説明

ナビゲーション装置

【課題】特定の地点に到達した時点で現在地情報、現在時刻、目的地名称を電子メールに添付して他の自動車に送信するものがある。このものでは電子メールを送信するタイミングを予め指定した送信地点に設定しており、利用者はナビゲーション装置で送信地点を指定しなければならず操作の負担が大きい、電子メールの送信地点を指定するため予想到着時刻に大幅な遅延等の変更があった場合に適切に相手に送信することができないという課題があった。
【解決手段】予想到着時刻取得手段によって取得され前回送信した予想到着時刻と今回取得した予想到着時刻との比較を行い、比較した結果が予め設定しておいた再送条件判定時間より大きい場合に自動的に最新の予想到着時刻を目的の第三者連絡先に通知するようにしたもので、交通状況の変化によって予想到着時刻に変更があった場合でも利用者の操作負担なしに、自動的に最新の予想到着時刻を第三者連絡先に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナビゲーション機能が組み込まれた携帯電話等の携帯ナビゲーション装置や携帯電話を接続して通話やデータ通信を行うことができる車載ナビゲーション装置等を含むナビゲーション装置に係り、特に目的地の予想到着時刻を電子メール等の文字データや音声等で送信する機能を有したナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の電子技術や通信技術の発展によって現在地から目的地までの案内機能を備えた情報処理装置が多く提案されており、その具体的な例として現在地から目的地までの経路を地図及び/或いは音声で案内する自動車に搭載されるカーナビゲーション装置、歩行者が携帯して地図及び/或いは音声で案内するポータブルナビゲーション装置、ナビゲーション機能を搭載し地図及び/或いは音声で案内する携帯電話等が知られている。(以下総称してナビゲーション装置と言う。)
【0003】
そして、これらのナビゲーション装置は目的地を設定すると現在地と目的地までの道路リンク長や道路種類等を検索して、例えば最短距離で目的地に至る経路を求めて地図や音声で案内ができることに加え、最近では目的地に至る経路で時々刻々と変化する交通状況を考慮して目的地の予想到着時刻を自動的に計算して表示画面に表示或いは音声で報知するといった機能を備えてきており、その利便性から広く利用されるようになっている。
【0004】
ところで、ナビゲーション装置には地図の座標情報、名称情報、時間情報等が蓄積されており、これらの現在地情報、現在時刻、目的地名称等を他の人のナビゲーション装置や他の自動車に搭載されたナビゲーション装置或いは運行管理会社等の通信対象の相手に送信してこれらの情報を有効活用するといった提案が特開2000−285382号公報(特許文献1)でなされている。
【特許文献1】特開2000−285382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、上記した特許文献1に記載の技術は地図上の特定の地点、例えば目的地や中継地に自動車が到達した時点で所定の現在地情報、現在時刻、目的地名称等の所定情報を電子メールに添付して他の人のナビゲーション装置や他の自動車に搭載されたナビゲーション装置或いは運行管理会社等の通信対象の相手に送信するものである。
尚、以下では他の人のナビゲーション装置や他の自動車に搭載されたナビゲーション装置或いは運行管理会社等を総称して第三者と表記する。
【0006】
しかしながら、この特許文献1に記載の技術では電子メールを送信するタイミングを予め指定した地図上の送信地点に達した場合としており、利用者は予めナビゲーション装置で地図上の送信地点を指定しなければならず利用者の操作負担の軽減という点で考慮がなされていなかった。
【0007】
また、第三者に自分(自動車を含む)の予想される到着時刻を送って待ち合わせに利用したりする場面があるが、特許文献1のように予め電子メールの送信地点を地図上で指定する方法では渋滞等の交通状況に伴って予想到着時刻に大幅な遅延等の変更があった場合になかなか第三者に送信することができず、タイムリーな送信という使い勝手について考慮されていなかった。
【0008】
本発明の目的は利用者の操作負担を軽減し、かつ予想到着時刻に変更があった場合にもタイムリーに第三者に予想到着時刻を電子メール等の文字データや音声等で送信することができる送信機能を具備したナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の特徴は、予想到着時刻取得手段によって取得され前に送信した予想到着時刻と予想到着時刻取得手段によって取得された最新の予想到着時刻との比較を行い、最新の予想到着時刻が前の予想到着時刻より遅延すると判断された場合に最新の予想到着時刻を通信対象となる相手に送信するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、交通状況の変化によって予想到着時刻に変更があった場合でも利用者の操作負担なしに、自動的に最新の予想到着時刻を通信対象となる相手に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明するが、実施例に限られることなく本発明は種々の変形、応用ができることは言うまでもない。
【実施例】
【0012】
まず、図1に本発明が適用されるナビゲーション装置の例として自動車に搭載される形式の車載ナビゲーション装置1と第3世代の携帯電話2との接続例を示している。
第3世代携帯電話2にはUSB(Universal Serial Bus)コネクタ端子4aが備えられ、同様に車載用ナビゲーション装置1にもUSB(Universal Serial Bus)コネクタ端子5aが備えられている。
【0013】
これらUSBコネクタ端子4a、5aはUSBコネクタプラグ4b、5bを有したケーブル3によって接続され、ナビゲーション装置1と第3世代携帯電話2が情報通信できるように接続されることになる。
【0014】
次に自動車に搭載されて経路を案内する車載ナビゲーション装置のシステム構成を図2に基づき説明する。
図2において、車載ナビゲーション装置はアンテナ部を備えた携帯電話からなる通信端末装置2と、携帯電話2のインターフェースをとるモデム部を含むインターフェース部16と、FM多重受信機を含む交通情報取得部55と、GPSアンテナを含む絶対位置・方位検出部51と、相対方位検出部を構成する方位センサ31及びジャイロ32と、車速検出部33と、CPU11、ROM12及びRAM13よりなる演算処理部10と、外部記憶装置20と、入力部60と、表示部40等とから構成されている。
【0015】
CPU11は、ROM12や外部記憶装置20に記録されているプログラムを順次読み出し、そのプログラムに記述されている命令コードに基づきナビゲーション装置全体の制御を行う。RAM13はプログラム実行の際に使用される読み出し、書き込み可能な作業用のメモリ領域である。
通信端末装置2は目的地にいる相手と予想到着時刻の情報信号をやり取りするために使用されるものであり、この情報信号は復調/変調を行うインターフェース部16を介して演算処理部10と送受される。CODEC部63は文字データから音声データへの変換を行う機能を有している。
【0016】
交通情報取得部55はVICS(Vehicle Information and Communication System)などで配信されている渋滞情報、事故、規制情報などの交通情報を受信するもので、演算部10は必要に応じてこれらの情報を読み出し、受信情報を表示部40に表示するなどしてナビゲーションに利用する。
【0017】
絶対位置・方位検出部51、相対方位検出部31,32および車速検出部33は現在の自車位置をより正確に把握するため使用されるものである。絶対位置・方位検出部51はGPS(Global Positioning System)衛星から送られてくるGPS電波を受信し、地表上の絶対的な現在の自車位置と方位を取得し、また、相対方位検出部31、32はジャイロなどを使って自社の相対的な方位を取得する。車速検出部33は自車から得られる車速パルスから自車の速度を取得する。
【0018】
外部記憶装置20にはナビゲーションシステム用のソフトウェアや地図データなどの各種情報を記憶した媒体をアクセスするための装置である。媒体としては、取り出し可能なCD−ROMやDVD、もしくは、装置内に組み込まれているHDDなどが用いられる。
【0019】
以上が車載ナビゲーション装置の概略の構成を示したもにであるが、更に詳細に車載ナビゲーション装置の内部構成を次に説明する。
図3において、ナビゲーション装置1は演算処理部10、外部記憶装置20、センサ部30、表示部40、外部情報受信部50、入出力部60等から構成されている。
【0020】
演算処理部10はCPU(Central Processing Unit)11、Flash ROM(Read Only Memory)からなる記憶装置12、DRAM(Dynamic Random Access Memory)13から構成されている。もちろん演算処理部10を構成する要素はこれら以外にもあるが、本発明の説明に関連のない構成要素の図示は省略してある。
【0021】
CPU11はアプリケーションプログラムを実行するほか種々の演算をするために用いられる。
例えばセンサ部30からの信号を所定のロジックに従って演算したり、GPS(Global Positioning System)信号受信部51からの情報に基づいて車両の現在位置を算出し、算出した現在位置情報から表示に必要な地図情報を外部記憶装置20から読み出して現在位置としての自車位置マークと共に表示部40に表示する機能を有している。
また、CPU11はユーザにより任意に指定された2地点間の距離を後述のデータベースに格納された指定地点の座標値データから算出する処理も行なうことができる。
【0022】
記憶装置12はナビゲーション装置1の各種機能のアプリケーションプログラムやその演算に必要なデータなどを記憶しておくもので、ここではFlash ROM12を用いているがこれと同等の機能を有するEPROM等であってもよい。
DRAM13は処理中の作業エリアとして使用したり、地図データなどを一時記憶したりするために用いられるもので、地図情報や演算データ等を記憶したりするものである。
【0023】
外部記憶装置20は地図データ、道路種別、道路データを構成するノードやリンク構成情報等の経路計算用道路データ、座標値、電話番号、住所等の施設情報等のナビゲーション処理に必要な情報をデータベースとして構築している。
そして、外部記憶装置20は前述した情報を記憶しているDVD(Digital Versatile Disk)23が挿入されるDVDドライブ21及びハードディスク装置22の組み合わせで構成されている。
【0024】
センサ部30は方位センサ31、ジャイロ32を備えており、方位センサ31は地球が有している磁場を検出して自動車の向きを検出し、また、ジャイロ32は光ファイバジャイロや振動ジャイロ等が用いられ、自動車が回転した角度を検出するものである。
これらの方位センサ31及びジャイロ32の検出信号はアナログーディジタル変換器(A/D)34によりデジタル信号に変換されて内部バス70を介して演算処理部10に送られる。
【0025】
また、センサ部30は車輪速センサ33を備えており、車輪速センサ33は車輪の回転に伴って出力されるパルス信号をカウンタ35により計数することにより自動車の走行距離信号を検出し、この走行距離信号は同様に内部バス70を介して演算処理部10に送られる。
【0026】
GPS信号受信部51はGPSアンテナ54を介してGPS衛星からの信号を受信し、自動車と衛星との間の距離および距離の変化率を測定することにより、自動車の現在位置、進行方向および進行方位を測定するもので、これらの測定データはSCI(Serial Communication Interface)53から内部バス70を介して演算部10に送られる。
更に交通情報受信部52はFM多重受信機55を介してFM放送に重畳されているVICS情報を定期的に受信し、渋滞情報や交通規制及び交通事故発生情報等の交通情報を取り込み、これらの情報はSCI53から内部バス70を介して演算部10に送られ、そして、これらの交通情報は地図情報と共に表示部40で表示されるものである。
【0027】
また、この交通情報は演算処理部10によって目的地に到着する時刻、すなわち予想到着時刻を演算するのに使用される。例えば、ナビゲーション装置で目的地を設定すると演算処理部10は自車位置から目的地までのノード、リンクを抽出して目的地までの最短のノード、リンクを決定し、これらノード、リンクを通って目的地までに必要な時間を計算し、この時間を現在の時刻に加算することで目的地の到着時刻を予測計算している。
ところが、自動車が進行するにつれて渋滞等が発生すると当然のことながら自動車の走行速度が低下するため目的地まで到着する時間が長くなり、これが予想到着時刻の遅延として更新反映されるものである。この予想到着時刻の更新演算は所定の時間間隔で実行され、その都度DRAM13上の所定領域に記憶されていくものである。
【0028】
表示部40は表示ドライバ41、グラフィックコントローラ43、バッファ44等よりなる表示制御手段及び液晶パネル等からなる表示画面42から構成され、内部バス70を介して演算処理部10から送られてくるデータをバッファ44に格納し、これに基づいて表示画面42に地図、誘導ルート、自車位置などを表示させるものである。
【0029】
また、グラフィックコントローラ43は表示画面42に設置されたタッチパネルに設けられた多数のタッチセンサーからの信号を受けてユーザの指等で押された位置を検出する処理も行っている。
【0030】
入出力部60はユーザによる指示を受け付けるハードスイッチやジョグスイッチなどで構成されるKey PAD62、ユーザの操作するリモコン65からの光信号を受信するリモコン受光部61、演算処理部10が生成した操作者へのメッセージをスピーカ(SP)66で音声信号に変換すると共にマイク68を介して入力される音声信号を取り込んで信号変換するCODEC63等により構成されている。これらはPIO(Port Input/Output)64及び内部バス70を介して演算処理部10とデータのやり取りを実行する。
【0031】
携帯電話2と情報のやり取りを行うインターフェース部16は携帯電話2との間で音声信号(アナログ信号)、コマンドやその応答信号等(デジタル信号)の送受信を行なう機能を有している。
【0032】
本実施例の携帯電話2は第3世代の携帯電話なので、携帯電話2へ送信するコマンドデータをそのインターフェース規格であるUSBに適した信号に変換したり、逆に携帯電話2から受信した応答信号(USB信号)をCPU11で処理するのに適した信号に変換したりする処理も行なう。尚、接続プラグ5aを介して車両バッテリからの電力を携帯電話2にも供給するように構成されている。
【0033】
以上のような構成の車載ナビゲーション装置において以下に示す図4から図8のプログラムフローチャートに基づき本発明の実施例を説明する。
尚、CPU11でプログラムを実行するにあたり、CPU11はDRAM13に作業領域を設定するが、そのときの作業領域を図9に機能毎に分けて示しており以下にその概略の説明をする。
【0034】
(1)予想到着時刻送信機能動作中フラグ7a
フラグ7aは予想到着時刻送信機能が動作しているかどうかをあらわすもので、OFFは予想到着時刻送信機能が動作中でないことを示し、ONは動作中であることを示している。
【0035】
(2)前回送信した予想到着時刻7b
予想到着時刻7bは前回送信した予想到着時刻を保持しておくための記憶領域である。
【0036】
(3)送信先アドレス7c
アドレス7cは予想到着時刻を送信する送信先のメールアドレスもしくは電話番号を保持しておくための記憶領域である。
【0037】
(4)再送条件判定時間7d
再送条件判定時間7dは予想到着時刻の再送を行う場合の条件として使用する時間を保持しておくための記憶領域である。CPU11は前回送信した予想到着時刻と今回の予想到着時刻との時間差とこの再送条件判定時間とを比較し、前回送信した予想到着時刻と今回の予想到着時刻との時間差が再送条件判定時間より大きい場合、予想到着時刻の再送を行うように機能する。尚本実施例には示していないが、一定時間間隔で最新の予想到着時刻を送信しても良い。
【0038】
(5)送信オプション情報7e
送信オプション情報7eは経路情報フラグ7f、経路情報7g、交通情報フラグ7h、交通情報7j、経路周辺施設情報フラグ7k、経路周辺施設情報7mなどから成り、ユーザからの指示により予想到着時刻に付加し送信する情報である。
経路情報フラグ7fはOFFが経路情報は付加しないことを示し、ONが経路情報を付加することを示している。
経路情報7gは目的地までの予想経路であり、ノード、リンク等の道路を表すデジタルデータの集合である。
交通情報フラグ7hはOFFが交通情報は付加しないことを示し、ONが交通情報を付加することを示している。
交通情報7jは一方通行等の規制情報、渋滞情報、事故情報等の交通情報である。
【0039】
経路周辺施設情報フラグ7kはOFFが経路周辺施設情報は付加しないことを示し、ONが経路周辺施設情報を付加することを示している。
経路周辺施設情報7mは予想経路周辺にある買い物スポット等の施設情報である。例えば、経路周辺施設情報を付加すれば目的地で待機あるいは目的地に向かっている相手はこの情報を参照してハンズフリー電話等を利用して運転中の利用者に途中で買ってきて貰いたいものを指示するなどのことも可能になる。
【0040】
(6)音声データ長7n
音声データ長7nは電話音声で予想到着時刻等の送信情報を送信する場合の送信する音声データのデータ長である。音声データは送信情報を音声へ変換したものである。
【0041】
(7)音声データ再生ポインタ7p
音声データ再生ポインタ7pは音声データを送信している場合に次に再生すべきデータを示すものである。
【0042】
(8)音声データ格納領域7q
音声データ格納領域7qは変換した音声データを保持しておくための記憶領域である。
【0043】
次にこれらDRAM13の作業領域を使用して予想到着時刻等の送信情報を目的地に待機あるいは目的地に向かっている第三者(=通信対象となる送信相手)に送信する方法について説明する。
【0044】
図4はCPU11で実行されるメイン処理のフローチャートを示しており、メイン処理が起動されるとステップ2aにてユーザ(利用者)からの入力があるかどうか調べる。ユーザ入力があった場合はステップ2cへ進み、ユーザ入力がなかった場合はステップ2bへ進む。
ステップ2aでユーザ入力があると、ステップ2cにてユーザ入力データを取得してステップ2dに進み、ステップ2dにてユーザ入力は目的地設定指示かどうか判定する。
【0045】
ステップ2dにてユーザ入力が目的地設定指示であった場合はステップ2eに進み、それ以外の場合はステップ2fに進む。
ステップ2dで目的地設定指示であった場合はステップ2eにて目的地設定処理を呼び出して実行するが、目的地設定処理の詳細については図5に示しており後ほど説明する。この目的地設定処理の処理終了後に再びステップ2aに戻ってこのメイン処理を繰り返し続行する。
【0046】
一方、ステップ2dで目的地設定指示以外であった場合はステップ2fにてユーザ入力に対応したそれぞれの処理を実行するが、この処理終了後に再びステップ2aに戻ってこのメイン処理を繰り返し続行する。
前に戻って、ステップ2aでユーザ入力がなかったと判断された場合はステップ2bにて交通情報、絶対位置・方位検出、相対方位、および車速等の情報を取得して通常のナビゲーション関連情報の更新を行なう。
【0047】
ステップ2bでナビゲーション関連情報の更新が終了するとステップ2gに進み、DRAM13に記憶されている予想到着時刻送信機能動作中フラグを調べ、予想到着時刻送信機能が動作中(=ON)かどうか判定する。
次にステップ2gで予想到着時刻送信機能動作中と判断された場合はステップ2hに進み、予想到着時刻送信機能動作中でないと判断された場合はステップ2aに戻り、このメイン処理を続行する。
【0048】
ステップ2gで予想到着時刻送信機能動作中と判断されるとステップ2hにて前回送信したDRAM13に記憶されている予想到着時刻7bを調べ、‘未設定’の場合はステップ2kに進み、‘未設定’でない場合(=設定)はステップ2jに進む。
【0049】
次に、予想到着時刻7bが設定されているとステップ2jにて前回に送信した予想到着時刻7bと今回の予想到着時刻との時間差と再送条件判定時間7dとを比較し、前回に送信した予想到着時刻7bと今回の予想到着時刻との時間差が再送条件判定時間7dより大きい場合はステップ2kに進み、前回に送信した予想到着時刻7bと今回の予想到着時刻との時間差が再送条件判定時間7dより小さい場合はステップ2aに戻り、再びメイン処理を繰り返し続行する。
【0050】
そして、前回に送信した予想到着時刻7bと今回の予想到着時刻との時間差が再送条件判定時間7dより大きいと判断されるとステップ2kにて予想到着時刻送信処理を呼び出すが、予想到着時刻送信処理の詳細については図6に示しており後ほど説明する。この予想到着時刻送信処理終了後に再びステップ2aに戻ってこのメイン処理を繰り返し続行する。
【0051】
次にメイン処理のステップ2eで使用される目的地設定処理について図5のフローチャートに基づき説明する。
まず、ステップ3aにて表示部に描画した地図上の目的地位置をカーソルで指定したり、住所や施設名称を入力したりする等の方法で目的地を設定する。次にステップ3bにて予想到着時刻送信機能を使用するか利用者に尋ねるが、これは表示画面上にポップアップされる表示枠に表示される文章によって示され、この表示枠にあるスイッチを選択することによってインターフェースが確立する。尚、音声で尋ねても良く、この場合も表示画面上のスイッチを操作することでインターフェースが確立する。
【0052】
次に、ステップ3bにて予想到着時刻送信機能を使用するか利用者に尋ねるとステップ3cで予想到着時刻送信機能を使用するかどうかの結果を判定する。ステップ3cの判断の結果、予想到着時刻送信機能を使用する場合はステップ3dへ進み、予想到着時刻送信機能を使用しない場合はステップ3hへ進むことになる。
【0053】
そして、予想到着時刻送信機能を使用する場合はステップ3dにて送信先アドレスを利用者から取得し、DRAM13上の送信先アドレス格納領域7cに送信先アドレスを設定する。
その後、ステップ3eにて再送条件判定時間を利用者から取得してDRAM13上の再送条件判定時間7dに設定する。
【0054】
ここで、この実施例では再送条件判定時間を利用者がジョイスティックによって表示画面上の数字を入力することで取得するようにしているが、予め再送条件判定時間を設定しておき利用者からの取得を不要としても良い。この場合はステップ3eが実行されるとROM上に設定された記憶領域から再送条件判定時間を読み出してDRAM13上の再送条件判定時間7dに設定すれば良い。
【0055】
次に、再送条件判定時間が設定されるとステップ3fにて送信オプションを利用者から取得して、送信オプション使用の有無をDRAM部13上の対応するフラグ領域に設定する。このフラグ領域には経路情報フラグ7f、交通情報フラグ7h、経路周辺施設情報フラグ7kなどがある。
【0056】
そして、ステップ3gにて予想到着時刻送信機能動作中フラグ7aに‘ON’を設定する。
また、ステップ3cで予想到着時刻送信機能を使用しないと判断された場合はステップ3hにて予想到着時刻送信機能動作中フラグ7aに‘OFF’を設定する。
【0057】
次にメイン処理のステップ2kで使用される予想到着時刻送信処理のフローチャートを図6に基づき説明する。
図6において、まずステップ4aにてDRAM13上の送信先アドレス7cを調べ、設定されている情報が電子メールアドレスかそれとも電話番号かを調べる。電子メールアドレスと判断された場合はステップ4bに進み、電話番号と判断された場合はステップ4cへと進む。
【0058】
そして、電子メールアドレスと判断された場合はステップ4bにて予想到着時刻および送信オプション情報を設定されている電子メールアドレス宛に電子メール送信し、この送信処理終了後に上位プログラムであるメイン処理へ戻って再びメイン処理を繰り返し実行する。
【0059】
一方、電話番号と判断された場合はステップ4cにて予想到着時刻および送信オプション情報を音声データに変換するが、この音声データ変換処理は演算処理部10を使用して行い、変換結果をDRAM13上の音声データ長7nと音声データ格納領域7qに格納する。
格納処理が終わると、次にステップ4dにて予想到着時刻発信処理を呼び出して予想到着時刻発信処理を実行し、予想到着時刻発信処理の処理終了後に上位プログラムであるメイン処理へ戻って再びメイン処理を繰り返し実行する。
【0060】
この予想到着時刻発信処理の詳細については図7のフローチャートに示されているので以下詳細に説明する。
図7において、ステップ5aにて送信先アドレス7cに設定されている電話番号に電話をかけると、ステップ5bにてリトライ回数を設定する。これは相手の電話が話し中の場合に再度電話をかけ直す上限回数として使用するものである。このリトライ回数は利用者によって設定可能であり、この場合もジョイスティックによって表示画面上の数字を入力することで設定可能である。
【0061】
次に、ステップ5cにて相手の電話が話し中かどうか調べ、話し中の場合はステップ5gへ進み、話し中でない場合はステップ5dへ進む。
ステップ5cにて相手の電話が話し中と判断された場合はステップ5gにてリトライ回数が0かどうかを調べ、リトライ回数が0の場合はステップ5kへ進み、リトライ回数が0でない場合はステップ5hに進む。
【0062】
そして、リトライ回数が0でない場合はステップ5hにてリトライ回数を1だけ減算し、その後ステップ5jに進んでタイマー機能を起動して一定時間だけ待機し、一定時間が経過するとステップ5cに戻ってリトライを繰り返し実行する。
【0063】
このリトライが設定された所定回数だけ実行されステップ5gにてリトライ回数が0になると、ステップ5kにて上位プログラムへ渡すリターン情報に‘失敗’を設定し、図6に示す上位プログラムへ戻るものである。
一方、ステップ5cにて相手の電話が話し中でない場合はステップ5dにて図6に示す音声データ再生処理を呼び出して音声データ再生処理を実行した後ステップ5eに進んで終話処理によって電話を切り、その後ステップ5fに進んで図6に示す上位プログラムへ渡すリターン情報に‘成功’を設定して上位プログラムへ戻るものである。
【0064】
次に音声データ再生処理について図8に示すフローチャートに基づき詳細に説明する。
図8において、ステップ6aにてDRAM13上の音声データ再生ポインタ7pに0を設定し、次に、ステップ6bにて相手先電話から‘ピー’音が再生されたかどうか調べ、‘ピー’音が再生された場合は留守録の録音が開始されたものと解釈する。
【0065】
この‘ピー’音が再生された場合はステップ6fへ進み、再生されない場合は、ステップ6cへ進む。
ステップ6bにて相手先電話から‘ピー’音が再生されないと判断されるとステップ6cにて、一定単位の長さの音声データを再生するが、この一定単位の長さは相手先電話から‘ピー’音を検出できるような短い時間に設定されている。
【0066】
次に、ステップ6dにて音声データ再生ポインタ7pに一定単位の長さを加算し、ステップ6eに進んで音声データ再生ポインタ7pと音声データ長7nを比較し、音声データ再生ポインタ7pのほうが大きければ、上位プログラムへ戻る。そうでなければ、ステップ6bに戻り、以上の繰り返しを実行する。
【0067】
ステップ6bにて相手先電話から‘ピー’音が再生されたと判断されるとステップ6fにて音声データを最初から再生し直すように機能する。
これは、相手先電話から‘ピー’音が再生された場合に留守録の録音が開始されたものと解釈して音声データを最初から再生し情報を漏れなく伝えるためのものである。
【0068】
以上の説明から明らかなように、本実施例のナビゲーション装置によれば目的地にいる相手に運転中の利用者に負担をかけることなく、かつ、効率良く予想到着時刻などを連絡することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明になるナビゲーション装置の一例であるカーナビゲーション装置と携帯電話を接続を示す図である。
【図2】カーナビゲーション装置のシステム構成を示す図である。
【図3】カーナビゲーション装置の具体的内部構成を示す図である。
【図4】メイン処理のフローチャートである。
【図5】目的地設定処理のフローチャートである。
【図6】予想到着時刻送信処理のフローチャートである。
【図7】予想到着時刻発信処理のフローチャートである。
【図8】音声データ再生処理のフローチャートである。
【図9】本実施例のプログラムが使用する作業領域を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1‥カーナビゲーション装置、2‥通信端末装置、16‥インターフェース部、55‥交通情報取得部、51‥絶対位置・方位検出部、31,32‥相対方位検出部、33‥車速検出部、10‥演算処理部、11‥CPU、12‥ROM、13‥RAM、20‥外部記憶装置、60‥入力部、40‥表示部、7a‥予想到着時刻送信機能動作中フラグ、7b‥前回送信した予想到着時刻、7c‥送信先アドレス、7d‥再送条件判定時間、7e‥送信オプション情報、7f‥経路情報フラグ、7g‥経路情報、7h‥交通情報フラグ、7j‥交通情報、7k‥経路周辺施設情報フラグ、7m‥経路周辺施設情報、7n‥音声データ長、7p‥音声データ再生ポインタ、7q‥音声データ格納領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションプログラムに基づきや種々の演算を実行するCPUと、アプリケーションプログラムやデータを記憶しておく記憶手段と、外部からの指示を受け付け、また外部に出力を送出する入出力部と、前記CPUで演算した演算結果を表示する表示部と、外部と通信する通信手段と送受信すべきデータを通信に適した信号に変換するインターフェース部とを備えたナビゲーション装置において、
交通情報を考慮して目的地までの予想到着時刻を演算する予想到着時刻取得手段と、前記予想到着時刻取得手段により取得され前記通信手段によって通信対象となる相手に送信した前回の予想到着時刻と今回取得された予想到着時刻とを比較して今回の予想到着時刻が前回の予想到着時刻より遅延するもしくは、早まると判断された場合に今回の予想到着時刻を通信対象となる相手に送信する予想到着時刻送信手段を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、前記予想到着時刻取得手段は外部から受信した交通情報を考慮して予想到着時刻を更新することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
アプリケーションプログラムに基づきや種々の演算を実行するCPUと、アプリケーションプログラムやデータを記憶しておく記憶手段と、外部からの指示を受け付け、また外部に出力を送出する入出力部と、前記CPUで演算した演算結果を表示する表示部と、携帯電話と送受信すべきデータを通信に適した信号に変換するインターフェース部と、交通情報を外部から取得する交通情報取得手段を備えたナビゲーション装置において、
前記交通情報取得手段によって得られた交通情報を考慮して目的地までの予想到着時刻を演算する予想到着時刻取得手段と、前記予想到着時刻取得手段により取得され前記通信手段によって通信対象となる相手に送信した前回の予想到着時刻と今回取得された予想到着時刻との時間差を求め、この時間差が予め設定された再送条件判定時間より大きい場合には今回の予想到着時刻を通信対象となる相手に送信する予想到着時刻送信手段を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−285954(P2007−285954A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115264(P2006−115264)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(501348139)株式会社 エイチ・シー・エックス (86)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】