説明

ファウル検出装置

【課題】ファウルポール近傍のファウル領域に飛翔した打球を確実に検出して表示する。
【解決手段】野球場のファウルラインがフェンス24と接する地点に設置されたファウルポール7に隣接したファウル領域に設けた複数の光ビームを投受光するビームセンサ2で打球がファウルポール7の近傍のファウル領域に飛んだことを検出して確認表示装置4に打球がファウルであることを表示させて、ファウルポール7の近傍に飛んだ打球がフェアであるかファウルであるかを正確にかつ容易に確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、野球場において打球がファウルであるかフェアであるかを判別するファウル検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
野球ボール等の物体の飛球状態を検出するため、光学式センサを利用して野球ボール等の物体の通過情報を計測する物体通過計測装置が特許文献1に開示されている。この物体通過計測装置は、発光部から出射された光ビームを光走査部でスキャンして所定の計測領域を走査させ、この光走査部から所定距離を隔てて対向配置した反射部で光走査部からスキャンした走査光を再帰反射させ、この反射部で反射した光ビームを光走査部の近傍に設けた受光部で受光して受光パターンを入力し、入力した受光パターンにおける物体による光の遮断開始点と終了点及び最大遮断位置並びに遮断継続時間に基づいて計測領域内を通過した物体の通過時間を検出して計測領域を通過した物体の通過情報を検出している。
【0003】
また、プレー中の野球ボール等の位置を連続的に正確に検出するレーダ測定方法が特許文献2に開示されている。このレーダ測定方法は、第1、第2及び第3の離間したアンテナ装置から3次元領域に複数のレーダ信号を送信し、目標からの帰還信号を受信し、送信信号と帰還信号とを比較して複数の送信信号それぞれに対する帰還信号の位相を決定して第1、第2及び第3のアンテナ装置それぞれに対応する目標の第1、第2及び第3のレンジの曖昧な表現を得て、この第1、第2及び第3のレンジの曖昧性をモジュール算術である中国の剰余定理(Chinese Remainder Theorem)を用いて除去し、第1、第2及び第3のアンテナ装置それぞれに対応する目標の第1、第2及び第3のレンジの曖昧性が少ないレンジを得る。この第1、第2及び第3のレンジの曖昧性が少ないレンジと第1、第2及び第3のアンテナ装置の座標を用いて目標の3次元座標を計算している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示された物体通過計測装置や特許文献2に示されたレーダ測定方法は野球場における打球の通過時間や位置を検出できるが、本塁から1塁および3塁を通るファウルラインがフェンスと接する地点に設けたファウルポールの近傍に飛翔した打球がフェアであるかファウルであるかの判断は審判が目視で行っている。このため誤審が生じる可能性があり、ファウルポールの近傍に飛翔した打球がホームランかファウルかを正確に検出できるようにすることが要望されている。
【0005】
この発明は、この要望に対してなされたものであり、ファウルポール近傍のファウル領域に飛翔した打球を確実に検出して表示することができるファウル検出装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のファウル検出装置は、ビームセンサと制御装置及び確認表示装置を有し、前記ビームセンサは、発光装置と受光装置を有し、前記発光装置は、野球場のファウル領域でファウルポールに隣接してフェンスに沿って地上に設けられ、光ビームを出射する複数の発光部を有し、前記受光装置は、前記ファウルポールの最上部で前記発光装置と対向する位置に設けられ、前記発光装置の複数の発光部から出射した光ビームをそれぞれ受光して受光信号を出力する複数の受光部を有し、前記発光部と受光部は、前記発光部から出射した各光ビームの間隔が野球ボールの直径より小さくなるように配置され、前記制御装置は、前記複数の受光部からの受光信号を入力し、前記複数の受光部のいずれか1つ又は2つから前記発光部から出射して前記受光部に入射している光ビームが野球ボールの通過により遮断されたことを示す受光信号を入力したとき、前記確認表示装置に打球がファウルであることを所定時間表示させることを特徴とする。
【0007】
この発明の他のファウル検出装置は、ビームセンサと制御装置及び確認表示装置を有し、前記ビームセンサは、発光装置と受光装置を有し、前記発光装置は、野球場のファウルラインがフェンスと接する地点を含むポール領域と前記ポール領域に隣接したファウル領域との地上にフェンスに沿って設けられ、前記ファウル領域に対応する位置にはファウル検出用の光ビームを出射する複数の発光部を有し、前記ポール領域に対応する位置にはファウルポールの直径に対応する範囲にポール検出用の光ビームを出射する複数の発光部を有し、前記受光装置は、ファウルポールの全長に対応した距離だけ地上から離れた位置に前記発光装置と対向して設けられ、前記発光装置の複数の発光部から出射した光ビームをそれぞれ受光して受光信号を出力するファウル検出用の複数の受光部とポール検出用の複数の受光部を有し、前記発光部と受光部は、前記発光部から出射した各光ビームの間隔が野球ボールの直径より小さくなるように配置され、前記制御装置は、前記ファウル検出用の複数の受光部と前記ポール検出用の複数の受光部からの受光信号を入力し、前記ファウル検出用の複数の受光部のいずれか1つ又は2つから前記ファウル検出用の光ビームが野球ボールの通過により遮断されたことを示す受光信号を入力したとき、前記確認表示装置に打球がファウルであることを所定時間表示させ、前記ポール検出用の複数の受光部のいずれか1つ又は2つから前記ポール検出用の光ビームが野球ボールの通過により遮断されたことを示す受光信号を入力したとき、前記確認表示装置に打球がフェアであることを所定時間表示させ、前記ファウル検出用の受光部から前記ファウル検出用の光ビームが野球ボールの通過により遮断されたことを示す受光信号を入力するとともに前記ポール検出用の受光部から前記ポール検出用の光ビームが野球ボールの通過により遮断されたことを示す受光信号を入力したとき、前記確認表示装置に打球がフェアであることを所定時間表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、野球場のファウルラインがフェンスと接する地点に設置されたファウルポールに隣接したファウル領域に設けた複数の光ビームを投受光するビームセンサで打球がファウルポールの近傍のファウル領域に飛んだことを検出して確認表示装置に打球がファウルであることを表示させることにより、ファウルポールの近傍に飛んだ打球がフェアであるかファウルであるかを正確にかつ容易に確認することができる。
【0009】
また、ファウルポールに代えて野球場のファウルラインがフェンスと接する地点を含むポール領域に複数の光ビームを投受光するビームセンサを設け、このビームセンサで打球がポール領域に飛んだことを検出して確認表示装置に打球がフェアであることを表示させることにより、ファウルポールを使用しないでファウルライン近傍に沿って飛んだ打球がファウルであるかフェアであるかを正確にかつ容易に確認することができる。
【0010】
さらに、野球場にファウルポールを設置しないで済むから、観客の視界を遮る物がなく、観客は野球場の状態を容易に視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明のファウル検出装置の構成図である。
【図2】野球場の構造を示す概要図である。
【図3】ファウル検出装置の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の他のファウル検出装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、この発明のファウル検出装置の構成図である。図に示すように、ファウル検出装置1は、ビームセンサ2と制御装置3及び確認表示装置4を有する。ビームセンサ2は、発光装置5と受光装置6を有し、野球場のファウルポール7に沿ってファウル領域側に設けられている。
【0013】
このファウル検出装置1のビームセンサ2を設置する野球場の概要を図2に示す。図2に示すように、ファウルポール7は、本塁21から1塁22を通るファウルライン23がフェンス24と接する地点と本塁21から3塁25を通るファウルライン26がフェンス24と接する地点に設けられ、バッターボックス27で打った打球がフェアかファウルかを判断するために設けられている。このファウルポール7より1塁側と3塁側の外側、すなわちファウルライン23とファウルライン25との間より外側をファウル領域としている。
【0014】
ビームセンサ2の発光装置5は、ファウル領域でファウルポール7に隣接してフェンス24に沿って地上に設けられ、受光装置6はファウルポール7の最上部で発光装置5と対向する位置に設けられている。発光装置5は、図3のブロック図に示すように、光ビームを出射する複数、例えば5個の発光部8a〜8eを有し、受光装置6は、発光部8a〜8eから出射した光ビームを受光する5個の受光部9a〜9eを有する。この発光部8a〜8eと受光部9a〜9eは発光部8a〜8eから出射した各光ビームの間隔が野球ボールの直径より小さくなるように配置されている。
【0015】
制御装置3は、図3のブロック図に示すように、制御部10と操作部11と発光制御部12とファウル領域通過検出部13及び出力部14を有する。制御部10は操作部11が操作されると制御装置3の全体を駆動して制御する。発光制御部12は制御部10からの駆動信号を入力して発光部8a〜8eを駆動制御して発光装置5の発光部8a〜8eから光ビームを連続して出射させる。ファウル領域通過検出部13は例えば排他論理回路を有し、受光装置6の受光部9a〜9eから受光信号として例えば高レベル信号「1」を入力しているとき、受光部9a〜9eからの受光信号のいずれか1つ又は2つが低レベル信号「0」になったとき野球ボールがファウル領域を通過したことを示すファウル領域通過信号を制御部10に出力する。制御部10はファウル領域通過検出部13からファウル領域通過信号を入力すると出力部14を介して確認表示装置4を所定時間点灯して打球がファウルであることを表示させる。
【0016】
このファウル検出装置1で打者が打ってファウルポール7の近傍に飛んだ打球がファウルであるか否を判定する処理を説明する。
【0017】
制御装置3の制御部10は操作部11が操作されると発光制御部12を駆動させて発光装置5の発光部8a〜8eから光ビームを連続して出射させる。この発光部8a〜8eから出射した光ビームは受光装置6の受光部9a〜9eに入射し、受光部9a〜9eから受光信号として高レベル信号「1」が制御装置3のファウル領域通過検出部13に入力する。ファウル領域通過検出部13は全ての受光部9a〜9eから受光信号として高レベル信号「1」を入力しているときは打者が打った打球がファウル領域を通過していないことを示す信号を制御部10に出力する。
【0018】
この状態で打者が打った打球がファウルポール7の近傍に飛んでビームセンサ2の検出領域である発光部8a〜8eと受光部9a〜9eの間を通過するとき、発光部8a〜8eから出射して受光部9a〜9eで受光している光ビームのいずれかが通過する野球ボールにより遮断される。この野球ボールで光ビームを遮断するとき、発光部8a〜8eと受光部9a〜9eは各光ビームの間隔が野球ボールの直径より小さくなるように配置されているから発光部8a〜8eから出射した光ビームのいずれか1本又は2本が遮断される。例えば発光部8aと発光部8bから出射した光ビームが遮断されると、発光部8aと発光部8bから出射した光ビームを受光する受光部9aと受光部9eからファウル領域通過検出部13に受光信号として低レベル信号「0」を入力する。ファウル領域通過検出部13は受光部9a〜9eから受光信号として高レベル信号「1」を入力している状態で受光部8aと受光部9eから受光信号として低レベル信号「0」を入力すると、打球がファウル領域を通過したことを示すファウル領域通過信号を制御部10に出力する。制御部10はファウル領域通過検出部13からファウル領域通過信号を入力すると出力部14を介して確認表示装置4を点灯して打球がファウルであることを所定時間表示させる。
【0019】
このように打球がファウルポール7の近傍のファウル領域に飛んだことを検出して確認表示装置4に打球がファウルであることを表示させるから、ファウルポール7の近傍に飛んだ打球がフェアであるかファウルであるかを正確にかつ容易に確認することができる。
【0020】
前記説明ではビームセンサ2として5本の光ビームを使用する場合について説明したが、光ビームの数、すなわち発光部8と受光部9の数を増やすことによりビームセンサ2のファウル検出領域を任意に拡大することができる。
【0021】
また、前記説明ではファウルポール7の近傍にファウル検出用のビームセンサ2を設けた場合について説明したが、ファウルポール7自体をビームセンサで構成しても良い。このファウルポール7自体をビームセンサで構成したファウル検出装置1aの構成を図4に示す。
【0022】
ファウル検出装置1aのビームセンサ2aの発光装置5aは、ファウル検出用として複数、例えば5個の発光部8a〜8eを有し、ファウルポール検出用としてファウルポール7の直径140mmに対応する範囲に、野球ボールの直径より小さい幅の光ビームを出射する複数、例えば4個の発光部15a〜15dを有する。受光装置6aは発光部8a〜8eから出射した光ビームを受光する5個の受光部9a〜9eと、発光部15a〜15dから出射した光ビームを受光する4個の受光部16a〜16dを有する。確認表示装置4aには打球がファウルであることを示すファウル表示部19aと打球がフェアであることを示すフェア表示部19bとを有する。
【0023】
制御装置3aは、制御部10aと操作部11と発光制御部12とファウル領域通過検出部13及び出力部14の他にポール領域通過検出部17と領域選択部18を有する。ポール領域通過検出部17は、例えば排他論理回路を有し、受光装置6aの受光部15a〜15dから受光信号として例えば高レベル信号「1」を入力しているときに受光部16a〜16dから出力する受光信号のいずれか1つ又は2つが低レベル信号「0」になったとき野球ボールがファウルポールの直径に対応するポール領域を通過したことを示すポール領域通過信号を制御部10aに出力する。領域選択部18はポール領域通過検出部17からファウルポールの領域を通過したことを示すポール領域通過信号を入力していないときにファウル領域通過検出部13からファウル領域通過信号を入力すると、入力したファウル領域選択信号を制御部10aに出力し、ファウル領域通過検出部13からファウル領域を通過したことを示すファウル領域通過信号を入力していないときにポール領域通過検出部17からポール領域通過信号を入力すると、入力したポール領域通過信号を制御部10aに出力し、ファウル領域通過信号とポール領域通過信号を同時に入力するとポール領域通過信号を優先選択して制御部10aに出力する。制御部10aはファウル領域通過信号を入力すると出力部14を介して確認表示装置4aのファウル表示部19aを所定時間点灯して打球がファウルであることを表示させ、ポール領域通過信号を入力すると出力部14を介して確認表示装置4aのフェア表示部19bを所定時間点灯して打球がフェアであることを表示させる。
【0024】
このファウル検出装置1aで打者が打ってファウルポール7の近傍に飛んだ打球がファウルであるかフェアであるかを判定する処理を説明する。
【0025】
制御装置3aの制御部10aは操作部11が操作されると発光制御部12を駆動させて発光装置5aのファウル検出用の5個の発光部8a〜8eとファウルポール検出用の4個の発光部15a〜15dから光ビームを連続して出射させる。この発光部8a〜8eと発光部15a〜15dから出射した光ビームは受光装置6aの受光部9a〜9eと受光部16a〜16dに入射し、受光部8a〜9eから受光信号として高レベル信号「1」が制御装置3aのファウル領域通過検出部13に入力し、受光部16a〜16dから受光信号として高レベル信号「1」が制御装置3aのポール領域通過検出部17に入力する。ファウル領域通過検出部13は全ての受光部9a〜9eから受光信号として高レベル信号「1」を入力しているときは打者が打った打球がファウル領域を通過していないことを示す信号を領域選択部18に出力し、ポール領域通過検出部17は全ての受光部16a〜16dから受光信号として高レベル信号「1」を入力しているときは打者が打った打球がポール領域を通過していないことを示す信号を領域選択部18に出力する。
【0026】
この状態で打者が打った打球が発光部8a〜8eと受光部9a〜9eの間を通過すると、発光部8a〜8eから出射して受光部9a〜9eで受光している光ビームのいずれかが通過する野球ボールにより遮断される。この野球ボールで光ビームを遮断するとき、発光部8a〜8eと受光部9a〜9eは各光ビームの間隔が野球ボールの直径より小さくなるように配置されているから、発光部8a〜8eから出射した光ビームのいずれか1本又は2本が遮断され、受光部9a〜9eからファウル領域通過検出部13に入力している受光信号のいずれか1又は2が低レベル信号「0」になる。ファウル領域通過検出部13は受光部9a〜9eから受光信号として高レベル信号「1」を入力している状態で受光部9a〜9eのいずれかから受光信号として低レベル信号「0」を入力すると、打球がファウル領域を通過したことを示すファウル領域通過信号を領域選択部18に出力する。領域選択部18はポール領域通過検出部17から打球がポール領域を通過していないことを示す信号を入力しているときに、ファウル領域通過検出部13からファウル領域通過信号を入力するとファウル領域通過信号を制御部10aに出力する。制御部10aは領域選択部18からファウル領域通過信号を入力すると出力部14を介して確認表示装置4aのファウル表示部19aを所定時間点灯して打球がファウルであることを表示させる。
【0027】
また、打者が打った打球が発光部15a〜15dと受光部16a〜16dの間を通過すると、発光部15a〜15dから出射して受光部16a〜16dで受光している光ビームのいずれかが通過する野球ボールにより遮断される。この野球ボールで光ビームを遮断するとき、発光部15a〜15dと受光部16a〜16dは各光ビームの間隔が野球ボールの直径より小さくなるように配置されているから、発光部15a〜15dから出射した光ビームのいずれか1本又は2本が遮断され、受光部16a〜16dからポール領域通過検出部17に入力している受光信号のいずれか1又は2が低レベル信号「0」になる。ポール領域通過検出部17は受光部16a〜16dから受光信号として高レベル信号「1」を入力している状態で受光部16a〜16dのいずれかから受光信号として低レベル信号「0」を入力すると、打球がポール領域を通過したことを示すポール領域通過信号を領域選択部18に出力する。領域選択部18はファウル領域通過検出部13から打球がファウル領域を通過していないことを示す信号を入力しているときに、ポール領域通過検出部17からポール領域通過信号を入力するとポール領域通過信号を制御部10aに出力する。制御部10aは領域選択部18からポール領域通過信号を入力すると出力部14を介して確認表示装置4aのフェア表示部19bを所定時間点灯して打球がフェアであることを表示させる。
【0028】
また、打者が打った打球がファウル検出用の発光部8a〜8eと受光部9a〜9eの間の光ビームと、ポール検出用の発光部15a〜15dと受光部16a〜16dの間の光ビームとの境界領域を通過してファウル検出用とポール検出用の境界に隣接して設けたファウル検出用の発光部8aから受光部9aに出射している光ビームが遮断されるとともにファウル検出用とポール検出用の境界に設けたポール検出用の発光部15dから受光部16dに出射している光ビームが遮断されると、受光部9aからファウル領域通過検出部13に入力する受光信号は低レベル信号「0」になり、ファウル領域通過検出部13から領域選択部18に打球がファウル領域を通過したことを示すファウル領域通過信号を入力するとともに受光部16dからポール領域通過検出部17に入力する受光信号も低レベル信号「0」になり、ポール領域通過検出部17から領域選択部18に打球がポール領域を通過したことを示すポール領域通過信号を入力する。領域選択部18はファウル領域通過検出部13からファウル領域通過信号を入力するとともにポール領域通過検出部17からポール領域通過信号を入力するとポール領域通過信号を優先選択して制御部10aに出力する。制御部10aはポール領域通過信号を入力すると出力部14を介して確認表示装置4aのフェア表示部19bを所定時間点灯して打球がフェアであることを表示させる。
【0029】
このようにしてファウルポール7を使用しないでファウルライン23とファウルライン25の近傍に沿って飛んだ打球がファウルであるかフェアであるかを正確にかつ容易に確認することができる。
【0030】
また、野球場にファウルポール7を設置しないで済むから、観客の視界を遮る物がなく、観客は野球場の状態を容易に視認することができる。
【符号の説明】
【0031】
1,1a;ファウル検出装置、2,2a;ビームセンサ、3,3a;制御装置、
4,4a;確認表示装置、5,5a;発光装置,6,6a;受光装置、
7;ファウルポール、8;発光部、9;受光部、10,10a;制御部、
11;操作部,12;発光制御部、13;ファウル領域通過検出部、14;出力部、
15;発光部、16;受光部、17;ポール領域通過検出部、18;領域選択部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】特開2003−148910号公報
【特許文献2】特表平6−510603号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームセンサと制御装置及び確認表示装置を有し、
前記ビームセンサは、発光装置と受光装置を有し、前記発光装置は、野球場のファウル領域でファウルポールに隣接してフェンスに沿って地上に設けられ、光ビームを出射する複数の発光部を有し、前記受光装置は、前記ファウルポールの最上部で前記発光装置と対向する位置に設けられ、前記発光装置の複数の発光部から出射した光ビームをそれぞれ受光して受光信号を出力する複数の受光部を有し、前記発光部と受光部は、前記発光部から出射した各光ビームの間隔が野球ボールの直径より小さくなるように配置され、
前記制御装置は、前記複数の受光部からの受光信号を入力し、前記複数の受光部のいずれか1つ又は2つから前記発光部から出射して前記受光部に入射している光ビームが野球ボールの通過により遮断されたことを示す受光信号を入力したとき、前記確認表示装置に打球がファウルであることを所定時間表示させることを特徴とするファウル検出装置。
【請求項2】
ビームセンサと制御装置及び確認表示装置を有し、
前記ビームセンサは、発光装置と受光装置を有し、前記発光装置は、野球場のファウルラインがフェンスと接する地点を含むポール領域と前記ポール領域に隣接したファウル領域との地上にフェンスに沿って設けられ、前記ファウル領域に対応する位置にはファウル検出用の光ビームを出射する複数の発光部を有し、前記ポール領域に対応する位置にはファウルポールの直径に対応する範囲にポール検出用の光ビームを出射する複数の発光部を有し、前記受光装置は、ファウルポールの全長に対応した距離だけ地上から離れた位置に前記発光装置と対向して設けられ、前記発光装置の複数の発光部から出射した光ビームをそれぞれ受光して受光信号を出力するファウル検出用の複数の受光部とポール検出用の複数の受光部を有し、前記発光部と受光部は、前記発光部から出射した各光ビームの間隔が野球ボールの直径より小さくなるように配置され、
前記制御装置は、前記ファウル検出用の複数の受光部と前記ポール検出用の複数の受光部からの受光信号を入力し、前記ファウル検出用の複数の受光部のいずれか1つ又は2つから前記ファウル検出用の光ビームが野球ボールの通過により遮断されたことを示す受光信号を入力したとき、前記確認表示装置に打球がファウルであることを所定時間表示させ、前記ポール検出用の複数の受光部のいずれか1つ又は2つから前記ポール検出用の光ビームが野球ボールの通過により遮断されたことを示す受光信号を入力したとき、前記確認表示装置に打球がフェアであることを所定時間表示させ、前記ファウル検出用の受光部から前記ファウル検出用の光ビームが野球ボールの通過により遮断されたことを示す受光信号を入力するとともに前記ポール検出用の受光部から前記ポール検出用の光ビームが野球ボールの通過により遮断されたことを示す受光信号を入力したとき、前記確認表示装置に打球がフェアであることを所定時間表示させることを特徴とするファウル検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−125269(P2012−125269A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276490(P2010−276490)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000001292)株式会社京三製作所 (324)
【出願人】(592177753)株式会社メイエレック (8)
【Fターム(参考)】