説明

ハンギング装置及びハンギングビームの取付装置

【課題】机天板の背後にパネル板や壁面が存在し、天板の両側後縁部に立設した一対の支柱間に前後両面に係止レールを設けたハンギングビームをパネル板や壁面に接近させて連結した構造で、ハンギングビームの高さ位置を簡単且つ正確に位置決めでき、連結強度も高いハンギングビームの取付装置を提供する。
【解決手段】支柱6の両側面に、内部に幅広の係合空間13を設けた係合溝12を形成し、係合溝に支柱カバー8を着脱可能に嵌着し、ハンギングビーム7の端部には単又は複数の螺孔を形成した連結板46を取付け、締付板48の通孔に挿通した固定ネジ50を連結板の螺孔に緩く螺合した状態で、締付板を係合空間内に上方から係合し、連結板を支柱カバーの上端に載置し、支柱の両係合溝に貫通させて形成した操作孔51に反対側の係合溝側から差し込んだ工具で固定ネジを回転させて連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンギング装置及びハンギングビームの取付装置に係わり、更に詳しくは机の後部にオプション部材を支持するためのハンギング装置及びハンギングビームの取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から机天板の両側後縁部に一対の支柱を立設し、両支柱間に前後両面に係合溝を設けた横杆を連結し、該横杆の係合溝を利用して棚やモニター器具を支持するために用いられる支柱と横杆の連結構造が提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、支柱の左右両面に内部が幅広の係合溝を有し、横杆の端部に連結板がネジ止めされ、前記係合溝の幅広部に上方より板ナットが挿入され、該板ナットの中央部に螺合した固定用ネジを締付けて係合溝内に固定した後、板ナットの下端部に緩く螺合して頭部が突出した状態の取付用ネジに前記連結板の下端の切欠部を係止して仮止めし、それから連結板の上端部に形成した通孔に側方から、即ち横杆の上面の係合溝内から挿入した取付用ネジを板ナットの上端部の螺孔に螺合し、下端部の取付用ネジも横杆の下面の係合溝内で締付けて、支柱に横杆を所定高さ位置に連結する構造が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、前後両面に配線用の水平溝を有する横架ビームを両支柱の上端部間に位置させ、側方から支柱を貫通したボルトを横架ビームの端部に螺合する連結構造が開示されている。
【0005】
しかし、引用文献1に記載の構造は、連結板及び板ナットが横杆の断面から突出しないので外観性に優れ、任意の高さ位置に横杆を連結することができるものの、支柱への横杆の連結作業において、先ず板ナットを所定高さ位置に固定することが必要であるため位置決めが簡単にできない。つまり、横杆を正確に位置決めして連結しようとすれば、一旦、目測で板ナットを固定して横杆を仮止めした後、横杆の位置を確認して、それから横杆を外して板ナットの固定用ネジを緩めて必要量だけ板ナットを上下に移動させ、再度固定用ネジを締付けるといった手順を繰り返すことになり、更にこれが両側で同様の作業を必要とするので非常に煩雑である。また、特許文献2の記載の構造は、支柱に予めボルト用の貫通孔を形成するため、横架ビームの連結位置は正確であるが、横架ビームの端面に設けた螺孔と貫通孔の位置合せに手間がかかり、また支柱を中空構造とした場合にその中空部を貫通させてボルトを強く締付けると支柱が変形する恐れもあるのである。また、何れの構造の場合も、少なくとも1本のネジ若しくはボルトを完全に分離した状態から螺孔に螺合する作業を要するので、螺合量が多くなり、横杆や横架ビームの背後にパネル板や壁面が接近している場合には、その作業に支障を来たすことになる。また、横架ビームとパネル板や壁面との間の空間を利用して配線コードを配設することも難しい。
【特許文献1】特開2005−21340号公報
【特許文献2】特開2006−136542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、机天板の背後にパネル板や壁面が存在し、天板の両側後縁部に一対の支柱を立設し、両支柱間に前後両面に係止レールを設けたハンギングビームを前記パネル板や壁面に接近させて連結してなるハンギング装置において、ハンギングビームの後面側での配線作業が容易にできるハンギング装置を提供するとともに、支柱に連結するハンギングビームの高さ位置を簡単且つ正確に位置決めすることができるとともに、支柱に対するハンギングビームの連結強度が高いハンギングビームの取付装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述の課題解決のために、机天板の背後にパネル板や壁面が存在し、天板の両側後縁部に一対の支柱を立設し、両支柱間にハンギングビームを前記パネル板や壁面に接近させて連結してなるハンギング装置において、前記ハンギングビームの前後両面に係止レールを設け、前面に設けた係止レールと後面に設けた係止レールの機能が異なり、前面の係止レールはフラットパネルディスプレイや灯具等の機器を支持する機能を有し、後面の係止レールは配線コード受部材を保持する機能を有することを特徴とするハンギング装置を構成した(請求項1)。
【0008】
また、本発明は、前述の課題解決のために、机天板の背後にパネル板や壁面が存在し、天板の両側後縁部に一対の支柱を立設し、両支柱間に前後両面に係止レールを設けたハンギングビームを前記パネル板や壁面に接近させて連結してなるハンギングビームの取付装置において、前記支柱の両側面に、内部に幅広の係合空間を設けた係合溝を全長に形成するとともに、該係合溝に支柱カバーを着脱可能に嵌着し、前記ハンギングビームの端部には単又は複数の螺孔を形成した連結板を取付け、締付板の通孔に挿通した固定ネジを前記連結板の螺孔に緩く螺合した状態で、前記締付板を前記係合溝の係合空間内に上方から係合するとともに、前記連結板又はハンギングビームの下端を前記支柱カバーの上端に載置し、前記支柱の両係合溝に貫通させて形成した操作孔に反対側の係合溝側から差し込んだ工具で前記固定ネジを回転させて連結することを特徴とするハンギングビームの取付装置を構成した(請求項2)。
【0009】
ここで、前記支柱の係合溝は、該支柱の側面から段落ちして形成し、該段落ち部に前記連結板を嵌合するとともに、前記支柱カバーを嵌合してなることが好ましい(請求項3)。
【0010】
また、前記支柱の係合空間には前記固定ネジの頭部を受け入れる凹溝を有し、全体として断面略凸字形の空間としてなることがより好ましい(請求項4)。
【0011】
更に、前記ハンギングビームの裏面に1条又は2条の係止レールを設け、該係止レールは開口の上下縁に浅い係止溝を形成したものであり、上方又は下方から配線コード受部材を前記係止溝に係止可能としてなることも好ましい(請求項5)。
【発明の効果】
【0012】
以上にしてなる請求項1に係る発明のハンギング装置は、机天板の背後にパネル板や壁面が存在し、天板の両側後縁部に一対の支柱を立設し、両支柱間にハンギングビームを前記パネル板や壁面に接近させて連結した状況であっても、ハンギングビームの前面の係止レールにフラットパネルディスプレイや灯具等の機器を支持し、そして後面の係止レールに配線コード受部材を保持して、前面に支持したフラットパネルディスプレイや灯具の配線コードをハンギングビームとパネル板や壁面との間の空間を利用して配設することができる。
【0013】
以上にしてなる請求項2に係る発明のハンギングビームの取付装置は、予め所定長さに切断した支柱カバーをハンギングビームを連結する側の支柱の係合溝に嵌着しておき、それからハンギングビームの端部に取付けた連結板に締付板を固定ネジで緩く取付けた状態で、支柱の係合空間内上方から締付板を係合するとともに、前記連結板又はハンギングビームの下端を前記支柱カバーの上端に載置することにより、ハンギングビームの高さを正確に位置決めすることができ、そして前記支柱の両係合溝に貫通させて形成した操作孔に反対側の係合溝側から差し込んだ工具で前記固定ネジを回転させて連結するので、固定ネジの回転回数を最小限に少なくすることができるので、ハンギングビームの背後にパネル板や壁面が接近して存在する場合でも連結作業を短時間で行うことができ、しかも前記連結板と締付板とで係合溝の溝縁部を直接挟持するので強固に締付けても支柱が変形することがなく、更に支柱とハンギングビームの連結部分に余分な部材が露出しないので、外観性にも優れている。
【0014】
請求項3によれば、支柱の係合溝の段落ち部に連結板を嵌合するので、ハンギングビームが回転することが全くなく、連結強度が向上するとともに、また段落ち部に支柱カバーを嵌合するので、支柱の側面と支柱カバーを面一にすることができ、外観性に優れたものとなる。
【0015】
請求項4によれば、支柱の係合空間を全体として断面略凸字形の空間とし、固定ネジの頭部を受け入れる凹溝を有するので、その他の空間部分を締付板が係合する最小限の大きさに制限することができ、それにより係合溝をコンパクトに形成することができ、ひいては支柱の外形寸法を抑制することができる。
【0016】
請求項5によれば、ハンギングビームの裏面に1条又は2条の係止レールを設け、該係止レールは開口の上下縁に浅い係止溝を形成したものであり、上方又は下方から配線コード受部材を前記係止溝に係止可能としてなるので、ハンギングビームの背後にパネル板や壁面が接近して存在する場合でも該ハンギングビームの裏面側に簡単に配線コードを保持することができ、また配線コードは目立たないので、外観性の向上に寄与するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1〜図5は本発明のハンギングビームの取付装置を用いたパネル付き机の代表的実施形態を示し、図中符号1は机、2は天板、3は脚体、4は幕板、5はパネル板、6は支柱、7はハンギングビーム、8は支柱カバーをそれぞれ示している。
【0018】
本実施形態に係るパネル付き机1は、図1に示すように、天板2の両側部を脚体3,3で支持するとともに、両脚体3,3の後端上部間に前記天板2の後縁との間にダクト開口9を設けて幕板4を連結し、更に該幕板4の背面に上部が前記天板2より充分に上方へ突出して目隠し機能を有するようにパネル板5を取付け、そして前記天板2の後縁の両側に支柱6,6を立設して、該支柱6,6の上端部間にハンギングビーム7を連結するとともに、該ハンギングビーム7を連結した以外の支柱6の側面には支柱カバー8を嵌着した構造となっている。
【0019】
先ず、前記支柱6の構造と、該支柱6を天板2の後縁部に立設する構造を図2〜図5に基づいて説明する。前記支柱6は、アルミ押出し型材で作製し、全体として四角柱形状であり、前面にやや湾曲した化粧面10を有し、後部は方形部11であり、両側面に沿って段落ちした係合溝12,12を全長に形成し、その断面形状は前記係合溝12の内部に幅広の係合空間13を設け、前記方形部11の内部に前記貫通孔14を形成するとともに、その前方の三箇所にネジ止め用の下穴溝15,…を形成したものとなっている。
【0020】
更に、前記支柱6の係合溝12は、該支柱6の側面から段落ちして形成し、該段落ち部16に前記支柱カバー8が側面と略面一となるように嵌着できるようになっている。また、前記貫通孔14は、前記方形部11の内周部にガイド部17を形成するとともに、該ガイド部17と連通した内部に凹溝部18を形成して断面略凸字形となっている。
【0021】
そして、前記支柱6を天板2の縁部に立設する構造として、前記支柱6の該ガイド部17以外の下端部に固定し、前記天板2の上面に載置するための載置板19と、前記支柱6の上端に固定し、前記貫通孔14に連通する通孔21を形成した受部材20と、前記支柱6のガイド部17に下方からスライド係合する垂直部23と前記天板2の下面を圧接するための水平部24とを有する側面視略L字形で、前記垂直部23の上端部にナット部材25を固着し、上下方向に開口した螺孔26を形成した固定金具22と、前記受部材20の通孔21に上方から挿入し、前記支柱6の貫通孔14を通して前記固定金具22の螺孔26に螺合する締付ボルト27とより構成している。
【0022】
また、前記支柱6の下端部であって前記ガイド部17を形成する外周部分、即ち方形部11に相当するカバー部28を残して水平に切断し、該切断面29に前記載置板19を、前記下穴溝15,…を利用してネジ30,…で固定している。前記載置板19には、前記ネジ30,…を挿通する取付孔31,…と、合成樹脂製の化粧カバー32を係合するための孔や切欠からなる係合部33,…を形成している。前記化粧カバー32は、平面視略コ字形であり、周囲部で前記載置板19を外覆できるとともに、前記支柱6を外嵌できる形状となっており、内周部には前記係合部33,…に係合する爪片34,…を突設している。そして、前記化粧カバー32の爪片34,…を前記係合部33,…に係合するとともに、前記載置板19の周囲を外覆した状態で、前記支柱6の切断面29に該載置板19をネジ止めする。尚、前記化粧カバー32を前記載置板19に嵌着するのは、該載置板19を支柱6の切断面29にネジ止めする前後の何れでもよい。
【0023】
また、前記受部材20は、本実施形態では支柱6の断面よりも小さな板部材であり、前記支柱6の中央部の下穴溝15を利用してネジ35で固定するための取付孔36を形成するとともに、端部に支柱6内へ嵌合する嵌合片37を下向きに折曲形成し、前記締付ボルト27の軸部38を挿通し且つ頭部39を係止するための前記通孔21を形成している。そして、前記受部材20を前記支柱6の上端に載せて嵌合し、上方からネジ35を取付孔36に通して前記下穴溝15に螺合して連結する。尚、前記受部材20は、支柱6の上端に棚板を取付ける場合には、該支柱6の断面よりも充分に広い面積の板部材とする。
【0024】
また、前記固定金具22は、金属板を折曲加工して形成したものであり、前記垂直部23の下端から側方へ略直角に形成した前記水平部24は、中央部で段折して側面視略Z字状とし、先端部を前記板体の下面に圧接する圧接板40とし、基部を下方へ退避した逃し凹部41としている。そして、前記固定金具22の垂直部23の上端部の中央部に切欠部42を形成し、該切欠部42内に前記螺孔26を有するナット部材25を嵌合した状態で溶接している。ここで、前記ナット部材25は、前記支柱6の貫通孔14の凹溝部18に余裕をもって受け入れられるのである。
【0025】
図2及び図4に示すように、前記支柱6のガイド部17に前記固定金具22の垂直部23をスライド係合させて装着するが、下端部に形成したカバー部23の内部に前記ガイド部17を有しているため、該固定金具22が上昇した際に、前記水平部24を逃すためにガイド部17の両側部の内側壁を切欠して開口部43を形成している。
【0026】
そして、前記支柱6の下端部からガイド部17に、前記固定金具22の垂直部23をスライド係合させるとともに、前記ナット部材25をガイド部17と凹溝部18に受け入れた状態で、前記受部材20の通孔21に上方から締付ボルト27の軸部38を挿入し、前記貫通孔14内に挿入して下端部に位置する前記ナット部材25の螺孔26に螺合する。図3に示すように、前記受部材20の上面に位置する前記締付ボルト27の頭部39に工具を係合して回転させることにより、前記ナット部材25が締付ボルト27の軸部38に対して螺進退し、該固定金具22が昇降するのである。ここで、図3及び図4に示すように、前記天板2に傷を付けないようにするために、前記固定金具22の圧接板40の上面にパット44を添設するとともに、前記載置板19の下面にも同様にパット44を添設している。
【0027】
そして、前記載置板19と固定金具22の圧接板40の間隔を広げた状態で、前記天板2の後端と前記幕板4の上端間に設けた上下開放したダクト開口9に、上方から前記固定金具22の下部と前記支柱6のカバー部28を差し入れ、前記載置板19を天板2の後縁部上面に載置するとともに、前記固定金具22の圧接板40を天板2の後縁部下面に位置させ、そして前記支柱6の上端部に露出した前記締付ボルト27の頭部39を回転させて固定金具22を引き付け、前記載置板19と圧接板40とで前記天板2の後縁部を上下から挟持して当該支柱6を立設するのである。
【0028】
次に、前記支柱6の側面に前記ハンギングビーム7を連結する構造を図2〜図5に基づいて説明する。本発明は、机天板2の背後にパネル板5や壁面が存在し、天板2の両側後縁部に一対の支柱6,6を立設し、両支柱6,6間に前後両面に係止レール45,45を設けたハンギングビーム7を前記パネル板5や壁面に接近させて連結してなるハンギングビームの取付装置において、前記支柱6の両側面に、内部に幅広の係合空間13を設けた係合溝12,12を全長に形成するとともに、該係合溝12に支柱カバー8を着脱可能に嵌着し、前記ハンギングビーム7の端部には単又は複数の螺孔47を形成した連結板46を取付け、締付板48の通孔49,49に挿通した固定ネジ50,50を前記連結板46の螺孔47,47に緩く螺合した状態で、前記締付板48を前記係合溝12の係合空間13内に上方から係合するとともに、前記連結板46又はハンギングビーム7の下端を前記支柱カバー8の上端に載置し、前記支柱6の両係合溝12,12に貫通させて形成した操作孔51,51に反対側の係合溝12側から差し込んだ工具で前記固定ネジ50,50を回転させて連結するものである。それから、前記支柱6の反対側、即ち工具を挿入する側の係合溝12には上下全長に渡って支柱カバー8を嵌着し、外観性を高めている。
【0029】
また、前記支柱6の係合空間13には前記固定ネジ50の頭部52を受け入れる凹溝53を有し、全体として断面略凸字形の空間としている。また、前記連結板46は、前記係合溝12の段落ち部16に嵌合する横幅で、前記ハンギングビーム7の上下寸法と略一致した上下高さを有し、上下部に取付孔54,54を形成し、外側方から取付孔54,54に挿通した取付ネジ55,55をハンギングビーム7の下穴溝56,56に螺合して該ハンギングビーム7の端部に予め取付ける。
【0030】
ここで、前記締付板48は、その通孔49,49に挿通した固定ネジ50,50を、前記ハンギングビーム7の端部にネジ55,55にて取付けた連結板46の螺孔47,47に緩く螺合しておくが、該締付板48と連結板46の間に前記係合溝12の溝縁部の厚さより若干広くするだけであるので、前記締付板48を係合空間13内に挿入した後、前記固定ネジ50,50を僅かに回転させるだけで、強固に締付けることができるのである。尚、前記締付板48の代わりに、個々の固定ネジ50に挿着する平ワッシャを用いても構わない。つまり、本発明の前記締付板48の概念には、平ワッシャやその他同等の機能を有するものを含むのである。
【0031】
更に、予め所定長さに設定して切断した前記支柱カバー8を前記係合溝12の段落ち部16に埋没状態で嵌着しておくことにより、上方から前記締付板48を係合空間13内に挿入した際に、前記段落ち部16に係合する前記連結板46の下端が前記支柱カバー8の上端に載置されて正確に位置決めされるので、前記操作孔51,51と固定ネジ50,50の位置も自動的に合致するので作業が極めて容易になる。
【0032】
前記ハンギングビーム7は、アルミ押出し型材で作製し、前後両面にそれぞれ2条の係止レール45,45を上下に並設している。尚、前記係止レール45は表裏両面にそれぞれ1条ずつ設けても良い。前面側の係止レール45は、開口57の上下縁に深い係止溝58,58を形成し、裏面側の前記係止レール45は、開口59の上下縁に浅い係止溝60,60を形成したものである。従って、図6に示すように、前記ハンギングビーム7の前面側の係止レール45には、前記連結板46を端部に取付ける前に、オプション支持部材61の係止板62を側端開放部から挿入して装着し、重量の重いフラットパネルディスプレイ63等を高い強度で支持するのに適し、また裏面側の係止レール45,45には、前面側からであって、上方又は下方から配線コード受部材64の係止片65を前記係止溝60,60に係止可能とするのに適している。
【0033】
また、前記支柱6の上端には、前述の連結作業が一通り終了した後に、合成樹脂製の天キャップ66を嵌着して前記受部材20や締付ボルト27の頭部39を隠蔽している。また、前記支柱カバー8の形状は、前記係合溝12内に着脱可能に嵌着できるものであれば特に限定されないが、合成樹脂製で押出し成形したものを適宜長さに切断して使用するものが好ましく、本実施形態では前記段落ち部16に嵌合する化粧板67の背面に前記係合溝12の溝縁部に弾性的に抜止め係合する脚片68,68を突設したものを用いている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るハンギングビームの取付装置を用いた代表的実施形態のパネル付き机を示す全体斜視図である。
【図2】本発明の要部の分解斜視図である。
【図3】立設状態の支柱とハンギングビームの連結途中の状態を示す省略斜視図である。
【図4】天板後縁部に立設した支柱間にハンギングビームを連結した状態の要部拡大縦断面図である。
【図5】同じく拡大横断面図である。
【図6】本発明に係るハンギングビームの使用例を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 机、 2 天板、
3 脚体、 4 幕板、
5 パネル板、 6 支柱、
7 ハンギングビーム、 8 支柱カバー、
9 ダクト開口、 10 化粧面、
11 方形部、 12 係合溝、
13 係合空間、 14 貫通孔、
15 下穴溝、 16 段落ち部、
17 ガイド部、 18 凹溝部、
19 載置板、 20 受部材、
21 通孔、 22 固定金具、
23 カバー部、 23 垂直部、
24 水平部、 25 ナット部材、
26 螺孔、 27 締付ボルト、
28 カバー部、 29 切断面、
30 ネジ、 31 取付孔、
32 化粧カバー、 33 係合部、
34 爪片、 35 ネジ、
36 取付孔、 37 嵌合片、
38 軸部、 39 頭部、
40 圧接板、 41 凹部、
42 切欠部、 43 開口部、
44 パット、 45 係止レール、
46 連結板、 47 螺孔、
48 締付板、 49 通孔、
50 固定ネジ、 51 操作孔、
52 頭部、 53 凹溝、
54 取付孔、 55 取付ネジ、
56 下穴溝、 57 開口、
58 係止溝、 59 開口、
60 係止溝、 61 オプション支持部材、
62 係止板、 63 フラットパネルディスプレイ、
64 配線コード受部材、 65 係止片、
66 天キャップ、 67 化粧板、
68 脚片。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
机天板の背後にパネル板や壁面が存在し、天板の両側後縁部に一対の支柱を立設し、両支柱間にハンギングビームを前記パネル板や壁面に接近させて連結してなるハンギング装置において、前記ハンギングビームの前後両面に係止レールを設け、前面に設けた係止レールと後面に設けた係止レールの機能が異なり、前面の係止レールはフラットパネルディスプレイや灯具等の機器を支持する機能を有し、後面の係止レールは配線コード受部材を保持する機能を有することを特徴とするハンギング装置。
【請求項2】
机天板の背後にパネル板や壁面が存在し、天板の両側後縁部に一対の支柱を立設し、両支柱間に前後両面に係止レールを設けたハンギングビームを前記パネル板や壁面に接近させて連結してなるハンギングビームの取付装置において、前記支柱の両側面に、内部に幅広の係合空間を設けた係合溝を全長に形成するとともに、該係合溝に支柱カバーを着脱可能に嵌着し、前記ハンギングビームの端部には単又は複数の螺孔を形成した連結板を取付け、締付板の通孔に挿通した固定ネジを前記連結板の螺孔に緩く螺合した状態で、前記締付板を前記係合溝の係合空間内に上方から係合するとともに、前記連結板又はハンギングビームの下端を前記支柱カバーの上端に載置し、前記支柱の両係合溝に貫通させて形成した操作孔に反対側の係合溝側から差し込んだ工具で前記固定ネジを回転させて連結することを特徴とするハンギングビームの取付装置。
【請求項3】
前記支柱の係合溝は、該支柱の側面から段落ちして形成し、該段落ち部に前記連結板を嵌合するとともに、前記支柱カバーを嵌合してなる請求項2記載のハンギングビームの取付装置。
【請求項4】
前記支柱の係合空間には前記固定ネジの頭部を受け入れる凹溝を有し、全体として断面略凸字形の空間としてなる請求項2又は3記載のハンギングビームの取付装置。
【請求項5】
前記ハンギングビームの裏面に1条又は2条の係止レールを設け、該係止レールは開口の上下縁に浅い係止溝を形成したものであり、上方又は下方から配線コード受部材を前記係止溝に係止可能としてなる請求項2〜4何れかに記載のハンギングビームの取付装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−104709(P2008−104709A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291235(P2006−291235)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】