説明

フレキシブル基材打ち抜き装置及びフレキシブル基材ガイドレール

【課題】 フレキシブル基板の製造と共に打ち抜かれる消費部材をなくし、かつフレキシブル基材の歪みを抑制し打ち抜き精度の向上が図れるフレキシブル基材打ち抜き装置及びフレキシブル基材ガイドレールを提供する。
【解決手段】 上金型11及び下金型12は、プレス機構10によるプレス加工動作に関る。長尺のフレキシブル基材13は、裏打ち材の付いていないものを使う。上金型11と下金型12の間にガイドレール15が設けられている。ガイドレール15は、フレキシブル基材13の状態を維持するために配設された金属部材で、上金型11と下金型12の間を中心にフレキシブル基材13の送り方向の前後に十数cm以上伸長し、フレキシブル基材13の下面と側部及び側部につながる上面の一部を囲う。ガイドレール15は、その中央領域が下金型12におけるダイプレート121上に嵌め込まれて固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル基板の製造に係り、特に裏打ち材の無いフレキシブル基材において金型での連続打ち抜きを要するフレキシブル基材打ち抜き装置及びフレキシブル基材ガイドレールに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル基板は、ポリイミドフィルム等、長尺のフレキシブル基材をリールに巻き取りつつ、製造ラインに流動させながら製作される。フレキシブル基板は、ガイド穴(パーフォレーション)、機種に応じた位置決め穴、必要ならデバイスホール等の打ち抜きを含むプレス加工を経る。フレキシブル基板は、数十μmと薄く柔らかいもので、本体フレキシブル基材に裏打ち材を接着して厚みを稼ぎ、補強する対策がとられる。裏打ち材は、例えば百μm程度の厚さを有するペット材を使う。これにより、フレキシブル基材は、金型にて打ち抜きする際、打ち抜き精度の向上、反りの矯正、打ち抜き時や送り込み時の歪み抑制等の作用、効果が得られる。
【0003】
上記対策によれば、フレキシブル基板は、裏打ち材や接着材のコストがかかる。かつ、打ち抜き前の裏打ち材の接着工程と、打ち抜き後の裏打ち材の剥離工程が必要である。また、金型は裏打ち材ごとの打ち抜きによって劣化が促進される。その他、テープ厚みが増すことで、リールに巻ける最大長さにも制約があり、ロット長尺での加工という点でも不利である。
【0004】
また、フレキシブル基板の型打ち抜きの精度向上を上げる対策として、基板押さえシートを用いる構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。基板押さえシートはフレキシブル基板に接着せずに、押圧板と金型上のフレキシブル基板の間に位置させる。これにより、フレキシブル基板と基板押さえシートは同時に打ち抜かれ、打ち抜き精度確保と金型の刃を保護する。
【特許文献1】実用新案登録第3096126号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フレキシブル基材は薄くて柔らかいので、打ち抜き精度が確保し難い。そこで、裏打ち材を接着する対策では、裏打ち材や接着材のコスト、接着、剥離の工程を有するための製造コストが増大する問題がある。特許文献1の対策を利用するとしても、基板押さえシートのコスト増大、基板押さえシートごとの打ち抜きによって金型の劣化促進の懸念は免れない。つまり、フレキシブル基板の製造と共に打ち抜かれる消費部材は、製造コスト増大の原因になる。
【0006】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、フレキシブル基板の製造と共に打ち抜かれる消費部材をなくし、かつフレキシブル基材の歪みを抑制し打ち抜き精度の向上が図れるフレキシブル基材打ち抜き装置及びフレキシブル基材ガイドレールを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフレキシブル基材打ち抜き装置は、プレス機構と、長尺のフレキシブル基材が送り込まれ前記プレス機構でのプレス加工動作に関る上金型及び下金型と、前記上金型と前記下金型の間に前記フレキシブル基材の状態を維持するために配設され、前記上金型と下金型の間を中心に前記フレキシブル基材の送り方向の前後に伸長する前記フレキシブル基材の一部を囲うガイドレールと、を具備する。
【0008】
本発明に係るフレキシブル基材打ち抜き装置は、長尺のフレキシブル基材を一定長繰返し送るフィード機構と、プレス機構と、前記プレス機構で前記フレキシブル基材のプレス加工動作が制御される上金型及び前記上金型の押圧力を受ける下金型と、前記フレキシブル基材を通すために前記上金型と下金型の間に配設され、前記上金型と下金型の間を中心に前記フレキシブル基材の送り方向の前後に伸長する前記フレキシブル基材の一部を囲うガイドレールと、を具備する。
【0009】
上記それぞれ本発明に係るフレキシブル基材打ち抜き装置によれば、金型に薄いフレキシブル基材用のガイドレールを設ける。ガイドレールは、上金型と下金型の間を中心にフレキシブル基材の送り方向の前後に伸長し、前記フレキシブル基材の一部を囲うようにする。ガイドレールは、裏打ちの無い脆弱なフレキシブル基材の歪みや反りの矯正に寄与する。ガイドレールは、プレス加工動作周辺のフレキシブル基材が補強される作用を有する。
【0010】
上記それぞれ本発明に係るフレキシブル基材打ち抜き装置において、より好ましくは次のいずれかの特徴を有することによって、精度がより向上するガイドレールの構成や打ち抜き精度の向上につながる。
前記ガイドレールは、前記フレキシブル基材の下面と側部及び側部につながる上面の一部を囲うように加工された金属部材であることを特徴とする。
前記フレキシブル基材は100μmより小さい厚さであって、前記ガイドレールは、前記フレキシブル基材の下面と側部及び側部につながる上面の一部を囲うように加工された金属部材であり、前記フレキシブル基材の下面との離間距離、上面との離間距離はそれぞれ200μmを下回るように構成されていることを特徴とする。
前記ガイドレールは、前記フレキシブル基材の送り方向の前後それぞれに前記プレス機構における前記フレキシブル基材のプレス加工動作一工程分の領域以上の長さを有することを特徴とする。
前記ガイドレールは、前記下金型側に固定されるもので、取り外しが可能であることを特徴とする。
前記上金型は、前記フレキシブル基材から上方に向かって、位置決め用プレート/パンチングプレート/補強部材/ダイセット部材の組み合わせ形態を含み、前記下金型は、前記フレキシブル基材側から下方に向かって、パンチ受け用のダイプレート/補強部材/ダイセット部材の組み合わせ形態を含むことを特徴とする。
前記上金型は、前記フレキシブル基材から上方に向かって、位置決め用プレート/パンチングプレート/補強部材/ダイセット部材の組み合わせ形態を含み、前記下金型は、前記フレキシブル基材側から下方に向かって、パンチ受け用のダイプレート/補強部材/ダイセット部材の組み合わせ形態を含み、前記ガイドレールは、前記上金型と下金型では挟まれる領域が前記ダイプレート上に嵌め込まれて固定されることを特徴とする。
前記フレキシブル基材は、回路パターンが形成される前または回路パターンが形成された後の金属表面を有することを特徴とする。
【0011】
また、上記それぞれ本発明に係るフレキシブル基材打ち抜き装置において、前記フレキシブル基材は、回路パターンが形成される前または回路パターンが形成された後の金属表面を有することを特徴とする。ガイドレールはフレキシブル基板製造途中におけるいずれのプレス工程にも適用可能である。
【0012】
本発明に係るフレキシブル基材ガイドレールは、長尺のフレキシブル基材が送り込まれ、前記フレキシブル基材の下面と側部及び側部につながる上面の一部を囲うべく加工された金属部材と、前記金属部材に設けられた他の部材に固定するための固定領域と、を具備する。
【0013】
上記本発明に係るフレキシブル基材ガイドレールによれば、フレキシブル基板製造のいずれの工程、装置においても利用可能である。すなわち、脆弱なフレキシブル基材の歪みや反りの矯正に寄与する。
なお、前記固定領域は、前記金属部材において前記フレキシブル基材に対する加工前と後の間の領域に配されることを特徴とする。フレキシブル基材が加工のために送り込まれ、またフレキシブル基材が加工された後、送り出される。フレキシブル基材が連続しているため、フレキシブル基材に対する加工前と後でフレキシブル基材を囲う金属部材は連続している方が精度を高められる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の第1実施形態に係るフレキシブル基材打ち抜き装置の要部を示す外観図であり、図2は、図1のF2−F2線に沿う断面図である。
上金型11及び下金型12は、プレス機構10によるプレス加工動作に関る。長尺のフレキシブル基材13は、裏打ち材の付いていないものを使う。フレキシブル基材13は、例えば、回路パターンが形成される前または回路パターンが形成された後の金属表面を有するものが扱われる。例えば銅箔がラミネートされた状態でのプレスや、電解めっき処理後の不要な配線を切るためのプレスが考えられる。フレキシブル基材13は、上金型11及び下金型12の間に送り込まれ、プレス加工動作によって、所定部分にホールが開けられる。ここでは上金型11は、プレス機構10でフレキシブル基材13のプレス加工動作が制御され、下金型12は上金型11の押圧力を受ける構成となっている。
【0015】
上金型11は、例えばフレキシブル基材13から上方に向かって、位置決め用のストリッパプレート111/打ち抜きのため型(図示せぬピンまたは突起物)の付いたパンチングプレート112/補強用のバッキングプレート113/ダイセット部材114、の組み合わせ形態を含む。また、下金型12は、フレキシブル基材13側から下方に向かって、パンチ受け用のダイプレート121/補強用のバッキングプレート122/ダイセット部材123、の組み合わせ形態を含む。ダイセット部材114,123は、複数のサブポスト(サブシリンダ)14により可動結合される。ダイセット部材114,123は、例えばアルミニウムを主成分とし、その他の各プレートは例えばスチール等で構成される。
【0016】
上金型11と下金型12の間にガイドレール15が設けられている。ガイドレール15は、フレキシブル基材13の状態を維持するために配設された金属部材で、上金型11と下金型12の間を中心にフレキシブル基材13の送り方向の前後にL1,L2それぞれ十数cm以上伸長し、フレキシブル基材13の一部を囲う。より具体的には、ガイドレール15は、アルミニウムを主成分とした金属部材である。ガイドレール15は、その中央領域が下金型12におけるダイプレート121上に嵌め込まれて固定されている。ただし、この固定領域(中央領域)は、図示しないが、ダイプレート121のパンチ受け用の領域(穴など)は避けたパターンとなっている。嵌め込み固定と共に任意の箇所でネジ留め機構があってもよい。ガイドレール15は、取り外しが可能である。下金型12に固定されたガイドレール15は、その伸長領域において、フレキシブル基材13の下面と側部及び側部につながる上面の一部を囲うように加工されている(図2参照)。
【0017】
裏打ち材の付いていないフレキシブル基材13の厚さは100μmより小さい。ガイドレール15は、フレキシブル基材13下面との離間距離、フレキシブル基材13上面との離間距離はそれぞれ200μmを下回るように構成されている。例えば、フレキシブル基材13の厚さが50μm程度であれば、ガイドレール15の両側部のギャップGは、400μm程度になっている。フレキシブル基材13上面を覆う幅Wは十数mm程度とする。
【0018】
フレキシブル基材13は、ガイドレール15を通り、上金型11と下金型12の間に送り込まれ、次のように打ち抜きされる。プレス機構10は上金型11におけるダイセット部材114に押圧力を加え、バッキングプレート113を介してパンチングプレート112を下方に押し下げる。ストリッパプレート111がフレキシブル基材13に接触し、ストリッパプレート111からパンチングプレート112の型が約0.2mm程突き出る。フレキシブル基材13下方のダイプレート121はメス型でパンチングの型を受け、バッキングプレート122、ダイセット部材123で衝撃が吸収される。
【0019】
ガイドレール15は、フレキシブル基材13の送り方向の前後それぞれに、プレス機構10におけるフレキシブル基材13のプレス加工動作一工程分の領域以上の長さ(L1,L2)を有する。しかも上述したように、脆弱な厚さのフレキシブル基材13を補強するように、フレキシブル基材13下面と側部、側部につながる上面部分を接近して囲っている。これにより、裏打ち材の無いフレキシブル基材13の打ち抜き精度向上を図っている。
【0020】
上記実施形態の構成によれば、金型(12)にフレキシブル基材13用のガイドレール15を設ける。ガイドレール15は、上金型11と下金型12の間を中心にフレキシブル基材13の送り方向の前後に伸長し、フレキシブル基材13の一部、すなわち、下面と側部及び側部につながる上面の一部を僅かな隙間をもって囲うようにする。ガイドレール15は、裏打ちの無い脆弱なフレキシブル基材13の歪みや反りの矯正に寄与する。ガイドレール15は、プレス加工動作周辺のフレキシブル基材13が補強される作用を有する。これにより、金型11,12での連続打ち抜きを行う際、フレキシブル基材13の脆弱性に起因する反り、歪みが抑制され、打ち抜き精度が向上する。
【0021】
図3は、本発明の第2実施形態に係るフレキシブル基材打ち抜き装置のライン要部を示すブロック図である。図1に示すガイドレール15が配備されたプレス機構10及び金型11,12が利用される。プレス加工動作の後段に、長尺のフレキシブル基材13を一定長繰返し送るフィード機構22を配備している。裏打ち材の無いフレキシブル基材13は、フィード機構22によってローダー部21からガイドレール15を介して、プレス機構10に制御される金型11,12に順次導かれる。フレキシブル基材13は、ガイドレール15によって、反りや歪みが抑制され、精度の高い打ち抜きを実現する。アンローダー部23は、フィード機構22から順次送出された、プレス加工済みのフレキシブル基材13を順次巻き取る。
【0022】
上記実施形態の構成においても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、ガイドレール15は、上金型11と下金型12の間を中心にフレキシブル基材13の送り方向の前後に伸長し、フレキシブル基材13のプレス加工動作周辺を補強する。これにより、裏打ちの無い脆弱なフレキシブル基材13でも、歪みや反りが抑制され、金型11,12での連続打ち抜きを行う際においても、打ち抜き精度が向上する。
【0023】
図4は、本発明の第3実施形態に係るフレキシブル基材ガイドレールの要部を示す概観図である。金属部材30は、図1で用いられるガイドレール15と同様である。すなわち、長尺のフレキシブル基材15が送り込まれ、フレキシブル基材13の下面と側部及び側部につながる上面の一部を僅かな離間距離をもって囲うべく加工されている。フレキシブル基材は100μmより小さい厚さである。金属部材30は、フレキシブル基材13の下面との離間距離、上面との離間距離はそれぞれ200μmを下回るように構成されている。金属部材30はアルミニウム製の他、ステンレス製やスチール製が考えられる。
【0024】
金属部材30には他の部材に固定するための固定領域301が設けられている。フレキシブル基材13は、加工のために金属部材30のガイドレールに送り込まれ、加工環境を経て金属部材30のガイドレールから送り出される。フレキシブル基材13が連続しているため、フレキシブル基材13に対する加工前と後でフレキシブル基材13を囲う金属部材30は連続している方が精度を高められる。そこで、固定領域301は、金属部材30においてフレキシブル基材13に対する加工前と後の間の領域に配される。すなわち、図1でいえば、固定領域301は、下金型12におけるダイプレート121上に嵌め込まれる形態となる。固定領域301は、フレキシブル基材13に対する加工に支障のないパターンを有することが重要である。
【0025】
上記実施形態の構成によれば、金属部材30は、フレキシブル基材ガイドレールを構成する。金属部材30によるフレキシブル基材ガイドレールは、固定領域301のパターン次第で、フレキシブル基板製造のいずれの工程、装置においても利用可能である。すなわち、脆弱なフレキシブル基材の歪みや反りの矯正に寄与する。これにより、裏打ちの無い薄膜のフレキシブル基材でも反りや歪みを抑制することができ、所望の工程の精度が高められる。
【0026】
図5は、本発明の第4実施形態に係るフレキシブル基材ガイドレールの要部を示す概観図である。金属部材40は、その主要部が図1で用いられるガイドレール15と同様である。すなわち、フレキシブル基材13の下面と側部及び側部につながる上面の一部を僅かな離間距離をもって囲うべく加工されている。総合的に金属部材40はアルミニウム製の他、ステンレス製やスチール製が考えられる。金属部材40は、主要ガイドレール部材401と支持部材402からなる。支持部材402の逆U字形態は、上板面402Aに主要ガイドレール部材401を溶接または接着し、縦板面402Bで長手方向の精度、強度を現出している。
【0027】
金属部材40は、その支持部材402の縦板面402Bのみの部分が他の部材に固定するための固定領域Hとなる。これにより、固定領域Hは、支持部材402においてフレキシブル基材13に対する加工前と後の間の領域に配される。すなわち、図1でいえば、固定領域Hは、下金型12におけるダイプレート121上に嵌め込まれる形態となる。嵌め込みだけでなく、図示しないネジ留めの利用も十分考えられる。固定領域Hは、縦板面402Bのみからなり、大きな空間となるので、フレキシブル基材13に対する加工に支障のないパターンとなり易い。
【0028】
上記実施形態の構成においても、金属部材40は、フレキシブル基材ガイドレールを構成する。金属部材40の支持部材402における固定領域Hのパターン次第で、フレキシブル基板製造のいずれの工程、装置においても利用可能である。固定領域Hは、縦板面402Bのみの構成であるので、フレキシブル基材13に対する加工に支障のないパターンとなり易い。そして、主要ガイドレール部材401が脆弱なフレキシブル基材の歪みや反りの矯正に寄与する。これにより、裏打ちの無い薄膜のフレキシブル基材でも反りや歪みを抑制することができ、所望の工程の精度が高められる。
【0029】
以上説明したように本発明によれば、金型にフレキシブル基材用のガイドレールを設ける。ガイドレールは、上金型と下金型の間を中心にフレキシブル基材の送り方向の前後に伸長し、フレキシブル基材の一部を僅かな隙間をもって囲うようにする。ガイドレールは、裏打ちの無い脆弱なフレキシブル基材の歪みや反りの矯正に寄与する。ガイドレールは、プレス加工動作周辺のフレキシブル基材が補強される作用を有する。これにより、金型での連続打ち抜きを行う際、フレキシブル基材の脆弱性に起因する反り、歪みが抑制され、打ち抜き精度が向上する。また、フレキシブル基材用のガイドレールは、レキシブル基板製造のいずれの工程、装置においても利用可能である。この結果、フレキシブル基板の製造と共に打ち抜かれる消費部材をなくし、かつフレキシブル基材の歪みを抑制し打ち抜き精度の向上が図れるフレキシブル基材打ち抜き装置及びフレキシブル基材ガイドレールを提供することができる。
【0030】
なお、本発明は、上述した実施形態及び方法に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変更、応用を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態に係るフレキシブル基材打ち抜き装置の要部を示す外観図。
【図2】図1のF2−F2線に沿う断面図。
【図3】第2実施形態に係るフレキシブル基材打ち抜き装置のライン要部を示すブロック図。
【図4】第3実施形態に係るフレキシブル基材ガイドレールの要部を示す概観図。
【図5】第4実施形態に係るフレキシブル基材ガイドレールの要部を示す概観図。
【符号の説明】
【0032】
10…プレス機構、11…上金型、111…ストリッパプレート、112…パンチングプレート、113,122…バッキングプレート、114,123…ダイセット部材、12…下金型、121…ダイプレート、13…フレキシブル基材、14…サブポスト、15…ガイドレール、22…フィード機構、23…アンローダー部、30,40…金属部材、301,H…固定領域、401…主要ガイドレール部材、402…支持部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス機構と、
長尺のフレキシブル基材が送り込まれ前記プレス機構でのプレス加工動作に関る上金型及び下金型と、
前記上金型と前記下金型の間に前記フレキシブル基材の状態を維持するために配設され、前記上金型と下金型の間を中心に前記フレキシブル基材の送り方向の前後に伸長する前記フレキシブル基材の一部を囲うガイドレールと、
を具備するフレキシブル基材打ち抜き装置。
【請求項2】
長尺のフレキシブル基材を一定長繰返し送るフィード機構と、
プレス機構と、
前記プレス機構で前記フレキシブル基材のプレス加工動作が制御される上金型及び前記上金型の押圧力を受ける下金型と、
前記フレキシブル基材を通すために前記上金型と下金型の間に配設され、前記上金型と下金型の間を中心に前記フレキシブル基材の送り方向の前後に伸長する前記フレキシブル基材の一部を囲うガイドレールと、
を具備するフレキシブル基材打ち抜き装置。
【請求項3】
前記ガイドレールは、前記フレキシブル基材の下面と側部及び側部につながる上面の一部を囲うように加工された金属部材である請求項1または2に記載のフレキシブル基材打ち抜き装置。
【請求項4】
前記フレキシブル基材は100μmより小さい厚さであって、前記ガイドレールは、前記フレキシブル基材の下面と側部及び側部につながる上面の一部を囲うように加工された金属部材であり、前記フレキシブル基材の下面との離間距離、上面との離間距離はそれぞれ200μmを下回るように構成されている請求項1または2に記載のフレキシブル基材打ち抜き装置。
【請求項5】
前記ガイドレールは、前記フレキシブル基材の送り方向の前後それぞれに前記プレス機構における前記フレキシブル基材のプレス加工動作一工程分の領域以上の長さを有する請求項1〜4いずれか1つに記載のフレキシブル基材打ち抜き装置。
【請求項6】
前記ガイドレールは、前記下金型側に固定されるもので、取り外しが可能である請求項1〜5いずれか一つに記載のフレキシブル基材打ち抜き装置。
【請求項7】
前記上金型は、前記フレキシブル基材から上方に向かって、位置決め用プレート/パンチングプレート/補強部材/ダイセット部材の組み合わせ形態を含み、前記下金型は、前記フレキシブル基材側から下方に向かって、パンチ受け用のダイプレート/補強部材/ダイセット部材の組み合わせ形態を含む請求項1〜6いずれか1つに記載のフレキシブル基材打ち抜き装置。
【請求項8】
前記上金型は、前記フレキシブル基材から上方に向かって、位置決め用プレート/パンチングプレート/補強部材/ダイセット部材の組み合わせ形態を含み、前記下金型は、前記フレキシブル基材側から下方に向かって、パンチ受け用のダイプレート/補強部材/ダイセット部材の組み合わせ形態を含み、前記ガイドレールは、前記上金型と下金型では挟まれる領域が前記ダイプレート上に嵌め込まれて固定される請求項1〜6いずれか1つに記載のフレキシブル基材打ち抜き装置。
【請求項9】
前記フレキシブル基材は、回路パターンが形成される前または回路パターンが形成された後の金属表面を有する請求項1〜8いずれか1つに記載のフレキシブル基材打ち抜き装置。
【請求項10】
長尺のフレキシブル基材が送り込まれ、前記フレキシブル基材の下面と側部及び側部につながる上面の一部を囲うべく加工された金属部材と、
前記金属部材に設けられた他の部材に固定するための固定領域と、
を具備するフレキシブル基材ガイドレール。
【請求項11】
前記固定領域は、前記金属部材において前記フレキシブル基材に対する加工前と後の間の領域に配される請求項10に記載のフレキシブル基材ガイドレール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−69312(P2007−69312A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259240(P2005−259240)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】