説明

デスク

【課題】配線を整然と且つ容易に這わせることができ、安全点検も容易に行えるデスクを提供する。
【解決手段】デスク天板11の正面上方から配線天板21が視認できない低い位置に配線天板21を備える。これにより、機器の配線を隠すことができ、配線天板21上に配線を集めて配線を整然とさせることができる。また、配線の状態はデスク天板11の下から容易に確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線を収納するデスクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスでは、配線を整然とさせるために、天板に配線の接続口を設けたデスクや天板に配線を通す穴を開けたデスクが提供されている。また、下に側板を配置して配線を隠すデスクも提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−017241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のデスクでは、天板に配線の接続口を設けることで一部の配線を整然とさせることはできるが、配線が増えた場合に接続口を増設することは容易ではない。また、側板を配置して配線を隠すデスクでは、配線作業を行う際に側板を外す手間がかかるという問題があった。さらに、側板を外さなければ配線周りの安全点検を実施できないという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、配線を整然と且つ容易に這わせることができ、安全点検も容易に行えるデスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るデスクは、天板と、対向して配置されて前記天板を支える2枚の側板と、前記側板が配置されていない側の前記天板より低い位置に前記天板及び前記側板より突出して配置された配線天板と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配線を整然と且つ容易に這わせることができ、安全点検も容易に行えるデスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態におけるデスクの構成を示す斜視図である。
【図2】上記デスクの(a)上面図、(b)正面図、(c)側面図である。
【図3】配線天板の位置を調整する固定部材を示す図である。
【図4】配線天板の位置を調整する調整棒を示す図である。
【図5】配線天板の高さと視点の位置の関係を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態におけるデスクの構成を示す斜視図であり、図2(a)は上面図、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図である。
【0011】
図1,2に示すデスクは、電気機器や通信機器など配線を伴う機器を置くデスク部分と配線を収納する配線収納部分で構成される。デスク部分は、地面に対して平行に配置されたデスク天板11と地面に対して垂直に対向して配置されてデスク天板11を支える2つのデスク側板12によってコの字型に構成される。配線収納部分は、デスク部分のデスク側板12が配置されていない一方の側面に配置され、デスク天板11よりも低い位置でデスク天板11と平行に配置された配線天板21と配線天板21の一辺に配線天板21に対して垂直に配置した配線留め板22により構成される。図2(b)の正面図で示すように、配線収納部分は、デスク側板12の内側に配置された固定部材13で形成された溝に配線天板21が挿入されてデスク部分と組み合わせられる。また、図2(c)の側面図で示すように、配線収納部分は、デスク天板11及びデスク側板12よりも背面に突出した状態で配置される。
【0012】
機器の本体をデスク天板11上に設置し、機器の配線を配線天板21上に這わせて収納する。配線留め板22は、配線が配線天板21から落下することを防ぐ。配線収納部分は、壁面等に設けられたコンセントやアウトレットの接続口まで全ての配線をまとめて誘導し、配線の数の増加にも容易に対応できる。また、配線天板21がデスク天板11よりも下方に配置されているので、ユーザがデスクを使用している状態、つまりデスクの正面(配線収納部分の反対側)にいる状態で、配線を視認させずに隠すことができる。
【0013】
また、配線天板21を、デスク天板11との間に作業が可能な隙間が確保できる程度デスク天板11よりも低く配置することで、デスク天板11の下から配線天板21上の配線等を扱い、確認することが容易にできる。具体的には、デスク天板11と配線天板21との間は、作業者がものをつかむ作業をする際の空間が確保できる程度に離して配置する。握り最大径は平均で100.7mm、最大で116.0mmであるので、デスク天板11と配線天板21との高さの差は116mm以上確保する。
【0014】
図3に示すように、2枚のデスク側板12の内側に固定部材13を複数配置して複数の溝を形成することで、配線天板21を挿入する位置を変えて配線天板21の高さを変更する。
【0015】
あるいは、図4に示すように、配線天板21に垂直柱14を貫通させて配線天板21を上下に動かせるようにしてもよい。配線天板21の張り出している部分に下に傾こうとする力が働き、垂直柱14と配線天板21との間の摩擦力となって配線天板21が固定される。
【0016】
配線天板21の位置は、調整棒31を用いて調整する。図4(b)に示すように、調整棒31は、配線天板21を上下に挟み込み、調整棒31の配線天板21に対する角度が変化しても配線天板21の水平が保たれるように接続部分が回転可能となっている。また、調整棒31をデスク側板12に一部を固定して支点とし、調整棒31を上下させることで配線天板21を上下させることができる。調整棒31は伸縮可能な構造で、使用時に伸長させ、使用しないときには縮めて収納しておく。
【0017】
なお、配線天板21の高さの調整は上記のものに限らず、他の方法を用いるものでもよい。
【0018】
次に、配線天板21の高さと視点の位置について説明する。
【0019】
図5は、配線天板21の高さと視点の位置の関係を説明するための説明図である。ここでは、図5に示すように、視点の高さをL、デスク天板11から視点までの水平距離をx、デスクの高さをc、デスクの奥行きをa、配線天板21の最も低い位置をb、配線天板21を最も高い位置にしたとき、つまり、デスク天板11と配線天板21との間に手が入る程度の隙間を空けたときのデスク天板11と配線天板21との間の距離をd、配線天板21の高さをz、配線天板21の奥行きをmとする。
【0020】
まず、配線天板21の高さを最も低い位置bにしたときに、デスクの下から配線天板21が見えない範囲(視点51までの水平距離x)を計算する。
【0021】
視点51からデスク天板11の手前側の端に延ばした直線を斜辺とする2つの直角三角形の各辺の比x:a=(L−c):(c−b)から次式が求められる。
【0022】
x=a×(L−c)/(c−b)
すなわち、配線天板21の高さzを最も低い位置bにしたときには、水平位置xが以下の範囲のときに配線天板21が見えない。
【0023】
0≦x≦a×(L−c)/(c−b)
z=b
続いて、配線天板21の高さを最も高い位置、つまりデスク天板11から配線天板21まで距離dの隙間を空けたときに、デスクの下から配線天板21が見えない範囲(視点52までの水平距離x)を計算する。
【0024】
視点52からデスク天板11の手前側の端に延ばした直線を斜辺とする2つの直角三角形の各辺の比x:a=(L−c):dから次式が求められる。
【0025】
x=a×(L−c)/d
すなわち、配線天板21の高さzを最も高い位置c−dにしたときには、水平位置xが以下の範囲のときに配線天板21が見えない。
【0026】
0≦x≦a×(L−c)/d
z=c−d
つまり、b≦z≦c−dの範囲で配線天板21の高さzを調整することで、視点の水平距離xがa×(L−c)/(c−b)≦x≦a×(L−c)/dの範囲のときは、配線天板21がデスクの下から見えないように設定できる。
【0027】
また、配線天板21の高さを最も高い位置にしたときに、視点53の位置で配線天板21がデスク天板11に隠れるようにするには、視点53からデスク天板11の奥側の端に延ばした直線を斜辺とする2つの直角三角形の各辺の比a:m=L−c:dから求められる次式の奥行きmより短くする。
【0028】
m=a×d/(L−c)
配線天板21の奥行きは、電源用のテーブルタップを設置できるスペース、少なくとも120mm確保する。例えば、電源用のテーブルタップは、大きいもので縦210mm×横90mm×厚み45mmである。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態によれば、デスク天板11の正面上方から配線天板21が視認できない低い位置に配線天板21を備えることで、機器の配線を隠すことができ、配線天板21上に配線を集めて配線を整然とさせることができる。また、デスク天板11と配線天板21の作業ができる程度に離して配置することで、配線の状態をデスク天板11の下から容易に確認することができる。
【符号の説明】
【0030】
11…デスク天板
12…デスク側板
13…固定部材
14…垂直柱
21…配線天板
22…配線留め板
31…調整棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、
対向して配置されて前記天板を支える2枚の側板と、
前記側板が配置されていない側の前記天板より低い位置に前記天板及び前記側板より突出して配置された配線天板と、
を有することを特徴とするデスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−232058(P2012−232058A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104264(P2011−104264)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】