説明

ヒータ付きテーブル

【課題】ヒータユニットを天板に近づけても天板の温度上昇を好適に抑える。
【解決手段】ヒータ付きテーブル1において、ヒータユニット3を、天板2の下面に設けた取付桟4を介して天板2の下面から所定間隔をおいて支持し、天板2とヒータユニット3との間に、平面視でヒータユニット3を覆う大きさを有する遮熱板11を、天板2との間に所定の隙間Sを残して設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板の下面にヒータユニットを備えたヒータ付きテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
ダイニングテーブル等においては、足元の暖を得るために天板の下面にヒータユニットを設けたものが知られている。このヒータユニットは、例えば特許文献1に示すように、石英管ヒータ等の発熱体と、その発熱体からの赤外線を下方へ放射する反射板とを備えて、天板の下面に支持部を介して取り付けられている。このようなヒータユニットを用いることで、放射熱によって足元が暖められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−240115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなヒータ付きテーブルにおいては、椅子や脚がヒータユニットとぶつからないように支持部の厚みを小さくすることで、天板下面からの突出量を抑えてコンパクト化を図る場合がある。しかし、そのためにヒータユニットと天板との距離が近くなって天板の温度が上昇し、反りや割れ等の原因となる。特に内部が布団等で覆われて温度上昇することで消費電力が調整できるこたつと異なり、内部が開放されるヒータ付きテーブルでは略一定の消費電力で熱を放射する必要があることから、天板の温度上昇は比較的大きくなってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、ヒータユニットを天板に近づけても天板の温度上昇を好適に抑えることができるヒータ付きテーブルを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ヒータユニットを、天板の下面に設けた取付部を介して下面から所定間隔をおいて支持し、天板とヒータユニットとの間に、平面視で少なくともヒータユニットを覆う大きさを有する遮熱板を、天板との間に所定の隙間を残して設けたことを特徴とするものである。
なお、本発明でいう「テーブル」とは、ダイニングテーブルや会議テーブル等の椅子を使用するタイプであり、高脚コタツと称されるものも含む。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、遮熱板の幅を、ヒータユニットの幅の1.2倍〜3.0倍としたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、隙間を5mm〜15mmとし、遮熱板の厚みを3mm〜6mmとしたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、遮熱板の上面に、天板の下面と当接して天板と遮熱板との間の隙間を保持するスペーサを設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ヒータユニットによって発生する熱が天板へ伝わりにくくなる。よって、ヒータユニットを天板に近づけてコンパクト化しても天板の温度上昇を好適に抑えることができ、天板の反りや割れの発生を防止可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、天板に対する遮熱が十分な大きさの遮熱板を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、天板と遮熱板との間の通気が確保できる最適な隙間が設定できると共に、遮熱に好適な遮熱板の厚みも確保できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、スペーサによって天板との隙間が確実に保持できると共に、遮熱板自身の反りや変形も抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ヒータ付きテーブルのヒータユニット部分の縦断面図である。
【図2】ヒータ付きテーブルのヒータユニット部分の底面図である。
【図3】ヒータ付きテーブルのヒータユニット部分の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3に示すヒータ付きテーブル1は、図示しない脚部によって所定高さで水平に支持される矩形状の天板2と、その天板2の下面に設けられるヒータユニット3とを備えてなる。脚部及び天板2は無垢材或いは合板等の木製となっている。
ヒータユニット3は、天板2の下面に固定される取付部としての一対の取付桟4,4を介して支持される細長直方体状で、上部に設けられる帯状の取付板5が、取付桟4,4の間で止めネジ6,6によって固定されることで、天板2の下面との間に所定の間隔をおいて平行に架設されている。
【0010】
また、取付板5の下面で長手方向の両端及び中央には、端子部7,7が設けられて、各端子部7,7間に、石英管の内部にカーボン製の赤熱体を封入した一対のヒータ8,8が、それぞれ長手方向と平行に架設されると共に、各ヒータ8の上側で取付板5の下面に、ヒータ8の上側及び両側を覆う半円状の反射板9が設けられている。10は、端子部7,7間でヒータ8を覆う金網製のカバーである。
【0011】
そして、天板2とヒータユニット3との間には、遮熱板11が設けられている。この遮熱板11は、3〜6mmの厚さで長方形に形成されるハードボード製で、取付板5の上方で取付桟4,4の互いの対向面にそれぞれ形成される幅方向の溝12に長手方向の両端を挿入することで取付桟4,4間に架設されている。この架設状態で遮熱板11は、天板2の下面との間に所定の隙間S(5〜15mm)を残して平面視でヒータユニット3の全体を上方から覆うことになる。特にここでは、遮熱板11の幅をヒータユニット3の幅の1.2〜3.0倍で大きく形成しており、取付桟4も遮熱板11に合わせた幅となっている。
【0012】
また、遮熱板11の上面には、スペーサとなる幅方向の補強桟13,13が、長手方向に所定間隔をおいて取り付けられている。この補強桟13は、天板2との間の隙間Sを保持するためのものであるが、このように幅方向に設けることで、遮熱板11の補強の役割も果たしている。
なお、遮熱板11は、取付桟4,4への取付状態で、ヒータユニット3との間にも所定の隙間を形成して取付板5とは非接触となっている。
【0013】
以上の如く構成されたヒータ付きテーブル1においては、図示しないスイッチをON操作してヒータユニット3に通電がされると、ヒータ8,8に通電されて赤熱体が赤熱し、輻射熱が反射板9によって下向きに放射される。よって、椅子に座った人の足元が暖められる。
そして、通電によりヒータユニット3が温度上昇することがあっても、ヒータユニット3は天板2と直接接触していない上、両者間に遮熱板11が介在されているため、ヒータユニット3からの放射熱が天板2へ伝わりにくくなり、天板2の温度上昇は抑えられる。特に、輻射熱によって暖められた空気が天板2の下方で対流すると、天板2と遮熱板11との間の隙間に空気がとどまることなく通気するため、対流熱の伝達も抑えられる。
【0014】
このように、上記形態のヒータ付きテーブル1によれば、ヒータユニット3を、天板2の下面に設けた取付桟4を介して天板2の下面から所定間隔をおいて支持し、天板2とヒータユニット3との間に、平面視でヒータユニット3を覆う大きさを有する遮熱板11を、天板2との間に所定の隙間Sを残して設けたことで、ヒータユニット3によって発生する熱が天板2へ伝わりにくくなる。よって、ヒータユニット3を天板2に近づけてコンパクト化しても天板2の温度上昇を好適に抑えることができ、天板2の反りや割れの発生を防止可能となる。
【0015】
特にここでは、遮熱板11の幅を、ヒータユニット3の幅の1.2倍〜3.0倍としているので、天板2に対する遮熱が十分な大きさの遮熱板11を得ることができる。
また、天板2と遮熱板11との間の隙間を5mm〜15mmとし、遮熱板11の厚みを3mm〜6mmとしているので、天板2と遮熱板11との間の通気が確保できる最適な隙間が設定できると共に、遮熱に好適な遮熱板11の厚みも確保できる。
さらに、遮熱板11の上面に、天板2の下面と当接して天板2と遮熱板11との間の隙間Sを保持する補強桟13を設けたことで、天板2との隙間Sが確実に保持できると共に、遮熱板11自身の反りや変形も抑えられる。
【0016】
なお、天板へのヒータユニットの取付構造は上記形態に限らず、例えばヒータユニットの取付板の両端に取付部を折曲形成して天板に取り付けたり、取付板と天板との間にブロック等を介在させてネジ等の取付具で取り付けたりすることでも天板と非接触での取り付けは可能である。また、ヒータユニット自体の形状も、全体を正方形や円形としたり、ヒータとしてハロゲンヒータ等の他の種類を用いたりしてもよい。
【0017】
また、遮熱板の形状も、上記形態では幅のみをヒータユニットよりも大きくしているが、取付部が邪魔にならなければ長手方向でもヒータユニットより大きくしても差し支えない。さらに、遮熱板は一枚に限らず、複数枚を厚み方向に非接触で並べて用いることもできる。
加えて、遮熱板の取付形態も、取付桟を用いる場合に限らず、ヒータユニットの上面に遮熱板を取り付けるブラケットを別途設けてヒータユニットに支持させることも可能である。
【0018】
その他、遮熱板の幅や厚み、隙間の数値も上記形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能で、ハードボード以外にも合成樹脂や金属製の板体を用いることもできる。但し、金属製の場合は遮熱板自体の温度上昇を抑えるために表面に植毛処理を施すのが望ましい。
一方、スペーサも、長手方向や格子状としたり、桟に代えてピンを設けたりすることができる。勿論スペーサの省略は可能である。
そして、テーブル自体の構造も、天板の形状(矩形以外の正方形や円形等)や脚部の数は問わない。
【符号の説明】
【0019】
1・・ヒータ付きテーブル、2・・天板、3・・ヒータユニット、4・・取付桟、5・・取付板、8・・ヒータ、9・・反射板、10・・カバー、11・・遮熱板、12・・溝、13・・補強桟、S・・隙間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の下面にヒータユニットを設けたヒータ付きテーブルであって、
前記ヒータユニットを、前記天板の下面に設けた取付部を介して前記下面から所定間隔をおいて支持し、前記天板とヒータユニットとの間に、平面視で少なくとも前記ヒータユニットを覆う大きさを有する遮熱板を、前記天板との間に所定の隙間を残して設けたことを特徴とするヒータ付きテーブル。
【請求項2】
前記遮熱板の幅を、前記ヒータユニットの幅の1.2倍〜3.0倍としたことを特徴とする請求項1に記載のヒータ付きテーブル。
【請求項3】
前記隙間を5mm〜15mmとし、前記遮熱板の厚みを3mm〜6mmとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のヒータ付きテーブル。
【請求項4】
前記遮熱板の上面に、前記天板の下面と当接して前記天板と遮熱板との間の隙間を保持するスペーサを設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のヒータ付きテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−226668(P2011−226668A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94329(P2010−94329)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(390018315)メトロ電気工業株式会社 (11)
【出願人】(510106795)株式会社 HIDAKAGU (1)
【Fターム(参考)】