ヒンジキャップ
【課題】密閉性が高く、蓋体をキッチリと閉めたことを消費者が判断でき、比較的、軽い力で開閉することができるヒンジキャップを提供する。
【解決手段】キャップ本体1と、蓋体2とを一体に連結したヒンジ部3を有するヒンジキャップAであって、前記キャップ本体1の天板部1cには、ヒンジ部3と反対側の位置に突出部1aを形成して、前記突出部1aの天面には、ヒンジ部3と反対側の離れた位置に開口部1dを設け、前記蓋体2裏面の嵌合部2a内周壁面の一部に、第二凸部2bを設けたヒンジキャップAである。
【解決手段】キャップ本体1と、蓋体2とを一体に連結したヒンジ部3を有するヒンジキャップAであって、前記キャップ本体1の天板部1cには、ヒンジ部3と反対側の位置に突出部1aを形成して、前記突出部1aの天面には、ヒンジ部3と反対側の離れた位置に開口部1dを設け、前記蓋体2裏面の嵌合部2a内周壁面の一部に、第二凸部2bを設けたヒンジキャップAである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉状・顆粒状の調味料などの内容物が入ったガラス瓶やプラスチックボトルなどの容器の口部に装着されるキャップ本体に蓋が開閉自在にヒンジを介して接続するヒンジキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉末状の内容物を振り出して使用するようなキャップとして、特許文献1の振り出し容器のキャップなどが提案されている。特許文献1の振り出し容器のキャップは、内容物が吸湿等により固化して塊状態となった時に、これを破壊させ、粉末状として振り出しできるようにするため、開口に網を設けた網目口を形成した発明がなされている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−167302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内容物が粉末状のものの場合、繰返し使用しているうちに外部から湿気が侵入してしまい、吸湿等により固化して塊状態になってしまうことがある。特許文献1の振り出し容器のキャップは、そのような状態に内容物がなった場合に、塊状態になった内容物をつぶして外へ振り出すことができるように、開口に網が設けられていて、網目口に向って内容物を振り出すことで、塊状態になった内容物が網目にあたることで粉砕することができる発明である。このように、内容物が粉末状のものは、出来るだけ外部からの湿気を侵入させないために、キャップと容器の嵌着面を密着させて、密封性を高める構造にすることが求められている。
【0005】
また、消費者が使用後に、キャップの閉め忘れによる振り出し開口穴からの湿気侵入を防ぐために、キャップがキッチリと閉まっているのかを、消費者が容易に判断しやすいようにするために、キャップ本体と蓋体を押さえて嵌着させた時に、パッチンと音が鳴るように、容器とキャップの双方の嵌着する面の周壁に突出した凸部を設けて、お互いの凸部の乗り越えにより閉封した際に音を発する構造にする場合がある。この場合、密封性を保持するために、嵌着面となるキャップ本体側の嵌着面の外周壁より、蓋体側の嵌着面の内周壁の一部が径大を形成することで壁面が密着し、気密保持させることができるが、この状態からパッチンと音がなるようにするには、さらに、キャップ本体側の嵌着面の外周壁と蓋体側の嵌着面の内周壁の周囲双方に突出させた凸部を設けることがある。その場合、密封性を保持するために構造と、パッチンと音を出すための構造の2構造が加わることで、キャップ本体と蓋体の嵌合面は更に固くなってしまい、お年寄りや体の不自由な人には、開閉が困難なヒンジキャップになってしまう傾向がある。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決し、密閉性が高く、蓋体をキッチリと閉めたことを消費者が判断でき、軽い力で蓋体の開閉をすることができるヒンジキャップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
円筒状の外筒と天板部に開口部を有するキャップ本体と、前記キャップ本体を密閉する蓋体と、前記キャップ本体と蓋体を一体に連結したヒンジ部を有する合成樹脂材でできたヒンジキャップであって、前記天板部にはヒンジ部と反対側の位置に上方へ突出した突出部を形成して、前記突出部の周壁に外側に向って突出する凸部と、前記突出部の天面のヒンジ部と反対側の位置に開口した開口部を設けるとともに、前記蓋体の裏面には前記突出部を密閉する嵌合部を形成して、少なくとも前記嵌合部内周壁面の一部に、前記凸部を乗り越え嵌着する、内側に向って突出する第二凸部を設けたヒンジキャップである。
【0008】
前記開口部を閉鎖するための閉鎖部を、前記蓋体の裏面へ設けたヒンジキャップである。
【0009】
第二凸部は、ヒンジ部と反対側の離れた位置付近に形成したヒンジキャップである。
【0010】
突出部の内側壁の断面がハの字に形成した傾斜部を設けたヒンジキャップである。
【0011】
ヒンジ部と反対側の離れた位置付近の前記蓋体の側壁面の一部に、突出したツバ部を形成したヒンジキャップである。
【0012】
前記ツバ部が形成された箇所の前記キャップ本体側壁面には、前記キャップ本体側壁面の一部が凹んだ指かける溝部を形成したヒンジキャップである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、円筒状の外筒と天板部に開口部を有するキャップ本体と、前記キャップ本体を密閉する蓋体と、前記キャップ本体と蓋体を一体に連結したヒンジ部を有する合成樹脂材でできたヒンジキャップであって、前記天板部にはヒンジ部と反対側の位置に上方へ突出した突出部を形成して、前記突出部の周壁に外側に向って突出する凸部と、前記突出部の天面のヒンジ部と反対側の位置に開口した開口部を設けるとともに、前記蓋体の裏面には前記突出部を密閉する嵌合部を形成して、少なくとも前記嵌合部内周壁面の一部に、前記凸部を乗り越え嵌着する、内側に向って突出する第二凸部を設けたヒンジキャップであるので、キャップ本体と蓋体を閉めた時に密閉性が高く、外部からの湿気侵入を防ぐとともに、蓋体を閉めた時にパッチンと音がでるようにすることで、蓋体がキッチリと閉めたことを消費者が判断できるヒンジキャップを提供することができる。
【0014】
前記開口部を閉鎖するための閉鎖部を、前記蓋体の裏面へ設けたヒンジキャップであるので、保管時に容器を倒してしまったりした際に、開口部から流出した粉体が蓋体裏面に飛散させることなく、内容物である粉体を容器内に納めておくことができるヒンジキャップを提供することができる。
【0015】
第二凸部は、ヒンジ部と反対側の離れた位置付近に形成したヒンジキャップであるので、閉封時にパッチンと音をならす構造にした場合、蓋体の嵌合面とキャップの嵌合面が密着しすぎで蓋体の開閉が固くなりがちとなるが、第二凸部をヒンジ部と反対側の離れた位置付近に設置することで、閉封時に容易にパッチンと音をならすことができる上、比較的、軽い力で蓋体の開閉をすることができ、お年寄りなど握力が弱い人でもラクに開閉できるヒンジキャップを提供することができる。
【0016】
突出部の内側壁の断面がハの字に形成した傾斜部を設けたヒンジキャップであるので、容器を傾けて開口部から内容物である粉体を外へ振り出す際に、傾斜部が滑り台の役目を有し、粉体を確実に、開口部へ誘導することができる上、内容物である粉体が少量になった場合においても、確実に開口部へ集めて外へ振り出すことができるヒンジキャップを提供することができる。
【0017】
ヒンジ部と反対側の離れた位置付近の前記蓋体の側壁面の一部に、突出したツバ部を形成したヒンジキャップであるので、蓋体を開封しやすくしたヒンジキャップを提供することができる。
【0018】
前記ツバ部が形成された箇所の前記キャップ本体側壁面には、前記キャップ本体側壁面の一部が凹んだ指かける溝部を形成したヒンジキャップであるので、蓋体を開封しやすくしたヒンジキャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態を示すヒンジキャップの斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図2のa部分を拡大した断面図である。
【図4】図2のb部分を拡大した断面図である。
【図5】図2のc部分を拡大した断面図である。
【図6】図1の蓋体を閉めた状態の断面図である。
【図7】図6のd部分を拡大した断面図である。
【図8】図6のe部分を拡大した断面図である。
【図9】図1を上からみた平面図である。
【図10】図9のf部分を拡大した平面図である。
【図11】本発明のヒンジキャップを容器にセットした状態を示す断面図である。
【図12】内容物を振り出しするための動作を示した断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1及び図2、図11において、本発明は、粉状・顆粒状になった鶏がらスープの素や、だしの素などの内容物zが入ったガラス瓶や樹脂ボトルなどでできた容器Bの口部に嵌着させるヒンジキャップAである。前記ヒンジキャップAは、ポリプロピレンやポリエチレンなどの合成樹脂でできている。本発明のヒンジキャップAは、キャップ本体1と蓋体2とを一体に連結したヒンジ部3を一体成形したものである。前記キャップ本体1には、円筒状の外筒と天板部1cを有しており、前記天板部1cにはヒンジ部3と反対側の離れた位置付近に上方へ突出した突出部1aが形成されている。前記突出部1aの天面には、ヒンジ部3と反対側の位置に開口した開口部1dを設けている。また、前記突出部1aの周壁の全周には外側へ突出した断面形状が凸状の凸部1bが形成されていて、前記凸部1bを乗り越えて密閉する嵌合部2aが前記蓋体2の裏面に設けられている。前記凸部1bの突出した出っ張りと、前記嵌合部2aの内側壁面が密着することで密閉性が保たれ、外部からの湿気侵入を防止することができる。更に、前記突出部1aの側壁の裏面は、図5及び図6に示すように開口部1dに向うにつれて、側壁が小径となるハの字の傾斜部1fを設けることで、内容物zである粉状・顆粒状の調味料などを振り出す際に、図12に示すように容器Bを傾けることで、断面ハの字の傾斜を有する傾斜部1fにより、内容物zが開口部1dへ誘導されるので、内容物zの残量が少なくなっても、確実に最後まで内容物zの振り出しをすることができる構造を有している。
【0021】
図1乃至図4に示すように、前記嵌合部2aは、前記突出部1aを覆いかぶせるように、リング状の壁面を形成している。ヒンジ部3と反対側の位置の、前記嵌合部2aの内壁面の一部分に、図3及び図9、図10に示すように、内側に突出した断面形状が凸状の第二凸部2bを設けることで、図6及び図7に示すように、凸部1bと前記第二凸部2bが乗り越えて閉封した時に、パッチンと音を発するようになり、消費者がヒンジキャップAをキッチリと閉封したことを音から判断することができる。
【0022】
通常、気密を持たせた構造にした上で、パッチンと音を発するようにする場合は、キャップ本体と蓋体の嵌合面の全周を密着させた形状にした上で、キャップ本体と蓋体の双方の全周に、均一に突出した凸部を設けて、凸部同士の乗り越えによる勢いで、キャップ本体と蓋体がぶつかり合うことで、気密性を保持しながら、パッチンという音を発する機能を有することができる。また、気密を持たせる箇所と、パッチンと音を発するために設ける凸部の設置位置を、異なる場所に設けることで、気密性を保持させたままで、パッチンと音を発生することができる。しかし、いずれの場合も、双方の全周に設けられた凸部が、キャップ本体から蓋体を開封する時にかみ合いすぎて固くなり、お年寄りなど力が弱い人には開封するのが困難になってしまう場合が発生していた。しかし、外部からの湿気侵入を防止するためには、キャップ本体と蓋体の嵌合する面は、密閉性を有する構造にする必要がある。また、確実にキャップ本体と蓋体が閉封したことを消費者自身が認識できるようにしなければ、開口部からの湿気侵入を防ぐことはできない。その為に、密閉性を高めたヒンジキャップに、閉封した時にパッチンと音が発する機能を付加させ、力の弱いお年寄りなどでも容易に開封ができる構造にすることが求められていた。
【0023】
そこで、本発明のヒンジキャップAは、図8に示すように、キャップ本体1の突出部1aの側壁の全周に形成された凸部1bと、前記凸部1bの突出した頂点の外径より小径に形成した、蓋体2側の嵌合部2a内側壁とで嵌め合うことで嵌合を保持させている。更に、図9及び図10に示すように、ヒンジ部3と反対側の位置に、前記壁面の内壁の一部に前記第二凸部2bを形成することで、密閉性を保持しながら、比較的軽い力で開閉することができるヒンジキャップAを提供できる。前記第二凸部2bの設置位置では、図7に示すように、嵌合した状態の時に、前記第二凸部2bの上に、凸部1bが配置されるようにし、前記凸部1aと第二凸部2bが乗り越えた後で、密着保持し、気密性を保持することができるものである。また、第二凸部2bの両端は、なだらかに傾斜させることにより、嵌合部2aの内側壁面と第二凸部2bの両端が接する面を出来るだけ平面状態になるように形成することで、第二凸部2bと凸部1bとの乗り越えを容易にし、凸部1bと嵌合部2aの内側壁面との密着性を保持させることで気密性が高く、開閉が容易なヒンジキャップAを提供することができる。
【0024】
更に、図1及び図6、図11に示すように、開口部1dを閉鎖するための突出した閉鎖部2cが蓋体2の裏面に形成されている。前記蓋体2を閉封した時に、前記閉鎖部2cが開口部1d内に入り閉鎖することで、本発明のヒンジキャップAが容器Bにセットされた状態で、容器Bを倒したりしても、内容物zである粉状・顆粒状が、蓋体2の裏面と天板部1cの間に入り込むことはなく、容器B内に収まった状態で内容物zの振り出しを実施することができる。
【0025】
また、図6に示すように、開閉を容易にするため、ヒンジ部3と反対側の位置の前記蓋体2の側壁面の一部に、突出したツバ部2dを設けたヒンジキャップAである。
【0026】
更に、図6に示すように、前記ツバ部2dが形成された箇所の前記キャップ本体1の側壁面に、前記キャップ本体1側壁面の一部が凹んだ指かける溝部1eを形成することで、開閉動作を更に容易にサポートする機能となる。
【符号の説明】
【0027】
1 キャップ本体
1a 突出部
1b 凸部
1c 天板部
1d 開口部
1e 溝部
1f 傾斜部
2 蓋体
2a 嵌合部
2b 第二凸部
2c 閉鎖部
2d ツバ部
3 ヒンジ部
A ヒンジキャップ
B 容器
z 内容物
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉状・顆粒状の調味料などの内容物が入ったガラス瓶やプラスチックボトルなどの容器の口部に装着されるキャップ本体に蓋が開閉自在にヒンジを介して接続するヒンジキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉末状の内容物を振り出して使用するようなキャップとして、特許文献1の振り出し容器のキャップなどが提案されている。特許文献1の振り出し容器のキャップは、内容物が吸湿等により固化して塊状態となった時に、これを破壊させ、粉末状として振り出しできるようにするため、開口に網を設けた網目口を形成した発明がなされている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−167302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内容物が粉末状のものの場合、繰返し使用しているうちに外部から湿気が侵入してしまい、吸湿等により固化して塊状態になってしまうことがある。特許文献1の振り出し容器のキャップは、そのような状態に内容物がなった場合に、塊状態になった内容物をつぶして外へ振り出すことができるように、開口に網が設けられていて、網目口に向って内容物を振り出すことで、塊状態になった内容物が網目にあたることで粉砕することができる発明である。このように、内容物が粉末状のものは、出来るだけ外部からの湿気を侵入させないために、キャップと容器の嵌着面を密着させて、密封性を高める構造にすることが求められている。
【0005】
また、消費者が使用後に、キャップの閉め忘れによる振り出し開口穴からの湿気侵入を防ぐために、キャップがキッチリと閉まっているのかを、消費者が容易に判断しやすいようにするために、キャップ本体と蓋体を押さえて嵌着させた時に、パッチンと音が鳴るように、容器とキャップの双方の嵌着する面の周壁に突出した凸部を設けて、お互いの凸部の乗り越えにより閉封した際に音を発する構造にする場合がある。この場合、密封性を保持するために、嵌着面となるキャップ本体側の嵌着面の外周壁より、蓋体側の嵌着面の内周壁の一部が径大を形成することで壁面が密着し、気密保持させることができるが、この状態からパッチンと音がなるようにするには、さらに、キャップ本体側の嵌着面の外周壁と蓋体側の嵌着面の内周壁の周囲双方に突出させた凸部を設けることがある。その場合、密封性を保持するために構造と、パッチンと音を出すための構造の2構造が加わることで、キャップ本体と蓋体の嵌合面は更に固くなってしまい、お年寄りや体の不自由な人には、開閉が困難なヒンジキャップになってしまう傾向がある。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決し、密閉性が高く、蓋体をキッチリと閉めたことを消費者が判断でき、軽い力で蓋体の開閉をすることができるヒンジキャップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
円筒状の外筒と天板部に開口部を有するキャップ本体と、前記キャップ本体を密閉する蓋体と、前記キャップ本体と蓋体を一体に連結したヒンジ部を有する合成樹脂材でできたヒンジキャップであって、前記天板部にはヒンジ部と反対側の位置に上方へ突出した突出部を形成して、前記突出部の周壁に外側に向って突出する凸部と、前記突出部の天面のヒンジ部と反対側の位置に開口した開口部を設けるとともに、前記蓋体の裏面には前記突出部を密閉する嵌合部を形成して、少なくとも前記嵌合部内周壁面の一部に、前記凸部を乗り越え嵌着する、内側に向って突出する第二凸部を設けたヒンジキャップである。
【0008】
前記開口部を閉鎖するための閉鎖部を、前記蓋体の裏面へ設けたヒンジキャップである。
【0009】
第二凸部は、ヒンジ部と反対側の離れた位置付近に形成したヒンジキャップである。
【0010】
突出部の内側壁の断面がハの字に形成した傾斜部を設けたヒンジキャップである。
【0011】
ヒンジ部と反対側の離れた位置付近の前記蓋体の側壁面の一部に、突出したツバ部を形成したヒンジキャップである。
【0012】
前記ツバ部が形成された箇所の前記キャップ本体側壁面には、前記キャップ本体側壁面の一部が凹んだ指かける溝部を形成したヒンジキャップである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、円筒状の外筒と天板部に開口部を有するキャップ本体と、前記キャップ本体を密閉する蓋体と、前記キャップ本体と蓋体を一体に連結したヒンジ部を有する合成樹脂材でできたヒンジキャップであって、前記天板部にはヒンジ部と反対側の位置に上方へ突出した突出部を形成して、前記突出部の周壁に外側に向って突出する凸部と、前記突出部の天面のヒンジ部と反対側の位置に開口した開口部を設けるとともに、前記蓋体の裏面には前記突出部を密閉する嵌合部を形成して、少なくとも前記嵌合部内周壁面の一部に、前記凸部を乗り越え嵌着する、内側に向って突出する第二凸部を設けたヒンジキャップであるので、キャップ本体と蓋体を閉めた時に密閉性が高く、外部からの湿気侵入を防ぐとともに、蓋体を閉めた時にパッチンと音がでるようにすることで、蓋体がキッチリと閉めたことを消費者が判断できるヒンジキャップを提供することができる。
【0014】
前記開口部を閉鎖するための閉鎖部を、前記蓋体の裏面へ設けたヒンジキャップであるので、保管時に容器を倒してしまったりした際に、開口部から流出した粉体が蓋体裏面に飛散させることなく、内容物である粉体を容器内に納めておくことができるヒンジキャップを提供することができる。
【0015】
第二凸部は、ヒンジ部と反対側の離れた位置付近に形成したヒンジキャップであるので、閉封時にパッチンと音をならす構造にした場合、蓋体の嵌合面とキャップの嵌合面が密着しすぎで蓋体の開閉が固くなりがちとなるが、第二凸部をヒンジ部と反対側の離れた位置付近に設置することで、閉封時に容易にパッチンと音をならすことができる上、比較的、軽い力で蓋体の開閉をすることができ、お年寄りなど握力が弱い人でもラクに開閉できるヒンジキャップを提供することができる。
【0016】
突出部の内側壁の断面がハの字に形成した傾斜部を設けたヒンジキャップであるので、容器を傾けて開口部から内容物である粉体を外へ振り出す際に、傾斜部が滑り台の役目を有し、粉体を確実に、開口部へ誘導することができる上、内容物である粉体が少量になった場合においても、確実に開口部へ集めて外へ振り出すことができるヒンジキャップを提供することができる。
【0017】
ヒンジ部と反対側の離れた位置付近の前記蓋体の側壁面の一部に、突出したツバ部を形成したヒンジキャップであるので、蓋体を開封しやすくしたヒンジキャップを提供することができる。
【0018】
前記ツバ部が形成された箇所の前記キャップ本体側壁面には、前記キャップ本体側壁面の一部が凹んだ指かける溝部を形成したヒンジキャップであるので、蓋体を開封しやすくしたヒンジキャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態を示すヒンジキャップの斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図2のa部分を拡大した断面図である。
【図4】図2のb部分を拡大した断面図である。
【図5】図2のc部分を拡大した断面図である。
【図6】図1の蓋体を閉めた状態の断面図である。
【図7】図6のd部分を拡大した断面図である。
【図8】図6のe部分を拡大した断面図である。
【図9】図1を上からみた平面図である。
【図10】図9のf部分を拡大した平面図である。
【図11】本発明のヒンジキャップを容器にセットした状態を示す断面図である。
【図12】内容物を振り出しするための動作を示した断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1及び図2、図11において、本発明は、粉状・顆粒状になった鶏がらスープの素や、だしの素などの内容物zが入ったガラス瓶や樹脂ボトルなどでできた容器Bの口部に嵌着させるヒンジキャップAである。前記ヒンジキャップAは、ポリプロピレンやポリエチレンなどの合成樹脂でできている。本発明のヒンジキャップAは、キャップ本体1と蓋体2とを一体に連結したヒンジ部3を一体成形したものである。前記キャップ本体1には、円筒状の外筒と天板部1cを有しており、前記天板部1cにはヒンジ部3と反対側の離れた位置付近に上方へ突出した突出部1aが形成されている。前記突出部1aの天面には、ヒンジ部3と反対側の位置に開口した開口部1dを設けている。また、前記突出部1aの周壁の全周には外側へ突出した断面形状が凸状の凸部1bが形成されていて、前記凸部1bを乗り越えて密閉する嵌合部2aが前記蓋体2の裏面に設けられている。前記凸部1bの突出した出っ張りと、前記嵌合部2aの内側壁面が密着することで密閉性が保たれ、外部からの湿気侵入を防止することができる。更に、前記突出部1aの側壁の裏面は、図5及び図6に示すように開口部1dに向うにつれて、側壁が小径となるハの字の傾斜部1fを設けることで、内容物zである粉状・顆粒状の調味料などを振り出す際に、図12に示すように容器Bを傾けることで、断面ハの字の傾斜を有する傾斜部1fにより、内容物zが開口部1dへ誘導されるので、内容物zの残量が少なくなっても、確実に最後まで内容物zの振り出しをすることができる構造を有している。
【0021】
図1乃至図4に示すように、前記嵌合部2aは、前記突出部1aを覆いかぶせるように、リング状の壁面を形成している。ヒンジ部3と反対側の位置の、前記嵌合部2aの内壁面の一部分に、図3及び図9、図10に示すように、内側に突出した断面形状が凸状の第二凸部2bを設けることで、図6及び図7に示すように、凸部1bと前記第二凸部2bが乗り越えて閉封した時に、パッチンと音を発するようになり、消費者がヒンジキャップAをキッチリと閉封したことを音から判断することができる。
【0022】
通常、気密を持たせた構造にした上で、パッチンと音を発するようにする場合は、キャップ本体と蓋体の嵌合面の全周を密着させた形状にした上で、キャップ本体と蓋体の双方の全周に、均一に突出した凸部を設けて、凸部同士の乗り越えによる勢いで、キャップ本体と蓋体がぶつかり合うことで、気密性を保持しながら、パッチンという音を発する機能を有することができる。また、気密を持たせる箇所と、パッチンと音を発するために設ける凸部の設置位置を、異なる場所に設けることで、気密性を保持させたままで、パッチンと音を発生することができる。しかし、いずれの場合も、双方の全周に設けられた凸部が、キャップ本体から蓋体を開封する時にかみ合いすぎて固くなり、お年寄りなど力が弱い人には開封するのが困難になってしまう場合が発生していた。しかし、外部からの湿気侵入を防止するためには、キャップ本体と蓋体の嵌合する面は、密閉性を有する構造にする必要がある。また、確実にキャップ本体と蓋体が閉封したことを消費者自身が認識できるようにしなければ、開口部からの湿気侵入を防ぐことはできない。その為に、密閉性を高めたヒンジキャップに、閉封した時にパッチンと音が発する機能を付加させ、力の弱いお年寄りなどでも容易に開封ができる構造にすることが求められていた。
【0023】
そこで、本発明のヒンジキャップAは、図8に示すように、キャップ本体1の突出部1aの側壁の全周に形成された凸部1bと、前記凸部1bの突出した頂点の外径より小径に形成した、蓋体2側の嵌合部2a内側壁とで嵌め合うことで嵌合を保持させている。更に、図9及び図10に示すように、ヒンジ部3と反対側の位置に、前記壁面の内壁の一部に前記第二凸部2bを形成することで、密閉性を保持しながら、比較的軽い力で開閉することができるヒンジキャップAを提供できる。前記第二凸部2bの設置位置では、図7に示すように、嵌合した状態の時に、前記第二凸部2bの上に、凸部1bが配置されるようにし、前記凸部1aと第二凸部2bが乗り越えた後で、密着保持し、気密性を保持することができるものである。また、第二凸部2bの両端は、なだらかに傾斜させることにより、嵌合部2aの内側壁面と第二凸部2bの両端が接する面を出来るだけ平面状態になるように形成することで、第二凸部2bと凸部1bとの乗り越えを容易にし、凸部1bと嵌合部2aの内側壁面との密着性を保持させることで気密性が高く、開閉が容易なヒンジキャップAを提供することができる。
【0024】
更に、図1及び図6、図11に示すように、開口部1dを閉鎖するための突出した閉鎖部2cが蓋体2の裏面に形成されている。前記蓋体2を閉封した時に、前記閉鎖部2cが開口部1d内に入り閉鎖することで、本発明のヒンジキャップAが容器Bにセットされた状態で、容器Bを倒したりしても、内容物zである粉状・顆粒状が、蓋体2の裏面と天板部1cの間に入り込むことはなく、容器B内に収まった状態で内容物zの振り出しを実施することができる。
【0025】
また、図6に示すように、開閉を容易にするため、ヒンジ部3と反対側の位置の前記蓋体2の側壁面の一部に、突出したツバ部2dを設けたヒンジキャップAである。
【0026】
更に、図6に示すように、前記ツバ部2dが形成された箇所の前記キャップ本体1の側壁面に、前記キャップ本体1側壁面の一部が凹んだ指かける溝部1eを形成することで、開閉動作を更に容易にサポートする機能となる。
【符号の説明】
【0027】
1 キャップ本体
1a 突出部
1b 凸部
1c 天板部
1d 開口部
1e 溝部
1f 傾斜部
2 蓋体
2a 嵌合部
2b 第二凸部
2c 閉鎖部
2d ツバ部
3 ヒンジ部
A ヒンジキャップ
B 容器
z 内容物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の外筒と天板部に開口部を有するキャップ本体と、前記キャップ本体を密閉する蓋体と、前記キャップ本体と蓋体を一体に連結したヒンジ部を有する合成樹脂材でできたヒンジキャップであって、前記天板部にはヒンジ部と反対側の位置に上方へ突出した突出部を形成して、前記突出部の周壁に外側に向って突出する凸部と、前記突出部の天面のヒンジ部と反対側の位置に開口した開口部を設けるとともに、前記蓋体の裏面には前記突出部を密閉する嵌合部を形成して、少なくとも前記嵌合部内周壁面の一部に、前記凸部を乗り越え嵌着する、内側に向って突出する第二凸部を設けたことを特徴とするヒンジキャップ。
【請求項2】
前記開口部を閉鎖するための閉鎖部を、前記蓋体の裏面へ設けたことを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
【請求項3】
第二凸部は、ヒンジ部と反対側の離れた位置付近に形成したことを特徴とする請求項1及び2に記載のヒンジキャップ。
【請求項4】
突出部の内側壁の断面がハの字に形成した傾斜部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒンジキャップ。
【請求項5】
ヒンジ部と反対側の離れた位置付近の前記蓋体の側壁面の一部に、突出したツバ部を形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のヒンジキャップ。
【請求項6】
前記ツバ部が形成された箇所の前記キャップ本体側壁面には、前記キャップ本体側壁面の一部が凹んだ指かける溝部を形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヒンジキャップ。
【請求項1】
円筒状の外筒と天板部に開口部を有するキャップ本体と、前記キャップ本体を密閉する蓋体と、前記キャップ本体と蓋体を一体に連結したヒンジ部を有する合成樹脂材でできたヒンジキャップであって、前記天板部にはヒンジ部と反対側の位置に上方へ突出した突出部を形成して、前記突出部の周壁に外側に向って突出する凸部と、前記突出部の天面のヒンジ部と反対側の位置に開口した開口部を設けるとともに、前記蓋体の裏面には前記突出部を密閉する嵌合部を形成して、少なくとも前記嵌合部内周壁面の一部に、前記凸部を乗り越え嵌着する、内側に向って突出する第二凸部を設けたことを特徴とするヒンジキャップ。
【請求項2】
前記開口部を閉鎖するための閉鎖部を、前記蓋体の裏面へ設けたことを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
【請求項3】
第二凸部は、ヒンジ部と反対側の離れた位置付近に形成したことを特徴とする請求項1及び2に記載のヒンジキャップ。
【請求項4】
突出部の内側壁の断面がハの字に形成した傾斜部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒンジキャップ。
【請求項5】
ヒンジ部と反対側の離れた位置付近の前記蓋体の側壁面の一部に、突出したツバ部を形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のヒンジキャップ。
【請求項6】
前記ツバ部が形成された箇所の前記キャップ本体側壁面には、前記キャップ本体側壁面の一部が凹んだ指かける溝部を形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヒンジキャップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−71773(P2013−71773A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214182(P2011−214182)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000161884)アスカカンパニー株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000161884)アスカカンパニー株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
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