説明

バルクハウゼンノイズ検査装置

【課題】 励磁コイルおよびノイズ検出センサを含むセンサヘッドと、検査対象物との間のギャップの変動に影響されず、高精度の検査を行えると共に、センサヘッドの小形化を図れ、ノイズの検出とギャップの検出とに交流磁界間の干渉の問題が生じないバルクハウゼンノイズ検査装置を提供する。
【解決手段】 バルクハウゼンノイズ検査装置は、検査対象物Wを磁化する励磁コイル9と、同コイル9により磁化された検査対象物Wが発するバルクハウゼンノイズを検出するノイズ検出センサと、励磁コイル9に電流を供給する電源14とを備える。ノイズ検出センサ、検査対象物W間のギャップを検出するセンサ3を設け、センサ3に、ノイズ検出センサによるバルクハウゼンノイズの検出周波数帯域よりも低い周波数の交流磁界を発生させる。センサ3の出力に基づき、ノイズ検出センサの出力を補正するセンサ出力補正手段7を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バルクハウゼンノイズを利用して金属部品等の非破壊検査を行うバルクハウゼンノイズ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
強磁性体が磁化する過程において、金属材料中に混在する非磁性体や内部欠陥等にピンニングされて磁壁の移動が不連続性を有することでバルクハウゼンノイズとなって現れる。このバルクハウゼンノイズの大きさは、金属材料の硬度や残留応力等と相関を持つため、バルクハウゼンノイズを測定することで、試料を破壊することなく金属組織の推定に用いることができる情報を得ることが可能となる。例えば、磁性体が磁化する際に発生するバルクハウゼンノイズの大きさと、材料の硬度との間には相関があり、予め材質毎に測定しておいた両者の関係性から、研削焼けによる異常箇所を検出することが可能である(特許文献1)。このバルクハウゼンノイズの実際の利用例として、測定者が手動でプローブを試料に接触させて測定する計器が市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−262958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大量生産品の全数検査を行う際には、摩耗等の問題から試料に対してセンサヘッドを非接触状態で測定する必要がある。このとき、試料とセンサヘッドの間のギャップが変動すると、バルクハウゼンノイズの大きさも変動するので、誤検出の原因となる。
本件出願人は、試料とセンサヘッドの間のギャップをギャップセンサで検出し、その出力をフィードバックしてセンサヘッドを定置制御する方法を提案している。
小形の試料を測定するには、小形のセンサヘッドが要求されるが、前記のようにギャップセンサを新たに配置した場合、センサヘッドが大形化し、小形の試料の測定が困難になるという問題があった。また、ギャップセンサとして電磁誘導式のセンサを用いる場合、使用する周波数帯が、測定対象のバルクハウゼンノイズの周波数帯と重なると、バルクハウゼンノイズのみをフィルタリングで抽出できず、測定結果に影響を及ぼす問題点がある。
【0005】
この発明の目的は、励磁コイルおよびノイズ検出センサを含むセンサヘッドと、検査対象物との間のギャップの変動に影響されることなく、高精度の検査を行うことができると共に、センサヘッドの小形化を図ることができ、またノイズの検出とギャップの検出とに交流磁界間の干渉の問題が生じないバルクハウゼンノイズ検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のバルクハウゼンノイズ検査装置は、検査対象物を磁化する励磁コイルと、この励磁コイルにより磁化された前記検査対象物が発するバルクハウゼンノイズを検出するノイズ検出センサと、前記励磁コイルに磁化のための交流磁界を発生させる交流電流を供給する電源とを備え、前記ノイズ検出センサと前記検査対象物との間のギャップを、検査対象物へギャップ検査用の交流磁界を印加して非接触で検出する磁気式のギャップ検出センサを設け、このギャップ検出センサに、前記ギャップ検査用の交流磁界として、前記ノイズ検出センサによるバルクハウゼンノイズの検出周波数帯域よりも低い周波数の交流磁界を発生させる交流電流を印加するギャップ検出電流印加手段を設け、前記ギャップ検出センサの出力に基づき、前記ノイズ検出センサの出力を補正するセンサ出力補正手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
この構成によると、電源から供給される交流電流により励磁コイルに交流磁界を発生させ、この励磁コイルにより検査対象物を磁化する。磁化された検査対象物が発するバルクハウゼンノイズをノイズ検出センサで検出する。このとき、ギャップ検出電流印加手段は、ギャップ検出センサに、ギャップ検査用の交流磁界を発生させる交流電流を印加し、ギャップ検出センサは、ノイズ検出センサと検査対象物との間のギャップを検出する。ノイズ検出センサの出力を、ギャップ検出センサの出力に基づきセンサ出力補正手段が補正する。このため、ノイズ検出センサと検査対象物との間のギャップがどのように変動しても、常にギャップが一定の状態でのバルクハウゼンノイズと同等に補正されたバルクハウゼンノイズを検出することができる。
【0008】
ギャップ検出のために発生させる交流磁界は、ノイズ検出センサによるバルクハウゼンノイズの検出周波数帯域よりも低い周波数としたため、ノイズ検出センサの検出対象と、ギャップ検出センサの検出対象とを区別することが可能となる。前記ギャップ検出センサは、例えば、磁気誘導型センサである、渦電流式センサまたはリラクタンス式センサを使用する。渦電流式センサは、検査対象物に誘導される渦電流によるギャップ変動に伴うコイルのインダクタンス変化を検出する。リラクタンス式センサは、ギャップ変動によるリラクタンス(磁気抵抗)変化に伴うコイルのインダクタンス変化を検出する。センサコイルとコンデンサで共振回路を形成し、センサコイルとコンデンサの共振周波数の変化を利用してギャップ変動に伴うコイルのインダクタンス変化を検出する。
【0009】
一般にバルクハウゼンノイズは高周波域(数10kHz以上)であるため、ギャップ検出用の周波数をおよそ10kHz以上20kHz以下に設定することで、ギャップ検出用の周波数と、ノイズ検出センサからのバルクハウゼンノイズの検出周波数とを区別することが可能となる。
バルクハウゼンノイズの検出のための励磁周波数は、バルクハウゼンノイズの検出周波数帯域より一桁ほど小さい方がよく、例えば5kHz以下であることが望ましい。このように励磁周波数を5kHz以下にすることで、ギャップ検出センサに印加する交流磁界の周波数となる出力の搬送波と、ノイズ検出用の磁気変化の周波数とを区別することが可能となる。
前述のようにノイズ検出センサとギャップ検出センサの各出力を周波数の違いにより区別できることで、ノイズ検出センサとギャップ検出センサとを近接して配置することができる。このため、励磁コイルおよびノイズ検出センサを含むセンサヘッドに、ギャップ検出センサを設けた場合であっても、センサヘッドの小形化を図れる。このセンサヘッドを用いて小形の検査対象物を測定することができる。したがって、ギャップの変動に影響されることなく、高精度の検査を行うことができると共に、センサヘッドの小形化を図ることができる。
前記ギャップ検出センサに発生させる前記ギャップ検査用の交流磁界の周波数を、前記励磁コイルに発生させる交流磁界の周波数よりも高くしても良い。このように交流磁界の周波数に差を設けることで、バルクハウゼンノイズの検出のための周波数と、ギャップ検出のための周波数とを峻別することが可能となる。
【0010】
前記ギャップ検出センサの出力と前記ノイズ検出センサの出力との関係を記憶する記憶手段を設け、前記センサ出力補正手段は、前記ギャップ検出センサの出力と前記記憶手段の記憶するデータとから前記ノイズ検出センサの出力を補正するものとしても良い。
前記記憶手段には、例えば、ギャップ検出センサの検出するギャップが所定値より大きい値のとき、これに対応して所定値より小さい値のバルクハウゼンノイズが記憶され、この場合の補正係数として実際のバルクハウゼンノイズ測定値を増加側に補正する値が記憶される。逆に、ギャップ検出センサの検出するギャップが所定値より小さい値のとき、これに対応して所定値より大きい値のバルクハウゼンノイズが記憶され、この場合の補正係数として実際のバルクハウゼンノイズ測定値を減少側に補正する値が記憶される。
センサ出力補正手段は、ギャップ検出センサの検出するギャップに対応する補正係数を記憶手段から読み出して、ギャップ検出センサの出力がギャップが一定の状態での値に補正することができる。なお、前記「所定値」は、任意に定められた値である。
【0011】
前記ギャップ検出センサは、鉄心とこの鉄心に巻かれたギャップ検出用コイルとを有し、このギャップ検出用コイルのインダクタンスの変化から前記ギャップを検出するものとしても良い。この場合、ギャップ検出センサは、ギャップ検出用コイルとコンデンサの共振周波数の変化を利用してギャップ変動に伴うギャップ検出用コイルのインダクタンス変化を検出する。ギャップ検出センサは、このインダクタンス変化からギャップを検出することができる。
【0012】
前記ノイズ検出センサは、鉄心とこの鉄心に巻かれたノイズ検出用コイルとを有し、前記ギャップ検出用コイルを、前記ノイズ検出用コイルの外周に配置しても良い。
前記ノイズ検出センサは、鉄心とこの鉄心に巻かれたノイズ検出用コイルとを有し、前記ギャップ検出用コイルを、前記ノイズ検出用コイルと同軸に配置しても良い。
これらの場合、センサヘッドをさらに小形化することが可能となる。
【0013】
前記ノイズ検出センサは、鉄心とこの鉄心に巻かれたノイズ検出用コイルとを有し、前記ギャップ検出用コイルと前記ノイズ検出用コイルとを直列に接続しても良い。ギャップ検出用コイルが、ノイズ検出用コイルの外径面に配置され、さらに検査対象物の近傍に配置される場合、検査対象物からのバルクハウゼンノイズ信号がギャップ検出用コイルの電磁シールド効果により減衰してしまう。そのためギャップ検出用コイルは、検査対象物からなるべく離れた位置で配置することが好ましい。この発明では、ギャップ検出用コイルとノイズ検出用コイルとを直列に接続したため、ギャップ検出用コイルを検査対象物から離隔することが可能となり、よって、バルクハウゼンノイズ信号を減衰させることなくギャップを検出することが可能となる。また、センサヘッドをさらに小形化することが可能となる。
【0014】
前記ノイズ検出センサは、鉄心とこの鉄心に巻かれたノイズ検出用コイルとを有し、同一のコイルを前記ノズル検出用コイルと前記ギャップ検出用コイルに兼用しても良い。この場合、専用のギャップ検出用コイルが省略されるため、部品点数の低減を図り、装置の構造を簡単化することができる。したがって、製造コストの低減を図ると共に、センサヘッドの小形化を図ることができる。
【0015】
前記検査対象物を磁化する前記励磁コイルに発生させる交流磁界の周波数を1Hz以上5kHz以下で且つ、ギャップ検出センサに発生させる交流磁界を10kHz以上20kHz以下としても良い。
【0016】
前記ノイズ検出センサが検出した信号を処理するセンサ回路と、このセンサ回路により処理した信号からバルクハウゼンノイズを抽出するバルクハウゼンノイズ抽出用フィルタとを有するものであっても良い。この場合、必要な検出値を容易に且つ確実に取り出すことができ、品質検査精度の向上をより図ることができる。
【0017】
前記ノイズ検出センサで検出されたバルクハウゼンノイズから前記検査対象物の研削焼けの検出を行う研削焼け検出手段を設けても良い。焼入れにより表面が硬化した検査対象物つまりワークの最終工程での研削時、研削条件が適当でないと、ワークの温度が上昇して再焼入れ若しくは焼戻しがおきる。再焼入れでは硬くて脆い白層が発生し、焼戻しでは表面が軟化する。この現象を「研削焼け」と呼ぶ。部品に研削焼けがおこると、その箇所にクラック等が発生し、部品の品質上大きな問題になる。
【0018】
研削焼けによる焼戻しが発生した箇所では、ワークの硬度が軟化し、残留応力が圧縮力から引張力に変化する。鋼材等のワークでは、その硬度が軟化するとバルクハウゼンノイズが大きくなり、引張力を印加するとバルクハウゼンノイズが大きくなる。そのため、研削焼けによる焼戻しによりバルクハウゼンノイズは正常箇所よりも大きくなる。研削焼けにより再焼入れが起こって、ワークに硬くて脆い白層が発生した場合でも、この白層の下部には焼戻しによる軟化した層が存在する。このため、バルクハウゼンノイズは大きくなる。
前述したようにバルクハウゼンノイズを測定することで、被検査面の研削焼けの有無を検出できる。したがって、検査対象物となる部品を破壊等する必要がなく研削焼けの全数検査または抜取り検査を実施することができる。このように被検査面の研削焼けの有無を検出することで、品質検査精度の向上を図ることができる。
【0019】
前記ノイズ検出センサで検出されたバルクハウゼンノイズから前記検査対象物の被検査面の残留応力を検出する残留応力検出手段を設けたものであっても良い。
前記検査対象物が、転動装置または転動装置部品であっても良い。転動装置は、ボールやころ等の転動体とこの転動体が接触する部品を有する機械部品であり、転がり軸受、ボールねじ、ボールジョイント等が該当する。転動装置部品は、前記転動装置を構成する部品であり、転動体が接する軌道面を有する部品や転動体等である。
【発明の効果】
【0020】
この発明のバルクハウゼンノイズ検査装置は、検査対象物を磁化する励磁コイルと、この励磁コイルにより磁化された前記検査対象物が発するバルクハウゼンノイズを検出するノイズ検出センサと、前記励磁コイルに磁化のための交流磁界を発生させる交流電流を供給する電源とを備え、前記ノイズ検出センサと前記検査対象物との間のギャップを、検査対象物へギャップ検査用の交流磁界を印加して非接触で検出する磁気式のギャップ検出センサを設け、このギャップ検出センサに、前記ギャップ検査用の交流磁界として、前記ノイズ検出センサによるバルクハウゼンノイズの検出周波数帯域よりも低い周波数の交流磁界を発生させる交流電流を印加するギャップ検出電流印加手段を設け、前記ギャップ検出センサの出力に基づき、前記ノイズ検出センサの出力を補正するセンサ出力補正手段を設けている。このため、励磁コイルおよびノイズ検出センサを含むセンサヘッドと、検査対象物との間のギャップの変動に影響されることなく、高精度の検査を行うことができると共に、センサヘッドの小形化を図ることができ、またノイズの検出とギャップの検出とに交流磁界間の干渉の問題が生じない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施形態に係るバルクハウゼンノイズ検査装置の概略構成図である。
【図2】図1のバルクハウゼンノイズ検査装置の要部の拡大図である。
【図3】この発明の他の実施形態に係るバルクハウゼンノイズ検査装置の概略構成図である。
【図4】この発明のさらに他の実施形態に係るバルクハウゼンノイズ検査装置の概略構成図である。
【図5】この発明のさらに他の実施形態に係るバルクハウゼンノイズ検査装置の概略構成図である。
【図6】この発明のいずれかの実施形態に係るバルクハウゼンノイズ検査装置の一使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の一実施形態を図1および図2と共に説明する。この実施形態に係るバルクハウゼンノイズ検査装置は、バルクハウゼンノイズを利用して非破壊検査を行う装置である。以下の説明は、バルクハウゼンノイズ検査方法についての説明をも含む。図1に示すように、バルクハウゼンノイズ検査装置は、試料励磁部1、磁気検出部2、およびギャップ検出センサ3を有するバルクハウゼンノイズ検出センサヘッドSH(「センサヘッドSH」と称す)と、コントローラ4と、ギャップセンサ回路5と、記憶手段6と、センサ出力補正手段7と、性状検出手段8とを備えている。
【0023】
センサヘッドSHは、この例では、試料励磁部1と磁気検出部2とギャップ検出センサ3とが、共通の外装体Hs内に互いに固定状態に一体化して設けられる。センサヘッドSHは、例えば、筒状のハウジングからなる外装体Hs内に、試料励磁部1、磁気検出部2、およびギャップ検出センサ3がそれぞれ所定位置に配置されてモールド剤等で固定状態に一体化されてなる。前記外装体Hsは、例えば、樹脂等の非磁性体からなる。このセンサヘッドSHのうち試料励磁部1は、検査対象物Wをバルクハウゼンノイズの検出のために磁化する励磁コイル9、およびこの励磁コイル9が巻かれる磁性体コアとなる鉄心10を有する。この鉄心10は凹形状に形成される。
【0024】
磁気検出部2は、磁化された前記検査対象物Wが発するバルクハウゼンノイズを検出するノイズ検出用コイル11からなるノイズ検出センサと、このノイズ検出用コイル11が巻かれる棒状の磁性体コアとなる鉄心12とを有する。前記各鉄心10,12は、例えば、フェライト等の磁性酸化物や積層ケイ素鋼板等からなる。前記凹形状の鉄心10の両端、および棒状の鉄心12の一端は同一平面上に配置される。すなわち、センサヘッドSHの検出面は、検査対象物Wの表面に対向させる平坦面とされる。ノイズ検出用コイル11は、鉄心12の一端側に設けられ、検査対象物Wの被検査面近傍に配置されるようになっている。鉄心10,12はセンサヘッドSHの外装体Hs内に配置される。鉄心10,12は、センサヘッドSHの検出面で外装体Hsから露出して外装体Hsの表面と同一平面であっても良く、また、検出面から引込んだ位置にあっても、あるいは外装体Hsで覆われていても良い。
【0025】
図2に示すように、ギャップ検出センサ3は、ノイズ検出用コイル11からなるノイズ検出センサと検査対象物Wとの間のギャップを非接触で検出する磁気誘導型センサからなり、前記ノイズ検出用コイル11のコアを兼ねる鉄心12と、この鉄心12に巻かれたギャップ検出用コイル13とを有する。前記磁気誘導型センサとして、渦電流式センサまたはリラクタンス式センサを使用している。ギャップ検出コイル13は、1つのコイルで励磁用と検出用とを兼ねているが、励磁用コイルと検出用コイルを別体にしても良い。
前記ギャップセンサ回路5は、発振回路から成るギャップ検出電流印加手段5aを含む。このギャップ検出電流印加手段5aは、ギャップ検出センサ専用の発振回路であり、ギャップ検出センサ3に、ギャップ検査用の交流磁界として、ノイズ検出センサによるバルクハウゼンノイズの検出用周波数帯域よりも低い周波数の交流磁界を発生させる交流電流を印加する。
【0026】
一般にバルクハウゼンノイズは高周波域(数10kHz以上)であるため、ギャップ検出用の搬送波(つまりギャップ検出用に印加された交流信号)をおよそ10kHz以上20kHz以下に設定することで、ギャップ検出の検出対象とノイズ検出センサの検出対象とを区別することが可能となる。
検査対象物Wの励磁コイル9による励磁周波数は、バルクハウゼンノイズの検出周波数帯域より一桁ほど小さい方がよく、例えば1Hz以上5kHz以下であることが望ましい。検査対象物Wの励磁コイル9による励磁周波数を1Hz以上5kHz以下にすることで、ギャップ検出センサ3の搬送波(ギャップ検出用に印加された交流信号)と区別することが可能となる。
【0027】
前記磁気誘導型センサとしての渦電流式センサは、検査対象物Wに誘導される渦電流によるギャップ変動に伴うギャップ検出用コイル13のインダクタンス変化を検出する。リラクタンス式センサは、ギャップ変動によるリラクタンス(磁気抵抗)変化に伴うギャップ検出用コイル13のインダクタンス変化を検出する。
ギャップセンサ回路5は、前記ギャップ検出電流印加手段5aと、共振回路5bと、振幅検出回路5cと、ギャップ検出手段5dとを有する。共振回路5bは、センサコイルとコンデンサとで成り、ギャップ検出用コイル13から出力される周波数のうち、ギャップ検出用の交流磁界の周波数である特定周波数のみ共振させる。振幅検出回路5cは、共振回路5bで共振させた特定周波数の振幅を検出する。ギャップ検出手段5dは、検出された振幅に応じた、ノイズ検出センサと検査対象物Wとの間のギャップを検出する。
【0028】
ギャップ検出センサ3の鉄心12は、前述のように、磁気検出部2の鉄心12と兼用している。センサヘッドSHの外装体Hs内において、ギャップ検出用コイル13は、バルクハウゼンノイズを検出するノイズ検出用コイル11の外径側における軸方向先端部に配置され、且つ、このノイズ検出用コイル11と同軸に配置される。この場合、磁気検出部2と兼用の鉄心12にギャップ検出用コイル13を巻くことで、ノイズ検出用コイル11と同軸のギャップ検出センサ3を構成しているため、外装体Hsの径方向寸法および軸方向寸法の小形化を図れる。よってセンサヘッドSHの小形化を図れる。また、磁気検出部2とギャップ検出センサ3の鉄心12を兼用しているため、部品点数の低減を図れ、装置構造を簡単化し得る。
【0029】
図1に示すように、コントローラ4は、励磁コイル9に励磁用の交流電流を供給する交流電源14を含む電流制御部15と、ノイズ検出用コイル11の出力信号を処理する出力信号処理部16とを備える。電流制御部15は、交流電源14のほか、前記ノイズ検出用コイル11が検出する磁束の強さに基づき交流電源14の交流電流を制御して、検査対象物Wを励磁する磁束を一定に保つ電源制御装置17を有する。
【0030】
出力信号処理部16は、ノイズ検出用コイル11の検出信号を増幅する増幅器などを含むセンサ回路18と、センサ回路18で処理された検出信号から特定の周波数のバルクハウゼンノイズを抽出するバルクハウゼンノイズ抽出用フィルタ19とを有する。出力信号処理部16は、ノイズ検出用コイル11に電気的に接続される。出力信号処理部16の次段に、後述のセンサ出力補正手段7が設けられる。
【0031】
前記ギャップセンサ回路5におけるギャップ検出手段5dは、ノイズ検出用コイル11と検査対象物Wの間のギャップを出力する。記憶手段6には、予め測定されたギャップ検出センサ3の出力つまりギャップと、ノイズ検出用コイル11の出力であるバルクハウゼンノイズとの関係が記憶されると共に、この関係に対応して、ギャップに対するバルクハウゼンノイズの補正係数も記憶されている。前記ギャップとバルクハウゼンノイズとの関係および前記補正係数は、例えば、演算式またはテーブルに設定され、コンピュータのメモリ等に書換え可能に記憶される。例えば、ギャップ検出センサ3の検出するギャップが定められた値より大きい値のとき、これに対応して前記定められた値より小さい値のバルクハウゼンノイズが記憶され、この場合の補正係数として実際のバルクハウゼンノイズ測定値を増加側に補正する値が記憶される。
【0032】
逆に、ギャップ検出センサ3の検出するギャップが前記定められた値より小さい値のとき、これに対応して前記定められた値より大きい値のバルクハウゼンノイズが記憶され、この場合の補正係数として実際のバルクハウゼンノイズ測定値を減少側に補正する値が記憶される。記憶手段6に記憶される前記の予め測定されたギャップ検出センサ3の出力とノイズ検出用コイル11の出力との関係は、例えば、このバルクハウゼンノイズ検査装置の実用化よりも前に、試験として測定された関係である。
【0033】
センサ出力補正手段7は、ギャップ検出センサ3の出力に基づきノイズ検出用コイル11の出力を、記憶手段6におけるギャップ検出センサ3の出力とノイズ検出用コイル11の出力との関係および、バルクハウゼンノイズの補正係数等の記憶データに従って補正する。このセンサ出力補正手段7は、例えば、中央処理装置(CPU)等の演算手段により構成される。この演算手段は、記憶手段6の前記演算式またはテーブルに照らして、実際のバルクハウゼンノイズ測定値を増加側または減少側に補正する補正係数を選択する。演算手段は、この選択された補正係数を用いて補正されたバルクハウゼンノイズを出力する。
【0034】
センサ出力補正手段7の次段には、その補正されたバルクハウゼンノイズから、検査対象物Wの各種性状を検出する性状検出手段8が接続されている。性状検出手段8は、検査対象物Wにおける研削焼けを検出する研削焼け検出手段20と、検査対象物Wにおける残留応力を検出する残留応力検出手段21とを有する。これら研削焼け検出手段20および残留応力検出手段21は、それぞれ、センサ出力補正手段7で補正されたバルクハウゼンノイズの大きさ等を、定められた値と比較して研削焼けの有無の検出、定められた値以上の残留応力の有無を判定するものであっても、また研削焼けの深さや範囲、残留応力の大きさを測定するものであっても良い。
【0035】
ここで、研削焼けにより焼戻しが発生した箇所では、検査対象物Wの硬度が軟化し、残留応力が圧縮力から引張力に変化する。鋼材等の検査対象物Wでは、その硬度が軟化するとバルクハウゼンノイズが大きくなり、引張力を印加するとバルクハウゼンノイズが大きくなる。そのため、研削焼けによる焼戻しによりバルクハウゼンノイズは正常箇所よりも大きくなる。
研削焼けにより再焼入れが起こって、検査対象物Wに硬くて脆いいわゆる白層が発生した場合でも、この白層の下部には焼戻しによる軟化した層が存在する。このため、バルクハウゼンノイズは大きくなる。したがって、バルクハウゼンノイズを測定することで、検査対象物Wの研削焼けを検出することが可能である。
【0036】
以上説明したバルクハウゼンノイズ検査装置によると、センサヘッドSHの検出面が検査対象物Wの表面に対向するように配置し、電源14から供給される交流電流により励磁コイル9に交流磁界を発生させ、この励磁コイル9により検査対象物Wを磁化する。励磁コイルWの鉄心10と検査対象物Wとの間にはギャップを介して磁気閉回路が構成される。ノイズ検出用コイル11は、磁化された検査対象物Wの表面磁束を検出する。ノイズ検出用コイル11の検出信号が入力される出力信号処理部16では、その検出信号から前述の高周波域のバルクハウゼンノイズを抽出する。
【0037】
センサ出力補正手段7は、ギャップ検出センサ3の出力に基づき、ノイズ検出用コイル11の出力を出力信号処理部16で処理して得られるバルクハウゼンノイズを補正する。つまりセンサ出力補正手段7は、ギャップセンサ回路5のギャップ検出手段5dによる出力に基づき、記憶手段6から読み出されるギャップに対応する補正係数を用いて、出力信号処理部16を経て得られるバルクハウゼンノイズの値を補正する。
これにより、補正されたバルクハウゼンノイズの値は、ノイズ検出用コイル11と検査対象物Wとの間のギャップが一定の状態にあるときの値となる。つまり、ギャップがどのように変動しても、常にギャップが一定の状態でのバルクハウゼンノイズが得られる。センサ出力補正手段7で補正されたバルクハウゼンノイズから、検査対象物Wにおける研削焼けと残留応力とを検出し得る。
【0038】
ギャップ検出センサ3に、ノイズ検出センサによるバルクハウゼンノイズの検出周波数帯域よりも低い周波数の交流磁界を印加して設けたため、ノイズ検出センサの出力と、ギャップ検出センサ3の出力とを区別することが可能となる。一般にバルクハウゼンノイズは数10kHz以上の高周波域であるため、ギャップ検出センサ3の検出対象となる磁界の変化と、ノイズ検出センサの検出対象となる磁界の変化とを区別することが可能となる。
【0039】
このようにノイズ検出センサとギャップ検出センサ3の各出力を周波数の違いにより区別することで、ノイズ検出センサとギャップ検出センサ3とを近接して配置することができる。このため、励磁コイル9およびノイズ検出センサを含むセンサヘッドSHに、ギャップ検出センサ3を設けた場合であっても、センサヘッドSHの小形化を図れる。このセンサヘッドSHを用いて小形の検査対象物Wを測定することができる。したがって、ギャップの変動に影響されることなく、高精度の検査を行うことができると共に、センサヘッドSHの小形化を図ることができる。このセンサヘッドSHの小形化により、種々の検査対象物Wに対する、バルクハウゼンノイズ検査装置の検査の汎用性を高めることができる。
ギャップ検出用コイル13をノイズ検出用コイル11の外径側に配置し、これらギャップ検出用コイル13、ノイズ検出用コイル11を同軸に配置したため、センサヘッドSHの外装体Hsの径方向寸法および軸方向寸法の小形化を図れる。よって、センサヘッドSHの小形化を図れる。
【0040】
この発明の他の各実施形態について、それぞれ図3〜図6と共に説明する。以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0041】
ギャップ検出用コイル13がノイズ検出用コイル11の外径面に配置され、さらに検査対象物Wに近傍に配置された場合、検査対象物Wからのノイズ信号がギャップ検出用コイル13の電磁シールド効果により減衰してしまう場合がある。この観点から、ギャップ検出用コイル13は、検査対象物Wからなるべく離して配置することが好ましい。
そのため、図3に示すバルクハウゼンノイズ検査装置は、図1および図2の実施形態において、ギャップ検出センサ3を構成するギャップ検出用コイル13が、ノイズ検出用コイル11よりも検査対象物Wから離れた位置でノイズ検出用コイル11と軸方向に並べて配置されて鉄心12に同軸に巻かれている。このため、バルクハウゼンノイズ信号を減衰させることなく、ギャップを検出することが可能となる。よってセンサヘッドSHのさらなる小形化を図ることが可能となる。この実施形態において、ノイズ検出用コイル11とギャップ検出用コイル13とを直列に接続しても良い。
【0042】
図4に示すバルクハウゼンノイズ検査装置は、図1および図2に示す実施形態において、ノイズ検出用コイル11をギャップ検出用コイル13に兼用して、専用のギャップ検出用コイルを省略している。この場合、専用のギャップ検出用コイルが省略されるため、部品点数の低減を図り、装置の構造を簡単化することができる。したがって、製造コストの低減を図ると共に、センサヘッドSHの小形化を図ることができる。
【0043】
図5に示すバルクハウゼンノイズ検査装置は、例えば、図3に示す実施形態において、センサヘッドを省略して鉄心に巻かれたノイズ検出用コイル11とギャップ検出用コイル13と、励磁コイル9とを別体に設けている。検査対象物Wは、励磁コイル9の磁心となる凹形状の鉄心10の両端部10a,10aで挟まれる位置に配置する。これにより、検査対象物Wの全体が励磁コイル9の発生する交流磁界によって磁化される。
【0044】
図6は、前記いずれかのバルクハウゼンノイズ検査装置を使用して行う非破壊検査の一例を示す。ここでは、検査対象物である測定ワークとしてころ軸受の内輪W1を用い、この内輪W1の転走面Waの研削焼けの有無等を検査する。ワーク固定軸23の小径部に内輪W1が嵌合され、このワーク固定軸23は図示外の駆動源により軸線L1回りに回転可能に構成されている。センサヘッド位置決め用アクチュエータ24のロッド先端部に、センサヘッドSHを固定する固定部材25が設けられる。この固定部材25に固定されたセンサヘッドSHは、内輪W1の転走面Waに対し垂直に接近させられ適当な押し付け力で押し付けられる。センサヘッドSHは、アクチュエータ24の駆動により軸線L1方向に平行に移動可能に構成される。前記アクチュエータ24として、流体圧シリンダや、モータとボールねじ機構から成るもの等を適用し得る。
【0045】
センサヘッドSHを転走面Waに押し付け、ワーク固定軸23を回転させつつセンサヘッドSHをアクチュエータ24により移動させる。これにより、内輪W1の転走面Waの全周面にセンサヘッドSHを摺動させて周上全ての箇所または複数箇所の焼入れ硬度分布を検出し得る。この場合、検査対象物の焼入れ硬度分布を簡単かつ正確に全数検査または抜取り検査できる。したがって、品質保証能力を高めることができる。なお、アクチュエータ24、固定部材25等を設けることなく、センサヘッドSHを例えば手動により軸線L1方向に平行に移動させて、検査対象物の研削焼けの有無を検査しても良い。
【0046】
軸受内輪のうち内輪内径面、内輪端面、内輪外径面の研削焼けの有無、または残留応力の検出を行っても良い。軸受外輪のうち外輪転走面、外輪外径面、外輪端面、外輪内径面の研削焼けの有無、または残留応力の検出を行っても良い。その他軸受の転動体の転走面や端面等の研削焼けの有無、または残留応力の検出を行っても良い。軸受以外の転動装置およびその転動装置部品を検査対象としても良い。
【符号の説明】
【0047】
3…ギャップ検出センサ
5a…ギャップ検出電流印加手段
6…記憶手段
7…センサ出力補正手段
9…励磁コイル
10…鉄心
11…ノイズ検出用コイル
12…鉄心
13…ギャップ検出用コイル
14…電源
18…センサ回路
19…バルクハウゼンノイズ抽出用フィルタ
20…研削焼け検出手段
21…残留応力検出手段
W…検査対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物を磁化する励磁コイルと、この励磁コイルにより磁化された前記検査対象物が発するバルクハウゼンノイズを検出するノイズ検出センサと、前記励磁コイルに磁化のための交流磁界を発生させる交流電流を供給する電源とを備え、
前記ノイズ検出センサと前記検査対象物との間のギャップを、検査対象物へギャップ検査用の交流磁界を印加して非接触で検出する磁気式のギャップ検出センサを設け、
このギャップ検出センサに、前記ギャップ検査用の交流磁界として、前記ノイズ検出センサによるバルクハウゼンノイズの検出周波数帯域よりも低い周波数の交流磁界を発生させる交流電流を印加するギャップ検出電流印加手段を設け、
前記ギャップ検出センサの出力に基づき、前記ノイズ検出センサの出力を補正するセンサ出力補正手段を設けたことを特徴とするバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ギャップ検出センサに発生させる前記ギャップ検査用の交流磁界の周波数を、前記励磁コイルに発生させる交流磁界の周波数よりも高くしたバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記ギャップ検出センサの出力と前記ノイズ検出センサの出力との関係を記憶する記憶手段を設け、前記センサ出力補正手段は、前記ギャップ検出センサの出力と前記記憶手段の記憶するデータとから前記ノイズ検出センサの出力を補正するものとしたバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ギャップ検出センサは、鉄心とこの鉄心に巻かれたギャップ検出用コイルとを有し、このギャップ検出用コイルのインダクタンスの変化から前記ギャップを検出するものとしたバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項5】
請求項4において、前記ノイズ検出センサは、鉄心とこの鉄心に巻かれたノイズ検出用コイルとを有し、前記ギャップ検出用コイルを、前記ノイズ検出用コイルの外周に配置したバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5において、前記ノイズ検出センサは、鉄心とこの鉄心に巻かれたノイズ検出用コイルとを有し、前記ギャップ検出用コイルを、前記ノイズ検出用コイルと同軸に配置したバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項7】
請求項4において、前記ノイズ検出センサは、鉄心とこの鉄心に巻かれたノイズ検出用コイルとを有し、前記ギャップ検出用コイルと前記ノイズ検出用コイルとを直列に接続したバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項8】
請求項4において、前記ノイズ検出センサは、鉄心とこの鉄心に巻かれたノイズ検出用コイルとを有し、同一のコイルを前記ノズル検出用コイルと前記ギャップ検出用コイルに兼用したバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記検査対象物を磁化する前記励磁コイルに発生させる交流磁界の周波数を1kHz以上5kHz以下で且つ、ギャップ検出センサに発生させる交流磁界を10kHz以上20kHz以下としたバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記ノイズ検出センサが検出した信号を処理するセンサ回路と、このセンサ回路により処理した信号からバルクハウゼンノイズを抽出するバルクハウゼンノイズ抽出用フィルタとを有するバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれか1項において、前記ノイズ検出センサで検出されたバルクハウゼンノイズから前記検査対象物の研削焼けの検出を行う研削焼け検出手段を設けたバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれか1項において、前記ノイズ検出センサで検出されたバルクハウゼンノイズから前記検査対象物の被検査面の残留応力を検出する残留応力検出手段を設けたバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のいずれか1項において、前記検査対象物が、転動装置または転動装置部品であるバルクハウゼンノイズ検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−37412(P2012−37412A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178469(P2010−178469)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】