プラスチックレンズの製造方法
【課題】感光性エポキシモノマーを硬化させることで中間層を構成するようにした三層構造を有するレンズにおいて所定のレンズ層を前もって薄肉として、中間層を構成するようにしてもそのレンズ層に変形を生じさせないプラスチックレンズの製造方法を提供すること。
【解決手段】第1及び第2のモールドで前側レンズ片3を成形し、第1のモールド1のみを取り外し、露出した前側レンズ片3にゲルシート7を貼着する。そして、ゲルシート7の上から第1のモールド1を被せ、第2のモールドを取り外す。再度露出された前側レンズ片3にスペーサ9を介在させて後側レンズ片8を対面配置させる。そして、形成されるキャビティC2内にモノマーを充填し、硬化させた後で第1のモールド1とゲルシート7を取り外すようにする。
【解決手段】第1及び第2のモールドで前側レンズ片3を成形し、第1のモールド1のみを取り外し、露出した前側レンズ片3にゲルシート7を貼着する。そして、ゲルシート7の上から第1のモールド1を被せ、第2のモールドを取り外す。再度露出された前側レンズ片3にスペーサ9を介在させて後側レンズ片8を対面配置させる。そして、形成されるキャビティC2内にモノマーを充填し、硬化させた後で第1のモールド1とゲルシート7を取り外すようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は前後2枚のレンズ前駆体の間に感光性樹脂からなる中間層が配置された三層構造のプラスチックレンズの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レンズ光学系では光がレンズを透過する際に発生する収差をどれだけ小さくするかが大きな課題の1つである。そのためレンズの収差低減を図るべく様々な技術が開発されている。そのようなレンズの収差低減技術の1つとして特許文献1に開示される技術を挙げる。特許文献1には2枚の透明な板とその間に配置される屈折層からなる構成体が開示されており、レンズに応用することで収差を改善することができる技術である。例えば特許文献1の図8に挙げられた実施例では透明カバー232,236の間に屈折層としてエポキシ樹脂層234が配設されている。エポキシ樹脂層234はその図6及び図7に示すように紫外線のようなエネルギーの高い光線によって所定の屈折率分布状態となるように処理(キュア)されているため、全体として収差が改善された光学素子が形成される旨が記載されている。
【0003】
この特許文献1の技術を応用して実際に収差の改善された眼鏡用プラスチックレンズが作製されている。同技術を応用した眼鏡用プラスチックレンズ1は一般に次のようにして作製される。
図15(a)に示すように、下型を兼ねるプラスチック製の第1のレンズ前駆体101と上型を兼ねる同じくプラスチック製の第2のレンズ前駆体102の間にスペーサ103を介在させて対面配置させる。第1のレンズ前駆体101は完成後のレンズにおける表面(前面)側を構成し、第2のレンズ前駆体102は裏面(後面)側を構成することとなる。この両レンズ前駆体101,102とスペーサ103によって構成されるキャビティ内に感光性エポキシモノマーを充填し、固化させて図15(b)に示すように中間層104を形成させた3層構造のレンズ105を得るようにしている。そして、以後は図15(c)に示すように所定の外形形状となるようにレンズ105に切削加工あるいは研削加工を施すとともに中間層104に対して紫外線を照射して中間層104が所定の屈折率分布状態となるように処理(キュア)している。眼鏡用プラスチックレンズでは取り扱いの便から一般に円形の外形(いわゆる丸レンズ)となるように加工するとともに、実用としては薄さが要求されることから度数を設定する側とは反対側(例えば表面をベースカーブとし裏面側に度数設定する場合には図15(c)のように第1のレンズ前駆体101側)をなるべく薄く加工することとなる。
【特許文献1】米国特許第6813082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図15(c)のような加工を施す際にはなるべく加工工程が少ない方が好ましい。丸レンズとするためのレンズ周囲の加工は省略しにくいものの、上記図15(c)においては第2のレンズ前駆体102を加工しないようにすれば加工に要する時間ロスと加工によって不要部分として廃棄される樹脂の材料ロスが解消されることとなる。つまり、第1のレンズ前駆体101を当初から薄肉に構成すればそれらのロスはなくなることとなるはずである。
しかし、実際には第1のレンズ前駆体101を薄肉(例えば0.5mm程度)に構成した場合には次のような不具合が生じることとなる。
1)上記と同様にスペーサ103を介してキャビティ内に感光性エポキシモノマーを充填する場合にそのモノマーを充填する圧力で第1のレンズ前駆体101が膨張するため変形してしまう。
2)更に充填後の感光性エポキシモノマーを硬化させるために加熱処理等を施した場合にその加熱処理の段階でも第1のレンズ前駆体101が変形が発生する。
3)そもそも薄肉にした第1のレンズ前駆体101をスペーサ103上に歪みなく配置すること自体が非常に困難である。
これらのことから、感光性エポキシモノマーを硬化させることで中間層を構成するようにした三層構造を有するレンズにおいて度数を設定する側とは反対側のレンズ層(レンズ前駆体)を前もって薄肉とすることでそのための加工工程をなくすための技術が求められていた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、感光性エポキシモノマーを硬化させることで中間層を構成するようにした三層構造を有するレンズにおいて所定のレンズ層(レンズ前駆体)を前もって薄肉として、中間層を構成するようにしてもそのレンズ層に変形を生じさせないプラスチックレンズの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために第1の手段では、レンズの表面及び裏面のいずれか一方を成形するための成形加工面を備えた第1のレンズ用モールドといずれか他方を成形するための成形加工面を備えた第2のレンズ用モールドであって、それぞれの成形加工面を対面配置させた状態で同両レンズ用モールドを組み合わせて構成される第1のキャビティ内に調整したレンズ用モノマーを充填し、同モノマーを硬化させて第1のレンズ前駆体を成形し、次いで硬化した同第1のレンズ前駆体に面着された第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方を取り外し、露出した同第1のレンズ前駆体表面に着脱可能な粘着性かつ可撓性のあるシート体を貼着するとともに同シート体上に取り外した第1又は第2のレンズ用モールドと同じレンズカーブ構成の第3のレンズ用モールドを貼着し、次いで同第1のレンズ前駆体に対して面着されている側の第1又は第2のレンズ用モールドを取り外すとともに、前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて同第1のレンズ前駆体を対面配置させることで同第1及び第2のレンズ前駆体の間に第2のキャビティを構成し、同第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填した後に同感光性モノマーを硬化させて3層構造のレンズを成形し、次いで前記シート体及び前記第3のレンズ用モールドを取り外すようにしたことをその要旨とする。
また、第2の手段では第1の手段の構成に加え、前記第3のレンズ用モールドとして前もって取り外された前記第1又は第2のレンズ用モールドと同等のモールドを使用することをその要旨とする。
また、第3の手段では、レンズの表面及び裏面のいずれか一方を成形するための成形加工面を備えた第1のレンズ用モールドといずれか他方を成形するための成形加工面を備えた第2のレンズ用モールドであって、同両レンズ用モールドのそれぞれの成形加工面を対面配置させ所定間隔を空けた状態で両モールドの外周を粘着テープで巻回させることで構成される第1のキャビティ内に調整したレンズ用モノマーを充填し、同モノマーを硬化させて第1のレンズ前駆体を成形し、次いで硬化した同第1のレンズ前駆体と同第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方との境界線に沿って前記粘着テープを切開して同第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方を取り外すとともに、露出した同第1のレンズ前駆体に前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて同第1のレンズ前駆体を対面配置させることで同第1及び第2のレンズ前駆体の間に第2のキャビティを構成し、同第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填した後に同感光性モノマーを硬化させて3層構造のレンズを成形し、次いで取り外さなかったいずれか他方の前記第1又は第2のレンズ用モールドを取り外すようにしたことをその要旨とする。
また、第4の手段の発明では第1〜3のいずれかの手段に加え、前記スペーサは粘着性かつ可撓性のあるシート体からなることをその要旨とする。
【0006】
第1の手段の構成では、まず第1及び第2のレンズ用モールドによって構成されるモールドの第1のキャビティ内にレンズ用モノマーを充填し、これを硬化させて第1のレンズ前駆体を得る。次に第1及び第2のレンズ用モールドのうちのいずれか一方のみを第1のレンズ前駆体から取り外す(脱型させる)。つまり、第1のレンズ前駆体は第1及び第2のレンズ用モールドのうちのいずれか他方によって保持され続けることとなる。レンズ用モノマーの硬化の手段としては熱硬化(マイクロウェーブによる誘電加熱も含む)、光硬化等が想定される。
次いでその露出した側の第1のレンズ前駆体表面に着脱可能な粘着性かつ可撓性のあるシート体を貼着し、シート体上に取り外した第1又は第2のレンズ用モールドと同じレンズカーブ構成の第3のレンズ用モールドを貼着する。これによって第1のレンズ前駆体は再び表裏から保持されることとなる。第3のレンズ用モールドは取り外した第1又は第2のレンズ用モールドをそのまま使用してもよい。また、取り外した第1又は第2のレンズ用モールドとは違うものの同じレンズカーブ構成の他の第1又は第2のレンズ用モールドを使用することも可能である。同じレンズカーブ構成とは曲率が同じあるいは近似していることを意味する。
ここに、粘着性かつ可撓性のあるシート体とは例えば高分子ゲルからなる厚さ数μmから数mm程度の厚みのシート体が挙げられ、素材としてはウレタン系、シリコーン系、アクリル系等が挙げられる。
【0007】
次に、第1のレンズ前駆体に対して面着されている側の第1又は第2のレンズ用モールドを取り外す(脱型させる)。つまり、先に脱型させた「いずれか一方のレンズ用モールド」ではなくそれと反対側の「いずれか他方のレンズ用モールド」側を脱型させることとする。そして、前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて第1のレンズ前駆体を対面配置させるようにする。これによって第1及び第2のレンズ前駆体とスペーサによって包囲された第2のキャビティが構成される。次いで第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填し、同感光性モノマーを硬化させて第1及び第2のレンズ前駆体の間に中間層を有する3層構造のレンズを成形する。このような構成のレンズからシート体及び第3のレンズ用モールドを取り外すことでレンズを得ることができる。
ここに、スペーサは完全な円環を形成していなくとも構わない。また、複数のパーツで構成されていても構わない。要は、第2のキャビティに充填した感光性モノマーがこぼれなければよいため例え部分的に切れ目が形成されていても蓋をしたり切れ目側を上方に向ける等して対処できるからである。スペーサの材質は特に限定されることはない。例えば硬質な素材であってもゲル剤や接着剤を併用させることで第1及び第2のレンズ前駆体と密着性のよい壁面を構築できるからである。しかし、スペーサとしては上記と同様粘着性かつ可撓性のあるシート体が作業上好ましい。スペーサの厚みは形成される中間層の厚みと一致するため、どのような中間層を必要とするかによって変更されるべき要素である。眼鏡レンズ用としては一般的には数μmから数mm程度である。
感光性モノマーの硬化の手段としては熱硬化(マイクロウェーブによる誘電加熱も含む)、光硬化が等想定される、
【0008】
上記構成において、第1のレンズ前駆体の厚みは全域で同じ厚みであることが好ましい。つまり、第1及び第2のレンズ用モールドの両成形加工面のカーブ構成が同じであることが好ましい。この構成は第1のレンズ前駆体表面にシート体を貼着し、更に第3のレンズ用モールドを貼着した際の各層の安定性に寄与する。
また、中間層の厚みは全域で同じ厚みであることが好ましい。つまり第1のレンズ前駆体の中間層と接する面のカーブと第2のレンズ前駆体の中間層と接する面のカーブ構成が同じであることが好ましい。これはこの後の中間層に対する紫外線照射による所定の屈折率分布の設定処理に寄与する。
また、第1及び第2のレンズ用モールドのうちのいずれか一方のモールドを取り外した際に露出する第1のレンズ前駆体の面は上面を向けるようにセットすることが、以後の工程における取り扱い上好ましい。
【0009】
また、第3の手段では、第1の手段と同様にまず第1及び第2のレンズ用モールドによって構成されるモールドの第1のキャビティ内にレンズ用モノマーを充填し、これを硬化させて第1のレンズ前駆体を得る。次いで、硬化した第1のレンズ前駆体と第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方との境界線に沿って粘着テープを切開して同第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方を取り外す。(脱型させる)。つまり、第1のレンズ前駆体は第1及び第2のレンズ用モールドのうちのいずれか他方によって保持され続けることとなる。レンズ用モノマーの硬化の手段としては熱硬化(マイクロウェーブによる誘電加熱も含む)、光硬化等が想定される。
【0010】
次に、前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて露出した第1のレンズ前駆体を対面配置させるようにする。これによって第1及び第2のレンズ前駆体とスペーサによって包囲された第2のキャビティが構成される。次いで第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填し、同感光性モノマーを硬化させて第1及び第2のレンズ前駆体の間に中間層を有する3層構造のレンズを成形する。このような構成のレンズから取り外さなかったいずれか他方の前記第1又は第2のレンズ用モールドを取り外すことでレンズを得ることができる。
スペーサの定義は上記手段1と同様である。
【発明の効果】
【0011】
上記各請求項の発明では、感光性エポキシモノマーを硬化させることで中間層を構成するようにした三層構造を有するレンズにおいて度数を設定する側とは反対側のレンズ層は常に第1又は第2のレンズ用モールドによって保持されることとなるため外力が作用しても同レンズ層が容易に変形することがなく、レンズ成形後に同レンズ層を加工する必要がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施例1)
以下、本発明の具体的な実施例1について説明する。
1.レンズ前駆体成形工程
まず、第1のレンズ用モールド1と第2のレンズ用モールド2を用意する。第1及び第2のレンズ用モールド1,2は表裏とも同じ曲率の球面から構成されたメニスカス形状のガラス製の円形板状体とされている。第1のレンズ用モールド1の裏面1aは成形される第1のレンズ前駆体としての前側レンズ片3の前面(物体側)を成形するための曲面とされ、第2のレンズ用モールド2の表面2aは成形される前側レンズ片3の裏面(眼球側)を成形するための曲面とされている。本実施例1では裏面1aと表面2aのカーブは同じ曲率に構成され、裏面1aと表面2aの間隔は0.5mmとされている。
図1に示すように両モールド1,2の裏面1aと表面2aとを所定の間隔を空けて対向配置させて片面に粘着面を形成したテープ4によって両モールド1,2の外周を包囲して内部に第1のキャビティC1を構成させる。そして、プラスチックレンズ成形の定法に従ってキャビティC1内に調整されたレンズ用モノマー5を図示しないシリンジを使用して注入する(図2の状態)。そして定法に従って所定時間加熱処理を施し、レンズ用モノマー5を硬化させて前側レンズ片3を作製する。作製された前側レンズ片3は厚みの均等(0.5mm)なメニスカス形状の透明なプラスチックレンズとなる。
図3に示すように本実施例1では前側レンズ片3を硬化させた後に、テープ4を剥がし上側の第1のレンズ用モールド1のみを脱型させる。前側レンズ片3は露出面3a側が上を向くようにセットされる。
【0013】
2.シート体貼着工程
図4に示すように、前側レンズ片3の露出面3aに対してその全面を覆うようにゲルシート7を貼着する。本実施例1ではゲルシート7はウレタンエラストマー製の厚み0.2mmのものを使用する。そして、図5に示すようにゲルシート7の上に一旦取り外した第1のレンズ用モールド1をゲルシート7を覆うようにして貼着する。
3.第2のキャビティ構成工程
図6に示すように、上記において下側に配置されていた第2のレンズ用モールド2を前側レンズ片3から脱型させ上記露出面3aとは逆側の面を露出させる。これを第1の成形加工面3bとする。一方、図7に示すように第2のレンズ前駆体としての後側レンズ片8を用意する。後側レンズ片8はメニスカス形状の透明なプラスチックレンズであって、本実施例1では10mmの厚みとされている。同後側レンズ片8の前面は第2の成形面8aとされている。
後側レンズ片8の第2の成形面8aの縁寄りには円環状のスペーサ9を貼着する。本実施例1ではスペーサ9はウレタンエラストマー製の厚み0.5mmのものを使用する。そして、図8に示すように前側レンズ片3の第1の成形加工面3bと後側レンズ片8の第2の成形面8aが正対するように前側レンズ片3をスペーサ9上に載置させる。このような状態で第1及び第2の成形加工面3b,8a及びスペーサ9に包囲された第2のキャビティC2が形成される。尚、本実施例1では第1のレンズ用モールド1と後側レンズ片8の外方から図示しないクリップにて厚み方向に圧縮されているため、第1のレンズ用モールド1、前側レンズ片3及び後側レンズ片8等が重複配置されている状態からばらけてしまうことはない。
【0014】
4.レンズ成形工程
図9に示すように第2のキャビティC2内に調整された光硬化性モノマーとしてのエポキシモノマー11をシリンジ10内に収容し、同シリンジ10のニードル10aをスペーサ9の外側面から刺通させてモノマー11を注入する。第2のキャビティC2内にモノマー11を充填させた後にニードル10aを抜くが、スペーサ9に復元力があるため刺通穴は自動的に塞がる。そして光硬化性モノマーの硬化定法に従って所定時間加熱処理を施し、エポキシモノマー11を硬化させて図10のように中間層12を成形する。これによって前側レンズ片3と後側レンズ片8に挟持された中間層12を有する3層構造のレンズ13が成形されることとなる。図11に示すように、ゲルシート7とともに第1のレンズ用モールド1を取り外すことでレンズ13が得られる。第1のレンズ用モールド1は再利用可能である。
5.後加工工程
図11に示すカット線に沿ってレンズ13を所定のサイズにカットして丸レンズを得るようにする。そして中間層12に対し紫外線を照射して所定の屈折率分布を付与する。
【0015】
このように構成することにより本実施例1の方法では次のような効果が奏される。
(1)従来ではこのような感光性樹脂からなる中間層を有する3層構造のレンズを作製する場合に厚みを薄くするためにはレンズ層(レンズ前駆体)を切削あるいは研削して薄くするしかなかった。しかし、このようにして常に前側レンズ片3を変形が生じないように保持しながら中間層12を形成させるようにすれば、当初から薄いレンズ層(レンズ前駆体)を使用してレンズ13を作製することができるため、加工のための時間的なロスや材料ロスが生じない。
(2)第1のレンズ用モールド1の裏面1aと第2のレンズ用モールド2の表面2aは同じカーブ構成であるため、図5における層構造が安定し、第1のレンズ用モールド1がずれたり前側レンズ片3が変形したりすることがない。
【0016】
(実施例2)
以下、本発明の具体的な実施例2について説明する。尚、実施例1と同様の構成についての説明は省略する。
1.レンズ前駆体成形工程
まず、第1のレンズ用モールド1と第2のレンズ用モールド2を用意する。第1及び第2のレンズ用モールド1,2の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様にテープ4によって外周を包囲する(図1)。そして実施例1と同様の工程で前側レンズ片3を作製する(図2)。
次いで、前側レンズ片3と第2のレンズ用モールド2との外周の境界線に沿ってテープ4をカットし、図12に示すように、上下に2分割する。つまり、第2のレンズ用モールド2のみが脱型されて成形された前側レンズ片3はテープに支持されて第1のレンズ用モールド1に面着された状態となる。
【0017】
2.第2のキャビティ構成工程
図7に示すように、第2のレンズ前駆体としての後側レンズ片8を用意し、後側レンズ片8の第2の成形面8aの縁寄りには円環状のスペーサ9を貼着する。後側レンズ片8及びスペーサ9の構成は実施例1と同様である。そして、図13に示すように前側レンズ片3の第1の成形加工面3bと後側レンズ片8の第2の成形面8aが正対するように前側レンズ片3をスペーサ9上に載置させる。このような状態で第1及び第2の成形加工面3b,8a及びスペーサ9に包囲された第2のキャビティC2が形成される。尚、本実施例2でも第1のレンズ用モールド1と後側レンズ片8の外方から図示しないクリップにて厚み方向に圧縮されているため、第1のレンズ用モールド1、前側レンズ片3及び後側レンズ片8等が重複配置されている状態からばらけてしまうことはない。テープ4はクリップで挟んだ後で剥がすものとする。
【0018】
3.レンズ成形工程
実施例1と同様第2のキャビティC2内に調整された光硬化性モノマーとしてのエポキシモノマー11をシリンジ10のニードル10aをスペーサ9の外側面から刺通させて注入する。そして実施例1と同様エポキシモノマー11を硬化させて図14のように中間層12を成形する。これによって前側レンズ片3と後側レンズ片8に挟持された中間層12を有する3層構造のレンズ13が成形されることとなる。次いで、図11のように第1のレンズ用モールド1を取り外すことでレンズ13が得られる。第1のレンズ用モールド1は再利用可能である。
5.後加工工程
実施例1と同様である(図11)。
このように構成することにより本実施例2も実施例1と同様の効果が奏される。
【0019】
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施例1では前側レンズ片3を硬化させた後に、第1のレンズ用モールド1側を脱型させるようにしていたが、逆に第2のレンズ用モールド2側を脱型させるようにしてももちろん構わない。
・上記実施例2では前側レンズ片3を硬化させた後に、第2のレンズ用モールド2側を脱型させるようにしていたが、逆に第1のレンズ用モールド1側を脱型させるようにしてももちろん構わない。
・ 上記実施例では第1のレンズ用モールド1、前側レンズ片3及び後側レンズ片8等を重複配置状態で固定するための手段としては図示しないクリップを使用したが、クリップの代わりにテープ4を巻回するようにしてもよい。
・ゲルシート7と第1のレンズ用モールド1や前側レンズ片3との接着性を向上させるためにゲルシート7との間に接着剤を介在させるようにしてもよい。
・スペーサ9の形状は上記実施例に限定されない。後加工工程によってレンズ13を所定のサイズにカットするのであるからスペーサ9は所定の厚みを維持でき、第1及び第2の成形加工面3b,8aとともに第2のキャビティC2を構成できれば足る。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例において前側レンズ片を作製するために第1及び第2のレンズ用モールドを組み立てて内部にキャビティを形成した状態を簡略化して示した断面図。
【図2】同じ実施例において第1及び第2のレンズ用モールド内にレンズ用モノマーを充填した状態を簡略化して示した断面図。
【図3】図2においてレンズ用モノマーを硬化させて前側レンズ片が成形された状態から第1のレンズ用モールドを脱型させた状態を簡略化して示した断面図。
【図4】図3の状態の前側レンズ片の表面にゲルシートを貼着した状態を簡略化して示した断面図。
【図5】図4の状態において第1のレンズ用モールドをゲルシート上に貼着した状態を簡略化して示した断面図。
【図6】図5の状態において第2のレンズ用モールドを脱型させた状態を簡略化して示した断面図。
【図7】同じ実施例において後側レンズ片の第2の成形面上にスペーサを貼着した状態を簡略化して示した断面図。
【図8】図7の第2の成形面上に図6の前側レンズ、シート、第1のレンズ用モールドからなる構造体を載置した状態を簡略化して示した断面図。
【図9】図8において形成されるキャビティ内にモノマーを注入しようとしている状態を簡略化して示した断面図。
【図10】図9において形成されるキャビティ内に充填されたモノマーが硬化して中間層が形成された状態を簡略化して示した断面図。
【図11】図10において第1のレンズ用モールド及びゲルシートを取り外した状態を簡略化して示した断面図。
【図12】図2において第2のレンズ用モールドと前側レンズ片の境界線でテープをカットして上下分割した状態を簡略化して示した断面図。
【図13】図7の第2の成形面上に図12の上側の分割体を載置した状態を簡略化して示した断面図。
【図14】図13において形成されるキャビティ内に充填されたモノマーが硬化して中間層が形成された状態を簡略化して示した断面図。
【図15】従来の眼鏡用プラスチックレンズの製造工程を簡単に説明した説明図であって、(a)は第1及び第2のレンズ前駆体を組み立てた状態、(b)は中間層を成形した状態、(c)は周囲をカットするとともに第2のレンズ前駆体の上面を研削した状態。
【符号の説明】
【0021】
1…第1及び第3のレンズ用モールド、2…第2のレンズ用モールド、3…第1のレンズ前駆体としての前側レンズ片、5…レンズ用モノマー、7…シート体としてのゲルシート、8…第1のレンズ前駆体としての後側レンズ片、9…スペーサ、11…感光性モノマー、20…保護部材としてのセンサ保護管、29…マイクロ波発生装置、C1…第1のキャビティ、C2…第2のキャビティ。
【技術分野】
【0001】
本発明は前後2枚のレンズ前駆体の間に感光性樹脂からなる中間層が配置された三層構造のプラスチックレンズの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レンズ光学系では光がレンズを透過する際に発生する収差をどれだけ小さくするかが大きな課題の1つである。そのためレンズの収差低減を図るべく様々な技術が開発されている。そのようなレンズの収差低減技術の1つとして特許文献1に開示される技術を挙げる。特許文献1には2枚の透明な板とその間に配置される屈折層からなる構成体が開示されており、レンズに応用することで収差を改善することができる技術である。例えば特許文献1の図8に挙げられた実施例では透明カバー232,236の間に屈折層としてエポキシ樹脂層234が配設されている。エポキシ樹脂層234はその図6及び図7に示すように紫外線のようなエネルギーの高い光線によって所定の屈折率分布状態となるように処理(キュア)されているため、全体として収差が改善された光学素子が形成される旨が記載されている。
【0003】
この特許文献1の技術を応用して実際に収差の改善された眼鏡用プラスチックレンズが作製されている。同技術を応用した眼鏡用プラスチックレンズ1は一般に次のようにして作製される。
図15(a)に示すように、下型を兼ねるプラスチック製の第1のレンズ前駆体101と上型を兼ねる同じくプラスチック製の第2のレンズ前駆体102の間にスペーサ103を介在させて対面配置させる。第1のレンズ前駆体101は完成後のレンズにおける表面(前面)側を構成し、第2のレンズ前駆体102は裏面(後面)側を構成することとなる。この両レンズ前駆体101,102とスペーサ103によって構成されるキャビティ内に感光性エポキシモノマーを充填し、固化させて図15(b)に示すように中間層104を形成させた3層構造のレンズ105を得るようにしている。そして、以後は図15(c)に示すように所定の外形形状となるようにレンズ105に切削加工あるいは研削加工を施すとともに中間層104に対して紫外線を照射して中間層104が所定の屈折率分布状態となるように処理(キュア)している。眼鏡用プラスチックレンズでは取り扱いの便から一般に円形の外形(いわゆる丸レンズ)となるように加工するとともに、実用としては薄さが要求されることから度数を設定する側とは反対側(例えば表面をベースカーブとし裏面側に度数設定する場合には図15(c)のように第1のレンズ前駆体101側)をなるべく薄く加工することとなる。
【特許文献1】米国特許第6813082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図15(c)のような加工を施す際にはなるべく加工工程が少ない方が好ましい。丸レンズとするためのレンズ周囲の加工は省略しにくいものの、上記図15(c)においては第2のレンズ前駆体102を加工しないようにすれば加工に要する時間ロスと加工によって不要部分として廃棄される樹脂の材料ロスが解消されることとなる。つまり、第1のレンズ前駆体101を当初から薄肉に構成すればそれらのロスはなくなることとなるはずである。
しかし、実際には第1のレンズ前駆体101を薄肉(例えば0.5mm程度)に構成した場合には次のような不具合が生じることとなる。
1)上記と同様にスペーサ103を介してキャビティ内に感光性エポキシモノマーを充填する場合にそのモノマーを充填する圧力で第1のレンズ前駆体101が膨張するため変形してしまう。
2)更に充填後の感光性エポキシモノマーを硬化させるために加熱処理等を施した場合にその加熱処理の段階でも第1のレンズ前駆体101が変形が発生する。
3)そもそも薄肉にした第1のレンズ前駆体101をスペーサ103上に歪みなく配置すること自体が非常に困難である。
これらのことから、感光性エポキシモノマーを硬化させることで中間層を構成するようにした三層構造を有するレンズにおいて度数を設定する側とは反対側のレンズ層(レンズ前駆体)を前もって薄肉とすることでそのための加工工程をなくすための技術が求められていた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、感光性エポキシモノマーを硬化させることで中間層を構成するようにした三層構造を有するレンズにおいて所定のレンズ層(レンズ前駆体)を前もって薄肉として、中間層を構成するようにしてもそのレンズ層に変形を生じさせないプラスチックレンズの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために第1の手段では、レンズの表面及び裏面のいずれか一方を成形するための成形加工面を備えた第1のレンズ用モールドといずれか他方を成形するための成形加工面を備えた第2のレンズ用モールドであって、それぞれの成形加工面を対面配置させた状態で同両レンズ用モールドを組み合わせて構成される第1のキャビティ内に調整したレンズ用モノマーを充填し、同モノマーを硬化させて第1のレンズ前駆体を成形し、次いで硬化した同第1のレンズ前駆体に面着された第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方を取り外し、露出した同第1のレンズ前駆体表面に着脱可能な粘着性かつ可撓性のあるシート体を貼着するとともに同シート体上に取り外した第1又は第2のレンズ用モールドと同じレンズカーブ構成の第3のレンズ用モールドを貼着し、次いで同第1のレンズ前駆体に対して面着されている側の第1又は第2のレンズ用モールドを取り外すとともに、前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて同第1のレンズ前駆体を対面配置させることで同第1及び第2のレンズ前駆体の間に第2のキャビティを構成し、同第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填した後に同感光性モノマーを硬化させて3層構造のレンズを成形し、次いで前記シート体及び前記第3のレンズ用モールドを取り外すようにしたことをその要旨とする。
また、第2の手段では第1の手段の構成に加え、前記第3のレンズ用モールドとして前もって取り外された前記第1又は第2のレンズ用モールドと同等のモールドを使用することをその要旨とする。
また、第3の手段では、レンズの表面及び裏面のいずれか一方を成形するための成形加工面を備えた第1のレンズ用モールドといずれか他方を成形するための成形加工面を備えた第2のレンズ用モールドであって、同両レンズ用モールドのそれぞれの成形加工面を対面配置させ所定間隔を空けた状態で両モールドの外周を粘着テープで巻回させることで構成される第1のキャビティ内に調整したレンズ用モノマーを充填し、同モノマーを硬化させて第1のレンズ前駆体を成形し、次いで硬化した同第1のレンズ前駆体と同第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方との境界線に沿って前記粘着テープを切開して同第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方を取り外すとともに、露出した同第1のレンズ前駆体に前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて同第1のレンズ前駆体を対面配置させることで同第1及び第2のレンズ前駆体の間に第2のキャビティを構成し、同第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填した後に同感光性モノマーを硬化させて3層構造のレンズを成形し、次いで取り外さなかったいずれか他方の前記第1又は第2のレンズ用モールドを取り外すようにしたことをその要旨とする。
また、第4の手段の発明では第1〜3のいずれかの手段に加え、前記スペーサは粘着性かつ可撓性のあるシート体からなることをその要旨とする。
【0006】
第1の手段の構成では、まず第1及び第2のレンズ用モールドによって構成されるモールドの第1のキャビティ内にレンズ用モノマーを充填し、これを硬化させて第1のレンズ前駆体を得る。次に第1及び第2のレンズ用モールドのうちのいずれか一方のみを第1のレンズ前駆体から取り外す(脱型させる)。つまり、第1のレンズ前駆体は第1及び第2のレンズ用モールドのうちのいずれか他方によって保持され続けることとなる。レンズ用モノマーの硬化の手段としては熱硬化(マイクロウェーブによる誘電加熱も含む)、光硬化等が想定される。
次いでその露出した側の第1のレンズ前駆体表面に着脱可能な粘着性かつ可撓性のあるシート体を貼着し、シート体上に取り外した第1又は第2のレンズ用モールドと同じレンズカーブ構成の第3のレンズ用モールドを貼着する。これによって第1のレンズ前駆体は再び表裏から保持されることとなる。第3のレンズ用モールドは取り外した第1又は第2のレンズ用モールドをそのまま使用してもよい。また、取り外した第1又は第2のレンズ用モールドとは違うものの同じレンズカーブ構成の他の第1又は第2のレンズ用モールドを使用することも可能である。同じレンズカーブ構成とは曲率が同じあるいは近似していることを意味する。
ここに、粘着性かつ可撓性のあるシート体とは例えば高分子ゲルからなる厚さ数μmから数mm程度の厚みのシート体が挙げられ、素材としてはウレタン系、シリコーン系、アクリル系等が挙げられる。
【0007】
次に、第1のレンズ前駆体に対して面着されている側の第1又は第2のレンズ用モールドを取り外す(脱型させる)。つまり、先に脱型させた「いずれか一方のレンズ用モールド」ではなくそれと反対側の「いずれか他方のレンズ用モールド」側を脱型させることとする。そして、前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて第1のレンズ前駆体を対面配置させるようにする。これによって第1及び第2のレンズ前駆体とスペーサによって包囲された第2のキャビティが構成される。次いで第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填し、同感光性モノマーを硬化させて第1及び第2のレンズ前駆体の間に中間層を有する3層構造のレンズを成形する。このような構成のレンズからシート体及び第3のレンズ用モールドを取り外すことでレンズを得ることができる。
ここに、スペーサは完全な円環を形成していなくとも構わない。また、複数のパーツで構成されていても構わない。要は、第2のキャビティに充填した感光性モノマーがこぼれなければよいため例え部分的に切れ目が形成されていても蓋をしたり切れ目側を上方に向ける等して対処できるからである。スペーサの材質は特に限定されることはない。例えば硬質な素材であってもゲル剤や接着剤を併用させることで第1及び第2のレンズ前駆体と密着性のよい壁面を構築できるからである。しかし、スペーサとしては上記と同様粘着性かつ可撓性のあるシート体が作業上好ましい。スペーサの厚みは形成される中間層の厚みと一致するため、どのような中間層を必要とするかによって変更されるべき要素である。眼鏡レンズ用としては一般的には数μmから数mm程度である。
感光性モノマーの硬化の手段としては熱硬化(マイクロウェーブによる誘電加熱も含む)、光硬化が等想定される、
【0008】
上記構成において、第1のレンズ前駆体の厚みは全域で同じ厚みであることが好ましい。つまり、第1及び第2のレンズ用モールドの両成形加工面のカーブ構成が同じであることが好ましい。この構成は第1のレンズ前駆体表面にシート体を貼着し、更に第3のレンズ用モールドを貼着した際の各層の安定性に寄与する。
また、中間層の厚みは全域で同じ厚みであることが好ましい。つまり第1のレンズ前駆体の中間層と接する面のカーブと第2のレンズ前駆体の中間層と接する面のカーブ構成が同じであることが好ましい。これはこの後の中間層に対する紫外線照射による所定の屈折率分布の設定処理に寄与する。
また、第1及び第2のレンズ用モールドのうちのいずれか一方のモールドを取り外した際に露出する第1のレンズ前駆体の面は上面を向けるようにセットすることが、以後の工程における取り扱い上好ましい。
【0009】
また、第3の手段では、第1の手段と同様にまず第1及び第2のレンズ用モールドによって構成されるモールドの第1のキャビティ内にレンズ用モノマーを充填し、これを硬化させて第1のレンズ前駆体を得る。次いで、硬化した第1のレンズ前駆体と第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方との境界線に沿って粘着テープを切開して同第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方を取り外す。(脱型させる)。つまり、第1のレンズ前駆体は第1及び第2のレンズ用モールドのうちのいずれか他方によって保持され続けることとなる。レンズ用モノマーの硬化の手段としては熱硬化(マイクロウェーブによる誘電加熱も含む)、光硬化等が想定される。
【0010】
次に、前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて露出した第1のレンズ前駆体を対面配置させるようにする。これによって第1及び第2のレンズ前駆体とスペーサによって包囲された第2のキャビティが構成される。次いで第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填し、同感光性モノマーを硬化させて第1及び第2のレンズ前駆体の間に中間層を有する3層構造のレンズを成形する。このような構成のレンズから取り外さなかったいずれか他方の前記第1又は第2のレンズ用モールドを取り外すことでレンズを得ることができる。
スペーサの定義は上記手段1と同様である。
【発明の効果】
【0011】
上記各請求項の発明では、感光性エポキシモノマーを硬化させることで中間層を構成するようにした三層構造を有するレンズにおいて度数を設定する側とは反対側のレンズ層は常に第1又は第2のレンズ用モールドによって保持されることとなるため外力が作用しても同レンズ層が容易に変形することがなく、レンズ成形後に同レンズ層を加工する必要がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施例1)
以下、本発明の具体的な実施例1について説明する。
1.レンズ前駆体成形工程
まず、第1のレンズ用モールド1と第2のレンズ用モールド2を用意する。第1及び第2のレンズ用モールド1,2は表裏とも同じ曲率の球面から構成されたメニスカス形状のガラス製の円形板状体とされている。第1のレンズ用モールド1の裏面1aは成形される第1のレンズ前駆体としての前側レンズ片3の前面(物体側)を成形するための曲面とされ、第2のレンズ用モールド2の表面2aは成形される前側レンズ片3の裏面(眼球側)を成形するための曲面とされている。本実施例1では裏面1aと表面2aのカーブは同じ曲率に構成され、裏面1aと表面2aの間隔は0.5mmとされている。
図1に示すように両モールド1,2の裏面1aと表面2aとを所定の間隔を空けて対向配置させて片面に粘着面を形成したテープ4によって両モールド1,2の外周を包囲して内部に第1のキャビティC1を構成させる。そして、プラスチックレンズ成形の定法に従ってキャビティC1内に調整されたレンズ用モノマー5を図示しないシリンジを使用して注入する(図2の状態)。そして定法に従って所定時間加熱処理を施し、レンズ用モノマー5を硬化させて前側レンズ片3を作製する。作製された前側レンズ片3は厚みの均等(0.5mm)なメニスカス形状の透明なプラスチックレンズとなる。
図3に示すように本実施例1では前側レンズ片3を硬化させた後に、テープ4を剥がし上側の第1のレンズ用モールド1のみを脱型させる。前側レンズ片3は露出面3a側が上を向くようにセットされる。
【0013】
2.シート体貼着工程
図4に示すように、前側レンズ片3の露出面3aに対してその全面を覆うようにゲルシート7を貼着する。本実施例1ではゲルシート7はウレタンエラストマー製の厚み0.2mmのものを使用する。そして、図5に示すようにゲルシート7の上に一旦取り外した第1のレンズ用モールド1をゲルシート7を覆うようにして貼着する。
3.第2のキャビティ構成工程
図6に示すように、上記において下側に配置されていた第2のレンズ用モールド2を前側レンズ片3から脱型させ上記露出面3aとは逆側の面を露出させる。これを第1の成形加工面3bとする。一方、図7に示すように第2のレンズ前駆体としての後側レンズ片8を用意する。後側レンズ片8はメニスカス形状の透明なプラスチックレンズであって、本実施例1では10mmの厚みとされている。同後側レンズ片8の前面は第2の成形面8aとされている。
後側レンズ片8の第2の成形面8aの縁寄りには円環状のスペーサ9を貼着する。本実施例1ではスペーサ9はウレタンエラストマー製の厚み0.5mmのものを使用する。そして、図8に示すように前側レンズ片3の第1の成形加工面3bと後側レンズ片8の第2の成形面8aが正対するように前側レンズ片3をスペーサ9上に載置させる。このような状態で第1及び第2の成形加工面3b,8a及びスペーサ9に包囲された第2のキャビティC2が形成される。尚、本実施例1では第1のレンズ用モールド1と後側レンズ片8の外方から図示しないクリップにて厚み方向に圧縮されているため、第1のレンズ用モールド1、前側レンズ片3及び後側レンズ片8等が重複配置されている状態からばらけてしまうことはない。
【0014】
4.レンズ成形工程
図9に示すように第2のキャビティC2内に調整された光硬化性モノマーとしてのエポキシモノマー11をシリンジ10内に収容し、同シリンジ10のニードル10aをスペーサ9の外側面から刺通させてモノマー11を注入する。第2のキャビティC2内にモノマー11を充填させた後にニードル10aを抜くが、スペーサ9に復元力があるため刺通穴は自動的に塞がる。そして光硬化性モノマーの硬化定法に従って所定時間加熱処理を施し、エポキシモノマー11を硬化させて図10のように中間層12を成形する。これによって前側レンズ片3と後側レンズ片8に挟持された中間層12を有する3層構造のレンズ13が成形されることとなる。図11に示すように、ゲルシート7とともに第1のレンズ用モールド1を取り外すことでレンズ13が得られる。第1のレンズ用モールド1は再利用可能である。
5.後加工工程
図11に示すカット線に沿ってレンズ13を所定のサイズにカットして丸レンズを得るようにする。そして中間層12に対し紫外線を照射して所定の屈折率分布を付与する。
【0015】
このように構成することにより本実施例1の方法では次のような効果が奏される。
(1)従来ではこのような感光性樹脂からなる中間層を有する3層構造のレンズを作製する場合に厚みを薄くするためにはレンズ層(レンズ前駆体)を切削あるいは研削して薄くするしかなかった。しかし、このようにして常に前側レンズ片3を変形が生じないように保持しながら中間層12を形成させるようにすれば、当初から薄いレンズ層(レンズ前駆体)を使用してレンズ13を作製することができるため、加工のための時間的なロスや材料ロスが生じない。
(2)第1のレンズ用モールド1の裏面1aと第2のレンズ用モールド2の表面2aは同じカーブ構成であるため、図5における層構造が安定し、第1のレンズ用モールド1がずれたり前側レンズ片3が変形したりすることがない。
【0016】
(実施例2)
以下、本発明の具体的な実施例2について説明する。尚、実施例1と同様の構成についての説明は省略する。
1.レンズ前駆体成形工程
まず、第1のレンズ用モールド1と第2のレンズ用モールド2を用意する。第1及び第2のレンズ用モールド1,2の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様にテープ4によって外周を包囲する(図1)。そして実施例1と同様の工程で前側レンズ片3を作製する(図2)。
次いで、前側レンズ片3と第2のレンズ用モールド2との外周の境界線に沿ってテープ4をカットし、図12に示すように、上下に2分割する。つまり、第2のレンズ用モールド2のみが脱型されて成形された前側レンズ片3はテープに支持されて第1のレンズ用モールド1に面着された状態となる。
【0017】
2.第2のキャビティ構成工程
図7に示すように、第2のレンズ前駆体としての後側レンズ片8を用意し、後側レンズ片8の第2の成形面8aの縁寄りには円環状のスペーサ9を貼着する。後側レンズ片8及びスペーサ9の構成は実施例1と同様である。そして、図13に示すように前側レンズ片3の第1の成形加工面3bと後側レンズ片8の第2の成形面8aが正対するように前側レンズ片3をスペーサ9上に載置させる。このような状態で第1及び第2の成形加工面3b,8a及びスペーサ9に包囲された第2のキャビティC2が形成される。尚、本実施例2でも第1のレンズ用モールド1と後側レンズ片8の外方から図示しないクリップにて厚み方向に圧縮されているため、第1のレンズ用モールド1、前側レンズ片3及び後側レンズ片8等が重複配置されている状態からばらけてしまうことはない。テープ4はクリップで挟んだ後で剥がすものとする。
【0018】
3.レンズ成形工程
実施例1と同様第2のキャビティC2内に調整された光硬化性モノマーとしてのエポキシモノマー11をシリンジ10のニードル10aをスペーサ9の外側面から刺通させて注入する。そして実施例1と同様エポキシモノマー11を硬化させて図14のように中間層12を成形する。これによって前側レンズ片3と後側レンズ片8に挟持された中間層12を有する3層構造のレンズ13が成形されることとなる。次いで、図11のように第1のレンズ用モールド1を取り外すことでレンズ13が得られる。第1のレンズ用モールド1は再利用可能である。
5.後加工工程
実施例1と同様である(図11)。
このように構成することにより本実施例2も実施例1と同様の効果が奏される。
【0019】
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施例1では前側レンズ片3を硬化させた後に、第1のレンズ用モールド1側を脱型させるようにしていたが、逆に第2のレンズ用モールド2側を脱型させるようにしてももちろん構わない。
・上記実施例2では前側レンズ片3を硬化させた後に、第2のレンズ用モールド2側を脱型させるようにしていたが、逆に第1のレンズ用モールド1側を脱型させるようにしてももちろん構わない。
・ 上記実施例では第1のレンズ用モールド1、前側レンズ片3及び後側レンズ片8等を重複配置状態で固定するための手段としては図示しないクリップを使用したが、クリップの代わりにテープ4を巻回するようにしてもよい。
・ゲルシート7と第1のレンズ用モールド1や前側レンズ片3との接着性を向上させるためにゲルシート7との間に接着剤を介在させるようにしてもよい。
・スペーサ9の形状は上記実施例に限定されない。後加工工程によってレンズ13を所定のサイズにカットするのであるからスペーサ9は所定の厚みを維持でき、第1及び第2の成形加工面3b,8aとともに第2のキャビティC2を構成できれば足る。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例において前側レンズ片を作製するために第1及び第2のレンズ用モールドを組み立てて内部にキャビティを形成した状態を簡略化して示した断面図。
【図2】同じ実施例において第1及び第2のレンズ用モールド内にレンズ用モノマーを充填した状態を簡略化して示した断面図。
【図3】図2においてレンズ用モノマーを硬化させて前側レンズ片が成形された状態から第1のレンズ用モールドを脱型させた状態を簡略化して示した断面図。
【図4】図3の状態の前側レンズ片の表面にゲルシートを貼着した状態を簡略化して示した断面図。
【図5】図4の状態において第1のレンズ用モールドをゲルシート上に貼着した状態を簡略化して示した断面図。
【図6】図5の状態において第2のレンズ用モールドを脱型させた状態を簡略化して示した断面図。
【図7】同じ実施例において後側レンズ片の第2の成形面上にスペーサを貼着した状態を簡略化して示した断面図。
【図8】図7の第2の成形面上に図6の前側レンズ、シート、第1のレンズ用モールドからなる構造体を載置した状態を簡略化して示した断面図。
【図9】図8において形成されるキャビティ内にモノマーを注入しようとしている状態を簡略化して示した断面図。
【図10】図9において形成されるキャビティ内に充填されたモノマーが硬化して中間層が形成された状態を簡略化して示した断面図。
【図11】図10において第1のレンズ用モールド及びゲルシートを取り外した状態を簡略化して示した断面図。
【図12】図2において第2のレンズ用モールドと前側レンズ片の境界線でテープをカットして上下分割した状態を簡略化して示した断面図。
【図13】図7の第2の成形面上に図12の上側の分割体を載置した状態を簡略化して示した断面図。
【図14】図13において形成されるキャビティ内に充填されたモノマーが硬化して中間層が形成された状態を簡略化して示した断面図。
【図15】従来の眼鏡用プラスチックレンズの製造工程を簡単に説明した説明図であって、(a)は第1及び第2のレンズ前駆体を組み立てた状態、(b)は中間層を成形した状態、(c)は周囲をカットするとともに第2のレンズ前駆体の上面を研削した状態。
【符号の説明】
【0021】
1…第1及び第3のレンズ用モールド、2…第2のレンズ用モールド、3…第1のレンズ前駆体としての前側レンズ片、5…レンズ用モノマー、7…シート体としてのゲルシート、8…第1のレンズ前駆体としての後側レンズ片、9…スペーサ、11…感光性モノマー、20…保護部材としてのセンサ保護管、29…マイクロ波発生装置、C1…第1のキャビティ、C2…第2のキャビティ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズの表面及び裏面のいずれか一方を成形するための成形加工面を備えた第1のレンズ用モールドといずれか他方を成形するための成形加工面を備えた第2のレンズ用モールドであって、それぞれの成形加工面を対面配置させた状態で同両レンズ用モールドを組み合わせて構成される第1のキャビティ内に調整したレンズ用モノマーを充填し、同モノマーを硬化させて第1のレンズ前駆体を成形し、次いで硬化した同第1のレンズ前駆体に面着された第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方を取り外し、露出した同第1のレンズ前駆体表面に着脱可能な粘着性かつ可撓性のあるシート体を貼着するとともに同シート体上に取り外した第1又は第2のレンズ用モールドと同じレンズカーブ構成の第3のレンズ用モールドを貼着し、次いで同第1のレンズ前駆体に対して面着されている側の第1又は第2のレンズ用モールドを取り外すとともに、前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて同第1のレンズ前駆体を対面配置させることで同第1及び第2のレンズ前駆体の間に第2のキャビティを構成し、同第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填した後に同感光性モノマーを硬化させて3層構造のレンズを成形し、次いで前記シート体及び前記第3のレンズ用モールドを取り外すようにしたことを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
【請求項2】
前記第3のレンズ用モールドとして前もって取り外された前記第1又は第2のレンズ用モールドと同等のモールドを使用することを特徴とする請求項1に記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項3】
レンズの表面及び裏面のいずれか一方を成形するための成形加工面を備えた第1のレンズ用モールドといずれか他方を成形するための成形加工面を備えた第2のレンズ用モールドであって、同両レンズ用モールドのそれぞれの成形加工面を対面配置させ所定間隔を空けた状態で両モールドの外周を粘着テープで巻回させることで構成される第1のキャビティ内に調整したレンズ用モノマーを充填し、同モノマーを硬化させて第1のレンズ前駆体を成形し、次いで硬化した同第1のレンズ前駆体と同第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方との境界線に沿って前記粘着テープを切開して同第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方を取り外すとともに、露出した同第1のレンズ前駆体に前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて同第1のレンズ前駆体を対面配置させることで同第1及び第2のレンズ前駆体の間に第2のキャビティを構成し、同第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填した後に同感光性モノマーを硬化させて3層構造のレンズを成形し、次いで取り外さなかったいずれか他方の前記第1又は第2のレンズ用モールドを取り外すようにしたことを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
【請求項4】
前記スペーサは粘着性かつ可撓性のあるシート体からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項1】
レンズの表面及び裏面のいずれか一方を成形するための成形加工面を備えた第1のレンズ用モールドといずれか他方を成形するための成形加工面を備えた第2のレンズ用モールドであって、それぞれの成形加工面を対面配置させた状態で同両レンズ用モールドを組み合わせて構成される第1のキャビティ内に調整したレンズ用モノマーを充填し、同モノマーを硬化させて第1のレンズ前駆体を成形し、次いで硬化した同第1のレンズ前駆体に面着された第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方を取り外し、露出した同第1のレンズ前駆体表面に着脱可能な粘着性かつ可撓性のあるシート体を貼着するとともに同シート体上に取り外した第1又は第2のレンズ用モールドと同じレンズカーブ構成の第3のレンズ用モールドを貼着し、次いで同第1のレンズ前駆体に対して面着されている側の第1又は第2のレンズ用モールドを取り外すとともに、前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて同第1のレンズ前駆体を対面配置させることで同第1及び第2のレンズ前駆体の間に第2のキャビティを構成し、同第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填した後に同感光性モノマーを硬化させて3層構造のレンズを成形し、次いで前記シート体及び前記第3のレンズ用モールドを取り外すようにしたことを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
【請求項2】
前記第3のレンズ用モールドとして前もって取り外された前記第1又は第2のレンズ用モールドと同等のモールドを使用することを特徴とする請求項1に記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項3】
レンズの表面及び裏面のいずれか一方を成形するための成形加工面を備えた第1のレンズ用モールドといずれか他方を成形するための成形加工面を備えた第2のレンズ用モールドであって、同両レンズ用モールドのそれぞれの成形加工面を対面配置させ所定間隔を空けた状態で両モールドの外周を粘着テープで巻回させることで構成される第1のキャビティ内に調整したレンズ用モノマーを充填し、同モノマーを硬化させて第1のレンズ前駆体を成形し、次いで硬化した同第1のレンズ前駆体と同第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方との境界線に沿って前記粘着テープを切開して同第1又は第2のレンズ用モールドのいずれか一方を取り外すとともに、露出した同第1のレンズ前駆体に前もって成形しておいた第2のレンズ前駆体に対してリング状のスペーサを介在させて同第1のレンズ前駆体を対面配置させることで同第1及び第2のレンズ前駆体の間に第2のキャビティを構成し、同第2のキャビティ内に調整した感光性モノマーを充填した後に同感光性モノマーを硬化させて3層構造のレンズを成形し、次いで取り外さなかったいずれか他方の前記第1又は第2のレンズ用モールドを取り外すようにしたことを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
【請求項4】
前記スペーサは粘着性かつ可撓性のあるシート体からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−69553(P2009−69553A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238723(P2007−238723)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(301074388)株式会社 サンルックス (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(301074388)株式会社 サンルックス (12)
【Fターム(参考)】
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