説明

フェノフィブラート含有組成物

【課題】フェノフィブラートの生物学的利用能を高いレベルで維持しつつ、製剤を小型化する。
【解決手段】フェノフィブラート含有組成物は、フェノフィブラートと界面活性剤及び糖類(糖、糖アルコールなど)から選択された少なくとも一種の第1の成分との共粉砕物(A)、及び結合剤、崩壊剤及び賦形剤から選択された少なくとも一種の第2の成分(B)を含有する。前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤(スルホン酸又はその塩類など)、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤(脂肪酸ジアルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルなど)、両性界面活性剤、(v)高分子型界面活性剤(ポリアルキレンオキシド−(メタ)アクリレート共重合体など)などであってもよい。前記組成物は、フェノフィブラート100重量部に対して、第1の成分1〜10重量部及び第2の成分1〜70重量部を含有してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェノフィブラートの生物学的利用能を高いレベルで維持しつつ、製剤を小型化するためのフェノフィブラート含有組成物(医薬組成物など)に関する。
【背景技術】
【0002】
フェノフィブラート(イソプロピル2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチルプロピオネート)は、血清コレステロール低下作用、LDL−コレステロール低下作用、トリグリセリド低下作用およびHDL−コレステロール増加作用を示し、総合的に脂質代謝を改善する高脂血症用剤として日本を含め世界各国において賞用されている。
【0003】
従来、フェノフィブラートは、硬カプセル剤(以下、単にカプセル剤と称する場合がある)として使用されている。しかし、単にフェノフィブラートをカプセルに封入しただけでは、フェノフィブラートの薬理活性を十分活用することができず、投与量や投与回数を増加させる必要があった。そこで、フェノフィブラートの生物学的利用能(bioavailability)を改善するため、特公平7−14876号公報(特許文献1)では、フェノフィブラートとラウリル硫酸ナトリウムなどの固形界面活性剤との均質混合物を微粉砕(以下、共微粉砕と称する場合がある)し、高脂血症及び高コレステリン血症の経口治療用組成物として用いている。この組成物では、従来300mg/日であったフェノフィブラート投与量を約2/3にまで減少させている。しかし、上記文献1では、製剤化に伴って、賦形剤、結合剤、崩壊剤などの製剤添加物を添加して、1カプセル当たりの重量を297〜350mgとしており(製造実施例)、カプセルサイズが非常に大きくなる(例えば、長径約19.1mm、短径6.9mmの1号カプセル又はそれ以上のサイズとなる)。
【0004】
一般に、高脂血症や高コレステリン血症などの患者は、長期に亘り薬剤を服用したり、糖尿病等の合併症に伴い、数種類の薬剤を処方される場合も多く、さらに高齢者の割合も高い。また、高齢者になると、嚥下機能も低下する傾向にある。このような状況では、患者の服薬コンプライアンスの点で、一回当たりの服用個数が少ないこと、製剤のサイズが大きすぎないことなどが非常に重要となる。
【0005】
国際公開WO2002/069957号公報(特許文献2)には、フェノフィブラート100重量部、固形界面活性剤(ラウリルアルコールのアルカリ金属硫酸塩、酸化エチレン・酸化プロピレン共重合物又はショ糖脂肪酸エステル)3〜4重量部、乳糖1〜2重量部、ステアリン酸マグネシウム1〜2重量部、結合剤及び崩壊剤17〜20重量部を含むフェノフィブラート含有組成物において、フェノフィブラートと固形界面活性剤とを共微粉砕した組成物が開示されている。しかし、この組成物では、使用される成分及び各成分の割合が非常に限定される。
【特許文献1】特公平7−14876号公報(請求項1、第2頁左欄42〜50行、第2頁右欄7〜10行、実施例)
【特許文献2】国際公開WO2002/069957号公報(請求項1、第3頁30〜33行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、フェノフィブラートの生物学的利用能を高いレベルに維持しつつも、添加剤の割合を低減できるとともに、幅広い種類の添加剤(担体成分)を使用できるフェノフィブラート含有組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、フェノフィブラート及び特定の成分(界面活性剤及び/又は糖類)の共粉砕物と、結合剤、崩壊剤、賦形剤などの添加剤とを用いると、フェノフィブラートの薬理活性を十分に活用しつつも、添加剤の使用量を低減できることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明のフェノフィブラート含有組成物は、(A)(a-1)フェノフィブラートと(a-2)界面活性剤及び糖類から選択された少なくとも一種の成分(第1の成分)との共粉砕物、及び(B)結合剤、崩壊剤及び賦形剤から選択された少なくとも一種の成分(第2の成分)を含有する。前記界面活性剤は、(i)アニオン性界面活性剤、(ii)カチオン性界面活性剤、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)両性界面活性剤及び(v)高分子型界面活性剤から選択された少なくとも一種であってもよい。前記界面活性剤は、固形状、液状、半固形状(ロウ状など)のいずれであってもよい。
【0009】
前記アニオン性界面活性剤(i)は、スルホン酸又はその塩類、有機硫酸、有機硫酸のアミン又はアンモニウム塩、スルホ脂肪族ジカルボン酸エステル塩、アルキル硫酸又はその塩(例えば、C6−30アルキル硫酸又はその塩など)、有機リン酸又はその塩、長鎖脂肪酸塩、エーテルカルボキシレート、脂肪酸金属塩、アルギン酸金属塩、ホスファチジン酸化合物又はその塩、グリセリン脂肪酸エステル、カルボキシアルキルセルロースの金属塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−(2−スルホ)アルキル−N−アルキルアルカンアミド塩、胆汁酸又はその塩、及びコール酸類から選択された少なくとも一種であってもよい。前記非イオン性界面活性剤(iii)は、脂肪酸ジアルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、(ポリ)アルキレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びソルビット脂肪酸エステルから選択された少なくとも一種であってもよい。前記高分子型界面活性剤(v)は、ポリアルキレンオキシド−(メタ)アクリレート共重合体、ポリアルキレンオキシド−エピクロルヒドリン共重合体、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド及びポリエーテルエステルから選択された少なくとも一種であってもよい。
【0010】
前記糖類は、糖及び糖アルコールから選択された少なくとも一種であってもよい。前記糖としては、ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、黒砂糖、ハチミツ、トレハロース、マルトース(麦芽糖)、キシロース、マンノース、ラフィノース、ガラクトース、フルクトース、ラムノース、異性化糖及びパラチノースから選択された少なくとも一種などが例示でき、前記糖アルコールとしては、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール及びマルチトールから選択された少なくとも一種などが例示できる。
【0011】
なお、共粉砕物は、例えば、第2の成分(B)の少なくとも一部(一部又は全部)とともに固形状の第1の成分(a-2)(界面活性剤及び/又は糖類)とフェノフィブラートとを混合した後、共粉砕したり、フェノフィブラートと第1の成分(a-2)(界面活性剤及び/又は糖類)とを溶融混合し、必要により冷却固形化して、共粉砕することにより調製してもよい。
【0012】
前記フェノフィブラート含有組成物は、フェノフィブラート(a-1)100重量部に対して、前記第1の成分(a-2)1〜10重量部、及び前記第2の成分(B)1〜70重量部を含有してもよい。
【0013】
前記フェノフィブラート含有組成物は、(A)(a-1)フェノフィブラートと(a-2)アニオン性界面活性剤[例えば、C8−20アルキル硫酸又はその塩(特に、C14−18アルキル硫酸又はその塩など)]との共粉砕物、及び(B)結合剤(デンプンなど)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなど)及び賦形剤(酸化ケイ素又はケイ酸塩、乳糖などの糖類、デンプンなど)から選択された少なくとも一種の成分(第2の成分)で構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、フェノフィブラート及び特定の成分(界面活性剤及び/又は糖類)の共粉砕物と、結合剤、崩壊剤、賦形剤などの添加剤とを組み合わせるので、フェノフィブラートの生物学的利用能を高いレベルに維持しつつも、添加剤の割合を低減でき、また、幅広い種類の添加剤を使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のフェノフィブラート含有組成物は、(A)(a-1)フェノフィブラートと(a-2)界面活性剤及び糖類から選択された少なくとも一種の成分(第1の成分)との共粉砕物、及び(B)結合剤、崩壊剤及び賦形剤から選択された少なくとも一種の成分(第2の成分(製剤添加物又は担体成分))を含有する。
【0016】
本発明の組成物において、フェノフィブラートは、有効成分(生理活性又は薬理活性成分)であり、前記第1の成分(a-2)(界面活性剤及び/又は糖類)と共粉砕して用いる。
【0017】
前記第1の成分のうち、界面活性剤としては、特に制限されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、及び高分子型界面活性剤のいずれも使用できる。界面活性剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、前記界面活性剤は、固形状(粉粒状、針状、フレーク状、塊状など)、液状、半固形状(ロウ状、ペースト状など)のいずれの形態であってもよい。また、形態が同一又は異なる複数の界面活性剤を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0018】
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、スルホン酸又はその塩類[例えば、アルカンスルホン酸(ドデカンスルホン酸などのC6−30アルカンスルホン酸など)又はその塩(ドデカンスルホン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩;ドデカンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩などのホスホニウム塩など);アルケンスルホン酸(オレインスルホン酸などのC6−30アルケンスルホン酸)又はその塩(オレインスルホン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩など);アレーンスルホン酸(ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸などのアルキル基(C1−26アルキル基など)などの置換基を有していてもよいC6−14アレーンスルホン酸など)又はその塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩など);ポリアルキレングリコールスルホン酸(アルキルポリオキシエチレンスルホン酸などのポリC2−4アルキレングリコールスルホン酸など)又はその塩(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩など);アルキルジアリールエーテルジスルホン酸(アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸など)又はその塩(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩など);前記例示のスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物(β−ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物などのアレーンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物など)又はその塩(ナトリウム塩など)など]、有機硫酸[デシル硫酸、ラウリル硫酸、テトラデシル硫酸などのアルキル硫酸(C6−30アルキル硫酸など);ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸などのポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸(ポリオキシC2−4アルキレンC1−10アルキルエーテル硫酸など);ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸などのポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸(ポリオキシC2−4アルキレンC1−26アルキルC6−14アリールエーテル硫酸など)など]又はその塩類[例えば、アルキル硫酸塩(ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどのアミン塩;ラウリル硫酸アンモニウム塩などのアンモニウム塩;デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩など);ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸のアルカリ金属塩、アミン塩など]、スルホ脂肪族ジカルボン酸エステル塩[例えば、スルホ脂肪族ジカルボン酸のモノ又はジアルキルエステル(モノ又はジC6−30アルキルエステルなど)、ポリオキシC2−4アルキレンC6−30アルキル−スルホ脂肪族ジカルボン酸C6−30アルキルエステルなどのエステルのアルカリ金属塩(スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ラウリル二ナトリウムなど)など]、有機リン酸[ラウリルリン酸などのC6−30アルキルリン酸;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸などのポリオキシC2−4アルキレンC6−30アルキルエーテルリン酸;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸などのポリオキシC2−4アルキレンC6−30アルケニルエーテルリン酸;ポリオキシエチレンフェニルエーテルリン酸などのポリオキシC2−4アルキレンC6−14アリールエーテルリン酸;ポリオキシC2−4アルキレンC1−26アルキルC6−14アリールエーテルリン酸など]又はその塩(カリウム、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩など)、長鎖脂肪酸塩(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、モノステアリン酸アルミニウム塩などの飽和又は不飽和C10−40脂肪酸金属塩;ステアリン酸トリエタノールアミン、オレイン酸トリエタノールアミンなどの飽和又は不飽和C10−40脂肪酸のアミン塩など)、エーテルカルボキシレート、脂肪酸金属塩(鉛石鹸、半硬化牛脂脂肪酸ソーダ又はカリ石鹸、ステアリン酸ソーダ石鹸、オレイン酸カリ石鹸、ひまし油カリ石鹸など)、アルギン酸金属塩(アルギン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウムなどのアルギン酸アルカリ土類金属塩など)、ホスファチジン酸化合物又はその塩(ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸又はその塩など)、グリセリン脂肪酸エステル、カルボキシアルキルセルロールの金属塩(ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロースなどのカルボキシメチルセルロースのアルカリ又はアルカリ土類金属塩など)、N−アシルアミノ酸又はその塩(アシルサルコシンなどのN−アシル−N−アルキルアミノ酸又はそのアルカリ金属塩など)、N−(2−スルホ)アルキル−N−アルキルアルカンアミド塩[N−(2−スルホ)エチル−N−メチルアルカンアミドナトリウムなどのN−(2−スルホ)C1−4アルキル−N−C1−4アルキル−C6−30アルカンアミドのアルカリ金属塩など]、胆汁酸又はその塩、コール酸類(コール酸、デオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、グリコデオキシコール酸など)が挙げられる。
【0019】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウムハライド、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのC6−30アルキルトリメチルアンモニウムクロライド;ジラウリルジメチルアンモニウムクロライドなどのジC6−30アルキルジメチルアンモニウムクロライド;これらのアンモニウムクロライドに対応するブロミドなど)、トリアルキルモノアラルキルアンモニウム塩(トリアルキルモノアリールアンモニウムハライド、例えば、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムなどのアルキルジメチルベンジルハライド(C6−30アルキル−ジメチルベンジルハライドなど)など)、トリ(ポリオキシアルキレンアルキル)アンモニウム塩[トリ(ポリオキシアルキレンアルキル)アンモニウムハライド、例えば、トリ(ポリオキシエチレンステアリル)アンモニウムクロライドなどのトリ(ポリオキシC2−4アルキレンC6−30アルキル)アンモニウムハライドなど]、塩化ステアリルペンタエトキシアンモニウム、クロロ−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化ベンゼトニウム、硫黄の第3級化合物スルホニウム塩、リンの第4級化合物ホスホニウム塩などが挙げられる。
【0020】
非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸ジアルカノールアミド(ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸ジC2−10アルカノールアミドなど)、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド(ポリオキシエチレンステアリン酸アミドなどのポリオキシC2−4アルキレン脂肪酸アミドなど)、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアリールエーテル(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルなど)、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテルなどのポリオキシC2−4アルキレンモノ又はジC6−30アルキルC6−10アリールエーテルなど)、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルなどのポリオキシC2−4アルキレンC6−30アルキルエーテル;ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシC2−4アルキレンC6−30アルケニルエーテルなど)、多価アルコールの脂肪酸エステル[例えば、(ポリ)アルキレングリコール脂肪酸エステル(エチレングリコールジステアリン酸エステル、ポリエチレングリコールモノ又はジラウリン酸エステル、ポリエチレングリコールモノ又はジオレイン酸エステル、ポリエチレングリコールモノ又はジステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの(ポリ)C2−4アルキレングリコール飽和又は不飽和C6−30脂肪酸エステルなど);グリセリン脂肪酸エステル(モノカプリル酸デカグリセリン、モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリンなどの飽和又は不飽和C6−30脂肪酸のグリセリンエステルなど);ソルビタン脂肪酸エステル(モノカプリル酸ソルビタン、モノラウリル酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン飽和又は不飽和脂肪酸エステル(C6−30脂肪酸エステルなど);モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタンなどの飽和又は不飽和脂肪酸ポリオキシアルキレンソルビタン(C6−30脂肪酸ポリオキシC2−4アルキレンソルビタンなど)など);ソルビット脂肪酸エステル(ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどの飽和又は不飽和C6−30脂肪酸ポリオキシC2−4アルキレンソルビットなど)など]などが挙げられる。
【0021】
両性界面活性剤としては、例えば、グリシン類[ドデシル−ジ−(アミノエチル)グリシン、テトラデシル−ジ−(アミノエチル)グリシン、ベタイン類(ベタイン;ジメチルドデシルカルボキシベタインなどのアルキルベタイン;スルホベタイン誘導体など)など]、ホスファチジン酸誘導体[レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルエタノールアミンなど]、ジメチルアルキルアミンオキシド、N−イミダゾリン誘導体、アルキルジエチレントリアミノ酢酸などが挙げられる。
【0022】
高分子型界面活性剤としては、例えば、ポリアルキレンオキシド−(メタ)アクリレート共重合体、ポリアルキレンオキシド−エピクロルヒドリン共重合体、ポリエーテル系樹脂(ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルエステルなど)などが挙げられる。
【0023】
なお、これらの界面活性剤のうち、塩は、生理学的又は薬学的に許容可能な塩であるかぎり、前記例示の塩に限らず、種々の塩が使用できる。このような塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、ならびにアルミニウム等の金属との塩;有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミンとの塩;ピリジン、ピコリンなどの複素環式アミンとの塩;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミンとの塩;ジシクロヘキシルアミンなどのシクロアルキルアミンとの塩;N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどのアルキレンジアミン誘導体との塩など);アンモニウム塩などが挙げられる。
【0024】
上記界面活性剤のうち、C8−26アルカンスルホン酸塩、C1−20アルキルC6−10アレーンスルホン酸塩、ポリC2−4アルキレングリコールスルホン酸塩、C8−20アルキル硫酸又はその塩(特に、C14−18アルキル硫酸又はその塩など)、C8−26アルキルリン酸塩、ポリオキシC2−4アルキレンC8−26アルキルエーテルリン酸塩、飽和又は不飽和C10−30脂肪酸金属塩などのアニオン性界面活性剤;C8−26アルキルトリメチルアンモニウムハライド、ジC8−26アルキルジメチルアンモニウムハライド、C8−28アルキル−ジメチルベンジルハライド、トリ(ポリオキシC2−4アルキレンC8−26アルキル)アンモニウムハライド、塩化ベンゼトニウムなどのカチオン性界面活性剤;脂肪酸ジC2−8アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド(ポリオキシエチレンステアリン酸アミドなどのポリオキシC2−4アルキレンC6−30脂肪酸アミド)、ポリオキシC2−4アルキレンモノ又はジC8−26アルキルC6−10アリールエーテル、ポリオキシC2−4アルキレンC8−28アルキル又はアルケニルエーテル、(ポリ)C2−4アルキレングリコール飽和又は不飽和C8−26脂肪酸エステル、グリセリンC8−26脂肪酸エステル、ソルビタン飽和又は不飽和C8−26脂肪酸エステル、飽和又は不飽和C8−26脂肪酸ポリオキシC2−4アルキレンソルビタンなどの非イオン性界面活性剤;ベタイン類、レシチン、リゾレシチンなどの両性界面活性剤;ポリアルキレンオキシド−(メタ)アクリレート共重合体などの高分子型界面活性剤が好ましい。
【0025】
前記第1の成分(a-1)のうち、糖類としては、例えば、糖(単糖類、多糖類、オリゴ糖類など)、糖アルコールなどが例示できる。糖類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0026】
前記糖としては、例えば、ブドウ糖、ショ糖、果糖、乳糖、黒砂糖、ハチミツ、トレハロース、マルトース(麦芽糖)、キシロース、マンノース、ラフィノース、ガラクトース、フルクトース、ラムノース、異性化糖、パラチノースなどが挙げられる。これらの糖は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0027】
また、前記糖アルコールとしては、例えば、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、マルチトールなどが挙げられる。これらの糖アルコールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0028】
これらの糖類のうち、乳糖、エリスリトール、マンニトールなどが好ましい。
【0029】
第1の成分(a-2)(界面活性剤及び/又は糖類)の割合は、フェノフィブラート100重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部(例えば、2.5〜4.5重量部)、さらに好ましくは3〜4重量部程度である。
【0030】
フェノフィブラート及び第1の成分(a-2)の共粉砕(共微粉砕)は、慣用の方法、例えば、フェノフィブラート及び第1の成分を、慣用の混合方法により混合(好ましくは均一に混合)し、得られた混合物を、微粉砕化装置(ジェットミル、ハンマーミル、振動ボールミルなど)を用いて微粉砕することにより行うことができる。また、共粉砕物は、例えば、後述する第2の成分(B)の少なくとも一部(一部又は全部)とともに、固形状の第1の成分(a-2)(界面活性剤及び/又は糖類など)とフェノフィブラートとを混合した後、共粉砕したり、フェノフィブラートと第1の成分(a-2)(界面活性剤及び/又は糖類など)とを溶融混合し、必要により冷却固形化して、共粉砕することにより調製してもよい。なお、共微粉砕方法の詳細は、例えば、特公平7−14876号公報を参照できる。共粉砕物は、必要により分級してもよい。
【0031】
共粉砕物の50%粒子径(又は平均粒径)は、15μm以下(例えば、0.1〜12μm程度)、好ましくは10μm以下(例えば、0.5〜8μm程度)、さらに好ましくは5μm以下である。
【0032】
前記共粉砕物と組み合わせる前記担体成分(B)(添加剤)としては、固形製剤を製造するために通常使用される添加剤が使用でき、例えば、局方、「医薬品添加物事典」(薬事日報社、1994年1月14日発行)及び「医薬品添加物事典」(薬事日報社、2002年3月25日第2刷発行)に収載されている結合剤、崩壊剤、賦形剤などが利用できる。
【0033】
固形剤に用いられる担体成分又は添加剤のうち結合剤としては、デンプン[アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン(特に、アルファ化デンプンなどの可溶性デンプン)など];寒天、アラビアゴム、デキストリンなどの多糖類;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリ乳酸などの合成高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースエーテル類などが例示できる。これらの結合剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0034】
前記崩壊剤としては、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース又はその塩(カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムなど)、ポリビニルピロリドン(ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポピドン)など)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが例示できる。これらの崩壊剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0035】
前記賦形剤としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトールなどの糖類;トウモロコシデンプンなどのデンプン;結晶セルロース(微結晶セルロースも含む)などの多糖類;軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウムなどの酸化ケイ素又はケイ酸塩などが例示できる。これらの賦形剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0036】
これらの添加剤(B)の割合は、フェノフィブラート100重量部に対して、1〜70重量部、好ましくは2〜50重量部、さらに好ましくは5〜30重量部(例えば、7〜20重量部)程度である。また、結合剤及び崩壊剤の総量は、フェノフィブラート100重量部に対して、例えば、1〜65重量部、好ましくは5〜60重量部、さらに好ましくは10〜50重量部(例えば、15〜30重量部)、特に17〜20重量部程度であってもよい。賦形剤の割合は、フェノフィブラート100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜7重量部(例えば、1〜3重量部)程度であってもよい。
【0037】
本発明のフェノフィブラート含有組成物は、通常、固形製剤として使用される。前記組成物は、打錠剤などの錠剤として用いてもよいが、通常、顆粒剤や顆粒剤を充填したカプセル剤などとして使用される場合が多い。固形製剤の製造方法は、特に制限されず、慣用の方法により製造できる。例えば、顆粒剤は、慣用の造粒方法(乾式造粒法、湿式造粒法)、例えば、押出造粒、噴霧造粒などにより前記共粉砕物と添加剤(担体成分)とを造粒し、必要により整粒することにより調製できる。また、カプセル剤は、カプセルに前記顆粒剤を充填することにより調製できる。
【0038】
本発明の組成物は、必要により、他の生理活性成分又は薬理活性成分、例えば、ビタミン類、アミノ酸類、制酸剤、生薬成分、酵素類、降圧薬、高脂血症治療剤[他のフィブラート系薬剤(ベザフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、シンフィブラート、フェノフィブリン酸、ゲムフィブロジル、又はそれらの塩(例えば、クロフィブラートアルミニウムなど))、ヒドロキシメチルグルタリルCoAリダクターゼ阻害剤、ニコチン酸又はその誘導体、イオン交換薬、プロブコール、植物ステロールなど)、糖尿病薬などを含有してもよい。
【0039】
また、フェノフィブラート含有組成物は、他の製剤添加物(添加剤)、例えば、滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000など)、崩壊助剤、酸化防止剤(抗酸化剤)、保存剤又は防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤などを含有してもよい。フェノフィブラート含有組成物は、上記添加剤のうち、少なくとも滑沢剤を用いる場合が多く、滑沢剤の割合は、フェノフィブラート100重量部に対して、例えば、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは1〜3重量部(例えば、1〜2重量部)程度であってもよい。
【0040】
前記活性成分及び/又は他の添加剤は、フェノフィブラート及び第1の成分(a-2)とともに共粉砕してもよく、前記担体成分とともに、共粉砕物に添加してもよい。また、前記組成物を顆粒剤に製剤した後、この顆粒剤と前記活性成分及び/又は他の添加剤(例えば、滑沢剤など)と混合してもよい。なお、本発明の組成物は、必要により、矯味剤(例えば、甘味剤など)やマスキング剤、着色剤、矯臭剤(芳香剤など)、清涼化剤、消泡剤などを含有してもよい。
【0041】
本発明の組成物において、フェノフィブラートは、すでに単独で医薬として使用されていることもあり、毒性も低く、その安全性も確立されている。また、界面活性剤、糖類、及び添加剤は、医薬品分野で使用される添加剤として知られており、毒性が低く、安全性も高い。そのため、本発明の組成物は、ヒト及び非ヒト動物、通常、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対し、安全に用いられる。
【0042】
本発明の組成物(製剤)の投与量は、フェノフィブラートの通常の投与量に準ずればよく、投与対象、投与対象の年齢及び体重、症状、投与時間、剤形、投与方法等により、適宜選択することができる。フェノフィブラートの用量は、臨床上用いられる用量を基準として適宜選択でき、例えば、成人1人当たり経口投与の場合の1日用量として、20〜400mg、好ましくは30〜350mg、さらに好ましくは50〜300mg程度である。投与回数は、特に制限されず、例えば、1日1回であってもよく、必要に応じて1日複数回(例えば、2〜4回)であってもよい。
【0043】
本発明では、フェノフィブラートと第1の成分(a-2)(界面活性剤及び/又は糖類)との共粉砕物に、特定の添加剤を添加するので、フェノフィブラートの薬理活性を損なうことなく、従来の製剤(カプセル剤など)に比べて、添加剤の割合を大幅に低減でき、製剤のサイズ及び服用する製剤の個数を低減できる。なお、フェノフィブラートの薬理活性は、例えば、第14改正日本薬局方(日局XIV)の溶出試験法に基づく溶出速度を従来の製剤におけるフェノフィブラートの溶出速度と比較することにより評価することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の組成物は、有効成分であるフェノフィブラートの生物学的利用能を改善しつつ、添加剤(担体成分など)の割合を大幅に低減できるため、カプセル剤などの製剤サイズを大幅に小さくすることができるとともに、服用個数を増加する必要もない。そのため、本発明のフェノフィブラート含有組成物は、長期に亘り薬剤を服用したり、合併症等に伴い複数の薬剤を処方される場合や、嚥下が困難な高齢者などの患者であっても、服用コンプライアンスを改善するための固形製剤(カプセル剤など)などとして有用である。
【実施例】
【0045】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0046】
実施例1
下記の処方より得られた顆粒を4号カプセルに充填し、カプセル剤とした。
フェノフィブラート共粉砕物 105 mg
フェノフイブラート (100 mg)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 ( 5 mg)
トウモロコシデンプン 15 mg
合成ケイ酸アルミニウム 5 mg
ステアリン酸マグネシウム 1 mg
全量 126 mg。
【0047】
実施例2
下記の処方より得られた顆粒を4号カプセルに充填し、カプセル剤とした。
フェノフィブラート共粉砕物 120 mg
フェノフイブラート (100 mg)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 ( 5 mg)
軽質無水ケイ酸 ( 15 mg)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 5 mg
ステアリン酸マグネシウム 1 mg
全量 126 mg。
【0048】
実施例3及び比較例1
(1)カプセル剤の調製
実施例3:
下記の処方により得られた顆粒を4号カプセルに充填し、カプセル剤とした。
フェノフィブラート共粉砕物 103.5mg
フェノフイブラート (100 mg)
テトラデシル硫酸ナトリウム (3.5mg)
アルファー化デンプン 10 mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
乳糖 5 mg
全量 123.5mg。
比較例1:
下記の処方により得られた顆粒を4号カプセルに充填し、カプセル剤とした。なお、フェノフィブラート粉砕物としては、フェノフィブラート単独を微粉砕したものを用いた。
フェノフィブラート粉砕物 100 mg
アルファー化デンプン 10 mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
乳糖 5 mg
全量 120 mg。
【0049】
(2)評価
実施例3で用いた共粉砕物及び比較例1で用いたフェノフィブラート粉砕物の50%粒子径を下記の方法に従って測定した。また、実施例3及び比較例1のカプセル剤を用いて下記の方法により溶出性を評価した。
【0050】
(50%粒子径)
上記共粉砕物を約15mg量り取り、水5mLを添加して、分散液を調製した。また、フェノフィブラート粉砕物についても、共粉砕物と同様に、分散液を調製した。これらの分散液を用いて、レーザー回折法(分散媒:水;レーザー回折装置:(株)島津製作所製,SALD−2100)により各粉砕物のD50粒子径(粒度積算分布 50%径)を測定した。
【0051】
(溶出試験)
実施例3及び比較例1の各カプセル剤について、下記の条件で、溶出試験(n=6)を実施した。
溶出液:0.05mol/L濃度のSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)溶液
回転数:毎分120回転
溶出槽:1000mL
測定時間:10,20,30,40,50,及び60分
結果を表1に示す。
【0052】
【表1】

表から明らかなように、実施例3と比較例1とでは、粉砕物の粒子径は殆ど差異がないにも拘わらず、実施例のカプセル剤では、比較例に比べて、濡れ性及び溶出性が高かった。特に、実施例のカプセル剤は、試験開始初期から高い溶出性が得られ、60分後には、ほぼ100%のフェノフィブラートが溶出した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(a-1)フェノフィブラートと(a-2)界面活性剤及び糖類から選択された少なくとも一種の第1の成分との共粉砕物、並びに(B)結合剤、崩壊剤及び賦形剤から選択された少なくとも一種の第2の成分を含むフェノフィブラート含有組成物。
【請求項2】
界面活性剤が、(i)アニオン性界面活性剤、(ii)カチオン性界面活性剤、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)両性界面活性剤及び(v)高分子型界面活性剤から選択された少なくとも一種であり、
前記アニオン性界面活性剤(i)が、スルホン酸又はその塩類、有機硫酸、有機硫酸のアミン又はアンモニウム塩、スルホ脂肪族ジカルボン酸エステル塩、アルキル硫酸又はその塩、有機リン酸又はその塩、長鎖脂肪酸塩、エーテルカルボキシレート、脂肪酸金属塩、アルギン酸金属塩、ホスファチジン酸化合物又はその塩、グリセリルエステル、カルボキシアルキルセルロースの金属塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−(2−スルホ)アルキル−N−アルキルアルカンアミド塩、胆汁酸又はその塩、及びコール酸類から選択された少なくとも一種であり、
前記非イオン性界面活性剤(iii)が、脂肪酸ジアルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、(ポリ)アルキレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びソルビット脂肪酸エステルから選択された少なくとも一種であり、
前記高分子型界面活性剤(v)が、ポリアルキレンオキシド−(メタ)アクリレート共重合体、ポリアルキレンオキシド−エピクロルヒドリン共重合体、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド及びポリエーテルエステルから選択された少なくとも一種である請求項1記載のフェノフィブラート含有組成物。
【請求項3】
糖類が、糖及び糖アルコールから選択された少なくとも一種であり、前記糖が、ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、黒砂糖、ハチミツ、トレハロース、マルトース、キシロース、マンノース、ラフィノース、ガラクトース、フルクトース、ラムノース、異性化糖及びパラチノースから選択された少なくとも一種であり、前記糖アルコールが、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール及びマルチトールから選択された少なくとも一種である請求項1記載のフェノフィブラート含有組成物。
【請求項4】
フェノフィブラート(a-1)100重量部に対して、第1の成分 (a-2)1〜10重量部、及び第2の成分(B)1〜70重量部を含有する請求項1記載のフェノフィブラート含有組成物。
【請求項5】
さらに、滑沢剤を含む請求項1記載のフェノフィブラート含有組成物。

【公開番号】特開2006−273849(P2006−273849A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56398(P2006−56398)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000002990)あすか製薬株式会社 (39)
【Fターム(参考)】