り替え可能であり、シフトレジスタが第1の読み込み態様に切り替えられた場合に、外部から入力される特定の制御信号を、シフトレジスタ内のどのデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能な第1のスイッチ(例えば、第1スイッチ3)と、シフトレジスタが第2の読み込み態様に切り替えられた場合に、外部から入力される特定の制御信号を、シフトレジスタ内のどのデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能な第2のスイッチ(例えば、第2スイッチ4)とを備える。
【0024】
また、本発明による第3態様のソースドライバは、シフトレジスタ(例えば、シフトレジスタ1)が、1つのデータ読み込み指示信号出力部から1つのデータ読み込み指示信号を出力し、ラッチ手段(例えば、ラッチ部5)が、データ読み込み指示信号に応じて、1画素分の画像データを読み込み、第1のスイッチが、kを1以上の整数のうちの1つとしたときに、外部から入力される特定の制御信号を、少なくとも、所定側から1番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるか、所定側から3・k+1番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能であり、第2のスイッチが、jを1以上の整数のうちの1つとし、データ読み込み指示信号出力部の数をnとしたときに、外部から入力される特定の制御信号を、少なくとも、所定側からn−2番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるか、所定側からn−3・(j+1)+1番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能である構成であってもよい。
【0025】
さらに、本発明による第4態様のソースドライバは、シフトレジスタ(例えば、シフトレジスタ31)が、1つのデータ読み込み指示信号出力部からデータ読み込み指示信号を出力し、ラッチ手段(例えば、ラッチ部15)が、データ読み込み指示信号に応じて、3画素分の画像データを読み込み、第1のスイッチが、kを2以上の整数のうちの1つとしたときに、外部から入力される特定の制御信号を、少なくとも、所定側から1番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるか、所定側からk番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能であり、第2のスイッチが、jを2以上の整数のうちの1つとし、データ読み込み指示信号出力部の数をnとしたときに、外部から入力される特定の制御信号を、少なくとも、所定側からn番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるか、所定側からn−j+1番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能である構成であってもよい。
【0026】
本発明による第5態様のソースドライバは、シフトレジスタが、当該シフトレジスタ内に並べて配置される複数のデータ読み込み指示信号出力部のうち、中央に連続して配置される所定のデータ読み込み指示信号出力部からのデータ読み込み指示信号の出力可否を切り替え可能である構成であってもよい。
【0027】
また、本発明による液晶表示装置は、第1から第5のうちのいずれか1つの態様のソースドライバを液晶パネルに複数個並べて実装させ、左端に配置されたソースドライバの左側から1本目の電位出力端は液晶パネルのソースラインに接続されず、右端に配置されたソースドライバの右側から1本目の電位出力端は液晶パネルのソースラインに接続されないことを特徴とする。
【0028】
また、本発明による液晶表示装置は、第1から第5のうちのいずれか1つの態様のソースドライバを液晶パネルに実装させ、ソースドライバの左側から1本目の電位出力端および/またはソースドライバの右側から1本目の電位出力端が液晶パネルのソースラインに接続されないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明のソースドライバおよび液晶表示装置によれば、ソースラインに接続されずに余る電位出力端が生じる場合でも、タイミングコントローラによるスタートパルス入力後に、ダミーデータなしで、実際の画像データを読み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態のソースドライバの例を示す説明図。
【図2】スタートパルスおよびCLKの例を示す説明図。
【図3】第1の実施形態における正スキャン時のキャリー信号の送り順の例を示す説明図。
【図4】第1の実施形態における逆スキャン時のキャリー信号の送り順の例を示す説明図。
【図5】本発明の第2の実施形態のソースドライバの例を示す説明図。
【図6】第2の実施形態における正スキャン時のキャリー信号の送り順の例を示す説明図。
【図7】第2の実施形態における逆スキャン時のキャリー信号の送り順の例を示す説明図。
【図8】3個のソースドライバでVGAの液晶パネルを駆動する場合に余る電位出力端の配置例を示す説明図。
【図9】3個のソースドライバでVGAの液晶パネルを駆動する場合に余る電位出力端の配置例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下の各実施形態の説明では、ソースドライバが804個の電位出力端を備える場合を例にするとともに、そのソースドライバを3個用いてVGAのTFT液晶パネルのソースラインの電位を設定する場合を例にする。ただし、ソースドライバの電位出力端の数は804個に限定されず、また、駆動対象となる液晶パネルの解像度は、VGAに限定されない。
【0032】
[実施形態1]
図1は、本発明の第1の実施形態のソースドライバの例を示す説明図である。第1の実施形態のソースドライバ10は、シフトレジスタ1と、ラッチ部5と、電位設定部7とを備える。また、図1では、液晶パネルの駆動に用いる3つのソースドライバのうち、1番左側のソースドライバを例示している。なお、この3つのソースドライバの構成はいずれも同様である。
【0033】
シフトレジスタ1は、データ読み込み指示信号を出力するデータ読み込み指示信号出力部2を複数個備える。データ読み込み指示信号は、1画素分の画像データの読み込みを指示する信号である。また、画素は、1つのピクセルに含まれるR,G,Bの個々のサブピクセルを意味するものとする。すなわち、R,G,Bの3つの画素(サブピクセル)が1つのピクセルをなす。以下、サブピクセルを画素と記す。また、R,G,Bの画素をそれぞれ、単にR画素、G画素、B画素と記す。
【0034】
画像データは、画素の画素値を表すデータである。
【0035】
本実施形態では、シフトレジスタ1は、804個のデータ読み込み指示信号出力部2を備える。各データ読み込み指示信号出力部2は、シフトレジスタ1内で並べて配置される。
【0036】
ラッチ部5は、シフトレジスタから1つのデータ読み込み指示信号が入力される毎に、1画素分の画像データを取り込み、その画像データを保持するデータ保持部6を複数個備える。本実施形態では、ラッチ部5は、804個のデータ保持部6を備える。なお、1つのデータ読み込み指示信号とは、例えば、1つのパルス信号である。
【0037】
電位設定部7は、データ読み込み指示信号出力部2が出力したデータ読み込み信号に起因してラッチ部5のデータ保持部6が読み込んだ画像データに応じた電位の設定先として予め定められたソースラインに対して、その画像データに応じた電位を設定する電位出力端を複数個備える。本実施形態では、804個の電位出力端D〜D804を備える。
【0038】
データ読み込み指示信号出力部2と、データ保持部6と、電位設定部7における電位出力端とは、一対一に対応する。データ読み込み指示信号出力部2およびデータ保持部6に記載した番号は、視認側から見て左から何番目のデータ読み込み指示信号出力部2またはデータ保持部6であるかを示す。
【0039】
また、本例において、本発明の液晶表示装置は、液晶パネルにソースドライバおよびゲートドライバが実装されている。液晶パネルは、マトリクス状に配置された画素電極(図示略)と、コモン電極(図示略)との間に液晶を挟持する。一般に、カラーフィルタはコモン電極に配置される。個々のソースラインは、1列分の画素電極にそれぞれTFTを介して接続される。また、液晶パネルは、複数のゲートライン(図示略)を備え、個々のゲートラインは1行分の画素電極にそれぞれTFTを介して接続される。本発明のソースドライバとともに用いられるゲートドライバは、ゲートラインを線順次に選択し、選択された行の画素電極は、TFTを介して、ソースライン(換言すれば、そのソースラインが接続された電位出力端)と等電位に設定される。この結果、液晶パネルに画像が表示される。
【0040】
本実施形態では、804個の電位出力端を備えるソースドライバを3つ用いてVGAの液晶パネルを駆動する。従って、左から319番目から480番目までの電位出力端D319〜D480には、ソースラインは接続されない。さらに、本発明のソースドライバは、図9に例示するように、余った電位出力端を左右の電位出力端に振り分けることが好ましいが、余った電位出力端を一方側に偏らせてもよい。本実施形態では、図9に例示するように、余った電位出力端を左右均等に振り分けた形態で説明する。図1では、液晶パネルの駆動に用いる3つのソースドライバのうち、1番左側のソースドライバを例示しているので、電位出力端D319〜D480の他に、左から3番目までの3つの電位出力端D〜Dにもソースラインは接続されない。従って、左から4番目から318番目までの電位出力端D〜D138、および左から481番目から804番目までの電位出力端D481〜D804にソースラインS〜S639が接続される。なお、図1に示すソースラインS〜S639は、VGAの液晶パネルのソースライン(1920本)のうちの一部である。
【0041】
電位出力端に接続されたソースラインは、その電位出力端に対応するデータ保持部6が保持する画像データに応じた電位の設定先として予め定められたソースラインであると言うことができる。例えば、左から4番目のデータ読み込み指示信号出力部2と、左から4番目のデータ保持部6と、左から4番目の電位出力端Dとが一対一に対応し、その電位出力端には、左から1番目のソースラインSが接続される。従って、左から4番目のデータ読み込み指示信号出力部2がデータ読み込み指示信号を出力すると、左から4番目のデータ保持部6がそのデータ読み込み指示信号に応じて一画素分の画像データを読み込む。そして、左から4番目の電位出力端Dが、その画像データに応じた電位を、ソースラインSに設定する。このように、ソースラインSは、左から4番目のデータ保持部6が保持する画像データに応じた電位の設定先として定められていることになる。他のソースラインに関しても同様である。
【0042】
また、図1では、3つのソースドライバのうち、一番左側のソースドライバを図示しているが、左から二番目のソースドライバ(図示略)では、左から1番目から318番目までの電位出力端D〜D138、および左から481番目から804番目までの電位出力端D481〜D804にソースラインが接続される。中央部の電位出力端D319〜D480には、ソースラインは接続されない。
【0043】
また、一番右のソースドライバ(図示略)では、図9に示す場合と同様に、左から1番目から318番目までの電位出力端D〜D138、および左から481番目から801番目までの電位出力端D481〜D801にソースラインが接続される。中央部の電位出力端D319〜D480には、ソースラインは接続されず、また、右から3番目までの3つの電位出力端D802〜D804にもソースラインは接続されない。
【0044】
この結果、液晶パネルの1920本のソースラインは、3つのソースドライバ10に接続される。
【0045】
また、液晶パネルの画素列は、左側からRの画素列、Gの画素列、Bの画素列の順に繰り返し並び、一番右側の画素列はBの画素列となる。従って、液晶パネルの画素列の数は3の倍数であり、ソースラインの本数も3の倍数である。
【0046】
このような画素列の並びに対応して、シフトレジスタ1内においても、R画素の画像データを読み込むデータ保持部6に対応するデータ読み込み指示信号出力部2、G画素の画像データを読み込むデータ保持部6に対応するデータ読み込み指示信号出力部2、およびB画素の画像データを読み込むデータ保持部6に対応するデータ読み込み指示信号出力部2が並べて配置される。従って、シフトレジスタ1内のデータ読み込み指示信号出力部2の数は3の倍数(本例では804個)である。以下、説明を簡単にするために、R画素の画像データを読み込むデータ保持部6に対応するデータ読み込み指示信号出力部2に関しては符号(R)を付す場合がある。同様に、G画素の画像データを読み込むデータ保持部6に対応するデータ読み込み指示信号出力部2に関しては符号(G)を付す場合がある。同様に、B画素の画像データを読み込むデータ保持部6に対応するデータ読み込み指示信号出力部2に関しては符号(B)を付す場合がある。
【0047】
なお、ソースラインに接続させない電位出力端を定める場合、R,G,Bの組単位で定めるので、中央部分においてソースラインに接続させないと定める電位出力端D319〜D480の数は3の倍数(本例では162個)である。また、一番左側のソースドライバ10の左側においてソースラインに接続されない電位出力端D〜Dの数も3の倍数(本例では3個)である。同様に、一番右側のソースドライバ(図示略)の右側においてソースラインに接続されない電位出力端D802〜D804の数も3の倍数(本例では3個)である。
【0048】
次に、シフトレジスタ1に関して詳細に説明する。ソースドライバは、タイミングコントローラ(図示略)の制御に従い、正スキャン、または逆スキャンで画像データを読み込む。タイミングコントローラは、例えば、ハイレベルまたはローレベルに切り替え可能なスキャン態様設定用信号をシフトレジスタに出力することにより、正スキャンとするか、逆スキャンとするかを制御する。スキャン態様設定用信号がハイレベルの時には、シフトレジスタ1が正スキャン時の動作を行い、スキャン態様設定用信号がローレベルの時には、シフトレジスタ1が逆スキャン時の動作を行うことで、正スキャン、逆スキャンを実現する。
【0049】
また、タイミングコントローラは、スキャン態様設定用信号の他に、スタートパルスおよびクロック信号(以下、CLKと記す。)を出力する。スタートパルスは、シフトレジスタ1に対してデータ読み込み指示信号の出力開始を指示する信号である。図2は、スタートパルスおよびCLKの例を示す説明図である。CLKの立ち下がりエッジから次の立ち下がりエッジまでがCLKの周期である。タイミングコントローラは、正スキャンとする場合、一番左のソースドライバのシフトレジスタ1(具体的には、後述の第1スイッチ3)にスタートパルスを出力し、逆スキャンとする場合、一番右側のソースドライバのシフトレジスタ1(具体的には、後述の第2スイッチ4)にスタートパルスを出力する。また、タイミングコントローラは、3つのソースドライバのシフトレジスタ1に対してそれぞれCLKを出力する。
【0050】
タイミングコントローラは、スタートパルスの周期を、液晶パネルにおけるゲートラインの選択の切り替え周期と等しくする。また、スタートパルスがハイレベルになっている期間は、図2に示すように、CLKの周期より短い。そして、タイミングコントローラは、スタートパルスがハイレベルになっている期間と、CLKの立ち上がりエッジが重なるようにスタートパルスおよびCLKを出力する。
【0051】
一番左側または一番右側のソースドライバにおいて、スタートパルスは、データ読み込み指示信号出力部2(R)のうちの1つに入力される。データ読み込み指示信号出力部2は、CLKの立ち上がりエッジにおいてスタートパルスがハイレベルになると、次のCLKの立ち上がりエッジでデータ読み込み指示信号を対応するデータ保持部6に出力するとともに、データ読み込み指示信号の出力の順番が回ってきたことを示す通知(以下、キャリー(carry )信号と記す。)を他のデータ読み込み指示信号出力部2に送る。キャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部2も、次のCLKの立ち上がりエッジでデータ読み込み指示信号を対応するデータ保持部6に出力するとともに、他のデータ読み込み指示信号出力部2にキャリー信号を送る。以降、同様に、キャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部2が、順次、データ読み込み指示信号を対応するデータ保持部6に出力する。この結果、ラッチ部5において、データ読み込み指示信号が入力されたデータ保持部6が、1画素分ずつ画像データを読み込み、保持する。従って、本実施形態のソースドライバは、シリアルに画像データを読み込む。
【0052】
キャリー信号を送る順序は、正スキャン時と逆スキャン時とで異なる。図3は、第1の実施形態における正スキャン時のキャリー信号の送り順の例を示す説明図である。なお、以下の説明では、左からi番目のデータ読み込み指示信号出力部2に関して、iを添え字として付して、“データ読み込み指示信号出力部2”と記す。同様に、ラッチ部5における左からi番目のデータ保持部6に関しても、iを添え字として付して、データ保持部6と記す。
【0053】
正スキャンの場合(例えば、スキャン態様設定用信号がハイレベルの場合)、シフトレジスタ1内のデータ読み込み指示信号出力部2は、視認側から見て右隣のデータ読み込み指示信号出力部2にキャリー信号を送る。図3に示す例では、第1スイッチ3によりスタートパルスが左から4番目のデータ読み込み指示信号出力部2(R)に入力された場合を示す。この場合、データ読み込み指示信号出力部2(R)を起点として、視認側からみて右側のデータ読み込み指示信号出力部2に順次キャリー信号が送られる。
【0054】
また、左から318番目のデータ読み込み指示信号出力部2318の右隣は、ソースラインに接続されない電位出力端D319に対応している。このような位置に該当する左から318番目のデータ読み込み指示信号出力部2318には、視認側から見て右隣のデータ読み込み指示信号出力部2319にキャリー信号を送るか、あるいは、視認側から見て右方向に位置し、ソースラインに接続された電位出力端に対応するデータ読み込み指示信号出力部2(R)の中で最も近いデータ読み込み指示信号出力部2(R)(本例では、左から481番目のデータ読み込み指示信号出力部2481(R))にキャリー信号を送るかを切り替えるスイッチ(図示略)が設けられる。本例では、このスイッチが、データ読み込み指示信号出力部2318からデータ読み込み指示信号出力部2481にキャリー信号を送るように設定されているものとする。この設定により、中央に連続して配置されるデータ読み込み指示信号出力部2319〜2480はデータ読み込み指示信号を出力しないことになる。また、上記のスイッチが、データ読み込み指示信号出力部2318からデータ読み込み指示信号出力部2319にキャリー信号を送るように設定されていれば、中央のデータ読み込み指示信号出力部2319〜2480はデータ読み込み指示信号を順次、出力することになる。
【0055】
データ読み込み指示信号出力部2481以降の各データ読み込み指示信号出力部2はそれぞれ、視認側から見て右隣のデータ読み込み指示信号出力部2にキャリー信号を送る。
【0056】
従って、キャリー信号は、データ読み込み指示信号出力部2(R),2(G),2(B),・・・,2318(B),2481(R),2482(G),2483(B),・・・2802(R),2803(G),2804(B)の順に送られる。
【0057】
なお、シフトレジスタ内で最後にキャリー信号を受け取るデータ読み込み指示信号出力部2804(B)は、視認側から見て右隣のソースドライバのシフトレジスタ1(具体的には、第1スイッチ3)にキャリー信号を送る。左隣のソースドライバから第1スイッチ3を介してキャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部2の動作も上記と同様である。
【0058】
上記のように、データ読み込み指示信号出力部2(R)を起点として、データ読み込み指示信号出力部2(R),2(G),2(B)の順にキャリー信号は送られていく。この点は、次に説明する逆スキャンの場合も同様である。
【0059】
図4は、第1の実施形態における逆スキャン時のキャリー信号の送り順の例を示す説明図である。図4では、3つのソースドライバのうち、一番右側に配置されたソースドライバのシフトレジスタ1を例にして説明する。逆スキャンの場合(例えば、スキャン態様設定用信号がローレベルの場合)、データ読み込み指示信号出力部2(R),2(G),2(B)のグループ内におけるデータ読み込み指示信号出力部2(R)を起点として、データ読み込み指示信号出力部2(R),2(G),2(B)の順にキャリー信号を送る。すなわち、このグループ内では、データ読み込み指示信号出力部2(R),2(G)は、視認側から見て右隣のデータ読み込み指示信号出力部2にキャリー信号を送る。そして、データ読み込み指示信号出力部2(B)は、そのグループの左隣のデータ読み込み指示信号出力部2(R),2(G),2(B)のグループ内におけるデータ読み込み指示信号出力部2(R)にキャリー信号を送る。以降、同様の順にキャリー信号を送る。図4に示す例では、第2スイッチ4によりスタートパルスがデータ読み込み指示信号出力部2799(R)に入力された場合を示す。この場合、データ読み込み指示信号出力部2799(R),2800(G),2801(B),2796(R),2797(G),2798(B),・・・の順にキャリー信号が送られる。
【0060】
また、左から481番目のデータ読み込み指示信号出力部2481(R)を起点とするグループ(データ読み込み指示信号出力部2481(R),2482(G),2483(B))の左隣のグループは、ソースラインに接続されていない電位出力端に対応する。このような位置に該当するグループにおけるB画素に対応するデータ読み込み指示信号出力部2483(B)には、視認側から見て左隣のグループにおけるRに対応するデータ読み込み指示信号出力部2478(R)にキャリー信号を送るか、あるいは、視認側から見て左方向に位置し、ソースラインに接続された電位出力端に対応するデータ読み込み指示信号出力部2(R)の中で最も近いデータ読み込み指示信号出力部2(R)(本例では、左から316番目のデータ読み込み指示信号出力部2316(R))にキャリー信号を送るかを切り替えるスイッチ(図示略)が設けられる。本例では、このスイッチが、データ読み込み指示信号出力部2483(B)から、データ読み込み指示信号出力部2316(R)にキャリー信号を送るように設定されているものとする。この設定により、中央に連続して配置されるデータ読み込み指示信号出力部2319〜2480はデータ読み込み指示信号を出力しないことになる。また、上記のスイッチが、データ読み込み指示信号出力部2483(B)から、データ読み込み指示信号出力部2478(R)にキャリー信号を送るように設定されていれば、中央のデータ読み込み指示信号出力部2319〜2480はデータ読み込み指示信号を出力することになる。
【0061】
データ読み込み指示信号出力部2316(R)以降においても、グループ内ではデータ読み込み指示信号出力部2(R),2(G),2(B)の順にキャリー信号を送り、データ読み込み指示信号出力部2(B)は、その左隣のグループ内におけるデータ読み込み指示信号出力部2(R)にキャリー信号を送る。
【0062】
従って、キャリー信号は、データ読み込み指示信号出力部2799(R),2800(G),2801(B),2796(R),2797(G),2798(B),・・・,2481(R),2482(G),2483(B),2316(R),2317(G),2318(B),2313(R),・・・,2(B),2(R),2(G),2(B)の順に送られる。
【0063】
なお、シフトレジスタ内で最後にキャリー信号を受け取るデータ読み込み指示信号出力部2(B)は、視認側から見て左隣のソースドライバのシフトレジスタ1(具体的には、第2スイッチ4)にキャリー信号を送る。右隣のソースドライバから第2スイッチ4を介してキャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部2の動作も上記と同様である。
【0064】
次に、第1スイッチ3および第2スイッチ4について説明する。第1スイッチ3および第2スイッチ4は、例えば、シフトレジスタ1内に設けられる。
【0065】
第1の実施形態において、kを1以上の整数のうちの1つとする。同様に、jを1以上の整数のうちの1つとする。また、1つのソースドライバのシフトレジスタ1内のデータ読み込み指示信号出力部2の数をnとする。本実施形態ではn=804である。
【0066】
第1スイッチ3は、正スキャン時にタイミングコントローラから入力されたスタートパルス、あるいは視認側から見て左隣のソースドライバから入力されたキャリー信号(以下、両者をまとめて「スタートパルス等」と記す。)を、どのデータ読み込み指示信号出力部2に入力させるかを切り替え可能なスイッチである。
【0067】
具体的には、第1スイッチ3は、少なくとも、スタートパルス等を一番左側のデータ読み込み指示信号出力部2(R)に入力させるのか、または左から3・k+1番目のデータ読み込み指示信号出力部23・k+1(R)に入力させるのかを切り替え可能なスイッチである。なお、左から3・k+1番目のデータ読み込み指示信号出力部2は、いずれもR画素に対応する。このため、ラッチ部5は、Rの画像データから、R,G,Bの順に繰り返し読み込むことになる。
【0068】
本実施形態では、一番左側のソースドライバにおいて、左から4番目のデータ読み込み指示信号出力部2(R)にスタートパルスを入力させるか否かを切り替え可能とするため、k=1とする。このとき、3・k+1=4である。従って、第1スイッチ3は、少なくとも、スタートパルス等を、データ読み込み指示信号出力部2(R)に入力させるか、あるいは、データ読み込み指示信号出力部2(R)に入力させるかを切り替え可能なスイッチである。
【0069】
本例では、液晶パネルの解像度がVGAである場合を例にしているので、k=1としたが、液晶パネルの解像度がWVGA、SWVGA等の場合には、スタートパルスを入力させない左側のデータ読み込み指示信号出力部2の個数に応じてkを定めればよい。
【0070】
また、本例において、VGA以外の液晶パネルにも適用できるように、第1スイッチ3は、データ読み込み指示信号出力部2(R),2(R)の他に、他のデータ読み込み指示信号出力部2(R)にもスタートパルス等を入力するように切り替え可能であってもよい。
【0071】
本実施形態では、3つのソースドライバのうち、視認側から見て一番左のソースドライバの第1スイッチ3は、データ読み込み指示信号出力部2(R)にスタートパルス等を入力するように切り替えられる。残りの2つのソースドライバの第1スイッチ3は、データ読み込み指示信号出力部2(R)にスタートパルス等を入力するように設定する。
【0072】
第2スイッチ4は、逆スキャン時にタイミングコントローラから入力されたスタートパルス、あるいは視認側から見て右隣のソースドライバから入力されたキャリー信号(すなわち、スタートパルス等)を、どのデータ読み込み指示信号出力部2に入力させるかを切り替え可能なスイッチである。
【0073】
具体的には、第2スイッチ4は、少なくとも、スタートパルス等を左からn−2番目のデータ読み込み指示信号出力部2n−2(R)に入力させるのか、または、左からn−3・(j+1)+1番目のデータ読み込み指示信号出力部2n−3・(j+1)+1(R)に入力させるのかを切り替え可能なスイッチである。なお、左からn−3・(j+1)+1番目のデータ読み込み指示信号出力部2は、いずれもR画素に対応する。従って、ラッチ部5は、R画素の画像データから、R,G,Bの順に繰り返し読み込むことになる。
【0074】
本実施形態では、一番右側のソースドライバにおいて、右から6番目のデータ読み込み指示信号出力部2799にスタートパルスを入力させるか否かを切り替え可能とするため、j=1とする。このとき、n−3・(j+1)+1=799である。従って、第2スイッチ4は、少なくとも、スタートパルス等を、データ読み込み指示信号出力部2802(R)に入力させるか、あるいは、データ読み込み指示信号出力部2799(R)に入力させるかを切り替え可能なスイッチである。
【0075】
本例では、液晶パネルの解像度がVGAである場合を例にしているので、j=1としたが、液晶パネルの解像度がWVGA、SWVGA等の場合には、スタートパルスを入力させない右側のデータ読み込み指示信号出力部2の個数に応じてjを定めればよい。
【0076】
また、本例において、VGA以外の液晶パネルにも適用できるように、第2スイッチ4は、データ読み込み指示信号出力部2802(R),2799(R)の他に、他のデータ読み込み指示信号出力部2(R)にもスタートパルス等を入力するように切り替え可能であってもよい。
【0077】
本実施形態では、3つのソースドライバのうち、視認側から見て一番右のソースドライバの第2スイッチ4は、データ読み込み指示信号出力部2799(R)にスタートパルス等を入力するように切り替えられる。残りの2つのソースドライバの第2スイッチ4は、データ読み込み指示信号出力部2802(R)にスタートパルス等を入力するように設定する。
【0078】
電位設定部7は、ラッチ部5のデータ保持部6が読み込んで保持している画像データをまとめて読み込み、その画像データに対してレベルシフトを行い、レベルシフト後の画像データに対してD−A変換を行う。このD−A変換により、画像データに応じた電位が得られる。電位設定部7は、このD−A変換後の電位を、ボルテージフォロワを介して出力する。このボルテージフォロワの出力端が、ソースドライバの電位出力端D〜D804(図1参照)に該当する。
【0079】
ただし、左から319番目から480番目までの各データ保持部6には、データ読み込み指示信号が入力されないので、画像データが保持されない。よって、これらのデータ保持部6に関しては、電位設定部7は、画像データの読み込み、レベルシフト、D−A変換を行わない。あるいは、D−A変換を行っても変換後の出力はLowとする。また、電位設定部7は、これらのデータ保持部6に対応する電位出力端D319〜D480の状態を、ハイインピーダンス状態としてもよい。
【0080】
また、3つのソースドライバのうち、一番左のソースドライバにおける左から3番目までのデータ保持部6に関しても、そのソースドライバの電位設定部7は、画像データの読み込み、レベルシフト、D−A変換を行わない。あるいは、D−A変換を行っても変換後の出力はLowとする。そして、その電位設定部7は、これらのデータ保持部6に対応する電位出力端D〜Dの状態を、ハイインピーダンス状態としてもよい。
【0081】
同様に、3つのソースドライバのうち、一番右のソースドライバにおける右から3番目までのデータ保持部6に関しても、そのソースドライバの電位設定部7は、画像データの読み込み、レベルシフト、D−A変換を行わない。あるいは、D−A変換を行っても変換後の出力はLowとする。そして、その電位設定部7は、これらのデータ保持部6に対応する電位出力端D802〜D804の状態を、ハイインピーダンス状態としてもよい。
【0082】
次に、動作について説明する。
まず、正スキャン時の動作について説明する。既に説明したように、視認側から見て一番左のソースドライバの第1スイッチ3は、データ読み込み指示信号出力部2(R)にスタートパルス等を入力するように切り替えられている。また、残りの2つのソースドライバの第1スイッチ3は、データ読み込み指示信号出力部2(R)にスタートパルス等を入力するように切り替えられている。また、タイミングコントローラ(図示略)は、スキャン態様設定用信号をハイレベルに維持して、各ソースドライバのシフトレジスタ1に出力しているものとする。
【0083】
タイミングコントローラ(図示略)は、図2に例示するCLKを、各ソースドライバのシフトレジスタ1に出力する。また、視認側から見て一番左のソースドライバの第1スイッチ3には、液晶パネルにおけるゲートラインの選択の切り替え周期と等しい周期で、スタートパルスを出力する。タイミングコントローラがスタートパルスを出力すると、スタートパルスの1周期の間に、各ソースドライバのシフトレジスタ1およびラッチ部5は、以下のように動作する。
【0084】
一番左のソースドライバの第1スイッチ3は、タイミングコントローラから入力されたスタートパルスをデータ読み込み指示信号出力部2(R)に入力する。データ読み込み指示信号出力部2(R)は、CLKの立ち上がりエッジにおいてスタートパルスがハイレベルになると、次のCLKの立ち上がりエッジでデータ読み込み指示信号を対応するデータ保持部6に出力する。従って、データ保持部6は、R画素の画像データを読み込み、保持する。また、データ読み込み指示信号出力部2(R)は、キャリー信号を次のデータ読み込み指示信号出力部2(G)に送る。キャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部2(G)は、次のCLKの立ち上がりエッジでデータ読み込み指示信号を対応するデータ保持部6に出力する。従って、データ保持部6は、G画素の画像データを読み込み、保持する。そして、データ読み込み指示信号出力部2(G)は、キャリー信号を次のデータ読み込み指示信号出力部2(B)に送る。以降、同様の動作を繰り返す。
【0085】
正スキャン時のキャリー信号の送り順は、既に説明したように、データ読み込み指示信号出力部2(R),2(G),2(B),・・・,2318(B),2481(R),2482(G),2483(B),・・・2802(R),2803(G),2804(B)の順である。従って、ラッチ部5におけるデータ保持部6〜6318およびデータ保持部6481〜6804が画像データを読み込み、保持する。
【0086】
また、一番左側のソースドライバにおけるデータ読み込み指示信号出力部2804(B)は、左から2番目のソースドライバの第1スイッチ3にキャリー信号を送る。左から2番目のソースドライバにおいて、このキャリー信号は、第1スイッチ3を介して、データ読み込み指示信号出力部2(R)に入力される。以降の動作は、データ読み込み指示信号出力部2(R)を起点とする他は、一番左側のソースドライバと同様である。従って、左から2番目のソースドライバでは、データ読み込み指示信号出力部2(R),2(G),2(B),・・・,2318(B),2481(R),2482(G),2483(B),・・・2802(R),2803(G),2804(B)の順にキャリー信号が送られる。その結果、ラッチ部5におけるデータ保持部6〜6318およびデータ保持部6481〜6804が画像データを読み込み、保持する。
【0087】
また、左から2番目のソースドライバにおけるデータ読み込み指示信号出力部2804(B)は、一番右側のソースドライバの第1スイッチ3にキャリー信号を送る。一番右側のソースドライバにおいて、このキャリー信号は、第1スイッチ3を介して、データ読み込み指示信号出力部2(R)に入力される。従って、一番右側のソースドライバの動作は、左から2番目のソースドライバの動作と同様である。ただし、VGAの液晶パネルにおける左から1920番目の画素(1行における右端の画素)の画像データは、データ保持部6801に読み込まれ、データ保持部6802〜6804は、データを読み込まない。
【0088】
3つのソースドライバのシフトレジスタ1およびラッチ部5は、スタートパルスの周期内で、以上の動作を完了する。この結果、液晶パネルの1行分に相当する1920個の画像データが、3つのソースドライバのラッチ部5に記憶される。
【0089】
各ソースドライバの電位設定部7は、次のスタートパルス前のデータ読み込み指示信号を検出すると、ラッチ部5に保持されている画像データを読み込み、その画像データに対してレベルシフトを行い、レベルシフト後の画像データに対してD−A変換を行う。そして、D−A変換後の電位(画像データに応じた電位)を、ボルテージフォロワを介して、電位出力端から出力する。画像データを保持していたデータ保持部6に対応する電位出力端には、ソースラインが接続されている。従って、1920本の各ソースラインには、1920個の画像データに応じた電位がそれぞれ設定される。
【0090】
各ソースドライバは、スタートパルスの周期毎に同様の動作を繰り返す。すなわち、スタートパルスの1周期で、1行分の画像データを読み込み、次の周期のスタートパルスの発行前のデータ読み込み指示信号を検出すると、その画像データに応じた電位をソースラインに設定する。
【0091】
次に、逆スキャン時の動作について説明する。既に説明したように、視認側から見て一番右のソースドライバの第2スイッチ4は、データ読み込み指示信号出力部2799(R)にスタートパルス等を入力するように切り替えられている。残りの2つのソースドライバの第2スイッチ4は、データ読み込み指示信号出力部2802(R)にスタートパルス等を入力するように切り替えられている。また、タイミングコントローラ(図示略)は、スキャン態様設定用信号をローレベルに維持して、各ソースドライバのシフトレジスタ1に出力しているものとする。
【0092】
タイミングコントローラ(図示略)は、図2に例示するCLKを、各ソースドライバのシフトレジスタ1に出力する。また、視認側から見て一番右のソースドライバの第2スイッチ4には、液晶パネルにおけるゲートラインの選択の切り替え周期と等しい周期で、スタートパルスを出力する。タイミングコントローラがスタートパルスを出力すると、スタートパルスの1周期の間に、各ソースドライバのシフトレジスタ1およびラッチ部5は、以下のように動作する。
【0093】
1番右のソースドライバの第2スイッチ4は、タイミングコントローラから入力されたスタートパルスをデータ読み込み指示信号出力部2799(R)に入力する。データ読み込み指示信号出力部2799(R)は、CLKの立ち上がりエッジにおいてスタートパルスがハイレベルになると、次のCLKの立ち上がりエッジでデータ読み込み指示信号を対応するデータ保持部6799に出力する。従って、データ保持部6799は、R画素の画像データを読み込み、保持する。また、データ読み込み指示信号出力部2799(R)は、キャリー信号を次のデータ読み込み指示信号出力部2800(G)に送る。キャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部2800(G)は、次のCLKの立ち上がりエッジでデータ読み込み指示信号を対応するデータ保持部6800に出力する。従って、データ保持部6800は、G画素の画像データを読み込み、保持する。そして、データ読み込み指示信号出力部2800(G)は、キャリー信号を次のデータ読み込み指示信号出力部2801(B)に送る。以降、同様の動作を繰り返す。
【0094】
逆スキャン時のキャリー信号の送り順は、既に説明したように、データ読み込み指示信号出力部2799(R),2800(G),2801(B),2796(R),2797(G),2798(B),・・・,2481(R),2482(G),2483(B),2316(R),2317(G),2318(B),2313(R),・・・,2(B),2(R),2(G),2(B)の順である。従って、従って、ラッチ部5におけるデータ保持部6〜6318およびデータ保持部6481〜6801が画像データを読み込み、保持する。
【0095】
また、一番右側のソースドライバにおけるデータ読み込み指示信号出力部2804(B)は、左から2番目のソースドライバの第2スイッチ4にキャリー信号を送る。左から2番目のソースドライバにおいて、このキャリー信号は、第2スイッチ4を介して、データ読み込み指示信号出力部2802(R)に入力される。以降の動作は、データ読み込み指示信号出力部2802(R)を起点とする他は、一番右側のソースドライバと同様である。従って、左から2番目のソースドライバでは、データ読み込み指示信号出力部2802(R),2803(G),2804(B),2799(R),2800(G),2801(B),2796(R),2797(G),2798(B),・・・,2481(R),2482(G),2483(B),2316(R),2317(G),2318(B),2313(R),・・・,2(B),2(R),2(G),2(B)の順にキャリー信号が送られる。その結果、ラッチ部5におけるデータ保持部6〜6318およびデータ保持部6481〜6804が画像データを読み込み、保持する。
【0096】
また、左から2番目のソースドライバにおけるデータ読み込み指示信号出力部2(B)は、一番左側のソースドライバの第2スイッチ4にキャリー信号を送る。一番左側のソースドライバにおいて、このキャリー信号は、第2スイッチ4を介して、データ読み込み指示信号出力部2802(R)に入力される。従って、一番左側のソースドライバの動作は、左から2番目のソースドライバの動作と同様である。ただし、VGAの液晶パネルにおける右から1920番目の画素(1行における左端の画素)の画像データは、データ保持部6に読み込まれ、データ保持部6〜6は、データを読み込まない。
【0097】
3つのソースドライバのシフトレジスタ1およびラッチ部5は、スタートパルスの周期内で、以上の動作を完了する。この結果、液晶パネルの1行分に相当する1920個の画像データが、3つのソースドライバのラッチ部5に記憶される。
【0098】
各ソースドライバの電位設定部7の動作は正スキャン時と同様である。すなわち、各ソースドライバの電位設定部7は、次のスタートパルス前のデータ読み込み指示信号を検出すると、ラッチ部5に保持されている画像データを読み込み、その画像データに対してレベルシフトを行い、レベルシフト後の画像データに対してD−A変換を行う。そして、D−A変換後の電位(画像データに応じた電位)を、ボルテージフォロワを介して、電位出力端から出力する。画像データを保持していたデータ保持部6に対応する電位出力端には、ソースラインが接続されている。従って、1920本の各ソースラインには、1920個の画像データに応じた電位がそれぞれ設定される。
【0099】
各ソースドライバは、スタートパルスの周期毎に同様の動作を繰り返す。すなわち、スタートパルスの1周期で、1行分の画像データを読み込み、次のスタートパルス前のデータ読み込み指示信号を検出すると、その画像データに応じた電位をソースラインに設定する。
【0100】
本実施形態によれば、第1スイッチ3および第2スイッチ4を備えている。従って、正スキャン時には第1スイッチ3に入力されたスタートパルスをデータ読み込み指示信号出力部2(R)に直接入力することができる。また、逆スキャン時には第2スイッチ4に入力されたスタートパルスをデータ読み込み指示信号出力部2799(R)に直接入力することができる。従って、一番左側のソースドライバにおける左側の電位出力端や、一番右側のソースドライバにおける右側の電位出力端がソースラインに接続されなくても、ソースドライバは、スタートパルスの入力後、ダミーデータなしで、直接、実際の画像データの読み込みを開始することができる。
【0101】
また、中央に連続して配置されるデータ読み込み指示信号出力部319〜480からデータ読み込み指示信号を出力するか否かを切り替えることができるので、本実施形態のソースドライバの適用範囲を広げることができる。例えば、WVGAの液晶パネルを3個のソースドライバで駆動する液晶表示装置にも適用できる。さらに1個のソースドライバで駆動する液晶表示装置にも適用できる。この場合、ソースドライバの左側から1本目の電位出力端および/またはソースドライバの右側から1本目の電位出力端が液晶パネルのソースラインに接続されない。
【0102】
さらに、上記実施形態では、ソースドライバの両端に2つのスイッチを配置したが、一端側に1つのスイッチを配置してもよい。
【0103】
[実施形態2]
図5は、本発明の第2の実施形態のソースドライバの例を示す説明図である。第2の実施形態のソースドライバ30は、シフトレジスタ31と、ラッチ部15と、電位設定部7とを備える。また、図5では、液晶パネルの駆動に用いる3つのソースドライバのうち、1番左側のソースドライバを例示している。なお、この3つのソースドライバの構成はいずれも同様である。
【0104】
シフトレジスタ31は、データ読み込み指示信号を出力するデータ読み込み指示信号出力部32を複数個備える。本実施形態では、シフトレジスタ31は、268個のデータ読み込み指示信号出力部32を備える。データ読み込み指示信号出力部32の個数は、電位設定部7の電位出力端の数の1/3である。各データ読み込み指示信号出力部32は、シフトレジスタ31内で並べて配置される。
【0105】
本実施形態におけるデータ読み込み指示信号出力部32は、3つのラッチ部(後述のR用ラッチ部15、G用ラッチ部15、B用ラッチ部15)にデータ読み込み指示信号を出力する。データ読み込み指示信号は同一のものであってもよいし、3つの信号であってもよい。
【0106】
ラッチ部15は、R用ラッチ部15と、G用ラッチ部15と、B用ラッチ部15とを含む。R用ラッチ部15、G用ラッチ部15、およびB用ラッチ部15は、それぞれ第1の実施形態におけるデータ保持部6と同様のデータ保持部6(図5において図示略)を備える。データ保持部6は、1つのデータ読み込み指示信号が入力される毎に、1画素分の画像データを取り込み、その画像データを保持する。このとき、R用ラッチ部15のデータ保持部6は、R画素1画素分の画像データを取り込む。G用ラッチ部15は、G画素1画素分の画像データを取り込む。B用ラッチ部15は、B画素1画素分の画像データを取り込む。
【0107】
また、R用ラッチ部15が備えるデータ保持部6の数、G用ラッチ部15が備えるデータ保持部6の数、およびB用ラッチ部15が備えるデータ保持部6の数はそれぞれ、データ読み込み指示信号出力部32の個数と同数の268個である。
【0108】
以下、説明を簡単にするために、R用ラッチ部15が備えるデータ保持部6のうち、左からi番目のデータ保持部を符号“6(R)”で表す。同様に、G用ラッチ部15が備えるデータ保持部6のうち、左からi番目のデータ保持部を符号“6(G)”で表す。B用ラッチ部15が備えるデータ保持部6のうち、左からi番目のデータ保持部を符号“6(B)”で表す。
【0109】
電位設定部7は、R用ラッチ部15、G用ラッチ部15、およびB用ラッチ部15が保持した液晶パネル1行分の画素の画像データ(1920画素分の画像データ)を読み込む。その他の点に関しては、第1の実施形態における電位設定部7と同様である。
【0110】
R用ラッチ部15、G用ラッチ部15、およびB用ラッチ部15が備える各データ保持部6(図5において図示略)と、電位設定部7における電位出力端とは、一対一に対応する。具体的には、R用ラッチ部15における左からi番目のデータ保持部6(R)は、電位出力端D3・i−2に対応する。すなわち、電位設定部7は、データ保持部6(R)に記憶された画像データに応じた電位を電位出力端D3・i−2から出力する。同様に、G用ラッチ部15における左からi番目のデータ保持部6(G)は、電位出力端D3・i−1に対応する。同様に、B用ラッチ部15における左からi番目のデータ保持部6(B)は、電位出力端D3・iに対応する。
【0111】
また、前述のように、データ読み込み指示信号出力部32は、同時に3つのデータ読み込み指示信号を出力する。具体的には、視認側から見て左からi番目のデータ読み込み指示信号出力部32は、データ保持部6(R)、データ保持部6(G)、およびデータ保持部6(B)に対して、同時に1つずつデータ読み込み指示信号を出力する。従って、左からi番目のデータ読み込み指示信号出力部32と、データ保持部6(R)、データ保持部6(G)、およびデータ保持部6(B)とが対応する。
【0112】
3つのソースドライバ30によって駆動される液晶パネルは、第1の実施形態における液晶パネルと同様であり、説明を省略する。本実施形態においてもソースラインの本数は、3の倍数である。また、3つのソースドライバにおける各電位出力端のうち、液晶パネルの1920本のソースラインが接続される電位出力端に関しても第1の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0113】
次に、シフトレジスタ31に関して詳細に説明する。ソースドライバ30は、タイミングコントローラ(図示略)の制御に従い、正スキャンまたは逆スキャンで画像データを読み込む。例えば、タイミングコントローラから入力されるスキャン態様設定用信号がハイレベルの時には、シフトレジスタ31は、正スキャン時の動作を行う。また、スキャン態様設定用信号がローレベルの時には、シフトレジスタ31は、逆スキャン時の動作を行う。
【0114】
また、タイミングコントローラは、スキャン態様設定用信号の他に、スタートパルスおよびクロック信号(CLK)を出力する。タイミングコントローラによるスタートパルスおよびCLKの出力態様は第1の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0115】
一番左側または一番右側のソースドライバにおいて、スタートパルスは、データ読み込み指示信号出力部32のうちの1つに入力される。データ読み込み指示信号出力部32は、CLKの立ち上がりエッジにおいてスタートパルスがハイレベルになると、次のCLKの立ち上がりエッジで、同時に3つのデータ読み込み指示信号を出力する場合について説明する。具体的には、R用ラッチ部15内の対応するデータ保持部6(図5において図示略)、G用ラッチ部15内の対応するデータ保持部6(図5において図示略)、およびB用ラッチ部15内の対応するデータ保持部6(図5において図示略)に対して、それぞれ1つずつデータ読み込み指示信号を出力する。また、そのデータ読み込み指示信号出力部32は、データ読み込み指示信号の出力とともに、キャリー信号を次のデータ読み込み指示信号出力部32に送る。
【0116】
キャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部32も、次のCLKの立ち上がりエッジで、R用ラッチ部15、G用ラッチ部15、およびB用ラッチ部15に対して同様にデータ読み込み指示信号を出力するとともに、他のデータ読み込み指示信号出力部32にキャリー信号を送る。以降、同様に、キャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部32が、順次、R用ラッチ部15、G用ラッチ部15、およびB用ラッチ部15に対してデータ読み込み指示信号を出力する。
【0117】
この結果、R用ラッチ部15、G用ラッチ部15、およびB用ラッチ部15が、それぞれ1画素分ずつ、画像データを読み込み、保持する。換言すれば、ラッチ部15は、R画素、G画素およびB画素の3画素分の画像データを読み込み、保持する。
【0118】
キャリー信号を送る順序は、正スキャン時と逆スキャン時とで異なる。図6は、第2の実施形態における正スキャン時のキャリー信号の送り順の例を示す説明図である。なお、以下の説明では、左からi番目のデータ読み込み指示信号出力部32に関して、iを添え字として付して、“データ読み込み指示信号出力部32”と記す。
【0119】
正スキャンの場合(例えば、スキャン態様設定用信号がハイレベルの場合)、シフトレジスタ31内のデータ読み込み指示信号出力部32は、視認側から見て右隣のデータ読み込み指示信号出力部32にキャリー信号を送る。図6に示す例では、第1スイッチ3によりスタートパルスが左から2番目のデータ読み込み指示信号出力部32に入力された場合を示す。この場合、データ読み込み指示信号出力部32を起点として、視認側からみて右側のデータ読み込み指示信号出力部32に順次キャリー信号が送られる。
【0120】
また、左から106番目のデータ読み込み指示信号出力部32106の右隣は、ソースラインに接続されない電位出力端D319〜D321に対応している。このような位置に該当する左から106番目のデータ読み込み指示信号出力部32106には、視認側から見て右隣のデータ読み込み指示信号出力部32107にキャリー信号を送るか、あるいは、視認側から見て右方向に位置し、ソースラインに接続された電位出力端に対応するデータ読み込み指示信号出力部32の中で最も近いデータ読み込み指示信号出力部32(本例では、左から161番目のデータ読み込み指示信号出力部32161)にキャリー信号を送るかを切り替えるスイッチ(図示略)が設けられる。本例では、このスイッチが、データ読み込み指示信号出力部32106からデータ読み込み指示信号出力部32161にキャリー信号を送るように設定されているものとする。この設定により、中央に連続して配置されるデータ読み込み指示信号出力部32107〜32160はデータ読み込み指示信号を出力しないことになる。また、上記のスイッチが、データ読み込み指示信号出力部32106からデータ読み込み指示信号出力部32107にキャリー信号を送るように設定されていれば、中央のデータ読み込み指示信号出力部32107〜32160はデータ読み込み指示信号を出力することになる。
【0121】
データ読み込み指示信号出力部32161以降の各データ読み込み指示信号出力部32はそれぞれ、視認側から見て右隣のデータ読み込み指示信号出力部32にキャリー信号を送る。
【0122】
従って、キャリー信号は、データ読み込み指示信号出力部32,32,32,・・・,32106,32161,32162,・・・,32267,32268の順に送られる。
【0123】
なお、シフトレジスタ内で最後にキャリー信号を受け取るデータ読み込み指示信号出力部32268は、視認側から見て右隣のソースドライバのシフトレジスタ31(具体的には、第1スイッチ3)にキャリー信号を送る。左隣のソースドライバから第1スイッチ3を介してキャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部32の動作も上記と同様である。
【0124】
図7は、第2の実施形態における逆スキャン時のキャリー信号の送り順の例を示す説明図である。逆スキャンの場合(例えば、スキャン態様設定用信号がローレベルの場合)、シフトレジスタ31内のデータ読み込み指示信号出力部32は、視認側から見て左隣のデータ読み込み指示信号出力部32にキャリー信号を送る。図7に示す例では、一番右のソースドライバの第2スイッチ4によりスタートパルスが左から267番目のデータ読み込み指示信号出力部32267に入力された場合を示す。この場合、データ読み込み指示信号出力部32267を起点として、視認側からみて左側のデータ読み込み指示信号出力部32に順次キャリー信号が送られる。
【0125】
また、左から161番目のデータ読み込み指示信号出力部32161の左隣は、ソースラインに接続されない電位出力端D478〜D480に対応している。このような位置に該当する左から161番目のデータ読み込み指示信号出力部32161には、視認側から見て左隣のデータ読み込み指示信号出力部32160にキャリー信号を送るか、あるいは、視認側から見て左方向に位置し、ソースラインに接続された電位出力端に対応するデータ読み込み指示信号出力部32の中で最も近いデータ読み込み指示信号出力部32(本例では、左から106番目のデータ読み込み指示信号出力部32106)にキャリー信号を送るかを切り替えるスイッチ(図示略)が設けられる。本例では、このスイッチが、データ読み込み指示信号出力部32161からデータ読み込み指示信号出力部32106にキャリー信号を送るように設定されているものとする。この設定により、中央に連続して配置されるデータ読み込み指示信号出力部32107〜32160はデータ読み込み指示信号を出力しないことになる。また、上記のスイッチが、データ読み込み指示信号出力部32161からデータ読み込み指示信号出力部32160にキャリー信号を送るように設定されていれば、中央のデータ読み込み指示信号出力部32107〜32160はデータ読み込み指示信号を出力することになる。
【0126】
データ読み込み指示信号出力部32106以降の各データ読み込み指示信号出力部32はそれぞれ、視認側から見て左隣のデータ読み込み指示信号出力部32にキャリー信号を送る。
【0127】
従って、キャリー信号は、データ読み込み指示信号出力部32267,32266,32265,・・・,32161,32106,32105,・・・,32,32の順に送られる。
【0128】
なお、シフトレジスタ内で最後にキャリー信号を受け取るデータ読み込み指示信号出力部32は、視認側から見て左隣のソースドライバのシフトレジスタ31(具体的には、第2スイッチ4)にキャリー信号を送る。右隣のソースドライバから第2スイッチ4を介してキャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部32の動作も上記と同様である。
【0129】
次に、第2の実施形態における第1スイッチ3および第2スイッチ4について説明する。第1スイッチ3および第2スイッチ4は、例えば、シフトレジスタ31内に設けられる。
【0130】
第2の実施形態では、kを2以上の整数のうちの1つとする。同様に、jを2以上の整数のうちの1つとする。また、1つのソースドライバのシフトレジスタ31内のデータ読み込み指示信号出力部32の数をnとする。本実施形態では、n=268である。
【0131】
第1スイッチ3は、第1の実施形態と同様に、スタートパルス等をどのデータ読み込み指示信号出力部2に入力させるかを切り替え可能なスイッチである。ただし、第2の実施形態における第1スイッチ3は、少なくとも、スタートパルス等を一番左側のデータ読み込み指示信号出力部32に入力させるのか、または左からk番目のデータ読み込み指示信号出力部32に入力させるのかを切り替え可能なスイッチである。
【0132】
本実施形態では、左側から4番目から6番目までの3つの電位出力端D〜Dに対応するデータ読み込み指示信号出力部32にスタートパルスを入力させるか否かを切り替え可能とするため、k=2とする。すなわち、本例では、第1スイッチ3は、少なくとも、スタートパルス等をデータ読み込み指示信号出力部32に入力させるか、あるいは、データ読み込み指示信号出力部32に入力させるかを切り替え可能なスイッチである。
【0133】
本例では、液晶パネルの解像度がVGAである場合を例にしているので、k=2としたが、液晶パネルの解像度がWVGA、SWVGA等の場合には、ソースラインに接続させない左側の電位出力端の数に応じてkを定めればよい。
【0134】
また、本例において、VGA以外の液晶パネルにも適用できるように、第1スイッチ3は、データ読み込み指示信号出力部32,32の他に、他のデータ読み込み指示信号出力部32にもスタートパルス等を入力するように切り替え可能であってもよい。
【0135】
本実施形態では、3つのソースドライバのうち、視認側から見て一番左側のソースドライバの第1スイッチ3は、データ読み込み指示信号出力部32にスタートパルス等を入力するように切り替えられる。残りの2つのソースドライバの第1スイッチ3は、データ読み込み指示信号出力部32にスタートパルス等を入力するように切り替えられる。
【0136】
第2スイッチ4は、第1の実施形態と同様に、スタートパルス等をどのデータ読み込み指示信号出力部2に入力させるかを切り替え可能なスイッチである。ただし、第2の実施形態における第2スイッチ4は、少なくとも、スタートパルス等を左からn番目のデータ読み込み指示信号出力部32に入力させるのか、または、左からn−j+1番目(jは2以上の整数)のデータ読み込み指示信号出力部32n−j+1に入力させるのかを切り替え可能なスイッチである。
【0137】
本実施形態では、右側から6番目から4番目までの3つの電位出力端D799〜D801に対応するデータ読み込み指示信号出力部32267にスタートパルスを入力させるか否かを切り替え可能とするため、j=2とする。すなわち、本例では、第2スイッチ4は、少なくとも、スタートパルス等をデータ読み込み指示信号出力部32268に入力させるか、あるいは、データ読み込み指示信号出力部32267に入力させるかを切り替え可能なスイッチである。
【0138】
本例では、液晶パネルの解像度がVGAである場合を例にしているので、j=2としたが、液晶パネルの解像度がWVGA、SWVGA等の場合には、ソースラインに接続させない右側の電位出力端の数に応じてjを定めればよい。
【0139】
また、本例において、VGA以外の液晶パネルにも適用できるように、第2スイッチ4は、データ読み込み指示信号出力部32268,32267の他に、他のデータ読み込み指示信号出力部32にもスタートパルス等を入力するように切り替え可能であってもよい。
【0140】
本実施形態では、3つのソースドライバのうち、視認側から見て一番右側のソースドライバの第2スイッチ4は、データ読み込み指示信号出力部32267にスタートパルス等を入力するように切り替えられる。残りの2つのソースドライバの第2スイッチ4は、データ読み込み指示信号出力部32268にスタートパルス等を入力するように切り替えられる。
【0141】
電位設定部7は、ラッチ部15のデータ保持部6(図5において図示略)が読み込んで保持している画像データをまとめて読み込む点の他は、第1の実施形態と同様である。
【0142】
なお、R用ラッチ部15、G用ラッチ部15、およびB用ラッチ部15において、107番目から160番目までの各データ保持部6には、データ読み込み指示信号が入力されないので、画像データが保持されない。よって、これらのデータ保持部6に関しては、電位設定部7は、画像データの読み込み、レベルシフト、D−A変換を行わない。あるいは、D−A変換を行っても変換後の出力はLowとする。また、電位設定部7は、これらのデータ保持部6に対応する電位出力端D319〜D480の状態を、ハイインピーダンス状態としてもよい。
【0143】
また、3つのソースドライバのうち、一番左のソースドライバ内のR用ラッチ部15、G用ラッチ部15、およびB用ラッチ部15における一番左のデータ保持部6に関しても、そのソースドライバの電位設定部7は、画像データの読み込み、レベルシフト、D−A変換を行わない。あるいは、D−A変換を行っても変換後の出力はLowとする。そして、その電位設定部7は、これらのデータ保持部6に対応する電位出力端D〜Dの状態を、ハイインピーダンス状態としてもよい。
【0144】
同様に、3つのソースドライバのうち、一番右のソースドライバ内のR用ラッチ部15、G用ラッチ部15、およびB用ラッチ部15における一番右のデータ保持部6に関しても、そのソースドライバの電位設定部7は、画像データの読み込み、レベルシフト、D−A変換を行わない。あるいは、D−A変換を行っても変換後の出力はLowとする。そして、その電位設定部7は、これらのデータ保持部6に対応する電位出力端D802〜D804の状態を、ハイインピーダンス状態としてもよい。
【0145】
次に、動作について説明する。
まず、正スキャン時の動作について説明する。既に説明したように、視認側から見て一番左側のソースドライバの第1スイッチ3は、データ読み込み指示信号出力部32にスタートパルス等を入力するように切り替えられている。残りの2つのソースドライバの第1スイッチ3は、データ読み込み指示信号出力部32にスタートパルス等を入力するように切り替えられている。また、タイミングコントローラ(図示略)は、スキャン態様設定用信号をハイレベルに維持して、各ソースドライバのシフトレジスタ31に出力しているものとする。
【0146】
タイミングコントローラ(図示略)は、図2に例示するCLKを、各ソースドライバのシフトレジスタ31に出力する。また、視認側から見て一番左のソースドライバの第1スイッチ3には、液晶パネルにおけるゲートラインの選択の切り替え周期と等しい周期で、スタートパルスを出力する。タイミングコントローラがスタートパルスを出力すると、スタートパルスの1周期の間に、各ソースドライバのシフトレジスタ31およびラッチ部15は、以下のように動作する。
【0147】
一番左のソースドライバの第1スイッチ3は、タイミングコントローラから入力されたスタートパルスをデータ読み込み指示信号出力部32に入力する。データ読み込み指示信号出力部32は、CLKの立ち上がりエッジにおいてスタートパルスがハイレベルになると、次のCLKの立ち上がりエッジで、R用ラッチ部15における左から2番目のデータ保持部6(R)、G用ラッチ部15における左から2番目のデータ保持部6(G)、およびB用ラッチ部15における左から2番目のデータ保持部6(B)に対してそれぞれデータ読み込み指示信号を出力する。すると、データ保持部6(R)はR画素の画像データを読み込み、保持する。同様に、データ保持部6(G)はG画素の画像データを読み込んで保持し、データ保持部6(B)はB画素の画像データを読み込んで保持する。
【0148】
また、データ読み込み指示信号出力部32は、キャリー信号を次のデータ読み込み指示信号出力部32に送る。キャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部32は、次のCLKの立ち上がりエッジでデータ読み込み指示信号をデータ保持部6(R)、データ保持部6(G)、データ保持部6(B)にそれぞれ出力する。すると、データ保持部6(R)、データ保持部6(G)、データ保持部6(B)は、それぞれ1画素分の画像データを読み込み、保持する。そして、データ読み込み指示信号出力部32は、キャリー信号を次のデータ読み込み指示信号出力部32に送る。以降、同様の動作を繰り返す。
【0149】
正スキャン時のキャリー信号の送り順は、既に説明したように、データ読み込み指示信号出力部32,32,32,・・・,32106,32161,32162,・・・,32267,32268の順である。従って、R用ラッチ部15におけるデータ保持部6(R)〜6106(R)、およびデータ保持部6161(R)〜6268(R)がR画素の画像データを読み込み、保持する。同様に、G用ラッチ部15におけるデータ保持部6(G)〜6106(G)、およびデータ保持部6161(G)〜6268(G)がG画素の画像データを読み込み、保持する。また、B用ラッチ部15におけるデータ保持部6(B)〜6106(B)、およびデータ保持部6161(B)〜6268(B)がB画素の画像データを読み込み、保持する。
【0150】
また、一番左側のソースドライバにおけるデータ読み込み指示信号出力部32268は、左から2番目のソースドライバの第1スイッチ3にキャリー信号を送る。左から2番目のソースドライバにおいて、このキャリー信号は、第1スイッチ3を介してデータ読み込み指示信号出力部32に入力される。以降の動作は、データ読み込み指示信号出力部32を起点とする他は、一番左側のソースドライバと同様である。従って、左から2番目のソースドライバでは、データ読み込み指示信号出力部32,32,32,32,・・・,32106,32161,32162,・・・,32267,32268の順にキャリー信号が送られる。その結果、R用ラッチ部15におけるデータ保持部6(R)〜6106(R)、およびデータ保持部6161(R)〜6268(R)がR画素の画像データを読み込み、保持する。同様に、G用ラッチ部15におけるデータ保持部6(G)〜6106(G)、およびデータ保持部6161(G)〜6268(G)がG画素の画像データを読み込み、保持する。また、B用ラッチ部15におけるデータ保持部6(B)〜6106(B)、およびデータ保持部6161(B)〜6268(G)がG画素の画像データを読み込み、保持する。
【0151】
また、左から2番目のソースドライバにおけるデータ読み込み指示信号出力部32268は、一番右側のソースドライバの第1スイッチ3にキャリー信号を送る。一番右側のソースドライバにおいて、このキャリー信号は、第1スイッチ3を介してデータ読み込み指示信号出力部32に入力される。従って、一番右側のソースドライバの動作は、左から2番目のソースドライバの動作と同様である。ただし、VGAの液晶パネルにおける左から1918〜1920番目の画素(1行における右端の3つの画素)の画像データは、データ保持部6267(R),6267(G),6267(B)に読み込まれ、データ保持部6268(R),6268(G),6268(B)は、データを読み込まない。
【0152】
3つのソースドライバのシフトレジスタ31およびラッチ部15は、スタートパルスの周期内で、以上の動作を完了する。この結果、液晶パネルの1行分に相当する1920個の画像データが、3つのソースドライバのラッチ部15に記憶される。
【0153】
各ソースドライバの電位設定部7は、次のスタートパルス前のデータ読み込み指示信号を検出すると、ラッチ部15に保持されている画像データを読み込み、その画像データに対してレベルシフトを行い、レベルシフト後の画像データに対してD−A変換を行う。そして、D−A変換後の電位(画像データに応じた電位)を、ボルテージフォロワを介して電位出力端から出力する。画像データを保持していたデータ保持部6に対応する電位出力端には、ソースラインが接続されている。従って、1920本の各ソースラインには、1920個の画像データに応じた電位がそれぞれ設定される。
【0154】
各ソースドライバは、スタートパルスの周期毎に同様の動作を繰り返す。すなわち、スタートパルスの1周期で、1行分の画像データを読み込み、次の周期のスタートパルスの発行前のデータ読み込み指示信号を検出すると、その画像データに応じた電位をソースラインに設定する。
【0155】
次に、逆スキャン時の動作について説明する。既に説明したように、視認側から見て一番右側のソースドライバの第2スイッチ4は、データ読み込み指示信号出力部32267にスタートパルス等を入力するように切り替えられている。残りの2つのソースドライバの第2スイッチ4は、データ読み込み指示信号出力部32268にスタートパルス等を入力するように切り替えられている。また、タイミングコントローラ(図示略)は、スキャン態様設定用信号をローレベルに維持して、各ソースドライバのシフトレジスタ31に出力しているものとする。
【0156】
タイミングコントローラ(図示略)は、図2に例示するCLKを、各ソースドライバのシフトレジスタ31に出力する。また、視認側から見て一番右のソースドライバの第2スイッチ4には、液晶パネルにおけるゲートラインの選択の切り替え周期と等しい周期で、スタートパルスを出力する。タイミングコントローラがスタートパルスを出力すると、スタートパルスの1周期の間に、各ソースドライバのシフトレジスタ31およびラッチ部15は、以下のように動作する。
【0157】
一番右のソースドライバの第2スイッチ4は、タイミングコントローラから入力されたスタートパルスをデータ読み込み指示信号出力部32267に入力する。データ読み込み指示信号出力部32267は、CLKの立ち上がりエッジにおいてスタートパルスがハイレベルになると、次のCLKの立ち上がりエッジで、R用ラッチ部15における左から267番目のデータ保持部6267(R)、G用ラッチ部15における左から267番目のデータ保持部6267(G)、およびB用ラッチ部15における左から267番目のデータ保持部6267(B)に対してそれぞれデータ読み込み指示信号を出力する。すると、データ保持部6267(R)はR画素の画像データを読み込み、保持する。同様に、データ保持部6267(G)はG画素の画像データを読み込んで保持し、データ保持部6267(B)はB画素の画像データを読み込んで保持する。
【0158】
また、データ読み込み指示信号出力部32267は、キャリー信号を次のデータ読み込み指示信号出力部32266に送る。キャリー信号を受けたデータ読み込み指示信号出力部32266は、次のCLKの立ち上がりエッジでデータ読み込み指示信号をデータ保持部6266(R)、データ保持部6266(G)、データ保持部6266(B)にそれぞれ出力する。すると、データ保持部6266(R)、データ保持部6266(G)、データ保持部6266(B)は、それぞれ1画素分の画像データを読み込み、保持する。そして、データ読み込み指示信号出力部32266は、キャリー信号を次のデータ読み込み指示信号出力部32265に送る。以降、同様の動作を繰り返す。
【0159】
逆スキャン時のキャリー信号の送り順は、既に説明したように、データ読み込み指示信号出力部32267,32266,32265,・・・,32161,32106,32105,・・・,32,32の順である。従って、R用ラッチ部15におけるデータ保持部6(R)〜6106(R)、およびデータ保持部6161(R)〜6267(R)がR画素の画像データを読み込み、保持する。同様に、G用ラッチ部15におけるデータ保持部6(G)〜6106(G)、およびデータ保持部6161(G)〜6267(G)がG画素の画像データを読み込み、保持する。また、B用ラッチ部15におけるデータ保持部6(B)〜6106(B)、およびデータ保持部6161(B)〜6267(B)がB画素の画像データを読み込み、保持する。
【0160】
また、一番右側のソースドライバにおけるデータ読み込み指示信号出力部32は、左から2番目のソースドライバの第2スイッチ4にキャリー信号を送る。左から2番目のソースドライバにおいて、このキャリー信号は、第2スイッチ4を介してデータ読み込み指示信号出力部32268に入力される。以降の動作は、データ読み込み指示信号出力部32268を起点とする他は、一番右側のソースドライバと同様である。従って、左から2番目のソースドライバでは、データ読み込み指示信号出力部32268,32267,32266,32265,・・・,32161,32106,32105,・・・,32,32の順にキャリー信号が送られる。その結果、R用ラッチ部15におけるデータ保持部6(R)〜6106(R)、およびデータ保持部6161(R)〜6268(R)がR画素の画像データを読み込み、保持する。同様に、G用ラッチ部15におけるデータ保持部6(G)〜6106(G)、およびデータ保持部6161(G)〜6268(G)がG画素の画像データを読み込み、保持する。また、B用ラッチ部15におけるデータ保持部6(B)〜6106(B)、およびデータ保持部6161(B)〜6268(B)がB画素の画像データを読み込み、保持する。
【0161】
また、左から2番目のソースドライバにおけるデータ読み込み指示信号出力部32は、一番左側のソースドライバの第2スイッチ4にキャリー信号を送る。一番左側のソースドライバにおいて、このキャリー信号は、第2スイッチ4を介してデータ読み込み指示信号出力部32268に入力される。従って、一番左側のソースドライバの動作は、左から2番目のソースドライバの動作と同様である。ただし、VGAの液晶パネルにおける左から1〜3番目の画素(1行における左端の3つの画素)の画像データは、データ保持部6(R),6(G),6(B)に読み込まれ、データ保持部6(R),6(G),6(B)は、データを読み込まない。
【0162】
3つのソースドライバのシフトレジスタ31およびラッチ部15は、スタートパルスの周期内で、以上の動作を完了する。この結果、液晶パネルの1行分に相当する1920個の画像データが、3つのソースドライバのラッチ部15に記憶される。
【0163】
各ソースドライバの電位設定部7は、次のスタートパルス前のデータ読み込み指示信号を検出すると、ラッチ部15に保持されている画像データを読み込み、その画像データに対してレベルシフトを行い、レベルシフト後の画像データに対してD−A変換を行う。そして、D−A変換後の電位(画像データに応じた電位)を、ボルテージフォロワを介して電位出力端から出力する。画像データを保持していたデータ保持部6に対応する電位出力端には、ソースラインが接続されている。従って、1920本の各ソースラインには、1920個の画像データに応じた電位がそれぞれ設定される。
【0164】
各ソースドライバは、スタートパルスの周期毎に同様の動作を繰り返す。すなわち、スタートパルスの1周期で、1行分の画像データを読み込み、次の周期のスタートパルスの発行前のデータ読み込み指示信号を検出すると、その画像データに応じた電位をソースラインに設定する。
【0165】
本実施形態においても、第1スイッチ3および第2スイッチ4を備えている。従って、正スキャン時には第1スイッチ3に入力されたスタートパルスをデータ読み込み指示信号出力部32に直接入力することができる。また、逆スキャン時には第2スイッチ4に入力されたスタートパルスをデータ読み込み指示信号出力部2267に直接入力することができる。従って、一番左側のソースドライバにおける左側の電位出力端や、一番右側のソースドライバにおける右側の電位出力端がソースラインに接続されなくても、ソースドライバは、スタートパルスの入力後、ダミーデータなしで、直接、実際の画像データの読み込みを開始することができる。
【0166】
また、中央に連続して配置されるデータ読み込み指示信号出力部107〜160からデータ読み込み指示信号を出力するか否かを切り替えることができるので、本実施形態のソースドライバの適用範囲を広げることができる。例えば、WVGAの液晶パネルを3個のソースドライバで駆動する場合にも適用できる。
【0167】
なお、第1および第2の実施形態では3つのソースドライバを用いて、VGAの液晶パネルを駆動する場合を例に説明したが、液晶パネルの解像度はVGAに限定されない。また、液晶パネルを駆動するソースドライバの数も3個に限定されない。ソースドライバと液晶パネルの解像度の組み合わせに応じて、第1の実施形態や第2の実施形態におけるkおよびjの値を適宜定めればよい。例えば、図8に示したように、右端に6個余らせる場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明は、液晶パネルのソースラインの電位を設定するソースドライバに好適に適用される。また、ソースドライバを有する液晶表示装置に適用される。特に外側の少なくとも1個の電位出力端を余らせて、液晶パネルのソースラインに接続させない液晶表示装置に好適に適用される。さらに、ソースドライバを液晶パネルに実装し、そのソースドライバのどちらか一方側の少なくとも1個の電位出力端、または両側それぞれの少なくとも1個の電位出力端を余らせて、液晶パネルのソースラインに接続させない液晶表示装置に好適に適用される。
【符号の説明】
【0169】
1,31 シフトレジスタ
10,30 ソースドライバ
2,32 データ読み込み指示信号出力部
3 第1スイッチ
4 第2スイッチ
5,15 ラッチ部
6 データ保持部
7 電位設定部
15 R用ラッチ部
15 G用ラッチ部
15 B用ラッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルのソースラインに電位を設定するソースドライバであって、
1画素分の画像データの読み込みを指示するデータ読み込み指示信号を出力するデータ読み込み指示信号出力部を複数個含み、外部から特定の制御信号を入力されたデータ読み込み指示信号出力部から、定められた順序でデータ読み込み指示信号を出力するシフトレジスタと、
シフトレジスタから1つのデータ読み込み指示信号が入力される毎に、1画素分の画像データを読み込み、保持するラッチ手段と、
ラッチ手段に読み込まれた画像データに応じた電位の設定先として予め定められたソースラインに対して、前記画像データに応じた電位を設定する電位設定手段とを備え、
データ読み込み指示信号出力部はシフトレジスタ内に並べて配置され、
外部から入力される前記特定の制御信号を、シフトレジスタ内のどのデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能なスイッチを備える
ことを特徴とするソースドライバ。
【請求項2】
シフトレジスタは、ラッチ手段に液晶パネルの所定側に該当する画像データから読み込ませる第1の読み込み態様における動作と、ラッチ手段に前記所定側とは反対側に該当する画像データから読み込ませる第2の読み込み態様における動作とに切り替え可能であり、
シフトレジスタが第1の読み込み態様に切り替えられた場合に、外部から入力される前記特定の制御信号を、シフトレジスタ内のどのデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能な第1のスイッチと、
シフトレジスタが第2の読み込み態様に切り替えられた場合に、外部から入力される前記特定の制御信号を、シフトレジスタ内のどのデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能な第2のスイッチとを備える
請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項3】
シフトレジスタは、1つのデータ読み込み指示信号出力部から1つのデータ読み込み指示信号を出力し、
ラッチ手段は、前記データ読み込み指示信号に応じて、1画素分の画像データを読み込み、
第1のスイッチは、kを1以上の整数のうちの1つとしたときに、外部から入力される特定の制御信号を、少なくとも、所定側から1番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるか、前記所定側から3・k+1番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能であり、
第2のスイッチは、jを1以上の整数のうちの1つとし、データ読み込み指示信号出力部の数をnとしたときに、外部から入力される特定の制御信号を、少なくとも、前記所定側からn−2番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるか、前記所定側からn−3・(j+1)+1番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能である
請求項2に記載のソースドライバ。
【請求項4】
シフトレジスタは、1つのデータ読み込み指示信号出力部からデータ読み込み指示信号を出力し、
ラッチ手段は、前記データ読み込み指示信号に応じて、3画素分の画像データを読み込み、
第1のスイッチは、kを2以上の整数のうちの1つとしたときに、外部から入力される特定の制御信号を、少なくとも、所定側から1番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるか、前記所定側からk番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能であり、
第2のスイッチは、jを2以上の整数のうちの1つとし、データ読み込み指示信号出力部の数をnとしたときに、外部から入力される特定の制御信号を、少なくとも、前記所定側からn番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるか、前記所定側からn−j+1番目のデータ読み込み指示信号出力部に入力させるかを切り替え可能である
請求項2に記載のソースドライバ。
【請求項5】
シフトレジスタは、当該シフトレジスタ内に並べて配置される複数のデータ読み込み指示信号出力部のうち、中央に連続して配置される所定のデータ読み込み指示信号出力部からのデータ読み込み指示信号の出力可否を切り替え可能である
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のソースドライバ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のソースドライバを液晶パネルに複数個並べて実装させ、左端に配置されたソースドライバの左側から1本目の電位出力端は液晶パネルのソースラインに接続されず、右端に配置されたソースドライバの右側から1本目の電位出力端は液晶パネルのソースラインに接続されないことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のソースドライバを液晶パネルに実装させ、ソースドライバの左側から1本目の電位出力端および/またはソースドライバの右側から1本目の電位出力端が液晶パネルのソースラインに接続されないことを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−128095(P2012−128095A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278273(P2010−278273)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000103747)京セラディスプレイ株式会社 (843)
【Fターム(参考)】