説明

ハウジング,ロア装置、記録装置及び液体噴射装置

【課題】ハウジング,ロア装置の設計変更を容易にし、部品の共通化を通じて製品コストの削減を図り、ロア部に求められる必要な機械的強度を確保する。
【解決手段】本発明のハウジング,ロア装置600は、電子機器本体10の前面205、左右の側面209、211及び後面207を構成するハウジング部601と、電子機器本体10の底面215を構成するロア部602とが別体に構成されており、このうちロア部602は種々の機種に対応できる汎用性を持たせた構造になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器本体の外観を構成すると共に、内部に設けられる動作実行手段の支持・包囲部材として機能するハウジング,ロア装置及び該ハウジング,ロア装置を本体ケーシングに対して適用した記録装置に関する。
更に本発明はインク等の液体をそのヘッドから吐出(噴射)して被記録材(被液体噴射材)に記録を実行する(液体を付着する)インクジェット式記録装置などの液体噴射装置及び該液体噴射装置の本体ケーシングに対して適用されるハウジング,ロア装置に関するものである。
【0002】
ここで液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録材に記録を行なうプリンタ、プロッタ、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被液体噴射材に噴射して、前記液体を前記被液体噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
【0003】
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【背景技術】
【0004】
携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータあるいはインクジェットプリンタ等の電子機器には電子機器本体の外観を構成すると共に、内部に設けられる動作実行手段の支持・包囲部材として機能するハウジング,ロア装置が設けられている。また近時は下記の特許文献1に示すように持ち運びが可能なポータブルタイプのプリンタのような電子機器も登場して来ており、このようなポータブルタイプの電子機器にあっては特に商品コストが比較的安価に設定されることから、上記ハウジング,ロア装置についても部品の共通化や一層のコストダウンが求められている。
【0005】
従来のハウジング,ロア装置は、電子機器本体の前面、左右の側面及び後面を構成するハウジング部と、電子機器本体の底面を構成するロア部とが一体に構成されていた。従って、電子機器の機種変更や電子機器本体のデザイン変更に伴い、その都度ハウジング,ロア装置全体の設計変更を行っていた。しかし、上記ロア部については通常の姿勢では外観に現れない電子機器本体の底面に位置しているため、上記ハウジング部に比べてそれほどデザイン性は要求されていない。
【0006】
従って、ハウジング部と切り離してロア部を構成できれば、ロア部を共通化してハウジング部のみの設計変更によって上記電子機器本体の機種変更や電子機器本体のデザイン変更に対応できるようになる。特に電子機器本体の内部に設けられる動作実行手段のサイズや機構が完全に共通化している機種にあっては、上述のようにハウジング部と切り離してロア部を構成できれば、製品コストのコストダウンを図る上において著しい効果を得ることができる。しかし、単純にハウジング部とロア部を切り離すと、ロア部は単純な平板形状になってしまい、ロア部の機械的強度が著しく低下することになる。
【0007】
【特許文献1】特開2002−019229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、電子機器の機種変更や電子機器本体のデザイン変更に伴って必要になるハウジング,ロア装置の設計変更を容易にし、部品の共通化を通じて製品コストの削減を図り、ロア部に求められる必要な機械的強度を確保することができるハウジング,ロア装置及び該ハウジング,ロア装置を本体ケーシングに適用した記録装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の第1の態様に係るハウジング,ロア装置は、電子機器本体の外観を構成すると共に、内部に設けられる動作実行手段の支持・包囲部材として機能するハウジング,ロア装置であって、前記ハウジング,ロア装置は電子機器本体の前面、左右の側面及び後面を構成するハウジング部と、電子機器本体の底面を構成するロア部とが別体に構成され、該ロア部は種々の機種に汎用性を持って対応できるように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、ハウジング部とロア部が別体に構成されているから、ハウジング部とロア部をそれぞれ別々に設計することが可能となる。そして、ロア部を種々の機種に対応できる汎用性を持たせた構造にすることによって、ロア部の共通化を通じてハウジング部のみの設計変更によって、電子機器の機種変更や電子機器本体のデザイン変更に対応できるようになり、もってハウジング,ロア装置の一層の製品コストの削減を図ることができる。
【0011】
本発明の第2の態様に係るハウジング,ロア装置は、前記第1の態様において、前記ロア部は段差構造に形成され、該段差の下面の一面が電子機器本体の底面の外観を構成するように露呈され、他面は前記ハウジング側の一部と重なって非露呈となるように構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、ロア部に対して段差構造を適用することによってロア部に求められる必要な機械的強度を確保することが可能となる。また、ロア部における段差部の底面をロア部周辺のハウジング部の底面と面一に構成すれば電子機器本体の底面の外観がすっきりし、電子機器本体の底面のデザイン性向上にも寄与し得る。
【0013】
本発明の第3の態様に係るハウジング,ロア装置は、前記第2の態様において、前記段差構造の前記露呈面部分の裏側となるロア部上面に形成された凹陥部には、ロア部上面と面一になる高さの補強リブが設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、凹陥部に設けた補強リブによってロア部の機械的強度を更に増大することが可能となる。また補強リブの上端面をロア部上面と面一にすることによって電子機器本体内部に設けられる動作実行手段の設置が容易になり、動作実行手段の姿勢が安定する。
【0015】
本発明の第4の態様に係る記録装置は、記録装置本体の外観を構成する本体ケーシングと、本体ケーシングの内部に設けられ、記録装置の種々の動作を実行する動作実行手段と、を備える記録装置であって、前記本体ケーシングは、請求項1〜3のいずれか1項に記載したハウジング,ロア装置によって構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の第4の態様によれば、記録装置の機種変更や記録装置本体の本体ケーシングのデザイン変更に伴って必要になるハウジング,ロア装置の設計変更を容易にし、部品の共通化を通じて製品コストの削減を図り、ロア部に求められる必要な機械的強度を確保することができるハウジング,ロア装置を本体ケーシングに適用した記録装置を提供することが可能になる。
【0017】
本発明の第5の態様に係る液体噴射装置は、液体噴射装置本体の外観を構成する本体ケーシングと、本体ケーシングの内部に設けられ、液体噴射装置の種々の動作を実行する動作実行手段と、を備える液体噴射装置であって、前記本体ケーシングは、液体噴射装置本体の前面、左右の側面及び後面を構成するハウジング部と、液体噴射装置本体の底面を構成するロア部とが別体に構成され、該ロア部は種々の機種に汎用性を持って対応できるように構成されていることを特徴とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本願発明に係るハウジング,ロア装置及び該ハウジング,ロア装置を本体ケーシングに対して適用した液体噴射装置の一例である記録装置について説明する。最初に本願発明の液体噴射装置、そしてその一例である記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ100を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は使用時のインクジェットプリンタの外観を示す斜め前方からの斜視図、図2は持ち運び時のインクジェットプリンタの外観を示す斜め前方からの斜視図である。図3は使用前のインクジェットプリンタの外観を示す斜め後方からの斜視図、図4は本体ケーシングを取り外した状態のインクジェットプリンタの外観を示す斜め前方からの斜視図、また図5は同上、インクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図である。
【0020】
尚、ここで説明するインクジェットプリンタ100は、例えば4×6インチ以下の被液体噴射材の一例である被記録材P(以下単に用紙Pともいう)を対象にした極めてコンパクトで持ち運びが容易な比較的シンプルな構造のインクジェットプリンタである。また、このインクジェットプリンタ100は、パーソナルコンピュータに接続しなくても直接用紙Pに記録の実行ができる、いわゆるダイレクトプリンタと呼ばれているタイプのインクジェットプリンタである。
【0021】
このインクジェットプリンタ100は、図1、図2に示すような角箱状の本体ケーシング10を備えている。尚、インクジェットプリンタ100は電子機器の一例であり、本体ケーシング10は電子機器本体の外観構成部材の一例である。また本発明のハウジング,ロア装置600は上記本体ケーシング10に対して適用され、ハウジング部601とロア部602によって構成される電子機器本体の外観構成部材としての機能と、内部に設けられる動作実行手段の支持・包囲部材としての機能を併せ持つ装置である。また本体ケーシング10はケーシング本体13と、カバー装置14と、操作パネル15と、排出用スタッカ16及びハンドル17とを備えており、本発明のハウジング,ロア装置600はこのうちケーシング本体13に対して適用されている。
【0022】
尚、ケーシング本体13は本体ケーシング10の前面、左右の側面及び後面を閉塞する上記ハウジング部601と、本体ケーシング10の底面を閉塞する上記ロア部602とを備える深底容器状の部材である。また、カバー装置14は図2に示す持ち運び時の状態では本体ケーシング10の開放された上面を閉塞し、図1に示す使用時の状態では後述する給送用トレイ20のペーパーサポートとして機能する装置である。また操作パネル15は図2に示す持ち運び時の状態において上記カバー装置14の下方に位置し、ケーシング本体13の上部開口を閉塞すると共に、種々の操作を実行するための操作ボタン15Bや液晶モニタ15Aが配置されたパネル状の部材である。また排出用スタッカ16は記録実行後の用紙Pを受け取る部材で、上記ケーシング本体13の前面開口を閉塞するように開閉自在に設けられる前面カバーを兼ねた部材である。またハンドル17は上記ケーシング本体13の左右の側面に対して回動可能な状態で接続される門型をした手提げ部17Aを主体として備える装置である。
【0023】
そして、上記操作パネル15上には中央に上記液晶モニタ15A、液晶モニタ15Aの周囲と前面側の隅部に上記操作ボタン15Bが設けられており、操作パネル15の後部には後述する自動給送ユニット2に対して用紙Pを供給するための給送用開口15Cが形成されている。また排出用スタッカ16は下部の左右のコーナー部に回動支点を備えており、この回動支点を中心にして約90°の範囲に亘って上下に回動できるようになっている。また排出用スタッカ16の裏面は図1に示す使用状態では上面に位置するように構成されており、記録実行後の用紙Pを受け取る被液体噴射材受け部の一例である排出用スタッカ16の載置面16Aとなっている。
【0024】
またケーシング本体13の前面開口の上部にはデジタルカメラ等で撮影した画像データを収録したメモリーカード等を挿入するためのメモリーカード用挿入口13Aが設けられている。そして、このインクジェットプリンタ100は、図2に示す持ち運び時の状態では外部に操作ボタン15Bや排出用スタッカ16を拡開するための指掛け部等が一切露出しない極めてシンプルですっきりしたデザインの外観となっている。また、この状態ではインクジェットプリンタ100を動作させることはできず、カバー装置14を拡開し、所定の操作ボタン15Bを押すことによって初めてインクジェットプリンタ100を動作させることができるように構成されている。
【0025】
そして、インクジェットプリンタ100の上記本体ケーシング10を図3に示すように取り外すと、種々の動作を実行する動作実行手段の一例である図示のようなユニット構造体11が現れる。このユニット構造体11は用紙Pの搬送や記録の実行に欠かすことができない機能ごとに分けられた複数の機能ユニットを組み合わせることによって基本的に構成されている。これらの機能ユニットはそれぞれ独立した機能を有しており、各機能ユニット単独で組み立て、動作の確認及び機能検査等が実行できるようになっている。因みに図示のインクジェットプリンタ100におけるユニット構造体11は自動給送ユニット2、搬送案内ユニット3、キャリッジ駆動ユニット4、記録ヘッド・インク吸引ユニット5、チョークバルブユニット6、インク供給路ユニット7、インクチューブユニット8及びインクカートリッジ着脱ユニット9の8つの機能ユニットによって構成されている。
【0026】
このようなユニット構造体11の背面側の上部には自動給送ユニット2が設けられている。自動給送ユニット2は自動的に用紙Pを連続して給送するという機能を有する機能ユニットである。またこの自動給送ユニット2は用紙Pの左右の側縁E(エッジとも言う)に対して共動する2つの可動エッジガイド24、25を当接させて給送用トレイ20上に積畳状態で載置された用紙Pを中央に位置合わせする中央位置合わせタイプの自動給送ユニットである。
【0027】
自動給送ユニット2は、用紙Pを複数枚積畳し得る被液体噴射材積畳部の一例である給送用トレイ20と、給送用トレイ20上の用紙Pを給送用ローラ23に向けて押し上げるホッパ26と、ホッパ26との挟圧送り作用によって給送用トレイ20上の上位の用紙Pをピックアップする給送用ローラ23と、最上位の用紙Pのみが給送されるように重送された後続の用紙Pを最上位の用紙Pから分離する分離作用部の一例である斜面度当て式の分離用斜面21等とを備えている。
【0028】
次に、用紙Pの搬送経路に従ってインクジェットプリンタ100の内部構造の概略を説明する。給送用トレイ20上に載置され可動エッジガイド24、25によって左右の側縁Eが規制された用紙Pは給送用ローラ23の回転軸27の回転に伴って、ホッパ26が所定のタイミングで上昇し、給送用ローラ23に向けて押し上げられる。そして給送用ローラ23の回転に伴って最上位に位置する用紙Pから順番に給送用ローラ23近傍に設けられている分離作用部の一例である分離用斜面21や図示しない戻しレバー等の力を借りて単位数ずつピックアップされ、ピックアップされた用紙Pは可動エッジガイド24、25によって左右の両側縁Eが案内されて用紙搬送方向下流に向けて搬送される。
【0029】
給送用ローラ23の下流には、用紙Pの搬送経路の一部を形作っている経路案内部材22が設けられており、この経路案内部材22によって案内された用紙Pは用紙搬送方向下流に位置する搬送案内ユニット3に導かれる。搬送案内ユニット3は上記自動給送ユニット2によって給送された用紙Pを搬送して記録ポジション12に向けて案内し、更に記録実行後の用紙Pを本体ケーシング10に対して設けられている排出用スタッカ16の載置面16A上に排出するという機能を有する機能ユニットである。
【0030】
搬送案内ユニット3には一体に成形された単一の案内ベース30が設けられており、該案内ベース30における用紙搬送方向の最も上流側には搬送用案内ローラ34が自由回転可能な状態で設けられている。この搬送用案内ローラ34は用紙Pが上記給送用ローラ23と後述する搬送用ローラ31の双方によって挟持されることによって生ずる引張力の増加に伴う搬送抵抗を効果的に低減させて円滑な用紙Pの搬送を実行するために設けられている部材である。そして搬送用案内ローラ34の下流には搬送用駆動ローラ32と搬送用従動ローラ33とによって構成される上記搬送用ローラ31が設けられている。
【0031】
そして、搬送用ローラ31によって挟圧された状態で搬送される用紙Pは下流の液体噴射ポジションの一例である記録ポジション12に向けて案内される。
【0032】
記録ポジション12には用紙Pに記録を実行する液体噴射実行手段の一例である記録実行手段の主たる構成要素として、液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド51が設けられている。記録ヘッド51は記録ヘッド51の図示しないノズル開口に詰まったインクを取り除く液体吸引装置の一例であるインク吸引装置53と一体になって記録ヘッド・インク吸引ユニット5を構成している。記録ヘッド・インク吸引ユニット5は記録ヘッド装置50とインク吸引装置53とによって構成されており、このうち記録ヘッド装置50は上記記録ヘッド51と、該記録ヘッド51を下面に装着した状態で保持するヘッドベース52とを備えることによって構成されている。
【0033】
ヘッドベース52は、次に述べるキャリッジ駆動ユニット4におけるキャリッジ40の前面に水平な姿勢で取り付けられている部材である。またヘッドベース52の上方空間は後述するインクチューブユニット8におけるインクチューブ80やFFC(フレキシブルフラットケーブル)81の撓み変形許容空間として利用されている。またヘッドベース52の上方空間の側方寄りの一部とヘッドベース52の内部空間にはインクチューブ80から流入した各色のインクを記録ヘッド51の図示しない所定のノズル開口に導く、図示しないインクの供給経路が設けられている。
【0034】
一方、インク吸引装置53は、上記記録ヘッド装置50がホームポジションに位置する時の下方空間に設けられている装置でフラッシング時やヘッドクリーニング時においてノズル開口に詰まったインクを吸引除去する役割を有している。そして、インク吸引装置53は上記搬送用駆動ローラ32や排出用駆動ローラ36から動力を得る図示しないギヤ列と、ギヤ列の出力ギヤに接続されて動作する図示しない吸引ポンプと、吸引時において記録ヘッド51の下面に当接してノズル開口を閉塞する図示しないキャップ部と、吸引ポンプとキャップ部を接続する図示しないポンプチューブとを備えることによって基本的に構成されている。
【0035】
キャリッジ駆動ユニット4は、キャリッジ40を主走査方向X(用紙Pの幅方向と一致する)に往復可能に走行させる機能ユニットであり、走行主体であるキャリッジ40と、キャリッジ40の往復駆動手段である図示しないモータと、モータの回転運動をキャリッジ40の直線的な往復運動に変換する2つの図示しないプーリと、2つのプーリ間に巻回される図示しない無端ベルトと、キャリッジ40の往復運動を案内する図示しないキャリッジガイド軸とを備えることによって基本的に構成されている。
【0036】
また、上記記録ヘッド・インク吸引ユニット5には、ユニット構造体11の下部に設けられるインクカートリッジ着脱ユニット9に装着された図示しないインクカートリッジから供給されたインクが途中チョークバルブユニット6及びインク供給路ユニット7を通り、更にインクチューブユニット8におけるインクチューブ80を経て供給されるようになっている。インクカートリッジ着脱ユニット9は比較的大容量の一体型のインクカートリッジを比較的小さな力で装着し取り外すことができる機能ユニットである。具体的にはインクカートリッジ着脱ユニット9はてこの原理を利用しており、ユニット構造体11の背面側に設けられた図示しない操作レバーを操作することによってインクカートリッジをユニット構造体11の背面側から出し入れできるように構成されている。
【0037】
チョークバルブユニット6は、インクカートリッジから供給されたインクの図示しないインク供給路への流入と流入の遮断を弁の開閉によって切り替える機能ユニットである。チョークバルブユニット6は上記排出用駆動ローラ36の回転軸の一端に取り付けられる伝達ギヤ60と噛み合って動力を得るギヤ列61と、ギヤ列61からの動力と図示しない磁石の磁力及び付勢バネの付勢力とによって開閉制御される図示しないチョークバルブとを備えることによって基本的に構成されている。
【0038】
インク供給路ユニット7は、インク供給路に流入した各色のインクを当該インクの色に対応したそれぞれのインクチューブ80に導く機能ユニットである。インク供給路ユニット7はインクカートリッジの図示しないインク吐出孔に刺さる図示しないインク供給針と、該インク供給針と上記チョークバルブ間及び上記チョークバルブとインクチューブ80間を接続する各色のインクごとに区分された図示しないインク供給路とを備えることによって基本的に構成されている。
【0039】
上記記録ヘッド51の下方には、記録ヘッド51と対向して記録ヘッド51下面の図示しないノズル開口との間のギャップPGを規定するプラテン38が設けられている。プラテン38は搬送案内ユニット3における案内ベース30の上面に形成された案内リブ状の部材であり、用紙幅方向に亘って複数設けられている。そして記録ヘッド51とプラテン38との間に用紙Pを主走査方向Xと直交する副走査方向Y(用紙Pの搬送方向と一致する)に所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド51を主走査方向Xに一往復させる間に記録ヘッド51下面の図示しないノズル開口から用紙Pに向けてインクを吐出する動作とを相互に繰り返すことによって用紙Pの被記録面の全面に亘って所望の記録が実行される。尚、上記ギャップPGは高精度の記録を実行する上で極めて重要な要素になっており、用紙Pの厚さの変化等に応じて適宜調節されるようになっている。
【0040】
記録ヘッド51の下流には、排出用駆動ローラ36と、排出用従動ローラ37とによって構成される被液体噴射材排出手段の一例である排出用ローラ35が設けられている。尚、該排出用ローラ35は搬送案内ユニット3の構成部材の1つになっている。そして、排出用ローラ35によって排出された用紙Pは、更に搬送方向下流に位置する被液体噴射材受け部の一例である上記排出用スタッカ16の載置面16A上に排出されるようになっている。
【0041】
排出用従動ローラ37は、その外周に複数の歯を有する歯付きローラであり、図示しない支持フレーム等によって自由回転可能な状態で軸支されている。また上記搬送用従動ローラ33は搬送用駆動ローラ32よりその軸芯位置が幾分搬送方向下流側に位置するように配設されており、一方上記排出用従動ローラ37は排出用駆動ローラ36より軸芯位置が幾分搬送方向上流側に位置するように配設されている。このような配設態様をとることによって用紙Pは搬送用ローラ31と排出用ローラ35との間において僅かに下に凸となる「逆ぞり」と呼ばれる湾曲状態が形成されている。そして用紙Pがこのような形状をとることによって記録ヘッド51に対して対向する位置にある用紙Pはプラテン38上に押し付けられ、用紙Pの浮き上がりが防止されて正常に記録が実行されるようになっている。
【0042】
[実施例]
次に、このようなインクジェットプリンタ100の本体ケーシング10の左右の側面209、211に取り付けられるハンドル17と、本体ケーシング10の天面213に取り付けられるカバー装置14と、本体ケーシング10の前面205に取り付けられる排出用スタッカ16の自動開放装置271と、本体ケーシング10の後面207に取り付けられるバッテリー装置1と、本体ケーシング10の後面207に取り付けられるカートリッジカバー501に対して適用されるインクカートリッジの案内検知装置500と、本体ケーシング10のケーシング本体13に対して適用される本発明のハウジング,ロア装置600について図面に基づいて具体的に説明する。
【0043】
[I]ハンドルの構成と作動態様(図6、図7、図8参照)
図6はハンドルを適用したインクジェットプリンタを示すハンドルが直立姿勢にある時の側面図(a)と、ハンドルが後傾姿勢にある時の側面図(b)である。図7はハンドルが直立姿勢にある時の本体ケーシング内側からの側断面図(a)と、ハンドルが後傾姿勢にある時の本体ケーシング内側からの側断面図(b)である。図8は回動中のハンドルを示す正面からの断面図(a)と、ロック時のハンドルを示す正面からの断面図(b)である。
【0044】
ハンドル17は、その一部がカバー装置14上に位置している状態ではカバー装置14を開閉できない大きさに形成されている。即ち図6(a)及び図7(a)に示すように、ハンドル17が直立姿勢にある時のようにハンドル17がカバー装置14上に位置している時にはカバー装置14の一部が図示のようにハンドル17における手提げ部17Aの内側の部位に当接するためカバー装置14を拡開できないようになっている。一方、ハンドル17が図6(b)及び図7(b)に示すように後傾姿勢にある時のように、ハンドル17がカバー装置14上に位置していない状態では何らカバー装置14の回動を妨げる部材が存在していないからカバー装置14をいっぱいまで後方に拡開できるようになっている。
【0045】
また、このハンドル17は図7(a)に示す持ち運び時の直立姿勢から排出用スタッカ16が備えられた本体ケーシング10の前方側へは回動できないように構成されている。従って手前に拡開された排出用スタッカ16上に手提げ部17Aが作用することはなく、常時円滑な用紙Pの排出が実行されるようになっている。また上述したハンドル17の大きさとも関係し、カバー装置14を上方に拡開し、ペーパーサポートとして機能する使用状態において、カバー装置14上(この場合はカバー装置14の裏面となる)にセットされた用紙Pに手提げ部17Aが作用することはなく、この場合も常時円滑な用紙Pの給送が実行されるようになっている。
【0046】
ハンドル17は直立姿勢において正面視門型をした上述の手提げ部17Aと、該手提げ部17Aの両端部に設けられる係合軸部101とを備えることによって構成されている。このうち手提げ部17Aは一例として矩形断面をした内部が中空の帯状の部材を門型に折り曲げたような形状をしており、使用者が持ち運び時に手で握る一例として水平に設けられているグリップ部102と、該グリップ部102の両端を延長形成し、約90°折り曲げて本体ケーシング10の左右の側面に接続されるアーム部103とを備えている。そして該アーム部103の端部寄りの内面に内側に突出するようにして上記係合軸部101が設けられている。
【0047】
係合軸部101は本体ケーシング10に形成された係合穴部104と係合する部材で、短寸丸棒状の軸部先端側の周面において外方に張り出すように扇形状をした2枚のガイドフランジ105を設けることによって構成されている。またこのうち1枚のガイドフランジ105の一部は更に外方に張り出すように延長形成されており、当該延長形成された部分がストッパ機構の一部である係合軸部101の軸方向に撓み変形可能な当接突片106となっている。またこの当接突片106の内面(本体ケーシング10の側板の内壁面と対向する面)側には半球状をした後述するロック機構の一部である係合凸部107が設けられている。
【0048】
係合穴部104は上記係合軸部101の軸部の外径よりも幾分大きめの内径を有する穴部であり、該穴部の一部にはガイドフランジ105と当接突片106を受け入れることができるような形状の切欠き部108が形成されている。またこのような係合穴部104の同心円の外方には本体ケーシング10の左右の側板の内方に突出するように円弧状の2つのガイドリブ109が設けられている。該ガイドリブ109の内周面は上記ガイドフランジ105の外周面に摺接して係合軸部101の回動を案内するガイド面になっている。また2つのガイドリブ109の円周方向において対向する一方の端面は上記当接突片106に当接することによって係合軸部101の回動を規制するストッパ機構の一部である回動規制面110になっている。また、対向する2つの回動規制面110の間には一例として3つの係合凹部111が設けられている。
【0049】
この係合凹部111は上記当接突片106に形成されている係合凸部107と係合する部材であり、該係合凸部107と共にロック機構を構成する構成部材となっている。係合凹部111は係合穴部104の同心円外方の上記係合凸部107と係合する位置における円周上に一例として3つ設けられている。このうち両端の係合凹部111の一方が図6(a)ないし図7(a)に示す手提げ部17Aの直立姿勢をロックする直立固定凹部112、他方が図6(b)ないし図7(b)に示す手提げ部17Aの後傾姿勢をロックする後傾固定凹部113となっている。またこれらの中間に位置する係合凹部111が手提げ部17Aを直立姿勢と後傾姿勢の中間の位置でロックする中間固定凹部114になっている。
【0050】
次にこのようにして構成されるハンドル17の作動態様を(1)持ち運び時と、(2)使用時に分けて説明する。
【0051】
(1)持ち運び時(図2、図6(a)、図7(a)、図8(a)(b)参照)
ハンドル17を備えたインクジェットプリンタ100を持ち運ぶ場合には、図2、図6(a)及び図7(a)に示すように手提げ部17Aを直立姿勢にする。例えば後述する使用時の状態から持ち運びの状態にする場合には操作ボタン15Bを押して電源を切った後、排出用スタッカ16及びカバー装置14を閉塞状態にし、図示しない電源コードを使用している場合には電源ジャックから電源プラグを抜く。次に後傾姿勢の手提げ部17Aのグリップ部102を手で握って手前上方に向けて回動させる。
【0052】
この際、手提げ部17Aの回動中は図8(a)に示すように当接突片106が本体ケーシング10における左右の側板の内方に撓み変形して係合凸部107が係合凹部111から外れるため両者のロック状態は解除されている。途中、係合凸部107は一旦中間固定凹部114と係合し図8(b)に示すロック状態となるが、再び図8(a)に示すロック解除状態になって、図7(a)に示すように当接突片106が手提げ部17Aの直立姿勢を規制する回動規制面110に当接したところで係合凸部107が直立固定凹部112に係合し、手提げ部17Aの直立姿勢が固定される。
【0053】
(2)使用時(図1、図6(b)、図7(b)、図8(a)(b)参照)
上記持ち運び時の状態のインクジェットプリンタ100を使用する場合には、そのままでは図6(a)に示すようにカバー装置14を拡開することはできないから手提げ部17Aのグリップ部102を手で握って後方下部に向かって回動させる。この際、手提げ部17Aの回動中は図8(a)に示すように当接突片106が本体ケーシング10における左右の側板の内方に撓み変形して係合凸部107が係合凹部111から外れるため、両者のロック状態は解除されている。途中、係合凸部107は一旦中間固定凹部114と係合し図8(b)に示すロック状態となるが、再び図8(a)に示すロック解除状態になって、図7(b)に示すように当接突片106が手提げ部17Aの後傾姿勢を規制する回動規制面110に当接したところで係合凸部107が直立固定凹部112に係合し、手提げ部17Aの後傾姿勢が固定される。
【0054】
そして、図示しない電源コードを使用する場合には、電源ジャックに電源プラグを挿し込み、カバー装置14を拡開して所定の操作ボタン15Bを押して排出用スタッカ16を拡開状態とする。次に給送用トレイ20上に所定枚数の用紙Pをセットし、電源を入れて記録を実行する。
【0055】
尚、ハンドル17は以上述べたような態様の他、以下のような態様を採用することも可能である。例えば、手提げ部17Aの形状は角張った門型形状の他、アーチ形状、U字形状等、湾曲した形状であっても構わない。また手提げ部17Aのグリップ部102の形状を手に馴染んだ握り易い形状にしたり、柔軟な弾性チューブ等を装着した構成とすることも可能である。また係合凸部107と係合凹部111の位置関係を逆にしてハンドル17側に係合凹部111を設け、本体ケーシング10側に係合凸部107を設ける構成にすることも可能である。また係合凸部107と係合凹部111の個数は前述した個数に限らず、適宜変更することが可能である。
【0056】
[II]カバー装置の構成と使用態様(図9〜図12参照)
図9はカバー装置を閉塞した状態のインクジェットプリンタを示す平面図、図10はカバー装置を拡開した状態のインクジェットプリンタを示す平面図である。図11はカバー装置を本体ケーシングに取り付ける前の状態を示す斜視図(a)と、取り付けた後の状態を示す側断面図(b)である。図12はカバー装置を拡開した状態のインクジェットプリンタを示す背面図である。
【0057】
次に、前記ハンドル17と密接に関係するカバー装置14の構成と使用態様について説明する。カバー装置14はインクジェットプリンタ100を使用しない場合には図2や図9に示すように本体ケーシング10の上部開口213を閉塞して操作ボタン15B、液晶モニタ15A及び給送用開口15Cが設けられた操作パネル15を覆い隠すカバー部材として機能する。一方、インクジェットプリンタ100を使用する場合にはカバー装置14は上方に向けて拡開され、図1や図10に示すように給送用トレイ20上にセットされた用紙Pの上部を支承するペーパーサポートとして機能する。
【0058】
カバー装置14はコーナー部が丸く切り落とされた矩形平板状の部材で本体ケーシング10(具体的には本体ケーシング10の上部に取り付けられた操作パネル15の後部側コーナー部に接続される回動基端部)にはカバー装置14の全体の幅寸法よりも幅狭で奥行き寸法の短い矩形平板状の延長フラップ141が形成されている。また延長フラップ141の左右の端部には短寸丸棒状の回動軸142が設けられている。また、カバー装置14の前端縁の中央は矩形状に切り欠かれており、カバー装置14を拡開する場合に指を掛ける指掛け部143となっている。また、カバー装置14の前端部裏面側の左右の隅部には、カバー装置14を閉塞状態とした時、操作パネル15の上面に設置する弾性部材によって形成される脚部144が設けられている。
【0059】
また、上記回動軸142は操作パネル15の後部コーナー部に取り付けられている軸受部材146によって回動自在に保持されている。軸受部材146は対向するように設けられる2つの弾性爪147と、該弾性爪147と一体の基台部148とによって構成されている。従って上記回動軸142を軸受部材146に取り付けたり、取り外す場合には回動軸142を軸と直交する方向に弾性爪147間の間隙部259に向けて押し込んだり引き抜いたりすることによって2つの弾性爪147を弾性変形させ、ワンタッチでカバー装置14の着脱を行うことができるようになっている。また基台部148は側面視「へ」の字状に屈曲した形状を有しており、屈曲したそれぞれの部分に上記弾性爪147が内方に突出するように設けられている。該弾性爪147より外方の端片部が上記カバー装置14の回動軸142近傍の延長フラップ141の上面ないし下面に当接しカバー装置14の回動角度を規制する角度規制面149になっている。そしてこのようなカバー装置14の一例として中央部には閉塞状態のまま操作パネル15上の液晶モニタ15Aを視認することのできる視認窓14Aが開口されている。視認窓14Aはコーナー四隅が丸く加工された矩形状の開口であり、該開口には視認性を有する合成樹脂材料等によって形成される遮蔽板145が嵌められている。
【0060】
また、視認窓14Aは液晶モニタ15Aに表示される表示情報150を外部から確認できる大きさに形成されており、具体的には液晶モニタ15Aより幾分小さめに形成されている。また、視認できる表示情報150としては、電源のON、OFFの確認等、インクジェットプリンタ100の現在の状態情報151、インク残量等のメンテナンス情報152や、用紙サイズや用紙の種類等の設定情報153あるいはデザインや装飾を目的とした静止画や動画等を表示させるデザイン情報154等が含まれる。また表示情報150の種類としては文字や記号あるいは図形、イラスト、写真等の画像が含まれる。
【0061】
次にこのようなカバー装置14の使用の態様を(1)視認窓を表示情報確認窓として使用する場合と、用紙Pのセットの有無の確認をインクジェットプリンタ100の後面側から行う(2)視認窓を後方確認窓として使用する場合に分けて説明する。
【0062】
(1)視認窓を表示情報確認窓として使用する場合(図9参照)
視認窓14Aを表示情報確認窓として使用する場合は図9に示すようにカバー装置14を閉塞状態にする。この状態では上述のように視認窓14Aから液晶モニタ15Aが視認できるため、液晶モニタ15Aに表示された種々の表示情報150を確認できる。そして表示された表示情報150に基づいてインクジェットプリンタ100の電源を切ったり、新しい予備のインクカートリッジを準備したりする。
【0063】
(2)視認窓を後方確認窓として使用する場合(図12参照)
使用者がインクジェットプリンタ100の後部側に位置している時に給送用トレイ20上にセットされた用紙Pの有無を確認する場合にはわざわざインクジェットプリンタ100の前面側に移動しなくても、視認窓14Aを後部側から覗き込むことによって用紙Pの有無が確認できる。即ち、視認窓14Aはセットされる用紙Pが確認できる大きさ及び位置に設定されているため、視認窓14Aを覗き込むことによってセットされた用紙Pの一部が視認できるようになっている。そして用紙Pが存在しない場合にはインクジェットプリンタ100の後部側から用紙Pを補充することも可能である。
【0064】
尚、カバー装置14は以上述べたような態様の他、以下のような態様を採用することも可能である。例えば、カバー装置14に対して設けた視認窓14Aの形状は前述した態様のように液晶モニタ15Aの形状に合わせて矩形穴状に形成する他、円形、楕円形、長円形、他の多角形状の穴等、種々の形状の穴が採用可能である。また視認窓14Aの個数は1個に限らず複数個設けることも可能であり、その場合において表示情報確認窓として使用する視認窓14Aと後方確認窓として使用する視認窓14Aとを使い分けるようにすることも可能である。また視認窓14Aを通して外部から確認できる表示情報150に加えて、該表示情報150に関係する音声情報やメロディ等を流したりすることも可能である。
【0065】
[III]カバー装置の他の構成と作動態様(図13〜図16参照)
図13は一定以上の負荷がカバー装置にかかる前の状態を示す側断面図(a)と、一定以上の負荷がカバー装置にかかった後の状態を示す側断面図(b)である。図14はカバー装置の他の態様を示す図で、一定以上の負荷がかかる前の状態を示す側断面図(a)と、かかった後の状態を示す側断面図(b)である。図15はカバー装置の更に他の態様を示す図で、一定以上の負荷がかかる前の状態を示す側断面図(a)と、かかった後の状態を示す側断面図(b)である。図16は軸受部材の他の態様を示す図で、一定以上の負荷がかかる前の状態を示す側断面図(a)と、かかった後の状態を示す側断面図(b)である。
【0066】
次にカバー装置14が備えるカバー装置14の着脱構造を中心にした他の構成と作動態様について説明する。尚、本明細書中で使用する正面側とは、インクジェットプリンタ100の使用時に使用者がインクジェットプリンタ100に対峙する側であり、背面側とは上記正面側の反対の側を意味する。またより方向を簡単に表現する場合には正面側を前側、背面側を後側と表現する場合もある。
【0067】
インクジェットプリンタ100は、図2に示すようにほぼ直方体形状の本体ケーシング10を有しており、この本体ケーシング10は正面205、背面207、左右の側面209、211、天面213及び底面215によって構成されている。本体ケーシング10の天面213には、カバー装置14が背面207側に回動して天面213が開放可能となるように設けられている。
【0068】
図10に示す如く、本体ケーシング10の天面213に設けられる操作パネル15には、操作ボタン15Bの一例である電源スイッチ227、電源インジケータ228、液晶モニタ15A、液晶モニタ15Aの操作用の左右移動ボタン231、液晶モニタ15Aのメニュー選択ボタン233、用紙選択ボタン235、用紙選択表示部237、記録実行ボタン239、全て記録実行ボタン241、液晶モニタ15Aにおいて選択を実行するOKボタン243、キャンセルボタン245及び排出用スタッカ開放ボタン247が設けられている。排出用スタッカ開放ボタン247の作用については後述する。
【0069】
カバー装置14は、本体ケーシング10の天面213のほぼ全体を覆う大きさであり、その閉鎖時には操作パネル15の全体がカバー装置14によって覆われる。これにより、不使用時に液晶モニタ15Aにほこりが溜まり見にくくなったり、操作パネル15上の操作ボタン15Bの隙間にほこりが入り込み、故障の原因となることを防止できる。また操作パネル15に物が落下した場合等による衝撃から操作パネル15を物理的に保護することができる。更に本実施例のようにインクジェットプリンタ100の対象機種をモバイルタイプにした場合には、机やテーブルに置いて使用されるより、むしろ室内や屋外で手軽に移動して種々の場所で使用されることが想定される。このような場合に、操作パネル15の全体がカバー装置14によって覆われていることで、移動時に不用意にスイッチがONになることを防止できる。
【0070】
またカバー装置14の背面側には前述したようにカバー装置14の回動軸142が設けられている。カバー装置14の回動軸142は、本体ケーシング10の天面213の背面側に形成された前述した軸受部材146と組み合わさることによりカバー装置14の回動部を構成している。
【0071】
即ち図11に示す如く、カバー装置14の回動軸142は一定の直径を有し、一方軸受部材146は断面C型で、その間隙部259が回動軸142の直径より小さい受入長さ254を有し、受入保持部261が回動軸142の直径とほぼ同じか若干大きめの内径寸法を有する。カバー装置14を本体ケーシング10に取り付ける際には、回動軸142を軸受部材146の間隙部259に臨ませた状態で、回動軸142を軸受部材146の間隙部259から受入保持部261の方向へ押し込む。これにより断面C型の間隙部259が一時的に弾性的に拡がり、両方の回動軸142が軸受部材146内に入り込むことができる。一旦回動軸142が軸受部材146内に入り込むと、回動軸142は軸受部材146内で回転自在であるから、カバー装置14は本体ケーシング10に対して回動軸142を中心として回動可能となる。
【0072】
回動軸142の近傍の延長フラップ141の一部はストッパとして機能しており、この延長フラップ141はカバー装置14が図1に示す角度の位置まで回動したときに軸受部材146の間隙部259の上側に形成された角度規制面149に当接し、カバー装置14がそれ以上回動しないようにしている。このような位置までカバー装置14が回動したとき、図1に示す如くカバー装置14は天面213に対してほぼ120度の角度で保持された状態となり、カバー装置14の裏面側がペーパーサポートとして機能する。つまり4×6インチなどの比較的長めの用紙Pに記録を行う場合、カバー装置14の裏面側において複数枚の用紙Pのほぼ上半分側を支持するように機能する。因みにこのようにカバー装置14自体がペーパーサポートとしても機能するから、従来のようにペーパーサポートをインクジェットプリンタ100とは別個の部材として管理する手間が必要なくなる。
【0073】
カバー装置14を急激に開けたり、あるいはカバー装置14の開放状態(図13(a)参照)で人がカバー装置14に衝突した場合など、カバー装置14を更に開放する方向(図13(b)中、矢印272で示す)に一定以上の負荷がかかった場合(図13(b)参照)には、延長フラップ141の一部が支点となりカバー装置14が更に開放方向に回動する。これにより回動軸142が間隙部259内に入り込み、間隙部259の弾性力に抗して受入長さ254よりも間隙部259を一時的に拡げて、軸受部材146から回動軸142が着脱可能になっている。これにより、上記のような衝撃があった場合、回動軸142や軸受部材146自体が破損することを防止できる。
【0074】
間隙部259の受入長さ254及び間隙部259の開閉方向への弾性率は、少なくともカバー装置14の裏面に最大枚数の用紙Pを載置した際にカバー装置14の裏面にかかる負荷以上の負荷がかかった場合に、回動軸142が軸受部材146から着脱できるように設定されている。
【0075】
またカバー装置14の着脱構造を異ならせた他の態様として、図14に示す如く、カバー装置14の開放状態においてカバー装置14を更に開放する方向に一定以上の負荷がかかった場合に、上記延長フラップ141の一部を支点としてカバー装置14が更に開放方向272に回動しようとするときに、回動軸142が移動しようとする方向(図中、符号274で示す)に受入保持部261が間隙部259まで延びて形成されているようにしてもよい。受入保持部261及び間隙部259の位置がこのように規定されることにより、回動軸142が移動しようとする際の接線方向に受入保持部261及び間隙部259が形成されていることになるから、回動軸142がより容易に軸受部材146から外れやすくなる。
【0076】
図15にはカバー装置14の着脱構造を異ならせた更に他の態様を示す。この態様では、支点としての上記延長フラップ141の一部より後方に別の支点317が形成されている。カバー装置14の開放状態においてカバー装置14に一定以上の負荷がかかるまでは上記延長フラップ141の一部に角度規制面149が当接してカバー装置14の開放状態が維持される。一方、カバー装置14に一定以上の負荷がかかったときは、カバー装置14が更に開放方向272に僅かに回動することでカバー装置14の別の部位319が別の支点317に当接するようになる。そして別の支点317を中心にしてカバー装置14が更に開放方向272に回動しようとするときに、回動軸142が移動しようとする方向(符号321で示す)に受入保持部261が間隙部259まで延びて形成されている。このような構成により、カバー装置14に一定以上の負荷がかかるまでは回動軸142が軸受部材146から誤って外れにくいが、カバー装置14に一定以上の負荷がかかると、回動軸142が移動しようとする際の接線方向に受入保持部261及び間隙部259が形成されていることになるから、回動軸142がより容易に軸受部材146から外れやすくなる。
【0077】
次に図16を参照しながら軸受部材146の構成を異ならせた他の態様について説明する。本態様では、受入保持部261及び間隙部259は図11に示す態様と同様であるが、受入保持部261の間隙部259とは反対側に比較的大きな中空部278が形成されており、また中空部278と受入保持部261との間には弾性変形可能な軸受接続部280が形成されている点で異なる。そして受入保持部261に間隙部259側への一定以上の力成分が作用したとき、軸受接続部280は間隙部259の受入長さ254が拡がるように弾性変形可能である。
【0078】
このような態様では、カバー装置14の開放状態においてカバー装置14に一定の負荷(図16(a)に示すf1)がかかるが、軸受接続部280は変形せず、図16(a)に示す如く、中空部278は高さhに維持される。またこのとき間隙部259の受入長さ254は回動軸142の直径より小さいため、回動軸142が間隙部259から出ることができない。一方、カバー装置14に一定以上の負荷がかかったときには、カバー装置14が更に開放方向272に僅かに回動することに伴い、図16(b)に示すようにf1がf2(f2>f1)に増加して弾性変形可能な軸受接続部280が間隙部259側へ僅かに変形し、中空部278は高さはh’(h’>h)となる。そして軸受接続部280の変形に伴い、図16(b)に矢印323で示す如く間隙部259の受入長さ254が拡がり、その結果、回動軸142がより容易に軸受部材146から外れやすくなる。
【0079】
この他、図1、図10に戻り、本体ケーシング10の天面213には突起状の電源オフスイッチ268が設けれている。この電源オフスイッチ268は、インクジェットプリンタ100の電源がオンの状態のままカバー装置14を閉鎖したときに、カバー装置14の裏面側の部位が電源オフスイッチ268を押し込んでインクジェットプリンタ100の電源をオフの状態にする機能を有する。
【0080】
[IV]排出用スタッカの自動開放装置の構成と作動態様(図17〜図19参照)
図17は排出用スタッカの自動開放装置を示す分解斜視図、図18は排出用スタッカの自動開放装置の開放動作前の状態を示す左側面図(a)と平面図(b)である。また図19は排出用スタッカの自動開放装置の開放動作時の状態を示す左側面図(a)と平面図(b)である。
【0081】
次に、排出用スタッカの自動開放装置271の構成と作動態様について説明する。図2に示す如く、排出用スタッカ16は、不使用時には本体ケーシング10の正面205と面一となるように収納されている。また使用時には図1に示す如く、正面205の下端に設けられた回動軸269の周りで回動することにより、ほぼ水平な状態まで回動可能である。尚、回動軸269には図示しないダンパー構造が適用されており、排出用スタッカ16は開放速度が制御された状態で比較的ゆっくりと開放可能である。また図1に示す如く、排出用スタッカ16を開放した状態では、記録実行後の用紙Pが排出されてくるための排出口266と、メモリー挿入口13Aが形成された面が現れるようになる。
【0082】
図17に示す如く、排出用スタッカ16を開放するために、上述したように排出用スタッカ開放ボタン247が排出用スタッカの自動開放装置271の構成部品として本体ケーシング10の天面213に設けられている。排出用スタッカの自動開放装置271は、基部273及び延長部275から構成される本体枠276と、基部273内に上下方向に移動可能であり上部に排出用スタッカ開放ボタン247が形成されているボタン構成部材277と、ボタン構成部材277の内部に組み込まれ前後方向(正面と背面の方向)に移動可能な摺動部材279と、摺動部材279の一端に回動接続部281を介して回動自在に接続され、他端側には本体枠276の延長部275方向へ延びるアーム部283が形成されている開放作用アーム285と、延長部275の先端付近に収容されている永久磁石287とを備えて成る。
【0083】
ボタン構成部材277の互いに対向する両側面289には、背面側上方から正面側下方にかけて斜めに形成されたスリット291が形成されている。ボタン構成部材277の内側にはコイルバネ293が上下方向に圧縮状態で固定されており、コイルバネ293の作用によりボタン構成部材277は常時上方へ付勢されている。
【0084】
摺動部材279の正面側下端からはボタン構成部材277及び本体枠276の基部273を貫通して延びる前側延長部295が形成され、一方摺動部材279の背面側からはボタン構成部材277及び本体枠276の基部273を貫通して延びる後側延長部297が形成されている。また摺動部材279の両側面299にはバー301が貫通しており、このバー301がボタン構成部材277の両側面289に形成された2つのスリット291を貫通している。更にバー301は、本体枠276の基部273の両側面303に形成された切欠き305を貫通している。そして上述したようにコイルバネ293の作用によりボタン構成部材277は常時上方に付勢されているため、バー301は両方の切欠き305の上辺307に常時当接状態にあり、バー301が前後方向へ移動する際には、切欠き305の上辺307によって案内されるようになっている。
【0085】
摺動部材279の前側延長部295には、上述の回動接続部281を介して開放作用アーム285が接続されており、開放作用アーム285は本体枠276の基部273と延長部275との境界付近に位置する回動支点309を中心にして回動可能である。開放作用アーム285のアーム部283はほぼ弓形に湾曲しており、その先端には開放作用端311が形成されている。アーム部283は、本体枠276の延長部275に形成された切欠き部313内で前後方向に移動可能であり、前側(正面側)に移動したとき開放作用端311が本体枠276の延長部275の正面側から大きく突出するようになっている。
【0086】
尚、上記の構成によれば、排出用スタッカ開放ボタン247が本体ケーシング10の天面213に設けられており、不使用時にはカバー装置14によって覆われているから、例えば運搬時などに誤って排出用スタッカ16が開放してしまうことを防止できる。また排出用スタッカ16を開放するための取っ手などを排出用スタッカ16に設ける必要がないから、排出用スタッカ16の閉鎖時に排出用スタッカ16と本体ケーシング10の正面205を面一にすることができ、インクジェットプリンタ100全体をすっきりとしたデザインにするために貢献できる。
【0087】
次に、このような排出用スタッカの自動開放装置271により排出用スタッカ16を開放する際の作動態様について説明する。排出用スタッカ16の上部には鉄等の磁性部材315が設けられており、排出用スタッカ16の閉鎖時には、磁性部材315が延長部275の永久磁石287に吸着されて排出用スタッカ16の閉鎖状態が維持されるようになっている。この状態で使用者が排出用スタッカ開放ボタン247を押すと、バー301が斜めに形成されたスリット291及び切欠き305の上辺307に沿って背面側へ移動する。これに伴い摺動部材279も背面側へ移行する。そして開放作用アーム285が図19の時計回りに回動することで、開放作用端311が排出用スタッカ16を前方へ押し込み、永久磁石287と磁性部材315との吸着力に打ち勝って排出用スタッカ16を前方側へ開放させることができる。また排出用スタッカ16を閉鎖する場合には、使用者が排出用スタッカ16を垂直になる方向に回動させることで磁性部材315と永久磁石287とが吸着して閉鎖状態が維持されるようになる。
【0088】
尚、排出用スタッカ16が閉鎖している状態で誤って記録が行われることを防止するために、排出用スタッカ開放ボタン247を押す動作がトリガーになって用紙Pの給送及び記録の実行を行えるようにしてもよい。
【0089】
[V]バッテリー装置の構成と着脱の手順及び作動態様(図20〜図24参照)
図20はバッテリー装置を取り付けた状態のインクジェットプリンタを示す斜め後方からの斜視図、図21はバッテリー装置を取り付ける、あるいは取り外す途中の状態のインクジェットプリンタを示す斜め後方からの斜視図である。また図22はバッテリー装置の分解斜視図、図23はバッテリー装置を本体ケーシングに取り付けた状態を示す要部平面図(a)と、バッテリー装置を取り付ける、あるいは取り外す途中の状態を示す要部平面図(b)である。そして、図24はバッテリー装置を取り外した状態の同プリンタの斜め後方からの要部斜視図(a)と、端子保護カバーが押し込まれた状態の同要部斜視図(b)である。
【0090】
バッテリー装置1は、電子機器本体の一例である本体ケーシング10の後面207に対してバッテリーロック機構401を介して着脱自在に取り付けられる。そしてバッテリー装置1自体に上記バッテリーロック機構401が備えられていることを特徴としている。バッテリー装置1は、外観を構成するバッテリーケース402と、バッテリーケース402内に収容されるバッテリー403と、上記バッテリーケース402の左右の一方の端面404側に設けられる上述したバッテリーロック機構401と、上記バッテリーケース402の左右の他方の端面405に設けられる係止凸部406とを備えることによって基本的に構成されている。
【0091】
バッテリーケース402は左右方向に長い角箱状の部材であり、蓋部407と、ケース本体408とによって構成されている。またバッテリーケース402の内部空間は仕切壁409によってバッテリー収容室410と、バッテリーロック機構収容室411とに仕切られている。バッテリーロック機構収容室411内に収容されるバッテリーロック機構401は本体ケーシング10側に設けられる一方の係止凹部412に係止されるロック爪413と、該ロック爪413に突出傾向を付与する付勢手段の一例である圧縮コイルバネ414とを備えることによって構成されている。またロック爪413にはロック爪413と一体になって左右方向も移動し得るロック解除操作片415が一体に形成されている。
【0092】
即ち、ロック爪413はロック解除操作片415と組み合わさった一体成形品416によって構成されている。そして該一体成形品416はバッテリーケース402と同様の絶縁性を有するプラスチック成形材料によって形成されている。一体成形品416の内部は中空に形成されていて、該中空部の中心付近には左右方向に延びる支持ポスト417が設けられている。尚、この支持ポスト417には上記圧縮コイルバネ414の一端部が外嵌し、圧縮コイルバネ414の他端部はバッテリーロック機構収容室411内に設けられているバネ受け部418によって支持されるようになっている。また一体成形品416の上面と下面(図22では左右の側面に位置する)には左右方向に平行に延びる2本の突条419が設けられており、これらの突条419はバッテリーロック機構収容室411内に設けられている上下(図22では左右の側面に位置する)のガイド壁420に摺接し、一体成形品416の図22中、符号Aで示す左右方向の移動を案内するようになっている。
【0093】
またロック爪413はバッテリーケース402の左右の一方の端面404に対して出没自在に設けられている。そしてバッテリーケース402の左右の一方の端面404から突出する部分の前面(図22では下面に位置する)が本体ケーシング10の係止凹部412に係止するフラットな係止作用面421になっている。一方、バッテリーケース402の左右の一方の端面404から突出する部分の後面(図22では上面に位置する)は先端に行くに従って厚さが小さくなるように形成されたテーパ状の傾斜案内面422になっている。また上記係止凸部406は一例として断面がコの字形状をした凸部であり、該係止凸部406によって囲まれた内部にはバッテリー403の図示しない電気接点が臨むようになっている。そしてこのようにして構成されるバッテリー装置1を本体ケーシング10に取り付けたり、取り外す際には本体ケーシング10の他方の係止凹部423に対して係止される上記係止凸部406を支点としてバッテリー装置1全体を水平方向に回動させることによって行うように構成されている。
【0094】
次に、バッテリー装置1の本体ケーシング10に対する着脱の手順と着脱時のバッテリー装置1の作動態様を図23(a)(b)に基づいて説明する。図23(a)に示すように本体ケーシング10に取り付けられている状態のバッテリー装置1を本体ケーシング10から取り外す場合には、左右いずれか片方の手でバッテリーロック機構401が設けられているバッテリーケース402の一方の端面404側の部位(例えば上面と下面)をつかんで指でロック解除操作片415を押し込む。そして上記押し込み動作によってロック解除操作片415がバッテリーケース402の他方の端面405側に移動すると、ロック爪413も一体になって同方向に移動するため、ロック爪413と一方の係止凹部412との係止状態が解除される。
【0095】
次に、この状態から図23(b)に示すようにバッテリーケース402の一方の端面404側の部位をつかんだままバッテリー装置1をバッテリーケース402の他方の端面405に設けられている係止凸部406を支点として図中、反時計方向に回動させる。そして当該バッテリー装置1の回動操作によって係止凸部406と他方の係止凹部423との間の係止状態が解除されるため、片手操作で簡単にバッテリー装置1を本体ケーシング10から取り外すことができる。
【0096】
一方、本体ケーシング10にバッテリー装置1を取り付ける場合には、図23(b)に示すように左右いずれか片方の手でバッテリーロック機構401が設けられているバッテリーケース402の一方の端面404側の部位(例えば上面と下面)をつかんで持ち、バッテリーケース402の他方の端面405に設けられている係止凸部406を本体ケーシング10の他方の係止凹部423に係止させる。そして上記係止凸部406を支点として図中、時計方向にバッテリー装置1を回動させると、ロック爪413の傾斜案内面422が本体ケーシング10の一方の係止凹部412近傍の縁部Bに当接するようになる。またロック爪413は上記縁部Bとの当接によって圧縮コイルバネ414の付勢力に抗してバッテリーケース402の他方の端面405側に移動してバッテリーケース402内に没した状態になるため、バッテリーケース402の一方の端面404側の部位は本体ケーシング10の後面207に形成されているバッテリー収容凹部424内に進入できるようになる。バッテリー装置1がバッテリー収容凹部424内に完全に進入した状態では、ロック爪413と本体ケーシング10の上記縁部Bとの当接状態が解除されるため、圧縮コイルバネ414の付勢力によってロック爪413は再び突出状態になって一方の係止凹部412に係止されるようになり、片手操作で簡単にバッテリー装置1を本体ケーシング10に取り付けることができる。
【0097】
図24(a)に示したように、バッテリー収容凹部424の前記係止凹部423にはバッテリー装置の端子部(図示せず)と電気的に接続される端子433を覆って保護する端子保護カバー431が、図示しない付勢部材によって出状態に付勢されて設けられている。この端子保護カバー431は、バッテリー装置1の前記係止凸部406を前記係止凹部423部分に係止させる際に押し込まれるようになっている。図24(b)は端子保護カバー431が押し込まれた状態を見やすくするためにバッテリー装置1が省略されて描かれている。
【0098】
尚、バッテリー装置1は以上述べた態様の他、以下のような態様を採用することも可能である。例えば、バッテリー装置1の適用対象はインクジェットプリンタ100等の記録装置や該記録装置以外の他の液体噴射装置等に限らず、他の種々の電子機器に拡大することが可能である。またバッテリー装置1を取り付ける位置は本体ケーシング10等の電子機器本体の後面207に限らず、底面215や左右の側面209、211等、他の面であっても構わない。またバッテリー装置1を着脱する際に行うバッテリー装置1の回動方向は前述したような水平方向に限らず、垂直方向等、他の方向であってもよい。
【0099】
[VI]インクカートリッジの案内検知装置の構成と作動態様(図25〜図27参照)
図25はカートリッジカバーを拡開した状態のインクジェットプリンタを示す斜め後方からの斜視図、図26はインクカートリッジ挿入時の案内検知装置の作動態様を示す平面図である。また図27はカートリッジカバーを閉塞した時の案内検知装置の作動態様を示す平面図である。
【0100】
インクカートリッジの案内検知装置500は本体ケーシング10の後面207の最下部に設けられるカートリッジカバー501に対して設けられている。カートリッジカバー501は矩形平板状のカバー本体502と、カバー本体502の下方の左右コーナー部付近に設けられる回動軸部503と、カートリッジカバー501における裏面側の左右の端辺寄りの部位の少なくとも一方に設けられるインクカートリッジの案内検知装置500とを備えることによって基本的に構成されている。また図示の実施例では上記カバー本体502の上辺部の一部にカートリッジカバー501を拡開する場合に使用する指掛け部504が設けられており、カバー本体502の裏面には上記回動軸部503を水平に支承する2つの支承リブ511、512が設けられている。また上記指掛け部504の片側の側傍には金属平板509が貼設されており、本体ケーシング10の対応する位置には当該金属平板509に吸着するマグネットキャッチ510が設けられている。
【0101】
カートリッジカバー501は常時は本体ケーシング10の後面207の下部に開口しているカートリッジ挿入開口506を閉塞しており、インクカートリッジ90の着脱時において図25に示すように手前側に回動させて拡開状態にして使用される。そして該カートリッジカバー501のカバー本体502の裏面に設けられるインクカートリッジの案内検知装置500は上記カートリッジカバー501の閉塞状態を検知して、インクジェットプリンタ100の動作を可能にするカバーセンサ507の検知対象である打切り板508にインクカートリッジ90を装着する際の案内部材としての機能を持たせたものである。また図示の実施例では上記打切り板508に回動軸部503を支承する支承リブとしての機能を更に持たせている。
【0102】
即ち、打切り板508は本体ケーシング10を後方から見た状態で右側に位置する支承リブ511と一体に設けられており、該支承リブ511の形状と左右方向の位置を所望の形状と最適な位置に設定することによってインクカートリッジの案内検知装置500は構成されている。具体的にはインクカートリッジの案内検知装置500を構成する右側の支承リブ511は左側の支承リブ512より高く、図25中、手前側に張り出すように左側の支承リブ512より長めに形成されている。そして該右側の支承リブ511の図25中、手前側の上部は上方に更に突出しており、当該突出した部分が実質的に打切り板508として機能する部分になっている。また右側の支承リブ511の内壁面はインクカートリッジ90をカートリッジ挿入開口506に挿入する際に基準となるインクカートリッジ90の一方の側面513に摺接して案内し得る位置となるように設定されている。
【0103】
次にこのようにして構成されるインクカートリッジの案内検知装置500の作動態様を(1)インクカートリッジを挿入する場合と、(2)カートリッジカバーを閉塞する場合に分けて説明する。
【0104】
(1)インクカートリッジを挿入する場合(図26参照)
インクカートリッジ90をカートリッジ挿入開口506に挿入する場合には図26に示すようにインクカートリッジ90の基準となる一方の側面513を右側の支承リブ511の内壁面に当接させ、該内壁面に沿わせてカートリッジ挿入開口506側に押し込むようにする。尚、この時打切り板508はインクカートリッジ90の挿入に邪魔にならない位置に設けられているから、インクカートリッジ90の挿入は円滑に実行される。そして所定ストローク、インクカートリッジ90を押し込んだ後、インクカートリッジ着脱ユニット9の図示しない操作レバーを操作してインクカートリッジ90を装着完了位置まで更に押し込む。
【0105】
(2)カートリッジカバーを閉塞する場合(図27参照)
インクカートリッジ90の装着が完了したらカートリッジカバー501のカバー本体502を上方に回動させてカートリッジカバー501を閉塞状態とする。この状態では図27に示すように打切り板508がカバーセンサ507に作用してカートリッジカバー501の閉塞状態をカバーセンサ507に検知させてインクジェットプリンタ100の動作を可能にする。またカバー本体502の裏面に貼設されている金属平板509が本体ケーシング10側のマグネットキャッチ510に吸着することによって当該カートリッジカバー501の閉塞状態が維持される。
【0106】
尚、インクカートリッジの案内検知装置500は以上述べたような態様の他、以下のような態様を採用することも可能である。例えば、インクカートリッジの案内検知装置500を適用する支承リブは前記態様のように右側の支承リブ511に限らず、左側の支承リブ512でもよく、左右両方の支承リブ511、512に対してインクカートリッジの案内検知装置500を適用することも可能である。また打切り板508と支承リブ511、512とを別部材にして打切り板508の形状や位置をインクカートリッジ90の挿入を案内する案内部材としても機能する形状や位置にすることも可能である。また打切り板508の形状はカバーセンサ507の種類、取付位置、大きさ等に応じて適宜調整することが可能である。
【0107】
[VII]ハウジング,ロア装置の構成と作用効果(図28、図29参照)
図28は本発明のハウジング,ロア装置をインクジェットプリンタの本体ケーシングに適用した実施例を示す分解斜視図、図29は同上、ハウジング部とロア部の接合部周辺を拡大して示す側断面図である。
【0108】
本発明のハウジング,ロア装置600は、前述したようにハウジング部601とロア部602とによって構成されており、ハウジング部601とロア部602が別体に構成されていることを特徴としている。ハウジング部601は本体ケーシング10の前面205、左右の側面209、211及び後面207を構成する部材で、主に本体ケーシング10の外観構成部材として機能する。ハウジング部601の底面中央部には図示のような開口部603が設けられており、この開口部603を塞ぐように上方から以下述べるロア部602が宛がわれ、図示を省略した締結手段や結合手段を利用してハウジング部601とロア部602は接合される。
【0109】
一方、ロア部602は本体ケーシング10の底面215を構成する部材で、主に本体ケーシング10の内部に収容される動作実行手段の一例であるユニット構造体11の支持・包囲部材として機能する。従ってロア部602にはユニット構造体11の支持・包囲部材として機能するのに十分な機械的強度が求められており、該機械的強度を得るための構成がロア部602には備えられている。即ち、ロア部602には図示ような段差構造604が採用されており、該段差構造604をロア部602に設けることによってロア部602の機械的強度とロア部602の軽量化とが図られている。
【0110】
段差構造604は上記ハウジング部601に形成されている開口部603に嵌まる凸部605によって構成されており、該凸部605の底面610はハウジング部601にロア部602が嵌め込まれた状態において、開口部603の周囲のハウジング部601における底面611とほぼ面一になるように設定されている。また該凸部605の内部は中空に形成されており、該中空部は上面が開放された凹陥部606によって構成されている。また該凹陥部606には補強リブ607が設けられており、該補強リブ607の上端面608は凹陥部606の外周に位置するロア部602の上面609とほぼ面一になるように設定されている。またロア部602は種々のインクジェットプリンタ100に対応できる汎用性を持たせた構造になっている。
【0111】
次に、このようにして構成されるハウジング,ロア装置600の作用効果について説明する。最初に、ハウジング部601とロア部602を別体に構成することによってハウジング部601とロア部602をそれぞれ別々に設計することが可能になる。そして、ロア部602を種々のインクジェットプリンタ100に対応できる汎用性を持たせた構造にすることによってロア部602の共通化を図ることができるようになる。従って、ハウジング部601のみの設計変更によってインクジェットプリンタ100の機種変更や本体ケーシング10のデザイン変更に対応できるようになり、設計コストの削減と設計時間の短縮を図ることができる。
【0112】
またロア部602に対して段差構造604を適用した作用効果として、ユニット構造体11を支承するのに十分な機械的強度が確保でき、ロア部602の軽量化を達成することが可能となる。またロア部602における凸部605の底面610をロア部602周辺のハウジング部601の底面611と面一に構成することによって本体ケーシング10の底面215の外観がすっきりするため、特に持ち運び可能で本体ケーシング10の底面215が見える可能性のある図示ようなポータブルタイプのインクジェットプリンタ100に有効であり、本体ケーシング10の底面215のデザイン性向上に寄与し得るようになる。また凹陥部606に補強リブ607を設けた作用効果としてロア部602の機械的強度を更に増大することが可能になる。また補強リブ607の上端面608をロア部602の上面609と面一に構成することによって本体ケーシング10に対するユニット構造体11の設置が容易になり、設置したユニット構造体11の姿勢の安定性が向上するようになる。
【0113】
[他の実施例]
本願発明に係るハウジング,ロア装置600及び該ハウジング,ロア装置600を本体ケーシング10に適用した記録装置100等は以上述べたような構成を基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。例えば、ハウジング,ロア装置600の適用対象は、インクジェットプリンタ100等の記録装置や他の液体噴射装置等に限らず、他の種々の電子機器に拡大することが可能である。またロア部602に設けた段差構造604はロア部602に設けた凸部605に限らず、凹部であってもよく、凸部605と凹部の双方を備えた構成であってもよい。またロア部602の取付方向をハウジング部601の底面611の下方側から行うように変更することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】使用時のインクジェットプリンタの外観を示す斜め前方からの斜視図。
【図2】持ち運び時のインクジェットプリンタの外観を示す斜め前方からの斜視図。
【図3】カバー装置閉塞時のインクジェットプリンタの外観を示す斜め後方からの斜視図。
【図4】ユニット構造体の外観を示す斜め前方からの斜視図。
【図5】インクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図。
【図6】ハンドルが直立姿勢にある時のインクジェットプリンタを示す側面図(a)と、ハンドルが後傾姿勢にある時のインクジェットプリンタを示す側面図(b)。
【図7】直立姿勢のハンドルを示す側断面図(a)と、後傾姿勢のハンドルを示す側断面図(b)。
【図8】回動中のハンドルを示す正面からの断面図(a)と、ロック時のハンドルを示す正面からの断面図(b)。
【図9】カバー装置を閉塞した状態のインクジェットプリンタを示す平面図。
【図10】カバー装置を拡開した状態のインクジェットプリンタを示す平面図。
【図11】カバー装置の取付前の状態を示す斜視図(a)と、取付後の状態を示す側断面図(b)。
【図12】カバー装置を拡開した状態のインクジェットプリンタを示す背面図。
【図13】カバー装置に負荷がかかる前(a)と、かかった後(b)の状態を示す側断面図。
【図14】同上、カバー装置の他の態様を示す側断面図。
【図15】同上、カバー装置の更に他の態様を示す側断面図。
【図16】同上、軸受部材の他の態様を示す側断面図。
【図17】排出用スタッカの自動開放装置を示す分解斜視図。
【図18】排出用スタッカの自動開放装置の開放動作前の状態を示す左側面図(a)と平面図(b)。
【図19】排出用スタッカの自動開放装置の開放動作時の状態を示す左側面図(a)と平面図(b)。
【図20】バッテリー装置を装着したインクジェットプリンタを示す斜め後方からの斜視図。
【図21】バッテリー装置の着脱途中の状態のインクジェットプリンタを示す斜め後方からの斜視図。
【図22】バッテリー装置を示す分解斜視図。
【図23】バッテリー装置を本体ケーシングに取り付けた状態(a)と、着脱途中の状態(b)を示す平面図。
【図24】バッテリー装置を取り外した状態の同プリンタの斜め後方からの要部斜視図(a)と、端子保護カバーが押し込まれた状態の同要部斜視図(b)。
【図25】カートリッジカバーを拡開した状態のインクジェットプリンタを示す斜め後方からの斜視図。
【図26】インクカートリッジ挿入時の案内検知装置の作動態様を示す平面図。
【図27】カートリッジカバーを閉塞した時の案内検知装置の作動態様を示す平面図
【図28】ハウジング,ロア装置を示す分解斜視図。
【図29】ハウジング部とロア部の接合部位周辺を拡大して示す側断面図。
【符号の説明】
【0115】
1 バッテリー装置、2 自動給送ユニット、3 搬送案内ユニット、4 キャリッジ駆動ユニット、5 記録ヘッド・インク吸引ユニット、6 チョークバルブユニット、7 インク供給路ユニット、8 インクチューブユニット、9 インクカートリッジ着脱ユニット、10 本体ケーシング(電子機器本体)、11 ユニット構造体(記録実行手段)、12 記録ポジション、13 ケーシング本体、13A メモリー挿入口、14 カバー装置、14A 視認窓、15 操作パネル、15A 液晶モニタ、15B 操作ボタン、15C 給送用開口、16 排出用スタッカ、16A 載置面、17 ハンドル177A 手提げ部、20 給送用トレイ、21 分離用斜面、22 経路案内部材、23 給送用ローラ、24 可動エッジガイド、25 可動エッジガイド、26 ホッパ、27 回転軸(給送用ローラの)、30 案内ベース、31 搬送用ローラ、32 搬送用駆動ローラ、33 搬送用従動ローラ、34 搬送用案内ローラ、35 排出用ローラ、36 排出用駆動ローラ、37 排出用従動ローラ、38 プラテン、40 キャリッジ、50 記録ヘッド装置、51 記録ヘッド、52 ヘッドベース、53 インク吸引装置、60 伝達ギヤ、61 ギヤ列、80 インクチューブ、81 FFC(フレキシブルフラットケーブル)、90 インクカートリッジ、100 インクジェットプリンタ(記録装置)、101 係合軸部、102 グリップ部、103 アーム部、104 係合穴部、105 ガイドフランジ、106 当接突片(ストッパ機構)、107 係合凸部(ロック機構)、108 切欠き部、109 ガイドリブ、110 回動規制面(ストッパ機構)、111 係合凹部(ロック機構)、112 直立固定凹部、113 後傾固定凹部、114 中間固定凹部、141 延長フラップ、142 回動軸、143 指掛け部、144 脚部、145 遮蔽板、146 軸受部材、147 弾性爪、148 基台部、149 角度規制面、150 表示情報、151 状態情報、152 メンテナンス情報、153 設定情報、154 デザイン情報、205 前面(正面)、207 後面(背面)、209 側面、211 側面、213 天面(上部開口)、215 底面、227 電源スイッチ、228 電源インジケータ、231 左右移動ボタン、233 メニュー選択ボタン、235 用紙選択ボタン、237 用紙選択表示部、239 記録実行ボタン、241 全て記録実行ボタン、243 OKボタン、245 キャンセルボタン、247 排出用スタッカ開放ボタン、254 受入長さ、257 回動部、259 間隙部、261 受入保持部、266 排出口、268 電源オフスイッチ、269 回動軸、271 (排出用スタッカの)自動開放装置、272 矢印、273 基部、274 回動軸が移動しようとする方向、275 延長部、276 本体枠、277 ボタン構成部材、278 中空部、279 摺動部材、280 軸受接続部、281 回動接続部、283 アーム部、285 開放作用アーム、287 永久磁石、289 ボタン構成部材の側面、291 スリット、293 コイルバネ、295 前側延長部、297 後側延長部、299 摺動部材の側面、301 バー、303 基部の側面、305 切欠き、307 切欠きの上辺、309 回動支点、311 開放作用端、313 切欠き部、315 磁性部材、317 別の支点、319 (カバー装置の)別の部位、321 (回動軸が)移動しようとする方向、323 矢印、401 バッテリーロック機構、402 バッテリーケース、403 バッテリー、404 (一方の)端面、405 (他方の)端面、406 係止凸部、407 蓋部、408 ケース本体、409 仕切壁、410 バッテリー収容室、411 バッテリーロック機構収容室、412 (一方の)係止凹部、413 ロック爪、414 圧縮コイルバネ(付勢手段)、415 ロック解除操作片、416 一体成形品、417 支持ポスト、418 バネ受け部、419 突条、420 ガイド壁、421 係止作用面、422 傾斜案内面、423 (他方の)係止凹部、424 バッテリー収容凹部、500 (インクカートリッジの)案内検知装置、501 カートリッジカバー、502 カバー本体、503 回動軸部、504 指掛け部、506 カートリッジ挿入開口、507 カバーセンサ、508 打切り板(検知対象)、509 金属平板、510 マグネットキャッチ、511 (右側の)支承リブ、512 (左側の)支承リブ、513 (基準となる)一方の側面、600 ハウジング,ロア装置、601 ハウジング部、602 ロア部、603 開口部、604 段差構造、605 凸部、606 凹陥部、607 補強リブ、608 上端面、609 (ロア部の)上面、610 (凸部の)底面、611 (ハウジング部の)底面、P 用紙(被記録材)、X 主走査方向、Y 副走査方向、PG ギャップ、E 側縁(エッジ)、A 左右方向、B 縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器本体の外観を構成すると共に、内部に設けられる動作実行手段の支持・包囲部材として機能するハウジング,ロア装置であって、
前記ハウジング,ロア装置は電子機器本体の前面、左右の側面及び後面を構成するハウジング部と、電子機器本体の底面を構成するロア部とが別体に構成され、該ロア部は種々の機種に汎用性を持って対応できるように構成されていることを特徴とするハウジング,ロア装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ロア部は段差構造に形成され、該段差の下面の一面が電子機器本体の底面の外観を構成するように露呈され、他面は前記ハウジング側の一部と重なって非露呈となるように構成されていることを特徴とするハウジング,ロア装置。
【請求項3】
請求項2において、前記段差構造の前記露呈面部分の裏側となるロア部上面に形成された凹陥部には、ロア部上面と面一になる高さの補強リブが設けられていることを特徴とするハウジング,ロア装置。
【請求項4】
記録装置本体の外観を構成する本体ケーシングと、
本体ケーシングの内部に設けられ、記録装置の種々の動作を実行する動作実行手段と、を備える記録装置であって、
前記本体ケーシングは、請求項1〜3のいずれか1項に記載したハウジング,ロア装置によって構成されていることを特徴とする記録装置。
【請求項5】
液体噴射装置本体の外観を構成する本体ケーシングと、
本体ケーシングの内部に設けられ、液体噴射装置の種々の動作を実行する動作実行手段と、を備える液体噴射装置であって、
前記本体ケーシングは、液体噴射装置本体の前面、左右の側面及び後面を構成するハウジング部と、液体噴射装置本体の底面を構成するロア部とが別体に構成され、該ロア部は種々の機種に汎用性を持って対応できるように構成されていることを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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