説明

フレームマッピング装置及びフレームマッピング方法

【課題】フレームマッピング装置において、回路規模を削減することを目的とする。
【解決手段】複数の低速信号転送用フレームを高速信号転送用フレームにマッピングするフレームマッピング装置であって、前記低速信号転送用フレームの最小単位を1チャネルとして前記高速信号転送用フレームに多重可能な最大信号チャネル数分設けられ、供給される前記複数の低速信号転送用フレームをバッファリングするバッファと、前記低速信号転送用フレームの周波数調整情報の判定を行う前記最大信号チャネル数分の判定部と、前記最大信号チャネル数分のバッファから出力される信号を供給されるバレルシフタと、
前記複数の低速信号転送用フレームそれぞれについての外部設定と前記判定部の判定結果に応じて前記バレルシフタを制御して前記高速信号転送用フレームにマッピングする制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の低速信号転送用フレームを高速信号転送用フレームにマッピングするフレームマッピング装置及びフレームマッピング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットトラヒックの爆発的増大に対応可能である波長多重伝送(WDM)方式を前提とし、SDH(Synchronous Optical Network)又はSONET(Synchronous Digital Hierarchy)等の同期網のみならずIP(Internet Protocol)又はイーサネット(登録商標)系の非同期網のクライアント信号を、エンド・エンドで通信をする際に、上位レイヤーが下位レイヤーを一切意識しなくて済む、所謂トランスペアレントに伝送するプラットフォームとして、OTN(Optical Transport Network:光転送ネットワーク)がITU−Tにおいて勧告化されている。そのインタフェースやフレームフォーマットはITU−Tの勧告G.709により標準化されており、商用システムへの導入が急速に進んでいる。
【0003】
ITU−Tの勧告G.709に準拠したインタフェースを適用したネットワークにおいて、低速な信号速度を持つ信号転送用フレーム(Optical Channel Data Unit ‘j’:ODUj)と前記ODUjよりも高速な信号速度を持つ信号転送用フレーム(Optical Channel Data Unit ‘k’:ODUk)の多重収容・多重分離の実現を考える。
【0004】
ここで、例えばイーサネット(登録商標)等のクライアント信号を収容したODUフレームをLower Order ODU(LO_ODU)と呼び、低速のODUフレームを複数多重収容したODUフレームをHigher Order ODU (HO_ODU)と呼ぶ。つまり、低速の信号転送用フレームODUj(例えばODU1)は、高速な信号速度を持つHO_ODUkフレーム(例えばODU2,ODU3,ODU4)に多重収容されることになる。なお、低速の信号転送用フレームとしてはLO_ODUjとHO_ODUjのいずれであっても構わない。つまり、HO_ODUjをHO_ODUkに多重収容してもよい。
【0005】
図1にOTUkフレームフォーマットを示す。OTNフレームは、オーバーヘッド部、OPUk(Optical channel Payload Unit kは0又は正の整数)ペイロード部、及び、OTUkFEC(Optical channel Transport Unit k Forward Error Correction)部を含む。
【0006】
オーバーヘッド部は第1列(column)〜第16列の16バイト×4行(row)のサイズを有し、FA(Frame Alignment)オーバーヘッド、OTUkオーバーヘッド、ODUkオーバーヘッド、OPUkオーバーヘッドを有しており、接続及び品質の管理に用いられる。OPUkペイロード部は、第17列〜第3824列の3808バイト×4行のサイズを有する。OTUkFEC部は、第3825列〜第4080列の256バイト×4行のサイズを有し、伝送中に発生した誤りを訂正するために用いられる。
【0007】
FAオーバーヘッドには6バイトの固定フレームパターンであるFAS(Frame Alignment Signal)と、1バイトのシーケンス番号であるMFAS(MultiFrame Alignment Signal)が含まれる。
【0008】
ODUjフレームのHO_ODUkへの多重収容は、HO_ODUkフレームのペイロード部分であるOPUk(Optical Channel Payload Unit ‘k’)ペイロードエリアをバイト単位でts個に分割したタイムスロットであるトリビュータリスロット(Tributary Slot:TS)を定義し、HO_ODUkフレームのペイロードエリアの各TSにODUjを収容することにより実現する。
【0009】
ITU−T G.709勧告では、1TS当たりの帯域が約1.25Gbps及び約2.5Gbps程度の2種類のトリビュータリスロットを定義している。1トリビュータリスロット当たりの帯域が約1.25Gbpsの場合のトリビュータリスロット数tsは、図2に示すように、HO_ODU1に対してts=2、HO_ODU2に対してはts=8、HO_ODU3に対してはts=32、HO_ODU4に対してはts=80を定義している。
【0010】
1TS当たりの帯域が約2.5Gbpsの場合のトリビュータリスロット数(ts)は、図3に示すように、HO_ODU2に対してはts=4、HO_ODU3に対してはts=16を定義している。なお、図2、図3において、TS#i(i=1〜80)はトリビュータリスロット番号を表し、OHはOver Hed、FSはFixed Stuff、FECはForward Error Correctionを表している。上記のOH、FS、FECもトリビュータリスロットに格納されている。
【0011】
図4にODU0フレームとODU1フレームをOPU2フレームにマッピングする様子を示す。図4においては、ODU0フレームをOPU2フレームのペイロードエリアのTS#1にマッピングし、ODU1フレームをOPU2フレームのペイロードエリアのTS#4,TS#8にマッピングしている。この場合、HO_ODU2のペイロードエリアでODU1が専有するトリビュータリスロット数Mは2である。
【0012】
ODUjのHO_ODUkへの多重収容の手順としては下記のとおりとなる。
【0013】
(1)ODUjとHO_ODUk及びTS帯域の組み合わせに応じて、下記の2方式より多重収容・多重分離方式を決定する。第1の方式は非同期マッピング方式(AMP:Asynchronous Mapping Procedure)であり、第2の方式は一般化マッピング方式(GMP:Generalized Mapping Procedure)である。
【0014】
(2)ODUjの帯域(ビットレート)に合わせて、ODUjを収容するHO_ODUkのペイロードエリア(OPUk)でODUjが専有するトリビュータリスロット数M、及びTS位置を決定する。
【0015】
(3)AMP方式又はGMP方式を用いてM個のTSの帯域の和とODUjの帯域の差に応じたナルデータ(null data)の挿入によるスタッフ処理を行いながら、ODUjをHO_ODUkのM個のTSに収容する。
【0016】
前記のとおり、その周波数調整方式の違いによりAMP方式とGMP方式の2方式が存在する。なお、GMP方式はITU−T G.709勧告が2009年12月に改訂された際に勧告化された新規の方式である。AMP方式はODUjとHO_ODUkのTS間の周波数差と周波数偏差をバイト単位のスタッフ挿入(−1〜+2バイト)により吸収しながら多重収容・多重分離を行う方式である。GMP方式はODUjとHO_ODUkのTS間の周波数差と周波数偏差をMバイト単位のスタッフ処理により吸収しながら多重収容・多重分離を実現する方式である。ここで、MはODUjをHO_ODUへ収容する際に専有するHO_ODUのTS数である。前記のITU−T G.709勧告改訂前(2009年12月まで)はAMP方式のみを適用した信号フレーム間の多重収容・多重分離が用いられていたが、現在ではAMP方式とGMP方式が混在した環境下で信号フレーム間の多重収容・多重分離を行う必要がある。
【0017】
なお、AMP方式では図1に示すOPUkオーバーヘッドの3バイトのJC(Justification Control)バイトとNJO(Negative Justification Opportunity)バイト、及び、OPUkペイロード部のPJO(Positive Justification Opportunity)バイトを使用し、周波数調整情報であるJCバイト情報に応じてNJOバイトとPJOバイトにデータ又はスタッフバイト(ゼロ)が挿入(スタッフ)される。つまり、スタッフバイトを挿入するスタッフ位置は固定位置である。
【0018】
GMP方式では図1に示すOPUkオーバーヘッドの6バイトのJCバイト情報に応じて、OPUkペイロード部にスタッフバイトが挿入される。スタッフ位置はスタッフ量に応じて変化し、1(マルチ)フレーム前のJCバイト情報でスタッフ処理を行う。
【0019】
図5はOTN_ADM(Add Drop Multiplxer)系クロスコネクト装置の一例の構成図を示し、図6はOTN_ADM系マルチプレクサ装置の一例の構成図を示す。図5において、HOインタフェース部11,12には光ネットワークからHO_OTUkの光信号が入力され、HOインタフェース部11,12内のデマッピング部(OTUkDMAP)13で終端されてHO_ODUk信号が抽出される。HO_ODUk信号はデマルチプレクサ(OTUkDMAP)14でHO_ODUj信号又はLO_ODUj信号に分離される。HO_ODUj信号はクロスコネクト部20でクロスコネクトされて相対するHOインタフェース部12,11の多重部(HO_ODUkMUX)15に供給され、LO_ODUj信号はクロスコネクト部20でクロスコネクトされてLOインタフェース部21のデマッピング部(LO_ODUjDMAP)22に供給される。
【0020】
LOインタフェース部21のデマッピング部(LO_ODUjDMAP)22はLO_ODUj信号からクライアント信号をデマッピングする。クライアント信号はクライアントインタフェース23を通してクライアントネットワークに対し送出される。また、クライアントネットワークから入力されるクライアント信号はクライアントインタフェース24で受信され、マッピング部(LO_ODUjMAP)25でLO_ODUj信号にマッピングされる。このLO_ODUj信号はクロスコネクト部20でクロスコネクトされてHOインタフェース部11,12の多重部15に供給される。
【0021】
HOインタフェース部11,12の多重部15は供給されるHO_ODUj信号及びLO_OTUj信号を多重してHO_ODUk信号にマッピングする。HO_ODUk信号はOTUkマッピング部(OTUkMAP)16においてOTUk信号にマッピングされて光ネットワークに送出される。
【0022】
なお、図6のOTN_ADM系マルチプレクサ装置は図5のOTN_ADM系クロスコネクト装置におけるクロスコネクト部20を有していないだけで、主要な構成は図5と同様である。図6において図5と同一部分には同一符号を付している。
【0023】
図7に多重部15におけるLO_ODUj信号をHO_ODUk信号に多重する場合の中間フレームとマッピングタイプを示す。また、図8に多重部15におけるHO_ODUj信号をHO_ODUk信号に多重する場合の中間フレームとマッピングタイプを示す。なお、中間フレームの欄の「ODTUG1」はODTUグループ1を表しており、ペイロードタイプPT=20はAMPのみでマッピングするフレーム、PT=21はAMP又はGMPの何れでのマッピングも可能なフレームを表している。図7及び図8に示すように、入力信号の種類毎に対応する中間フレームが異なるので、従来は入力信号の種類により個別にマッピング、多重回路を具備している。
【0024】
図9(A)にOPUkペイロードエリアのトリビュータリスロットをバイト単位で多重化したAMP方式用中間フレームODTUjkのフレーム構造を示す。1TSの帯域が1.25Gbpsの場合、ODTUjkのオーバーヘッドは、jk=01のとき4×tsバイトとなる。また、ODTUjkのペイロードは、jk=01のとき15232×tsバイトとなる。ペイロードの行と列の数、ts数は、1TSの帯域が2.5Gbpsの場合、図9(B)に示す表により規定され、1TSの帯域が1.25Gbpsの場合、図9(C)に示す表により規定されている。
【0025】
図10(A)にOPUkペイロードエリアのトリビュータリスロットをバイト単位で多重化したGMP方式用中間フレームODTUk.tsのフレーム構造を示す。ODTUk.tsのオーバーヘッドは、k=2,3,4のとき6×tsバイトとなる。また、ODTUk.tsのペイロードは、k=2,3のとき15232×tsバイトとなり、k=4のとき15200×tsバイトとなる。ペイロードの行と列の数は、図10(B)に示す表により規定されている。
【0026】
ところで、中間ネットワークを介したSDH/SONET/OTNフレームの転送方法において、エンティティのコンコンツを一連のサブフレームにマッピングし、該サブフレームに一連の順番指標を割り当てバーチャルに連結し中間ネットワークを介して転送し、遠隔ノードにおいて元のエンティティにアセンブルする技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0027】
また、収容効率向上を図ったOTN多重伝送方法で、CT信号に管理用オーバーヘッドを付加し、他のCT信号に対してビットレートが整数倍又は整数分の1でないCT信号を含むビットレートが異なる複数のCT信号を収容し、各CT信号のビットレートが他のCT信号に対して整数倍ないしは整数分の1となるように複数のCT信号の一部又は全部に対しレート調整を行う技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】特表2004−523959号公報
【特許文献2】WO2008/035769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
図11に従来のODU2×4をODU3(OTU3)に多重する多重部及びマッピング部の一例の構成図を示す。この場合、クロック載せ換え用バッファ31と、中間フレーム(ODTU23)化部32及びJC判定部33は、入力するODU2フレーム単位に具備し個別に動作する構成が可能である。その後に、ポート対応スイッチ34と、スロット対応スイッチ35、OTU3フレーム化部を設けている。
【0030】
図12に従来のODU2とODU1を混在でODU3(OTU3)に多重する多重部及びマッピング部の一例の構成図を示す。この場合、ODU2をODU3に多重する場合は最大4チャネル(CH)、ODU1をODU3に多重する場合は最大16チャネルの多重可能である。ODU2とODU1の混在の形態を柔軟に対応するためには、入力フレーム1チャネルに対してバッファ31、中間フレーム(ODTU13、ODTU23)化部32及びJC判定部33を、ODTU23用ブロック37とODTU13用ブロック38で個別に具備することになる。
【0031】
例えば、ODU2フレーム1チャネルとODU1フレーム12チャネルを混在でODU3に多重する場合、ODTU23用ブロック37内のODU2フレーム3チャネル分のバッファ31、中間フレーム化部32及びJC判定部33と、ODTU13用ブロック38内のODU1フレーム4チャネル分のバッファ31、中間フレーム化部32及びJC判定部33が使用されず、冗長状態となり、回路規模的に無駄が発生するという問題があった。
【0032】
図13に従来のODU2とODU1とODU0を混在でODU3(OTU3)に多重する多重部及びマッピング部の一例の構成図を示す。この場合、ODU2をODU3に多重する場合は最大4チャネル、ODU1をODU3に多重する場合は最大16チャネル、ODU0をODU3に多重する場合は最大32チャネルが多重可能である。このため、ODU2とODU1の混在の形態を柔軟に対応するためには、入力フレーム1チャネルに対してバッファ31、中間フレーム(ODTU03、ODTU13、ODTU23)化部32及びJC判定部33を、ODTU23用ブロック37とODTU13用ブロック38とODTU03用ブロック39で個別に具備することになる。この場合も図9の場合と同様にして、ODTU23用ブロック37、ODTU13用ブロック38、ODTU03用ブロック39それぞれでバッファ31、中間フレーム化部32及びJC判定部33が使用されず、冗長状態となり、回路規模的に無駄が発生するという問題があった。
【0033】
従来の多重部では、入力するODUjフレームの種類が増えるほど内部の対応回路が莫大に増大してしまう。ITU−Tでは、図7及び図8に示すように記載する多種の多重変換が規格化されており、OTN伝送装置では多種の多重変換をサポートしなければならず、回路規模が大きくなるという問題があった。
【0034】
開示のフレームマッピング装置は、回路規模の増大を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
開示の一実施形態によるフレームマッピング装置は、複数の低速信号転送用フレームを高速信号転送用フレームにマッピングするフレームマッピング装置であって、
前記低速信号転送用フレームの最小単位を1チャネルとして前記高速信号転送用フレームに多重可能な最大信号チャネル数分設けられ、供給される前記複数の低速信号転送用フレームをバッファリングするバッファと、
前記低速信号転送用フレームの周波数調整情報の判定を行う前記最大信号チャネル数分の判定部と、
前記最大信号チャネル数分のバッファから出力される信号を供給されるバレルシフタと、
前記複数の低速信号転送用フレームそれぞれについての外部設定と前記判定部の判定結果に応じて前記バレルシフタを制御して前記高速信号転送用フレームにマッピングする制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0036】
本実施形態によれば、回路規模の増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】OTUkフレームフォーマットを示す図である。
【図2】HO_ODUkに対するトリビュータリスロット数tsを説明するための図である。
【図3】HO_ODUkに対するトリビュータリスロット数tsを説明するための図である。
【図4】ODU0フレームとODU1フレームをOPU2フレームにマッピングする様子を示す図である。
【図5】クロスコネクト装置の一例の構成図である。
【図6】マルチプレクサ装置の一例の構成図である。
【図7】LO_ODUj信号をHO_ODUk信号に多重する場合の中間フレームとマッピングタイプを示す図である。
【図8】HO_ODUj信号をHO_ODUk信号に多重する場合の中間フレームとマッピングタイプを示す図である。
【図9】中間フレームODTUjkのフレーム構造を示す図である。
【図10】中間フレームODTUk.tsのフレーム構造を示す図である。
【図11】従来の多重部及びマッピング部の一例の構成図である。
【図12】従来の多重部及びマッピング部の一例の構成図である。
【図13】従来の多重部及びマッピング部の一例の構成図である。
【図14】多重及びマッピング回路の一実施形態の概略構成図である。
【図15A】OPU3フレームにおけるトリビュータリスロット配置を示す図である。
【図15B】OPU3フレームにおけるMFASに応じたtsの値を示す図である。
【図16】多重及びマッピング回路でODU2をOTU3に多重する場合の実施形態を示す図である。
【図17】多重及びマッピング回路でODU2とODU1をOTU3に多重する場合の実施形態を示す図である。
【図18】多重及びマッピング回路の一実施形態の全体構成図である。
【図19】バレルシフタ及びバレルシフタ制御部の一実施形態の構成図である。
【図20】外部設定の一例を示す図である。
【図21】外部設定の設定方法を説明するための図である。
【図22】バレルシフタの動作を説明するための図である。
【図23】バレルシフタの動作を説明するための図である。
【図24】バレルシフタの動作を説明するための図である。
【図25】バレルシフタの動作を説明するための図である。
【図26】バレルシフタの動作を説明するための図である。
【図27】バレルシフタの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
【0039】
<多重及びマッピング回路>
図14に多重及びマッピング回路の一実施形態の概略構成図を示す。この多重部及びマッピング部は図5又は図6におけるHOインタフェース部11,12内の多重部15とOTUkマッピング部16に相当する。
【0040】
図14において、多重及びマッピング回路40の入力側はフレーム種別に依存せず、出力側のHO_ODUkフレームに多重可能な、ODUフレームの最小単位であるODU0を1チャネル(CH)とする、最大信号チャネル数だけのバッファとJC判定部を有している。
【0041】
図14ではOTU3フレームを生成する構成を示しており、OTU3フレームはODU0を最大32チャネル多重可能なため、入力チャネルを32チャネル具備し、クロック載せ換え用バッファ41−1〜41−32と、JC判定部42−1〜42−32を有している。
【0042】
バッファ41−1〜41−32は32チャネル分の入力信号をバッファリングし、多重及びマッピング部40の内部クロックで読み出すことでクロック載せ換えを行い、バッファ41−1〜41−32から読み出された信号はバレルシフタ43に供給される。また、JC判定部42−1〜42−32は32チャネル分の入力信号それぞれの周波数調整情報であるJCバイト情報を判定してバレルシフタ制御部44に供給する。
【0043】
ここで、GMP方式ではJCバイト情報に応じて、OPUkペイロード部にスタッフバイトが挿入されるため、バレルシフタ43においてスタッフ位置がどこであろうと問題にならない。しかし、AMP方式ではJCバイト情報に応じてOPUkオーバーヘッドのNJOバイトにデータが挿入され、また、OPUkペイロード部のPJO1バイトとPOJ2バイトにスタッフバイトが挿入されるため、バレルシフタ43においてスタッフ位置を認識しておく必要がある。このため、JC判定部42−1〜42−32はAMP方式のJCバイト情報を判定して、このAMP方式のJCバイト情報をバレルシフタ制御部44に供給している。
【0044】
バレルシフタ43はOTU3フレームを処理するだけの能力を持ち、中間フレーム化及びポートスイッチ及びスロットスイッチの処理を合わせて実行する。バレルシフタ43にはCPUインタフェース45を介してCPU47から中間フレーム化及びポートスイッチ及びスロットスイッチ等の処理に関する外部設定が供給され、バレルシフタ制御部44にコンカチネーション・グループを設定される。バレルシフタ43はバレルシフタ制御部44の制御により上記外部設定に従ってコンカチネーション・グループ毎に中間フレーム化を行い、JC判定部42−1〜42−32のJC判定によるスタッフ制御を実行する。また、バレルシフタ43は32チャネルの入力ポートと出力ポートとの間でトリビュータリスロット番号を入れ替えるポートスイッチやスロットスイッチも実行する。ポートスイッチやスロットスイッチを実行する命令信号は、CPU47等の外部から設定する。
【0045】
バレルシフタ43の出力する32チャネル分の信号はOTU3フレーム化部46に供給され、OTU3フレーム化部46にて32チャネル分の信号がOTU3フレームにマッピングされ、更にオーバーヘッド及びFECを付加されてOTU3フレームが生成され出力される。
【0046】
図15AにOPU3フレームにおけるトリビュータリスロット配置を示す。ここでは、32フレーム分のOTU3フレームで構成される1マルチフレームのOTU3フレームを示しており、各フレームの第17列〜第3824列にトリビュータリスロット番号を記載している。1TS(トリビュータリスロット)の帯域が2.5Gbpsの場合、図15Bの左欄に示すようにMFASに応じたtsの値は1〜16であり、1TSの帯域が1.25Gbpsの場合、図15Bの右欄に示すようにMFASに応じたtsの値は1〜32である。
【0047】
図15AのOPU3フレームにおける第1フレームのオーバーヘッドの第15列及び第16列にはトリビュータリスロット番号1に多重されたODUjフレームのJC情報が格納され、i番目のフレームのオーバーヘッドの第15列及び第16列にはトリビュータリスロット番号iに多重されたODUjフレームのJC情報が格納されている。
【0048】
図16は多重及びマッピング回路40でODU2フレーム×4チャネルをOTU3フレームに多重する場合の実施形態を示す。ODU2フレームは1チャネル当りODU0フレームの8チャネル分の容量を持つため、図14中の入力信号8チャネルを1グループ(コンカチネーション・グループ)としてODU2フレーム1チャネルを処理する。このため、入力信号8チャネルに括りつけで動作するバッファ及びJC判定部についても8個1グループでコンカチネーション動作させる。このコンカチネーション動作は、CPU47からのグループ設定(I_MSIDT)をバレルシフタ制御部44からバッファ41−1〜41−32及びJC判定部42−1〜42−32に供給することで実現する。
【0049】
つまり、バッファ41−1〜41−8及びJC判定部42−1〜42−8は第1グループを形成してコンカチネーション動作を行い、バッファ41−9〜41−16及びJC判定部42−9〜42−16は第2グループを形成してコンカチネーション動作を行う。また、バッファ41−17〜41−24及びJC判定部42−17〜42−24は第3グループを形成してコンカチネーション動作を行い、バッファ41−25〜41−32及びJC判定部42−25〜42−32は第4グループを形成してコンカチネーション動作を行う。
【0050】
図17は多重及びマッピング回路40でODU2フレーム×3チャネルとODU1フレーム×4チャネルをOTU3フレームに多重する場合の実施形態を示す。ODU2フレームは1チャネル当りODU0フレームの8チャネル分の容量を持ち、ODU1フレームは1チャネル当りODU0フレームの2チャネル分の容量を持つため、図14中の入力信号8チャネルを1グループとしてODU2フレーム1チャネルを処理するため、入力信号8チャネルに括りつけで動作するバッファ及びJC判定部についても8個1グループでコンカチネーション動作させる。また、入力信号2チャネルを1グループとしてODU1フレーム1チャネルを処理するため、入力信号2チャネルに括りつけで動作するバッファ及びJC判定部についても2個1グループでコンカチネーション動作させる。このコンカチネーション動作は、CPU47からのグループ設定(I_MSIDT)をバレルシフタ制御部44からバッファ41−1〜41−32及びJC判定部42−1〜42−32に供給することで実現する。
【0051】
つまり、バッファ41−1〜41−8及びJC判定部42−1〜42−8は第1グループを形成してコンカチネーション動作を行い、バッファ41−9〜41−16及びJC判定部42−9〜42−16は第2グループを形成してコンカチネーション動作を行い、バッファ41−17〜41−24及びJC判定部42−17〜42−24は第3グループを形成してコンカチネーション動作を行う。
【0052】
また、バッファ41−25〜41−26及びJC判定部42−25〜42−26は第4グループを形成してコンカチネーション動作を行い、バッファ41−27〜41−28及びJC判定部42−27〜42−28は第5グループを形成してコンカチネーション動作を行い、バッファ41−29〜41−30及びJC判定部42−29〜42−30は第6グループを形成してコンカチネーション動作を行い、バッファ41−31〜41−32及びJC判定部42−31〜42−32は第7グループを形成してコンカチネーション動作を行う。
【0053】
図18に多重及びマッピング回路の一実施形態の全体構成図を示す。この多重部及びマッピング部は図5又は図6におけるHOインタフェース部11,12内の多重部15とOTUkマッピング部16に相当する。
【0054】
図18において、多重及びマッピング回路50の入力ポート51には対向するHOインタフェース部12,11から例えば5系統のHO_ODUj信号が供給され、また、入力ポート52にはLOインタフェース部21から例えば5系統のLO_ODUj信号が供給される。上記のHO_ODUj信号及びLO_ODUj信号それぞれはシリアル/パラレル変換部(SerDes)53でパラレル化されてメモリ(ES)54に供給され、メモリ54においてクロック載せ換えを行った後、バッファ及びJC判定部55−1〜55−10に供給される。バッファ及びJC判定部55−1〜55−10それぞれはバイト単位で各8回路設けられており、図14におけるバッファ41−1〜41−32及びJC判定部42−1〜42−32に対応するものである。
【0055】
バッファ及びJC判定部55−1〜55−10それぞれのバッファから読み出された各8バイトのデータはバレルシフタ56に供給される。バレルシフタ56は図14におけるバレルシフタ43に対応し、バレルシフタ56においてコンカチネーション・グループ毎に中間フレーム化を行い、かつ、スタッフ制御を実行する。これと共に、入力ポートと出力ポートとの間でトリビュータリスロット番号を入れ替えるポートスイッチやスロットスイッチを実行する。
【0056】
バレルシフタ56の出力する8バイト×10系統のデータはフレーム化部57に供給される。OTUフレーム化部57は図14におけるOTU3フレーム化部46に対応し、OTUフレーム化部57で上記データはOTUフレームにマッピングされ、更にオーバーヘッド及びFECを付加されてOTUフレームが生成される。このOTUフレームは電気/光変換部(E/O)58で光信号に変換されて出力される。
【0057】
<バレルシフタの構成>
図19にバレルシフタ43及びバレルシフタ制御部44の一実施形態の構成図を示す。図19において、バレルシフタ制御部44はフレームカウンタ61、タイミング生成部62、CH並び替え選択信号生成部63、ストックレジスタ選択信号生成部64、データ要求生成部65、データ量監視部66を有している。バレルシフタ43はストックレジスタ及びバレルシフト部67、データ選択及び信号生成部68を有している。
【0058】
フレームカウンタ61はOTU3フレーム化部46から供給されるフレームパルスを基準としてOTU3フレームの行(row)と列(column)をカウントする。countする。
【0059】
タイミング生成部62はOTU3フレーム化部46からマルチフレームカウント数を供給され、フレームカウンタ61からOTU3フレームの行と列のカウント数を供給される。また、JC判定部42−1〜42−32からJCバイト情報が供給される。また、CPUインタフェース45を介して外部設定信号であるグループ内トップ表示(I_MBTOP)、グループ内位置表示(I_MBPOS)、PJO解釈、入力フォーマットとグループ設定(I_MSIDT)、ペイロードタイプ(2.5Gbps/1.25Gbps)、等のMSI(Multiplex structure identifier)情報が供給される。タイミング生成部62は上記情報に基づいて、ペイロードイネーブル、バレルシフトを行うバレルシフト制御タイミング、データ選択タイミング(TS別enable)、TS別のFASタイミング(NJO実施タイミング)、TS別のPJOタイミング(PJO実施タイミング)等のタイミング信号と、JC判定後のJC値を生成する。
【0060】
CH並び替え選択信号生成部63は外部設定信号である入力フォーマットとグループ設定(I_MSIDT)、ペイロードタイプ、JC判定後の自分の変化先(チャネル番号)であるバレルシフト選択設定(I_MBBST)、及び、ペイロードイネーブル、バレルシフト制御タイミングから、ストックレジスタのデータ量によってバレルシフトされるデータの選択信号(data sel)を生成する。
【0061】
ストックレジスタ選択信号生成部64はペイロードイネーブル、バレルシフト制御タイミング、TS別イネーブル、及び、データ量監視部66からのストック情報から、ストックレジスタの空位置へ書き込むためにバレルシフトされるデータの選択信号(stock sel)を生成する。
【0062】
データ要求生成部65はペイロードイネーブル、バレルシフト制御タイミング、TS別イネーブル、及び、データ量監視部66からのストック情報から、ストックレジスタの空情報を見てデータを読み出すかを決定し、データ要求信号(data request)を生成する。
【0063】
データ量監視部66はバレルシフト制御、TS別イネーブル、JC判定後のJC値等から、ストックレジスタにストックしているデータ量を監視する。
【0064】
ストックレジスタ及びバレルシフト部67はバッファ41−1〜41−32からバイト単位でチャネル数分のデータを供給され、フレームパルス、JC判定後のJC値、選択信号(stock sel)に基づいて、ストックレジスタにデータをストックし、データのバレルシフトを行う。ストックレジスタ及びバレルシフト部67の出力はJC処理後の整列データなので、そのままOTUkフレームのペイロードにマッピングすることができる。
【0065】
データ選択及び信号生成部68はストックレジスタ及びバレルシフト部67からバイト単位でチャネル数分のデータを供給され、フレームパルス、JC判定後のJC値、ペイロードイネーブル、TS別のFASタイミング、TS別のPJOタイミング、選択信号(data sel)、データ要求信号(data request)に基づいて、OTUkフレーム(例えばOTU3フレーム)のペイロードにデータをマッピングする。また、フレームパルスとデータイネーブル信号(data enable)を生成してOTUkフレームと共にOTU3フレーム化部46に供給する。
【0066】
<バレルシフタの外部設定>
図20にCPUからの外部設定の一例を示す。図20にはチャネル#1〜#32それぞれに対して、JC判定後の自分の変化先であるバレルシフト選択設定(I_MBBST)、グループ内トップ表示(I_MBTOP)、入力フォーマットとグループ設定(I_MSIDT)、グループ内位置表示(I_MBPOS)それぞれが設定されている。なお、グループ設定とは、マルチフレーム構成でコンカチネーション動作を行うことをあらわしている。グループ内トップ表示(I_MBTOP)はグループ内で先頭となるチャネル番号を値1で示す。
【0067】
図21(A)に入力フォーマットとグループ設定(I_MSIDT)の設定方法を示す。ここで、入力フォーマットはODU1,ODU2等の入力フレームの種類を表し、グループ設定とはマルチフレームを構成することを表している。図21(A)において、チャネル#1〜#7,#24は入力フォーマット“01”=ODU2,TS組み合わせ=0x00でグループ#0を形成する。チャネル#8,#10〜#12,#14,#15,#17,#19は入力フォーマット“01”=ODU2,TS組み合わせ=0x01でグループ#1を形成する。チャネル#9,#13は入力フォーマット“00”=ODU1,TS組み合わせ=0x00でグループ#2を形成する。チャネル#16,#18は入力フォーマット“00”=ODU1,TS組み合わせ=0x01でグループ#3を形成する。また、チャネル#20,#21は入力フォーマット“00”=ODU1,TS組み合わせ=0x02でグループ#4を形成する。チャネル#22,#23は入力フォーマット“00”=ODU1,TS組み合わせ=0x03でグループ#5を形成する。チャネル#25〜#32は入力フォーマット“01”=ODU2,TS組み合わせ=0x02でグループ#6を形成する。
【0068】
図21(B)にバレルシフト選択設定(I_MBBST)の設定方法を示す。図21(B)において、チャネル#1の自分のチャネル番号が0x00(0xは16進表示を表す)である場合、チャネル#2の自分のチャネル番号は0x01である。以下同様にして、チャネル#8の自分のチャネル番号は0x007である。
【0069】
この場合、チャネル#1のバレルシフト選択設定(I_MBBST)はJC判定によるJC値が+2であれば変化先のチャネル番号は0x07となり、JC値が+1であれば変化先のチャネル番号は0x06となり、JC値が−1であれば変化先のチャネル番号は0x01となり、JC値が−2であれば変化先のチャネル番号は0x02となる。また、チャネル#2は自分のチャネル番号が0x01であるので、バレルシフト選択設定(I_MBBST)はJC判定によるJC値が+2であれば変化先のチャネル番号は0x00となり、JC値が+1であれば変化先のチャネル番号は0x07となり、JC値が−1であれば変化先のチャネル番号は0x02となり、JC値が−2であれば変化先のチャネル番号は0x03となる。
【0070】
<バレルシフタの動作>
<JC=+1>
以下に、図20に示すグループ設定で、グループ1に設定されたODU2のチャネル#8,#10,#11,#12,#14,#15,#17,#19についてJC値が+1の場合のバレルシフタ44の動作について説明する。図22(A)〜(C)及び図23(A)〜(C)それぞれには、所定列a,b,c,…,i,jにおけるトリビュータリスロット(TS)を示す。図の横方向にチャネル#1〜#32を示し、縦方向は時間方向の列(column)を示している。図22(A)〜(C)はバレルシフタ44の入力側を示し、図23(A)〜(C)はバレルシフタ44の出力側を示している。
【0071】
図22(A)では、列aにはチャネル#1〜#32にNJOが出現し、列b,c,iにはチャネル#1〜#32にトリビュータリスロット番号#1〜#32のTSが出現し、列jにはチャネル#1〜#32にFECが出現している。図22(A)に示す入力状態で、JC判定により列aのチャネル#8のNJOがデータと判定される。
【0072】
これにより、図23(A)に示すように、列bにおいて、グループ1の先頭のフレームであるチャネル#8にNJO(データ)を挿入し、列bのTS#8,#10,#11,#12,#14,#15,#17を順にチャネル#10,#11,#12,#14,#17,#19にシフトし(ただし、他のグループであるTS#13,#9,#16,#18はシフトしない)、シフトアウトされるTS#19をストックする。また、列bのイネーブル(data enable)は“1”で列bのデータを出力する。
【0073】
次に、図22(B)に示す入力状態で、JC判定により列aのチャネル#10のNJOがデータと判定される。これにより、図23(B)に示すように、列bにおいて、グループ1の先頭フレームであるチャネル#8にNJO(データ)のTSを挿入し、ストックしているTS#19をチャネル#10に挿入し、列bのTS#8,#10,#11,#12,#14,#15を順にチャネル#11,#12,#14,#17,#19にシフトし、TS#17,#19をストックする。また、列bのイネーブルは“1”で列bのデータを出力する。
【0074】
次に、ストックが7TS分ある状態で、図22(C)に入力状態で、JC判定により列aのチャネル#19のNJOはデータと判定される。この場合は、ストックが7TS分あり、NJO(データ)の挿入でグループ1の1ワード=8TSが揃うので、図23(C)に示すように、ストックされているTS#10,#11,#12,#14,#17,#19を列aのチャネル#8,#10,#11,#12,#14,#15,#17に挿入し、列aのチャネル#19にNJO(データ)を挿入する。また、列aのイネーブルは“1”で列bのデータを出力する。
【0075】
<JC=−1>
次に、図20に示すグループ設定で、グループ1に設定されたODU2のチャネル#8,#10,#11,#12,#14,#15,#17,#19についてJC値が−1の場合のバレルシフタ44の動作について説明する。図24(A),(B)及び図25(A),(B)それぞれには、所定列a,b,c,…,i,jにおけるトリビュータリスロット(TS)を示している。図の横方向にチャネル#1〜#32を示し、縦方向は時間方向の列を示している。図24(A),(B)はバレルシフタ44の入力側を示し、図25(A),(B)はバレルシフタ44の出力側を示している。
【0076】
図24(A)に示す入力状態で、JC判定によりグループ1の先頭フレームに対応する列bのチャネル#8にスタッフバイト0x00が挿入されている。つまり、列bではグループ1の1ワード=8TSが揃っていない。
【0077】
これにより、図25(A)に示すように、列bにおいて、グループ1の1ワード=8TSが揃っていないので、列bのTS#10,#11,#12,#14,#15,#17,#19をストックし、列bのイネーブル(data enable)を“0”として出力させない。そして、ストックしたTS#10,#11,#12,#14,#15,#17,#19を列cにシフトし、かつ、元々列cのチャネル#8にあったTS#8を列cのチャネル#19に挿入する。
【0078】
次に、図24(B)に示す入力状態で、JC判定により列bのチャネル#8にスタッフバイト0x00が挿入されている。これにより、図25(B)に示すように、前回ストックしたTS#10,#11,#12,#14,#15,#17,#19を列bにシフトし、今回の列bのチャネル#10で入力したTS#10を列bのチャネル#19に挿入する。また、列bのイネーブルは“1”で列bのデータを出力する。
【0079】
<JC=−2>
次に、図20に示すグループ設定で、グループ1に設定されたODU2のチャネル#8,#10,#11,#12,#14,#15,#17,#19についてJC値が−2の場合のバレルシフタ44の動作について説明する。図26(A),(B)及び図27(A),(B)それぞれには、所定列a,b,c,…,i,jにおけるトリビュータリスロット(TS)を示している。図の横方向にチャネル#1〜#32を示し、縦方向は時間方向の列を示している。図26(A),(B)はバレルシフタ44の入力側を示し、図27(A),(B)はバレルシフタ44の出力側を示している。
【0080】
図26(A)に示す入力状態で、JC判定によりグループ1の先頭フレームと2番目のフレームに対応する列bのチャネル#8,#10にスタッフバイト0x00が挿入されている。つまり、列bではグループ1の1ワード=8TSが揃っていない。
【0081】
これにより、図27(A)に示すように、列bにおいて、グループ1の1ワード=8TSが揃っていないので、列bのTS#11,#12,#14,#15,#17,#19をストックし、列bのイネーブルを“0”として出力させない。そして、ストックしたTS#11,#12,#14,#15,#17,#19を列cにシフトし、かつ、元々列cのチャネル#8,#10にあったTS#8,#10を列cのチャネル#17,#19に挿入する。
【0082】
次に、図26(B)に示す入力状態で、JC判定により列bのチャネル#8,#10にスタッフバイト0x00が挿入されている。これにより、図27(B)に示すように、前回ストックしたTS#11,#12,#14,#15,#17,#19を列bにシフトし、今回の列bのチャネル#11,#12で入力したTS#11,#12を列bのチャネル#17,#19に挿入する。また、列bのイネーブルは“1”で列bのデータを出力する。
【0083】
このように、本実施形態では、バレルシフタはOTU3フレーム等の多重後の伝送容量を処理するだけの能力を持ち、中間フレーム化及びポートスイッチ及びスロットスイッチの処理を合わせて実行するため、多重後の伝送容量にマッチした回路規模で多重部を構成することができ、回路規模の増大を抑制することができる。また、グループ単位にコンカチネーション動作するようバレルシフタを制御することにより、入力するODUjフレームの種類の変化にも柔軟に対応することができる。
【符号の説明】
【0084】
11,12 HOインタフェース部
13,22 デマッピング部
14 デマルチプレクサ
15 多重部
15 OTUkマッピング部
20 クロスコネクト部
21 LOインタフェース部
23,24 クライアントインタフェース
25 マッピング部
40 多重及びマッピング回路
41−1〜41−32 バッファ
42−1〜42−32 JC判定部
43 バレルシフタ
44 バレルシフタ制御部
45 CPUインタフェース
46 OTU3フレーム化部
61 フレームカウンタ
62 タイミング生成部
63 CH並び替え選択信号生成部
64 ストックレジスタ選択信号生成部
65 データ要求生成部
66 データ量監視部
67 ストックレジスタ及びバレルシフト部
68 データ選択及び信号生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の低速信号転送用フレームを高速信号転送用フレームにマッピングするフレームマッピング装置であって、
前記低速信号転送用フレームの最小単位を1チャネルとして前記高速信号転送用フレームに多重可能な最大信号チャネル数分設けられ、供給される前記複数の低速信号転送用フレームをバッファリングするバッファと、
前記低速信号転送用フレームの周波数調整情報の判定を行う前記最大信号チャネル数分の判定部と、
前記最大信号チャネル数分のバッファから出力される信号を供給されるバレルシフタと、
前記複数の低速信号転送用フレームそれぞれについての外部設定と前記判定部の判定結果に応じて前記バレルシフタを制御して前記高速信号転送用フレームにマッピングする制御部と、
を有することを特徴とするフレームマッピング装置。
【請求項2】
請求項1記載のフレームマッピング装置において、
前記制御部は、一の前記低速信号転送用フレームが複数チャネルで構成されるとき、前記複数チャネルを一のグループとしてグループ単位にコンカチネーション動作するよう前記バレルシフタを制御する
ことを特徴とするフレームマッピング装置。
【請求項3】
請求項2記載のフレームマッピング装置において、
前記判定部は、前記低速信号転送用フレームが非同期マッピング方式でマッピングされるときに周波数調整情報の判定を行う
ことを特徴とするフレームマッピング装置。
【請求項4】
複数の低速信号転送用フレームを高速信号転送用フレームにマッピングするフレームマッピング方法であって、
前記低速信号転送用フレームの最小単位を1チャネルとして前記高速信号転送用フレームに多重可能な最大信号チャネル数分設けられたバッファに、供給される前記複数の低速信号転送用フレームをバッファリングし、
前記最大信号チャネル数分の判定部で前記低速信号転送用フレームの周波数調整情報の判定を行い、
前記最大信号チャネル数分のバッファから出力される信号をバレルシフタに供給し、
前記複数の低速信号転送用フレームそれぞれについての外部設定と前記判定部の判定結果に応じて前記バレルシフタを制御して前記高速信号転送用フレームにマッピングする
ことを特徴とするフレームマッピング方法。
【請求項5】
請求項4記載のフレームマッピング方法において、
一の前記低速信号転送用フレームが複数チャネルで構成されるとき、前記複数チャネルを一のグループとしてグループ単位にコンカチネーション動作するよう前記バレルシフタを制御する
ことを特徴とするフレームマッピング方法。
【請求項6】
請求項5記載のフレームマッピング方法において、
前記判定部は、前記低速信号転送用フレームが非同期マッピング方式でマッピングされるときに周波数調整情報の判定を行う
ことを特徴とするフレームマッピング方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2012−209754(P2012−209754A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73669(P2011−73669)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省、「超高速光エッジノード技術の研究開発」研究開発委託契約に基づく開発項目「クライアント信号収容技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】