説明

フォギング防止効果およびクリーニング効果をもたらす低揮発性有機成分含有の硬表面処理剤組成物

多機能な低揮発性有機成分を含有する水性の硬表面処理組成物は、(1)少なくとも二つの界面活性剤を含む界面活性剤系と、(2)少なくとも一つのアルキレングリコールアルキルエーテルと、アルコールとグリコールとを含んだ少なくとも二つの溶媒と、少なくとも一つの洗浄剤と、キャリアとしての水分とを備えている。少なくとも二つの界面活性剤はアニオン界面活性剤と、ポリマー界面活性剤または非イオン界面活性剤のいずれかを含んでいる。界面活性剤系とアルキレングリコールアルキルエーテルは相乗効果によって、組成物で処理表面にフォギング防止効果、条痕防止効果、クリーニング効果をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
低揮発性有機成分(VOC)を含有し、処理表面に対してフォギング防止(anti−fogging)効果、クリーニング効果およびワイプアウト(wipe−out)効果をもたらす硬表面処理剤組成物(Hard surface treating composition)について述べる。フォギング防止の対策を採ることで、乳白化(ブルーミング(blooming))や曇り(ヘージング(hazing))の抑制にもなる。後述する硬表面処理剤組成物は、付加化合物とさらに結合することによって強化された界面活性剤系とグリコールエーテル化合物との相乗効果に基づく。
【背景技術】
【0002】
従来、硬表面洗浄剤組成物において溶媒含有量が高い場合には、高いクリーニング効果、すなわち、通常は手を使って紙や繊維布等で表面を磨くことによる完全なクリーニングと同様に、高いワイプアウト効果をもたらすことができるため、有益であることが知られている。しかしながら、環境保護などを考慮して、揮発性有機成分を低くすることが求められている。揮発性有機成分を低くするために溶媒が洗浄剤から分離されるが、これにより溶媒が存在していたことによって得られた効果が失われてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、従来は、一般的に揮発性有機成分を低くすることにより、クリーニング効果が低下することがあった。クリーニング効果の低下により汚れが残り、処理後に表面の質が低下してしまい、その結果、時間の経過に伴いヘージングやブルーミングが生じてしまい、湿度の高い環境下では、浴室内でのシャワーの湯気による鏡や、家や車の窓ガラスのように、フォギングがさらに増加することがあった。
【0004】
従って、揮発性有機成分の含有量が低く、クリーニング効果、ワイプアウト効果、フォギング防止効果を有する硬表面処理剤組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の組成物は硬表面を処理するためのものであり、各成分を少量含有して特定の成分構成にすることで多様な効果を得たものである。この組成物は低揮発性有機成分に基づいていることから環境に優しいものであり、キレート剤(例えばモノエタノールアミン)が存在する必要がなく、例えば、一定の期間はレインボー効果(rainbow effect)が発生しないなど、一定の期間のフォギング防止効果や、クリーニング効果、ワイプアウト効果、ブルーミング(ヘージング)抑制効果といった様々な特性を有するものである。従来の硬表面処理剤組成物に比べると、溶媒の含有量は極めて少ないにもかかわらず、クリーニング効果などが低下することが一切なく(むしろクリーニング効果が向上し)、かつ、組成物はさらにフォギング防止効果やワイプアウト効果が向上している。低揮発性有機成分は4%未満であり、好ましくは3%未満である。
【0006】
第1の非限定例である実施例において、本発明は硬表面処理用水性組成物に関連している。前記組成物は二つ以上の界面活性剤を含み、かつ、一つ以上のグリコールエーテルと組み合わせた界面活性剤系を備えている。グリコールエーテルは好ましくはアルキレングリコールアルキルエーテルである。界面活性剤系は、アニオン界面活性剤と、ポリマー界面活性剤または非イオン界面活性剤のいずれかを含んでいる。ポリマー界面活性剤は好ましく用いられる。その理由は、組成物に少量のグリーコールエーテルを含有させて組成物のフォギング防止効果やクリーニング効果が向上するためである。
【0007】
第1の非限定例である実施例の前記組成物は、低揮発性有機成分を含有して組成物が処理する表面のクリーニングを始める前に、前記表面から組成物が引火することを防ぐために、少量の一つ以上の溶媒をさらに含んでいる。前記溶媒はクリーニングやワイプを補助するクリーニング組成物において用いるものとして公知の従来の溶媒や、アルキレングリコールのように保湿剤(humectant)としても溶媒としても機能できるものを組み合わせたものであっても良い。
【0008】
第1の非限定例である実施例の組成物に含まれる成分として、さらに、洗浄剤成分がある。この洗浄剤成分は、洗浄機能を有しているのに加え、組成物のpHを調整する機能を有していても良い。さらに組成物の各成分の働きを向上させるため、ポリマー湿潤剤が必要に応じて含まれている。これにより、組成物によって処理表面が親水性になる。
【0009】
溶媒、洗浄剤、それから必要であればポリマー湿潤剤が存在することで、界面活性剤系とグリコールエーテルのフォギング防止効果やクリーニング効果が向上する。
【0010】
本発明に関する硬表面処理用組成物の第2の非限定例である実施例は、(1)0重量%よりも多くかつ約1重量%以下のアニオン界面活性剤と、0重量%よりも多くかつ約1重量%以下のポリマー界面活性剤または0重量%よりも多くかつ約1重量%以下の非イオン界面活性剤のいずれかとを含む界面活性剤系と、(2)0重量%よりも多くかつ約2重量%以下の少なくとも1つのアルキレングリコールアルキルエーテルと、(3)0重量%よりも多くかつ約0.5重量%以下の洗浄剤と、(4)約0.2重量%以上かつ約3重量%以下の少なくとも1つの溶媒と、(5)約0.1重量%以上かつ約1重量%未満の少なくとも1つの溶媒/保湿剤と、(6)任意で約0.05重量%以上かつ約1重量%以下のポリマー湿潤剤と、(7)キャリアとしてかつ希釈剤として残余成分である水分を含んでいる。
【発明の効果】
【0011】
本明細書に記載の組成物は、キレート剤を含まないことが好ましい。前記組成物に対してこの限定を行うことにより、製剤が環境面に与える影響を弱めたり(すなわち、「環境に配慮」した特徴(“greener” profile))、この製剤の複雑化が回避できるとともに、製剤のコスト削減、さらに条痕(ストリーク)防止(anti−streaking)効果やクリーニング効果の維持、さらに全体的な品質を一定以上に維持するといった効果が得られる。
【0012】
本明細書に記載された組成物の硬表面への使用は、数日間にわたり表面のフォギング防止効果をもたらす。この効果は、汚れを除去する効果が強化されたことによる、クリーニング効果の改善を示す。本発明の組成物は、湿度駆動(humidity driven)され、これによりクリーニング効果やワイプアウト効果とならんでフォギング防止効果をもたらすものである。一般的に湿度が高くなると、組成物の低揮発性有機成分は、クリーニング効果への影響と同様に湿潤(wetting)への影響も有する。しかしながら、本発明の低揮発性有機成分は、湿潤やクリーニング効果に対してマイナスの影響を及ぼすものではない。本発明の組成物の効果は、各要素が個々持っている効果を合わせたものよりも、総合的に大きくなる。各成分はそれぞれ独自の効果をもたらすが、これらの成分を組み合わせることにより、その効果が驚くほど増大し、その結果、本発明の組成物は、従来のガラスや硬表面をクリーニングする組成物を凌ぐものとなる。
【0013】
本発明の具体的な非限定例である実施例の詳細な記述は、以下の図面を参照することにより、さらによく理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の組成物(A)と、グリコールエーテル成分を含まないこと以外は(A)と同一の成分を含む比較用組成物(B)と、ウィスコンシン州,ラシーンのエス.シー.ジョンソン アンド サン,インコーポレイテッドの、ウィンデックス(WINDEX(登録商標))―オリジナル製法(Original formula)という商品名で市販されている比較用組成物(C)とについて、時間の経過に伴うブルーミング平均に関するブルーミング(ヘージング)試験の結果を示すグラフである。
【図2】組成物(A)、(B)、(C)の条痕形成率の比較結果を示すグラフであり、組成物(A)および(C)はほぼ同様の条痕形成率であるが、組成物(B)では条痕形成率がより高い。
【発明を実施するための形態】
【0015】
定義
【0016】
本明細書で「組成物(composition)」とは、複数の化学成分を含んだあらゆる液体物質のことをいう。
【0017】
本明細書で「香料(fragrance)」とは、香水、消臭剤(odor−eliminator)、臭気マスキング剤(odor masking agent)といったものの全てとそれらを組合せたものをいう。いくつかの実施例では、香料は顧客や使用者の嗅覚に効果がある物質の全てである。
【0018】
本明細書で「重量%」とは、全体の調合における実際の活性成分の重量百分率である。例えば、化学式Xの汎用組成物は、70重量%の活性原料Xを含むものとする。このとき、汎用組成物10gは、Xを7gだけ含んでいる。もし、汎用組成物10gが他の活性原料90gに加えられれば、最終的な調合を終えたあとのXの重量百分率は、それゆえに7%となる。
【0019】
本明細書で「硬表面」は多孔質表面かつ/または非多孔質表面の全てである。1つの実施例では、硬表面はセラミック、ガラス、金属、ポリマー、石、及びこれらを組み合わせたものからなるグループから選ばれてもよい。別の実施例では、硬表面はシリコンウエハかつ/または他の半導体材料を含むものではない。セラミック表面の非限定例は、便器、流し台、シャワー、タイルなど、およびこれらを組み合わせたものである。ガラス表面の非限定例は、窓、鏡などである。金属表面の非限定例は、排水管、流し台、自動車や、これらを組合せたものである。ポリマー表面の非限定例は、PVCパイプ、繊維ガラス、アクリル、コーリアン(Corian(登録商標))など、およびこれらを組み合わせたものである。石材硬表面の非限定例は、花崗岩、大理石などである。
【0020】
硬表面はいかなる形態、サイズであってもよく、所望の目的に合った全ての配向性を有するものであっても良い。1つの非限定例において、硬表面は垂直配向になっている窓であってもよい。他の非限定例では、硬表面はセラミック製の便器のように曲面であってもよい。さらにまた他の非限定例では、硬表面は垂直及び水平の部分を有するパイプの内部や、あるいはまたカーブした部分を有するものであっても良い。硬表面の形、サイズかつ/または配向性は本発明の組成物には影響を及ぼさないものと考えられる。
【0021】
本明細書で「界面活性剤」とは、例えば水といった液体の表面張力を低下させる全ての化学物質であってもよい。本発明で用いるのに適した界面活性剤には、例えば以下のようなものがある。ある実施例では、界面活性剤はアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、およびこれらを組み合わせたものからなるグループから選ばれても良い。他の非限定的な実施例において、界面活性剤は超湿潤剤であってもよい。
【0022】
組成物
【0023】
本発明の組成物は表面処理用の水性組成物であり、特にガラス表面に対して有効である。組成物は低揮発性有機成分を含んでおり、残留物はわずかしか含まない。組成物は、相乗効果を有する成分を特別に組み合わせたものに基づく。この組成物はフォギング防止効果やワイプアウト効果のような効果をもたらす多機能性のものであり、クリーニング効果の向上やブルーミング(ヘージング)を減らすことにも関係する。
【0024】
第1の非限定的な実施例において、本発明の硬表面処理剤組成物は、(a)二つ以上の界面活性剤を含む界面活性剤系と、(b)グリコールエーテル、(c)洗浄剤、(d)1つ以上の溶媒、(e)アルキレングリコール、(f)任意のポリマー湿潤剤と、(g)水とを含んでいる。
【0025】
第2の非限定的な実施例において、本発明の硬表面処理剤組成物は、(a)(i)アニオン表面活性剤と(ii)ポリマー表面活性剤または非イオン界面活性剤を含む界面活性剤系と、(b)アルキレングリコールアルキルエーテルと、(c)組成物のpHを調整する効果も有する洗浄剤と、(d)アルコールを含む溶媒成分と、(e)アルキレングリコールと、(f)任意のポリマー湿潤剤と、(g)水とを含んでいる。
【0026】
界面活性剤系とグリコールエーテルは、組成物で処理された表面に対するフォギング防止効果を相乗効果により向上させるものである。グリコールエーテルが組成物に含まれていなければ、フォギング防止効果の減少が著しい。これはすなわちクリーニング効果の減少を意味するものである。
【0027】
組成物の界面活性剤系は、アニオン界面活性剤と、ポリマー界面活性剤と非イオン界面活性剤の少なくとも1つとを含んでいる。ポリマー界面活性剤はイオンの性質によって制限されるものではない。ポリマー界面活性剤はグリコールエーテルが少量存在しているときにアニオン界面活性剤の効果を向上させるため、非イオン界面活性剤よりも好まれる。
【0028】
アニオン界面活性剤は、0重量%よりも多く約1重量%の範囲で使用され、好ましくは約0.3重量%以上かつ約0.5重量%以下の範囲で、さらに好ましくは約0.4重量%で使用される。使用するのに適したアニオン界面活性剤は、例えば、第2アルカンスルホン酸(パラフィンスルホン酸)のアルカリ金属塩である。好ましい第2アルカンスルホン酸塩は、アルカリ金属C14−17 sec−アルキルスルホン酸であり、その化学式はCH(CHCH(S0”Na)(CH−CHであり、ここで、m+n=10〜14であり、たとえばドイツのClariant GmbH社よりHOSTAPUR SAS 30の商標名で販売されているものがある。使用に適する他のアニオン界面活性剤は、アルキルスルホン酸塩(alkyl sulphonates)やアルキル硫酸塩(alkyl sulfates)のアルカリ金属塩と、アルケニルスルホン酸塩(alkenyl sulfates)やアルケニル硫酸塩(alkenyl sulfates)のアルカリ金属塩と、アルキルアリルスルホン酸塩(alkylaryl sulphonates)やアルキルアリル硫酸塩(alkylaryl sulfates)のアルカリ金属塩、アルカリ金属C6−18アルキルエーテル硫酸塩(alkali metal C6−18 alkyl ether sulfates)、例えば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(sodium lauryl ether sulfate)やα−オレフィンスルホン酸塩(α−olefin sulfonates)などを含んでいる。こうしたいくつかのアニオン界面活性剤は、一般式がRSOMまたはRSOMであり、Rが炭素原子数約8〜約20のアルキル基またはアルケニル基、あるいは、アルキルアリル基であってもよく、そのアルキル基部分は炭素原子数が約9から約15の直鎖アルキル基であっても分枝アルキル基であってもよく、そのアリル基部分はフェニル基またはその誘導体であってもよく、Mはアルカリ金属(たとえば、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、あるいはリチウム)であってもよい。
【0029】
ポリマー界面活性剤は、0重量%よりも多く、約1重量%以下含まれている。ポリマー界面活性剤は、アニオン界面活性剤の働きを向上させる効果があり、ごく少量のグリーコールエーテルと一緒に用いると、良い効果が得られる。好ましいポリマー界面活性剤は、VIDET EGMという商標名で米国のVitech International社より販売されたもので、生分解性のポリマー界面活性剤系である。本発明の組成物で使用に適するポリマー界面活性剤は、特殊なイオン性のものに制限されるものではない。少量の溶媒による組成物の低揮発性有機成分の含有により、ポリマー界面活性剤を用いると、揮発性有機溶媒を除去することで失われた組成物の洗浄効果が取り戻される。洗浄効果が取り戻される理由は、組成物が早く蒸発しないからである。
【0030】
非イオン界面活性剤は、0重量%よりも多く、約1重量%以下含まれており、好ましくは、約0.4重量%以上かつ約0.6以下重量%であり、さらに好ましくは約0.5重量%である。非イオン界面活性剤は、硬表面洗浄組成物において用いられる公知の非イオン界面活性剤の全てである。好ましい非イオン界面活性剤は、アルキルポリグリコシドである。使用に適するアルキルポリグリコシドは、化学式がRO−(R’O)−Zである。Rは炭素原子数が8から20の一価アルキルラジカルであり(アルキル基は直鎖や分枝、飽和や不飽和を問わない)、Oは酸素原子、R’は炭素原子数が2から4の二価アルキルラジカルであり、好ましくはエチレンまたはプロピレンである。xは平均値が0以上12以下の数であり、Zは炭素原子数が5または6の還元性多糖部分であり、好ましくはグルコース残基、ガラクトース残基、グルコシル残基、またはガラクトシル残基である。また、nは平均値が1から10の数である。様々なアルキルグリコシドの詳細な説明については、米国法定発明登録(U.S. Statutory Invention Registration)H468及び米国特許No.4,565,647に開示されており、これらの記載は参照により本明細書に組み込まれるものとする。アルキルグリコシドのいくつかの例は、GLUCOPONという名称で販売されており、以下のものがある(Zはグルコース残基であり、X=0)。
【0031】
【表1】

【0032】
使用に適した非イオン界面活性剤の他の非限定例は、(OC)で濃縮された第2アルカノールを含むアルコールエトキシレートを含有している。酸化アミンもまた使用に適している。
【0033】
界面活性剤系と相乗作用効果を有するグリコールエーテル成分は、好ましくはアルキレングリコールアルキルエーテルである。アルキレンは好ましくはエチレンまたはプロピレンであり、アルキル基は好ましくは、C−Cの炭素鎖である。使用に適する他のグリコールエーテルは、グリコール基一つに六つまでの炭素原子を有し、各アルキル基に六つまでの炭素原子を有する、アルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルまたはジアルキルエーテルを含んでいる。使用に好ましい例としては、ヘキシルセルソルブという名称でも知られているエチレングリコールn−ヘキシルエーテルがある。他の例としては、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピレン、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、などがある。
【0034】
グリコールエーテルは0重量%よりも多く、約2重量%以下含まれている。グリコールエーテルは1重量%未満含まれているのが好ましい。グリコールエーテルの含有量の好ましい範囲は、約0.5重量%以上かつ約0.7重量%以下である。グリコールエーテルは良好なワイプアウト効果を組成物に与える効果を有している。
【0035】
洗浄剤は0重量%よりも多く、約0.5重量%以下含まれており、さらに好ましい含有量は約0.3重量%である。洗浄剤は組成物による洗浄効果を高めるもので、組成物のpH調整に適した成分であることが好ましい。組成物のpH調整をする好ましい洗浄剤としては、水酸化アンモニウムがある。硬表面洗浄組成物として用いられる公知の洗浄剤は、組成物の他の成分との相溶性がある(compatible)ものであれば、いずれも組成物での使用に適している。
【0036】
一つ以上の溶媒がグリコールエーテル成分に添加されて存在している。溶媒成分は、低揮発性有機成分を組成物内で維持する程度に少量が含まれており、他の成分の特性を向上させることにより組成物の効果を高める働きがある。さらに、溶媒の量が大きすぎる場合には、表面処理組成物は組成物が表面の洗浄を始める前に表面のゴミを洗い流す。溶媒成分の含有量は、好ましくは約0.2重量%から約3重量%である。さらに好ましくは、約0.25重量%から約1重量%である。適した溶媒はC−C脂肪族アルコールを含んでおり、好ましくはイソプロピルアルコール、エタノール、ブタノールを含んでいる。
【0037】
組成物のグリコール成分は、好ましくは6つまでの炭素原子を有するアルキレングリコールである。グリコールがプロピレングリコールまたはエチレングリコールであることが最も好ましい。グリコールにより、溶媒、洗剤、湿潤剤としての作用に多様な機能が与えられる。グリコールの含有量は、約0.1重量%以上かつ1重量%以下であり、好ましくは約0.2重量%以上かつ0.5重量%以下であり、さらに好ましくは約0.2重量%以上かつ0.3重量%以下である。
【0038】
組成物のポリマー湿潤剤は、親水性を有するように処理された硬表面を形成するように作用し、これにより処理表面上における組成物の作用を向上させ、とりわけ他の成分によってもたらされるフォギング防止効果やクリーニング効果を向上させる。好ましいポリマー湿潤剤は、Rhodia Chimie社よりMIRAPOL SURFという商標名で販売されており、米国特許No.6,593,288、No.6,767,410、No.6,703,358、No.6,569,261、および、米国特許公開公報No.2006/0217286A1に記載されている。これらの文献において記載されているように、好ましいポリマーはアニオン電荷を形成する酸性のモノマーを含んでおり、かつ、恒久的なカチオン電荷を伴うか、あるいは、プロトン化によりカチオン電荷を形成するモノマーを含んでいる。好ましいMIRAPOL SURFポリマーは、アクリルアミドアクリルポリマーであるMIRAPOL SURF S−210である。ポリマー湿潤剤の他の例は、アクリルポリマー(CAS No.192003−74−0)の両性水溶液である、Coginsより販売されているPOLYQUART AMPHO 149であり、例えば、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、非イオンモノマーとともに水溶性の単重合体または共重合体を含む、ドイツのBASE AG社より販売されているSOKALAN HP−70である。全体的な成分の作用を向上させる上で、ポリマー湿潤剤は、組成物に必要に応じて含有され、含有される場合は、ポリマー湿潤剤成分の含有率は約0.05重量%以上かつ1重量%以下である。また、含有量が約0.4重量%のときに最も好ましい効果があるが、これよりも低い0.1重量%であってもよい効果を得ることができる。ポリマー湿潤剤の含有量はそれゆえに、通常は約0.1重量%という低い値とすることにより、組成物のコストを抑えている。
【0039】
組成物は、香料、染料/着色剤、保存料等のひとつ以上の様々な補助剤を少量含んでいても良い。このような補助剤の含有量は、0重量%よりも多くかつ0.05重量%以下である。
【0040】
組成物にはその各成分を除いた残り(balance)が100重量%となる水が含まれている。水は軟水でも良く、脱イオン化水でも良く、逆浸透性水といったものであっても良い。軟水が好ましい。
【0041】
本発明の硬表面処理組成物は、好ましくは以下のような成分構成(formula)になっている。
【0042】
【表2】


本発明の硬表面処理組成物のさらに好ましい成分構成は、以下のようになっている。
【0043】
【表3】


本発明の硬表面処理組成物の最も好ましい成分構成は、以下のようになっている。
【0044】
【表4】

【0045】
【表5】

【0046】
本発明の硬表面処理剤組成物を用いた場合、ガラスや鏡といったものの表面を組成物を用いた処理によって洗浄すると、何日もフォギングすることがない。この効果は、組成物によるさらなる汚れの除去、すなわち、洗浄作用の向上を示すものである。フォギング防止特性は、組成物で表面を処理したあとに組成物と関係するブルーミングによって示される。処理した表面上でレインボー効果が認められるようなことは、一定の期間はない。本発明の組成物のフォギング防止効果を、グリコールエーテルと界面活性剤系を組み合わせたときの相乗性とともに示すために、ブルーミング(ヘージング)比較試験を、上記表3に示した成分構成の組成物(これをAとする)と、ヘキシルセロソルブ(エチレングリコールn−ヘキシルエーテル)が存在しないこと以外は表3と同一の成分構成の組成物(これをBとする)と、ウィスコンシン州,ラシーンのエス.シー.ジョンソン アンド サン,インコーポレイテッドの、ウィンデックス(WINDEX(登録商標))−オリジナル製法(Original Formula)という商品名で販売されているガラスクリーナー(これをCとする)とを用いて行った。このブルーミング試験の結果を、経過日数(0から89)に応じたブルーミング平均に基づき、図1のグラフに図示している。ブルーミング試験の結果によれば、発明の組成物Aは湿度駆動(humidity driven)され、良好なフォギング防止効果が得られ、さらに同様に、ワイプアウト効果及びクリーニング効果が得られた。
【0047】
さらに特徴的なことは、図1において、Bの成分構成の場合では、21日目から25日目の間に湿度の増加(例えばシャワーから湯気が生じているときの浴室内に置いたような場合)により、ブルーミングが減少することがわかる。一方、Aの成分構成の場合では、性能の顕著な改善の低下を示すことはなく、湿度駆動されるものであった。
【0048】
さらに、条痕形成率(streak rate)、すなわちワイプアウト効果の度合いに関して、図2を参照して上述したように、比較試験は、前記三つの成分構成A,B,Cの組成物を用いて行った。条痕形成率は0から5までの値で表記され、0は条痕がまったく形成されなかった状態を示し、5は全体に条痕が形成された状態を示す。図2に示されるように、成分構成Aは、市販の成分構成Cに匹敵する。グリコールエーテルを含んでいない成分構成Bは、大量の条痕が形成された。
【0049】
本発明の組成物の多様な効果をさらに導き出すために、本発明の二つの組成物について比較試験が行われた。その組成物とは、一つは発明Aとされ、上記表4の成分構成によるものであり、もう一つは発明Bとされ、上記表3の成分構成によるものである。また、この比較試験では、以下に記載の様々な市販のガラスクリーニング製品を用いて行った。他の製品には、同一のまたは類似の成分が含まれているものもあるが、本発明の組成物は、クリーニング効果、条痕防止効果、フォギング防止効果の向上(つまりブルーミングやヘージングの抑制)を、低揮発性有機成分の含有状況下でもたらすものである。上記の組成物について行われた製品試験は、以下に記された組成物と同一であった。
【0050】
【表6】

【0051】
【表7】

【0052】
【表8】

【0053】
【表9】

【0054】
【表10】

【0055】
【表11】

【0056】
【表12】

【0057】
【表13】

【0058】
【表14】

【0059】
上記製品および本発明の組成物に用いられた試験手順は同一のものであり、”条痕試験手順(Streak Test Protocol)”および”屋内汚れ試験手順(Interior Soil Test Protocol)”というタイトルで以下に説明される。試験の結果は表5に示している。
【0060】
条痕試験(Streak Test)
ガラスクリーナーは窓の掃除に最も頻繁に用いられる。窓はまた、その表面で条痕が最も頻繁に見られる。ゆえに、この試験ではガラス上でのガラスクリーナーの成分構成による条痕形成能力を比較する。
【0061】
窓上の条痕は反対側から光が当てられるとすぐに見つけることができるだけでなく、反対側を暗くしても見つけることができる。こういった状況は一日の中で太陽の高度が低くなり、直接ガラスに日の光があたる日の出直後と日没直前に起こる。条痕試験では光源を用いて透明窓ガラス(glass pane)に背後から光をあて、窓ガラスを黒い面に向けることで、この状況が作り出される。
【0062】
12”×12”×1/8”の強度品質が2倍(double strength quality)であるスワイプされた端部(swiped edges)を備える透明フロート窓ガラスであってQ1品質(ASTM C1036。フラットガラスの基本仕様)のものが使用された。この12”×12”×1/8”の少なくとも一つのガラス板を目の高さに保つための観覧スタンドが用いられた。使用される光照射装置は、ETCセンサ・ライティング・コントロール・システム、SR−12モデル(ETC Sensor Lighting control system,model SR−12)と、ETCアクレイム100シリーズ、24チャネル・ライト・ボード、124モデル(ETC Acclaim 100 series,24 channel light board,Model 124)と、ETCソース・フォー・エリプソイダル・スポットライト436モデル(ETC Source Four Ellipsoidal Spotlight Model 436)と、HPL575ハロゲン・ランプ(HPL 575 Halogen Lamp)である。このETCソース・フォー・ライト(ETC Source Four Lights)は、照明用ポール(Lighting pole)に設置した。ガラス板観察用スタンドは、照明用ポールの正面36インチ前に設置した。ガラス板を保持する観察用スタンドの領域に光を照射した。光の入射角は25°から30°であった。光が観察用スタンド上で焦点を結ぶと、鮮明な画像が得られた。ガラス板は観察用スタンドの中に置いたまま、周りの光を全て消し、露出計を使って光度(light intensity)を測定した。露出計はガラス板の面に対して平行に置き、最小値の1 1/2秒間かけてガラス板に反射する光の強度(intensity)を測定した。全ての光について、その光度が900から1100fcd(foot candles)の間になるように調節が行われた。
【0063】
試験を行う表面の条件を同一にするために、全てのガラス板はウィンデックス(WINDEX(登録商標))−オリジナル製法(Original Formula)のガラスクリーナーの10%溶液を用いて拭いた。全てのガラス板を準備してそこに製品を一様につけたあと、その製品をふき取ってガラス板を評価した。クリーニングされたガラス板を観察用スタンドにセットしてテンプレート(template)の後ろに設置した。周囲のライトを消し、光源のスイッチを入れた。ホルダ(holder)内のガラス板を照明付きのブラックボックス内に置き、写真を撮影した。ブルーミング試験において、ブラックボックス評価を毎週行った。試験は、ブラックボックス評価(black box evaluation)と最終視覚評価(final visual evaluation)によるもので、一週間に四回行われた。上述したように、このテストの結果は下記の表5に示している。
【0064】
屋内汚れ試験(Interior Soil Test)
ガラスクリーナーは窓の掃除に最も頻繁に用いられる。窓はまた、その表面で指紋跡が最も頻繁に見つかるところである。ゆえに、この試験ではガラス上でのガラスクリーナーの成分構成によるクリーニング能力を比較する。
【0065】
窓上の指紋は反対側から汚れ(soil)に光が当てられるとすぐに見つけることができるだけでなく、反対側を暗くしても見つけることができる。こういった状況は一日の中で太陽の高度が低くなり、直接ガラスに日の光があたる日の出直後と日没直前に起こる。指紋試験では、光源を用いて透明窓ガラス(glass pane)に背後から光をあて、窓ガラスを黒い面に向けることで、この状況が作り出される。
【0066】
12”×12”×1/8”の強度品質が2倍のスワイプされた端部(swiped edges)を備える透明フロート窓ガラスであって、Q1品質(ASTM C1036。フラットガラスの基本仕様)のものが使用された。この12”×12”×1/8”の少なくとも一つをガラス板を目の高さに保つための観察用スタンドが用いられた。使用される光照射装置は、ETCセンサ・ライティング・コントロール・システム、SR−12モデルと、ETCアクレイム100シリーズ、24チャネル・ライト・ボード、124モデルと、ETCソース・フォー・エリプソイダル・スポットライト436モデルと、HPL575ハロゲン・ランプである。このETCソース・フォー・ライトは、照明用ポールに設置した。ガラス板観察用スタンドは照明用ポールの正面36インチ前に設置した。ガラス板を保持する観察用スタンドの領域に光が照射された。光の入射角は25°から30°であった。光が観察用スタンド上で焦点を結ぶと、鮮明な画像が得られた。
【0067】
ガラス板は観察用スタンドの中に置いたまま、周りの光を全て消し、露出計を使って光度を測定した。露出計はガラス板の面と平衡に置かれたあと、最小値で1 1/2秒間かけてガラス板によって反射する光の強度を測定した。全ての光について、その光度が900から1100fcdの間になるように調節が行われた。
【0068】
試験を行う表面の条件を一様にするために、全てのガラス板はウィンデックス(WINDEX(登録商標))−オリジナル製法(Original Formula)のガラスクリーナーの10%溶液を用いて拭いた。ガラス板が乾燥した状態で、あるいはほとんど乾燥した状態で行われた。全てのガラス板を準備すると、ガラス板を観察用スタンドにセットして直接背後から光を照射した。
【0069】
試験に用いられるガラス板に塗られる屋内汚れは、次のような組成になるように調整された。
【表15】

【0070】
ガラス上に円を描くようにして上記の汚れを一様に塗布したあと、汚れを全て覆うように同一のポンプ付容器に入った各組成物を、二回、完全にトリガーを引いてガラス板上に吹きかけた。テスト製品に対しては20秒の滞留時間が与えられた。組成物と汚れをふき取ってから、テンプレートを観察用スタンドに設置し、クリーニング済みのガラス板をテンプレートの後ろに設置した。周囲のライトを消し、光源のスイッチを入れた。
【0071】
ガラス板を評価のために照明つきのブラックボックス内に置いた。ブラックボックス内の光源のスイッチを入れ、光源をウォームアップ(warm up)させた(15分間)。ガラス板を撮影し、各側部の平均を記録した。テストの結果を下記の表5に示している。
【0072】
【表16】


Invention A=上記表4に記載の組成物
Invention B=上記表3に記載の組成物
IS=屋内汚れ(Interior Soil)
【0073】
本発明の組成物は硬表面を処理するためのものであり、各成分を少量含有して特定の成分構成にすることで多様な効果を得たものである。この組成物は低揮発性有機成分に基づいていることから環境にやさしく、例えば一定の期間はレインボー効果が発生しないなど、特定期間のフォギング防止効果や、クリーニング効果、ワイプアウト効果、ブルーミング(ヘージング)抑制効果といった様々な特性を有するものである。従来の硬表面処理剤組成物に比べると、溶媒の含有量は極めて少ないにもかかわらず、クリーニング効果などが低下することが一切なく(むしろクリーニング効果が向上し)、かつ、組成物はさらにフォギング防止効果やワイプアウト効果が向上している。
【0074】
「特に」「好ましくは」「典型的に」「通常は」「頻繁に」といった言葉は、請求項に記載される発明の範囲を限定するために用いられるものではなく、さらに、ある特徴が請求項に記載された発明の構造や機能に対して必須であったり必要不可欠的であったり、あるいは重要であるということを暗示するために用いられるものでもない。むしろこれらの言葉は特に重要な任意のあるいは付加的な特徴に対して強調されるものであって、これらの特徴は、本発明の具体的な実施例において用いられてもよく、あるいは用いられなくてもよいものである。またさらに、「基本的に」や「約」といった言葉は本来的な不確実度を表現するために本明細書において単に強調されているものに過ぎず、この言葉が量的な比較や値、測定あるいはその他のいかなる表現すべてに帰するものであっても良い。
【0075】
本明細書で開示された値は、列挙された正確な数値に対し厳格に制限されるものとして理解されるものではない。その代わり、他に限定されない限りにおいて、これらの値はどれも列挙された値や、その値付近の機能的に同等な範囲を意味することが意図されている。たとえば、50重量%と開示された値は、約50重量%であることを意味していることが意図されている。
【0076】
本発明の詳細な説明において引用されたすべての文献は、関連する部分について本明細書の参照として含まれている。すなわちすべての文献からの引用は、本発明に対してそれが従来技術であることを承認するために、本明細書に組み込まれているのではない。本明細書の用語の意味や定義が、参照によって取り入れられた文献における用語の意味や定義と一致しない限りにおいては、本明細書の意味や用語で解釈されなければならない。
【0077】
本明細書で開示された実施例は、完全にあるいは本発明の範囲を不必要に狭くすることを意図するものではない。これらの実施例は本技術分野において熟達していれば本発明を実施できるように、本発明の原理を説明するために選択されて記載されたものである。本技術分野の当業者に明らかであるように、上記の内容に関しては様々な変更が可能である。本技術分野の当業者の可能性の範囲内であるこれらの変更は、本発明の一部を占めるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも2つの界面活性剤を含み、前記界面活性剤の少なくとも1つがアニオン界面活性剤であり、少なくとも1つがポリマー界面活性剤または非イオン界面活性剤のいずれかである界面活性剤系、
(b)アルキレン基が最大で6つの炭素原子を含み、アルキル基がC1−6の炭素鎖長を有する少なくとも1つのアルキレングリコールアルキルエーテル、
(c)アルコールとグリコールとを含む少なくとも二つの溶媒、
(d)少なくとも1つの洗浄剤、
(e)任意でポリマー湿潤剤の化合物、
(f)任意で1つ以上の補助剤、及び
(g)キャリアとしての水
とを含んだ、硬表面を処理するための多機能性硬表面処理剤組成物であり、
揮発性有機成分が4%未満であり、
前記組成物により処理が行われた前記硬表面は、前記少なくとも一つのアルキレングリコールアルキルエーテルがない場合よりもフォギングが抑制されることを特徴とする多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項2】
キレート剤を含まないことを特徴とする請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項3】
前記ポリマー湿潤剤が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項4】
前記ポリマー湿潤剤が含まれていることを特徴とする請求項2に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項5】
前記(a)のアニオン界面活性剤が0重量%よりも多くかつ約1重量%以下含まれており、前記(a)のポリマー界面活性剤が含まれる場合は0重量%よりも多くかつ約1重量%以下含まれており、前記(a)の非イオン界面活性剤が含まれる場合は0重量%よりも多くかつ約1重量%以下含まれており、前記少なくとも1つのアルキレングリコールアルキルエーテルが0重量%よりも多くかつ約2重量%以下含まれており、前記少なくとも2つの溶媒が約0.3重量%以上かつ約4重量%以下含まれており、前記アルコールが約0.2重量%以上かつ約3重量%以下含まれており、前記グリコールが約0.1重量%以上かつ約1重量%未満含まれており、前記洗浄剤の化合物が0重量%よりも多くかつ約0.5重量%以下含まれており、前記ポリマー湿潤剤の化合物が含まれる場合は約0.05重量%以上かつ約1重量%以下含まれており、前記1つ以上の補助剤が含まれる場合はそれぞれ0重量%よりも多くかつ約0.05重量%以下含まれており、前記水が残余成分で約100重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項6】
前記(a)のアニオン界面活性剤が約0.3重量%以上かつ約0.5重量%以下含まれており、前記(a)のポリマー界面活性剤が含まれる場合は約0.4重量%以上かつ約0.5重量%以下含まれており、前記(a)の非イオン界面活性剤が含まれる場合は約0.4重量%よりも多くかつ約0.5重量%以下含まれており、前記少なくとも1つのアルキレングリコールアルキルエーテルが0重量%よりも多くかつ約1重量%以下含まれており、前記少なくとも2つの溶媒が約0.45重量%以上かつ約1.5重量%以下含まれており、前記アルコールが約0.25重量%以上かつ約1重量%以下含まれており、前記グリコールが約0.2重量%以上かつ約0.5重量%未満含まれており、前記洗浄剤の化合物が0重量%よりも多くかつ約0.3重量%以下含まれており、前記ポリマー湿潤剤の化合物が含まれる場合は約0.1重量%以上かつ約0.4重量%以下含まれており、前記1つ以上の補助剤が含まれる場合はそれぞれ0重量%よりも多くかつ約0.05重量%以下含まれており、前記水が残余成分で100重量%含まれていることを特徴とする、請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項7】
前記アルコールがC1−4の脂肪族アルコールであることを特徴とする請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項8】
前記グリコールがアルキレングリコールであることを特徴とする請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項9】
前記アニオン界面活性剤が、第2アルカンスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルスルホン酸アルカリ金属塩、アルケニルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルアリルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキル硫酸アルカリ金属塩、アルケニル硫酸アルカリ金属塩、アルキルアリル硫酸アルカリ金属塩、アルカリ金属C6−18アルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩のうちで、1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項10】
前記ポリマー界面活性剤が生分解性ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項11】
前記非イオン界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、アルコールエトキシレート、または酸化アミンのなかの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項12】
前記グリコールエーテルが、アルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルまたはジアルキルエーテルのうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項13】
前記洗浄剤が水酸化アンモニウムであることを特徴とする請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項14】
前記ポリマー湿潤剤がアクリルアミドアクリルポリマー、アクリルポリマーの両性水溶液、ビニルピロロリドンの単重合体または共重合体、ビニルイミダゾールの単重合体または共重合体のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項15】
前記揮発性有機成分が1%未満であることを特徴とする請求項1に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項16】
(a)約0.2重量%以上かつ約3重量%以下のC1−4脂肪族化合物、
(b)0重量%よりも多くかつ約1重量%以下のアニオン界面活性剤、
(c)0重量%よりも多くかつ約1重量%以下のポリマー界面活性剤または非イオンポリマー界面活性剤のいずれか、
(d)0重量%よりも多くかつ約2重量%以下のアルキレングリコールアルキルエーテル、
(e)0重量%よりも多くかつ約0.5重量%以下の洗浄剤の化合物、
(f)約0.1重量%以上かつ1重量%未満のアルキレングリコール、
(g)任意で約0.05重量%以上かつ約1重量%以下のポリマー湿潤剤の化合物
(h)任意で1つ以上の補助剤、及び、
(i)残余成分で100重量%の水、
とを含み、揮発性有機成分が4%未満であることを特徴とする多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項17】
前記C1−4脂肪族化合物が約0.25重量%以上かつ約1重量%以下含まれており、前記アニオン界面活性剤が約0.3重量%以上かつ約0.5重量%以下含まれており、前記ポリマー界面活性剤が含まれる場合は約0.4重量%以上かつ約0.5重量%以下含まれており、前記非イオン界面活性剤が含まれる場合は約0.4重量%以上かつ約0.5重量%以下含まれており、前記アルキレングリコールアルキルエーテルが約0.5重量%以上かつ約0.7重量%以下含まれており、前記洗浄剤の化合物が約0.25重量%以上かつ約0.35重量%以下含まれており、前記アルキレングリコールが約0.2重量%以上かつ約0.3重量%以下含まれており、前記ポリマー湿潤剤の化合物が含まれる場合は約0.1重量%以上かつ約0.4重量%以下含まれており、前記1つ以上の補助剤が含まれる場合はそれぞれ0重量%よりも多くかつ約0.05重量%以下含まれており、前記水が残余成分で100重量%含まれていることを特徴とする、請求項16に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項18】
前記揮発性有機成分が1%未満であることを特徴とする請求項16に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項19】
前記アニオン界面活性剤が、第2アルカンスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルスルホン酸アルカリ金属塩、アルケニルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルアリルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキル硫酸アルカリ金属塩、アルケニル硫酸アルカリ金属塩、アルキルアリル硫酸アルカリ金属塩、アルカリ金属C6−18アルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩のうちで、1つ以上であることを特徴とする請求項16に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項20】
前記ポリマー界面活性剤が生分解性ポリマーであることを特徴とする請求項16に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項21】
前記非イオン界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、アルコールエトキシレート、または酸化アミンのなかの少なくとも1つであることを特徴とする請求項16に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項22】
前記アルキレングリコールアルキルエーテルが最大で6つの炭素原子を含むアルキレン基を有しており、前記アルキル基がC1−6の炭素鎖長を有することを特徴とする請求項16に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項23】
前記洗浄剤が水酸化アンモニウムであることを特徴とする請求項16に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項24】
前記ポリマー湿潤剤の化合物がアクリルアミドアクリルポリマー、アクリルポリマーの両性水溶液、ビニルピロロリドンの単重合体または共重合体、ビニルイミダゾールの単重合体または共重合体のいずれかであることを特徴とする請求項16に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項25】
1−4脂肪族アルコールが約0.2重量%以上かつ約3重量%以下含まれており、アニオン界面活性剤が0重量%よりも多くかつ約1重量%以下含まれており、ポリマー界面活性剤または非イオン界面活性剤が0重量%よりも多くかつ約1重量%以下含まれており、アルキレングリコールアルキルエーテルが0重量%よりも多くかつ約2重量%以下含まれており、洗浄剤が0重量%よりも多くかつ約0.5重量%以下含まれており、グリコールの化合物が約0.01重量%以上かつ1重量%未満含まれており、前記ポリマー湿潤剤の化合物が任意で約0.05重量%以上かつ約1重量%以下含まれており、前記1つ以上の補助剤が任意で含まれており、前記水が残余成分で100重量%含まれていることを特徴とする多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項26】
揮発性有機成分が1%未満であることを特徴とする請求項25に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項27】
前記C1−4脂肪族アルコールがイソプロピルアルコールであり、前記アニオン界面活性剤は第2アルカンスルホン酸アルカリ金属塩であり、前記ポリマー界面活性剤は生物分解性ポリマー界面活性剤であり、前記アルキレングリコールアルキルエーテルはエチレングリコールn−ヘキシルエーテルであり、前記ポリマー湿潤剤の化合物はアクリルアミドアクリルポリマーであり、前記洗浄剤は水酸化アンモニウムであり、前記溶媒はアルキレングリコールであることを特徴とする請求項25に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項28】
前記アニオン界面活性剤が、第2アルカンスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルスルホン酸アルカリ金属塩、アルケニルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルアリルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキル硫酸アルカリ金属塩、アルケニル硫酸アルカリ金属塩、アルキルアリル硫酸アルカリ金属塩、アルカリ金属C6−18アルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩のうちで、1つ以上であることを特徴とする請求項25に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項29】
前記ポリマー界面活性剤が生分解性ポリマーであることを特徴とする請求項25に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項30】
前記アルキレングリコールアルキルエーテルが最大で6つの炭素原子を含むアルキレン基を有しており、前記アルキル基がC1−6の炭素鎖長を有することを特徴とする請求項25に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項31】
前記洗浄剤が水酸化アンモニウムであることを特徴とする請求項25に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。
【請求項32】
前記ポリマー湿潤剤の化合物がアクリルアミドアクリルポリマー、アクリルポリマーの両性水溶液、ビニルピロロリドンの単重合体または共重合体、ビニルイミダゾールの単重合体または共重合体のいずれかであることを特徴とする請求項25に記載の多機能性硬表面処理剤組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−508505(P2013−508505A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535191(P2012−535191)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/002812
【国際公開番号】WO2011/049626
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】