説明

ピリダジン化合物ならびにその用途

【課題】
植物病害に対して優れた防除効力を有する化合物を提供すること。

【解決手段】
式(1)


〔式中、R1は塩素原子、臭素原子又はC1−C4アルコキシ基を表し、R2はC1−C4アルキル基を表し、R3はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等を表し、mは0〜5の整数を表し、R4はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基等を表し、R5はニトロ基、シアノ基等を表し、nは0〜4の整数を表す。〕で示されるピリダジン化合物は植物病害に対して優れた防除効力を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はピリダジン化合物ならびにその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、殺菌剤の有効成分として多くの化合物が開発され、いくつかは実用に供されている。しかしながら、それらの化合物の植物病害に対する殺菌効力は必ずしも十分でない場合があり、植物病害に対する殺菌効力を有する新たな化合物が求められている。
また、ある種のフェニル置換ピリダジノン化合物が知られている。(例えば、特許文献1に記載の化合物)
【特許文献1】特表2003−516925号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は植物病害に対して優れた殺菌効力を有する化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者等は、植物病害に対して優れた防除活性を有する化合物を見出すべく鋭意検討した結果、式(1)で示されるピリダジン化合物が優れた植物病害防除活性を有することを見出した。
即ち、本発明は式(1)

〔式中、R1は塩素原子、臭素原子又はC1−C4アルコキシ基を表し、R2はC1−C4アルキル基を表し、R3はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表し、mは0〜5の整数を表し、mが2以上の整数である場合、R3の各々は同一又は相異なる。R4はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基を表し、R5はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基を表し、nは0〜4の整数を表し、nが2以上の整数を表す場合、R5の各々は同一又は相異なる。〕
で示されるピリダジン化合物(以下、本発明化合物と記す。)、本発明化合物を有効成分として含有することを特徴とする殺菌剤及び本発明化合物の有効量を植物又は植物を栽培する土壌に施用することを特徴とする植物病害の防除方法を提供する。
【0005】
また、更に本発明化合物を製造するにおいて有用な中間体である、式(2)

〔式中、R2、R3、m、R4、R5及びnは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物、式(1−3)

〔式中、R1、R2、m、R4、R5及びnは前記と同じ意味を表し、R31はハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表す。mが2以上の整数である場合、R31の各々は同一又は相異なる。〕
で示される化合物、及び式(3)

〔式中、R2、R3、m、R4、R5及びnは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物をも提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明化合物を用いることにより、植物病害を防除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明において、R1、R2、R3、R31、R4及びR5としては、下記の基が挙げられる。
1で示されるC1−C4アルコキシ基としては、例えばメトキシ基及びエトキシ基があげられる。
2で示されるC1−C4アルキル基としては、例えばメチル基及びエチル基があげられる。
3及びR31で示されるハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基及びフルオロメチル基があげられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、フルオロメトキシ基、クロロジフルオロメトキシ基、ブロモジフルオロメトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基及び2,2,2−トリフルオロエトキシ基があげられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基としては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基及び1,1,2,2−テトラフルオロエチルチオ基があげられる。
3、R31、R4及びR5で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子および沃素原子があげられる。
4及びR5で示される、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基及びフルオロメチル基があげられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基およびフルオロメトキシ基があげられる。
【0008】
4および(R5nで置換されたフェニル基としては、例えばnが0である2−クロロフェニル基、2−フルオロメチル基、2−ニトロフェニル基、2−シアノフェニル基、2−メチルフェニル基、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−メトキシフェニル基、2−(ジフルオロメトキシ)フェニル基、2−(トリフルオロメトキシ)フェニル基;nが1である2,3−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基、4−クロロ−2−フルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−6−フルオロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、
2−フルオロ−6−メチルフェニル基、2−フルオロ−6−ニトロフェニル基、2−シアノ−6−フルオロフェニル基、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−(ジフルオロメトキシ)−6−フルオロフェニル基、2−フルオロ−6−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、2−フルオロ−6−メトキシフェニル基;nが2である2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,3,5−トリフルオロフェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2−クロロ−4,6−ジフルオロフェニル基、4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロ−4−エトキシフェニル基、2,6−ジフルオロー4−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロ−6−フルオロフェニル基、2,6−ジクロロ−4−フルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,6−ジフルオロ−4−シアノフェニル基、2,6−ジフルオロ−4−ニトロフェニル基、2,6−ジフルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ジフルオロ−3−クロロフェニル基;nが3である2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,6−テトラフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基;nが4である2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、4−メトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、4−エトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、4−ニトロ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基及び4−クロロ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基があげられる。
【0009】
(R3mで置換されたフェニル基としては、例えばmが0であるフェニル基;mが1である4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、4−ニトロフェニル基、4−シアノフェニル基、4−(メチルチオ)フェニル基、4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル基;mが2である2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、4−クロロ−2−フルオロフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基及び3,4−ジメトキシフェニル基があげられる。
【0010】
本発明化合物の態様としては、例えば以下のピリダジン化合物があげられる。
式(1)において、R1が塩素原子又は臭素原子であるピリダジン化合物;
式(1)において、R1がC1−C4アルコキシ基であるピリダジン化合物;
式(1)において、R1が塩素原子であり、R2がメチル基であるピリダジン化合物;
式(1)において、R1がメトキシ基であり、R2がメチル基であるピリダジン化合物;
【0011】
式(1)において、R3がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基又はハロゲン原子であるピリダジン化合物;
式(1)において、R3がC1−C4アルキル基又はハロゲン原子であるピリダジン化合物;
式(1)において、R3がメチル基、トリフルオロメチル基、塩素原子、フッ素原子又はメトキシ基であるピリダジン化合物;
式(1)において、R3がメチル基、塩素原子又はフッ素原子であるピリダジン化合物;
【0012】
式(1)において、mが1又は2であるピリダジン化合物;
式(1)において、mが1であるピリダジン化合物;
式(1)において、mが2であるピリダジン化合物;
式(1)において、mが1であり、R3がベンゼン環4位の置換基であるピリダジン化合物;
式(1)において、mが1であり、R3がハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基であり、R3がベンゼン環4位の置換基であるピリダジン化合物;
式(1)において、mが1であり、R3がハロゲン原子又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基であり、R3がベンゼン環4位の置換基であるピリダジン化合物;
式(1)において、mが1であり、R3がハロゲン原子又はC1−C4アルキル基であり、R3がベンゼン環4位の置換基であるピリダジン化合物;
式(1)において、mが1であり、R3がメチル基、トリフルオロメチル基、塩素原子、フッ素原子又はメトキシ基であり、R3がベンゼン環4位の置換基であるピリダジン化合物;
式(1)において、mが1であり、R3がメチル基、塩素原子又はフッ素原子であり、R3がベンゼン環4位の置換基であるピリダジン化合物;
【0013】
式(1)において、R4がハロゲン原子であるピリダジン化合物;
式(1)において、R4がフッ素原子であるピリダジン化合物;
式(1)において、R4が塩素原子であるピリダジン化合物;
式(1)において、R4がフッ素原子又は塩素原子であるピリダジン化合物;
式(1)において、nが0、1又は2であるピリダジン化合物;
式(1)において、nが0であるピリダジン化合物;
式(1)において、nが1であるピリダジン化合物;
式(1)において、nが2であるピリダジン化合物;
式(1)において、nが1又は2であり、R5がハロゲン原子であるピリダジン化合物;
式(1)において、nが1であり、R5がハロゲン原子であり、R5がベンゼン環4位又は6位の置換基あるピリダジン化合物;
式(1)においてnが2であり、R5がハロゲン原子であり、R5がベンゼン環4位及び6位の置換基であるピリダジン化合物;
式(1)において、nが1であり、R5がフッ素原子であり、R5がベンゼン環4位又は6位の置換基あるピリダジン化合物;
式(1)においてnが2であり、R5がフッ素原子であり、R5がベンゼン環4位及び6位の置換基であるピリダジン化合物;
【0014】
式(1)において、R4がハロゲン原子であり、nが1又は2であり、R5がハロゲン原子であるピリダジン化合物;
式(1)において、nが1であり、R4がハロゲン原子であり、R5がハロゲン原子であり、R5がベンゼン環4位又は6位の置換基であるピリダジン化合物;
式(1)において、nが2であり、R4がハロゲン原子であり、R5がハロゲン原子であり、R5がベンゼン環4位及び6位の置換基であるピリダジン化合物;
式(1)において、nが1であり、R4がフッ素原子であり、R5がフッ素原子であり、R5がベンゼン環4位又は6位の置換基であるピリダジン化合物;
式(1)において、nが2であり、R4がフッ素原子であり、R5がフッ素原子であり、R5がベンゼン環4位及び6位の置換基であるピリダジン化合物;
式(1)において、mが1又は2であり、nが0、1又は2であるピリダジン化合物;
式(1)において、R1が塩素原子又は臭素原子であり、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子であるピリダジン化合物;
式(1)において、mが1又は2であり、nが0、1又は2であり、R1が塩素原子又は臭素原子であり、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子であるピリダジン化合物。
【0015】
本発明化合物の中間体である式(2)で示される化合物、式(1−3)で示される化合物及び式(3)で示される化合物の態様としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0016】
式(2)で示される化合物の態様としては例えば以下のものが挙げられる。
式(2)において、mが1又は2であり、nが0、1又は2である化合物;
式(2)において、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子である化合物;
式(2)において、mが1又は2であり、nが0、1又は2であり、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子である化合物。
【0017】
式(1−3)で示される化合物の態様としては例えば以下のものが挙げられる。
式(1−3)において、mが1又は2である化合物;
式(1−3)において、R1が塩素原子又は臭素原子であり、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子である化合物;
式(1−3)において、mが1又は2であり、R1が塩素原子又は臭素原子であり、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子である化合物。
【0018】
式(3)で示される化合物の態様としては例えば以下のものが挙げられる。
式(3)において、mが1又は2であり、nが0、1又は2である化合物;
式(3)において、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子である化合物;
式(3)において、mが1又は2であり、nが0、1又は2であり、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子である化合物。
【0019】
次に、本発明化合物の製造法について説明する。
本発明化合物は、例えば以下の(製造法1)、(製造法2)又は(製造法3)により製造することができる。
【0020】
(製造法1)
本発明化合物のうち、R1が塩素原子又は臭素原子である式(1−1)で示される化合物は、例えば式(2)で示される化合物をハロゲン化剤で処理することにより製造することができる。

〔式中、R2、R3、m、R4、R5及びnは前記と同じ意味を表し、R11は塩素原子または臭素原子を表す。〕
該反応は、溶媒の非存在下または存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合物があげられる。
該反応に用いられるハロゲン化剤としては、例えば、オキシ塩化リン、五塩化リン、等の塩素化剤及びオキシ臭化リン、五臭化リン等の臭素化剤があげられるが、塩素化剤どうし或いは臭素化剤どうしの混合物であってもよい。
該反応に用いられるハロゲン化剤の量は、式(2)で示される化合物1モルに対して、通常1〜20モルの割合である。
該反応の反応温度は通常20〜120℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜8時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を濃縮し、得られた残渣と水とを混合してから有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の操作を行うことにより、式(1−1)で示される化合物を単離することができる。単離された式(1−1)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0021】
(製造法2)
本発明化合物のうち、R1がC1−C4アルコキシ基である式(1−2)で示される化合物は、例えば式(1−1)で示される化合物を、式
NaR12
〔式中、R12はC1−C4アルコキシ基を表す。〕
で示されるアルコラート化合物と反応させることにより製造することができる。

〔式中、R11、R2、R3、m、R4、R5、n及びR12は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒中で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類及びこれらの混合物があげられる。
該反応に用いられるアルコラート化合物の量は、式(1−1)で示される化合物1モルに対して、通常1〜20モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜120℃の範囲であり、反応時間は通常1〜72時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物と水とを混合してから有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の操作を行うことにより、式(1−2)で示される化合物を単離することができる。単離された式(1−2)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0022】
(製造法3)
本発明化合物のうち、式(1−4)で示される化合物は、式(1−3)で示される化合物を、(1)亜硝酸アルキル(例えば、亜硝酸tert-ブチル、亜硝酸イソアミル)および(2)ハロゲン化銅(II)(例えば、CuCl2またはCuBr2)と処理することにより製造することもできる。

〔式中、R1、R2、R31およびmは前記と同じ意味を表し、R13は塩素原子または臭素原子を表す。〕
該反応は、通常溶媒中で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等があげられる。
該反応に用いられる亜硝酸アルキル及びハロゲン化銅(II)の量は、式(1−3)で示される化合物1モルに対して、各々通常1〜2モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物と水とを混合してから有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の操作を行うことにより、式(1−4)で示される化合物を単離することができる。単離された式(1−4)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0023】
次に、本発明化合物の中間体の製造例を、参考製造例として示す。
(参考製造法1)

〔式中、R2、R3、m、R4、R5及びnは前記と同じ意味を表す。〕
式(2)で示される化合物は、例えば式(3)で示される化合物とヒドラジンとを反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒中で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類及びこれらの混合物があげられる。
該反応において、ヒドラジンとしてはヒドラジンの水和物を用いることができる。
該反応に用いられるヒドラジンの量は、式(3)で示される化合物1モルに対して通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜120℃の範囲であり、反応時間は通常1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を必要に応じて冷却して析出する固体を濾取する、あるいは、反応混合物を濃縮する等の操作を行うことにより、式(2)で示される化合物を単離することができる。単離された式(2)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0024】
(参考製造法2)
式(3)で示される化合物は、例えば以下のスキームにより製造することができる。

〔式中、R2、R3、m、R4、R5及びnは前記と同じ意味を表す。〕
【0025】
工程(ii−a)
式(6)で示される化合物は、式(4)で示される化合物と式(5)で示される化合物とを、非環状アミン化合物等の塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒中で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類があげられる。
反応に用いられる非環状アミン化合物等の塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等があげられる。
該反応に用いられる式(5)で示される化合物及び非環状アミン化合物等の塩基の量は、式(4)で示される化合物1モルに対して、各々が通常0.8〜1.3モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜48時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物と水とを混合して有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の操作を行うことにより、式(6)で示されるエステル化合物を単離することができる。また、反応混合物をそのまま工程(ii−b)に用いることもできる。
【0026】
工程(ii−b)
式(7)で示される化合物は、式(6)で示される化合物を環状有機アミン化合物等の塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒中で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類があげられる。
反応に用いられる非環状アミン化合物等の塩基としては、例えば1,8−ジアザビシクロ [5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ [4.3.0]ノネ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2]オクタン(トリエチレンジアミン)等の類があげられる。
反応に用いられる非環状アミン化合物等の塩基の量は、式(6)で示される化合物1モルに対して、通常1〜3モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜8時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物と水とを混合して有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の操作を行うことにより、式(7)で示される化合物を単離することができる。また、反応混合物をそのまま工程(ii−c)に用いることもできる。
【0027】
工程(ii−c)
式(3)で示される化合物は、式(7)で示される化合物を酸素と反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒中で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばアセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類があげられる。
該反応に用いられる酸素は、酸素ガスそのものでも、空気等の酸素を含有するガス混合物であってもよい。これらのガスは、通常反応系内に吹き込むことにより用いられる。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物と希塩酸とを混合して有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の操作を行うことにより、式(3)で示される化合物を単離することができる。単離された式(3)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0028】
(参考製造法3)

〔式中、R2、R3及びmは前記と同じ意味を表す。〕
式(4)で示される化合物は、例えば式(8)で示される化合物と臭素とを反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒中で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば酢酸があげられる。
該反応に用いられる臭素の量は、式(8)で示される化合物1モルに対して、通常0.8〜1.3モルの割合である。
該反応の反応温度は通常−10〜40℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
該反応は例えば触媒量の臭化水素酸の存在下に行うこともできる。
反応終了後は、例えば反応混合物を濃縮するか、あるいは、反応混合物と水とを混合して有機溶媒抽出し、得られた有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、乾燥、濃縮する等の操作を行うことにより、式(4)で示される化合物を単離することができる。単離された式(4)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0029】
(参考製造法4)
式(2)で示される化合物のうち、式(2−2)で示される化合物は、式(2−1)で示される化合物を、次式
NaR12
〔式中、R12はC1−C4アルコキシ基を表す。〕
で示されるアルコラート化合物と反応させることにより製造することもできる。

〔式中、R2、R3及びR12は前記と同じ意味を表し、R32は塩素原子、臭素原子、ニトロ基、シアノ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基又はC1−C4アルキルチオ基を表し、pは0、1又は2を表す。〕
該反応は、通常溶媒中で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類及びこれらの混合物があげられる。
該反応に用いられるアルコラート化合物の量は、式(2−1)で示される化合物1モルに対して、通常1〜40モルの割合である。
該反応の反応温度は通常20〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜72時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物と水とを混合してから有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の操作を行うことにより、式(2−2)で示される化合物を単離することができる。単離された式(2−2)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0030】
(参考製造法5)
式(1−3)で示される化合物は、例えば式(1−5)で示される化合物を、還元反応に付することにより製造することができる。

〔式中、R1、R2、R31およびmは前記と同じ意味を表す。〕
該還元反応は、例えば水、酢酸および酢酸エチルの混合溶媒中、鉄の存在下で行われる。
該還元反応に用いられる鉄の量は、式(1−5)で示される化合物1モルに対して、通常4〜10モルの割合である。
該還元反応の反応温度は通常20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物と水とを混合してから有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の操作を行うことにより、式(1−3)で示される化合物を単離することができる。単離された式(1−3)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0031】
次に、本発明化合物の具体例を示す。
式(1−a)で示されるピリダジン化合物。

式(1−b)で示されるピリダジン化合物。

【0032】
式(1−a)又は式(1−b)において、(R3m及びYは〔表1〕〜〔表5〕に示される置換基の組み合わせのうちの一つである。
(但し、表中の(R3)mのカラムにおいて”−”のみでの記載は、mが0であることを表す。)
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
【表4】

【0037】
【表5】

【0038】
次に、本発明化合物の製造中間体の具体例を以下に示す。
式(2−a)で示される化合物;

式(3―a)で示される化合物;

式(6―a)で示される化合物;

式(7―a)で示される化合物;

式(2−a)、式(3−a)、式(6−a)及び式(7−a)における、(R3m及びYは〔表6〕〜〔表10〕に示される置換基の組合わせの一つである。
【0039】
【表6】

【0040】
【表7】

【0041】
【表8】

【0042】
【表9】

【0043】
【表10】

【0044】
式(4―a)で示される化合物;

式(8―a)で示される化合物;

なお、式(4−a)及び式(8−a)において、(R3mは〔表11〕に示される置換基の一つである。
【0045】
【表11】

【0046】
式(5―a)で示される化合物;

なお、式(5−a)において、Yは〔表12〕および〔表13〕に示される置換基の一つである。
【0047】
【表12】

【0048】
【表13】

【0049】
本発明化合物が防除効力を有する植物病害としては例えば次のものがあげられる。
イネのいもち病(Pyricularia oryzae)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani);
ムギ類のうどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Gibberella zeae)、さび病(Puccinia striiformis, P. graminis, P. recondita, P. hordei)、雪腐病(Typhula sp.,Micronectriella nivalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici, U. nuda)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum);
カンキツ類の黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、果実腐敗病(Penicillium digitatum, P. italicum);
リンゴのモニリア病(Sclerotinia mali)、腐らん病(Valsa mali)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria mali)、黒星病(Venturia inaequalis);
【0050】
ナシの黒星病(Venturia nashicola, V. pirina)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum);
モモの灰星病(Sclerotinia cinerea)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp.);
ブドウの黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Glomerella cingulata)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii)、べと病(Plasmopara viticola);
カキの炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Cercospora kaki, Mycosphaerella nawae);
【0051】
ウリ類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp.)、苗立枯病(Pythium sp.);
トマトの輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans);
ナスの褐紋病(Phomopsis vexans)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum);
アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae);
ネギのさび病(Puccinia allii)、ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病(Diaporthe phaseolorum var. sojae);
インゲンの炭そ病(Colletotrichum lindemthianum);
ラッカセイの黒渋病(Cercospora personata)、褐斑病(Cercospora arachidicola);
エンドウのうどんこ病(Erysiphe pisi);
【0052】
ジャガイモの夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans);
イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca humuli);
茶の網もち病(Exobasidium reticulatum);白星病(Elsinoe leucospila)、タバコの赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭そ病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、疫病(Phytophthora nicotianae);
テンサイの褐斑病(Cercospora beticola);
バラの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa);
キクの褐班病(Septoria chrysanthemi−indici)、白さび病(Puccinia horiana);
種々の作物の灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum);ダイコンの黒すす病(Alternaria brassicicola);
シバのダラースポット病(Sclerotinia homeocarpa)、シバのブラウンパッチ病およびラージパッチ病(Rhizoctonia solani)。
【0053】
本発明化合物は、そのものを植物または土壌に施用することによっても、殺菌効力を発揮する。通常は本発明化合物と適当な担体と、必要に応じて用いられる適当な添加物からなる組成物の形態にて用いられる。本発明の殺菌剤は通常、本発明化合物と固体担体および/または液体担体とを混合し、必要に応じて界面活性剤その他の製剤用補助剤を添加して、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、粉剤、粒剤等の製剤として調製して、使用される。
これらの製剤において、本発明化合物は通常0.1〜90重量%含有される。
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えばカオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えばキシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、セロソルブ等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルおよび水が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルモアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤およびポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマ−、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸およびその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤およびPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等の安定化剤が挙げられる。
【0054】
本発明の殺菌剤を植物体に処理することにより、該植物を植物病害から保護する、即ち植物病害を防除することができる。また、本発明の殺菌剤を土壌に処理することにより、該土壌に生育する植物を植物病害から保護する、即ち植物病害を防除することができる。
本発明の殺菌剤を植物体に茎葉処理する場合、又は本発明の殺菌剤を土壌に処理する場合、その処理量は、防除対象植物である作物等の種類、防除対象病害の種類、防除対象病害の発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、10000m2あたり本発明化合物として通常1〜5000g、好ましくは5〜1000gである。
乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常を水で希釈して散布することにより処理する。この場合、本発明化合物の濃度は通常0.0001〜3重量%、好ましくは0.0005〜1重量%の範囲である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
また、本発明の殺菌剤を植物体に処理する場合、該植物の種子の時期に処理することにより、該植物を植物病害から保護することができる。その具体的な方法としては、例えば植物の種子を本発明化合物の濃度が1〜1000ppmに調製した本発明の殺菌剤に種子を浸漬する方法、植物の種子に本発明化合物の濃度が1〜1000ppmの本発明の殺菌剤を噴霧もしくは塗沫する方法、および植物の種子に本発明の殺菌剤を粉衣する方法があげられる。
本発明の植物病害防除方法は、通常本発明の殺菌剤の有効量を病害の発生が予測される植物またはその植物が生育する土壌に処理することにより行われる。
本発明の殺菌剤は通常、農園芸用殺菌剤、即ち畑地、水田、果樹園、茶園、牧草地、芝生地等における植物病害を防除するための殺菌剤として用いられる。
【0055】
本発明の殺菌剤は他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤および/または肥料と共に用いることもできる。
かかる殺菌剤としては、例えば、プロピコナゾール、トリアジメノール、プロクロラズ、ペンコナゾール、テブコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、エポキシコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、マイクロブタニル、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、フルキンコナゾール、トリティコナゾール、ビテルタノール、イマザリル及びフルトリアホール等のアゾール系殺菌化合物;フェンプロピモルフ、トリデモルフ及びフェンプロピジン等の環状アミン系殺菌化合物;カルベンダジム、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル等のベンズイミダゾール系殺菌化合物;プロシミドン;シプロディニル;ピリメタニル;ジエトフェンカルブ;チウラム;フルアジナム;マンコゼブ;イプロジオン;ビンクロゾリン;クロロタロニル;キャプタン;メパニピリム;フェンピクロニル;フルジオキソニル;ジクロフルアニド;フォルペット;クレソキシムメチル;アゾキシストロビン;トリフロキシストロビン;ピコキシストロビン;ピラクロストロビン;N−メチル−α−メトキシイミノ−2−〔(2,5−ジメチルフェノキシ)メチル〕フェニルアセトアミド;スピロキサミン;キノキシフェン;フェンヘキサミド;ファモキサドン;フェナミドン(RP−407213);イプロヴァリカルブ;ベンチアバリカルブ;シアゾファミド;ボスカリド;メトラフェノンおよびシフルフェナミドが挙げられる。
【実施例】
【0056】
以下、本発明を製造例、製剤例および試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
【0057】
まず、本発明化合物の製造例を示す。
製造例1

5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン4.00g及びオキシ塩化リン20mlを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(i)と記す。)4.16gを得た。
本発明化合物(i)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.54(3H,s),6.63(2H,dd,J=7.3,8.5Hz),7.01(2H,d,J=8.7Hz),7.32(2H,d,J=8.7Hz)
【0058】
製造例2

本発明化合物(i)1.01g、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)0.58g及びメタノール6mlを混合し、室温で一日、次いで60℃で一晩攪拌した。反応混合物を室温まで放冷した。反応混合物に水を注加して酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)に付し、5−(4−クロロフェニル)−3−メトキシ−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(ii)と記す。)0.32g及び5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メトキシ−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(iii)と記す。)89mgをそれぞれ得た。
本発明化合物(ii):
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.44(3H,s),4.11(3H,s),6.57(2H,dd,J=7.3,8.7Hz),7.00(2H,d,J=8.5Hz),7.29(2H,d,J=8.5Hz)
本発明化合物(iii):
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.43(3H,s),3.75(3H,s),4.10(3H,s),6.34(2H,d,J=9.0Hz),7.02(2H,d,J=8.5Hz),7.28(2H,d,J=8.5Hz)
【0059】
製造例3

5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン3.50g及びオキシ塩化リン15gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(iv)と記す。)3.68gを得た。
本発明化合物(iv)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.55(3H,s),6.75−6.85(1H,m),7.03(2H,d,J=8.4Hz),7.1−7.2(1H,m),7.32(2H,d,J=8.4Hz)
【0060】
製造例4

5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン185mg及びオキシ塩化リン5gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)に付し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(v)と記す。)161mgを得た。
本発明化合物(v)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.52(3H,s),3.77(3H,s),6.38(2H,dd,J=4,12Hz),7.03(2H,d,J=8Hz),7.31(2H,d,J=8Hz)
【0061】
製造例5

5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロ−4−エトキシフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン0.25g及びオキシ塩化リン5gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)に付し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロ−4−エトキシフェニル)−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(vi)と記す。)0.16gを得た。
本発明化合物(vi)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.40(3H,t,J=7.2Hz),2.52(3H,s),3.96(2H,q,J=7.2Hz),6.36(2H,dd,J=5.2,14.4Hz),7.02(2H,d,J=8.8Hz),7.30(2H,d,J=8.8Hz)
【0062】
製造例6

5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン2.09g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(vii)と記す。)2.10gを得た。
本発明化合物(vii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.53(3H,s),6.8−6.95(2H),6.95−7.05(2H,br),7.33(2H,d,J=8.8Hz)
【0063】
製造例7

5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン1.80g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(viii)と記す。)1.83gを得た。
本発明化合物(viii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.54(3H,s),6.5−6.55(1H、m),6.85−6.95(1H、m),6.95−7.05(2H,br),7.34(2H,d,J=8.4Hz)
【0064】
製造例8

5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロ−4−ニトロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン6.0g及びオキシ塩化リン30gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロ−4−ニトロフェニル)−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(ix)と記す。)6.15gを得た。
本発明化合物(ix)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.57(3H,s),7.03(2H,d,J=8.4Hz),7.33(2H,d,J=8.4Hz),7.75−7.8(2H,m)
【0065】
製造例9

4−(3−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン1.33g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−4−(3−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(x)と記す。)1.33gを得た。
本発明化合物(x)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.56(3H,s),6.8−6.85(1H,m),7.02(2H,d,J=8.4Hz),7.32(2H,d,J=8.4Hz),7.35−7.4(1H,m)
【0066】
製造例10

塩化銅(II)(CuCl2)323mg、亜硝酸tert−ブチル309mg及びアセトニトリル13mlの混合物に氷冷下、4−(4−アミノ−2,6−ジフルオロフェニル)−3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−6−メチルピリダジン732mgを少しずつ加えた。その後、反応混合物を室温で2時間攪拌した。次いで、反応混合物を氷と希塩酸との混合物に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を重曹水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=7:1)に付し、3−クロロ−4−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(xi)と記す。)0.62gを得た。
本発明化合物(xi)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.54(3H,s),6.90(2H,dd,J=4.8,11.6Hz),7.02(2H,d,J=8.4Hz),7.33(2H,d,J=8.4Hz)
【0067】
製造例11

5−(4−クロロフェニル)−4−(2,3―ジフルオロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン3.49g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,3−ジフルオロフェニル)−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(xii)と記す。)3.66gを得た。
本発明化合物(xii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.54(3H,s),6.7−6.8(1H,m),6.95−7.1(3H),7.1−7.2(1H,m),7.29(2H,d,J=8.4Hz)
【0068】
製造例12

5−(4−クロロフェニル)−4−(2,5―ジフルオロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン2.86g及びオキシ塩化リン6.5gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に付し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(xiii)と記す。)2.89gを得た。
本発明化合物(xiii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.54(3H,s),6.7−6.75(1H,m),6.95−7.05(4H),7.33(2H,d,J=8.8Hz)
【0069】
製造例13

5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6―ジフルオロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン7.61g及びオキシ塩化リン40mlを混合し、110℃で4時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(xiv)と記す。)8.52gを得た。
本発明化合物(xiv)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.54(3H,s),6.75−6.85(2H,m),6.9−7.0(3H),7.30(2H,d,J=8.8Hz)
【0070】
製造例14

5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4―ジフルオロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン1.20g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルでと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(xv)と記す。)1.22gを得た。
本発明化合物(xv)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.53(3H,s),6.75−6.85(2H),6.9−7.0(3H),7.29(2H,d,J=8.8Hz)
【0071】
製造例15

4−(2―クロロ−6―フルオロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン2.16g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−4−(2―クロロ−6−フルオロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(xvi)と記す。)2.21gを得た。
本発明化合物(xvi)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.54(3H,s),6.9−7.0(1H,m),7.07(2H,d,J=8.8Hz),7.17(1H,d,J=8.0Hz),7.2−7.3(3H)
【0072】
製造例16

5−(4−クロロフェニル)−4−(2―フルオロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン1.95g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−4−(2―フルオロフェニル)−6−メチルピリダジン(以下、本発明化合物(xvii)と記す。)1.96gを得た。
本発明化合物(xvii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.53(3H,s),6.95−7.1(5H),7.25−7.35(3H)
【0073】
製造例17

5−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン2.36g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(xviii)と記す。)2.34gを得た。
本発明化合物(xviii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.54(3H,s),6.6−6.65(2H,m),7.0−7.1(4H,m)
【0074】
製造例18

5−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン2.06g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(xix)と記す。)2.14gを得た。
本発明化合物(xix)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.55(3H,s),3.80(3H,s),6.55−6.65(2H,m),6.83(2H,d,J=8.4Hz),6.98(2H,d,J=8.4Hz)
【0075】
製造例19

5−(3−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン2.34g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(3−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(xx)と記す。)2.39gを得た。
本発明化合物(xx)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.55(3H,s),6.6−6.7(2H,br),6.96(1H,d,J=7.8Hz),7.09(1H), 7.3−7.35(2H)
【0076】
製造例20

6−メチル−5−フェニル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン1.67g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−6−メチル−5−フェニル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(xxi)と記す。)1.74gを得た。
本発明化合物(xxi)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.54(3H,s),6.55−6.65(2H,m),7.05−7.1(2H),7.3−7.35(3H)
【0077】
製造例21

6−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン19.77g及びオキシ塩化リン100mlを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣にクロロホルムと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−6−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(xxii)と記す。)19.90gを得た。
本発明化合物(xxii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.32(3H,s),2.55(3H,s),6.55−6.65(2H,m),6.94(2H,d,J=8.4Hz),7.12(2H,d,J=8.4Hz)
【0078】
製造例22

5−(3,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン1.75g及びオキシ塩化リン6mlを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−5−(3,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(xxiii)と記す。)1.80gを得た。
本発明化合物(xxiii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.55(3H,s),6.67(2H,br t),6.93(1H,dd),7.20(1H,d),7.43(1H,d)
【0079】
製造例23

6−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン2.43g及びオキシ塩化リン10gを混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで放冷してから減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと氷水とを加え、分液した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、3−クロロ−6−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(以下、本発明化合物(xxiv)と記す。)2.50gを得た。
本発明化合物(xxiv)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.53(3H,s),6.6−6.7(2H,m),7.23(2H,d,J=8.0Hz),7.62(2H,d,J=8.0Hz)
【0080】
次に、本発明化合物の中間体の製造について参考製造例を示す。
参考製造例1

4’−クロロプロピオフェノン10.12g、臭化水素酸(48%水溶液)0.1ml及び酢酸60mlの混合物に窒素雰囲気下、0℃で臭素3.1mlを加え、室温で1時間攪拌した。その後、反応混合物を減圧下濃縮し、2−ブロモ−4’−クロロプロピオフェノン14.34gを得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.90(3H,d,J=6.5Hz),5.22(1H,q,J=6.5Hz),7.46(2H,d,J=8.7Hz),7.97(2H,d,J=8.7Hz)
【0081】
参考製造例2

2−ブロモ−4’−クロロプロピオフェノン14.32g、2,4,6−トリフルオロフェニル酢酸12.08g、アセトニトリル170ml及びトリエチルアミン6.43gを混合し、室温で一晩攪拌した。該混合物に室温でアセトニトリル210mlを加え、次いで0℃に冷却し、DBU21.5gを25分間かけて加えた。該混合物を0℃で2時間攪拌した。その後、得られた混合物に室温で攪拌しながら4.5時間、空気を吹き込んだ。反応混合物に1モル/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、4−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン17.89gを得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.76(3H,s),4.20(1H,br),6.63(1H,br),6.80(1H,br),7.33(2H,d,J=8.7Hz),7.48(2H,d,J=8.7Hz)
【0082】
次に、この製造例に準じて製造した化合物及びそのNMRデータを示す。
4−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):1.66(3H,s),7.15−7.4(1H,br),7.51(4H,s),7.6−7.7(1H,m),8.39(1H,s)
4−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):1.61(3H,s),7.4−7.65(6H),8.23(1H,br)
4−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):1.62(3H,s),7.1−7.2(1H,br),7.45−7.55(4H),7.6−7.7(1H,br),8.22(1H,s)
4−(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロー4−ニトロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−2(5H)−フラノン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):1.67(3H,s),7.45−7.55(4H),8.05−8.3(2H,br),8.47(1H,s)
3−(3−クロロー2,6−ジフルオロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−2(5H)−フラノン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):1.65(3H,s),7.28(1H,br),7.50(4H,s),7.78(1H,br dd,J=8.8,10.4Hz),8.40(1H,br s)
4−(4−クロロフェニル)−3−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−2(5H)−フラノン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):1.63(3H,s),7.15−7.25(1H,m),7.25−7.35(1H,m),7.4−7.6(5H),8.18(1H,s)
4−(4−クロロフェニル)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−2(5H)−フラノン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):1.60(3H,s),7.15−7.55(7H),8.15(1H,s)
4−(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−2(5H)−フラノン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.73(3H,s),4.2−4.4(1H,br),6.75−6.85(1H,m),6.9−7.0(1H,m),7.31(2H,d,J=8.8Hz),7.3−7.4(1H,m),7.45(2H,d,J=8.8Hz)
4−(4−クロロフェニル)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−2(5H)−フラノン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.74(3H,s),3.83(1H,s),6.75−6.85(1H,m),6.9−7.0(1H,m),7.32(2H,d,J=8.8Hz),7.35−7.45(1H,m),7.46(2H,d,J=8.8Hz)
4−(4−クロロフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−2(5H)−フラノン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.73(3H,s),4.37(1H,s),7.04(1H,t,J=8.8Hz),7.17(1H,t,J=7.8Hz),7.28(2H,d,J=8.4Hz),7.3−7.4(2H),7.46(2H,d,J=8.4Hz)
4−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.77(3H,s),4.42(1H,br s),6.55−6.95(2H),7.0−7.1(2H,m),7.5−7.6(2H,m)
5−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.80(3H,s),3.82(3H,s),4.16(1H,br),6.6−6.7(1H,br),6.75−6.85(1H,m),6.76(2H,d,J=8.8Hz),7.54(2H,d,J=8.8Hz)
4−(3−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.77(3H,s),4.27(1H,br s),6.65−6.8(2H),7.25−7.4(3H),7.57(1H)
5−ヒドロキシ−5−メチル−4−フェニル−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.79(3H,s),4.17(1H,br),6.65−6.8(2H),7.3−7.5(3H),7.5−7.6(2H)
5−ヒドロキシ−5−メチル−4−(4−メチルフェニル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.80(3H,s),2.30(3H,s),3.93(1H,br s),6.6−6.7(1H,br),6.75−6.9(1H,br),7.16(2H,d,J=8Hz),7.44(2H,d,J=8Hz)
4−(3,4−ジクロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.76(3H,s),4.4−4.8(1H,br),6.65(1H,br),6.8(1H,br),7.31(1H,dd,J=2,8.4Hz),7.42(1H,d,J=8.4Hz),7.70(1H,d,J=2Hz)
5−ヒドロキシ−5−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.78(3H,s),4.05(1H,br s),6.55−6.9(2H),6.6−6.7(4H)
【0083】
参考製造例3

4−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン17.03g、ヒドラジン一水和物2.64g及び1−ブタノール240mlを混合し、90℃で3時間攪拌した。次いで、反応混合物を0℃まで冷却した。得られた固体を濾過することにより集めた。集められた固体をヘキサン及びt−ブチルメチルエーテルを用いて洗浄し、減圧下乾燥して、5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン6.99gを得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.11(3H,s),6.57(2H,dd,J=7.3,8.7Hz),7.03(2H,d,J=8.3Hz),7.30(2H,d,J=8.3Hz),11.04(1H,s)
【0084】
次に、この製造例に準じて製造した化合物及びそのNMRデータを示す。
5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.06(3H,s),7.05(1H,br),7.19(2H,br),7.35−7.45(3H)
5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.02(3H,s),7.10−7.45(6H),13.23(1H,s)
5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.03(3H,s),6.93(1H,br),7.17(1H,br),7.33(1H,br),7.35−7.5(3H),13.28(1H,s)
5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロ−4−ニトロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.07(3H,s),7.20(2H,d,J=8Hz),7.40(2H,d,J=8Hz),7.95−8.05(2H、m)
4−(3−クロロー2,6−ジフルオロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.12(3H,s),6.75−6.8(1H,m),7.04(2H,d,J=8.8Hz),7.25−7.35(3H),11.86(1H,br s)
5−(4−クロロフェニル)−4−(2,3―ジフルオロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.02(3H,s),6.85−6.95(1H、m),7.0−7.15(2H),7.25−7.45(4H),13.22(1H,s)
5−(4−クロロフェニル)−4−(2,5―ジフルオロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):2.01(3H,s),7.0−7.4(7H),13.19(1H,s)
5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6―ジフルオロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.11(3H,s),6.65−6.8(2H),6.9−7.1(3H),7.25−7.35(2H),11.24(1H,br)
5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4―ジフルオロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.11(3H,s),6.65−6.8(2H),6.95(1H,br),6.95−7.1(2H),7.2−7.35(2H),11.82(1H,br s)
4−(2―クロロー6―フルオロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン1H−NMR(CDCl3(DMSO−d6を1滴含む),TMS)δ(ppm):2.11及び2.12(合わせて3H,各々s),6.85−6.9(1H,m),7.05−7.35(6H),12.37(1H,br s)
5−(4−クロロフェニル)−4−(2―フルオロフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3(DMSO−d6を1滴含む),TMS)δ(ppm):2.11(3H,s),6.9−7.1(5H),7.2−7.3(3H),12.09(1H,br s)
5−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.12(3H,s),6.5−6.6(2H,m),6.95−7.1(4H),11.57(1H,br s)
5−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.14(3H,s),3.79(3H,s),6.5−6.6(2H,m),6.82(2H,d,J=8.8Hz),7.00(2H,d,J=8.8Hz),10.85(1H,br s)
5−(3−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.13(3H,s),6.5−6.65(2H,br),6.98(2H,d,J=7.2Hz),7.11(1H,s),7.25−7.35(2H),11.97(1H,br s)
6−メチル−5−フェニル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.12(3H,s),6.45−6.55(2H,m),7.05−7.1(2H),7.25−7.35(3H),11.93(1H,br s)
6−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.12(3H,s),2.31(3H,s),6.5−6.6(2H,m),6.96(2H,d,J=8Hz),7.10(2H,d,J=8Hz),10.68(1H,br s)
5−(3,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.13(3H,s),6.61(1H,br t),6.94(1H,dd,J=2,8.4Hz),7.22(1H,d,J=2Hz),7.41(1H,d,J=8.4Hz),10.76(1H,br s)
6−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.10(3H,s),6.57(2H,dd,J=7.2,8.8Hz),7.25(2H,d,J=8.0Hz),7.60(2H,d,J=8.0Hz),11.13(1H,br s)
【0085】
参考製造例4

5−(4−クロロフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン0.35g、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)0.96g及びメタノール6mlを混合し、加熱還流下で14時間攪拌した。次いで反応混合物にナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)0.96gを加え、加熱還流下で9時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン+tert−ブチルメチルエーテル)に付し、5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン0.25gを得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.11(3H,s),3.73(3H,s),6.34(2H,dd,J=4,12Hz),7.04(2H,d,J=12Hz),7.29(2H,d,J=12Hz),11.57(1H,br s)
【0086】
次に、この製造例に準じて製造した化合物及びそのNMRデータを示す。
5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロ−4−エトキシフェニル)−6−メチル−2H−ピリダジン−3−オン;1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.37(3H,t,J=7.2Hz),2.10(3H,s),3.93(2H,q,J=7.2Hz),6.32(2H,dd,J=5.2,14.4Hz),7.04(2H,d,J=8.8Hz),7.28(2H,d,J=8.8Hz),11.46(1H,br s)
【0087】
参考製造例5

鉄(粉状)3.91g、酢酸60ml及び水60mlの混合物を70〜80℃で0.5時間攪拌した。該混合物に本発明化合物(ix)5.44gの酢酸エチル(120ml)溶液を70〜80℃で40分かけて滴下した。その後、反応混合物をセライトを通してろ過した。ろ液を分液した。有機層を飽和食塩水、飽和重曹水(3回)及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮して、4−(4−アミノー2,6−ジフルオロフェニル)−3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−6−メチルピリダジン4.98gを得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):2.51(3H,s),4.00(2H,br s),6.05−6.15(2H,m),7.02(2H,d,J=8.4Hz),7.31(2H,d,J=8.4Hz)
【0088】
次に製剤例を示す。なお、部は重量部を表す。
製剤例1
本発明化合物(i)〜(xxiv)の各々50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸マグネシウム2部及び合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合することにより、各々の水和剤を得る。
製剤例2
本発明化合物(i)〜(xxiv)の各々20部とソルビタントリオレエート1.5部とを、ポリビニルアルコール2部を含む水溶液28.5部と混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合し各々のフロアブル製剤を得る。
製剤例3
本発明化合物(i)〜(xxiv)の各々2部、カオリンクレー88部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより、各々の粉剤を得る。
製剤例4
本発明化合物(i)〜(xxiv)の各々5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部及びキシレン75部をよく混合することにより、各々の乳剤を得る。
製剤例5
本発明化合物(i)〜(xxiv)の各々2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレー65部をよく粉砕混合した後、水を加えてよく練り合せ、造粒乾燥することにより、各々の粒剤を得る。
製剤例6
本発明化合物(i)〜(xxiv)の各々10部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の製剤を得る。
【0089】
次に本発明化合物が植物病害の防除に有効であることを、試験例により示す。
【0090】
試験例1
プラスチックポットに砂壌土を詰め、キュウリ(品種:相模半白)を播種し、温室内で10日間生育させた。本発明化合物(i)〜(xxiv)の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で500ppmの濃度に希釈した。得られた希釈液を各々、前記のキュウリ子葉面に十分付着するように茎葉散布した。散布後、植物を風乾し、キュウリの子葉面上に灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の胞子を含有するPDA培地を置いた。次いで、そのキュウリを12℃多湿下に5日間放置した。その後、植物の病斑面積を肉眼にて観察した。その結果、本発明化合物(i)〜(xxiv)を処理したキュウリの病斑面積は、無処理のキュウリの病斑面積の10%以下であった。
【0091】
試験例2
プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(品種:日本晴)を播種し、温室内で15日間生育させた。本発明化合物(i)〜(xxiv)の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で500ppmの濃度に希釈した。得られた希釈液の各々を、前記のイネ葉面に十分付着するように茎葉散布した。散布後、植物を風乾した。該イネのプラスチックポットの周りにいもち病(Pyricularia oryzae)に罹病したイネを植えたプラスチックポットを置いた状態で、22℃、多湿下に6日間放置した。その後、防除効果を調査した。その結果、本発明化合物(i)〜(xxiv)を処理したイネの病斑面積は、無処理のイネの病斑面積の10%以下であった。
【0092】
試験例3
プラスチックポットに砂壌土を詰め、ダイコン(品種:早生40日)を播種し、温室内で5日間生育させた。本発明化合物(i)〜(xxiv)の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で500ppmの濃度に希釈した。得られた希釈液の各々を、前記のダイコンに十分付着するように茎葉散布した。散布後、植物を風乾し、黒すす病菌(Alternaria brassicicola)の胞子を接種した。次いで、このダイコンを23℃、多湿下に一晩放置し、さらに温室内で3日間放置した。その後、防除効果を調査した。その結果、本発明化合物(i)〜(xxiv)を処理したダイコンの病斑面積は、無処理のダイコンの病斑面積の10%以下であった。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明化合物を用いることにより、植物病害を防除することができる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

〔式中、
1は塩素原子、臭素原子又はC1−C4アルコキシ基を表し、
2はC1−C4アルキル基を表し、
3はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表し、
mは0〜5の整数を表し、mが2以上の整数である場合、R3の各々は同一又は相異なる。
4はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基を表し、
5はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基を表し、
nは0〜4の整数を表し、nが2以上の整数を表す場合、R5の各々は同一又は相異なる。〕
で示されるピリダジン化合物。
【請求項2】
式(1)において、mが1又は2であり、nが0、1又は2である請求項1記載のピリダジン化合物。
【請求項3】
式(1)において、R1が塩素原子又は臭素原子であり、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子である請求項1または2記載のピリダジン化合物。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載のピリダジン化合物を有効成分として含有することを特徴とする殺菌剤。
【請求項5】
請求項1、2又は3記載のピリダジン化合物の有効量を植物又は植物を栽培する土壌に施用することを特徴とする植物病害の防除方法。
【請求項6】
式(2)

〔式中、
2はC1−C4アルキル基を表し、
3はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表し、
mは0〜5の整数を表し、mが2以上の整数である場合、R3の各々は同一又は相異なる。
4はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基を表し、
5はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基を表し、
nは0〜4の整数を表し、nが2以上の整数を表す場合、R5の各々は同一又は相異なる。〕
で示される化合物。
【請求項7】
式(2)において、mが1又は2であり、nが0、1又は2である請求項6記載の化合物。
【請求項8】
式(2)において、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子である請求項6又は7記載の化合物。
【請求項9】
式(1−3)

〔式中、
1は塩素原子、臭素原子又はC1−C4アルコキシ基を表し、
2はC1−C4アルキル基を表し、
31はハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表し、
mは0〜5の整数を表し、mが2以上の整数である場合、R31の各々は同一又は相異なる。〕
で示される化合物。
【請求項10】
式(1−3)において、mが1又は2である請求項9記載の化合物。
【請求項11】
式(1−3)において、R1が塩素原子または臭素原子であり、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子である請求項9または10記載の化合物。
【請求項12】
式(3)

〔式中、
2はC1−C4アルキル基を表し、
3はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキルチオ基を表し、
mは0〜5の整数を表し、mが2以上の整数である場合、R3の各々は同一又は相異なる。
4はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基を表し、
5はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基を表し、
nは0〜4の整数を表し、nが2以上の整数を表す場合、R5の各々は同一又は相異なる。〕
で示される化合物。
【請求項13】
式(3)において、mが1又は2であり、nが0、1又は2である請求項12記載の化合物。
【請求項14】
式(3)において、R2がメチル基であり、R4がハロゲン原子である請求項12又は13記載の化合物。

【公開番号】特開2006−22084(P2006−22084A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−156879(P2005−156879)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】