デジタルカメラ
【課題】 本撮影時の露出制御やホワイトバランス制御を迅速に、精度良く行えるデジタルカメラを提供する。
【解決手段】 ライブビュー撮影時に被写体が暗い場合には、読出制御信号(VD)の周期Tvより露光時間Teの方が長くなるため、CCDからは被写体に関する信号出力Spの他に、黒信号である空転送出力Sqが出力される。この空転送出力Sqは、温度によって変化する黒レベルを正確に反映しているため、空転送出力Sqを利用し、本撮影時の制御情報であるAE評価値およびWB評価値を本撮影前に算出する。これにより、本撮影時の露出制御やホワイトバランス制御を迅速に、精度良く行えることとなる。
【解決手段】 ライブビュー撮影時に被写体が暗い場合には、読出制御信号(VD)の周期Tvより露光時間Teの方が長くなるため、CCDからは被写体に関する信号出力Spの他に、黒信号である空転送出力Sqが出力される。この空転送出力Sqは、温度によって変化する黒レベルを正確に反映しているため、空転送出力Sqを利用し、本撮影時の制御情報であるAE評価値およびWB評価値を本撮影前に算出する。これにより、本撮影時の露出制御やホワイトバランス制御を迅速に、精度良く行えることとなる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルカメラに関し、特に増幅率が可変で、撮像手段からの電子信号を増幅する増幅手段を有するデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルカメラでは、本撮影前に被写体像を一定周期(例えば1/30秒)で撮影し、液晶ディスプレイなどに表示することにより被写体を動画的な態様で視認できる機能(ライブビュー表示)が設けられるものが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のデジタルカメラにおいて、被写体が暗い場合に動画的な態様で表示するには、CCD(固体撮像素子)から出力される画像信号を増幅する増幅回路のゲインを本撮影時に比べて高く設定する必要があるため、CCDからの信号に含まれるノイズ成分(黒レベル)も増幅されてしまう。
【0004】図16は、本撮影時とライブビュー時とでSN比を比較するための図である。ここでは、一例として本撮影時の撮影条件を、ゲイン6dB(ISO100相当)、シャッタースピード1秒、FNo.2.8に設定し、ライブビュー時の撮影条件を、ゲイン36dB(ISO3200相当)、シャッタースピード1/32秒、FNo.2.8に設定している。また、本撮影時のS(信号量)をX、これに対するN(ノイズ量)をX/100と仮定するとともに、シャッタースピードが速いライブビュー時のS(信号量)をX/32、N(ノイズ量)を本撮影時と同一のX/100としている。
【0005】図16(a)によれば、ゲイン6dBに相当する数値2が信号量Sとノイズ量とに乗算されるため、これらを加算した値は2.02Xとなり、このうちノイズ成分は、0.02Xとなる。
【0006】一方、図16(b)によれば、ゲイン36dBに相当する数値64が、信号量Sとノイズ量とに乗算されるため、これらを加算した値は2.64Xとなり、このうちノイズ成分は、0.64Xとなる。
【0007】上述のように、CCDで取得した画像信号に含まれるノイズ成分はライブビュー時に増加する。また、ノイズは温度上昇に伴い増加する特性を有するため、CCDで取得した画像信号において黒とすべき黒レベルも変動することとなる。したがって、画像信号に対して常に一定の黒レベルを用いて補正しても、温度条件の相違によって黒レベル補正が正確に施せないこととなる。
【0008】また、本撮影時の制御を迅速に精度良く行うためには、露出制御で使用するAE評価値や、ホワイトバランス制御で使用するWB評価値を本撮影前のライブビュー時に正確に算出するのが好ましいが、上述した黒レベルの変動を考慮する必要がある。
【0009】本発明は、本撮影時の露出制御やホワイトバランス制御を迅速に、精度良く行えるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、デジタルカメラであって、(a)受光レベルに応じた電子信号を出力する撮像手段と、(b)増幅率が可変で、前記電子信号を増幅する増幅手段と、(c)前記増幅手段を第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき、黒レベルと、測光に係る測定値とを取得する測定手段と、(d)前記増幅手段を第2増幅率に設定して生成される第2増幅信号に基づき、本撮影に係る画像データを生成する撮影制御手段と、(e)前記黒レベルに基づき前記測定値を補正して、前記本撮影の露出制御に係る制御情報を生成する生成手段とを備える。
【0011】また、請求項2の発明は、デジタルカメラであって、(a)受光レベルに応じた電子信号を出力する撮像手段と、(b)増幅率が可変で、前記電子信号を増幅する増幅手段と、(c)前記増幅手段を第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき、黒レベルと、測色に係る測定値とを取得する測定手段と、(d)前記増幅手段を第2増幅率に設定して生成される第2増幅信号に基づき、本撮影に係る画像データを生成する撮影制御手段と、(e)前記黒レベルに基づき前記測定値を補正して、前記本撮影のホワイトバランス制御に係る制御情報を生成する生成手段とを備える。
【0012】また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記生成手段は、(e-1)所定範囲から外れる前記測定値または前記黒レベルを除外して、前記制御情報を生成する手段を有する。
【0013】また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明に係るデジタルカメラにおいて、前記撮像手段は、(a-1)前記電子信号として、露光時間満了時には実信号を出力し、露光時間未了時には空信号を出力する手段、を有するとともに、前記測定手段は、(c-1)前記空信号に基づき、前記黒レベルを取得する手段を有する。
【0014】また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記空信号は、ライブビュー撮影時に出力される。
【0015】
【発明の実施の形態】<第1実施形態><デジタルカメラの要部構成>図1、図2および図3は、本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラ1の要部構成を示す図であり、図1は正面図、図2は上面図、図3は背面図に相当する。これらの図は必ずしも三角図法に則っているものではなく、デジタルカメラ1の要部構成を概念的に例示することを主眼としている。
【0016】図2に示すように、デジタルカメラ1は、撮影レンズであるマクロ機能付きレンズ群(以下、単に「レンズ」とも称する)30を含む撮像部3を備えている。また、デジタルカメラ1は、ズーム機能を有しており、ズームリング33を回転させることなどにより、撮影倍率の変更を行うことができる。さらに、デジタルカメラ1は、マクロ切替えレバー34を備えており、マクロ撮影と通常撮影とを切り換えることができる。また、デジタルカメラ1の上面にはシャッターボタン9が設けられている。
【0017】デジタルカメラ1の上面には、「撮影モード」と「再生モード」と「通信モード」とを切替設定するモード切替えダイアル14が設けられている。撮影モードは、写真撮影を行なうモードであり、再生モードは、メモリカード8に記録された撮影画像データを背面LCD10に再生表示するモードである。また、通信モードは、デジタルカメラ1の側面に設けられるUSB端子226を介して、外部のパーソナルコンピュータ225などにデータ転送するモードである。デジタルカメラ1の上面には、データパネル36がさらに設けられており、このデータパネル36において各種モードの設定状態等が表示される。
【0018】図3に示すように、デジタルカメラ1の背面左方には、撮影画像のライブビュー表示及び記録画像の再生表示等を行なうための液晶ディスプレイ(背面LCD)10と電子ビューファインダ(EVF)20とが設けられている。この背面LCD10およびEVF20では、カラーで画像表示が行われる。
【0019】デジタルカメラ1の背面右方には、カーソルボタン(十字キー)U、D、L、R、および実行ボタン32を含むコントロールボタン35が設けられており、このコントロールボタン35を用いて各種操作が行われる。また、デジタルカメラ1の背面には、メニューボタン37が設けられている。このメニューボタン37が押下されることにより、各種のメニューが背面LCD10に表示される。
【0020】また、デジタルカメラ1の背面には、ディスプレイ切換レバー31とビデオ出力端子222とが設けられている。ディスプレイ切換レバー31は、背面LCD10の表示とEVF20の表示との切換等を行うレバーである。ビデオ出力端子222は、外部モニタ223と通信線を介して接続するための端子である。
【0021】デジタルカメラ1の側面には、メモリカード8を挿入して装着できるメモリスロット81が設けられている。
【0022】<デジタルカメラ1の機能ブロック>図4は、デジタルカメラ1の機能ブロック図である。同図において、CCD303は、撮像手段として機能し、2560×1920画素を有している。このCCD303は、レンズ群30により結像された被写体の光像を、R(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された、受光レベルに応じた画素信号の信号列からなる電子信号)に光電変換して出力する。タイミングジェネレータ314は、CCD303の駆動を制御するための各種のタイミングパルスを生成するものである。
【0023】撮像部3における露出制御は、レンズ駆動部306によるレンズ群30の絞りと、CCD303の露光量、すなわち、シャッタスピードに相当するCCD303の電荷蓄積時間を調節して行なわれる。ここで、被写体輝度が低輝度時に適切なシャッタスピードが設定できない場合は、CCD303から出力される画像信号のレベル調整を行なうことにより露光不足による不適正露出が補正される。
【0024】タイミングジェネレータ314は、全体制御部211から送信される基準クロック基づきCCD303の駆動制御信号を生成するものである。このタイミングジェネレータ314は、例えば積分開始/終了(露出開始/終了)のタイミング信号、各画素の受光信号の読出制御信号(水平同期信号,垂直同期信号,転送信号等)等のクロック信号を生成し、CCD303に出力する。
【0025】信号処理回路313は、CCD303から出力される画像信号(アナログ信号)に所定のアナログ信号処理を施すものである。この信号処理回路313は、CDS(相関二重サンプリング)回路と、増幅手段として働くAGC(オートゲインコントロール)回路とを有し、CDS回路により画像信号のノイズ低減処理を行ない、AGC回路でゲイン(増幅率)を変更することにより画像信号のレベル調整を行い増幅信号を生成する。
【0026】A/D変換器205は、画像信号の各画素信号を12ビットのデジタル信号に変換するものである。A/D変換器205は、全体制御部211から入力されるA/D変換用のクロックに基づいて各画素信号(アナログ信号)を12ビットのデジタル信号に変換する。
【0027】黒レベル補正回路206は、A/D変換された画素信号(以下、「画素データ」という。)の黒レベルを基準の黒レベルに補正する部位である。
【0028】WB(ホワイトバランス)回路207は、R,G,Bの各色成分の画素データのレベル変換を行なうものである。このWB回路207は、全体制御部211で記憶されるレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分の画素データのレベルを変換する。なお、レベル変換テーブルの各色成分のパラメータ(特性の傾き)は全体制御部211により、撮影画像毎に設定される。γ補正回路208は、画素データの階調を補正するものである。
【0029】画像メモリ209は、CCD303で取得され、上記の画像処理が施された画像データを記憶するメモリである。画像メモリ209は、少なくとも1フレーム分の記憶容量を有している。すなわち、画像メモリ209は、CCD303画素数に対応する2560×1920画素分の画素データの記憶容量を少なくとも有し、各画素データが対応する画素位置に記憶されるようになっている。
【0030】EVF/背面LCD切替え部235は、ディスプレイ切替えレバー31の設定に基づいて、背面LCD10とEVF20との表示切替えを行う。
【0031】デジタルカメラ1の撮影待機状態では、CCD303により1/30(秒)毎に撮像された画像の各画素信号がA/D変換器205〜γ補正回路208により所定の信号処理を施された後、全体制御部211を介してEVF/LCD切替え部235に転送され、背面LCD10やEVF20に表示される(ライブビュー表示)。これにより、ユーザはCCD303で撮像される被写体像を本撮影前に視認することができることとなる。また、再生モードにおいては、メモリカード8から読み出された画像が全体制御部211で所定の信号処理が施された後、EVF/LCD切替え部235に転送され、背面LCD10やEVF20に再生表示される。
【0032】カードI/F212は、メモリスロット81に装着されるメモリカード8への画像データの書込み及び読出しを行なうためのインターフェースである。このメモリカード8への画像データの読み書きでは、圧縮・伸張部236において例えばJPEG方式で画像の圧縮・伸張が行われる。
【0033】また、USBI/F224は、外部のパーソナルコンピュータ225と通信可能にするための、USB規格に準拠した通信用インターフェースである。これらのカードI/F212、USBI/F224を介して、メモリカード8やパーソナルコンピュータ225にセットされるCD−ROMなどの記録媒体に記録されている制御プログラムを、全体制御部211のROM211b内に取り込むことができる。
【0034】操作部250は、上述したシャッターボタン9、ディスプレイ切換レバー31、コントロールボタン35などの各種ボタン、レバーなどで構成されている。
【0035】シャッターボタン9は、半押し状態(S1)と押し込まれた全押し状態(S2)とが検出可能な2段階スイッチになっている。待機状態でシャッターボタン9をS1状態にすると、AFのためのレンズ駆動を開始し、画像のコントラストを評価しながら、コントラストがもっとも高くなるようにレンズを駆動し停止させる。一方、シャッターボタン9をS2状態にすると、本撮影が行われる。すなわち、CCD303で取得され画像処理が施された画像データが圧縮・伸張部236でデータ圧縮されるとともに、そのサムネイル画像が全体制御部211で生成される。そして、生成された画像データとサムネイル画像データとが、カードI/F212を介してメモリカード8に記録される。
【0036】外部モニタI/F221は、EVF/LCD切替え部235から転送される画像データを、例えばNTSC方式に信号変換を行うインターフェースであり、ビデオ出力端子222を介して外部モニタ223に画像信号を送信する。
【0037】全体制御部211は、マイクロコンピュータとして働くCPUおよびRAM211aを有するとともに、制御プログラムなどを格納するROM211bとを有している。そして、全体制御部211は、上述したカメラの各部材の駆動を有機的に制御してデジタルカメラ1の動作を統括制御する。
【0038】また、全体制御部211は、AE/WB評価値生成部211cを有している。このAE/WB評価値生成部211cは、γ補正前の画像データ、つまりリニアな12ビットのデジタル信号を取込み、後述のAE評価値、WB評価値を生成する。
【0039】<CCD303の出力について>図5は、CCD303の出力パターンを説明するための図である。本図は、横軸が時間軸のタイミングチャートを示しており、図5(a)、(b)は、それぞれライブビュー撮影時におけるCCD303の読出制御信号(VD)、露光および出力(CCDout)のタイミングを表している。また、図5(a)は、CCD303で空転送が生じる場合の一例を示したもので、図5(b)は、空転送が生じない場合の一例を示したものである。
【0040】図5(a)では、図5(b)に比べて露光時間Teが長くなっているが、これは被写体が暗いために露光時間が長く必要となるためである。そして、露光時間TeがVDの周期Tvより長いため、CCD303は、被写体の画像信号である露光時間満了時の信号出力(実信号)Spの他に、黒信号である露光時間未了時の空転送出力(空信号)Sqを出力することとなる。なお、露光時間Teは、被写体の暗さに比例して長くなるため、被写体が非常に暗く露光時間TeがVDの周期Tvの2倍以上となる場合には、信号出力Spと信号出力Spとの間に2回以上のの空転送出力Sqが発生する。
【0041】以上ではCCD303の出力パターンについて説明したが、次にCCD303から出力される信号に関する黒レベルの特性について説明する。
【0042】図6は、黒レベルの特性を説明するための図である。図6において、横軸は温度を示しており、縦軸は、画像において黒とされるべき黒レベルを示している。
【0043】黒レベルの特性Cvは、温度に無関係なオフセット成分Fsと、温度の上昇に伴って指数関数的に増加するノイズ成分Ftとが合成されたものとなっている。このように、CCD303の出力はデジタルカメラ1の内部温度に応じて黒レベルが変化するため、特に低輝度シーンにおいて輝度レベルを高ゲインで増幅する場合にはAE制御などに悪影響を及ぼし、結果として露出誤差が生じてしまう。そこで、黒レベルを正確に把握するとともに、この黒レベルに基づき露出制御やWB制御に使用するAE評価値やWB評価値を精度良く取得するために、次で説明する動作がデジタルカメラ1で行われる。
【0044】<デジタルカメラ1の動作>図7は、デジタルカメラ1の基本的な動作を説明するフローチャートである。この動作は、被写体が暗く図5(a)のように空転送出力Sqが生じる場合を想定しており、ライブビュー撮影時(後述のステップST1〜ST5)における信号処理回路313の増幅率(第1増幅率)が、本撮影時(後述のステップST7)における増幅率(第2増幅率)より大きく設定される状況での動作となる。本動作は、全体制御部211で実行される。
【0045】ステップST1では、CCD303から出力される所定の信号に基づき、補正用黒レベルを演算する(後で詳述)。
【0046】ステップST2では、ステップST1で求められた補正用黒レベルに基づき、AE評価値を算出する(後で詳述)。
【0047】ステップST3では、ステップST1で求められた補正用黒レベルに基づき、WB評価値を算出する(後で詳述)。
【0048】ステップST4では、以上の動作で算出されたAE評価値などから、信号処理回路313の増幅率(AmpGain)や、CCD303の露光時間(FrameRate)などの本撮影の制御で用いる設定値を取得する。
【0049】ステップST5では、ライブビュー撮影での設定を行う。すなわち、上記のステップST4と同様に、ライブビュー時のAmpGainやFrameRateなどが設定される。
【0050】ステップST6では、撮影者によって本撮影が指示されたかを判定する。具体的には、シャッターボタン8が全押し(S2)の状態になったかを判断する。ここで、本撮影が指示された場合には、ステップST7に進み、本撮影が指示されていない場合には、ステップST1に戻る。
【0051】ステップST7では、デジタルカメラ1で本撮影の処理、すなわちCCD303で被写体を撮像し、記録用の画像データを生成する。ここでは、ステップST2およびST3で算出されたAE評価値とWB評価値とをAE制御などに反映できるため、本撮影の動作を迅速に、精度良く行えることとなる。
【0052】図8は、上記のステップST1に対応する動作で、補正用黒レベルの算出動作を説明するフローチャートである。
【0053】ステップST11では、黒レベル補正回路206で、CCD303から出力される空転送出力Sqから、所定値(例えば128)を減算する。この空転送出力Sqは、デジタルカメラ1の内部温度が反映された正確な黒レベルに対応している。
【0054】ステップST12では、WB回路207で、ステップS11で所定値(128)が減算された画像データの各R、G、Bに、ホワイトバランスに係るゲインを乗算する。
【0055】ステップST13では、図9に示すように、画像データを縦横に5分割して25のAEブロックGbに分け、各AEブロックGbにおいて各画素の輝度レベルから黒ベルNDm,n(m=0〜4、n=0〜4)を演算する。
【0056】ステップST14では、ステップST13で演算された各AEブロックGbの黒レベルNDm,nから平均値NDaveを算出する。ここでは、各AEブロックGbについて重み係数を同一にして、画面全体を等価平均する。
【0057】ステップST15では、各AEブロックGbの黒レベルNDm,nで異常値があるかを判定する。すなわち、所定範囲から外れる、例えば上記の平均値NDave+64より大きい黒レベルNDm,nを異常値と判断する。ここで、異常値がある場合には、ステップST16に進み、異常値がない場合には、ステップST17に進む。
【0058】ステップST16では、ステップST15で異常値と判断されたAEブロックGbを除外し、それ以外のAEブロックGbで平均値NDaveを再演算する。これにより、異常なAEブロックを排除できるため、より正確に黒レベルの平均値NDaveを算出できることとなる。
【0059】ステップST17では、ゲイン比率ΔGa(本撮影時の増幅率/ライブビュー時の増幅率)を演算する。
【0060】ステップST18では、シャッタースピード比率(本撮影時のシャッタースピード/ライブビュー時のシャッタースピード)を演算する。これは、信号のノイズ成分、つまり黒レベルはシャッタースピードに比例して増加するので、本撮影時のシャッタースピードとライブビュー時のシャッタースピードとが異なる場合に、それを補正するための処理である。
【0061】ステップST19では、本撮影で使用する黒レベルNBを算出する。この黒レベルは、NB=ΔGa×ΔSS×NDave+128で計算される。これにより、ライブビュー時に得られる黒レベルの平均値を、ゲインおよびシャッタースピードの異なる本撮影に対応させることが可能となる。
【0062】図10は、上記のステップST2に対応する動作で、AE評価値の算出動作を説明するフローチャートである。
【0063】ステップST21では、上記のステップST12と同様に、CCD303の信号出力Spに対応する画像データの各R、G、Bにゲインを乗算する。
【0064】ステップST22では、測光に係る測定値に相当するAEブロック演算値を算出する。具体的には、図9に示す各AEブロックGbの各画素に関して、例えば近接の輝度レベルが積算される演算が行われる。
【0065】ステップST23では、各AEブロック演算値から、上記のステップST14またはST16で算出された黒レベルの平均値NDave+128を減算する。すなわち、図11(a)に示すようにCCD303の信号出力には、黒レベルの平均値NDave+128に相当するオフセットFuが含まれているが、ステップST23の減算処理により、図11(b)に示すようにオフセットFuが除去された適切な補正信号Sgが得られることとなる。
【0066】ステップST24では、ステップST23で黒レベルを補正された各AEブロックGb演算値に基づき、本撮影の露出制御に係る制御情報に相当するAE評価値を算出する。このAE評価値は、図12に示すように、分割されたAEブロックGbを画面中央から3つのグループRa、Rb、Rcに分け、各グループRa、Rb、RcにおけるAEブロック演算値の平均値D0、D1、D2を算出する。そして、次の式(1)のように、画面中央から順に3:2:1で重み付け平均されるAE評価値EDを求める。
【0067】
【数1】
【0068】このように求められたAE評価値EDを本撮影時の露出制御に反映できるため、迅速で精度の良い露出制御が可能となる。
【0069】図13は、上記のステップST3に対応する動作で、WB評価値の算出動作を説明するフローチャートである。本動作は、上記のステップST23で黒レベルの平均値NDave+128が減算された各AEブロックGbを利用するWBブロックに関する演算処理となる。
【0070】ステップST31では、測色に係る測定値に相当するWBブロック演算値を算出する。具体的には、25のWBブロックにおいて、R、G、Bごとに各画素の輝度レベルが演算された演算値Rm,n、Gm,n、Bm,n(m=0〜4、n=0〜4)が算出される。
【0071】ステップST32では、ステップST31で算出された各演算値Rm,n、Gm,n、Bm,nに基づき、R、G、Bの比率CRm,n、CGm,n、CBm,nを各WBブロックで算出する。具体的には、各WBブロックごとに、次の式(2)〜(4)の演算が行われる。
【0072】
【数2】
【0073】ステップST33では、ステップST32で算出された各WBブロックの比率CRm,n、CGm,n、CBm,nで異常値があるかを判定する。具体的には、所定範囲から外れる、例えば比率CRm,n、CGm,nまたはCBm,nが0.5より大きい場合(彩度が高い場合)には、この比率を異常値と判断する。ここで、異常値がある場合には、ステップST34に進み、異常値がない場合には、ステップST35に進む。
【0074】ステップST34では、ステップST33で異常値と判断されたWBブロックにおけるR、G、Bの比率CRm,n、CGm,n、CBm,nに0を代入する。これは、各比率に0を代入することで、異常なWBブロックを次のステップST35の演算において除外するためである。
【0075】ステップST35では、ステップST32で演算された各WBブロックのRGBの比率CRm,n、CGm,n、CBm,nに基づき、本撮影のホワイトバランス制御に係る制御情報に相当するWB評価値を算出する。具体的には、WB評価値RW、GWおよびBWは、次の式(5)〜式(7)のように求められる。
【0076】
【数3】
【0077】このように求められたWB評価値RW、GW、BWを本撮影時のホワイトバランス制御に反映できるため、迅速で精度の良いWB制御が可能となる。
【0078】以上のデジタルカメラ1の動作により、本撮影前に温度に応じて変化する黒レベルを把握しAE評価値およびWB評価値を正確に算出するため、本撮影時の露出制御やホワイトバランス制御を迅速に、精度良く行える。
【0079】<第2実施形態>本発明の第2実施形態に係るデジタルカメラ5は、第1実施形態のデジタルカメラ1と類似の構成を有しているが、全体制御部211の構成が異なっている。
【0080】すなわち、デジタルカメラ5の全体制御部211は、以下で説明する動作を実行するためのプログラムが、ROM211bに格納されている。
【0081】デジタルカメラ5の基本的な動作は、図7のフローチャートに示す第1実施形態のデジタルカメラ1の動作と同様であるが、ステップST1およびステップST2の動作が異なっている。このステップST1、ST2の動作を以下で説明する。
【0082】図14は、上記のステップST1に対応する動作で、補正用黒レベルの算出動作を説明するフローチャートである。
【0083】本フローチャートについては、図8に示すフローチャートのステップST12の動作を削除したものとなっている。
【0084】すなわち、ステップST41では、図8のステップST11と同様の動作を行い、ステップST42〜ST48では、図8のステップST13〜ST19の動作が行われる。
【0085】図15は、上記のステップST2に対応する動作で、AE評価値の算出動作を説明するフローチャートである。
【0086】本フローチャートについては、図10のフローチャートに対して、各ステップの順番が異なっている。
【0087】すなわち、ステップST51およびST52では、図10のステップST22およびST23の動作を行い、ステップST53では、図10のステップST21の動作が行われる。そして、ステップST54では、図10のステップST24と同様の動作を行う。
【0088】以上のデジタルカメラ5の動作のように、補正用黒レベルの算出動作においてRGBのゲインを乗算せず、AE評価値の算出動作において補正用黒レベルを減算した後にRGBのゲインを乗算する場合にも、デジタルカメラ1と同じAE評価値が得られ、第1実施形態と同様の効果を奏することとなる。
【0089】<変形例>◎上記の各実施形態におけるAEブロック、WBブロックについては、画面を5×5の25分割するのは必須でなく、6×8などm×n(m、nは自然数)に分割しても良い。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および請求項3ないし請求項5の発明によれば、本撮影と異なる第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき黒レベルと測光に係る測定値とを取得し、この黒レベルに基づき測定値を補正して本撮影の露出制御に係る制御情報を生成するため、本撮影時の露出制御を迅速に、かつ精度良く行える。
【0091】また、請求項2および請求項3ないし請求項5の発明によれば、本撮影と異なる第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき黒レベルと測色に係る測定値とを取得し、この黒レベルに基づき測定値を補正して本撮影のホワイトバランス制御に係る制御情報を生成するため、本撮影時のホワイトバランス制御を迅速に、かつ精度良く行える。
【0092】また、請求項3の発明においては、所定範囲から外れる測定値または黒レベルを除外して、制御情報を生成するため、本撮影時の制御をより精度良く行える。
【0093】また、請求項4の発明においては、空信号に基づき黒レベルを取得するため、温度に応じて変化する黒レベルを正確に取得できる。
【0094】また、請求項5の発明においては、空信号がライブビュー撮影時に出力されるため、本撮影前に確実に本撮影時の制御情報を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラ1の要部構成を示す図である。
【図2】デジタルカメラ1の要部構成を示す図である。
【図3】デジタルカメラ1の要部構成を示す図である。
【図4】デジタルカメラ1の機能ブロック図である。
【図5】CCD303の出力パターンを説明するための図である。
【図6】黒レベルの特性を説明するための図である。
【図7】デジタルカメラ1の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【図8】補正用黒レベルの算出動作を説明するフローチャートである。
【図9】各AEブロックでの黒レベル算出を説明するための図である。
【図10】AE評価値の算出動作を説明するフローチャートである。
【図11】各AEブロック演算値から黒レベルが減算される概念を説明するための図である。
【図12】AE評価値の算出を説明するための図である。
【図13】WB評価値の算出動作を説明するフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施形態に係るデジタルカメラ5における補正用黒レベルの算出動作を説明するフローチャートである。
【図15】AE評価値の算出動作を説明するフローチャートである。
【図16】本撮影時とライブビュー時とでSN比を比較するための図である。
【符号の説明】
1、5 デジタルカメラ
206 黒レベル補正回路
207 WB(ホワイトバランス)回路
221 全体制御部
221c AE/WB評価値生成部
Fu オフセット(黒レベル)
Gb AEブロック
Sp 信号出力
Sq 空転送出力
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルカメラに関し、特に増幅率が可変で、撮像手段からの電子信号を増幅する増幅手段を有するデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルカメラでは、本撮影前に被写体像を一定周期(例えば1/30秒)で撮影し、液晶ディスプレイなどに表示することにより被写体を動画的な態様で視認できる機能(ライブビュー表示)が設けられるものが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のデジタルカメラにおいて、被写体が暗い場合に動画的な態様で表示するには、CCD(固体撮像素子)から出力される画像信号を増幅する増幅回路のゲインを本撮影時に比べて高く設定する必要があるため、CCDからの信号に含まれるノイズ成分(黒レベル)も増幅されてしまう。
【0004】図16は、本撮影時とライブビュー時とでSN比を比較するための図である。ここでは、一例として本撮影時の撮影条件を、ゲイン6dB(ISO100相当)、シャッタースピード1秒、FNo.2.8に設定し、ライブビュー時の撮影条件を、ゲイン36dB(ISO3200相当)、シャッタースピード1/32秒、FNo.2.8に設定している。また、本撮影時のS(信号量)をX、これに対するN(ノイズ量)をX/100と仮定するとともに、シャッタースピードが速いライブビュー時のS(信号量)をX/32、N(ノイズ量)を本撮影時と同一のX/100としている。
【0005】図16(a)によれば、ゲイン6dBに相当する数値2が信号量Sとノイズ量とに乗算されるため、これらを加算した値は2.02Xとなり、このうちノイズ成分は、0.02Xとなる。
【0006】一方、図16(b)によれば、ゲイン36dBに相当する数値64が、信号量Sとノイズ量とに乗算されるため、これらを加算した値は2.64Xとなり、このうちノイズ成分は、0.64Xとなる。
【0007】上述のように、CCDで取得した画像信号に含まれるノイズ成分はライブビュー時に増加する。また、ノイズは温度上昇に伴い増加する特性を有するため、CCDで取得した画像信号において黒とすべき黒レベルも変動することとなる。したがって、画像信号に対して常に一定の黒レベルを用いて補正しても、温度条件の相違によって黒レベル補正が正確に施せないこととなる。
【0008】また、本撮影時の制御を迅速に精度良く行うためには、露出制御で使用するAE評価値や、ホワイトバランス制御で使用するWB評価値を本撮影前のライブビュー時に正確に算出するのが好ましいが、上述した黒レベルの変動を考慮する必要がある。
【0009】本発明は、本撮影時の露出制御やホワイトバランス制御を迅速に、精度良く行えるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、デジタルカメラであって、(a)受光レベルに応じた電子信号を出力する撮像手段と、(b)増幅率が可変で、前記電子信号を増幅する増幅手段と、(c)前記増幅手段を第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき、黒レベルと、測光に係る測定値とを取得する測定手段と、(d)前記増幅手段を第2増幅率に設定して生成される第2増幅信号に基づき、本撮影に係る画像データを生成する撮影制御手段と、(e)前記黒レベルに基づき前記測定値を補正して、前記本撮影の露出制御に係る制御情報を生成する生成手段とを備える。
【0011】また、請求項2の発明は、デジタルカメラであって、(a)受光レベルに応じた電子信号を出力する撮像手段と、(b)増幅率が可変で、前記電子信号を増幅する増幅手段と、(c)前記増幅手段を第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき、黒レベルと、測色に係る測定値とを取得する測定手段と、(d)前記増幅手段を第2増幅率に設定して生成される第2増幅信号に基づき、本撮影に係る画像データを生成する撮影制御手段と、(e)前記黒レベルに基づき前記測定値を補正して、前記本撮影のホワイトバランス制御に係る制御情報を生成する生成手段とを備える。
【0012】また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記生成手段は、(e-1)所定範囲から外れる前記測定値または前記黒レベルを除外して、前記制御情報を生成する手段を有する。
【0013】また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明に係るデジタルカメラにおいて、前記撮像手段は、(a-1)前記電子信号として、露光時間満了時には実信号を出力し、露光時間未了時には空信号を出力する手段、を有するとともに、前記測定手段は、(c-1)前記空信号に基づき、前記黒レベルを取得する手段を有する。
【0014】また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記空信号は、ライブビュー撮影時に出力される。
【0015】
【発明の実施の形態】<第1実施形態><デジタルカメラの要部構成>図1、図2および図3は、本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラ1の要部構成を示す図であり、図1は正面図、図2は上面図、図3は背面図に相当する。これらの図は必ずしも三角図法に則っているものではなく、デジタルカメラ1の要部構成を概念的に例示することを主眼としている。
【0016】図2に示すように、デジタルカメラ1は、撮影レンズであるマクロ機能付きレンズ群(以下、単に「レンズ」とも称する)30を含む撮像部3を備えている。また、デジタルカメラ1は、ズーム機能を有しており、ズームリング33を回転させることなどにより、撮影倍率の変更を行うことができる。さらに、デジタルカメラ1は、マクロ切替えレバー34を備えており、マクロ撮影と通常撮影とを切り換えることができる。また、デジタルカメラ1の上面にはシャッターボタン9が設けられている。
【0017】デジタルカメラ1の上面には、「撮影モード」と「再生モード」と「通信モード」とを切替設定するモード切替えダイアル14が設けられている。撮影モードは、写真撮影を行なうモードであり、再生モードは、メモリカード8に記録された撮影画像データを背面LCD10に再生表示するモードである。また、通信モードは、デジタルカメラ1の側面に設けられるUSB端子226を介して、外部のパーソナルコンピュータ225などにデータ転送するモードである。デジタルカメラ1の上面には、データパネル36がさらに設けられており、このデータパネル36において各種モードの設定状態等が表示される。
【0018】図3に示すように、デジタルカメラ1の背面左方には、撮影画像のライブビュー表示及び記録画像の再生表示等を行なうための液晶ディスプレイ(背面LCD)10と電子ビューファインダ(EVF)20とが設けられている。この背面LCD10およびEVF20では、カラーで画像表示が行われる。
【0019】デジタルカメラ1の背面右方には、カーソルボタン(十字キー)U、D、L、R、および実行ボタン32を含むコントロールボタン35が設けられており、このコントロールボタン35を用いて各種操作が行われる。また、デジタルカメラ1の背面には、メニューボタン37が設けられている。このメニューボタン37が押下されることにより、各種のメニューが背面LCD10に表示される。
【0020】また、デジタルカメラ1の背面には、ディスプレイ切換レバー31とビデオ出力端子222とが設けられている。ディスプレイ切換レバー31は、背面LCD10の表示とEVF20の表示との切換等を行うレバーである。ビデオ出力端子222は、外部モニタ223と通信線を介して接続するための端子である。
【0021】デジタルカメラ1の側面には、メモリカード8を挿入して装着できるメモリスロット81が設けられている。
【0022】<デジタルカメラ1の機能ブロック>図4は、デジタルカメラ1の機能ブロック図である。同図において、CCD303は、撮像手段として機能し、2560×1920画素を有している。このCCD303は、レンズ群30により結像された被写体の光像を、R(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された、受光レベルに応じた画素信号の信号列からなる電子信号)に光電変換して出力する。タイミングジェネレータ314は、CCD303の駆動を制御するための各種のタイミングパルスを生成するものである。
【0023】撮像部3における露出制御は、レンズ駆動部306によるレンズ群30の絞りと、CCD303の露光量、すなわち、シャッタスピードに相当するCCD303の電荷蓄積時間を調節して行なわれる。ここで、被写体輝度が低輝度時に適切なシャッタスピードが設定できない場合は、CCD303から出力される画像信号のレベル調整を行なうことにより露光不足による不適正露出が補正される。
【0024】タイミングジェネレータ314は、全体制御部211から送信される基準クロック基づきCCD303の駆動制御信号を生成するものである。このタイミングジェネレータ314は、例えば積分開始/終了(露出開始/終了)のタイミング信号、各画素の受光信号の読出制御信号(水平同期信号,垂直同期信号,転送信号等)等のクロック信号を生成し、CCD303に出力する。
【0025】信号処理回路313は、CCD303から出力される画像信号(アナログ信号)に所定のアナログ信号処理を施すものである。この信号処理回路313は、CDS(相関二重サンプリング)回路と、増幅手段として働くAGC(オートゲインコントロール)回路とを有し、CDS回路により画像信号のノイズ低減処理を行ない、AGC回路でゲイン(増幅率)を変更することにより画像信号のレベル調整を行い増幅信号を生成する。
【0026】A/D変換器205は、画像信号の各画素信号を12ビットのデジタル信号に変換するものである。A/D変換器205は、全体制御部211から入力されるA/D変換用のクロックに基づいて各画素信号(アナログ信号)を12ビットのデジタル信号に変換する。
【0027】黒レベル補正回路206は、A/D変換された画素信号(以下、「画素データ」という。)の黒レベルを基準の黒レベルに補正する部位である。
【0028】WB(ホワイトバランス)回路207は、R,G,Bの各色成分の画素データのレベル変換を行なうものである。このWB回路207は、全体制御部211で記憶されるレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分の画素データのレベルを変換する。なお、レベル変換テーブルの各色成分のパラメータ(特性の傾き)は全体制御部211により、撮影画像毎に設定される。γ補正回路208は、画素データの階調を補正するものである。
【0029】画像メモリ209は、CCD303で取得され、上記の画像処理が施された画像データを記憶するメモリである。画像メモリ209は、少なくとも1フレーム分の記憶容量を有している。すなわち、画像メモリ209は、CCD303画素数に対応する2560×1920画素分の画素データの記憶容量を少なくとも有し、各画素データが対応する画素位置に記憶されるようになっている。
【0030】EVF/背面LCD切替え部235は、ディスプレイ切替えレバー31の設定に基づいて、背面LCD10とEVF20との表示切替えを行う。
【0031】デジタルカメラ1の撮影待機状態では、CCD303により1/30(秒)毎に撮像された画像の各画素信号がA/D変換器205〜γ補正回路208により所定の信号処理を施された後、全体制御部211を介してEVF/LCD切替え部235に転送され、背面LCD10やEVF20に表示される(ライブビュー表示)。これにより、ユーザはCCD303で撮像される被写体像を本撮影前に視認することができることとなる。また、再生モードにおいては、メモリカード8から読み出された画像が全体制御部211で所定の信号処理が施された後、EVF/LCD切替え部235に転送され、背面LCD10やEVF20に再生表示される。
【0032】カードI/F212は、メモリスロット81に装着されるメモリカード8への画像データの書込み及び読出しを行なうためのインターフェースである。このメモリカード8への画像データの読み書きでは、圧縮・伸張部236において例えばJPEG方式で画像の圧縮・伸張が行われる。
【0033】また、USBI/F224は、外部のパーソナルコンピュータ225と通信可能にするための、USB規格に準拠した通信用インターフェースである。これらのカードI/F212、USBI/F224を介して、メモリカード8やパーソナルコンピュータ225にセットされるCD−ROMなどの記録媒体に記録されている制御プログラムを、全体制御部211のROM211b内に取り込むことができる。
【0034】操作部250は、上述したシャッターボタン9、ディスプレイ切換レバー31、コントロールボタン35などの各種ボタン、レバーなどで構成されている。
【0035】シャッターボタン9は、半押し状態(S1)と押し込まれた全押し状態(S2)とが検出可能な2段階スイッチになっている。待機状態でシャッターボタン9をS1状態にすると、AFのためのレンズ駆動を開始し、画像のコントラストを評価しながら、コントラストがもっとも高くなるようにレンズを駆動し停止させる。一方、シャッターボタン9をS2状態にすると、本撮影が行われる。すなわち、CCD303で取得され画像処理が施された画像データが圧縮・伸張部236でデータ圧縮されるとともに、そのサムネイル画像が全体制御部211で生成される。そして、生成された画像データとサムネイル画像データとが、カードI/F212を介してメモリカード8に記録される。
【0036】外部モニタI/F221は、EVF/LCD切替え部235から転送される画像データを、例えばNTSC方式に信号変換を行うインターフェースであり、ビデオ出力端子222を介して外部モニタ223に画像信号を送信する。
【0037】全体制御部211は、マイクロコンピュータとして働くCPUおよびRAM211aを有するとともに、制御プログラムなどを格納するROM211bとを有している。そして、全体制御部211は、上述したカメラの各部材の駆動を有機的に制御してデジタルカメラ1の動作を統括制御する。
【0038】また、全体制御部211は、AE/WB評価値生成部211cを有している。このAE/WB評価値生成部211cは、γ補正前の画像データ、つまりリニアな12ビットのデジタル信号を取込み、後述のAE評価値、WB評価値を生成する。
【0039】<CCD303の出力について>図5は、CCD303の出力パターンを説明するための図である。本図は、横軸が時間軸のタイミングチャートを示しており、図5(a)、(b)は、それぞれライブビュー撮影時におけるCCD303の読出制御信号(VD)、露光および出力(CCDout)のタイミングを表している。また、図5(a)は、CCD303で空転送が生じる場合の一例を示したもので、図5(b)は、空転送が生じない場合の一例を示したものである。
【0040】図5(a)では、図5(b)に比べて露光時間Teが長くなっているが、これは被写体が暗いために露光時間が長く必要となるためである。そして、露光時間TeがVDの周期Tvより長いため、CCD303は、被写体の画像信号である露光時間満了時の信号出力(実信号)Spの他に、黒信号である露光時間未了時の空転送出力(空信号)Sqを出力することとなる。なお、露光時間Teは、被写体の暗さに比例して長くなるため、被写体が非常に暗く露光時間TeがVDの周期Tvの2倍以上となる場合には、信号出力Spと信号出力Spとの間に2回以上のの空転送出力Sqが発生する。
【0041】以上ではCCD303の出力パターンについて説明したが、次にCCD303から出力される信号に関する黒レベルの特性について説明する。
【0042】図6は、黒レベルの特性を説明するための図である。図6において、横軸は温度を示しており、縦軸は、画像において黒とされるべき黒レベルを示している。
【0043】黒レベルの特性Cvは、温度に無関係なオフセット成分Fsと、温度の上昇に伴って指数関数的に増加するノイズ成分Ftとが合成されたものとなっている。このように、CCD303の出力はデジタルカメラ1の内部温度に応じて黒レベルが変化するため、特に低輝度シーンにおいて輝度レベルを高ゲインで増幅する場合にはAE制御などに悪影響を及ぼし、結果として露出誤差が生じてしまう。そこで、黒レベルを正確に把握するとともに、この黒レベルに基づき露出制御やWB制御に使用するAE評価値やWB評価値を精度良く取得するために、次で説明する動作がデジタルカメラ1で行われる。
【0044】<デジタルカメラ1の動作>図7は、デジタルカメラ1の基本的な動作を説明するフローチャートである。この動作は、被写体が暗く図5(a)のように空転送出力Sqが生じる場合を想定しており、ライブビュー撮影時(後述のステップST1〜ST5)における信号処理回路313の増幅率(第1増幅率)が、本撮影時(後述のステップST7)における増幅率(第2増幅率)より大きく設定される状況での動作となる。本動作は、全体制御部211で実行される。
【0045】ステップST1では、CCD303から出力される所定の信号に基づき、補正用黒レベルを演算する(後で詳述)。
【0046】ステップST2では、ステップST1で求められた補正用黒レベルに基づき、AE評価値を算出する(後で詳述)。
【0047】ステップST3では、ステップST1で求められた補正用黒レベルに基づき、WB評価値を算出する(後で詳述)。
【0048】ステップST4では、以上の動作で算出されたAE評価値などから、信号処理回路313の増幅率(AmpGain)や、CCD303の露光時間(FrameRate)などの本撮影の制御で用いる設定値を取得する。
【0049】ステップST5では、ライブビュー撮影での設定を行う。すなわち、上記のステップST4と同様に、ライブビュー時のAmpGainやFrameRateなどが設定される。
【0050】ステップST6では、撮影者によって本撮影が指示されたかを判定する。具体的には、シャッターボタン8が全押し(S2)の状態になったかを判断する。ここで、本撮影が指示された場合には、ステップST7に進み、本撮影が指示されていない場合には、ステップST1に戻る。
【0051】ステップST7では、デジタルカメラ1で本撮影の処理、すなわちCCD303で被写体を撮像し、記録用の画像データを生成する。ここでは、ステップST2およびST3で算出されたAE評価値とWB評価値とをAE制御などに反映できるため、本撮影の動作を迅速に、精度良く行えることとなる。
【0052】図8は、上記のステップST1に対応する動作で、補正用黒レベルの算出動作を説明するフローチャートである。
【0053】ステップST11では、黒レベル補正回路206で、CCD303から出力される空転送出力Sqから、所定値(例えば128)を減算する。この空転送出力Sqは、デジタルカメラ1の内部温度が反映された正確な黒レベルに対応している。
【0054】ステップST12では、WB回路207で、ステップS11で所定値(128)が減算された画像データの各R、G、Bに、ホワイトバランスに係るゲインを乗算する。
【0055】ステップST13では、図9に示すように、画像データを縦横に5分割して25のAEブロックGbに分け、各AEブロックGbにおいて各画素の輝度レベルから黒ベルNDm,n(m=0〜4、n=0〜4)を演算する。
【0056】ステップST14では、ステップST13で演算された各AEブロックGbの黒レベルNDm,nから平均値NDaveを算出する。ここでは、各AEブロックGbについて重み係数を同一にして、画面全体を等価平均する。
【0057】ステップST15では、各AEブロックGbの黒レベルNDm,nで異常値があるかを判定する。すなわち、所定範囲から外れる、例えば上記の平均値NDave+64より大きい黒レベルNDm,nを異常値と判断する。ここで、異常値がある場合には、ステップST16に進み、異常値がない場合には、ステップST17に進む。
【0058】ステップST16では、ステップST15で異常値と判断されたAEブロックGbを除外し、それ以外のAEブロックGbで平均値NDaveを再演算する。これにより、異常なAEブロックを排除できるため、より正確に黒レベルの平均値NDaveを算出できることとなる。
【0059】ステップST17では、ゲイン比率ΔGa(本撮影時の増幅率/ライブビュー時の増幅率)を演算する。
【0060】ステップST18では、シャッタースピード比率(本撮影時のシャッタースピード/ライブビュー時のシャッタースピード)を演算する。これは、信号のノイズ成分、つまり黒レベルはシャッタースピードに比例して増加するので、本撮影時のシャッタースピードとライブビュー時のシャッタースピードとが異なる場合に、それを補正するための処理である。
【0061】ステップST19では、本撮影で使用する黒レベルNBを算出する。この黒レベルは、NB=ΔGa×ΔSS×NDave+128で計算される。これにより、ライブビュー時に得られる黒レベルの平均値を、ゲインおよびシャッタースピードの異なる本撮影に対応させることが可能となる。
【0062】図10は、上記のステップST2に対応する動作で、AE評価値の算出動作を説明するフローチャートである。
【0063】ステップST21では、上記のステップST12と同様に、CCD303の信号出力Spに対応する画像データの各R、G、Bにゲインを乗算する。
【0064】ステップST22では、測光に係る測定値に相当するAEブロック演算値を算出する。具体的には、図9に示す各AEブロックGbの各画素に関して、例えば近接の輝度レベルが積算される演算が行われる。
【0065】ステップST23では、各AEブロック演算値から、上記のステップST14またはST16で算出された黒レベルの平均値NDave+128を減算する。すなわち、図11(a)に示すようにCCD303の信号出力には、黒レベルの平均値NDave+128に相当するオフセットFuが含まれているが、ステップST23の減算処理により、図11(b)に示すようにオフセットFuが除去された適切な補正信号Sgが得られることとなる。
【0066】ステップST24では、ステップST23で黒レベルを補正された各AEブロックGb演算値に基づき、本撮影の露出制御に係る制御情報に相当するAE評価値を算出する。このAE評価値は、図12に示すように、分割されたAEブロックGbを画面中央から3つのグループRa、Rb、Rcに分け、各グループRa、Rb、RcにおけるAEブロック演算値の平均値D0、D1、D2を算出する。そして、次の式(1)のように、画面中央から順に3:2:1で重み付け平均されるAE評価値EDを求める。
【0067】
【数1】
【0068】このように求められたAE評価値EDを本撮影時の露出制御に反映できるため、迅速で精度の良い露出制御が可能となる。
【0069】図13は、上記のステップST3に対応する動作で、WB評価値の算出動作を説明するフローチャートである。本動作は、上記のステップST23で黒レベルの平均値NDave+128が減算された各AEブロックGbを利用するWBブロックに関する演算処理となる。
【0070】ステップST31では、測色に係る測定値に相当するWBブロック演算値を算出する。具体的には、25のWBブロックにおいて、R、G、Bごとに各画素の輝度レベルが演算された演算値Rm,n、Gm,n、Bm,n(m=0〜4、n=0〜4)が算出される。
【0071】ステップST32では、ステップST31で算出された各演算値Rm,n、Gm,n、Bm,nに基づき、R、G、Bの比率CRm,n、CGm,n、CBm,nを各WBブロックで算出する。具体的には、各WBブロックごとに、次の式(2)〜(4)の演算が行われる。
【0072】
【数2】
【0073】ステップST33では、ステップST32で算出された各WBブロックの比率CRm,n、CGm,n、CBm,nで異常値があるかを判定する。具体的には、所定範囲から外れる、例えば比率CRm,n、CGm,nまたはCBm,nが0.5より大きい場合(彩度が高い場合)には、この比率を異常値と判断する。ここで、異常値がある場合には、ステップST34に進み、異常値がない場合には、ステップST35に進む。
【0074】ステップST34では、ステップST33で異常値と判断されたWBブロックにおけるR、G、Bの比率CRm,n、CGm,n、CBm,nに0を代入する。これは、各比率に0を代入することで、異常なWBブロックを次のステップST35の演算において除外するためである。
【0075】ステップST35では、ステップST32で演算された各WBブロックのRGBの比率CRm,n、CGm,n、CBm,nに基づき、本撮影のホワイトバランス制御に係る制御情報に相当するWB評価値を算出する。具体的には、WB評価値RW、GWおよびBWは、次の式(5)〜式(7)のように求められる。
【0076】
【数3】
【0077】このように求められたWB評価値RW、GW、BWを本撮影時のホワイトバランス制御に反映できるため、迅速で精度の良いWB制御が可能となる。
【0078】以上のデジタルカメラ1の動作により、本撮影前に温度に応じて変化する黒レベルを把握しAE評価値およびWB評価値を正確に算出するため、本撮影時の露出制御やホワイトバランス制御を迅速に、精度良く行える。
【0079】<第2実施形態>本発明の第2実施形態に係るデジタルカメラ5は、第1実施形態のデジタルカメラ1と類似の構成を有しているが、全体制御部211の構成が異なっている。
【0080】すなわち、デジタルカメラ5の全体制御部211は、以下で説明する動作を実行するためのプログラムが、ROM211bに格納されている。
【0081】デジタルカメラ5の基本的な動作は、図7のフローチャートに示す第1実施形態のデジタルカメラ1の動作と同様であるが、ステップST1およびステップST2の動作が異なっている。このステップST1、ST2の動作を以下で説明する。
【0082】図14は、上記のステップST1に対応する動作で、補正用黒レベルの算出動作を説明するフローチャートである。
【0083】本フローチャートについては、図8に示すフローチャートのステップST12の動作を削除したものとなっている。
【0084】すなわち、ステップST41では、図8のステップST11と同様の動作を行い、ステップST42〜ST48では、図8のステップST13〜ST19の動作が行われる。
【0085】図15は、上記のステップST2に対応する動作で、AE評価値の算出動作を説明するフローチャートである。
【0086】本フローチャートについては、図10のフローチャートに対して、各ステップの順番が異なっている。
【0087】すなわち、ステップST51およびST52では、図10のステップST22およびST23の動作を行い、ステップST53では、図10のステップST21の動作が行われる。そして、ステップST54では、図10のステップST24と同様の動作を行う。
【0088】以上のデジタルカメラ5の動作のように、補正用黒レベルの算出動作においてRGBのゲインを乗算せず、AE評価値の算出動作において補正用黒レベルを減算した後にRGBのゲインを乗算する場合にも、デジタルカメラ1と同じAE評価値が得られ、第1実施形態と同様の効果を奏することとなる。
【0089】<変形例>◎上記の各実施形態におけるAEブロック、WBブロックについては、画面を5×5の25分割するのは必須でなく、6×8などm×n(m、nは自然数)に分割しても良い。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および請求項3ないし請求項5の発明によれば、本撮影と異なる第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき黒レベルと測光に係る測定値とを取得し、この黒レベルに基づき測定値を補正して本撮影の露出制御に係る制御情報を生成するため、本撮影時の露出制御を迅速に、かつ精度良く行える。
【0091】また、請求項2および請求項3ないし請求項5の発明によれば、本撮影と異なる第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき黒レベルと測色に係る測定値とを取得し、この黒レベルに基づき測定値を補正して本撮影のホワイトバランス制御に係る制御情報を生成するため、本撮影時のホワイトバランス制御を迅速に、かつ精度良く行える。
【0092】また、請求項3の発明においては、所定範囲から外れる測定値または黒レベルを除外して、制御情報を生成するため、本撮影時の制御をより精度良く行える。
【0093】また、請求項4の発明においては、空信号に基づき黒レベルを取得するため、温度に応じて変化する黒レベルを正確に取得できる。
【0094】また、請求項5の発明においては、空信号がライブビュー撮影時に出力されるため、本撮影前に確実に本撮影時の制御情報を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラ1の要部構成を示す図である。
【図2】デジタルカメラ1の要部構成を示す図である。
【図3】デジタルカメラ1の要部構成を示す図である。
【図4】デジタルカメラ1の機能ブロック図である。
【図5】CCD303の出力パターンを説明するための図である。
【図6】黒レベルの特性を説明するための図である。
【図7】デジタルカメラ1の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【図8】補正用黒レベルの算出動作を説明するフローチャートである。
【図9】各AEブロックでの黒レベル算出を説明するための図である。
【図10】AE評価値の算出動作を説明するフローチャートである。
【図11】各AEブロック演算値から黒レベルが減算される概念を説明するための図である。
【図12】AE評価値の算出を説明するための図である。
【図13】WB評価値の算出動作を説明するフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施形態に係るデジタルカメラ5における補正用黒レベルの算出動作を説明するフローチャートである。
【図15】AE評価値の算出動作を説明するフローチャートである。
【図16】本撮影時とライブビュー時とでSN比を比較するための図である。
【符号の説明】
1、5 デジタルカメラ
206 黒レベル補正回路
207 WB(ホワイトバランス)回路
221 全体制御部
221c AE/WB評価値生成部
Fu オフセット(黒レベル)
Gb AEブロック
Sp 信号出力
Sq 空転送出力
【特許請求の範囲】
【請求項1】 デジタルカメラであって、(a)受光レベルに応じた電子信号を出力する撮像手段と、(b)増幅率が可変で、前記電子信号を増幅する増幅手段と、(c)前記増幅手段を第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき、黒レベルと、測光に係る測定値とを取得する測定手段と、(d)前記増幅手段を第2増幅率に設定して生成される第2増幅信号に基づき、本撮影に係る画像データを生成する撮影制御手段と、(e)前記黒レベルに基づき前記測定値を補正して、前記本撮影の露出制御に係る制御情報を生成する生成手段と、を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】 デジタルカメラであって、(a)受光レベルに応じた電子信号を出力する撮像手段と、(b)増幅率が可変で、前記電子信号を増幅する増幅手段と、(c)前記増幅手段を第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき、黒レベルと、測色に係る測定値とを取得する測定手段と、(d)前記増幅手段を第2増幅率に設定して生成される第2増幅信号に基づき、本撮影に係る画像データを生成する撮影制御手段と、(e)前記黒レベルに基づき前記測定値を補正して、前記本撮影のホワイトバランス制御に係る制御情報を生成する生成手段と、を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、前記生成手段は、(e-1)所定範囲から外れる前記測定値または前記黒レベルを除外して、前記制御情報を生成する手段、を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、前記撮像手段は、(a-1)前記電子信号として、露光時間満了時には実信号を出力し、露光時間未了時には空信号を出力する手段、を有するとともに、前記測定手段は、(c-1)前記空信号に基づき、前記黒レベルを取得する手段、を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項5】 請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、前記空信号は、ライブビュー撮影時に出力されることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項1】 デジタルカメラであって、(a)受光レベルに応じた電子信号を出力する撮像手段と、(b)増幅率が可変で、前記電子信号を増幅する増幅手段と、(c)前記増幅手段を第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき、黒レベルと、測光に係る測定値とを取得する測定手段と、(d)前記増幅手段を第2増幅率に設定して生成される第2増幅信号に基づき、本撮影に係る画像データを生成する撮影制御手段と、(e)前記黒レベルに基づき前記測定値を補正して、前記本撮影の露出制御に係る制御情報を生成する生成手段と、を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】 デジタルカメラであって、(a)受光レベルに応じた電子信号を出力する撮像手段と、(b)増幅率が可変で、前記電子信号を増幅する増幅手段と、(c)前記増幅手段を第1増幅率に設定して生成される第1増幅信号に基づき、黒レベルと、測色に係る測定値とを取得する測定手段と、(d)前記増幅手段を第2増幅率に設定して生成される第2増幅信号に基づき、本撮影に係る画像データを生成する撮影制御手段と、(e)前記黒レベルに基づき前記測定値を補正して、前記本撮影のホワイトバランス制御に係る制御情報を生成する生成手段と、を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、前記生成手段は、(e-1)所定範囲から外れる前記測定値または前記黒レベルを除外して、前記制御情報を生成する手段、を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、前記撮像手段は、(a-1)前記電子信号として、露光時間満了時には実信号を出力し、露光時間未了時には空信号を出力する手段、を有するとともに、前記測定手段は、(c-1)前記空信号に基づき、前記黒レベルを取得する手段、を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項5】 請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、前記空信号は、ライブビュー撮影時に出力されることを特徴とするデジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図5】
【図8】
【図12】
【図13】
【図15】
【図14】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図5】
【図8】
【図12】
【図13】
【図15】
【図14】
【図16】
【公開番号】特開2003−259195(P2003−259195A)
【公開日】平成15年9月12日(2003.9.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−49738(P2002−49738)
【出願日】平成14年2月26日(2002.2.26)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成15年9月12日(2003.9.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年2月26日(2002.2.26)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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