説明

チャック装置およびロボットアーム

【課題】ワークの搬送効率をより向上することができるチャック装置を提供すること。
【解決手段】チャック装置1は、チャック部10〜50を備える。チャック部10は、3つのチャック11を支持する支持板12が連結部材13によりギア14と連結されてなる。支持板12は、側板62にY方向に沿って上下に移動自在に支持されている。駆動側のギア82の回転によりギア87が回転すると、クランク機構である連結部材13により回転運動が直線運動に変換され、支持板12が上下に往復運動し、チャック11も上下に往復移動する。チャック部20〜50も同様である。チャック装置1は、隣り合うチャック部同士の往復方向における位置にずれが生じるように構成されている。例えば、チャック部20が前進すれば隣のチャック部10が後退する動作を行う。これにより隣り合うチャック部の間隔を広げなくてもチャックの数を増加してワークの搬送効率を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットアームに取着されるチャック装置およびロボットアームに関する。
【背景技術】
【0002】
製造工程では、組み付け対象の部品などのワーク(work)をある位置から別の位置に搬送する動作を行う必要がある。例えば、多品種変量生産の現場では、多軸ロボットのロボットアームの先端に、多数のチャックを備えるチャック(chuck)装置を取り付け、それぞれのチャックでワークを把持した状態で、ロボットアームを移動させることによりワークを目的の位置まで搬送することが行われている。
【0003】
図8(a)は、複数のチャック903〜905を備えるチャック装置902をロボットアーム901の先端に取り付けた構成例を示す図である。
図8(a)の例では、ワーク供給台910に載置されているワーク911〜913のうち、チャック905がワーク911を把持しようとしている様子を示している。この場合、チャック905の先端がワーク911の位置する方向を向くようにロボットアーム901の動作によりチャック装置902の姿勢が変更される。
【0004】
チャック装置902の姿勢変更がなされるとチャック装置902がロボットアーム901によりワーク911に向けて下降され、チャック905がワーク911のところに到達すると、ワーク911がチャック905により把持される。
ワーク911がチャック905により把持されると、一旦、チャック装置902がワーク供給台910から離れて、チャック904の先端がワーク912の位置する方向に向くようにロボットアーム901によりチャック装置902の姿勢が変更される。
【0005】
チャック装置902の姿勢変更がなされるとチャック装置902がワーク912に向けて下降され、ワーク912がチャック904により把持される。
その後、ワーク911、912がチャック905、904により把持されたまま、チャック装置902がワーク供給台910から再度、離れる。そして、チャック903の先端がワーク913の位置する方向に向くようにロボットアーム901によりチャック装置902の姿勢が変更されると、チャック装置902がワーク913に向けて下降され、チャック903によりワーク913が把持される。
【0006】
ワーク911〜913が把持されると、ロボットアーム901が反転等の動作を行ってワーク911〜913が目的位置(図8(a)では、右側端部)に向けて搬送される。
ロボットアーム901をワーク供給台から目的位置まで移動させるときの動作を1回行うだけで、多数のワークを搬送することができ、ワークの搬送効率が向上する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】ロボット No.173、社団法人 日本ロボット工業会、2006年11月発行、p.7−14
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ワークの搬送効率をより向上させようとすると、チャック装置に備えられるチャックの数をより増やせば良いことになる。
しかしながら、単にチャックの数を増やす構成では、複数のチャックのうち、ワークを把持することができなくなるチャックが出て来るおそれが生じる。
すなわち、図8(b)に示すように1つの筐体920に複数のチャック921、922・・が固定配置される構成なので、筐体920の大きさを変えずにチャックの数を増やそうとすると、隣り合うチャック同士の間隔が狭くなる。
【0009】
チャック同士の間隔が狭くなれば、チャック921がワーク911を把持した状態で筐体920の姿勢を変更した後、チャック922をワーク912に向けて下降させようとすると、既に把持されているワーク911が邪魔になり、ワーク912を把持することができなくなるからである。
これに対して、チャック同士の間隔をできるだけ広くとることが考えられるが、チャック同士の間隔を広くとると、チャックの数が増えるに連れてチャックの並ぶ方向にチャック装置が長大になってしまい、現実的ではない。
【0010】
本発明の課題は、ワークの搬送効率をより向上することができるチャック装置およびロボットアームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るチャック装置は、ロボットアームに取り付けられ、対象物を保持できる第1チャック及び第1チャックの保持する対象物と別の対象物を保持できる第2チャックを有するチャック装置であって、第1チャックを進退自在に支持する支持手段と、支持手段により支持された第1チャックを第2チャックに対して相対的に進退方向における位置が異なるように進退させる進退手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、支持手段は、第2のチャックを進退自在に支持し、進退手段は、第1チャックが前進する際に第2チャックが後退するように進退させることを特徴とする。
さらに、第1チャックは、第2チャックと略平行に配置されており、進退手段は、第1のチャック及び第2チャックを進退させる1つのモータを有していることを特徴とする。
また、進退手段は、モータからの動力により回転する駆動軸と、第1チャック及び第2チャックにそれぞれ設けられ、駆動軸の回転運動をそれぞれ第1チャック及び第2チャックの往復運動に変換する複数の変換機構とをさらに有することを特徴とする。
【0013】
さらに、変換機構は、駆動軸に取り付けられた駆動ギアと駆動ギアに噛み合わされた従動ギアとからなるギア対を有しており、第1チャックの変換機構のギア対は、第1チャックが進退方向において第2チャックとずれるように駆動ギアを従動ギアとのギア比が調整されていることを特徴とする。
また、変換機構はクランク機構であることを特徴とする。
【0014】
さらに、変換機構はスコッチヨーク機構であるとしても良い。
また、第1チャックは、第2チャックと隣り合っていることを特徴とする。
さらに、第1チャックは、移動量が第2チャックの移動量と同じであることを特徴とする。
また、第1チャックは、移動量が第2チャックの移動量よりも小さいとしても良い。
【0015】
さらに、変換機構は、駆動軸に取り付けられた駆動プーリと、駆動プーリに対応して設けられた従動プーリと、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられ駆動プーリの回転力を従動プーリに伝達する駆動ベルトとを有しており、従動プーリの回転運動を往復運動に変換し、第1チャックの変換機構の駆動プーリと従動プーリは、第1チャックが進退方向において第2チャックとずれるようにそれぞれの径の大きさが調整されていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係るロボットアームは、上記のチャック装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上記のように構成すれば、第1チャックと第2チャックの間隔を大きくとらなくても、対象物を把持することができるようになり、チャック装置を大型化することなく、対象物の搬送効率の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1に係るチャック装置の全体構成を示す図である。
【図2】チャック装置の各部を部分的に抜き出して示した拡大図である。
【図3】5つのチャックそれぞれの位置にずれが生じる様子を示す模式図である。
【図4】2つのチャックについての回転角と位置の関係を例示するグラフである。
【図5】実施の形態2に係るスコッチヨーク機構を用いた構成例を示す図である。
【図6】ベルト駆動機構を用いた別の構成例を示す図である。
【図7】実施の形態3に係る2次元平面上を移動可能なロボットにチャック装置が取着されている様子を示す全体構成図である。
【図8】従来の複数のチャックを備えるチャック装置をロボットアームの先端に取り付けた構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るチャック装置の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係るチャック装置1の全体構成を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線における矢視断面図を示している。また、図2は、図1(b)の部分拡大図を示している。図1と図2では、矢印X方向が幅方向、Y方向が高さ方向、Z方向が奥行き方向に相当する。以下、幅方向を左右方向、高さ方向を上下方向という場合がある。
【0020】
図1と図2に示すように、チャック装置1は、5つのチャック部10、20、30、40、50と、ベース60と、駆動モータ70、動力伝達機構80などを備える。
ベース60は、金属製の基台61と側板62、63、64などからなる。
基台61は、ロボットアーム2と連結される。
側板62〜64は、それぞれが左右方向に間隔をおいて相互に平行な姿勢で、基台61におけるロボットアーム2の連結部とは反対側の面に取着されている。
【0021】
動力伝達機構80は、駆動軸81、ギア82〜91などからなる。
駆動軸81は、側板62、63、64を貫通すると共に側板62、62、64に回転自在に支持されている。
ギア82、87は、チャック部10に対応して設けられたギア対である。
ギア82は、駆動軸81に固定されている。
【0022】
ギア87は、側板62に設けられたピン141に回転自在に支持され、ギア82と噛み合わされている。
ギア83、88は、チャック部20に対応して設けられたギア対である。
ギア83は、駆動軸81に固定されている。
ギア88は、側板62に設けられたピン241に回転自在に支持され、ギア83と噛み合わされている。
【0023】
ギア84、89は、チャック部30に対応して設けられたギア対である。
ギア84は、駆動軸81に固定されている。
ギア89は、側板63に設けられたピン341に回転自在に支持され、ギア84と噛み合わされている。
ギア85、90は、チャック部40に対応して設けられたギア対である。
【0024】
ギア85は、駆動軸81に固定されている。
ギア90は、側板63に設けられたピン441に回転自在に支持され、ギア85と噛み合わされている。
ギア86、91は、チャック部50に対応して設けられたギア対である。
ギア86は、駆動軸81に固定されている。
【0025】
ギア91は、駆動モータ70の回転軸71に固定されている。
駆動モータ70が回転すると、その回転駆動力がギア91、ギア86、駆動軸81、ギア82〜85を介してギア87〜90に伝達され、ギア82〜91が同時に回転する。
ギア87〜91の回転による駆動力は、チャック部10〜50に伝達される。
チャック部10は、図1(a)に示すように3つのチャック11、支持板12、連結部材13などを備える。
【0026】
3つのチャック11のそれぞれは、アーム111の先端にチャック爪112が設けられてなり、チャック爪(Jaw)112を開閉することによりワークを把持するものである。
ワークを把持する機構は、例えばモータによる電動式などが用いられる。チャック11や駆動モータ70などは、ロボットアームに沿うように配線された電源コード(不図示)と接続され、電源コードを介して供給される電力により動作する。この動作の制御は、ロボットアームの動作を制御するロボットアーム制御部(不図示)により行われる。
【0027】
支持板12は、3つのチャック11におけるアーム111の基端部を支持する金属製の部材である。本実施の形態では、3つのチャック11は、Z方向に間隔をおいて並ぶと共に、図1(a)に示すように中央に位置するチャック11のアーム111の軸芯に対し両側に位置するチャック11それぞれのアーム111の軸芯が約45°の角度をなして、3つのチャック11の先端側での間隔が基端部側よりも広くなるように支持板12に固定されている。
【0028】
支持板12の側板62に対向する面には、図1(b)に示すように2つの案内ピン121が設けられている。2つの案内ピン121は、側板62に設けられた上下方向に沿って伸びる2本の案内溝621に嵌り込んでいる。案内ピン121が案内溝621を案内されることにより、支持板12が側板62に対して上下方向に移動自在に支持される構成になっている。
【0029】
連結部材13は、金属製の棒状部材であり、一方端が支持板12に設けられた軸131に回転自在に支持され、他方端がギア87の主面に設けられたピン132に回転自在に支持されている。また、連結部材13は、ギア87の回転運動を支持板12の上下方向における直進運動に変換するクランク機構を構成する。
このような構成において、駆動モータ70による回転駆動力が駆動軸81、ギア82を介してギア87に伝わり、ギア82とギア87が図1(a)の矢印方向に回転すると、連結部材13を介して支持板12が上下方向に往復運動を行う。これにより、3つのチャック11が一体的に上下方向に往復する動作を行うことになる。
【0030】
他のチャック部20〜50もチャック部10と略同じ構成になっている。
すなわち、図2に示すようにチャック部20は、3つのチャック21、支持板22、連結部材23などを備える。なお、3つのチャック21のうち2本については図示していない。このことはチャック部30〜50について同様である。
3つのチャック21は、支持板22に固定されている。
【0031】
支持板22は、2本の案内ピン221が側板62に設けられた案内溝622に嵌め込まれ、側板62に上下方向に移動自在に支持されている。
連結部材23は、一方端が支持板22に設けられた軸231に回転自在に支持され、他方端がギア88の主面に設けられたピン232に回転自在に支持されている。
ギア83が回転することによりギア83が噛み合っているギア88が回転すると、ギア88の回転運動がクランク機構を構成する連結部材23を介して支持板22の直進運動に変換され、支持板22が上下方向に往復運動を行い、3つのチャック21が一体的に上下方向に往復する動作を行う。
【0032】
同様に、チャック部30は、3つのチャック31、支持板32、連結部材33などを備える。3つのチャック31は、支持板32に固定されている。
支持板32は、2本の案内ピン321が側板63に設けられた案内溝631に嵌め込まれ、側板63に上下方向に移動自在に支持されている。
連結部材33は、一方端が支持板32に設けられた軸331に回転自在に支持され、他方端がギア89の主面に設けられたピン332に回転自在に支持されている。
【0033】
ギア84の回転によりギア84と噛み合っているギア89が回転すると、ギア89の回転運動が連結部材33を介して支持板32の直進運動に変換され、支持板32が上下方向に往復運動を行い、3つのチャック31が上下方向に往復動作する。
チャック部40は、3つのチャック41、支持板42、連結部材43などを備える。
3つのチャック41は、支持板42に固定されている。
【0034】
支持板42は、2本の案内ピン421が側板63に設けられた案内溝632に嵌め込まれ、側板63に上下方向に移動自在に支持されている。
連結部材43は、一方端が支持板42に設けられた軸431に回転自在に支持され、他方端がギア90の主面に設けられたピン432に回転自在に支持されている。
ギア85の回転によりギア85と噛み合っているギア90が回転すると、ギア90の回転運動が連結部材43を介して支持板42の直進運動に変換され、支持板42が上下方向に往復運動を行い、3つのチャック41が上下方向に往復動作する。
【0035】
チャック部50は、3つのチャック51、支持板52、連結部材53などを備える。
3つのチャック51は、支持板52に固定されている。
支持板52は、2本の案内ピン521が側板64に設けられた案内溝641に嵌め込まれ、側板64に上下方向に移動自在に支持されている。
連結部材53は、一方端が支持板52に設けられた軸531に回転自在に支持され、他方端がギア91の主面に設けられたピン532に回転自在に支持されている。ギア91が回転すると、この回転運動が連結部材53を介して支持板52の直進運動に変換され、支持板52が上下方向に往復運動を行い、3つのチャック51が上下方向に往復動作する。
【0036】
本実施の形態では、チャック部10〜50のそれぞれについて、往復運動のストローク(移動量)が略同じであり(各チャック部においてストロークが略同じになるように連結部材とギアの連結位置が調整されている。)、移動方向が平行になっている。
このようにチャック部10〜50は、駆動モータ70の回転により同時に往復する動作を行う。
【0037】
隣り合うチャック部同士については往復運動の位相が相互に異なり、各チャックの往復運動により各チャック部10〜50の往復方向における位置にずれが生じるように、ギア82〜91のうち相互に噛み合っているギア対のそれぞれのギア比が予め調整されている。
図3は、5つのチャックそれぞれの位置にずれが生じている様子を示す模式図である。
【0038】
図3において、基準位置とは、基準のチャック、例えばチャック11が往復運動のストロークのうち最下点にあるときの支持板の上下方向上方側端部の位置を示したものである。また、0°、α°、β°は、駆動モータ70の回転角を示しており、角度0°は、基準チャックが基準位置にあるときの角度であり、α°、β°は、0°からの回転角を表している。また、把持対象となるワーク(不図示)がチャック装置よりもY方向下流の位置に存在するものとする。
【0039】
駆動モータ70の回転角が0°のときには、チャック11〜51のうち、図3の上下方向においてチャック11と51が最下位にあり、チャック21、31、41がチャック11と51よりも上位に位置する状態(基準姿勢)になっている。
基準姿勢では、少なくとも2つの隣り合うチャック部同士が、その往復方向における位置(隣り合うチャックの位置)にずれを生じていることが判る。
【0040】
一方、回転角がα°になると、チャック21が最下位にあり、他のチャック11、31〜51がチャック21よりも上位に位置する状態(姿勢α)になっており、回転角がβ°のときには、チャック31が最下位にあり、他のチャック11、21、41、51がチャック31よりも上位に位置する状態(姿勢β)になっている。姿勢α、βのときも基準姿勢のときと同様に隣り合うチャックの位置がそれぞれずれている。
【0041】
ここでは、回転角0°<α°<β°の関係があり、基準姿勢(角度0°)から駆動モータ70を回転させて回転角がα°になったときに姿勢αになり、姿勢αから(β−α)分の角度だけ回転させると姿勢βになるように回転角とギア比の関係が調整されている。
図4は、チャック11と21についての回転角と位置の関係を例示するグラフである。
図4に示すように、チャック11は、角度が0°からβ°までの間、ワークに対して後退する動きを行い、チャック21は、角度が0°からα°までの間、ワークに対して前進して、角度がα°になると最下点に達し、α°からβ°までの間では後退する動きを行っている。他のチャックとの関係については図示していないが、チャック11、21の関係と同様に隣り合うもの同士に位相差が生じるように往復運動(進退)を行う。
【0042】
このように駆動モータ70の回転角の大きさに応じて、隣り合うチャックの位置にずれを生じさせるようにしているため、次の効果が得られる。
すなわち、例えば基準姿勢においてチャック11でワークを把持した状態から、姿勢αに遷移させると、その姿勢の遷移の間にチャック11が後退しつつチャック21が前進する動作を行って姿勢αになる。
【0043】
姿勢αになると、チャック21がチャック11よりもワークに向かう方向に飛び出るようになる。
このため、姿勢αでは、チャック11がワークを把持したままであっても、そのワークが邪魔にならず、チャック21を用いて別のワークを把持することが可能になる。
さらに、姿勢αから姿勢βに遷移させると、その間にチャック11〜31では、チャック11、21が後退しつつチャック31が前進する動作を行って姿勢βになる。
【0044】
姿勢βになると、チャック31が他のチャックよりもワークに向かう方向に飛び出るようになる。
このため、姿勢βでは、チャック11、21の双方がワークを把持したままであっても、それらのワークが他のチャックが別のワークを把持することの邪魔にならず、チャック31を用いてさらに別のワークを把持することが可能になる。他の隣り合うチャック同士についても、ギア比の調整により同様の動作を行わせることにより、把持されているワークが他のチャックが別のワークを把持することの邪魔にならない状態で、まだワークを把持していないチャックで別のワークを把持することができる。
【0045】
従来では、複数のチャックがベースに固定されていたことから、図8(b)に示すようにチャック921が把持しているワーク911が邪魔になって、隣のチャック922が別のワークを把持することができない場合があり、チャックの数を増やすには、隣り合うチャックの間隔を大きくとらざるを得なかった。
これに対して、本実施の形態では、チャック同士の往復方向への位置にずれが設けられることにより、あるチャックAがワークを把持していても、そのチャックAを隣のチャックBよりも後退させる、またはチャックBをチャックAよりも前進させた状態にすればチャックAが把持しているワークが邪魔にならない状態でチャックBが別のワークを把持することができるようになる。従って、隣り合うチャック同士の間隔を大きくとらなくてもチャックの数を増やすことができる。
【0046】
換言すると、チャック部同士がベース60からワークに対する方向に前進、後退する方向(進退方向)における位置がずれるように構成すれば、隣り合うチャック部同士の間隔を広げずにチャックの数を増やすことができ、ワークの搬送性を向上せることができる。
また、各チャック部について往復動作の移動方向が略平行であり移動量も同じなので、各チャック部で移動方向や移動量が個別に異なる構成に比べて、チャックの支持機構を同じ構成のものを用いることができる。
【0047】
チャックの姿勢制御は、ロボットアーム制御部(以下、「制御部」という。)により実行される。具体的には、制御部は、駆動モータ70の回転角とチャックの姿勢とを予め対応付けた情報(回転角α°に対して姿勢α、回転角β°に対して姿勢βなど)と、基準のチャックが基準位置に位置したことを検出するセンサなどの検出器の検出結果とを取得する。そして、チャックの姿勢をある目標の姿勢に遷移させる場合には、当該姿勢αへの遷移に必要なモータの回転角を読み出して、基準のチャックが基準位置にある状態から、読み出した回転角だけ駆動モータ70を回転駆動させる。
【0048】
この姿勢制御を行うためのプログラムがロボットアームの動作制御用のプログラムと共に制御部にインストールされる。
すなわち、チャック11〜51を用いて複数のワークを把持する場合に、チャックの姿勢がどの姿勢にあるときにどのチャックでどのワークを掴み、次のワークを掴むのにどの姿勢に遷移させてどのチャックでどこまでチャック装置を移動させれば良いかをロボットアームとワークのそれぞれの座標軸上での位置関係に基づいて予め決められる。
【0049】
この決められた通りにロボットアームが動くようにプログラムが作成され、制御部にインストールされる。このような制御を行うことにより、本例では最大で15個のワークを把持した状態でロボットアームをワーク載置台から目的の位置まで一回の移動操作で搬送することができる。多品種変量生産の場合には、搬送対象のワークの数や大きさ、形状などが変わるので、それぞれの場合に応じてプログラムが更新されることになる。
【0050】
チャックの姿勢は、ギア比の調整により任意に代えることができる。
例えば、チャック部10〜50のそれぞれについて往復運動の周期を相互に異ならせると共に、特定の回転角ではチャック部10〜50の全てを基準位置に位置させつつ、回転角を可変させることにより、隣り合うチャックの位置がずれるように動く構成をとることもできる。
【0051】
図3、図4では、各チャックについて進退方向に位置がずれる様子を模式的に示したが、これが一例であることはいうまでもない。生産現場毎に、その生産現場に適した各チャックの進退方向における動作が実行されるようにギア比などが予め調整される。
なお、上記では、隣り合うチャックの位置にずれを生じさせる方法として、ギア比を調整する構成をとったが、これに限られない。例えば、各チャック部それぞれに対応して設けられたギア対(ギア82、87の対、ギア83、88の対など)のギア比を全て同じにする構成をとるとしても良い。この構成をとれば、チャック部10〜50の往復運動の周期が全て同じになるが、例えばクランク機構において相互に72°ずつの位相差をつければ、隣り合うチャック部同士が72°に相当する分だけ進退の動き(ベース60に対する位置)がずれた状態で往復運動を行うことになる。
【0052】
また、チャック部10、30、50を一つの組A、チャック部20、40を別の一つの組Bとして、組AとBの位相差を180°にすれば、一方の組のチャック部が前進するときに、他方の組のチャック部が後退する関係になり、隣り合うチャックの進退方向における位置を時間的にずらすことが可能になる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、ギア駆動機構を用いるとしたが、本実施の形態では、ギア駆動機構に代えてスコッチヨーク機構を用いるとしており、この点が実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ機能を有する構成要素については、同符号を付すものとする。
【0053】
図5は、本実施の形態に係るスコッチヨーク機構を用いた構成例を示す図である。
図5に示すように、チャック部600は、チャック601と、支持板602と、クランクピン軸受603などを備える。
チャック601は、チャック11と同じものであり、支持板602に支持される。図5では、1つしか示されていないが、図1(a)に示すように3つなど複数でも良い。
【0054】
支持板602は、側板62に対向する面に設けられた2本の案内ピン121が側板62に設けられた上下方向に伸びる2本の案内溝621に嵌め込まれることにより、側板62に上下方向に移動自在に支持されている。
クランクピン軸受603は、円板状であり、支持板602の中央に設けられた、Z方向に伸びる長孔607に嵌め込まれており、駆動軸81に偏心して取り付けられている。
【0055】
駆動モータ70により駆動軸81が回転すると、クランクピン軸受603が支持板602の長孔607の中を転がるように回転することにより、支持板602を上下方向に往復運動させる。これによりチャック601が上下方向に往復する動作を行う。
図5では、チャック部600を一つだけ示しているが、図1(b)に示すようにX方向(左右方向)に5つのチャック部600が間隔をおいて並べて配されている。
【0056】
5つのチャック部600のそれぞれについて、駆動軸81に対するクランクピン軸受603の固定位置が周方向にずらされており、隣り合うチャックの位置にずれが生じるようになっている。スコッチヨーク機構をとることにより、駆動機構におけるギアの数を減らして装置全体の構成をより簡素化することができる。
なお、他の例としてベルト駆動機構をとるとしても良い。
【0057】
図6は、ベルト駆動機構の例を示す図である。
図6に示すように、チャック部700は、チャック701と、支持板702と、連結部材703などを備える。また、ベルト伝達機構としての駆動部710は、プーリ711、712と、駆動ベルト713などを備える。
チャック701、支持板702、連結部材703は、上記チャック11、支持板12、連結部材13と同じ構成のものである。
【0058】
プーリ712は、側板62に回転自在に支持され、プーリ711は、駆動軸81に固定されている。駆動ベルト713は、プーリ711、712に巻き架けられている。
駆動モータ70の回転により駆動軸81が回転すると、その回転駆動力がプーリ711、駆動ベルト713を介してプーリ712に伝わる。プーリ712が回転すると、クランク機構を構成する連結部材703を介して支持板702が上下方向に往復運動を行い、チャック701が上下方向に往復する動作を行う。
【0059】
駆動側であるプーリ711と従動側であるプーリ712間を駆動ベルト713で接続するので、ギアで連結する構成に比べて設計の自由度が高まる。
図6の例ではチャック部700が一つだけ示されているが、図1(b)に示すように5つのチャック部700が左右方向に間隔をおいて配置され、各チャック部700に対応して駆動部710が設けられている。プーリ711、712の径の大きさによりチャックの進退方向における動きの周期が可変されるので、予め5つのチャック部700のそれぞれに対して、対応するプーリ711、712の径が各チャックの往復方向における位置にずれが生じるように調整される。
【0060】
なお、チャック部の数が5つに限られないことはいうまでもなく、複数であれば良い。また、図6は、一つのチャック部700に一つのチャック701を配する構成例を示しているが、複数のチャックを配する構成であっても良い。さらに、あるチャック部に一つのチャックを配置し、別のチャック部に複数のチャックを配置する構成をとるとしても良い。これらのことは、上記の各実施の形態における構成例について同様である。
【0061】
<実施の形態3>
図7は、2次元平面上を移動可能なロボット802のロボットアーム803にチャック装置801が取着されている様子を示す全体構成図である。
図7に示すチャック装置801は、上記のチャック装置1と基本的に同じものであるが、チャック部10〜50(図1(b)参照)には、1つのチャック11〜51だけが設けられ、合計5つのチャック11〜51により、5つのワークを搬送可能な構成例を示している。
【0062】
図7に示すように、ロボットアーム803はX−Y方向に沿って移動自在であり、例えばワーク載置台810上に載置されている5つのワーク811〜815を把持する場合には、次のような動作を行う。すなわち、例えばチャック11〜51の順にワーク811〜815を掴んでいく場合には、駆動モータ70を駆動させてチャックの姿勢をチャック11が使用される場合の姿勢(具体的には、基準姿勢)になるように遷移させつつ、ロボットアーム803を移動させて、チャック11でワーク811を把持する。
【0063】
チャック11でワーク811を把持したまま、一旦、ロボットアーム803をワーク載置台810から離間させて、次に駆動モータ70を駆動させてチャックの姿勢をチャック21が使用される場合の姿勢(具体的には、姿勢α)に遷移させつつ、ロボットアーム803を移動させて、チャック21でワーク812を把持する。
チャック11、21でワーク811、812を把持したまま、ロボットアーム803をワーク載置台810から離間させて、駆動モータ70を駆動させてチャックの姿勢をチャック31が使用される場合の姿勢(具体的には、姿勢β)に遷移させつつ、ロボットアーム803を移動させて、チャック31でワーク813を把持する。
【0064】
同様に、チャック11〜31でワーク811〜813を把持したまま、ロボットアーム803をワーク載置台810から離間させる。駆動モータ70を駆動させてチャックの姿勢をチャック41が使用される場合の姿勢に遷移させつつ、ロボットアーム803を移動させて、チャック41でワーク814を把持する。
最後に、チャック11〜41でワーク811〜814を把持したまま、ロボットアーム803をワーク載置台810から離間させ、駆動モータ70を駆動させてチャックの姿勢をチャック51が使用される場合の姿勢に遷移させつつ、ロボットアーム803を移動させて、チャック51でワーク815を把持する。
【0065】
5つのワーク811〜815を把持すると、目的の位置にあるワーク組付対象820までロボットアーム803を矢印(破線)で示すようにX方向とY方向に沿って移動させて組付対象820に向かう。
組付対象820に到着すると、ワークを把持したときと同様にロボット802を動作させる。すなわち、ワークの一つずつについて、そのワークを把持しているチャックが組み付けに適した位置、例えば他のチャックよりも前進している状態になるようにチャックの姿勢を変えつつ、ロボットアーム803の移動によりチャック装置801を組付対象820に接近させて、組付対象820に対してワークを所定の位置に載置したり所定の部位に嵌め込んだりするなどの組み付けを行った後、組付対象820から一旦、離れるといった動作を所定の順序で繰り返し行う。
【0066】
このようにチャック装置801を多軸ロボットよりも簡易な構成の直線動作ロボットに用いることにより、直線動作ロボットの多機能化を図ることができる。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
【0067】
(1)上記の実施の形態1では、回転運動を直線運動に変更する機構としてクランク機構等を用いるとしたが、これに限られない。例えば、ラックピニオン式の機構により直線往復駆動を行う構成をとるとしても良い。
(2)上記の実施の形態1では、一つのチャック部に3つのチャックが配置され、3つのチャックが1つの支持板に固定される構成例を説明したが、これに限られない。
【0068】
例えば、1つのチャック部において隣り合うチャック同士の位置にずれが生じるように各チャックがワークに対する方向に進退自在に支持される構成をとるとしても良い。図8(b)に示す5つのチャックのそれぞれが進退自在に支持される構成に相当する。
また、各チャックが直線の往復運動を行う構成例を説明したが、これに限られることもない。例えば、カーブに沿って往復運動をする構成であっても良い。また、往復が同じ経路を沿うものでなくても良く、例えば往路と復路が別の構成であっても構わない。
【0069】
(3)上記の実施の形態では、各チャックの進退方向における移動量を各チャックで同じとしたが、移動量に差をつけるとしても良い。例えば、進退方向に長いワークをチャックAが把持した状態でチャックBが短いワークを把持するような場合には、ストロークが同じであれば、長いワークが邪魔になることが想定される。
このような場合には、チャックBの移動量をチャックAよりも大きく設定しておけば、移動量の大きい分、チャックBをワークに近づけることができ、チャックAが把持しているワークの邪魔にならないようにしてチャックBがワークを把持することが可能になる。
【0070】
(4)上記の実施の形態1では、一つの駆動モータ70を共用してその回転駆動力を複数のチャック部に分配する構成をとることによりモータの数を減らすようにしたが、これに限られず、例えば各チャック部に独立してモータを設けるとしても良い。
このように構成すれば、ワークの把持に用いるべきチャックだけを進退方向に一杯まで前進させつつ、他のチャックを一杯まで後退させる姿勢をとることにより、他のチャックで既に把持されているワークがより邪魔にならないようにして、一杯まで前進させたチャックを用いてワークを把持することができる。各チャック部に設けられたモータ、ギア、連結部材などが各チャックをずれが生じるように駆動させる駆動手段を構成する。
【0071】
また、回転駆動力を出力する駆動モータ70を用いる構成に限られず、例えば出力軸を進退させる、いわゆる直動モータを用いることもできる。直動モータを用いれば、回転運動を直線運動に変換するクランク機構などが不要になり、構成を簡素化できる。
さらに、モータに限られることもない。複数のチャックをベース60からワークに向かう方向に進退させるための駆動力を出力するものであれば良く、例えばモータ以外のアクチュエータ、具体的にはソレノイドや油圧シリンダーなどを用いるとしても良い。
【0072】
(5)上記の実施の形態では、チャック部10〜50のそれぞれの往復動作時の移動方向が略平行である構成例を説明したが、複数のチャック部がベース60からワークに向かう方向に進退自在に支持される構成であれば、平行であることに限られない。
例えば、2つのチャック部がその先端側が扇状に開くように並べられて、一方のチャック部の前進する方向と他方のチャック部の前進する方向が交差しない方向にそれぞれのチャック部の進退動作が実行される構成などをとることが考えられる。このような構成にすれば、あるチャックAが前進すればするほど、チャックAの先端側であるチャック爪と隣のチャックBとの間隔が広がることになり、チャックAがワークを把持する際に隣のチャックBにより既に把持されているワークが把持の邪魔になるといったことがより生じ難くなる。
【0073】
(6)上記の実施の形態におけるチャック、支持板、ベースなどの部材の形状、大きさ、材料などが上記のものに限られないことはいうまでもなく、使用環境や把持対象のワークの種類などに応じて適切な形状、大きさ、材料等が決められる。また、5つのチャック部10〜50を備えるとしたが、これに限られず、複数であれば良い。また、チャックの姿勢をロボットアーム制御部で制御する構成例を説明したが、ロボットアームの動作を制御する制御部とは別の制御部が担当するようにしても良い。
【0074】
さらに、上記の実施の形態では、隣り合うチャック部同士が進退方向における位置がずれるように構成するとしたが、隣り合うものに限られない。少なくとも2つのチャック部が相対的に進退方向における位置がずれるように構成されれば良い。例えば、複数のチャックのうち、一のチャックがベースに固定され、別のチャックがベースに対して進退自在である構成も含まれる。また、チャックとしてワークを把持するものを用いる構成例を説明したが、これに限られない。ワークを保持するものであれば良く、例えば吸引によりワークを保持するものもチャックに含まれる。
【0075】
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、ワークを把持するチャックを複数、備えるチャック装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1、801 チャック装置
2、803 ロボットアーム
10、20、30、40、50、600、700 チャック部
11、21、31、41、51、601、701 チャック
12、22、32、42、52、602、702 支持板
13、23、33、43、53、703 連結部材
60 ベース
61 基台
62、63、64 側板
70 駆動モータ
80 動力伝達機構
81 駆動軸
82〜91 ギア
121、221、321、421、521 案内ピン
603 クランクピン軸受
607 長孔
621、622、631、632、641 案内溝
710 駆動部
711、712 プーリ
713 駆動ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームに取り付けられ、対象物を保持できる第1チャック及び前記第1チャックの保持する対象物と別の対象物を保持できる第2チャックを有するチャック装置であって、
前記第1チャックを進退自在に支持する支持手段と、
前記支持手段により支持された前記第1チャックを前記第2チャックに対して相対的に進退方向における位置が異なるように進退させる進退手段と、
を備えたことを特徴とするチャック装置。
【請求項2】
前記支持手段は、前記第2のチャックを進退自在に支持し、
前記進退手段は、前記第1チャックが前進する際に前記第2チャックが後退するように進退させる、
請求項1に記載のチャック装置。
【請求項3】
前記第1チャックは、前記第2チャックと略平行に配置されており、
前記進退手段は、前記第1のチャック及び前記第2チャックを進退させる1つのモータを有している、
請求項1または2に記載のチャック装置。
【請求項4】
前記進退手段は、
前記モータからの動力により回転する駆動軸と、
前記第1チャック及び前記第2チャックにそれぞれ設けられ、前記駆動軸の回転運動をそれぞれ前記第1チャック及び前記第2チャックの往復運動に変換する複数の変換機構とをさらに有する、
請求項3に記載のチャック装置。
【請求項5】
前記変換機構は、前記駆動軸に取り付けられた駆動ギアと前記駆動ギアに噛み合わされた従動ギアとからなるギア対を有しており、
前記第1チャックの変換機構の前記ギア対は、前記第1チャックが進退方向において前記第2チャックとずれるように前記駆動ギアを前記従動ギアとのギア比が調整されている、
請求項4に記載のチャック装置。
【請求項6】
前記変換機構はクランク機構である、
請求項4又は5に記載のチャック装置。
【請求項7】
前記変換機構はスコッチヨーク機構である、
請求項4又は5に記載のチャック装置。
【請求項8】
前記第1チャックは、前記第2チャックと隣り合っている、
請求項1から7のいずれかに記載のチャック装置。
【請求項9】
前記第1チャックは、移動量が前記第2チャックの移動量と同じである、
請求項1から8のいずれかに記載のチャック装置。
【請求項10】
前記第1チャックは、移動量が前記第2チャックの移動量よりも小さい、
請求項1から8のいずれかに記載のチャック装置。
【請求項11】
前記変換機構は、前記駆動軸に取り付けられた駆動プーリと、当該駆動プーリに対応して設けられた従動プーリと、当該駆動プーリと当該従動プーリとに巻き掛けられ前記駆動プーリの回転力を当該従動プーリに伝達する駆動ベルトとを有しており、前記従動プーリの回転運動を前記往復運動に変換し、
前記第1チャックの変換機構の前記駆動プーリと前記従動プーリは、前記第1チャックが進退方向において前記第2チャックとずれるようにそれぞれの径の大きさが調整されている、
請求項4に記載のチャック装置。
【請求項12】
請求項1から11までの記載のチャック装置を備えたロボットアーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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