説明

トリガースイッチ

【課題】スイッチ室にスイッチ機構を直線的に出し入れする従来の機構を根本的に見直し、少なくともスイッチ室内での空気の出入れがなくなるか、又は、現状の空気の出入れよりも少なくなれば、空気と混合している埃、塵といった不純物の侵入を防ぐことができる構造のスイッチ機構を提供する。
【解決手段】トリガースイッチは、スイッチ係合部の回動動作に連動するガイドカムで、ガイド部を直進方向に動かすことで可動接片の接点を接触させる機構を備えたスイッチ機構部と、前記スイッチ機構部を収容するスイッチ室を備えたケースと、前記ケースに収容された前記スイッチ機構部の上部から被せるカバーと、を備え、前記ケースの内側から外方向に突出させた前記スイッチ係合部に連結カムを係合させ、該連結カムに係合させた連結棒をトリガーの摺動操作に伴って動かすことにより前記連結カムが前記スイッチ係合部を回動させることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトリガースイッチに関し、詳しくは防塵、防水といった耐環境性が要求される電動工具に使用されるトリガースイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術におけるトリガースイッチは、図13乃至図15に示すように、縦長の箱形状に形成された内部にスイッチ機構を組込み、外部のトリガー112からの操作動作を伝達する摺動操作子を上部位置に備え、且つ側面を開口にしたケース113と、ケース113の側面の開口面を塞ぐと共に、外側に制御素子(FET)を露出するように開けた開放部を備えたカバー114と、手の指で操作できるトリガー112と、ケース113の頂面に位置しモータの回転切替をする切替操作部115と、ケース113にカバー114を装着し、その外周位置に配置した放熱板116とを備えた構成になっている。
【0003】
ケース113は、一面を開口にしたスイッチ機構を組み込むスイッチ室120と、制御素子119を載置する制御素子載置部117とを備え、制御素子載置部117とスイッチ室120との境界線上には線状の突起で形成した2つの第1及び第2防塵壁118A、118Bを設けた構造となっている。
また、このスイッチ室120に連通した側面には摺動操作子121の摺動軸122を係合する半円筒形状の同軸係合穴を設けた構造となっている。
そして、このスイッチ室120の上部から摺動回路基板を載置し、制御素子載置部117に制御素子(FET)119を載せることで組み立てる。
【0004】
摺動操作子121は、棒状に形成した自由端部にトリガー112を取り付けることができる摺動軸122と、摺動軸122の基部側であって頂面に並行に2つの摺動子を配置してモータの回転速度を制御する速度制御部123を設け、この速度制御部123に対して側壁面に制御素子を短絡する可動接片上を摺動する摺動ノブを備えた制御素子短絡部124、制御素子短絡部124に並んだ位置にモータを制御するFETに電源を供給する可動接片上を摺動する摺動ノブを備えた電源供給制御部125、この電源供給制御部125の反体側方向で摺動軸の基部側にモータを短絡状態にしてブレーキをかけるためのモータ短絡部(図示せず)を設けた構造となっている。
【0005】
このような構造のスイッチにおいて、図14に示すように、トリガーの引き込み操作により摺動操作子121に連結されている速度制御部123がスイッチ室120内で動くことにより、摺動軸122がスイッチ室120内に入り込み、その分スイッチ室120内の室内面積が縮小することで、その縮小した空気が外部に流出する。
【0006】
また、図15に示すように、トリガー112を元に戻すと摺動操作子121に連結されている摺動軸122が外方向に引き出されるためにスイッチ室120内の空間が拡大することにより外から空気がスイッチ室120内に流入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−054540
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来技術で説明したトリガースイッチにおいては、トリガー112を操作することにより、トリガー112に連動して動く摺動操作子121がスイッチ本体内のスイッチ室120に引き込まれると、スイッチ室120内の空間容積が減少することで、スイッチ室120の空気が外部に流出する(図14参照)。その後、トリガー112を操作して摺動操作子121を元に戻すときには、逆にスイッチ室120に入り込んでいたスイッチ機構が外方向に移動するためにスイッチ室120内の空気容積が増加することで、スイッチ室120に空気が流入する(図15参照)。
【0009】
この空気が流入するときが問題で、一般に新鮮な空気が流入するのであれば問題がないが、概ね電動工具を利用している環境においては粉塵等の空気に混合した埃、塵等が存在している。そのため、これら空気に混合している埃、塵等も一緒にスイッチ室に流入してしまい、スイッチ室内での潤滑油を注いだ部分や接点部分等に容易に付着してしまう。この埃、塵が混合した空気が継続してスイッチ室内に流入すると、スイッチ自体の機能不全に陥る等の弊害を及ぼすという問題がある。
【0010】
また、外部からの空気が流入しないように、完全密封することも考えられるが、トリガーを直接手で操作するために、連動して動く摺動操作子を完全に密封することは不可能であり、また完全に密封状態にするとなるとトリガーも含めて密封することになり、機能的に不完全なものになってしまうという問題もある。
【0011】
従って、従来技術で説明したスイッチ室にスイッチ機構を直線的に出し入れする従来の機構を根本的に見直し、少なくともスイッチ室内での空気の出入れがなくなるか、又は、現状の空気の出入れよりも少なくなれば、空気と混合している埃、塵といった不純物の侵入を防ぐことができる構造のスイッチ機構に解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本願発明のトリガースイッチは、次に示す構成にすることである。
【0013】
(1)トリガースイッチは、筐体内部に、少なくとも2つの第1可動接点及び第2可動接点をローターの回動動作で摺動させてオン/オフする機構を装着してなるスイッチ機構部と、手の操作で直進方向への引き込み動作をするトリガーと、を備え、前記トリガーの引き込み動作に伴って、前記ローターを回動させるためのスイッチ係合部に、前記トリガーに連結させた連結部材を取り付けて前記スイッチ係合部を回動させるようにしたことである。
(2)前記連結部材は、前記スイッチ係合部に連結カムを取り付け、該取り付けた連結カムに介在させた連結棒を前記トリガーの引き込み動作に同伴させるようにしたことを特徴とする(1)に記載のトリガースイッチ。
(3)前記連結部材は、前記スイッチ係合部に歯車を備えたラック部材を係合させ、該係合させたラック部材の歯車に前記トリガーに連結されているピニオン部材を係合させて前記トリガーの引き込み動作に同伴させるようにしたことを特徴とする(1)に記載のトリガースイッチ。
(4)前記連結部材は、前記スイッチ係合部に、ガイド凸部を備えた連結カムを取り付け、該取り付けた連結カムのガイド凸部に係合させるための開放穴を備えた連結片を、前記トリガーの引き込み動作に同伴させるようにしたことを特徴とする(1)に記載のトリガースイッチ。
(5)前記スイッチ機構部は、
円盤状に形成した本体の中央位置から延出させたスイッチ係合部と、円盤状に形成した本体の周端縁に設けた摺動接片と、円盤状に形成した本体の周端であって対向する位置のそれぞれに設けたガイドカムとを備えたローターと、
第1可動接点を有する第1可動接片を装着すると共に前記ローターの一方のガイドカムに係合して直進方向にガイドするカムガイドを設けた第1可動接片ガイド部と、
第2可動接点を有する第2可動接片を装着すると共に前記ローターの他方のガイドカムに係合して前記第1可動接片ガイド部が直進する方向と反体方向にガイドするカムガイドを設けた第2可動接片ガイド部と、
をスイッチケース内部に収容してスイッチカバーを被せて密封させたことを特徴とする(1)に記載のトリガースイッチ。
(6)前記スイッチ機構部の構造であるところの、
前記ローターと前記第1可動接片ガイド部と前記第2可動接片ガイド部とを前記スイッチケース内部に収容してスイッチカバーを被せて密封させた内部に、空気をなくすように液体ないしゲル状の絶縁性部材を充填させたことを特徴とする(5)に記載のトリガースイッチ。
(7)前記液体ないしゲル状の絶縁性部材はグリースまたはオイルであることを特徴とする(6)に記載のトリガースイッチ。
【0014】
(8)トリガースイッチは、スイッチ係合部の回動動作に連動するガイドカムで、ガイド部を直進方向に動かすことで可動接片の接点を接触させる機構を備えたスイッチ機構部と、
前記スイッチ機構部を収容するスイッチ室を備えたケースと、
前記ケースに収容された前記スイッチ機構部の上部から被せるカバーと、
を備え、
前記ケースの内側から外方向に突出させた前記スイッチ係合部に連結カムを係合させ、該連結カムに係合させた連結棒をトリガーの摺動操作に伴って動かすことにより前記連結カムが前記スイッチ係合部を回動させることである。
(9)前記スイッチ機構部は、内部に可動接片を内蔵させて密封構造としたことを特徴とする(8)に記載のトリガースイッチ。
(10)前記スイッチ機構部は、内部に可動接片と該可動接片の動きに伴って動作する摺動接片を内蔵させて密封構造としたことを特徴とする(8)に記載のトリガースイッチ。
(11)密封構造とした前記スイッチ機構部の内部に、空気をなくすように液体ないしゲル状の絶縁性部材を充填させたことを特徴とする(9)乃至(10)に記載のトリガースイッチ。
(12)前記液体ないしゲル状の絶縁性部材はグリースまたはオイルであることを特徴とする(11)に記載のトリガースイッチ。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るトリガースイッチは、スイッチ室に備えたスイッチ機構を直線運動ではなく回転運動するようにしたことにより、空気の流入が極めて少なくすることができ、そのため、外部からの空気の流入を極力抑えることができる。従って、空気に混合している埃、塵といった粉塵がスイッチ室内に入り込むことを阻止することが可能で、使用により発生するスイッチの機能不全を解消することが可能になる。
【0016】
更に、ローターと第1可動接片ガイド部と第2可動接片ガイド部とをスイッチケース内部に収容してスイッチカバーを被せて密封させた内部に、空気をなくすように液体ないしゲル状の絶縁性部材、好ましくはグリースを充填させたことにより、可動接点が固定接点に接触するときに充填されているグリースをかき分けて接触する。そのため、絶えず接点位置はグリースで充填されているために、接点の接触又は離反したときに発生するスパーク等がグリースでもみ消され、周囲への影響を無くすことができる。
さらに、グリースで充填することで、内部で動く接点及びローターに対しても空気の流れが全くないため、空気に混入されている埃、塵といった異物の混入も全くなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るトリガースイッチの概観を示した斜視図である。
【図2】同、内部を分解して示した斜視図である。
【図3】同、内部を分解して示した斜視図である。
【図4】同、スイッチ機構部を分解して示した分解斜視図である。
【図5】同、ローターの回動動作に基づいて動く可動接片の様子を示した説明図である。
【図6】同、ローターの回動動作に基づいて動く摺動抵抗の様子を示した説明図である。
【図7】同、ローターの回動動作に基づいて動く摺動抵抗及び切換スイッチの様子を示した説明図である。
【図8】本願発明のピニオンとラックによる回動動作を発生させるトリガースイッチの概観を示した斜視図である。
【図9】同、ピニオンとラックの関係でピニオンに設けた溝に塵埃が排出され且つラック側の溝から塵埃が排出される様子を示した説明図である。
【図10】同、ピニオンとラックの関係でピニオンとラックに設けた溝の様子を示した説明図である。
【図11】同、ピニオンとラックの関係で、溝を設けないピニオン及びラックの関係を示した説明図である。
【図12】本願発明のトリガーと一体に設けた開放穴を用いて回動動作を発生させるトリガースイッチの概観を示した斜視図である。
【図13】従来技術におけるトリガースイッチの外観を示した平面図である。
【図14】同、トリガーを引き込んだときの空気の流れを示す一部分解して示した平面図である。
【図15】同、トリガーを元に戻したときの空気の流れを示す一部分解して示した平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本願発明に係るトリガースイッチの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
本願発明に係るトリガースイッチは、トリガー(操作部)の操作により、スイッチ本体内のスイッチ室に収納されるスイッチ機構をロータリー式で動作できるようにしたことで、従来のようにスイッチ室にピストンの如く出し入れするスイッチ機構と異なり、スイッチ室にスイッチ機構が回転式に収納されているために、スイッチ室からの空気の出し入れを無くすか極めて少ない空気の出し入れに留めることが可能なスイッチ機構を提供する。
【0020】
上記ロータリー式構造のトリガースイッチは、図1及び図2に示すように、直方体形状に形成したケース11と、ケース11の側面の開口面を塞ぐように取り付けたカバー12とで構成された筐体内部に、少なくとも2つの第1可動接点及び第2可動接点(図4に示すスイッチ機構部41に設置されている第1可動接点93、第2可動接点97が相当する)を設けたローター56(図4参照)の回動動作で摺動させてオン/オフする機構を装着してなるスイッチ機構部41と、手の操作で直進方向への引き込み動作をするトリガー15と、を備え、トリガー15の引き込み動作に伴って、ローター56を回動させるためのスイッチ係合部42に、トリガー15に連結させた連結部材を取り付けてスイッチ係合部42を回動させるようにしたことである。
連結部材は、ケースの外に突出したスイッチ係合部42に連結カム13を取り付け、この取り付けた連結カム13に介在させた連結棒14をトリガー15の引き込み動作に同伴させるようにしたことである。
【0021】
この連結部材においては、接点をオン/オフさせるスイッチ機構部41からのスイッチ係合部42を外部において回動させる構造となっているため、トリガー15の直進方向への引き込み動作に対しても同じ直進方向に動くことがないため、塵埃といった異物が留まる領域を無くすことができる。
【0022】
このような連結部材を備えたトリガースイッチは、直方体形状に形成したケース11と、ケース11の側面の開口面を塞ぐように取り付けたカバー12と、ケース11の外側に設けられており、ケース11内部のスイッチ室に収納されているスイッチ機構部のスイッチ係合部に係合して回動駆動させる連結カム13と、連結カム13に結合されトリガーの引き込み動作に伴って直線摺動する連結棒14と、手で操作できるトリガー15とを備えた構成になっている。
【0023】
ケース11は、図2及び図3に示すように、一側面を開口にした略直方体形状に形成し、外側にトリガー15の連結棒ガイド片をガイドしてトリガー15自体を引き込む方向にガイドするために突出して形成した連結棒ガイド部16を備え、開口にした面からスイッチ機構部41を収容するスペースからなるロータリースイッチ室17を備え、連結棒ガイド部16を備えた側面に連続した片方の側面に電源端子を挿入する挿入口(第1電源端子挿入口18、第2電源端子挿入口19)及び可動接片の端子を挿入する挿入口(第1可動接片端子挿入口21、第2可動接片端子挿入口22)を備えた構成になっている。
【0024】
カバー12は、図2及び図3に示すように、ケース11のロータリースイッチ室17の上部から被せて塞ぐと共に、一方端部にトリガー15のトリガーガイド片32をガイドするための突出して形成したトリガーガイド部35を備え、内壁には所定の距離をおいて、導電性の金属性部材で形成された第1信号接続片26及び第2信号接続片27を装着固定する第1信号接続片配置部36及び第2信号接続片配置部37を設けた構造となっている。
【0025】
スイッチ機構部41は、本願発明の主要となるところであり、所謂、外部からのロータリー動作に基づいて可動接片を直線的に動かしてオン/オフさせ且つ内部にグリースを充填させて密封状態にしたもので、直方体形状に形成した頂面に、可動接片を回転駆動に基づき直線駆動させるためのスイッチ係合部42を臨ませて形成し、側面には第1可動接片91を摺動させる接点載置部75に連設して接続されている第1固定接点部43及び第2固定接点59に連設して接続されている第2固定接点部44を突出させて形成し、短手側側面に制御基板45、制御素子46、放熱板47をそれぞれ取付けた構成となっている。
【0026】
このスイッチ機構部の内部構造について、図4を参照して説明する。
スイッチ機構部41は、上述した導電性の金属性部材で形成された第1固定接点部43及び第2固定接点部44、第1固定接点58と第2接点載置部76を連結し且つ外部において電源片と接続する接続片78を備えた接続バー60をインサート成形してなるスイッチケース51と、可動接片91、95を備え、スイッチケース51に載置され且つローター56の可動接片ガイドカム66、67により互い違い方向に直線的に動く第1可動接片ガイド部54及び第2可動接片ガイド部55と、円盤形状に形成された上部中央位置から上部に突出して形成されたスイッチ係合部42、表面の対向する位置に導電性の金属性部材で形成された第1摺動接片62及び第2摺動接片63を装着する第1摺動接片装着部64及び第2摺動接片装着部65、底面に第1及び第2可動接片ガイド部54、55を互い違いの直進方向にガイドする可動接片ガイドカム66、67を備えたローター56と、第1及び第2摺動接片62、63に摺動する摺動制御基板68と、摺動制御基板68に接触バネ69a、69b、69c、69dを介在させ、インサート成形した第1〜第4摺動接点部71、72、73、74を備えたスイッチカバー57とから大略構成されている。
【0027】
スイッチケース51は、記述したように導電性の金属性部材で形成された第1固定接点部43及び第2固定接点部44、第1固定接点58と第2接点載置部76を連結し且つ外部で電源片と接続する接続片78からなる接続バー60をインサート成形にて装着し、第1固定接点部43がインサート成形された位置に第1可動接片ガイド部54を載置するために窪み状に形成した第1接点載置部75を有し、第2固定接点部44がインサート成形された位置に第2可動接片ガイド部55を載置するために窪み状に形成した第2接点載置部76を有する。
【0028】
第1可動接片ガイド部54は、スイッチケース51の第1固定接点部43が設置されている位置の第1接点載置部75に直線状に動けるように載置されるもので、略H型形状の直方体に形成し、H型の一方端部に壁状のガイド片81を設け、ガイド片81の内側にローター56に設けてある可動接片ガイドカム66により直線方向に動くようにガイドされるカムガイド82を設け、H状の窪んで形成された位置にコ字状に形成された第1可動接片91を取付ける第1可動接片装着部83を設けた構造となっている。
【0029】
第1可動接片91は、導電性の金属性部材で形成され、略コ字型形状に形成され、一方の端部は係合穴92を有する端子であり、他方の端部には第1可動接点93を備えた端子である。
この第1可動接片91は、第1可動接片ガイド部54の第1可動接片装着部83に一方の端子の係合穴92を凸部83aに係合させ、接片支持バネ94aを第1可動接片91の中間位置に咬ませるようにし、接点保持バネ94bを第1可動接点93の裏側に当接するように咬ませて装着する。
【0030】
第2可動接片ガイド部55は、上述した第1可動接片ガイド部54と同じ構造をしており、配置の仕方が互いに逆方向に動くようになっている。スイッチケース51の第2固定接点部44が設置されている位置であって第2接点載置部76に直線状に動けるように載置されるもので、略H型形状の直方体に形成し、H型の一方端部に壁状のガイド片84を設け、このガイド片84の内側にローター56に設けてある可動接片ガイドカム67により直線方向に動くようにガイドされるカムガイド85を設け、H状の窪んで形成された位置にコ字状に形成された第2可動接片95を取付ける第2可動接片装着部86を設けた構造となっている。
【0031】
第2可動接片95は、第1可動接片91と略同じ構造であり、向きが逆方向になっているものであり、導電性の金属性部材で形成され、略コ字型形状に形成され、一方の端部は係合穴96を有する端子であり、他方の端部には第2可動接点97を備えた端子である。
この第2可動接点97は、第2可動接片ガイド部55の第2可動接片装着部86に一方の端子の係合穴96を凸部86a(図示せず)に係合させ、接片支持バネ94aを第2可動接片95の中間位置に咬ませるようにし、接点保持バネ94bを第2可動接点97の裏側に当接するように咬ませて装着する。
【0032】
ローター56は、円盤形状に形成された本体に対して、その本体の中心位置から上部に円筒形状に形成され、自由端部側の円形状を一部切欠いて形成したスイッチ係合部42を備え、円盤形状の本体の上部表面であって、対向するそれぞれの位置に第1摺動接片62を装着する第1摺動接片装着部64、第2摺動接片63を装着する第2摺動接片装着部65を備え、円盤形状に形成した本体の底面には、円形状に形成した周縁を4分の1程度切欠いた第2可動接片ガイドカム67を備え、第2可動切片ガイドカム67と対向する位置関係で周縁を8分の1程度切欠いた第1可動接片ガイドカム66を備えた構成となっている。
【0033】
スイッチカバー57は、スイッチケース51にカバーするように一面を開口にした直方体形状に形成され、上述したように導電性の金属性部材で形成された第1〜第4摺動接点部71、72、73、74を開口に対して反対面にインサート成形して形成され、その中央部にローター56のスイッチ係合部42を嵌合させて外部に突出させる係合孔77を備えている。
【0034】
そして、開口された内部には接触バネ69a、69b、69c、69dを介在させて摺動制御基板68を取付け、摺動制御基板68の中央位置の開孔68a部位にはローター56のスイッチ係合部42を貫通させるためのOリング70を備えた構成になっている。
【0035】
摺動制御基板68は、トリガーの引き込み具合に基づいて速度制御及びフルストロークの制御をするもので、ローター56に設けてあるブラシである第1摺動接片62及び第2摺動接片63と摺動する摺動パターンを備えている。
【0036】
このような構造からなるスイッチ機構部41においては、先ず、スイッチカバー57内部に接触バネ69a、69b、69c、69d、Oリング70を介在させて摺動制御基板68を装着し、その上から第1摺動接片62を第1摺動接片装着部64に、第2摺動接片63を第2摺動接片装着部65に装着したローター56のスイッチ係合部42を摺動制御基板68の開孔68a及びOリング70に貫通させて係合孔77から外部に突出させるようにしてローター56を装着する。そして、装着されたローター56の背面側の第1可動接片ガイドカム66にカムガイド82を係合させて第1可動接片91を備えた第1可動接片ガイド部54、同じく第2可動接片ガイドカム67にカムガイド85を係合させて第2可動接片95を備えた第2可動接片ガイド部55を、復帰スプリング79と共に装着する。
装着された第1可動接片ガイド部54及び第2可動接片ガイド部55を覆うようにスイッチケース51を被せる。そして、スイッチカバー57とスイッチケース51の接合面を超音波溶着等により溶着して内部を密封状態にする。
【0037】
さて、このようにして、スイッチケース51にスイッチカバー57を被せることで内部を密封状態にすることができるのであるが、この密封された内部、特に接点(第1固定接点58と第1可動接点93、第2固定接点59と第2可動接点97)が対峙して格納されている空間に絶縁性のグリースを充填させて密封状態にする構造となっている。
特に接点周囲にグリースを充填させた構造にすると、接点が接触したときに発生するアーク等を抑制することができるばかりではなく、グリースで充填すると空気の入り込む余地がなくなるため、空気に混入している塵、埃といった異物の混入も阻止することができる。
【0038】
このような構成からなるスイッチ機構部41は、他の部材と共にケース内部に収容される。図2及び図3は、スイッチ機構部41とそれに関連する部材を示したもので、先ず、スイッチ機構部41の側面壁に制御基板45を取り付け、この制御基板45に制御素子46を取り付け、その制御素子46に制御素子46の放熱も兼ねた放熱板47を取付ける。
ケース11の内側空間である可動接片を挿入するための第1及び第2可動接片端子挿入口21、22の内側に板バネ48を差し込む。
【0039】
ケース11のスイッチ貫通孔23にスイッチ機構部41のスイッチ係合部42を挿通させ、板バネ48に第1固定接点部43及び第2固定接点部44を電気的に接触させるようにしてスイッチ機構部41をロータリースイッチ室17に収容取付ける。
次に、ケース11の第1電源端子挿入口18に連結している内側箇所に第1電源導通接片24を取付ける。
【0040】
更に、ケース11の第2電源端子挿入口19に連結している内側箇所に第2電源導通接片25を取付ける。
【0041】
そして、第1信号接続片26及び第2信号接続片27をカバー12の第1信号接続片配置部36及び第2信号接続片配置部37に配置し、スイッチ機構部41の第1固定接点部43及び第2固定接点部44に電気的に接触した状態にして取り付けて、カバー12を被せる。
【0042】
次に、トリガー15を取り付けるために、復帰バネ28を介在させ、カバー12のトリガーガイド部35にトリガーガイド片32を装着させ、ケース11の連結棒ガイド部16に連結棒ガイド片31を装着させる。
そして、ケース11のスイッチ貫通孔23から突出しているスイッチ係合部42に連結カム13を係合させ、トリガー15の連結棒ガイド片31に連結棒14の片方の凸部を嵌合させ、他方の凸部を連結カム13の係合孔に嵌合させる。
以上のようにして、トリガースイッチの組み立ては完了する。
【0043】
以上のように組み立てられたスイッチにおける可動接片のオン/オフについて、図5を参照して以下説明する。
【0044】
先ず、図5(A)に示す初期状態、即ち、トリガーが引き込まれていない状態のときには、スイッチ係合部42に係合されているローター56の第1可動接片ガイドカム66に第1可動切片ガイド部54の第1カムガイド82が当接した状態で維持されている。この状態であるときには、第1可動接片ガイド部54に搭載されている第1可動接片91の第1可動接点93が第1固定接点58と離れた状態を維持している。
【0045】
次に、図5(B)に示す、ローター56が約30°回転した状態を示したもので、第1可動接片ガイドカム66が第1カムガイド82に当接した状態で回動することで、第1カムガイド82を押し込むことで直線的に動くことにより、第1可動切片ガイド部54に搭載されている第1可動接片91が直線方向に動き、第1可動接点93が第1固定接点58に接触する。
【0046】
更に、図5(C)に示す、ローター56が約63°回転した状態を示したもので、第1可動接片ガイドカム66から第1カムガイド82が外れると同時にローター56の外周端に第1カムガイド82の傾斜面が当接した状態となり、現状の位置を維持する。同時に、反体側の第2可動接片ガイドカム67が第2可動接片ガイド部55の第2カムガイド85に当接した状態となる。
【0047】
そして、図5(D)に示す、ローター56が約80°回転した状態を示したもので、第2可動接片ガイドカム67が第2カムガイド85に当接した状態で回動することで、第2カムガイド85を押し込むことで直線的に動くことにより、第2可動接片ガイド部55に搭載されている第2可動接片95が直線方向に動き、第2可動接点97が第2固定接点59に接触する。この時も、第1カムガイド82の傾斜面がローター56の外周端に当接した状態を維持して回動するため、第1可動接点93と第1固定接点58の接触状態は良好に維持されている。
【0048】
最後に、図5(E)に示す、ローター56が約120°回転した、所謂、フルストロークの状態である。第1カムガイド82の傾斜面がローター56の外周端に当接した状態を維持して回動するため、第1可動接点93と第1固定接点58の接触状態は良好に維持され、同様に、第2カムガイド85の傾斜面がローター56の外周端に当接した状態を維持して回動するため、第2可動接点97と第2固定接点59の接触状態は良好に維持されている。
【0049】
次に、上記図5を参照して説明した可動接片のオン/オフに付随して、ローターの回動動作に伴って速度制御部において可変抵抗値を変化させることでモータの回転の制御をする手法について、図6を参照して説明する。
【0050】
図6は、交流電源用(AC)スピードコントローラ付スイッチの制御を示したものであり、可変抵抗体のみを備えた摺動接片に基づいて回転制御する可変抵抗値が変化する様子を示したものであり、図5で示した可動接片のオン/オフに同期して可変抵抗値を変化させる。
【0051】
先ず、図6(A)に示す初期状態、即ち、図5(A)に示す位置であり、トリガーが引き込まれていない状態のときには、スイッチ係合部42に係合されているローター56の第1摺動接片62は摺動制御基板上の摺動接触子と可変抵抗体とを電気的に接続するように抵抗が略ゼロとなる位置に維持する。
【0052】
次に、図5(B)に示す位置で、図6(B)に示す、ローター56が約30°回転したときには、ローター56の回動に伴って第1摺動接片62が摺動制御基板68の摺動接触子98と可変抵抗体99とを跨いだ状態で回動摺動する。このときの第1摺動接片62の位置は、摺動制御基板68の摺動接触子98上で可変抵抗体99の始端の部位に接触している。
【0053】
更に、図5(D)に示す位置で、図6(C)に示す、ローター56が約80°回転したときには、ショートONの位置であり、このときの第1摺動接片62の位置は、摺動制御基板68の摺動接触子98上で可変抵抗体99の後端の部位に接触している。
【0054】
最後に、図5(E)に示す位置で、図6(D) に示す、ローター56が約120°回転した、所謂、フルストロークのときには、このときの第1摺動接片62の位置は、摺動制御基板68の摺動接触子98上で可変抵抗体99と同一抵抗値の位置に接触している。
【0055】
次に、上記図5を参照して説明した可動接片のオン/オフに付随して、ローターの回動動作に伴って速度制御部において可変抵抗値を変化させることでモータの回転の制御をする手法について図6を参照して説明したことに加えて、第2摺動接片を利用してスイッチを切り替える手法について図7を参照して説明する。
【0056】
図7は、直流電源用(DC)スピードコントローラ付スイッチを制御する場合にオン/オフ用可動接片の消耗防止回路を付設したスイッチの制御を示したものであり、可変抵抗体及び切換スイッチを備えた摺動接片に基づいて回転制御する可変抵抗値が変化する様子及びスイッチが切り替わる様子を示したものであり、図5で示した可動接片のオン/オフに同期して可変抵抗値を変化させ、及び切換スイッチを切り替える。
【0057】
先ず、図6(A)に示す初期状態、即ち、図7(A)に示す位置であり、トリガーが引き込まれていない状態のときには、スイッチ係合部42に係合されているローター56の第1摺動接片62は摺動制御基板上の摺動接触子と可変抵抗体とを電気的に接続するように抵抗が略ゼロとなる位置に維持する。このとき、第2摺動接片63は摺動接触子88と第1摺動接触子89aとを跨いだ状態で接続することで、第1のスイッチをオンにする。
【0058】
次に、図6(B)に示す位置で、図7(B)に示す、ローター56が約30°回転したときには、ローター56の回動に伴って第1摺動接片62が摺動制御基板68の摺動接触子98と可変抵抗体99とを跨いだ状態で回動摺動する。このときの第1摺動接片62の位置は、摺動制御基板68の摺動接触子98上で可変抵抗体99の始端の部位に接触している。このとき、第2摺動接片63は摺動接触子88と第2摺動接触子89bとを跨いだ状態で接続することで、第2のスイッチをオンにする。
【0059】
更に、図6(C)に示す位置で、図7(C)に示す、ローター56が約80°回転したときには、ショートONの位置であり、このときの第1摺動接片62の位置は、摺動制御基板68の摺動接触子98上で可変抵抗体99の後端の部位に接触している。このとき、第2摺動接片63は摺動接触子88と第3摺動接触子89cとを跨いだ状態で接続することで、第3のスイッチをオンにする。
【0060】
最後に、図6(D)に示す位置で、図7(D)に示す、ローター56が約120°回転した、所謂、フルストロークのときには、このときの第1摺動接片62の位置は、摺動制御基板68の摺動接触子98上で可変抵抗体99と同一抵抗値の位置に接触している。このとき、第2摺動接片63は摺動接触子88と第3摺動接触子89cとを跨いだ状態で接続することを維持して、第3のスイッチをオンに維持する。
【0061】
次に、連結部材の変形例について、図8乃至図11を参照して説明する。
ここで、本願発明のトリガースイッチは、上述したように、筐体内部に、少なくとも2つの第1可動接点及び第2可動接点(図4に示すスイッチ機構部41に設置されている第1可動接点93、第2可動接点97が相当する)をローター56(図4参照)の回動動作で摺動させてオン/オフする機構を装着してなるスイッチ機構部41と、手の操作で直進方向への引き込み動作をするトリガー15と、を備え、トリガー15の引き込み動作に伴って、ローター56を回動させるためのスイッチ係合部42に、トリガー15に連結させた連結部材を取り付けてスイッチ係合部42を回動させるようにしたことである。
連結部材は、図8に示すように、スイッチ係合部42に歯車5aを備えたラック部材5を係合させ、この係合させたラック部材5の歯車5aにトリガー15に連結されているピニオン部材6を係合させてトリガー15の引き込み動作に同伴させるようにしたことである。
そして、ピニオン部材6は、一列に並んだギヤ6aで形成され、このギヤ6aとギヤ6aとの間に溝6bを設けた構造とし、更に、ラック部材5を形成する歯車5aの間にも溝5bを形成する構造とする。
【0062】
もしピニオン部材6を形成するギヤ6aとの間に溝6bを設けない構造、及びラック部材5を形成する歯車5aの間に溝5bを設けない構造にすると、図11に示すように、ギヤ6aとギヤ6aとの間に積もった塵埃が排出されず、その上からラック部材5の歯車5aが乗り越えることで、積もった塵埃がそのまま押し固められてしまう。そのため、塵埃が排出されずに押し固められると、ピニオン部材6のギヤ6aに係合するラック部材5の歯車5aとギヤ6aとの螺合が不自然になり、ピニオン部材6の直進方向への動きができなくなるか不自然な動きになり、最悪動作不全となる。
【0063】
このような不都合を回避するために、ギヤ6aとギヤ6aとの間に溝6bを設け且つ歯車5aと歯車5aとの間に溝5bを設ける構造にすることで、図9及び図10に示すように、ギヤ6aの間に積もった塵埃は溝6bを通って排出され、且つ歯車5aの間に付着した塵埃も歯車5a側に設けた溝5bを伝って排出される。そのため、ギヤ6aの間に付着した塵埃は付着した場所に押し固められることなく排出されるため、ピニオン部材6のギヤ6aに係合するラック部材5の歯車5aがギヤ6aと常に良好な状態で螺合でき、動作不全といった動きに変動をきたすことは回避できる。
【0064】
更に、連結部材の変形例について、図12を参照して説明する。
ここで、本願発明のトリガースイッチは、上述したように、筐体内部に、少なくとも2つの第1可動接点及び第2可動接点(図4に示すスイッチ機構部41に設置されている第1可動接点93、第2可動接点97が相当する)をローター56(図4参照)の回動動作で摺動させてオン/オフする機構を装着してなるスイッチ機構部41と、手の操作で直進方向への引き込み動作をするトリガー15と、を備え、トリガー15の引き込み動作に伴って、ローター56(図4参照)を回動させるためのスイッチ係合部42に、トリガー15に連結させた連結部材を取り付けてスイッチ係合部42を回動させるようにしたことである。
連結部材は、スイッチ係合部42に、ガイド凸部7aを備えた連結カム7を取り付け、この取り付けた連結カム7のガイド凸部7aに係合させるための開放穴8を備えた連結片8を、トリガー15の引き込み動作に同伴させるようにしたことである。
連結片8はトリガー15と一体に形成され、連結片8に設けた開放穴8aはトリガー15の引き込み方向に対して垂直方向にあけた長い穴である。このような開放穴8aに連結カム7のガイド凸部7aを係合させる。
このような構成の連結部材においては、トリガー15を引き込むと連結片8の開放穴8aに係合されているガイド凸部7aが開放穴8aの内側端部に当接した状態で、図において下方向に移動することで連結カム7に係合されているスイッチ係合部42が時計回り方向に回動する。トリガー15を戻せば、ガイド凸部7aが開放穴8aに沿って図において上方向にガイドされ、スイッチ係合部42が反時計回り方向に回動する。
【産業上の利用可能性】
【0065】
スイッチ室に備えたスイッチ機構を直線運動ではなく回動運動によりオン/オフする接片を設けた構造にすることで、スイッチ内部に流出入する空気の量を極めて少なくしたトリガースイッチを提供する。
【符号の説明】
【0066】
5 ラック部材
5a 歯車
5b 溝
6 ピニオン部材
6a ギヤ
6b 溝
7 連結カム
8 連結片
8a 開放穴
11 ケース
12 カバー
13 連結カム
14 連結棒
15 トリガー
16 連結棒ガイド部
17 ロータリースイッチ室
18 第1電源端子挿入口
19 第2電源端子挿入口
21 第1可動接片端子挿入口
22 第2可動接片端子挿入口
23 スイッチ貫通孔
24 第1電源導通接片
25 第2電源導通接片
26 第1信号接続片
27 第2信号接続片
28 復帰バネ
31 連結棒ガイド片
32 トリガーガイド片
35 トリガーガイド部
36 第1信号接続片配置部
37 第2信号接続片配置部
41 スイッチ機構部
42 スイッチ係合部
43 第1固定接点部
44 第2固定接点部
45 制御基板
46 制御素子
47 放熱板
48 板バネ
51 スイッチケース
54 第1可動接片ガイド部
55 第2可動接片ガイド部
56 ローター
57 スイッチカバー
58 第1固定接点
59 第2固定接点
60 接続バー
62 第1摺動接片
63 第2摺動接片
64 第1摺動接片装着部
65 第2摺動接片装着部
66 第1可動接片ガイドカム
67 第2可動接片ガイドカム
68 摺動制御基板
68a 開孔
69a 接触バネ
69b 接触バネ
69c 接触バネ
69d 接触バネ
70 Oリング
71 第1摺動接点部
72 第2摺動接点部
73 第3摺動接点部
74 第4摺動接点部
75 第1接点載置部
76 第2接点載置部
77 係合孔
78 接続片
79 復帰スプリング
81 ガイド片
82 第1カムガイド
83 第1可動接片装着部
83a 凸部
84 ガイド片
85 第2カムガイド
86 第2可動接片装着部
86a 凸部
88 摺動接触子
89a 第1摺動接触子
89b 第2摺動接触子
89c 第3摺動接触子
91 第1可動接片
92 係合穴
93 第1可動接点
94a 接片支持バネ
94b 接点保持バネ
95 第2可動接片
96 係合穴
97 第2可動接点
98 摺動接触子
99 可変抵抗体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内部に、少なくとも2つの第1可動接点及び第2可動接点をローターの回動動作で摺動させてオン/オフする機構を装着してなるスイッチ機構部と、
手の操作で直進方向への引き込み動作をするトリガーと、
を備え、
前記トリガーの引き込み動作に伴って、前記ローターを回動させるためのスイッチ係合部に、前記トリガーに連結させた連結部材を取り付けて前記スイッチ係合部を回動させるようにしたことを特徴とするトリガースイッチ。
【請求項2】
前記連結部材は、前記スイッチ係合部に連結カムを取り付け、該取り付けた連結カムに介在させた連結棒を前記トリガーの引き込み動作に同伴させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のトリガースイッチ。
【請求項3】
前記連結部材は、前記スイッチ係合部に歯車を備えたラック部材を係合させ、該係合させたラック部材の歯車に前記トリガーに連結されているピニオン部材を係合させて前記トリガーの引き込み動作に同伴させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のトリガースイッチ。
【請求項4】
前記連結部材は、前記スイッチ係合部に、ガイド凸部を備えた連結カムを取り付け、該取り付けた連結カムのガイド凸部に係合させるための開放穴を備えた連結片を、前記トリガーの引き込み動作に同伴させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のトリガースイッチ。
【請求項5】
前記スイッチ機構部は、
円盤状に形成した本体の中央位置から延出させたスイッチ係合部と、円盤状に形成した本体の周端縁に設けた摺動接片と、円盤状に形成した本体の周端であって対向する位置のそれぞれに設けたガイドカムとを備えたローターと、
第1可動接点を有する第1可動接片を装着すると共に前記ローターの一方のガイドカムに係合して直進方向にガイドするカムガイドを設けた第1可動接片ガイド部と、
第2可動接点を有する第2可動接片を装着すると共に前記ローターの他方のガイドカムに係合して前記第1可動接片ガイド部が直進する方向と反体方向にガイドするカムガイドを設けた第2可動接片ガイド部と、
をスイッチケース内部に収容してスイッチカバーを被せて密封させたことを特徴とする請求項1に記載のトリガースイッチ。
【請求項6】
前記スイッチ機構部の構造であるところの、
前記ローターと前記第1可動接片ガイド部と前記第2可動接片ガイド部とを前記スイッチケース内部に収容してスイッチカバーを被せて密封させた内部に、空気をなくすように液体ないしゲル状の絶縁性部材を充填させたことを特徴とする請求項5に記載のトリガースイッチ。
【請求項7】
前記液体ないしゲル状の絶縁性部材はグリースまたはオイルであることを特徴とする請求項6に記載のトリガースイッチ。
【請求項8】
スイッチ係合部の回動動作に連動するガイドカムで、ガイド部を直進方向に動かすことで可動接片の接点を接触させる機構を備えたスイッチ機構部と、
前記スイッチ機構部を収容するスイッチ室を備えたケースと、
前記ケースに収容された前記スイッチ機構部の上部から被せるカバーと、
を備え、
前記ケースの内側から外方向に突出させた前記スイッチ係合部に連結カムを係合させ、該連結カムに係合させた連結棒をトリガーの摺動操作に伴って動かすことにより前記連結カムが前記スイッチ係合部を回動させることを特徴とするトリガースイッチ。
【請求項9】
前記スイッチ機構部は、内部に可動接片を内蔵させて密封構造としたことを特徴とする請求項8に記載のトリガースイッチ。
【請求項10】
前記スイッチ機構部は、内部に可動接片と該可動接片の動きに伴って動作する摺動接片を内蔵させて密封構造としたことを特徴とする請求項8に記載のトリガースイッチ。
【請求項11】
密封構造とした前記スイッチ機構部の内部に、空気をなくすように液体ないしゲル状の絶縁性部材を充填させたことを特徴とする請求項9乃至10に記載のトリガースイッチ。
【請求項12】
前記液体ないしゲル状の絶縁性部材はグリースまたはオイルであることを特徴とする請求項11に記載のトリガースイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−65767(P2011−65767A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213048(P2009−213048)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(301040796)佐鳥エス・テック株式会社 (26)
【Fターム(参考)】