説明

トナーおよび画像形成方法

【課題】高速、高画質、高耐久および高環境安定性を満足するトナーを提供することを目的とする。
【解決手段】第1の像担持体上でのトナー像の形成と該トナー像の第2の像担持体上への一次転写とを複数色のトナー像について繰り返して前記第2の像担持体上で複数色のトナー像を重ね合わせた後、これらのトナー像を一括で転写材に二次転写してカラー画像を形成するとともに、二次転写後に前記第2の像担持体上に残った転写残トナーを固定帯電ブラシによって電荷を付与することで、前記第2の像担持体上から前記第1の像担持体上に逆転写し、さらに、前記第1の像担持体のクリーニング装置で回収する画像形成方法に用いられるトナーであって、
該トナーは、23℃/50%の条件下で振とうにより帯電させた時の帯電凝集度Aが25乃至85%、該トナーの体積抵抗値Bと該固定帯電ブラシの体積抵抗値Cの比B/Cが1×105乃至1×109であることを満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体上に形成された潜像に現像剤を付着させて可視化する電子写真方式や静電記録方式などの複写機、プリンタ等の画像形成装置に使用されるトナーおよび画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の複写機やプリンターには、小型化、軽量化、高信頼性といった要求が強まり、トナー性能に対する要求も厳しいものとなってきている。例えば、小型化の観点から部品の削減や廃トナーBOXの削減等により従来のトナー性能に増して優れたトナーが求められている。
【0003】
そのような要望を達成するためにトナーの物性を規定した提案が数多くなされてきた。
【0004】
これまで転写残トナーを逆帯電させ潜像担持体に戻してクリーニングを行う画像形成方法が提案されている(例えば特許文献1、2及び3参照)。しかしながら、更なる部品の削減に関しては改良の余地があり、より厳しい環境条件においては更なる改善が求められる。
【0005】
また、小型化の観点から部品の削減や廃トナーBOXの削減のために中間転写体を用いて転写残トナーを逆帯電させ潜像担持体に戻してクリーニングを行う画像形成方法およびトナーが提案されている(例えば特許文献4参照)。しかしながら、更なる部品の削減に関しては改良の余地があり、より厳しい環境条件においては更なる改善が求められる。
【0006】
他にも4色の現像器が横一列に並び中間転写体を用いて転写残トナーを逆帯電させ潜像担持体に戻してクリーニングを行う画像形成方法が開示されている(例えば特許文献5参照)。しかしながら、更なる部品の削減に関しては改良の余地があり、より厳しい環境条件においては更なる改善が求められる。
【0007】
このように種々問題を総じて解決するトナーが存在しないのが現状である。
【0008】
【特許文献1】特開平4−340564号公報
【特許文献2】特開平5−297739号公報
【特許文献3】特開平1−105980号公報
【特許文献4】特開平9−50167号公報
【特許文献5】特開2003−241479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記状況を鑑み、高速、高画質、高耐久および高環境安定性を満足するトナーおよび画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は以下の本発明によって達成される。
【0011】
すなわち、本発明は第1の像担持体上でのトナー像の形成と該トナー像の第2の像担持体上への一次転写とを複数色のトナー像について繰り返して前記第2の像担持体上で複数色のトナー像を重ね合わせた後、これら複数色のトナー像を一括で転写材に二次転写してカラー画像を形成するとともに、二次転写後に前記第2の像担持体上に残った転写残トナーを少なくとも1つ以上の固定帯電ブラシによって電荷を付与することで、前記第2の像担持体上から前記第1の像担持体上に逆転写し、さらに、前記第1の像担持体のクリーニング装置で回収する画像形成方法において用いられるトナーであって、
該トナーは、温度23℃/湿度50%の条件下で振とうにより帯電させた時の凝集度(帯電凝集度)Aが25乃至85%であって、該トナーの体積抵抗値Bと該固定帯電ブラシの体積抵抗値Cの比B/Cが1×105乃至1×109であることを満たすトナー、及び画像形成方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、トナー劣化抑制に優れ、部材汚染抑制に優れた現像剤が得られる。また本発明によれば、現像安定性や転写性に優れた現像剤が得られる。さらに本発明によれば、中間転写体上のクリーニング性に優れた現像剤が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、第1の像担持体上でのトナー像の形成と該トナー像の第2の像担持体上への一次転写とを複数色のトナー像について繰り返して前記第2の像担持体上で複数色のトナー像を重ね合わせた後、これら複数色のトナー像を一括で転写材に二次転写してカラー画像を形成するとともに、二次転写後に前記第2の像担持体上に残った転写残トナーを少なくとも1つ以上の固定帯電ブラシによって電荷を付与することで、前記第2の像担持体上から前記第1の像担持体上に逆転写し、さらに、前記第1の像担持体のクリーニング装置で回収する画像形成方法において用いられるトナーであって、
該トナーが、温度23℃/湿度50%の条件下で振とうにより帯電させた時の凝集度(帯電凝集度)Aが25乃至85%であって、該トナーの体積抵抗値Bと該固定帯電ブラシの体積抵抗値Cの比B/Cが1×105乃至1×109であることを特徴とする。
【0014】
本発明においては使用するトナーに関して、上述の項目を満たすことにより低温低湿環境から高温高湿環境まで様々な状況においても帯電性や転写性が良好であり、特に高温高湿環境において長期放置されたような場合においても良好な結果が得られるものである。また、中間転写体(第2の像担持体)を使用し、クリーニングブレードを用いず転写残を像担持体に逆転写してクリーニングを行う画像形成方法においてそのクリーニング性に優れる。
【0015】
具体的には下述していく。
【0016】
本発明においては、まず、温度23℃/湿度50%の条件下で振とうにより帯電させた時の凝集度(帯電凝集度)Aが25乃至85%であることが必要である。
【0017】
トナーが画像形成装置中において使用される場合、その帯電特性および粉体特性の設計が重要である。
【0018】
該トナー中の温度23℃/湿度50%の条件下で振とうにより帯電させた時の凝集度(帯電凝集度)Aは、画像形成装置内でのトナーの流動性を表している。これを制御することは中間転写体を使用し、クリーニングブレードを用いず転写残を像担持体に逆転写してクリーニングを行う画像形成方法において良好なクリーニング性を示す。
【0019】
帯電させた時の凝集度(帯電凝集度)Aが25%未満であると流動性が高いため、非回転方式の固定帯電ブラシによって電荷を付与する場合、ブラシの奥までトナーが入りこみ、潜像担持体への逆転写がしにくくなってしまう。帯電させた時の凝集度(帯電凝集度)Aが85%を超えると上記電子写真特性(帯電量、カブリ等)は悪化しやすくなる。
【0020】
ここで本発明の帯電させた時の凝集度(帯電凝集度)方法を以下に示す。
【0021】
<帯電凝集度方法>
本発明におけるトナーの凝集度については、以下のようにして測定を行った。
【0022】
測定装置としては、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETER MODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。
【0023】
測定法としては、振動台に390メッシュ,200メッシュ,100メッシュのふるいを目開の狭い順に、すなわち100メッシュふるいが最上位にくるように390メッシュ,200メッシュ,100メッシュのふるい順に重ねてセットした。
【0024】
このセットした100メッシュふるい上に正確に秤量した試料5gを加え、デジタル振動計の変位の値を0.60mm(peak−to−peak)になるように調整し、15秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残った試料の質量を測定して下式にもとづき凝集度を得た。
【0025】
その際の測定サンプルは、それぞれ事前に23℃,60%RH環境下もしくは30℃,80%RH環境下において24時間放置したものであり、測定は23℃,60%RH環境下で行った。
凝集度(%)=(100メッシュふるい上の残試料質量/5g)×100+(200メッシュふるい上の残試料質量/5g)×60+(390メッシュふるい上の残試料質量/5g)×20
【0026】
さらには本発明においては該トナーの体積抵抗値Bと該固定帯電ブラシの体積抵抗値Cの比B/Cが1×105乃至1×109を満たすことが必要である。
【0027】
該トナーの体積抵抗値Bと該固定帯電ブラシの体積抵抗値Cの比B/Cが1×105乃至1×109であると帯電ブラシに保持されるトナーと第1の像担持体(潜像担持体)に戻されるトナーのバランスが取れる。また帯電ブラシから転写残トナーに対してスムーズにバイアスが印加され、優れたクリーニング性が得られる。
【0028】
比B/Cが1×105未満であると、トナーの体積抵抗値Bと該固定帯電ブラシの体積抵抗値Cが近い場合であり、帯電ブラシから転写残トナーに対してバイアスが印加されにくく、ブラシ内にトナーを溜め込みやすくなる。そのような場合適正な印加バイアスがかけられず紙の白地部を汚すことになる。
【0029】
比B/Cが1×109を超えると、トナーの体積抵抗値Bと該固定帯電ブラシの体積抵抗値Cが離れた場合であり、帯電ブラシから転写残トナーに対してバイアスが印加された場合に、ブラシの導電性にムラが生じやすい。そのような場合ムラに相当する様に画像に縦スジが出てしまう。
【0030】
<トナーおよび外添剤体積抵抗値測定方法>
該トナーの体積抵抗値は以下の方法で測定した。
【0031】
すなわち、直径5mmの下部電極を有するシリンダーに導電性物質0.3乃至1.0gをタップ充填後、直径15mmの上部電極をのせて、350gの荷重をかけた状態で測定したものである。このとき試料の厚みを測定した後、0Vから100V刻みで印加電圧を掃引した。測定される試料の抵抗値、試料厚みと印加電圧から電界を算出し、1×104V/cmにおける体積抵抗値を求めた。
【0032】
体積抵抗値の測定に用いる装置を、図2に示す。
【0033】
図2において、11は下部電極を示し、12は上部電極を示し、14は電流計を示し、15は定電圧装置を示し、17は測定サンプルを示し、18はガイドリングを示し、dは測定サンプルの厚みを示し、Aは体積抵抗測定セルを示す。
【0034】
セルAにサンプルを充填し、充填したサンプル17に接するように電極11及び12を配し、該電極間に電圧を印加し、その時流れる電流を電流計14で測定することにより求めた。
【0035】
その測定条件としては、23℃、65%の環境、試料厚みは0.5乃至1.0mmで行った。
【0036】
<部材の体積抵抗値測定方法>
本発明においては、例えば体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4140B pA MATER)にて、23℃、65%の環境で測定することができる。
【0037】
さらには本発明においては、下記の条件を満たすことが上述してきた効果が増したり、より苛酷な使用環境において特性が優れる点で好ましい。
【0038】
該トナーの凝集度Dが10乃至35%であり、該帯電凝集度Aとの関係がA>Dである。
【0039】
該トナーの安息角Eが10乃至30°であり、帯電安息角Fが15乃至45°である。
【0040】
該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される平均円形度が0.950乃至0.995である。
【0041】
該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される平均円形度が0.960乃至0.995である。
【0042】
該トナーの100℃における溶融粘度が15000乃至80000(PaS)である。
【0043】
該トナーの100℃における溶融粘度が15000乃至60000(PaS)である。
【0044】
該トナーの帯電凝集度Aが30乃至70%である。
【0045】
該トナーの安息角Eが10乃至30°であり、帯電安息角Fが20乃至40°である。
【0046】
該トナーの温度23℃/湿度50%の条件下での体積抵抗値Bと該トナーの温度30℃/湿度80%の条件下での体積抵抗値Gの比B/Gが1×101乃至1×104である。
【0047】
該トナーは外添剤として少なくとも体積抵抗値1×1010乃至1×1017のシリカ微粉体aと体積抵抗値1×105乃至1×1013の非シリカ微粉体b(ただし、aの体積抵抗値>bの体積抵抗値)を使用している。
【0048】
本発明において用いられるワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、ケトンワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられる。
【0049】
好ましく用いられるワックスとしては、炭素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいは、モンタン系誘導体が挙げられる。これらワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも好ましい。
【0050】
さらに、好ましく用いられるワックスは、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒又は、その他の触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;アルキレンを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマーを分離精製したもの、;一酸化炭素及び水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素ポリマーの蒸留残分から、あるいは、蒸留残分を水素添加して得られる合成炭化水素から、特定の成分を抽出分別したポリメチレンワックスが挙げられる。これらワックスには酸化防止剤が添加されていてもよい。
【0051】
トナー内の含有量としてはワックスを6乃至15質量%含有していることが好ましい。
【0052】
次に本発明においては、トナーの平均円形度が0.950乃至0.995であることが好ましい。
【0053】
ここにフロー式粒子像測定装置とは粒子撮像の画像解析を統計的に行う装置であり、平均円形度は該装置を用い次式によって求められた円形度の相加平均によって算出される。
【0054】
【数1】

【0055】
上式において、粒子投影像の周囲長とは、二値化された粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さであり、相当円の周囲長とは、二値化された粒子像と同じ面積を有する円の外周の長さである。円相当径とは、測定された粒子の2次元画像の面積と同面積を有する円の直径である。
【0056】
フロー式粒子像測定装置としてFPIA−2100(シスメックス社製)を用いる。測定方法としては、イオン交換水に界面活性剤(好ましくは和光純薬製コンタミノン)を0.1〜0.5質量%加えて調整した溶液10ml(20℃)に測定試料を0.02g加えて均一に分散させて試料分散液を調製した。分散させる手段としてはエスエムテー社製の超音波分散機UM−50(振動子は5φのチタン合金チップ)を用い、分散時間は5分とし、その際、分散媒の温度が40℃以上にならないように冷却した。測定は0.60〜400μmの範囲を226チャンネルに分割し、実際の測定では円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
【0057】
平均円形度が0.950乃至0.990であると、トナー形状が球形に近いため転写残が少なく、ローラーにおける帯電やクリーニング部における回収において負荷が少なく良好な結果が得られる。平均円形度が0.950未満の場合、トナーの転写残が多く、帯電ローラー汚染やクリーニング部における融着が起こりやすくなる。
【0058】
本発明トナーの100℃におけるフローテスタ測定溶融粘度が15000乃至80000であることが好ましい。これは様々な機能物質の複合体であるトナーの挙動を、材料物質の物性や添加量だけで判断することは困難であることと、結着樹脂のゲル分(不溶分)、非ゲル分(可溶分)、そして離型剤の複合体として評価できることに鑑みている。
【0059】
本発明において、トナーの100℃におけるフローテスタ測定溶融粘度を15000乃至80000にすることで、現像における耐久安定性を損なうことなく、色再現性および定着性の安定したフルカラー画像を得ることができる。トナーの溶融粘度が15000未満となると、加圧力の低い定着器における定着性に劣ったり混色が不十分となり色再現性に劣る。トナーの溶融粘度が80000を超えると、現像における耐久安定性が悪くなり、定着性においても耐高温オフセット性に劣る結果となりやすい。
【0060】
ここでトナーの100℃におけるフローテスタ測定溶融粘度の測定方法を以下に示す。
【0061】
<フローテスタ測定溶融粘度の測定>
装置としては、例えばフローテスターCFT−500D(株式会社島津製作所製)を用い、下記の条件で測定を行う。
・サンプル:1.0gのトナーを秤量し、これを直径1cmの加圧成型器により荷重20kNで1分間加圧することで成型してサンプルとする。
・ダイ穴径:1.0mm
・ダイ長さ:1.0mm
・シリンダ圧力:9.807×105(Pa)
・測定モード:昇温法
・昇温速度:4.0℃/min
【0062】
前記の方法により、50℃乃至200℃におけるトナーの粘度(Pa・s)を測定し、100℃の粘度(Pa・s)を求める。
【0063】
本発明のトナーを製造する方法は、懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法によるトナー粒子の製造などが挙げられる。また、マイクロカプセル製法のような界面重合法、in situ重合法、コアセルベーション法などの製造も挙げられる。あるいは、粉砕法によって得られたトナーを、機械的衝撃力で球形化する方法などが挙げられる。
【0064】
中でも、小粒径のトナー粒子が容易に得られる懸濁重合方法が特に好ましい。トナー粒子の製造方法として懸濁重合を利用する場合には、以下の如き製造方法によって直接的にトナー粒子を製造することが可能である。
【0065】
単量体中に着色剤,重合開始剤,架橋剤,その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、通常50〜80℃(好ましくは55〜70℃)の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpH変更しても良い。本発明では、更に、トナーの定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。
【0066】
以下に重合法トナーの材料に関して記載する。
【0067】
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、主に単官能性重合性単量体を使用する。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
【0068】
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて使用する。
【0069】
本発明においては反応の補助として水溶性開始剤を併用しても良い。例として過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
【0070】
重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0071】
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ,ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。通常単量体組成物100質量部に対して水300乃至3000質量部を分散媒体として使用するのが好ましい。
【0072】
有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が使用される。これら分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2乃至2.0質量部を使用することが好ましい。
【0073】
その他好ましく用いられる分散安定剤としては、硫酸,炭酸,燐酸,ピロ燐酸,ポリ燐酸の難水溶性金属塩があり、これらは分散媒中で高速撹拌下において酸アルカリ金属塩とハロゲン化金属塩との反応によって調製されることが好ましい。
【0074】
これら分散剤の微細化のため0.001乃至0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0075】
本発明において縮合系化合物を用いる場合、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロースなどが挙げられる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。
【0076】
本発明に用いられる着色剤は、カーボンブラックあるいは以下に示したような公知のイエロー/マゼンタ/シアン着色剤が利用される。
【0077】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、151、154、155、168、180等が好適に用いられる。
【0078】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、150、169、177、184、185、202、206、220、221、254、269が特に好ましい。
【0079】
本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用される。
【0080】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐侯性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1乃至20質量部添加して用いられる。
【0081】
本発明に使用できるトナーの添加剤としては、オイル処理されたシリカ,チタニア等の無機微粒子が好適に用いられる。その他、酸化ジルコニウム,酸化マグネシウムの如き酸化物の他に、炭化ケイ素,チッ化ケイ素,チッ化ホウ素,チッ化アルミニウム,炭酸マグネシウム,有機ケイ素化合物なども併用することが可能である。
【0082】
シリカは、出発材料あるいは温度等の酸化の条件により、ある程度任意に、一次粒子の合一をコントロールできる点で好ましい。例えば、かかるシリカは硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ及びアルコキシド,水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能である。表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO32-の如き製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
【0083】
更に、上記シリカは疎水化処理されていることが、トナーの帯電量の温度や湿度の如き環境依存性を少なくするため及びトナー表面からの過剰な遊離を防止するために良い。この疎水化処理剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤,アルミニウムカップリング剤の如きカップリング剤が挙げられる。特にシランカップリング剤が、無機酸化物微粒子上の残存基あるいは吸着水と反応し均一な処理が達成され、トナーの帯電の安定化,流動性付与の点で好ましい。
【0084】
シランカップリング剤は、下記一般式
RmSiYn
R:アルコキシ基
m:1〜3の整数
Y:アルキル基
ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水素基
n:1〜3の整数
で表されるものであり、例えばビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,イソブチルトリメトキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,ジメチルジエトキシシラン,トリメチルメトキシシラン,ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン,フェニルトリメトキシシラン,n−ヘキサデシルトリメトキシシラン,n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0085】
より好ましくは、
a2a+1−Si(OCb2b+13
(a=4〜12、b=1〜3)
である。
【0086】
ここで、一般式におけるaが4より小さいと、処理は容易となるが疎水性が十分に達成できない。またaが12より大きいと疎水性は十分になるが、粒子同士の合一が多くなり、流動性付与能が低下してしまう。bは3より大きいと反応性が低下して疎水化が十分に行われなくなってしまう。したがって上記一般式におけるaは4〜12、好ましくは4〜8、bは1〜3、好ましくは1〜2が良い。
【0087】
シリカのオイル処理に関しては、未処理のシリカに直接オイルで処理しても構わないが、上記疎水化処理をしたシリカにさらにオイル処理をすることが、帯電安定性の観点からより好ましい。オイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、パラフィン、ミネラルオイル等が使用できるが、なかでも環境安定性に優れたジメチルポリシロキサンが好適である。処理に用いるオイル量は、シリカ微粒子母体100質量部に対して2乃至40質量部までが適量である。
【0088】
本発明のトナーにおいては、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤、酸化アルミニウム粉末の如きケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0089】
次に、本発明の画像形成方法及び、該方法を実施する画像形成装置ならびにプロセスカートリッジに関して説明する。
【0090】
本発明が適用可能な画像形成方法を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0091】
(非磁性一成分画像形成装置)
(1)画像形成装置例
図1は本発明に従う画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は、複数の画像担持体(潜像担持体)である感光ドラムを上下に直線方向に並べて配置したタンデム構成で、中間転写ベルト方式の電子写真カラー(多色画像)プリンタである。
【0092】
PY・PM・PC・PBkはそれぞれイエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)・ブラック(Bk)の各色のトナー画像を形成する第1〜第4の4つの画像形成部(画像形成ユニット)であり、画像形成装置本体内に下から上に順に並列配置されている。
【0093】
これらの第1〜第4の4つの画像形成部PY・PM・PC・PBkは互いに形成するトナー画像の色が上記のように異なる他は、同一の構成・電子写真作像機能を有している。すなわち、第1〜第4の各画像形成部はそれぞれ、第1の画像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(感光ドラム)1、一次帯電手段としての帯電ローラ2、露光手段としてのレーザー照射装置3、現像手段としてのトナー現像装置4、一次転写手段としての一次転写ローラ5、クリーニング手段としてのブレードクリーニング装置6等からなる。第1〜第4の各画像形成部のトナー現像装置4に収容させている現像剤はそれぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーである。各色のトナーは後述する。
【0094】
本実施例の画像形成装置は、第1〜第4の各画像形成部PY・PM・PC・PBkにおいて、それぞれ、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置4、ブレードクリーニング装置6の4つのプロセス機器を一括して画像形成装置本体に対して着脱交換自在のプロセスユニット(プロセスカートリッジ)としてある。
【0095】
30は第2の画像担持体としてのエンドレスベルト状の中間転写ベルトであり、上記の第1〜第4の4つの画像形成部PY・PM・PC・PBkの感光ドラム1側(プリンタ前面側)においてこの4つの画像形成部の全体部に亘らせて、不図示の複数の支持ローラ間に懸回張設させて縦方向に配設してある。第1〜第4の各画像形成部において、一次転写ローラ5はそれぞれこの中間転写ベルト30を介して感光ドラム1に圧接させてある。各感光ドラム1と中間転写ベルト30との接触部が一次転写部である。
【0096】
第1〜第4の各画像形成部PY・PM・PC・PBkにおいて、正回転駆動された各感光ドラム1はその回転過程でそれぞれ不図示の電源回路から帯電バイアスが印加される帯電ローラ2により所定の極性及び電位に一様に一次帯電処理される。その帯電処理面に対してLEDアレイ装置3によりそれぞれフルカラー画像の色分解成分像である、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像パターンにしたがった光像露光LY・LM・LC・LBkがなされ、各感光ドラム1上に画像情報の静電潜像が形成される。その静電潜像がそれぞれ現像装置4によってトナー画像として現像されることで、第1〜第4の4つの画像形成部PY・PM・PC・PBkの各感光ドラム1の面にそれぞれ電子写真プロセスによりフルカラー画像の色分解成分像である、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色トナー画像が所定のシーケンス制御タイミングにて形成される。
【0097】
そして、第1〜第4の各画像形成部PY・PM・PC・PBkにおいて、各感光ドラム1の面に形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色トナー画像が、各感光ドラム1の正回転方向に順方向の矢印の時計方向に感光ドラム1と略同速で回転駆動される中間転写ベルト30の面に対して、第1〜第4の各画像形成部PY・PM・PC・PBkの一次転写部において一次転写ローラに不図示の電源回路から印加される一次転写バイアスによって順次に重畳転写される。これにより回転駆動される中間転写ベルト30の面に未定着のフルカラートナー画像(鏡像)が合成形成される。
【0098】
第1〜第4の各画像形成部PY・PM・PC・PBkにおいて、中間転写ベルト30に対するトナー画像の一次転写後に各感光ドラム1上に残った転写残トナーは、ブレードクリーニング装置6のクリーニングブレードによって除かれる。そして、該装置6内の貯留部6bに貯留される。
【0099】
32は2次転写ローラ、32aは対向ローラである。対向ローラ32aは中間転写ベルト30の下端側において中間転写ベルトの内側に配設してあり、2次転写ローラ32は対向ローラ32aとの間に中間転写ベルト30を挟ませて該中間転写ベルト30の外面に当接させて配設してある。2次転写ローラ32と中間転写ベルト30との接触部が二次転写部である。
【0100】
40は画像形成装置本体の下部に配設した給紙カセットであり、最終記録媒体としての転写材Pを積載収容させてある。CPU80は所定のシーケンス制御タイミングにて搬送手段(ピックアップローラ)31を駆動させて給紙カセット40内の転写材Pを1枚分離給紙させ、所定のタイミングにて二次転写部に給送する。中間転写ベルト30上に合成形成された未定着のフルカラートナー画像は、この二次転写部において二次転写ローラ32に不図示の電源回路から印加される二次転写バイアスによって転写材Pの面に一括転写されていく。
【0101】
二次転写部を通過した転写材Pは、中間転写ベルト30の面から分離されて搬送ベルト35によって定着装置7に送られる。
【0102】
中間転写ベルト30上に残った転写残トナーは帯電ブラシ33および帯電ローラ34によって電荷付与され、電子写真感光体(感光ドラム)1に逆転写されブレードクリーニング装置6のクリーニングブレードによって除かれる。そして、該装置6内の貯留部6bに貯留される。
【0103】
図1において、通常であればクリーニングブレードが配置されているところに、帯電ブラシと帯電ローラが中間転写ベルトに当接されている。帯電ブラシは本実施の形態では導電性の繊維からなるブラシ部材を用いている。
【0104】
帯電ブラシはレーヨン、アクリル、ポリエステル等の繊維にカーボンや金属粉を含ませて抵抗値を制御したものである。転写残トナーに均一に接触できるように、太さとしては30デニール以下、密度としては1×106乃至1×109本/m2が好ましい。本実施の形態では、6デニール、1.55×108本/m2(10万本/inch2)、毛足の長さ5mmで、ブラシの抵抗は8.1×107Ω・cmとした。
【0105】
本発明ではブラシ毛密度をH(本/m2)、ブラシ毛平均直径をI(m)とトナー重量平均粒径(D4)をJ(m)とした時、その関係式が下記式
1×10-5<H×I×J<1×100
であると第2の像担持体上に残ったトナーのブラシ回収、帯電、第1の像担持体への回収が良好に行われ画像欠陥が生じない。
【0106】
帯電ブラシのブラシ毛平均直径Iはその値が大きすぎる場合、紙搬送不良等で多量のトナーがブラシに来た時に保持能力が低くスジ状の画像欠陥を生じる傾向である。
【0107】
逆にIの値が小さすぎる場合、ブラシ自体の耐久性が不十分であったりトナーがブラシ奥に滞留しスジ状の画像欠陥を生じたりする傾向である。
【0108】
トナー重量平均粒径Jはその値が大きすぎる場合、紙搬送不良等で多量のトナーがブラシに来た時にブラシ先端部にたまりスジ状の画像欠陥を生じる傾向である。
【0109】
逆にJの値が小さすぎる場合、トナーがブラシ奥に入り込みすぎスジ状の画像欠陥を生じたりする傾向である。
【0110】
上述のようなバランスから関係式が上記範囲を満たすことが好ましい。
【0111】
H×I×J<1×10-5であるとブラシ自体の耐久性が不十分であったりトナーがブラシ奥に滞留しスジ状の画像欠陥を生じたりする場合がある。
【0112】
1×100<H×I×Jであると紙搬送不良等で多量のトナーがブラシに来た時にブラシ先端部にたまりスジ状の画像欠陥を生じる場合がある。
【0113】
本実施例1の形態では、ブラシ毛平均直径を30μmすなわち3.0×10-5(m)とし、トナーの平均粒径を5.8μmすなわち5.8×10-6(m)とした。
【0114】
<ブラシ毛平均直径の測定法>
ブラシ毛平均直径の測定は、電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所製 S−4700)により500乃至1000倍に拡大したブラシ毛の写真を撮影し、その拡大写真を用いて行った。
【0115】
拡大写真上においてブラシ毛12本分の直径を任意で測定し、最大値と最小値を除いた10本の平均値をブラシ毛平均長直径とすることにより求めた。
【0116】
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定した。該装置には、個数分布、体積分布を出力するインターフェィス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピュータ−(NEC製)を接続した。
【0117】
電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製し用いたが、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を用いてもよい。
【0118】
測定方法としては、上記電解液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加えた。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。分散処理された試料を、アパーチャーとして100μmアパーチャーを装備した上記装置に供じ、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。該体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)を求めた。なお、用いた各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とした。
【0119】
上記チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いた。
【0120】
この帯電ブラシが中間転写ベルトに対して侵入量1mmとなるように当接させ、当接ニップ部幅は5mmとした。
【0121】
帯電ローラの構成としては、芯金(支持部材)の外回りに、下層と、中間層と、表面層と積層した3層構成としている。下層は発泡スポンジ層であり、中間層は帯電ローラ全体として均一な抵抗を得るための抵抗層であり、表面層はピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
【0122】
本実施の形態の帯電ローラは芯金として直径6mmのステンレス丸棒を用い、表面層2dとしてフッ素樹脂にカーボンを分散させており、ローラとしての外径は14mm、ローラ抵抗は104Ω〜107Ωとしている。
【0123】
定着装置7に送られた転写材P上の未定着のフルカラートナー画像は定着装置7により熱および圧を加えられて転写材Pに溶融固着され、シートパス41を通って画像形成装置本体の上面に配設した排紙トレイ36上にカラー画像形成物として排出される。
【実施例】
【0124】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。
【0125】
<結着樹脂の合成>
(極性樹脂の合成例1)
下記原料を、温度計,撹拌器,リフラックスコンデンサー及び窒素ガス導入管を具備している四口フラスコ(four−neck flask)に入れた。
・一般式(1)であらわされるジオール成分 55mol%
【0126】
【化1】

(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を表し、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。本実施例ではx+yの平均値は3である。)
・イソフタル酸 20mol%
・テレフタル酸 25mol%
【0127】
さらに、上記原料100質量部に対し0.5質量%の触媒量のシュウ酸チタン化合物(1)
【0128】
【化2】

を入れ、四口フラスコに窒素ガスを通し撹拌しながら徐々に昇温し、150℃で10時間反応し、縮重合反応の後半200℃に温度を上げ、減圧下で縮重合反応をすすめた。結果、重量平均分子量Mwが11000の前駆ポリエステル樹脂(1)(酸価5mgKOH/g)を得た。
【0129】
その後、前駆ポリエステル樹脂(1)の100質量部を四口フラスコに入れ温度150℃に加熱した。次いで、無水トリメリット酸0.5質量部を加え、徐々に加熱して前駆ポリエステル樹脂(1)のポリマーの末端がトリメリット酸で変性された極性樹脂(1)を調製した。
【0130】
<トナーの製造例>
(ブラックトナー製造例1)
65℃に加温したイオン交換水900質量部にリン酸三カルシウム3質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を得た。
【0131】
一方、
スチレン 80質量部
n−ブチルアクリレート 20質量部
極性樹脂(1) 3質量部
極性樹脂(2) 2質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとテレフタル酸との重縮合物、Tg=55℃、Mn=2500、Mw/Mn=1.9)
カーボンブラック(カーボンブラック Nipex30 pH:9.0) 10質量部
荷電制御剤1:芳香族オキシカルボン酸Zn化合物
(ボントロンE−84:オリエント化学社製) 4質量部
荷電制御剤2:メチルカリックスアレーン 1質量部
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合した。この単量体組成物を65℃に加温し、
パラフィンワックス(1) 10質量部
(DSC吸熱ピーク:69℃、Mw:700、Mn:500)
を添加混合溶解し、これに重合開始剤(t−ブチルパーオキシピバレート)5質量部を溶解した。
【0132】
前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投入し、70℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサーにて10,000rpmで7分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、70℃で4時間反応させた。
【0133】
最後に液温を85℃とし更に3時間撹拌を続けた。
【0134】
室温(25℃)まで冷却された懸濁液に塩酸を加えて燐酸カルシウム塩を溶解し、濾過・水洗を行い、湿潤着色粒子を得た。
【0135】
次に、上記粒子を40℃にて12時間乾燥して重量平均粒径5.8μmのブラック着色粒子(1)を得た。
【0136】
その後、ブラック粒子(1)100質量部に対し、シリコーンオイルにより疎水化処理を行った1次粒径100nmのチタニア微粉末を0.5質量部、及び同じくシリコーンオイルにより疎水化処理を行った1次粒径15nmのシリカ微粉末を2.0質量部加え、三井鉱山社製ヘンシェルミキサーを用いて均一拡散しブラックトナー1を得た。物性を表1に示す。
【0137】
(ブラックトナーの製造例2及び3)
ブラックトナー製造例1にかえて、荷電制御剤1、2の添加量を調整し、また、疎水化処理を行った1次粒径50nmのチタニア微粉末および疎水化処理を行った1次粒径15nmのシリカ微粉末の添加量を調整したことを除きブラックトナー製造例1と同様にしてブラックトナー(2)及び(3)を得た。物性を表1に示す。
【0138】
(ブラックトナーの製造例4)
ブラックトナー製造例1にかえて、荷電制御剤1、2ともに添加せず、また、疎水化処理を行った1次粒径50nmのチタニア微粉末を0.2質量部から3.0質量部に変更し、疎水化処理を行った1次粒径15nmのシリカ微粉末を添加しないことを除きブラックトナー製造例1と同様にしてブラックトナー(4)を得た。
【0139】
(ブラックトナーの製造例5)
ブラックトナー製造例1にかえて、荷電制御剤1の添加量を4質量部から10質量部に変更し、また、疎水化処理を行った1次粒径50nmのチタニア微粉末を添加しないこと、疎水化処理を行った1次粒径15nmのシリカ微粉末を1.3質量部から3.0質量部に変更することを除きブラックトナー製造例1と同様にしてブラックトナー(5)を得た。
【0140】
(ブラックトナーの製造例6)
ブラックトナー製造例1にかえて、荷電制御剤2の添加量を4質量部から10質量部に変更し、また、シリカ微粉末の疎水化処理を行わなかったことを除きブラックトナー製造例1と同様にしてブラックトナー(6)を得た。
【0141】
(ブラックトナーの製造例7)
ブラックトナー製造例1にかえて、カーボンブラックの添加量を10質量部から20質量部にかえることと、また、疎水化処理を行った1次粒径50nmのチタニア微粉末および疎水化処理を行った1次粒径15nmのシリカ微粉末の添加量を調整したことを除きブラックトナー製造例1と同様にしてブラックトナー(7)を得た。
【0142】
(ブラックトナーの製造例8乃至14)
ブラックトナー製造例1にかえて、荷電制御剤1、2の添加量を調整し、また、疎水化処理により体積抵抗値を変更した1次粒径50nmのチタニア微粉末および疎水化処理により体積抵抗値を変更した1次粒径15nmのシリカ微粉末に変更し、その添加量を調整したことを除きブラックトナー製造例1と同様にしてブラックトナー(8)乃至(14)を得た。物性を表1に示す。
【0143】
(ブラックトナーの製造例15)
・極性樹脂(1) 100質量部
・パラフィンワックス(1) 10質量部
(DSC吸熱ピーク:69℃、Mw:700、Mn:500)
・荷電制御剤:芳香族オキシカルボン酸Zn化合物
(ボントロンE−84:オリエント化学社製) 4質量部
・顔料:ブラック顔料 10質量部
(カーボンブラック Nipex30 pH:9.0)
上記材料を混練し粉砕して粉砕粒子(1)を得た。
その後、粒度分布調整した粉砕粒子(1)100質量部に対し、(ブラックトナー製造例1)と同様の処理を行い、ブラックトナー(15)を得た。
【0144】
(ブラックトナーの製造例16)
トナーの製造例15において粉砕して得られた粉砕粒子(1)をローターが回転するタイプの機械にて回転数、時間を変えて表面処理を行い、その後粒度分布調整してブラック粒子(16)を得た。その後、ブラック粒子(16)100質量部に対し、(ブラックトナー製造例1)と同様の処理を行い、ブラックトナー(16)を得た。
【0145】
(ブラックトナーの製造例17乃至19)
ブラックトナー製造例1にかえて、重合開始剤(t−ブチルパーオキシピバレート)の添加量および反応温度を変化させたことを除きブラックトナー製造例1と同様にしてブラックトナー(17)乃至(19)を得た。
【0146】
(ブラックトナーの製造例20乃至21)
ブラックトナー製造例1にかえて、リン酸三カルシウムの添加量および、TK式ホモミキサーの回転数を変化させ、トナー重量平均粒径を変化させたことを除きブラックトナー製造例1と同様にしてブラックトナー(20)および(21)を得た。
【0147】
(ブラックトナーの製造例22乃至25)
ブラックトナー製造例1にかえて、外添剤(a)又は外添剤(b)を表1に示す物性の外添剤に変更したことを除きブラックトナー製造例1と同様にしてブラックトナー(22)乃至(25)を得た。
【0148】
(トナーの製造例26〜28)
顔料をカーボンブラックに代えてC.I.ピグメントレッド122;5質量部を使用した以外はトナー製造例1と同様にしてマゼンタトナー(1)を得た。また、C.I.ピグメントブルー15:3;5質量部を使用した以外はトナー製造例1と同様にしてシアントナー(1)を得た。C.I.ピグメントイエロー151;5質量部を使用した以外はトナー製造例1と同様にしてイエロートナー1を得た。得られた物性を表1に示す。
【0149】
<実施例1乃至23、比較例1乃至2>
(画像評価)
得られたトナー1乃至25を用い、以下の方法に従って画像評価を行った。
【0150】
画像形成装置としては市販のレーザプリンタHP社製CLJ−3700(HP社製)の改造機を用い、低温低湿環境下(15℃,10%RH)および高温高湿環境下(30℃,80%RH)で行った。
【0151】
中間転写体はクリーニング用ブレード、廃トナーBOXを取り外し、変わりに帯電ブラシ及び帯電ローラを装着した。
【0152】
図1において、通常であればクリーニングブレードが配置されているところに、帯電ブラシと帯電ローラが中間転写ベルトに当接されている。帯電ブラシは本実施の形態では導電性の繊維からなるブラシ部材を用いている。
【0153】
帯電ブラシはレーヨンの繊維にカーボンを含ませて抵抗値を制御したものである。本実施の形態では、6デニール、1.55×108本/m2(10万本/inch2)、毛足の長さ5mmで、ブラシの抵抗は8.1×107Ω・cmとした。
【0154】
この帯電ブラシが中間転写ベルトに対して侵入量1mmとなるように当接させ、当接ニップ部幅は5mmとした。
【0155】
帯電ローラの構成としては、芯金(支持部材)の外回りに、下層と、中間層と、表面層と積層した3層構成としている。下層は発泡スポンジ層であり、中間層は帯電ローラ全体として均一な抵抗を得るための抵抗層であり、表面層はピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
【0156】
本実施の形態の帯電ローラは芯金として直径6mmのステンレス丸棒を用い、表面層2dとしてフッ素樹脂にカーボンを分散させており、ローラとしての外径は14mm、ローラ抵抗は104Ω〜107Ωとしている。
【0157】
定着器は市販のレーザプリンタCLJ−1500(HP社製)用の定着器を温調および加圧力を変更できる様にし、かつCLJ−3700に入るように改造し装着した。
【0158】
カートリッジは同じくCLJ−3700用を下記の点について変更を行い使用した。
【0159】
(現像ローラーD−1の製造方法)
軸芯体としてSUS製の円柱にニッケルメッキを施し、さらにシランカップリング系プライマーを塗布、焼付けしたものを用いた。
【0160】
ついで、軸芯体を金型に配置し、金型を100℃,5分間加熱し、導電性ジメチルシリコーンゴム(AskerC硬度20度品)を金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、100℃,15分加熱することにより、シリコーンゴムを加硫硬化し、冷却した後に脱型することで、弾性層を軸芯体の外周に設けた。
【0161】
次に鎖延長されたポリオールを主成分として、架橋材としてTMP変性のTDIを必要量添加し、このウレタン樹脂の固形分(鎖延長されたポリオールと架橋材として用いたイソシアネートとの総量)が18質量%となるように調整したメチルエチルケトンを主溶媒とする混合溶液に、さらにカーボンブラック(商品名:MA−100、三菱化学製)を樹脂成分に対し30質量部添加し十分に撹拌したものをディップ液とした。この液中に弾性層12が設けられた軸芯体11を浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、120℃にて5時間加熱処理することで表面層13を弾性層12の外周に設け、現像ローラD−1を得た。
【0162】
転写材としては、LETTERサイズのXEROX 4024用紙(XEROX社製、75g/m2)を用いて行った。
【0163】
本発明の評価としては前処理として画像評価前に40℃/90%RH/14日間の保管モードを設け、その後、高温高湿環境(30℃/80%RH)において、印字比率が1%となる画像を用い、単色モードにて以下に示す連続印字方法において10000枚を印字した。
【0164】
なお、画像形成速度はいずれも普通紙モード時の速度とした。
【0165】
5000枚目の画像を用い、以下の評価基準に基づき画像評価を行った。
【0166】
<実施例24乃至27>
(画像評価)
帯電ブラシのブラシ毛密度、直径(太さ)を変更し評価を行った。
【0167】
<実施例28>
(画像評価)
得られたブラックトナー1、マゼンタトナー1、シアントナー1、イエロートナー1を用い、フルカラーモードでの評価を行った。単色での評価同様、全ての項目でA評価であった。
【0168】
<比較例1乃至2>
(画像評価)
得られたトナー4乃至5を用い、以下の方法に従って画像評価を行った。
【0169】
<比較例3乃至4>
(画像評価)
帯電ブラシの体積抵抗値を変更し評価を行った。
【0170】
<比較例5>
(画像評価)
帯電ブラシを取り除き評価を行った。
【0171】
各評価結果について、表2に記す。
【0172】
[現像性評価方法]
(かぶりの測定)
カブリの測定は、REFLECTOMETER MODEL TC−6DS(東京電色社製)を用い測定し、下記式により算出した。かぶり値は少ない方が良好である。
カブリ(反射率;%)=(標準紙の反射率;%)−(サンプルの白べた部の反射率;%)
A:1.5%以下
B:1.5%を超え2.5%以下
C:2.5%を超え3.5%以下
D:3.5%を超える
【0173】
(転写効率)
転写効率は、5000枚通紙後の現像剤を図1に示す画像形成装置を用い、高温高湿環境(30℃/80%RH)、感光体に現像したトナー坪量に対する紙上に転写したトナー坪量の割合を下記評価基準に基づいて評価した。
A:90%以上。
B:80%を超え90%未満。
C:70%を超え80%未満。
D:70%未満。
【0174】
(中間転写体クリーニング性)
中間転写体クリーニング性は、中間転写体表面を目視で観察し、さらに画像欠陥を観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
A:中間転写体表面、画像ともに欠陥は全く認められない。
B:耐久後半、中間転写体表面に汚れが若干認められるが、画像には現れない。
C:耐久後半、中間転写体表面に汚れが若干認められ、画像にも若干のムラが生ずる。
D:耐久後半、中間転写体表面の汚れがひどく、画像にもムラが生ずる。
【0175】
(ベタ均一性)
得られた転写紙上のベタ部画像は5点の濃度差でA、B、C、Dと評価した。
A:5%以下
B:5%を超え10%以下
C:10%を超え15%以下
D:15%を超える
【0176】
(画像濃度変化)
画像濃度はマクベス濃度計またはカラー反射濃度計(例えばColorreflection densitometer X−RITE 404Amanufactured by X−Rite Co.)で測定する。
【0177】
初期濃度と1万枚耐久後の濃度の差で評価する。
A:10%以下
B:10%を超え20%以下
C:20%を超え30%以下
D:30%を超える
【0178】
(中間転写体汚れ)
中間転写体汚れは、ベルト表面を目視で観察し、さらに画像欠陥を観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
A:ベルト表面、画像ともに欠陥は全く認められない。
B:耐久後半、ベルト表面に汚れが若干認められるが、画像には現れない。
C:耐久後半、ベルト表面に汚れが若干認められ、画像にも若干のムラが生ずる。
D:耐久後半、ベルト表面の汚れがひどく、画像にもムラが生ずる。
【0179】
(定着安定性)
加熱部材設定温度150℃の条件で、1万枚連続で通紙し、その1枚目と5000枚目の定着性を確認する。得られた定着画像を4900N/m2の荷重をかけたシルボン紙で2回摺擦し、摺擦前後の画像濃度低下率が10%以下となれば定着しているとする。その程度に応じて以下の4ランクで評価した。
A:初期、1万枚通紙後ともに定着し、低下率10%以下である。
B:初期は定着するが、1万枚通紙後にはオフセットしないものの濃度低下率10%以上である。
C:初期は定着するが、1万枚通紙後はオフセットしており、裏面に汚れが生じている。
D:初期においてオフセットしている。
【0180】
【表1】

【0181】
【表2】

【0182】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の現像装置を用いた画像形成装置の一例の説明図である。
【図2】本発明における体積抵抗値を測定する装置の一例の説明図である。
【符号の説明】
【0184】
1 感光ドラム
2 感光ドラム帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 一次転写ローラ
6 クリーニング装置
6a クリーニングブレード
7 定着装置
11 下部電極
12 上部電極
14 電流計
15 定電圧装置
17 測定サンプル
18 ガイドリング
30 中間転写ベルト
31 ピックアップローラ
32 二次転写ローラ
33 帯電ローラ
34 帯電ブラシ
35 紙搬送ベルト
36 排紙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の像担持体上でのトナー像の形成と該トナー像の第2の像担持体上への一次転写とを複数色のトナー像について繰り返して前記第2の像担持体上で複数色のトナー像を重ね合わせた後、これら複数色のトナー像を一括で転写材に二次転写し、二次転写後に前記第2の像担持体上に残った転写残トナーに対し、少なくとも1つ以上の固定帯電ブラシによって電荷を付与することで、前記第2の像担持体上から前記第1の像担持体上に逆転写し、前記第1の像担持体のクリーニング装置で逆転写した転写残トナーを回収する画像形成方法において用いられるトナーであって、
該トナーが、温度23℃/湿度50%の条件下で振とうにより帯電させた時の凝集度(帯電凝集度)Aが25乃至85%であって、該トナーの体積抵抗値Bと該固定帯電ブラシの体積抵抗値Cの比B/Cが1×105乃至1×109であることを特徴とするトナー。
【請求項2】
該トナーの凝集度Dが10乃至35%であり、該帯電凝集度Aとの関係がA>Dであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
該トナーの安息角Eが10乃至30°であり、帯電安息角Fが15乃至45°であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項4】
該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される平均円形度が0.950乃至0.995であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
【請求項5】
該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される平均円形度が0.960乃至0.995であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
【請求項6】
該トナーの100℃における溶融粘度が15000乃至80000(PaS)であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
【請求項7】
該トナーの100℃における溶融粘度が15000乃至60000(PaS)であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
【請求項8】
該トナーの帯電凝集度Aが30乃至70%であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
【請求項9】
該トナーの安息角Eが10乃至30°であり、帯電安息角Fが20乃至40°であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
【請求項10】
該トナーの温度23℃/湿度50%の条件下での体積抵抗値Bと該トナーの温度30℃/湿度80%の条件下での体積抵抗値Gの比B/Gが1×101乃至1×104であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
【請求項11】
該トナーは外添剤として少なくとも体積抵抗値1×1010乃至1×1017のシリカ微粉体aと体積抵抗値1×105乃至1×1013の非シリカ微粉体b(ただし、aの体積抵抗値>bの体積抵抗値)を使用していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のトナー。
【請求項12】
第1の像担持体上でのトナー像の形成と該トナー像の第2の像担持体上への一次転写とを複数色のトナー像について繰り返して前記第2の像担持体上で複数色のトナー像を重ね合わせた後、これら複数色のトナー像を一括で転写材に二次転写してカラー画像を形成するとともに、二次転写後に前記第2の像担持体上に残った転写残トナーを少なくとも1つ以上の固定帯電ブラシによって電荷を付与することで、前記第2の像担持体上から前記第1の像担持体上に逆転写し、さらに、前記第1の像担持体のクリーニング装置で回収する画像形成方法であって、
該トナーは、温度23℃/湿度50%の条件下で振とうにより帯電させた時の凝集度(帯電凝集度)Aが25乃至85%であって、該トナーの体積抵抗値Bと該固定帯電ブラシの体積抵抗値Cの比B/Cが1×105乃至1×109であることを満たす画像形成方法。
【請求項13】
該固定帯電ブラシが非回転方式であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
【請求項14】
該固定帯電ブラシの毛密度Hが1×106乃至1×109(本/m2)であることを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成方法。
【請求項15】
ブラシ毛密度をH(本/m2)、ブラシ毛平均直径をI(m)とトナー重量平均粒径(D4)をJ(m)とした時、その関係式が下記式を満足することを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の画像形成方法。
1×10-5<H×I×J<1×100
【請求項16】
該画像形成方法が4色の現像器が直線方向に並んだタンデム構成であり、かつ、4つの現像器に振り分けて転写残トナーを回収することを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−223260(P2009−223260A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−70775(P2008−70775)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】