バリ取り工具およびそのための切削用インサート
4つの切刃の付いた切換え可能切削用インサート(28)を有するバリ取り工具(20)。切削用インサートは、主本体部分と案内溝(54)を有する。切削用インサートはインサートポケット(24)の中に滑動可能に保持され、インサートの主本体部分はインサートポケットのおおむね長方形のスロットの中に位置決めされ、また、案内溝は位置決めされインサートポケットの案内部材(74)部分に係合している。切削用インサートは、切削用インサートを伸長位置の方に付勢するバネによって、収縮位置と伸長位置の間で動くことができる。切削用インサートの滑動運動は、案内溝の中の案内部材の滑動によって行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穴のバリ取り用のバネ付勢された切削用インサートを備える工具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のバリ取り工具の例は特許文献1に開示されている。特許文献1によると、切削部分を有する切削用インサートは、このインサートの後部溝に係合されたバネによって付勢され、工具ホルダの、半径方向外側をシールされた窓の中に保持されている。第1の実施形態では、インサートは、工具ホルダの中で滑動可能に案内され、したがって、工具ホルダの窓から外への半径方向の滑動すなわち振れによって、出たり入ったりして動くことができる。インサートの長さ方向の軸に垂直に位置決めされた横溝を有するインサートが設計される。この溝の領域では、テンションピン(tension pin)が、切削部分の長さ方向の軸に垂直で、かつ工具ホルダの中にぴったりはまって係合し、溝の大きさによって、窓滑動方向のインサート滑動経路のインサート滑動方向に固定されている。インサートは、2つの切刃を備える唯一の切削部分を有している。一方の切刃は前方向で作用し、他方は逆方向で作用する。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,755,538号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、バリ取り作業用の4つの切刃を有する切換え可能な切削用インサート(indexable cutting insert)を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、切換え可能な二面切削用インサート(double−sided indexable cutting insert)を備えるバリ取り工具を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従って、
上面、底面、およびこれらの間の外周面と、
2つの相対する同一の切削部分と、を備え、各切削部分は2つの同一の切刃を備え、各切刃はすくい面と逃げ面の間に位置し、2つの切削部分が切削用インサートの主正中面に関して反射対称であり、各切削部分の2つの同一の切刃が切削用インサートの副正中面に関して反射対称であり、
底面は、2つの底面部と、これらの間で底面部から遠ざかるように内側に上面の方へ延びる単一の案内溝と、を備え、案内溝が主正中面に対して垂直に向けられた長さ方向の軸を有する、切換え可能切削用インサートが、提供される。
【0007】
望ましい場合には、切削用インサートは、上面に凹部を備える。
【0008】
本発明に従って、すくい面は上面に位置決めされ、逃げ面は切削用インサートの外周面に位置決めされている。
【0009】
好ましくは、2つの底面部は、平らで、かつ同一平面上にある。
【0010】
好ましくは、切削用インサートは、切削用インサートの上面図で八角形の形をしている。
【0011】
また、本発明に従って、
本発明に従った切削用インサートと、
切削用インサートが滑動可能に保持されるインサートポケットを有する工具本体と、を備え、インサートポケットは開口を介して工具本体の外周面の方に外へ開いており、少なくとも1つのインサートポケットはスロットおよび案内部材を備え、案内部材が案内溝に係合しており、切削用インサートはスロットの中に少なくとも部分的に位置し、
切削用インサートは、切削用インサートを伸長位置の方へ付勢するバネによって、収縮位置と伸長位置の間で滑動可能であり、伸長位置で所定の切削部分が開口から外周面を越えて突き出しているバリ取り工具、が提供される。
【0012】
本発明に従って、バネは、圧縮バネである。
【0013】
典型的に、切削用インサートは、保持部材によって伸長位置に保持されている。
【0014】
好ましくは、伸長位置で、保持部材は、切削用インサートの保持面に接している。
【0015】
望ましい場合には、切削用インサートは、上面に凹部を有し、保持面は、上面の凹部の部分である。
【0016】
本発明の1つの応用に従って、バリ取り工具の工具本体は、ドリルのシャンク部分を備える。
【0017】
より良い理解のため、単なる例として、本発明が添付図面を参照してここで説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
最初に、本発明に従ったバリ取り工具20を示す図1および2に注目する。バリ取り工具20は、前方向および後方向を確定する長さ方向の回転軸Aを有し、また、切換え可能切削用インサート28が滑動可能に保持されるインサートポケット24を工具本体22の前端部26に有するおおむね円柱状の工具本体22を備えている。切削用インサート28は、図3から図6により詳細に示されており、上面30、底面32、および上面30と底面32の間に延びる外周面34を備えている。留意すべきことであるが、明細書および特許請求の範囲全体を通して現れる方向の用語、例えば、「上面」、「底面」、「上部」、「下部」などは、様々な表面を互いに区別するための便利な用語として使用されている。これらの用語は、特定の部品の向きに関して意味があることがあるが、例示の目的だけのために使用され、添付の特許請求の範囲を限定する意図でない。切削用インサート28は、上面図および底面図でおおむね八角形の形であり、2つの同一の相対する切削部分36を有し、各切削部分36は2つの同一の真っ直ぐな切刃38を有し、各切刃38はすくい面40と逃げ面42の間に位置している。したがって、切削用インサート28は、合計4つの切刃38を有し、全てが切削用インサート28の上面30と関連している。各逃げ面42は外周面34に位置し、各すくい面40は、上面30に位置し、上面30のチップ溝44の一部を形成している。各チップ溝44は、上面30の主要な上面部46と結合している。主要な上面部46は概して平らである。2つの切削部分36は、切削用インサート28の主正中面(大きい方の正中面;major median plane)P1に関して反射対称であり、各切削部分36の2つの同一の切刃38は、切削用インサート28の副正中面(小さい方の正中面;minor median plane)P2に関して反射対称である。
【0019】
外周面34は、2つの相対する端面48および2つの相対する側面50を有し、1つの逃げ面42は、各端面48と、隣接した側面50との間に位置している。端面48および側面50は、切刃から成るどんな部分も含まない。端面48は、主正中面P1に関して反射対称であり、各端面48は、所定の切削部分36に属し、所定の切削部分36の切刃と切刃38の間に位置している。側面50は、副正中面に関して反射対称であり、各側面50は、切削部分と切削部分36の間で、かつ各々1つの切削部分36に属する隣接した切刃と切刃38の間に位置している。
【0020】
切削用インサート28の底面32は、2つの底面部52と、これらの間の中心に位置する案内溝54とを備える。2つの底面部52は、概して平らで、同一平面上にあり、かつ主要な上面部46に平行であり、さらに、副正中面P2の両側に位置している。案内溝54は、底面部52から主要上面部46の方へ向かって内側に延び、かつ副正中面P2に平行に走り、副正中面P2中にある長さ方向の軸Bを有している。
【0021】
副正中面P2は、案内溝54の長さ方向の正中面を構成し、案内溝を長さ方向に分割している。したがって、切削用インサート28は、中に案内溝54が形成されている主本体部56を備える。案内溝54は、副正中面P2の両側に位置する向い合う平らな接触面58を備え、これらの接触面58は、底面部52から遠ざかるように内側に延び、かつ接触面58間に延び長さ方向に延びる溝橋かけ面60と結合している。後の議論のために、留意されたいことであるが、各側面50は第1の長さL1を有し、案内溝54は第2の長さL2を有する(図6を参照されたい)。各長さは、案内溝54の長さ方向の軸Bの方向に測定され、第1の長さL1は第2の長さL2よりも小さい。
【0022】
切削用インサート28は、上面30に凹部66を備える。凹部66は、切削用インサート28の上面30から凹部66の底面70まで内側に延びる凹面68を備える。凹面68の少なくとも一部は、切削用インサート28の保持面65を形成する。
【0023】
ここで、図7および8に注目する。インサートポケット24は、おおむね長方形のスロット72および案内部材74を有する。おおむね長方形のスロット72は、第1の幅W1を有し、案内部材74は第2の幅W2を有し、これら2つの幅は、バリ取り工具20の長さ方向の回転軸Aの方向に測定される。ここで、第1の幅W1は、第2の幅W2よりも大きい。インサートポケット24は、第1の開口78を介して工具本体22の外周面76の方に外へ開いている。インサートポケット24は、工具本体22の外周面76から、バリ取り工具20の回転軸Aに関しておおむね半径方向内側に延びている。図8に示された断面で、工具本体22の外周面76は、おおむね円形で、所定の半径Rを有し、回転軸Aは円の原点Oに位置している。おおむね長方形のスロット72は、側壁84で連結された向い合う上壁80と下壁82を備えている。下壁82は、上壁80に平行な2つの下壁部86を備える。案内部材74は、2つの下壁部86の間に位置し、下壁から遠ざかるように上方に上壁80の方へ突き出ている。案内部材74は、長さ方向の軸Cを有し、相対する平らな案内部材支持面88を備えている。案内部材支持面88は、それぞれの下壁部86から遠ざかるように上壁80の方へ延び、2つの案内部材支持面88の間に延び、長さ方向に延びる案内部材橋かけ面90と結合している。したがって、案内部材74は、インサートポケット24の中に突き出る隆起部を形成している。隆起部は、切削用インサート28がインサートポケット24に取り付けられたとき、案内溝54の軸Bに平行な案内部材74の長さ方向の軸Cを画定する。
【0024】
2つのチップ排気凹部91(図7を参照されたい)が、工具本体22の外周面76に形成され、上壁80を貫通してインサートポケット24と連通している。2つの穴は、インサートポケット24と連通している。主穴(大きい方の穴;major bore)92は、工具本体22の外周面76の第2の開口94からインサートポケット24まで延びている。主穴92の第2の開口94は、インサートポケット24の第1の開口78の実質的に正反対側にある。主穴92は、バリ取り工具20の回転軸Aに垂直な長さ方向の軸Dを有する。バリ取り工具20の回転軸Aは、インサートポケット24と連通した主穴92を通過している。ネジが切ってある副穴(小さい方の穴;minor bore)96は、工具本体22の外周面76の第3の開口98からインサートポケット24に延びている。副穴96は、主穴92の長さ方向の軸Dと鋭角を成す長さ方向の軸Eを有する。
【0025】
ここで図9および10に注目する。案内部材74が案内溝54に係合し、かつ切削用インサート28の主本体部分56がおおむね長方形のスロット72の中に位置決めされた状態で、切削用インサート28はインサートポケット24の中に滑動可能に保持される。第2の開口94の近くの主穴92の後端部に、主穴92は、ネジ部100を有し、ここに第1のネジ102がねじ込まれている。所定の圧力で切削用インサート28を第1の開口78を通して半径方向外向きに動かすために、工具巻きバネなどのバネ104が、第1のネジ102と切削用インサート28の間の主穴92の中に位置決めされている。バネ104は、切削用インサート28の内側端面48’に接している。インサートポケット24から遠ざかる方向に半径方向で外へ向いている外側端面48’’に対して、内側端面48’は、半径方向で内へインサートポケット24の中に向いている端面48である。バネ104で加えられる圧力は、第1のネジ102の位置を調整することによって調整することができ、この第1のネジ102は、また、バネ104が第2の開口94を通して主穴92から出るのを妨げる栓としても作用する。
【0026】
図8で理解することができるように、インサートポケット24に隣接した主穴92の前端がバネ保持面106を形成して部分的に閉じるように、主穴92とインサートポケット24とは完全には一直線に並んでいない。したがって、切削用インサート28がインサートポケット24から取り出されたときでも、バネ104は、バネ保持面106と第1のネジ102の間の所定の位置に保持される。図1に示されるように、バネ104で切削用インサート28がインサートポケット24から外に完全に押し出されるのを妨げる保持部材108によって、切削用インサート28は、切削部分36の1つが第1の開口78から突き出した状態で伸長位置に保持される。図示の実施形態では、保持部材108は、副穴96にねじ込まれた第2のネジである。
【0027】
切削用インサート28を伸長位置に保持するために、第2のネジ108は第1の位置に設定され、その結果、第2のネジの前端部112が、副穴96の前端を越えて突き出し、切削用インサート28の保持表面65に係合するように凹部66の中に部分的に位置している。半径方向内向きの力を切削用インサート28の外側端面48’’に加えることによって、切削用インサート28は、半径方向内向きにインサートポケット24の中に収縮位置まで動かすことができる。切削用インサートを切り換える(index)ために、または取り替えるために、切削用インサート28をインサートポケット24から取り出すために、第2のネジ108の前端112が凹部66から引き抜かれるまで第2のネジ108をゆるめることによって、第2のネジ108は、第2の位置に設定され、それによって、切削用インサート28がインサートポケット24から外に自由に滑り出すことができるようになる。切削用インサート28が収縮位置と伸長位置の間で滑動するバリ取り動作中に、第2のネジ108は、第1の位置に維持されている。
【0028】
本発明に従って、インサートポケット28の案内部材74は、案内溝の接触面58が案内部材支持面88と滑動接触した状態で、切削用インサート28の案内溝54に位置決めされ、収縮位置と伸長位置の間の切削用インサート28の滑動運動は、主に、切削用インサート28の案内溝54がインサートポケット24の案内部材74の上を滑動することによって行われる。この配列には、いくつかの有利点がある。この配列は、切削用インサート28の自由な滑動運動を損なうことなく、小型の切削用インサートの設計を可能にする。言い換えれば、切削用インサート28の側面50の第1の長さL1は、おおむね長方形のスロット72の第1の幅W1と比べて相対的に小さくすることができる。
【0029】
もし切削用インサート28が案内溝54のない主本体部分56だけを備えるとしたら、切削用インサート28の滑動運動は、おおむね長方形のスロット72の側壁84と切削用インサート28の側面50との滑動接触によって起こるだろう。本発明に従って、切削用インサート28の側面50の第1の長さL1は、おおむね長方形のスロット72の第1の幅W1よりも小さい。非束縛の例によれば、第1の幅W1は、第1の長さL1の5から6倍である。そうであるので、切削用インサートは、容易に、おおむね長方形のスロット72の中で締め付けられて動かなくなる(くさび止めされる;wedged)ことがある。締付け(wedging)を避けるためには、第1の長さL1は第1の幅W1よりも大きくなければならないだろう。4つの切刃38の要求条件のために、および切削用インサート28の主正中面P1に関する反射対称の制約のために(すなわち、切削用インサート28が、各端部に切削部分36があり各切削部分36に2つの切刃38がある「両端」切削用インサートである)、切削用インサート28は、図5および6に示される八角形の形であるように制約され、第1の長さL1を第1の幅W1よりも大きく設計しようとする試みは、どれも実用的でないほど大きな切削用インサートになるだろう。
【0030】
切削用インサート28の滑動運動を案内部材74の上の案内溝54の滑動に変えることによって、締付けの可能性を決定する寸法は、案内溝54の第2の長さL2および案内部材74の第2の幅W2である。非束縛の例によれば、第2の長さL2は、第2の幅W2の約3倍である。第2の長さL2を第2の幅W2よりも大きく選ぶことで、案内溝54の中での案内部材74の締付けが妨げられるので、インサートポケット24の中での切削用インサート28の締付けが妨げられる。
【0031】
明らかに、切削用インサート28の滑動運動を、切削用インサート28の主本体部分56とインサートポケット24のおおむね長方形のスロット72との間の滑動接触から、インサートポケット24の案内部材74の上の切削用インサート28の案内溝54の滑動に変えることによって、締付けの制約は切削用インサート28の主本体部分56の形状寸法から切り離され、したがって、小型の「両端」切削用インサートの設計が可能になる。さらに、切削用インサート28の滑動運動を、インサートポケット24の案内部材74の上の切削用インサート28の案内溝54の滑動に変えることによって、インサートポケット24の側壁84も切削用インサート28の側面50も高い精度で製造する必要がなくなる。というのは、インサートポケット24の側壁84も切削用インサート28の側面50も切削用インサート28の滑動運動で基本的な役割を演じないからである。
【0032】
案内溝54が案内部材74の上を滑動するようにインサートポケット24の案内部材74を切削用インサート28の案内溝54の中に位置決めすることによって、切削用インサート28の滑動運動は実現されるので、インサートポケットの側壁84と切削用インサートの側面50との間に設計された隙間があり、これらの表面間の接触がないことが保証される。これらの表面間のどんな接触も、長方形スロット72の中でのインサートの締付けにつながるかもしれない。また、インサートポケット24の下壁部86と切削用インサート28の底面部52との間に、および、インサートポケット24の上壁80と切削用インサート28の主要な上面部46との間に、設計された隙間がある。また、案内部材74の案内部材橋かけ面90と案内溝54の溝橋かけ面60との間にも設計された隙間がある。滑動運動中の唯一の設計された接触は、案内部材74の案内支持面88と案内溝54の接触面58との間である。しかし、穴のバリ取り中に切刃38に作用する切削力のために、または、バリ取り工具20の前端26が回転し穴を通過するときに切削用インサート28に作用する力のために、インサートポケット24の下壁部86と切削用インサート28の底面部52との間に、また、インサートポケット24の上壁80と切削用インサート28の主要な上面部46との間に、ある量の制御不可能な接触がある。しかし、これらの制御不可能な接触の形は、上述の制御不可能な接触に含まれる部材の有利な相対的な寸法のために、切削用インサート28の締付けを引き起こすことができない。
【0033】
図2、9および10から理解されることだろうが、本発明のバリ取り工具20の「バリ取り機構」、すなわち、上述の切削用インサート28、バネ104、および第1および第2のネジ102、108は、工具本体22の小さな領域に局在している。当業者には明らかことであろうが、上述のバリ取り工具20とほとんど同じようなやり方で工具本体にインサートポケット24、および副穴96および主穴92を形成して、どんな必要とされる工具本体にも「バリ取り機構」を位置決めすることは、簡単な設計問題である。図11は、本発明の「バリ取り機構」が組み込まれたドリル116を示し、伸長位置の切削用インサート28を示している。
【0034】
本発明がある程度詳細に説明されたが、先に特許請求されたような本発明の範囲から逸脱することなしに、様々な変更および修正が加えられるかもしれないことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に従ったバリ取り工具を示す側面図である。
【図2】図1に示されたバリ取り工具を示す分解組立斜視図である。
【図3】本発明に従った切削用インサートを示す上面斜視図である。
【図4】図3に示された切削用インサートを示す底面斜視図である。
【図5】図3に示された切削用インサートを示す上面図である。
【図6】図3に示された切削用インサートを示す底面図である。
【図7】切削用インサートが取り除かれた状態で90°回転された図1に示されたバリ取り工具を示す部分側面図である。
【図8】線VIII−VIIIに沿って、図7に示されたバリ取り工具を示す断面図である。
【図9】切削用インサートがインサートポケット中に保持された状態の、図7に示されたバリ取り工具を示す図である。
【図10】線X−Xに沿って、図9に示されたバリ取り工具を示す断面図である。
【図11】本発明に従ったバリ取り工具と組み合わされたドリルを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、穴のバリ取り用のバネ付勢された切削用インサートを備える工具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のバリ取り工具の例は特許文献1に開示されている。特許文献1によると、切削部分を有する切削用インサートは、このインサートの後部溝に係合されたバネによって付勢され、工具ホルダの、半径方向外側をシールされた窓の中に保持されている。第1の実施形態では、インサートは、工具ホルダの中で滑動可能に案内され、したがって、工具ホルダの窓から外への半径方向の滑動すなわち振れによって、出たり入ったりして動くことができる。インサートの長さ方向の軸に垂直に位置決めされた横溝を有するインサートが設計される。この溝の領域では、テンションピン(tension pin)が、切削部分の長さ方向の軸に垂直で、かつ工具ホルダの中にぴったりはまって係合し、溝の大きさによって、窓滑動方向のインサート滑動経路のインサート滑動方向に固定されている。インサートは、2つの切刃を備える唯一の切削部分を有している。一方の切刃は前方向で作用し、他方は逆方向で作用する。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,755,538号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、バリ取り作業用の4つの切刃を有する切換え可能な切削用インサート(indexable cutting insert)を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、切換え可能な二面切削用インサート(double−sided indexable cutting insert)を備えるバリ取り工具を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従って、
上面、底面、およびこれらの間の外周面と、
2つの相対する同一の切削部分と、を備え、各切削部分は2つの同一の切刃を備え、各切刃はすくい面と逃げ面の間に位置し、2つの切削部分が切削用インサートの主正中面に関して反射対称であり、各切削部分の2つの同一の切刃が切削用インサートの副正中面に関して反射対称であり、
底面は、2つの底面部と、これらの間で底面部から遠ざかるように内側に上面の方へ延びる単一の案内溝と、を備え、案内溝が主正中面に対して垂直に向けられた長さ方向の軸を有する、切換え可能切削用インサートが、提供される。
【0007】
望ましい場合には、切削用インサートは、上面に凹部を備える。
【0008】
本発明に従って、すくい面は上面に位置決めされ、逃げ面は切削用インサートの外周面に位置決めされている。
【0009】
好ましくは、2つの底面部は、平らで、かつ同一平面上にある。
【0010】
好ましくは、切削用インサートは、切削用インサートの上面図で八角形の形をしている。
【0011】
また、本発明に従って、
本発明に従った切削用インサートと、
切削用インサートが滑動可能に保持されるインサートポケットを有する工具本体と、を備え、インサートポケットは開口を介して工具本体の外周面の方に外へ開いており、少なくとも1つのインサートポケットはスロットおよび案内部材を備え、案内部材が案内溝に係合しており、切削用インサートはスロットの中に少なくとも部分的に位置し、
切削用インサートは、切削用インサートを伸長位置の方へ付勢するバネによって、収縮位置と伸長位置の間で滑動可能であり、伸長位置で所定の切削部分が開口から外周面を越えて突き出しているバリ取り工具、が提供される。
【0012】
本発明に従って、バネは、圧縮バネである。
【0013】
典型的に、切削用インサートは、保持部材によって伸長位置に保持されている。
【0014】
好ましくは、伸長位置で、保持部材は、切削用インサートの保持面に接している。
【0015】
望ましい場合には、切削用インサートは、上面に凹部を有し、保持面は、上面の凹部の部分である。
【0016】
本発明の1つの応用に従って、バリ取り工具の工具本体は、ドリルのシャンク部分を備える。
【0017】
より良い理解のため、単なる例として、本発明が添付図面を参照してここで説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
最初に、本発明に従ったバリ取り工具20を示す図1および2に注目する。バリ取り工具20は、前方向および後方向を確定する長さ方向の回転軸Aを有し、また、切換え可能切削用インサート28が滑動可能に保持されるインサートポケット24を工具本体22の前端部26に有するおおむね円柱状の工具本体22を備えている。切削用インサート28は、図3から図6により詳細に示されており、上面30、底面32、および上面30と底面32の間に延びる外周面34を備えている。留意すべきことであるが、明細書および特許請求の範囲全体を通して現れる方向の用語、例えば、「上面」、「底面」、「上部」、「下部」などは、様々な表面を互いに区別するための便利な用語として使用されている。これらの用語は、特定の部品の向きに関して意味があることがあるが、例示の目的だけのために使用され、添付の特許請求の範囲を限定する意図でない。切削用インサート28は、上面図および底面図でおおむね八角形の形であり、2つの同一の相対する切削部分36を有し、各切削部分36は2つの同一の真っ直ぐな切刃38を有し、各切刃38はすくい面40と逃げ面42の間に位置している。したがって、切削用インサート28は、合計4つの切刃38を有し、全てが切削用インサート28の上面30と関連している。各逃げ面42は外周面34に位置し、各すくい面40は、上面30に位置し、上面30のチップ溝44の一部を形成している。各チップ溝44は、上面30の主要な上面部46と結合している。主要な上面部46は概して平らである。2つの切削部分36は、切削用インサート28の主正中面(大きい方の正中面;major median plane)P1に関して反射対称であり、各切削部分36の2つの同一の切刃38は、切削用インサート28の副正中面(小さい方の正中面;minor median plane)P2に関して反射対称である。
【0019】
外周面34は、2つの相対する端面48および2つの相対する側面50を有し、1つの逃げ面42は、各端面48と、隣接した側面50との間に位置している。端面48および側面50は、切刃から成るどんな部分も含まない。端面48は、主正中面P1に関して反射対称であり、各端面48は、所定の切削部分36に属し、所定の切削部分36の切刃と切刃38の間に位置している。側面50は、副正中面に関して反射対称であり、各側面50は、切削部分と切削部分36の間で、かつ各々1つの切削部分36に属する隣接した切刃と切刃38の間に位置している。
【0020】
切削用インサート28の底面32は、2つの底面部52と、これらの間の中心に位置する案内溝54とを備える。2つの底面部52は、概して平らで、同一平面上にあり、かつ主要な上面部46に平行であり、さらに、副正中面P2の両側に位置している。案内溝54は、底面部52から主要上面部46の方へ向かって内側に延び、かつ副正中面P2に平行に走り、副正中面P2中にある長さ方向の軸Bを有している。
【0021】
副正中面P2は、案内溝54の長さ方向の正中面を構成し、案内溝を長さ方向に分割している。したがって、切削用インサート28は、中に案内溝54が形成されている主本体部56を備える。案内溝54は、副正中面P2の両側に位置する向い合う平らな接触面58を備え、これらの接触面58は、底面部52から遠ざかるように内側に延び、かつ接触面58間に延び長さ方向に延びる溝橋かけ面60と結合している。後の議論のために、留意されたいことであるが、各側面50は第1の長さL1を有し、案内溝54は第2の長さL2を有する(図6を参照されたい)。各長さは、案内溝54の長さ方向の軸Bの方向に測定され、第1の長さL1は第2の長さL2よりも小さい。
【0022】
切削用インサート28は、上面30に凹部66を備える。凹部66は、切削用インサート28の上面30から凹部66の底面70まで内側に延びる凹面68を備える。凹面68の少なくとも一部は、切削用インサート28の保持面65を形成する。
【0023】
ここで、図7および8に注目する。インサートポケット24は、おおむね長方形のスロット72および案内部材74を有する。おおむね長方形のスロット72は、第1の幅W1を有し、案内部材74は第2の幅W2を有し、これら2つの幅は、バリ取り工具20の長さ方向の回転軸Aの方向に測定される。ここで、第1の幅W1は、第2の幅W2よりも大きい。インサートポケット24は、第1の開口78を介して工具本体22の外周面76の方に外へ開いている。インサートポケット24は、工具本体22の外周面76から、バリ取り工具20の回転軸Aに関しておおむね半径方向内側に延びている。図8に示された断面で、工具本体22の外周面76は、おおむね円形で、所定の半径Rを有し、回転軸Aは円の原点Oに位置している。おおむね長方形のスロット72は、側壁84で連結された向い合う上壁80と下壁82を備えている。下壁82は、上壁80に平行な2つの下壁部86を備える。案内部材74は、2つの下壁部86の間に位置し、下壁から遠ざかるように上方に上壁80の方へ突き出ている。案内部材74は、長さ方向の軸Cを有し、相対する平らな案内部材支持面88を備えている。案内部材支持面88は、それぞれの下壁部86から遠ざかるように上壁80の方へ延び、2つの案内部材支持面88の間に延び、長さ方向に延びる案内部材橋かけ面90と結合している。したがって、案内部材74は、インサートポケット24の中に突き出る隆起部を形成している。隆起部は、切削用インサート28がインサートポケット24に取り付けられたとき、案内溝54の軸Bに平行な案内部材74の長さ方向の軸Cを画定する。
【0024】
2つのチップ排気凹部91(図7を参照されたい)が、工具本体22の外周面76に形成され、上壁80を貫通してインサートポケット24と連通している。2つの穴は、インサートポケット24と連通している。主穴(大きい方の穴;major bore)92は、工具本体22の外周面76の第2の開口94からインサートポケット24まで延びている。主穴92の第2の開口94は、インサートポケット24の第1の開口78の実質的に正反対側にある。主穴92は、バリ取り工具20の回転軸Aに垂直な長さ方向の軸Dを有する。バリ取り工具20の回転軸Aは、インサートポケット24と連通した主穴92を通過している。ネジが切ってある副穴(小さい方の穴;minor bore)96は、工具本体22の外周面76の第3の開口98からインサートポケット24に延びている。副穴96は、主穴92の長さ方向の軸Dと鋭角を成す長さ方向の軸Eを有する。
【0025】
ここで図9および10に注目する。案内部材74が案内溝54に係合し、かつ切削用インサート28の主本体部分56がおおむね長方形のスロット72の中に位置決めされた状態で、切削用インサート28はインサートポケット24の中に滑動可能に保持される。第2の開口94の近くの主穴92の後端部に、主穴92は、ネジ部100を有し、ここに第1のネジ102がねじ込まれている。所定の圧力で切削用インサート28を第1の開口78を通して半径方向外向きに動かすために、工具巻きバネなどのバネ104が、第1のネジ102と切削用インサート28の間の主穴92の中に位置決めされている。バネ104は、切削用インサート28の内側端面48’に接している。インサートポケット24から遠ざかる方向に半径方向で外へ向いている外側端面48’’に対して、内側端面48’は、半径方向で内へインサートポケット24の中に向いている端面48である。バネ104で加えられる圧力は、第1のネジ102の位置を調整することによって調整することができ、この第1のネジ102は、また、バネ104が第2の開口94を通して主穴92から出るのを妨げる栓としても作用する。
【0026】
図8で理解することができるように、インサートポケット24に隣接した主穴92の前端がバネ保持面106を形成して部分的に閉じるように、主穴92とインサートポケット24とは完全には一直線に並んでいない。したがって、切削用インサート28がインサートポケット24から取り出されたときでも、バネ104は、バネ保持面106と第1のネジ102の間の所定の位置に保持される。図1に示されるように、バネ104で切削用インサート28がインサートポケット24から外に完全に押し出されるのを妨げる保持部材108によって、切削用インサート28は、切削部分36の1つが第1の開口78から突き出した状態で伸長位置に保持される。図示の実施形態では、保持部材108は、副穴96にねじ込まれた第2のネジである。
【0027】
切削用インサート28を伸長位置に保持するために、第2のネジ108は第1の位置に設定され、その結果、第2のネジの前端部112が、副穴96の前端を越えて突き出し、切削用インサート28の保持表面65に係合するように凹部66の中に部分的に位置している。半径方向内向きの力を切削用インサート28の外側端面48’’に加えることによって、切削用インサート28は、半径方向内向きにインサートポケット24の中に収縮位置まで動かすことができる。切削用インサートを切り換える(index)ために、または取り替えるために、切削用インサート28をインサートポケット24から取り出すために、第2のネジ108の前端112が凹部66から引き抜かれるまで第2のネジ108をゆるめることによって、第2のネジ108は、第2の位置に設定され、それによって、切削用インサート28がインサートポケット24から外に自由に滑り出すことができるようになる。切削用インサート28が収縮位置と伸長位置の間で滑動するバリ取り動作中に、第2のネジ108は、第1の位置に維持されている。
【0028】
本発明に従って、インサートポケット28の案内部材74は、案内溝の接触面58が案内部材支持面88と滑動接触した状態で、切削用インサート28の案内溝54に位置決めされ、収縮位置と伸長位置の間の切削用インサート28の滑動運動は、主に、切削用インサート28の案内溝54がインサートポケット24の案内部材74の上を滑動することによって行われる。この配列には、いくつかの有利点がある。この配列は、切削用インサート28の自由な滑動運動を損なうことなく、小型の切削用インサートの設計を可能にする。言い換えれば、切削用インサート28の側面50の第1の長さL1は、おおむね長方形のスロット72の第1の幅W1と比べて相対的に小さくすることができる。
【0029】
もし切削用インサート28が案内溝54のない主本体部分56だけを備えるとしたら、切削用インサート28の滑動運動は、おおむね長方形のスロット72の側壁84と切削用インサート28の側面50との滑動接触によって起こるだろう。本発明に従って、切削用インサート28の側面50の第1の長さL1は、おおむね長方形のスロット72の第1の幅W1よりも小さい。非束縛の例によれば、第1の幅W1は、第1の長さL1の5から6倍である。そうであるので、切削用インサートは、容易に、おおむね長方形のスロット72の中で締め付けられて動かなくなる(くさび止めされる;wedged)ことがある。締付け(wedging)を避けるためには、第1の長さL1は第1の幅W1よりも大きくなければならないだろう。4つの切刃38の要求条件のために、および切削用インサート28の主正中面P1に関する反射対称の制約のために(すなわち、切削用インサート28が、各端部に切削部分36があり各切削部分36に2つの切刃38がある「両端」切削用インサートである)、切削用インサート28は、図5および6に示される八角形の形であるように制約され、第1の長さL1を第1の幅W1よりも大きく設計しようとする試みは、どれも実用的でないほど大きな切削用インサートになるだろう。
【0030】
切削用インサート28の滑動運動を案内部材74の上の案内溝54の滑動に変えることによって、締付けの可能性を決定する寸法は、案内溝54の第2の長さL2および案内部材74の第2の幅W2である。非束縛の例によれば、第2の長さL2は、第2の幅W2の約3倍である。第2の長さL2を第2の幅W2よりも大きく選ぶことで、案内溝54の中での案内部材74の締付けが妨げられるので、インサートポケット24の中での切削用インサート28の締付けが妨げられる。
【0031】
明らかに、切削用インサート28の滑動運動を、切削用インサート28の主本体部分56とインサートポケット24のおおむね長方形のスロット72との間の滑動接触から、インサートポケット24の案内部材74の上の切削用インサート28の案内溝54の滑動に変えることによって、締付けの制約は切削用インサート28の主本体部分56の形状寸法から切り離され、したがって、小型の「両端」切削用インサートの設計が可能になる。さらに、切削用インサート28の滑動運動を、インサートポケット24の案内部材74の上の切削用インサート28の案内溝54の滑動に変えることによって、インサートポケット24の側壁84も切削用インサート28の側面50も高い精度で製造する必要がなくなる。というのは、インサートポケット24の側壁84も切削用インサート28の側面50も切削用インサート28の滑動運動で基本的な役割を演じないからである。
【0032】
案内溝54が案内部材74の上を滑動するようにインサートポケット24の案内部材74を切削用インサート28の案内溝54の中に位置決めすることによって、切削用インサート28の滑動運動は実現されるので、インサートポケットの側壁84と切削用インサートの側面50との間に設計された隙間があり、これらの表面間の接触がないことが保証される。これらの表面間のどんな接触も、長方形スロット72の中でのインサートの締付けにつながるかもしれない。また、インサートポケット24の下壁部86と切削用インサート28の底面部52との間に、および、インサートポケット24の上壁80と切削用インサート28の主要な上面部46との間に、設計された隙間がある。また、案内部材74の案内部材橋かけ面90と案内溝54の溝橋かけ面60との間にも設計された隙間がある。滑動運動中の唯一の設計された接触は、案内部材74の案内支持面88と案内溝54の接触面58との間である。しかし、穴のバリ取り中に切刃38に作用する切削力のために、または、バリ取り工具20の前端26が回転し穴を通過するときに切削用インサート28に作用する力のために、インサートポケット24の下壁部86と切削用インサート28の底面部52との間に、また、インサートポケット24の上壁80と切削用インサート28の主要な上面部46との間に、ある量の制御不可能な接触がある。しかし、これらの制御不可能な接触の形は、上述の制御不可能な接触に含まれる部材の有利な相対的な寸法のために、切削用インサート28の締付けを引き起こすことができない。
【0033】
図2、9および10から理解されることだろうが、本発明のバリ取り工具20の「バリ取り機構」、すなわち、上述の切削用インサート28、バネ104、および第1および第2のネジ102、108は、工具本体22の小さな領域に局在している。当業者には明らかことであろうが、上述のバリ取り工具20とほとんど同じようなやり方で工具本体にインサートポケット24、および副穴96および主穴92を形成して、どんな必要とされる工具本体にも「バリ取り機構」を位置決めすることは、簡単な設計問題である。図11は、本発明の「バリ取り機構」が組み込まれたドリル116を示し、伸長位置の切削用インサート28を示している。
【0034】
本発明がある程度詳細に説明されたが、先に特許請求されたような本発明の範囲から逸脱することなしに、様々な変更および修正が加えられるかもしれないことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に従ったバリ取り工具を示す側面図である。
【図2】図1に示されたバリ取り工具を示す分解組立斜視図である。
【図3】本発明に従った切削用インサートを示す上面斜視図である。
【図4】図3に示された切削用インサートを示す底面斜視図である。
【図5】図3に示された切削用インサートを示す上面図である。
【図6】図3に示された切削用インサートを示す底面図である。
【図7】切削用インサートが取り除かれた状態で90°回転された図1に示されたバリ取り工具を示す部分側面図である。
【図8】線VIII−VIIIに沿って、図7に示されたバリ取り工具を示す断面図である。
【図9】切削用インサートがインサートポケット中に保持された状態の、図7に示されたバリ取り工具を示す図である。
【図10】線X−Xに沿って、図9に示されたバリ取り工具を示す断面図である。
【図11】本発明に従ったバリ取り工具と組み合わされたドリルを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切換え可能な切削用インサート(28)であって、
上面(30)、底面(32)、およびこれらの間の外周面(34)と、
2つの相対する同一の切削部分(36)と、を備え、各切削部分(36)は2つの同一の切刃(38)を備え、各切刃(38)はすくい面(40)と逃げ面(42)の間に位置し、前記2つの切削部分(36)は前記切削用インサート(28)の主正中面(P1)に関して反射対称であり、各切削部分(36)の前記2つの同一の切刃(38)は前記切削用インサート(28)の副正中面(P2)に関して反射対称であり、
前記底面(32)は、2つの底面部(52)と、これらの間で前記底面部(52)から遠ざかるように内側に前記上面(30)の方へ延びる単一の案内溝(54)とを備え、前記案内溝(54)は前記主正中面(P1)に垂直に向けられた長さ方向の軸Bを有することを特徴とする切換え可能な切削用インサート(28)。
【請求項2】
前記上面(30)に凹部(66)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項3】
前記すくい面(40)は、前記上面(30)に位置し、前記逃げ面(42)は、前記切削用インサート(28)の外周面(34)に位置することを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項4】
前記2つの底面部(52)は、平らで、かつ同一平面上にあることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項5】
前記切削用インサート(28)は、前記切削用インサート(28)の上面図で八角形の形をしていることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項6】
前記切刃(38)は、真っ直ぐであることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項7】
前記外周面(34)は、所定の切削部分(36)の前記切刃(38)間に位置決する2つの相対する端面(48)を備えることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項8】
前記外周面(34)は、各々前記切削部分(36)の1つに属している隣接した切刃(38)間に位置する2つの相対する側面(50)を備えることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項9】
請求項1に記載の切削用インサート(28)と、
前記切削用インサート(28)が滑動可能に保持されるインサートポケット(24)を有する工具本体(22)と、を備えるバリ取り工具(20)であって、
前記インサートポケット(24)は開口を介して前記工具本体(22)の外周面(76)の方に外へ開いており、前記インサートポケット(24)はスロット(72)および案内部材(74)を備え、前記案内部材(74)が前記案内溝(54)に係合しており、前記切削用インサート(28)は前記スロット(72)の中に少なくとも部分的に位置し、
前記切削用インサート(28)は、前記切削用インサート(28)を伸長位置の方へ付勢するバネ(104)によって、収縮位置と前記伸長位置の間で滑動可能であり、前記伸長位置で所定の切削部分(36)が前記開口から前記工具本体(22)の前記外周面(76)を越えて突き出していることを特徴とするバリ取り工具(20)。
【請求項10】
前記バネ(104)は、圧縮バネであることを特徴とする請求項9に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項11】
前記切削用インサート(28)は、保持部材(108)によって前記伸長位置に保持されていることを特徴とする請求項9に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項12】
前記伸長位置で、前記保持部材(108)は、前記切削用インサート(28)の保持面(65)に接していることを特徴とする請求項9に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項13】
前記切削用インサート(28)は、前記上面(30)に凹部(66)をさらに備えていることを特徴とする請求項12に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項14】
前記保持面(65)は、前記上面(30)の前記凹部(66)の部分であることを特徴とする請求項13に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項15】
前記切削用インサート(28)は、前記切削用インサート(28)の上面図で八角形の形をしていることを特徴とする請求項9に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項16】
前記バリ取り工具(20)の前記工具本体(22)は、ドリル(116)のシャンク部分を備えることを特徴とする請求項9に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項1】
切換え可能な切削用インサート(28)であって、
上面(30)、底面(32)、およびこれらの間の外周面(34)と、
2つの相対する同一の切削部分(36)と、を備え、各切削部分(36)は2つの同一の切刃(38)を備え、各切刃(38)はすくい面(40)と逃げ面(42)の間に位置し、前記2つの切削部分(36)は前記切削用インサート(28)の主正中面(P1)に関して反射対称であり、各切削部分(36)の前記2つの同一の切刃(38)は前記切削用インサート(28)の副正中面(P2)に関して反射対称であり、
前記底面(32)は、2つの底面部(52)と、これらの間で前記底面部(52)から遠ざかるように内側に前記上面(30)の方へ延びる単一の案内溝(54)とを備え、前記案内溝(54)は前記主正中面(P1)に垂直に向けられた長さ方向の軸Bを有することを特徴とする切換え可能な切削用インサート(28)。
【請求項2】
前記上面(30)に凹部(66)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項3】
前記すくい面(40)は、前記上面(30)に位置し、前記逃げ面(42)は、前記切削用インサート(28)の外周面(34)に位置することを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項4】
前記2つの底面部(52)は、平らで、かつ同一平面上にあることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項5】
前記切削用インサート(28)は、前記切削用インサート(28)の上面図で八角形の形をしていることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項6】
前記切刃(38)は、真っ直ぐであることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項7】
前記外周面(34)は、所定の切削部分(36)の前記切刃(38)間に位置決する2つの相対する端面(48)を備えることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項8】
前記外周面(34)は、各々前記切削部分(36)の1つに属している隣接した切刃(38)間に位置する2つの相対する側面(50)を備えることを特徴とする請求項1に記載の切削用インサート(28)。
【請求項9】
請求項1に記載の切削用インサート(28)と、
前記切削用インサート(28)が滑動可能に保持されるインサートポケット(24)を有する工具本体(22)と、を備えるバリ取り工具(20)であって、
前記インサートポケット(24)は開口を介して前記工具本体(22)の外周面(76)の方に外へ開いており、前記インサートポケット(24)はスロット(72)および案内部材(74)を備え、前記案内部材(74)が前記案内溝(54)に係合しており、前記切削用インサート(28)は前記スロット(72)の中に少なくとも部分的に位置し、
前記切削用インサート(28)は、前記切削用インサート(28)を伸長位置の方へ付勢するバネ(104)によって、収縮位置と前記伸長位置の間で滑動可能であり、前記伸長位置で所定の切削部分(36)が前記開口から前記工具本体(22)の前記外周面(76)を越えて突き出していることを特徴とするバリ取り工具(20)。
【請求項10】
前記バネ(104)は、圧縮バネであることを特徴とする請求項9に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項11】
前記切削用インサート(28)は、保持部材(108)によって前記伸長位置に保持されていることを特徴とする請求項9に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項12】
前記伸長位置で、前記保持部材(108)は、前記切削用インサート(28)の保持面(65)に接していることを特徴とする請求項9に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項13】
前記切削用インサート(28)は、前記上面(30)に凹部(66)をさらに備えていることを特徴とする請求項12に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項14】
前記保持面(65)は、前記上面(30)の前記凹部(66)の部分であることを特徴とする請求項13に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項15】
前記切削用インサート(28)は、前記切削用インサート(28)の上面図で八角形の形をしていることを特徴とする請求項9に記載のバリ取り工具(20)。
【請求項16】
前記バリ取り工具(20)の前記工具本体(22)は、ドリル(116)のシャンク部分を備えることを特徴とする請求項9に記載のバリ取り工具(20)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−525208(P2008−525208A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548956(P2007−548956)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/IL2005/001325
【国際公開番号】WO2006/070347
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(306037920)イスカーリミテッド (93)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/IL2005/001325
【国際公開番号】WO2006/070347
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(306037920)イスカーリミテッド (93)
【Fターム(参考)】
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