説明

バックライト装置、該バックライト装置を備えた表示装置、及び、照明装置

【課題】安定した一定の電流をバックライトや照明等に供給して輝度ムラを防止する。
【解決手段】表示画面(21)のバックライトとして所定の位置に配置させた複数の発光素子を駆動させるバックライト装置(20,30)において、前記複数の発光素子に電流を供給して前記発光素子毎の駆動を制御する駆動制御手段(23)を有し、前記駆動制御手段(23)には、前記複数の発光素子(22)が直列接続され、前記直列接続された複数の発光素子(22)は、発光素子(22)毎に設定されるばらつき情報及び/又は色の違いに対応させて所定数毎に交互に配置させることにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライト装置、該バックライト装置を備えた表示装置、及び、照明装置に係り、特にバックライトや照明の輝度ムラを防止するためのバックライト装置、該バックライト装置を備えた表示装置、及び、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像や画像を表示する各種ディスプレイ装置において、高画質化や消費電力の改善等の研究が進められている。また、最近のディスプレイ装置としては、特に液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)が多く使用されてきている。
【0003】
一般的に、LCDは、光を用いてイメージを表示する出力パネルと、光を発生するバックライトユニットとを含んで構成される。ここで、バックライトユニットは、出力パネルのイメージが表示される有効表示領域に光を均一に提供することを主な目的として設計されており、近年ではLED(Light Emitting Diode)バックライトが注目されている。なお、LEDは、最近では照明等にも用いられている。
【0004】
LEDを用いたバックライトや照明には、白色LEDを配列して白色光の照明光を発光する構成のものや、R(赤),G(緑),B(青)の3色のLEDを配列し、これらの3色の光を混色して白色光とする構成のものがある。また、上記白色LEDには、短波長LEDに蛍光体を組み合わせて白色を得る方式のものや、青色LEDに蛍光体を組み合わせて白色を得る方式、或いは青色LEDに黄色の蛍光体を組み合わせて白色を得る方式のもの等がある。
【0005】
例えば、従来のバックライト装置では、駆動回路(ドライバIC(Integrated Circuit))等を用いて、上述したように配列された複数のLEDを一定のタイミングで切り換えて点滅させるように制御することで、LEDによる電圧損失と電流損失を最小に抑制するようにしている。
【0006】
ここで、上述したバックライト装置について図を用いて説明する。図1は、従来におけるバックライト装置の一例を示す図である。図1に示すバックライト装置10は、表示手段としてのLCDパネル11と、LED12と、ドライバIC13とを有するよう構成されている。なお、図1(a)については、LCDパネル11の上端部及び下端部に複数のLED12−1,12−2がそれぞれ直列に接続されている。また、LED12−1,12−2は、それぞれのLEDに対応して設けられたドライバIC13−1,13−2からの電流等により各LEDに駆動制御が行われる。
【0007】
具体的には、図1(a)に示すドライバIC13−1,13−2は、LED12−1,12−2に対して各LEDを駆動するための電流を供給し、LED12をバックライトとして点灯させる。なお、図1(a)の例では、LED12−1がLCDパネル11のA領域に対するバックライトを行い、LED12−2がLCDパネル11のB領域に対するバックライトを行う。
【0008】
また、図1(a)に示すようなバックライトの制御は、上述した構成に限定されるものではなく、例えば、図1(b)に示すように4つのドライバIC13−1〜13−4を設け、それぞれに対応するLED12−1〜12−4を個別に駆動させることで、LCDパネル11のそれぞれ対応する所定の位置(図1(b)においては、領域A〜D)のバックライトを点灯させることができる。
【0009】
しかしながら、図1(a),(b)に示すような単純配線方式の構成は、ドライバICとLEDとの接続を単に複数並べて接続しているだけである。また、各ドライバIC13−1〜13−4から供給される電流i1〜i4は、装置個々のばらつき等により各電流値が異なるため、LCDパネル11の各領域A〜Dに輝度ムラが発生しやすい。
【0010】
そこで、近年では上述した輝度ムラ等を防止するための手法が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。なお、特許文献1に示されている技術は、所定の配列方向に沿って並べられた複数の発光ダイオード、及びPWM(Pulse Width Modulation)調光を用いて、複数の発光ダイオードの駆動制御を行うLED駆動制御部を備えたバックライト装置であって、配列方向で隣接する2つの発光ダイオードに対し、PWM調光のオン/オフの位相を互いにずらした状態で、隣接する2つの発光ダイオードを点灯駆動させる。
【0011】
また、特許文献2に示されている技術は、LEDから発光された光により被照明体を裏面から照明するようにしたバックライト装置において、複数のLEDを並列に接続したLEDユニットを複数配設してなるLEDバックライト部と、各LEDユニット毎に設けられ該LEDユニットに対して定電流を供給する電流制御部とを有し、並列接続されたLEDユニットを構成するLEDを結ぶ直線が、少なくとも屈折する部分を有するようにLEDが配置されている。
【0012】
更に、特許文献3に示されている技術は、照明装置において、導光板と、導光板の側縁に対向配置されると共に導光板の側縁に沿って並んで設けられた複数の輝度レベルで発光可能な複数の発光素子を有した光源とを備え、発光素子は、同一の輝度レベルの発光素子毎に直列に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−198430号公報
【特許文献2】特開2007−109691号公報
【特許文献3】特開2006−127798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上述した特許文献に示されている手法においても、図1に示すように、複数のドライバICを用いて直列に並べた構成では、ドライバ装置個々のばらつき等による電流の変化があった場合にLED電流も変化するため、輝度ムラを完全に解消することができない。
【0015】
したがって、本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、安定した一定の電流をバックライトや照明設備等に供給してバックライトや照明の輝度ムラを防止するためのバックライト装置、該バックライト装置を備えた表示装置、及び、照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0017】
請求項1に記載された発明は、表示画面(21)のバックライトとして所定の位置に配置させた複数の発光素子を駆動させるバックライト装置(20,30)において、前記複数の発光素子に電流を供給して前記発光素子毎の駆動を制御する駆動制御手段(23)を有し、前記駆動制御手段(23)には、前記複数の発光素子(22)が直列接続され、前記直列接続された複数の発光素子(22)は、発光素子(22)毎に設定されるばらつき情報及び/又は色の違いに対応させて所定数毎に交互に配置させることを特徴とする。
【0018】
請求項2に記載された発明は、前記複数の発光素子(22)は、前記表示画面(21)の上下端、左右端、及び裏面のうち、少なくとも1つの領域に配置させることを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載された発明は、前記表示画面(21)に対して、複数の発光素子からなる素子ブロック(32,42)又は該素子ブロック(32,42)が複数配列された輝度ブロック(43)が設定され、設定された前記素子ブロック(32,42)毎又は前記輝度ブロック(43)毎に交互に配置されていることを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3の何れかに記載のバックライト装置(20,30)と、前記バックライト装置(20,30)により照明される表示手段(59)とを有し、前記表示手段(59)に表示される映像に対応させて前記バックライト装置(20,30)の輝度を補正することを特徴とする表示装置(50)である。
【0021】
請求項5に記載された発明は、前記表示手段(59)に表示するために入力される映像信号をフレーム毎に所定のブロックに分割し、該ブロック毎の映像情報を取得するブロック情報取得手段(53)と、前記ブロック情報取得手段(53)により分割された各ブロック単位にバックライトの輝度を補正するための制御を行うブロック単位制御手段(54)とを有し、前記バックライト装置(20,30)は、前記ブロック単位制御手段(54)により得られる輝度制御情報に基づいて、前記表示手段(59)に対してブロック毎のバックライトの駆動制御を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載された発明は、前記バックライトに対する前記輝度制御情報に基づいて、入力される映像信号に対する補正を行うバックライト輝度補正手段(57)を有し、前記バックライト輝度補正手段(57)により得られる映像信号を前記表示手段(59)により表示することを特徴とする。
【0023】
請求項7に記載された発明は、複数の発光素子(62)から発光された光により照明する照明装置(60)において、前記複数の発光素子(62)に電流を供給して前記発光素子毎の駆動を制御する駆動制御手段(63)を有し、前記駆動制御手段(63)には、前記複数の発光素子(62)が直列接続され、前記直列接続された複数の発光素子(62)は、発光素子(62)毎に設定されるばらつき情報及び/又は色の違いに対応させて所定数毎に交互に配置させることを特徴とする。
【0024】
なお、上記参照符号は、あくまでも参考であり、これによって、本願発明が図示の態様に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、安定した一定の電流をバックライトや照明に供給して輝度ムラを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来におけるバックライト装置の一例を示す図である。
【図2】バックライト装置の第1実施例を示す図である。
【図3】バックライト装置の第2実施例を示す図である。
【図4】LEDバックライトの配置例を説明するための図である。
【図5】本実施形態におけるブロック情報の一例を示す図である。
【図6】本実施形態におけるバックライト装置を備えた表示装置の機能構成の一例を示す図である。
【図7】本実施形態におけるバックライト装置を備えた他の適用例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<本発明について>
本発明は、バックライトや照明における配線方式を、単純配線方式から輝度ムラが生じ難い交互配線(クロス配線)方式に変えることで発光素子(例えば、LED等)単体の輝度ばらつきを散らす効果によりパネル全体の輝度ムラを軽減する。また、本発明は、交互配線方式で発光素子を駆動させる駆動制御手段(例えば、ドライバIC等)から各発光素子へ供給する電流を配置分散させることで輝度ばらつきの分布をパネル全体に均等に分散させる。更に、本発明では、ドライバICの数と複数の発光素子を有する素子ブロックの構成等で輝度ばらつきを吸収する任意の交互配線を行うこともできる。
【0028】
以下に、上述した特徴を実現するための本発明におけるバックライト装置、該バックライト装置を備えた表示装置、及び、照明装置を好適に実施した形態について図面等を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態の例では、発光素子としてLEDを用いることとし、また表示手段の一例としてLCDを用いることとするが、本発明においてはこれに限定されるものではない。また、以下に示す実施形態では、主に映像信号をディスプレイ等の表示手段に出力する際の輝度制御について説明するが、本発明に置いてはこれに限定されるものではなく画像等も含まれるものとする。
【0029】
<バックライト装置の概略構成例>
ここで、バックライト装置の概略構成例について、以下に説明する。
【0030】
<第1実施例:上下交互配線方式>
図2は、バックライト装置の第1実施例を示す図である。図2に示すバックライト装置20は、表示手段としてのLCDパネル21と、発光素子としてのLED22−1,22−2と、駆動制御手段としてのドライバIC23−1,23−2とを有するように構成されている。なお、図2では、上下交互配線の例を示している。
【0031】
バックライト装置20は、ドライバIC23と複数のLED22とが交互配線方式により接続されている。具体的には図2に示すように、複数のLED22−1,22−2には、ドライバIC毎にそれぞれ同一色からなる複数のLEDが接続されている。また、同一のドライバIC23に接続された複数のLEDは、バックライトの構成において、LCDパネル21の上段及び下段にバックライト用のLEDを配列させる際、上段と下段とを交互に直列配置する。
【0032】
なお、図2の例では、LEDを交互にするタイミングは、1LED毎にしているが、本発明においてはこの限りではなく、例えば2LED毎や3LED毎のように、予め設定された複数のLEDの数毎に上下に配列させて接続してもよい。
【0033】
<第2実施例:隣接交互配線方式>
ここで、上述した第1実施例におけるLEDの配線方式の場合には、輝度ムラを解消することができるが、図2に示すように上段及び下段に交互に配置させてLEDを配線するため、LCDパネルの裏面に往復させて配線する必要が生じる。そのため、配線コストがかかってしまう可能性がある。そこで、上記の内容を踏まえた実施例を第2実施例として以下に説明する。
【0034】
図3は、バックライト装置の第2実施例を示す図である。図3に示すバックライト装置30は、LCDパネル21と、LED22−1〜22−4と、ドライバIC23−1〜23−4とを有するように構成されている。なお、図3では、隣接交互配線の例を示している。
【0035】
図3に示すバックライト装置30は、図3に示すLCDパネル21に対し、パネルの上段及び下段のLED群に対し、それぞれ複数のドライバICを用いて上段及び下段のみのLEDに対して交互配線方式を適用している。
【0036】
つまり、第2実施例では、LCDパネル21の上段にドライバIC23−1,23−2を有し、下段にドライバIC23−3,23−4を有している。
【0037】
ドライバIC23−1,23−2は、それぞれがLCDパネル21の上段に配置された対応するLED22−1,22−2と接続されている。また、LED22−1とLED22−2とは、LCDパネル21の上段において交互配線されている。
【0038】
また、複数のLED22−1は同一色であり、複数のLED22−2も同一色である。したがって、配線されたLED間の特性の違いによる誤差を最小限に抑えることができ、輝度ムラをより防止することができる。
【0039】
また同様に、ドライバIC23−3,23−4は、それぞれが、LCDパネル21の下段に配置された対応するLED22−3,22−4と接続されている。また、LED22−3と22−4とは、LCDパネル21の下段において交互配線されている。
【0040】
また、複数のLED22−3は同一色であり、複数のLED22−4も同一色である。したがって、配線されたLED間の特性の違いによる誤差を最小限に抑えることができ、輝度ムラをより防止することができる。
【0041】
なお、第2実施例の場合にも上述した第1実施例と同様に配線が異なるLEDを交互に配置されているが、その交互配線は、1LED毎ではなく、例えば2LED毎や3LED毎のように、予め設定された複数のLEDの数毎に上段又は下段に配列させて接続してもよい。
【0042】
なお、上述した上下交互配線や隣接交互配線の他にも、例えば、予め設定された配列パターンを用いた交互配線方式を用いてもよく、ランダムに配置されるランダム配置方式を用いることができる。例えば、ユーザが重み視聴するLCDパネル21の中心を含む所定の領域のみに上下交互配線や隣接交互配線を行い、それ以外の領域(外枠領域)には、通常の直列配線等を行ったり、LCDパネルの大きさや形状に応じて配線コスト等が低減されるように上下交互配線や隣接交互配線を組み合わせて使用することができる。
【0043】
<LEDの構成について>
ここで、LEDバックライトは、上述したように、白色LEDを配列して白色光の照明光を発光する構成のものや、R(赤),G(緑),B(青)の3色のLEDを配列し、これらの3色の光を混色して白色光とする構成のものがある。
【0044】
したがって、例えば、R(赤),G(緑),B(青)の3色のLEDを配列する場合には、例えば、上述した第1実施例や第2実施例の構成においては、3つのLEDを交互に配列させる。この場合、例えば上述した図3の例では、上段及び下段のそれぞれにR,G,Bのそれぞれに対して複数のLEDが接続されたドライバICを3つ有することになる。
【0045】
また、本実施形態では、各色のLED毎に予め設定されているLEDに対するばらつき情報や色の違い等に対応させて、隣接する1又は複数のLEDを配列させることが好ましい。具体的には、本実施形態では、例えばLED毎に設定されているばらつき情報に基づいて輝度最大分類と輝度最小分類とで交互に配線して輝度制御を行ったり、R,G,B等のようにそれぞれ色の違うLEDを交互に配線して輝度制御を行ったりすることができる。
【0046】
ここで、上述したLEDに対するばらつき情報には、例えば定常ばらつき、温度変動ばらつき、経時変化ばらつき等が考えられる。定常ばらつきは、部品レベルの製造ばらつきであり、色毎にある程度の範囲が決まっている。また、温度変動ばらつきは、周囲の温度の変動により生じるばらつきである。更に経時変化ばらつきは、時間の経過と共に生じる劣化によるばらつきである。
【0047】
本実施形態では、上述したばらつき情報に対応させて、交互配線方式等によりドライバICから各LEDへ供給する電流を配置分散させることで輝度ばらつきの分布をパネル全体に均等に分散させることができる。なお、本実施形態における交互配線は、異なる色はもちろんのこと、同一色であってもばらつき情報に違いがあれば、その違いに対応させて同一のばらつきが予め設定さされた数以上隣接して配置されないように調整することが好ましい。
【0048】
なお、本実施形態においては、同一配線されるLEDの数も本発明においては特に限定されるものではなく、例えばLCDパネル21とバックライトLED22との特性や、LCDパネル21の画面サイズや形状、バックライト制御の内容に応じて設定することができる。したがって、例えば、同一色である複数のLEDについても1つのドライバICを用いて配線されなくてもよく、複数のドライバICを用いて各ドライバICが所定数毎に同一色のLEDを結線し、制御してもよい。
【0049】
<高耐圧ドライバIC>
なお、本実施形態では、ドライバICを高耐圧にすることで、ドライバIC自体の数を削減することもでき、配線構成等を簡略化することができる。上述したようにLCDパネル21のバックライトに複数のLEDを直列に接続して複数のLEDに対して駆動制御(例えば、点灯や消灯等)を行う場合、低圧ドライバICを用いると少ない数のLEDした制御できないため、LCDパネル21のバックライトに相当するLEDの数を駆動制御するために多くのドライバICが必要になる。なお、複数のドライバICを使うとIC間のばらつきによりLEDに流れる電流ばらつきが発生し、輝度ムラが起こったり、経年変化や温度ドリフト等でばらつき要因が拡大し、更なる輝度のばらつきを増大させることになる。
【0050】
そのため、本実施形態では、高耐圧のドライバICを数少なく使用して常に安定した一定の電流を各LEDに供給させる。なお、通常は、ドライバICの耐圧の値によってLEDを駆動する数が決定され、例えばLED1個の耐圧は約3Vであり、10個を直列接続した場合にはで約30V、20個を直列接続した場合には約60Vの耐圧ドライバICが必要となる。したがって、本実施形態におけるドライバICは、約50個のLEDを直列接続した場合の約150Vや、100個のLEDを直列接続した場合の約300Vの電圧値に耐えうる高耐圧ドライバICを用いるのが好ましい。なお、耐圧値については、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0051】
上述したように本実施形態によれば、複数のLEDと、そのLEDを駆動させるドライバICとを接続する場合に、隣り合ったLEDを連結して接続せず、固有の輝度干渉を避けるために、複数のLEDドライバと複数のLEDとを交互に接続することで、安定した一定の電流をバックライトに供給してバックライトの輝度ムラを防止することができる。また、本実施形態では、交互配線方式でLEDドライバから各LEDへ供給する電流を配置分散させることで輝度ばらつきの分布をパネル全体に均等に分散させることができる。
【0052】
また、本実施形態では、交互配線方式により少ないドライバICを使用しながら効率よく輝度ムラを抑えることができる。更に、本実施形態では、高耐圧のドライバICを用いてLEDを一括制御することで、常に安定した一定の電流を各LEDに供給して輝度ムラを更に低減させることができる。
【0053】
ここで、上述した本実施形態ではLCDパネル21の上下にLEDが配列されていたが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、LCDパネル21の左右又は裏面全体にバックライトのLEDが設けられていてもよい。
【0054】
<LEDバックライト配置例>
次に、上述したLEDバックライトの配置例について図を用いて説明する。図4は、LEDバックライトの配置例を説明するための図である。
【0055】
図4(a)〜(e)に示すように、例えば表示手段であるLCDパネル31には、上述した複数のLEDが所定の位置に配置された素子ブロック32が所定の位置に設けられている。なお、図4(a)〜(e)に示すLEDは、それぞれ上述した第1実施例や第2実施例等に示すような本実施形態における配線にて接続されている。
【0056】
具体的には、LCDパネル31に対して上側に素子ブロック32を配置してもよく(図4(a))、またLCDパネル31に対して上下に素子ブロック32−1,32−2を配置してもよい(図4(b))。更に、他の実施例としては、LCDパネル31に配置された左サイドや右サイドの一方のサイドに素子ブロック32を配置してもよく(図4(c)では左サイド)、また左右両サイドに素子ブロック32−1,32−2を配置してもよく(図4(d))、更には、上述したようにLCDパネル31の裏面に素子ブロック32を所定数並べて配置してもよい(図4(e))。
【0057】
なお、本発明においては、上述したバックライト配置例に限定されるものではなく、例えば、上下左右等に配置したり、上述の例のうち複数を組み合わせた配置例にしてもよい。また、上述した素子ブロック32は、例えば入力された映像信号から得られるAPL(Average Picture Level:平均輝度レベル)検出、輝度ヒストグラム検出、色ヒストグラム検出、周波数ヒストグラム検出の少なくとも1つの検出結果に応じて所定の大きさのブロック単位に分割することができる。なお、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば予め設定されたブロック単位に分割してもよい。
【0058】
また、本実施形態では、上述した素子ブロック32に直列接続された複数のLEDのうち、少なくとも1つのLEDが使用による寿命等により、点灯しない等の欠陥が生じた場合、他のLEDに対して影響がでないようにするため、欠陥LEDがある場合には、バイパス駆動制御を行うこともできる。
【0059】
<ブロック情報について>
次に、複数の発光素子(LED等)が直列に配列された素子ブロック情報について図を用いて説明する。図5は、本実施形態におけるブロック情報の一例を示す図である。なお、図5では、LCDバックライト用のLEDについて示している。
【0060】
図5(a),(b)に示す例では、所定の画面表示領域にR,G,Bのそれぞれの素子(エレメント)41r,41g,41bが存在し、これらの素子は、マルチ結線又はポイント結線によりドライバIC等を接続されている。
【0061】
また、図5の例では、各色の素子41r,41g,41bにより組(cell)が構成される。また、図5の例では、複数の組からなる素子ブロック42を構成し、更に複数の素子ブロック42が所定の位置に所定数配置されて、輝度補正を行う輝度ブロック43が構成される。なお、本実施形態においては、ブロックの数や配置例を図5(a),(b)に示しているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、LCDパネル31の画面サイズ等に応じて適宜設定される。
【0062】
また、図5(a)、(b)に示すバックライトは、LCDパネルの裏面に設置されるトップタイプ(Top Type)の構成であるが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば上述した図4に示すように、LCDパネル31の画面の下側やサイドの一方(右側、左側)又は両サイドに配置されるエッジタイプ(Edge Type)の構成であってもよい。
【0063】
また、本実施形態においては、上述した第1実施例や第2実施例に示すような配線方式を実現する。例えば、図5(a)の場合には、LCDパネル31の裏面に輝度ブロック43−1〜43−6が所定の位置で配列され、各輝度ブロック43には、複数の素子ブロック42−1〜42−4が形成されている。そのため、本実施形態では、上述した各輝度ブロック43毎又は素子ブロック42毎に、所定数からなる同一色のLED等を交互配線することができる。
【0064】
また、図5(b)についても同様に、LCDパネル31のバックライトについて、輝度ブロック43−1〜43−12に対し、各輝度ブロック43には、複数のLEDが配列された複数の素子ブロック42−1〜42−3が形成されているため、輝度ブロック毎又は素子ブロック毎に、同一色毎に所定数のLEDを交互配線することができる。
【0065】
つまり、本実施形態では、同一のドライバICに接続されているLEDが所定数以上、隣接して配置されることがないように、上述したマルチ結線やポイント結線等を用いて、上述した第1実施例や第2実施例に示すような交互配線を行うことで輝度ムラを低減させることができる。
【0066】
<バックライト装置を備えた表示装置について>
次に、上述したバックライト装置10を備えた表示装置の構成例について、図を用いて説明する。
【0067】
図6は、本実施形態におけるバックライト装置を備えた表示装置の機能構成の一例を示す図である。図6に示す表示装置50は、映像処理手段51と、映像情報分析手段52と、ブロック情報取得手段53と、ブロック単位制御手段54と、バックライト駆動制御手段55と、バックライト手段56と、バックライト輝度補正手段57と、タイミング制御手段58と、表示手段59とを有するよう構成されている。なお、本実施形態では、例えばバックライト駆動制御手段55やバックライト手段56が上述したバックライト装置に相当するものである。
【0068】
映像処理手段51は、入力される映像信号が圧縮符号化されている場合には、その信号の復号化を行ったり、限定受信放送等によりスクランブル化等の暗号化処理されている場合には、予め設定された鍵情報等を用いて復号化(デスクランブル化)を行う。つまり、映像処理手段51は、後段の各構成で映像信号に対する処理が可能となり、表示手段59から映像が表示できるように、入力された映像信号を適宜変換する。また、映像処理手段51は、入力された信号を映像情報分析手段52、及びバックライト輝度補正手段57に出力する。
【0069】
映像情報分析手段52は、映像処理手段51により入力された映像信号に対して、例えばAPL検出、輝度ヒストグラム検出、色ヒストグラム検出(色相、色飽和度)、及び、周波数ヒストグラム検出等のうち、少なくとも1つの情報を検出し、検出した情報から映像情報の分析を行う。つまり、映像情報分析手段52により、映像(画像)に対するヒストグラム情報やプロファイル情報等を取得することができるため、これらの情報に基づいて映像等に対応させた適切なバックライトの輝度制御を行う。また、映像情報分析手段52は、分析された結果をブロック情報取得手段53に出力する。
【0070】
ブロック情報取得手段53は、映像情報分析手段52により得られる分析結果と、予め設定される映像信号に対する制御信号に基づいて、ブロック単位あたりの大きさ(画素数、インチ等)等を設定する。このように、ブロック単位の大きさを映像情報等から設定することにより、映像情報に対応させてブロック単位のバックライト制御を行うことができる。
【0071】
なお、本実施形態において、所定のブロック単位に分割する場合には、その分割可能な数として、例えば映像の画素単位や2×2ピクセル、4×4ピクセル、16×16ピクセル等のように、正方形ブロック毎にブロックを分割することができるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0072】
また、ブロック情報取得手段53における処理実行のタイミングは、例えば、外部からの制御信号の入力のタイミングで実行してもよく、また予め設定された制御情報に基づいて映像情報分析手段52により分析結果の情報が入力されたタイミングで実行してもよい。また、ブロック情報取得手段53は、取得したブロック情報をブロック単位制御手段54に出力する。
【0073】
ブロック単位制御手段54は、ブロック情報取得手段53により得られるブロック情報に基づいて、映像信号に対応するブロック毎にバックライトの輝度を制御するため、例えば、各ブロック単位でオフセット(Off−set)制御や非線形補正等を行う。また、ブロック単位制御手段54は、入力された映像信号に対する各ブロック単位の輝度制御情報に対応させてPWM等によるパルス変調処理を行って制御信号を生成する。なお、本実施形態における制御信号は、例えば、直列に接続された複数のドライバIC毎に個別の駆動制御を行わせるため、アドレス情報と制御データからなる駆動制御情報を含んでいてもよい。
【0074】
ブロック単位制御手段54は、上述したドライバIC13に対して、所定のタイミングで所定のLEDに対して輝度を制御する輝度制御情報をバックライト駆動制御手段55に出力する。また、ブロック単位制御手段54は、上述した輝度制御情報をバックライト輝度補正手段57に出力する。更に、ブロック単位制御手段54は、上述した各ブロック単位のオフセット制御情報や非線形補正情報をバックライト駆動制御手段55及びバックライト輝度補正手段57に出力する。
【0075】
バックライト駆動制御手段55は、ブロック単位制御手段54により得られるブロック毎の輝度制御情報やオフセット制御情報、非線形補正情報等に対応させて、各ブロック位置に対応するバックライトの駆動制御を行い、所定のタイミングでバックライト手段56のLEDを点灯させる。なお、上述したドライバIC13は、バックライト駆動制御手段55に含まれる。また、バックライト駆動制御手段55は、例えば、複数のドライバICが直列に接続されている場合には、全ドライバICに対して上述した制御信号を出力し、各ドライバICは、その制御信号に対し、予め設定された自己のアドレス情報が含まれているか否かを検索し、自己のアドレス情報が存在した場合に、そのアドレス情報に対応して付与されている制御内容に基づいて駆動制御を実行する。
【0076】
また、本実施形態におけるバックライト駆動制御手段55は、タイミング制御手段58により表示手段59から出力される映像信号と同期させてバックライトを駆動させるように、タイミング制御手段58からのクロック信号に基づいて、タイミング制御によりLEDを駆動するための制御信号をバックライト手段56に出力することができる。
【0077】
ここで、バックライトは、通常、LCDに設けられているR(赤)、G(緑)、B(青)の3つの色のLED素子等に対応させて、それぞれ対に設けられている。そのため、画素毎の調整は、LED素子毎に行うことが望ましいが、その場合にはコストや処理時間がかかってしまう。そこで、本実施形態では、所定のブロック単位で処理を行う。これにより、コストの削減と効率化を実現することができる。
【0078】
バックライト駆動制御手段55は、各ブロックに対応するそれぞれの制御信号をバックライト手段56に出力する。バックライト手段56は、設定された各ブロックに対応するそれぞれの駆動制御信号に基づいて、各ブロックの所定の位置にあるLEDをそれぞれに設定された所定の輝度制御により所定の輝度レベルで点灯させ、その光をバックライトとして表示手段59の画面に照射させる。
【0079】
バックライト輝度補正手段57は、ブロック単位制御手段54により得られる輝度制御情報、オフセット制御情報、非線形補正情報に基づいて、映像処理手段51により得られる映像信号に対して、バックライトに対する駆動制御情報を用いた輝度補正を行う。つまり、バックライト輝度補正手段57は、ブロック単位のディミング制御情報を逆補正してトリミングし、映像信号側にフィードバックする。
【0080】
ここで、バックライトは、例えば表示手段59の裏面等に位置し、輝度制御用のブロック単位で動作している。また、バックライトの動作は、映像信号の解像度に及ばない低解像度の輝度動作である。そのため、本実施形態によれば、映像信号の輝度解像度との差が生じるといったブロック輝度干渉妨害を防止することができ、ユーザに見易くて最適な映像を表示手段59のディスプレイ画面に表示することができる。また、バックライトは、上述したLED等の発光素子を複数用いて、上述した第1実施例又は第2実施例に示すような交互配線により結線されている。これにより、輝度ムラを低減させることができる。
【0081】
また、バックライト輝度補正手段57は、オフセット制御情報及び非線形補正情報により映像信号の補正を行うことで、バックライトのインパルス制御機能等と共に輝度、コントラスト、色等の制御を行うことができる。
【0082】
なお、本実施形態において、バックライト輝度補正手段57は、輝度ブロックの構成により映像信号側にフィードバックさせる情報が変化し、更に表示手段59の輝度透過率等によっても補正量を適切に調整する必要がある。その場合には、例えば予め設定された輝度透過率検出用カメラ等を用いて検出された結果を用いてフィードバックさせる情報を自動的に調整することができる。バックライト輝度補正手段57は、上述した処理等により補正された映像信号をタイミング制御手段58に出力する。
【0083】
タイミング制御手段58は、バックライト輝度補正手段57により得られる映像信号を表示手段59の画面の水平方向、垂直方向に合わせて表示する時間の制御を行い、表示手段59の一面に表示される画像情報を生成し、生成された画像を表示手段59に出力する。
【0084】
更に、タイミング制御手段58は、画面に表示する映像と同期してバックライト手段56によるバックライトを点灯させるために、バックライト駆動制御手段55に対し、映像信号を表示手段59に出力したタイミングに対応させて、その映像信号に対応するバックライトを点灯させるタイミング制御信号をバックライト駆動制御手段55に出力する。
【0085】
これにより、表示手段59による映像出力と、バックライト手段56による当該映像に対応したバックライト出力とを同期させることができる。
【0086】
表示手段59は、タイミング制御手段58にて生成された映像情報を画面に表示する。なお、表示手段59としては、例えばLCDパネル等を用いることができるが本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0087】
上述した構成により、本実施形態では、LCDパネル等の表示手段59のバックライトを、映像コンテンツに連動させて動的(Dynamic)に動作させることができ、よりハイコントラストな映像を提供することができる。
【0088】
つまり、本実施形態に示す表示装置50によれば、表示手段59に表示される映像コンテンツ等に対応させてバックライト装置の輝度を補正することができ、映像コンテンツに応じた最適なバックライト制御を行うことができる。したがって、LCDバックライトでの様々なディミング動作を行うときに発生する映像信号への輝度干渉妨害を改善することができ、ディミング動作をより最適な動作にすることができる。
【0089】
また、本実施形態では、従来のAPL検出によって処理される基準輝度制御の他に、輝度ヒストグラム検出等により最適輝度制御が実現でき、例えば、色ヒストグラム検出を行うことで、最適なホワイトバランス(White Balance)制御等によるRGBに対するLEDバックライト制御を行うことができる。つまり、本実施形態では、各種ヒストグラムの検出結果のみを用いてバックライト輝度制御を行ってもよく、またAPLの検出結果と各種ヒストグラムの検出結果とを組み合わせてバックライト輝度制御を行ってもよい。
【0090】
<バックライト装置の他の適用例>
なお、上述した本実施形態におけるバックライト装置は、TV等の表示装置として用いられるだけでなく、例えば照明や電子看板、その他の各種ディスプレイ等にも広く適用することができる。つまり、本実施形態におけるバックライト装置は、LED等の発光素子を駆動させることができる機器全般に適用することができる。そこで、以下にバックライト装置の他の適用例について図を用いて説明する。
【0091】
図7は、本実施形態におけるバックライト装置を備えた他の適用例を説明するための図である。なお、図7(a)は、本実施形態におけるバックライト装置を照明装置に適用した例を示し、図7(b)は、本実施形態におけるバックライト装置を電子看板システムに適用した例を示している。
【0092】
図7(a)に示す照明装置60は、一例としてLEDランプを示している。具体的に説明すると、照明装置60は、ランプ本体61内に複数のLED62−1,62−2が所定の個数毎に直列に接続され、直列に接続された各LED群は、照明方向に適した所定位置に配置されている。なお、各LED群は、上述した発光素子ブロックとして構成されていてもよい。
【0093】
また、直列に接続された複数のLED62−1,62−2は、図7(a)に示すように対応するドライバIC(LED駆動制御手段)63−1,63−2と接続されている。したがって、ドライバIC63−1,63−2は、それぞれ担当するLED62−1,62−2毎に駆動制御を行う。また、コントロールIC64(主制御手段)は、各ドライバIC63−1,63−2に対して、それぞれ個別に担当するLED駆動制御を行わせるための制御データを生成し、生成した制御データとドライバICを識別するアドレス情報等とを組み合わせた駆動制御情報を含む制御信号を生成する。
【0094】
ここで、各ドライバIC63−1,63−2は、図7(a)に示すように直列に連結されている。そのため、コントロールIC64は、上述した制御信号をドライバIC63−1からドライバIC63−2に伝送させることで、各ドライバは、制御信号に含まれるアドレス情報を参照し、各ドライバICに予め割り当てられているアドレス情報と照合して一致する場合に、その制御データを用いた駆動制御を行う。なお、直列に連結されるドライバICの数は、これに限定されるものではなく、例えば照明装置60の大きさや形状等に対応させて設定することができる。
【0095】
また、図7(b)に示す電子看板システム70は、一例として1台のPC71と複数の電子看板72(図7(b)の例では、電子看板72−1,72−2)とを有するよう構成されている。また、PC71と複数の電子看板72とは、インターネット等に代表される通信ネットワーク73を介してデータの送受信が可能な状態で接続されている。
【0096】
図7(b)に示す電子看板システム70では、管理者等によりPC71を用いて作成、編集がされた商品説明や企業名等を紹介するためのコンテンツ等を、通信ネットワーク73を介して異なる場所に設置された複数の電子看板72上に、同時に表示や更新をすることができる。ここで、上述した電子看板72は、例えば大型の液晶ディスプレイ等を用いており、このような大型の液晶ディスプレイ等においても上述した本実施形態におけるバックライト装置を適用することができる。
【0097】
例えば、図7(b)に示す電子看板72において、上述したように、複数のドライバICを直列に連結し、コントロールICにより制御信号を全ドライバICに伝送させるようにする。これにより、電子看板72は、直列に接続された複数のドライバICがそれぞれ担当するLEDを適切に駆動制御することができる。なお、上述したバックライト装置は、PC61の液晶ディスプレイにも同様に適用することができる。
【0098】
つまり、図7(a),(b)に示す例においても、上述したように、直列接続された複数の発光素子を、発光素子毎に設定されるばらつき情報及び/又は色の違いに対応させて所定数毎に交互に配置させることで輝度ムラを低減させることができる。
【0099】
また、図7(a),(b)に示すような本実施形態におけるバックライト装置の他の適用例においてもドライバICの直列配線により製造コストの削減と妨害耐性の向上を実現することができる。また、上述した制御信号を用いることで各ドライバIC毎に適切な駆動制御を実現することができる。
【0100】
上述したように、本発明によれば、安定した一定の電流をバックライトや照明に供給して輝度ムラを防止するためのバックライト装置、該バックライト装置を備えた表示装置、及び、照明装置を提供することができる。
【0101】
なお、本発明におけるバックライト装置は、TVやPCの画面、携帯端末、デジタルカメラ等のバックライトを具備する表示画面等の分野に広く適用することができる。
【0102】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0103】
10,20 バックライト装置
11,21,31 LCDパネル(表示手段、表示画面)
12,22,62 LED(発光素子)
13,23,63 ドライバIC
32,42 素子ブロック
41 素子(エレメント)
43 輝度ブロック
50 表示装置
51 映像処理手段
52 映像情報分析手段
53 ブロック情報取得手段
54 ブロック単位制御手段
55 バックライト駆動制御手段
56 バックライト手段
57 バックライト輝度補正手段
58 タイミング制御手段
59 表示手段
60 照明装置
61 ランプ本体
62 LED
64 コントロールIC(主制御手段)
70 電子看板システム
71 PC
72 電子看板
73 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面のバックライトとして所定の位置に配置させた複数の発光素子を駆動させるバックライト装置において、
前記複数の発光素子に電流を供給して前記発光素子毎の駆動を制御する駆動制御手段を有し、
前記駆動制御手段には、前記複数の発光素子が直列接続され、
前記直列接続された複数の発光素子は、発光素子毎に設定されるばらつき情報及び/又は色の違いに対応させて所定数毎に交互に配置されていることを特徴とするバックライト装置。
【請求項2】
前記複数の発光素子は、前記表示画面の上下端、左右端、及び裏面のうち、少なくとも1つの領域に配置させることを特徴とする請求項1に記載バックライト装置。
【請求項3】
前記表示画面に対して、複数の発光素子からなる素子ブロック又は該素子ブロックが複数配列された輝度ブロックが設定され、設定された前記素子ブロック毎又は前記輝度ブロック毎に交互に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバックライト装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載のバックライト装置と、前記バックライト装置により照明される表示手段とを有し、前記表示手段に表示される映像に対応させて前記バックライト装置の輝度を補正することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
前記表示手段に表示するために入力される映像信号をフレーム毎に所定のブロックに分割し、該ブロック毎の映像情報を取得するブロック情報取得手段と、
前記ブロック情報取得手段により分割された各ブロック単位にバックライトの輝度を補正するための制御を行うブロック単位制御手段とを有し、
前記バックライト装置は、前記ブロック単位制御手段により得られる輝度制御情報に基づいて、前記表示手段に対してブロック毎のバックライトの駆動制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記バックライトに対する前記輝度制御情報に基づいて、入力される映像信号に対する補正を行うバックライト輝度補正手段を有し、
前記バックライト輝度補正手段により得られる映像信号を前記表示手段により表示することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
複数の発光素子から発光された光により照明する照明装置において、
前記複数の発光素子に電流を供給して前記発光素子毎の駆動を制御する駆動制御手段を有し、
前記駆動制御手段には、前記複数の発光素子が直列接続され、
前記直列接続された複数の発光素子は、発光素子毎に設定されるばらつき情報及び/又は色の違いに対応させて所定数毎に交互に配置させることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−118263(P2012−118263A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267418(P2010−267418)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年6月1日 PJ総合研究所発行の「PROJECTORS(VOL.23)」に発表
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【出願人】(508260108)有限会社ATRC (18)
【Fターム(参考)】