説明

ハニカム体およびろう付けしたハニカム体を製造する方法

少なくとも1つのハウジング(2)とダクト構造(4)を形成する金属箔(3)とを有するハニカム体(1)が提供され、このダクト構造(4)は多数の線形のはんだ付けされた連結部(5)によりこのハウジング(2)に締結される。本発明はまた、このダクト構造(4)とこのハウジング(2)との間にこれらの線形のはんだ付けされた連結部(5)を提供するように用いられる製造方法を提案する。このようなハニカム体は、車両の内燃エンジンの排気システムにおける排ガス浄化装置として特に用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのハウジングとチャネル構造を形成する金属箔とを有するハニカム体に関する。このようなハニカム体は、車両の内燃エンジンの排気システムにおける排ガス浄化装置として特に用いられる。
【背景技術】
【0002】
この種のハニカム体は、ハウジングが、排気ライン自体の外形、形状、および/またはその一部を構成できるように、比較的厚い物質厚さが備わった単一部分および/または複数部分のハウジングから通常構成されている。これとは対照的に、同じ設置スペースにおいてできる限り大きい表面を利用するために、チャネル構造を構成するための金属箔を比較的薄くして取り囲むようにする努力がなされる。この表面は、例えば、チャネル構造を介して流れる排ガスと接触する触媒に適用するために用いられる。これが、排ガス成分と触媒との間の集中的な接触、それゆえ排ガスの効果的な浄化を保証する。
【0003】
ここで問題となることは、熱的および/または動的の交互の負荷が可動式の排気システムに常に付与される場合、薄い金属箔は比較的厚く取り囲まれたハウジングと比べて異なるように挙動することである。このため、ハウジングと金属箔との間の連結は、特別な技術的課題を有することとなる。
【0004】
ろう付けされた材料または、いわゆるろう付け箔でできた片を、金属箔、すなわちチャネル構造を一体化する前に、このようなハニカム体のハウジング内の内部側方表面に適用して、次いでそのチャネル構造に挿入することは公知である。そのようなろう付け箔をチャネル構造周囲に巻き付け、次いでこのアセンブリをハウジングに導入し、ろう付け箔全体がハウジングの内部側方表面に押し付けられることもまた公知である。同様の方法が既に提案されており、ここでろう付け領域は、外周全体に亘るバンド(帯)として提供されるのではなく、むしろ、比較的大きなパッチとして提供される。対応するハニカム体は単に例示としてであるが図3に概略的な形で示されている。
【0005】
ろう付け材料のこの連結技術または応用は、多量のろう付け材料がハウジングの内部側方表面上に提供されても使われず、それゆえ、材料の需要が増加し、その結果より高額な製造コストとなるだけでなく、ハウジングまたは金属箔の表面上にろう付け材料が集中し、その結果、そのハウジングおよび/または金属箔の合金要素に所望されない拡散が生じ得る。さらに、これは、ハウジングおよび/または金属箔の熱膨張および/または動的拡張の挙動に対して、ろう付け領域の限られた適合を達成するのみであることに留意する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、従来技術に関して記載された問題を少なくとも部分的に解決することである。特に、可動式の内燃エンジンの排気システムにおけるハニカム体の熱的および/または動的の交互の負荷に対して改善された耐久性を示すハニカム体が開示される。この目的はまた、ろう付け材料をより経済的に消費する製造方法を開示することでもある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの課題は、特許請求の範囲の請求項1の特徴に係るハニカム体および特許請求の範囲の請求項8に係るハニカム体を製造するための方法を用いて達成される。ハニカム体またはその製造方法のさらなる好ましい特徴、およびそのハニカム体の好ましい使用は、従属として編成された特許請求の範囲の請求項において開示される。特許請求の範囲の請求項において開示された特徴は、所望の技術的に適切な方法において互いに組み合わされてもよく、かつ本発明のさらなる特徴を示唆し得ることに留意されたい。特に図面と関連して、本記載は本発明をさらに説明し、かつさらなる実施形態の変形を開示するものである。
【0008】
本発明に係るハニカム体は、少なくとも1つのハウジングとチャネル構造を形成する金属箔とを有し、チャネル構造は、複数の線形のろう付け連結部によって、ハウジングに取り付けられる。
【0009】
ハウジングは、好ましくは、単一部分であり、かつ円筒状の断面形状または円形とは異なる断面形状を有し得る。金属箔は、好ましくは少なくとも部分的に構造化された金属箔を備え、この構造化された金属箔は、それらが例えばハニカム構造の形で、互いに実質的に平行した複数のチャネルを有してチャネル構造を形成するように、少なくとも巻かれるか、コーティングされるか、および/または巻き付けられる。ハウジングが1mmよりも厚い材料厚さを有する一方で、金属箔は、例えば、0.12mm未満、例えば、0.08mm未満の範囲の材料厚さを有して具現化される。
【0010】
次いで、公知の大きなろう付け領域を用いる代わりに、複数の線形のろう付け連結部を提供することが提案される。ここで複数とは、特に、少なくとも10個のろう付け連結部、例えば、30個より多く、または少なくとも100個のろう付け連結部を意味する。ろう付け連結部の線形の実施形態は、好ましくは、ここで、その実施形態が、ハウジングの円周の方向に対して横断するように並べられるように方向付けられることが好ましい。特に、線形の連結部はハウジング内の金属箔の広がり(extent)の方向に平行して在る。ろう付け連結部は、それが幅が広いというより実質的に長い場合、特に「線形」であり、この場合、その幅は、ハウジングの円周の方向で決定されるものである。「線形」は、例えば、チャネル構造のチャネルの最長の幅よりも、より狭いことが特に好ましい。それゆえ、明らかなことは、これらの小さな複数の線形のろう付け連結部を用いて、金属箔またはチャネル構造のハウジングへのより選択的な連結が、例えば、チャネル構造においてより多くの負荷が掛かる領域の位置に対して可能となり、ここで、必要に応じて、他の部分の領域よりも多くの線形のろう付け連結部を提供することが可能であり、または、比較的大きな柔軟性が必要となる場合は、より少ない数の線形のろう付け連結部をこれらの位置に提供することが可能である。いずれにせよ、この線形形状の多数のろう付け連結部により、ハウジングとチャネル構造との間において、柔軟なろう付けパターンの実施形態を可能とする。
【0011】
これに関連して、線形のろう付け連結部の各々は、ハウジングの円周の方向において、最大5ミリメートルの幅で具現化されることが好ましい。この幅は3mmまたは1mmの値を超えないことが好ましい。このような、節約を可能にするろう付け材料の塗布により、製造をよりコスト効率の良いものとし、かつ隣接領域における所望されないろう付けの連結を防ぐ。
【0012】
さらに、複数の金属箔は、それらが、ハウジングに、少なくとも1つのエッジが接し、かつ、各々が、少なくとも1つの線形のろう付け連結部を形成するように配置されることが、有利に想定される。言い換えれば、これは、例えば、金属箔を適宜巻くか、巻き付けるか、および/または重ねることによって、ハウジングの内部側方表面に対して、それら金属箔の2つのエッジで接するように金属箔が動かされることを意味する。これらのエッジは、次いで、ハウジングのこの内部側方表面に接するか、または、ハウジングに対して、接線方向において、密に適合する。金属箔のこの形状および/または配置構成の結果として、ハウジングとの接触領域、および/またはエッジがハウジングに押し付けられるプレロード部分(preload)が設定可能である。このような線形のろう付け連結部のために、これらの接触領域、または、これらの接触領域に対して密に適合する金属箔のエッジの領域を正確に用いることが提案される。その結果、線形のろう付け連結部は、例えば、金属箔のエッジにより正確に制限され、かつそこから各々の金属箔の内部領域へと延在する。
【0013】
1つの展開によれば、ハウジングは、金属箔との接触領域内にろう付け材料を有することが提案される。このことは、言い換えれば、例えば、従来のろう付け片を提供した結果、ハウジングの円周に亘って分散されたろう付け材料が、それらの間に残らないことを特に意味する。その結果、この領域においても、実際の接触領域のみに、ろう付け材料が与えられ、その結果、ろう付け材料の使用がさらに低減可能である。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、円周上の連続したろう付け領域が、ハウジングの円周の方向に提供されない。これはまた、円周上のろう付け領域が、ろう付けされたハニカム体が製造された後、ハウジングの内側の円周上にないということを実質的に特徴とすることが意図される。ここで記載された状況については、このことはハニカム体全体、すなわち、チャネル構造によって覆われたハウジングの内部側方表面全体に当てはまるものである。
【0015】
さらに、互いに間隔を置いて配置され、かつ円周の方向に直交した複数の線形のろう付け連結部を有する円周上のろう付け領域が、ハウジングの円周の方向に提供されることが有利であると想定される。このようなろう付け領域は、例えば、円周の方向において特に互いに並べられ、特に互いに平行して在る少なくとも20個の線形のろう付け連結部を、円周の方向において有する。必要に応じて、複数のそのような円周上のろう付け領域は、特に、チャネル構造の前側に近接して提供されてもよい。しかしながら、このようなろう付け領域において、この円周上のろう付け領域内の内部側方表面上に線形のろう付け連結部で作られる表面積の比率は、概して最大で50%、特に最大20%、およびより好ましくはさらに最大10%である。
【0016】
本発明の1つの発展によれば、チャネル構造によって覆われるハウジングの内部側方面積の表面積の最大10%が線形のろう付け連結部を有して具現化されるハニカム体が提案される。この比率は、非常に好ましくは、さらに最大5%またはさらに最大2%である。ハウジングの内部側方表面は、言い換えれば、チャネル構造によって覆われた表面であり、ここで、後者の表面は、概して、チャネル構造の前側によって軸方向に境界をつけられており、かつ中間の円周領域を画定する。この結果、ここで提案された線形の形状をしたろう付け連結部を有して、実際にはその表面積の僅かな部分のみが、チャネル構造または金属箔とハウジングとの間の連結技術によって連結を形成する。
【0017】
本発明のさらなる態様によれば、ハニカム体が少なくとも1つのハウジングとチャネル構造を形成する金属箔とを有する、ハニカム体を製造するための方法が提案される。ここでのこの方法は、少なくとも以下の工程を含む。
(a)複数の金属箔を提供する工程、
(b)金属箔の少なくとも一部に複数の接着片を配置する工程、
(c)チャネル構造が形成され、接着片の少なくとも一部がハウジングと接触するように、金属箔をハウジングに導入する工程、
(d)ろう付け材料がハウジング上の接着片上に配置されるように、ハニカム体をろう付けする工程;
(e)金属箔とハウジングとの間に複数の線形のろう付け連結部を形成するために、ハニカム体を加熱する工程。
【0018】
この方法は、特に、本発明に係る、上述のハニカム体を製造するのに役立つ。
【0019】
工程(a)は、特に、少なくとも部分的に構造化された金属箔を提供する工程、さらに特に好ましくは、複数の平滑な金属箔および複数の波形の金属箔を提供する工程に関する。
【0020】
工程(b)は、接着剤を、特に、金属箔の所定の領域に塗布する工程に関する。ここで非常に好ましいことは、とりわけ、金属箔とハウジングとの間の連結について、これらの接着片が、エッジの境界領域、またはハウジングとエッジの接触領域に配置される。好ましくは、プリンティング技術が、特にプリンティングデバイス(例えばインクジェットの方法にて)を用いて接着剤を塗布することに適用される。このようなプリンティングデバイスを用いて、特に正確に、そして調節されたサイズで、例えば、接着片を製造することができ、この接着片はまた、例えば、ろう付け連結部の最終的な線形の形状に対応する。
【0021】
工程(c)において、金属箔は、次いで、ハウジングに(少なくとも部分的に)導入される。金属箔は、このために、前もって(層状に)重ねられ、積み重ねられ、および/または巻きつけられるか、および/または巻かれ得る。ハウジングへのこの導入は、金属箔が(例えば単一部分からなる)ハウジングに(必要に応じて部分的に)押し込まれるように実行できるが、しかしながら、金属箔を(分けられた、または開いた)ハウジングに挿入し、次いでそのハウジングを閉じることもまた可能である。いずれにせよ、ハウジングの広がりの方向と実質的に平行に在るチャネル構造がここで形成されることが好ましい。金属箔の導入は、接着片の少なくとも一部、特に、金属箔を互いに連結させていない接着片が、ハウジングと接するか、またはそれと直接、接するように、同時に行われる。
【0022】
工程(d)は、特に、ろう付け材料が、ハニカム体の前側からチャネル構造に亘って、接着片と接触して配置される方法の工程に関する。ろう付け材料、特に、粉末状のろう付け材料は、次いで、接着片にくっ付き、そのろう付け材料の所望の量が、そこで、以下の工程で実際に固定される。
【0023】
工程(e)は、次いで、熱接合方法を構成する。ハニカム体が高温にてろう付けされる、すなわち、必要に応じて、規定された周囲環境(真空または保護ガス)下で、例えば800℃以上の温度ではんだ付けされることがここで好ましい。このことは、接着剤(結合剤)が実質的に気化し、ろう付けの材料が液体化する状況を導く。加熱後、ろう付けの材料は、最終的に冷却されて、その結果、金属箔、ろう付け材料、およびハウジングの、材料固定(material−locking)による連結が生成される。
【0024】
特に好ましくは、ハウジングは、接着剤およびろう付けの材料を用いずに提供される。これは、特に、金属箔から、工程(c)または(d)によって、ハウジングへと移される、接着剤またはろう付けの材料を除いて、工程(e)までを適用する。これに関連して、ハウジングは、例えば、金属箔によって決定された領域以外の他の領域において接着剤および/またはろう付け材料が不必要に蓄積することを防ぐ不動態化手段を用いて、内部側方表面上に提供されることが非常に特に好ましい。
【0025】
本発明に従って製造されるか、および/または本発明に従って構成されたこのようなハニカム体は、車両の排気システムにおける排ガス処理要素として特に好ましく用いられる。
【0026】
本発明および本技術分野は、図面を参照してより詳細に説明される。図面は概略的なものであり、特に本発明の好ましい実施形態の変形を示すものであるが、本発明はそれらに限定されないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は排気システムの基本的設計を示す。
【図2】図2はハニカム体に亘る断面を示す。
【図3】図3は従来技術に係るハウジングと金属箔との間のろう付け領域を示す。
【図4】図4は本発明に係るハニカム体の一実施形態の変形を示す。
【図5】図5は本発明に係る方法の好ましい実施形態の変形を示す。
【図6】図6は本発明に係る方法の好ましい実施形態の変形を示す。
【図7】図7は本発明に係る方法の好ましい実施形態の変形を示す。
【図8】図8は本発明に係る方法の好ましい実施形態の変形を示す。
【図9】図9は本発明に係る方法の好ましい実施形態の変形を示す。
【図10】図10は本発明に係る方法の好ましい実施形態の変形を示す。
【図11】図11はハニカム体を製造するための構造化された金属箔の可能な実施形態を示す。
【図12】図12は線形のろう付け連結部を有する平滑な金属箔の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、例えば乗用車またはトラック等の車両17の概略図である。この車両17はエンジン18、例えば、ディーゼルエンジンまたは火花点火エンジンを有する。エンジン18において生成された排ガスは排気システム16を介して流れるが、この排気システム16は通常、排気ラインおよび複数の排ガス処理要素15として具現化される。用いられるこの排ガス処理要素は、特に、触媒担体本体、フィルタ、分離器、吸着器、プラズマ反応器、改質装置等である。排ガス処理要素15はハニカム体1を有することがここで概略的に示されている。
【0029】
図2は、長手方向断面におけるハニカム体1の実施形態を示す。単一部分からなり円筒形状で構成されたハウジング2(比較的厚い壁を有する)がここで外側に示されている。このハウジング2の内側において、ハウジング2は接触領域9を形成し、チャネル構造4は接触領域9の内側に配置される。このチャネル構造4は複数の平滑かつ構造化された金属箔3で形成される。チャネル23はここに形成され、それらのチャネルのチャネル延在方向26はハニカム体の軸19と実質的に平行している。チャネル構造4の壁の一部はまた、他の材料、例えばフィルタ材料で形成されることが可能である。金属箔3は貫通孔を有して具現化されることもまた可能であるので、流れの方向25で排ガスが流れて、第1の前側24において分けられ、チャネル構造4の内部で互いに混合される。
【0030】
チャネル構造4および成形金属箔3は、各々、軸19の方向における広がり27全体にわたって互いに連結されていないことも、ここで示されている。その代わり、ろう付け連結部が生成される前部28および後部29は前側24に近接して形成される。
【0031】
図3は、従来技術に係る、チャネル構造4とハウジング2との間で連結部がいかにして製造されるかの概略図である。このため、比較的大きい領域のろう付け領域11が円周6の方向において提案される。ろう付け領域11は、ここでは、円周状に、および/またはパッチ状に形成されてもよい。いずれにせよ、それらは円周6の方向において相当の広がりを有する。
【0032】
これとは対照的に、図4は、本発明に係るハニカム体1の実施形態の変形を示す。右上の破損状態のようにして示した開口部分から明らかなように、ハニカム構造4は、ここで、複数の平滑および波形の金属箔3を有して形成される。これらの金属箔3は、ハウジング2の内部側方表面12に対して、それらのエッジ8で接する。線形のろう付け連結部5は、次いで、ろう付け材料10を対応するように提供することによって、所望の位置で、この接触領域9内で正確に達成される。連続したろう付け領域が円周6の方向に形成されず、むしろ、具体的には互いに間隔を空けた線形のろう付け連結部5が累積して形成されていることはここで明らかである。線形の連結部5の幅7はここで好ましくは2mm未満である。
【0033】
図5から図10は、このようなハニカム体1の好ましい製造方法を示す。図5は、両側にエッジ8がある平滑な金属箔3を示す。図6は、接着剤14(例えば結合剤)の塗布を示す。これに関連して、接着片13が特定の位置、例えば、エッジ8に近接して形成されるように、プリンターデバイス21は金属箔3に亘って動かされる。各々の場合において、エッジ8における接着片13の位置は対称である必要はなく、むしろランダムなパターンがここでは生成されてもよいことに留意されたい。
【0034】
複数のこのような平滑な金属箔3およびさらなる波形の金属箔3(ここでは、より詳細には示されない)は、チャネル構造4が形成されるように次いで積み重ねられ、かつ互いに巻き付けられてもよい。このチャネル構造4は次いで、図7において円筒として示されるように、単一部分からなるハウジング2に導入されてもよい。これに関連して、金属箔3のエッジ8は、ハウジング2の内部側方表面12に接することとなる。
【0035】
図8は、このようにして製造されたハニカム体1が、例えば、ろう付け材料10に、その前側24が浸かっていることを示す。ろう付け材料は、例えば粉末状であり、次いで、特定の揺れ機構(joggling mechanism)および/または運搬物質(空気)により、チャネル構造4の内部領域、特に、接着片13へと運ばれることができる。ろう付け材料10は、次いで、所望の接着片13上に堆積される。
【0036】
このようにして製造されたハニカム体は、例えば、炉22に運ばれ、そしてそこで熱処理にさらされる。線形のろう付けによる連結部は、この方法(例えば図9)において形成される。
【0037】
必要に応じて、コーティング方法(図10に示される)がその後に生じてもよく、この間に、ろう付けされたハニカム体1は次いで、コーティングデバイス35へと供給される。ハニカム体1は、特に、いわゆるウォッシュコートおよび/または触媒を用いてコーティングされることができる。
【0038】
図11は、波形の金属箔3の実施形態の変形を示し、この波形の金属箔3は、例えば、図6に示すように、平滑な金属箔と交互に配置可能である。波形の金属箔3は、ここで、隆起部30および下降部31の周期的反復により、チャネル延在方向26にチャネルを形成する構造体20を有する。波形の金属箔はまた、チャネルの内部へと延在し、そして部分的な排気流の偏向を引き起こす取付け部18を有する。これらの(打ち出された)取付け部18に隣接して開口部32が提供され、この開口部を介して、排ガスが、例えば流れの方向25に対応する矢印によって示されるように、必要に応じて隣接のチャネルへと流れることができる。上下のみならず左右への流れの混合がここで可能となる。
【0039】
図12は、ハウジング(図示せず)の内部側方表面と接する平滑な金属箔3(例えば曲げられた状態で)の拡大された詳細を示す。この図示では、金属箔3のエッジ8と直接接する線形のろう付け連結部5を概略的に示すことが意図される。これに関連して、線形のろう付け連結部5は、例えば、1mm〜2mmの幅7、および5mm〜10mmの範囲の長さ34で具現化される。
【符号の説明】
【0040】
1 ハニカム体
2 ハウジング
3 金属箔
4 チャネル構造
5 線形のろう付け連結部
6 円周
7 幅
8 エッジ
9 接触領域
10 ろう付け材料
11 ろう付け領域
12 側方表面
13 接着片
14 接着剤
15 排ガス処理要素
16 排気システム
17 車両
18 エンジン
19 軸
20 構造体
21 プリンターデバイス
22 炉
23 チャネル
24 前側
25 流れの方向
26 チャネル延在方向
27 広がり
28 前部
29 後部
30 隆起部
31 下降部
32 開口部
33 取付け部
34 長さ
35 コーティングデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのハウジング(2)とチャネル構造(4)を形成する金属箔(3)とを有するハニカム体(1)であって、前記チャネル構造(4)は、複数の線形のろう付け連結部(5)によって、前記ハウジング(2)に取り付けられる、ハニカム体(1)。
【請求項2】
前記線形のろう付け連結部(5)の各々は、前記ハウジング(2)の円周(6)の方向において、最大5ミリメートルの幅で具現化される、請求項1に記載のハニカム体(1)。
【請求項3】
複数の前記金属箔(3)は、それらの金属箔(3)が、少なくとも1つのエッジ(8)で前記ハウジング(2)に対して接し、かつ、各々が、少なくとも1つの線形のろう付け連結部(5)を形成するように配置される、請求項1または請求項2に記載のハニカム体(1)。
【請求項4】
前記ハウジング(2)は、前記金属箔(3)と接触する接触領域(9)のみにおいて、ろう付け材料(10)を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のハニカム体(1)。
【請求項5】
円周上の連続したろう付け領域(11)が、前記ハウジング(2)の前記円周(6)の方向に提供されない、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のハニカム体(1)。
【請求項6】
互いに間隔を置いて配置され、かつ前記円周(6)の方向に対して直交した複数の前記線形のろう付け連結部(5)を有する前記円周上のろう付け領域(11)が、前記ハウジング(2)の前記円周(6)の方向に提供される、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のハニカム体(1)。
【請求項7】
前記ハウジング(2)の、前記チャネル構造(4)によって覆われた、内部側方表面(12)の表面領域の最大10%が前記線形のろう付け連結部(5)で具現化される、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のハニカム体(1)。
【請求項8】
少なくとも1つのハウジング(2)とチャネル構造(4)を形成する金属箔(3)とを有するハニカム体(1)を製造するための方法であって、前記方法は少なくとも以下の工程:
(a)複数の金属箔(3)を提供する工程;
(b)前記金属箔(3)の少なくとも一部に複数の接着片(13)を配置する工程;
(c)前記チャネル構造(4)が形成され、前記接着片(13)の少なくとも一部が前記ハウジング(2)と接触するように、前記金属箔(3)を前記ハウジング(2)に導入する工程;
(d)前記ろう付け材料(10)が前記ハウジング(2)上の前記接着片(13)上に配置されるように、前記ハニカム体(1)をろう付けする工程;
(e)前記金属箔(3)と前記ハウジング(2)との間に複数の線形のろう付け連結部(5)を形成するために、前記ハニカム体(1)を加熱する工程、
を含む、方法。
【請求項9】
前記ハウジング(2)は、接着剤(14)および前記ろう付け材料(10)を用いずに設けられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
車両(17)の排気システム(16)における排ガス処理要素(15)としての、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のハニカム体(1)の使用または請求項8および請求項9のいずれか一項に記載のハニカム体(1)の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−519399(P2011−519399A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501162(P2011−501162)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/052330
【国際公開番号】WO2009/118230
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(500038927)エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング (156)
【Fターム(参考)】