ヒーターユニット及び発熱体の製造方法
【課題】 比較的長尺の発熱体であっても加熱と自重による変形を抑制することの可能なヒーターユニット及び発熱体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 蛇行状の電流路を有する発熱体3と、その発熱体3を保持する保持部4とを有する。電流路は、長尺板状でその長手方向に対し上方に向けて凸となる円弧状の主部31と各主部31間を接続する接続部とよりなる。各主部31は長手方向Xに直交する幅方向Yに対し対称的に屈曲してある。保持部4は接続部を係止する溝を有する一対の絶縁体40a,40bよりなる。接続部又はその近傍部分を一対の絶縁体40a,40bの溝間に係止させて発熱体3を長手方向Xに対し円弧状に掛け渡す。
【解決手段】 蛇行状の電流路を有する発熱体3と、その発熱体3を保持する保持部4とを有する。電流路は、長尺板状でその長手方向に対し上方に向けて凸となる円弧状の主部31と各主部31間を接続する接続部とよりなる。各主部31は長手方向Xに直交する幅方向Yに対し対称的に屈曲してある。保持部4は接続部を係止する溝を有する一対の絶縁体40a,40bよりなる。接続部又はその近傍部分を一対の絶縁体40a,40bの溝間に係止させて発熱体3を長手方向Xに対し円弧状に掛け渡す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒーターユニット及び発熱体の製造方法に関する。さらに詳しくは、蛇行状の電流路を有する発熱体と、その発熱体を保持する保持部とを有するヒーターユニット及び発熱体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述の如きヒーターユニットとして、例えば特許文献1に記載の如きものが知られている。特許文献1では、折り曲げ部を設けて波状に形成した抵抗体板よりなる発熱体が記載されている。この発熱体は打ち抜き又はプレス加工で波状に形成し更に角筒状に形成して断熱容器に収容するものであり、比較的長尺の発熱体について考慮されていない。また、発熱体を波状に形成したことで、僅かな支持片で簡単に保持可能としているが、その詳細について十分に開示されていない。
【0003】
一方、長尺の板状発熱体をその両端で長いスパンをおいて保持すると、その発熱体自身の自重及び加熱による変形に対し十分な強度が得られない。したがって、短いスパンで発熱体を設置せねばならず、ヒーターユニットの効率上限界があった。
【特許文献1】実開平1−75800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、比較的長尺の発熱体であっても加熱と自重による変形を抑制することの可能なヒーターユニット及び発熱体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るヒーターユニットの特徴は、蛇行状の電流路を有する発熱体と、その発熱体を保持する保持部とを有する構成において、前記電流路は、長尺板状でその長手方向に対し上方に向けて凸となる円弧状の主部と各主部間を接続する接続部とよりなり、各主部は長手方向に直交する幅方向に対し対称的に屈曲し、前記保持部は前記接続部を係止する溝を有する一対の絶縁体よりなり、前記接続部又はその近傍部分を前記一対の絶縁体の溝間に係止させて前記発熱体を前記長手方向に対し円弧状に掛け渡したことにある。
【0006】
上記特徴構成によれば、発熱体を一対の絶縁体間に円弧状に掛け渡すことで重力による鉛直負荷を分散させることができ、発熱体全体として強度に優れる。しかも、各主部をその長手方向に直交する幅方向に対し対称的に屈曲してあるので、発熱体の加熱及び自重による幅方向への変形に対する強度にも優れる。
【0007】
さらに、ほぼ鉛直に配置された棒状のガイド体を前記主部の上方に固定配置し、前記主部に形成した孔にこのガイド体を挿入するとよい。ガイド体が発熱体の熱膨張等による変形を鉛直方向へ誘導し、主部の幅方向への変形をさらに抑制でき、隣接する主部同士の接触による短絡等を防止することができる。
【0008】
係る場合、前記ガイド体の下端には前記発熱体の脱落を防止するピンが設けられていることが望ましい。これにより、仮に垂直方向に発熱体が大きく変形したとしても、ピンにより発熱体の垂れや落下を防ぐことができる。
【0009】
また、前記発熱体における前記孔の周縁部に導電性部材を設けるとよい。導電性部材により孔近傍での電流路が確保されるため、孔周縁部での発熱が抑制される。これにより、発熱体の孔近傍での熱変形が他の主部に比べて抑制されると共に導電性部材による補強がなされるので、発熱体の幅方向への変形がさらに抑制される。
【0010】
前記接続部は前記一対の絶縁体の溝に対し前記発熱体の端縁を中心とする揺動を許容するクリアランスをもって係止することが望ましい。このクリアランスが、発熱体の熱膨張による発熱体の端縁を中心とする揺動を許容し、発熱体の破損や落下を防止する。
【0011】
また、本発明に係る発熱体の製造方法の特徴は、上記いずれかの特徴構成に記載のヒーターユニットに用いられる発熱体の製造方法において、板状の複数の長尺部材を長手方向に直交する幅方向に対し屈曲し、屈曲させた前記複数の長尺部材の端部を接続して蛇行状の電流路を形成し、その電流路全体を前記長手方向に対し屈曲させることにある。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明に係るヒーターユニット及び発熱体の製造方法の特徴によれば、比較的長尺の発熱体であっても加熱と自重による変形を抑制し得るに至った。その結果、長いスパンで発熱体を設置することができ、均一な加熱を行うと共に加熱効率を向上させることが可能となった。
【0013】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図1,2に示すように、本発明に係るヒーターユニット2は、大略、発熱体3と、発熱体3を保持する保持部4と、発熱体3の上面を覆う天井部材6と、これらを取り付けるフレーム7よりなる。保持部4は一対の絶縁体40a,40bよりなり、発熱体3をこの絶縁体40a,40bの間で長手方向Xに円弧状に掛け渡してある。また、ガイド部5はガイド体50及び絶縁体60よりなり、フレーム7の長手方向Xの略中央に設けられている。
【0015】
図1,2に示すように、フレーム7は、幅方向Y視で円弧状に形成した薄板の横フレーム7aとL型アングルよりなる縦フレーム7bとを格子状に形成してあり、横フレーム7aの両端に一対のサイドフレーム7cを設けてある。天井部材6は、複数の薄板部材を積層させて横フレーム7a及び縦フレーム7bに載置し、長手方向Xに湾曲させてサイドフレーム7cに取り付けてある。このヒーターユニット2は、例えば図3,4に示す如く、炉100の天井壁101の下側に複数連続して幅方向Yに設置し、連結部10を介して連結し天井構造体1を構成する。
【0016】
図3,4に示すように、天井構造体1の連結部10には、炉100の中心部へ気体を導入するガス管14を配置可能な間隙11が形成されている。この間隙11は閉塞部材12により塞がれ、その閉塞部材12の貫通孔13にガス管14を貫通させてある。この閉塞部材12により、連結部10から炉100の中心部への天井壁101から生じる酸化物等の塵の混入を防いでいる。
【0017】
発熱体3は、図1,2,5に示すように、直線状を呈し互いに平行な複数の主部31と端部33で各主部31を接続した複数の接続部34とからなる蛇行状の電流路30を形成してある。発熱体3は、一対の絶縁体40a,40bで接続部34を係止して保持してある。各主部31を等間隔で平行に接続することで、均一な加熱が可能となり発熱体の加熱効率も向上する。主部31は、その長手方向Xに直交する幅方向Yに対して略V字状に屈曲させて頂部32を形成し、且つその長手方向Xに対し上側が凸となる円弧状に形成してある。円弧状に形成することで、重力による鉛直負荷を分散させることができ、発熱体3全体として強度に優れ、スパンの広い一対の絶縁体40a,40b間で掛け渡すことができる。発熱体3は、通電加熱により熱膨張等の熱変形が生じると、主部31に幅方向Yへ倒れ込む荷重が生じる。そのため、各主部31を幅方向Yに対して中心面Sを中心に対称的に屈曲させることで、幅方向Yへの強度が増し、幅方向Yへの変形を抑制することができる。これら長手方向Xに対する円弧形状及び幅方向Yに対する屈曲により、発熱体3の幅方向Y及び鉛直方向Zへの変形を抑制することができる。従って、発熱体の大型化が可能となる。電流路30の両端部には発熱体3を通電させる通電部材8を接続してある。なお、本実施形態において、頂部32は垂直方向Zにおいて天井壁101側に位置させてある。
【0018】
図5,8に示すように、主部31の略中央には、ガイド体50を貫通させる貫通孔36を設けてあり、その貫通孔36の周縁部上面に略方形の導電性部材37を取り付けてある。この貫通孔36近傍の主部31は他の主部31に比べ狭いため、通電により発熱しやすくなり熱変形が生じやすくなる。そのため、導電性部材37を設けることで、貫通孔36近傍での電流路を確保して当該部分での発熱を抑制する。これにより、貫通孔36近傍での熱変形を主部31の他の部分よりも抑制し、後述のガイド体50による幅方向Yへの熱変形の抑制をより確実に機能させることができる。
【0019】
また、図2,5に示すように、発熱体3全体が蛇行状の電流路30を形成するように、端部33を接続部材35を介して交互に接続してある。接続部材35は、図9(a)に示すように、端部33の両面に取り付けてあり、接続部34を構成する。接続部材35も上述の導電性部材37と同様に、接続部34での発熱を抑制し、主部31の部分よりも熱変形を抑制する。これにより、熱変形による端部33の絶縁体40a,40bからの脱落を抑制することができる。
【0020】
図6に示すように、絶縁体40aは、接続部34を係止する溝41を設けてある。この溝41は、発熱体3の断面形状に沿うように山型に形成してある。また、図9に示すように、溝41は発熱体3を係止させた状態において、接続部34と溝41との間でクリアランスCを形成するように接続部34の厚みより大きく形成してある。このクリアランスCによって、発熱体3は端部33の端縁33aを中心とする方向Mに対して揺動可能となる。これにより、クリアランスCが発熱体3の熱膨張による垂直方向Zへの変動を吸収し、発熱体3の溝41からの脱落や発熱体3の膨張圧力による破損を防止する。溝41の一端には、発熱体3に接続する通電部材8を取り付ける接続部42を形成してある。なお、絶縁体40bは、絶縁体40aと同様に形成してあり、接続部42を有していない点で異なる。
【0021】
一対の絶縁体40a,40bは、図1,2に示すように、長手方向Xにおいて溝41を対向させ、取付部材43及び取付孔44を介してサイドフレーム7cに傾斜させて取り付けてある。図9に示すように、発熱体3の円弧形状に対して、接続部34が絶縁体40a,40bの溝底部41aに略垂直に挿入される。なお、本実施形態では、二組の絶縁体40a,40bにより発熱体3を保持してある。
【0022】
図7に示すように、ガイド体50は薄板よりなり、主部31の上方に絶縁体60により固定配置されると共にほぼ鉛直方向に垂下してある。ガイド体50にはその一端に折曲部51と他端に棒状のピン53を取り付ける孔52を設けてある。ガイド体50は、図8に示すように、主部31の貫通孔36に挿入され、発熱体3の熱膨張を垂直方向Zへ誘導する。これにより、主部31の幅方向Yへの熱変形を抑制し、主部31同士の接触による短絡等を防止する。また、ピン53は主部31の形状に沿うように湾曲させてあり、発熱体3の自重及び加熱による発熱体3の垂れや発熱体3の脱落を防止する。
【0023】
絶縁体60は、ガイド体50の折曲部51を係止させる溝61と、ボルト等の取付具63を貫通させる取付孔62とが複数形成されてある。溝61上部は開口してあり、その開口からガイド体50を溝61の貫通孔61aに貫通して折曲部51を溝61に係止させる。そして、例えばセメント等の絶縁材料を充填して折曲部51を固定する。なお、本実施形態において、絶縁体60を幅方向Yに4体配列させて縦フレーム7bに固定してある。
【0024】
ここで、図10を参照しながら発熱体3の製造方法について説明する。
まず、図10(a)に示す如き、例えばFe−Cr−Alやニッケルクロム合金等で作成した長さ956mm、幅20mm、厚み1mmの薄板長尺部材200において、その略中央部に貫通孔36を形成する。次に、同図(b)(c)に示す如く、その薄板長尺部材200を幅方向Yの中心面Sに対し対称に角度θ約120°で略V字型に屈曲し頂部32を形成する。そして、屈曲した薄板長尺部材200’の貫通孔36周縁部に同様に屈曲させた導電性部材37を溶接にて取り付ける。
【0025】
次に、上述と同様に屈曲した複数の薄板長尺部材200’を平行に配置し、各端部201’を交互に接続部材35で接続し、蛇行状の電流路30を形成する。そして、接続した複数の薄板長尺部材200’全体をその長手方向Xに対して円弧状に湾曲させて発熱体3を形成する。なお、本実施形態においては、26本の薄板長尺部材200により発熱体3を構成してある。
【0026】
最後に、本発明の他の実施形態の可能性について言及する。なお、上述の実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
上記実施形態において、主部31は薄板長尺部材200を約120°の角度でV字状に屈曲し、その頂部32が天井壁101側に位置(上向き)するように配置した。しかし、頂部32は炉100の内部側に位置(下向き)させても構わない。また、屈曲はV字状に限らず、円弧状に湾曲させても構わない。
【0027】
ここで、薄板長尺部材200の屈曲について説明する。
発明者らの実験によれば、図10(c)に示すように、本実施形態の薄板長尺部材200をV字状に屈曲した場合、屈曲後の薄板長尺部材200’の幅Wを100とすると、両端部201’を結ぶ水平面からの頂部32の高さHが15以上50以下であるとよいことが判明した。また、薄板長尺部材200を湾曲させた(R曲げ)場合には、頂部32の高さHが薄板長尺部材200’の幅W100に対し、10以上40以下であるとよいことが判明した。この範囲内の屈曲であれば、垂直方向Zへの発熱体3の自重及び発熱による発熱体3の垂れや変形に対する強度を確保でき、且つ発熱体3の輻射効率も十分に確保できる。なお、この範囲は、頂部32の位置が両側端部を結ぶ水平面より上側と下側のいずれに位置しても同じである。
【0028】
上記実施形態において、導電性部材37を主部31の上面に溶接により固定した。しかし、導電性部材37は主部31の上面に限らず、下面側に取り付けてもよく、また両面にそれぞれ取り付けても構わない。また、接続部材35は端部33の両面にそれぞれ取り付けたが、上面又は下面のいずれか一方であっても構わない。
【0029】
上記実施形態において、ガイド部5を発熱体3の長手方向Xの略中央に1カ所設けた。しかし、ガイド部5は長手方向Xにおいて複数設けても構わない。但し、ヒーターユニット2の部品点数及び組み立ての作業効率等を考慮すると、上記実施形態の如く長手方向Xの中央1カ所に設けることが望ましい。
【0030】
上記実施形態において、ガイド部5のピン53は棒状部材を湾曲させて形成した。しかし、発熱体3の自重及び熱変形による発熱体3の垂れや落下を防止し得る形状であれば、上記実施形態の形状に限られない。
【0031】
上記実施形態における絶縁体40a,40b,60を構成する絶縁材料としては、アルミナ質、アルミナシリカ質、ムライト質、ジルコン質又はコージライトを主体とするセラミックスや炭化けい素、窒化けい素等の他、様々なものを用いることができる。また、これら絶縁材料を構成する材料の種類や配合は、発熱体の使用温度等に応じて適宜変更することができる。
【0032】
また、上記実施形態において、絶縁体40a,40bを二組、絶縁体60を4体用いたが、これらはヒーターユニット2の大きさに応じて長さや数量を適宜設定すればよい。また、発熱体3を薄板長尺部材200を26本接続して形成したが、薄板長尺部材200の本数や寸法等もヒーターユニット2の大きさに応じ適宜設定すればよい。
【0033】
上記実施形態において、蛇行状の電流路30は、図11(a)に示す如く、直線状の主部31を等間隔をおいて互いに平行に接続して形成した。しかし、同図(b)に示すように、各主部31を不等間隔をおいて配置しても構わない。また、同図(c)に示す如く、各主部31を掛け渡す方向Xに平行に配置しなくても構わない。但し、上記実施形態の電流路が、発熱体の保持、製作、加熱効率等の点で優れている。
【0034】
また、上記実施形態において、複数の薄板長尺部材200を接続して蛇行状の電流路30を形成した。しかし、例えば薄板を打ち抜き加工して接続して蛇行状の電流路を形成し、それら加工した薄板を接続して発熱体を作製しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るヒーターユニットは、ガラス、セラミック、サーメット、金属等の熱処理用ヒーターとして使用することができる。また、陶芸炉、反応炉、拡散炉等にも適用することができる。さらに、食品の加工や液体の処理に使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るヒーターユニットの正面図である。
【図2】本発明に係るヒーターユニットの背面図である。
【図3】複数のヒーターユニットよりなる天井構造体を炉に取り付けた状態を模式的に示す炉の縦断面図である。
【図4】ガス管近傍の部分拡大平面図である。
【図5】発熱体の部分拡大平面図である。
【図6】(a)は絶縁体の側面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。
【図7】ガイド体を絶縁体に取り付けた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図8】発熱体主部の貫通孔近傍の部分拡大端面図である。
【図9】発熱体を保持部に係止させた状態を示す図であり、(a)は部分拡大断面図であり、(b)は発熱体の接線方向視での拡大図である。
【図10】(a)は薄板長尺部材の平面図であり、(b)は薄板長尺部材に折り曲げ加工を施し主部を形成した状態での平面図であり、(c)は(b)のA−A線断面図である。
【図11】発熱体を模式的に示す平面図であり、(a)は第一の実施形態に係る発熱体、(b)は他の実施形態に係る発熱体、(c)はさらに他の実施形態に係る発熱体である。
【符号の説明】
【0037】
1:天井構造体、2:ヒーターユニット、3:発熱体、4:保持部、5:ガイド部、6:天井部材、7:フレーム、7a:横フレーム、7b:縦フレーム、7c:サイドフレーム、8:通電部材、10:連結部、11:間隙、12:閉塞部材、13:貫通孔、14:ガス管、30:電流路、31:主部、32:頂部、33:端部、33a:端縁、34:接続部、35:接続部材、36:貫通孔(孔)、37:導電性部材、40a,40b:絶縁体、41:溝、41a:底部、42:接続部、43:取付部材、44:孔、50:ガイド体、51:折曲部、52:孔、53:ピン、60:絶縁体、61:溝、61a:貫通孔、62:取付孔、63:取付具(ボルト)、100:炉、101:天井壁、200:薄板長尺部材、C:クリアランス、H:高さ、M:揺動方向、S:中心面、W:幅、X:長手方向、Y:幅方向、Z:鉛直(垂直)方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒーターユニット及び発熱体の製造方法に関する。さらに詳しくは、蛇行状の電流路を有する発熱体と、その発熱体を保持する保持部とを有するヒーターユニット及び発熱体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述の如きヒーターユニットとして、例えば特許文献1に記載の如きものが知られている。特許文献1では、折り曲げ部を設けて波状に形成した抵抗体板よりなる発熱体が記載されている。この発熱体は打ち抜き又はプレス加工で波状に形成し更に角筒状に形成して断熱容器に収容するものであり、比較的長尺の発熱体について考慮されていない。また、発熱体を波状に形成したことで、僅かな支持片で簡単に保持可能としているが、その詳細について十分に開示されていない。
【0003】
一方、長尺の板状発熱体をその両端で長いスパンをおいて保持すると、その発熱体自身の自重及び加熱による変形に対し十分な強度が得られない。したがって、短いスパンで発熱体を設置せねばならず、ヒーターユニットの効率上限界があった。
【特許文献1】実開平1−75800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、比較的長尺の発熱体であっても加熱と自重による変形を抑制することの可能なヒーターユニット及び発熱体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るヒーターユニットの特徴は、蛇行状の電流路を有する発熱体と、その発熱体を保持する保持部とを有する構成において、前記電流路は、長尺板状でその長手方向に対し上方に向けて凸となる円弧状の主部と各主部間を接続する接続部とよりなり、各主部は長手方向に直交する幅方向に対し対称的に屈曲し、前記保持部は前記接続部を係止する溝を有する一対の絶縁体よりなり、前記接続部又はその近傍部分を前記一対の絶縁体の溝間に係止させて前記発熱体を前記長手方向に対し円弧状に掛け渡したことにある。
【0006】
上記特徴構成によれば、発熱体を一対の絶縁体間に円弧状に掛け渡すことで重力による鉛直負荷を分散させることができ、発熱体全体として強度に優れる。しかも、各主部をその長手方向に直交する幅方向に対し対称的に屈曲してあるので、発熱体の加熱及び自重による幅方向への変形に対する強度にも優れる。
【0007】
さらに、ほぼ鉛直に配置された棒状のガイド体を前記主部の上方に固定配置し、前記主部に形成した孔にこのガイド体を挿入するとよい。ガイド体が発熱体の熱膨張等による変形を鉛直方向へ誘導し、主部の幅方向への変形をさらに抑制でき、隣接する主部同士の接触による短絡等を防止することができる。
【0008】
係る場合、前記ガイド体の下端には前記発熱体の脱落を防止するピンが設けられていることが望ましい。これにより、仮に垂直方向に発熱体が大きく変形したとしても、ピンにより発熱体の垂れや落下を防ぐことができる。
【0009】
また、前記発熱体における前記孔の周縁部に導電性部材を設けるとよい。導電性部材により孔近傍での電流路が確保されるため、孔周縁部での発熱が抑制される。これにより、発熱体の孔近傍での熱変形が他の主部に比べて抑制されると共に導電性部材による補強がなされるので、発熱体の幅方向への変形がさらに抑制される。
【0010】
前記接続部は前記一対の絶縁体の溝に対し前記発熱体の端縁を中心とする揺動を許容するクリアランスをもって係止することが望ましい。このクリアランスが、発熱体の熱膨張による発熱体の端縁を中心とする揺動を許容し、発熱体の破損や落下を防止する。
【0011】
また、本発明に係る発熱体の製造方法の特徴は、上記いずれかの特徴構成に記載のヒーターユニットに用いられる発熱体の製造方法において、板状の複数の長尺部材を長手方向に直交する幅方向に対し屈曲し、屈曲させた前記複数の長尺部材の端部を接続して蛇行状の電流路を形成し、その電流路全体を前記長手方向に対し屈曲させることにある。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明に係るヒーターユニット及び発熱体の製造方法の特徴によれば、比較的長尺の発熱体であっても加熱と自重による変形を抑制し得るに至った。その結果、長いスパンで発熱体を設置することができ、均一な加熱を行うと共に加熱効率を向上させることが可能となった。
【0013】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図1,2に示すように、本発明に係るヒーターユニット2は、大略、発熱体3と、発熱体3を保持する保持部4と、発熱体3の上面を覆う天井部材6と、これらを取り付けるフレーム7よりなる。保持部4は一対の絶縁体40a,40bよりなり、発熱体3をこの絶縁体40a,40bの間で長手方向Xに円弧状に掛け渡してある。また、ガイド部5はガイド体50及び絶縁体60よりなり、フレーム7の長手方向Xの略中央に設けられている。
【0015】
図1,2に示すように、フレーム7は、幅方向Y視で円弧状に形成した薄板の横フレーム7aとL型アングルよりなる縦フレーム7bとを格子状に形成してあり、横フレーム7aの両端に一対のサイドフレーム7cを設けてある。天井部材6は、複数の薄板部材を積層させて横フレーム7a及び縦フレーム7bに載置し、長手方向Xに湾曲させてサイドフレーム7cに取り付けてある。このヒーターユニット2は、例えば図3,4に示す如く、炉100の天井壁101の下側に複数連続して幅方向Yに設置し、連結部10を介して連結し天井構造体1を構成する。
【0016】
図3,4に示すように、天井構造体1の連結部10には、炉100の中心部へ気体を導入するガス管14を配置可能な間隙11が形成されている。この間隙11は閉塞部材12により塞がれ、その閉塞部材12の貫通孔13にガス管14を貫通させてある。この閉塞部材12により、連結部10から炉100の中心部への天井壁101から生じる酸化物等の塵の混入を防いでいる。
【0017】
発熱体3は、図1,2,5に示すように、直線状を呈し互いに平行な複数の主部31と端部33で各主部31を接続した複数の接続部34とからなる蛇行状の電流路30を形成してある。発熱体3は、一対の絶縁体40a,40bで接続部34を係止して保持してある。各主部31を等間隔で平行に接続することで、均一な加熱が可能となり発熱体の加熱効率も向上する。主部31は、その長手方向Xに直交する幅方向Yに対して略V字状に屈曲させて頂部32を形成し、且つその長手方向Xに対し上側が凸となる円弧状に形成してある。円弧状に形成することで、重力による鉛直負荷を分散させることができ、発熱体3全体として強度に優れ、スパンの広い一対の絶縁体40a,40b間で掛け渡すことができる。発熱体3は、通電加熱により熱膨張等の熱変形が生じると、主部31に幅方向Yへ倒れ込む荷重が生じる。そのため、各主部31を幅方向Yに対して中心面Sを中心に対称的に屈曲させることで、幅方向Yへの強度が増し、幅方向Yへの変形を抑制することができる。これら長手方向Xに対する円弧形状及び幅方向Yに対する屈曲により、発熱体3の幅方向Y及び鉛直方向Zへの変形を抑制することができる。従って、発熱体の大型化が可能となる。電流路30の両端部には発熱体3を通電させる通電部材8を接続してある。なお、本実施形態において、頂部32は垂直方向Zにおいて天井壁101側に位置させてある。
【0018】
図5,8に示すように、主部31の略中央には、ガイド体50を貫通させる貫通孔36を設けてあり、その貫通孔36の周縁部上面に略方形の導電性部材37を取り付けてある。この貫通孔36近傍の主部31は他の主部31に比べ狭いため、通電により発熱しやすくなり熱変形が生じやすくなる。そのため、導電性部材37を設けることで、貫通孔36近傍での電流路を確保して当該部分での発熱を抑制する。これにより、貫通孔36近傍での熱変形を主部31の他の部分よりも抑制し、後述のガイド体50による幅方向Yへの熱変形の抑制をより確実に機能させることができる。
【0019】
また、図2,5に示すように、発熱体3全体が蛇行状の電流路30を形成するように、端部33を接続部材35を介して交互に接続してある。接続部材35は、図9(a)に示すように、端部33の両面に取り付けてあり、接続部34を構成する。接続部材35も上述の導電性部材37と同様に、接続部34での発熱を抑制し、主部31の部分よりも熱変形を抑制する。これにより、熱変形による端部33の絶縁体40a,40bからの脱落を抑制することができる。
【0020】
図6に示すように、絶縁体40aは、接続部34を係止する溝41を設けてある。この溝41は、発熱体3の断面形状に沿うように山型に形成してある。また、図9に示すように、溝41は発熱体3を係止させた状態において、接続部34と溝41との間でクリアランスCを形成するように接続部34の厚みより大きく形成してある。このクリアランスCによって、発熱体3は端部33の端縁33aを中心とする方向Mに対して揺動可能となる。これにより、クリアランスCが発熱体3の熱膨張による垂直方向Zへの変動を吸収し、発熱体3の溝41からの脱落や発熱体3の膨張圧力による破損を防止する。溝41の一端には、発熱体3に接続する通電部材8を取り付ける接続部42を形成してある。なお、絶縁体40bは、絶縁体40aと同様に形成してあり、接続部42を有していない点で異なる。
【0021】
一対の絶縁体40a,40bは、図1,2に示すように、長手方向Xにおいて溝41を対向させ、取付部材43及び取付孔44を介してサイドフレーム7cに傾斜させて取り付けてある。図9に示すように、発熱体3の円弧形状に対して、接続部34が絶縁体40a,40bの溝底部41aに略垂直に挿入される。なお、本実施形態では、二組の絶縁体40a,40bにより発熱体3を保持してある。
【0022】
図7に示すように、ガイド体50は薄板よりなり、主部31の上方に絶縁体60により固定配置されると共にほぼ鉛直方向に垂下してある。ガイド体50にはその一端に折曲部51と他端に棒状のピン53を取り付ける孔52を設けてある。ガイド体50は、図8に示すように、主部31の貫通孔36に挿入され、発熱体3の熱膨張を垂直方向Zへ誘導する。これにより、主部31の幅方向Yへの熱変形を抑制し、主部31同士の接触による短絡等を防止する。また、ピン53は主部31の形状に沿うように湾曲させてあり、発熱体3の自重及び加熱による発熱体3の垂れや発熱体3の脱落を防止する。
【0023】
絶縁体60は、ガイド体50の折曲部51を係止させる溝61と、ボルト等の取付具63を貫通させる取付孔62とが複数形成されてある。溝61上部は開口してあり、その開口からガイド体50を溝61の貫通孔61aに貫通して折曲部51を溝61に係止させる。そして、例えばセメント等の絶縁材料を充填して折曲部51を固定する。なお、本実施形態において、絶縁体60を幅方向Yに4体配列させて縦フレーム7bに固定してある。
【0024】
ここで、図10を参照しながら発熱体3の製造方法について説明する。
まず、図10(a)に示す如き、例えばFe−Cr−Alやニッケルクロム合金等で作成した長さ956mm、幅20mm、厚み1mmの薄板長尺部材200において、その略中央部に貫通孔36を形成する。次に、同図(b)(c)に示す如く、その薄板長尺部材200を幅方向Yの中心面Sに対し対称に角度θ約120°で略V字型に屈曲し頂部32を形成する。そして、屈曲した薄板長尺部材200’の貫通孔36周縁部に同様に屈曲させた導電性部材37を溶接にて取り付ける。
【0025】
次に、上述と同様に屈曲した複数の薄板長尺部材200’を平行に配置し、各端部201’を交互に接続部材35で接続し、蛇行状の電流路30を形成する。そして、接続した複数の薄板長尺部材200’全体をその長手方向Xに対して円弧状に湾曲させて発熱体3を形成する。なお、本実施形態においては、26本の薄板長尺部材200により発熱体3を構成してある。
【0026】
最後に、本発明の他の実施形態の可能性について言及する。なお、上述の実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
上記実施形態において、主部31は薄板長尺部材200を約120°の角度でV字状に屈曲し、その頂部32が天井壁101側に位置(上向き)するように配置した。しかし、頂部32は炉100の内部側に位置(下向き)させても構わない。また、屈曲はV字状に限らず、円弧状に湾曲させても構わない。
【0027】
ここで、薄板長尺部材200の屈曲について説明する。
発明者らの実験によれば、図10(c)に示すように、本実施形態の薄板長尺部材200をV字状に屈曲した場合、屈曲後の薄板長尺部材200’の幅Wを100とすると、両端部201’を結ぶ水平面からの頂部32の高さHが15以上50以下であるとよいことが判明した。また、薄板長尺部材200を湾曲させた(R曲げ)場合には、頂部32の高さHが薄板長尺部材200’の幅W100に対し、10以上40以下であるとよいことが判明した。この範囲内の屈曲であれば、垂直方向Zへの発熱体3の自重及び発熱による発熱体3の垂れや変形に対する強度を確保でき、且つ発熱体3の輻射効率も十分に確保できる。なお、この範囲は、頂部32の位置が両側端部を結ぶ水平面より上側と下側のいずれに位置しても同じである。
【0028】
上記実施形態において、導電性部材37を主部31の上面に溶接により固定した。しかし、導電性部材37は主部31の上面に限らず、下面側に取り付けてもよく、また両面にそれぞれ取り付けても構わない。また、接続部材35は端部33の両面にそれぞれ取り付けたが、上面又は下面のいずれか一方であっても構わない。
【0029】
上記実施形態において、ガイド部5を発熱体3の長手方向Xの略中央に1カ所設けた。しかし、ガイド部5は長手方向Xにおいて複数設けても構わない。但し、ヒーターユニット2の部品点数及び組み立ての作業効率等を考慮すると、上記実施形態の如く長手方向Xの中央1カ所に設けることが望ましい。
【0030】
上記実施形態において、ガイド部5のピン53は棒状部材を湾曲させて形成した。しかし、発熱体3の自重及び熱変形による発熱体3の垂れや落下を防止し得る形状であれば、上記実施形態の形状に限られない。
【0031】
上記実施形態における絶縁体40a,40b,60を構成する絶縁材料としては、アルミナ質、アルミナシリカ質、ムライト質、ジルコン質又はコージライトを主体とするセラミックスや炭化けい素、窒化けい素等の他、様々なものを用いることができる。また、これら絶縁材料を構成する材料の種類や配合は、発熱体の使用温度等に応じて適宜変更することができる。
【0032】
また、上記実施形態において、絶縁体40a,40bを二組、絶縁体60を4体用いたが、これらはヒーターユニット2の大きさに応じて長さや数量を適宜設定すればよい。また、発熱体3を薄板長尺部材200を26本接続して形成したが、薄板長尺部材200の本数や寸法等もヒーターユニット2の大きさに応じ適宜設定すればよい。
【0033】
上記実施形態において、蛇行状の電流路30は、図11(a)に示す如く、直線状の主部31を等間隔をおいて互いに平行に接続して形成した。しかし、同図(b)に示すように、各主部31を不等間隔をおいて配置しても構わない。また、同図(c)に示す如く、各主部31を掛け渡す方向Xに平行に配置しなくても構わない。但し、上記実施形態の電流路が、発熱体の保持、製作、加熱効率等の点で優れている。
【0034】
また、上記実施形態において、複数の薄板長尺部材200を接続して蛇行状の電流路30を形成した。しかし、例えば薄板を打ち抜き加工して接続して蛇行状の電流路を形成し、それら加工した薄板を接続して発熱体を作製しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るヒーターユニットは、ガラス、セラミック、サーメット、金属等の熱処理用ヒーターとして使用することができる。また、陶芸炉、反応炉、拡散炉等にも適用することができる。さらに、食品の加工や液体の処理に使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るヒーターユニットの正面図である。
【図2】本発明に係るヒーターユニットの背面図である。
【図3】複数のヒーターユニットよりなる天井構造体を炉に取り付けた状態を模式的に示す炉の縦断面図である。
【図4】ガス管近傍の部分拡大平面図である。
【図5】発熱体の部分拡大平面図である。
【図6】(a)は絶縁体の側面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。
【図7】ガイド体を絶縁体に取り付けた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図8】発熱体主部の貫通孔近傍の部分拡大端面図である。
【図9】発熱体を保持部に係止させた状態を示す図であり、(a)は部分拡大断面図であり、(b)は発熱体の接線方向視での拡大図である。
【図10】(a)は薄板長尺部材の平面図であり、(b)は薄板長尺部材に折り曲げ加工を施し主部を形成した状態での平面図であり、(c)は(b)のA−A線断面図である。
【図11】発熱体を模式的に示す平面図であり、(a)は第一の実施形態に係る発熱体、(b)は他の実施形態に係る発熱体、(c)はさらに他の実施形態に係る発熱体である。
【符号の説明】
【0037】
1:天井構造体、2:ヒーターユニット、3:発熱体、4:保持部、5:ガイド部、6:天井部材、7:フレーム、7a:横フレーム、7b:縦フレーム、7c:サイドフレーム、8:通電部材、10:連結部、11:間隙、12:閉塞部材、13:貫通孔、14:ガス管、30:電流路、31:主部、32:頂部、33:端部、33a:端縁、34:接続部、35:接続部材、36:貫通孔(孔)、37:導電性部材、40a,40b:絶縁体、41:溝、41a:底部、42:接続部、43:取付部材、44:孔、50:ガイド体、51:折曲部、52:孔、53:ピン、60:絶縁体、61:溝、61a:貫通孔、62:取付孔、63:取付具(ボルト)、100:炉、101:天井壁、200:薄板長尺部材、C:クリアランス、H:高さ、M:揺動方向、S:中心面、W:幅、X:長手方向、Y:幅方向、Z:鉛直(垂直)方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛇行状の電流路を有する発熱体と、その発熱体を保持する保持部とを有するヒーターユニットであって、
前記電流路は、長尺板状でその長手方向に対し上方に向けて凸となる円弧状の主部と各主部間を接続する接続部とよりなり、各主部は長手方向に直交する幅方向に対し対称的に屈曲し、前記保持部は前記接続部を係止する溝を有する一対の絶縁体よりなり、前記接続部又はその近傍部分を前記一対の絶縁体の溝間に係止させて前記発熱体を前記長手方向に対し円弧状に掛け渡したヒーターユニット。
【請求項2】
ほぼ鉛直に配置された棒状のガイド体を前記主部の上方に固定配置し、前記主部に形成した孔にこのガイド体を挿入した請求項1記載のヒーターユニット。
【請求項3】
前記ガイド体の下端には前記発熱体の脱落を防止するピンが設けられている請求項2記載のヒーターユニット。
【請求項4】
前記発熱体における前記孔の周縁部に導電性部材を設けた請求項2又は3記載のヒーターユニット。
【請求項5】
前記接続部は前記一対の絶縁体の溝に対し前記発熱体の端縁を中心とする揺動を許容するクリアランスをもって係止してある請求項1〜4のいずれかに記載のヒーターユニット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のヒーターユニットに用いられる発熱体の製造方法であって、
板状の複数の長尺部材を長手方向に直交する幅方向に対し屈曲し、屈曲させた前記複数の長尺部材の端部を接続して蛇行状の電流路を形成し、その電流路全体を前記長手方向に対し屈曲する発熱体の製造方法。
【請求項1】
蛇行状の電流路を有する発熱体と、その発熱体を保持する保持部とを有するヒーターユニットであって、
前記電流路は、長尺板状でその長手方向に対し上方に向けて凸となる円弧状の主部と各主部間を接続する接続部とよりなり、各主部は長手方向に直交する幅方向に対し対称的に屈曲し、前記保持部は前記接続部を係止する溝を有する一対の絶縁体よりなり、前記接続部又はその近傍部分を前記一対の絶縁体の溝間に係止させて前記発熱体を前記長手方向に対し円弧状に掛け渡したヒーターユニット。
【請求項2】
ほぼ鉛直に配置された棒状のガイド体を前記主部の上方に固定配置し、前記主部に形成した孔にこのガイド体を挿入した請求項1記載のヒーターユニット。
【請求項3】
前記ガイド体の下端には前記発熱体の脱落を防止するピンが設けられている請求項2記載のヒーターユニット。
【請求項4】
前記発熱体における前記孔の周縁部に導電性部材を設けた請求項2又は3記載のヒーターユニット。
【請求項5】
前記接続部は前記一対の絶縁体の溝に対し前記発熱体の端縁を中心とする揺動を許容するクリアランスをもって係止してある請求項1〜4のいずれかに記載のヒーターユニット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のヒーターユニットに用いられる発熱体の製造方法であって、
板状の複数の長尺部材を長手方向に直交する幅方向に対し屈曲し、屈曲させた前記複数の長尺部材の端部を接続して蛇行状の電流路を形成し、その電流路全体を前記長手方向に対し屈曲する発熱体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−157430(P2010−157430A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334997(P2008−334997)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(393000571)貞徳舎株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(393000571)貞徳舎株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
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