説明

フッ素置換されたオレフィンを含む起泡剤及び組成物、並びに起泡方法

【課題】オゾン層破壊係数が高いクロロフルオロカーボン又はハイドロクロロフルオロカーボンに代わる、オゾン層破壊係数が低く、地球温暖化係数も低い発泡剤を用いた発泡断熱材を提供する。
【解決手段】ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン等の各種高分子と、5〜99重量%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン及びC4〜C6炭化水素を含む1種以上の共発泡剤とを用いた発泡体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば冷房装置等の伝熱システムを特に含む、多くの用途において有用な化合物、方法及びシステムに関する。好ましい側面において、本発明は、複数のフッ素でフッ素化された少なくとも一種の本発明のオレフィンを含む冷却用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フルオロカーボンベースの液体は、エアゾール噴射剤として及び発泡剤としての用途を含む、多くの商業及び産業の用途において広範に使用されることが見出されてきた。これまでこれらの用途に用いられてきたある種の組成物の使用に関連して、地球温暖化係数が比較的高いことを含む一定の考えられる環境問題により、ハイドロフルオロカーボン(HFC)のような、オゾン層破壊係数が低いか又はゼロの液体を使うことが、益々望ましくなった。従って、クロロフルオロカーボン(CFC)又はハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)を実質的に含まない液体を使用することが望ましい。更に、いくつかのHFC液体は、それに関連した比較的高い地球温暖化係数を有し、そして、使用特性において望ましい性能を維持しつつ、可能な限り地球温暖化係数が低いハイドロフルオロカーボン又は他のフッ素化液体を用いることが望ましい。加えて、沸騰及び蒸発の際、実質的に分留しない、単一成分の液体又は共沸様混合物が、ある状況において望ましい。
【0003】
上記のように、地球大気及び気候に潜在的な損傷を与えることについての関心が近年高まりつつあり、ある塩素系化合物は、この点で特に問題があると認識されてきた。例えば、冷凍システム及び空調装置のような伝熱システムにおける作動流体として、塩素含有組成物(クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)等)を使用することは、このような化合物の多くと関連するオゾン層破壊特性により、好ましいものではなくなってきた。従って、これらの用途及び他の用途にこれまで使われてきた組成物の魅力的な代替の新しいフルオロカーボン及びハイドロフルオロカーボン化合物及び組成物への必要性が増してきた。例えば、発泡剤システム又は冷却装置のような塩素含有システムを、ハイドロフルオロカーボン(HFC)のようなオゾン層を破壊しないであろう塩素を含まない化合物で、塩素含有化合物を置き換えることにより改良することが望ましくなってきた。産業界全般は、CFC及びHCFCの代替を提供し、環境上、より安全な代用物と考えられる、新しいフルオロカーボン系混合物を、継続的に捜し求めている。しかし、いかなる潜在的な代替品でも、優れた断熱特性及び、適切な化学的安定性、低毒性又は無毒性、低燃焼性又は不燃性といった発泡剤として用いられる際の、他の好ましい発泡体の特性を与えるような、最も広く用いられている液体の多くに存在する特性をも有していなければならないということが多くの場合において重要であると考えられている。
【0004】
更に、CFC発泡剤の代用物が、従来の発泡体生成システムに、大きな技術変更をすることなく効力を有することが望ましいと、一般に考えられている。
例えば、熱可塑性物質及び熱硬化性物質のような、従来の発泡材料を作製する方法及び組成物は長い間知られてきた。これらの方法及び組成物は、典型的には化学的発泡剤及び/又は物理的発泡体をポリマーマトリックス内に発泡構造を形成するために用いる。このような発泡剤には、例えば、アゾ化合物、種々の揮発性有機化合物(VOC)及びクロロフルオロカーボン(CFC)が含まれていた。この化学的発泡剤は典型的には、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素のようなガスの放出を引き起こすポリマーマトリックスを形成する物質との化学反応(多くの場合、所定の温度/圧力において)を含む特定の形態の化学変化をする。基も頻繁に用いられる化学的発泡剤の一つは、水である。物理的発泡剤は、典型的には、ポリマー又はポリマー前駆物質に溶解し、そして体積が膨張し(これも、所定の温度/圧力における)、発泡構造の形成に寄与する。化学的発泡剤は、熱可塑性発泡体と共に、物理的発泡剤の代わりに又は物理的発泡剤に追加して用いることができるが、物理的発泡剤は熱可塑性発泡体と共に用いられる。例えば、ポリビニルクロリド系の発泡体の形成に関連して、化学的発泡剤が用いられることが知られている。化学的発泡剤及び/又は物理的発泡剤を熱可塑性発泡体と共に用いることは一般的である。勿論、それらを含む特定の化合物及び組成物は、化学的発泡剤及び物理的発泡剤を同時に含む。
【0005】
以前は、堅固で柔軟なポリウレタン及びポリイソシアヌレート発泡体のようなイソシアネート系の発泡体の調製の際、標準的な発泡剤としてCFCが用いられるのが一般的であった。例えば、CCl3F(CFC-11)は、標準的な発泡剤となった。しかし、大気中に放出されると、成層圏のオゾン層が損傷されるとの根拠により、この物質を使用することは、国際条約により禁止された。結果として、純粋なCFC-11が、イソシアネート系発泡体、及びフェノール発泡体のような熱硬化性発泡体の形成のための標準的な発泡剤として用いられることは、もはや一般的で通常のことではなくなった。
【0006】
CFCにより伴われる問題により、水素含有クロロフルオロアルカン(HCFC)は、より頻繁に用いられるようになった。例えば、CHCl2CF3(HCFC-123)、CH2ClCHClF(HCFC-141b)は、大気中での寿命が比較的短い。しかし、HCFCは、CFCに比べて環境を損なわない発泡剤であると考えられている一方、このような化合物は、依然いくつかの塩素を含有し、それ故「オゾン層破壊係数」(「ODP」と呼ばれる)を有する。ODPがゼロでないことから、HCFCの使用を最終的に排除することが目標とされてきた。
【0007】
他の種の発泡剤として知られているものは、塩素化されていない、部分的に水素化されたフルオロカーボン(「HFC」と呼ばれる)である。発泡剤として現在用いられているHFCのうち特定の種のものは、少なくとも1つの潜在的で重大な問題を有する。すなわち、これらは、一般的に比較的高い熱伝導性(すなわち、不十分な断熱性)を内在的に有する。他方、CF3CH2CF2H(HFC-245fa)のような、より最近のHFC発泡剤の、特定のものから作製した発泡体は、一部には、HFC-245fa蒸気の低い伝熱性により、また一部には、HFC-245faが発泡体に与える微細気泡構造により、改善された断熱性を示す。HFC-245faは、断熱用途として、特に冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵/冷凍庫及びスプレーフォーム(spray foam)用途として広く用いられてきた。しかし、多くのHFC液体は、比較的高い地球温暖化係数を有するという欠点を共有しており、そして、使用特性における所望の性能を維持しつつ、可能な限り低い温暖化係数を有するハイドロフルオロカーボン又は他のフッ化液体を用いることが望ましい。HFC-245fa、HFC-134a、HFC-365mfc、及びその他のような、更により最近のHFCは、他のHFCに比べて低いとはいえ、望まれるものより高い温暖化係数を示す。従って発泡断熱材、特に堅固な発泡断熱材における発泡剤としてHFCが使用されることにより、HFCは、商業上の発泡断熱材中の発泡剤として、より好ましくない候補となる結果となった。
【0008】
炭化水素系発泡剤もまた知られている。例えば、フッツェン(Hutzen)に付与された米国特許第5182309号により、種々のエマルジョン混合物中のイソ-及びノルマル-ペンタンの使用が教示される。フォルケルト(Volkert)に付与された米国特許第5096933号により教示されるように、炭化水素系発泡剤の他の例はシクロペンタンである。シクロペンタン及びペンタンの異性体などの多くの炭化水素系発泡剤は、オゾン層を減少させない薬剤であり、非常に低い地球温暖化係数を示すが、このような物質は、これらの発泡剤から製造された発泡体が、例えば、HFC-245fa発泡剤により作製された発泡体と同程度の断熱効率を有しないため、完全に望ましいものではない。更に、炭化水素系発泡剤は、非常に可燃性が高く望ましくない。また、ある炭化水素系発泡剤は、一定の状況において、ポリイソシアヌレートで改質したポリウレタン発泡体に通常用いられる多くのポリエステルポリオールのような、それにより発泡体が形成される物質と、十分な混和性を有しない。これらのアルカンの使用には、適した混合物を得るために、多くの場合、化学的界面活性剤が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5096933号明細書
【発明の概要】
【0010】
従って、これまで、これらの用途及び他の用途で発泡剤として用いられてきた組成物の魅力的な代替である、新しい化合物及び組成物への必要性が増してきた。出願人らは、このように、CFC及びHCFCの効果的な代替を提供し、環境上、より安全なCFC及びHCFCの代用物と考えられている、新しいフルオロカーボンベースの化合物及び組成物の必要を認識してきた。しかし、いずれの潜在的な代用物であっても、少なくとも、特に、気相熱伝導性(低kファクター)、低毒性又は無毒性等の、最も広く用いられている発泡剤と関連する特性に匹敵する特性を有するか、又は発泡体にそのような特性を与える必要もあるということが、一般的に非常に望ましいと考えられている。
多くの用途に於ける他の潜在的に重要な特性の一つは、可燃性である。つまり、低燃性又は不燃性の組成物を用いることが、特に発泡剤用途を含む多くの用途において、重要であるか又は不可欠であるかのいずれかであると考えられている。本明細書で用いられているように、「不燃性」という用語は、本明細書に参照により組み入れられた、ASTM規格E-681, 2002年に従う測定により、不燃と判断されるような化合物又は組成物を指す。残念ながら、不燃性であれば冷媒組成物に使用されるのに好ましいであろう多くのHFCは、不燃性でない。例えば、フルオロアルカンのジフルオロエタン(HFC-152a)及びフルオロアルケンの1,1,1-トリフルオルプロペン(HFO-1234zf)は、それぞれ可燃性であり、従って、多くの用途で使用に耐えない。
【0011】
Tapscottに付与された米国特許第5900185号において、発泡剤を含む特定の物質の可燃性を減少させるために、臭素含有ハロカーボン添加剤を使用することが提案されてきた。この特許における添加剤は、高効率で、そして大気中の寿命が短い、つまり、オゾン層破壊係数(ODP)が低く、地球温暖化係数が(GWP)が低いことにより特徴付けられると論じられている。
【0012】
Tapscottに記載された臭素化されたオレフィンは、ある種の材料と関連して、一定のレベルの抗燃焼剤(anti-flammability agent)としての有効性を有することができるが、このような物質の発泡剤としての使用をなんら開示してない。さらに、このような化合物はある欠点をも有すると考えられている。例えば、本願出願人らは、Tapscottにおいて確認される多くの化合物は、このような化合物としては分子量が比較的高いことにより、発泡剤として比較的低効率であることを認識するようになった。加えて、Tapscottに記載の化合物の多くは、このような化合物としては比較的沸点が高いことにより、発泡剤として用いる場合、問題に直面する。さらに、置換度の高い多くの化合物は、例えば、潜在的に環境上望ましくない生体内蓄積などの、望ましくない毒性の特性及び/又は他の望ましくない特性を有し得ることが、本願出願人らによって理解されている。
【0013】
Tapscottは、2個から6個の炭素原子を有する臭素含有アルケンは、フッ素置換基をも含み得ると指摘している一方、この特許により、「フッ素を含まないブロモアルカンは対流圏でのヒドロキシルフリーラジカルとの反応により、大気中での寿命が非常に短い」(第8欄、34行目〜39行目)と言及されることにより、フッ素含有化合物は、環境上の安全性の見地から、完全に望ましいものではないということが示唆されていると思われる。
【0014】
更に、発泡剤の代用物が、発泡体調製及び生成に用いられる従来の装置及びシステムに、大きな技術変更をすることなく効力を持つことが望ましいと、一般に考えられている。
このように、本願出願人らは、有益な性質を提供し、そして/又は、1つ又は2つ以上の上記の不利益を回避する組成物、特に発泡剤、発泡可能な組成物、発泡製品及び発泡体を生成するための方法、及びシステムに対する必要性を認識するようになった。また、このように、本願出願人らは、そして/又は、1つ又は2つ以上の上記の不利益を避けつつ、数多くの用途において潜在的に有益な、組成物、特に発泡剤に対する必要性を認識するようになった。
【0015】
本発明は、特に、高分子発泡体に関する組成物、方法、システム及び剤に関連することを含む、数多くの用途において有用性を有する組成物、方法及びシステムに関する。
[要旨]
本願出願人は、上記の要求、及び他の要求を、1種類又は2種類以上の、炭素数2から炭素数6のフルオロアルケン、より好ましくは1種類又は2種類以上の炭素数3から炭素数5のフルオロアルケン、そして更に好ましくは1種類又は2種類以上の以下の式I:
XCFzR3-z (I)
(ここで、Xは、C1、C2、C3、C4又はC5の不飽和の、置換された若しくは置換されていない基であり、それぞれのRは独立してCl、F、Br、I又はHであり、zは1から3である)
を有する化合物を含む発泡剤組成物、発泡可能な組成物、発泡体及び/又は発泡製品により満足することができることを見出た。そして、本発明のフルオロアルケンは少なくとも4個のハロゲン置換基を有し、その少なくとも3個はFであり、更に好ましくは、そのいずれもBrでない、ということが好ましい。
【0016】
少なくとも1つのBr置換基が存在する態様において、該化合物が水素を含まないことが好ましい。このような態様において、通常、Br置換基は不飽和炭素上にあることも好ましく、更に好ましくは、Brは末端にない不飽和炭素上にある。この種の特に好ましい化合物は、CF3CBr=CF2であり、その異性体をすべて含む。
【0017】
ある態様において、式Iの化合物が、3個から5個のフッ素置換基を有し、他の置換基は存在するか存在しないかのいずれかであるプロペン、ブテン、ペンテン及びヘキセンであることは非常に好ましい。ある好ましい態様において、いずれのRもBrでなく、好ましくは、不飽和基はいずれのBr置換基も含まない。これらのプロペンの中で、テトラフルオロプロペン(HFO-1234)及びフルオロクロロプロペン(例えば、トリフルオロ、モノクロロプロペン(HFCO-1233)、及び、更に好ましくはCF3CCl=CH2(HFO-1233xf)及びCF3CH=CHCl(HFO-1233zd))は、ある態様においては、特に好ましい。
【0018】
ある態様において、特に、CF3CF=CFH(HFO-1225yez)のような、末端の不飽和炭素上に水素が存在するペンタフルオロプロペンを含むペンタフルオロプロペンは、特に、本願出願人が、このような化合物は、少なくともCF3CH=CF2(HFO-1225zc)に比べて比較的低度の毒性を有することを発見したため、好ましい。
【0019】
ある態様において、ブテンの中では、フルオロクロロブテンが特に好ましい。
ここで用いられる「HFO-1234」という用語は、すべてのテトラフルオロプロペンに言及するために用いられる。テトラフルオロプロペンには、1,1,1,2-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、並びに、シス-及びトランス-1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)の双方が含まれる。「HFO-1234ze」という用語は、ここでは、シス型又はトランス型のいずれであるかに関わらず、1,1,1,3-テトラフルオロプロペンを総称して言及するために用いられる。「シスHFO-1234ze」及び「トランスHFO-1234ze」という用語は、ここでは、それぞれ、シス-及びトランス-型の1,1,1,3-テトラフルオロプロペンを記載するために用いられる。従って、「HFO-1234ze」という用語には、その範囲に、シスHFO-1234ze、トランスHFO-1234ze、並びにこれらのすべての組み合わせ及び混合物が包含される。
【0020】
「HFO-1233」という用語は、ここでは、あらゆるトリフルオロ,モノクロロプロペンに言及するために用いられる。トリフルオロ,モノクロロプロペンには、1,1,1-トリフルオロ-2-クロロプロペン(HFCO-1233xf)、及び、シス-及びトランス-1,1,1-トリフルオロ-3-クロロプロペン(HFCO-1233zd)の双方が含まれる。「HFCO-1233zd」という用語は、ここでは、シス型又はトランス型のいずれかであるかに関わらず、1,1,1-トリフルオロ-3,クロロプロペンを総称して言及するために用いられる。「シスHFCO-1233zd」及び「トランスHFCO-1233zd」という用語は、ここでは、それぞれ、シス-及びトランス-型の1,1,1-トリフルオロ-3-クロロプロペンを記載するために用いられる。従って、「HFCO-1233zd」という用語には、その範囲に、シスHFCO-1233zd、トランスHFCO-1233zd、並びに、これらのすべての組み合わせ及び混合物が包含される。
【0021】
「HFO-1225」という用語は、ここでは、あらゆるペンタフルオロプロペンに言及するために用いられる。このような分子には、1,1,1,2,3ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yez)の、シス-及びトランス-の双方が包含される。従って、「HFO-1225yez」という用語は、ここでは、シス型又はトランス型のいずれであるかに関わらず、1,1,1,2,3ペンタフルオロプロペンを総称して言及するために用いられる。従って、「HFO-1225yez」という用語には、その範囲に、シスHFO-1225yez、トランスHFO-1225yez、並びに、これらのすべての組み合わせ及び混合物が包含される。
本発明は、発泡体の発泡のための方法及びシステムを包含した、本発明の組成物を用いる方法及びシステムをも提供する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
組成物
本発明の組成物は、一般的に、発泡剤組成物又は発泡可能組成物の形態であってよい。それぞれの場合において、本発明には、ここで記載されるような少なくとも一種のフルオロアルケン化合物及び、そのいくつかは以下に詳細に記載される他の成分が必要に応じて要求される。
A.フルオロアルケン
本発明の好ましい態様は、炭素原子を2個から6個、好ましくは3個から5個、より好ましくは3個から4個、そして、特定の態様において最も好ましくは、3個の炭素原子を含み、そして少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む、少なくとも一種のフルオロアルケンを含む組成物に向けられている。本発明のフルオロアルケン化合物は、少なくとも1つの水素を含む場合、便宜上、ここでは時に、ハイドロフルオロオレフィンまたは「HFO」と呼ばれる。本発明のHFOは、2つの炭素--炭素2重結合を含んでいてもよいことが考えられるが、現時点で、このような化合物は好ましいものと考えられていない。ここでは時に、少なくとも1つの塩素原子をも含むHFOに対して、HFCOという名称を用いる。
【0023】
上記のように、本発明の組成物は、1つ又は2つ以上の式Iに従う化合物を含む。好ましい態様において、本発明の組成物は1つ又は2つ以上の以下の式II:
【0024】
【化1】

【0025】
[ここで、それぞれのRは独立して、Cl、F、Br、I又はHであり、
R’は(CR2)nYであり、
YはCRF2
そしてnは0、1、2又は3であり、好ましくはO又は1である]
の化合物を含む。一般に、Brが化合物に存在しないか、又は、Brが化合物に存在する場合、化合物には水素を含まないかのいずれかであることが好ましい。
【0026】
非常に好ましい態様において、YはCF3であり、nは0又は1(最も好ましくは0)であり、そして、少なくとも1つの残りのRはFであり、並びに、好ましくは、いずれのRもBrではなく、又はBrが存在する場合、化合物に水素は存在しない。特定の場合において、式II内のいずれのRもBrでないことが好ましい。
【0027】
本願出願人は、一般的に、上記で特定した式I及び式IIの化合物は、通常効果的であり、そして、本明細書に包含される教示に従う発泡剤組成物において効用を示すと考えている。しかし、本願出願人は、驚くべきことに、また、予期せぬことに、上記の式に記載の構造を有する化合物のいくつかが、他のこのような化合物と比べて、非常に望ましい低レベルの毒性を示すことを見出した。容易に理解されることであるが、この発見は、発泡剤組成物の配合に関して、潜在的に非常に優位なものであり、有益なものである。より詳細には、本願出願人は、不飽和の末端の炭素上の少なくとも1つのRがHであり、そして少なくとも1つの残りのRがF又はClである式I又は式IIの化合物(好ましくは、式中、YはCF3であり、nは0又は1である)が、比較的低レベルの毒性を伴うと考えている。本願出願人は、このような化合物のすべての構造異性体、幾何異性体及び立体異性体は有効であり、有利に低毒性であるとも考えている。
【0028】
ある好ましい態様において、本発明の化合物はC3又はC4のHFO又はHFCOを含み、好ましくはC3のHFOを含み、そして、より好ましくは、式中、Xはハロゲンで置換されたC3のアルキレンであり、そしてzは3である、式Iに記載の化合物を含む。このような態様のいくつかにおいては、Xはフッ素及び/又は塩素で置換されたC3アルキレンであり、そして、以下のC3アルキレン基が特定の態様において好ましい:
-CH=CF-CH3
-CF=CH-CH3
-CH2-CF=CH2
-CH2-CH=CFH
従って、このような態様は以下の好ましい化合物を含む:CF3-CH=CF-CH3;CF3-CF=CH-CH3;CF3-CH2-CF=CH2;CF3-CH2-CH=CFH;並びに、これらを互いに組み合わせたもの、及び/又は、これらを式I又は式IIに記載の他の化合物と組み合わせたもの。
【0029】
ある好ましい態様において、本発明の化合物は、C3又はC4のHFCOを含み、好ましくは、C3のHFCOを含み、そして、より好ましくは、式中、YはCF3であり、nは0であり、不飽和の末端の炭素上の少なくとも1つのRはHであり、そして残りのRの少なくとも1つがClである、式IIに記載の化合物を含む。HFCO-1233はこのような好ましい化合物の例である。
【0030】
非常に好ましい態様、特に、上記に記載の、低毒性の化合物を含む態様において、nは0である。特定の非常に好ましい態様において、本発明の組成物は、HFO-1234yf、(シス)HFO-1234ze及び(トランス)HFO-1234zeを包含する1種又は2種以上のテトラフルオロプロペンを含み、そして、HFO-1234zeが一般に好ましく、ある態様において、トランスHFO-1234zeが非常に好ましい。(シス)HFO-1234ze及び(トランス)HFO-1234zeの特性は、少なくともいくつかの点で異なるが、これらの化合物のそれぞれは、本明細書に記載の用途、方法及びシステムのそれぞれに関連して、単独で、又はその立体異性体を含む他の化合物と一緒に用いるのに適している。例えば、(トランス)HFO-1234zeは、低沸点(-19℃)であるので、特定のシステムにおいて好ましく用いることができ、一方、沸点が+9℃の(シス)HFO-1234zeは他の用途で好ましく用いることができる。もちろん、シス-及びトランス-異性体の組み合わせは、多くの態様において許容され、そして/又は好まれる可能性がある。従って、「HFO-1234ze」及び1,3,3,3-テトラフルオロプロペンという用語により、両方の立体異性体が言及されることが理解されるべきであり、そして、指摘されない限り、シス-型及びトランス-型のそれぞれが、記載された目的に適用され、そして/又は役に立つことを示すために、この用語は用いられる。
【0031】
HFO-1234化合物は公知の物質であり、ケミカルアブストラクツデータベースに掲載されている。種々の飽和及び不飽和ハロゲン含有C3化合物の、触媒作用による気相でのフッ素化処理による、CF3CH=CH2のようなフルオロプロペンの製造は、米国特許第2889379号、第4798818号及び第4465786号に記載されており、それぞれは、本明細書に参照によって組み入れられる。本明細書に、参照により更に組み入れられている欧州特許第974571号において、気相中高温でクロムベースの触媒に1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)を接触させることにより、又は、液相中でKOH、NaOH、Ca(OH)2又はMg(OH)2のアルコール溶液に1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)を接触させることにより、1,1,1,3-テトラフルオロプロペンを製造すること開示されている。更に、本発明に記載の化合物の製造方法が、概して、代理人整理番号(H0003789(26267))の「フルオロプロペンの製造方法(Process for Producing Fluorpropenes)」と題する出願中の米国特許出願に関連して記載されており、この出願も本明細書に参照により組み入れられる。
【0032】
本発明に従った使用のための、他の好ましい化合物には、そのすべての異性体(例えば、HFO-1225)を含むペンタフルオロプロペン、そのすべての異性体(例えば、HFO-1354及びHFO-1345)を含むテトラ-及びペンタ-フルオロブテンが含まれる。勿論、本発明の組成物は、本発明の広い範囲内、又は本発明の好ましいいずれの範囲内に、2種又は3種以上のいずれの化合物の組み合わせを含んでよい。
【0033】
本発明の組成物、特にHFO-1234(HFO-1234ze及びHFO-1234yfを含む)を含む本発明の組成物は、数多くの重要な理由により、有利な特性を有すると考えられている。例えば、本願出願人らは、少なくとも部分的には数学的モデルに基づき、本発明のフルオロオレフィンは、実質的に負の影響を大気化学に及ぼさず、ハロゲン化された他のいくつかの種のものと比べて、オゾン層減少への寄与は無視できるものであると考えている。従って、本発明の好ましい組成物は、実質的にオゾン層減少の一因とならないという利点を有する。また、好ましい組成物は、現在使用されているハイドロフルオロアルカンの多くと比べて、地球温暖化の実質的な一因ともならない。
【0034】
ある好ましい形態において、本発明の組成物は、約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有し、より好ましくは、約500以下、そして更に好ましくは約150以下の地球温暖化係数を有する。ある態様において、本発明の組成物のGWPは約100以下で、更に好ましくは約75以下である。ここで用いられるように、「GWP」は、参照により本明細書に組み入れられた「オゾン層破壊の科学的評価、2002年、世界気象機関による全球オゾン調査及びモニタープロジェクトの報告(The Scientific Assessment of Ozone Depletion, 2002, a report of the World Meteorological Association's Global Ozone Research and Monitoring Project)」に規定されているように、二酸化炭素のGWPに関連して、100年の対象期間に亘って測定される。
【0035】
特定の好ましい形態においては、本発明の組成物は、好ましくは、0.05以下のオゾン層破壊係数(ODP)を有し、より好ましくは0.02以下、更に好ましくはオゾン層破壊係数(ODP)が約ゼロである。ここで用いられるように、「ODP」は、参照により本明細書に組み入れられた「オゾン層破壊の科学的評価、2002年、世界気象機関による全球オゾン調査及びモニタープロジェクトの報告」で規定されるものである。
【0036】
特にHFO-1234であり、より好ましくはHFO-1234zeである式Iの化合物が、本発明の組成物に含まれる量は、特に、用途に依存し大きく異なり、痕跡量以上かつ100%未満の該化合物を含む組成物は、本発明の広い範囲内にある。更に、本発明の組成物は、共沸混合物、共沸様混合物又は非共沸混合物であってよい。好ましい態様において、本発明の組成物、特に発泡剤組成物は、約1重量%から約99重量%で、より好ましくは、約5重量%から約95重量%で、そして更に好ましくは、約40重量%から約90重量%で、式I及び/又は式IIの化合物を含み、好ましくは、HFO-1234を含み、そして、より好ましくはHFO-1234ze及び/又はHFO-1234yfを含む。
【0037】
B.他の組成物-発泡剤組成物
本発明のある態様において、発泡剤組成物は、本明細書の式Iに従った1又は2以上の化合物より成るか、本質的に本明細書の式Iに従った1種又は2種以上の化合物より成る。従って、本発明は、いかなる量の追加的な組成物の実質的な存在なしに、1種又は2種以上の本発明の化合物を発泡剤として用いることを含む方法及びシステムを含む。しかし、式I又は式IIの範囲内にない1種又は2種以上の化合物又は成分は、所望によるが、好ましくは、本発明の発泡剤組成物に含まれる。このような所望による付加的な化合物は、発泡剤(以下、限定ではなく、便宜上、共発泡剤(co-blowing agents)と呼ぶ)としての役割も果たす他の化合物、界面活性剤、高分子改質剤、強化剤、着色剤、染料、溶解促進剤、流動改善剤(rheology modifier)、可塑剤、難燃化剤、抗菌剤、粘度低下剤、充填材、蒸気圧変化剤(vapor pressure modifier)、核剤、触媒、その他を含むが、これに限定されない。ある好ましい態様において、分散剤、気泡安定剤、界面活性剤及び他の添加剤もまた、本発明の発泡体組成物に組み入れられてよい。特定の界面活性剤は、所望によるが、好ましくは、気泡安定剤として供するために添加される。いくつかの代表的な物質はDC-193、B-8404及びL-5340の名称で販売されており、それらは、一般的には、本明細書に参照により組み入れられている米国特許第2834748号、第2917480号及び第2846458号において開示されているようなポリシロキサン・ポリアルキレンブロックコポリマーである。発泡剤混合物用の他の、所望による添加剤は、例えばトリ(2-クロロエチル)ホスフェート、トリ(2-クロロプロピル)ホスフェート、トリ(2,3-ジブロモプロピル)-ホスフェート、トリ(1,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、ジアンモニウムホスフェート、種々のハロゲン化された芳香族化合物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和物、ポリ塩化ビニル等のような難燃剤を含んでよい。
【0038】
核剤に関しては、特にタルクを含む、核形成機能を有するすべての公知の化合物及び物質が、本発明において使用可能である。
勿論、組成物の特有の性質(例えばコストなど)を調節する他の化合物及び/又は成分をも、本発明の組成物は含んでいてよく、そして、このような化合物及び成分の存在は、本発明の広い範囲に含まれる。
【0039】
従って、本発明の組成物の好ましい態様には、式Iの化合物(特にHFO-1234ze及び/又はHFO-1234yfを含む)に加えて、1種類又は2種類以上の共発泡剤が含まれる。本発明に記載の共発泡剤には、物理的発泡剤、化学的発泡剤(特定の態様において、これには、好ましくは水を含む)又は、物理的発泡剤及び化学的発泡剤の特性の組み合わせを有する発泡剤が包含されていてよい。式Iの化合物並びに共発泡剤を含む、本発明の組成物に含まれる発泡剤により、発泡剤として特徴付けられるために必要な特性に加えた特性が示され得ることも理解されるであろう。例えば、本発明の発泡剤組成物は、発泡剤組成物又はそれが加えられた発泡可能組成物に、ある有益な特性をも与える、上記に記載の式Iの化合物を含む成分を含んでいてよいことが意図されている。例えば、式Iの化合物又は共発泡剤が、高分子改質剤又は粘度低下剤としての役割をも果たすということは、本発明の範囲内である。
【0040】
広範囲の共発泡剤が本発明に従って用いられることが意図されているが、特定の態様においては、本発明の発泡剤組成物は、共発泡剤として1種又は2種以上のHFCを含み、より好ましくは、1種又は2種以上の炭素数1から炭素数4のHFCを含み、及び/又は1種又は2種以上の炭化水素を、より好ましくは炭素数4から炭素数6の炭化水素を含む。例えば、HFCに関しては、本発明の発泡剤組成物は、ジフルオロメタン(HFC-32)、フルオロエタン(HFC-161)、ジフルオロエタン(HFC-152)、トリフルオロエタン(HFC-143)、テトラフルオロエタン(HFC-134)、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ペンタフルオロプロパン(HFC-245)、ヘキサフルオロプロパン(HFC-236)、ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、ペンタフルオロブタン(HFC-365)、ヘキサフルオロブタン(HFC-356)及び、このようなHFCの異性体、の1種又は2種以上を含んでいてよい。炭化水素に関しては、本発明の発泡剤組成物は、特定の好ましい態様において、例えば、イソ、ノルマル及び/又はシクロペンタンを熱硬化性発泡体のために包含し、また、ブタン又はイソブタンを熱可塑性発泡体のために包含する。勿論、水、CO2、CFC(例えば、トリクロロフルオロメタン(CFC-11)及びジクロロジフルオロメタン(CFC-12))、ハイドロクロロカーボン(例えば、ジクロロエチレン(好ましくは、トランス-ジクロロエチレン)、エチルクロリド及びクロロプロパン等のHCC)、HCFC、炭素数1から炭素数5のアルコール(例えば、エタノール及び/又はプロパノール及び/又はブタノール等のような)、炭素数1から炭素数4のアルデヒド、炭素数1から炭素数4のケトン、炭素数1から炭素数4のエーテル(エーテル(例えば、ジメチルエーテル及びジエチルエーテル)、ジエーテル(例えば、ジメトキシメタン及びジエトキシメタン等)を含む)、及びギ酸メチル、並びにこれらのいずれかの組み合わせ、が包含されていてもよいが、このような成分は環境上負の影響を与えることから、多くの態様において好ましくないと考えられている。
【0041】
ある態様において、以下のHFC異性体の1種又は2種以上は本発明の組成物において共発泡剤として用いるのに好ましい:
1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、
1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、
1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、
1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、
1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、
1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、及び
1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)。
【0042】
上記で言及した、いずれの追加的な共発泡剤の相対量、並びに本発明の組成物に含まれていてよい、いずれの追加的な成分の相対量も、組成物の特有の用途に従う本発明の一般的な広い範囲内において大きく異なってよく、そして、このような相対量はいずれも、本明細書の範囲内にあるべきであると考えられている。しかし、本願出願人は、例えば、HFO-1234zeのような、本発明に記載の式Iの化合物の少なくともいくつかの特有の利点の一つは、このような化合物が比較的低い燃焼性を有することである、と言及する。従って、ある態様において、本発明の発泡剤組成物は、少なくとも一種の共発泡剤を含み、そして、式Iに記載の化合物を、全体として不燃性である発泡剤組成物を製造するのに十分な量だけ含むことが好ましい。従って、このような態様において、式Iの化合物と比較した共発泡剤の相対量は、少なくとも部分的に、共発泡剤の燃焼性に依存するであろう。
【0043】
本発明の発泡剤組成物は、広い範囲に亘る量の本発明の化合物を含んでよい。しかし、本発明に記載の発泡剤としての使用に好ましい組成物として、式Iに記載の化合物、そして、更に好ましくは、式IIに記載の化合物が、該組成物に対して、少なくとも約1重量%の量で存在することが好ましく、より好ましくは、少なくとも約5重量%の量で存在することが好ましく、そして、更に好ましくは、少なくとも約15重量%の量で存在することが好ましい。ある好ましい態様において、発泡剤は、本発明の発泡剤化合物を少なくとも約50重量%含み、そして、特定の態様においては、発泡剤は、実質的に本発明に記載の化合物から成る。この点において、1種又は2種以上の共発泡剤の使用は、本発明の新規で基本的な特徴と矛盾しないことが特筆される。例えば、水は、共発泡剤としてか、又は、他の共発泡剤(例えば、ペンタン、特にシクロペンタン等のような)と組み合わせてか、のいずれかにより、非常に多くの態様において用いられるであろうということが意図されている。
【0044】
本発明の発泡剤組成物は、好ましくは該組成物の少なくとも約15重量%の量で、HFO-1234yf、シスHFO-1234ze、トランスHFO1234ze又はこれらの2種若しくは3種以上の組み合わせを含んでいてよいことが意図されている。多くの好ましい態様において、水を含む共発泡剤は、組成物に含まれ、最も好ましくは、熱硬化性発泡体の使用に向けられた組成物に含まれる。ある好ましい態様において、本発明の発泡体組成物は、約1:99から約50:50、より好ましくは約10:90から約30:70のシス:トランス重量比で、シスHFO-1234ze及びトランスHFO1234zeの組み合わせを含む。ある態様において、約1:99から約10:90、より好ましくは約1:99から約5:95のシス:トランス重量比で、シスHFO-1234ze及びトランスHFO1234zeの組み合わせを用いることが好ましいであろう。勿論、例えば、液体発泡剤と共に用いるのに適した発泡可能組成物と共に用いる場合のように、特定の態様においては、シス-異性体がトランス-異性体より高い濃度で存在する組み合わせを用いることが望ましいであろう。
【0045】
ある好ましい態様において、発泡剤組成物は、約30重量%から約95重量%の式Iの化合物、より好ましくは式IIの化合物、そして、更に好ましくは、1種又は2種以上のHFO-1234化合物、及び、約5重量%から約90重量%、より好ましくは、約5重量%から約65重量%の共発泡剤を含む。このような態様のいくつかにおいては、共発泡剤は、H2O、HFC、炭化水素、アルコール(好ましくは、C2、C3及び/又はC4アルコール)、CO2、及びこれらの組み合わせを含み、そして好ましくは、実質的にこれらより成る。
【0046】
共発泡剤がH2Oを含む好ましい態様において、組成物は、全発泡剤組成物の約5重量%から約50重量%の量でH2Oを含み、より好ましくは、全発泡剤の約10重量%から約40重量%の量で含み、更に好ましくは、約10重量%から約20重量%の量で含む。
【0047】
共発泡剤がCO2を含む好ましい態様において、組成物は、全発泡剤組成物の約5重量%から約60重量%の量でCO2を含み、より好ましくは、全発泡剤の約20重量%から約50重量%の量で含み、更に好ましくは40重量%から約50重量%の量で含む。
【0048】
共発泡剤がアルコール(好ましくは、C2、C3及び/又はC4アルコール)を含む好ましい態様において、組成物は、全発泡剤組成物の約5重量%から約40重量%の量でアルコールを含み、より好ましくは、全発泡剤の約10重量%から約40重量%の量で含み、更に好ましくは15重量%から約25重量%の量で含む。
【0049】
HFC共発泡剤を含む組成物について、HFC共発泡剤(好ましくは、C2、C3、C4及び/又はC5 HFC)、そして、更に好ましくは、ジフルオロメタン(HFC-152a)(HFC-152aは、押し出し成形された熱可塑性プラスチックのために特に好ましい)及び/又はペンタフルオロプロパン(HFC-245)は、好ましくは、全発泡剤組成物の約5重量%から約80重量%の量で組成物中に存在し、より好ましくは、全発泡剤の約10重量%から約75重量%の量で組成物中に存在し、更に好ましくは25重量%から約75重量%の量で組成物中に存在する。更に、このような態様において、HFCは、好ましくは、C2-C4 HFCであり、そして、更に好ましくは、C3 HFCであり、例えば、HFC-245faなどの五フッ化C3 HFCは、特定の態様において非常に好ましい。
【0050】
HC共発泡剤を含む組成物について、HC共発泡剤(好ましくは、C3、C4及び/又はC5 HC)は、好ましくは、全発泡剤組成物の約5重量%から約80重量%の量で組成物中に存在し、更に好ましくは、全発泡剤の約20重量%から約60重量%の量で組成物中に存在する。
【0051】
C.他の成分−発泡可能組成物
本発明の一つの側面により、発泡可能組成物(foamable composition)が提供される。当業者に知られているように、発泡可能組成物は、一般に発泡体を形成することのできる、1種又は2種以上の成分を含む。本明細書で用いられるように、「発泡体起泡剤(foam foaming agent)」という用語は、発泡体構造、好ましくは一般に気泡発泡体構造を形成することのできる成分、又は成分の組み合わせに言及するために用いられる。本発明の発泡可能組成物は、このような成分及び発泡剤化合物、好ましくは、式Iの化合物を、本発明に従って含む。ある態様においては、発泡体を形成することのできる1種又は2種以上の成分は、発泡体及び/又は発泡可能組成物を形成することのできる熱硬化性組成物を含む。熱硬化性組成物の例には、ポリウレタン及びポリイソシアヌレート発泡体組成物、及びフェノール発泡体組成物も含まれる。この反応及び起泡工程は、気泡の大きさの制御及び調整、並びに形成の間の発泡構造の安定化の役目を果たす種々の添加剤、例えば、触媒及び界面活性剤物質等の使用により促進され得る。更に、本発明の発泡剤組成物に関する上記に記載のいずれの1種又は2種以上の追加成分も、本発明の発泡可能組成物に組み入れてもよいことが意図されている。このような熱硬化性発泡体の態様において、本発明の組成物の1種若しくは2種以上が、発泡可能組成物に発泡剤の一部として含まれるか、又は、好ましくは、発泡体又は気泡構造を形成するのに適した条件の下で反応し、そして/若しくは、起泡することのできる、1種若しくは2種以上の成分を含む、2成分若しくは3成分以上より成る発泡可能組成物の一部として含まれる。
【0052】
本発明のある別の態様において、起泡することのできる1種又は2種以上の成分は、熱可塑性物質、特に、熱可塑性ポリマー及び/又は樹脂を含む。熱可塑性発泡体成分の例には、例えば、式Ar-CHCH2で表されるモノビニル芳香族化合物のようなポリオレフィンが含まれ、ここで、Arは、ポリスチレン(PS)のようなベンゼン系の芳香族炭化水素基である。本発明に適切なポリオレフィン樹脂の他の例には、ポリエチレン及びエチレンコポリマーのようなエチレンホモポリマー、ポリプロピレン(PP)、並びにポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、種々のエチレン樹脂が含まれる。ある態様においては、熱可塑性発泡可能組成物は、押出し成形可能な組成物である。
【0053】
方法及びシステム
発泡体を形成するための、現在知られた利用できる方法及びシステムは、本発明と関連して使用するために、容易に適合可能であると考えられる。例えば、本発明の方法は、一般的に、本発明の発泡剤を発泡可能組成物又は発泡体形成組成物に組み入れ、次に、好ましくは、本発明の発泡剤の体積膨張を引き起こすことを含むステップ又は一連のステップにより組成物を起泡することを必要とする。全般に、発泡剤の組み入れのため及び起泡のための現在使用されているシステム及び装置は、本発明の使用のために容易に適合することが可能であると考えられる。実際、本発明の利点の一つは、既存の起泡方法及びシステムと通常互換性がある、改善された発泡剤の設備であると考えられている。
【0054】
従って、本発明が、熱硬化性発泡体、熱可塑性発泡体及び現場施工型発泡体(formed-in-place foam)を含む、あらゆる種類の発泡体のための方法及びシステムを含むことは、当業者によって理解されるであろう。従って、本発明の1つの側面は、本発明の発泡剤を、ポリウレタン起泡装置のような従来の起泡装置と共に、従来の処理条件で用いることである。故に、本発明の方法は、親練り工程(masterbatch type operation)、混合工程、第3のストリーム(stream)への発泡剤の添加、そして、発泡ヘッド(foam head)での発泡剤の添加を含む。
【0055】
熱可塑性発泡体に関して、好ましい方法においては、本発明に記載の発泡剤を、熱可塑性物質、好ましくはポリオレフィンのような熱可塑性ポリマーに添加し、次いで、熱可塑性物質を、起泡を起こすのに有効な条件に曝すことが含まれる。例えば、熱可塑性物質に発泡剤を添加する段階は、熱可塑性物質を含むスクリュー押出し機に発泡剤を添加することを包含してよく、そして、起泡を起こす段階は、熱可塑性物質への圧力を下げることを包含し、これにより発泡剤の膨張が引き起こされ、その結果、物質は起泡することになる。
【0056】
本明細書に包含される開示に特に鑑み、本発明の発泡剤が形成される際の、そして/又は発泡可能組成物に添加される際の順序及び方法が、一般的に本発明の実施可能性に影響を与えないことは、当業者によって理解されるであろう。例えば、押出し成形可能な発泡体の場合、発泡剤の種々の成分及び発泡可能組成物の成分でさえもが、押出し成形装置へ添加する前に混合されていなかったとしても可能であり、又は該成分が押出し成形装置内の同じ場所に添加されていないことさえも可能である。更に、発泡剤は、直接添加されるか、又は、それから更に発泡可能組成物の他の部分に添加されるプレミックスの一部として添加されるかのいずれかが可能である。
【0057】
従って、ある態様においては、発泡剤の成分が押出し成形機で一緒になり、そして/又は、この方法において、より効率的に作動することを見込んで、発泡剤の他の1種又は2種以上の成分を添加する場所の上流である、押出し成形機の最初の場所で、発泡剤の1種又は2種以上の成分を添加することが望ましいであろう。それでも、ある態様においては、発泡剤の2種又は3種以上の成分が前もって組み合わされ、一緒になって発泡可能組成物に、直接添加されるか、又は、それから更に発泡可能組成物の他の部分に添加されるプレミックスの一部として添加される。
【0058】
本発明の1つの態様は、発泡体、並びに、好ましくはポリウレタン及びポリイソシアヌレート発泡体を形成する方法に関する。当該技術分野においてよく知られているように、この方法は、一般的に、本発明の発泡剤組成物を提供し、発泡可能組成物に発泡剤組成物を(直接的又は間接的に)加え、そして、発泡可能組成物を発泡体又は起泡構造を形成するのに有効な条件の下で反応させることを含む。ここに参照によって組み入れられた「ポリウレタンの化学及び技術(Polyurethanes Chemistry and Technology)」第1巻及び第2巻, Saunders and Frisch, 1962年, John Wiley and Sons,ニューヨーク市,ニューヨーク州に記載されている方法のような、当該分野でよく知られたいずれの方法も使用することでき、又は、本発明の発泡体の態様に従った使用に適合することができる。一般的に、このような好ましい方法は、イソシアネート、ポリオール又はポリオールの混合物、1種若しくは2種以上の本発明の組成物を含む発泡剤又は発泡剤の混合物、並びに、例えば、触媒、界面活性剤、及び所望により難燃剤、着色剤、又は他の添加剤等の他の物質を組み合わせることにより、ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体を調製することを含む。
【0059】
ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体のための成分を、事前混合した配合物に提供することは、多くの用途で便利である。最も典型的には、発泡体配合物は、二つの成分に事前混合される。イソシアネート並びに所望により界面活性剤及び発泡剤は、通常「A」成分と呼ばれる第1の成分を構成する。ポリオール又はポリオール混合物、界面活性剤、触媒、発泡剤、難燃剤、及び他のイソシアネート反応性成分は、通常「B」成分と呼ばれる第2の成分を構成する。従って、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体は、少量の調製のためには手で混ぜ合わせるか、好ましくは、ブロック、板(slab)、積層物、現場注入型(pour-in-place)パネル及び他の製品、スプレー適用発泡体、泡等を形成するためには、機械による混合技術により、A及びBの成分を一緒にすることにより、容易に調製することができる。所望により、例えば、難燃剤、着色剤、補助発泡剤、及び、更に他のポリオール等の他の成分を、1つ又は2つ以上の混合ヘッド又は反応場所への追加的なストリームとして追加することができる。しかし、最も好ましくは、これらはすべて上記のB成分に組み入れられている。
【0060】
本発明の方法及びシステムは、一成分発泡体、好ましくは、本発明に記載の発泡剤を含むポリウレタン発泡体を形成することをも含む。ある好ましい態様において、発泡剤の一部は、好ましくは、容器内の圧力で液体である泡形成剤(foam forming agent)に溶解することにより、泡形成剤に含まれ、発泡剤の第二の部分は、分離した気相として存在する。このようなシステムにおいて、含有された/溶解した発泡剤は、主に発泡体の膨張を引き起こし、独立した気相は、泡形成剤に推進力を与える作用をする。このような、一成分システムは、典型的にはそして好ましくは、エアゾール缶のような容器に封入され、そして、それゆえ、本発明の発泡剤は、好ましくは、発泡剤の膨張ための備えを供給し、そして/又は、パッケージから発泡体物質/発砲可能物質を運ぶためのエネルギーを供給し、好ましくはその双方を供給する。ある態様において、このようなシステム及び方法は、パッケージを完全に配合したシステム(好ましくはイソシアネート/ポリオールシステム)で満たすこと、及び本発明のガス発泡体をパッケージ、好ましくはエアゾール缶に組み入れることを包含する。
【0061】
ここに参照によって組み入れられた「ポリウレタンの化学及び技術(Polyurethanes Chemistry and Technology)」第1巻及び第2巻, Saunders and Frisch, 1962年, John Wiley and Sons,ニューヨーク市,ニューヨーク州に記載されている方法のような、当該分野でよく知られたいずれの方法も使用することでき、又は、本発明の発泡体形成の態様に従った使用に適合することができる。
【0062】
発泡剤として、超臨界状態又は超臨界状態に近い状態の本発明の組成物を使用することが好ましいであろうということも意図されている。
発泡体
本発明は、本発明の組成物を含む発泡剤を含むポリマー発泡体配合物により調製されたあらゆる発泡体(閉じた気泡発泡体(closed cell foam)、閉じていない気泡発泡体(open cell foam)、硬質の発泡体、柔軟な発泡体、スキン層付き発泡体等を含むが、これらに限定されない)に関する。本願出願人らは、発泡体、特に本発明に記載のポリウレタン発泡体のような熱硬化性発泡体の一つの利点は、好ましくは熱硬化性発泡体の態様と関連して、特にそして好ましくは低温条件下で、例えばKファクターまたはラムダにより測定することのできる、非常にすぐれた熱特性を達成できる能力であるということを見出した。本発明の発泡体は、特に本発明の熱硬化性発泡体は種々の用途に用いることができると意図されているが、ある好ましい態様において、本発明は、冷蔵庫用発泡体、冷凍庫用発泡体、冷蔵庫/冷凍庫用発泡体、パネル用発泡体、及び他の低温又は極低温製造装置を含む、本発明に記載の装置用発泡体を含む。
【0063】
特定の好ましい態様において、本発明に記載の発泡体は、本発明の好ましい発泡剤の多くが関連する低オゾン層破壊係数及び低地球温暖化係数に加えて、断熱効率(特に、熱硬化性発泡体)、寸法安定性、圧縮強さ、断熱効率の経時変化を含む1つ又は2つ以上の非常にすぐれた特徴、性質、及び/又は特性を提供する。ある非常に好ましい態様において、本発明は、発泡体製品に形成される発泡体のような熱硬化性発泡体を提供し、それは、同じ発泡剤(又は、通常用いられる発泡剤であるHFC-245fa)を同じ量で用いるが、本発明に記載の式Iの化合物を有さずに作製された発泡体に比べて改善された熱伝導性を示す。ある非常に好ましい態様において、熱硬化性発泡体、及び好ましくは本発明のポリウレタン発泡体は、40°Fで、約0.14以下のKファクター(BTU in / hr ft2 °F)を示し、より好ましくは0.135以下、そして更に好ましくは0.13以下を示す。更に、ある態様においては、熱硬化性発泡体、及び好ましくは本発明のポリウレタン発泡体は75°Fで、約0.16以下のKファクター(BTU in / hr ft2 °F)を示し、より好ましくは0.15以下、そして更に好ましくは0.145以下を示す。
【0064】
他の好ましい態様において、本発明の発泡体は、本発明の範囲外の発泡剤により製造された発泡体と比べて、改善された機械的性質を示す。例えば、本発明のある好ましい態様は、シクロペンタンより成る発泡剤を使用することにより、実質的に同一の条件の下で製造された発泡体より優れた圧縮強さを有し、そして好ましくは少なくとも相対的に約10%大きな圧縮強さを有し、そして、更に好ましくは少なくとも相対的に約15%大きな圧縮強さを有する発泡体及び発泡体製品を提供する。更に、発泡剤がHFC-245faより成ることを除き、実質的に同様の条件の下で発泡体を作製することにより示される圧縮強さにコマーシャルベースで匹敵する圧縮強さを、本発明に従って製造された発泡体が有することが好ましい。ある好ましい態様において、本発明の発泡体は少なくとも約12.5%の降伏(yield)(平行方法及び垂直方向)を示し、そして、更に好ましくは、少なくとも約13%の降伏を前記のそれぞれの方向において示す。
【0065】
実施例
以下の実施例は、その範囲を限定せずに本発明を説明する目的で提供される。
実施例1A−ポリスチレンフォーム
この実施例は、本発明の2つの好ましい態様に従った発泡剤の使用、すなわち、HFO-1234ze及びHFO-1234yfの使用、及びポリスチレンフォームの製造について説明する。試験装置及び手順は、特定の発泡剤及びポリマーが、発泡体を製造することができるかどうか、及び発泡体の品質を決定するための補助として確立されてきた。グランドポリマー(Ground polymer)(ダウポリスチレン685D(Dow Polystyrene 685D))及び、本質的にHFO-1234zeより成る発泡剤を容器で組み合わせる。容器の概略が下に図示されている。容器の容量は、200cm3であり、そして、容器は、2本のパイプフランジ、及び直径2インチ、スケジュール40、長さ4インチのステンレス鋼パイプ部分より成る。この容器は、設定温度が約19O°Fから約285°F、好ましくはポリスチレンについては265°Fで、オーブンに置かれ、熱平衡に達するまでそこに放置される。
【0066】
【化2】

【0067】
次に、容器の圧力が開放され、即時に発泡ポリマーを生成する。発泡剤は、ポリマーに溶解して、ポリマーを可塑化する。この方法を用いて、このように製造された2種類の発泡体の密度が、トランス-HFO-1234ze及びHFO-1234yfを用いて製造された発泡体の密度として、表1に与えられる。データは、発泡ポリスチレンが本発明に従って得られることを示す。この点で、ポリスチレンのかさ密度が、約室温で、1050 kg/m3即ち65.625 lb/ft3であることが注記される。
【0068】
【表1】

【0069】
実施例1B−ポリスチレンフォーム
この実施例は、2軸スクリュー押出し機で形成されるポリスチレンフォームのための発泡剤としてのHFO-1234ze単独の性能を示す。この実施例において用いられる装置は、以下の特徴を有する、ライストリッツ(Leistritz)2軸スクリュー押出し機である:
30 mm 共回転スクリュー
L:D比 = 40:1
押出し機は、それぞれが4:1のL:D比である10の部分に分けられる。ポリスチレン樹脂を第一の部分に入れ、発泡剤を第6の部分に入れ、押出し物は第10の部分に存在した。押出し機は、主に溶融/混合押出し機として作動した。後続の冷却押出し機は直列に接続されており、その設計特性は以下のとおりである:
ライストリッツ2軸スクリュー押出し機
40 mm共回転スクリュー
L:D比 = 40:1
ダイス: 5.0mm 円形
ポリスチレン樹脂、即ちノバケミカル(Nova Chemical)−ノバ1600(Nova 1600)として識別される一般的な押出し成形品質のポリスチレン−は、上で示した条件の下での、押出し機に供給される。樹脂の推奨される融点は375°F−525°Fである。ダイスにおける押出し機の圧力は、約1320ポンド毎インチ(psi)であり、そして、ダイスにおける温度は約115℃である。
【0070】
本質的にトランスHFO-1234zeより成る発泡剤は、核剤として、全発泡剤に対して約0.5重量%のタルクが含まれた状態で、押出し機の上記の場所で添加される。発泡体は、10重量%、12重量%及び14重量%の濃度の発泡剤を用いて、本発明に従って製造される。製造される発泡体の密度は、約0.1g/cm3から0.07g/cm3の範囲内にあり、気泡のサイズは約49から約68μmである。直径がおよそ30mmの発泡体は、見た目に非常に高品質で、気泡サイズが非常に細かく、眼に見えるか、明らかなブローホール及びボイドを有しない。
【0071】
実施例1C−ポリスチレンフォーム
実施例1Bのこの工程を、起泡剤が、約50重量%のトランスHFO-1234ze及び50重量%のHFC-245fa、並びに実施例1Bに示された濃度の核剤を含むことを除いて、繰り返す。発泡ポリスチレンは、発泡剤濃度が約10%及び12%で調製される。製造される発泡体の密度は、約0.09g/cm3であり、気泡のサイズは約200μmである。直径がおよそ30 mmの発泡体は、見た目に非常に高品質で、細かい気泡構造を有し、眼に見えるか、明らかなボイドを有しない。
【0072】
実施例1D−ポリスチレンフォーム
実施例1Bのこの工程を、起泡剤が、約80重量%のHFO-1234ze及び20重量%のHFC-245fa、並びに実施例1Bに示された濃度の核剤を含むことを除いて、繰り返す。発泡ポリスチレンは、発泡剤濃度が約10%及び12%で調製される。製造される発泡体の密度は、約0.08g/cm3であり、気泡のサイズは約120μmである。直径がおよそ30mmの発泡体は、見た目に非常に高品質で、細かい気泡構造を有し、眼に見えるか、明らかなボイドを有しない。
【0073】
実施例1E−ポリスチレンフォーム
実施例1Bのこの工程を、起泡剤が、約80重量%のHFO-124ze及び20重量%のHFC-245fa、並びに実施例1Bに示された濃度の核剤を含むことを除いて、繰り返す。発泡ポリスチレンは、発泡剤濃度が約10%及び12%で調製される。発泡体の密度は、0.1g/cm3の範囲であった。直径がおよそ30 mmの発泡体は、見た目に非常に高品質で、細かい気泡構造を有し、眼に見えるか、明らかなボイドを有しない。
【0074】
実施例1F−ポリスチレンフォーム
実施例1Eのこの工程を、核剤が省略されることを除いて、繰り返す。発泡体の密度は、0.1g/cm3の範囲であった。そして、気泡の直径のサイズは約400である。直径がおよそ30mmの発泡体は、見た目に非常に高品質で、細かい気泡構造を有し、眼に見えるか、明らかなボイドを有しない。
【0075】
実施例2−ポリウレタン発泡体の圧縮強さ
この実施例は、炭化水素共発泡剤と組み合わされて用いられるHFO-1234ze及びその異性体の性能、及び、特に、HFO-1234ze及びシクロペンタン共発泡剤を含む組成物のポリウレタン発泡体の圧縮強さ性能における有用性を示す。
【0076】
市販の、冷蔵装置タイプのポリウレタン発泡体配合物(泡形成剤)が提供される。ポリオールブレンドは商用のポリオール、触媒及び界面活性剤より成っていた。この配合物は、ガス状の発泡剤と関連しての使用に適合する。標準的な商業的なポリウレタン処理装置は発泡体生成工程に用いられる。ガス状の発泡剤の組み合わせは、全発泡剤に対して、HFO-1234ze(その異性体を含む)をおよそ60モル%の濃度で、シクロペンタンをおよそ40モル%の濃度で含むように形成された。この実施例は、シクロペンタン共発泡剤と組み合わせたHFO-1234ze(その異性体を含む)の併用物の物理的特性性能を説明する。以下の表2は、HFC-245faより成る発泡剤及びシクロペンタンより成る発泡剤を用いて作製した発泡体と比較して、本発明の発泡剤を用いた機械製の類似のポリウレタン発泡体の圧縮強さを表す。
【0077】
【表2】

【0078】
この実施例により示される、1つの予期しなかった結果は、HFO-1234ze、及びHFC-1234ze/HFCブレンドを、従来の発泡体処理装置、及び特にポリウレタン処理装置において処理することが可能であるということである。それにより、親練りタイプブレンド装置、ガス状発泡剤ブレンド装置、第3のストリームへの発泡剤の添加、又は発泡ヘッドでの発泡剤の添加を含む種々のシステム及び装置による発泡体処理が可能となる故に、このことは、潜在的に大きな利点である。
【0079】
実施例3−ポリウレタン発泡体のK-ファクター
ポリウレタン発泡体が調製され、そして、商業的な「装置タイプ(appliance type)」のポリウレタン配合物として用いるために適合される。実施例2に記載の同様の発泡体配合物は、発泡体形成工程で使用される同様の標準的な商業用ポリウレタン処理装置と関連して用いられる。いくつかのシステムが準備され、それぞれのシステムには、発泡剤は別として、同一の成分、システム、及び装置を用いられる。本発明の発泡剤に加え、HFC-134a、HFC-245fa、及びシクロペンタンもまた、それぞれ発泡剤として試験される。それぞれのシステムにおいて、発泡剤はポリオールブレンドに、実質的に等モル濃度で添加される。ポリオールブレンドは商業的なポリオール、触媒、及び界面活性剤より成る。発泡体は、例えば、冷蔵用途のための発泡体の作製のための商業的な工程のような標準的な商業的な製造に従って調製される。好ましい発泡体のkファクターを評価し、この結果は下の表3に示される。基準、比較のために、発泡体は、商業的なデータが参照可能なHFC-134aで調製された。これらの発泡体のkファクターデータは表3に示される。
【0080】
【表3】

【0081】
この実施例は、HFO-1234ze発泡剤がポリウレタン配合物に置換されている場合、HFO-1234ze及びその異性体のkファクター性能を示す。HFO-1234zeは、等モル濃度で、基準発泡体のそれと置換された。表3のデータは、HFO-1234ze発泡体のkファクターが、HFC-134a又はシクロペンタンの発泡体に比べてかなり良いことを示す。
【0082】
実施例4−ポリウレタン発泡体のK-ファクター
この実施例は、ポリウレタン発泡体の調製に関連して用いられる種々のHFC共発泡剤と組み合わせて、HFO-1234ze(その異性体を含む)を含む発泡剤の性能を示す。発泡剤を除いて、実施例2及び実施例3で用いられるものと同様の発泡体配合物、装置及び工程を用いる。全発泡剤に対して約80重量%のHFO-1234ze(その異性体を含む)、及び全発泡剤に対して約20重量%のHFC-245faを含む発泡剤を調製する。本発明の発泡剤に加え、HFC-134a及びシクロペンタンも発泡剤として試験された。それぞれのシステムで、発泡剤を、実質的に同じモル濃度でポリオールブレンドに添加した。次に、この発泡剤を用いて発泡体を形成し、そして、該発泡体のkファクターを測定する。下の表4は、HFC共発泡剤と組み合わせて用いられた場合のHFO-1234ze(その異性体を含む)のkファクター性能を示す。
【0083】
【表4】

【0084】
この実施例により示される、1つの予期しなかった結果は、HFO-1234ze、及びHFC-1234ze/HFCブレンドを、従来のポリウレタン処理装置において処理することが可能であるということである。それにより、親練りタイプブレンド装置、ガス状発泡剤ブレンド装置、第3のストリームへの発泡剤の添加、又は発泡ヘッドでの発泡剤の添加を含む種々のシステム及び装置による発泡体処理が可能となる故に、このことは、潜在的に大きな利点である。
【0085】
実施例5−ポリウレタン発泡体のK-ファクター
この実施例は、ポリウレタン発泡体の製造において使用される本発明に従った発泡剤の予期されなかった性能を更に示す。異なる発泡剤が用いられるということを除いて、それぞれは、実質的に同等の物質、工程及び装置を用いて形成される、3つのアプライアンス(appliance)ポリウレタン発泡体が作製される。ポリオールシステムが、商業的に利用可能で、アプライアンス(appliance)タイプの配合物は液体発泡剤と共に使用するために適合された。発泡体機械が発泡体を形成するために使用される。発泡剤は、本質的に同じモル濃度で使用される。形成後、発泡体はそれぞれ、kファクターを測定するために適切なサンプルに切断される。kファクターは、下の以下の表5Bに示されている。全発泡剤に対する発泡剤組成の重量パーセントが、下の表5Aに示されている。
【0086】
【表5】

【0087】
表8Cに示された結果は、熱硬化性発泡体の共発泡剤としてシクロペンタン及びHFC-245faと組み合わせた本発明の化合物(HFO-1234ze)の使用は、それらのレベルでは、単独で又はHFC-245faと共に用いられた場合のHFO-1234zeのkファクター性能に有害な様式では影響を与えなかった。従来、シクロペンタンを発泡体配合物に実質的な量で用いることによりkファクター性能に有害な影響を与えてきたため、このことは、予期しなかった結果である。
【0088】
実施例6−ポリウレタン発泡体のK-ファクター
実施例5におけるものと同じポリオール配合物及びイソシアネートを用いた実験を行なった。発泡体は、手による混合により調製される。発泡剤は、式IIに記載の化合物、すなわち、HFCO-1233zd(CF3CH=CHCl)*より成り、発泡可能組成物に対して、実施例5における発泡剤とおよそ同じモルパーセントである。Kファクターは下の表6に示されている。
【0089】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式I:
XCFZR3-Z(I)
[ここで、Xは、C1、C2、C3、C4又はC5の不飽和の、置換された若しくは置換されていない基であり、それぞれのRは独立してCl、F、Br、I又はHであり、zは1から3であり、ただし、Brが化合物中に含まれる場合には、該化合物は水素を含まない]
で表わされる少なくとも1種のフルオロアルケン、及び
(b)共発泡剤、界面活性剤、高分子改質剤、強化剤、着色剤、染料、溶解促進剤、流動改善剤、可塑剤、難燃化剤、抗菌剤、粘度低下剤、充填剤、蒸気圧変化剤、核剤及び触媒並びにこれらのいずれかの2種又は3種以上の組合せから成る群より選ばれる少なくとも1種のアジュバント、
を含む発泡剤。
【請求項2】
前記少なくとも1種のフルオロアルケンが、少なくとも1種の3つの炭素及び/(又は)少なくとも一種の4つの炭素を有するアルケンで、3から5個のフッ素置換基を有するアルケンを含む、請求項1記載の発泡剤。
【請求項3】
前記少なくとも1種のフルオロアルケンが、シスHFO-1234ze又はトランスHFO-1234ze又はこれらの組み合わせを含む、請求項1記載の発泡剤。
【請求項4】
前記少なくとも1種のフルオロアルケンが、少なくとも一種の、3個から5個のフッ素置換基を有するブテンを含む、請求項1記載の発泡剤。
【請求項5】
前記少なくとも1種のフルオロアルケンが式II:
【化1】


[ここで、それぞれのRは独立してCl、F、Br、I又はHであり、R' は(CR2)nYであり、YはCRF2であり、そしてnは0又は1である]
の化合物である、請求項1記載の発泡剤。
【請求項6】
YはCF3である、請求項5記載の発泡剤。
【請求項7】
不飽和の末端の炭素上の少なくとも1つのRがFではない、請求項5記載の発泡剤。
【請求項8】
不飽和の末端の炭素上の少なくとも1つのRがHである、請求項5記載の発泡剤。
【請求項9】
地球温暖化係数(GWP)が約150以下である、請求項1記載の発泡剤。
【請求項10】
オゾン層破壊係数(ODP)が約0.05以下である、請求項1記載の発泡剤。
【請求項11】
前記フルオロアルケンが、1つ以下のF置換基を有する不飽和の末端の炭素を含む、請求項1記載の発泡剤。
【請求項12】
前記フルオロアルケンが、不飽和の末端の炭素を含み、そして、不飽和の末端の炭素上の少なくとも1つの置換基がHである、請求項1記載の発泡剤。
【請求項13】
前記式Iの化合物がBrを含まない、請求項1記載の発泡剤。
【請求項14】
前記化合物が少なくとも1つの塩素置換基を含む、請求項1記載の発泡剤。
【請求項15】
前記化合物がHFCO-1233を含む、請求項14記載の発泡剤。
【請求項16】
前記HFCO-1233がHFCO-1233xfを含む、請求項14記載の発泡剤。
【請求項17】
前記HFCO-1233がHFCO-1233zdを含む、請求項14記載の発泡剤。
【請求項18】
前記少なくとも1種の式Iの化合物が、前記組成物に発泡剤の約5重量%から約95重量%の量で存在する、請求項1記載の発泡剤。
【請求項19】
前記アジュバントが少なくとも1種の共発泡剤を含む、請求項1記載の発泡剤。
【請求項20】
前記少なくとも1種の共発泡剤が1種又は2種以上のC1-C4HFCを含む、請求項19記載の発泡剤。
【請求項21】
前記1種又は2種以上のHFCが、ジフルオロメタン(HFC-32)、フルオロエタン(HFC-161)、ジフルオロエタン(HFC-152)、トリフルオロエタン(HFC-143)、テトラフルオロエタン(HFC-134)、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ペンタフルオロプロパン(HFC-245)、ヘキサフルオロプロパン(HFC-236)、ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、ペンタフルオロブタン(HFC-365)、ヘキサフルオロブタン(HFC-356)、これらすべての、すべての異性体、及びこれら2種又は3種以上の組み合わせより成る群から選択される、請求項20記載の発泡剤。
【請求項22】
前記少なくとも1種の共発泡剤が1種又は2種以上のC4-C6炭化水素を含む、請求項19記載の発泡剤。
【請求項23】
前記1種又は2種以上の炭化水素が、イソペンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン、ブタン及びイソブタン、並びにこれらの2種又は3種以上の組み合わせより成る群から選択される、請求項22記載の発泡剤。
【請求項24】
泡形成剤と、発泡剤とを含み、該発泡剤が、式I:
XCFZR3-Z(I)
[ここで、Xは、C1、C2、C3、C4又はC5の不飽和の、置換された基であり、それぞれのRは独立してCl、F、Br、I又はHであり、zは1から3であり、ただし、Brが化合物中に含まれる場合には、該化合物は水素を含まない]
で表わされる少なくとも1種のフルオロアルケンを含む、発泡可能組成物。
【請求項25】
前記泡形成剤が、少なくとも1種の熱硬化性発泡体成分を含む、請求項24記載の発泡可能組成物。
【請求項26】
前記少なくとも1種の熱硬化性成分がポリウレタン発泡体を形成することが可能な組成物を含む、請求項25記載の発泡可能組成物。
【請求項27】
前記少なくとも1種の熱硬化性成分がポリイソシアヌレート発泡体を形成することが可能な組成物を含む、請求項25記載の発泡可能組成物。
【請求項28】
前記少なくとも1種の熱硬化性成分が、フェノール発泡体を形成することが可能な組成物を含む、請求項25記載の発泡可能組成物。
【請求項29】
前記泡形成剤が、少なくとも一種の熱可塑性発泡体成分を含む、請求項24記載の発泡可能組成物。
【請求項30】
前記少なくとも一種の熱可塑性発泡体成分が熱可塑性ポリマーを含む、請求項29記載の発泡可能組成物。
【請求項31】
前記少なくとも1種の熱可塑性成分がポリオレフィンを含む、請求項29記載の発泡可能組成物。
【請求項32】
前記ポリオレフィンが、モノビニル芳香族化合物、エチレン系化合物、プロピレン系ポリマー及びこれらの組み合わせより成る群から選択される、請求項31記載の発泡可能組成物。
【請求項33】
ポリオールと、発泡剤とを含む泡プレミックス組成物であって、該発泡剤が、式I:
XCFZR3-Z(I)
[ここで、Xは、C1、C2、C3、C4又はC5の不飽和の、置換された基であり、それぞれのRは独立してCl、F、Br、I又はHであり、zは1から3であり、ただし、Brが化合物中に含まれる場合には、該化合物は水素を含まない]
で表わされる少なくとも1種のフルオロアルケンを含む、泡プレミックス組成物。
【請求項34】
発泡可能組成物及び/又は発泡組成物に、式I:
XCFZR3-Z (I)
[ここで、Xは、C1、C2、C3、C4又はC5の不飽和の、置換された基であり、それぞれのRは独立してCl、F、Br、I又はHであり、zは1から3であり、ただし、Brが化合物中に含まれる場合には、該化合物は水素を含まない]
で表わされる少なくとも1種のフルオロアルケンを含む発泡剤を添加することを含む、発泡体の形成方法。
【請求項35】
複数の高分子気泡(polymeric cell)と、該気泡の少なくとも1個の中に含まれる組成物を含む発泡体であって、該組成物が、
(a) 式I:
XCFZR3-Z(I)
[ここで、Xは、C1、C2、C3、C4又はC5の不飽和の、置換された基であり、それぞれのRは独立してCl、F、Br、I又はHであり、zは1から3であり、ただし、Brが化合物中に含まれる場合には、該化合物は水素を含まない]
で表わされる少なくとも1種のフルオロアルケンを含む少なくとも1種の発泡剤、
を含む、発泡体。
【請求項36】
ブロック、板、積層物、堅固な発泡体、閉じていない気泡発泡体、閉じた気泡発泡体、柔軟な発泡体、スキン層付き発泡体、冷蔵庫用発泡体、及び冷凍庫用発泡体の1種又は2種以上の形態である、請求項35記載の発泡体。
【請求項37】
40 °FにおけるKファクター(BTU in / hr ft2 °F)が約0.14以下である、請求項35記載の発泡体。
【請求項38】
75 °FにおけるKファクター(BTU in / hr ft2 °F)が約0.16以下である、請求項35記載の発泡体。
【請求項39】
平行方向の圧縮強さが、少なくとも約12.5%降伏である、請求項35記載の発泡体。
【請求項40】
垂直方向の圧縮強さが、少なくとも約12.5%降伏である、請求項35記載の発泡体。
【請求項41】
前記アジュバントが、水、CO2、CFC、HCC、HCFC、C1〜C5アルコール、C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケトン、C1〜C4エーテル、及びこれらの2種又は3種以上の組み合わせより成る群から選択される少なくとも1種の共発泡剤を含む、請求項1記載の発泡剤。
【請求項42】
前記泡形成剤は熱可塑性物質であり、そして、前記発泡剤は、更にC1〜C5アルコール、C1〜C4エーテル、及びこれらの2種又は3種以上の組み合わせより成る群から選択される化合物を含む、請求項24記載の発泡可能組成物。
【請求項43】
前記泡形成剤は熱可塑性物質であり、そして、前記発泡剤は、更にエタノールを含む、請求項24記載の発泡可能組成物。
【請求項44】
前記泡形成剤は熱可塑性物質であり、そして、前記発泡剤は、更に、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、及びこれらの組み合わせより成る群から選択される化合物を含む、請求項24記載の発泡可能組成物。
【請求項45】
前記泡形成剤が熱硬化性物質であり、そして、前記発泡剤は更にギ酸メチルを含む、請求項24記載の発泡可能組成物。
【請求項46】
前記式Iの化合物が、少なくとも4つのハロゲン置換基を有する、請求項1記載の発泡剤。
【請求項47】
前記少なくとも4つのハロゲン置換基が少なくとも3つのF置換基を含む、請求項46記載の発泡剤。

【公開番号】特開2013−64139(P2013−64139A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−242869(P2012−242869)
【出願日】平成24年11月2日(2012.11.2)
【分割の表示】特願2008−518515(P2008−518515)の分割
【原出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】