説明

ビーム、ハンドル及び前端アセンブリを備えた操作者援助遠隔操作カメラ位置決め及び制御システム

【課題】一人の操作者が手の届かない位置にあるカメラを使用及び支持する遠隔操作カメラ位置決め及び制御システムを提供する。
【解決手段】位置決め装置は一個以上のビームモジュールを含み、ビームモジュールは、例えば補強縦通材、固定筋交及び比較的低密度な安定化ウェブを使用することにより、ビームモジュールの全長に沿って変化する断面曲げ剛性を有する。カメラは前端アセンブリによりビームモジュールに取り付けられ、カメラ及び前端アセンブリの質量中心をビームモジュールの中立軸に沿って配置する。システムはハンドルモジュールと、ジョイスティック等のカメラ制御装置を包囲する制御装置籠を含み、ハンドルモジュールは軸方向及び回転方向に移動可能なグリップと末端ハンドルグリップリングとを組み入れる。監視装置、ビデオレコーダ、バッテリパック等の補助サブシステムは任意で、ベスト等の支持衣服を使用して操作者により着用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラ支持体に関する。特に、本発明は遠隔操作でカメラの位置決めを行う支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
映画グラフィック及びその他の視覚的芸術における試みの中で、様々な特別の遂行を達成して、三脚上のカメラ又はカメラマンにより保持されたカメラからは不可能な角度又は高度から情景を記録するために、視野範囲を増加させることがしばしば望まれている。これは特に、スポーツイベントを記録する場合に当てはまる。これらの目標に取り組むために種々のシステムがこれまで開発されてきた。その中には、例えば特許文献1に示されているような上昇及び揺動ブームアームや、例えば特許文献2に示されている航空機用安定カム取付具が含まれる。
【0003】
これらの取り組みは確かに可視角度及び高度範囲を増大させるが、一般的にカメラマンだけで操作するのが困難であり、また略確実に大型すぎてカメラマンだけでは持ったり操作したりすることができない複雑な要素を含むことが多い。装備の寸法及び重量はしばしば、所望する可視及び記録領域への接近を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,849,778号
【特許文献2】米国特許第4,156,512号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、一人のカメラマンだけによる支持、制御及び操作が可能な遠隔操作カメラ位置決めシステムを提供することは有利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の対象は改良型遠隔操作カメラ位置決め及び制御システムを提供するために、様々な組み合わせで且つ多様な小部品段階に組み合わされる種々の特徴を提示する。特徴の種々の組み合わせは好適には、一人の操作者により外部構造又は人的支持なく使用及び支持され得る遠隔操作カメラ位置決め装置を提供する。特徴の特定の組み合わせでは、遠隔操作カメラ位置決め装置は使用者に取付けられる動力供給源、映像モニタ及びビデオレコーダ等の補助システムを備え、操作者の手のみによって制御され且つ物理的に支持されるように構成され得る。
【0007】
本発明の態様に係る特徴を有する遠隔操作カメラ位置決めシステムは、携行するのに充分軽量であり且つ一人の操作者により容易に操作されるが、カメラの動作に伴い生じさせられる負荷や外力により引き起こされ得る種々の撓みに抗するように充分な曲げ剛性を有することが好ましい。本発明の原理に係る特徴の種々の組み合わせでは、一人の操作者の使用及び完全自給式制御を可能にするためにこのような軽量及び曲げ剛性間のバランスがもたらされ得る。
【0008】
本発明の態様に係る特徴の組み合わせを有する一実施形態は、一人の操作者により使用及び支持される遠隔操作カメラ位置決めシステムである。システムは、カメラを支持する
先端カメラ取付具を備えたカメラ位置決め装置を有する。カメラ位置決め装置は操作者がカメラ位置決め装置を支持し且つカメラ位置決め装置を介して空間的にカメラを操作することが可能なように末端操作者接点を有する。位置決め装置は少なくとも1個の長手状ビームモジュールを含む。本実施形態のビームモジュールは操作者接点の先端且つカメラ取付具の末端に配置されると共に、ビームモジュールの中立軸から半径方向に転位され且つ中立軸と略平行に延在する複数の別個の縦通材を有する。本実施形態において、ビームモジュールの断面曲げ剛性はカメラに向かって末端方向へ第1断面曲げ剛性から第2断面曲げ剛性へ減少する。
【0009】
別の実施形態では、ビームモジュールの断面曲げ剛性は第2断面曲げ剛性よりも大きい第3断面曲げ剛性へ末端方向に向かうに従って増加し、次に第4断面曲げ剛性へ末端方向に向かうに従って減少する。組み合わされた特徴の別の態様では、第1断面曲げ剛性及び第3断面曲げ剛性は略同じであり、且つ第2断面曲げ剛性及び第4断面曲げ剛性は略等しくされ得る。更に別の可能性では、第1断面曲げ剛性は第3断面曲げ剛性よりも大きくされ得、また任意で、同時に第2断面曲げ剛性は第4断面曲げ剛性よりも大きくされ得る。
【0010】
本発明の態様に係る特徴を有する別の実施形態では、ビームモジュールは単一のビームモジュールではなく複数のビームモジュール、例えば末端ビームモジュール及び分離した先端ビームモジュールを含み得る。この構成では、第1断面曲げ剛性及び第2断面曲げ剛性は末端ビームモジュールの全長に沿って生じ、第3断面曲げ剛性及び第4断面曲げ剛性は先端ビームモジュールの全長に沿って生じる。
【0011】
本発明の態様に係る別の特徴では、複数のビームモジュールの少なくとも1個は固定筋交部分及び安定化ウェブ部分を有し得る。固定筋交部分は略長手方向及び横方向に延在し、複数の縦通材の近接するものに横方向に接合する少なくとも1個の固定筋交を含み得る。安定化ウェブ部分は略長手方向に延在し、複数の縦通材の近接するものに横方向に接合する少なくとも1個の安定化ウェブを含み得る。かかる可能な構成では、第1断面曲げ剛性は末端ビームモジュールの固定筋交に生じ、第2断面曲げ剛性は末端ビームモジュールの安定化ウェブに生じ、第3断面曲げ剛性は先端ビームモジュールの固定筋交に生じ、第4断面曲げ剛性は先端ビームモジュールの安定化ウェブに生じ得る。
【0012】
カメラへ向かってより先端に配置される固定筋交の厚さを減少させることにより、固定筋交の曲げ剛性は減少させられ得る。同様に、安定化ウェブ材料の厚さ及び密度は、カメラへ向かってより先端位置において断面曲げ剛性を減少させるように減少させられ得る。これら2つの技術のいずれかのみ又は組み合わせた別の可能性は、縦通材の直径又はその他の断面細部を減少させることにある。
【0013】
本発明の態様に係る特徴を有する別の実施形態では、縦通材はビームモジュールの全長に略延在し得る。或いは、縦通材は近接するビームモジュール間に取り外し可能に接続され得る。縦通材及び連結されるビームモジュールはまた、工具の必要がなく、且つ縦通材の位置決め装置の全長に沿った平行配置を微調整する能力が得られるように、手調整可能なコネクタによって取り外し可能に接続され得る。
【0014】
本発明の態様に係る特徴を有する別の実施形態では、各固定筋交部分は、それぞれの固定筋交部分に多角形断面を備えるように接合される少なくとも3個の固定筋交を含む。別の可能な特徴では、各安定化ウェブ部分はそれぞれの低密度安定化ウェブ部分に多角形断面を備えるように接合される少なくとも3個の低密度材料パネルを含む。多角形断面は三角形であってもよい。
【0015】
別の可能性では、各固定筋交及び各安定化ウェブはビームモジュールの中立長手軸から
離れて設けられる。
固定筋交は、所定の位置にけるビームモジュールの断面曲げ剛性に寄与し、且つ縦通材の離間及び平行配置維持を補助する限り、多様な方法で構成され得る。可能な固定筋交構成の一つでは、近接する縦通材の間を接続するように延在する特別に整形された積層木質ウェブを含み得る。同様に、安定化ウェブは例えば延伸ポリプロピレン(EPP)から形成される低密度パネルにより供給され得るが、縦通材の間隔及び平行配置の維持を補助することが可能なその他のウェブ材料も使用し得る。本発明の態様に係る特徴を有する幾つかの実施形態では、低密度材料の安定化ウェブは複数のパネルとして構成され得、各パネルは近接する固定筋交よりも厚さが大きく且つ密度が低い。
【0016】
縦通材は各々プルトルード炭素繊維複合材管として構成され得る。炭素繊維等の補強材料を平行な軸流又は溝に、且つ中立軸から転位させられて配置する別の構成も、本発明の態様に係り可能である。
【0017】
本発明の態様に係る1個以上の特徴を有する他の実施形態は、前端モジュールの形状をなし、カメラを先端ビームモジュールに取り外し可能に取り付けるカメラ取付具を含み得る。前端モジュールはパン/チルトアセンブリ及びパン/チルト支持アセンブリを含み得る。パン/チルト支持アセンブリは先端ビームモジュールに接続すると共に、パン/チルトアセンブリを支持する。パン/チルトアセンブリはカメラを支持すると共に、カメラの光軸が先端ビームモジュールの長手軸に対してパン及びチルトするのを許容する。
【0018】
好適な一構成では、パン/チルト支持アセンブリはビームモジュールの最先端に接続されると共に、その最先端からパン軸受け頭部まで略長手方向に延在するパン駆動プラットフォームを含む。パン/チルトアセンブリは続いて、位置決め装置の長手軸を横切りパン軸受け頭部に回転可能に従属し得る。1個以上の支持脚がまた、ビームモジュールに接続し且つビームモジュールから延在すると共に、パン軸受け頭部に略近接するパン駆動プラットフォームに接続するように設けられ得る。
【0019】
三角形ビームモジュールの場合では、パン/チルト支持アセンブリはビームモジュールとの3点接合点からパン軸受け頭部との単一接合点へ移行し得る。パン軸受け頭部は任意で且つ好適には、パン軸受け頭部をパン駆動プラットフォームに接続する支持フランジを含む。本実施形態の別の変型は、パン駆動プラットフォームに従属し且つパン駆動プラットフォームの長さ方向に沿って延在する横方向支持支柱を備え得る。かかるパン/チルト支持アセンブリは、パン駆動プラットフォーム及び支持脚をそれぞれのビームモジュールの縦通材に接続する角ブラケット及び固定板を含み得る。横木又はワイヤの形状をなす横方向補強材もまた、パン駆動プラットフォーム及び支持脚の2個以上の間に延在し得る。
【0020】
本発明の態様に係る1個以上の特徴を有する実施形態はパン駆動アセンブリを含み得る。パン駆動アセンブリはパン駆動プラットフォームに取り付けられるパン駆動モータと、パン駆動モータにより回転させられるパン駆動スプロケットと、パン駆動スプロケットにより駆動されるパン駆動チェーンと、パン駆動チェーンにより駆動されるパン軸ギアディスクと、パン軸受け頭部に回転可能に取り付けられると共にパン軸ギアディスクにより回転させられるパン軸と、パン/チルトアセンブリを取り付けるためにパン軸に装着されるパン―チルト吊り板とを含む。加えて、パン駆動チェーンの張力を調整するためにパン駆動プラットフォームに取り付けられるパン駆動取付及び張力調整板も設けられ得る。
【0021】
本発明の態様に係る特徴を有する別の実施形態はパン/チルトアセンブリを含み得る。パン/チルトアセンブリはパン軸受け頭部に回転可能に装着されるパン架台と、パン架台により支持されるチルト架台と、チルト駆動アセンブリとを有する。チルト駆動アセンブリはチルト架台上のチルト駆動モータと、チルト駆動スプロケットと、チルト駆動チェー
ンと、チルト駆動ギアディスクとを有する。これら全部はそれらの間でチルト架台及びモータアセンブリを回転させるように相互に接続される。本実施形態はまた、チルト駆動モータ及びチルト駆動スプロケットを支持するチルト駆動モータ取付板を有し、チルト駆動モータ取付板はチルト駆動チェーンの張力を調整するようにチルト架台に調整可能に接続される。
【0022】
本発明の態様に係る特徴を有する別の実施形態はパン架台を含み得る。パン架台は基板及び横方向に延在する2個のフランジを備えた溝として整形される。基板はパン軸受け頭部に接続され得ると共に、チルト架台は2個のフランジ間に回転可能に取り付けられ得る。チルトも、基板及び横方向に延在する2個のフランジを備えた溝として整形され得、カメラは基板に取り付けられると共に、2個のフランジはパン架台のフランジに回転可能に取り付けられる。架台はまた積層板から構成され得、チルト架台は任意でパン架台よりも薄い。
【0023】
本発明の態様に係る特徴を有する別の実施形態は、ハンドルモジュールを備えたユーザ接点を含み得る。ハンドルモジュールはビームモジュールから末端方向に延在するハンドル軸と、ハンドル軸に移動可能に取り付けられるハンドルグリップとを含み得る。ハンドルグリップはハンドル軸に滑動可能又は回転可能に、或いは滑動可能且つ回転可能に取り付けられ得る。ハンドルモジュールは更にハンドル軸の末端付近に取り付けられて位置決め装置を回転させるグリップリングを含み得る。
【0024】
ハンドルモジュールはまた、その末端において制御装置籠内に入れられたカメラチルト及びカメラパンの少なくとも1個の手動制御装置を含み得る。制御装置籠は空洞内部を備え、カメラ制御装置は制御装置籠の空洞内部に配置されるが、操作者の手により接近可能とされる一方で位置決め装置と相互作用する。カメラ制御装置はジョイスティックであってもよい。制御装置籠は周縁方向に離間するリブにより画定され得、リブはハンドル軸に作動的に接続され、リブはそれらの間に間隙を備えると共に開放末端を備える。
【0025】
本発明の態様に係る特徴を有する別の実施形態は、固定筋交部分の末端に少なくとも1個の基板を備えると共に、固定筋交部分内のより先端にハンドル端板を備えたビームモジュールを含み得る。ビームモジュールは基板アセンブリを含み、基板アセンブリは末端板及び先端基板を含む。先端基板は発泡パッドとの摩擦嵌合を介して基板をハンドル軸に沿った移動から固定するために発泡パッドを加圧する。本発明の態様に係る特徴を有する別の配置では、末端基板及び先端基板の一方は他方よりも大きく、大きい方は更なる操作者接合面をも備えた質量減少穴を備える。
【0026】
ハンドルモジュールは更にパン及びチルトの一方を制御する第2手動カメラ制御装置と、基板アセンブリに接続される調整カメラ制御装置取付具とを含み得、第2手動カメラ制御装置はカメラ制御装置取付具に取り付けられると共に、ハンドル軸に対して位置調整可能とされる。
【0027】
本発明の態様に係る特徴を有する別の実施形態は、視野調整を許容すると共に、工具なしでの組立及び分解を許容するために、位置決め装置の種々の調整可能且つ分解可能な要素間に手調整可能なコネクタを含み得る。全部でなくとも殆どの手調整可能な固定具は、位置決め装置の質量を減少させるためにナイロンであってもよい。ナイロン固定具はまた、より高価な要素が衝突により損壊させられる前に、異物との衝突により取り壊されるおそれがあるという「弱点」を備える。
【0028】
本発明の態様に係る特徴を有する別の実施形態はVCR、好適にはゴーグルの形状をなす操作者取付モニタ、カメラ動作制御ユニット、及びカメラ制御ユニット並びにバッテリ
パック等の種々の補助システムを含み得、それらは全部ベスト等の支持衣服を介して使用者に格納され且つ取り付けられる。種々のユニットは位置決め装置上において、種々のケーブルを介して相互に接続されると共に、カメラ、制御装置及び駆動装置と接続される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の態様に係る特徴を提示している近接する支持ベストを備えた遠隔操作カメラ位置決め及び制御システム全体の一例を示す末端側斜視図。
【図2A】本発明の態様に係る特徴を提示しているビームモジュールの一例。
【図2B】本発明の態様に係る特徴を提示しているビームモジュールの分解組立図。
【図3】ビームモジュールの例を示す図1の3−3線視断面図
【図4A】図2に例証する例示縦通材の接続システムの分離形態例。
【図4B】図2に例証する例示縦通材の接続システムの接続形態例。
【図5】本発明の態様に係る特徴を例証している前端アセンブリの一例を示す先端側斜視図。
【図6】本発明の態様に係る特徴を組み入れたパン/チルトアセンブリの一例を示す分解組立斜視図。
【図7A】本発明の原理に係る特徴を有する遠隔操作カメラ位置決め及び制御システムに使用されるハンドルアセンブリの一例を示す末端側斜視図。
【図7B】本発明の原理に係る特徴を有する遠隔操作カメラ位置決め及び制御システムに使用されるハンドルアセンブリを示す末端側斜視図。
【図8】本発明の態様に係る特徴を提供するために使用され得る配線及び結合された制御サブシステムを示す概略図。
【図9】本発明の態様に係る特徴を提供するために使用され得る前部制御アセンブリを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の態様に係る対象はカメラ支持体に向けられる。本発明の態様に係るカメラ支持体は単一の操作者により保持、操作及び制御され得る。このカメラ支持体は手で保持され得、或いは手で保持されつつ操作者の身体により部分的に支持され得る。ここに一例として開示する様々な形態のカメラ支持体は、操作者からかなりの距離だけ離れた場所にカメラを配置することができ、光軸配置が許容されると共に、かなり高い位置及び幅広い水平方向位置から向けることができる。
【0031】
また、カメラ支持体により得られる遠隔操作配置は、静止し或いは移動が制限される三脚又はカメラ移動車等の装備により妨げられることがない広範囲に亘る動作を提供する。或いは、本発明の原理に係るカメラ支持体は、それを支持及び制御する操作者と同程度の移動性及び操作性を享受する。カメラ支持構造自体内において、パン及びチルト等のカメラ動作制御を、カメラ支持体により提供される動作範囲及び程度に重ね合わせることにより、カメラ配置及び視野の角度が拡大され得、結果的に映像の動態が向上する。
【0032】
本発明の態様に係る特徴を有する実施形態について説明する前に、使用される言語についての幾つかの注釈が整っている。本明細書全体において、実施形態及び種々の構成や作動は「例証」として述べられており、一例又は例示として簡潔に対象の特徴を述べることが目的とされているのであって、必ずしもその中で最良のものではない。図面を参照した以下の開示は単に例証を目的としているだけで、本発明の対象の範囲を開示例に限定するものではない。図面全体、特に図1を参照すると、本発明の態様に係る特徴を有する遠隔操作位置決め及び制御システムの部分例示実施形態が示されている。一般的に、システム10はハンドルモジュール14と、ビームモジュール16と、前端モジュール18とを含み、遠隔に配置されたカメラを支持する位置決め装置12を含む。補助システムも備えられており、例えばベスト20を使用して操作者により着用される。補助サブシステム22
は相互に接続されると共に、ケーブル24を使用して位置決め装置の結合要素に相互接続される。システム部品の更なる詳細については、以下により詳細に説明する。
【0033】
図1に示すように、例示的カメラ位置決め及び制御システム10は概して一組の相互連結部、即ちモジュール14、16、18を含む。モジュール14、16、18は共に、末端においてハンドルモジュール14によって位置決め及び制御するように、カメラレンズ及び検出器26を遠隔先端に懸架するブーム12を形成する。カメラ26及びハンドルモジュール14間において、ブーム12は1個以上のビームモジュール16から構成される。ビームモジュール16は末端ビームモジュール28及び先端ビームモジュール30を含み得る。2個のビームモジュール16が例証されているが、ブーム12に所望される長さに応じて、1個のビームモジュールが利用され得、或いは3個以上のビームモジュールが利用され得る。本明細書のために、ハンドルモジュール14に近接するビームモジュールは末端ビームモジュール28として認識される一方で、カメラ26を支持する前端アセンブリ18に近接するビームモジュールは先端ビームモジュール30と称される。
【0034】
ビームモジュールはハンドルモジュール14及び前端モジュール18間における集合的ビーム構造体であり、単独の単一化ビーム構造体として具体化され得、或いは使用に際して相互に且つ他のブーム部に恒久的に或いは取り外し可能に接続される複数のブームとして供給され得る。図示する例は2個のビームモジュール―例示的末端ビームモジュール28及び例示的先端ビームモジュール30―を示しており、末端及び先端とは位置決め装置12の全長に沿ったシステム10の末端操作者端部からシステム10の先端カメラ端部までの相対位置を言う。更なるビームモジュールが付加され得、或いは単一のビームモジュールが採用され得るが、図示及び説明を簡単にするために、2個のビームモジュール例が使用される。
【0035】
先端ビームモジュール30の遠隔端部から懸架されるのは前端アセンブリ18である。前端アセンブリ18はパン/チルト支持体30で構成され得、そこからパン/チルトアセンブリ34が懸架される。カメラ26はパン/チルトアセンブリ34に取り付けられる。
【0036】
遠隔操作カメラ位置決め及び制御システムは、ベスト0等の支持衣服を使用して操作者に取り付けられ得る種々の補助システム22により支持される。補助システム22は好適にはバッテリパック36と、VCR38又は他の映像信号記録システムと、動作制御システム40と、カメラ制御ユニット42とを含む。カメラによって得られる映像信号は、ベスト20上の監視装置により監視される。好適には監視装置は、ビデオ映像が常に操作者の視野にあるように、操作者により着用されるゴーゴル44に設けられる。種々の補助システムを接続するケーブル24は、以下により詳細に説明する1個以上の連結線を介して、ブーム12の種々の要素に連結され得る。従って、本発明の態様に係る特徴を有する例証実施形態は、操作者の手に届く範囲より外から遠隔操作でカメラの位置決め及び制御を行う完全自給式操作者支持システムを提供する。ブーム12は地上支援又は他の援助を受けることなく、操作者により保持及び操作されるように充分軽量に構成される一方で、ブーム12の動作や、風及び軽量構造物の衝突等の外力により引き起こされる撓みに対する充分な曲げ剛性を備える。
【0037】
本発明の態様に係る実施形態のその他の特長には、ハンドルモジュール14の構成が含まれる。好適には、ハンドルモジュール14にはハンドルシャフト46が装備されており、ハンドルグリップ48はハンドルシャフト46に滑動可能及び回転可能に取り付けられる。シャフトハンドルの末端には、末端にハンドルリング52を含む末端即ち後方ハンドルアセンブリ50が設けられる。ハンドルリルング52は制御籠54へ通じる開口を備え、制御籠54はジョイスティックユニット58等のカメラ制御装置を包囲する一組のリブ56により形成される。ハンドルリング52により操作者はブームを自在に回転させるこ
とができ、それに関連してカメラ26は回転する。この目的のために、ハンドルグリップ48は好適には一方の手に静止状態で保持されるように、ハンドルシャフト46に回転可能に取り付けられると共に、ハンドルシャフト46及び結合接続されたブーム12は静止状態のグリップ48と相対回転し得る。同様に、グリップ48が好適には滑動もするように取り付けられるならば、ハンドルリング52はブーム12を静止状態のグリップ48と相対的に軸方向に移動させるために使用され得、従ってカメラ26は軸方向へ移動する。
【0038】
ジョイスティック58等のカメラ制御装置は、カメラ26のパン及びチルトを制御するように構成され得る。ブームの回転及び軸方向移動動作をカメラ26のパン及びチルト動作に重ね合わせることにより、複雑なカメラの動作及びその結果生じる映像動態が達成され得る。これらブーム位置決め及びパン/チルト制御装置により達成されるカメラ位置決め及び動作の変化は、ブーム12をハンドルグリップ48に対して全360度の動作範囲で回転させる能力、並びに操作者の腕及び身体動作及び歩行更には走行により、ブーム12を横方向、縦方向、及び角度方向に移動させる能力により更に拡大される。
【0039】
ブーム及び結合されたカメラの動作や映像動態の殆ど曲芸的な操作は、軽量であるが比較的断面曲げ剛性が大きいビーム構造を得ることによりカメラ映像の不安定さを最小限に抑えつつ達成される。各ビームモジュール16はビームモジュール断面の中立軸から離間する集中剛性域を備える。好適には、これら集中剛性線はビームモジュール16の全長に延在する縦通材60により供給される。図示する実施形態では、三角形断面にはその三角形断面の3個の角部の各々において軸方向に延在する縦通材60が備えられる。多角形状の角部に沿って配置される縦通材又は他の集中補剛構造を備えた四角形及び他の多角形状を含むその他の断面形状も可能である。
【0040】
各ビーム部において、縦通材60は好適にはビーム16の断面曲げ剛性を増大させるように構成された固定筋交62により末端部分が強化される。各ビームモジュール16はまた好適には、断面曲げ剛性がより小さい一方で、縦通材60の間隔及び平行整列を維持するのに役立つ安定化ウェブ64の一部を備えるように構成される。
【0041】
ビームモジュール16は好適には末端ビームモジュール28の末端において比較的高い第1断面曲げ剛性を備えると共に、カメラ34の方へ末端方向に向かうに従い断面曲げ剛性を減少させるように構成される。ビームモジュール16の全長に沿って、断面曲げ剛性は例えば末端ビームモジュール28の固定筋交62部分において比較的高く始められ、続いて末端ビームモジュール28の安定化ウェブ64部分において比較的低い第2断面曲げ剛性まで減少し得る。本発明の一態様において、断面曲げ剛性は続いて先端ビームモジュール30の固定筋交62部分において増加し、再度先端ビームモジュール30の安定化ウェブ64部分において比較的低い第4断面曲げ剛性まで減少し得る。図示する実施形態は別個の固定筋交部分及び安定化ウェブ部分を備えるように構成されているが、ビームモジュールは例えば選択された筋交材料の厚みを減少させることによる固定筋交の断面構成の変化から、また固定筋交材料の基材の補強積層程度の減少等の筋交材料の補強程度の変化から、断面曲げ剛性が移行する連続ビームを備える。連続ビームモジュールの安定化ウェブ部分はまた、組み立てられた位置決め装置の長さ単位毎の曲げ剛性及び質量が長さ方向に変化するように、連続的に薄く或いは密度が低くなる材料から成る。
【0042】
前端アセンブリ18は好適には、図示する実施形態の場合では、ビーム構成の比較的強固且つ硬い角点から移行するように形成されたパン/チルトアセンブリ支持体32を供給するように構成される。これら強度及び硬度点は三角形断面の3個の縦通材部分である。パン/チルト支持体アセンブリ32は三角形ビーム断面の3点から軸受け頭部66へ移行し、パン/チルトアセンブリ34及びカメラ取付台26は軸受け頭部66から懸架され得る。好適には、カメラ26はできる限り大きな動作範囲に亘りブーム12の中立軸上に位
置決めされるように、パン/チルトアセンブリ34に位置決めされる。種々のモジュール及びブーム構成部分並びに結合された補助システムにおける構造の更なる詳細については、続いて以下に説明する。
【0043】
図2A及び図2Bを合わせて参照すると、図2Aは末端ビームモジュール28を示しており、末端ビームモジュール28はそれに固定されたハンドルシャフト46の一部と共に組み立てられる。図2Bは末端ビームモジュール28の一部を示す分解組立図である。末端ビームモジュール28はハンドルモジュールとの接合のために、本明細書の後半部分で説明する基板アセンブリ68を備える。
【0044】
各縦通材60は三角形断面の頂点に沿って配置される。各縦通材60はビームモジュール28の全長に延在する。各縦通材60は好適には約3.175ミリメートルから6.35ミリメートル(1/8インチから1/4インチ)の外径及び外径に対する肉厚を有する「プルトルード(pull−truded)」炭素繊維複合材料として構成される。固定筋交部分では、3個の縦通材60は固定筋交62により横方向に結合される。固定筋交62はビーム28に対して充分な曲げ剛性を供給するのであれば、多数の様々な方法で構成され得る。図示する実施形態では、固定筋交62は一次木目がビームモジュール28の長手軸と平行に延在する3プライ合板基材70で構成される。各固定筋交62は、湾曲端縁を有する一組の連結X形状を形成するように部分的に切り取られる。そのX形状には外面及び内面上の中央部分において、例えば0.18ミリメートル(0.007インチ)の極めて薄い予湾曲炭素繊維複合層72が、合板基材70に接着するためにエポキシ樹脂を使用して積層される。複合層72は、主繊維軸がビームモジュールの長さ方向を横断するように配置される。固定筋交62は平織炭素繊維布及びエポキシ樹脂複合材74のコンフォーマル適用層を備えた外面上において縦通材60と隣接する部分に接着される。コンフォーマルが適用された布の一次繊維軸は、接着層全体の最大シアー強度及び安定性のために、ビーム部28の長手軸に対して45度バイアスする。前方即ち先端X形状の中央部分の間はハンドル管終端板76である。ハンドル管終端板76は好適には2.38ミリメートル(3/32インチ)の厚みを備えた5プライ木質繋板78の合板から形成される。繋板78は円錐支持側面に切削され、外径はハンドル管34の外径よりも約12.7ミリメートル(1/2インチ)大きい。ハンドル終端板76は硬材くぼみドールハウス成形物80及びエポキシ樹脂を使用して、固定筋交62に接着される。ビーム28の三角形断面はハンドル終端板76の位置において、炭素繊維トウ82及びエポキシ樹脂により周方向に結合される。ビームモジュール28の安定化ウェブ部分は一般的には固定筋交部分の全長よりも3から4倍長く延在しており、その安定化ウェブ部分において、縦通材60は固定筋交よりも厚さが大きく且つ低密度である延伸ポリプロピレン(EPP)等の低密度材料のウェブ64を使用して接合される。
【0045】
図示する実施形態のEPPパネル64には三角形状に接合するために斜縁が設けられると共に、管状縦通材60を受け入れるために溝84が形成される。EPPパネル64はエポキシ樹脂を使用して接続され得る。安定化ウェブ部分は好適にはその全長に沿って均一性が得られるように構成される。
【0046】
図3を参照すると、ビームモジュール28の安定化ウェブ部分の断面はプルトルード複合肉厚管状縦通材60及びEPP板安定化ウェブ64を含み、空洞中央部86を備える。システムワイヤハーネス(図示なし)は好適には、本明細書において後に更に詳しく説明するように、空洞中央部86を通される。
【0047】
図4A及び図4Bを参照すると、末端ビームモジュール及び先端ビームモジュールは好適には、3個の縦通材の各々の接合点により取り外し可能に接続される。種々のビームモジュールの縦通材は多くの端部ロッドコネクタの中のあるものを使用して、取り外し可能
に相互接続され得る。本発明の態様に係る特徴を有する一実施形態では、縦通材60はクレビス88及びアイ70装置を使用して接続され得る。例えば、末端ビームモジュールの各縦通材は空洞管端部内において、エポキシ樹脂(図示なし)により所定位置に接合される端部コネクタインサート92の刻み付き軸端(図示なし)を受け入れると共に、縦通材端部外面周りに、好適には端部コネクタ92の接合部の中間長さ部分周りにケブラー糸結束材94を有する。端部コネクタ92は調整可能な引締めねじ96を備え得る。引締めねじ96は引締めねじ96及び結合された端部コネクタの長さを変更するために一組の調整ナット98を有する。末端ビームモジュール縦通材の端部コネクタ92は可撓性クレビス88として形成され得、クレビス88はそのフランジ102間にピン100を有する。ピン100は一個のフランジから延出すると共に、第2フランジの凹部104に取り外し可能に嵌合する。末端ビームモジュールの縦通材も同様に調整可能な引締めねじ96を有する端部コネクタを備える。
【0048】
先端ビームモジュール縦通材の端部コネクタは、可撓性クレビス88のピン100を受け入れ且つピン100と揺動可能に係合する結合アイコネクタ90を備える。図4Bに示すように、一旦クレビス88のピン100がアイコネクタ90と結合すると、クレビス88の可撓性フランジ102を閉鎖位置に保持するために、滑りカラー106により接続が確実にされ得る。ビームモジュールの安定性は縦通材60を略平行な位置に維持することに最も左右されるので、縦通材60の相対的な長さ及びそれに起因する平行位置を「微調整」するために、縦通材60の長さは連続する範囲に亘り引締めねじ96により調整され得る。接続のクレビス―アイ装置が開示されているが、その他のロッド端部コネクタも可能である。また、縦通材はビーム全長に亘り連続することも可能である。しかしながら、分離可能なビームモジュールを有すると、ブームの長さを選択できると共に、収納、搬送及び修理のためにブームを解体する能力が得られる。この点に関して、コネクタは特にカメラ位置決めシステムを使用する間に調整及び修理が必要な分野では、工具の必要性を最小限にするために手調整可能であると好ましい。
【0049】
図5を参照すると、本発明の態様に係る特徴を有するカメラ位置決めシステムの前端アセンブリの実施形態が示されている。前端アセンブリ18はビームモジュール16により供給される複数の縦通材60の接続部分からパン/チルトアセンブリ34に近接する一体化接続部分へ移行するパン/チルト支持体32を含むのが好ましい。また、パン/チルト支持体32は可能な限り大きなカメラ動作範囲に亘り、パン/チルトアセンブリ34及びそれに取り付けられる(図示なし、図1を参照)カメラをビーム16の中立軸に略沿わせるように配置されるのが好ましい。この端部において、前端アセンブリ18のパン/チルト支持体32の図示する実施形態は、パン駆動プラットフォーム108及び2個のパン/チルト支持脚110を備えた三脚状の装置を含む。パン/チルト支持脚110は2個の縦通材60との接合点から延出すると共に、パン/チルト軸受け頭部66に近接してパン駆動プラットフォーム108と接合する。パン/チルト支持脚110は好適には、一次木目方向が長さ方向と略平行する3.175ミリメートル(1/8インチ)の低密度3プライ合板芯材から構成される。各脚110は先細にされると共に、一組の質量減少切り抜きを備える。各パン/チルト支持脚110は好適には、1平方ヤード当り1/2オンスの45度バイアスサテン織布及びペーサテクノロジー社(Pacer Technologies)から入手可能な低粘度「Z−poxy」積層樹脂を使用したガラス繊維エポキシ樹脂積層表皮層で補強される。強度及び剛性を向上させるために、表皮層にその他の積層材料が使用されてもよい。パン/チルト支持体32の脚110及びその配置によれば、重量に対して比較的強く且つ硬い支持が得られるが、大きな破損を被る前に平面の曲げ及び捩れからエネルギーを吸収するための可撓性が得られる。
【0050】
パン駆動108プラットフォームは好適には先端ビームモジュールの残りの縦通材60からパン/チルト支持脚110及び軸受け頭部66の接合点まで延在するように配置され
る。パン駆動プラットフォーム108は略平らな面を供給し、以下により詳細に説明するように、その面にはパン駆動装置の様々な要素が取り付けられ得る。パン駆動プラットフォーム108は好適には低密度3プライ合板芯材から構成されると共に、横方向支持支柱112により補強される。横方向支持支柱112は好適には三角形先端ビームモジュール16の側面と平行し、各々がパン駆動プラットフォーム108の面から約60度外れる。プラットフォーム108の横方向支柱112は厚みが約3.175ミリメートル(1/8インチ)とされており、良好な安定性が得られると共に、より薄い板に関連する不都合な可撓性が回避される。補強積層が利用されてもよい。
【0051】
パン/チルトアセンブリ34及びそれに取り付けられたカメラを中立軸域に配置しつつ、回転、パン及びチルト動作が得られるように、パン/チルトアセンブリ34が支持体32に従属するのが好ましい。従って、図示する実施形態のパン/チルト支持体34は好適には、パン駆動プラットフォーム108及び支持脚110に接合すると共に、図5に示すブームの配置と略垂直方向に整列される回転軸を供給するパン軸受け頭部を含む。パン軸受け頭部66は好適には支持脚110及びパン駆動プラットフォーム108に接合するために、取り付けフランジ114を備えた木質芯材複合曲面板から構成される。パン軸受け頭部66は3/4外径軸受けを圧入係合させるために、好適には19.05ミリメートル(3/4インチ)の直径の軸方向開口が備えられる。バルサ芯材にエポキシ樹脂が接着された3/32 5プライ上側及び下側合板面層を備えた垂直方向木目バルサ芯材が好ましい。結果として生じる構造体は整形及び機械加工が施され、更に1平方ヤード当り1.4オンスの平織り炭素繊維布及び「Z―Poxy」積層樹脂がコンフォーマルに積層される。結果として生じる構造体は約10グラムの質量を備えるが、パン/チルトアセンブリの略全支持力に耐え且つ実質的に硬いままである。構造体はパン/チルトアセンブリ34からの荷重をパン駆動プラットフォーム108及びパン/チルト支持脚110へ伝達するために揺動構造を備える。
【0052】
パン軸受け頭部支持フランジ114はパン軸受け頭部66を備えた単一ユニットとして構成され得、或いは別々に製造されてパン軸受け頭部66に接続され得る。パン軸受け頭部支持脚114は好適には、軸受け頭部端から1平方ヤード当り1.4オンスのオーバラップ炭素繊維複合コンフォーマル積層が部分的に積層されると共に「Z―Poxy」積層樹脂が部分的に積層された2.38ミリメートル(3/32インチ)の5プライ合板から構成される。パン軸受け頭部支持フランジ114はまた質量低減円形切り切り抜きを備え得る。パン/チルトアセンブリ34をパン軸受け頭部66と相対回転させるパン駆動装置はパン/チルト支持アセンブリ32により、特にパン駆動プラットフォーム108上に取り付けられると共に支持される。パン駆動装置はパン駆動モータアセンブリ116を含む。好適には、パン駆動モータアセンブリ116はファールハーバ/マイクロモ(Faulhaber/MicroMo)社製の152対1ギアボックス及びIEクワドエンコーダを備えた1524ブラシ整流器コアレスモータを含む。代替モータアセンブリも利用され得るが、出力軸回転当りのエンコーダ計数が高速で、プログラム化が高度で、寸法が小型で、且つ質量が少ないのが好ましい仕様であり、その結果として位置決め装置の操作性を犠牲にすることなく、パン/チルトアセンブリを作動させるために円滑な動作制御が行われる。
【0053】
モータアセンブリ116はその駆動軸を略垂直にするように、プラットフォーム108に配置され得る。パン駆動スプロケット118はパン駆動チェーン120及びパン駆動ギアディスク122を介して、駆動モータ動作をパン/チルトアセンブリへ伝達するように設けられ得る。
【0054】
パン駆動スプロケット118は好適には、6.35ミリメートル(1/ 4インチ)の内径、32個の歯及び31.5ミリメートル(1.24インチ)のピッチ径を有するデルラ
ン(Delran)成形6スポークギアである。パン駆動チェーン120は好適には、デュポンデルラン(Dupon Delran)500アセチル樹脂から形成される「サーブ―O―L リンク」チェーンである。チェーン120は好適には図示する実施形態では、約3.175ミリメートル(1/8インチ)のピッチを有すると共に、約92鎖環の長さであり得る。別のチェーン構成も可能であるが、確認されている重要な特性には、カメラ配向動作及び比較的高価な駆動アセンブリのオーバトルク保護として作用し得る比較的弱く取り付けられたスナップ重合チェーンの慣性に寄与するのを回避するために、低質量プラスチックを含む。リングのスナップ重合固定によれば、例えば外部からの物体の衝突時に、ダメージのない切り離しが許容される。
【0055】
パン軸ギアディスク122は多くの方法によって構成され得るが、好適には中央木質ディスク上にプラスティックギアリングを備える。パン軸ギアディスク122は好適には32歯デランギアリングを有し、ギアリングはパン軸管に摩擦嵌合する3.175ミリメートル(1/8インチ)厚さの3プライ低密度合板芯材ディスクを包囲する。その他の重合体、或いは複合成形、鋳造又は切断、又は別の方法で製造された部品を使用してもよい。木質ディスクの配置は例えば異物の衝突に起因する駆動オーバトルク状態の場合に、フェイルセーフクラッチとして作用する。プラスチック及び木質ギアディスク122の低質量は、パン/チルト動作の慣性に大きく寄与することがなく、また合板芯材は極めて良好な耐性及び再現性を有するようにレーザカットされ、或いは別の方法で製造され得る。パン駆動アセンブリはまた好適には、パン駆動プラットフォーム108の上端に沿って取り付け及び張力調整プレート(図示なし)を含む。プレートは合板芯材及び炭素繊維/ガラス繊維/エポキシ表皮層を備えた複合材として構成され得る。一実施形態において、非指向性0.79ミリメートル(1/32インチ)厚さの3プライ合板芯材が1平方ヤード当り1.4オンスの45度バイアス平織り炭素繊維布と共に使用され、0.1524ミリメートル(0.006インチ)の厚さであり且つ繊維目を合板芯材の主木目軸と平行となるように配置される1平方ヤード当り3.5オンスの非指向性炭素繊維の第2表皮層を備える。1平方ヤード当り1/2オンスの45度バイアスサテン織りを利用した炭素繊維布の第3表皮層も使用され得る。マトリックス材料は「Z−Poxy」積層樹脂であり得る。
【0056】
パン駆動取付及び張力調整プレートはパン駆動チェーン120の張力調整を行うべく、パンモータ116をパン軸と相対的に滑動させるために、ねじ及びつまみナットを使用して、パン駆動プラットフォーム108に調整可能に取り付けられ得る。ナイロンねじはその低質量及び手動調整性から好ましい。
【0057】
パン駆動プラットフォーム108及び2個の支持脚110の各末端において、角ブラケット126がパン/チルト支持体32を先端ビームモジュール16に結合する一可能性として設けられ得る。各角ブラケット126は概して台形形状を有し得、例えばナイロン製ボルト及びナットを使用して支持脚110及びパン駆動プラットフォーム108を取り付けるための角付側面フランジを備える。また、好適にはナイロン製ボルト及び蝶ナット128を使用して、一組の平坦な固定プレートは角ブラケット126から延出し得ると共に、縦通材60の端部に取り付けるための更なる孔を備える。各縦通材60は固定を目的として、例えば回り止めナット130を備えたターンバックルを含む多くの固定具の中のいかなるものにより覆われ得るねじ山付端部を備える。支持脚110は更に横方向補剛材132等の補強構造体により横方向に補強され得る。スティフナー132は好適には3プライ合板により構成されるが、種々の板厚及び板材料も使用され得る。図示するパン/チルト支持アセンブリ32の三角形構成は更に先端ビームモジュール16との接合点において、薄肉炭素繊維ワイヤ134により補強され得る。ワイヤ134は薄肉ガセットプレートにより角ブラケット126に固定され、ガセットプレートは各角部に角ブラケット126のボルト穴底面と適合する穴と、チタン製取り付けプレートを有する。炭素繊維ワイヤ134は好適には、1平方フィート当り1/2オンスのサテン織り45度バイアス炭素繊維
布及び間隙充填シアノアクリレート接着剤を使用して、0.79ミリメートル(1/32インチ)厚さの3プライ合板角ガセットに接合される0.889ミリメートル(0.035インチ)の直径を有する炭素繊維エポキシ樹脂プルトルードワイヤである。或いは、バルサ材等の様々な直径のロッド、様々な厚みのプレート、及び様々な断面の容積低密度補強材料が採用されてもよい。この補強構成はビーム断面の寸法安定性維持を助けるので、カメラの望まない撓みが低減される。
【0058】
再度パン軸受け頭部66を参照すると、軸方向アセンブリ136はパン/チルトアセンブリ34の相対回転を許容するように設けられ得る。軸方向アセンブリ136の好適な要素の細部については、以下により詳細に説明する。
【0059】
パン/チルトアセンブリ34は好適には一組の指解放可能なナイロン製ねじ及びナット138により、パン軸受け頭部66の軸方向アセンブリ136に固定される。パン/チルトアセンブリ34は概して、パン/チルトアセンブリ34全体を支持すると共に、パン/チルト支持アセンブリ32と相対的に回転する溝形状パン架台140を備える。パン架台140内に揺動可能に収められるのは、チルトモータ駆動アセンブリの作動に基づいて、チルト面内をパン架台140と相対的に回転し得るチルト即ちカメラ架台142である。
【0060】
図6を参照すると、本発明の態様に係る特徴を有するパン/チルトアセンブリ34の一実施形態の分解組立図が示されている。パン/チルトアセンブリ34は好適には、先端ビームモジュールの先端部から遠位にあるシステムの全部分の結合質量中心が可能な限り大きな動作範囲に亘りビームの中立軸上に配置されるように、パン軸受け頭部66に従属する。パン/チルトアセンブリ34はパン軸受け頭部60のパン軸管136に取り付けられるパン/チルト吊り板146に取り付け得る。パン/チルト吊り板146は好適には4個の取り付け羽根を備えたX形状に配置され、各取り付け羽根は少なくとも1個の固定穴を有する。吊り板146は3プライ炭素繊維―ガラス繊維―エポキシ樹脂複合積層を各面に備えた0.79ミリメートル(1/32インチ)厚さの3プライ合板芯材から構成され得る。
【0061】
第1プライは平織り軽量炭素繊維布であり、合板芯材の一次木目方向に対してある角度にバイアスする。第2プライは一次木目方向に平行となるように配向された非指向性炭素繊維トウである。第3プライは好適には非常に軽量なサテン織りガラス繊維布であり、芯材の一次木目方向に対してバイアスする。表皮層の積層順序は吊り板146の両面において同じである。マトリックス材料は例えば米国カリフォルニア州サンレアンドロにあるエアロスペース コンポジットプロダクツ(Aerospace Composite Products)から入手可能なE−Z−Lam低粘度積層用樹脂であり得る。第1プライの炭素繊維布は1平方ヤード当り1.4オンスの45度バイアス平織りであり得る。第2層は合板芯材の主要目軸と平行に整列される1平方ヤード当り3.5オンス且つ0.15ミリメートル(0.006インチ)の厚さの炭素繊維非指向性布を利用し得る。ガラス繊維布は1平方ヤード当り1/2オンスの45度バイアスサテン織りであり得る。平織り炭素繊維及びガラス繊維の異なる重量は、最終構造体の強度、剛性及び質量の程度を変化させる。靭性を増加させるためにケブラーが付加されてもよいが、ケブラーは切断がより困難である。
【0062】
パン軸管136は好適には12.7ミリメートル(1/2インチ)の外径を有する薄肉ガラス繊維エポキシ複合体として構成され、パン軸と平行なパン軸受け頭部66に対する吊り板146の間隔調整を可能にするばね挟み(図示なし)のための一組の選択可能な配置穴を備える。軸136はパン軸軸受け(図示なし)を使用して、パン軸受け頭部66に取り付けられ得る。
【0063】
上述したように、パン架台140は好適には2個の横向きフランジ152を備えた基板150を有する溝形状として構成される。パン架台140は好適には一組の指解放可能なナイロン製ねじ及びつまみナット(図示なし)により、パン/チルト吊り板146に取り付け得る。パン架台140の基板150は例えばパン/チルトアセンブリ34の質量中心をパン軸と略一致させて、パン動作の結果としてパン/チルトアセンブリ32に付与され、従って位置決めシステムのビーム構造体に付与される好ましくない動的反力を実質的に最小化するために、動的バランスを目的として、ビームの中心即ち中立軸に対するパン/チルトアセンブリ34の横方向位置を調整する溝付穴を有する。パン架台芯材は好適には低密度3プライ合板基板150及び基板150と直角に取り付けられる標準密度の3プライ合板フランジ152から構成され、基板150及びフランジ152の接点にはエポキシ樹脂接合硬質木質被覆ドールハウジング成形研削滑面が使用される。基板150及びフランジ152の主木目軸は好適には、溝形状の環方向に整列される。芯材溝形状厚さの内面及び外面の円弧は、芯材の厚さが角部において基板150又はフランジ板152の厚さより大きくなるようにされる。合板の基板150は好適には基板に沿って3.175ミリメートル(1/8インチ)の厚さであると共に、フランジ152上では1.588ミリメートル(1/16インチ)の厚さである。角部において溝形状の厚さがより大きくなると、最終複合溝形状構造体の曲げ強度及び剛性が増加すると共に、合板芯材の使用は、厳しい耐性及び高度な反復性を維持するために、レーザ切断及びその他のコンピュータ数値制御製造技術を許容する。パン架台140はパン/チルト吊り板140に関して上述したものと同様な強化表皮層積層が備えられる。
【0064】
パン架台140にはパン/チルトアセンブリ34及びそこに収められるカメラを異物との衝突から保護するために、環状緩衝装置150が備えられる。緩衝装置156はチタンワイヤから形成され得ると共に、好適には端部が被覆された熱収縮性管であり、その端部はプラスチック製ブラケット158を用いてパン架台140に取り付けられる。ブラケット158は好適には衝撃力をフランジ152の根元に伝達して、その結果生じる曲げモーメント及びフランジ152破損の可能性、又はパン架台140内に収められる要素製造の重大さ及び困難さを低減するために、パン架台140の基板150に近接して取り付けられる。
【0065】
パン架台140の一個のフランジ152に従属するのは、パン架台140の内面へ向けて板160と垂直に配置される軸管162を有する軸板160である。この軸管162は板の軸管と反対側に支持ガセットリングを有する。軸板160は板に形成される僅かに大きめの穴を貫通する手調整可能な固定具を使用して取り付けられ、軸板及び管のパン架台と反対側のフランジ上にあるチルト軸受けとの軸方向の整列が可能になる。軸管162はパン架台フランジ152の大穴を貫通すると共に、チルト駆動ギアディスク164を支持する。ギアディスク164は、軸管162及び板160がパン架台フランジ152に取り付けられた後に、軸管162に付与される2個のチルト軸受けの一方と共に、軸管162及び板160がパン架台フランジ152に取り付けられた後に軸管162に摩擦嵌合する。軸管162はカメラ検知器及びチルト駆動ユニット等のチルトアセンブリ内の電気要素、並びにレンズ明瞭度及び照明又はマイク手段が使用される時にはそれらのコネクタ及びケーブルの通路を可能にする。パン架台140の軸板160と反対側のフランジには、そのフランジの穴に圧入される他のチルト軸受けがあり、同様にフランジに接合される2.38ミリメートル(3/32インチ)の厚さの5プライ合板円板により補強される。
【0066】
パン架台140の2個のフランジ152間において要素と連続するので、パン架台に固定される軸管及び板周りのチルト軸受けはそれ自体の板166に圧入される。板166も2.38ミリメートル(3/32インチ)の厚さの5プライ合板からなる接合二重リングを有する。このチルト軸受け板166も板に形成された僅かに大きめの穴を貫通する手調整可能な固定具を使用して、チルト即ちカメラ架台142の1個のフランジに取り付けら
れ、軸受け板のカメラ架台142に対する調整可能な軸方向の整列を可能にする。即ち、カメラ光学素子及び検知器、チルト駆動装置144及びレンズ明瞭度構成要素及び照明用固定具等が使用される時には、チルト軸がチルト動作と共に移動するそれら要素の質量中心と略一致させられるように、チルト軸受け板166はカメラ光学素子/検知器アセンブリの光軸と平行な方向に滑動調整可能である。カメラ架台の同フランジの別側に取り付けられるのは、以下に更に説明するチルト駆動装置取付板168である。
【0067】
カメラ架台142のチルト軸受け板及びチルト駆動要素と反対側のフランジ上には、パン架台140に関して先に説明したものと同様な軸管及び板170が固定される。軸管170はパン架台フランジ152に固定された先に説明した軸受けを貫通する。この軸管及び板アセンブリ170はまた、軸管及び板170に形成された僅かに大きめの穴を貫通する手調整可能な固定具によりカメラ架台142に取り付けられて、軸受けプレートのカメラ架台142に対する調整可能な軸方向整列が可能とされる。この固定手段の調整配置可能な性質は、カメラ架台142の他の軸受けの同様な特徴と合わせて、チルト要素のチルト軸周りにおける動的バランスを可能にするのに役立ち、チルト動作の結果として位置決めシステムのより末端の構造体に付与される好ましくない動的反力を略最小化するのを助ける。この動的バランスはカメラ位置決め構造体のパン/チルト動作誘発摂動を略最小化して、位置決め装置内の構造体をより少なくし、従って位置決め装置内の質量をより少なくすることができる。特徴は位置決め装置の操作性に重大な意味を持ち、従って位置決め装置の使用にも重大な意味を持つ。
【0068】
パン―チルトアセンブリ34の寸法小型化に寄与するために、チルト駆動アセンブリ144は好適にはチルト架台142に取り付けられると共に、チルト架台142自体と共に回転するスプロケットギアチェーンアセンブリ172により、チルト架台142をパン架台140に対して回転駆動する。カメラ/チルト架台142は溝形状として構成されるが、カメラレンズ(図示なし)の孔を含む。カメラ/チルト架台142は好適にはパン架台140に関して上述したものと同様な木質芯材及び積層構成を備えるように形成されるが、比較的薄い1.59ミリメートル(1/16インチ)の厚さの三プライ合板基板及び0.8ミリメートル(1/32インチ)の厚さの三プライ合板フランジを使用する。
【0069】
チルト駆動モータアセンブリ144はエンコーダ及びギアボックスを備えたDCモータを利用し得る。好適には、ファウルハーバ/マイクロモ社製の152対1のギア比及びIE512エンコーダを備えたモデル1516Aが駆動力を供給する。好ましい性能特性はパン駆動モータアセンブリに関して上述したものと同じであるが、チルト動作構成要素は物理的に寸法がより小さく且つその動作軸周りにより小型に配置されるので、チルト軸周りの動作に対するトルク要件は一般的にはパンに対するものよりも小さい。チルト駆動モータアセンブリ144は好適には取付け板168に固定され、取付け板168は次にチルト架台142のフランジ内面に調整可能に取り付けられる。チルト駆動モータアセンブリ取付け板168は、駆動軸開口及びチェーン張力調整ねじの直角溝を備えた45ミリメートルの薄板により形成され得る。ガラス繊維積層を備えた木口バルサ芯材又は炭素繊維複合材がチルト駆動取付け板168に使用され得る。調整ねじは好適には手調整可能であり、且つつまみナットを備えたナイロン製ねじとして選択され得る。モータの出力は、上述(図5を参照)したパン駆動スプロケットと同様であるが24個の歯を有するように構成されたチルト駆動スプロケットを回転させる。両スプロケットは任意で2組のねじ(図示なし)によって調整されるハブカラー及びハブスリーブを備え得る。このスプロケットの内側配置は、オーバトルクに対する保護としてスリップクラッチ機能を備える。
【0070】
回転スプロケットはチルト駆動チェーンによりチルト駆動ギアディスクに接続される。チルト駆動チェーンは図3に関して上述したように、パン駆動装置に利用される駆動チェーンとして同様に構成され得る。同様に、チルト駆動ギアディスクはパン駆動ギアディス
クと同様であるが、24個の歯を有するように構成され得る。内部木質円板は駆動オーバトルク状態時に別のフェイルセーフクラッチが得られるように、プラスチックギア歯リングに圧入され得る。
【0071】
図7A及び図7Bに参照するように、ハンドルモジュール14の末端は好適には、ハンドル管46の端部から懸架される円形リングとして構成され得るハンドルグリップリング52を含む。リングの別の外形も可能であるが、ブームを回転させ、且つ角部又は多角形形状の場合に遭遇する非湾曲面と係合することなく周縁全体周りでリングを保持する際に、操作者による操作が簡易になることから円形構成が好ましい。
【0072】
グリップリング52は好適には、ジョイスティックユニット58等のカメラ制御ユニットを包囲且つ保護する制御装置籠54を形成する一組のリブ56を介して、ハンドル管46の端部から懸架される。いかなる数のリブも備えられ得るが、図示するように4個の等間隔に配置されるリブ56はジョイスティック58の保護籠を供給しつつ、ジョイスティック58へ接近するためにリング52に形成された中心開口に加えて、リブ56の把持と共にジョイスティック58への別の接近のための横方向開口を備える。ジョイスティック58は斜めに変化するバイアス薄手ウェブから構成される制御装置格納ハウジング174の内部に取り付けられ得る。ウェブは6.35ミリメートル(1/4インチ)の基準幅及び1.59ミリメートル(1/16インチ)の厚さの3プライ合板の上側及び下側リングと、変化する45度の木目線で切断される0.4ミリメートル(1/64インチ)の厚さの3プライ合板の籠リブ間における四分円とから形成される。四分円はリングに接して入れられると共に、リブに当接させられ得、シアノアクリレート接着剤を用いて所定位置に取り付けられ且つエポキシ樹脂を用いて完全に固定される。ジョイスティック制御装置は基板ハウジング(図示なし)に制御エレクトロニクスを含み得る。基板ハウジングは制御装置支持ハウジング174内に収納されると共に、制御装置支持ハウジング174の後開口を被覆する制御装置取付プレート176により取り外し可能に固定される。制御装置取付プレート176は4個の切欠を備え得、籠リブ56は切欠を通り好ましくは摩擦嵌合関係を保つように延在する。
【0073】
ハンドルリング52に対するジョイスティック58の近位によりエルゴノミックス関係が提供され、使用者は軸方向及び回転方向の両方へのブームの移動を容易に制御しつつ、同時にカメラ動作又は他のカメラ制御のためにジョイスティック58を操作することができる。ジョイスティック58はパン及びチルトを制御し、或いは絞り及び焦点制御等のカメラの他の状況を制御するように電子的に構成され得る。ジョイスティック58はその端部に、以下により詳細に説明する映像記録装置の一時停止/記録制御のような機能のための押しボタン式アクチュエータ178を備え得る。
【0074】
特に図7Bを参照すると、ハンドル管46は前側保持リング180及び後側保持リング182を含む一組の保持リングを介して、末端ハンドルアセンブリに固定され得る。各保持リング180、182は操作者に更なる把持役務も提供し得る質量減少切り抜きを有し得る。各保持リング180、182は中心開口を備え、ハンドル46は制御装置収納ハウジング174に近接して終端をなすように中心開口を貫通する。各末端ハンドルアセンブリ要素は低密度6.35ミリメートル(1/4インチ)の厚さの5プライ合板の単層から形成されるが、好適には低密度6.35ミリメートル(1/4インチ)の5プライ合板の2層から形成され、その結果好適には12.7ミリメートル(1/2インチ)の厚さの端部リングとなる端部把持リングは除く。
【0075】
図8を参照すると、ケーブル構成と、カメラブーム及びカメラ並びに制御装置を支持する種々の補助システムの相互接続を示す一般的な概略図が示されている。
ブーム及びカメラの補助支持システムはカメラ26からの映像信号情報を受信し且つテ
ープ、DVD等の記録可能な媒体に記憶するVCR38等の映像記録システムを含む。VCR38は好適にはソニー(Sony)製GV−D900等の小型DVフォーマットに映像信号を記録することができる。あらゆる数の他の映像記録システムであっても、選択されたカメラの出力フォーマットをサポートする限り使用可能である。補助システムはまたパン及びチルトのためにモータ駆動アセンブリを制御する動作制御サブシステム40を含み得る。好適には、動作制御システム40はジョイスティックインターフェース回路を備えたマイクロモ―ファウゥハーバ製 MCDC2805等のデジタルプログラム可能なモータ制御装置を含む。この制御装置パッケージはその他のジョイスティック制御エレクトロニクスと共に収納され得ると共に、補助システムを更に統合するために種々のカスタマイズされたスイッチ、表示ランプ及びコネクタにより増強され得る。補助システムはまた好適には東芝(Toshiba)製IK−TU40A CCU等のカメラ制御ユニット42を含み、前パネル制御装置及び検知器コネクタと、後パネルコネクタとを備えると共に、カメラ映像信号及び技術パラメータの放送品質制御装置を備え得る。
【0076】
カメラ映像の監視は好適には、カメラ位置決め及び制御システムの完全自給性質を維持するために、操作者に取り付けられるモニタにより行われる。より小型のモニタが操作者の身体に装着され得るが、ソニー製PLM−A35等のモニタゴーグル44はカメラ映像を直接的に常時操作者の視野に入るように提供する点で好ましい。ゴーグル44及びVCR38等の幾つかの要素は好適にはそれら専用のバッテリが備えられるが、他の要素にはバッテリパックサブシステム36により供給され得る。幾つかの要素は24ボルトを要求する一方で、他は12ボルトを指定するので、補助システムへ適切に経由させるべく12ボルトターミナルを提供するために、適切な安全フューズを備えた24ボルトバッテリバンクが配線され得る。
【0077】
種々の補助システムは好適には、ベスト20等の支持システム衣服を使用して、操作者に取り付けられる。ベスト20はそれぞれの要素を確実に収納するように各々寸法が決められた複数のポケットを備え得る。バッテリパック36は好適にはベスト20の背中のポケットに配置されると共に、種々の要素を相互に、且つ導管ケーブルを介してブーム12に相互接続するケーブルはベスト20を経由され得る。任意で、ケーブルの絡み及び破損を回避すると共に操作者を傷つける危険性を回避するべく、ケーブルをベスト20の内部に沿って保持するために、ベスト20はポケットの内部に種々の開口を、好適には経路スリーブを備え得る。
【0078】
カメラブーム12上の種々の補助システム及び結合された要素は、種々のケーブルにより相互に連結され得る。末端のジョイスティック制御装置58は好適には3個のフタバ(Futaba)―J Male及びRS232 9−コンダクタ IDC キャノン(Canon)D コネクタ一組が終端をなす9−コンダクタ束を介して補助サブシステムに接続される。末端ジョイスティック58からのケーブルは中空ハンドル管の内部に沿って延出すると共に、末端ビームモジュールに沿ってブレイクアウト接合点において導管ケーブルと接続する。このジョイスティック制御ケーブルはまた、以下により詳細に説明する末端ジョイスティック制御装置に任意で接続する更なるブレイクアウトを備える。ビーム接合点において、動作制御ケーブルは動作制御箱40まで延出する好適にはRS232 9−コンダクタ延長部として構成される導管ケーブルを介してベスト上の補助システムに接続し得る。
【0079】
動作制御箱40からパン及びチルド駆動装置までの動作制御駆動ケーブルは好適には、RS232 15コンダクタ IDCテクノロジ キャノン―Dタイプコネクタが終端をなす15コンダクタリボンケーブルとして構成される。チルト駆動モータ延長ケーブルは動作制御駆動ケーブル及びチルト駆動モータアセンブリ間の接合点から延出し得る。チルト駆動制御ケーブル延長部はまた、一対のフタバJコネクタが終端をなす6個の導体を有
するリボンケーブルとして形成され得る。
【0080】
カメラ制御装置及びカメラユニット26からの映像信号をカメラ制御ユニット42へ経由させるカメラ検出器ケーブルは好適には、12個のピンを備えると共にブームの全長に沿って連続するケーブルを備え、且つカメラ導管として操作者のベスト20上のカメラ制御ユニットへ連続するヒロシ(Hirosi)ネジ入れ結合丸形コネクタにより提供される。バッテリパックケーブルは好適には接地及びプラス24ボルトタップ並びにプラス12ボルトのセンタータップを備えるように構成される。12及び24ボルトブレイクアウトのために3個のピンコネクタの二番目又は三番目のいずれかのピンにより別個に調整された電圧タップと結合されるエアトロニクスコネクタは、補助要素への不適切な動力接続に対するフェイルセーフを提供することから好ましい。使用者に対する危険及び重大な損傷の可能性を回避するために、バッテリ36は好適には動力の誤経路がバッテリの過負荷又は操作者を危険にさらすその他の状態を引き起こす際には止められる。
【0081】
24ボルト動作制御箱出力延長ケーブルが設けられ得ると共に、好適には動作制御後パネルにおいて結合調整された出力コネクタを備えた22ゲージコンダクタとして構成され、バッテリ端部に地面へのシールド及びエアトロニクスコネクタを有する。その他のケーブル構成も可能であるが、好適には4アンペアを連続で扱うことができなければならない。
【0082】
12ボルトカメラ制御ユニット出力延長部も備えられ得ると共に、バッテリ端部にエアトロニクスコネクタを備え、且つカメラ制御ユニット端部にヒロシ4ピン出力コネクタを備えて構成され得る。
【0083】
カメラ制御ユニットを経由される映像信号は次に好適にはS映像ケーブルを使用してVCR38に伝達される。映像信号供給物はまたモニタゴーグル44に供給されると共に、好適には適切なアダプタを備えたRCA映像ケーブルを経由される。
【0084】
ゴーグル44は好適にはVCRの一時停止/録画状態を監視するためにタリーランプが備えられる。ゴーグルに好適には種々のVCR状態を表す2色LEDが備えられるならば、ゴーグル端部で終端をなし、動作制御箱の後パネルからフタバJコネクタにより接続される2色LED赤及び緑を備えた3コンダクタAWG#26被覆ケーブルが好ましい。
【0085】
VCRの録画及び一時停止は、例えば動作制御箱を経由してジョイスティック58を介して制御され得る。動作制御パネルは確立されたLANCプロトコールに従ったLANCケーブルを介して制御信号をVCR38に供給し得る。
【0086】
図9を参照すると、ハンドルモジュール14は任意で、末端ジョイスティック制御装置58に加えて或いは代えて、先端即ち前方ジョイスティック制御装置184を備え得る。カメラ動作又はカメラ操作は次に前方及び後方ジョイスティック制御装置184、58の間で分けられ得る。例えば、1個のジョイスティックがチルトを制御しつつ、他方はパンを制御し得る。或いは、一方はパン及びチルトの両方の制御専用にされつつ、他方は焦点及び絞り制御専用にされ得る。ジョイスティックは多くの利用可能なジョイスティック制御装置の中のいかなるものでも選択され得るが、好適にはCHプロダクツ(Products)から入手可能な超小型の2軸―3チャンネル(2比例及び1スイッチ)ジョイスティックシステムを含む。先端ジョイスティックアセンブリは、例えば本明細書において後で記載する基板アセンブリに応じて、一対のジョイスティック取り付けブラケットを含み得る。ブラケットは各々、3.175ミリメートル(1/8インチ)の厚さの標準密度5プライ、6.35ミリメートル(1/4インチ)の厚さの低密度5プライ、及び直角にエポキシ樹脂接合された3.175ミリメートル(1/8インチ)の厚さの標準密度5プラ
イ合板を含む一連の木板から成り、ビームに対する水平面においてブラケットの最も中心から離れた板はパン軸と垂直であると共に、水平板に従属して次の構造体の長手方向位置調整を6.35ミリメートル(1/4インチ)のナイロン製締りねじ及び締りナットにより可能にするために、ビームの長手軸と平行な6.35ミリメートル(1/4インチ)幅の切欠を有する。水平面に好適には3.175ミリメートル(1/8インチ)の標準密度5層から構成される第2対の横方向調整可能な合板は各々ビームの長手軸に対して横方向に構成される3組の平行な6.35ミリメートル(1/4インチ)の切欠を有し、上記取り付けブラケットに従属すると共に、水平面内における横方向及び回転方向の調整を可能にする。固定具はまた好適には、3.175ミリメートル(1/8インチ)の標準密度5プライ合板から構成されると共に、6.35ミリメートル(1/4インチ)のナイロン製締りねじ及び締まりナットにより、垂直方向に配向された、好適にはジョイスティック取付固定具のチルト調整を可能にするためにジョイスティック取付固定具の各端部に配置される3.175ミリメートル(1/8インチ)の標準密度5プライ合板を介して横方向調整板に従属する。
【0087】
基板アセンブリは一対の板を含み得る。図示する末端基板は好適には、3個の薄肉ステンレス鋼インサートを備えた一層の6.35ミリメートル(1/4インチ)標準密度5プライ合板から構成され、インサートは各々、サイズ#8の締め付けボルトに適した内径を有する。締め付けボルトはハンドル管のための小誤差摩擦嵌合22.2ミリメートル(7/8インチ)直径中心孔の周りに均等に周方向に離間させられ、且つペーサテクノロジーから入手可能な、「Z−Poxy」積層樹脂及び1〜1室温硬化を有する硬化剤のマトリックスを備え、小片の垂直方向中心線に対して両面が45度バイアスした平織りEガラス繊維表皮積層により補強される。前方のより大きな基板は好適には、3.175ミリメートル(1/8インチ)の厚さの標準密度5プライ合板から形成され、穴パターンにより小さな基板の穴に適合する3個の薄肉スチールインサートを備えると共に、ビームモジュールねじ入れロッドに適した大きめのクリアランス内径及びビームモジュール端インサートの穴パターンと一致する穴パターンを有する肉厚アルミニウム製インサートとを備える。前基板はまたハンドル管のための小誤差摩擦嵌合22.2ミリメートル(7/8インチ)直径穴と、6個の大きく且つ均等に離間させられた質量減少穴と、前ジョイスティックアセンブリ等の制御要素を取り付ける、周縁周り(好適には板の端縁から中心に16ミリメートル)に均等に離間させられた6.35ミリメートル(1/4インチ)の直径の固定具のための3個のクリアランス穴と、「Z−Poxy」積層樹脂のマトリックスを備え、小片の両面において垂直中心線に対して45度バイアスした平織りEガラス繊維表皮積層とを含む。
【0088】
本発明の態様に係る特徴を有する種々の要素の構成及び作用についての特定の詳細を上記明細書に記載してきたが、かかる開示は当該技術分野に属する者が本発明の対象に関連する種々の要素及びアセンブリを製造及び使用することを可能にすると共に、発明出願時に本発明者が有した種々の選択を開示することを意図するに過ぎない。本開示は本発明の範囲を限定することを意図しておらず、また要素及びアセンブリの種々の代替物は本開示を鑑みて容易に理解され得る。従って、本発明の範囲は上記の詳細な説明から決定されるべきではなく、むしろ以下の請求項の解釈及び記載された発明の対象の様々な説明から決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一人の操作者により使用及び支持される遠隔操作カメラ位置決めシステムであって、
該カメラを支持する先端カメラ取付具を有するカメラ位置決め装置と、該カメラ位置決め装置は操作者が前記カメラ位置決め装置を支持し且つ該カメラ位置決め装置を介して空間的に前記カメラを操作することを可能にする末端操作者接点を有し、
少なくとも1個の長手状ビームモジュールを含む前記位置決め装置と、該ビームモジュールは操作者接点の先端且つカメラ取付け具の末端に配置され、
前記ビームモジュールの中立軸から半径方向に転位しており且つ該中立軸と略平行に延在する複数の別個の縦通材を有する前記ビームモジュールとを含み、
前記ビームモジュールの断面曲げ剛性は第1断面曲げ剛性から第2断面曲げ剛性へ末端方向に向かうに従って減少し、第2断面曲げ剛性よりも大きい第3断面曲げ剛性へ増加し、次に末端方向に向かうに従って第4断面曲げ剛性へ減少する
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記縦通材は前記ビームモジュールのほぼ全長にわたって延在することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1断面曲げ剛性及び第3断面曲げ剛性は略等しく、且つ第2断面曲げ剛性及び第4断面曲げ剛性は略等しいことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
第1断面曲げ剛性は第3断面曲げ剛性よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
第2断面曲げ剛性は第4断面曲げ剛性よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ビームモジュールは末端ビームモジュール及び分離した先端ビームモジュールを含み、第1断面曲げ剛性及び第2断面曲げ剛性は該末端ビームモジュールの全長に沿って生じ、第3断面曲げ剛性及び第4断面曲げ剛性は該先端ビームモジュールの全長に沿って生じることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記末端ビームモジュール及び先端ビームモジュールの各々は更に分離した複数の縦通材を含み、該縦通材は各ビーム部の中立軸から離れた位置に配置されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記末端ビームモジュールの縦通材は第1断面積を有し、前記先端ビームモジュールの縦通材は第1断面積よりも小さい第2断面積を有することを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記末端ビームモジュールの縦通材及び前記末端ビームモジュールの縦通材は略それぞれの端部において取り外し可能に接続されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記末端ビームモジュール及び先端ビームモジュールは手及び工具の少なくとも1個により取り外し可能に接続されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記末端ビームモジュール及び先端ビームモジュールの少なくとも1個は固定筋交部分及び安定化ウェブ部分を有し、該固定筋交部分は略長手方向に延在すると共に前記複数の縦通材の近接するものと横方向に接合する少なくとも1個の固定筋交を含み、安定化ウェ
ブ部分は略長手方向に延在すると共に複数の縦通材の近接するものと横方向に接合する少なくとも1個の安定化ウェブを含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
各固定筋交部分はそれぞれの固定筋交部分に多角形断面を備えるように接合された少なくとも3個の固定筋交を含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
各安定化ウェブ部分はそれぞれの安定化ウェブに多角形断面を備えるように接合された少なくとも3個の安定化ウェブ材料パネルを含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
各固定筋交部分及び各安定化ウェブ部分の多角形断面は三角形であることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
各固定筋交及び各安定化ウェブはそれぞれのビームモジュールの中立軸から離れて設けられることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1断面曲げ剛性は前記末端ビームモジュールの固定筋交部分内に生じ、前記第2断面曲げ剛性は前記末端ビームモジュールの安定化ウェブ部分内で生じ、前記第3断面曲げ剛性は前記先端ビームモジュールの固定筋交部分内で生じ、前記第4断面曲げ剛性は前記先端ビーム部の安定化ウェブ部分内で生じることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記末端ビームモジュールの固定筋交部分は第1厚さを有する少なくとも1個の末端固定筋交を有し、前記先端ビームモジュールの固定筋交部分は第1厚さよりも小さい第2厚さを有する少なくとも1個の先端固定筋交を有することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記末端ビームモジュールの安定化ウェブ部分は第1厚さを有する少なくとも1個の末端安定化ウェブを有し、前記先端ビームモジュールの安定化ウェブ部分は第1厚さよりも小さい第2厚さを有する少なくとも1個の先端安定化ウェブを有することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1個の固定筋交は炭素繊維エポキシ樹脂複合材の表皮層が少なくとも部分的に積層された合板基材から構成されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記木質基材の一次木目は前記ビームモジュールの中立軸と略平行するように配向されることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記炭素繊維複合材の主繊維軸は前記ビームモジュールの中立軸を略横切ることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記固定筋交は炭素繊維布及びエポキシ樹脂複合材のコンフォーマル層を備えた近接する縦通材に接合され、該コンフォーマル層の一次繊維軸は前記ビームモジュールの中立軸に対して略45度バイアスすることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項23】
前記固定筋交は切り抜きを有し、1個以上のX形状部を有した平坦な断面を形成することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項24】
前記安定化ウェブの材料は前記固定筋交の材料よりも密度が低いことを特徴とする請求
項11に記載のシステム。
【請求項25】
前記安定化ウェブ材料は延伸ポリプロピレン(EPP)を含むことを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記安定化ウェブは複数のパネルとして構成され、各パネルは前記少なくとも1個の固定筋交よりも厚さが大きいことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項27】
前記ビームモジュールの長手方向に沿って、前記安定化ウェブ部部分の全長は前記固定筋交部分の全長よりも長いことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項28】
少なくとも1個の縦通材は炭素繊維プルトルードとして構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記先端カメラ取付具は前記カメラを前記先端ビームモジュールに移動可能に取り付ける前端モジュールであり、該前端モジュールはパン/チルトアセンブリ及びパン/チルト支持アセンブリを含み、該パン/チルト支持アセンブリは先端ビームモジュールと接続すると共にパン/チルトアセンブリを支持し、該パン/チルトアセンブリは前記カメラを支持すると共に該カメラの光軸が先端ビームモジュールの長手軸に対してパン及びチルトするのを許容することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記パン/チルト支持アセンブリは、
前記ビームモジュールの最先端に接続されると共に、該最先端から略長手方向に延在するパン駆動プラットフォームと、
該パン駆動プラットフォームの先端に接続されるパン軸受け頭部と、前記パンチルトアセンブリは前記ビームモジュールの長手軸を横断する該パン軸受け頭部に回転可能に従属し、
前記ビームモジュールに接続されると共に該ビームモジュールから延在し、且つ前記パン軸受け頭部に略近接する前記パン駆動プラットフォームと接続する1個以上の支持脚とを含み、前記パン/チルト支持アセンブリはカメラ視野の妨害を最小化するために、前記ビームモジュールから該パン/チルトアセンブリとの支持接合点まで先細になることを特徴とする請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記パン軸受け頭部を前記パン駆動プラットフォームと接続するパン軸受け頭部支持フランジを更に含むことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記パン駆動プラットフォームに従属し該パン駆動プラットフォームの長さ方向に沿って延在する横方向指示支柱を更に含むことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
手及び工具の少なくとも1個により前記パン駆動プラットフォーム及び前記支持脚を前記ビームモジュールのそれぞれの縦通材に調整可能に接続する角ブラケットを更に含むことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項34】
前記パン駆動プラットフォーム及び支持脚の少なくとも2個は少なくとも1個の横方向補強材により、それらの末端近くで相互に接合されることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項35】
前記パン駆動プラットフォームに取り付けられるパン駆動モータと、該パン駆動モータにより回転させられるパン駆動スプロケットと、該パン駆動スプロケットにより駆動されるパン駆動チェーンと、該パン駆動チェーンにより駆動されるパン軸ギアディスクと、前
記パン軸受け頭部上に回転可能に取り付けられると共に手及び工具の少なくとも1個により該パン軸受け頭部に対して垂直方向に調整可能であり、且つ該パン軸ギアディスクにより回転させられるパン軸と、前記前端モジュールの可動部品の質量中心は前記位置決め装置の中立軸と略一致するように垂直方向に調整され得、前記パン/チルトアセンブリを装着するためにパン軸に取り付けられるパン―チルト吊り板とを含むパン駆動アセンブリを更に含むことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項36】
手及び工具の少なくとも1個により前記パン駆動チェーンの張力を調整するために前記パン駆動プラットフォームに移動可能に取り付けられるパン駆動取付及び張力調整板を更に含むことを特徴とする請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記パンチルトアセンブリは、
前記パン軸受け頭部に回転可能に取り付けられると共に手及び工具の少なくとも1個により該パン軸受け頭部に対して横方向に調整可能なパン架台と、前記前端モジュールの可動部品の質量中心は前記位置決め装置の中立軸と略一致するように横方向に調整され得、
前記パン架台により支持されるチルト架台と、
チルト駆動アセンブリとを含み、該チルト駆動アセンブリは、
該チルト架台に固定されるチルト駆動モータと、
該チルト駆動モータの出力軸に設けられるチルト駆動スプロケットと、
前記パン架台に固定されるチルト駆動ギアディスクと、
前記チルト駆動スプロケット及びチルト駆動ギアディスクとの間に接続され、前記チルト駆動モータの駆動に対応して該チルト架台を回転させるチルト駆動チェーンとを含むことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項38】
前記チルト駆動モータ及びチルト駆動スプロケットを支持するチルト駆動モータ取付板を更に含み、該チルト駆動モータ取付板は前記チルト駆動チェーンの張力を調整するために、手及び工具の少なくとも1個により前記チルト架台に調整可能に接続されることを特徴とする請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記パン架台は基板及び横方向に延在する2個のフランジを備えた溝として整形され、該基板は前記パンチルト吊り板に接続されると共に、前記チルト架台は該2個のフランジ間に回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記チルト架台は基板及び横方向に延在する2個のフランジを備えた溝として整形され、前記カメラは該基板に取り付けられ、且つ該2個のフランジは前記パン架台のフランジ間に回転可能に取り付けられると共に、手及び工具の少なくとも1個により該パン架台のフランジに対して滑動調整可能であり、前記前端モジュールの可動部品の質量中心は前記位置決め装置の中立軸と略一致するように滑動調整され得ることを特徴とする請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記パン架台及びチルト架台各々の基板及びフランジはスパン方向一次木目配向を備えた低密度3プライ合板芯材から構成され、該芯材はその芯材の一次木目方向に対してバイアスした平織り炭素繊維布の第1層と、スパン方向に配向された非配向性炭素繊維トウの第2層と、ガラス繊維の第3層とが積層され、フランジの合板芯材は基板の合板芯材よりも薄いことを特徴とする請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記末端操作者接点はハンドルモジュールを含み、該ハンドルモジュールは前記ビームモジュールから末端方向に延在するハンドル軸と、該ハンドル軸に移動可能に取り付けられるハンドルグリップとを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項43】
前記ハンドルグリップは前記ハンドル軸に滑動可能に取り付けられることを特徴とする請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記ハンドルグリップは前記ハンドル軸に回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項42に記載のシステム。
【請求項45】
前記ハンドル軸は前記ハンドル軸に滑動可能且つ回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項42に記載のシステム。
【請求項46】
前記ハンドルモジュールは更に、前記ハンドル軸の末端近くに取り付けられて前記位置決め装置を回転させるグリップリングを含むことを特徴とする請求項42に記載のシステム。
【請求項47】
前記ハンドルモジュールは更に前記ハンドル軸に回転可能に取り付けられるハンドルグリップを含み、該ハンドルグリップは該ハンドル軸が前記グリップリングを介して回転させられる際に静止状態が維持され得ることを特徴とする請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記ハンドルグリップはまた前記ハンドル軸に滑動可能に取り付けられることにより、前記位置決め装置の該ハンドルグリップに対する選択的な軸方向移動が許容されると共に、前記ハンドルグリップリングを介した前記位置決め装置の回転が許容されることを特徴とする請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記ハンドルモジュールはカメラチルト及びカメラパンの少なくとも1個を制御する手動制御装置と、その末端にある制御装置籠とを含み、該制御装置籠は空洞内部を備え、前記カメラ制御装置は前記制御装置籠の空洞内部に載置されるが、操作者の手により接近可能であり、前記位置決め装置と相互に作用することを特徴とする請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記カメラ制御装置はジョイスティックを含むことを特徴とする請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記制御装置籠は前記ハンドル軸に作動的に接続された周縁方向に離間するリブにより画定され、該リブはそれらの間に間隙を備えると共に開放末端を備えることを特徴とする請求項49に記載のシステム。
【請求項52】
末端ハンドルグリップは前記リブの末端を覆うと共にそれら端部を接合し、且つ前記制御装置籠の末端開放端への接近を許容する開口をグリップ内に画定することを特徴とする請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記ハンドル軸は前記ビームモジュールに確実に固定されることを特徴とする請求項42に記載のシステム。
【請求項54】
前記ビームモジュールは前記固定筋交部分の末端に少なくとも1個の基板を含むと共に、固定筋交部分内においてより先端にハンドル端板を含み、前記ハンドルは該基板及びハンドル端板により固定されることを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記ビームモジュールは基板アセンブリを含み、該基板アセンブリは末端板及び先端基板を含み、該先端基板は発泡フォームとの摩擦嵌合を介してその基板を前記ハンドル軸に沿った移動に対して固定するために該発泡フォームを加圧し、該基板アセンブリは手及び工具の少なくとも1個により調整可能に加圧されることを特徴とする請求項53に記載の
システム。
【請求項56】
末端基板板及び先端基板板の一方は他方よりも大きく、大きい方は更なる操作者接合面をも備えた質量減少穴を備えることを特徴とする請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記ハンドルモジュールはパン及びチルトの一方を制御する先端手動制御装置と、前記基板に接続される調整カメラ制御装置取付具を更に含み、前記第2手動制御装置はカメラ制御装置取付具に取り付けられると共に、手及び工具の少なくとも1個により前記ハンドル軸に対して位置調整可能であることを特徴とする請求項55に記載のシステム。
【請求項58】
ホワイトバランス、ゲイン、同調化、ブラックバランス、シーンファイル選択、色むら補正、ガンマ、及びシャッタ操作を含むグループからの少なくとも1つを制御する制御回路を有するカメラ制御ユニットを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項59】
前記カメラ取付具及びカメラの間に作動的に接続されるパン駆動モータ及びチルト駆動モータと、該パン駆動モータ及びチルト駆動モータを作動させるために制御入力を処理する制御エレクトロニクスを有するカメラ動作制御装置とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項60】
ホワイトバランス、ゲイン、同調化、ブラックバランス、シーンファイル選択、色むら補正、ガンマ及びシャッタ操作を含むグループからの少なくとも1つを制御する制御回路を有するカメラ制御ユニットと、前記カメラ取付具及びカメラの間に作動的に接続されるパン駆動モータ及びチルト駆動モータと、該パン駆動モータ及びチルト駆動モータを作動させるために制御入力を処理する制御エレクトロニクスを有するカメラ動作制御装置とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項61】
前記カメラにより生成させられた映像を記憶する記録装置を更に含み、該記録装置は該カメラからの信号を受信するために該カメラに作動的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項62】
前記記録装置は前記カメラから遠隔に配置されることを特徴とする請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記記録装置を前記操作者に取り付ける記録装置アタッチメントを更に含むことを特徴とする請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
支持システム衣服を更に含み、該衣服はカメラの出力フォーマットに適合する少なくとも1個のビデーレコーダと、少なくとも前記カメラに電力を供給するバッテリと、制御回路を有しホワイトバランス、ゲイン、同調化、ブラックバランス、シーンファイル選択、色むら補正、ガンマ、シャッタ操作を含むグループからの少なくとも1つを制御するカメラ制御ユニットと、カメラ動作をカメラ取付具に対して制御する回路を有するカメラ動作制御ユニットの少なくとも1個を操作者に格納するポケットを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項65】
支持システム衣服は操作者の背中にバッテリ格納するポケットを備えることを特徴とする請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
支持システム衣服はベストであることを特徴とする請求項64に記載のシステム。
【請求項67】
ベストは少なくとも1個のユーザマニュアルのためのポケットを備えることを特徴とす
る請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記カメラのチルト動作を許容するために前記カメラ取付具及び位置決め装置を回転可能に接続するチルト軸管と、該カメラから前記操作者接点まで延在するケーブルとを更に含み、該ケーブルは該チルト軸管を経由させられると共に、カメラ電力ケーブル、カメラ制御ケーブル及び映像信号ケーブルを含むグループからの少なくとも1個のケーブルを含み、該ケーブルはカメラの動作範囲及び視野との干渉を最小化するように経由させられることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項69】
前記カメラのパン動作を許容するために前記カメラ取付具及び位置決め装置の間を回転可能に接続するパン軸管を更に含み、前記ケーブルは該パン軸管を経由させられ、該ケーブルはカメラの動作範囲及び視野との干渉を最小化するように経由させられることを特徴とする請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記カメラのパン動作を許容するために前記カメラ取付具及び位置決め装置の間を回転可能に接続するパン軸管と、該カメラから前記操作者接点まで延在するケーブルとを更に含み、該ケーブルは該パン軸管を経由させられると共に、カメラ電力ケーブル、カメラ制御ケーブル及び映像信号ケーブルを含むグループからの少なくとも1個のケーブルを含み、該ケーブルはカメラの動作範囲及び視野との干渉を最小化するように経由させられることを特徴とする請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−209735(P2011−209735A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103155(P2011−103155)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【分割の表示】特願2006−507136(P2006−507136)の分割
【原出願日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(503198976)
【氏名又は名称原語表記】HARRIS,Thomas H.S.
【Fターム(参考)】