説明

バックライト装置及びこれを用いた液晶表示装置

【課題】低価格で高品質の映像表示を得ると共に低消費電力化が実現できるバックライトと液晶表示装置。
【解決手段】光源として、白色、赤色、緑色及び/又は青色を含む最小単位m×n(m、nは自然数)個のユニットから構成された複数の発光ダイオードを用い、液晶表示パネルを背面から照らすバックライト装置であって、発光ダイオードをユニット単位で駆動する駆動手段と、ユニットを複数まとめてブロックとするブロック設定手段と、映像信号の輝度を検出する輝度検出手段と、ブロック単位で発光ダイオードの輝度を独立して制御する輝度制御手段と、を有し、前記ブロックの大きさを、任意に設定変更可能なスイッチ手段を含むとともに、輝度検出手段により検出された映像信号の輝度に基づいてブロックの大きさを設定するとともに,各発光ダイオードの駆動電流を独立して変え、前記ブロックの大きさに応じてブロック単位で発光ダイオードの輝度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー液晶表示パネルの背面に光を照射する発光ダイオードを使用したバックライト装置及びこれを用いた液晶表示装置に関し、特に高画質の映像を安価に実現するための発光ダイオードの構成及び駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶表示装置は、カラーフィルタを備えた透過型の液晶表示パネルを背面側からバックライト装置にて照明することでカラー映像を表示させる方式が主流となっている。また、バックライトには、従来から蛍光管を使ったCCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)が多く用いられていたが、環境問題から水銀の使用が制限されてきており、水銀を使用しているCCFLに変わる光源として発光ダイオードLED(Light Emitting Diode)が使用されつつある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この液晶パネル用バックライト装置は、光源の配置によってエッジ型と直下型との2つに大別される。エッジ型は、液晶パネルの背面側の直下に導光板を配し、導光板の側面部に光源を配置させるタイプで、主として携帯電話やノートパソコンの表示用など比較的小型の液晶パネルに用いられている。また、直下型は液晶パネルの背面側の直下に光源を配置させるタイプで、エッジ型より光利用率がよくまた軽量化も可能なため、大型の液晶パネルに用いられつつある。
【0004】
また、発光ダイオードを光源に用いる直下型バックライト装置においては、その光源と
して白色発光ダイオードを用いる方式と、3原色の赤色光、緑色光、青色光を発光する発
光ダイオードを用いてその混色によって白色光を得る方式がある。
【0005】
しかし、このような構成による発光ダイオードを用いたバックライト装置においては、
従前のCCFLを用いたバックライト装置と同様に、液晶表示装置の使用時には常に高輝度で点灯させており、更なる低消費電力化が求められている。そのため特許文献2のように、バックライトを複数のサブユニットに分割して、サブユニット毎に輝度を調整することによって低消費電力を図る提案がなされている。
【0006】
また、一般に発光ダイオードは輝度、色度ともにバラツキが大きな半導体デバイスであ
るため、無作為に使用しては、輝度ムラ、色度ムラが大きく画質を損ねるために発光ダイ
オードの選別が必要となる。バラツキのある発光ダイオードを無駄なく利用する方法とし
て、例えば特許文献3が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−191311号公報
【特許文献2】特開2004−191490号公報
【特許文献3】特開2006−133708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特許文献2のように、バックライトを独自に輝度調整できる複数のサブユニットに分割して、前記サブユニットに対応する表示画面エリアの輝度を調整する場合、分割されたサブユニットの発光ダイオードの数が例えばm×n等固定のため、サブユニットの大きさを変えることは出来ず、独立して輝度調整できる表示画面のエリアも固定されてしまう。しかし、映像信号の内容によっては、表示画面の輝度を変化させたいエリアの大きさや場所は当然異なるため、上述の特許文献2のように、独立して輝度を変える表示画面のエリアが固定されていると、最適な映像を再現することが困難である等の問題がある。
【0009】
また、バックライト用に比較的電力の大きい発光ダイオードを小数使用した場合、発光ダイオードのバラツキによる輝度ムラの影響が無視できず、発光ダイオードを選別するか、或いは特許文献3のように何らかの輝度ムラの対策をする必要が発生するためコストアップの要因となるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上述の点に鑑み、バックライトとして、小電力(0.1〜0.5ワット程度)の発光ダイオードを多数配置し、かつ任意の複数の近接する発光ダイオードをユニット単位としてまとめて、ユニット単位で独立して輝度を制御できるようにすることによって、映像信号の内容に合った表示画面の輝度が得られるようにし、例えば暗い映像信号の部分に対応する表示画面のエリアのバックライトを暗くすることで低消費電力化が図れると共に、最適な映像が得られる液晶バックライト装置及びこれを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、第1の発明に係るバックライト装置(200、200a)は、光源として、白色発光ダイオード(11)、赤色発光ダイオード(12)、緑色発光ダイオード(13)及び/又は青色発光ダイオード(14)を含む複数の発光ダイオード(16)を用い、液晶表示パネル(260)を背面から照らすバックライト装置(200、200a)であって、
前記複数の発光ダイオード(16)は、最小単位m×n(m、nは自然数)個のユニットから構成され、
前記発光ダイオード(16)を前記ユニット単位で駆動する駆動手段(173、174)と、
前記ユニットを複数まとめてブロックとするブロック設定手段(150、150a)と、
映像信号の輝度を検出する輝度検出手段(140)と、
前記ブロック単位で前記発光ダイオード(16)の輝度を独立して制御する輝度制御手段(160)と、を有し、
前記ブロック設定手段(150、150a)は、前記発光ダイオード(16)の最小単位であるユニットを複数まとめた前記ブロックの大きさを、任意に設定変更可能なスイッチ手段(SWX、SWY、DSX、DSY)を含むとともに、前記輝度検出手段(140)により検出された前記映像信号の輝度に基づいて、前記ブロック設定手段(150、150a)はブロックの大きさを設定し、
前記複数の発光ダイオード(16)は、各々がXドライバー(91、101、111)とYドライバー(92、102、112)に接続され、該Yドライバー(92、102、112)で水平方向に延在するライン単位で前記発光ダイオード(16)を選択し、選択されたライン上にある水平方向の各発光ダイオード(16)の駆動電流を前記Xドライバー(91、101、111)で独立して変えることにより、前記輝度制御手段(160)は、前記ブロック設定手段(150、150a)で設定されたブロックの大きさに応じて前記ブロック単位で前記発光ダイオード(16)の輝度を制御することを特徴とするバックライト装置。
【0012】
これにより、必要に応じて発光ダイオードの駆動単位を最小ユニットとしたり、これらを幾つかまとめてブロック単位としたりすることができ、状況に応じて柔軟な駆動方式を採用することができる。
【0013】
さらに、バックライトとして小電力の発光ダイオードを多数使用することによって、表示画面の或エリアを照射する発光ダイオードの数が大電力発光ダイオードを小数使用する場合と比較して多くなるため、発光ダイオードの輝度のバラツキが平均化され、発光ダイオードの輝度バラツキによる影響を軽減することができるという利点がある。
【0014】
また、スイッチ切替によりブロック設定を任意に切り替えることができ、簡素な制御で種々の状況に応じた適切なブロック単位で発光ダイオードの駆動制御を行うことができる。
【0015】
また、映像信号の内容に合った表示画面の輝度が得られるようにすることができ、例えば、暗い映像信号の部分に対応する表示画面のエリアのバックライトを暗くすることで低消費電力化が図れると共に、最適な映像を得ることができる。
【0016】
更に、映像信号の輝度に応じてブロックの大きさを設定することができる。例えば、低輝度の領域が固まって存在する部分を含む映像信号の場合には、その領域の大きさに合うようにブロックの大きさを設定し、その領域のバックライト装置による輝度を下げるようにすれば、省電力化を図ることが可能となる。
【0017】
また、輝度調整及び色温度の調整を容易に行うことができるとともに、適切な発光ダイオードを組み合わせてバックライト装置の光源を構成することができる。
【0018】
第2の発明は、第1の発明に係るバックライト装置(200,200a)において、
前記Xドライバー(91、101、111)及び前記Yドライバー(92、102、112)は、前記ブロック毎に独立して制御可能に分割されて設けられたことを特徴とする。
【0019】
第3の発明に係る液晶表示装置(300)は、第1又は2の発明に係るバックライト装置(200、200a)を有し、
前記バックライト装置(200、200a)の前面に対向して配置され、前記バックライト装置(200、200a)により背面から照らされて画像を表示する液晶表示パネル(260)と、
前記液晶表示パネル(260)を駆動するソースドライバ(240)及びゲートドライバ(250)と、
前記ソースドライバ(240)及び前記ゲートドライバ(250)の駆動を制御する液晶パネル制御回路(230)と、を有することを特徴とする。
【0020】
これにより、低消費電力化を図りつつ、液晶表示パネルに高精細な画像を表示することができる。
【0021】
なお、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例に過ぎず、図示の態様に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、映像信号の内容に応じて、例えば表示画面の暗いエリアに対応するバックライトの輝度を下げることによって低消費電力化が実現できる。また、輝度ムラを軽減することができるためバックライトの低価格化が図れるので、特に大型液晶テレビやモニター等への実用的効果は大きい。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0024】
本発明を実現するための最良の形態の例として、以下にバックライトの光源として白色発光ダイオードを使用する場合について説明する。図1は、最小単位であるユニットとして、白色発光ダイオード11を1個(1×1)とした場合の発光ダイオードの配列を示した図である。本実施例に係るバックライト装置においては、例えば、図1のように比較的小電力の白色発光ダイオード11をバックライトの全面にほぼ均等に多数配置する。また、図2は発光ダイオードの配列の別の実施例を示すが、本発明は、図1及び図2に示す発光ダイオードの配列に限るものではない。
【0025】
次に、発光ダイオードの最小単位であるユニットを複数まとめてブロック化する場合について説明する。図3は、前記白色発光ダイオード11の6×5ユニットを1つのブロック31とし、バックライトを3×3=9のブロックに分けた場合の様子を示した図である。映像信号の輝度が図3の同一ブロック内で大きな輝度の差がなく、かつブロック間で輝度の差があるような場合には、バックライト全体をこの図3のようなブロック31に分割して、各ブロックを映像信号の輝度に応じて明るさを制御する。つまり、輝度が大きいブロック31については、バックライトの輝度を高くし、輝度が小さいブロック31については、バックライトの輝度を小さくするような制御を行う。また、図4は別のブロック分割の例を示した図である。図4においては、表示画面の上部と下部は2ブロック41に分割するが中央部は3つのブロック42に分割した例を示す。このように映像信号の内容、例えば映像信号の輝度に応じてバックライト全体を複数の任意のブロック31、41、42に分割し、分割された各ブロック単位で発光ダイオードの輝度を制御し、映像信号の暗いところはバックライトの輝度を下げることになるので、バックライトの消費電力を軽減することができる。
【0026】
また、本発明によれば、前記のようにバックライトをブロック分割して、前記分割されたブロック間で輝度が異なる場合に、その境界で生じる輝度変化を目立たないように軽減させることも可能である。例えば、あるブロック31、41、42の輝度が明るく、それに隣接したブロック31、41、42の輝度が暗いとすると、前記輝度の明るいブロック31、41、42の境界近傍の白色発光ダイオード11の輝度は徐々に暗くし、反対に輝度の暗いブロック31、41、42の境界近傍の白色発光ダイオード11を徐々に明るくするなどである。これは、小電力の白色発光ダイオード11を多数配置しているために可能となるのである。
【0027】
図5は、比較参照例として、大電力の発光ダイオード51を小数使用したバックライト装置を示した図である。本発明によれば、図1のようにバックライト用光源として小電力の白色発光ダイオード11を多数使用するため、図5のように大電力の発光ダイオード51を小数使用するバックライトと比較して、ある表示画面内の発光ダイオード11の数が多いため、個々の発光ダイオード11の輝度バラツキが平均化されるので、輝度バラツキの影響を軽減することが出来る。
【0028】
図6は、バックライト用発光ダイオード11の最小単位のユニットが、複数個の発光ダイオードから構成された場合の一例を示した図である。これまで、バックライト用発光ダイオードの最小単位であるユニットとして、1×1=1個の白色発光ダイオード11から構成される場合について説明したが、図6に示すようにm×n個(m、nは自然数)の複数個の発光ダイオードも含んだ単位としてもよい。この場合は、m×n個のユニットを最小単位として、複数のユニットをまとめて任意のブロック化を行うことになる。即ち映像信号の内容に応じたブロック化を行い、各ブロック内に含まれる発光ダイオード11の輝度を一括して独立して制御すればよい。
【0029】
本発明の別の実施例として、バックライト装置は、図7に示すように複数個の構成としてもよい。図7はバックライトを4つの構成(71、72、73、74)とした場合の例を示した図である。このようにバックライトを複数個に分割することによって、分割されたバックライト基板内の発光ダイオードの数及び配線は少なくなるので、前記1枚のバックライト基板の明るさを制御する回路は簡単になる。バックライトを分割しないか或いは何個に分割するかは液晶パネルの大きさと発光ダイオードの数及び発光ダイオードの制御回路によって決めればよい。
【0030】
これまで、白色発光ダイオード11を例に挙げて説明したが、図8に示すようにカラー発光ダイオード15を用いてもよい。図8は、カラー発光ダイオード15を含む発光ダイオード16の配置の一例を示した図である。図8(a)は、カラー発光ダイオード15として、赤色(R)発光ダイオード12、緑色(G)発光ダイオード13、青色(B)発光ダイオード14の各1個を1組とした場合の例を示す。なお、以後、赤色発光ダイオード12、緑色発光ダイオード13及び青色発光ダイオード14のいずれかから構成される発光ダイオードを総称してカラー発光ダイオード15と表記し、更に白色ダイオード11を含めた場合、又は発光ダイオードの発光色を規定しない場合には発光ダイオード16と表記するものとする。
【0031】
図8(a)において、上段の図はインライン配列の場合を、下段の図はデルタ配列の場合の例を示した図である。図8(b)は、カラー発光ダイオード15に赤色(R)発光ダイオード12、青色(B)発光ダイオード14を各1個、緑色(G)発光ダイオード13を2個含み、これを1組とした場合の例を示した図である。更に別の例として、図8(c)は、白色(W)発光ダイオード11を2個、赤色(R)発光ダイオード12、緑色(G)発光ダイオード13、青色(B)発光ダイオード14各1個を1組とした場合の例を示した図であり、図8(d)は白色発光ダイオード11を2個、赤色(R)発光ダイオード12、緑色(G)発光ダイオード13、青色(B)発光ダイオード14を各1個1組とした別の例を示した図である。なお、カラー発光ダイオードの組み合わせは、上述の例に限るものではない。
【0032】
また、図1乃至図7において、白色発光ダイオード11を適用した例を挙げて説明したが、これらは、総てカラー発光ダイオード15又は白色発光ダイオード11も含めた種々の組み合わせからなる発光ダイオード16について、総て適用することができる。
【0033】
次に、本発明を適用した実施例によるバックライト装置の発光ダイオード16の駆動について以下に説明する。図9は発光ダイオード16の駆動方法の一実施例を示した図である。図9において、Xドライバー91は多数配列されている発光ダイオード16の水平方向の駆動回路で、Yドライバー92は垂直方向の駆動回路を示す。この構成において、各発光ダイオード16は独立して各々が前記Xドライバー91と前記Yドライバー92に接続されているので、発光ダイオード1個単位で独立して明るさを制御することができる。しかし、大型液晶パネルのように発光ダイオード16の数が多いと、発光ダイオード16の駆動回路(LSI)の出力端子の数と配線の数が多くなる。前記駆動回路の出力端子の数を減らすためには、図7に示すようにバックライトをいくつかに分割することで、1つの駆動回路の受け持つ発光ダイオード16の数を減らし、前記駆動回路の出力端子数及び配線数を減らすことができる。
【0034】
図10は、発光ダイオード16を駆動する別の実施例を示した図である。図10において、発光ダイオード16の駆動は、点線で囲ったように、垂直方向に所定間隔で列をなし、水平方向に延在するライン単位で発光ダイオード16を選択し、前記選択されたライン上にある水平方向の各発光ダイオード16を個別に制御する。具体的には、図10において垂直方向の或ラインをYドライバー102によってオンに、その他のラインはすべてオフにすれば、前記オンにしたライン上の水平方向に配置された各発光ダイオード16は、Xドライバー101を介して独立して任意に駆動電流を変えることができる。つまり、この場合には、水平方向に延在する各ラインが発光ダイオード16の最小単位のユニットを構成していることになる。
【0035】
例えば、垂直方向の配列において、第1のラインY1がオンでその他のラインがすべてオフとすると、前記第1のラインY1だけが有効となり前記第1のラインY1上の各発光ダイオード16について、独立して電流の制御ができる。次に、第2のラインY2をオンにしその他のラインをオフにすると、前記第2のラインY2だけが有効になり、前記第2のラインY2上の各発光ダイオード16を独立して制御出来る。以下同じように、第3のラインY3、第4ラインY4と順次上のラインから下のラインに走査する。上述のような構成にすることで、発光ダイオード16の駆動回路及び配線が簡単になると共に、発光ダイオード16を順次点灯させるため同時点灯時と比較して消費電力を低減できるメリットがある。
【0036】
しかし、上述の方法では、発光ダイオード16の点灯がライン順次の時分割駆動となるため、ライン数が多いとデューティサイクルが小さくなって暗くなる場合がある。例えば、大型液晶パネルのように発光ダイオード16の数が多くなってライン数が多い場合には、バックライト全体の輝度が小さくなってしまうという現象が生じてしまう場合がある。
【0037】
そこで、このような場合には、全体の複数の発光ダイオード16を、複数のユニットをまとめたブロック単位で分割し、1つの駆動回路の担当領域を狭くするとよい。図11は、本実施例に係るブロック分割を行ったバックライト装置を示した図である。図11に示すように、駆動回路を垂直方向にいくつかに分割して、前記分割されたブロックごとに独立して制御出来るようにする。図11は垂直方向に2つに分割した例を示すが、同図において、垂直方向は分割された第1のYドライバー112と第2のYドライバー114が独立して制御できるようにし、水平方向も分割された第1のXドライバー111と第2のXドライバー113を独立して制御できるようにする。このようにすれば、実質的にライン数を半減できるので、各ラインを点灯させるデューティサイクルも半分になり発光ダイオード16の明るさは2倍になる。さらに、各発光ダイオード16の配線も簡素化される。
【0038】
次に、図12を用いて、本発明を適用した実施例によるライン順次方式の場合について、水平駆動回路を含めた全体の動作について説明する。図12は、本実施例に係るバックライト装置の発光ダイオード16及びその駆動手段の構成の一例を示した図である。なお、発光ダイオード16は、図12においては、その行と列の位置を表現するため、個々の発光ダイオード16をDij(i、jは自然数)という表記を用いて表すものとする。説明を簡単にするため、図12(a)のように、ライン数が3本で各ラインに発光ダイオード16が3個配置されている場合を例とする。この場合、発光ダイオード16の最小単位のユニットが、3×3=9個の発光ダイオード16で構成されていると考えてもよい。図12(a)は、本実施例に係るバックライト装置の発光ダイオード16、水平方向駆動回路(Xドライバー)121及び垂直方向駆動回路(Yドライバー)122の構成の一例を示した図である。図12(a)において、垂直方向駆動回路Yドライバー122のラインY1は、発光ダイオードD11、D12、D13のカソードと接続され、同じようにラインY2は発光ダイオードD21、D22、D23のカソードと、ラインY3は発光ダイオードD31、D32、D33のそれぞれカソードと接続されている。また、水平方向駆動回路Xドライバー121内の駆動回路1は、発光ダイオードD11、D21、D31と接続されている。同じように、発光ダイオードD12、D22、D32は駆動回路2と接続され、発光ダイオードD13、D23、D33は駆動回路3と接続される。なお、図12(b)はリングカウンタの回路を示した図であり、図12(c)はその各部の波形とタイミングを示した図である。図12(c)に示すように、入力されたクロックによって順次Q0、Q1、Q2がオンする。
【0039】
つまり、図12(b)において、D−フリップフロップ125及びNORゲート126によりリングカウンタの順序回路が構成されている。D−フリップフロップ125は、クロック入力が0から1に変化するときにQの値をDに変化させ、それ以外は値を保持し続けるフリップフロップであり、図12(b)においては、クロック入力端子がローレベルアクティブ端子となっているので、クロック信号が1から0に変化するときに、上述のような出力及び記憶動作をする。図12(b)において、初期値をQ0=1、Q1=0、Q2=0としておけば(以下、この状態を「100」と表記する。)、ローレベルのクロック入力がある度に、出力は010、001、100、010、・・・周期的に変化するので、図12(c)に示すような出力となる。例えば、リングカウンタを用いたこのような動作により、図12(a)のYラインは選択される。
【0040】
図12(a)において、ラインY1が選択されると、ドライブアンプ124のトランジスタT1がオンとなって、ラインY1上の発光ダイオードD11、D12、D13のカソードは全て接地される。一方発光ダイオードD11、D12、D13のアノードは、それぞれ駆動回路1、駆動回路2、駆動回路3と接続されており、前記各駆動回路は独立して各発光ダイオードD11、D12、D13へ供給する電流を制御することが出来るので、ラインY1上の発光ダイオードD11、D12、D13の明るさをそれぞれ独立して変えることが出来る。以下、同じようにラインY2、Y3を順次選択することによって、垂直方向にはライン単位で、水平方向には発光ダイオード単位でバックライトの明るさを制御することが可能となる。また、前記駆動回路1、駆動回路2、及び駆動回路3は、定電流回路やパルス幅変調回路PWM(Pulse Width Modulation)を用いるのが一般的である。なお、本発明は、上述の回路に限定されるものでない。
【0041】
次に、図13を用いて、発光ダイオード16をライン順次で点灯する別の実施例として、最初に奇数ラインを順次点灯し、次に偶数ラインを順次点灯する方法について説明する。図13は、本実施例に係るバックライト装置の発光ダイオード16及びその駆動手段の構成の一例を示した図である。なお、説明を簡単にするため、図13(a)のように発光ダイオードを水平方向に8個、垂直方向に4個配列した場合を例に挙げて説明する。発光ダイオード16の最小構成単位であるユニットが、8×4=32個である場合と考えてもよい。図13(a)は、8×4の発光ダイオード16と前記発光ダイオード16を駆動するための水平方向Xドライバー131及び垂直方向Yドライバー132の関係を示した図である。同図において、垂直方向に最初は奇数ラインY1、Y3を順次点灯し、その後偶数ラインY2、Y4を順次点灯させる。
【0042】
垂直方向にラインを順次選択する方法の具体的な実施例を図13(b)及び図13(c)を用いて説明する。図13(b)は、Yドライバー132の内部構成の一例を示した図である。図13(b)において、Yドライバー132は、リングカウンタ回路133と、ドライブアンプ134とを備える。
【0043】
図13(c)は、4段のリングカウンタ回路133を示した図である。図13(c)におけるリングカウンタ回路133は、4個のD−フリップフロップ135と、1個のNORゲート136とを備える。図13(c)のリングカウンタ回路133は、図12(b)のリングカウンタ回路123と比較して、D−フリップフロップ135が1段増えただけであり、その動作は図12(b)で説明した内容と同様であるので、その説明を省略する。
【0044】
図13(d)は、リングカウンタ回路133の動作を示したタイミングチャートである。前記リングカウンタ回路133は、図13(d)に示す波形とタイミングのように動作する。前記リングカウンタ133の出力を図13(b)の回路のようにドライブアンプ134を介して各ラインと接続すれば、図13(d)の右に示すタイミングで前記各ラインを駆動することになり、テレビジョンにおける飛び越し走査のように最初は奇数ラインを、次に偶数ラインを順次点灯する。なお、本発明は、ラインを順次選択する方法としてリングカウンタ123、133に限定されるものではない。
【0045】
上述のように最初は奇数ラインを次に偶数ラインを点灯させる方法は、上から下へライン順次に点灯させた場合と比較して1本おきではあるが2倍の早さで表示画面全体を上から下へ点灯させることができるので、発光ダイオード点灯の繰り返し周波数を低くすることが出来る。
【0046】
次に、今まで説明した個別の動作を前提として、図14を用いて、本発明を適用した実施例に係るバックライト装置の全体構成について説明する。図14は、本実施例に係るバックライト装置及びこれを用いた液晶表示装置の全体構成の一例を示した図である。
【0047】
図14において、本実施例に係るバックライト装置200は、輝度検出手段140と、ブロック設定手段150と、輝度制御手段160と、バックライト駆動手段170と、バックライト基板180とを備える。また、本実施例に係るバックライト装置200の適用対象である液晶表示装置300は、映像信号処理回路210と、メモリ220と、液晶パネル制御回路230と、ソースドライバ240と、ゲートドライバ250と、液晶表示パネル260とを備える。
【0048】
まず、液晶表示装置300の説明を行う。映像信号処理回路210は、映像信号の入力があったときに、映像信号を画像表示するために必要な処理を行う回路である。メモリ220は、処理が施された映像信号を一時記憶するための記憶手段である。液晶パネル制御回路230は、液晶表示パネル260の画像表示を制御するための回路であり、直接的には、ソースドライバ240とゲートドライバ250の駆動を制御し、例えば、水平同期と垂直同期のタイミングを制御したりする動作を行う。ソースドライバ240は、液晶表示パネル260の画素を構成する薄膜トランジスタのソースを駆動するための駆動用IC(Integrated Circuit、集積回路)であり、ソースにデータ信号を供給する。また、ゲートドライバ250は、上述の薄膜トランジスタのゲートを駆動するための駆動用ICであり、ゲートにアドレス信号(順次走査信号)を供給する。液晶表示パネル260は、入力された映像を表示用画面に画像表示する手段であり、バックライト装置200の前面に対向して配置され、ソースドライバ240及びゲートドライバ250に駆動されるとともに、背面からバックライト装置200に照らされることにより、画像表示を行う。
【0049】
次に、本実施例に係るバックライト装置200の説明を行う。映像信号処理回路210に入力された映像信号は、メモリ220を経て輝度検出手段140に入力される。輝度検出手段140は、映像信号の輝度を検出し、解析して把握するための手段である。輝度検出手段140は、例えば、輝度ヒストグラムや、平均輝度を利用することにより、映像信号における輝度分布等を検出する。
【0050】
図15は、輝度検出手段140で検出される輝度ヒストグラム及び平均輝度の一例を示した図である。図15において、横軸は輝度〔cd/m2〕、縦軸は頻度が示されている。また、平均輝度APLが同様に示されている。例えば、明るい映像であれば、輝度の高い領域の頻度が高い特性を示すし、暗い映像であれば、輝度の低い左側の領域の頻度が高くなる特性を示す。これを、例えば所定のユニット毎に算出するようにすれば、ユニットの輝度分布や輝度平均APLを把握することができる。輝度検出手段140は、例えば、このような手法により映像信号の輝度検出を行う。なお、輝度検出の手法は、映像信号中の輝度を把握できる手法であれば、種々の手法が適用されてよい。
【0051】
図14に戻る。ブロック設定手段150は、輝度検出手段140で検出された輝度情報に基づいて、ブロックの大きさ及び組み合わせパターンを定めるとともに、ブロック変更の切り替え制御を行う。ブロック設定手段150は、例えば、輝度検出手段140で検出された輝度情報から、ある領域の映像の輝度が周囲と比較して低い場合に、その輝度の低い領域に含まれる発光ダイオード16のユニットをまとめてブロック化する演算処理を行う。例えば、ユニット毎又は各画素に対応する映像信号の輝度が検出されたら、隣接するユニット同士で輝度差分を算出し、輝度差分が所定値以下のユニット同士をまとめるような演算処理を行うようにしてもよい。ブロック設定手段150は、このような演算処理が可能な所定の電子回路や、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、プログラムにより動作するマイクロコンピュータとして構成されてもよい。
【0052】
また、ブロック設定手段150は、映像信号内の大面積部の占める割合や、高周波数成分の多少に基づいて、分割領域を設定し、ブロック化を行うようにしてもよい。例えば、映像信号内において、被表示対象が大きく、大面積部を構成し、その割合が高い場合には、大面積部を含むように、大きなブロック化を行い、ブロック化された領域の輝度が、被表示対象物の輝度に応じた適切な制御が可能となるようなブロック化を行ってよい。また、映像信号内で、高周波成分が多く含まれる領域が存在する場合には、その領域は、眩しい状態で表示されたり、ノイズが多くなったりすることが考えられるので、高周波成分が多く含まれる領域でブロック化を行い、輝度を絞る対応が可能となるようなブロック化を行うようにしてもよい。更に、これらの映像信号内の大面積部の占める割合と、高周波成分の多少に基づく判定は、両者を組み合わせて行うようにしてもよい。
【0053】
また、ブロック設定手段150は、そのようなブロック設定の演算処理を行った後、バックライト駆動手段が所定のブロックとして動作するように接続切り替えのためのスイッチ切り替え動作を行う。この点については、後述する。
【0054】
輝度制御手段160は、ブロック設定手段150によって定められた各ブロックについて、独立して輝度制御を行う手段である。輝度制御手段160は、輝度検出手段140で検出した輝度分布を含む輝度情報及びブロック設定手段150が設定したブロック化の情報に基づいて、各ブロックを各々適切な輝度で駆動するように制御を行う。つまり、映像信号の輝度が低い領域のブロックは、低い輝度で発光ダイオード16を駆動するように制御して省電力化を図り、映像信号の輝度が高い領域に含まれるブロックは、高い輝度で発光ダイオード16を駆動するように制御する。発光ダイオード16の輝度の調整は、例えば、バックライト駆動手段に含まれる駆動回路が定電流回路である場合には、供給する電流で輝度を調整するようにし、駆動回路がパルス幅変調(PWM)回路の場合には、デューティ比を調整することにより、輝度の調整を行うようにすればよい。
【0055】
また、輝度制御手段160は、上述のように、映像信号内の大面積部の占める割合に基づいてブロック化を行った場合には、ブロック化された領域の被表示対象物の映像信号の輝度に基づいて、これが適切に表示されるような輝度制御を行ってよい。また、高周波成分が多いか少ないかに基づいてブロック化が行われた場合には、例えば、高周波成分の多い場合には、輝度を下げて絞り気味に制御し、眩しさやノイズを防ぐように制御してもよい。逆に、高周波成分が少ない場合には、例えば、通常の映像の輝度に応じた発光ダイオード16の輝度制御を行うようにしてもよい。これらの制御は、組み合わせることができ、例えば、大面積を占める被表示対象物が高輝度であれば、基本的にはそれに応じて発光ダイオード16も高輝度に制御を行うが、同時に高周波成分が多く検出されている場合には、そのままの輝度では視聴者が眩しさを感じる可能性が高いので、若干輝度を下げるような補正制御を行うことも可能となる。このように、輝度制御手段160は、ブロック化された領域について、映像信号の内容に応じた適切かつ多様な制御を行うことができる。
【0056】
バックライト駆動手段170は、バックライト基板180に配置された発光ダイオード16を駆動して発光させるための手段であり、XドライバーやYドライバー等が含まれる。バックライト駆動手段170は、発光ダイオード16の最小単位のユニットを駆動するための駆動回路を備え、かつ、それらが周囲のユニットと連結して大きなブロックを構成できるような構成となっている。この点の詳細については、後述する。
【0057】
バックライト基板180は、発光ダイオード16が面上に複数備えられ、発光ダイオード16により光を液晶表示パネル260の裏面に照射するための手段である。よって、バックライト基板180は、発光ダイオード16を支持するとともに、これらの配置を定める役割を有している。
【0058】
次に、図16乃至図19を用いて、このような全体構成を有するバックライト装置200において、バックライト駆動手段170のブロック切り替えの際の動作について説明する。
【0059】
図16は、本実施例に係るバックライト装置200aのバックライト基板180a及びバックライト駆動手段170aの構成の一例を示した図である。図16において、発光ダイオード16の最小単位であるユニットは、3×3=9個の発光ダイオード16で構成されている。そして、そのようなユニットが、4×4=16個分、バックライト基板180aに備えられている。また、発光ダイオード16を駆動するXドライバー171及びYドライバー172が備えられている。以下、このようなユニット構成を有するバックライト基板180aを備えたバックライト装置200aを例に挙げて説明する。
【0060】
図17は、図16に示したバックライト装置200aにつき、最小単位の3×3=9個の発光ダイオード16を含むユニットが、2×2で隣接してバックライト基板180aに配置された状態を示した図である。図17において、本実施例に係るバックライト装置200aのバックライト基板180aには、ユニットU1〜U4が2行2列で配置されており、各々のユニットU1〜U4に対して、Xドライバーユニット173及びYドライバーユニット174が設けられている。また、バックライト装置200aは、各ユニットU1〜U4間で、隣接するユニットU1〜U4同士を接続又は非接続に切り替え可能なユニット間スイッチSWX、SWYを、各々のユニットU1〜U4間で3個ずつ備え、合計3×4=12個備えている。また、バックライト装置200aは、X列については、駆動回路1〜6に接続するXドライバー接続スイッチDSXを6個備えており、Y行についても、トランジスタT1〜T6に接続するYドライバー接続スイッチDSYを6個備えている。また、バックライト装置200aは、これらのスイッチSWX、SWY、DSX、DSYを制御するブロック設定手段150aを備えている。
【0061】
図17において、Xドライバーユニット173及びYドライバーユニット174の構成及び動作は、図12(a)で説明した水平方向駆動回路121及び垂直方向駆動回路122と同様であるので、その説明を省略する。Xドライバーユニット173及びYドライバーユニットは、第1のユニットU1については、最初から接続されており、第2のユニットU2については、Yドライバー接続スイッチDSY1〜DSY3をオンとして閉じることにより、個別制御が可能な状態となる。同様に、第3のユニットU3については、Xドライバー接続スイッチDSX1〜DSX3をオンとすることにより、Xドライバーユニット173及びYドライバーユニット174の双方に個別接続された状態となる。また、第4のユニットU4については、Xドライバー接続スイッチDSX4〜DSX6及びYドライバー接続スイッチDSY4〜DSY6をオンとすることにより、Xドライバーユニット173及びYドライバーユニット174と接続され、ユニットU4の個別制御が可能となる。このように、図17の実施例に係るバックライト装置200aは、各ユニットU1〜U4を駆動する駆動回路で各々個別に駆動が可能な構成となっている。発光ダイオード16を、最小単位のユニットU1〜U4単位で駆動したい場合には、総てのXドライバー接続スイッチDSX1〜DSX6及び総てのYドライバー接続スイッチDSY1〜DSY6をオンとし、かつ総てのユニット間スイッチSWX、SWYをオフとすることにより、そのような状態で各発光ダイオード16の駆動を行うことができる。なお、このようなスイッチ切り替えは、ブロック設定手段150aで行うようにしてよい。
【0062】
逆に、ユニットを複数にまとめて、ブロック単位で発行ダイオード16を駆動させたい場合には、まとめたいユニット間スイッチSWX、SWYをオンとし、まとめたX行又はY列でXドライバーユニット173又はYドライバーユニット174が重複する場合に、ドライバー接続スイッチDSX、DSYをオフとして切り離し、ブロックの各X行及びY列について、接続されたXドライバーユニット173及びYドライバーユニット174が1つずつとなるように制御すればよい。
【0063】
例えば、第1のユニットU1と第2のユニットU2をまとめてブロック化したい場合には、ユニット間スイッチSWY1〜SWY3をオンとし、ドライバー接続スイッチDSY1〜DSY3をオフとすればよい。このとき、同時に第3のユニットU3と第4のユニットU4もブロック化するスイッチ切り替えを行えば、上段と下段の2つのブロックで分割された状態となる。また、例えば、第1のユニットU1と第3のユニットU3をまとめてブロック化したい場合には、ユニット間スイッチSWX1〜SWX3をオンとし、ドライバー接続スイッチDSX1〜DSX3をオフに切り替えればよい。このとき、第2のユニットU2と第4のユニットU4をブロックとするスイッチ切り替えを行えば、左右の2つのブロックに全体が分割された状態となる。そして、このようなスイッチSWX、SWY、DSX、DSYの切り替えは、ブロック設定手段150aの制御で行うようにしてよい。
【0064】
このように、本実施例に係るバックライト装置200aによれば、スイッチSWX、SWY、DSX、DSYの切り替え制御により、ユニットU1〜U4の個別制御としたり、隣接する複数のユニットU1〜U4をまとめてブロック化して各ブロックで独立して制御したりすることができ、映像信号の内容、例えば映像信号の輝度に応じてユニットU1〜U4をまとめてブロックとし、ブロック単位で制御することが可能となる。
【0065】
なお、スイッチSWX、SWY、DSX、DSYは、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ半導体のスイッチング素子を用いてもよいし、リレーのようなスイッチを用いてもよい。ブロック設定手段150aで制御が容易なように、用途に応じて適切なスイッチSWX、SWY、DSX、DSYを用いるようにしてよい。
【0066】
また、図17においては、説明の容易にため、2×2の簡素な例を挙げて説明しているが、ユニットU1〜U4の個数を増やしても、同様に適用することができる。
【0067】
次に、図18を用いて、図17におけるユニットU1〜U4をX列方向にまとめてブロック化する際の、リングカウンタ回路175の構成及び動作について説明する。図18は、本実施例に係るバックライト装置200aのリングカウンタ回路175の構成の一例を示した図である。
【0068】
図18において、リングカウンタ回路175は、D−フリップフロップ177と、全体用NORゲート178と、個別用NORゲート179とを備える。図18において、出力端子Q0〜Q2が1つのユニットを構成し、出力端子Q3〜Q5が1つのユニットを構成している。同様に出力端子Q6〜Q8も1つのユニットを構成するが、紙面の都合でQ6のみ示している。出力端子Q2〜Q6には、全体用NORゲート179への入力の接続又は非接続を切り替えるスイッチSW1〜SW5が設けられている。そして、各ユニット間には、選択スイッチSSWが設けられている。選択スイッチSSWは、各ユニットを切り離して独立とするI端子と、ユニット間を接続してグループ化するG端子が選択可能となっている。また、各ユニットでリセット信号が入力可能なように、リセットスイッチRSWも設けられている。
【0069】
かかる構成のリングカウンタ回路175において、各ユニットにおいて、個別に発光ダイオード16を駆動させる場合には、選択スイッチSSWをI端子側に接続するとともに、スイッチSW1〜SW6を総てオフとすればよい。これにより、各ユニットは切り離され、出力端子Q1〜Q6の入力は、出力端子Q0〜Q2の出力は全体NORゲート178にのみ入力され、出力端子Q3〜Q5及び出力端子Q6〜Q8の出力は、各々のユニットに備えられた個別NORゲート179にのみ入力される構成となる。これにより、各ユニット間で順序回路は循環し、個別に各ユニット内で1の出力は循環して繰り返されることになる。
【0070】
次に、理解の容易のために、例えば、出力端子Q0〜Q2を第1のユニットU1用のYドライバーユニット174内のリングカウンタ175とし、出力端子Q3〜Q5を第3のユニットU3用のYドライバーユニット174内のリングカウンタ175であると仮定する。ここで、選択スイッチSSWをG側に接続し、スイッチSW1〜SW4をオンとすると、第1のユニットU1と第3のユニットU3が接続され、両ユニットは1つのグループにまとめられる。つまり、クロック入力は、第1のユニットU1のD−フリップフロップ177と第3のユニットU3のD―フリップフロップ177に共通に入力される。また、個別NORゲート179は接続されず、各出力端子Q0〜Q5は、総て全体用NORゲート178に入力されることになる。よって、出力端子Q0〜Q5で大きなループを作り、この中で1の順次出力を循環して繰り返すことになる。
【0071】
図19は、図18のリングカウンタ回路175の動作を示したタイミングチャートである。図19に示すように、出力端子Q0から出力端子Q5まで順次1の出力がシフトし、出力端子Q5から1が出力されたら、出力端子Q0に戻ってまた順次シフトを繰り返している。このように、スイッチSSW、SW1〜SW4の切り替えにより、順序回路の出力もブロック化することができる。
【0072】
図18に戻る。図18において、スイッチSSW、SW1〜SW4の切り替えも、図17に示したスイッチ設定手段150aにより、スイッチSWX、DSXの切り替えと同時に行うようにすればよい。これにより、電気的接続のみならず、順次走査についてもブロック化を行うことができる。
【0073】
なお、図18において、リセットスイッチRSWは、ユニットU1〜U4間で個別にリセットパルスも制御する場合は必要であるが、リセットパルスまでは個別化する必要が無い場合には、設けなくてもよい。また、図18においても、説明と理解の容易のため、ユニットU1、U3を用いて説明を行ったが、もっと多数のユニットをブロック化の対象とできることは言うまでもない。
【0074】
このように、本実施例に係るバックライト装置200aによれば、最小単位で構成されたユニットについて、隣接するユニット間でまとめてブロックとし、ブロック単位で輝度制御を行うことにより、映像信号の内容に応じた適切な輝度制御を行うことが可能となる。これにより、暗い映像信号のブロックは輝度を下げて低消費電力化を図るとともに、明るい輝度のブロックは輝度を上げて高品質の画像を表示させることができる。
【0075】
なお、図17乃至図19で説明した内容は一例に過ぎず、その他の手段によりブロック化を実現してもよい。
【0076】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明によるバックライト装置における発光ダイオードの配列を示す図である。
【図2】本発明によるバックライト装置における発光ダイオードの別の配列を示す図である。
【図3】本発明によるバックライト装置のブロック分割を説明するための図である。
【図4】本発明によるバックライト装置の別のブロック分割を説明するための図である。
【図5】従来の比較的大電力の発光ダイオードを使用した場合を説明するための図である。
【図6】本発明によるバックライト装置において、最小単位であるユニットの構成を説明するための図である。
【図7】本発明によるバックライト装置において、バックライトを複数に分割した場合を説明する図である。
【図8】本発明によるバックライト装置において、光源としてカラー発光ダイオードを使用した場合の例を説明するための図である。
【図9】本発明によるバックライト装置において、発光ダイオードの配列と駆動の関係を説明するための図である。
【図10】本発明によるバックライト装置において、発光ダイオードをライン単位で駆動する例を説明する図である。
【図11】本発明によるバックライト装置において、発光ダイオードをライン単位で駆動する別の例を説明する図である。
【図12】本発明によるバックライト装置において、発光ダイオードの駆動回路の動作を説明するための図である。
【図13】本発明によるバックライト装置において、発光ダイオードの別の駆動回路の動作を説明する図である。
【図14】本実施例に係るバックライト装置及びこれを用いた液晶表示装置の全体構成の一例を示した図である。
【図15】輝度ヒストグラム及び平均輝度の一例を示した図である。
【図16】バックライト基板180及びバックライト駆動手段170の構成の一例を示した図である。
【図17】発光ダイオード16を含むユニットが、隣接してバックライト基板180aに配置された状態を示した図である。
【図18】リングカウンタ回路175の構成の一例を示した図である。
【図19】リングカウンタ回路175の動作を示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0078】
11、12、13、14、15、16、51 発光ダイオード
31、41、42 領域分割されたブロック
71、72、73、74 バックライトの分割
91、101、111、113、121、131、171 水平方向駆動回路(Xドライバー)
92、102、112、114、122、132、172 垂直方向駆動回路(Yドライバー)
123、133、175 リングカウンタ
124、134、176 ドライブアンプ
125、177 D−フリップフロップ
126、178、179 NORゲート
140 輝度検出手段
150 ブロック設定手段
160 輝度制御手段
170、170a 駆動手段
173 Xドライバーユニット
174 Yドライバーユニット
180 バックライト基板
200 バックライト装置
210 映像信号処理回路
220 メモリ
230 液晶パネル制御回路
240 ソースドライバ
250 ゲートドライバ
260 液晶パネル
300 液晶表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源として、白色発光ダイオード、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び/又は青色発光ダイオードを含む複数の発光ダイオードを用い、液晶表示パネルを背面から照らすバックライト装置であって、
前記複数の発光ダイオードは、最小単位m×n(m、nは自然数)個のユニットから構成され、
前記発光ダイオードを前記ユニット単位で駆動する駆動手段と、
前記ユニットを複数まとめてブロックとするブロック設定手段と、
映像信号の輝度を検出する輝度検出手段と、
前記ブロック単位で前記発光ダイオードの輝度を独立して制御する輝度制御手段と、を有し、
前記ブロック設定手段は、前記発光ダイオードの最小単位であるユニットを複数まとめた前記ブロックの大きさを、任意に設定変更可能なスイッチ手段を含むとともに、前記輝度検出手段により検出された前記映像信号の輝度に基づいて、前記ブロック設定手段はブロックの大きさを設定し、
前記複数の発光ダイオードは、各々がXドライバーとYドライバーに接続され、該Yドライバーで水平方向に延在するライン単位で前記発光ダイオードを選択し、選択されたライン上にある水平方向の各発光ダイオードの駆動電流を前記Xドライバーで独立して変えることにより、前記輝度制御手段は、前記ブロック設定手段で設定されたブロックの大きさに応じて前記ブロック単位で前記発光ダイオードの輝度を制御することを特徴とするバックライト装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバックライト装置を有し、
前記バックライト装置の前面に対向して配置され、前記バックライト装置により背面から照らされて画像を表示する液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルを駆動するソースドライバ及びゲートドライバと、
前記ソースドライバ及び前記ゲートドライバの駆動を制御する液晶パネル制御回路と、を有することを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−47812(P2013−47812A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−212101(P2012−212101)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【分割の表示】特願2008−270220(P2008−270220)の分割
【原出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【出願人】(508260108)有限会社ATRC (18)
【Fターム(参考)】