説明

ドアー構成部分に再現可能にヒンジを位置決めするための取り付け補助具および方法

【課題】ドアー構成部分に再現可能にヒンジを位置決めするための取り付け補助具を提供する。
【解決手段】本取り付け補助具は、ねじ桿部23とねじ頭部21を有する固定ねじ22と、ヒンジ1の一部17にしっかりと取り付けられた調整要素20とを、備えている。調整要素20は、前記ねじ桿部23に嵌合せしめられていて、固定ねじ22によりドアー構成部分12に固定されている。また、本発明は、位置決め軸30が設けられているドアー構成部分12に再現可能にヒンジ1を位置決めするための方法に関する。本発明の目的は、簡単かつ再現可能にヒンジ1を位置決めさせることを可能にするための取り付け補助具と方法を提供することにある。この目的のために、本発明の取り付け補助具は、調整要素20とねじ桿部23との間に径方向の遊びがあり、ねじ頭部21は調整要素20と嵌合するような方法で実施され、または、本発明方法によれば、第一の参照部材としてとして、調整部分19が位置決め軸30から或る距離のところに配置され、そして調整要素20は位置決め軸30に対して径方向の遊びを有して第二参照部材としてその位置に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前文に従う取り付け補助具および請求項15の前文に従う方法に関する。また、本発明は請求項19の前文に従うヒンジ、および請求項31の前文に従う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドアーやドアーフレームのようなドアー構成部分に対して望ましい調整位置にヒンジを取り付けるのは従来の実施例から知られている。この方法では、ヒンジの一部をドアー構成部分の支持面に当ててドアーの望ましい調整位置が見つかるまでヒンジを動かす。ドアーやヒンジが取り付けられると、調整位置に取り付けられたドアーの取り外しが可能であり後でまた同じ位置に再調整することなくドアーの取り付けが可能であることが更に望ましい。
【0003】
従来の実施例からヒンジは締め付け部分を有することが知られている。締め付け部分はドアー構成部分の支持面に支えられる締め付け面を有し、締め付け部分で締め付けを行ってドアー構成部分にヒンジを取り付ける。各締め付け部分の締め付け面は異なる方向に向いている。
【0004】
【特許文献1】D E 8 7 1 6 6 2 1 U 1
【特許文献2】D E 3 4 0 2 8 0 9 A 1
【特許文献3】E P 0 7 5 6 0 5 5 A 1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1はヒンジ部分の開口部に固定ねじの設けられた取り付け補助具をを記載している。ヒンジ部分の開口部に位置する調整要素をそのねじのねじ頭部により固定することが可能である。調整要素とヒンジ部分の開口部との間には遊びはない。固定ねじのねじ頭部の直径は調整要素の直径よりも短く、固定ねじのねじ頭部は調整要素の一部と重なるだけである。ドアー構成部分には大穴部分がなければならず、固定ねじおよび締め付けねじの各ねじ桿部が挿入されるドアー構成部分の各大穴部分には調整に必要な遊びを持たせている。
【0006】
調整時にはドアー構成部分の大穴部分と固定ねじのねじ桿部の間に遊びがあるために、固定ねじはヒンジ部分とともに動く。望ましい調整位置が見つかれば、固定ねじを締め付ける。そのため、固定ねじのねじ頭部がドアー構成部分に調整要素を押しつけてドアーを再取り付けする時の参照位置が定まる。ドアーを再度取り付けるときは、ヒンジ部分をドアー構成部分の支持面と垂直にドアー構成部分の真上に配置してからドアー構成部分の支持面に置く。ドアー構成部分上の調整要素はヒンジ部分の対応する開口部に嵌まり、再調整することなく参照位置は定まる。
【0007】
次に、締め付けねじがドアー構成部分の対応する大穴部分に嵌合するまでヒンジ部分を参照位置を中心に回動させる。不都合なことは、固定ねじのねじ桿部や締め付けねじのねじ桿部がドアー構成部分の大穴部分に遊びを有して嵌合するということである。したがって、固定ねじも締め付けねじもねじ穴なしではそれら自身をドアー構成部分の大穴部分に固定することはできない。各ねじ桿部が各大穴部分に嵌合しつつドアー構成部分にヒンジを固定するためには、例えばドアー構成部分のヒンジ部分を取り付けない側にねじ穴を施した帯板またはナットを取り付けるというような更なる手段を講じなければならない。このことは、ドアー構成部分の製造時および固定ねじと締め付けねじの固定時に部品の個数が増えてコストも増加することを意味する。
【0008】
更に不都合なことは、ドアー構成部分に固定された固定ねじの形式では設置できる参照位置は一つだけであるということである。ヒンジ部分は固定ねじのまわりを少なくとも回動できる状態にある。締め付けねじがドアー構成部分の大穴部分に更に固定されるまで、ヒンジ部分は参照位置に固定されない。締め付けねじも同様にドアー構成部分の大穴部分との間に遊びを有する。
【0009】
更に不都合なことは、ドアー構成部分にヒンジ部分を再度取り付けるために、調整要素によって指定される参照位置が見つかるまでドアー構成部分からヒンジ部分を離しながらヒンジ部分を動かさなければならないということである。
【0010】
調べを含むこの複雑な方法では、ヒンジ部分の開口部を動かした後に前記調整要素がヒンジ部分の開口部に嵌まるまで、ヒンジ部分がドアー構成部分に取り付けられた調整要素の一部を覆い隠すため好ましくないことが判明した。更にドアー構成部分に固定ねじを突出するように取り付けるためドアー構成部分にヒンジ部分を再度取り付けると、ヒンジをドアー構成部分の支持面に垂直にこの支持面へ動かすときにヒンジ部分が固定ねじに当たり、ヒンジ部分がドアー構成部分の支持面に対して傾いたりひっくり返ったりするために不都合であることが判明した。
【0011】
特許文献2はドアー構成部分には正ガイド面を、ヒンジ部分には負ガイド面を取り付けた取り付け補助具を記載している。これらガイド面の間の隙間は非常に大きく、ヒンジ部分が望ましい調整位置に来るとすぐに補助部品をガイド面の間に埋め込んでヒンジが取り付けられている。ヒンジ部分に開口部が設けられており、その開口部内には下に置かれているドアー構成部分に確実なガイド領域として円筒状のピンが固定配置されている。
【0012】
ヒンジ部分を調整する間は、ピンはヒンジ部分の開口部に対してその位置を変える。もしヒンジ部分の調整位置が見つかれば、例えばハンドルでブッシュを挿入することによって、ガイド面の間の隙間は埋められる。
【0013】
不都合なことは、前提の調整のための移動を可能にする大きさを有する大口径の開口部をドアー構成部分に設けなければならないということである。更に不都合なことは、ドアー構成部分上の、ヒンジ部分の開口部内側にあるピンの設置によりすでにかなりのコストがかかるということである。特にヒンジ部分の調整位置が見つかったときにはその調整位置でヒンジ部分をもはや動かすべきではなく、むしろ直ちにドアー構成部分に固定されなければならず、得られた調整位置から外れる恐れのある複雑で時間を消費する作業がブッシュを挿入しながら行われる。
【0014】
更に、参照用にピンは一つしか取り付けられず、ヒンジの再取り付け時にはピンのまわりをヒンジ部分が少なくとも回動するため不都合であることが判明した。このように、ヒンジが再度取り付けられる場合には、手による再調整を行わなければならず、自動的に行うためにはこの方法は好ましくないことを意味する。更に、この方法で固定されるピンは支持面から突出するように配置され、ヒンジが再度取り付けられるときには開口部が支持面と垂直なピンの真上に来るようにしながらヒンジ部を取り付けなければならない。このように、ヒンジ部分が再度取り付けられるときには開口部では参照要素に当たって傾いたりひっくり返ったりする恐れがある。
【0015】
特許文献3は取り付け補助具としてヒンジ部分およびドアー構成部分の貫通する穴部分を記載している。穴部分にはその桿部の一部が縦長の円筒形状であるねじボルトが挿入される。ヒンジ部分における穴部分の大きさはねじボルトに対して非常に大きく、穴部分とねじボルトの非常に大きな隙間は補助部品、例えば適当な平らな素片や環状素材のようなものを挿入することで埋められる。この場合、ねじボルト桿部の円筒状部分の滑らかな表面と挿入される例えば環状素材のような補助部品のねじボルト桿部に面する内側の面との間にガイド面が得られる。
【0016】
調整位置を決定する際は、ねじボルトに対して非常に大きな穴部分を動かして、決定した調整位置を固定するために補助部品を挿入してねじボルトと穴部分の隙間を埋める。ねじボルトはその両端にねじ山が付けられ、ナットは最初にドアー構成部分のヒンジ部分を取り付ける側と反対の側に取り付けられ、その次にねじボルトを固定したり外したりするためにヒンジ部分の表面に取り付けられる。
【0017】
特許文献3で述べられた組み立て補助具において、ねじボルトが調整に必要な遊びを有するように、前提の調整移動ができる大きさを有する大きな穴部分がヒンジ部分になければならないため不都合である。更に、ドアー構成部分のヒンジ部分を取り付ける側とは反対の側にねじボルトが固定できるように、なんらかの工夫が必要であるために不都合である。更に、特許文献3の方法は材料の点からコストがかかり、ねじボルトと穴部分の間の大きな隙間が埋まるまで平らな素片や環状素材のような補助部品を挿入し続けなければならないので時間を消費するため不都合である。この方法では、一度見つけたヒンジの調整位置を再度容易に見失うこともあり得る。
【0018】
更に不都合なことは、環状素材が取り付けられても平らな素片が挿入されてもどちらの場合でも、ねじボルト桿部の表面に対してだけ圧力を加えているため、それらが自然と容易にゆるむ恐れもあり、更になんらかの補助を行わなければ決定した調整位置を見失うということである。例えば、平らな素片や環状素材がねじボルト桿部にしっかり固定できる更に別の工夫は、手の込んだ効果が少ない工夫をより複雑にすらさせる。
【0019】
更に不都合なことは、ヒンジ部分再取り付け時のための参照位置がねじボルトの位置によって指定されるのは一つだけであるということである。もしヒンジ部分が調整位置で再度固定されることになれば、このためにヒンジ部分の穴部分はねじボルトと嵌合するようにもってこなければならない。この過程で、ねじボルトはヒンジ部分の穴部分に嵌合しないこともある。この場合に不都合なことは、ヒンジ部分をドアー構成部分に当てると、ヒンジ部分はねじボルトに当たって傾いたりひっくり返ったりするということである。
【0020】
本発明の目的は請求項1の前文に従う取り付け補助具および請求項15の前文に従う方法、または請求項19の前文に従うヒンジおよび請求項31の前文に従う方法を提供することである。本発明によりほとんどコストがかからず、正確にしかも再現可能にヒンジの位置決めが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明によれば、この目的は、請求項1で特徴付けられた特徴による前述の据付け補助具、または請求項19で特徴付けられる特徴による前述のヒンジの場合に達成される。更に本発明によれば、この目的は、請求項15で特徴づけられる特徴による前述の方法、または請求項31で特徴づけられる特徴による前述の方法の場合に達成される。
【0022】
本発明に従う取り付け補助具は調整要素を有する固定ねじを備えている。固定ねじのねじ桿部は遊びを持たせた調整要素に挿入される。想定の調整位置の付近に固定ねじのねじ桿部を挿入するために、ドアー構成部分には簡単な方法でタップ穴を一つ開ける。ヒンジ部分の大穴部分またはドアー構成部分の大穴部分のどちらか一方は設置しなくてもよく、大穴部分を開ける作業時間も短くなりそれとともにそれに関わる材料を減らせるので好都合である。
【0023】
更に、ドアー構成部分に開けられるタップ穴はドアー構成部分を貫通する必要はないため好都合である。それゆえ固定ねじを固定する手段、例えば、ナットやねじを切った帯板のようなものはドアー構成部分のヒンジを取り付ける側とは反対の側には必要ないため好都合である。このことは材料の個数を少なくし、調整作業を簡単にすることを意味する。
【0024】
ヒンジがドアー構成部分の調整位置に到達する(かまたはドアー構成部分がヒンジの調整位置に到達する)と、固定ねじ頭部がドアー構成部分に調整要素を押しつけて前述の調整要素を軸方向に固定するように、取り付け補助具の固定ねじをしっかりと締め付ける。固定ねじの締め付けは簡単な作業であり、すばやく行われて調整要素は固定ねじに対して動かなくなり決定した調整位置を確保する。
【0025】
据付け補助具の調整要素はヒンジ部分の一部としっかりと嵌め合わされる。調整要素とヒンジ部分の一部が互いにしっかりと嵌合するように、ヒンジ部分の一部と接する調整要素の部分だけがヒンジ部分の支持部分に相補的な形状を有するように作られる。この場合、調整要素の形状はほとんど制限なく設計可能であるため好都合である。更に、適当な寸法を有する調整要素を選別することで、調整に利用できる移動範囲の設定が可能であるため好都合である。
【0026】
本発明に従う取り付け補助具の好適実施例では、据付け板がヒンジ部分とドアー構成部分の間に配置されている。この場合、調整要素のねじ頭部と接する面とは逆の面が据付け板に接する。固定ねじのねじ桿部を通すために、据付け板は締め付けのための穴の他に更にもう一つ穴を設ける。固定ねじのねじ桿部はこの穴を通ってドアー構成部分のタップ穴に嵌合する。据付け板は例えば亜鉛メッキのような保護メッキが施され、腐食を抑制し据付け板の寿命を延ばし従ってドアー構成部分に取り付けられたヒンジの寿命を延ばすため好都合である。
【0027】
ヒンジ部分を取り外す間に塗装した後に剥がれた塗装を覆い隠すために、自動車製造中、据付け板を取り付けるのは都合がよい。ヒンジ部分が据付け板に取り付けられる前に据付け板をドアー構成部分に粘着性のもので接着することは可能である。本発明では調整要素が固定ねじによって据付け板に押しつけられると、同様に据付け板もドアー構成部分に固定される。本発明の組み立て補助具に据付け板を用いれば、自動車の製造中に生じる一つの工程段階を次の工程段階に統合すること、すなわち取り付け時に伴う作業を減らすように自動車本体のドアーフレームでのドアーの取り付け作業と調整作業を統合するという事実により本発明の据付け補助具は好都合である。
【0028】
締め付けねじのような締め付け手段の取り付けのための打ち抜き穴をヒンジ部分の開口部と一直線上に並ぶように据付け板に設ける。ヒンジ固定時には、固定された調整要素がドアー構成部分上でヒンジ部分と据付け板を保持するのではない。そのため締め付け手段を取り付けた後、調整要素は不要になる。調整要素は、例えば再度取り外したり取り付けたりできる。
【0029】
調整要素は中空の円筒状円盤に設計され、調整要素の内部半径は支持面のすべての方向において最大の遊びを確保できるのが利点である。調整時に中空の円筒状円盤が動く範囲があまりにも小さすぎることが判明すれば、外部半径は同じで内部半径がより大きな別の調整要素に交換する場合がある。この交換した調整要素はより大きな遊びを有するが、隣接するヒンジ部分にしっかりと固く嵌合している。一方では、調整要素の遊びが調整に対して必要以上の大きさを有していれば、内部半径がより小さい調整要素が用いられる場合がある。このことは調整要素を選択することによって、例えば適当な内部半径を有する中空の円筒状円盤を選択することによって最適な調整範囲を定めるという利点を提供する。
【0030】
自動車本体で自動車用ヒンジの調整を行う場合、大量の自動車にドアーを取り付ける間は各自動車において調整範囲のための遊びが十分確保されるように、調整要素の内部直径が固定ねじのねじ桿部の外部直径の少なくとも1.3倍、できれば1.5倍にすれば実際面では好都合であることが判明した。更に調整要素として使用される中空の円筒状円盤はその形状が対称的であり、例えば通常同様に固定ねじの円形状を有するねじ頭部によって容易に重ね合わせることができるという利点を有する。
【0031】
本発明に従う据付け補助具の利点を有する実施例において調整要素に加えてその調整要素以外の調整部分を設ける場合もあり、それによって調整の自由度がより大きくなる。
【0032】
本発明に従う据付け補助具の本実施例の好ましい構成として、更にもう一つの固定ねじおよび更にもう一つの調整要素、例えば中空の円筒状円盤を調整部品とする場合がある。そのねじ桿部はその別の調整要素に遊びを有して挿入される。この実施例において両方の調整要素の遊びは有効に加え合い、そのためにより大きな調整範囲が得られる。
【0033】
本発明に従う据付け補助具の本実施例の更に別の構成においては、支持面上のある位置に固定された突起を調整部品とすることもあり、その場合に調整部品はヒンジの方向に突出している。組み立て補助具に据付け板を使用する場合、例えば据付け板に設けられた突起が調整部品となる。据付け板を使用せずにヒンジがドアー構成部分に直接取り付けられる場合は、ドアー構成部分に突起を設けてその突起を調整部品とする。どちらの場合にも、コストの面で効果的に複雑さもなく調整部品を支持面に容易に配置でき、更に部品を増やさずに済むことができる。調整要素だけを調整するという事実のおかげで、特定の位置に固定された調整部品はヒンジの調整を簡単にする。
【0034】
ドアー構成部分に再現可能に位置決めするための本発明の方法は第一参照部材および第二参照部材、即ち前もって決められた位置決め軸に対してドアー構成部分上の互いに離れて位置する二つの参照部材を設置する利点を提供する。これら参照部材は明確な方法でヒンジ部分の調整位置やドアー構成部分、例えばドアーの調整位置を確保する。
【0035】
本発明に従うヒンジは少なくとも二つの締め付け部分を有し、各締め付け部分は少なくとも一つの凹状停止縁を有する。本発明に従うヒンジはドアーに取り付けられるヒンジ部分の構成を簡単かつ軽量にすることができる。本発明のヒンジは締め付け部分に対して更に部品を設けることで、ドアー構成部分に取り付けられたヒンジ部分の適切な調整、取り付け、構造的な安定化を行うことができる。更にヒンジ部分には板金を曲げて作られた部品を使用すれば、その結果として、ヒンジ製作時の材料とコストが節約できることが利点である。
【0036】
本発明に従うヒンジの利点を有する実施例においては、複数の締め付け部分は共に同じ向きで同じ方向に曲げられている。そのような実施例は、曲げられた部分から離れた端に停止縁を配置するため好都合である。この場合にそれら停止縁としては材料を節約するように、例えば凹部を設けるだけで穿孔は行わない。更に補強用のビードのような、取り付けられたヒンジを構造的に安定にする部品を曲げられた部分に設けることができるため好都合である。
【0037】
本発明に従うヒンジを実現するための別の実施例においては、締め付け部分をそれぞれ違う方向、例えば互いに反対方向に曲げる。そのようなヒンジでは板金を曲げて作られた部品を使用することは技術的には簡単であるため好都合である。更に、ドアー構成部分にヒンジ部分を固定するのに従来の方法で行うことができるため好都合である。
【0038】
ヒンジ取り付けのための本発明に従う方法は、ヒンジが望ましい位置に到達するまでドアー構成部分に対してドアー構成部分の支持面に沿ってヒンジを動かすという事実によって特徴付けられるという長所がある。この場合、ドアーの参照部材をヒンジ部分の凹状停止縁の辺りに持っていく間、ヒンジは一般には動かないようにしておく。これは特にヒンジ部分がドアー構成部分の支持面に垂直に位置する状況を避けるためである。これにより調整要素によって構成される参照部材の一つがヒンジそれ自身によって覆い隠されないため好都合である。このように視覚的にヒンジが参照位置に到達したかどうかをすでに確認でき、そして自動的に確認できる。
【0039】
ドアー構成部分を再度取り付けるときに、ヒンジはドアー構成部分の支持面に垂直に配置された参照部に当たりひっくり返ったり傾いたりしないため好都合である。その代わりに、ヒンジの一部が参照部材に当たりドアー構成部分に対するドアー構成部分の支持面に沿ったヒンジの動きを特に制限するとすぐに、ドアー構成部分の支持面に垂直に設けられた参照部材はドアー構成部分の支持面に沿ったドアー構成部分に対するヒンジ部分の動きを止めることができる。
【0040】
ヒンジの取り付けに関する本発明に従う方法を続けると、参照部材のうち少なくとも一つはその参照位置から動かないように固定できる。このことにより、初めに決定した参照部材の位置により再度取り付けを行うときに再びヒンジの取り付け位置を見つけ出すことができるため好都合である。
【0041】
ヒンジの取り付けに関する本発明に従う方法の実用化においては、ヒンジの停止縁は、例えば凹状にセットバックした設計のものにして、ヒンジをドアー構成部分に取り付けるときに芯合わせ効果が生じ、より簡単にヒンジを参照位置に動かすことができるようにしている。本発明の方法を自動化するために、締め付け部分を有するヒンジを対応する参照部材付近の支持面に置き、参照部材が凹状停止縁の方位に沿って参照部材の方へヒンジが動かされるか、もしくはヒンジ部を動かさずに参照部材が動かされる。例えば凹状停止縁の芯合わせ効果の利用により、参照部材が凹状停止縁にしっかりと嵌合したときにその動きは止まる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、簡単かつ再現可能にヒンジを正確に位置決めさせることを可能にする取り付け補助具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明の更に別の利点は以下の好適代表実施例および従属請求項に従う。
図1は自動車本体(図示せず)に取り付けられたヒンジ1を示す。破線で示されたドアー構成部分12は取り付け補助具2を使用して調整位置においてヒンジ1に固定される。
【0044】
一体のドアー停止具31を有するヒンジ1は、図1において一部断面図で示された第一ヒンジ部分4、第二ヒンジ部分5、およびヒンジピン6から成る。一体のドアー停止具31はS字形状に曲げられたねじり棒7、および隣接要素8に接触する部分を有する。隣接要素8は第一ヒンジ部分4と一体形成の隣接板9上に設けられる。
【0045】
第二ヒンジ部分5は締め付けねじ10を使用して自動車本体(図示せず)に取り付けられるが、第一ヒンジ部分4は締め付けねじ11で締め付けてドアー構成部分12に固定される。第一ヒンジ部分4は二つの締め付け部分13を有し、それぞれヒンジピン6を支持する脚部14、曲げ部15、および脚部14に対しほぼ直角に曲げられた締め付け面16から成る。締め付け面16には開口部27と凹状停止縁17を設ける。締め付けねじ11を挿入できるように開口部27は細長い穴にする。凹上停止縁17はともに同じ方向に凹んでいる。
【0046】
各締め付け部分13はその縦断面形状がほぼL字型をしており、締め付け面16はともに図1の右側に向くように支持面18上に配置する。この場合に凹状停止縁17は曲げ部15から離れた端32に向かって開いているように設ける。ヒンジ1の、ドアー構成部分12に取り付けられる第一ヒンジ部分4はドアー構成部分12の重さを支えなければならない。図1から図3までの図面において、ドアー構成部分12の重さによる力は右から左に指示面18に平行にかかる。ドアー構成部分12の重さによる力がこのように特に各曲げ部15にかかるため、第一ヒンジ部分4には各曲げ部15で過剰に曲がったり折れたりする危険がある。それゆえ補強用ビード25は各曲げ部15に設置され、ヒンジ1の各曲げ部15での曲げ変形を防ぐ。補強用ビード25はドアー構成部分12の重さによる力が直接かかる部分に設けられる。すなわち、本実施例のヒンジ1では、二つの曲げ部15のそれぞれの、凹状停止縁17の丸みのついた部分の中心点を結ぶ仮想線上に凹状停止縁17の方向に沿って設置される。
【0047】
ヒンジ1の第一ヒンジ部分4において、締め付け面16はともに各図の右方向に向いておりドアー構成部分12の重さによる力とは逆向きである。一方、二つの締め付け面16のうち少なくともどちらか一方がもう一方とは逆向きの左側に向いていれば、逆向きの締め付け面に設置される凹状停止縁17は曲げ部15に配置されなければならず、このようにその位置では補強用ビード25は別の方法で設置されなければならない。
【0048】
ヒンジ1が負荷を受けるとき、ドアー構成部分12に取り付けられた第一ヒンジ部分4の破損の危険はヒンジピン6やヒンジピン6を支持する支持構成部分28を支持面18に平行に取り付けることによって解消される。この場合に、ヒンジピン6を支持する支持構成部分28は締め付け部分13の脚部14の開口部29に接して位置する。脚部14はともにもう一方の脚部にしっかりとつなげられる。このことにより、第一ヒンジ部分4の締め付け部分13の簡単な曲げ変形を防ぎ、加えて第一ヒンジ部分4を構造的に安定させる。
【0049】
隣接板9と一体の第一ヒンジ部分4、および締め付け面16とヒンジピン6を挿入する開口部29を有する締め付け部分13には簡単な方法で板金を曲げた部品を使用する。ヒンジピン6を挿入する開口部29や締め付け面16にある細長の開口部27のような開口部、および締め付け面16の凹状停止縁17はパンチングや切削により作ることができる。締め付け部分13における曲げ部15の補強用ビード25も簡単に作られる。これまで述べられた第一ヒンジ部分4は従来のヒンジ部品に代わってコスト面で有効なヒンジ部品を提供する。
【0050】
据付け補助具2は据付け板3、調整要素20、および固定ねじ22から構成される。固定ねじ22はねじ頭部21(直径Dkを有する)およびねじ桿部23(長さL、外部直径Dsを有する)から成る。固定ねじ22を締め付けると、調整要素20は固定ねじ22のねじ頭部21と重なり支持面18に軸方向に押しつけられて固定され、それと同時にドアー構成部分12にも固定される。
【0051】
調整要素20には外部直径daおよび内部直径diを有する中空の円筒状円盤を使用する。調整要素20の外部直径 daは固定ねじ22のねじ頭部21の直径Dk以下である。そのため、固定ねじ22は調整要素20を覆い重ねることができる。調整要素20の内部直径diは固定ねじ22のねじ桿部23の外部直径Dsよりも大きい。そのため、遊び24は調整要素20の内部表面33とねじ桿部23の外部表面34との間に生じ、固定ねじ22のねじ桿部23のどの側面にも調整要素20の径方向に遊びを生じさせる。この径方向の遊び24の最大値はねじ桿部23により定まる位置決め軸30に対してdi-Ds/2である。
【0052】
本実施例では固定ねじ22は直径6mm(M6)のねじ桿部23を有しており、調整要素20の内部直径diが10mmである。それゆえ、調整要素20の内部直径diは固定ねじ22が有するねじ桿部23の外部直径Dsの1.3倍よりも大きい。実際問題としてヒンジ1にドアー構成部分12を取り付けるとき、比率di/Dsが少なくともほぼ1.3であれば遊び24は調整に必要な遊びを十分に確保できることが判明した。また別の比率di/Dsがまた別の場合には都合がいいことが示されることがあるが、それには言及しない。
【0053】
調整要素20の遊び24を最大限に利用できるのは、調整要素20の内部表面33が固定ねじ22のねじ桿部23の外部表面34に接する位置にある場合である。そのとき、調整要素20の外部表面35は固定ねじ22のねじ桿部23により定まる位置決め軸30から最大値 (da+di)/2-Ds/2だけ離れている。
【0054】
固定ねじ22のねじ頭部21はねじ桿部23がどの位置にあっても、すなわち前述の極端な位置にあっても調整要素20の上面を完全に覆っている。そのため、ねじ頭部21の直径Dkに対してその半径Dk/2は(da+di)/2-Ds/2以上である。固定ねじ22を締め付けたときでさえも第一ヒンジ部分4の、調整要素20に接触する部分は調整要素20とともに据付け板3には固定されないようにする。このために固定ねじ22を締め付けるときに、支持面18からねじ頭部21の底端部36までの調整要素20の高さhは調整要素20が固定ねじ22のねじ頭部21に覆われる領域では調整要素20に接触する締め付け面16の厚さの最大値Hを超えるようにする。
【0055】
長さLのねじ桿部23はドアー構成部分12に設置されたねじ穴 (図1及至3においては図示せず)にねじ込まれる。そのため、固定ねじ22を締め付けたときに、調整要素20は確実に固定される。例えば、固定ねじ22のねじ頭部21の直径Dkがねじ桿部23の長さLの三分の二以上であるようにねじ桿部23の長さLを設定すると、第一ヒンジ部分4がドアー構成部分12に確実に固定されることが保障される。
【0056】
据付け板3は、金属の薄板を使用し、ドアー構成部分12と第一ヒンジ部分4の間に配置される。締め付け面16においてヒンジ1を取り付けるときに、ヒンジ1に面する据付け板3の面が支持面18となる。据付け板3は穴37を有し、穴37を通して固定ねじ22のねじ桿部23が挿入される。図1から図3の左側の締め付け部分13において締め付け面16の凹状停止縁17は、据付け板3に突起を付けて設けられた調整部分19に突き当たる。調整部分19は円形状の横断面を有し、同時に調整部分19にしっかりと嵌合する凹状停止縁17の凹部には丸みを付ける。そのため、締め付け面16の開口部27および据付け板3の打ち抜き穴26に挿入される締め付けねじ11が固く締め付けられない限り、第一ヒンジ部分4は少なくとも調整部分19の周りを回動する。図1から図3の右側の締め付け部分13において締め付け面16の凹状停止縁17は据付け補助具2の調整要素20に嵌合する。
【0057】
図2において、右側締め付け部分13の凹状停止縁17はまだ据付け補助具2の調整要素20にしっかりと嵌合していない。そのため、ドアー構成部分12に締め付けられる第一ヒンジ部分4は重さで生じる力の方向に押すことにより、支持面18に沿って取り外すことができる。
【0058】
図3には、締め付け部分13の二つの締め付け面16のそれぞれに締め付けねじ11を一つずつ取り付けることによって第一ヒンジ部分4がドアー構成部分12に取り付けられている状態で、ヒンジ1および調整要素20を有する据付け補助具2が示されている。締め付けねじ11は第一ヒンジ部分4における締め付け面16の細長い穴の開口部27および据付け板3の打ち抜き穴26に挿入して締め付けを行う。同時に、図3の右側の締め付け部分13における凹状停止縁17は据付け補助具2の調整要素20としっかりと嵌合している状態にある。図1に見られるように、図3の左側の締め付け部分13における凹状停止縁17は同様に据付板3上の調整部分19の側面に接して嵌合している。
【0059】
そこで、本発明は以下の通り作用する。
初めに据付け板3をドアー構成部分12上に配置し、締め付けが行われる第一ヒンジ部分4を据付け板3上に配置する。中空の円筒形状した調整要素20は据付け板3の穴37の上に配置され、固定ねじ22は据付け板3の穴37を通ってドアー構成部分12に設けられたねじ穴(図示せず)に固定ねじ22のねじ桿部23がねじ込まれる。ドアー構成部分12にねじ穴を設けるのはこのためである。従って、固定ねじ22のねじ桿部23は調整要素20に挿入されている。固定ねじ22はまだ締め付けられてはいない。そのため、据付け板3はドアー構成部分12上で位置決め軸30を中心に回動でき、調整要素20は固定ねじ22に対して据付け板3上でその位置を変えることができる。ドアー構成部分12の定まった場所にねじ込まれる固定ねじ22の位置決め軸30は位置決めの軸の役割をする。
【0060】
そして、調整部分19が少なくとも自動車本体のドアーフレーム上のドアーの懸架個所に近づく位置に達するまで、据付け板3は固定ねじ22のねじ桿部23を中心に回動する。この過程において、固定ねじ22は据付け板3を保持する力を有している。
【0061】
自動車本体(図示せず)または代わりにテンプレートにも取り付けられるヒンジ1の第一ヒンジ部分4を、据付け板3を二つの締め付け面16に当てることができるように第二ヒンジ部分5に対して垂直に立てておく。
【0062】
図1から図3における各場合の左側の凹状停止縁17が調整部分19の側面に当たるまで、据付け板3を取り付けたドアー構成部分12を第一ヒンジ部分4に沿って動かす。同時に、調整要素20は図1から図3の各場合における右側の凹状停止縁17の側面に当たる。調整部分19はこのように位置決め軸30から離れた位置で第一参照部材となる。同時に、調整要素20は据付け板3に沿って第一ヒンジ部分4の動きに応じて動く。自動車本体のドアー取り付け部分にドアー構成部分12を合わせることによって、調整部分19の最適な位置が位置決め軸30を中心に回動することで決定され、調整要素20の最適位置は位置決め軸30に対してずれ動くことにより決定される。ドアー構成部分12の最適位置が決定されれば、固定ねじ22を締め付ける。そのため、ねじ頭部21が据付け板3に対して調整要素20を押しつけ、更にドアー構成部分12に対して据付け板3を押しつけて固定する。据付け板3は軸30を中心にもはや回動できず、調整要素20は位置決め軸30から離れた特定の位置で第二参照部材になる。
【0063】
この位置において、締め付けねじ11を取り付けて第一ヒンジ部分4の締め付け面16およびドアー構成部分12上の据付け板3をしっかり固定するか、またはその代わりにテンプレートで正確に調節した後に自動車本体にドアーを迅速にはめ込むことができる。
【0064】
例えば、もしヒンジ1が締め付けねじ11を取り外してからドアー構成部分12から再度取り外すことになれば、調整要素20は据付け板3に軸方向に固定されたままである。正確に取り付けられたドアー構成部分12をそのように取り外すのは自動車製造時にみられる工程段階であり、その段階時に塗装後に前のぴったり合う調整位置にドアー構成部分12が再度迅速に取り付けられるように塗装前にドアー構成部分12のはめ込みや取り外しが再度行われる。
【0065】
この方法で調整が行われた位置にドアー構成部分12を再度取り付けるときは、締め付け面16を有する第一ヒンジ部分4を据付え板3上に配置して動かす。左側の凹状停止縁17は調整部分19の側面に当たり、右側の凹状停止縁17は調整要素20の側面に当たる。そのため、ヒンジ1は前もって調整された二つの参照部材によって調整位置に配置できる。固定ねじ22はドアー構成部分12の最適位置に正確に固定された取り付け補助具2を保持する。そのため、ドアー構成部分12の前もって決定された最適位置をともに再度見出すことができ、塗装を行った後のドアー構成部分12の再取り付け時において塗装を行ったため前に決定された最適位置を見出すことが困難になるという不利益は軽減される。
【0066】
締め付けねじ11でヒンジ1がドアー構成部分12に締め付けられてしまえば、調整要素20を取り外すことができる。そのため、調整要素20は別のドアー構成部分12の調整に使用できる。自動車本体に取り付けられたドアー構成部分12をもう一度取り外さなければならない場合には、再度調整要素20を前もって右側の凹状停止縁17にしっかりと嵌め合わせ、固定ねじ22により軸方向に固定する。それから締め付けねじ11を取り外し、ドアー構成部分12をヒンジ1から取り外す。調整要素20と調整部分19は再びそれぞれ第二参照部材と第一参照部材になり、取り外したドアー構成部分12の再取り付け時にはヒンジ1を有する自動車本体上の取り付け位置を見出すことができる。
【0067】
前述の好適代表実施例において、重さによる力の方向に凹状停止縁17にドアー構成部分12を嵌め合わせることを記述したが、重力に逆らってドアー構成部分12を取り外す場合に関しても同様に可能であると判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に従う取り付け補助具の好適代表実施例によってドアー構成部分に取り付けられた、本発明に従うヒンジの好適代表実施例の縦断面図を示す。
【図2】図1で取り付け補助具から取り外されたヒンジの斜視図を示す。
【図3】図1で取り付け補助具に取り付けたヒンジの斜視図を示す。
【符号の説明】
【0069】
1 ヒンジ
2 取り付け補助具
3 据付け板
4 第一ヒンジ部分
5 第二ヒンジ部分
6 ヒンジピン
7 ねじり棒
8 隣接要素
9 隣接板
10 締め付けねじ
11 締め付けねじ
12 ドアー構成部
13 締め付け部分
14 脚部
15 曲げ部
16 締め付け面
17 凹状停止縁
18 支持面
19 調整部分
20 調整要素
21 ねじ頭部
22 固定ねじ
23 ねじ桿部
24 遊び
25 補強用ビード
26 打ち抜き穴
27 開口部
28 支持構成部
29 開口部
30 位置決め軸
31 一体のドアー停止具
32 端
33 調整要素20の内部表面
34 ねじ桿部23の外部表面
35 調整要素20の外部表面
36 ねじ頭部21の底端部
37 据付け板3の穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ桿部23およびねじ頭部21を有する固定ねじ22、およびヒンジ1の凹状停止縁17にしっかりと嵌合しうる、ねじ桿部23を挿入せしめそして固定ねじ22によりドアー構成部分12に軸方向への固定を可能とする調整要素20から構成され、調整要素20がねじ桿部23に対し径方向の遊び24を有しそしてねじ頭部21が調整要素20を完全に覆うことを特徴とする、ドアーまたドアーフレームのいずれかであるドアー構成部分12に再現可能にヒンジの位置決めを行うための取り付け補助具。
【請求項2】
ねじ頭部21の底端部36が調整要素20を据付け板3に押しつけ、据付け板3はヒンジ1とドアー構成部分12の間に配置されることを特徴とする、請求項1に従う取り付け補助具。
【請求項3】
据付け板3には金属の薄板を使用することを特徴とする、請求項2に従う取り付け補助具。
【請求項4】
据付け板3には腐食を抑制する保護メッキを施したことを特徴とする、請求項2または請求項3に従う取り付け補助具。
【請求項5】
腐食を抑制する保護メッキには亜鉛メッキを使用することを特徴とする、請求項4に従う取り付け補助具。
【請求項6】
ねじ桿部23は据付け板3の穴37に挿入され、据付け板3はヒンジ1の開口部27と同じ線上に並ぶ打ち抜き穴26を有することを特徴とする、請求項2から請求項5のうちの一つに従う取り付け補助具。
【請求項7】
調整要素20には中空の円筒円盤を使用することを特徴とする、請求項1から請求項6までのうちの一つに従う取り付け補助具。
【請求項8】
調整要素20は内部直径 (di)および外部直径(da)を有し、調整要素20の内部直径(di)は固定ねじ22のねじ桿部23の外部直径(Ds)の少なくとも1.3倍であることを特徴とする、請求項7に従う取り付け補助具。
【請求項9】
ねじ頭部21が直径(Dk)を有し、ねじ頭部21の直径(Dk)、ねじ桿部23 の外部直径(Ds)、調整要素20の内部直径(di)および外部直径(da)はDs/2 >(da+di)/2-Ds/2という関係を満たすことを特徴とする、請求項8に従う取り付け補助具。
【請求項10】
ねじ桿部23 は長さ(L)を有し、固定ねじ22のねじ頭部21の直径(Dk)は固定ねじ22のねじ桿部23の長さ(L)の三分の二以上であることを特徴とする、請求項8または請求項9に従う取り付け補助具。
【請求項11】
調整要素20は高さ(h)を有しヒンジ1の締め付け面16は固定ねじ22のねじ頭部21が重なる範囲では最大の厚さ(H)を有し、軸方向に固定される調整要素20の高さ(h)はヒンジ1の締め付け面16の厚さ(H)より大きくなるように設定されることを特徴とする、請求項1から請求項10のうちの一つに従う取り付け補助具。
【請求項12】
調整要素20とは別の調整部分19を少なくとも一つは設けて、調整部分19はヒンジ1の凹状停止縁17にしっかりと嵌合できることを特徴とする、請求項1から請求項11のうちの一つに従う取り付け補助具。
【請求項13】
調整部分19はヒンジ1に接する支持面18に対して垂直にヒンジ1方向に突出するように設けることを特徴とする、請求項12に従う取り付け補助具。
【請求項14】
調整部分19の更に別の構成は固定ねじと、ヒンジのもう一方の凹状停止縁17にしっかり嵌合する調整要素を更に追加することで行われ、追加固定ねじを追加調整要素に挿入し追加構成要素は追加固定ねじによりドアー構成部分12へ軸方向に固定されることが可能であることを特徴とする、請求項12に従う取り付け補助具。
【請求項15】
調整部分19を位置決め軸30から離れて位置する第一参照部材とし、調整要素20を位置決め軸30に対して径方向の遊び24を有する第二参照部材としてその位置に固定されることを特徴とする、ドアーまたはドアーフレームのいずれかであって位置決め軸30を有するドアー構成部分12に再現可能にヒンジ1を位置決めする方法。
【請求項16】
ヒンジ1の各凹状停止縁17は調整部分19および調整要素20のそれぞれに嵌合し、調整部分19および調整要素20とは異なる位置に締め付けねじ11を用いてドアー構成部分12にヒンジ1を締め付けることを特徴とする、請求項15に従う方法。
【請求項17】
位置決め軸30は据付け板3の穴37の中に位置する軸であり、調整部分19は第一参照部材として据付け板3に定まった位置に突出するように設けられ、ヒンジ1を調整するために据付け板3が調整部分19とともに位置決め軸30を中心に回動することを特徴とする、請求項15または請求項16のいずれかに従う方法。
【請求項18】
ねじ桿部23を有する固定ねじ22は中空の円筒状円盤である調整要素20に挿入され、ねじ桿部23は遊び24を有して調整要素20の内部側面に囲まれ、調整要素20と据付け板3は固定ねじ22によりドアー構成部分12に固定されることを特徴とする請求項17に従う方法。
【請求項19】
二つのヒンジ部分のうち少なくとも一つは曲げを付けた締め付け面13を少なくとも二つ有しており各締め付け部分13はドアー構成部分12に接する締め付け面16を有する、ドアーまたはドアーフレームのいずれかであるドアー構成部分12のうちの一つに固定され更にもう一方は更に別のドアー構成部分に固定される第一ヒンジ部分4および第二ヒンジ部分5、第一ヒンジ部分4を第二ヒンジ部分5に回動できるように接続するヒンジピン6から構成され、少なくとも二つは設けられる締め付け部分13はそれぞれ凹状停止縁17を有し凹状停止縁17はともに同じ向きに凹が付けられることを特徴とする自動車ドア用ヒンジ。
【請求項20】
凹状停止縁17は調整要素20にともににしっかりと嵌合するような作りとし、調整要素20はドアー構成要素12に取り付けられ少なくともある程度までドアー構成部12に沿ってずれ動くことができ、そしてドアー構成部分12に固定されることを特徴とする、請求項19に従う自動車ドア用ヒンジ。
【請求項21】
調整要素20をドアー構成部分12に固定した後でもヒンジ1を動かすことができ、ヒンジ1は固定した調整要素20を中心に少なくともまだ回動しうる状態にあることを特徴とする、請求項20に従う自動車ドア用ヒンジ。
【請求項22】
凹状停止縁17は凹んだ丸みが付いた輪郭を有することを特徴とする請求項19から請求項21までのうちの一つに従う自動車ドア用ヒンジ。
【請求項23】
曲げの付いた締め付け面13はそれぞれ同一方向に曲げが付けられ同じ方向に向いていることを特徴とする、請求項19から請求項22までのうちの一つに従う自動車ドア用ヒンジ。
【請求項24】
凹状停止縁17のうちの少なくとも一つは締め付け部分13の曲げ部15から離れた端32に設けられることを特徴とする、請求項19から請求項23までのうちの一つに従う自動車ドア用ヒンジ。
【請求項25】
凹状停止縁17は締め付け部分13の曲げ部15から離れた端32の方向に開放されていることを特徴とする、請求項24に従う自動車ドア用ヒンジ。
【請求項26】
締め付け部分13の曲げ部15には少なくとも一つは補強用ビード25を設けることを特徴とする請求項19から請求項25までのうちの一つに従う自動車ドア用ヒンジ。
【請求項27】
補強用ビード25は凹状停止縁17の方向に向けて設けられることを特徴とする、請求項25および請求項26に従う自動車ドア用ヒンジ。
【請求項28】
ヒンジピン6を支持面18に平行に配置することを特徴とする、請求項19から請求項27までのうちの一つに従う自動車ドア用ヒンジ。
【請求項29】
締め付け部分13は締め付けねじ11を挿入するための開口部27を有することを特徴とする請求項19から請求項28までのうちの一つに従う自動車ドア用ヒンジ。
【請求項30】
第一ヒンジ部分4には板金を曲げて形成した部品を使用することを特徴とする、請求項19から請求項29までのうちの一つに従う自動車ドア用ヒンジ。
【請求項31】
ヒンジ1の締め付け部分13をドアー構成部分12にぴったりと当てて締め付け部分13をドアー構成部分12に沿ってずれ動かし、締め付け部分13に設けられた凹状停止縁17がドアー構成部分12に位置する二つの参照部材となる調整部分19と調整要素20にしっかりと嵌合すると締め付け部分13を固定することを特徴とする、締め付けねじ11を取り付けることによりヒンジ1が取り付け位置に固定される方法で、ドアーまたはドアーフレームのいずれかである参照部材を二つ有するドアー構成部分12に取り付けられる第一ヒンジ部分4の締め付け部分13を有するヒンジ1を取り付ける方法。
【請求項32】
参照部材となる調整部分19と調整要素20のうち少なくとも一つは調整により決定したその位置に固定できることを特徴とする、請求項31に従う方法。
【請求項33】
調整要素20が第一ヒンジ部分4の締め付け部分13の凹状停止縁17の一つにしっかりと嵌合している限り、少なくとも調整要素20はドアー構成部分12に沿ってヒンジ1の締め付け部分13とともにずれ動くことによりその位置を変えることを特徴とする、請求項32に従う方法。
【請求項34】
第一ヒンジ部分4が望みの取り付け位置に位置するとすぐに、その位置を変えられる調整要素20は固定ねじ22によってドアー構成部分12に固定されることを特徴とする、請求項33に従う方法。
【請求項35】
ドアー構成部分12に位置する調整部分19および調整要素20はしっかりと固定され、調整部分19および調整要素20の位置はドアー構成部分12上で第一ヒンジ部分4の取り付け位置を確保することを特徴とする、請求項31または請求項32に従う方法。
【請求項36】
第二ヒンジ部分5をドアーフレームに取り付け、第一ヒンジ部分4の締め付け面16に沿ってずれ動かしながら調整部分19と調整要素20の二つの参照部材を有するドアー構成部分12をドアーフレームに合わせることを特徴とする、請求項31から請求項35のうちの一つに従う方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−529009(P2006−529009A)
【公表日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524995(P2006−524995)
【出願日】平成16年5月4日(2004.5.4)
【国際出願番号】PCT/DE2004/000938
【国際公開番号】WO2004/101932
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(503314934)エドゥシャ カブリオ−ダッハシステメ ゲーエムベーハー (5)
【Fターム(参考)】