プラズマ装置
【課題】基板上に堆積された薄膜の膜厚の均一性を向上する。
【解決手段】プラズマ装置100は、アンテナ21〜24を備える。アンテナ21〜24は、反応容器110の天板112に固定される。アンテナ21,24は、基板ホルダー120との距離が12cmに設定され、アンテナ22,23は、基板ホルダー120との距離が25cmに設定される。アンテナ21〜24は、一方端が平板部材60に接続され、他方端が接地電位GNDに接続される。高周波電源170は、高周波電力を整合器160を介して平板部材60に供給する。
【解決手段】プラズマ装置100は、アンテナ21〜24を備える。アンテナ21〜24は、反応容器110の天板112に固定される。アンテナ21,24は、基板ホルダー120との距離が12cmに設定され、アンテナ22,23は、基板ホルダー120との距離が25cmに設定される。アンテナ21〜24は、一方端が平板部材60に接続され、他方端が接地電位GNDに接続される。高周波電源170は、高周波電力を整合器160を介して平板部材60に供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラズマ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、四角形の平面形状からなる反応容器と、反応容器の4個の側壁に配置された複数の高周波アンテナとを備えるプラズマ装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
このプラズマ装置においては、複数の高周波アンテナの電圧または電流を制御するためのインピーダンス素子を用いて反応容器内で発生されるプラズマ密度が均一になるようにインピーダンス素子のインピーダンス値が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−228354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のプラズマ装置を用いて基板上に半導体薄膜を堆積した場合、半導体薄膜の膜厚が基板の面内方向において不均一になるという問題がある。
【0006】
そこで、実施の形態によるプラズマ装置は、基板上に堆積された薄膜の膜厚の均一性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の実施の形態によれば、プラズマ装置は、反応容器と、支持部材と、複数のアンテナとを備える。支持部材は、反応容器内において基板を支持する。複数のアンテナは、反応容器の天板に固定されるとともに、支持部材によって支持された基板との間の空間にプラズマを発生させ、各々が略U字形状を有する。そして、複数のアンテナは、複数の第1のアンテナと、複数の第2のアンテナとを含む。複数の第1のアンテナは、基板との間の空間において第1の電子密度を有するプラズマを発生する。複数の第2のアンテナは、天板の面内方向において複数の第1のアンテナの内周側または複数の第1のアンテナの内周側および隣接する2つの第1のアンテナ間に配置され、基板との間の空間において第1の電子密度よりも低い第2の電子密度を有するプラズマを発生する。
【発明の効果】
【0008】
この発明の実施の形態によるプラズマ装置においては、基板の外周部に対向する位置におけるプラズマの電子密度は、基板の内周部に対向する位置におけるプラズマの電子密度よりも高い。その結果、基板の外周部に堆積される薄膜の成長速度は、基板の内周部に堆積される薄膜の成長速度よりも速い。
【0009】
従って、基板上に堆積される薄膜の膜厚の均一性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図2】図1に示すA方向から見た天板およびアンテナの平面図である。
【図3】図2に示すアンテナ11〜14および平板部材50の斜視図である。
【図4】図1および図2に示すアンテナ21〜24および平板部材60の斜視図である。
【図5】多結晶シリコンの膜厚とプラズマの電子密度との関係を示す図である。
【図6】実施の形態1による他のプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図7】実施の形態2によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図8】図7に示す天板の斜視図である。
【図9】図7に示すA方向から見たアンテナ、天板、および平板部材の平面図である。
【図10】実施の形態2による他のプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図11】実施の形態3によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図12】図11に示す天板および平板部材の斜視図である。
【図13】図11に示すA方向から見たアンテナ、天板および平板部材の平面図である。
【図14】実施の形態4によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図15】図14に示すA方向から見たアンテナ、天板および平板部材の平面図である。
【図16】図15に示す平板部材510およびアンテナ11A〜14Aの斜視図である。
【図17】図15に示す平板部材520およびアンテナ21A,22,23,24Aの斜視図である。
【図18】実施の形態5によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図19】図18に示すA方向から見たアンテナ、天板および平板部材の平面図である。
【図20】図19に示すアンテナ11〜14、および平板部材610,611の斜視図である。
【図21】図19に示すアンテナ21〜24、および平板部材620〜624の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0012】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1によるプラズマ装置100は、アンテナ21〜24と、平板部材60と、反応容器110と、基板ホルダー120と、ヒーター130と、導入端子131,133,135,137と、ガス供給装置140と、排気装置150と、整合器160と、高周波電源170とを備える。
【0013】
反応容器110は、略直方体の外形を有し、内部が中空になっている。そして、反応容器110は、本体部111と、天板112と、オーリング113とを含む。本体部111および天板112の各々は、ステンレスまたはアルミニウム合金からなり、接地電位GNDに接続されている。本体部111は、ガス供給口114および排気口115を有する。
【0014】
天板112は、平板領域1121,1122からなる。平板領域1122は、アンテナ21〜24の配列方向である方向DR1において、平板領域1121の内周部に配置される。また、平板領域1122は、基板ホルダー120から天板112の方向へ平板領域1121よりも突出して配置される。この場合、基板ホルダー120と平板領域1121との距離は、例えば、27cmであり、基板ホルダー120と平板領域1122との距離は、例えば、40cmである。
【0015】
そして、平板領域1121,1122は、一体的に形成される。平板領域1121がオーリング113に接して配置される結果、天板112は、オーリング113に接して配置される。
【0016】
このように、実施の形態1においては、天板112は、平板領域1122が基板ホルダー120から天板112へ向かう方向へ平板領域1121よりも突出した断面形状を有する。
【0017】
オーリング113は、本体部111の周囲に設けられた溝に挿入されており、本体部111および天板112に接する。これによって、オーリング113は、反応容器110の内部を気密に保持する。
【0018】
アンテナ21〜24の各々は、たとえば、銅(Cu)からなる。アンテナ21〜24は、天板112を貫通し、一部が反応容器110の内部に配置される。この場合、アンテナ21〜24の各々において、反応容器110の内部に配置された部分は、例えば、40cmの長さを有する。
【0019】
アンテナ21〜24は、その一方端側がそれぞれ導入端子131,133,135,137を介して平板部材60に接続される。また、アンテナ21〜24は、その他方端側が別の導入端子(図示せず)を通って接地電位GNDに接続される。
【0020】
アンテナ21〜24は、反応容器110の天板112に沿って所定の間隔で配列される。そして、アンテナ21,24は、それぞれ、導入端子131,137によって天板112の平板領域1121に固定され、アンテナ22,23は、それぞれ、導入端子133,135によって天板112の平板領域1122に固定される。その結果、アンテナ21,24と基板ホルダー120との距離は、例えば、12cmであり、アンテナ22,23と基板ホルダー120との距離は、例えば、25cmである。
【0021】
導入端子131,133,135,137は、反応容器110の天板112に固定される。より具体的には、導入端子131,137は、天板112の平板領域1121に固定され、導入端子133,135は、天板112の平板領域1122に固定される。
【0022】
平板部材60は、たとえば、Cuからなる。そして、平板部材60は、平板領域61,62からなる。平板領域62は、基板ホルダー120から天板112へ向かう方向に平板領域61よりも突出している。そして、平板領域61と平板領域62との段差は、天板112の平板領域1121と平板領域1122との段差と同じである。その結果、平板部材60は、反応容器110の外側において、反応容器110の天板112に略平行に配置される。
【0023】
平板部材60は、1つの面がアンテナ21〜24の一方端に接続される。そして、平板部材60は、方向DR1における一方端が整合器160に接続される。
【0024】
基板ホルダー120は、反応容器110の本体部111の底面111Aに固定される。ヒーター130は、基板ホルダー120の内部に配置される。
【0025】
ガス供給装置140は、反応容器110のガス供給口114に連結される。排気装置150は、反応容器110の排気口115に連結される。整合器160は、アンテナ21〜24の配列方向における平板部材60の一方端と高周波電源170との間に接続される。高周波電源170は、整合器160と接地電位GNDとの間に接続される。
【0026】
図2は、図1に示すA方向から見た天板112およびアンテナの平面図である。図2を参照して、プラズマ装置100は、アンテナ11〜14,31〜34,41〜44と、平板部材50,70,80とを更に備える。
【0027】
なお、図2においては、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44を見易くするために、平板部材50,60,70,80は、透明体として図示されている。
【0028】
アンテナ11〜14,31〜34,41〜44の各々は、アンテナ21〜24と同じ材料からなり、アンテナ21〜24と同じ寸法を有する。アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44は、例えば、碁盤の目状に天板112に固定される。そして、アンテナ11〜14は、方向DR1におけるアンテナ21〜24の配置間隔と同じ間隔で天板112の平板領域1121に配置される。アンテナ31〜34は、方向DR1におけるアンテナ21〜24の配置間隔と同じ間隔で天板112の平板領域1121,1122に配置される。アンテナ41〜44は、方向DR1におけるアンテナ21〜24の配置間隔と同じ間隔で天板112の平板領域1121に配置される。
【0029】
また、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44は、天板112の平板領域1121に配置され、アンテナ22,23,32,33は、天板112の平板領域1122に配置される。
【0030】
平板部材50,60,70,80は、それぞれ、アンテナ11〜14、アンテナ21〜24、アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44に対応して配置される。そして、平板部材50,60,70,80は、その一方端50A,60A,70A,80Aが整合器160に接続される。
【0031】
また、平板部材50,60,70,80の各々は、長方形の平面形状を有する。
【0032】
図3は、図2に示すアンテナ11〜14および平板部材50の斜視図である。図3を参照して、プラズマ装置100は、導入端子121〜128を更に備える。
【0033】
導入端子121〜128は、導入端子131,133,135,137と同じように反応容器110の天板112の平板領域1121に固定される。
【0034】
平板部材50は、1枚の平板からなり、たとえば、10cmの幅、1cmの厚みおよび1mの長さを有する。
【0035】
アンテナ11〜14の各々は、略U字形状を有する。そして、アンテナ11〜14は、略U字形に曲げられたアンテナ11〜14をそれぞれ含む4個の平面が略平行になるように配置される。
【0036】
アンテナ11〜14のうち、直線部分11A,12A,13A,14Aは、それぞれ、導入端子121,123,125,127を通って平板部材50に接続される。また、アンテナ11〜14のうち、直線部分11B,12B,13B,14Bは、それぞれ、導入端子122,124,126,128を通って接地電位GNDに接続される。
【0037】
そして、導入端子121〜128は、反応容器110の天板112(平板領域1121)に固定されるので、アンテナ11〜14は、それぞれ、1対の導入端子121,122、1対の導入端子123,124、1対の導入端子125,126、および1対の導入端子127,128によって反応容器110の天板112の平板領域1121に固定される。その結果、アンテナ11〜14と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定される。
【0038】
なお、平板部材80は、平板部材50と同じ材料からなり、平板部材50と同じ形状および同じ寸法を有する。また、アンテナ41〜44の各々は、略U字形状を有する。そして、アンテナ41〜44は、アンテナ11〜14が平板部材50と接地電位GNDとの間に接続される方法と同じ方法によって平板部材80と接地電位GNDとの間に接続される。また、アンテナ41〜44は、導入端子121〜128と同様の導入端子によって反応容器110の天板112の平板領域1121に固定される。
【0039】
その結果、アンテナ41〜44と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定される。
【0040】
図4は、図1および図2に示すアンテナ21〜24および平板部材60の斜視図である。図4を参照して、プラズマ装置100は、導入端子132,134,136,138を更に備える。
【0041】
導入端子132,134,136,138は、導入端子131,133,135,137と同じように反応容器110の天板112に固定される。
【0042】
平板部材60の平板領域61は、例えば、10cmの幅、1cmの厚みおよび30cmの長さを有する。また、平板部材60の平板領域62は、例えば、10cmの幅、1cmの厚みおよび40cmの長さを有する。
【0043】
アンテナ21〜24の各々は、略U字形状を有する。そして、アンテナ21〜24は、略U字形に曲げられたアンテナ21〜24をそれぞれ含む4個の平面が略平行になるように配置される。
【0044】
アンテナ21,24のうち、直線部分21A,24Aは、それぞれ、導入端子131,137を通って平板部材60の平板領域61に接続される。また、アンテナ21,24のうち、直線部分21B,24Bは、それぞれ、導入端子132,138を通って接地電位GNDに接続される。
【0045】
更に、アンテナ22,23のうち、直線部分22A,23Aは、それぞれ、導入端子133,135を通って平板部材60の平板領域62に接続される。更に、アンテナ22,23のうち、直線部分22B,23Bは、それぞれ、導入端子134,136を通って接地電位GNDに接続される。
【0046】
そして、導入端子131,132,137,138は、反応容器110の天板112の平板領域1121に固定され、導入端子133,134,135,136は、天板112の平板領域1122に固定されるので、アンテナ21,24は、それぞれ、1対の導入端子131,132、および1対の導入端子137,138によって反応容器110の天板112の平板領域1121に固定され、アンテナ22,23は、それぞれ、1対の導入端子133,134、および1対の導入端子135,136によって天板112の平板領域1122に固定される。その結果、アンテナ21,24と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定され、アンテナ22,23と基板ホルダー120との距離は、25cmに設定される。
【0047】
なお、平板部材70は、平板部材60と同じ材料からなり、平板部材60と同じ形状および同じ寸法を有する。また、アンテナ31〜34の各々は、略U字形状を有する。そして、アンテナ31〜34は、アンテナ21〜24が平板部材60と接地電位GNDとの間に接続される方法と同じ方法によって平板部材70と接地電位GNDとの間に接続される。また、アンテナ31,34は、導入端子131,132,137,138と同様の導入端子によって反応容器110の天板112の平板領域1121に固定され、アンテナ32,33は、導入端子133,134,135,136と同様の導入端子によって反応容器110の天板112の平板領域1122に固定される。
【0048】
その結果、アンテナ31,34と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定され、アンテナ32,33と基板ホルダー120との距離は、25cmに設定される。
【0049】
上述したように、平板部材60,70は、それぞれ、アンテナ21〜24およびアンテナ31〜34に接続され、平板部材60,70の各々において、一部が基板ホルダー120から天板112へ向かう方向に突出している。従って、平板部材60,70は、反応容器110の外側において反応容器110の天板112に略平行に配置される。
【0050】
また、平板部材50,80は、それぞれ、アンテナ11〜14およびアンテナ41〜44に接続され、平板部材50,80の各々は、1枚の平板からなる。従って、平板部材50,80は、反応容器110の外側において反応容器110の天板112に略平行に配置される。
【0051】
図1および図3を参照して、アンテナ11〜14は、高周波電力が整合器160および平板部材50を介して高周波電源170から供給されると、平板部材50から接地電位GNDへ向かう方向に高周波電流を流し、誘導結合により反応容器110内にプラズマを発生する。
【0052】
より具体的には、高周波電力が高周波電源170から供給されると、高周波電流は、平板部材50を矢印ARW1の方向に流れ、アンテナ11〜14に流れ込む。そして、高周波電流は、アンテナ11〜14をそれぞれ矢印ARW2〜ARW5の方向へ流れ、接地電位GNDに流れ込む。その結果、アンテナ11〜14は、誘導結合によってプラズマを発生する。
【0053】
また、アンテナ41〜44は、高周波電力が整合器160および平板部材80を介して高周波電源170から供給されると、アンテナ11〜14と同じ機構によって反応容器110内にプラズマを発生する。
【0054】
図1および図4を参照して、アンテナ21〜24は、高周波電力が整合器160および平板部材60を介して高周波電源170から供給されると、平板部材60から接地電位GNDへ向かう方向に高周波電流を流し、誘導結合により反応容器110内にプラズマを発生する。
【0055】
より具体的には、高周波電力が高周波電源170から供給されると、高周波電流は、平板部材60を矢印ARW6の方向に流れ、アンテナ21〜24に流れ込む。そして、高周波電流は、アンテナ21〜24をそれぞれ矢印ARW7〜ARW10の方向へ流れ、接地電位GNDに流れ込む。その結果、アンテナ21〜24は、誘導結合によってプラズマを発生する。
【0056】
また、アンテナ31〜34は、高周波電力が整合器160および平板部材70を介して高周波電源170から供給されると、アンテナ21〜24と同じ機構によって反応容器110内にプラズマを発生する。
【0057】
再び、図1を参照して、基板ホルダー120は、基板1を保持する。この場合、基板1は、通常、四角形からなる平面形状を有するが、一般的には、円形および四角形以外の多角形からなる平面形状を有していてもよい。
【0058】
導入端子121〜128,131〜138は、アンテナ11〜14,21〜24を反応容器110の天板112に固定するとともに、アンテナ11〜14,21〜24と天板112との隙間をシールドする。また、図示されていない導入端子も、アンテナ31〜34,41〜44を反応容器110の天板112に固定するとともに、アンテナ31〜34,41〜44と天板112との隙間をシールドする。
【0059】
ヒーター130は、基板ホルダー120上に設置された基板1を所定の温度に加熱する。
【0060】
ガス供給装置140は、シラン(SiH4)ガスおよびジシラン(Si2H6)ガス等の半導体薄膜を形成するための材料ガス、水素(H2)ガスおよび窒素(N2)ガス等の希釈ガス、およびアルゴン(Ar)ガス等のエッチングガスをガス供給口114を介して反応容器110内に供給する。
【0061】
排気装置150は、たとえば、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプからなり、排気口115を介して反応容器110内を真空に引くとともに、反応容器110内の圧力を所望の圧力に調整する。
【0062】
整合器160は、高周波電源170から供給された高周波電力を反射を抑制して平板部材50,60,70,80へ供給する。
【0063】
高周波電源170は、例えば、13.56MHzの高周波電力を整合器160へ供給する。
【0064】
高周波電源170が高周波電力を整合器160を介して平板部材50,60,70,80へ供給すると、高周波電流は、平板部材50,60,70,80の一方端50A,60A,70A,80Aから矢印ARW1,ARW6の方向へ流れ、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44へ流れ込む。
【0065】
そして、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44は、上述したように、誘導結合によって、基板1との間の空間180にプラズマを発生する。
【0066】
プラズマ装置100において、多結晶シリコンを形成する方法について説明する。排気装置150を用いて反応容器110内を1×10−4Pa以下の圧力に排気する。そして、ヒーター130によって、例えば、420℃の温度に基板1を加熱する。
【0067】
その後、ガス供給装置140によってSiH4ガスおよびH2ガスを反応容器110内に供給する。この場合、SiH4ガスの流量は、2.5sccmであり、H2ガスの流量は、30sccmである。
【0068】
そして、排気装置150によって、反応容器110内の圧力を0.6〜0.7Paに設定する。
【0069】
そうすると、高周波電源170は、12kWの高周波電力を整合器160および平板部材50,60,70,80を介してアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44に供給する。
【0070】
これによって、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44は、上述した方法によって、空間180にプラズマを発生させる。そして、多結晶シリコンが基板1上に堆積される。
【0071】
所定の時間、多結晶シリコンを基板1上に堆積させると、高周波電力の供給を停止し、SiH4ガスおよびH2ガスの供給を停止し、基板温度を低下させる。
【0072】
これによって、多結晶シリコンの形成が終了する。
【0073】
図5は、多結晶シリコンの膜厚とプラズマの電子密度との関係を示す図である。図5において、縦軸は、多結晶シリコンの膜厚を表し、横軸は、プラズマの電子密度を表す。また、直線k1は、多結晶シリコンの膜厚とプラズマの電子密度との関係を示す。
【0074】
図5を参照して、多結晶シリコンの膜厚は、プラズマの電子密度の増加に伴って増加する(直線k1参照)。そして、直線k1によって示される多結晶シリコンの膜厚とプラズマの電子密度との関係は、多結晶シリコンの成膜時間を一定にしたときの多結晶シリコンの膜厚とプラズマの電子密度との関係である。従って、多結晶シリコンの成長速度は、プラズマの電子密度の増加に伴って速くなる。
【0075】
アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44と基板ホルダー120との距離が相互に同じである場合、基板1上に堆積された多結晶シリコンの膜厚は、基板1の面内方向に分布する。より具体的には、基板1の周辺部における多結晶シリコンの膜厚は、基板1の中央部における多結晶シリコンの膜厚よりも薄くなる。
【0076】
しかし、プラズマ装置100においては、基板1の周辺部に対向する位置に配置されたアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44と基板ホルダー120との距離を、基板1の中央部に対向する位置に配置されたアンテナ22,23,32,33と基板ホルダー120との距離よりも短く設定している。
【0077】
その結果、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、基板1の周辺部における多結晶シリコンの成長速度は、基板1の中央部における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0078】
従って、基板1上に堆積された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0079】
なお、上記においては、1個の高周波電源170を用いて高周波電力を4個の平板部材50,60,70,80に供給するとすると説明したが、実施の形態1においては、これに限らず、4個の平板部材50,60,70,80に対応して4個の高周波電源および4個の整合器を設け、高周波電源170および整合器160と同じ方法によって4個の平板部材50,60,70,80に独立して高周波電力を供給するようにしてもよい。
【0080】
そして、基板1上に堆積される多結晶シリコンの膜厚の均一性が向上するように、平板部材60,70に供給する高周波電力と、平板部材50,80に供給する高周波電力とを制御する。
【0081】
より具体的には、第1のパワーを有する高周波電力を平板部材60,70に供給し、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電力を平板部材50,80を供給する。
【0082】
その結果、アンテナ11〜14,41〜44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ21〜24,31〜34によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。また、アンテナ21,24,31,34によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11〜14,41〜44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も速くなり、アンテナ21,24,31,34に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が2番目に速くなり、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も遅くなる。
【0083】
従って、方向DR1における多結晶シリコンの膜厚の均一性を上述した機構によって向上できるとともに、方向DR1に直交する方向DR2(図2参照)における多結晶シリコンの膜厚の均一性を更に向上できる。
【0084】
図6は、実施の形態1による他のプラズマ装置の構成を示す概略図である。実施の形態1によるプラズマ装置は、図6に示すプラズマ装置100Aであってもよい。
【0085】
図6を参照して、プラズマ装置100Aは、図1に示すプラズマ装置100の平板部材60,70を平板部材65〜67に代え、整合器160を整合器161〜165に代え、高周波電源170を高周波電源171〜175に代えたものであり、その他は、プラズマ装置100と同じである。
【0086】
平板部材65は、アンテナ21,31に対応して設けられ、アンテナ21,31の一方端に接続される。平板部材66は、アンテナ22,23,32,33に対応して設けられ、アンテナ22,23,32,33の一方端に接続される。平板部材67は、アンテナ24,34に対応して設けられ、アンテナ24,34の一方端に接続される。
【0087】
アンテナ21,31と平板部材65との接続、アンテナ22,23,32,33と平板部材66との接続、およびアンテナ24,34と平板部材67との接続は、上述した方法によって行なわれる。
【0088】
整合器161は、平板部材50の一方端50Aと高周波電源171との間に接続される。高周波電源171は、整合器161と接地電位GNDとの間に接続される。
【0089】
整合器162は、平板部材65の一方端65Aと高周波電源172との間に接続される。高周波電源172は、整合器162と接地電位GNDとの間に接続される。
【0090】
整合器163は、平板部材66の一方端66Aと高周波電源173との間に接続される。高周波電源173は、整合器163と接地電位GNDとの間に接続される。
【0091】
整合器164は、平板部材67の一方端67Aと高周波電源174との間に接続される。高周波電源174は、整合器164と接地電位GNDとの間に接続される。
【0092】
整合器165は、平板部材80の一方端80Aと高周波電源175との間に接続される。高周波電源175は、整合器165と接地電位GNDとの間に接続される。
【0093】
整合器161は、高周波電源171から供給された高周波電力を反射波を抑制して平板部材50へ供給する。高周波電源171は、高周波電力を整合器161へ供給する。
【0094】
整合器162は、高周波電源172から供給された高周波電力を反射波を抑制して平板部材65へ供給する。高周波電源172は、高周波電力を整合器162へ供給する。
【0095】
整合器163は、高周波電源173から供給された高周波電力を反射波を抑制して平板部材66へ供給する。高周波電源173は、高周波電力を整合器163へ供給する。
【0096】
整合器164は、高周波電源174から供給された高周波電力を反射波を抑制して平板部材67へ供給する。高周波電源174は、高周波電力を整合器164へ供給する。
【0097】
整合器165は、高周波電源175から供給された高周波電力を反射波を抑制して平板部材80へ供給する。高周波電源175は、高周波電力を整合器165へ供給する。
【0098】
プラズマ装置100Aにおいては、高周波電源173は、第1のパワーを有する高周波電力を整合器163を介して平板部材66に供給し、高周波電源171,172,174,175は、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電力をそれぞれ整合器161,162,164,165を介して平板部材50,65,67,80に供給する。
【0099】
その結果、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度は、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0100】
従って、プラズマ装置100を用いて多結晶シリコンを形成した場合よりも、方向DR1,DR2における多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0101】
実施の形態1によれば、プラズマ装置100,100Aは、基板ホルダー120との距離が25cmに設定されたアンテナ22,23,32,33と、基板ホルダー120との距離が12cmに設定されたアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44とを備える。
【0102】
その結果、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度がアンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0103】
従って、基板1上に堆積された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0104】
なお、実施の形態1においては、平板部材50がアンテナ11,21,31,41に接続され、平板部材60がアンテナ12,22,32,42に接続され、平板部材70がアンテナ13,23,33,43に接続され、平板部材80がアンテナ14,24,34,44に接続されるようにしてもよい。
【0105】
[実施の形態2]
図7は、実施の形態2によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。図7を参照して、実施の形態2によるプラズマ装置200は、図1に示すプラズマ装置100の反応容器110を反応容器110Aに代え、平板部材60を平板部材250に代えたものであり、その他は、プラズマ装置100と同じである。
【0106】
なお、図7においては、アンテナ21〜24に代えてアンテナ11〜14を表示し、導入端子131,133,135,137に代えて導入端子121,123,125,127を表示している。
【0107】
反応容器110Aは、図1に示す反応容器110の天板112を天板112Aに代えたものであり、その他は、反応容器110と同じである。
【0108】
天板112Aは、平板領域1121A,1122Aからなる。平板領域1122Aは、方向DR1において平板領域1121Aの内周部に配置される。また、平板領域1122Aは、基板ホルダー120から天板112Aの方向へ平板領域1121Aよりも突出して配置される。この場合、基板ホルダー120と平板領域1121Aとの距離は、例えば、27cmであり、基板ホルダー120と平板領域1122Aとの距離は、例えば、40cmである。
【0109】
そして、平板領域1121A,1122Aは、一体的に形成される。平板領域1121Aがオーリング113に接して配置される結果、天板112Aは、オーリング113に接して配置される。
【0110】
平板部材250は、平板領域251,252からなる。平板領域252は、方向DR1において平板領域251の内周部に配置される。また、平板領域252は、基板ホルダー120から天板112Aの方向へ平板領域251よりも突出して配置される。そして、平板領域251と平板領域252との段差は、天板112Aにおける平板領域1121Aと平板領域1122Aとの段差と同じである。
【0111】
その結果、平板部材250は、反応容器110Aの外側で天板112Aに略平行に配置される。
【0112】
導入端子121,127は、天板112Aの平板領域1121Aに固定され、導入端子123,125は、天板112Aの平板領域1122Aに固定される。
【0113】
なお、図7においては、図示されていないが、導入端子122,128は、天板112Aの平板領域1121Aに固定され、導入端子124,126は、天板112Aの平板領域1122Aに固定される。
【0114】
そして、アンテナ11の一方端側は、導入端子121を介して平板部材250の平板領域251に接続され、アンテナ11の他方端側は、導入端子122(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。
【0115】
また、アンテナ12の一方端側は、導入端子123を介して平板部材250の平板領域252に接続され、アンテナ12の他方端側は、導入端子124(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。
【0116】
更に、アンテナ13の一方端側は、導入端子125を介して平板部材250の平板領域252に接続され、アンテナ13の他方端側は、導入端子126(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。
【0117】
更に、アンテナ14の一方端側は、導入端子127を介して平板部材250の平板領域251に接続され、アンテナ14の他方端側は、導入端子128(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。
【0118】
図8は、図7に示す天板112Aの斜視図である。図8を参照して、天板112Aの平板領域1122Aは、略十字形状を有し、基板ホルダー120から天板112Aの方向DR3へ平板領域1121Aよりも突出している。
【0119】
平板領域1121Aは、領域REG1,REG3,REG5,REG7を有し、平板領域1122Aは、領域REG2,REG4,REG6を有する。
【0120】
アンテナ11は、平板領域1121Aの領域REG1に固定され、アンテナ12,13は、平板領域1122Aの領域REG2において方向DR1に沿って配列され、アンテナ14は、平板領域1121Aの領域REG3に固定される。
【0121】
アンテナ21〜24,31〜34は、平板領域1122Aの領域REG4において方向DR1に沿って2列に配列される。
【0122】
アンテナ41は、平板領域1121Aの領域REG5に固定され、アンテナ42,43は、平板領域1122Aの領域REG6において方向DR1に沿って配列され、アンテナ44は、平板領域1121Aの領域REG7に固定される。
【0123】
その結果、アンテナ11,14,41,44と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定され、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43と基板ホルダー120との距離は、25cmに設定される。
【0124】
図9は、図7に示すA方向から見たアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44、天板112A、および平板部材250,260,270,280の平面図である。なお、図9においては、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44を見易くするために、平板部材250,260,270,280は、透明体として図示されている。
【0125】
図9を参照して、プラズマ装置200は、平板部材260,270,280を更に備える。平板部材250,260,270,280の各々は、Cuからなる。
【0126】
平板部材250は、アンテナ11〜14に対応して設けられる。平板部材250は、図4に示す平板部材60と同じ形状および同じ寸法を有する。そして、アンテナ11〜14は、上述した方法によって、平板部材250と接地電位GNDとの間に接続される。
【0127】
平板部材260は、アンテナ21〜24に対応して設けられる。平板部材260は、図3に示す平板部材50と同じ形状および同じ寸法を有する。そして、アンテナ21〜24は、上述した方法によって平板部材260と接地電位GNDとの間に接続される。
【0128】
平板部材270は、アンテナ31〜34に対応して設けられる。平板部材270は、図3に示す平板部材50と同じ形状および同じ寸法を有する。そして、アンテナ31〜34は、上述した方法によって平板部材270と接地電位GNDとの間に接続される。
【0129】
平板部材280は、アンテナ41〜44に対応して設けられる。平板部材280は、図4に示す平板部材60と同じ形状および同じ寸法を有する。そして、アンテナ41〜44は、上述した方法によって平板部材280と接地電位GNDとの間に接続される。
【0130】
方向DR1における平板部材250,260,270,280の一方端250A,260A,270A,280Aは、整合器160に接続される。
【0131】
このように、実施の形態2においては、碁盤の目状に配列されたアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44のうち、4隅に配置されたアンテナ11,14,41,44は、他のアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43よりも基板ホルダー120に近づけて天板112Aに固定される。
【0132】
より具体的には、アンテナ11,14,41,44と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定され、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43と基板ホルダー120との距離は、25cmに設定される。
【0133】
これによって、アンテナ11,14,41,44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11,14,41,44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0134】
従って、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0135】
プラズマ装置200においては、4個の平板部材250,260,270,280に対応して4個の高周波電源および4個の整合器を設け、高周波電源170および整合器160と同じ方法によって4個の平板部材250,260,270,280に独立して高周波電力を供給するようにしてもよい。
【0136】
そして、基板1上に堆積される多結晶シリコンの膜厚の均一性が向上するように、平板部材260,270に供給する高周波電力と、平板部材250,280に供給する高周波電力とを制御する。
【0137】
より具体的には、第1のパワーを有する高周波電力を平板部材260,270に供給し、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電力を平板部材250,280を供給する。
【0138】
その結果、アンテナ11,14,41,44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。また、アンテナ12,13,42,43によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ21〜24,31〜34によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11,14,41,44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も速くなり、アンテナ12,13,42,43に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が2番目に速くなり、アンテナ21〜24,31〜34に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も遅くなる。
【0139】
従って、方向DR2における多結晶シリコンの膜厚の均一性を上述した機構によって向上できるとともに、方向DR1における多結晶シリコンの膜厚の均一性を更に向上できる。
【0140】
図10は、実施の形態2による他のプラズマ装置の構成を示す概略図である。実施の形態2によるプラズマ装置は、図10に示すプラズマ装置200Aであってもよい。
【0141】
図10を参照して、プラズマ装置200Aは、図7から図9に示すプラズマ装置200の平板部材250,280を平板部材210,220,230,290,300,310に代え、整合器160を整合器181〜188に代え、高周波電源170を高周波電源191〜198に代えたものであり、その他は、プラズマ装置200と同じである。
【0142】
平板部材210,220,230,290,300,310の各々は、Cuからなる。そして、平板部材210は、平板領域1121Aの領域REG1において天板112Aに略平行に配置される。平板部材220は、平板領域1122Aの領域REG2において天板112Aに略平行に配置される。平板部材230は、平板領域1121Aの領域REG3において天板112Aに略平行に配置される。平板部材290は、平板領域1121Aの領域REG5において天板112Aに略平行に配置される。平板部材300は、平板領域1122Aの領域REG6において天板112Aに略平行に配置される。平板部材310は、平板領域1121Aの領域REG7において天板112Aに略平行に配置される。
【0143】
平板部材210は、アンテナ11に対応して設けられる。そして、アンテナ11は、上述した方法によって平板部材11と接地電位GNDとの間に接続される。
【0144】
平板部材220は、アンテナ12,13に対応して設けられる。そして、アンテナ12,13は、上述した方法によって平板部材220と接地電位GNDとの間に接続される。
【0145】
平板部材230は、アンテナ14に対応して設けられる。そして、アンテナ14は、上述した方法によって平板部材230と接地電位GNDとの間に接続される。
【0146】
平板部材290は、アンテナ41に対応して設けられる。そして、アンテナ41は、上述した方法によって平板部材290と接地電位GNDとの間に接続される。
【0147】
平板部材300は、アンテナ42,43に対応して設けられる。そして、アンテナ42,43は、上述した方法によって平板部材300と接地電位GNDとの間に接続される。
【0148】
平板部材310は、アンテナ44に対応して設けられる。そして、アンテナ44は、上述した方法によって平板部材310と接地電位GNDとの間に接続される。
【0149】
整合器181は、平板部材210の一方端210Aと高周波電源191との間に接続される。高周波電源191は、整合器181と接地電位GNDとの間に接続される。
【0150】
整合器182は、平板部材220の一方端220Aと高周波電源192との間に接続される。高周波電源192は、整合器182と接地電位GNDとの間に接続される。
【0151】
整合器183は、平板部材230の一方端230Aと高周波電源193との間に接続される。高周波電源193は、整合器183と接地電位GNDとの間に接続される。
【0152】
整合器184は、平板部材260の一方端260Aと高周波電源194との間に接続される。高周波電源194は、整合器184と接地電位GNDとの間に接続される。
【0153】
整合器185は、平板部材270の一方端270Aと高周波電源195との間に接続される。高周波電源195は、整合器185と接地電位GNDとの間に接続される。
【0154】
整合器186は、平板部材290の一方端290Aと高周波電源196との間に接続される。高周波電源196は、整合器186と接地電位GNDとの間に接続される。
【0155】
整合器187は、平板部材300の一方端300Aと高周波電源197との間に接続される。高周波電源197は、整合器187と接地電位GNDとの間に接続される。
【0156】
整合器188は、平板部材310の一方端310Aと高周波電源198との間に接続される。高周波電源198は、整合器188と接地電位GNDとの間に接続される。
【0157】
プラズマ装置200Aにおいては、高周波電源192,194,195,197は、第1のパワーを有する高周波電力をそれぞれ整合器182,184,185,187を介して平板部材220,260,270,300に供給し、高周波電源191,193,196,198は、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電源をそれぞれ整合器181,183,186,188を介して平板部材210,230,290,310に供給する。
【0158】
その結果、アンテナ11,14,41,44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11,14,41,44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0159】
従って、基板1の四隅における多結晶シリコンの膜厚が中央部における多結晶シリコンの膜厚よりも薄くなる場合に、基板1上に堆積された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0160】
実施の形態2によれば、プラズマ装置200,200Aは、基板ホルダー120との距離が25cmに設定されたアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43と、基板ホルダー120との距離が12cmに設定されたアンテナ11,14,41,44とを備える。
【0161】
その結果、アンテナ11,14,41,44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11,14,41,44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度がアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0162】
従って、基板1上に堆積された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0163】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0164】
[実施の形態3]
図11は、実施の形態3によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。図11を参照して、実施の形態3によるプラズマ装置400は、図1に示すプラズマ装置100の反応容器110を反応容器110Bに代え、平板部材60を平板部材410に代えたものであり、その他は、プラズマ装置100と同じである。
【0165】
反応容器110Bは、反応容器110の天板112を天板112Bに代えたものであり、その他は、反応容器110と同じである。
【0166】
天板112Bは、基板ホルダー120から天板112Bの方向へ突出したドーム形状からなる。そして、天板112Bは、オーリング113に接するとともに、接地電位GNDに接続される。
【0167】
プラズマ装置400においては、導入端子121,123,125,127は、天板112Bに固定される。その結果、アンテナ11〜14は、その一方端側がそれぞれ導入端子121,123,125,127を介して平板部材410に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子122,124,126,128(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。これによって、アンテナ11〜14は、天板112Bに固定される。
【0168】
導入端子131〜138(図示せず)も、天板112Bに固定される。そして、アンテナ21〜24(図示せず)は、その一方端側がそれぞれ導入端子131,133,135,137を介して他の平板部材(図示せず)に接続され、その他方端側が導入端子132,134,136,138を介して接地電位GNDに接続される。これによって、アンテナ21〜24は、天板112Bに固定される。
【0169】
アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44(図示せず)も、同様にして、その一方端側が天板112Bに固定された導入端子を介して平板部材(図示せず)に接続され、その他方端側が接地電位GNDに接続される。これによって、アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44も、天板112Bに固定される。
【0170】
従って、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44と基板ホルダー120との距離は、基板ホルダー120の中央部で最も長くなり、基板ホルダー120の外周部へ向かうに従って短くなる。
【0171】
平板部材410は、反応容器110Bの外側において天板112Bに略平行に配置される。そして、平板部材410は、その一面がアンテナ11〜14の各々の一方端に接続される。また、平板部材410は、方向DR1における一方端が整合器160に接続される。
【0172】
図12は、図11に示す天板112Bおよび平板部材410の斜視図である。図12を参照して、天板112Bは、平板領域1121Bと突出領域1122Bとからなる。平板領域1121Bは、突出領域1122Bの周囲に配置される。突出領域1122Bは、基板ホルダー120から天板112Bの方向DR3へ突出している。
【0173】
プラズマ装置400は、平板部材420を更に備える。平板部材410,420の各々は、天板112Bの平板領域1121Bおよび突出領域1122Bに略平行に配置される。
【0174】
アンテナ11〜14を固定するための導入端子121〜128、およびアンテナ21〜24を固定するための131〜138は、天板112Bの突出領域1122Bに固定される。また、アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44を固定するための導入端子も、天板112Bの突出領域1122Bに固定される。
【0175】
図13は、図11に示すA方向から見たアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44、天板112Bおよび平板部材410,420,430,440の平面図である。なお、図13においては、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44を見易くするために、平板部材410,420,430,440は、透明体で図示されている。
【0176】
図13を参照して、プラズマ装置400は、平板部材430,440を更に備える。平板部材410,420,430,440の各々は、Cuからなる。平板部材410は、アンテナ11〜14に対応して設けられ、図12に示す態様で天板112Bの平板領域1121Bおよび突出領域1122Bに対向して配置される。
【0177】
平板部材420は、アンテナ21〜24に対応して設けられ、図12に示す態様で天板112Bの平板領域1121Bおよび突出領域1122Bに対向して配置される。
【0178】
平板部材430は、アンテナ31〜34に対応して設けられ、図12に示す平板部材41,420と同じ態様で天板112Bの平板領域1121Bおよび突出領域1122Bに対向して配置される。
【0179】
平板部材440は、アンテナ41〜44に対応して設けられ、図12に示す平板部材410,420と同じ態様で天板112Bの平板領域1121Bおよび突出領域1122Bに対向して配置される。
【0180】
そして、方向DR1における平板部材410,420,430,440の一方端410A,420A,430A,440Aは、整合器160に接続される。
【0181】
プラズマ装置400においては、アンテナ11〜14の一方端は、上述した方法によって平板部材410に接続され、他方端が上述した方法によって接地電位GNDに接続される。アンテナ21〜24の一方端は、上述した方法によって平板部材420に接続され、他方端が上述した方法によって接地電位GNDに接続される。アンテナ31〜34の一方端は、上述した方法によって平板部材430に接続され、他方端が上述した方法によって接地電位GNDに接続される。アンテナ41〜44の一方端は、上述した方法によって平板部材440に接続され、他方端が上述した方法によって接地電位GNDに接続される。
【0182】
そして、アンテナ11〜14、アンテナ21〜24、アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44は、それぞれ、平板部材410,420,430,440を介して高周波電流を受け、その受けた高周波電流を接地電位GNDへ流す。これによって、アンテナ11〜14、アンテナ21〜24、アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44は、誘導結合によって反応容器110B内の空間180にプラズマを発生する。
【0183】
このように、実施の形態3においては、碁盤の目状に配列されたアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44と基板ホルダー120との距離は、基板ホルダー120の中央部で最も長くなり、基板ホルダー120の外周部へ向かうに従って短くなる。
【0184】
その結果、プラズマの電子密度は、基板ホルダー120の中央部に対向する位置において最も低くなり、基板ホルダー120の外周部へ向かうに従って高くなる。そして、多結晶シリコンの成長速度は、基板1の中央部で最も遅くなり、基板1の外周部へ向かうに従って速くなる。
【0185】
従って、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0186】
プラズマ装置400においては、4個の平板部材410,420,430,440に対応して4個の高周波電源および4個の整合器を設け、高周波電源170および整合器160と同じ方法によって4個の平板部材410,420,430,440に独立して高周波電力を供給するようにしてもよい。
【0187】
そして、方向DR2における多結晶シリコンの膜厚の分布が方向DR1における多結晶シリコンの膜厚の分布よりも大きい場合、第1のパワーを有する高周波電力を平板部材420,430に供給し、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電力を平板部材410,440を供給する。
【0188】
その結果、アンテナ11〜14,41〜44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ21〜24,31〜34によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなるとともに、基板ホルダー120の中央部から外周部へ向かって徐々に低くなる。そして、アンテナ11,14,41,44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も速くなり、アンテナ12,13,42,43に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が2番目に速くなり、アンテナ21,24,31,34に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が3番目に速くなり、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も遅くなる。
【0189】
従って、基板ホルダー120の中央部から外周部へ向かう方向における多結晶シリコンの膜厚の均一性を上述した機構によって向上できるとともに、方向DR2における多結晶シリコンの膜厚の均一性を更に向上できる。
【0190】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0191】
[実施の形態4]
図14は、実施の形態4によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。図14を参照して、プラズマ装置500は、図1に示すプラズマ装置100のアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44をそれぞれアンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aに代え、反応容器110を反応容器110Cに代え、平板部材60を平板部材520に代えたものであり、その他は、プラズマ装置100と同じである。
【0192】
反応容器110Cは、反応容器110の天板112を天板112Cに代えたものであり、その他は、反応容器110と同じである。
【0193】
天板112Cは、平坦な板状形状からなる。そして、天板112Cは、オーリング113に接して配置されるとともに、接地電位GNDに接続される。
【0194】
平板部材520は、平坦な板状形状からなり、反応容器110Cの外側において天板112Cに略平行に配置される。そして、平板部材520は、方向DR1における一方端が整合器160に接続される。
【0195】
アンテナ21A,24Aの各々は、アンテナ11〜14と同じ形状および同じ材料からなる。アンテナ21A,22,23,24Aは、その一方端側がそれぞれ天板112Cに固定された導入端子131,133,135,137を介して平板部材520に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子132,134,136,138(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。
【0196】
そして、アンテナ21A,24Aのうち、反応容器110C内に配置された部分の長さは、例えば、25cmである。
【0197】
従って、アンテナ21A,24Aの長さは、アンテナ22,23の長さよりも短い。
【0198】
図15は、図14に示すA方向から見たアンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44A、天板112Cおよび平板部材510,520,530,540の平面図である。
【0199】
なお、図15においては、アンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aを見易くするために、平板部材510,520,530,540は、透明体で図示されている。
【0200】
図15を参照して、プラズマ装置500は、平板部材510,530,540を更に備える。
【0201】
平板部材510,520,530,540の各々は、Cuからなり、長方形の平面形状を有する。そして、平板部材510,520,530,540の各々は、上述した平板部材50と同じ寸法を有する。
【0202】
平板部材510は、アンテナ11A〜14Aに対応して設けられる。平板部材520は、アンテナ21A,22,23,24Aに対応して設けられる。平板部材530は、アンテナ31A,32,33,34Aに対応して設けられる。平板部材540は、アンテナ41A,42,43,44Aに対応して設けられる。
【0203】
そして、平板部材510,520,530,540は、方向DR1における一方端510A,520A,530A,540Aが整合器160に接続される。
【0204】
図16は、図15に示す平板部材510およびアンテナ11A〜14Aの斜視図である。図16を参照して、導入端子121〜128は、反応容器110Cの天板112Cに固定される。
【0205】
アンテナ11A〜14Aの各々は、アンテナ11〜14と同じ形状および同じ材料からなる。そして、アンテナ11A〜14Aの各々は、上述したアンテナ21A,24Aと同じ長さを有する。
【0206】
アンテナ11A〜14Aは、その一方端側がそれぞれ導入端子121,123,125,127を介して平板部材510に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子122,124,126,128を介して接地電位GNDに接続される。
【0207】
このように、アンテナ11A〜14Aは、それぞれ、1対の導入端子121,122、1対の導入端子123,124、1対の導入端子125,126および1対の導入端子127,128によって天板112Cに固定される。
【0208】
高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材510に供給されると、高周波電流は、図3において説明した方法によって、平板部材510からアンテナ11A〜14Aに流れ、最終的に、接地電位GNDに流れ込む。その結果、アンテナ11A〜14Aは、誘導結合によってプラズマを発生する。
【0209】
なお、図15に示すアンテナ41A〜44Aは、図16に示す態様で平板部材540と接地電位GNDとの間に接続される。そして、アンテナ41A〜44Aの各々は、アンテナ11A〜14Aと同じ材料からなり、アンテナ11A〜14Aと同じ形状および同じ寸法を有する。
【0210】
図17は、図15に示す平板部材520およびアンテナ21A,22,23,24Aの斜視図である。
【0211】
図17を参照して、導入端子131〜138は、反応容器110Cの天板112Cに固定される。
【0212】
アンテナ21A,22,23,24Aは、その一方端側がそれぞれ導入端子131,133,135,137を介して平板部材520に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子132,134,136,138を介して接地電位GNDに接続される。
【0213】
このように、アンテナ21A,22,23,24Aは、それぞれ、1対の導入端子131,132、1対の導入端子133,134、1対の導入端子135,136および1対の導入端子137,138によって天板112Cに固定される。
【0214】
高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材520に供給されると、高周波電流は、図3において説明した方法によって、平板部材520からアンテナ21A,22,23,24Aに流れ、最終的に、接地電位GNDに流れ込む。その結果、アンテナ21A,22,23,24Aは、誘導結合によってプラズマを発生する。
【0215】
なお、図15に示すアンテナ31A,32,33,34Aは、図17に示す態様で平板部材530と接地電位GNDとの間に接続される。そして、アンテナ31A,34Aは、アンテナ21A,24Aと同じ材料からなり、アンテナ21A,24Aと同じ形状、および同じ寸法を有する。
【0216】
上述したように、実施の形態4においては、碁盤の目状に配置されたアンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aのうち、外周部に配置されたアンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aは、内周部に配置されたアンテナ22,23,32,33よりも短い。
【0217】
そして、アンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aの各々は、線状導体からなるので、アンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aのインダクタンスは、アンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aの長さに比例する。
【0218】
従って、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aのインダクタンスは、アンテナ22,23,32,33のインダクタンスよりも小さい。
【0219】
そうすると、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aに流れる高周波電流は、アンテナ22,23,32,33に流れる高周波電流よりも多くなる。
【0220】
その結果、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aによって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くなる。即ち、アンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aによって発生されたプラズマは、外周部の電子密度が内周部の電子密度よりも高くなる。
【0221】
そして、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aに対向する位置における多結晶シリコンの成長速度は、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0222】
従って、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0223】
プラズマ装置500においては、4個の平板部材510,520,530,540に対応して4個の高周波電源および4個の整合器を設け、高周波電源170および整合器160と同じ方法によって4個の平板部材510,520,530,540に独立して高周波電力を供給するようにしてもよい。
【0224】
そして、基板1上に堆積される多結晶シリコンの膜厚の均一性が向上するように、平板部材520,530に供給する高周波電力と、平板部材510,540に供給する高周波電力とを制御する。
【0225】
より具体的には、方向DR2における多結晶シリコンの膜厚の分布が方向DR1における多結晶シリコンの膜厚の分布よりも大きい場合、第1のパワーを有する高周波電力を平板部材520,530に供給し、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電力を平板部材510,540を供給する。
【0226】
その結果、アンテナ11A〜14A,41A〜44Aによって発生されたプラズマの電子密度は、最も高くなり、アンテナ21A,24A,31A,34Aによって発生されたプラズマの電子密度が2番目に高くなり、アンテナ22,23,32,33によって発生されたプラズマの電子密度は、最も低くなる。そして、アンテナ11A〜14A,41A〜44Aに対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も速くなり、アンテナ21A,24A,31A,34Aに対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が2番目に速くなり、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も遅くなる。
【0227】
従って、方向DR1における多結晶シリコンの膜厚の均一性を上述した機構によって向上できるとともに、方向DR2における多結晶シリコンの膜厚の均一性を更に向上できる。
【0228】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0229】
[実施の形態5]
図18は、実施の形態5によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。図18を参照して、実施の形態5によるプラズマ装置600は、図14に示すプラズマ装置500のアンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aをアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に代え、平板部材520を平板部材610,611に代えたものであり、その他は、プラズマ装置500と同じである。
【0230】
プラズマ装置600において、導入端子121,123,125,127は、反応容器110Cの天板112Cに固定される。
【0231】
アンテナ11〜14は、その一方端側がそれぞれ導入端子121,123,125,127を介して平板部材610に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子122,124,126,128(図示せず)を介して平板部材611に接続される。
【0232】
平板部材610,611は、反応容器110Cの外側において天板112Cに略平行に配置される。
【0233】
そして、平板部材610は、方向DR1における一方端610Aが整合器160に接続される。また、平板部材611は、平板部材610の一方端610Aと同じ側の一方端611Aが接地電位GNDに接続される。
【0234】
図19は、図18に示すA方向から見たアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44、天板112Cおよび平板部材610,611,620〜624,630〜624,640,641の平面図である。
【0235】
なお、図19においては、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44を見易くするために、平板部材610,611,620〜624,630〜634,640,641は、透明体で図示されている。
【0236】
図19を参照して、プラズマ装置600は、平板部材620〜624,630〜634,640,641を更に備える。平板部材610,611,620〜624,630〜634,640,641の各々は、Cuからなり、平坦な板状形状を有する。
【0237】
平板部材610,611は、アンテナ11〜14に対応して設けられる。平板部材620,621は、アンテナ21に対応して設けられ、平板部材622は、アンテナ22,23に対応して設けられ、平板部材623,624は、アンテナ24に対応して設けられる。平板部材630,631は、アンテナ31に対応して設けられ、平板部材632は、アンテナ32,33に対応して設けられ、平板部材633,634は、アンテナ34に対応して設けられる。平板部材640,641は、アンテナ41〜44に対応して設けられる。
【0238】
平板部材611は、平板部材610の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。平板部材621は、平板部材620の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。平板部材624は、平板部材623の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。平板部材631は、平板部材630の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。平板部材634は、平板部材633の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。平板部材641は、平板部材640の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。
【0239】
そして、方向DR1における平板部材610,620,622,623,630,632,633,640の一方端610A,620A,622A,623A,630A,632A,633A,640Aは、整合器160に接続される。また、平板部材611,621,624,631,634,641は、それぞれ、平板部材610,620,623,630,633,640の一方端610A,620A,623A,630A,633A,640Aと同じ側の一方端611A,621A,624A,631A,634A,641Aが接地電位GNDに接続される。
【0240】
図20は、図19に示すアンテナ11〜14、および平板部材610,611の斜視図である。
【0241】
導入端子121〜128は、反応容器110Cの天板112Cに固定される。アンテナ11〜14は、その一方端側がそれぞれ導入端子121,123,125,127を介して平板部材610に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子122,124,126,128を介して平板部材611に接続される。
【0242】
このように、アンテナ11〜14は、それぞれ、1対の導入端子121,122、1対の導入端子123,124、1対の導入端子125,126および1対の導入端子127,128を介して平板部材610と平板部材611との間に接続される。
【0243】
高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材610の一方端610Aに供給されると、高周波電流は、平板部材610を矢印ARW1の方向に流れ、アンテナ11〜14の直線部分11A,12A,13A,14Aに流れ込む。
【0244】
そして、高周波電流は、アンテナ11〜14をそれぞれ矢印ARW2〜ARW5の方向へ流れ、平板部材611に流れ込む。
【0245】
その後、高周波電流は、平板部材611を矢印ARW11の方向へ流れ、平板部材611の一方端611Aから接地電位GNDに流れる。
【0246】
その結果、高周波電流は、平板部材611を平板部材610と反対方向へ流れるので、平板部材610の自己インダクタンスは、平板部材611からの相互インダクタンスによって平板部材611が設置されていない場合よりも小さくなる。
【0247】
従って、平板部材610のインピーダンスは、平板部材611が設置されていない場合よりも小さくなり、平板部材611が設置されていない場合よりも多くの高周波電流がアンテナ11〜14に流れる。
【0248】
そうすると、アンテナ11〜14によって発生されるプラズマの電子密度は、平板部材611が設置されていない場合よりも高くなる。
【0249】
なお、アンテナ41〜44は、図20に示す態様と同じ態様で平板部材640と平板部材641との間に接続される。そして、高周波電流は、平板部材641を平板部材640と反対方向へ流れる。従って、上述した機構によって、アンテナ41〜44によって発生されるプラズマの電子密度は、平板部材641が設置されていない場合よりも高くなる。
【0250】
図21は、図19に示すアンテナ21〜24、および平板部材620〜624の斜視図である。
【0251】
図21を参照して、導入端子131〜138は、反応容器110Cの天板112Cに固定される。
【0252】
アンテナ21は、その一方端側が導入端子131を介して平板部材620に接続される。また、アンテナ21は、その他方端側が導入端子132を介して平板部材621に接続される。
【0253】
アンテナ22,23は、その一方端側がそれぞれ導入端子133,135を介して平板部材622に接続される。また、アンテナ22,23は、その他方端側がそれぞれ導入端子134,136を介して接地電位GNDに接続される。
【0254】
アンテナ24は、その一方端側が導入端子137を介して平板部材623に接続される。また、アンテナ24は、その他方端側が導入端子138を介して平板部材624に接続される。
【0255】
このように、アンテナ21は、1対の導入端子131,132を介して平板部材620と平板部材621との間に接続される。アンテナ22,23は、それぞれ、1対の導入端子133,134および1対の導入端子135,136を介して平板部材622と接地電位GNDとの間に接続される。アンテナ24は、1対の導入端子137,138を介して平板部材623と平板部材624との間に接続される。
【0256】
高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材620の一方端620Aに供給されると、高周波電流は、平板部材620を矢印ARW12の方向に流れ、アンテナ21の直線部分21Aに流れ込む。
【0257】
そして、高周波電流は、アンテナ21を矢印ARW7の方向へ流れ、直線部分21Bから平板部材621に流れ込む。その後、高周波電流は、平板部材621を矢印ARW13の方向に流れ、平板部材621の一方端621Aから接地電位GNDに流れる。
【0258】
また、高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材622の一方端622Aに供給されると、高周波電流は、平板部材622を矢印ARW14の方向へ流れ、アンテナ22,23の直線部分22A,23Aに流れ込む。
【0259】
そして、高周波電流は、アンテナ22,23をそれぞれ矢印ARW8,ARW9の方向へ流れ、アンテナ22,23の直線部分22B,23Bから接地電位GNDに流れる。
【0260】
更に、高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材623の一方端623Aに供給されると、高周波電流は、平板部材623を矢印ARW15の方向へ流れ、アンテナ24の直線部分24Aに流れ込む。
【0261】
そして、高周波電流は、アンテナ24を矢印ARW10の方向へ流れ、アンテナ24の直線部分24Bから平板部材624に流れる。その後、高周波電流は、平板部材624を矢印ARW16の方向へ流れ、平板部材624の一方端624Aから接地電位GNDに流れる。
【0262】
その結果、高周波電流は、平板部材621を平板部材620と反対方向へ流れるので、平板部材620の自己インダクタンスは、平板部材621からの相互インダクタンスによって平板部材621が設置されていない場合よりも小さくなる。
【0263】
従って、平板部材620のインピーダンスは、平板部材621が設置されていない場合よりも小さくなり、アンテナ21に流れる高周波電流は、平板部材621が設置されていない場合よりも多くなる。
【0264】
同様の機構によって、アンテナ24に流れる高周波電流は、平板部材624が設置されていない場合よりも多くなる。
【0265】
平板部材622に流れる高周波電流と反対方向の高周波電流が流れる平板部材が存在しないので、平板部材622の自己インダクタンスは、低下しない。
【0266】
従って、アンテナ21,24に流れる高周波電流は、アンテナ22,23に流れる高周波電流よりも多くなる。
【0267】
その結果、アンテナ21,24によって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ22,23によって発生されるプラズマの電子密度よりも高い。
【0268】
なお、アンテナ31は、図21に示すアンテナ21と同じ態様で平板部材630と平板部材631との間に接続され、アンテナ32,33は、図21にアンテナ22,23と同じ態様で平板部材632と接地電位GNDとの間に接続され、アンテナ34は、図21に示すアンテナ24と同じ態様で平板部材633と平板部材634との間に接続される。そして、高周波電流は、平板部材631を平板部材630と反対方向へ流れ、平板部材634を平板部材633と反対方向へ流れる。従って、上述した機構によって、アンテナ31,34によって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くなる。
【0269】
上述したように、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高い。
【0270】
その結果、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度は、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速い。
【0271】
従って、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0272】
プラズマ装置600においては、8個の平板部材610,620,622,623,630,632,633,640に対応して8個の高周波電源および8個の整合器を設け、高周波電源170および整合器160と同じ方法によって8個の平板部材610,620,622,623,630,632,633,640に独立して高周波電力を供給するようにしてもよい。
【0273】
そして、同じ強度の高周波電力を8個の平板部材610,620,622,623,630,632,633,640に供給して基板1上に形成した多結晶シリコンの膜厚が基板1の周辺部において基板1の中央部よりも薄い場合、第1の強度を有する高周波電力を平板部材622,632に供給し、第1の強度よりも強い第2の強度を有する高周波電力を平板部材610,620,623,630,633,640に供給する。
【0274】
これによって、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度とアンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度との差が更に大きくなる。そして、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が更に速くなる。
【0275】
従って、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0276】
また、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の分布に応じて、8個の平板部材610,620,622,623,630,632,633,640に供給する高周波電力を調整することによって、多結晶シリコンの各種の膜厚分布を抑制して多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0277】
その他は、実施の形態1,4と同じである。
【0278】
なお、この発明の実施の形態においては、上述した実施の形態1〜実施の形態4において、実施の形態5における態様と同じ態様によって、平板部材50,60,70,80、平板部材50,65〜67,80、平板部材250,260,270,280、平板部材210,220,230,260,270,290,300,310、平板部材410,420,430,440、および平板部材510,520,530,540に対向する平板部材を更に設け、平板部材50,60,70,80、平板部材50,65〜67,80、平板部材250,260,270,280、平板部材210,220,230,260,270,290,300,310、平板部材410,420,430,440、および平板部材510,520,530,540の自己インダクタンスを低減するようにしてもよい。
【0279】
また、この発明の実施の形態においては、プラズマ装置100,100A,200,200A,400,500,600は、多結晶シリコンのみならず、アモルファスシリコン、多結晶ゲルマニウム、およびアモルファスゲルマニウム等の半導体薄膜、二酸化シリコン(SiO2)、およびシリコンナイトライド(Si3N4)等の絶縁膜を均一性良く基板1上に堆積する。そして、プラズマ装置100,100A,200,200A,400,500,600は、一般的には、薄膜を均一性良く基板1上に堆積する。
【0280】
更に、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44(またはアンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41〜44)は、碁盤の目状に限らず、円形に配列されてもよく、任意の形状に配列されてもよい。そして、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44(またはアンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41〜44)は、外周部における電子密度が内周部における電子密度よりも高くなるように空間180にプラズマを発生する。
【0281】
上述したように、実施の形態1においては、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44と基板ホルダー120との距離をアンテナ22,23,32,33と基板ホルダー120との距離よりも短くすることによって、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度をアンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くした。
【0282】
また、実施の形態2においては、アンテナ11,14,41,44と基板ホルダー120との距離をアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43と基板ホルダー120との距離よりも短くすることによって、アンテナ11,14,41,44によって発生されるプラズマの電子密度をアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くした。
【0283】
更に、実施の形態3においては、碁盤の目状に配置されたアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44の中央部から外周部に向かうに従って、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44と基板ホルダー120との距離を徐々に短くすることによって、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度を基板ホルダー120の中央部から外周部へ向かって徐々に高くした。
【0284】
更に、実施の形態4においては、碁盤の目状に配置されたアンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aのうち、外周部に配置されたアンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aの長さを内周部に配置されたアンテナ22,23,32,33の長さよりも短くすることによって、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aによって発生されるプラズマの電子密度をアンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くした。
【0285】
更に、実施の形態5においては、碁盤の目状に配置されたアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44のうち、外周部に配置されたアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に供給する高周波電流を内周部に配置されたアンテナ22,23,32,33に供給する高周波電流よりも多くすることによって、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度をアンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くした。
【0286】
従って、この発明の実施の形態によるプラズマ装置は、第1の電子密度を有するプラズマを発生するアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44(またはアンテナ11,14,41,44またはアンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44A)と、第1の電子密度よりも低い第2の電子密度を有するプラズマを発生するアンテナ22,23,32,33(またはアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43またはアンテナ22,23,32,33)とを備えていればよい。
【0287】
そして、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44は、「複数のアンテナ」を構成する。また、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44は、「複数の第1のアンテナ」を構成し、アンテナ22,23,32,33は、「複数の第2のアンテナ」を構成する。更に、アンテナ11,14,41,44は、「複数の第1のアンテナ」を構成し、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43は、「複数の第2のアンテナ」を構成する。この場合、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43は、アンテナ11,14,41,44の内周側および隣接する2つのアンテナ11,14,41,44間に配置される。更に、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aは、「複数の第1のアンテナ」を構成し、アンテナ22,23,32,33は、「複数の第2のアンテナ」を構成する。
【0288】
また、この発明の実施の形態においては、基板ホルダー120は、「支持部材」を構成する。
【0289】
更に、この発明の実施の形態においては、平板部材610,620,623,630,633,640は、「第1の平板部材」を構成し、平板部材611,621,624,631,634,641は、「第2の平板部材」を構成し、平板部材622,632は、「第3の平板部材」を構成する。
【0290】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0291】
この発明は、プラズマ装置に適用される。
【符号の説明】
【0292】
1 基板、11〜14,11A〜14A,21〜24,21A,24A,31〜34,31A,34A,41〜44,41A〜44A アンテナ、50,60,65〜67,70,80,210,220,230,250,260,270,280,290,300,310,410,420,430,440,510,520,530,540,610,611,620〜624,630〜634,640,641 平板部材、61,62,251,252,1121,1121A,1121B,1122,1122A,1122B 平板領域、100,100A,200,200A,400,500,600 プラズマ装置、110,110A,110B,110C 反応容器、111 本体部、112,112A,112B,112C 天板、113 オーリング、114 ガス供給口、115 排気口、120 基板ホルダー、130 ヒーター、121〜128,131〜138 導入端子、140 ガス供給装置、150 排気装置、160〜165,181〜188 整合器、170〜175,191〜198 高周波電源、180 空間。
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラズマ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、四角形の平面形状からなる反応容器と、反応容器の4個の側壁に配置された複数の高周波アンテナとを備えるプラズマ装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
このプラズマ装置においては、複数の高周波アンテナの電圧または電流を制御するためのインピーダンス素子を用いて反応容器内で発生されるプラズマ密度が均一になるようにインピーダンス素子のインピーダンス値が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−228354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のプラズマ装置を用いて基板上に半導体薄膜を堆積した場合、半導体薄膜の膜厚が基板の面内方向において不均一になるという問題がある。
【0006】
そこで、実施の形態によるプラズマ装置は、基板上に堆積された薄膜の膜厚の均一性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の実施の形態によれば、プラズマ装置は、反応容器と、支持部材と、複数のアンテナとを備える。支持部材は、反応容器内において基板を支持する。複数のアンテナは、反応容器の天板に固定されるとともに、支持部材によって支持された基板との間の空間にプラズマを発生させ、各々が略U字形状を有する。そして、複数のアンテナは、複数の第1のアンテナと、複数の第2のアンテナとを含む。複数の第1のアンテナは、基板との間の空間において第1の電子密度を有するプラズマを発生する。複数の第2のアンテナは、天板の面内方向において複数の第1のアンテナの内周側または複数の第1のアンテナの内周側および隣接する2つの第1のアンテナ間に配置され、基板との間の空間において第1の電子密度よりも低い第2の電子密度を有するプラズマを発生する。
【発明の効果】
【0008】
この発明の実施の形態によるプラズマ装置においては、基板の外周部に対向する位置におけるプラズマの電子密度は、基板の内周部に対向する位置におけるプラズマの電子密度よりも高い。その結果、基板の外周部に堆積される薄膜の成長速度は、基板の内周部に堆積される薄膜の成長速度よりも速い。
【0009】
従って、基板上に堆積される薄膜の膜厚の均一性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図2】図1に示すA方向から見た天板およびアンテナの平面図である。
【図3】図2に示すアンテナ11〜14および平板部材50の斜視図である。
【図4】図1および図2に示すアンテナ21〜24および平板部材60の斜視図である。
【図5】多結晶シリコンの膜厚とプラズマの電子密度との関係を示す図である。
【図6】実施の形態1による他のプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図7】実施の形態2によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図8】図7に示す天板の斜視図である。
【図9】図7に示すA方向から見たアンテナ、天板、および平板部材の平面図である。
【図10】実施の形態2による他のプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図11】実施の形態3によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図12】図11に示す天板および平板部材の斜視図である。
【図13】図11に示すA方向から見たアンテナ、天板および平板部材の平面図である。
【図14】実施の形態4によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図15】図14に示すA方向から見たアンテナ、天板および平板部材の平面図である。
【図16】図15に示す平板部材510およびアンテナ11A〜14Aの斜視図である。
【図17】図15に示す平板部材520およびアンテナ21A,22,23,24Aの斜視図である。
【図18】実施の形態5によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。
【図19】図18に示すA方向から見たアンテナ、天板および平板部材の平面図である。
【図20】図19に示すアンテナ11〜14、および平板部材610,611の斜視図である。
【図21】図19に示すアンテナ21〜24、および平板部材620〜624の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0012】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1によるプラズマ装置100は、アンテナ21〜24と、平板部材60と、反応容器110と、基板ホルダー120と、ヒーター130と、導入端子131,133,135,137と、ガス供給装置140と、排気装置150と、整合器160と、高周波電源170とを備える。
【0013】
反応容器110は、略直方体の外形を有し、内部が中空になっている。そして、反応容器110は、本体部111と、天板112と、オーリング113とを含む。本体部111および天板112の各々は、ステンレスまたはアルミニウム合金からなり、接地電位GNDに接続されている。本体部111は、ガス供給口114および排気口115を有する。
【0014】
天板112は、平板領域1121,1122からなる。平板領域1122は、アンテナ21〜24の配列方向である方向DR1において、平板領域1121の内周部に配置される。また、平板領域1122は、基板ホルダー120から天板112の方向へ平板領域1121よりも突出して配置される。この場合、基板ホルダー120と平板領域1121との距離は、例えば、27cmであり、基板ホルダー120と平板領域1122との距離は、例えば、40cmである。
【0015】
そして、平板領域1121,1122は、一体的に形成される。平板領域1121がオーリング113に接して配置される結果、天板112は、オーリング113に接して配置される。
【0016】
このように、実施の形態1においては、天板112は、平板領域1122が基板ホルダー120から天板112へ向かう方向へ平板領域1121よりも突出した断面形状を有する。
【0017】
オーリング113は、本体部111の周囲に設けられた溝に挿入されており、本体部111および天板112に接する。これによって、オーリング113は、反応容器110の内部を気密に保持する。
【0018】
アンテナ21〜24の各々は、たとえば、銅(Cu)からなる。アンテナ21〜24は、天板112を貫通し、一部が反応容器110の内部に配置される。この場合、アンテナ21〜24の各々において、反応容器110の内部に配置された部分は、例えば、40cmの長さを有する。
【0019】
アンテナ21〜24は、その一方端側がそれぞれ導入端子131,133,135,137を介して平板部材60に接続される。また、アンテナ21〜24は、その他方端側が別の導入端子(図示せず)を通って接地電位GNDに接続される。
【0020】
アンテナ21〜24は、反応容器110の天板112に沿って所定の間隔で配列される。そして、アンテナ21,24は、それぞれ、導入端子131,137によって天板112の平板領域1121に固定され、アンテナ22,23は、それぞれ、導入端子133,135によって天板112の平板領域1122に固定される。その結果、アンテナ21,24と基板ホルダー120との距離は、例えば、12cmであり、アンテナ22,23と基板ホルダー120との距離は、例えば、25cmである。
【0021】
導入端子131,133,135,137は、反応容器110の天板112に固定される。より具体的には、導入端子131,137は、天板112の平板領域1121に固定され、導入端子133,135は、天板112の平板領域1122に固定される。
【0022】
平板部材60は、たとえば、Cuからなる。そして、平板部材60は、平板領域61,62からなる。平板領域62は、基板ホルダー120から天板112へ向かう方向に平板領域61よりも突出している。そして、平板領域61と平板領域62との段差は、天板112の平板領域1121と平板領域1122との段差と同じである。その結果、平板部材60は、反応容器110の外側において、反応容器110の天板112に略平行に配置される。
【0023】
平板部材60は、1つの面がアンテナ21〜24の一方端に接続される。そして、平板部材60は、方向DR1における一方端が整合器160に接続される。
【0024】
基板ホルダー120は、反応容器110の本体部111の底面111Aに固定される。ヒーター130は、基板ホルダー120の内部に配置される。
【0025】
ガス供給装置140は、反応容器110のガス供給口114に連結される。排気装置150は、反応容器110の排気口115に連結される。整合器160は、アンテナ21〜24の配列方向における平板部材60の一方端と高周波電源170との間に接続される。高周波電源170は、整合器160と接地電位GNDとの間に接続される。
【0026】
図2は、図1に示すA方向から見た天板112およびアンテナの平面図である。図2を参照して、プラズマ装置100は、アンテナ11〜14,31〜34,41〜44と、平板部材50,70,80とを更に備える。
【0027】
なお、図2においては、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44を見易くするために、平板部材50,60,70,80は、透明体として図示されている。
【0028】
アンテナ11〜14,31〜34,41〜44の各々は、アンテナ21〜24と同じ材料からなり、アンテナ21〜24と同じ寸法を有する。アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44は、例えば、碁盤の目状に天板112に固定される。そして、アンテナ11〜14は、方向DR1におけるアンテナ21〜24の配置間隔と同じ間隔で天板112の平板領域1121に配置される。アンテナ31〜34は、方向DR1におけるアンテナ21〜24の配置間隔と同じ間隔で天板112の平板領域1121,1122に配置される。アンテナ41〜44は、方向DR1におけるアンテナ21〜24の配置間隔と同じ間隔で天板112の平板領域1121に配置される。
【0029】
また、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44は、天板112の平板領域1121に配置され、アンテナ22,23,32,33は、天板112の平板領域1122に配置される。
【0030】
平板部材50,60,70,80は、それぞれ、アンテナ11〜14、アンテナ21〜24、アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44に対応して配置される。そして、平板部材50,60,70,80は、その一方端50A,60A,70A,80Aが整合器160に接続される。
【0031】
また、平板部材50,60,70,80の各々は、長方形の平面形状を有する。
【0032】
図3は、図2に示すアンテナ11〜14および平板部材50の斜視図である。図3を参照して、プラズマ装置100は、導入端子121〜128を更に備える。
【0033】
導入端子121〜128は、導入端子131,133,135,137と同じように反応容器110の天板112の平板領域1121に固定される。
【0034】
平板部材50は、1枚の平板からなり、たとえば、10cmの幅、1cmの厚みおよび1mの長さを有する。
【0035】
アンテナ11〜14の各々は、略U字形状を有する。そして、アンテナ11〜14は、略U字形に曲げられたアンテナ11〜14をそれぞれ含む4個の平面が略平行になるように配置される。
【0036】
アンテナ11〜14のうち、直線部分11A,12A,13A,14Aは、それぞれ、導入端子121,123,125,127を通って平板部材50に接続される。また、アンテナ11〜14のうち、直線部分11B,12B,13B,14Bは、それぞれ、導入端子122,124,126,128を通って接地電位GNDに接続される。
【0037】
そして、導入端子121〜128は、反応容器110の天板112(平板領域1121)に固定されるので、アンテナ11〜14は、それぞれ、1対の導入端子121,122、1対の導入端子123,124、1対の導入端子125,126、および1対の導入端子127,128によって反応容器110の天板112の平板領域1121に固定される。その結果、アンテナ11〜14と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定される。
【0038】
なお、平板部材80は、平板部材50と同じ材料からなり、平板部材50と同じ形状および同じ寸法を有する。また、アンテナ41〜44の各々は、略U字形状を有する。そして、アンテナ41〜44は、アンテナ11〜14が平板部材50と接地電位GNDとの間に接続される方法と同じ方法によって平板部材80と接地電位GNDとの間に接続される。また、アンテナ41〜44は、導入端子121〜128と同様の導入端子によって反応容器110の天板112の平板領域1121に固定される。
【0039】
その結果、アンテナ41〜44と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定される。
【0040】
図4は、図1および図2に示すアンテナ21〜24および平板部材60の斜視図である。図4を参照して、プラズマ装置100は、導入端子132,134,136,138を更に備える。
【0041】
導入端子132,134,136,138は、導入端子131,133,135,137と同じように反応容器110の天板112に固定される。
【0042】
平板部材60の平板領域61は、例えば、10cmの幅、1cmの厚みおよび30cmの長さを有する。また、平板部材60の平板領域62は、例えば、10cmの幅、1cmの厚みおよび40cmの長さを有する。
【0043】
アンテナ21〜24の各々は、略U字形状を有する。そして、アンテナ21〜24は、略U字形に曲げられたアンテナ21〜24をそれぞれ含む4個の平面が略平行になるように配置される。
【0044】
アンテナ21,24のうち、直線部分21A,24Aは、それぞれ、導入端子131,137を通って平板部材60の平板領域61に接続される。また、アンテナ21,24のうち、直線部分21B,24Bは、それぞれ、導入端子132,138を通って接地電位GNDに接続される。
【0045】
更に、アンテナ22,23のうち、直線部分22A,23Aは、それぞれ、導入端子133,135を通って平板部材60の平板領域62に接続される。更に、アンテナ22,23のうち、直線部分22B,23Bは、それぞれ、導入端子134,136を通って接地電位GNDに接続される。
【0046】
そして、導入端子131,132,137,138は、反応容器110の天板112の平板領域1121に固定され、導入端子133,134,135,136は、天板112の平板領域1122に固定されるので、アンテナ21,24は、それぞれ、1対の導入端子131,132、および1対の導入端子137,138によって反応容器110の天板112の平板領域1121に固定され、アンテナ22,23は、それぞれ、1対の導入端子133,134、および1対の導入端子135,136によって天板112の平板領域1122に固定される。その結果、アンテナ21,24と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定され、アンテナ22,23と基板ホルダー120との距離は、25cmに設定される。
【0047】
なお、平板部材70は、平板部材60と同じ材料からなり、平板部材60と同じ形状および同じ寸法を有する。また、アンテナ31〜34の各々は、略U字形状を有する。そして、アンテナ31〜34は、アンテナ21〜24が平板部材60と接地電位GNDとの間に接続される方法と同じ方法によって平板部材70と接地電位GNDとの間に接続される。また、アンテナ31,34は、導入端子131,132,137,138と同様の導入端子によって反応容器110の天板112の平板領域1121に固定され、アンテナ32,33は、導入端子133,134,135,136と同様の導入端子によって反応容器110の天板112の平板領域1122に固定される。
【0048】
その結果、アンテナ31,34と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定され、アンテナ32,33と基板ホルダー120との距離は、25cmに設定される。
【0049】
上述したように、平板部材60,70は、それぞれ、アンテナ21〜24およびアンテナ31〜34に接続され、平板部材60,70の各々において、一部が基板ホルダー120から天板112へ向かう方向に突出している。従って、平板部材60,70は、反応容器110の外側において反応容器110の天板112に略平行に配置される。
【0050】
また、平板部材50,80は、それぞれ、アンテナ11〜14およびアンテナ41〜44に接続され、平板部材50,80の各々は、1枚の平板からなる。従って、平板部材50,80は、反応容器110の外側において反応容器110の天板112に略平行に配置される。
【0051】
図1および図3を参照して、アンテナ11〜14は、高周波電力が整合器160および平板部材50を介して高周波電源170から供給されると、平板部材50から接地電位GNDへ向かう方向に高周波電流を流し、誘導結合により反応容器110内にプラズマを発生する。
【0052】
より具体的には、高周波電力が高周波電源170から供給されると、高周波電流は、平板部材50を矢印ARW1の方向に流れ、アンテナ11〜14に流れ込む。そして、高周波電流は、アンテナ11〜14をそれぞれ矢印ARW2〜ARW5の方向へ流れ、接地電位GNDに流れ込む。その結果、アンテナ11〜14は、誘導結合によってプラズマを発生する。
【0053】
また、アンテナ41〜44は、高周波電力が整合器160および平板部材80を介して高周波電源170から供給されると、アンテナ11〜14と同じ機構によって反応容器110内にプラズマを発生する。
【0054】
図1および図4を参照して、アンテナ21〜24は、高周波電力が整合器160および平板部材60を介して高周波電源170から供給されると、平板部材60から接地電位GNDへ向かう方向に高周波電流を流し、誘導結合により反応容器110内にプラズマを発生する。
【0055】
より具体的には、高周波電力が高周波電源170から供給されると、高周波電流は、平板部材60を矢印ARW6の方向に流れ、アンテナ21〜24に流れ込む。そして、高周波電流は、アンテナ21〜24をそれぞれ矢印ARW7〜ARW10の方向へ流れ、接地電位GNDに流れ込む。その結果、アンテナ21〜24は、誘導結合によってプラズマを発生する。
【0056】
また、アンテナ31〜34は、高周波電力が整合器160および平板部材70を介して高周波電源170から供給されると、アンテナ21〜24と同じ機構によって反応容器110内にプラズマを発生する。
【0057】
再び、図1を参照して、基板ホルダー120は、基板1を保持する。この場合、基板1は、通常、四角形からなる平面形状を有するが、一般的には、円形および四角形以外の多角形からなる平面形状を有していてもよい。
【0058】
導入端子121〜128,131〜138は、アンテナ11〜14,21〜24を反応容器110の天板112に固定するとともに、アンテナ11〜14,21〜24と天板112との隙間をシールドする。また、図示されていない導入端子も、アンテナ31〜34,41〜44を反応容器110の天板112に固定するとともに、アンテナ31〜34,41〜44と天板112との隙間をシールドする。
【0059】
ヒーター130は、基板ホルダー120上に設置された基板1を所定の温度に加熱する。
【0060】
ガス供給装置140は、シラン(SiH4)ガスおよびジシラン(Si2H6)ガス等の半導体薄膜を形成するための材料ガス、水素(H2)ガスおよび窒素(N2)ガス等の希釈ガス、およびアルゴン(Ar)ガス等のエッチングガスをガス供給口114を介して反応容器110内に供給する。
【0061】
排気装置150は、たとえば、ターボ分子ポンプおよびロータリーポンプからなり、排気口115を介して反応容器110内を真空に引くとともに、反応容器110内の圧力を所望の圧力に調整する。
【0062】
整合器160は、高周波電源170から供給された高周波電力を反射を抑制して平板部材50,60,70,80へ供給する。
【0063】
高周波電源170は、例えば、13.56MHzの高周波電力を整合器160へ供給する。
【0064】
高周波電源170が高周波電力を整合器160を介して平板部材50,60,70,80へ供給すると、高周波電流は、平板部材50,60,70,80の一方端50A,60A,70A,80Aから矢印ARW1,ARW6の方向へ流れ、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44へ流れ込む。
【0065】
そして、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44は、上述したように、誘導結合によって、基板1との間の空間180にプラズマを発生する。
【0066】
プラズマ装置100において、多結晶シリコンを形成する方法について説明する。排気装置150を用いて反応容器110内を1×10−4Pa以下の圧力に排気する。そして、ヒーター130によって、例えば、420℃の温度に基板1を加熱する。
【0067】
その後、ガス供給装置140によってSiH4ガスおよびH2ガスを反応容器110内に供給する。この場合、SiH4ガスの流量は、2.5sccmであり、H2ガスの流量は、30sccmである。
【0068】
そして、排気装置150によって、反応容器110内の圧力を0.6〜0.7Paに設定する。
【0069】
そうすると、高周波電源170は、12kWの高周波電力を整合器160および平板部材50,60,70,80を介してアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44に供給する。
【0070】
これによって、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44は、上述した方法によって、空間180にプラズマを発生させる。そして、多結晶シリコンが基板1上に堆積される。
【0071】
所定の時間、多結晶シリコンを基板1上に堆積させると、高周波電力の供給を停止し、SiH4ガスおよびH2ガスの供給を停止し、基板温度を低下させる。
【0072】
これによって、多結晶シリコンの形成が終了する。
【0073】
図5は、多結晶シリコンの膜厚とプラズマの電子密度との関係を示す図である。図5において、縦軸は、多結晶シリコンの膜厚を表し、横軸は、プラズマの電子密度を表す。また、直線k1は、多結晶シリコンの膜厚とプラズマの電子密度との関係を示す。
【0074】
図5を参照して、多結晶シリコンの膜厚は、プラズマの電子密度の増加に伴って増加する(直線k1参照)。そして、直線k1によって示される多結晶シリコンの膜厚とプラズマの電子密度との関係は、多結晶シリコンの成膜時間を一定にしたときの多結晶シリコンの膜厚とプラズマの電子密度との関係である。従って、多結晶シリコンの成長速度は、プラズマの電子密度の増加に伴って速くなる。
【0075】
アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44と基板ホルダー120との距離が相互に同じである場合、基板1上に堆積された多結晶シリコンの膜厚は、基板1の面内方向に分布する。より具体的には、基板1の周辺部における多結晶シリコンの膜厚は、基板1の中央部における多結晶シリコンの膜厚よりも薄くなる。
【0076】
しかし、プラズマ装置100においては、基板1の周辺部に対向する位置に配置されたアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44と基板ホルダー120との距離を、基板1の中央部に対向する位置に配置されたアンテナ22,23,32,33と基板ホルダー120との距離よりも短く設定している。
【0077】
その結果、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、基板1の周辺部における多結晶シリコンの成長速度は、基板1の中央部における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0078】
従って、基板1上に堆積された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0079】
なお、上記においては、1個の高周波電源170を用いて高周波電力を4個の平板部材50,60,70,80に供給するとすると説明したが、実施の形態1においては、これに限らず、4個の平板部材50,60,70,80に対応して4個の高周波電源および4個の整合器を設け、高周波電源170および整合器160と同じ方法によって4個の平板部材50,60,70,80に独立して高周波電力を供給するようにしてもよい。
【0080】
そして、基板1上に堆積される多結晶シリコンの膜厚の均一性が向上するように、平板部材60,70に供給する高周波電力と、平板部材50,80に供給する高周波電力とを制御する。
【0081】
より具体的には、第1のパワーを有する高周波電力を平板部材60,70に供給し、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電力を平板部材50,80を供給する。
【0082】
その結果、アンテナ11〜14,41〜44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ21〜24,31〜34によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。また、アンテナ21,24,31,34によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11〜14,41〜44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も速くなり、アンテナ21,24,31,34に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が2番目に速くなり、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も遅くなる。
【0083】
従って、方向DR1における多結晶シリコンの膜厚の均一性を上述した機構によって向上できるとともに、方向DR1に直交する方向DR2(図2参照)における多結晶シリコンの膜厚の均一性を更に向上できる。
【0084】
図6は、実施の形態1による他のプラズマ装置の構成を示す概略図である。実施の形態1によるプラズマ装置は、図6に示すプラズマ装置100Aであってもよい。
【0085】
図6を参照して、プラズマ装置100Aは、図1に示すプラズマ装置100の平板部材60,70を平板部材65〜67に代え、整合器160を整合器161〜165に代え、高周波電源170を高周波電源171〜175に代えたものであり、その他は、プラズマ装置100と同じである。
【0086】
平板部材65は、アンテナ21,31に対応して設けられ、アンテナ21,31の一方端に接続される。平板部材66は、アンテナ22,23,32,33に対応して設けられ、アンテナ22,23,32,33の一方端に接続される。平板部材67は、アンテナ24,34に対応して設けられ、アンテナ24,34の一方端に接続される。
【0087】
アンテナ21,31と平板部材65との接続、アンテナ22,23,32,33と平板部材66との接続、およびアンテナ24,34と平板部材67との接続は、上述した方法によって行なわれる。
【0088】
整合器161は、平板部材50の一方端50Aと高周波電源171との間に接続される。高周波電源171は、整合器161と接地電位GNDとの間に接続される。
【0089】
整合器162は、平板部材65の一方端65Aと高周波電源172との間に接続される。高周波電源172は、整合器162と接地電位GNDとの間に接続される。
【0090】
整合器163は、平板部材66の一方端66Aと高周波電源173との間に接続される。高周波電源173は、整合器163と接地電位GNDとの間に接続される。
【0091】
整合器164は、平板部材67の一方端67Aと高周波電源174との間に接続される。高周波電源174は、整合器164と接地電位GNDとの間に接続される。
【0092】
整合器165は、平板部材80の一方端80Aと高周波電源175との間に接続される。高周波電源175は、整合器165と接地電位GNDとの間に接続される。
【0093】
整合器161は、高周波電源171から供給された高周波電力を反射波を抑制して平板部材50へ供給する。高周波電源171は、高周波電力を整合器161へ供給する。
【0094】
整合器162は、高周波電源172から供給された高周波電力を反射波を抑制して平板部材65へ供給する。高周波電源172は、高周波電力を整合器162へ供給する。
【0095】
整合器163は、高周波電源173から供給された高周波電力を反射波を抑制して平板部材66へ供給する。高周波電源173は、高周波電力を整合器163へ供給する。
【0096】
整合器164は、高周波電源174から供給された高周波電力を反射波を抑制して平板部材67へ供給する。高周波電源174は、高周波電力を整合器164へ供給する。
【0097】
整合器165は、高周波電源175から供給された高周波電力を反射波を抑制して平板部材80へ供給する。高周波電源175は、高周波電力を整合器165へ供給する。
【0098】
プラズマ装置100Aにおいては、高周波電源173は、第1のパワーを有する高周波電力を整合器163を介して平板部材66に供給し、高周波電源171,172,174,175は、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電力をそれぞれ整合器161,162,164,165を介して平板部材50,65,67,80に供給する。
【0099】
その結果、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度は、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0100】
従って、プラズマ装置100を用いて多結晶シリコンを形成した場合よりも、方向DR1,DR2における多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0101】
実施の形態1によれば、プラズマ装置100,100Aは、基板ホルダー120との距離が25cmに設定されたアンテナ22,23,32,33と、基板ホルダー120との距離が12cmに設定されたアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44とを備える。
【0102】
その結果、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度がアンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0103】
従って、基板1上に堆積された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0104】
なお、実施の形態1においては、平板部材50がアンテナ11,21,31,41に接続され、平板部材60がアンテナ12,22,32,42に接続され、平板部材70がアンテナ13,23,33,43に接続され、平板部材80がアンテナ14,24,34,44に接続されるようにしてもよい。
【0105】
[実施の形態2]
図7は、実施の形態2によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。図7を参照して、実施の形態2によるプラズマ装置200は、図1に示すプラズマ装置100の反応容器110を反応容器110Aに代え、平板部材60を平板部材250に代えたものであり、その他は、プラズマ装置100と同じである。
【0106】
なお、図7においては、アンテナ21〜24に代えてアンテナ11〜14を表示し、導入端子131,133,135,137に代えて導入端子121,123,125,127を表示している。
【0107】
反応容器110Aは、図1に示す反応容器110の天板112を天板112Aに代えたものであり、その他は、反応容器110と同じである。
【0108】
天板112Aは、平板領域1121A,1122Aからなる。平板領域1122Aは、方向DR1において平板領域1121Aの内周部に配置される。また、平板領域1122Aは、基板ホルダー120から天板112Aの方向へ平板領域1121Aよりも突出して配置される。この場合、基板ホルダー120と平板領域1121Aとの距離は、例えば、27cmであり、基板ホルダー120と平板領域1122Aとの距離は、例えば、40cmである。
【0109】
そして、平板領域1121A,1122Aは、一体的に形成される。平板領域1121Aがオーリング113に接して配置される結果、天板112Aは、オーリング113に接して配置される。
【0110】
平板部材250は、平板領域251,252からなる。平板領域252は、方向DR1において平板領域251の内周部に配置される。また、平板領域252は、基板ホルダー120から天板112Aの方向へ平板領域251よりも突出して配置される。そして、平板領域251と平板領域252との段差は、天板112Aにおける平板領域1121Aと平板領域1122Aとの段差と同じである。
【0111】
その結果、平板部材250は、反応容器110Aの外側で天板112Aに略平行に配置される。
【0112】
導入端子121,127は、天板112Aの平板領域1121Aに固定され、導入端子123,125は、天板112Aの平板領域1122Aに固定される。
【0113】
なお、図7においては、図示されていないが、導入端子122,128は、天板112Aの平板領域1121Aに固定され、導入端子124,126は、天板112Aの平板領域1122Aに固定される。
【0114】
そして、アンテナ11の一方端側は、導入端子121を介して平板部材250の平板領域251に接続され、アンテナ11の他方端側は、導入端子122(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。
【0115】
また、アンテナ12の一方端側は、導入端子123を介して平板部材250の平板領域252に接続され、アンテナ12の他方端側は、導入端子124(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。
【0116】
更に、アンテナ13の一方端側は、導入端子125を介して平板部材250の平板領域252に接続され、アンテナ13の他方端側は、導入端子126(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。
【0117】
更に、アンテナ14の一方端側は、導入端子127を介して平板部材250の平板領域251に接続され、アンテナ14の他方端側は、導入端子128(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。
【0118】
図8は、図7に示す天板112Aの斜視図である。図8を参照して、天板112Aの平板領域1122Aは、略十字形状を有し、基板ホルダー120から天板112Aの方向DR3へ平板領域1121Aよりも突出している。
【0119】
平板領域1121Aは、領域REG1,REG3,REG5,REG7を有し、平板領域1122Aは、領域REG2,REG4,REG6を有する。
【0120】
アンテナ11は、平板領域1121Aの領域REG1に固定され、アンテナ12,13は、平板領域1122Aの領域REG2において方向DR1に沿って配列され、アンテナ14は、平板領域1121Aの領域REG3に固定される。
【0121】
アンテナ21〜24,31〜34は、平板領域1122Aの領域REG4において方向DR1に沿って2列に配列される。
【0122】
アンテナ41は、平板領域1121Aの領域REG5に固定され、アンテナ42,43は、平板領域1122Aの領域REG6において方向DR1に沿って配列され、アンテナ44は、平板領域1121Aの領域REG7に固定される。
【0123】
その結果、アンテナ11,14,41,44と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定され、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43と基板ホルダー120との距離は、25cmに設定される。
【0124】
図9は、図7に示すA方向から見たアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44、天板112A、および平板部材250,260,270,280の平面図である。なお、図9においては、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44を見易くするために、平板部材250,260,270,280は、透明体として図示されている。
【0125】
図9を参照して、プラズマ装置200は、平板部材260,270,280を更に備える。平板部材250,260,270,280の各々は、Cuからなる。
【0126】
平板部材250は、アンテナ11〜14に対応して設けられる。平板部材250は、図4に示す平板部材60と同じ形状および同じ寸法を有する。そして、アンテナ11〜14は、上述した方法によって、平板部材250と接地電位GNDとの間に接続される。
【0127】
平板部材260は、アンテナ21〜24に対応して設けられる。平板部材260は、図3に示す平板部材50と同じ形状および同じ寸法を有する。そして、アンテナ21〜24は、上述した方法によって平板部材260と接地電位GNDとの間に接続される。
【0128】
平板部材270は、アンテナ31〜34に対応して設けられる。平板部材270は、図3に示す平板部材50と同じ形状および同じ寸法を有する。そして、アンテナ31〜34は、上述した方法によって平板部材270と接地電位GNDとの間に接続される。
【0129】
平板部材280は、アンテナ41〜44に対応して設けられる。平板部材280は、図4に示す平板部材60と同じ形状および同じ寸法を有する。そして、アンテナ41〜44は、上述した方法によって平板部材280と接地電位GNDとの間に接続される。
【0130】
方向DR1における平板部材250,260,270,280の一方端250A,260A,270A,280Aは、整合器160に接続される。
【0131】
このように、実施の形態2においては、碁盤の目状に配列されたアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44のうち、4隅に配置されたアンテナ11,14,41,44は、他のアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43よりも基板ホルダー120に近づけて天板112Aに固定される。
【0132】
より具体的には、アンテナ11,14,41,44と基板ホルダー120との距離は、12cmに設定され、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43と基板ホルダー120との距離は、25cmに設定される。
【0133】
これによって、アンテナ11,14,41,44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11,14,41,44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0134】
従って、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0135】
プラズマ装置200においては、4個の平板部材250,260,270,280に対応して4個の高周波電源および4個の整合器を設け、高周波電源170および整合器160と同じ方法によって4個の平板部材250,260,270,280に独立して高周波電力を供給するようにしてもよい。
【0136】
そして、基板1上に堆積される多結晶シリコンの膜厚の均一性が向上するように、平板部材260,270に供給する高周波電力と、平板部材250,280に供給する高周波電力とを制御する。
【0137】
より具体的には、第1のパワーを有する高周波電力を平板部材260,270に供給し、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電力を平板部材250,280を供給する。
【0138】
その結果、アンテナ11,14,41,44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。また、アンテナ12,13,42,43によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ21〜24,31〜34によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11,14,41,44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も速くなり、アンテナ12,13,42,43に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が2番目に速くなり、アンテナ21〜24,31〜34に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も遅くなる。
【0139】
従って、方向DR2における多結晶シリコンの膜厚の均一性を上述した機構によって向上できるとともに、方向DR1における多結晶シリコンの膜厚の均一性を更に向上できる。
【0140】
図10は、実施の形態2による他のプラズマ装置の構成を示す概略図である。実施の形態2によるプラズマ装置は、図10に示すプラズマ装置200Aであってもよい。
【0141】
図10を参照して、プラズマ装置200Aは、図7から図9に示すプラズマ装置200の平板部材250,280を平板部材210,220,230,290,300,310に代え、整合器160を整合器181〜188に代え、高周波電源170を高周波電源191〜198に代えたものであり、その他は、プラズマ装置200と同じである。
【0142】
平板部材210,220,230,290,300,310の各々は、Cuからなる。そして、平板部材210は、平板領域1121Aの領域REG1において天板112Aに略平行に配置される。平板部材220は、平板領域1122Aの領域REG2において天板112Aに略平行に配置される。平板部材230は、平板領域1121Aの領域REG3において天板112Aに略平行に配置される。平板部材290は、平板領域1121Aの領域REG5において天板112Aに略平行に配置される。平板部材300は、平板領域1122Aの領域REG6において天板112Aに略平行に配置される。平板部材310は、平板領域1121Aの領域REG7において天板112Aに略平行に配置される。
【0143】
平板部材210は、アンテナ11に対応して設けられる。そして、アンテナ11は、上述した方法によって平板部材11と接地電位GNDとの間に接続される。
【0144】
平板部材220は、アンテナ12,13に対応して設けられる。そして、アンテナ12,13は、上述した方法によって平板部材220と接地電位GNDとの間に接続される。
【0145】
平板部材230は、アンテナ14に対応して設けられる。そして、アンテナ14は、上述した方法によって平板部材230と接地電位GNDとの間に接続される。
【0146】
平板部材290は、アンテナ41に対応して設けられる。そして、アンテナ41は、上述した方法によって平板部材290と接地電位GNDとの間に接続される。
【0147】
平板部材300は、アンテナ42,43に対応して設けられる。そして、アンテナ42,43は、上述した方法によって平板部材300と接地電位GNDとの間に接続される。
【0148】
平板部材310は、アンテナ44に対応して設けられる。そして、アンテナ44は、上述した方法によって平板部材310と接地電位GNDとの間に接続される。
【0149】
整合器181は、平板部材210の一方端210Aと高周波電源191との間に接続される。高周波電源191は、整合器181と接地電位GNDとの間に接続される。
【0150】
整合器182は、平板部材220の一方端220Aと高周波電源192との間に接続される。高周波電源192は、整合器182と接地電位GNDとの間に接続される。
【0151】
整合器183は、平板部材230の一方端230Aと高周波電源193との間に接続される。高周波電源193は、整合器183と接地電位GNDとの間に接続される。
【0152】
整合器184は、平板部材260の一方端260Aと高周波電源194との間に接続される。高周波電源194は、整合器184と接地電位GNDとの間に接続される。
【0153】
整合器185は、平板部材270の一方端270Aと高周波電源195との間に接続される。高周波電源195は、整合器185と接地電位GNDとの間に接続される。
【0154】
整合器186は、平板部材290の一方端290Aと高周波電源196との間に接続される。高周波電源196は、整合器186と接地電位GNDとの間に接続される。
【0155】
整合器187は、平板部材300の一方端300Aと高周波電源197との間に接続される。高周波電源197は、整合器187と接地電位GNDとの間に接続される。
【0156】
整合器188は、平板部材310の一方端310Aと高周波電源198との間に接続される。高周波電源198は、整合器188と接地電位GNDとの間に接続される。
【0157】
プラズマ装置200Aにおいては、高周波電源192,194,195,197は、第1のパワーを有する高周波電力をそれぞれ整合器182,184,185,187を介して平板部材220,260,270,300に供給し、高周波電源191,193,196,198は、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電源をそれぞれ整合器181,183,186,188を介して平板部材210,230,290,310に供給する。
【0158】
その結果、アンテナ11,14,41,44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11,14,41,44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0159】
従って、基板1の四隅における多結晶シリコンの膜厚が中央部における多結晶シリコンの膜厚よりも薄くなる場合に、基板1上に堆積された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0160】
実施の形態2によれば、プラズマ装置200,200Aは、基板ホルダー120との距離が25cmに設定されたアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43と、基板ホルダー120との距離が12cmに設定されたアンテナ11,14,41,44とを備える。
【0161】
その結果、アンテナ11,14,41,44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなる。そして、アンテナ11,14,41,44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度がアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0162】
従って、基板1上に堆積された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0163】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0164】
[実施の形態3]
図11は、実施の形態3によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。図11を参照して、実施の形態3によるプラズマ装置400は、図1に示すプラズマ装置100の反応容器110を反応容器110Bに代え、平板部材60を平板部材410に代えたものであり、その他は、プラズマ装置100と同じである。
【0165】
反応容器110Bは、反応容器110の天板112を天板112Bに代えたものであり、その他は、反応容器110と同じである。
【0166】
天板112Bは、基板ホルダー120から天板112Bの方向へ突出したドーム形状からなる。そして、天板112Bは、オーリング113に接するとともに、接地電位GNDに接続される。
【0167】
プラズマ装置400においては、導入端子121,123,125,127は、天板112Bに固定される。その結果、アンテナ11〜14は、その一方端側がそれぞれ導入端子121,123,125,127を介して平板部材410に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子122,124,126,128(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。これによって、アンテナ11〜14は、天板112Bに固定される。
【0168】
導入端子131〜138(図示せず)も、天板112Bに固定される。そして、アンテナ21〜24(図示せず)は、その一方端側がそれぞれ導入端子131,133,135,137を介して他の平板部材(図示せず)に接続され、その他方端側が導入端子132,134,136,138を介して接地電位GNDに接続される。これによって、アンテナ21〜24は、天板112Bに固定される。
【0169】
アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44(図示せず)も、同様にして、その一方端側が天板112Bに固定された導入端子を介して平板部材(図示せず)に接続され、その他方端側が接地電位GNDに接続される。これによって、アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44も、天板112Bに固定される。
【0170】
従って、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44と基板ホルダー120との距離は、基板ホルダー120の中央部で最も長くなり、基板ホルダー120の外周部へ向かうに従って短くなる。
【0171】
平板部材410は、反応容器110Bの外側において天板112Bに略平行に配置される。そして、平板部材410は、その一面がアンテナ11〜14の各々の一方端に接続される。また、平板部材410は、方向DR1における一方端が整合器160に接続される。
【0172】
図12は、図11に示す天板112Bおよび平板部材410の斜視図である。図12を参照して、天板112Bは、平板領域1121Bと突出領域1122Bとからなる。平板領域1121Bは、突出領域1122Bの周囲に配置される。突出領域1122Bは、基板ホルダー120から天板112Bの方向DR3へ突出している。
【0173】
プラズマ装置400は、平板部材420を更に備える。平板部材410,420の各々は、天板112Bの平板領域1121Bおよび突出領域1122Bに略平行に配置される。
【0174】
アンテナ11〜14を固定するための導入端子121〜128、およびアンテナ21〜24を固定するための131〜138は、天板112Bの突出領域1122Bに固定される。また、アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44を固定するための導入端子も、天板112Bの突出領域1122Bに固定される。
【0175】
図13は、図11に示すA方向から見たアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44、天板112Bおよび平板部材410,420,430,440の平面図である。なお、図13においては、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44を見易くするために、平板部材410,420,430,440は、透明体で図示されている。
【0176】
図13を参照して、プラズマ装置400は、平板部材430,440を更に備える。平板部材410,420,430,440の各々は、Cuからなる。平板部材410は、アンテナ11〜14に対応して設けられ、図12に示す態様で天板112Bの平板領域1121Bおよび突出領域1122Bに対向して配置される。
【0177】
平板部材420は、アンテナ21〜24に対応して設けられ、図12に示す態様で天板112Bの平板領域1121Bおよび突出領域1122Bに対向して配置される。
【0178】
平板部材430は、アンテナ31〜34に対応して設けられ、図12に示す平板部材41,420と同じ態様で天板112Bの平板領域1121Bおよび突出領域1122Bに対向して配置される。
【0179】
平板部材440は、アンテナ41〜44に対応して設けられ、図12に示す平板部材410,420と同じ態様で天板112Bの平板領域1121Bおよび突出領域1122Bに対向して配置される。
【0180】
そして、方向DR1における平板部材410,420,430,440の一方端410A,420A,430A,440Aは、整合器160に接続される。
【0181】
プラズマ装置400においては、アンテナ11〜14の一方端は、上述した方法によって平板部材410に接続され、他方端が上述した方法によって接地電位GNDに接続される。アンテナ21〜24の一方端は、上述した方法によって平板部材420に接続され、他方端が上述した方法によって接地電位GNDに接続される。アンテナ31〜34の一方端は、上述した方法によって平板部材430に接続され、他方端が上述した方法によって接地電位GNDに接続される。アンテナ41〜44の一方端は、上述した方法によって平板部材440に接続され、他方端が上述した方法によって接地電位GNDに接続される。
【0182】
そして、アンテナ11〜14、アンテナ21〜24、アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44は、それぞれ、平板部材410,420,430,440を介して高周波電流を受け、その受けた高周波電流を接地電位GNDへ流す。これによって、アンテナ11〜14、アンテナ21〜24、アンテナ31〜34およびアンテナ41〜44は、誘導結合によって反応容器110B内の空間180にプラズマを発生する。
【0183】
このように、実施の形態3においては、碁盤の目状に配列されたアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44と基板ホルダー120との距離は、基板ホルダー120の中央部で最も長くなり、基板ホルダー120の外周部へ向かうに従って短くなる。
【0184】
その結果、プラズマの電子密度は、基板ホルダー120の中央部に対向する位置において最も低くなり、基板ホルダー120の外周部へ向かうに従って高くなる。そして、多結晶シリコンの成長速度は、基板1の中央部で最も遅くなり、基板1の外周部へ向かうに従って速くなる。
【0185】
従って、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0186】
プラズマ装置400においては、4個の平板部材410,420,430,440に対応して4個の高周波電源および4個の整合器を設け、高周波電源170および整合器160と同じ方法によって4個の平板部材410,420,430,440に独立して高周波電力を供給するようにしてもよい。
【0187】
そして、方向DR2における多結晶シリコンの膜厚の分布が方向DR1における多結晶シリコンの膜厚の分布よりも大きい場合、第1のパワーを有する高周波電力を平板部材420,430に供給し、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電力を平板部材410,440を供給する。
【0188】
その結果、アンテナ11〜14,41〜44によって発生されたプラズマの電子密度は、アンテナ21〜24,31〜34によって発生されたプラズマの電子密度よりも高くなるとともに、基板ホルダー120の中央部から外周部へ向かって徐々に低くなる。そして、アンテナ11,14,41,44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も速くなり、アンテナ12,13,42,43に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が2番目に速くなり、アンテナ21,24,31,34に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が3番目に速くなり、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も遅くなる。
【0189】
従って、基板ホルダー120の中央部から外周部へ向かう方向における多結晶シリコンの膜厚の均一性を上述した機構によって向上できるとともに、方向DR2における多結晶シリコンの膜厚の均一性を更に向上できる。
【0190】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0191】
[実施の形態4]
図14は、実施の形態4によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。図14を参照して、プラズマ装置500は、図1に示すプラズマ装置100のアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44をそれぞれアンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aに代え、反応容器110を反応容器110Cに代え、平板部材60を平板部材520に代えたものであり、その他は、プラズマ装置100と同じである。
【0192】
反応容器110Cは、反応容器110の天板112を天板112Cに代えたものであり、その他は、反応容器110と同じである。
【0193】
天板112Cは、平坦な板状形状からなる。そして、天板112Cは、オーリング113に接して配置されるとともに、接地電位GNDに接続される。
【0194】
平板部材520は、平坦な板状形状からなり、反応容器110Cの外側において天板112Cに略平行に配置される。そして、平板部材520は、方向DR1における一方端が整合器160に接続される。
【0195】
アンテナ21A,24Aの各々は、アンテナ11〜14と同じ形状および同じ材料からなる。アンテナ21A,22,23,24Aは、その一方端側がそれぞれ天板112Cに固定された導入端子131,133,135,137を介して平板部材520に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子132,134,136,138(図示せず)を介して接地電位GNDに接続される。
【0196】
そして、アンテナ21A,24Aのうち、反応容器110C内に配置された部分の長さは、例えば、25cmである。
【0197】
従って、アンテナ21A,24Aの長さは、アンテナ22,23の長さよりも短い。
【0198】
図15は、図14に示すA方向から見たアンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44A、天板112Cおよび平板部材510,520,530,540の平面図である。
【0199】
なお、図15においては、アンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aを見易くするために、平板部材510,520,530,540は、透明体で図示されている。
【0200】
図15を参照して、プラズマ装置500は、平板部材510,530,540を更に備える。
【0201】
平板部材510,520,530,540の各々は、Cuからなり、長方形の平面形状を有する。そして、平板部材510,520,530,540の各々は、上述した平板部材50と同じ寸法を有する。
【0202】
平板部材510は、アンテナ11A〜14Aに対応して設けられる。平板部材520は、アンテナ21A,22,23,24Aに対応して設けられる。平板部材530は、アンテナ31A,32,33,34Aに対応して設けられる。平板部材540は、アンテナ41A,42,43,44Aに対応して設けられる。
【0203】
そして、平板部材510,520,530,540は、方向DR1における一方端510A,520A,530A,540Aが整合器160に接続される。
【0204】
図16は、図15に示す平板部材510およびアンテナ11A〜14Aの斜視図である。図16を参照して、導入端子121〜128は、反応容器110Cの天板112Cに固定される。
【0205】
アンテナ11A〜14Aの各々は、アンテナ11〜14と同じ形状および同じ材料からなる。そして、アンテナ11A〜14Aの各々は、上述したアンテナ21A,24Aと同じ長さを有する。
【0206】
アンテナ11A〜14Aは、その一方端側がそれぞれ導入端子121,123,125,127を介して平板部材510に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子122,124,126,128を介して接地電位GNDに接続される。
【0207】
このように、アンテナ11A〜14Aは、それぞれ、1対の導入端子121,122、1対の導入端子123,124、1対の導入端子125,126および1対の導入端子127,128によって天板112Cに固定される。
【0208】
高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材510に供給されると、高周波電流は、図3において説明した方法によって、平板部材510からアンテナ11A〜14Aに流れ、最終的に、接地電位GNDに流れ込む。その結果、アンテナ11A〜14Aは、誘導結合によってプラズマを発生する。
【0209】
なお、図15に示すアンテナ41A〜44Aは、図16に示す態様で平板部材540と接地電位GNDとの間に接続される。そして、アンテナ41A〜44Aの各々は、アンテナ11A〜14Aと同じ材料からなり、アンテナ11A〜14Aと同じ形状および同じ寸法を有する。
【0210】
図17は、図15に示す平板部材520およびアンテナ21A,22,23,24Aの斜視図である。
【0211】
図17を参照して、導入端子131〜138は、反応容器110Cの天板112Cに固定される。
【0212】
アンテナ21A,22,23,24Aは、その一方端側がそれぞれ導入端子131,133,135,137を介して平板部材520に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子132,134,136,138を介して接地電位GNDに接続される。
【0213】
このように、アンテナ21A,22,23,24Aは、それぞれ、1対の導入端子131,132、1対の導入端子133,134、1対の導入端子135,136および1対の導入端子137,138によって天板112Cに固定される。
【0214】
高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材520に供給されると、高周波電流は、図3において説明した方法によって、平板部材520からアンテナ21A,22,23,24Aに流れ、最終的に、接地電位GNDに流れ込む。その結果、アンテナ21A,22,23,24Aは、誘導結合によってプラズマを発生する。
【0215】
なお、図15に示すアンテナ31A,32,33,34Aは、図17に示す態様で平板部材530と接地電位GNDとの間に接続される。そして、アンテナ31A,34Aは、アンテナ21A,24Aと同じ材料からなり、アンテナ21A,24Aと同じ形状、および同じ寸法を有する。
【0216】
上述したように、実施の形態4においては、碁盤の目状に配置されたアンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aのうち、外周部に配置されたアンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aは、内周部に配置されたアンテナ22,23,32,33よりも短い。
【0217】
そして、アンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aの各々は、線状導体からなるので、アンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aのインダクタンスは、アンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aの長さに比例する。
【0218】
従って、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aのインダクタンスは、アンテナ22,23,32,33のインダクタンスよりも小さい。
【0219】
そうすると、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aに流れる高周波電流は、アンテナ22,23,32,33に流れる高周波電流よりも多くなる。
【0220】
その結果、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aによって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くなる。即ち、アンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aによって発生されたプラズマは、外周部の電子密度が内周部の電子密度よりも高くなる。
【0221】
そして、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aに対向する位置における多結晶シリコンの成長速度は、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速くなる。
【0222】
従って、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0223】
プラズマ装置500においては、4個の平板部材510,520,530,540に対応して4個の高周波電源および4個の整合器を設け、高周波電源170および整合器160と同じ方法によって4個の平板部材510,520,530,540に独立して高周波電力を供給するようにしてもよい。
【0224】
そして、基板1上に堆積される多結晶シリコンの膜厚の均一性が向上するように、平板部材520,530に供給する高周波電力と、平板部材510,540に供給する高周波電力とを制御する。
【0225】
より具体的には、方向DR2における多結晶シリコンの膜厚の分布が方向DR1における多結晶シリコンの膜厚の分布よりも大きい場合、第1のパワーを有する高周波電力を平板部材520,530に供給し、第1のパワーよりも強い第2のパワーを有する高周波電力を平板部材510,540を供給する。
【0226】
その結果、アンテナ11A〜14A,41A〜44Aによって発生されたプラズマの電子密度は、最も高くなり、アンテナ21A,24A,31A,34Aによって発生されたプラズマの電子密度が2番目に高くなり、アンテナ22,23,32,33によって発生されたプラズマの電子密度は、最も低くなる。そして、アンテナ11A〜14A,41A〜44Aに対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も速くなり、アンテナ21A,24A,31A,34Aに対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が2番目に速くなり、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が最も遅くなる。
【0227】
従って、方向DR1における多結晶シリコンの膜厚の均一性を上述した機構によって向上できるとともに、方向DR2における多結晶シリコンの膜厚の均一性を更に向上できる。
【0228】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0229】
[実施の形態5]
図18は、実施の形態5によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。図18を参照して、実施の形態5によるプラズマ装置600は、図14に示すプラズマ装置500のアンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aをアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に代え、平板部材520を平板部材610,611に代えたものであり、その他は、プラズマ装置500と同じである。
【0230】
プラズマ装置600において、導入端子121,123,125,127は、反応容器110Cの天板112Cに固定される。
【0231】
アンテナ11〜14は、その一方端側がそれぞれ導入端子121,123,125,127を介して平板部材610に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子122,124,126,128(図示せず)を介して平板部材611に接続される。
【0232】
平板部材610,611は、反応容器110Cの外側において天板112Cに略平行に配置される。
【0233】
そして、平板部材610は、方向DR1における一方端610Aが整合器160に接続される。また、平板部材611は、平板部材610の一方端610Aと同じ側の一方端611Aが接地電位GNDに接続される。
【0234】
図19は、図18に示すA方向から見たアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44、天板112Cおよび平板部材610,611,620〜624,630〜624,640,641の平面図である。
【0235】
なお、図19においては、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44を見易くするために、平板部材610,611,620〜624,630〜634,640,641は、透明体で図示されている。
【0236】
図19を参照して、プラズマ装置600は、平板部材620〜624,630〜634,640,641を更に備える。平板部材610,611,620〜624,630〜634,640,641の各々は、Cuからなり、平坦な板状形状を有する。
【0237】
平板部材610,611は、アンテナ11〜14に対応して設けられる。平板部材620,621は、アンテナ21に対応して設けられ、平板部材622は、アンテナ22,23に対応して設けられ、平板部材623,624は、アンテナ24に対応して設けられる。平板部材630,631は、アンテナ31に対応して設けられ、平板部材632は、アンテナ32,33に対応して設けられ、平板部材633,634は、アンテナ34に対応して設けられる。平板部材640,641は、アンテナ41〜44に対応して設けられる。
【0238】
平板部材611は、平板部材610の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。平板部材621は、平板部材620の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。平板部材624は、平板部材623の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。平板部材631は、平板部材630の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。平板部材634は、平板部材633の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。平板部材641は、平板部材640の下側(図19の紙面の奥側)に配置される。
【0239】
そして、方向DR1における平板部材610,620,622,623,630,632,633,640の一方端610A,620A,622A,623A,630A,632A,633A,640Aは、整合器160に接続される。また、平板部材611,621,624,631,634,641は、それぞれ、平板部材610,620,623,630,633,640の一方端610A,620A,623A,630A,633A,640Aと同じ側の一方端611A,621A,624A,631A,634A,641Aが接地電位GNDに接続される。
【0240】
図20は、図19に示すアンテナ11〜14、および平板部材610,611の斜視図である。
【0241】
導入端子121〜128は、反応容器110Cの天板112Cに固定される。アンテナ11〜14は、その一方端側がそれぞれ導入端子121,123,125,127を介して平板部材610に接続され、その他方端側がそれぞれ導入端子122,124,126,128を介して平板部材611に接続される。
【0242】
このように、アンテナ11〜14は、それぞれ、1対の導入端子121,122、1対の導入端子123,124、1対の導入端子125,126および1対の導入端子127,128を介して平板部材610と平板部材611との間に接続される。
【0243】
高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材610の一方端610Aに供給されると、高周波電流は、平板部材610を矢印ARW1の方向に流れ、アンテナ11〜14の直線部分11A,12A,13A,14Aに流れ込む。
【0244】
そして、高周波電流は、アンテナ11〜14をそれぞれ矢印ARW2〜ARW5の方向へ流れ、平板部材611に流れ込む。
【0245】
その後、高周波電流は、平板部材611を矢印ARW11の方向へ流れ、平板部材611の一方端611Aから接地電位GNDに流れる。
【0246】
その結果、高周波電流は、平板部材611を平板部材610と反対方向へ流れるので、平板部材610の自己インダクタンスは、平板部材611からの相互インダクタンスによって平板部材611が設置されていない場合よりも小さくなる。
【0247】
従って、平板部材610のインピーダンスは、平板部材611が設置されていない場合よりも小さくなり、平板部材611が設置されていない場合よりも多くの高周波電流がアンテナ11〜14に流れる。
【0248】
そうすると、アンテナ11〜14によって発生されるプラズマの電子密度は、平板部材611が設置されていない場合よりも高くなる。
【0249】
なお、アンテナ41〜44は、図20に示す態様と同じ態様で平板部材640と平板部材641との間に接続される。そして、高周波電流は、平板部材641を平板部材640と反対方向へ流れる。従って、上述した機構によって、アンテナ41〜44によって発生されるプラズマの電子密度は、平板部材641が設置されていない場合よりも高くなる。
【0250】
図21は、図19に示すアンテナ21〜24、および平板部材620〜624の斜視図である。
【0251】
図21を参照して、導入端子131〜138は、反応容器110Cの天板112Cに固定される。
【0252】
アンテナ21は、その一方端側が導入端子131を介して平板部材620に接続される。また、アンテナ21は、その他方端側が導入端子132を介して平板部材621に接続される。
【0253】
アンテナ22,23は、その一方端側がそれぞれ導入端子133,135を介して平板部材622に接続される。また、アンテナ22,23は、その他方端側がそれぞれ導入端子134,136を介して接地電位GNDに接続される。
【0254】
アンテナ24は、その一方端側が導入端子137を介して平板部材623に接続される。また、アンテナ24は、その他方端側が導入端子138を介して平板部材624に接続される。
【0255】
このように、アンテナ21は、1対の導入端子131,132を介して平板部材620と平板部材621との間に接続される。アンテナ22,23は、それぞれ、1対の導入端子133,134および1対の導入端子135,136を介して平板部材622と接地電位GNDとの間に接続される。アンテナ24は、1対の導入端子137,138を介して平板部材623と平板部材624との間に接続される。
【0256】
高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材620の一方端620Aに供給されると、高周波電流は、平板部材620を矢印ARW12の方向に流れ、アンテナ21の直線部分21Aに流れ込む。
【0257】
そして、高周波電流は、アンテナ21を矢印ARW7の方向へ流れ、直線部分21Bから平板部材621に流れ込む。その後、高周波電流は、平板部材621を矢印ARW13の方向に流れ、平板部材621の一方端621Aから接地電位GNDに流れる。
【0258】
また、高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材622の一方端622Aに供給されると、高周波電流は、平板部材622を矢印ARW14の方向へ流れ、アンテナ22,23の直線部分22A,23Aに流れ込む。
【0259】
そして、高周波電流は、アンテナ22,23をそれぞれ矢印ARW8,ARW9の方向へ流れ、アンテナ22,23の直線部分22B,23Bから接地電位GNDに流れる。
【0260】
更に、高周波電力が高周波電源170から整合器160を介して平板部材623の一方端623Aに供給されると、高周波電流は、平板部材623を矢印ARW15の方向へ流れ、アンテナ24の直線部分24Aに流れ込む。
【0261】
そして、高周波電流は、アンテナ24を矢印ARW10の方向へ流れ、アンテナ24の直線部分24Bから平板部材624に流れる。その後、高周波電流は、平板部材624を矢印ARW16の方向へ流れ、平板部材624の一方端624Aから接地電位GNDに流れる。
【0262】
その結果、高周波電流は、平板部材621を平板部材620と反対方向へ流れるので、平板部材620の自己インダクタンスは、平板部材621からの相互インダクタンスによって平板部材621が設置されていない場合よりも小さくなる。
【0263】
従って、平板部材620のインピーダンスは、平板部材621が設置されていない場合よりも小さくなり、アンテナ21に流れる高周波電流は、平板部材621が設置されていない場合よりも多くなる。
【0264】
同様の機構によって、アンテナ24に流れる高周波電流は、平板部材624が設置されていない場合よりも多くなる。
【0265】
平板部材622に流れる高周波電流と反対方向の高周波電流が流れる平板部材が存在しないので、平板部材622の自己インダクタンスは、低下しない。
【0266】
従って、アンテナ21,24に流れる高周波電流は、アンテナ22,23に流れる高周波電流よりも多くなる。
【0267】
その結果、アンテナ21,24によって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ22,23によって発生されるプラズマの電子密度よりも高い。
【0268】
なお、アンテナ31は、図21に示すアンテナ21と同じ態様で平板部材630と平板部材631との間に接続され、アンテナ32,33は、図21にアンテナ22,23と同じ態様で平板部材632と接地電位GNDとの間に接続され、アンテナ34は、図21に示すアンテナ24と同じ態様で平板部材633と平板部材634との間に接続される。そして、高周波電流は、平板部材631を平板部材630と反対方向へ流れ、平板部材634を平板部材633と反対方向へ流れる。従って、上述した機構によって、アンテナ31,34によって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くなる。
【0269】
上述したように、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度は、アンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高い。
【0270】
その結果、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度は、アンテナ22,23,32,33に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度よりも速い。
【0271】
従って、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0272】
プラズマ装置600においては、8個の平板部材610,620,622,623,630,632,633,640に対応して8個の高周波電源および8個の整合器を設け、高周波電源170および整合器160と同じ方法によって8個の平板部材610,620,622,623,630,632,633,640に独立して高周波電力を供給するようにしてもよい。
【0273】
そして、同じ強度の高周波電力を8個の平板部材610,620,622,623,630,632,633,640に供給して基板1上に形成した多結晶シリコンの膜厚が基板1の周辺部において基板1の中央部よりも薄い場合、第1の強度を有する高周波電力を平板部材622,632に供給し、第1の強度よりも強い第2の強度を有する高周波電力を平板部材610,620,623,630,633,640に供給する。
【0274】
これによって、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度とアンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度との差が更に大きくなる。そして、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に対向する位置における多結晶シリコンの成長速度が更に速くなる。
【0275】
従って、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0276】
また、基板1上に形成された多結晶シリコンの膜厚の分布に応じて、8個の平板部材610,620,622,623,630,632,633,640に供給する高周波電力を調整することによって、多結晶シリコンの各種の膜厚分布を抑制して多結晶シリコンの膜厚の均一性を向上できる。
【0277】
その他は、実施の形態1,4と同じである。
【0278】
なお、この発明の実施の形態においては、上述した実施の形態1〜実施の形態4において、実施の形態5における態様と同じ態様によって、平板部材50,60,70,80、平板部材50,65〜67,80、平板部材250,260,270,280、平板部材210,220,230,260,270,290,300,310、平板部材410,420,430,440、および平板部材510,520,530,540に対向する平板部材を更に設け、平板部材50,60,70,80、平板部材50,65〜67,80、平板部材250,260,270,280、平板部材210,220,230,260,270,290,300,310、平板部材410,420,430,440、および平板部材510,520,530,540の自己インダクタンスを低減するようにしてもよい。
【0279】
また、この発明の実施の形態においては、プラズマ装置100,100A,200,200A,400,500,600は、多結晶シリコンのみならず、アモルファスシリコン、多結晶ゲルマニウム、およびアモルファスゲルマニウム等の半導体薄膜、二酸化シリコン(SiO2)、およびシリコンナイトライド(Si3N4)等の絶縁膜を均一性良く基板1上に堆積する。そして、プラズマ装置100,100A,200,200A,400,500,600は、一般的には、薄膜を均一性良く基板1上に堆積する。
【0280】
更に、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44(またはアンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41〜44)は、碁盤の目状に限らず、円形に配列されてもよく、任意の形状に配列されてもよい。そして、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44(またはアンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41〜44)は、外周部における電子密度が内周部における電子密度よりも高くなるように空間180にプラズマを発生する。
【0281】
上述したように、実施の形態1においては、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44と基板ホルダー120との距離をアンテナ22,23,32,33と基板ホルダー120との距離よりも短くすることによって、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度をアンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くした。
【0282】
また、実施の形態2においては、アンテナ11,14,41,44と基板ホルダー120との距離をアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43と基板ホルダー120との距離よりも短くすることによって、アンテナ11,14,41,44によって発生されるプラズマの電子密度をアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くした。
【0283】
更に、実施の形態3においては、碁盤の目状に配置されたアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44の中央部から外周部に向かうに従って、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44と基板ホルダー120との距離を徐々に短くすることによって、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度を基板ホルダー120の中央部から外周部へ向かって徐々に高くした。
【0284】
更に、実施の形態4においては、碁盤の目状に配置されたアンテナ11A〜14A,21A,22,23,24A,31A,32,33,34A,41A〜44Aのうち、外周部に配置されたアンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aの長さを内周部に配置されたアンテナ22,23,32,33の長さよりも短くすることによって、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aによって発生されるプラズマの電子密度をアンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くした。
【0285】
更に、実施の形態5においては、碁盤の目状に配置されたアンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44のうち、外周部に配置されたアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44に供給する高周波電流を内周部に配置されたアンテナ22,23,32,33に供給する高周波電流よりも多くすることによって、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44によって発生されるプラズマの電子密度をアンテナ22,23,32,33によって発生されるプラズマの電子密度よりも高くした。
【0286】
従って、この発明の実施の形態によるプラズマ装置は、第1の電子密度を有するプラズマを発生するアンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44(またはアンテナ11,14,41,44またはアンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44A)と、第1の電子密度よりも低い第2の電子密度を有するプラズマを発生するアンテナ22,23,32,33(またはアンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43またはアンテナ22,23,32,33)とを備えていればよい。
【0287】
そして、アンテナ11〜14,21〜24,31〜34,41〜44は、「複数のアンテナ」を構成する。また、アンテナ11〜14,21,24,31,34,41〜44は、「複数の第1のアンテナ」を構成し、アンテナ22,23,32,33は、「複数の第2のアンテナ」を構成する。更に、アンテナ11,14,41,44は、「複数の第1のアンテナ」を構成し、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43は、「複数の第2のアンテナ」を構成する。この場合、アンテナ12,13,21〜24,31〜34,42,43は、アンテナ11,14,41,44の内周側および隣接する2つのアンテナ11,14,41,44間に配置される。更に、アンテナ11A〜14A,21A,24A,31A,34A,41A〜44Aは、「複数の第1のアンテナ」を構成し、アンテナ22,23,32,33は、「複数の第2のアンテナ」を構成する。
【0288】
また、この発明の実施の形態においては、基板ホルダー120は、「支持部材」を構成する。
【0289】
更に、この発明の実施の形態においては、平板部材610,620,623,630,633,640は、「第1の平板部材」を構成し、平板部材611,621,624,631,634,641は、「第2の平板部材」を構成し、平板部材622,632は、「第3の平板部材」を構成する。
【0290】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0291】
この発明は、プラズマ装置に適用される。
【符号の説明】
【0292】
1 基板、11〜14,11A〜14A,21〜24,21A,24A,31〜34,31A,34A,41〜44,41A〜44A アンテナ、50,60,65〜67,70,80,210,220,230,250,260,270,280,290,300,310,410,420,430,440,510,520,530,540,610,611,620〜624,630〜634,640,641 平板部材、61,62,251,252,1121,1121A,1121B,1122,1122A,1122B 平板領域、100,100A,200,200A,400,500,600 プラズマ装置、110,110A,110B,110C 反応容器、111 本体部、112,112A,112B,112C 天板、113 オーリング、114 ガス供給口、115 排気口、120 基板ホルダー、130 ヒーター、121〜128,131〜138 導入端子、140 ガス供給装置、150 排気装置、160〜165,181〜188 整合器、170〜175,191〜198 高周波電源、180 空間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器と、
前記反応容器内において基板を支持する支持部材と、
前記反応容器の天板に固定されるとともに、前記支持部材によって支持された基板との間の空間にプラズマを発生させ、各々が略U字形状を有する複数のアンテナとを備え、
前記複数のアンテナは、
前記基板との間の空間において第1の電子密度を有するプラズマを発生する複数の第1のアンテナと、
前記天板の面内方向において前記複数の第1のアンテナの内周側または前記複数の第1のアンテナの内周側および隣接する2つの第1のアンテナ間に配置され、前記基板との間の空間において前記第1の電子密度よりも低い第2の電子密度を有するプラズマを発生する複数の第2のアンテナとを含む、プラズマ装置。
【請求項2】
前記複数の第1のアンテナの各々は、前記支持部材との間の距離が第1の距離に設定され、
前記複数の第2のアンテナの各々は、前記支持部材との間の距離が前記第1の距離よりも長い第2の距離に設定される、請求項1に記載のプラズマ装置。
【請求項3】
前記複数の第1のアンテナの各々は、前記複数の第2のアンテナの各々と略同じ長さを有し、
前記天板は、
前記複数の第1のアンテナが固定され、前記支持部材との間の距離が第3の距離に設定された第1の平板領域と、
前記複数の第2のアンテナが固定され、前記支持部材との間の距離が前記第3の距離よりも長い第4の距離に設定された第2の平板領域とを含む、請求項2に記載のプラズマ装置。
【請求項4】
前記複数の第1のアンテナの各々は、前記複数の第2のアンテナの各々よりも短い長さを有し、
前記基板と前記複数の第1のアンテナとの間の距離は、前記基板と前記複数の第2のアンテナとの間の距離と略同じである、請求項1に記載のプラズマ装置。
【請求項5】
前記複数のアンテナは、前記天板の略四角形の領域において碁盤の目状に配置されており、
前記複数の第1のアンテナは、前記略四角形の四隅に配置される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ装置。
【請求項6】
前記複数のアンテナは、前記天板の略四角形の領域において碁盤の目状に配置されており、
前記複数の第1のアンテナは、前記略四角形の4辺に沿って配置される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ装置。
【請求項7】
前記複数の第1のアンテナの各々は、前記複数の第2のアンテナの各々と略同じ長さを有し、
前記天板は、中央部が前記支持部材から前記天板に向かう方向へ突出した略ドーム形状からなる、請求項1に記載のプラズマ装置。
【請求項8】
前記反応容器の外部で前記複数の第1のアンテナの一方端に接続された第1の平板部材と、
前記第1の平板部材に対向して配置されるとともに、前記複数の第1のアンテナの他方端に接続され、かつ、前記第1の平板部材の一方端と同じ側の一方端が接地された第2の平板部材と、
前記反応容器の外側で前記複数の第2のアンテナの一方端に接続された第3の平板部材と、
前記第1の平板部材の一方端から前記第1の平板部材に高周波電力を供給するとともに、前記第3の平板部材の一方端から前記第3の平板部材に高周波電力を供給する高周波電源とを更に備え、
前記複数の第2のアンテナの他方端は、接地電位に接続される、請求項1に記載のプラズマ装置。
【請求項1】
反応容器と、
前記反応容器内において基板を支持する支持部材と、
前記反応容器の天板に固定されるとともに、前記支持部材によって支持された基板との間の空間にプラズマを発生させ、各々が略U字形状を有する複数のアンテナとを備え、
前記複数のアンテナは、
前記基板との間の空間において第1の電子密度を有するプラズマを発生する複数の第1のアンテナと、
前記天板の面内方向において前記複数の第1のアンテナの内周側または前記複数の第1のアンテナの内周側および隣接する2つの第1のアンテナ間に配置され、前記基板との間の空間において前記第1の電子密度よりも低い第2の電子密度を有するプラズマを発生する複数の第2のアンテナとを含む、プラズマ装置。
【請求項2】
前記複数の第1のアンテナの各々は、前記支持部材との間の距離が第1の距離に設定され、
前記複数の第2のアンテナの各々は、前記支持部材との間の距離が前記第1の距離よりも長い第2の距離に設定される、請求項1に記載のプラズマ装置。
【請求項3】
前記複数の第1のアンテナの各々は、前記複数の第2のアンテナの各々と略同じ長さを有し、
前記天板は、
前記複数の第1のアンテナが固定され、前記支持部材との間の距離が第3の距離に設定された第1の平板領域と、
前記複数の第2のアンテナが固定され、前記支持部材との間の距離が前記第3の距離よりも長い第4の距離に設定された第2の平板領域とを含む、請求項2に記載のプラズマ装置。
【請求項4】
前記複数の第1のアンテナの各々は、前記複数の第2のアンテナの各々よりも短い長さを有し、
前記基板と前記複数の第1のアンテナとの間の距離は、前記基板と前記複数の第2のアンテナとの間の距離と略同じである、請求項1に記載のプラズマ装置。
【請求項5】
前記複数のアンテナは、前記天板の略四角形の領域において碁盤の目状に配置されており、
前記複数の第1のアンテナは、前記略四角形の四隅に配置される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ装置。
【請求項6】
前記複数のアンテナは、前記天板の略四角形の領域において碁盤の目状に配置されており、
前記複数の第1のアンテナは、前記略四角形の4辺に沿って配置される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ装置。
【請求項7】
前記複数の第1のアンテナの各々は、前記複数の第2のアンテナの各々と略同じ長さを有し、
前記天板は、中央部が前記支持部材から前記天板に向かう方向へ突出した略ドーム形状からなる、請求項1に記載のプラズマ装置。
【請求項8】
前記反応容器の外部で前記複数の第1のアンテナの一方端に接続された第1の平板部材と、
前記第1の平板部材に対向して配置されるとともに、前記複数の第1のアンテナの他方端に接続され、かつ、前記第1の平板部材の一方端と同じ側の一方端が接地された第2の平板部材と、
前記反応容器の外側で前記複数の第2のアンテナの一方端に接続された第3の平板部材と、
前記第1の平板部材の一方端から前記第1の平板部材に高周波電力を供給するとともに、前記第3の平板部材の一方端から前記第3の平板部材に高周波電力を供給する高周波電源とを更に備え、
前記複数の第2のアンテナの他方端は、接地電位に接続される、請求項1に記載のプラズマ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−49176(P2012−49176A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187198(P2010−187198)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000003942)日新電機株式会社 (328)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000003942)日新電機株式会社 (328)
【Fターム(参考)】
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