説明

ハイブリッド方式の現像装置およびハイブリッド方式の現像方法

【課題】現像ゴーストを防止できるハイブリッド方式の現像装置およびハイブリッド方式の現像方法を提供する。
【解決手段】磁力によって磁気ローラ3の外周に非磁性トナーおよび磁性キャリアより構成される磁気ブラシを形成し、磁気ローラ3から磁気ブラシのうち非磁性トナーだけをドナーローラ1に供給して、ドナーローラ1の外周に均一な非磁性トナー層を形成し、ドナーローラ1上の非磁性トナー層の非磁性トナーを画像受容体10に形成される静電潜像に塗布して現像するハイブリッド方式の現像方法において、ドナーローラ1の磁気ローラ3に対面する領域は、ドナーローラ1の回転方向を基準に、上流領域と下流領域とに区分され、上流領域には、ドナーローラ1上の非磁性トナーを除去する電界が印加され、下流領域には、磁気ローラ3からドナーローラ1に非磁性トナーを供給する電界が印加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式現像装置および現像方法に係り、特に、磁性キャリアと非磁性トナーとを使用するハイブリッド方式の現像装置およびハイブリッド方式の現像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機のような画像形成装置の現像方式としては、二成分現像方式、一成分現像方式およびハイブリッド現像方式がある。二成分現像方式は、トナーとキャリアとを使用する。一成分現像方式は、絶縁トナーまたは導電性トナーを使用する。ハイブリッド現像方式は、非磁性トナーを磁性キャリアと摩擦させて帯電させ、現像ローラ上に帯電されたトナーのみを付着させ、このトナーを静電潜像に飛ばして静電潜像を現像する。
【0003】
二成分現像方式は、トナーの帯電性に優れていて長寿命化が可能であり、同時に均一なベータ画像を具現できるなどの利点がある。一方、現像装置が大きくて複雑になり、トナーの飛び散り、キャリアの静電潜像への付着、キャリアの耐久性劣化による画質の劣化などの欠点がある。
【0004】
一成分現像方式は、現像装置がコンパクトであってドット再現性に優れるが、現像ローラと帯電ローラの性能劣化によって耐久性が低く、トナーが完全に消耗した場合には、現像装置自体を交換しなければならないため消耗品価格が高く、選択現像が発生するなどの欠点がある。選択現像というのは、所定の重さおよび電荷量を備えるトナーだけが現像ローラから静電潜像に付着されることを意味し、選択現像が持続すれば、所定の重さ並びに電荷量以下のトナーは、現像に使われないので、トナー使用率が低下してしまう。
【0005】
ハイブリッド現像方式は、ドット再現性に優れていて長寿命化が可能であり、高速の画像形成が可能な方式であるが、現像ローラへのトナー供給量が不足したり、または現像後に現像ローラ上のトナーを十分に除去できなければ、現像ゴーストが発生するという問題点がある。図1を参照して、現像ゴーストの発生メカニズムを簡略に説明する。図1は、現像ゴーストの発生過程を説明するための説明図である。図1の左側の図を参照すると、現像ローラの表面に形成されたトナー層のうち、画像受容体の画像部と対面した領域(Ai)のトナーは、現像バイアスによって画像受容体の静電潜像を現像するために画像受容体に供給され、非画像部と対面した領域(Ab)のトナーは、現像されずに現像ローラの表面に残る。このとき、領域(Ai)から画像受容体に移動したトナーの量をMaとする。次の現像のために、現像ローラには、新しいトナーが供給される。もし、現像ローラに供給されたトナーの量がMaより少なければ、図1の右側の図に図示されているように、現像ローラの表面に形成されるトナー層の厚さが不均一になり、次の現像過程で以前の現像の残像が残る現像ゴーストが発生する。このような現像ゴーストは、連続印刷時にさらに発生しやすい。
【0006】
上記現像ゴーストを解決するために、従来技術では、磁気ローラに極性を切り替えられる直流バイアスが印加される(特許文献1参照)、またはこの直流バイアスに重畳された交流バイアス(特許文献2、特許文献3参照)が印加されている。また、画像形成の完了時(特許文献1、特許文献3参照)、もしくは一定間隔で(特許文献2参照)磁気ローラに加えられる直流バイアスの極性を変えて現像ローラと磁気ローラとの間に、現像ローラから磁気ローラにトナーを回収する方向の電界を提供している。
【0007】
現像ローラと感光体との間に電極を設置する方式の場合では、電気的にバイアスされて張力のかかった電極線の振動による不均一な現像や、ホコリが瞬間的に電極に付着し、現像ローラに線模様の痕跡を生じさせるという現象が生じる。特許文献4では、このような現象を防止するために、電極を埋め込んだ現像ローラを利用する例が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開平07−072733号公報
【特許文献2】特開平06−067546号公報
【特許文献3】特開平07−092804号公報
【特許文献4】特開2000−250294号公報
【特許文献5】米国特許第5,940,667号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記従来技術では、次の現像時において、現像ローラに適切な厚さのトナー層を形成するための所定の時間が必要となるため、高速印刷に不適である。従って、従来技術では、現像ゴーストの防止、および高速印刷をともに実現できないという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、現像ゴーストの発生を防止し、連続印刷時においても画像不均一が発生せず、長期間安定した画像品質を得ることができるシンプルなハイブリッド方式の現像装置およびハイブリッド方式の現像方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、磁力によって磁気ローラの外周に非磁性トナーおよび磁性キャリアより構成される磁気ブラシを形成し、磁気ローラから磁気ブラシのうち非磁性トナーだけをドナーローラに供給して、ドナーローラの外周に均一な非磁性トナー層を形成し、ドナーローラ上の非磁性トナー層の非磁性トナーを画像受容体に形成される静電潜像に塗布して現像するハイブリッド方式の現像方法において、ドナーローラの磁気ローラに対面する領域は、ドナーローラの回転方向を基準に、上流領域と下流領域とに区分され、上流領域には、ドナーローラ上の非磁性トナーを除去する電界が印加され、下流領域には、磁気ローラからドナーローラに非磁性トナーを供給する電界が印加されるハイブリッド方式の現像方法が提供される。
【0012】
ドナーローラの画像受容体に対面する現像領域には、ドナーローラ上の非磁性トナーによって画像受容体の静電潜像を現像する電界が印加され、上流領域および下流領域に印加される各々の電界と現像領域に印加される電界とは、互いに独立的であってよい。
【0013】
ドナーローラの外周に複数の電極が配置され、上流領域には、複数の電極の一部と接触する第1ブラシ電極が設けられ、下流領域には、複数の電極の一部と接触する第2ブラシ電極が設けられ、現像領域には、複数の電極の一部と接触する第3ブラシ電極が設けられ、第1ブラシ電極には、非磁性トナーをドナーローラから除去する電界を形成する回収バイアスが印加されてよく、第2ブラシ電極には、磁気ローラから非磁性トナーをドナーローラに供給する電界を形成する供給バイアスが印加されてよく、第3ブラシ電極には、ドナーローラの非磁性トナーを画像受容体の静電潜像に塗布して現像する電界を形成する現像バイアスが印加されてよい。
【0014】
本発明によれば、ドナーローラの外周を、上流領域、下流領域および現像領域に区分して、上流領域に対応するように第1ブラシ電極、下流領域に対応するように第2ブラシ電極、および現像領域に対応するように第3ブラシ電極を配置する。そのため、第1ブラシ電極に回収バイアスを、第2ブラシ電極に供給バイアスを、第3ブラシ電極に現像バイアスを独立して印加できる。従って、現像性能に影響を与えずに非磁性トナー供給量の調節が可能であり、現像後にドナーローラ上の非磁性トナーを容易に除去でき、連続印刷時でも、現像ゴーストのない安定した印刷品質を具現できる。また、回収バイアス、供給バイアスおよび現像バイアスを、第1ブラシ電極、第2ブラシ電極および第3ブラシ電極の各々にともに印加できるので、従来技術に比べて、均一なトナー層を形成する時間を短縮できるため、高速印刷に有効に適用できる。
【0015】
磁気ローラに印加される磁気ローラバイアスの直流成分の電位がVm、供給バイアスの直流成分の電位がVs、回収バイアスの直流成分の電位がVrである時、非磁性トナーが負帯電される場合には、Vr<Vm<Vsであってよく、非磁性トナーが正帯電される場合には、Vs<Vm<Vrであってよい。
【0016】
上流領域において、ドナーローラの表面と磁気ローラの表面との電位を同一にし、磁気ブラシをドナーローラの表面に接触させ、ドナーローラ上の非磁性トナーを除去することができる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の第2の観点によれば、磁力によって磁気ローラの外周に非磁性トナーおよび磁性キャリアより構成される磁気ブラシを形成し、磁気ローラから磁気ブラシのうち非磁性トナーだけをドナーローラに供給して、ドナーローラの外周に均一な非磁性トナー層を形成し、ドナーローラ上の非磁性トナー層の非磁性トナーを画像受容体に形成される静電潜像に塗布して現像するハイブリッド方式の現像方法において、
ドナーローラの外周は、複数の領域に区分され、複数の領域の各々に独立的なバイアスが印加されるハイブリッド方式の現像方法が提供される。
【0018】
ドナーローラの複数の領域は、画像受容体と対面する現像領域と、磁気ローラと対面し、ドナーローラの回転方向を基準に、上流側となるトナー回収領域および下流側となるトナー供給領域とを含み、現像領域には、ドナーローラ上の非磁性トナーを画像受容体の静電潜像に付着させる現像バイアスが印加されてよく、トナー供給領域には、磁気ローラから非磁性トナーをドナーローラに供給する供給バイアスが印加されてよく、トナー回収領域には、ドナーローラ上の非磁性トナーを除去する回収バイアスが印加されてよい。
【0019】
磁気ローラに印加される磁気ローラバイアスの直流成分の電位がVm、供給バイアスの直流成分の電位がVs、回収バイアスの直流成分の電位がVrである時、非磁性トナーが負帯電される場合には、Vr<Vm<Vsであってよく、非磁性トナーが正帯電される場合には、Vs<Vm<Vrであってよい。
【0020】
トナー回収領域において、ドナーローラの表面と磁気ローラの表面との電位を同一にし、磁気ブラシをドナーローラの表面に接触させ、ドナーローラ上の非磁性トナーを除去することができる。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の第3の観点によれば、磁力によって磁気ローラの外周に非磁性トナーおよび磁性キャリアより構成される磁気ブラシを形成し、磁気ローラから磁気ブラシのうち非磁性トナーだけをドナーローラに供給して、ドナーローラの外周に均一な非磁性トナー層を形成し、ドナーローラ上の非磁性トナー層の非磁性トナーを画像受容体に形成される静電潜像に塗布して現像するハイブリッド方式の現像装置において、
ドナーローラの外周に配置される複数の電極と;ドナーローラの磁気ローラに対面する領域において、ドナーローラの回転方向を基準に、上流領域に対応して位置し、複数の電極の一部と接触するように配置される第1ブラシ電極および下流領域に対応して位置し、複数の電極の一部と接触するように配置される第2ブラシ電極と;第1ブラシ電極にドナーローラ上の非磁性トナーを除去するための回収バイアスを印加して、第2ブラシ電極に磁気ローラからドナーローラに非磁性トナーを供給するための供給バイアスを印加するバイアス印加手段と;を備えるハイブリッド方式の現像装置が提供される。
【0022】
ドナーローラの画像受容体に対面する現像領域に対応して位置し、複数の電極の一部と接触するように配置される第3ブラシ電極をさらに具備でき、バイアス印加手段は、ドナーローラ上の非磁性トナーを画像受容体の静電潜像に塗布して現像するための現像バイアスを、第3ブラシ電極に印加することができる。
【0023】
ドナーローラの最外周に樹脂層をさらに具備し、ドナーローラの両端部において、複数の電極が樹脂層から露出されており、第1ブラシ電極、第2ブラシ電極および第3ブラシ電極の各々は、ドナーローラの両端部において複数の電極の露出される部分に接触するように配置されてよい。
【0024】
複数の電極は、ドナーローラの外周面において、互いに所定の間隔をおいて配置され、ドナーローラの長手方向に延長して形成されてよい。
【0025】
複数の電極は、ドナーローラの両端部で外部に露出されており、第1ブラシ電極、第2ブラシ電極および第3ブラシ電極の各々は、ドナーローラの回転に伴って、露出された複数の電極に接触するように配置されてよい。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明によれば、ドナーローラの外周に供給バイアス、回収バイアスを現像バイアスと独立して印加するので、トナー供給性能、トナー回収性能を向上させることができる。また、供給バイアス、回収バイアスが現像バイアスと独立して印加されるために、現像性能に影響を与えずにトナー供給量の調節が可能であり、現像後にドナーローラ上のトナーを容易に除去できる。従って、連続印刷時でも、現像ゴーストのない安定した印刷品質を具現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に係るハイブリッド方式の現像方法が適用されるハイブリッド方式の現像装置の一実施形態を簡略に図示した構成図である。図2によると、本発明の実施形態の現像装置は、画像受容体10、ドナーローラ1、磁気ローラ3を具備するハイブリッド方式の現像装置である。本発明の実施形態では、画像受容体10として、有機感光体が採用される。また、画像受容体10として、非晶質シリコン感光体を採用することも可能である。本発明の実施形態の現像装置は、画像受容体10に静電潜像を形成するために、帯電器21および露光器22を具備する。帯電器21として、コロナ放電器または帯電ローラが採用される。露光器22として、レーザー光を照射するLSU(Laser Scanning Unit)が採用される。また、画像受容体10として、静電ドラム(図示せず)を採用することもできる。この場合、静電潜像を形成するために、露光器22の代わりに、静電記録ヘッド(図示せず)が採用される。また、本発明の実施形態に係るハイブリッド方式の現像装置は、現像器6を具備し、現像器6内にドナーローラ1、磁気ローラ3、撹拌器4が内装される。
【0029】
現像器6には、非磁性トナーおよび磁性キャリアが収容される。磁性キャリアは、磁性粉末状のものを使用すること以外には、特別に限定されない。撹拌器4は、磁性キャリアおよび非磁性トナーを撹拌して非磁性トナーを摩擦帯電させる。非磁性トナーは、特別に限定されるものではなく、負帯電および正帯電のうちいずれでもよい。磁気ローラ3の磁力により、磁性キャリアは、磁気ローラ3の外周に付着し、非磁性トナーは、静電気力によって磁性キャリアに付着する。これにより、磁気ローラ3の外周には、磁性キャリアおよび非磁性トナーより構成される磁気ブラシが形成される。トリマ5は、磁気ブラシを所定の厚さとなるように制御する。トリマ5と磁気ローラ3との間の間隔は、例えば、0.3〜1.5mmが望ましい。
【0030】
ドナーローラ1は、画像受容体10と磁気ローラ3との間に位置する。ドナーローラ1と画像受容体10との間の間隔(現像ギャップG)は、例えば、150〜400μmが望ましく、さらに、例えば、200〜300μmであることが望ましい。現像ギャップGが150μmより狭ければ、画像ボケの原因になり、400μmより広ければ、非磁性トナーを画像受容体10に移動させ難く、十分な画像濃度を得られず、選択現像を発生させる原因になる。磁気ローラ3とドナーローラ1との間の間隔は、例えば、0.3〜1.5mmである。
【0031】
本発明の実施形態に係るハイブリッド方式の現像装置は、転写器23、クリーニングブレード24、定着器25を具備する。転写器23は、画像受容体10で現像されたトナー画像を用紙Pに転写する。本発明の実施形態では、ローラ状の転写器23が採用される。クリーニングブレード24は、転写過程を経た後、画像受容体10の表面に残った非磁性トナーを除去する。定着器25は、用紙Pに転写されたトナー画像に熱および圧力を加えて定着させる。
【0032】
本発明の実施形態に係るハイブリッド方式の現像方法およびハイブリッド方式の現像装置は、ドナーローラ1の外周を複数の領域に区分し、複数の領域に互いに異なる独立的な電界を提供することを特徴とする。図3は、ドナーローラの現像領域、上流領域、下流領域の説明図である。特に、図3に図示されているように、ドナーローラ1の磁気ローラ3に対面する領域(トナー供給領域およびトナー回収領域)を、ドナーローラ1の回転方向を基準として、上流領域1aと下流領域1bとに区分する。上流領域1aには、非磁性トナーをドナーローラ1から除去する電界が印加され、下流領域1bには、非磁性トナーを磁気ローラ3からドナーローラ1に供給するための電界が印加される。上流領域1aに印加される電界と下流領域1bに印加される電界とは、各々独立的に提供される。この上流領域1aに印加される電界および下流領域1bに印加される電界は、ドナーローラ1の画像受容体10に対面する現像領域1cに印加される電界とも独立的である。ここで、電界が独立的に印加されるというのは、互いに影響を与えない電界が各々領域に印加されるということである。つまり、上流領域1aにおけるドナーローラ1上の非磁性トナーの回収を妨害することなく、下流領域1bで磁気ローラ3からドナーローラ1に適切な量の非磁性トナーを供給でき、かつ現像領域1cでドナーローラ1上の非磁性トナーを画像受容体10の静電潜像に塗布して、良好な現像を行うことができるということである。
【0033】
図4は、ドナーローラの一実施形態の断面図である。上記のような本発明の実施形態の特徴のために、図4に図示されているように、ドナーローラ1には、複数の電極11が備わる。つまり、複数の電極11は、上流領域1aに印加される電界、下流領域1bに印加される電界、現像領域1cに印加される電界をドナーローラ1上において形成するために、設けられる。複数の電極11は、ドナーローラ1の外周面において、互いに所定の間隔をおいて配置され、ドナーローラ1の長手方向に延長して形成される。本発明の実施形態では、ドナーローラ1は、さらに支持体12、絶縁層13、樹脂層14を具備する。支持体12は、例えば、アルミニウムやステンレス鋼などから構成されるスリーブである。複数の電極11と支持体12との電気的な絶縁のために、支持体12と複数の電極11との間には、絶縁層13が設けられる。ドナーローラ1の最外周には、体積固有抵抗が、例えば10Ωcm以下の樹脂層14が設けられる。図5は、ドナーローラの一実施形態の端部を図示した斜視図である。図5に図示されているように、ドナーローラ1の両端部では、樹脂層14が除去されており、複数の電極11が樹脂層14の外に露出されている。
【0034】
図6は、第1ブラシ電極、第2ブラシ電極および第3ブラシ電極の配置を説明するための説明図である。本発明の実施形態のハイブリッド方式の現像装置は、図6に図示されているように、上流領域1a、下流領域1b、現像領域1cに、各々独立的な電界を印加するために、各領域に位置して複数の電極11の一部と接触する第1ブラシ電極2a、第2ブラシ電極2b、第3ブラシ電極2cを具備する。図6によると、第1ブラシ電極2aは、上流領域1aで複数の電極11の一部と接触するように配置される。第2ブラシ電極2bは、下流領域1bで複数の電極11の一部と接触するように配置される。第3ブラシ電極2cは、現像領域1cで複数の電極11の一部と接触するように配置される。第1ブラシ電極2a、第2ブラシ電極2b、第3ブラシ電極2cは、ドナーローラ1の両端部において、樹脂層14の外に露出された複数の電極11と接触するように配置される。つまり、第1ブラシ電極2a、第2ブラシ電極2b、および第3ブラシ電極2cの各々は、ドナーローラ1の両端部において、樹脂層14が除去されて、露出された複数の電極11のうち、上流領域1a、下流領域1b、現像領域1cの各々に対応する電極11の上面に接触するように配置される。そして、本発明の実施形態において、第1ブラシ電極2a、第2ブラシ電極2b、第3ブラシ電極2cの各々は、ドナーローラ1上に固定されるのではなく、ドナーローラ1の回転によって位置を変える複数の電極11に接触するように配置される。
【0035】
また、上記の実施形態とは異なる別途の実施形態として、複数の電極11は、ドナーローラ1の両端部で外部に露出され、第1ブラシ電極2a、第2ブラシ電極2bおよび第3ブラシ電極2cは、ドナーローラ1の回転に伴って、露出された複数の電極11に接触するように配置されてもよい。バイアス印加手段30は、第1ブラシ電極2a、第2ブラシ電極2b、第3ブラシ電極2cの各々に接続され、第1ブラシ電極2aに回収バイアスV1を印加し、第2ブラシ電極2bに供給バイアスV2を印加し、第3ブラシ電極2cに現像バイアスV3を印加する。磁気ローラ3はバイアス印加手段30に接続されており、非磁性トナーをドナーローラ1に供給するために、磁気ローラ3には、バイアス印加手段30により磁気ローラバイアスV4が印加される。
【0036】
図7および図8は、現像、トナー回収、トナー供給過程を説明するための説明図である。図7および図8には、ドナーローラ1を中心として、現像、トナー供給、トナー回収(除去)過程が図示されている。供給バイアスV2は、バイアス印加手段30によって、トナー供給領域1b(下流領域1b)に供給され、磁気ローラバイアスV4と共に磁気ローラ3からドナーローラ1に非磁性トナーを供給する電界を下流領域1bに形成する。下流領域1bの電界により、非磁性トナーは、磁気ローラ3上に形成される磁気ブラシからドナーローラ1に供給され、図8の左側の図に図示されているように、ドナーローラ1の外周に均一な非磁性トナー層が形成される。つまり、磁気ローラバイアスV4および供給バイアスV2の電位差によって、磁気ローラ3の外周に形成される磁気ブラシ(非磁性トナーおよび磁性キャリアより構成される)のうち、非磁性トナーのみをドナーローラ1に供給することができる。
【0037】
現像バイアスV3は、バイアス印加手段30によって、現像領域1cに供給され、ドナーローラ1上の非磁性トナー層の非磁性トナーを画像受容体10の静電潜像に塗布して現像するための電界を現像領域1cに形成する。現像領域1cの電界により、ドナーローラ1上の非磁性トナーは、現像ギャップGを横切って画像受容体10に形成される静電潜像に付着され、静電潜像を可視的なトナー画像に現像する。現像ギャップGを通過した後、ドナーローラ1の表面には、図8の中央の図に図示されているように、画像受容体10の静電潜像に塗布されずに現像されていない非磁性トナーが残留する。回収バイアスV1は、バイアス印加手段30によって、トナー回収領域1a(上流領域1a)に供給され、磁気ローラバイアスV4と共にドナーローラ1上の非磁性トナーを除去する電界を上流領域1aに形成する。上流領域1aの電界により、現像されずにドナーローラ1上に残留する非磁性トナーは、図8の右側の図に図示されているように、ドナーローラ1から離れて現像器6の内部または磁気ローラ3の磁気ブラシに回収される。つまり、磁気ローラバイアスV4および回収バイアスV1の電位差によって、ドナーローラ1に残留する非磁性トナーを回収することができる。従って、下流領域1bで供給バイアスV2が印加され、再びドナーローラ1の表面に非磁性トナーを供給すれば、ドナーローラ1の表面には、均一な厚さの非磁性トナー層が形成される。従って、現像領域1cに供給される非磁性トナー層の厚さの不均一から起因する現像ゴーストを防止できる。
【0038】
つまり、本発明の実施形態では、ドナーローラ1の外周面は、上流領域1a、下流領域1bおよび現像領域1cに区分され、上流領域1aに対応して配置される第1ブラシ電極2a、下流領域1bに対応して配置される第2ブラシ電極2b、および現像領域1cに対応して配置される第3ブラシ電極2cの各々を、ドナーローラ1上に形成される複数の電極11の一部に接触するように形成する。第1ブラシ電極2a、第2ブラシ電極2bおよび第3ブラシ電極2cは、バイアス印加手段30に接続される。よって、上流領域1aに位置する第1ブラシ電極2aには、バイアス印加手段30より回収バイアスV1が印加され、下流領域1bに位置する第2ブラシ電極2bには、バイアス印加手段30より供給バイアスV2が印加され、現像領域1cに位置する第3ブラシ電極2cには、バイアス印加手段30より現像バイアスV3が印加されるので、各々の領域に独立したバイアスを印加できる。
【0039】
以下で、ドナーローラ1の連続した回転におけるトナー供給、現像、トナー回収工程について説明する。ドナーローラ1の連続的な回転に従って、現像装置に対するドナーローラ1上の複数の電極11の位置は移動し、各々ブラシ電極はドナーローラ1上で固定されずに対応する複数の電極11に接触するだけなので、ドナーローラ1の回転に伴って、トナー供給、現像、トナー回収工程が複数の電極11において順次実行される。詳しく説明すると、ドナーローラ1の連続した回転において、ある一時点で、下流領域1bに位置する複数の電極11の一部は、第2ブラシ電極2bに印加される供給バイアスV2により、磁気ローラ3からドナーローラ1へ非磁性トナーを供給する電界をドナーローラ1上に形成するので、ドナーローラ1上に非磁性トナー層が形成される。その後のドナーローラ1の回転で、当該複数の電極11の一部は、現像領域1cに移動し、第3ブラシ電極2cに接触する。第3ブラシ電極2cに接触するようになった複数の電極11の一部は、第3ブラシ電極2cに印加される現像バイアスV3により、ドナーローラ1上の非磁性トナーを用いて画像受容体10の静電潜像を現像するための電界をドナーローラ1上に形成するので、ドナーローラ1上の非磁性トナーが画像受容体10の静電潜像に塗布される。さらにその後のドナーローラ1の回転で、第3ブラシ電極2cに接触していた複数の電極11の一部は、上流領域1aに移動し、第1ブラシ電極2aに接触する。第1ブラシ電極2aに接触するようになった複数の電極11の一部は、第1ブラシ電極2aに印加される回収バイアスV1により、現像後にドナーローラ1上に残留する非磁性トナーを除去する電界をドナーローラ1上に形成するので、ドナーローラ1上に残る非磁性トナーが回収される。
【0040】
上記のような過程によって、現像性能に影響を与えずにトナー供給量の調節が可能であり、ドナーローラ1に形成される非磁性トナー層の厚さを均一にし、現像ゴーストを防止できるので、連続印刷時において安定した良好な画像印刷を実現できる。また、本発明の実施形態では、ドナーローラ1の回転の一時点において、回収バイアスV1、供給バイアスV2および現像バイアスV3を、第1ブラシ電極2a、第2ブラシ電極2b、第3ブラシ電極2cの各々にともに印加できるので、従来技術に比べて、均一なトナー層を形成する時間を短縮できるため、高速印刷に有効に適用できる。
【0041】
従来の現像装置で、現像バイアスV3は、ドナーローラ1の外周全体に印加される。現像バイアスV3は、現像領域1cにトナーをドナーローラ1から画像受容体10に現像させる電界を形成する。また、現像バイアスV3は、磁気ローラバイアスV4と共に、下流領域1bにトナーを磁気ローラ3からドナーローラ1に供給する電界を形成する。磁気ローラ3からドナーローラ1へのトナー供給量が不足すれば、ドナーローラ1の表面に形成されるトナー層の厚さが不均一になり、次の現像過程で、以前の現像の残像が残る現像ゴーストが発生する。十分なトナー供給量を得るためには、下流領域1bに印加される電界を調節しなければならないが、現像バイアスV3を調節すれば、現像領域1cでの現像性能に影響を与えてしまう。また、ドナーローラ1上に、均一の厚さのトナー層を形成するためには、現像後に、上流領域1aでドナーローラ1上に残留するトナーを除去する必要がある。しかし従来の現像装置では、上流領域1aにも、トナーを磁気ローラ3からドナーローラ1に供給する電界が作用されるために、ドナーローラ1からトナーを除去し難い。
【0042】
本発明の実施形態に係るハイブリッド方式の現像方法およびハイブリッド方式の現像装置によれば、下流領域1bに電界を形成する供給バイアスV2を、現像領域1cに電界を形成する現像バイアスV3と独立的に調節することができる。従って、現像性能に影響を与えずに十分な量の非磁性トナーがドナーローラ1に供給されるように、供給バイアスV2を調節できる。また、上流領域1aには、供給バイアスV2とは別途に、回収バイアスV1が印加される。従って、現像後に、ドナーローラ1上に残留する非磁性トナーを容易に除去できる。また、現像バイアスV3も、磁気ローラ3からドナーローラ1へのトナー供給特性とドナーローラ1から磁気ローラ3へのトナー回収特性とに影響を与えずに自由に調節でき、現像性能を向上させることができる。
【0043】
例えば、非磁性トナーが負帯電される場合において、供給バイアスV2の直流成分の電位Vsは、磁気ローラバイアスV4の直流成分の電位Vmより高いことが望ましい。また、回収バイアスV1の直流成分の電位Vrは、磁気ローラバイアスV4の直流成分の電位Vmより低いことが望ましい。これにより、ドナーローラ1全体に現像バイアスV3を印加する従来の現像装置に比べ、非磁性トナーを磁気ローラ3からドナーローラ1にさらに良好に移動させることができる。また、ドナーローラ1全体に現像バイアスV3を印加する従来の現像装置に比べ、非磁性トナーをドナーローラ1から磁気ローラ3にさらに良好に移動させ、ドナーローラ1上の非磁性トナーを容易に除去できる。非磁性トナーが正帯電される場合には、供給バイアスV2の直流成分の電位Vsおよび回収バイアスV1の直流成分の電位Vrと、磁気ローラバイアスV4の直流成分の電位Vmとの関係は、非磁性トナーが負帯電される場合と反対である。つまり、非磁性トナーが正帯電される場合では、供給バイアスV2の直流成分の電位Vsは、磁気ローラバイアスV4の直流成分の電位Vmより低いことが望ましい。また、回収バイアスV1の直流成分の電位Vrは、磁気ローラバイアスV4の直流成分の電位Vmより高いことが望ましい。以下で、本発明の実施例と比較例とを比べて、本発明の効果について、具体的に説明する。
【実施例】
【0044】
画像受容体10として有機感光体を使用し、ドナーローラ1と画像受容体10との間の間隔(現像ギャップG)を、例えば250μmに設定した。現像器6内の非磁性トナーは、負帯電させる。画像受容体10の帯電電位(非画像部の電位)を−500V、露光部の電位(画像部の電位)を−100Vとした。磁気ローラ3には、磁気ローラバイアスV4として−300Vの直流バイアスを印加した。第3ブラシ電極2cには、−300Vの直流バイアスに振幅1,000V、周波数1kHzの交流バイアスを重畳した現像バイアスV3を印加した。第2ブラシ電極2bには、−200Vの直流バイアスに振幅500V、周波数2kHzの交流バイアスを重畳した供給バイアスV2を印加した。第1ブラシ電極2aには、−400Vの直流バイアスに振幅500V、周波数2kHzの交流バイアスを重畳した回収バイアスV1を印加した。
【比較例】
【0045】
画像受容体10として有機感光体を使用し、ドナーローラ1と画像受容体10との間の間隔(現像ギャップG)を、例えば250μmに設定した。現像器6内の非磁性トナーは、負帯電させる。画像受容体10の帯電電位(非画像部の電位)を−500V、露光部の電位(画像部の電位)を−100Vとした。磁気ローラ3には、磁気ローラバイアスV4として−400Vの直流バイアスを印加した。ドナーローラ1の外周全体に−300Vの直流バイアスに振幅1,000V、周波数1kHzの交流バイアスを重畳した現像バイアスV3を印加した。
【0046】
上記比較例の場合では、下流領域1bでの非磁性トナーの供給量が十分であり、現像領域1cでの現像量も十分であったが、上流領域1aで、ドナーローラ1上の非磁性トナーが十分に除去されなかった。従って、連続的に磁気ローラ3から非磁性トナー供給を受けると、ドナーローラ1に形成された非磁性トナー層の厚さが不均一となった。この条件で印刷された画像は、良好な画像濃度を有していたが、連続印刷時には、上流領域1aで、ドナーローラ1上の非磁性トナーが十分に除去されなかったので、現像ゴーストが発生した。
【0047】
上記の本発明の実施例の場合では、下流領域1bでの非磁性トナーの供給量が十分であり、現像領域1cでの現像量も十分であった。また、回収バイアスV1が、上流領域1aにおいてドナーローラ1から非磁性トナーを除去するのに十分な電界を形成したので、トナー回収性能も優秀であった。また、連続的に磁気ローラ3から非磁性トナー供給を受けた時、ドナーローラ1に形成された非磁性トナー層の厚さは均一であった。この条件で印刷された画像は、十分な画像濃度を有しており、連続印刷時にも、現像ゴーストのない安定した印刷品質を維持できた。
【0048】
現像後にドナーローラ1から非磁性トナーを除去するためである一変形形態として、上流領域1aにおいて、ドナーローラ1の表面と磁気ローラ3の表面との電位差が0Vになるように、ドナーローラ1の表面と磁気ローラ3の表面の電位を同一にして、回収バイアスV1を調節して非磁性トナーのドナーローラ1への付着力を弱化させる。ドナーローラ1と磁気ローラ3は、上流領域1aおよび下流領域1bにおいて、その表面の移動方向が互いに反対になるように回転する。よって、磁気ローラ3の磁気ブラシがドナーローラ1に接触することにより、ドナーローラ1の表面の非磁性トナーを除去することができる。つまり、本発明の実施形態では、ドナーローラ1の表面と磁気ローラ3の表面の電位を同一にして、回収バイアスV1を調節することにより、磁気ローラ3の磁気ブラシがドナーローラ1の表面に接触し、非磁性トナーのドナーローラ1に対する付着力が低下するため、磁気ブラシ3の磁性キャリアに、ドナーローラ1上の非磁性トナーが付着することで、残存する不要な非磁性トナーを除去できる。
【0049】
上述の実施形態では、単色の現像装置およびこのための現像方法について説明したが、本発明のハイブリッド方式の現像装置およびハイブリッド方式の現像方法は、タンドーム構成を備えるシングルパス方式のカラー現像装置、1つの画像受容体を何回か現像して中間転写体に順次に転写するマルチパス方式のカラー現像装置にも適用される。
【0050】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、電子写真方式の現像装置、特に、磁性キャリアおよび非磁性トナーを使用する現像装置において、現像ゴーストのない安定した印刷品質を具現するハイブリッド方式の現像装置およびハイブリッド方式の現像方法に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】現像ゴーストの発生過程を説明する図面である。
【図2】本発明の実施形態に係るハイブリッド方式の現像方法が適用されるハイブリッド方式の現像装置の一例を図示した構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係るドナーローラの現像領域、上流領域、下流領域を説明する図面である。
【図4】本発明の実施形態に係るドナーローラの一実施形態の断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るドナーローラの一実施形態の端部を図示した斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る第1ブラシ電極、第2ブラシ電極および第3ブラシ電極の配置を図示した図面である。
【図7】本発明の実施形態に係るハイブリッド方式の現像方法において、現像、トナー回収、トナー供給過程を説明する図面である。
【図8】本発明の実施形態に係るハイブリッド方式の現像方法において、現像、トナー回収、トナー供給過程を説明する図面である。
【符号の説明】
【0053】
1 ドナーローラ
1a 上流領域
1b 下流領域
1c 現像領域
2a 第1ブラシ電極
2b 第2ブラシ電極
2c 第3ブラシ電極
3 磁気ローラ
4 撹拌器
5 トリマ
6 現像器
10 画像受容体
11 電極
12 支持体
13 絶縁層
14 樹脂層
21 帯電器
22 露光器
23 転写器
24 クリーニングブレード
25 定着器
30 バイアス印加手段
G 現像ギャップ
P 用紙
V1 回収バイアス
V2 供給バイアス
V3 現像バイアス
V4 磁気ローラバイアス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁力によって磁気ローラの外周に非磁性トナーおよび磁性キャリアより構成される磁気ブラシを形成し、前記磁気ローラから前記磁気ブラシのうち前記非磁性トナーだけをドナーローラに供給して、前記ドナーローラの外周に均一な非磁性トナー層を形成し、前記ドナーローラ上の前記非磁性トナー層の前記非磁性トナーを画像受容体に形成される静電潜像に塗布して現像するハイブリッド方式の現像方法において、
前記ドナーローラの前記磁気ローラに対面する領域は、前記ドナーローラの回転方向を基準に、上流領域と下流領域とに区分され、
前記上流領域には、前記ドナーローラ上の前記非磁性トナーを除去する電界が印加され、
前記下流領域には、前記磁気ローラから前記ドナーローラに前記非磁性トナーを供給する電界が印加されることを特徴とする、ハイブリッド方式の現像方法。
【請求項2】
前記ドナーローラの前記画像受容体に対面する現像領域には、前記ドナーローラ上の前記非磁性トナーによって前記画像受容体の前記静電潜像を現像する電界が印加され、
前記上流領域および前記下流領域に印加される各々の前記電界と前記現像領域に印加される前記電界とは、互いに独立的であることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド方式の現像方法。
【請求項3】
前記ドナーローラの前記外周に複数の電極が配置され、
前記上流領域には、複数の前記電極の一部と接触する第1ブラシ電極が設けられ、前記下流領域には、複数の前記電極の一部と接触する第2ブラシ電極が設けられ、前記現像領域には、複数の前記電極の一部と接触する第3ブラシ電極が設けられ、
前記第1ブラシ電極には、前記非磁性トナーを前記ドナーローラから除去する電界を形成する回収バイアスが印加され、前記第2ブラシ電極には、前記磁気ローラから前記非磁性トナーを前記ドナーローラに供給する電界を形成する供給バイアスが印加され、前記第3ブラシ電極には、前記ドナーローラの前記非磁性トナーを前記画像受容体の前記静電潜像に塗布して現像する電界を形成する現像バイアスが印加されることを特徴とする、請求項2に記載のハイブリッド方式の現像方法。
【請求項4】
前記磁気ローラに印加される磁気ローラバイアスの直流成分の電位がVm、前記供給バイアスの直流成分の電位がVs、前記回収バイアスの直流成分の電位がVrである時、
前記非磁性トナーが負帯電される場合には、Vr<Vm<Vsであり、
前記非磁性トナーが正帯電される場合には、Vs<Vm<Vrであることを特徴とする、請求項3に記載のハイブリッド方式の現像方法。
【請求項5】
前記上流領域において、前記ドナーローラの表面と前記磁気ローラの表面との電位を同一にし、前記磁気ブラシを前記ドナーローラの前記表面に接触させ、前記ドナーローラ上の前記非磁性トナーを除去することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド方式の現像方法。
【請求項6】
磁力によって磁気ローラの外周に非磁性トナーおよび磁性キャリアより構成される磁気ブラシを形成し、前記磁気ローラから前記磁気ブラシのうち前記非磁性トナーだけをドナーローラに供給して、前記ドナーローラの外周に均一な非磁性トナー層を形成し、前記ドナーローラ上の前記非磁性トナー層の前記非磁性トナーを画像受容体に形成される静電潜像に塗布して現像するハイブリッド方式の現像方法において、
前記ドナーローラの前記外周は、複数の領域に区分され、複数の前記領域の各々に独立的なバイアスが印加されることを特徴とする、ハイブリッド方式の現像方法。
【請求項7】
前記ドナーローラの複数の前記領域は、
前記画像受容体と対面する現像領域と;
前記磁気ローラと対面し、前記ドナーローラの回転方向を基準に、上流側となるトナー回収領域および下流側となるトナー供給領域と;
を含み、
前記現像領域には、前記ドナーローラ上の前記非磁性トナーを前記画像受容体の前記静電潜像に付着させる現像バイアスが印加され、前記トナー供給領域には、前記磁気ローラから前記非磁性トナーを前記ドナーローラに供給する供給バイアスが印加され、前記トナー回収領域には、前記ドナーローラ上の前記非磁性トナーを除去する回収バイアスが印加されることを特徴とする、請求項6に記載のハイブリッド方式の現像方法。
【請求項8】
前記磁気ローラに印加される磁気ローラバイアスの直流成分の電位がVm、前記供給バイアスの直流成分の電位がVs、前記回収バイアスの直流成分の電位がVrである時、
前記非磁性トナーが負帯電される場合には、Vr<Vm<Vsであり、
前記非磁性トナーが正帯電される場合には、Vs<Vm<Vrであることを特徴とする、請求項7に記載のハイブリッド方式の現像方法。
【請求項9】
前記トナー回収領域において、前記ドナーローラの表面と前記磁気ローラの表面との電位を同一にし、前記磁気ブラシを前記ドナーローラの前記表面に接触させ、前記ドナーローラ上の前記非磁性トナーを除去することを特徴とする、請求項7に記載のハイブリッド方式の現像方法。
【請求項10】
磁力によって磁気ローラの外周に非磁性トナーおよび磁性キャリアより構成される磁気ブラシを形成し、前記磁気ローラから前記磁気ブラシのうち前記非磁性トナーだけをドナーローラに供給して、前記ドナーローラの外周に均一な非磁性トナー層を形成し、前記ドナーローラ上の前記非磁性トナー層の前記非磁性トナーを画像受容体に形成される静電潜像に塗布して現像するハイブリッド方式の現像装置において、
前記ドナーローラの前記外周に配置される複数の電極と;
前記ドナーローラの前記磁気ローラに対面する領域において、前記ドナーローラの回転方向を基準に、上流領域に対応して位置し、複数の前記電極の一部と接触するように配置される第1ブラシ電極および下流領域に対応して位置し、複数の前記電極の一部と接触するように配置される第2ブラシ電極と;
前記第1ブラシ電極に前記ドナーローラ上の前記非磁性トナーを除去するための回収バイアスを印加して、前記第2ブラシ電極に前記磁気ローラから前記ドナーローラに前記非磁性トナーを供給するための供給バイアスを印加するバイアス印加手段と;
を備えることを特徴とする、ハイブリッド方式の現像装置。
【請求項11】
前記ドナーローラの前記画像受容体に対面する現像領域に対応して位置し、複数の前記電極の一部と接触するように配置される第3ブラシ電極をさらに具備し、
前記バイアス印加手段は、前記ドナーローラ上の前記非磁性トナーを前記画像受容体の前記静電潜像に塗布して現像するための現像バイアスを、前記第3ブラシ電極に印加することを特徴とする、請求項10に記載のハイブリッド方式の現像装置。
【請求項12】
前記ドナーローラの最外周に樹脂層をさらに具備し、
前記ドナーローラの両端部において、複数の前記電極が前記樹脂層から露出されており、
前記第1ブラシ電極、前記第2ブラシ電極および前記第3ブラシ電極の各々は、前記ドナーローラの前記両端部において複数の前記電極の露出される部分に接触するように配置されることを特徴とする、請求項11に記載のハイブリッド方式の現像装置。
【請求項13】
複数の前記電極は、前記ドナーローラの前記外周面において、互いに所定の間隔をおいて配置され、前記ドナーローラの長手方向に延長して形成されることを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載のハイブリッド方式の現像装置。
【請求項14】
複数の前記電極は、前記ドナーローラの前記両端部で外部に露出されており、
前記第1ブラシ電極、前記第2ブラシ電極および前記第3ブラシ電極の各々は、前記ドナーローラの回転に伴って、露出された複数の前記電極に接触するように配置されることを特徴とする、請求項13に記載のハイブリッド方式の現像装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−25693(P2007−25693A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195952(P2006−195952)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】