説明

プラズマエッチング方法及び該方法に使用する載置台

【課題】チャンバ内に置かれるタイプの全体に平坦な加工品に細長い特徴部分をプラズマエッチングするための方法を提供する。
【解決手段】該方法は、チャンバ内に平らに配置されている試験加工品13をエッチングすること、加工品に直角に通る軸に対して特徴部分16の長手方向の部分のそれぞれの角度を決定すること、及び少なくとも加工品の中央部分に渡って角度を略0°に低減するのに必要とされる加工品の曲率を決定することとを含んでいる。更に、この方法は、加工品が決定された曲率で曲げられている一方で、同じタイプの加工品をさらに処理することを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマエッチング方法及びそのような処理に使用する載置台に関する。
【背景技術】
【0002】
全てのプラズマエッチング処理における最大の関心事は、半導体ウェハの少なくとも中央部に渡ってエッチングされた特徴部分において、最高の均一性を達成するのを求めることである。この均一性を改善するための多種多様の技術が知られているが、ほとんどあらゆるチャンバーにおいて、プラズマ内のイオン濃度がチャンバーの壁面近くよりも中央部において高い。少なくとも単純化したモデルでは、この領域から発生するイオンは、プラズマの中心から放射し、その結果、イオンは一般にはウェハの中心軸の近くに作用するが、該中心軸からの距離(半径)が増加するにつれ、イオンは、増加の一途をたどる角度で作用する。このことは、エッチングされる特徴部分の長手方向の部分もまた、半径の増加に伴なって角度が傾けられる傾向にあることを意味している。現在までこの問題に対する適切な解決は見い出されていない。本出願人は、少なくともこの問題を緩和するのに役に立つ方法及び載置台を開発した。
【発明の概要】
【0003】
こうして、本発明の1つの態様は、チャンバ内に置かれるタイプの全体に平坦な加工品(例えば半導体ウェハ)に細長い特徴部分をプラズマエッチングする方法よりなり、該プラズマエッチング方法が、
(a)チャンバ内に平らに配置されたテスト加工品をエッチングすること;
(b)該加工品を直角に通る軸に対する該特徴部分の長手方向の部分のそれぞれの角度を決定すること;
(c)少なくとも該加工品の中央部分に渡って該角度を略0°に減ずるのに必要とされる該加工品の曲率を決定すること;及び
(d)同じタイプの加工品をさらに処理する一方で、該加工品がステップ(c)で決定された曲率で曲げられていることを含んでいる。
【0004】
本出願人が決定したことは、この問題の解決ではプラズマの均質性を増加しようとする試みはしないで、むしろどの特有のチャンバ内においても均質性の欠如の影響を経験的に決定し、ウェハの表面のいかなる部分に当たるイオンもほぼ直交するように、出来るだけ多くウェハに向かわせることである。
【0005】
この曲率は、望ましい曲率を定めている凹状部分を有しているチャック又は載置台に加工品をさらに保持することによって達成される。チャック又は載置台の曲げられた部分は、ステップ(a)のための平らな方向に加工品を保持するために周囲にランド部を有している。このウェハは最初にこのランド部に置かれ、例えば静電気引力によって凹状部分へと引き降ろされる。
このチャックは、静電気クランピングチャックである。
【0006】
本発明の別の態様は、エッチング処理中にウェハを凹状の方向に保持するために凹状支持面を有する、プラテン上に取り付けるためのウェハ載置台よりなる。
【0007】
別の方法として、ウェハは該支持面に付着される。
【0008】
いずれの場合でも、ウェハ載置台は、初期の平らな状態にウェハを支持するための周囲のランド部と、エッチングに先立って凹状支持面上へとウェハを引き寄せるための真空源及び/又は静電気吸引力と、を含んでいる。ウェハ載置台は、少なくとも一部は、例えばアルミナ又はサファイアのような誘電体から作られる。好ましくは、静電気スタック(積層)のように同じ材料から作られる。
【0009】
本発明は、上記に説明されているが、上記又は以下の説明による特徴部分の創意に富む組み合わせを含んでいることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は様々な方法で実施できるが、例として、添付の図面を参考に特定の実施例を説明する。
【図1】図1は、プラズマエッチングチャンバの概念図である。
【図2】図2は、図1のチャンバ内に平らな状態でエッチングされるウェハの例示である。
【図3】図3は、凹状の載置台上に置かれた同等のウェハを示している。
【図4】図4は、エッチング後に載置台から解放された、図3に示されるウェハの概略の例示である。
【図5】図5は、凹状の載置台のへこみ具合がどのように計算されるかを示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
プラズマエッチングチャンバは、数字10で概略的に示されている。手段(図で示されていない)が、チャンバ内でプラズマ11をぶつけるために設けられている。プラズマ11は、プラテン12を覆っており、プラテン12上で、ウェハ13は載置台14上に支持されている。セラミックリング15が、非均一性を低減するためにウェハ位置の周辺に設けられている。
【0012】
上記で説明した理由で、ウェハにエッチングした長手方向の特徴部分(図2を参照)は、非均一性の影響により中心軸17に向かって次第に傾いて行く。図示されるように、この傾斜角度は、中心軸17からの半径が増加するにつれ次第に大きくなり、例えばφ2>φ1になる。この関係が半径に依存するものであるということを認識し、本出願人は、図3に示されるように、それはウェハ14をくぼませることによって是正できるということを決定した。このことは、適切な凹状の支持面18をもつ載置台14aを提供することによって、最も簡単に成し遂げられる。ウェハが載置台14から取り外されると、ウェハは、長手方向の特徴部分16がウェハ表面に対して直角である、図4に示されるように形成される。
【0013】
プラズマの状態が非常にチャンバに依存される傾向にあるので、本出願人は、この処理を利用する最善の方法は、図2に示されるような平らな状態でウェハを処理すること、角度φの値を決定すること及びこのことから、図3に示される配置を達成するために必要とされる、くぼみの程度を決定することであると決めた。
【0014】
図5に示される図表を用いて、コンピュータにより計算される。この図はまた、ウェハを支持する載置台14aの凹状の面のためのくぼみ深さ(y)が、どのように計算されるかを示している、150mm半径のウェハのために計算例を含んでいる。
【0015】
プラテン12は、参考のためにここに示されている英国公開第23406591号(GB−A−23406591)に記載されているような高圧静電気チャックの形であってもよい。例えば、電圧は、2KVと7KV範囲で使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ内に置かれるタイプの全体にプラズマされる加工品の細長い特徴部分のプラズマエッチング方法において、該方法が、
(a)チャンバ内に平らに配置されている試験加工品をエッチングすること;
(b)該加工品を直角に通る軸に対して該特徴部分の長手方向の部分のそれぞれの角度を決定すること;
(c)少なくとも該加工品の中央部分にわたって該角度を略0°に低減ずるのに必要とされる該加工品の曲率を決定すること;及び
(d)同じタイプの加工品をさらに処理する一方で、該加工品がステップ(c)で決定された曲率で曲げられること、
とを含んでいるプラズマエッチング方法。
【請求項2】
該曲率が、望ましい曲率を定めている凹状部分であるチャック又は載置台上のさらに該加工品を保持することによって達成されるところの請求項1に記載のプラズマエッチング方法。
【請求項3】
該チャック又は載置台が、ステップ(a)のための平らな方向に加工品を保持するために周囲のランド部を有しているところの請求項2に記載のプラズマエッチング方法。
【請求項4】
該ウェハが、該ランド部上に置かれ、真空吸引及び/又は静電気吸引力によってさらに該チャックの凹状部分へと引き込まれるところの請求項3に記載のプラズマエッチング方法。
【請求項5】
該チャックが、静電気クランプチャックであるところの請求項2〜4のいずれか一項に記載のプラズマエッチング方法。
【請求項6】
該チャックが、2KV及び7KVの間で行われるところの請求項5に記載のプラズマエッチング方法。
【請求項7】
プラテン上に取り付けるためのウェハ載置台が、
エッチング処理中にウェハを凹状の位置に保持するための凹状支持面を有することを特徴とするウェハ載置台。
【請求項8】
該ウェハが、該支持面に付着されるところの請求項7に記載のウェハ載置台。
【請求項9】
初期の平らな状態に該ウェハを支持するための周辺のランド部と、エッチングに先だって該ウェハを該凹状支持面へと引き込むための真空源及び/又は静電気吸引力とを含んでいるところの請求項7に記載のウェハ載置台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−171429(P2010−171429A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−12308(P2010−12308)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(510021753)エスピーピー プロセス テクノロジー システムズ ユーケー リミティド (3)
【Fターム(参考)】