説明

デスク装置

【課題】天板の高さを調整可能なデスク装置に対して棚設置パネルを強固且つ安定した状態で固定することが可能な手段を提供する。
【解決手段】本発明に係るデスク装置10は、複数本の脚16と、脚16に支持された天板支持パネル19と、天板支持パネル19に上下位置調整可能に支持された天板20と、天板支持パネル19に支持され、天板支持パネル19より上方まで延びるように設けられた棚設置パネル14と、棚設置パネル14における天板支持パネル19より上方へ突出した部分に設けられた棚と、を備えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板の高さを調整可能なデスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
学習用のデスク装置としては、本やノートを収納するための棚や仕切り板を、天板の上に設置する形態のものが従来知られている(例えば、特許文献1を参照)。しかし、このようなデスク装置では、棚や仕切り板の領域分だけ天板上のスペースが狭くなってしまうそこで、天板の後面や側面に固定して棚設置パネルを立設し、この棚設置パネルの天板より上方に突出した部分に棚を設けることが従来提唱されている。このようなデスク装置によれば、天板より上方に浮いた位置に棚が設置されるので、天板上に広いスペースを確保しつつ棚の設置が可能となる。
【0003】
但し、このようなデスク装置では、棚自体やその収容物の重量を天板で支持するために、棚設置パネルを天板に対して強固且つ安定して固定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−018072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、棚設置パネルを天板の後面や側面に直接固定する方式は、天板の高さを調整可能なデスク装置にはそのまま適用することができないという問題がある。より詳細に説明すると、近年、子供の成長に合わせて天板の高さを調整可能なデスク装置が広く用いられている。このデスク装置では、脚同士を接続して天板支持パネルが設けられ、この天板支持パネルの上下方向に沿った複数箇所に天板を固定できるようになっている。このようなデスク装置では、天板の両側部及び後部が天板支持パネルによって包囲される場合、棚設置パネルを天板に対して直接固定することができない。また、天板の後部に天板支持パネルがない場合、棚設置パネルを天板に直接固定することができるが、天板支持パネルの低い位置に天板が固定される場合、天板支持パネルを天板の後面に固定しただけでは、特に棚の位置が高いと棚設置パネルが不安定になるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、天板の高さを調整可能なデスク装置に対して棚設置パネルを強固且つ安定した状態で固定することが可能な手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。すなわち、本発明に係るデスク装置は、複数本の脚と、前記脚に支持された天板支持パネルと、前記天板支持パネルに上下位置調整可能に支持された天板と、前記天板支持パネルに支持され、前記天板支持パネルより上方まで延びるように設けられた棚設置パネルと、前記棚設置パネルにおける前記天板支持パネルより上方へ突出した部分に設けられた棚と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、棚を設けるための棚設置パネルが、天板に直接固定されることなく天板支持パネルに固定されるので、天板の高さ位置によらず、棚設置パネルを天板支持パネルに対して強固且つ安定して固定することができる。また、棚が天板より上方へ突出した部分に設けられるので、棚の存在によらず天板上に広いスペースを確保することができる。
【0009】
また、本発明に係るデスク装置は、前記天板支持パネルから前記天板と逆側へ突出して設けられ、前記棚設置パネルを下方から受けるパネル受けを更に備えることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、棚設置パネルを天板支持パネルに取り付ける作業を行う際に、パネル受けで棚設置パネルを下方から支持した状態で棚設置パネルの固定作業等を行うことができるので、1人の使用者だけで容易に作業を行うことができる。
【0011】
また、本発明に係るデスク装置は、前記パネル受けが、前記天板支持パネルに対して着脱可能に設けられていることを特徴とする。
ことを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、パネル受けの天板支持パネルへの取り付け位置を適宜変更することにより、デスク装置における棚の設置位置を容易に変更することができる。これにより、棚を設置すべき箇所それぞれに予めパネル受けを設ける場合と比較して、材料費削減によるコストダウンを図ることができる。
【0013】
また、本発明に係るデスク装置は、前記パネル受けは、前記天板支持パネルの下面に上方に向けて螺合されたネジ部材によって前記天板支持パネルの下面に固定されていることを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、パネル受け自体の重量やこれに取り付けられる棚設置パネル及び棚の重量は、ネジ部材に対し主として軸方向への引っ張り荷重として作用する。従って、これらの重量がネジ部材に対し軸方向に略直交する方向へのせん断荷重として作用する場合と比較すると、パネル受けを天板支持パネルに対して安全且つ確実に固定することができる。
【0015】
また、本発明に係るデスク装置は、前記パネル受けにダボが突出して設けられ、前記棚設置パネルの下面に前記ダボに嵌合するダボ溝が形成されていることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、棚設置パネルを天板支持パネルに取り付ける作業を行う際に、使用者は、ダボ溝にダボをそれぞれ嵌合させることによって、棚設置パネルをパネル受けに対して容易に位置決めすることができる。また、棚設置パネルは、パネル受けによって下方から支持されるとともに、ダボ溝に嵌合されたダボによってもある程度支持される。従って、1人の使用者だけで棚設置パネルの固定作業等を容易に行うことができる。
【0017】
また、本発明に係るデスク装置は、隣接する前記脚の上端部同士を連結して連結部材が設けられ、前記棚設置パネルが前記連結部材に固定されていることを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、棚設置パネルがパネル受けを介して天板支持パネルに固定されるだけでなく、連結部材に対しても固定されるので、棚設置パネルをより強固且つ安定して固定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るデスク装置によれば、天板の高さを調整可能なデスク装置であっても、棚設置パネルを強固且つ安定した状態で固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るデスク装置の第1の使用状態を示す図であって、デスク装置を右側部側から見た概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデスク装置の第1の使用状態を示す図であって、デスク装置を左側部側から見た概略斜視図である。
【図3】図1におけるA−A断面を示す概略断面図である。
【図4】パネル受けの外観を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るデスク装置を第1の使用状態で使用する場合の組み立て手順を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係るデスク装置を第1の使用状態で使用する場合の組み立て手順を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係るデスク装置を第1の使用状態で使用する場合の組み立て手順を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係るデスク装置の第2の使用状態を示す図であって、デスク装置を右側部側から見た概略斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係るデスク装置の第3の使用状態を示す図であって、デスク装置を左側部側から見た概略斜視図である。
【図10】第3の使用状態におけるデスク装置を背面側から見た分解斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係るデスク装置の第4の使用状態を示す図であって、デスク装置を左側部側から見た概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の実施形態に係るデスク装置の構成について説明する。図1及び図2は、本実施形態に係るデスク装置10の第1の使用状態U1を示す図であって、図1はデスク装置10を右側部側から見た概略斜視図、図2は左側部側から見た概略斜視図である。
【0022】
尚、本願明細書では、デスク装置10において使用者が位置する側について前面及び前部との用語を、使用者と反対側について後面及び後部との用語を、使用者から見て左右両側について側面及び側部との用語を、それぞれ使用する。
【0023】
デスク装置10は、図1及び図2に示すように、デスク本体11と、このデスク本体11の下部空間に収容されたサイドワゴン12と、デスク本体11の側部に取り付けられたパネル受け13と、このパネル受け13に取り付けられた棚設置パネル14と、この棚設置パネル14に取り付けられた棚15と、を備えるものである。尚、図2では説明の便宜上、サイドワゴン12の図示を省略している。
【0024】
デスク本体11は、図1及び図2に示すように、4本の脚16と、これら脚16を互いに連結して設けられた3本の上部連結部材17及び2本の下部連結部材18と、脚16に支持されてデスク装置10の両側部及び後部にそれぞれ設けられた3枚の天板支持パネル19と、3枚の天板支持パネル19によって支持された天板20と、を具備している。
【0025】
4本の脚16は、図1及び図2に示すように、断面略矩形形状を有する長手部材である。尚、脚16は少なくとも複数本であれば、その本数や配設位置や断面形状は本実施形態に限定されず適宜設計変更が可能である。
【0026】
上部連結部材17及び下部連結部材18は、4本の脚16を構造的に補強するものである。上部連結部材17は、図1及び図2に示すように略水平方向に延び、その長手方向両端部が前後1対の脚16の上端同士または左右1対の脚16の上端同士にそれぞれ接続されている。また、下部連結部材18も略水平方向に延び、その長手方向両端部が前後1対の脚16の下端にそれぞれ接続されている。これにより、上部連結部材17及び下部連結部材18によって一体化された4本の脚16は、外力の作用に拘らず平行な状態で保持されるようになっている。
また、図2に示すように、上部連結部材17の長手方向両端部には、棚設置パネル14を固定するための1対の鬼目ナット21がそれぞれ埋め込まれている。
【0027】
3枚の天板支持パネル19は、図1及び図2に示すように、デスク装置10の両側部にそれぞれ設けられた1対の側面支持パネル22と、デスク装置10の後部に設けられた後面支持パネル23と、を備えている。
【0028】
1対の側面支持パネル22は、天板20の両側面を支持するものである。これら側面支持パネル22は、図1及び図2に示すように、略矩形の平板部材であって、その幅寸法は前後1対の脚16の間隔に略等しく、その高さ寸法は脚16の長さの略半分程度である。尚、側面支持パネル22の高さ寸法は、脚16の長さの半分程度に限られず、天板20の高さを調整する範囲等に応じて適宜設計変更が可能である。
そして、これら側面支持パネル22には、天板20の取り付け用に使用する複数のビス穴221が形成されている。より詳細には、図2に示すように、縦方向5行×横方向2列に配列された合計10個のビス穴221が、側面支持パネル22を貫通してそれぞれ形成されている。
【0029】
このように構成される側面支持パネル22は、その幅方向両端部が前後1対の脚16に対してそれぞれ接続されるとともに、その上端部が上部連結部材17に接続されている。ここで、図3は、図1におけるA−A断面を示す概略断面図である。側面支持パネル22は、図1に示す前後1対の脚16の間に設けられた状態で、その外側面22Aが上部連結部材17の外側面17Aより一段低くなっている。
また、側面支持パネル22の高さ寸法が脚16の長さの略半分程度であるため、図2に示すように、側面支持パネル22の下方には開口が形成され、側面支持パネル22はその下面が露呈した状態となっている。そして、図3及び図5に示すように、側面支持パネル22の下面には、その幅方向両端部に1対の鬼目ナット25がそれぞれ埋め込まれている。
【0030】
後面支持パネル23は、天板20の後面を支持するものである。この後面支持パネル23は、図1及び図2に示すように、略矩形の平板部材であって、その幅寸法は左右1対の脚16の間隔に略等しく、その高さ寸法は側面支持パネル22と同様に脚16の長さの略半分程度であって、その厚みは側面支持パネル22の厚みと略等しく形成されている。尚、後面支持パネル23の高さ寸法も、本実施形態に限定されず、天板20の高さを調整する範囲等に応じて適宜設計変更が可能である。
【0031】
そして、図10に示すように、この後面支持パネル23にも、天板20の取り付け用に使用する複数のビス穴231が形成されている。より詳細には、縦方向5行×横方向1列に配列された合計5個のビス穴231が、後面支持パネル23を貫通してそれぞれ形成されている。そして、これらビス穴231の高さ位置は、側面支持パネル22に形成されたビス穴221の高さ位置にそれぞれ対応している。また、後面支持パネル23の下方にも開口が形成されて後面支持パネル23の下面が露呈した状態となっており、この後面支持パネル23の下面にも、1対の鬼目ナット26がそれぞれ埋め込まれている。
【0032】
このように構成される後面支持パネル23は、その幅方向両端部が左右1対の脚16に対してそれぞれ接続されている。また、図に詳細は示さないが、側面支持パネル22と同様に、左右1対の脚16の間に設けられた状態で、その外側面が上部連結部材17の外側面より一段低くなっている。
【0033】
天板20は、図1及び図2に示すように、平面視で略矩形形状を有する天板本体201と、この天板本体201に対して挿抜可能に設けられた引き出し202と、を具備している。このように構成される天板20は、その高さ位置を任意に調整可能となっている。すなわち天板20は、側面支持パネル22及び後面支持パネル23に形成された縦方向5行のビス穴231のうちいずれかの行のビス穴231の高さに合わせて配置され、その左右両側面が左右の側面支持パネル22に対してそれぞれ当接されるとともに、その後面が後面支持パネル23に対して当接される。その上で、側面支持パネル22に形成された横方向2列のビス穴221を通して天板本体201の側面に2本のビス(不図示)がネジ込まれるとともに、後面支持パネル23に形成された1個のビス穴231を通して天板本体201の後面に1本のビス(不図示)がネジ込まれる。これにより天板20は、左右の側面支持パネル22と後面支持パネル23とによって支持される。
【0034】
サイドワゴン12は、図1に示すように、ワゴン本体121と、このワゴン本体121に対して挿抜可能に設けられた複数段の引き出し122と、ワゴン本体121の底面に回転可能に設けられた複数のキャスター123と、を有している。このように構成されるサイドワゴン12は、デスク本体11の下部空間の内部に、右側部に位置する前後1対の脚16に近接するようにして配置されている。尚、図に詳細は示さないが、キャスター123を回転不能にロックすることにより、サイドワゴン12を移動不能とすることができる。
【0035】
図4は、パネル受け13の外観を示す概略斜視図である。パネル受け13は、断面略凸状の形状を有する長手部材である。このパネル受け13は、幅方向中央部に突出して設けられた突部131と、この突部131を挟んで幅方向一方側に設けられた取付部132と、突部131を挟んで幅方向他方側に設けられた受け部133と、を具備している。
【0036】
取付部132は、パネル受け13を天板支持パネル19に取り付けるためのものである。図3に示すように、この取付部132の幅寸法W1は、側面支持パネル22の厚みと略等しく形成されている。また図4に示すように、取付部132の長さ寸法L1は、側面支持パネル22の幅と同程度かそれより若干短く形成されている。そして、このように構成される取付部132には、図3及び図4に示すように、その長手方向に所定間隔で1対のネジ挿通穴132aがそれぞれ形成されている。この1対のネジ挿通穴132aの位置は、側面支持パネル22の下面に埋め込んだ1対の鬼目ナット25の位置にそれぞれ対応している。尚、取付部132の形状は、天板支持パネル19に取り付け可能な形状であれば、本実施形態に限定されず適宜設計変更が可能である。
【0037】
受け部133は、パネル受け13に棚設置パネル14を取り付けるためのものである。図3に示すように、この受け部133の幅寸法W2は、棚設置パネル14の厚みと略等しく形成されている。また図4に示すように、受け部133の長さ寸法L2は、取付部132より長く且つ棚設置パネル14の幅と略等しく形成されている。そして、このように構成される受け部133には、図4に示すように、その長手方向に所定間隔で3個のダボ133aが突出して設けられている。尚、受け部133の形状も、棚設置パネル14を取り付け可能な形状であれば、本実施形態に限定されず適宜設計変更が可能である。
【0038】
突部131は、天板支持パネル19に対するパネル受け13の容易な位置決め、及びパネル受け13に対する棚設置パネル14の容易な位置決めを可能とするものである。尚、この突部131は、パネル受け13に必須の構成ではなく、パネル受け13を取付部132と受け部133とだけで構成してもよい。
【0039】
棚設置パネル14は、天板20から上方へ離間した位置に棚15を設置するためのものである。この棚設置パネル14は、図1に示すように、略矩形の平板部材であって、その幅寸法は上部連結部材17の長さ寸法と略等しく、その高さ寸法は天板支持パネル19の高さ寸法より大きく形成されている。
【0040】
このように構成される棚設置パネル14には、図1に示すように、上部連結部材17への固定用と棚15の固定用とに兼用される複数のネジ挿通穴141が形成されている。より詳細には、縦方向4行×横方向2列に配列された合計8個のネジ挿通穴141が、棚設置パネル14を貫通してそれぞれ形成されている。ここで、横方向2列のネジ挿通穴141の間隔は、上部連結部材17の側面に埋め込んだ1対の鬼目ナット26の間隔に対応している。
また、図3及び図6に示すように、棚設置パネル14の下面には3個のダボ溝142がそれぞれ形成されている。この3個のダボ溝142は、パネル受け13の受け部133に設けられた3個のダボ133aに嵌合する形状であって、その位置は3個のダボ133aの位置にそれぞれ対応している。
【0041】
棚15は、不図示の本やノート等を収納するためのものである。この棚15は、図2に示すように、側面視で略U字形状を有する棚本体151と、この棚本体151の内部を適宜の間隔で仕切る仕切り板152と、を有している。そして、図7に示すように、棚本体151の背面すなわち棚設置パネル14に当接する側の面には、縦方向2行×横方向2列に配列された合計4個の鬼目ナット153がそれぞれ埋め込まれている。この4個の鬼目ナット153の位置関係、すなわち縦方向及び横方向への間隔は、棚設置パネル14に形成されたネジ挿通穴141の位置関係、すなわち縦方向及び横方向への間隔にそれぞれ対応している。
【0042】
次に、本実施形態に係るデスク装置10を第1の使用状態U1で使用する場合の組み立て手順、及びその作用効果について説明する。ここで、第1の使用状態U1とは、図1及び図2に示すように、天板20が天板支持パネル19の低い位置に取り付けられるとともに、デスク本体11の側部に棚15が設けられる使用状態を意味している。尚、天板20が低い位置に取り付けられている例として、本実施形態では、天板支持パネル19に形成された縦方向5行のビス穴221,231のうち、最下行のビス穴221,231の位置に天板20を固定している。
【0043】
デスク装置10を第1の使用状態U1で使用する場合、使用者はまず、デスク本体11に対してパネル受け13を取り付ける。すなわち使用者は、図5に示すように、突部131を上に向けた状態のパネル受け13の取付部132を、側面支持パネル22の下面に当接させる。そして使用者は、図5に示すように、取付部132に形成された1対のネジ挿通穴132aに対して1対の固定ネジ27を下方から挿通させ、これら固定ネジ27を側面支持パネル22の下面に埋め込まれた1対の鬼目ナット25にそれぞれ螺合させる。これにより、側面支持パネル22の下面にパネル受け13が固定される。
【0044】
この時、図3に示すように、パネル受け13の取付部132の幅寸法W1が側面支持パネル22の厚みと略等しいため、側面支持パネル22の外側面22Aが突部131に当接する。また、取付部132の幅寸法W1が側面支持パネル22の厚みと略等しいため、取付部132の内側面132Aが側面支持パネル22の内側面22Cと略同一面を形成する。これにより、天板20の下方空間に収容されたサイドワゴン12に対してパネル受け13が干渉しないようになっている。
【0045】
また、図3に示すように、突部131の厚みD1は、上部連結部材17の外側面17Aと側面支持パネル22の外側面22Aとの段差長に略等しく形成されている。これにより、突部131の外側面131Bが上部連結部材17の外側面17Aと略同一面を形成する。また、受け部133の長さは取付部132の長さより長く形成されているため、図6に示すように、受け部133の長手方向両端部が前後1対の脚16の外側面にそれぞれ当接する。
【0046】
このように、パネル受け13を側面支持パネル22に固定する手段として、側面支持パネル22の下面に対して上方に向けて螺合する固定ネジ27を用いたので、パネル受け13自体の重量やこれに取り付けられる棚設置パネル14及び棚15の重量は、固定ネジ27に対し主として軸方向への引っ張り荷重として作用する。従って、これらの重量が固定ネジ27に対し軸方向に略直交する方向へのせん断荷重として作用する場合と比較すると、パネル受け13を側面支持パネル22に対して安全且つ確実に固定することができる。
【0047】
次に使用者は、パネル受け13に対して棚設置パネル14を取り付ける。すなわち使用者は、図6に示すように、棚設置パネル14を、その下面に設けられた3個のダボ溝142に対して受け部133に突出して設けられた3個のダボ133aをそれぞれ挿入させながら、受け部133の上に載置する。この時、図3に示すように、受け部133の幅寸法W2は棚設置パネル14の厚みと略等しいため、棚設置パネル14の内側面14Aが突部131の外側面に当接する。そして、前述のように突部131の外側面は上部連結部材17の外側面17Aと略同一面を形成するため、受け部133の上に載置された棚設置パネル14は、垂直状態においてその内側面14Aが上部連結部材17の外側面17Aに当接する。また、棚設置パネル14はその高さ寸法が側面支持パネル22の高さ寸法より大きく形成されているため、棚設置パネル14はパネル受け13の受け部133に取り付けられた状態で、その上部が側面支持パネル22より上方に突出する。
【0048】
更に使用者は、棚設置パネル14をデスク本体11に固定する。すなわち使用者は、図6に示すように、棚設置パネル14に形成された合計8個のネジ挿通穴141のうち、最下行に位置する一対のネジ挿通穴141に対し、外側から内側に向かって一対の固定ネジ27をそれぞれ挿通させる。そして、これら固定ネジ27を、上部連結部材17に埋め込まれた一対の鬼目ナット21にそれぞれ螺合させる。これにより、棚設置パネル14が上部連結部材17に固定される。
【0049】
ここで、使用者は、ダボ溝142にダボ133aをそれぞれ嵌合させることによって、棚設置パネル14をパネル受け13に対して容易に位置決めすることができる。またこの時、棚設置パネル14は、パネル受け13の受け部133によって下方から支持されるとともに、ダボ溝142に嵌合されたダボ133aによってもある程度支持されている。従って、1人の使用者が片方の手で棚設置パネル14を軽く支えながら、もう片方の手で固定ネジ27を鬼目ナット21に螺合させる作業を容易に行うことができる。
【0050】
最後に使用者は、棚設置パネル14に棚15を取り付ける。すなわち使用者は、図7に示すように、棚設置パネル14に形成された合計8個のネジ挿通穴141のうち、上部連結部材17への固定に使用した最下行を除く上下3行のネジ挿通穴141のいずれかを使用し、棚設置パネル14に棚15を固定する。本実施形態では、棚設置パネル14に形成された上から2行目及び3行目のネジ挿通穴141に対し、外側から内側に向かってそれぞれ固定ネジ27を挿通させ、これら固定ネジ27を、棚本体151の背面に埋め込まれた縦方向2行×横方向2列の鬼目ナット153にそれぞれ螺合させている。これにより、図1及び図2に示すように、棚設置パネル14の内側面14Aであって側面支持パネル22より上方へ突出した部分に、棚15が固定される。
【0051】
このように、本発明に係るデスク装置10では、棚設置パネル14が天板20に直接固定されることなく天板支持パネル19に固定されるので、天板20の高さ位置によらず、棚設置パネル14をデスク本体11に対して強固且つ安定して固定することができる。
【0052】
尚、本実施形態ではデスク装置10の右側部に棚設置パネル14を取り付けることで右側部に棚15を設けたが、これに代えてまたはこれと共に、デスク装置10の左側部に棚設置パネル14を取り付けることで左側部に棚15を設けてもよい。また、本実施形態では側面支持パネル22に棚設置パネル14を固定した後、棚設置パネル14に棚15を取り付けたが、それとは逆に、側面支持パネル22に棚設置パネル14を固定する前に、棚設置パネル14に予め棚15を取り付けておいてもよい。
【0053】
次に、本実施形態に係るデスク装置10を第2の使用状態U2で使用する場合について説明する。ここで、第2の使用状態U2とは、図8に示すように、天板20が天板支持パネル19の高い位置に取り付けられるとともに、デスク本体11の側部に棚15が設けられる使用状態を意味している。尚、天板20が高い位置に取り付けられている例として、本実施形態では、天板支持パネル19に形成された縦方向5行のビス穴221,231のうち、最上行のビス穴221,231の位置に天板20を固定している。
【0054】
この第2の使用状態U2を第1の使用状態U1と比較すると、天板20の設置される高さ及び棚15の設置される高さのみが異なり、パネル受け13や棚設置パネル14や棚15の取り付け手順及びその作用効果は同じであるため、ここでは説明を省略する。このように、本発明に係るデスク装置10によれば、天板20が高い位置に配置される場合でも、棚設置パネル14をデスク本体11に対して強固且つ安定して固定することができる。
【0055】
また、第2の使用状態U2では、天板20を高い位置に設置したことに伴い、棚設置パネル14に固定した棚15によって天板20上のスペースが狭くならないよう、棚15の設置位置も高くしている。すなわち、図7に示すように、棚設置パネル14に形成された合計8個のネジ挿通穴141のうち、最上行及び上から2行目のネジ挿通穴141に4本の固定ネジ27をそれぞれ挿通させ、これら固定ネジ27を棚本体151の背面に埋め込まれた合計4個の鬼目ナット153にそれぞれ螺合させる。
【0056】
次に、本実施形態に係るデスク装置10を第3の使用状態U3で使用する場合について説明する。ここで、第3の使用状態U3とは、図9に示すように、天板20が天板支持パネル19の高い位置に取り付けられるとともに、デスク本体11の後部に柵が設けられる使用状態を意味している。尚、天板20が低い位置に取り付けられている例として、本実施形態では、天板支持パネル19に形成された縦方向5行のビス穴221,231のうち、最下行のビス穴221,231の位置で天板20を固定している。
【0057】
この第3の使用状態U3を第2の使用状態U2と比較すると、デスク本体11の後部に棚15が設けられる点で異なっている。ここで、図10は、第3の使用状態U3におけるデスク装置10を背面側から見た分解斜視図である。
【0058】
デスク装置10を第3の使用状態U3で使用する場合、使用者はまず、デスク本体11に対してパネル受け13を取り付ける。すなわち使用者は、図10に示すように、突部131を上に向けた状態のパネル受け13の取付部132を、後面支持パネル23の下面に当接させる。そして使用者は、図10に示すように、取付部132に形成された1対のネジ挿通穴132aに対して1対の固定ネジ27を下方から挿通させ、これら固定ネジ27を後面支持パネル23の下面に埋め込まれた1対の鬼目ナット26にそれぞれ螺合させる。これにより、後面支持パネル23の下面にパネル受け13が固定される。
尚、この時の後面支持パネル23に対するパネル受け13の取り付け状態は、図3に示す第1の使用状態U1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0059】
次に使用者は、パネル受け13に対して棚設置パネル14を取り付ける。すなわち使用者は、図10に示すように、棚設置パネル14を、その下面に設けられた3個のダボ溝142に対して受け部133に突出して設けられた3個のダボ133aをそれぞれ挿入させながら、受け部133の上に載置する。
尚、この時のパネル受け13に対する棚設置パネル14の取り付け状態は、図3に示す第1の使用状態U1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0060】
更に使用者は、棚設置パネル14をデスク本体11に固定する。すなわち使用者は、図10に示すように、棚設置パネル14に形成された合計8個のネジ挿通穴141のうち、最下行に位置する一対のネジ挿通穴141に対し、外側から内側に向かって一対の固定ネジ27をそれぞれ挿通させる。そして、これら固定ネジ27を、上部連結部材17に埋め込まれた一対の鬼目ナット21にそれぞれ螺合させる。これにより、デスク本体11の後部に設けられた上部連結部材17に対し、棚設置パネル14が固定される。尚、この作業を1人の使用者が容易に行うことができる点は、第1の使用状態U1と同様である。
【0061】
最後に使用者は、棚設置パネル14に棚15を取り付ける。すなわち使用者は、図10に示すように、棚設置パネル14に形成された8個のネジ挿通穴141のうち、最上行及び上から2行目のネジ挿通穴141に4本の固定ネジ27をそれぞれ挿通させ、これら固定ネジ27を棚本体151の背面に埋め込まれた合計4個の鬼目ナット153にそれぞれ螺合させる。
【0062】
次に、本実施形態に係るデスク装置10を第4の使用状態U4で使用する場合について説明する。ここで、第4の使用状態U4とは、図11に示すように、天板20が天板支持パネル19の低い位置に取り付けられるとともに、デスク本体11の後部に柵が設けられる使用状態を意味している。尚、天板20が低い位置に取り付けられている例として、本実施形態では、天板支持パネル19に形成された縦方向5行のビス穴221,231のうち、最下行のビス穴221,231の位置で天板20を固定している。
【0063】
この第4の使用状態U4を第3の使用状態U3と比較すると、天板20の設置される高さ及び棚15の設置される高さのみが異なり、パネル受け13や棚設置パネル14や棚15の取り付け手順及びその作用効果は同じであるため、ここでは説明を省略する。このように、本発明に係るデスク装置10によれば、天板20が低い位置に配置される場合でも、棚設置パネル14をデスク本体11に対して強固且つ安定して固定することができる。
【0064】
また、第4の使用状態U4では、天板20を低い位置に設置したことに伴い、棚15の設置位置も低くしている。すなわち、図10に示すように、棚設置パネル14に形成された合計8個のネジ挿通穴141のうち、上から2行目及び上から3行目のネジ挿通穴141に4本の固定ネジ27をそれぞれ挿通させ、これら固定ネジ27を棚本体151の背面に埋め込まれた合計4個の鬼目ナット153にそれぞれ螺合させる。
尚、本実施形態では棚15の設置位置を低くしたが、棚15によって天板20上のスペースが狭くならない場合は、棚15の設置位置を第3の使用状態と同様に高い位置としてもよい。
【0065】
尚、上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ、或いは動作手順等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0066】
10 デスク装置
11 デスク本体
12 サイドワゴン
121 ワゴン本体
122 引き出し
123 キャスター
13 パネル受け
131 突部
132 取付部
132a ネジ挿通穴
132A 内側面
133 受け部
133a ダボ
14 棚設置パネル
141 ネジ挿通穴
142 ダボ溝
14A 内側面
15 棚
151 棚本体
152 仕切り板
153 鬼目ナット
16 脚
17 上部連結部材
17A 外側面
18 下部連結部材
19 天板支持パネル
20 天板
201 天板本体
202 引き出し
21 鬼目ナット
22 側面支持パネル
221 ビス穴
22A 外側面
22C 内側面
23 後面支持パネル
231 ビス穴
25 鬼目ナット
26 鬼目ナット
27 固定ネジ
D1 厚み
L1 長さ寸法
L2 長さ寸法
U1 第1の使用状態
dU2 第2の使用状態
U3 第3の使用状態
U4 第4の使用状態
W1 幅寸法
W2 幅寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の脚と、
前記脚に支持された天板支持パネルと、
前記天板支持パネルに上下位置調整可能に支持された天板と、
前記天板支持パネルに支持され、前記天板支持パネルより上方まで延びるように設けられた棚設置パネルと、
前記棚設置パネルにおける前記天板支持パネルより上方へ突出した部分に設けられた棚と、
を備えることを特徴とするデスク装置。
【請求項2】
前記天板支持パネルから前記天板と逆側へ突出して設けられ、前記棚設置パネルを下方から受けるパネル受けを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のデスク装置。
【請求項3】
前記パネル受けが、前記天板支持パネルに対して着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のデスク装置。
【請求項4】
前記パネル受けは、前記天板支持パネルの下面に上方に向けて螺合されたネジ部材によって前記天板支持パネルの下面に固定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のデスク装置。
【請求項5】
前記パネル受けにダボが突出して設けられ、前記棚設置パネルの下面に前記ダボに嵌合するダボ溝が形成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のデスク装置。
【請求項6】
隣接する前記脚の上端部同士を連結して連結部材が設けられ、前記棚設置パネルが前記連結部材に固定されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のデスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−120732(P2012−120732A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274359(P2010−274359)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】