説明

ハイブリッド方式のコンバイン

【課題】コンバインの燃料消費量の低減。
【解決手段】機台3と走行装置2を機台昇降シリンダ23のピストンロッド24の伸縮で昇降可能に連結し、ピストンロッド24の伸縮に伴って移動するラック杆26とこのラック杆26に噛み合うピニオンギヤ27を設け、ピニオンギヤ27と発電機25の入力軸28をワンウェイクラッチ30で連結し、機台3の降下に伴って短縮するピストンロッド26の動きをラック杆26とピニオンギヤ27及びワンウェイクラッチ30を介して発電機25の入力軸28に伝動し、発電された電力をバッテリ29に蓄え、脱穀装置4の回転各部に適宜設ける補助モータ40をバッテリ29からの電力で駆動する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力源として内燃機関(エンジン)と電動モータを搭載したハイブリッド方式のコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインの動力源は、内燃機関(エンジン)が使用されているが、省燃費や低騒音化の目的で電動モータを併用したいわゆるハイブリッド方式のコンバインが提案されている。
【0003】
例えば、特開2002−337569号公報に記載のコンバインは、エンジンと補助出力用モータを設け、エンジンが過負荷になると補助出力用モータを駆動して協働して脱穀装置等の作業用装置を駆動するようにしている。補助出力用モータに電力を供給するバッテリは、エンジン負荷が小さい時に補助出力用モータのアマチャー・フィールド電流を制御して充電するようにしている。
【0004】
また、特開2004−242558号公報に記載のコンバインは、エンジンで走行装置を駆動すると共に発電機を駆動し、発電機で発電された電力をバッテリに蓄えて、このバッテリに蓄えられた電力で駆動するモータで作業用装置の全部或いは一部を作動するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−337569号公報
【特許文献2】特開2004−242558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に記載の発明は、エンジンが低負荷時にバッテリを充電するのでエンジン出力を効率的に利用して燃料を有効に利用することになるが、バッテリが満充電状態になってもエンジン出力の一部を電力に変換し続けることになって必要以上に燃料を使用する場合もある。
【0007】
また、前記特許文献2に記載の発明は、エンジンの駆動出力を小さくしても電動モータがエンジン出力を補うことができ、エンジンからの燃焼排ガスの排出量を減らすことができ、またエンジンの振動と騒音が比較的小さくなる。
【0008】
しかしながら、これらの従来技術は、全てエンジンの駆動余力を電力としてバッテリに蓄え、その蓄えた電力で電動モータを駆動して作業用装置の駆動補助に利用するものであるために、バッテリに蓄えた電力も結局エンジンが燃料を燃焼して得られたエネルギーであって、燃料消費量があまり低減されない。
【0009】
そこで、本発明では、燃料を燃焼して取り出されるエンジン出力の一部を電力に変換してバッテリに蓄えるのではなく、コンバインが走行時に機体がローリングやスウィングする際の機体降下時の位置エネルギーで発電機を駆動して発電し、その電力をバッテリに蓄えて適宜にコンバインの駆動部に設ける電動機を駆動することで、さらに低燃費となるハイブリッド方式のコンバインを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、コンバイン(1)の機台(3)と左右の走行装置(2)を、機台昇降シリンダ(23)のピストンロッド(24)の伸縮によって機台(3)が昇降するように連結し、該ピストンロッド(24)の伸縮に伴って移動するラック杆(26)とこのラック杆(26)に噛み合うピニオンギヤ(27)を設け、該ピニオンギヤ(27)と発電機(25)の入力軸(28)をワンウェイクラッチ(30)で連結し、機台(3)の降下に伴って短縮するピストンロッド(26)の動きをラック杆(26)とピニオンギヤ(27)及びワンウェイクラッチ(30)を介して発電機(25)の入力軸(28)に伝動し、該発電機(25)によって発電された電力をバッテリ(29)に蓄え、脱穀装置(4)の回転各部に適宜設ける補助モータ(40)を前記バッテリ(29)からの電力で駆動する構成としたことを特徴とするハイブリッド方式のコンバインとした。
【0011】
請求項2に記載の発明は、コンバイン(1)の機台(3)と左右の走行装置(2)を、機台昇降シリンダ(23)のピストンロッド(24)の伸縮によって機台(3)が昇降するように連結し、該機台昇降シリンダ(23)に供給・排出する圧油の配管(31)に圧油の流れで回転する羽根車(32)を設け、該羽根車(32)の回転を圧油排出時の回転を伝動するワンウェイクラッチ(30)を介して発電機(25)の入力軸(28)に伝動し、該発電機(25)によって発電された電力をバッテリ(29)に蓄え、脱穀装置(4)の回転各部に適宜設ける補助モータ(40)を前記バッテリ(29)からの電力で駆動する構成としたことを特徴とするハイブリッド方式のコンバインとした。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によると、コンバイン(1)の機台(3)の上昇はエンジンで駆動される油圧ポンプからの圧油が機台昇降シリンダ(23)に供給されてピストンロッド(24)が伸長することで行われ、機台(3)の降下は機台(3)の重量で機台昇降シリンダ(23)のピストンロッド(24)が縮退することで行われ、機台(3)の降下がエンジンの駆動力を使わないだけでなく、ラック杆(26)とピニオンギヤ(27)及びワンウェイクラッチ(30)で発電機(25)を駆動し、発電機(25)で発生する電力をバッテリ(29)に蓄え、該バッテリ(29)に蓄えた電力で脱穀装置(4)の回転各部に設ける補助モータ(40)を駆動するので、コンバインの回転部の駆動力をエンジンの出力のみに頼っている従来のハイブリッド方式のコンバインよりも燃料消費量をさらに低減することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によると、コンバイン(1)の機台(3)の上昇はエンジンで駆動される油圧ポンプからの圧油が配管(31)を通じて機台昇降シリンダ(23)に供給されてピストンロッド(24)が伸長することで行われ、機台(3)の降下は機台(3)の重量で機台昇降シリンダ(23)の圧油が配管(31)を通じてオイルタンクに排出されてピストンロッド(24)が縮退することで行われ、機台(3)の降下がエンジンの駆動力を使わないだけでなく、配管(31)に設ける羽根車(32)が排出圧油で回転して発電機(25)を駆動し、発電機(25)で発生する電力をバッテリ(29)に蓄え、該バッテリ(29)に蓄えた電力で脱穀装置(4)の回転各部に設ける補助モータ(40)を駆動するので、コンバインの回転部の駆動力をエンジンの出力のみに頼っている従来のハイブリッド方式のコンバインよりも燃料消費量をさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】機台昇降シリンダの動力取出し機構の第一実施例を示す側面図である。
【図3】機台昇降シリンダの動力取出し機構の第二実施例を示す側断面図である。
【図4】補助モータの動力伝動部の平断面図である。
【図5】補助モータの動力伝動部の別実施例の平断面図である。
【図6】さらに別実施例の補助モータの動力伝動部の平断面図である。
【図7】脱穀装置の側断面図である。
【図8】脱穀装置の側断面図である。
【図9】脱穀装置の正断面図である。
【図10】脱穀装置の正断面図である。
【図11】脱穀装置の側断面図である。
【図12】脱穀装置の側断面図である。
【図13】脱穀装置の側断面図である。
【図14】脱穀装置の正断面図である。
【図15】脱穀装置の正断面図である。
【図16】別実施例のコンバインの側面図である。
【図17】別実施例のコンバインの一部拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
まず、コンバインの機体構成について説明する。
図1と図2に示す実施例では、コンバイン1は、左右のクローラ式の走行装置2の上側に枠組みされた機台3を設け、該機台3の左側部に脱穀装置4を搭載し、該脱穀装置4の右側にグレンタンク5を搭載し、このグレンタンク5の前側下部に原動部6を設け、原動部6の上部に操縦部7を設け、操縦部7と前記脱穀装置4との前側に刈取装置8を設けている。原動部6内の搭乗ステップ下部には、バッテリ29を搭載している。
【0016】
走行装置2は、機台3の下部に左右の転輪フレーム9,9を設け、この転輪フレーム9,9に枢支した多数の転輪10,10と後端部の緊張輪11,11と前端部に取り付けた駆動スプロケット13,13と、前記転輪10,10と緊張輪11,11と駆動スプロケット13,13に亘って巻き掛けるクローラベルト14,14で構成する。
【0017】
機台3の下部フレーム35の前後に機台支持軸38,39を軸支し、この機台支持軸38,39と転輪フレーム9を前後支持アーム36,37で連結する。機台支持軸38,39の機台3側には前後作動アーム58,59を固着すると共に左右の前後作動アーム58,59をそれぞれ連結杆60で連結し、後作動アーム59の上端を下部フレーム35に取り付けた機台昇降シリンダ23のピストンロッド24と連結している。
【0018】
従って、機台昇降シリンダ23のピストンロッド24が伸縮すると、前後作動アーム58,59を介して機台支持軸38,39を回動し、前後支持アーム36,37が回動して転輪フレーム9に対して下部フレーム35を上昇させるようになる。下部フレーム35の左右に同じ走行装置2を設けているので、左右の機台昇降シリンダ23が作動すると機台3の左右が単独で昇降してローリングすることになる。
【0019】
機台昇降シリンダ23には、図2に示す如く、ピストンロッド24と共に移動するラック杆26を設け、このラック杆26の歯部にピニオンギヤ27を噛み合わせ、ピストンロッド24が伸縮するとピニオンギヤ27を正逆に回転する。ピニオンギヤ27はワンウェイクラッチ30を介して発電機25の入力軸28に連結し、ピストンロッド24が縮む動きで回転するピニオンギヤ27の回転を発電機25の入力軸28に伝えて発電する。すなわち、機台3が自重で降下する際に発電機25で発電し、その電力をバッテリ29に蓄える。
【0020】
また、図3に示す実施例では、油圧ポンプから機台昇降シリンダ23への配管31途中に圧油の流れで回転する羽根車32を設け、この羽根車32の回転がワンウェイクラッチ30を介して発電機25の入力軸に伝動する。ワンウェイクラッチ30は、圧油がオイルタンクへ戻る流れ(すなわち、機台3が降下する際)での羽根車32の回転を発電機25に伝動して発電する。
【0021】
エンジンの動力がミッションケース内で変速されて駆動スプロケット13,13を駆動して走行する。
脱穀装置4は、側部にフィードチェン15を備え、内部に扱胴(図示省略)を回転自在に備えた上側の扱室と、揺動選別棚、唐箕、一番移送螺旋、二番移送螺旋等を備えた下側の選別室とから構成する。該脱穀装置4は、主としてエンジンの駆動力によって駆動する構成である。尚、該脱穀装置4の後側には、脱穀後の排藁を切断して圃場に排出する排藁カッター16を搭載する。
【0022】
刈取装置8は、分草板20や刈刃装置22や引起装置21や穀稈搬送装置を取り付けた刈取支持フレーム17を機台3の前上部に枢支軸で枢支し、機台3と刈取支持フレーム17の間に刈取装置8を油圧で昇降させる刈取昇降シリンダ(図示省略)を介装している。
【0023】
グレンタンク5は、脱穀装置4で脱穀選別した穀粒を一時的に貯留するもので、脱穀装置4の選別部から揚穀筒19でグレンタンク5内の上部に穀粒を放出して貯留する。
グレンタンク5の後部には、縦送りオーガ56と横送りオーガ57を設けて、グレンタンク5内の穀粒を畦道で待っているトラックの穀粒タンクへ移送して排出する。
【0024】
図5は、脱穀装置4の回転各部に適宜設けて駆動を補助する補助モータ40の駆動力補助構成の実施例で、ギヤケース69に、エンジンの駆動回転が伝動される入力プーリ70が固定された第一入力軸71を軸受72で回転自在に軸受けする。そして、該第一入力軸71と同一軸芯上に、該第一入力軸71から第一ワンウェイクラッチ73を介して駆動される第一出力軸75を設け、該第一出力軸75の端部に傘歯車状の第一出力ギヤ74を固定する。
【0025】
また、ギヤケース69の第一入力軸71と反対側には、第二入力軸77を軸受78で回転自在に軸受けする。そして、該第二入力軸77と同一軸芯上に、該第二入力軸77から第二ワンウェイクラッチ79を介して駆動される第二出力軸81を設け、該第二出力軸81の端部に傘歯車状の第二出力ギヤ80を固定する。そして、ギヤケース69の外側に変速装置(増速伝動装置または減速伝動装置)82を備えた補助モータ40を取り付け、該補助モータ40によって駆動される変速装置82の出力軸を前記第二入力軸77にスプライン勘合させて取り付ける。
【0026】
そして、第一出力軸75と第二出力軸81に直交して出力軸84をギヤケース69に軸受85、86で回転自在に軸受けする。出力軸84の中間部には傘歯車状の入力ギヤ87を固定し、出力軸84の伝動ギヤケース69から側方に突出する軸端部に駆動側回転体89を固定する。そして、出力軸84に固定した入力ギヤ87に対して、第一出力軸75に固定した第一出力ギヤ74と第二出力軸81に固定した第二出力ギヤ80との両方が噛み合う。
【0027】
以上の構成により、通常は第一ワンウェイクラッチ73が作用して第一入力軸71の回転(すなわち、エンジンの回転)を第一出力ギヤ74と入力ギヤ87で出力軸84に伝動しているが、エンジンの出力が低下して第一入力軸71の回転が低下すると第二ワンウェイクラッチ79が作用して補助モータ40の駆動力で回転する第二入力軸77の回転が第二出力ギヤ80と入力ギヤ87で出力軸84に伝動される。
【0028】
図6は、補助モータ40の駆動力補助構成の別実施例で、ギヤケース18に軸支した第三入力軸31の軸端にエンジンの回転を伝動する入力プーリ70を固定し、ギヤケース18内で第三入力軸31に第三入力ベベルギヤ32を固着している。この第三入力ベベルギヤ32に噛み合う第三出力ベベルギヤ34を補助モータ40のモータ出力軸33にワンウェイクラッチ35を介して取り付けている。
【0029】
この構成では、入力プーリ70の回転が低下すると、補助モータ40の駆動力が第三入力軸31に作用して第三入力軸31の回転を補助する。
図7は、脱穀装置4の回転各部に適宜設ける駆動を補助する補助モータ40のパラレル動力取出装置156の実施例で、ブラケット136へ軸受142,143で軸支したモータ軸131に、一個のサンギヤ132と三個のプラネタリーギヤ133と該プラネタリーギヤ133のキャリア135とリングギヤ134からなる遊星ギヤ機構を装着し、ブラケット136に取り付けた補助モータ40でモータ軸131を駆動するようにしている。また、キャリア135の外周にはエンジンからの動力を伝動するエンジン側ベルト137を巻き掛ける第一Vベルト溝144を形成し、リングギヤ134の外周には脱穀装置4の被駆動側へ動力を伝動する被駆動側ベルト138を播き掛ける第二Vベルト溝145を形成している。
【0030】
パラレル動力取出装置156のリングギヤ134は、エンジン側ベルト137のキャリア135を回す回転力と補助モータ141のサンギヤ132を回す回転力の調和によって一定回転数で回転する。すなわち、エンジン68の負荷が大きくてキャリア135の回転が低下すると補助モータ40がサンギヤ132を回す回転力が補ってリングギヤ134を一定回転数に維持するようになる。
【0031】
図8は、補助モータ40を脱穀装置4の脱穀入力軸45の駆動補助に使用した実施例で、脱穀入力軸45に装着した脱穀入力プーリ46に補助モータ40からの補助ベルト伝動42とエンジンプーリ43からのエンジンベルト伝動44を行っている。脱穀入力プーリ46は回転が速い側の駆動力を受けて脱穀入力軸45に伝動するものである。
【0032】
図9は、脱穀装置4の揺動軸に装着した揺動入力プーリ47へ補助モータ40からの補助ベルト伝動42とエンジン側からのエンジンベルト伝動44を入力していて、エンジンベルト伝動44の回転が低下すると補助モータ40の駆動で揺動入力軸を回転駆動する。
【0033】
図10は、脱穀装置4の処理胴軸に装着した処理胴入力プーリ48へ補助モータ40からの補助ベルト伝動42とエンジン側からのエンジンベルト伝動44を入力していて、エンジンベルト伝動44の回転が低下すると補助モータ40の駆動で処理胴軸を回転駆動する。
【0034】
図11は、脱穀装置4の扱胴軸に装着した扱胴軸入力プーリ49へ補助モータ40からの補助ベルト伝動42とエンジン側からのエンジンベルト伝動44を入力していて、エンジンベルト伝動44の回転が低下すると補助モータ40の駆動で処理胴軸を回転駆動する。
【0035】
図12は、脱穀装置4後部のカッター入力軸に装着したカッター入力プーリ50へ補助モータ40からの補助ベルト伝動42とエンジン側からのエンジンベルト伝動44を入力していて、エンジンベルト伝動44の回転が低下すると補助モータ40の駆動でカッター入力軸を回転駆動する。
【0036】
図13は、脱穀装置4の吸引入力軸に装着した吸引入力プーリ51へ補助モータ40からの補助ベルト伝動42とエンジン側からのエンジンベルト伝動44を入力していて、エンジンベルト伝動44の回転が低下すると補助モータ40の駆動で吸引入力軸を回転駆動する。
【0037】
図14は、脱穀装置4の一番移送螺旋軸に装着した一番螺旋入力プーリ52へ補助モータ40からの補助ベルト伝動42とエンジン側からのエンジンベルト伝動44を入力していて、エンジンベルト伝動44の回転が低下すると補助モータ40の駆動で一番移送螺旋軸を回転駆動する。
【0038】
図15は、脱穀装置4の排藁チェン駆動軸に装着した排藁チェン駆動入力プーリ53へ補助モータ40からの補助ベルト伝動42とエンジン側からのエンジンベルト伝動44を入力していて、エンジンベルト伝動44の回転が低下すると補助モータ40の駆動で排藁チェン駆動軸を回転駆動する。
【0039】
図示を省略するが、グレンタンク5の内部に乾燥風を送り込む乾燥ブロア駆動軸に前記と同様の乾燥ブロア駆動入力プーリを装着して、エンジン側動力の低下時に補助モータ40で乾燥ブロア駆動軸を駆動するようにすることも出来る。
【0040】
なお、補助モータ40は常時駆動しても良いが、エンジン回転の低下を検出してその時に駆動するようにした方がより省燃費になる。
図16に発電方法の別実施例を示す。
【0041】
脱穀装置4に穀稈を供給するフィードチェン15の前端で刈取装置8の穀稈搬送装置から穀稈を受け取る位置に、穀稈を押さえる穀稈挟持杆12を回転軸41に固定して設け、穀稈の多少で上下揺動する回転軸41の回転をベルト61で発電プーリ62に伝動し、発電プーリ62の回転で発電機25を回転して発電する。
【0042】
さらに、図17に示す実施例では、引起装置21の引起しラグ33が折り畳まれる部分に該引起しラグ33が当たって発電する二枚のセラミック板を貼り合わせた圧電素子34を設けて、引起しラグ33が圧電素子34に当たる衝撃で発電する。
【0043】
なお、脱穀済み穀稈を排藁カッター16へ送る排藁搬送装置にも搬送ラグが当たって発電する圧電素子34を設けても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 コンバイン
2 走行装置
3 機台
23 機台昇降シリンダ
24 ピストンロッド
25 発電機
26 ラック杆
27 ピニオンギヤ
28 入力軸
29 バッテリ
30 ワンウェイクラッチ
40 補助モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバイン(1)の機台(3)と左右の走行装置(2)を、機台昇降シリンダ(23)のピストンロッド(24)の伸縮によって機台(3)が昇降するように連結し、該ピストンロッド(24)の伸縮に伴って移動するラック杆(26)とこのラック杆(26)に噛み合うピニオンギヤ(27)を設け、該ピニオンギヤ(27)と発電機(25)の入力軸(28)をワンウェイクラッチ(30)で連結し、機台(3)の降下に伴って短縮するピストンロッド(26)の動きをラック杆(26)とピニオンギヤ(27)及びワンウェイクラッチ(30)を介して発電機(25)の入力軸(28)に伝動し、該発電機(25)によって発電された電力をバッテリ(29)に蓄え、脱穀装置(4)の回転各部に適宜設ける補助モータ(40)を前記バッテリ(29)からの電力で駆動する構成としたことを特徴とするハイブリッド方式のコンバイン。
【請求項2】
コンバイン(1)の機台(3)と左右の走行装置(2)を、機台昇降シリンダ(23)のピストンロッド(24)の伸縮によって機台(3)が昇降するように連結し、該機台昇降シリンダ(23)に供給・排出する圧油の配管(31)に圧油の流れで回転する羽根車(32)を設け、該羽根車(32)の回転を圧油排出時の回転を伝動するワンウェイクラッチ(30)を介して発電機(25)の入力軸(28)に伝動し、該発電機(25)によって発電された電力をバッテリ(29)に蓄え、脱穀装置(4)の回転各部に適宜設ける補助モータ(40)を前記バッテリ(29)からの電力で駆動する構成としたことを特徴とするハイブリッド方式のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−4633(P2011−4633A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149837(P2009−149837)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】