説明

バルーン式照明装置

【課題】 作業現場に合わせて光の照射角度の調節が可能な光源部を有し、光の照射角度の調節を工具を使用することなく容易且つ迅速に行うことができるバルーン式照明装置を提供する。
【解決手段】 外側面に多数のLED素子8が配置されて一部が揺動自在に支持された発光板9と、該発光板9の背面に連結されてスライド及び自動静止する角度調整板13とからなる光源部4を有するバルーン式照明装置、好ましくは、前記発光板9と角度調節板13とからなる光源部4の複数を集合配置して一体光源部としたバルーン式照明装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夜間の道路工事、その他、各種の作業現場において使用されるバルーン式照明装置に関する
【背景技術】
【0002】
従来、前記バルーン式照明器具として、LED素子を取付けた複数の縦枠を周方向に並べて略筒状の光源取付枠を形成し、前記LED素子を点灯させるための回路部を設け、バルーン内での給気装置からの給気路中に前記LED素子及び前記回路部品を配置したバルーン式照明器具が提案されている(特許文献1)。
【0003】
前記バルーン式照明器具は、前記光源取付枠を構成する縦枠のLED素子の取付面を斜め下向きに固定している(特許文献1、請求項6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−181400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LED素子を使用した照明装置はランプからなる照明装置に比べて節電効果に優れているが遠方にまで光が届きにくいという問題がある。したがって、LED素子を使用した照明装置の場合には各作業現場に適応するように光の照射角度を調整するなどして必要な明るさを確保する必要がある。
【0006】
本発明は、各作業現場において光の照射角度を調節することができるとともに該照射角度の調節を工具を使用することなく容易且つ迅速に行うことができ、しかも、調節した光の照射角度に光源が自動的に保持され、振動等に対して前記光源にガタつきが生じることがないバルーン式照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明のバルーン式照明装置は、外側面に多数のLED素子が配置されて一部が揺動自在に支持された発光板と、該発光板の背面に連結されたスライド及び自動静止する角度調節板とからなる光源部を有することを特徴とする(請求項1)。なお、前記角度調節板のスライド及び自動静止はスライド自在とした角度調節板にバネ圧を加えて行うことができる。
【0008】
前記本発明によれば、外側面に多数のLED素子を配置した発光板の一部が揺動自在に支持され、該発光板の背面にスライド及び自動静止する角度調節板が連結されているので、発光板の一部を手で押圧あるいは引き出すことにより、発光板の角度、すなわち、LED素子からの光の照射角度を各作業現場に合わせて自由に調節できる。さらに、前記角度調節板をスライド及び自動静止する構成としたことにより、無段階調節が可能であり、調節された角度に発光板が自動的に保持され、振動等に対してもガタつきが生じることがない。
【0009】
本発明の実施の一形態は、前記発光板と角度調節板とからなる光源部の複数を集合配置して一体光源部としたことを特徴とする(請求項2)。この実施の一形態によれば、照射角度の調節のほか、光源として明るさ及び光の照射方向の増大を図ることができる。
【0010】
本発明の実施の一形態は、周方向に間隔をあけて複数本の支柱が起立させられ、該支柱間に外側面に多数のLED素子を配置した発光板の一部を揺動自在にして軸支され、該発光板の背面にスライド及び自動静止する角度調節板が連結された光源部を有することを特徴とする(請求項3)。この実施の一形態によれば、前記発光板のそれぞれ一部を複数本の支柱間に容易に軸支することができるとともに複数の発光板が円形状に配置される。
【0011】
本発明の実施の一形態は、周方向に間隔をあけて複数本の支柱が起立させられ、該支柱間に外側面に多数のLED素子を配置した発光板の一部を揺動自在にして軸支され、該発光板のそれぞれ背面にはブラケットを介してスライドしさらに長孔を有する前記発光板の角度調節板がそれぞれ連結され、該それぞれの角度調節板の長孔が重合させられ該重合された長孔に支持ボルトを挿通し、該支持ボルトに前記角度調節板の長孔を押圧支持した光源部を有することを特徴とする(請求項4)。この実施の一形態によれば、前記請求項3の作用効果に加えて角度調節板に設けた長孔がガイドとなり、前記角度調節板を正確且つスムーズにスライド及び自動静止させることができる。
【0012】
本発明の実施の一形態は、前記光源部を上下二段に形成し、上段の光源部を下段の光源部の間位置に配置したことを特徴とする(請求項5)。この実施の一形態によれば周囲に光を均等に照射することができるとともに明るさの範囲を向上させることができる。
【0013】
本発明の実施の一形態は、前記上段の光源部を前記下段の光源部に対して回転自在に支持したことを特徴とする(請求項6)。この実施の一形態によれば、各作業現場に合わせた光の照射角度の自由度がさらに増大する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、各作業現場において、光の照射角度を調節できるとともに、該光の照射角度の調節を工具を使用することなく容易且つ迅速に行うことができる。しかも前記調節した照射角度に光源が自動的に保持され、さらに振動等に対してガタつきが生じることがない効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】バルーンを外した光源部の斜視図である。
【図2】光源部の一部拡大斜視図である。
【図3】発光板の揺動機構を示す斜視図である。
【図4】光源部の変形状態を示す一部拡大斜視図である。
【図5】バルーン式照明装置一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施の一形態を説明する。まず、バルーン式照明装置の全体を説明する。
【0017】
図5に示す通り、バルーン式照明装置は、発電機あるいは蓄電池を搭載した台車1に高さを調節する伸縮自在のマスト2が起立させられ、該マスト2の上端には基台部3を介して光源部4及び該光源部4を覆うバルーン5を設けて構成されている。
【0018】
なお、前記基台部3には、詳細を図示しないが、前記光源部4の制御回路及び前記バルーン5内に給気を行うためのファン及び駆動モータからなる給気装置等が設けられている。本発明は、前記バルーン5が被せられる光源部4に関する。
【0019】
本発明の光源部4は、外側面に多数のLED素子8を配置されて一部が揺動自在に支持された発光板9と、該発光板9の背面に連結されてスライド及び自動静止する角度調節板13からなる。なお、該角度調節板13のスライド及び自動静止はスライド自在とした角度調節板13にバネ圧を加えて行うことができる。
【0020】
図面実施例では、前記光源部4が複数且つ上下二段に設けられている。なお、該上下段の光源部4の構成は同じである。
【0021】
つぎに、その具体的実施例を説明する。図面実施例では前記基台部3の上部に、制御回路及び給気装置等の妨げにならないように略ドーナツ状の光源支持板6が設けられる。
【0022】
さらに前記光源支持板6上には、その周方向に間隔をあけて複数本の支柱7が起立させられる。図面実施例では三本のアングル材の支柱7が等間隔に起立させられている。
【0023】
つぎに、前記それぞれの支柱7間に、外側面に多数のLED素子8を配置した発光板9の一部を揺動自在にして軸支される。図面実施例では、前記支柱7にボルト・ナット等10にて前記発光板9の下部を軸支して上部を揺動自在にしている。
【0024】
つぎに、前記発光板9の背面上部にブラケット11を介してそれぞれ長孔12を有し水平移動する細長い角度調節板13が連結される。図面実施例では、前記角度調節板13の前記ブラケット11との連結端部13aを垂直に折曲げて、該連結端部13aと前記ブラケット11とをボルト・ナット等14にて連結し、前記発光板9の上部の揺動に拘わらず前記角度調節板13が水平移動するように構成している。
【0025】
さらに、前記それぞれの角度調節板13の長孔12が重合させられ、該重合させられた長孔12に支持ボルト15が挿通され、該支持ボルト15に前記角度調節板13の長孔12が押圧支持される。
【0026】
図面実施例では前記支持ボルト15が前記長孔12の下方から挿通され、該長孔12が支持ボルト15の頭部15aに支持され、前記長孔12より上方に突出した前記支持ボルト15にコイルスプリング16が環巻きされ、支持ボルト15の上端が本体側支持部に固定され、ワッシャ17を介して前記それぞれの角度調節板13の長孔12が前記コイルスプリング16により前記支持ボルト15の頭部15aに押圧されるように構成している。図中、18は光源部4の保護枠である。
【0027】
前記図面実施例では、上下二段に形成した光源部4の上段の光源部を下段の光源部の間位置に配置している。さらに詳細を図示しないが、下段の光源部に対し上段の光源部を回転自在に構成することもできる。
【0028】
前記構成の本発明は、前記発光板9の上端部を手でつかみ手前に引くことにより、図1及び図2に示すように前記発光板9による光の照射角度を下向き無段階に調節することができる。また、前記発光板9の上端部を押し込むことにより、図4に示すように前記発光板9による光の照射角度を垂直方向に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、各作業現場に合わせて光の照射角度の調節が容易であり、産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0030】
4 光源部
5 バルーン
6 光源支持板
7 支柱
8 LED素子
9 発光板
12 長孔
13 角度調節板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側面に多数のLED素子が配置されて一部が揺動自在に支持された発光板と、該発光板の背面に連結されてスライド及び自動静止する角度調節板とからなる光源部を有することを特徴とするバルーン式照明装置。
【請求項2】
前記発光板と角度調節板とからなる光源部の複数を集合配置して一体光源部としたことを特徴とする請求項1に記載のバルーン式照明装置。
【請求項3】
周方向に間隔をあけて複数本の支柱が起立させられ、該支柱間に外側面に多数のLED素子を配置した発光板の一部を揺動自在にして軸支され、該発光板の背面にスライド及び自動静止する角度調節板が連結された光源部を有することを特徴とする請求項2に記載のバルーン式照明装置。
【請求項4】
周方向に間隔をあけて複数本の支柱が起立させられ、該支柱間に外側面に多数のLED素子を配置した発光板の一部を揺動自在にして軸支され、該発光板のそれぞれ背面にはブラケットを介してスライドしさらに長孔を有する前記発光板の角度調節板がそれぞれ連結され、該それぞれの角度調節板の長孔が重合させられて該重合された長孔に支持ボルトを挿通し、該支持ボルトに前記角度調節板の長孔を押圧支持した光源部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載のバルーン式照明装置。
【請求項5】
前記光源部を上下二段に形成し上段の光源部を下段の光源部の間位置に配置したことを特徴とする請求項2、3又は4に記載のバルーン式照明装置。
【請求項6】
前記上段の光源部を前記下段の光源部に対して回転自在に支持したことを特徴とする請求項5に記載のバルーン式照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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