説明

ツルーイングロール及びその製造方法

【課題】 製造が簡単で寿命が長くツルーイング性能の安定したツルーイングロール及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 ダイヤモンド粒子層(16a)を超硬ベース(16b)上に一体焼結したダイヤモンド焼結体の柱状片(16)を、ロールベース(11)の外縁部に前記ダイヤモンド粒子層(16a)がロールベース(11)の回転方向の後方を向き且つ該柱状片(16)の端面がツルーイング面(15)に露出するように複数個固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削盤に回転駆動可能に支承された砥石車をツルーイングするツルーイングロール及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、研削盤に支承されて回転駆動される砥石車を整形、目立てするツルーイングロールは、特許文献1に記載されているように、円盤状のロールベースの外縁部に回転軸に平行な外周面と回転軸に直角なフランジ面とを形成し、フランジ面上に多数の柱状ダイヤモンドをその断面の耐摩擦方向がツルーイングロールの回転方向と一致するように位置決めして所定の間隔で放射状に配置し接着剤で仮止めし、次にニッケル電解メッキによってフランジ面にニッケルメッキ層を形成して柱状ダイヤモンドをメッキ層に埋設し、このメッキ層を所定形状に研削加工した後に、樹脂等で覆っていた。
【0003】
また、特許文献2に記載されたツルーイングロールでは、ロールベースの外縁部に複数の保持穴がツルーイング面から所定深さに所定間隔で穿設され、該保持穴に1個又は複数個の柱状ダイヤモンドが挿入され、該柱状ダイヤモンドが端面をツルーイング面に露出するように各保持穴内に埋設されて結合材で固定されている。
【特許文献1】特公平6−69666号公報(第4,5頁、図8〜12)
【特許文献2】特開2003−117821号公報(第3,4頁、図2,3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のツルーイングロールでは、耐摩耗性を向上するために、多数の柱状ダイヤモンドを断面の耐摩耗性の高い方向がツルーイングロールの回転方向と一致するように位置決めして配置する必要があった。さらに位置決めした柱状ダイヤモンドの仮止め、ニッケル電解メッキ、メッキ層の研削加工及び樹脂被覆を行って製作しているので、製作工程が多く煩雑でコスト高になる。また、柱状ダイヤモンドの長さが比較的短く、ツルーイングロールの寿命を長くすることができない不具合があった。
【0005】
本発明は、係る従来の不具合を解消するためになされたもので、製造が簡単で寿命が長くツルーイング性能の安定したツルーイングロール及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、ツルーイングロールにおいて、ダイヤモンド粒子を一体焼結したダイヤモンド焼結体の複数個の柱状片をロールベースの外縁部に円周方向に所定間隔で該柱状片の端面がツルーイング面に露出するように固定したことである。
【0007】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、ツルーイングロールにおいて、ダイヤモンド粒子層を超硬ベース上に一体焼結したダイヤモンド焼結体の複数個の柱状片をロールベースの外縁部に円周方向に所定間隔で前記ダイヤモンド粒子層がロールベースの回転方向の後方を向き且つ該柱状片の端面がツルーイング面に露出するように固定したことである。
【0008】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2に記載のツルーイングロールにおいて、前記ダイヤモンド焼結体の柱状片は、前記ロールベースの外縁部にツルーイング面から所定深さに円周方向に所定間隔で穿設された複数の保持穴の各々に、1個又は複数個挿入され各保持穴に充填された結合材によって固定されていることである。
【0009】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3に記載のツルーイングロールにおいて、前記各保持穴に挿入されるダイヤモンド焼結体の柱状片の個数を1〜4個とし、前記保持穴の間隔を前記柱状片の断面寸法の1.5〜20倍としたことである。
【0010】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2に記載のツルーイングロールにおいて、前記ダイヤモンド焼結体の柱状片は、前記ロールベースの外周部に円周方向に所定間隔で放射状に配置され、該複数の柱状片がメタルボンドで前記ロールベースに固定されていることである。
【0011】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至4のいずれか1項に係るツルーイングロールを製造する方法にして、前記ロールベースの外縁部に複数の保持穴をツルーイング面から所定深さに円周方向に所定間隔で穿設し、前記ダイヤモンド焼結体の柱状片を前記各保持穴に1個又は複数個挿入し、各保持穴に結合材を充填し該柱状片を各保持穴内に埋設して固定することである。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、ダイヤモンド粒子を一体焼結したダイヤモンド焼結体の柱状片が複数個、ロールベースの外縁部に円周方向に所定間隔で該柱状片の端面がツルーイング面に露出するように固定されている。ダイヤモンド焼結体は、単結晶ダイヤモンドより長い柱状片を制作することができるので、ツルーイングロールの使用可能範囲を増大して寿命を長くすることができる。
【0013】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、ダイヤモンド粒子層を超硬ベース上に一体焼結したダイヤモンド焼結体の複数個の柱状片が、ダイヤモンド粒子層がロールベースの回転方向の後方を向き且つ柱状片の端面がツルーイング面に露出するように配置されているので、ダイヤモンド粒子層が超硬ベースでバックアップされてロールベースに堅固に固定され、高負荷なツルーイングを高精度に行うことができる。また、ダイヤモンド粒子層を支持する超硬ベースのツルーイング時の磨耗が少ないので、ツルーイングロールの寿命が長くなる。さらに、ダイヤモンド焼結体では、単結晶ダイヤモンドより長い柱状片を制作することができるので、ツルーイングロールの使用可能範囲を増大して寿命を長くすることができる。
【0014】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、ダイヤモンド焼結体の柱状片が、ロールベースの外縁部にツルーイング面から所定深さに円周方向に所定間隔で穿設された複数の保持穴の各々に、1個又は複数個挿入され、各保持穴に充填された結合材で固定されている。これにより、ダイヤモンド焼結体の柱状片を各保持穴に挿入して少量の結合材で埋設して固定し、複数の柱状片をロールベースの外縁部に円周方向に所定間隔で配置した低コストのツルーイングロールを提供することができる。
【0015】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、各保持穴に挿入して固定されるダイヤモンド焼結体の柱状片の個数を1〜4個とすることにより、ツルーイングロールのツルーイング性能を満足し、且つ柱状片の総数を必要最小限に抑えてコストを低減することができる。保持穴の間隔が広すぎると、ツルーイング性能が低下するが、保持穴の間隔を柱状片の断面寸法の1.5〜20倍とすることにより良好なツルーイング性能を得ることができる。
【0016】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、ダイヤモンド粒子層を超硬ベース上に一体焼結したダイヤモンド焼結体の複数個の柱状片が、ダイヤモンド粒子層がロールベースの回転方向の後方を向き且つ柱状片の端面がロールベース外周面に露出するようにロールベースの外周部に所定間隔で放射状に並置されてメタルボンドで固定されているので、ダイヤモンド粒子層が超硬ベースでバックアップされてメタルボンドでロールベースに堅固に固定され、高負荷なツルーイングを高精度に行うことができる。また、ダイヤモンド粒子層を支持する超硬ベースのツルーイング時の磨耗が少ないので、ツルーイングロールの寿命が長くなる。
【0017】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、ロールベースの外縁部に複数の保持穴をツルーイング面から所定深さに円周方向に所定間隔で穿設し、ダイヤモンド焼結体の柱状片を各保持穴に1個又は複数個挿入し、各保持穴に結合材を充填し該柱状片を各保持穴内に埋設して固定してツルーイングロールを製造する。これにより、柱状片をニッケル電気メッキ又はバックアップリング等で支持して固定する必要がないので、部品点数が少なくなり、製作工数、時間を減少して製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、11はツルーイングロール10の円盤状のロールベースで、鉄又はアルミニューム等の金属で成形され、ツルーイング装置20の回転軸21に嵌着される取付け穴12が軸線上に穿設されている。ロールベース11の薄肉の外縁部13には、複数個(例えば157個)の保持穴14がツルーイング面15である外周面から中心に向かって所定深さ(例えば5mm)に円周方向に所定間隔(例えば、2mm)で放射状に穿設されている。図2,3に示すように、各保持穴14には、ダイヤモンド粒子層16aを超硬ベース16bに一体焼結したダイヤモンド焼結体の柱状片16が1個挿入され、保持穴14と柱状片16との間に結合材18として例えば低融点金属のロー材が充填され、各柱状片16のダイヤモンド粒子層16aがロールベース11の回転方向(図2の矢印A方向)の後方を向き且つ各端面がロールベース11のツルーイング面15に露出するように保持穴14内に埋設して固定されている。各保持穴14に挿入して固定されるダイヤモンド焼結体の柱状片16の個数は1個に限定されるものでなく、複数個、例えば2〜4個の柱状片16を挿入して固定してもよい。この場合、各保持穴14の柱状片16の個数は、同数としてもよく、保持穴14毎に個数を変えてもよい。
【0019】
ダイヤモンド焼結体は、例えばタングステンカーバイド粉、チタンカーバイド粉をコバルトで焼結して厚さ0.5mm程度の超硬ベース16bを作成し、超硬ベースを耐高融点容器に入れて超硬ベース16b上に粒子径が5μm程度のダイヤモンド粒子に必要に応じてコバルト粉を添加したものを積層し、高温(1500℃)、高圧(60,000気圧)下でコバルトを析出させて、厚さ0.5mm程度のダイヤモンド粒子層16aを超硬ベース16b上に一体焼結したものである。本実施形態においては、ダイヤモンド焼結体としてゼネラルエレクトリック社から販売されているダイヤモンドコンパックス(登録商標)のダイヤモンド粒子層16a及びベース部16bの厚さが夫々約0.5mmのものを使用し、これを幅1mm、長さ5mmにレーザで切断してダイヤモンド焼結体の柱状片16を作成した。
【0020】
保持穴14の寸法は、例えば直径1.42mm、深さ5mmとし、保持穴14の円周方向の間隔は、ダイヤモンド焼結体の柱状片16の横断面の大きさを示す寸法である一辺の長さ1mmの1.5〜20倍、例えば2mmの等間隔としている。保持穴14の間隔が広すぎると、ツルーイングロール10のツルーイング性能が低下するが、保持穴14の間隔を柱状片16の断面寸法の1.5〜20倍とすることにより、ツルーイング面15に露出する柱状片16の全個数とその間隔とのバランスが良好になってツルーイング性能が向上する。
【0021】
ロールベース11の外縁部13には、複数のガス抜き穴17が各保持穴14の底部に夫々連通するように軸線方向に貫通して穿設されている。これにより、保持穴14内に1個のダイヤモンド焼結体の柱状片16を挿入して結合材18を充填して固定するときに発生するガスがガス抜き穴17から排出されるので、ツルーイングロール10が内部応力を残すことなく高精度に作成される。なお、ガス抜き穴17はロールベース11の片側面から各保持穴14の底部に夫々連通するまで軸線方向に穿設してもよい。
【0022】
結合材18であるロー材を溶融して柱状片16を各保持穴14に固定する場合、保持穴14の外縁部13への開口端及びガス抜き穴17の一方端を塞ぐように形成された型にロールベース11を水平状態にして挿入し、炉内でロー材の溶融温度に過熱する。
【0023】
次に、本発明に係るツルーイングロール10の作動について説明する。ツルーイングロール10を研削盤に装備したツルーイング装置20の回転軸21に装着して高速回転駆動した状態で、研削盤に支承されて回転駆動される砥石車22の研削面23に対して相対的に前進させ、クーラントを供給してツルーイングロール10のツルーイング面15を砥石車22の研削面23に切込み、ツルーイングロール10を砥石車22の回転軸線方向に研削面23に沿って相対的に移動させて研削面23をツルーイングロール10によりツルーイングする。即ち、ツルーイング面15には、保持穴14に挿入され結合材18に埋設して固定されたダイヤモンド焼結体の柱状片16が、ダイヤモンド粒子層16aが後方を向き且つ所定間隔で露出しているので、研削面23の砥粒が柱状片16のダイヤモンド粒子層16aにより破砕されて砥石車22がツルーイングされる。この場合、ダイヤモンド粒子層16aは超硬ベース16bにバックアップされて保持穴14に結合材18により固定されているので、高負荷なツルーイングに耐えることができる。また、超硬ベース16bのツルーイング時の摩耗が少ないので、ツルーイングロールの寿命が長くなる。
【0024】
ツルーイング時に砥石車22とツルーイングロール10とは逆回転し、砥石車22の周速がツルーイングロール10の周速より早い。従って、ダイヤモンド焼結体の柱状片16がロールベース11の外縁部13にダイヤモンド粒子層16aがロールベース11の回転方向の前方を向くように固定されていると、ダイヤモンド粒子層16aによってツルーイングされていない砥石車22の部分が超硬ベース16bに追いついて後から叩くようになり、振動の原因となる。ところが、上記実施の形態では、ダイヤモンド焼結体の柱状片16がロールベース11の外縁部13にダイヤモンド粒子層16aがロールベースの回転方向の後方を向くように固定されており、砥石車22は、ダイヤモンド粒子層16aに追いついてツルーイングされながらツルーイングロール10から離脱するので、振動を生じることなく高精度にツルーイングされる。
【0025】
図3に示すダイヤモンド焼結体の柱状片16は、端面形状が略正方形でダイヤモンド粒子層16aと超硬ベース16bとが同一形状であるが、図5に示すように、柱状片16の端面形状を台形とし、該台形の高さの半分の厚みを有するダイヤモンド粒子層16a及び超硬ベース16bを台形の長辺側及び短辺側に夫々配置するようにしてもよい。このような配置にすることによりダイヤモンド粒子層16aの端面がツルーイング面15に露出する作用面積が大きくなり、ツルーイングロール10の寿命を向上することができる。また、図6に示す柱状片16では、ダイヤモンド粒子層16aの端面形状を台形とし、超硬ベース16bの端面形状をダイヤモンド粒子層16aの端面形状である台形の短辺を1辺とする矩形で構成することにより、ダイヤモンド粒子層16aの端面がツルーイング面15に露出する作用面積を大きくしている。
【0026】
図7に示すダイヤモンド焼結体の柱状片16は、超硬ベース16bを設けることなく、ダイヤモンド粒子が一体焼結して形成されている。このようなダイヤモンド焼結体の柱状片16によると、ダイヤモンド粒子層16aが超硬ベース16bでバックアップされることがないので強度は低下するが、ツルーイング時に超硬ベース16bが砥石車22に作用することがなく、より高精度なツルーイングを行うことができる。
【0027】
上記実施形の態では、円盤状のロールベース11の外周面であるツルーイング面15から保持穴14を円周方向に所定間隔で放射状に穿設し、該保持穴14に複数のダイヤモンド焼結体の柱状片16を挿入固定しているが、ロールベースをカップ型とし、円筒状周縁部の端面であるツルーイング面から複数の保持穴を円周方向に所定間隔で軸線方向に穿設し、各保持穴に一個又は複数個のダイヤモンド焼結体の柱状片をそのダイヤモンド粒子層がロールベースの回転方向の後方を向き且つ柱状片の端面がツルーイング面に露出するように挿入して結合材で固定してもよい。
【0028】
また、図8に示すように、ダイヤモンド焼結体の柱状片16を円盤状のロールベース11の外周面であるツルーイング面15に対して傾斜させてロールベースに固定するようにしてもよい。即ち、ロールベース11の薄肉の外縁部13に、複数個の保持穴14がツルーイング面15から中心に向かって半径に対し傾斜して所定深さに円周方向に所定間隔で放射状に穿設されている。各保持穴14には、ダイヤモンド焼結体の柱状片16が挿入され、保持穴14と柱状片16との間に結合材18が充填され、各柱状片16のダイヤモンド粒子層16aがロールベース11の回転方向(図5の矢印A方向)の後方を向き且つ各端面がロールベース11のツルーイング面15に露出するように保持穴14内に埋設して固定されている。このように柱状片16を傾斜させることにより、ダイヤモンド粒子層16aの端面がツルーイング面15に露出する作用面積が大きくなり、柱状片16に使用されるダイヤモンドの総数が同じであっても、柱状片16を傾斜させない場合に比してツルーイングロール10の寿命を向上することができる。なお、ツルーイングロールがカップ型である場合は、ダイヤモンド焼結体の柱状片16をカップ型ロールベースの円筒状周縁部の端面であるツルーイング面に対して傾斜させて円筒状周縁部に固定する
【0029】
さらに、ロールベース11に保持穴14を穿設することなく、ダイヤモンド粒子層16aを超硬ベース16b上に一体焼結したダイヤモンド焼結体の複数個の柱状片16をロールベース11の外周部にダイヤモンド粒子層16aがロールベース11の回転方向の後方を向き且つ該柱状片16の端面がロールベース11の外周面に露出するように円周方向に所定間隔で放射状に並べて設置し、該複数の柱状片16をメタルボンドでロールベース11に固定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るツルーイングロールの縦断面図。
【図2】ロールベースの外縁部の部分断面図。
【図3】ツルーイングロールのツルーイング面の一部を示す図。
【図4】ツルーイング装置と砥石との関係を示す図。
【図5】ダイヤモンド焼結体の柱状片の他の端面形状を示す図。
【図6】柱状片のさらに他の端面形状を示す図。
【図7】ダイヤモンド粒子を一体焼結して形成された柱状片を示す図。
【図8】柱状片が円盤状のロールベースに傾斜して固定された状態を示す図。
【符号の説明】
【0031】
10・・・ツルーイングロール、11・・・ロールベース、12・・・取付け穴、13・・・外縁部、14・・・保持穴、15・・・ツルーイング面、16・・・ダイヤモンド焼結体の柱状片、16a・・・ダイヤモンド粒子層、16b・・・超硬ベース、20・・・ツルーイング装置、21・・・回転軸、22・・・砥石車、23・・・研削面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤモンド粒子を一体焼結したダイヤモンド焼結体の複数個の柱状片をロールベースの外縁部に円周方向に所定間隔で該柱状片の端面がツルーイング面に露出するように固定したことを特徴とするツルーイングロール。
【請求項2】
ダイヤモンド粒子層を超硬ベース上に一体焼結したダイヤモンド焼結体の複数個の柱状片をロールベースの外縁部に円周方向に所定間隔で前記ダイヤモンド粒子層がロールベースの回転方向の後方を向き且つ該柱状片の端面がツルーイング面に露出するように固定したことを特徴とするツルーイングロール。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記ダイヤモンド焼結体の柱状片は、前記ロールベースの外縁部にツルーイング面から所定深さに円周方向に所定間隔で穿設された複数の保持穴の各々に、1個又は複数個挿入され各保持穴に充填された結合材によって固定されていることを特徴とするツルーイングロール。
【請求項4】
請求項3において、前記各保持穴に挿入されるダイヤモンド焼結体の柱状片の個数を1〜4個とし、前記保持穴の間隔を前記柱状片の断面寸法の1.5〜20倍としたことを特徴とするツルーイングロール。
【請求項5】
請求項1又は2において、前記ダイヤモンド焼結体の柱状片は、前記ロールベースの外周部に円周方向に所定間隔で放射状に配置され、該複数の柱状片がメタルボンドで前記ロールベースに固定されていることを特徴とするツルーイングロール。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に係るツルーイングロールを製造する方法にして、前記ロールベースの外縁部に複数の保持穴をツルーイング面から所定深さに円周方向に所定間隔で穿設し、前記ダイヤモンド焼結体の柱状片を前記各保持穴に1個又は複数個挿入し、各保持穴に結合材を充填し該柱状片を各保持穴内に埋設して固定することを特徴とするツルーイングロールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−320015(P2007−320015A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155839(P2006−155839)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(591043721)豊田バンモップス株式会社 (29)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】