説明

プラスチック製卵包装容器における開封用ミシン目の加工方法とその装置

【課題】卵包装容器の開封用ミシン目が手提げ買物袋に引き裂け傷や人手に切り傷を与えないようにする。
【解決手段】円周面から平行な2列の丸鋸状回転刃(51)が突出する径小な刃物ロール(39)の複数を、容器半製シート(M)の折り曲げヒンジ部(b)へ下側から各々臨ませて、その各刃物ロールに常時押し上げ方向への弾圧付勢力を与える一方、上記回転刃の刃先逃し入れ凹溝(32)が円周面に切り欠かれた径大な刃物受けロール(31)の対応する複数を、同じく容器半製シートの折り曲げヒンジ部へ上側から臨ませて、その複数の刃物受けロールを回転駆動することにより、これに追従して速く連れ廻る刃物ロールの回転刃が、そのロール同士での上下方向から挟み付けられた状態にある容器半製シートへ下方から進入して、その折り曲げヒンジ部へ平行な2列の開封用ミシン目(52)(53)を切り抜く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチック製卵包装容器の折り曲げヒンジ部へ、平行な2列の開封用ミシン目を加工する方法とそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄肉・硬質な透明のプラスチックシート材から一体成形された容器本体と蓋体との折り曲げヒンジ部に、平行な2列の開封用ミシン目を備え、これを鶏卵の消費者において引き裂き開封する卵包装容器は周知であるが、その開封用ミシン目は従来特開平11−321824号や特開2002−18985号などに見られるような加工装置を用いて、成形後未だ姿抜きされる前の半製シート状態にある卵包装容器へ、その内側から回転刃物の刃先を押し込むことにより切り抜かれている。
【特許文献1】特開平11−321824号公報
【特許文献2】特開2002−18985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記卵包装容器に卵を封入した施蓋・販売状態では、図16と図17(イ)(ロ)(ハ)に示す如く、その折り曲げヒンジ部(b)が必らず開封用ミシン目(1)(2)の平行線(X1−X1)(X2−X2 )上から、鋭角に折れ曲がったほぼ三角形や五角形、扇型などの断面形状となる。図18は図17(イ)の拡大図である。
【0004】
この点、上記従来例のような卵包装容器の内側から折り曲げヒンジ部(b)へ、回転刃物の刃先を押し込んで、開封用ミシン目(1)(2)を切り抜く加工法によれば、そのミシン目(1)(2)の切り抜き開口縁部から余分なバリ(反り返り)(1a)(2a)が外向きにはみ出し、これが上記平行線(X1−X1)(X2−X2)上に沿い断続する鋭利な鋸歯として作用してしまう結果、近時の薄肉・安価なプラスチックフィルムから成る手提げ買物袋(所謂レジ袋)に不慮な引き裂け傷を与えたり、更には消費者の手に切り傷を負わせたりするおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1ではプラスチックシート材から容器本体と蓋体との複数組が並列状態に一体成形された卵包装容器の大きな帯状容器半製シートを、その容器本体の上向きに開放する展開状態として前方へ移送中、その容器本体と蓋体との折り曲げヒンジ部へ各々平行な2列の開封用ミシン目を一挙同時に加工する方法であって、
【0006】
円周面から平行な2列の丸鋸状回転刃が突出する径小な刃物ロールの複数を、上記容器半製シートの折り曲げヒンジ部へ下側から各々臨ませて、その各刃物ロールに常時押し上げ方向への弾圧付勢力を与える一方、
【0007】
上記回転刃の刃先逃し入れ凹溝が円周面に切り欠かれた径大な刃物受けロールの対応する複数を、同じく容器半製シートの折り曲げヒンジ部へ上側から臨ませて、
【0008】
その複数の刃物受けロールを回転駆動することにより、これに追従して速く連れ廻る刃物ロールの回転刃が、そのロール同士での上下方向から挟み付けられた状態にある容器半製シートへ下方から進入して、その折り曲げヒンジ部へ平行な2列の開封用ミシン目を切り抜くことを特徴とする。
【0009】
請求項2では刃物受けロールと同期回転される径大な容器半製シート用送り駆動ロールと、その送り駆動ロールに追従して速く連れ廻る径小な容器半製シート用送り従動ロールとの上下一対によって、帯状容器半製シートの左右両端耳部を弾力的に挟み付けることを特徴とする。
【0010】
請求項3では容器半製シートにおける容器本体と蓋体との折り曲げヒンジ部へ、下側から臨む刃物ロールと上側から臨む刃物受けロールとの一対づつを、卵包装容器におけるサイズの大小変化に応じて左右方向へスライド調整できるように定めたことを特徴とする。
【0011】
請求項4では容器半製シートにおける容器本体と蓋体との折り曲げヒンジ部を、刃物ロールを挟むように対応位置する前後一対づつのヒンジ部用受けレールによって、その真下から受け持つ一方、
【0012】
その後側のヒンジ部用受けレールと向かい合うヒンジ部用押え片と、前側のヒンジ部用受けレールと直交する如く横断する容器半製シート用押え板によって、上記折り曲げヒンジ部を上方から押えることを特徴とする。
【0013】
他方、請求項5ではプラスチックシート材から容器本体と蓋体との複数個が並列状態に一体成形された卵包装容器の大きな帯状容器半製シートを、その容器本体の上向きに開放する展開状態として前方へ移送中、その容器本体と蓋体との折り曲げヒンジ部へ各々平行な2列の開封用ミシン目を一挙同時に加工する装置であって
【0014】
鋼材から枠組み一体化された天板上にハンガー枠昇降作動用エヤーシリンダーと、底板上に駆動モーターとを搭載した装置フレームと、
【0015】
その装置フレームの枠内に横架する門字型として、上記エヤーシリンダーにより昇降作動可能に吊持されたハンガー枠と、
【0016】
そのハンガー枠への水平な軸受状態として、上記駆動モーターにより回転駆動される駆動軸と、
【0017】
上記容器半製シートの折り曲げヒンジ部に対応位置する並列分布状態として、その駆動軸上へ一体回転可能に嵌め付けられ、且つ円周面に平行な2列の刃先逃し入れ凹溝を有する複数の径大な刃物受けロールと、
【0018】
同じく駆動軸のほぼ真下位置に平行する水平状態として、上記装置フレームの枠内に横架された固定支軸と、
【0019】
その固定支軸上へ並列分布状態に嵌め付けられた取付基台と、これに付属するロッド受け入れ口筒へ差し込み貫通された昇降ロッドを介して、その昇降ロッドの上端部へ遊転自在に軸支され、且つ円周面から上記刃物受けロールの刃先逃し入れ凹溝と対応位置する平行な2列の丸鋸状回転刃が突設された複数の径小な刃物ロールと、
【0020】
その各刃物ロールの回転刃を上記刃物受けロールの刃先逃し入れ凹溝と咬み合うように常時押し上げ付勢すべく、上記昇降ロッドとそのロッド受け入れ口筒との相互間に連繋掛架された引張りコイルバネとを備え、
【0021】
上記駆動軸上の刃物受けロールを回転駆動して、これと速く連れ廻る刃物ロールの回転刃を、上記刃物受けロールの刃先逃し入れ凹溝へ下方から進入させることにより、そのロール同士の上下相互間に挟み付けられた状態にある容器半製シートの折り曲げヒンジ部へ、平行な2列の開封用ミシン目を切り抜くように定めたことを特徴とする。
【0022】
請求項6では弾性材から成る容器半製シート用送り駆動ロールの左右一対を、水平な駆動軸上の両端部付近へ一体回転し得るように嵌め付ける一方、
【0023】
同じ弾性材から成る径小な容器半製シート用送り従動ロールの左右一対を、水平な固定支軸上の対応的な両端部付近へ昇降自在に取り付けて、その送り従動ロールに常時押し上げ方向への弾圧付勢力を与え、
【0024】
上記送り駆動ロールと、これに追従して速く連れ廻る上記送り従動ロールとの上下一対づつにより、帯状容器半製シートの左右両端耳部を弾力的に挟み付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1の上記構成によれば、容器本体の上向きに開放する展開状態として移送される帯状容器半製シートに対し、上側から臨む径大な刃物受けロールが回転駆動される一方、下側から臨む径小な刃物ロールが刃物受けロールに追従して速く連れ廻り、その丸鋸状回転刃によって下側(卵包装容器の外側)から上記容器半製シートにおける容器本体と蓋体との折り曲げヒンジ部へ、平行な2列の開封用ミシン目を一挙同時に切り抜き加工するようになっているため、そのミシン目の切り抜き開口縁部にたとえ余分なバリ(反り返り)が発生するとしても、それは必らず卵包装容器の内向きにはみ出し、外向きの鋭利な鋸歯を形作ってしまうことがない結果、冒頭に述べた従来技術の課題を完全に解消することができる。
【0026】
又、刃物ロールは容器半製シートの下側位置にあるため、その荷重が容器半製シートに加わることはなく、刃物ロールを押し上げ付勢している弾圧力のみが、容器半製シートに作用する状態として、その移送に抵抗を与えない結果、ミシン目の連続して大きく切り抜かれてしまうおそれはなく、常時均一の正確なミシン目を安定良く高効率に切り抜き加工できるのである。
【0027】
その場合、請求項2の構成を採用するならば、容器半製シートの左右両端耳部がその送り駆動ロールと送り従動ロールによって、上下方向から弾力的に挟み付けられるため、上記容器半製シートを一層安定良く移送することができ、延いてはミシン目の正確な切り抜き加工に役立つ。
【0028】
請求項3の構成を採用するならば、鶏卵の大別されている各種サイズ(LL、L、M、MS)に応じて、卵包装容器のそれが大小変化するも、その刃物受けロールと刃物ロールとの上下一対づつを左右方向へスライドさせて、取付位置を調整することにより、上記折り曲げヒンジ部に対するミシン目の切り抜き加工を支障なく行なえ、汎用性に優れる。
【0029】
更に、請求項4の構成を採用するならば、容器半製シートの折り曲げヒンジ部を真下から受け持つヒンジ部用受けレールにより、その容器半製シートの横振れを防ぎ、正しく直進させることができるほか、上記折り曲げヒンジ部を上方から押えるヒンジ部用押え片並びに容器半製シート用押え板により、その容器半製シートの浮き上がりや波打ちを防ぐことができるため、上記ミシン目の切り抜き加工をますます正確に安定良く行なえる効果がある。
【0030】
他方、請求項5の上記構成によれば、容器半製シートへ上側から臨む刃物受けロールの複数が、水平な駆動軸上に並列設置されていて、その駆動軸のハンガー枠がエヤーシリンダーによって昇降作動されるようになっている一方、上記容器半製シートへ下側から臨む複数の刃物ロールは、水平な固定支軸上に並列設置されているため、その刃物ロールへ引張りコイルバネによる押し上げ付勢力を安定良く働かせることができ、ミシン目の切り抜き加工を正確に安定良く行なえるのである。
【0031】
その場合、請求項6の構成を採用するならば、上記駆動軸を兼用して容器半製シート用送り駆動ロールも回転駆動でき、又その送り駆動ロールを上記刃物受けロールと一緒に昇降作動させることも可能であるため、著しく合理的なミシン目加工装置を得られ、その容器半製シートを円滑に正しく移送できる効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面に基いて本発明を詳述すると、図1〜4はその本発明に係るミシン目加工装置の全体を示しており、これは薄肉・硬質な透明のプラスチックシート材から卵包装容器(P)を真空成形又は/及び圧空成形する成形機(図示省略)の出口部へ直列状態に据え付け使用され、その成形後未だ各個の完成品として姿抜き加工する前の大きな帯状容器半製シート(M)を受け入れる位置関係にある。
【0033】
図例の場合、鶏卵10個入りの容器本体(10)とその蓋体(11)との1組づつが、正面から見て合計4列に並ぶ一定帯幅の無端な容器半製シート(M)を示しており、(a)はその1組づつの隣り合う境界部、(b)は容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部、(c)は帯状容器半製シート(M)の左右両端耳部である。
【0034】
上記加工装置のフレーム(F)は図1、2のような囲い枠として、鋼材から組み立て一体化されており、その天板(12)の中央部にハンガー枠昇降作動用エヤーシリンダー(13)が搭載されている一方、底板(14)の片サイド部に駆動モーター(15)が据え付けられている。(16)は両サイド壁板(17)の左右相互間に固定横架された水平な中段補強梁、(18)は片サイド壁板(17)の上段位置に取り付け固定された制御盤、(19)は作業床に接地する合計4個の自在車輪であるが、その自在車輪(19)に代る固定脚柱を採用しても良い。
【0035】
(H)は上記装置フレーム(F)を形作る天板(12)と中段補強梁(16)との上下相互間に横架するハンガー枠であって、水平バー(20)とその両サイド脚板(21)とから成る正面視の門字型に組み立てられており、その水平バー(20)の中央部が上記エヤーシリンダー(13)から垂下するピストンロッド(22)と連結一体化されている。
【0036】
(23)は上記ハンガー枠(H)の両サイド脚板(21)へ回転自在に軸受けされた水平な駆動軸であり、そのハンガー枠(H)外へ張り出す駆動軸(23)の一端部には入力ギヤ(24)が嵌め付け一体化されている。(25)はその入力ギヤ(24)へ真下方向から噛合する伝動ギヤであって、上記装置フレーム(F)の片サイド壁板(17)へ固定状態に軸架されており、上記駆動モーター(15)により伝動用チェンやタイミングベルト(26)を介して回転されるようになっている。その伝動用チェンやベルト(26)を巻き付けるスプロケットやプーリーには、図示符号を省略してある。
【0037】
但し、上記エヤーシリンダー(13)によってハンガー枠(H)を吊り上げ作動すれば、その水平な駆動軸(23)上の入力ギヤ(24)も上昇するため、これと伝動ギヤ(25)との噛合状態が解除されることになる。(27)はハンガー枠(H)の円滑な昇降ガイドであり、図3、4に示唆する如く、その左右一対づつがハンガー枠(H)の両サイド脚板(21)と、上記装置フレーム(F)の両サイド壁板(17)との内外相互間に介在している。
【0038】
(28)は駆動軸(23)の中間部に嵌め付け固定されたベアリングであり、ハンガー枠(H)の水平バー(20)と着脱自在の連結ステー(29)を介して連結一体化され、これによって駆動軸(23)の中間部を撓み変形しないように突っ張り支持している。
【0039】
(30)は上記ハンガー枠(H)内を占める駆動軸(23)の両端部付近へ嵌め付け一体化された左右一対の径大な容器半製シート用送り駆動ロールであって、ウレタンゴムなどの耐摩耗性に富む弾性材から成り、図1〜4のように上記容器半製シート(M)の左右両端耳部(c)を上方から弾力的に押え付ける。
【0040】
更に、(31)はその容器半製シート(M)における容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部(b)へ上方から臨む並列分布状態として、同じく駆動軸(23)の中途部へ嵌め付け一体化された複数(図例では合計4列)の径大な刃物受けロールであり、鋳鉄から成るが、その円周面には図10から明白なように、平行な2列の刃先逃し入れ凹溝(32)を備えたMCナイロンの刃先保護リング(33)が被着一体化されている。(34)は刃物受けロール(31)を軽量化するための抜き穴である。
【0041】
その場合、容器半製シート用送り駆動ロール(30)と刃物受けロール(31)とはほぼ同じ直径を備えており、その送り駆動ロール(30)が容器半製シート(M)の左右両端耳部(c)に対応位置する関係として、又刃物受けロール(31)がその容器半製シート(M)における容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部(b)に対応位置する関係として、卵包装容器(P)のサイズが大小変化しても、その変化に応じてこれらを駆動軸(23)に沿い左右方向へスライドさせ、その正確に位置決め調整した状態を各々取付ボス(35)の押えビス(36)によって、駆動軸(23)へ固定セットできるようになっている。
【0042】
(37)は上記駆動軸(23)のほぼ真下位置を、その駆動軸(23)と平行に横架する水平な固定支軸であって、上記装置フレーム(F)の両サイド壁板(17)に取り付け一体化されており、その固定支軸(37)の両端部付近には駆動軸(23)上の容器半製シート用送り駆動ロール(30)よりも径小な左右一対の容器半製シート用送り従動ロール(38)が、同じく固定支軸(37)の中途部には駆動軸(23)上の刃物受けロール(31)よりも径小な複数(図例では合計4列)の刃物ロール(39)が、各々次のとおり取り付けられている。
【0043】
即ち、容器半製シート用送り従動ロール(38)と刃物ロール(39)とはほぼ同じ直径を備えており、又その固定支軸(37)に対する送り従動ロール(38)と刃物ロール(39)との取付構造は同じであるため、その取付構造を共通の図示符号に基いて説明すると、上記固定支軸(37)は図5〜7のようなチャンネル型や角型などの鋼材から成り、これには取付基台(40)が左右方向へのスライド自在に嵌合され、且つ押えビス(41)によって位置決め固定されている。
【0044】
その容器半製シート用送り従動ロール(38)を駆動軸(23)上の上記送り駆動ロール(30)に対応位置する関係として、又刃物ロール(39)を駆動軸(23)上の刃物受けロール(31)に対応位置する関係として、やはり卵包装容器(P)のサイズが大小変化しても、その変化に応じて固定支軸(37)上へ正確な調整状態に位置決め固定できるようになっているのである。
【0045】
しかも、このような取付基台(40)には垂直のロッド受け入れ口筒(42)が付属一体化されており、そのロッド受け入れ口筒(42)へ下方から昇降ロッド(43)が差し込み貫通されている。(44)はその昇降ロッド(43)の下端部へ固定ビス(45)によって取り付けられた径大な蓋板であり、これからはバネ受けピン(46)が横向きに張り出している。
【0046】
又、(47)は上記ロッド受け入れ口筒(42)の上端部から対応的な横向きに張り出すバネ受けピンであり、その両バネ受けピン(47)(46)の上下相互間へ連繋掛架された引張りコイルバネ(48)によって、上記昇降ロッド(43)を常時押し上げ方向へ弾圧付勢している。
【0047】
そして、これにより上記取付基台(40)のロッド受け入れ口筒(42)から露出する昇降ロッド(43)の上端部には、二叉フォーク状のロール軸受板(49)が固定ビス(50)によって取り付け一体化されており、そのロール軸受板(49)の内部に上記容器半製シート用送り従動ロール(38)や刃物ロール(39)が、各々遊転自在に軸支されているのである。
【0048】
茲に、固定支軸(37)上の容器半製シート用送り従動ロール(38)は、駆動軸(23)上の上記送り駆動ロール(30)と同じ弾性材から成り、図1〜3のような容器本体(10)が上向きに開放する展開状態として、図外の成形機から送られてきた帯状容器半製シート(M)の左右両端耳部(c)を、その送り駆動ロール(30)と送り従動ロール(38)との上下一対により受け取り挟み付け乍ら、図示の進行矢印(A)に沿って加工装置の出口部(前方)へ移送する。
【0049】
同じく固定支軸(37)上の刃物ロール(39)は金属(鋼鉄)ロールとして、その円周面から突出する平行な2列の丸鋸状回転刃(51)を備えており、その刃先(51a)が駆動軸(23)上に対応位置する刃物受けロール(31)の刃先逃し入れ凹溝(32)と言わば咬み合う関係にある。但し、刃物ロール(39)とその刃物受けロール(31)との両円周面が、図10のように容器半製シート(M)を挟み付けるも、回転刃(51)の刃先(51a)が刃先逃し入れ凹溝(32)の溝底面へ衝当することはない。
【0050】
そのため、容器半製シート(M)が矢印(A)で示す前方へ移送されるに連れて、下側(容器の外側)から刃物ロール(39)の回転刃(51)が上側(容器の内側)の刃物受けロール(31)に開口する刃先逃し入れ凹溝(32)へ進入することとなり、その容器半製シート(M)における容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部(b)へ、平行な2列の開封用ミシン目(52)(53)を切り抜き加工して、空転することなく容器半製シート(M)を移送することができる。
【0051】
特に、刃物ロール(39)は上記引張りコイルバネ(48)の言わば無制限な押し上げ付勢力を受けているため、これに対して上方からエヤーシリンダー(13)により、駆動軸(23)上の刃物受けロール(31)を下降作動させた場合、その刃物ロール(39)の円周面から突出する回転刃(51)の刃先(51a)が、刃物受けロール(31)によって圧潰されてしまうおそれがある。
【0052】
(54)はこのような不測の事態を防ぐ挺子レバーであり、図6、7のように上記取付基台(40)のロッド受け入れ口筒(42)へ、水平な支点ピン(55)を介して枢着されている。上記刃物受けロール(31)をエヤーシリンダー(13)により下降作動させて、その刃先逃し入れ凹溝(32)を刃物ロール(39)の回転刃(51)と咬み合わせる作業当初には、予じめ上記挺子レバー(54)を支点ピン(55)の廻りに伏倒操作して、そのカム面(54a)により上記昇降ロッド(43)の蓋板(44)と延いては刃物ロール(39)を、その引張りコイルバネ(48)の押し上げ付勢力に抗しつつ、図7のように一定ストローク(S)だけ引き下げ退避させておき、上記刃物受けロール(31)の下降作動後に挺子レバー(54)を起立操作して、上記刃物ロール(39)を押し上げ付勢状態へ戻すことにより、その正確な咬み合わせ調整状態に保つのである。
【0053】
帯状の容器半製シート(M)が容器本体(10)の上向きに開放する展開状態として、その左右両端耳部(c)を弾力的に挟み付けた送り駆動ロール(30)と送り従動ロール(38)との上下一対により、図示矢印(A)の前方へ移送される旨を上記したが、その容器半製シート(M)は横振れや浮き上がりなどを起さないように、上下方向と左右方向から次のとおり誘導規制されている。
【0054】
即ち、(56)(57)は水平な出口側固定バーと入口側固定バーとの前後一対であり、図3〜6から明白なように、容器半製シート(M)と上記固定支軸(37)との上下相互間に対応位置する高さとして、装置フレーム(F)における両サイド壁板(17)の左右相互間へ固定横架されている。
【0055】
(58)はその両固定バー(56)(57)の前後相互間に渡って設置された複数(図例では合計3列)の境界部用受けレールであり、言うまでもなく容器半製シート(M)の進行方向(A)に沿い延在して、そのシート(M)に1組づつ賦形されている卵包装容器(P)同士の隣り合う境界部(a)を真下から安定良く受け持つ。
【0056】
その場合、図示省略してあるが、各境界部用受けレール(58)は両固定バー(56)(57)に沿って左右方向へスライドさせることにより、その配列位置を卵包装容器(P)におけるサイズの大小変化に応じて、調整することもできるようになっている。(59)は上記境界部用受けレール(58)とこれを支持する入口側固定バー(57)との上下相互間に介挿された容器半製シート用導入ガイド板であり、その入口部の拡開するヘ字型に折り曲げられたステンレス鋼板から成る。
【0057】
又、(60)(61)は同じく容器半製シート(M)における容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部(b)を真下から安定良く受け持つ複数(図例では合計4列)のヒンジ部用受けレールであるが、これは上記刃物ロール(39)を挟むように対応する出口側と入口側との前後一対づつとして、その対称形態に分割された各個のMCナイロンから成り、その前後一対づつのヒンジ部用受けレール(60)(61)からは図5、7、8に示すような複数(図例では合計2本)づつのネジ脚杆(62)(63)が一体的に垂下されている。
【0058】
(64)(65)は上記固定支軸(37)に沿って左右方向へスライドさせることもできる取付基台(40)から、各々前後方向へ一体的に張り出された一対づつの水平な支持ステーであり、その各支持ステー(64)(65)に上方からヒンジ部用受けレール(60)(61)の上記ネジ脚杆(62)(63)が差し込み貫通された上、固定ナット(66)(67)によって昇降調整可能に締結されている。
【0059】
しかも、その各支持ステー(64)(65)に開口するネジ脚杆用受け入れ孔(68)(69)は、図4のような前後方向に沿い延在する長孔として、やはり卵包装容器(P)のサイズが大小変化するも、これに応じて上記ヒンジ部用受けレール(60)(61)の前後一対づつを、刃物ロール(39)へ極力接近する位置関係として取り付け調整できるようになっており、ミシン目(52)(53)の安定な加工に役立つ。
【0060】
他方、(70)(71)は水平な出口側可動バーと入口側可動バーとの前後一対であり、図3〜5から明白なように、その入口側可動バー(71)が上記ハンガー枠(H)を形作っている水平バー(20)と、水平な駆動軸(23)との上下相互間に対応位置する高さとして、そのハンガー枠(H)における両サイド脚板(21)の上部へ固定横架されているに比し、出口側可動バー(70)は上記駆動軸(23)と容器半製シート(M)との上下相互間に対応位置する高さとして、同じくハンガー枠(H)における両サイド脚板(21)の下部へ固定横架されている。
【0061】
そのため、これらは上記出口側固定バー(56)並びに入口側固定バー(57)と異なり、上記エヤーシリンダー(13)によってハンガー枠(H)と一緒に昇降作動可能である。その意味から可動バーと称した。
【0062】
(72)は上記出口側のヒンジ部用受けレール(60)と直交する如く、その出口側可動バー(70)に固定支持された容器半製シート用押え板であって、図5のような前後両端縁部が上向きに曲げ起された平滑なステンレス鋼板から成り、容器本体(10)が上向きに開放する容器半製シート(M)の全体を横断して、その容器半製シート(M)の浮き上がりや波打ちを防止するが、その移送に抵抗を与えることはない。
【0063】
更に、(73)は上記入口側可動バー(71)に沿う左右方向へのスライド自在に套嵌された複数(図例では合計4個)の角型スリーブ、(74)はその各スリーブ(73)から入口部への後向き一体的に張り出された水平なハンガーステーであり、上記容器半製シート(M)における容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部(b)へ上方から臨んでいる。
【0064】
(75)は上記入口側のヒンジ部用受けレール(61)と向かい合う対応位置関係として、その折り曲げヒンジ部(b)を真上から押える複数(図例では合計4列)のヒンジ部用押え片であり、やはり容器半製シート(M)の浮き上がりや波打ちを防止するが、その移送に抵抗を与えることはない。
【0065】
上記ヒンジ部用押え片(75)は、何れも図5のような入口部が反り上がる橇板状の硬質なプラスチック材から成り、その上面には皿ビス(図示省略)を介して、金属材の背板(76)が各々重合一体化されている。(77)はその各背板(76)から一体的に垂立する複数(図例では合計2本)のネジ支柱であり、上記ハンガーステー(74)へ下方から差し込み貫通された上、固定ナット(78)によって昇降調整可能に締結されている。
【0066】
その場合、その各ハンガーステー(74)に開口するネジ支柱用受け入れ孔(79)は、図3のような前後方向に沿い延在す長孔として、卵包装容器(P)のサイズが大小変化するも、これに応じて上記ヒンジ部用押え片(75)を刃物受けロール(31)へ極力接近する位置関係として取り付け調整できるようになっており、ミシン目(52)(53)を安定良く加工することに役立つ。
【0067】
上記構成を備えた加工装置により、卵包装容器(P)の折り曲げヒンジ部(b)へ平行な2列の開封用ミシン目(52)(53)を加工するに当っては、予じめエヤーシリンダー(13)によりハンガー枠(H)を下降作動させて、その水平な駆動軸(23)上の容器半製シート用送り駆動ロール(30)と、固定支軸(37)上の対応位置する容器半製シート用送り従動ロール(38)とを弾力的に接触させると共に、同じく駆動軸(23)上に並列する刃物受けロール(31)の刃先逃し入れ凹溝(32)と、固定支軸(37)上の対応位置する刃物ロール(39)の丸鋸状回転刃(51)とを悉く正確な咬み合い状態に調整しておく。
【0068】
そして、容器本体(10)が上向きに開放する展開状態として、図外の成形機から送られてきた帯状容器半製シート(M)の左右両端耳部(c)を、駆動モーター(15)により回転駆動される上記送り駆動ロール(30)と、これと連れ廻る上記送り従動ロール(38)により上下方向から挟み付け乍ら、又同じく容器半製シート(M)における容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部(b)を、やはり駆動モーター(15)により回転駆動される刃物受けロール(31)と、これと連れ廻る刃物ロール(39)により上下方向から挟み付け乍ら、図示矢印(A)の前方へ移送する。
【0069】
その場合、容器半製シート(M)の送り駆動ロール(30)と刃物受けロール(31)とは互いにほぼ同じ直径として、共通の駆動軸(23)上に並列設置されているため、その同期回転することは言うまでもない。
【0070】
そうすれば、上記容器半製シート(M)の下側(容器の外側)から引張りコイルバネ(48)の押し上げ付勢力を受けた刃物ロール(39)の回転刃(51)が、上側(容器の内側)の刃物受けロール(31)に開口する刃先逃し入れ凹溝(32)へ自づと進入することにより、その上下方向から挟み付けている容器半製シート(M)の上記折り曲げヒンジ部(b)へ、平行な2列の開封用ミシン目(52)(53)を切り抜き加工することができ、その加工し乍らシート(M)を出口部へスリップすることなく移送することになる。このようなミシン目(52)(53)の切り抜き加工が、帯状容器半製シート(M)に合計4列の複数組として並ぶ容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部(b)へ、一挙同時に行なわれることは言うまでもない。
【0071】
その際、容器半製シート(M)はその卵包装容器(P)同士の隣り合う境界部(a)と上記折り曲げヒンジ部(b)において、真下から対応位置する境界部用受けレール(58)とヒンジ部用受けレール(60)(61)により各々受け持たれているため、横振れすにおそれがないほか、同じく容器半製シート(M)の折り曲げヒンジ部(b)とその出口側の全体において、真上から対応位置するヒンジ部用押え片(75)と容器半製シート用押え板(72)により各々規制されているため、浮き上がりや波打ちを生じるおそれもなく、その前方へ正しく直進する結果、上記ミシン目(52)(53)を確実に安定良く切り抜き加工することができる。
【0072】
又、径大な刃物受けロール(31)が容器半製シート(M)の上側位置にあって、駆動モーター(15)により回転駆動されるようになっている一方、上記容器半製シート(M)の下側位置にある径小な刃物ロール(39)が、常時引張りコイルバネ(48)の押し上げ付勢力を受けていることにより、上記刃物受けロール(31)に追従して連れ廻るに過ぎないため、その容器半製シート(M)の移送に抵抗を一切与えず、ミシン目(52)(53)の連続して大きく切り抜かれてしまうおそれがない。しかも、上記刃物ロール(39)と刃物受けロール(31)との回転周速差に基き、その径小な刃物ロール(39)の回転刃(51)によって、ミシン目(52)(53)を速やかに効率良く加工することもできるのである。
【0073】
何れにしても、上記折り曲げヒンジ部(b)にミシン目(52)(53)を加工された帯状の容器半製シート(M)は、その加工装置の出口部から移送後、図外の型抜き加工機(裁断機)により姿抜きされ、図11〜14のような各個の卵包装容器(P)として完成されることになる。
【0074】
そして、その卵包装容器(P)は鶏卵の収容後、容器本体(10)と蓋体(11)とのフリーなフランジ同士が閉合状態にヒートシールされた上、販売に供されるため、これを購入した消費者としては、上記折り曲げヒンジ部(b)に加工されている平行な2列のミシン目(52)(53)を、手先によって引き裂き開封し、鶏卵を取り出すことになる。(80)はそのヒートシール部である。
【0075】
その場合、上記ミシン目(52)(53)は卵包装容器(P)の外側から進入する刃物ロール(39)によって切り抜かれているため、その切り抜き開口縁部から余分なバリ(反り返り)(52a)(53a)が万一はみ出すとしても、それは必らず図15のように内向く結果となり、図16〜18に基いて説示した従来例の危険性を生じるおそれがないのである。
【0076】
念のために言えば、上記折り曲げヒンジ部(b)へ卵包装容器(P)の外側から平行な2列の開封用ミシン目(52)(53)を加工するに当り、仮りに容器半製シート(M)を容器本体(10)の下向きに開放する伏せた展開状態として移送し、その上側から引き下げ弾圧付勢力を受けた刃物ロール(39)により切り抜き加工するとすれば、その刃物ロール(39)の荷重と引き下げ弾圧付勢力とが重畳して、容器半製シート(M)へ大きな抵抗を与えることになるため、容器半製シート(M)が薄肉(例えば約0.2〜0.3mm)なプラスチックシート材から成ることとも相俟って、上記ミシン目(52)(53)の連続して大きく切り抜かれてしまうおそれがあり、その加工の精度や安定性を期待することができない。
【0077】
尚、本発明の加工装置では図示の実施形態から明白なように、刃物ロール(39)やその刃物受けロール(31)、容器半製シート用の送り駆動ロール(30)並びに送り従動ロール(38)、境界部用受けレール(58)、ヒンジ部用受けレール(60)(61)、ヒンジ部用押え片(75)などが悉く左右方向へスライド調整できるようになっているほか、上記駆動軸(23)を支持したハンガー枠(H)がエヤーシリンダー(13)によって、又上記ヒンジ部用受けレール(60)(61)がネジ脚杆(62)(63)によって、更に上記ヒンジ部用押え片(75)がネジ支柱(77)によって、各々昇降調整できるようになってもいるため、卵包装容器(P)におけるサイズの大小変化に応じて、そのミシン目加工装置を汎用し得るのであり、対応性が広がる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明に係る開封用ミシン目の加工装置を示す全体概略正面図である。
【図2】図1の側断面図である。
【図3】図2の要部拡大平面図である。
【図4】図3の底面図である。
【図5】図3の5−5線拡大断面図である。
【図6】図5の6−6線拡大断面図である。
【図7】図6の7−7線断面図である。
【図8】図5の8−8線拡大断面図である。
【図9】刃物ロールとその刃物受けロールとの咬み合い状態を示す拡大図である。
【図10】図9の10−10線拡大断面図である。
【図11】卵包装容器の完成品を示す斜面図である。
【図12】図11の12−12線拡大断面図である。
【図13】容器本体と蓋体との閉合状態を示す平面図である。
【図14】図13の14−14線拡大断面図である。
【図15】図14の折り曲げヒンジ部を抽出して示す拡大図である。
【図16】従来の卵包装容器を示す斜面図である。
【図17】従来品の各種折り曲げヒンジ部を示す断面模式図である。
【図18】図17(イ)の折り曲げヒンジ部を抽出して示す拡大図である。
【符号の説明】
【0079】
(10)・容器本体
(11)・蓋体
(12)・天板
(13)・エヤーシリンダー
(14)・底板
(15)・駆動モーター
(16)・中段補強梁
(17)・サイド壁板
(20)・水平バー
(21)・サイド脚板
(22)・ピストンロッド
(23)・駆動軸
(24)・入力ギヤ
(25)・伝動ギヤ
(27)・昇降ガイド
(29)・連結ステー
(30)・送り駆動ロール
(31)・刃物受けロール
(32)・刃先逃し入れ凹溝
(37)・固定支軸
(38)・送り従動ロール
(39)・刃物ロール
(40)・取付基台
(42)・ロッド受け入れ口筒
(43)・昇降ロッド
(44)・蓋板
(48)・引張りコイルバネ
(49)・ロール軸受板
(50)・固定ビス
(51)・丸鋸状回転刃
(51a)・刃先
(52)(53)・ミシン目
(52a)(53a)・バリ(反り返り)
(54)・挺子レバー
(54a)・カム面
(55)・支点ピン
(56)(57)・固定バー
(58)・境界部用受けレール
(59)・導入ガイド板
(60)(61)・ヒンジ部用受けレール
(62)(63)・ネジ脚杆
(64)(65)・支持ステー
(66)(67)・固定ナット
(68)(69)・ネジ脚杆用受け入れ孔
(70)(71)・可動バー
(72)・容器半製シート用押え板
(74)・ハンガーステー
(75)・ヒンジ部用押え片
(76)・背板
(77)・ネジ支柱
(78)・固定ナット
(79)・ネジ支柱用受け入れ孔
(A)・進行方向
(F)・装置フレーム
(M)・容器半製シート
(P)・卵包装容器
(S)・一定ストローク
(a)・境界部
(b)・折り曲げヒンジ部
(c)・左右両端耳部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックシート材から容器本体(10)と蓋体(11)との複数組が並列状態に一体成形された卵包装容器(P)の大きな帯状容器半製シート(M)を、その容器本体(10)の上向きに開放する展開状態として前方(A)へ移送中、その容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部(b)へ各々平行な2列の開封用ミシン目(52)(53)を一挙同時に加工する方法であって、
円周面から平行な2列の丸鋸状回転刃(51)が突出する径小な刃物ロール(39)の複数を、上記容器半製シート(M)の折り曲げヒンジ部(b)へ下側から各々臨ませて、その各刃物ロール(39)に常時押し上げ方向への弾圧付勢力を与える一方、
上記回転刃(51)の刃先逃し入れ凹溝(32)が円周面に切り欠かれた径大な刃物受けロール(31)の対応する複数を、同じく容器半製シート(M)の折り曲げヒンジ部(b)へ上側から臨ませて、
その複数の刃物受けロール(31)を回転駆動することにより、これに追従して速く連れ廻る刃物ロール(39)の回転刃(51)が、そのロール(31)(39)同士での上下方向から挟み付けられた状態にある容器半製シート(M)へ下方から進入して、その折り曲げヒンジ部(b)へ平行な2列の開封用ミシン目(52)(53)を切り抜くことを特徴とするプラスチック製卵包装容器における開封用ミシン目の加工方法。
【請求項2】
刃物受けロール(31)と同期回転される径大な容器半製シート用送り駆動ロール(30)と、その送り駆動ロール(30)に追従して速く連れ廻る径小な容器半製シート用送り従動ロール(38)との上下一対によって、帯状容器半製シート(M)の左右両端耳部(c)を弾力的に挟み付けることを特徴とする請求項1記載のプラスチック製卵包装容器における開封用ミシン目の加工方法。
【請求項3】
容器半製シート(M)における容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部(b)へ、下側から臨む刃物ロール(39)と上側から臨む刃物受けロール(31)との一対づつを、卵包装容器(P)におけるサイズの大小変化に応じて左右方向へスライド調整できるように定めたことを特徴とする請求項1記載のプラスチック製卵包装容器における開封用ミシン目の加工方法。
【請求項4】
容器半製シート(M)における容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部(b)を、刃物ロール(39)を挟むように対応位置する前後一対づつのヒンジ部用受けレール(60)(61)によって、その真下から受け持つ一方、
その後側のヒンジ部用受けレール(61)と向かい合うヒンジ部用押え片(75)と、前側のヒンジ部用受けレール(60)と直交する如く横断する容器半製シート用押え板(72)によって、上記折り曲げヒンジ部(b)を上方から押えることを特徴とする請求項1記載のプラスチック製卵包装容器における開封用ミシン目の加工方法。
【請求項5】
プラスチックシート材から容器本体(10)と蓋体(11)との複数個が並列状態に一体成形された卵包装容器(P)の大きな帯状容器半製シート(M)を、その容器本体(10)の上向きに開放する展開状態として前方(A)へ移送中、その容器本体(10)と蓋体(11)との折り曲げヒンジ部(b)へ各々平行な2列の開封用ミシン目(52)(53)を一挙同時に加工する装置であって
鋼材から枠組み一体化された天板(12)上にハンガー枠昇降作動用エヤーシリンダー(13)と、底板(14)上に駆動モーター(15)とを搭載した装置フレーム(F)と、
その装置フレーム(F)の枠内に横架する門字型として、上記エヤーシリンダー(13)により昇降作動可能に吊持されたハンガー枠(H)と、
そのハンガー枠(H)への水平な軸受状態として、上記駆動モーター(15)により回転駆動される駆動軸(23)と、
上記容器半製シート(M)の折り曲げヒンジ部(b)に対応位置する並列分布状態として、その駆動軸(23)上へ一体回転可能に嵌め付けられ、且つ円周面に平行な2列の刃先逃し入れ凹溝(32)を有する複数の径大な刃物受けロール(31)と、
同じく駆動軸(23)のほぼ真下位置に平行する水平状態として、上記装置フレーム(F)の枠内に横架された固定支軸(37)と、
その固定支軸(37)上へ並列分布状態に嵌め付けられた取付基台(40)と、これに付属するロッド受け入れ口筒(42)へ差し込み貫通された昇降ロッド(43)を介して、その昇降ロッド(43)の上端部へ遊転自在に軸支され、且つ円周面から上記刃物受けロール(31)の刃先逃し入れ凹溝(32)と対応位置する平行な2列の丸鋸状回転刃(51)が突設された複数の径小な刃物ロール(39)と、
その各刃物ロール(39)の回転刃(51)を上記刃物受けロール(31)の刃先逃し入れ凹溝(32)と咬み合うように常時押し上げ付勢すべく、上記昇降ロッド(43)とそのロッド受け入れ口筒(42)との相互間に連繋掛架された引張りコイルバネ(48)とを備え、
上記駆動軸(23)上の刃物受けロール(31)を回転駆動して、これと速く連れ廻る刃物ロール(39)の回転刃(51)を、上記刃物受けロール(31)の刃先逃し入れ凹溝(32)へ下方から進入させることにより、そのロール(31)(39)同士の上下相互間に挟み付けられた状態にある容器半製シート(M)の折り曲げヒンジ部(b)へ、平行な2列の開封用ミシン目(52)(53)を切り抜くように定めたことを特徴とするプラスチック製卵包装容器における開封用ミシン目の加工装置。
【請求項6】
弾性材から成る容器半製シート用送り駆動ロール(30)の左右一対を、水平な駆動軸(23)上の両端部付近へ一体回転し得るように嵌め付ける一方、
同じ弾性材から成る径小な容器半製シート用送り従動ロール(38)の左右一対を、水平な固定支軸(37)上の対応的な両端部付近へ昇降自在に取り付けて、その送り従動ロール(38)に常時押し上げ方向への弾圧付勢力を与え、
上記送り駆動ロール(30)と、これに追従して速く連れ廻る上記送り従動ロール(38)との上下一対づつにより、帯状容器半製シート(M)の左右両端耳部(c)を弾力的に挟み付けたことを特徴とする請求項5記載のプラスチック製卵包装容器における開封用ミシン目の加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−1395(P2008−1395A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172490(P2006−172490)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(390030281)株式会社栗原製作所 (4)
【Fターム(参考)】