説明

デジタル信号受信装置

【課題】デジタル信号を受信しているときにおいても、省電力化を図ることができるデジタル信号受信装置を提供する。
【解決手段】受信装置2は、誤り訂正符号化処理した後にインタリーブ処理して送信されたデジタル信号を受信するRF回路25と、A/D変換回路24と、A/D変換回路24からのデジタル信号を復調する復調回路23と、デインタリーブ処理部22と、誤り訂正復号化処理部21と、受信したデジタル信号の受信品質を示す値に応じた休止期間だけ、インタリーブ期間内において、RF回路25、A/D変換回路24及び復調回路23の少なくとも1つへの電源供給を停止するように制御する制御部28を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル信号受信装置に関し、特に、デインタリーブ処理を備えたデジタル信号受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル放送が広く行われており、家庭用のテレビにおいてもデジタル放送の受信が行われている。さらに、自動車等の移動体においてもデジタル放送が受信できるように、モバイル放送システムも運用されている。モバイル放送システムでは、デジタル信号は、符号化率1/2の畳み込み符号化をされた後、約3秒間のインタリーブ処理をして伝送される。受信機では、走行中等に伝播路上の障害物により1秒程度の受信データの消失が生じても、デインタリーブ処理により受信データの消失部分が時間的に拡散される。よって、デインタリーブ処理された信号は、誤り訂正復号化により、デジタル信号として正しく受信できる。
【0003】
デジタル放送用の受信機はバッテリ駆動される場合がある。特に、モバイル放送用の受信機は一般にバッテリ駆動される場合が多いため、デジタル信号受信装置である受信機における低消費電力化の技術が各種提案されている。例えば、トランスポートストリーム再生部において、データストリームがデータバッファから出力されない場合には、デコード処理を行わないように外符号(RS)復号部の動作を停止することによって、受信機の低消費電力化を図る技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、その提案に係る技術は、有効な映像データを再生するためのデータストリームが生成されなかったときに、受信機の低消費電力化を図る技術であって、その技術は、適切に再生できるデータが受信できているときに、受信機の低消費電力化を図ることはできない。
【特許文献1】特開2002-112271号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、デジタル信号を受信しているときにおいても、省電力化を図ることができるデジタル信号受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、誤り訂正符号化処理した後にインタリーブ処理して送信された電波信号を受信する高周波回路と、該高周波回路からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、該A/D変換回路からのデジタル信号を復調する復調回路と、前記復調回路からのデジタル信号をデインタリーブするデインタリーブ処理部と、該デインタリーブ処理部においてデインタリーブされたデジタル信号に対して、誤り訂正復号化を行う誤り訂正復号化処理部と、受信した前記電波信号の受信品質を示す値に応じた休止期間だけ、インタリーブ期間内において、前記高周波回路、前記A/D変換回路及び前記復調回路の少なくとも1つへの電源供給を停止するように制御する制御部と、を有することを特徴とするデジタル信号受信装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、デジタル信号を受信しているときにおいても、デジタル信号受信装置の省電力化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず図1に基づき、本実施の形態に係わるシステムの構成を説明する。本実施の形態におけるデジタル信号伝送システムは、モバイル放送システムであり、デジタル信号が、デジタル放送の形式で、放送局に設けられた送信装置1から送信されて、携帯型デジタル信号受信装置である受信装置2において受信されるように構成されたシステムである。図1は、本実施の形態に係わるデジタル信号伝送システムにおける送信装置1の構成を示す構成図である。図2は、本実施の形態に係わるデジタル信号伝送システムにおける受信装置2の構成を示す構成図である。
【0009】
図1に示すように、送信装置1は、誤り訂正符号化処理部11、インタリーブ処理部12、変調回路13、デジタルアナログ変換回路(以下、D/A回路という)14、高周波回路(以下、RF回路という)15及びアンテナ16を含む。送信装置1では、記憶装置(図示せず)から読み出されたデジタル信号D0は、送信装置1の誤り訂正符号化処理部11に入力される。デジタル信号D0は、例えば映像コンテンツのデータ信号である。誤り訂正符号化処理部11は、デジタル信号D0に、符号化率1/2の畳み込み符号化処理を施す。
【0010】
符号化されたデジタル信号は、インタリーブ処理部12に入力される。インタリーブ処理部12は、符号化されたデジタル信号に対して、所定のインタリーブ期間T、例えば3秒間、のインタリーブ処理を施す。
【0011】
インタリーブ処理されたデジタル信号は、変調回路13、D/A回路14、及びRF回路15の各処理部を経て、アンテナ16から送信される。アンテナ16から送信された電波信号であるデジタル信号は、受信装置2によって受信される。
【0012】
図2に示すように、受信装置2は、誤り訂正復号化処理部21、デインタリーブ処理部22、復調回路23、アナログデジタル変換回路(以下、A/D回路という)24、RF回路25と、アンテナ26、ビット誤り率測定回路27、制御部28及びスイッチ部29を含む。受信装置2では、アンテナ26によって受信されたデジタル信号は、RF回路25に入力され、AD回路24及び復調回路23を経て、デインタリーブ処理部22に入力される。A/D回路24は、デジタル信号D1を復調回路23に出力する。復調回路23は、復調して得られたデジタル信号D2を、デインタリーブ処理部22に出力する。
【0013】
デインタリーブ処理部22は、送信装置1においてインタリーブ処理されたデジタル信号D2に対して、デインタリーブ処理を施す。そのデインタリーブ処理されたデジタル信号D3は、誤り訂正復号化処理部21に入力される。誤り訂正復号化処理部21は、デインタリーブ処理されたデジタル信号D3に対して、誤り訂正復号化処理を施し、元のデジタル信号D0を復元する。
【0014】
スイッチ部29は、復調回路23、A/D回路24及びRF回路25のそれぞれへの、電源回路(図示せず)からの電源電圧Vdの供給を制御するための回路である。具体的には、復調回路23、A/D回路24及びRF回路25のそれぞれに接続されたスイッチSWを介して、電源が供給される。制御部28は、制御信号Sを供給し、スイッチ部29の各スイッチSWのオンオフを制御することによって、復調回路23、A/D回路24及びRF回路25のそれぞれへの電源の供給及び供給の停止が可能となっている。
【0015】
なお、以下、デインタリーブ処理部22よりも前の処理部である、復調回路23,A/D回路24及びRF回路25を、纏めて、デインタリーブ処理よりも前の処理部という意味で、前段処理部30という。
【0016】
さらになお、本実施の形態では、制御部28は、1つの制御信号Sにより、前段処理部30の全ての回路に対する電源供給の停止が可能となっているが、各回路へ個別に制御信号Sを出力するようにして、回路毎に電源供給の制御を行うようにしてもよい。その場合は、電源供給の停止を行った回路の分だけ省電力化が図れる。
【0017】
図3は、受信装置2の復調回路23の構成を示すブロック図である。復調回路23は、チャネル推定回路31と、逆変換回路32と、重み付け乗算及び合成回路33とを含む。復調回路23には、A/D回路24からのデジタル信号D1が入力される。入力されたデジタル信号D1は、チャネル推定回路31と逆変換回路32に入力される。
【0018】
チャネル推定回路31は、入力されたデジタル信号D1から、マルチパス波の各波の位相、タイミング及び信号強度を測定する。逆変換回路32は、入力されたデジタル信号D1を、所定のシンボルレートに変換し、例えばモバイル放送のようなCDM(Code Division Multiplex)変調された信号に対して、逆拡散処理を施す。逆拡散処理は、マルチパス波の各波の各々に対して施される。重み付け乗算及び合成回路33は、逆変換回路32からの各波の逆変換された信号に、チャネル推定回路31によって測定された位相補正、タイミング補正、及び信号強度による重み付けを行い、各波を合成する回路である。
チャネル推定回路31は、合成されたデジタル信号D2をデインタリーブ処理部22に出力すると共に、推定した各波の受信タイミング、強度及び位相の情報D4を、制御部28に出力する。復調回路23は、デインタリーブ処理部22に、インタリーブされた符号語データであるデジタル信号D2も出力する。
【0019】
図4は、ビット誤り率測定回路27の構成を示すブロック図である。ビット誤り率測定回路27には、デインタリーブ処理部22からのデインタリーブ処理されたデジタル信号D3と、誤り訂正復号化処理部21からの誤り訂正復号化されたデジタル信号D0が、入力される。ビット誤り率測定回路27は、誤り訂正符号化処理部41と、比較回路42と、計数回路43とを含む。
【0020】
誤り訂正符号化処理部41は、誤り訂正復号化処理部21によって誤り訂正処理されて復元された元のデジタル信号D0に対して、誤り訂正符号化処理する回路である。よって、誤り訂正符号化処理部41の出力は、元のデジタル信号D0に対して誤り訂正符号化した信号D5である。
【0021】
比較回路42には、2つの信号が入力され、ビット毎の比較が行われる。一方は、デインタリーブ処理部22からのデジタル信号D3であり、他方は、誤り訂正符号化処理部41からのデジタル信号D5である。比較回路42は、2つの信号D3とD5を比較して、ビット毎の比較結果信号を計数回路43に出力する。計数回路43は、デインタリーブされたデジタル信号D3中のビット誤り数を計数して、計数して得られたカウント値を出力する。ビット誤り率測定回路27は、誤り訂正復号化処理により得られたデジタル信号D0を再び誤り訂正符号化してデジタル信号D5を得、そのデジタル信号D5と、誤り訂正復号化前のデジタル信号D3とを比較することにより、その誤り訂正復号化前のデジタル信号D3中のビット誤り数を計数する。ビット誤り率測定回路27は、ビット誤り数あるいはビット誤り率の情報を制御部28に出力する。
【0022】
制御部28は、中央処理装置(CPU)等の演算処理部を有し、ビット誤り率測定回路27と、復調回路23とからの信号に基づいて、前段処理部30に対する休止動作の制御を行う処理部である。休止動作の制御は、本実施の形態では、ソフトウエアにより実現されている。なお、制御部28の機能は、ハードウエアにより実現してもよい。
【0023】
図5は、制御部28の休止動作制御の処理の流れの例を示すフローチャートである。
まず、制御部28のCPUは、復調回路23のチャネル推定回路31からの推定データの変動が所定の範囲内か否かによって、休止動作を行うか否かの判断を行う(ステップS1)。
【0024】
チャネル推定回路31は、上述したように、受信信号の、受信タイミング、強度及び位相を推定する処理を行う。よって、休止を行うか否かの判断は、このチャネル推定回路において推定された受信タイミング、強度及び位相の少なくとも1つの値の変動量に基づいて行われる。例えば、その推定して得られた、主波の強度の変動量の値が所定の値未満であると判定した場合は、制御部28は、休止、すなわち電源供給の停止制御、を行う。また、主波の強度の変動量の値が所定の値以上であると判定した場合は、制御部28は、休止を行わない。主波は、マルチパス波のうち最大強度のものである。
【0025】
これは、変動量が大きいと、誤り訂正復号化処理によって、誤り訂正できない場合が発生するリスクが高くなるからである。
【0026】
よって、ステップS1でNOの場合、すなわち、所定のパラメータの変動量が大きく、誤り訂正できないリスクが高い場合は、制御部28は、休止動作制御は行なわず、図5のステップS2以下の処理はせず、そのまま終了する。ステップS1は、休止期間において電源供給の停止制御を行うか否かを決定する制御動作決定部を構成する。
【0027】
ステップS1でYESの場合、すなわち、所定のパラメータの変動量が所定の値未満であると判定された場合は、ビット誤り率測定回路27からのビット誤り率データに基づいて、休止期間を算出する(ステップS2)。休止期間は、インタリーブ期間T内における、前段処理部30への電源供給を停止する休止時間である。
【0028】
なお、制御部28は、ビット誤り率データに基づいて、動作期間Dと休止期間Kの比率を算出するようにしてもよい。
【0029】
制御部28のCPUは、インタリーブ期間T内において、算出された休止期間だけ、復調回路23、A/D回路24及びRF回路25の動作を停止すべく、これらの回路への電源の供給を停止する制御信号Sを、スイッチ部29へ出力する。その結果、インタリーブ期間T中、算出された期間に相当する時間だけ、復調回路23、A/D回路24及びRF回路25への電源の供給が停止される。
【0030】
次に、休止期間の設定方法について説明する。
図6は、インタリーブ期間Tにおける休止期間の例を説明するための図である。図6において、インタリーブ期間T、例えば3秒間、において、休止期間Kが1/2、すなわち半分の場合、インタリーブ期間T中、前半の動作期間Dである1.5秒の間は、復調回路23、A/D回路24及びRF回路25への電源の供給は行われ、後半の休止期間Kである1.5秒の間は、復調回路23、A/D回路24及びRF回路25への電源の供給が停止される。すなわち、受信装置2のデインタリーブ処理部より前段の各処理部(復調回路23,A/D回路24、RF回路25)に対して、インタリーブ期間T中、休止期間Kだけ電源の供給が停止される。
【0031】
休止期間Kと動作期間Dの比は、誤り訂正符号能力に応じて設定される。例えば、符号化率1/2の畳み込み符号を使用し、受信装置2におけるビット誤り率が0に近い場合、休止期間Kは動作期間Dの1/2を超えない程度に設定する。また、図6の場合、休止期間Kの開始の間隔はインタリーブ時間を超えない範囲で設定することができる。例えば、インタリーブ時間が3秒の場合は休止開始時間の間隔は3秒以内に設定する。
【0032】
より具体的に説明する。例えば、リードソロモン(204,188)符号の場合、8バイト以内の誤り訂正可能であるので、8バイトのデータを受信するために必要な期間を、休止期間Kの上限として設定することができる。また、符号化率1/2の畳み込み符号の場合、インタリーブ期間の1/2の期間を、休止期間Kの上限として設定することができる。休止期間Kを設けても、誤り訂正復号処理により、復号できるので、例えば受信装置2側のモニタ(図示せず)に表示される画像は正しく再生される。
【0033】
逆に言いと、受信品質が良ければ、リードソロモン符号及び畳み込み符号のそれぞれおける、その上限の期間を休止期間として設定することができるが、受信品質が悪ければ、上限期間を休止期間Kに設定すると、誤り訂正復号化処理しても、デジタル信号は、適切に再現することができない。
よって、受信品質を示す値であるビット誤り率等に基づいて、休止期間Kの設定が行われる。
【0034】
なお、図7及び図8は、インタリーブ期間T中に休止期間Kを設ける場合の他のパターンの例を示す図である。
【0035】
図6では、インタリーブ期間T中、前半に動作期間を設け、後半に休止期間が設けられている。これに対して、図7では、休止期間をインタリーブ期間Tの真ん中に設けている。すなわち、休止期間は、2つの動作期間の間に配置されている。
【0036】
また、図8では、インタリーブ期間Tを複数に分割して、分割された各期間内に動作期間と休止期間が、分割された休止期間の合計が算出された休止期間Kになるように配置されている。
【0037】
図9は、リードソロモン(204,188)符号化の場合の休止期間Kの設定例を示すグラフである。縦軸は、誤り率に対応し、横軸は、休止可能期間に対応する。ビット誤り率測定回路27において、インタリーブ期間内のビット誤り率が測定されるので、ビット誤り率あるいはビット誤り数が得られる。
【0038】
リードソロモン符号化の場合、8バイトまでのビット誤りがあっても、訂正可能である。すなわち、誤ったビットを含むデジタル信号から、正しい元のデジタル信号が再現され得る。
【0039】
よって、1バイト以下のビット誤りがあった場合には、受信品質がよいので、休止期間の最大期間、すなわち休止可能期間は、8バイトに対応する時間とする。一方、8バイト以上のビット誤りがあった場合には、受信品質が悪いので、休止期間の最大期間、すなわち休止可能期間は、0バイト、すなわち休止期間は無し、とする。また、例えば、4バイトから5バイト範囲のビット誤りがあった場合には、休止期間の最大期間、すなわち休止可能期間は、4バイトに対応する時間とする。
【0040】
なお、図9の場合、横軸は、休止可能期間であるので、安全率を考慮して、休止可能期間に所定の係数をかけることによって、休止期間Kを決定するようにしてもよい。
【0041】
図10は、畳み込み符号化の場合の休止期間Kの設定例を示すグラフである。図10は、符号化率1/2で、インタリーブ期間が3秒の場合の例を示す。縦軸は、誤り率に対応し、横軸は、休止可能期間に対応する。ビット誤り率測定回路27において、インタリーブ期間内のビット誤り率が測定される。
符号化率1/2の畳み込み符号化の場合、半分のデータに誤りがあっても、訂正可能である。
【0042】
よって、ビット誤り率が所定の下限値以下の場合には、受信品質がよいので、休止期間の最大期間、すなわち休止可能期間は、50%、すなわち1.5秒、とされる。また、ビット誤り率が所定の上限値以上の場合には、休止期間は無し、とされる。一方、ビット誤り率が、上限値ULと下限値LLの範囲R内では、図10に示すように、ビット誤り率に対応して、所定の割合の休止可能期間とされる。
【0043】
なお、範囲R内においては、ビット誤り率と休止可能期間の関係は、図10の実線の直線で示すような対応関係で、休止可能期間を設定してもよいし、点線の曲線で示すような関係で、休止可能期間を設定してもよい。
【0044】
よって、図9と図10に示すように、ビット誤り率あるいはビット誤り数に応じて、休止期間の設定を変更することによって、デジタル信号を受信しているときにおいても、受信装置2の省電力化を図ることができる。
【0045】
なお、受信品質を示す値は、復調回路23のチャネル推定回路31においてマルチパス波における各波の信号対干渉波の値を測定することにより、推定するようにしてもよい。信号対干渉波の値が大きい程、受信品質が良いことになる。さらになお、受信品質を示す値は、信号対雑音比を測定することにより推定するようにしてもよい。
【0046】
以上のように、本実施の形態に係る受信装置によれば、デジタル信号を受信しているときにおいても、誤り訂正能力以内で前段処理部30への電源供給を休止させることにより、省電力を実現する。言い換えると、受信品質に対応してデインタリーブ処理より前段処理部を間欠的に休止させることにより、デジタル受信装置2の省電力が実現され得る。
【0047】
特に、本実施の形態に係るデジタル信号受信装置は、バッテリ駆動の、モバイル放送用受信機として適用した場合、デジタル信号を正しく受信しながら、省電力化を図ることができるので、デジタル信号受信装置の省電力化に繋がり、装置の長時間使用が可能となる。また、本実施の形態に係るデジタル信号受信装置は、コンセントから電源をとる受信機に適用した場合も、消費電力の低減に貢献するものである。
【0048】
なお、上述した本実施の形態に係るデジタル信号受信装置2は、モバイル放送だけでなく、地上波デジタル放送、衛星デジタル放送においても、適用できるものである。さらに、本実施の形態に係るデジタル信号受信装置2は、通信により、デジタル信号を誤り訂正符号化した後インタリーブ処理された信号を伝送するシステムにおいても、適用できるものである。
【0049】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態に係わるデジタル伝送システムにおける送信装置の構成を示す構成図である。
【図2】本実施の形態に係わるデジタル伝送システムにおける受信装置の構成を示す構成図である。
【図3】本実施の形態に係わる、受信装置の復調回路の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係わる、ビット誤り率測定回路の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態に係わる、制御部の休止動作制御の処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図6】インタリーブ期間における休止期間の例を説明するための図である。
【図7】インタリーブ期間中に休止期間を設ける場合の他のパターンの例を示す図である。
【図8】インタリーブ期間中に休止期間を設ける場合の他のパターンの例を示す図である。
【図9】リードソロモン符号化の場合の休止期間の設定例を示すグラフである。
【図10】畳み込み符号化の場合の休止期間の設定例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0051】
1 送信装置、2 受信装置、11、41 誤り訂正符号化処理部、12 インタリーブ処理部、13 変調回路、14 D/A変換回路、15、25 RF回路、16,26 アンテナ、21 誤り復号化処理部、22 デインタリーブ処理部、23 復調回路、24 A/D変換回路、27 ビット誤り率測定回路、28 制御部、29 スイッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誤り訂正符号化処理した後にインタリーブ処理して送信された電波信号を受信する高周波回路と、
該高周波回路からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、
該A/D変換回路からのデジタル信号を復調する復調回路と、
前記復調回路からのデジタル信号をデインタリーブするデインタリーブ処理部と、
該デインタリーブ処理部においてデインタリーブされたデジタル信号に対して、誤り訂正復号化を行う誤り訂正復号化処理部と、
受信した前記電波信号の受信品質を示す値に応じた休止期間だけ、インタリーブ期間内において、前記高周波回路、前記A/D変換回路及び前記復調回路の少なくとも1つへの電源供給を停止するように制御する制御部と、
を有することを特徴とするデジタル信号受信装置。
【請求項2】
前記受信品質を示す値は、前記デインタリーブ処理部においてデインタリーブされたデジタル信号のビット誤り率あるいはビット誤り数であることを特徴とする請求項1に記載のデジタル信号受信装置。
【請求項3】
誤り訂正符号化処理部を有し、
前記ビット誤り率あるいはビット誤り数は、前記デインタリーブされたデジタル信号と、前記誤り訂正復号化処理部において誤り訂正復号化されたデジタル信号に対して、前記誤り訂正符号化処理部において誤り訂正符号化して得られたデジタル信号とを比較することにより、算出された値であることを特徴とする請求項2に記載のデジタル信号受信装置。
【請求項4】
さらに、前記制御部は、前記休止期間において前記電源供給の停止制御を行うか否かを決定する制御動作決定部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のデジタル信号受信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記制御動作決定部の決定に基づいて、前記受信した電波信号についての所定のパラメータの変動量が所定の値未満であるときには、前記電源供給の停止制御を行い、かつ、前記所定のパラメータの変動量が前記所定の値以上であるときには、前記電源供給の停止制御を行わないことを特徴とする請求項4に記載のデジタル信号受信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−49794(P2009−49794A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215161(P2007−215161)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】