説明

ベッド用マットレス

【課題】ベッドに使用されるマットレスとして、クッション性及び体圧分散性に優れ、且つ軽量であり、運搬や設置が容易なベッド用マットレスを提供する。
【解決手段】支持体2が、矩形のウレタンフォームからなり、短辺方向の両端部まで達する複数の凹溝を表面に備えており、該凹溝は深さ30〜70mm、幅15〜80mmであり、芯体3が、厚さ10〜40mm、硬さ100〜300Nである矩形のウレタンフォームからなり、短辺を長辺方向に二つ折りされ、長辺の両端部が支持体の一つの凹溝に嵌合支持されており、枠体4が、支持体の周囲を囲むように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッション性及び体圧分散性に優れ、且つ軽量であり、運搬や設置が容易であるベッド用マットレスに関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド用マットレスは、一般のマットレスが、ポリウレタンフォーム等の発泡体を使用した物が主流であるに対して、一般のマットレスに比べて厚みが厚くなっているために、過度の沈み込みが生じないように、一般のマットレスと異なった素材や構造が成されている。
【0003】
ベッド用マットレスとしては、過度の沈み込みを防止し、耐久性の向上という理由からスプリングマットレスが広く使用されている。例えば、特許文献1に記載されているように、可撓性を有する袋体内部にコイルスプリングが封入された構造の多数のポケットコイルを林立配置されたスプリングユニットを備え、前記スプリングユニットの最も外周側に沿って並んで配置された外側ポケットコイル群のポケットコイルに、この外側ポケットコイル群に囲まれた内側ポケットコイル群のポケットコイルよりも大きなスプリング力を与え、これら外側ポケットコイル群及び内側ポケットコイル群の各ポケットコイルの上下面が帯状シートを介して互いに連結されているものがある。
【0004】
しかしながら、スプリングマットレスは、多数のバネ等を使用しているため、重量が大きく、運搬や設置において多大な労力を必要とする。また、様々な種類の部材から構成されているため、廃棄や分別が困難であるという問題があった。
【0005】
一方、ベット用マットレスの運搬や設置を軽減することが、医療や介護用、さらには一般使用においても、要望されるようになっており、スプリングを使用しないベッド用マットレスが提案されている。
【0006】
例えば、特許文献2に記載されているベッド用マットレスは、スプリングを使用しておらず、重量の軽減を計り、厚みによる過度の沈み込みを防止するために、硬質独立気泡体からなる下層上に、軟質ウレタンフォームからなる上層を積層させた形態からなっている。そのため、上層の特定の場所に体圧がかかり、大きく圧縮変形すると、その場所の周囲においても、これに追随して変形するものである。よって、人体の体圧が全体として均一に分散されず、体圧分散性において劣るものという問題があった。
【0007】
また、体圧分散性に優れたマットレスとして、マットレスの表面に、凹凸を設けたり、複数の横溝を設けたものも提案されている。
【0008】
例えば、特許文献3に記載されているマットレスは、マットレス表面部が、人の頭部、胸部、腰部及び脚部にそれぞれ対応する四つの部位よりなり、いずれの部位も、長手方向及び幅方向に伸びた溝によってそれぞれ矩形に各々独立に区分された適当数の支持区部からなり、そして、四つの部位における各支持区部は、それぞれ、人の頭部、胸部、腰部及び脚部の重量割合に比例する面積の広さを有するものに設定されているものである。
【0009】
これにより、体圧の大きくかかる部分には大きな面積の矩形を配置し、沈み込みを少なくし、体圧の少なくかかる部分には小さな面積の矩形を配置し、適度な沈み込みが得られるようにして、各部の体圧分散性を適切にし、良好な寝姿勢を得られるものである。
【0010】
特許文献2における、上層に、特許文献3のようなマットレスを使用すれば、ある程度は体圧分散性を有するベッド用マットレスは得られるが、特許文献1のようなスプリングを使用した物と比較すると、重量の点では改善されているが、体圧分散性においては劣るものである。
【特許文献1】特開平 9−276084号公報
【特許文献2】特開平11−046936号公報
【特許文献3】特開平11−318646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本発明は、ポリウレタンフォームからなるベッド用マットレスでありながら、スプリングを使用したベッド用マットレスと同等以上の、クッション性及び体圧分散性に優れ、且つ軽量であり、運搬や設置が容易なベッド用マットレスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため本発明は、支持体、芯体及び枠体からなるベッド用マットレスであって、支持体は、矩形のウレタンフォームからなり、短辺方向の両端部まで達する複数の凹溝を表面に備えており、該凹溝は深さ30〜70mm、幅15〜80mmであり、芯体は、厚さ10〜40mm、硬さ100〜300Nである矩形のウレタンフォームからなり、短辺を長辺方向に二つ折りされ、長辺の両端部が支持体の一つの凹溝に嵌合支持されており、枠体は、支持体の周囲を囲むように設けられるものである。
【0013】
上記のように、矩形のウレタンフォームからなる芯体の短辺を長辺方向に二つに折り、長辺の両端部を支持体の一つの凹溝に嵌合支持する形態を採ることによって、硬さの硬い芯体を用いなくとも、芯体の上面に歪みが生じ圧縮状体となるために、歪んだ部分が硬くなり、適度な反発弾性を得られると共に、且つ、芯体の側面がほぼ直立状体にあるために、側面の湾曲歪みがスプリングのような弾性を有し、さらに支持体のウレタンフォームとしてのクッション性により、体圧がかかった際、優れたクッション性と過度の沈み込みを防止することもできる。
【0014】
ここで、長辺方向とは、マットレスに人体が仰臥姿勢をとる際に、頭と足を結ぶ線と平行な方向であり、短辺方向とはそれと直角な方向である。
硬さが硬いとは、所望のベッド用マットレスとしての表面硬度を得るために使用されるポリウレタンフォームが、本願発明の芯体に使用されるポリウレタンフォームに比べて硬いことを意味するものである。
【0015】
なお、支持体における複数の凹溝に適宜嵌合支持される芯体は、各々単独で存在しているため、体圧がかかった際、芯体毎に異なる動きが可能である。そのため、人体の体圧が全体として均一に分散され、体圧分散性に優れるものとなる。
【0016】
また、硬さの硬い芯体を用いていないため、ベッド用マットレスとして軽量化を計ることができ、運搬や設置が容易なものとなる。
【0017】
さらに、矩形の芯体を二つ折りする形態を採るため、芯体に体圧がかかった際、二つ折りした芯体の内面に隙間が生じると共に、隣接する芯体同士も側面が湾曲した状態となるために隙間を有しているため、マットレスとして通気性を向上させることができるために使用時に、快適なベッド用マットレスとなっている。
【0018】
さらにまた、支持体の周囲を取り囲むように枠体を設けることで、枠体により支持体の剛性が高められ、ベッド用マットレス全体としての剛性が高くなるほか、支持体の凹溝に嵌合支持される芯体が、支持体の短辺方向にズレることを防止すると共に、芯体の支持体の凹溝からの脱落を防止することが可能となっている。
【0019】
また、支持体の凹溝間の間隔を、10〜40mmとすることが好ましく、この範囲にすることで、前記凹溝間に芯体を嵌合支持させた際、隣り合う芯体間に適度な空間が保たれ、優れた通気性を得ることができるほか、芯体が適度な間隔で配置されることになり、ベッド用マットレスとしての人体の支持性を確保することができ、芯体の支持体凹溝からの脱落を防止することが可能となっている。
【0020】
さらに、マットレスの腰部に対応する領域に使用される芯体を、頭部及び脚部に対応する領域に使用される芯体より硬くすることにより、最も体重がかかる腰部の過度の沈み込みを抑え、身体のラインに無理のない、自然な寝姿勢を維持することができ、より優れた体圧分散性を得ることが可能となる。
【0021】
さらにまた、支持体の裏面に、該支持体の短辺方向及び/又は長辺方向の両端部まで達する溝を形成することが好ましく、該通気溝により、マットレス内部の通気性を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
矩形のウレタンフォームからなる芯体の短辺を長辺方向に二つに折り、長辺の両端部を支持体の一つの凹溝に嵌合支持する形態を採ることによって、硬さの高い芯体を用いなくとも、矩形の芯体を二つ折りした際、芯体の上面に歪みが生じ、歪んだ部分が硬くなるため、人体を支えることができ、且つ、芯体の側面がほぼ直立状体にあるために、側面の湾曲歪みがスプリングのような弾性を有し、さらに支持体のウレタンフォームとしてのクッション性により、体圧がかかった際、優れたクッション性と過度の沈み込みを防止することもできる。
【0023】
なお、支持体における複数の凹溝に適宜嵌合支持される芯体は、各々単独で存在しているため、体圧がかかった際、芯体毎に異なる動きが可能である。そのため、人体の体圧が全体として均一に分散され、体圧分散性に優れるものとなる。
【0024】
また、硬さの高い芯体を用いていないため、ベッド用マットレスとして軽量であり、運搬や設置が容易なものとなる。
【0025】
さらに、矩形の芯体を二つ折りする形態を採るため、芯体に体圧がかかった際、二つ折りした芯体の内面に隙間が生じ、その隙間により通気性が図られる。
【0026】
さらにまた、支持体の周囲を取り囲むように枠体を設けることで、枠体により支持体の剛性が高められ、ベッド用マットレス全体としての剛性が高くなるほか、支持体の凹溝に嵌合支持される芯体が、支持体の短辺方向にズレることを防止すると共に、芯体の支持体の凹溝からの脱落を防止することが可能となっている。
【0027】
また、支持体の凹溝間の間隔を、10〜40mmとすることが好ましく、この範囲にすることで、前記凹溝間に芯体を嵌合支持させた際、隣り合う芯体間に適度な空間が保たれ、優れた通気性を得ることができるほか、芯体が適度な間隔で配置されることになり、ベッド用マットレスとしての人体の支持性を確保することができ、芯体の支持体凹溝からの脱落を防止することが可能となっている。
【0028】
さらに、マットレスの腰部に対応する領域に使用される芯体を、頭部及び脚部に対応する領域に使用される芯体より硬くすることにより、最も体重がかかる腰部の過度の沈み込みを抑え、身体のラインに無理のない、自然な寝姿勢を維持することができ、芯体による優れた体圧分散性を得ることができる。
【0029】
さらにまた、支持体の裏面に、該支持体の短辺方向及び/又は長辺方向の両端部まで達する溝を形成することが好ましく、該通気溝により、マットレス内部の通気性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。ここで、図1は本発明に係るベッド用マットレスの斜視図、図2は同側面図、図3は図2におけるA−Aの断面図、図4は支持体の凹溝の説明図である。
【0031】
本発明に係るベッド用マットレスは、ベッドに使用されるマットレスとして、クッション性及び体圧分散性に優れ、且つ軽量であるものとされている。
【0032】
すなわち、図1〜3に示すように、本ベッド用マットレス1は、支持体2、芯体3及び枠体4からなるベッド用マットレスであって、支持体2が、矩形のウレタンフォームからなり、短辺方向の両端部まで達する複数の凹溝を表面に備えており、該凹溝は深さ30〜70mm、幅15〜80mmであり、芯体3が、厚さ10〜40mm、硬さ100〜300Nである矩形のウレタンフォームからなり、短辺を長辺方向に二つ折りされ、長辺の両端部が支持体の一つの凹溝に嵌合支持されており、枠体4が、支持体の周囲を囲むように設けられている。
【0033】
矩形の支持体2の寸法としては、一般に使用されるベッドの寸法に対応して適宜設定可能であるが、例えば、長辺1500〜2200mm、短辺800〜2000mm、厚さ70〜120mm程度であり、ベッド用マットレスの使用形態に合わせて適宜変更することができる。なお、支持体2の硬さは、JIS K6400に準拠した試験で、100〜300Nであることが好ましい。硬さが100N未満であると、芯体の凹溝での保持性が得られず、300Nを超えてしまうと、やはり芯体の保持性が低下すると共に、マットレストとしてのクッション性が低下してしまい好ましくない。
【0034】
支持体の一方の面には、芯体が嵌合支持される短辺方向の両端部まで達する複数の凹溝が支持体のほぼ全面に設けられる。支持体の凹溝間の間隔を、10〜40mmとすることが好ましい。この間隔は、一定間隔に設けてもよいが、例えば、体圧の大きい腰部に当たる部分の溝間隔を狭くして、その他の部分の間隔を広げるように、間隔に変化を持たせてもよい。但し、最も狭い部分の間隔が、使用される芯体の厚さより、広いことが好ましい。
【0035】
二つ折りした芯体3を支持体2の凹溝に嵌合支持させた際、芯体3の反発力により支持体2の凹溝から、芯体3が外れることがなく、且つ芯体3のクッション性を阻害させないためには、支持体2の凹溝の深さを30〜70mmとするものである。
【0036】
なお、支持体2の凹溝の深さが30mm未満の場合には、凹溝の深さが浅く、二つ折りした芯体3を支持体2の凹溝に嵌合支持させた際、芯体3の反発力により支持体2の凹溝から、芯体3が外れる虞がある。また、支持体2の凹溝の深さが70mmを超える場合には、凹溝の深さが深く、芯体3の上部両端面が凹溝の両側面によって押さえられるため、体圧がかかった際に芯体側面の歪みが抑制され、クッション性が劣るものとなる。
【0037】
矩形の芯体3の寸法としては、ベッド用マットレスの使用形態に合わせて適宜設定することができるが、例えば長辺800〜2000mm、短辺200〜400mm、厚さ10〜40mm程度である。
【0038】
芯体3の硬さは、JIS K6400に準拠した試験で、100〜300Nであり、この範囲では、芯体3に体圧がかかった際でもへたることのない剛性が得られ、且つ優れたクッション性も得られる。一方、芯体3の硬さが100N未満の場合には、芯体3の硬さが低く、人体を支持できるだけの剛性を得ることができない。よって、芯体3に体圧がかかった際にへたってしまい、必要なクッション性を得ることはできない。また、芯体3の硬さが300Nを超える場合には、芯体3の硬さが高く、体圧がかかった際、歪みが小さく、十分なクッション性を得ることができない。また、芯体3の硬さが高い場合には、短辺を長辺方向に二つ折りした際、芯体3の形状が保ちにくくなり、また、本ベッド用マットレスとしての重量が増し、運搬や設置に支障をきたす虞がある。
【0039】
芯体の硬さは、使用される芯体の全てを同じ硬さにしなくともよい。例えば、ベッド用マットレスの頭部、腰部及び脚部に対応する部分の芯体の硬さを、体圧の最もかかる腰部を最も硬くし、脚部、頭部を柔らかくすることにより、より寝姿勢のぐれた、体圧分散性の向上したベッド用マットレスとすることができる。
【0040】
また、芯体3の厚さ10〜40mmとするものであり、この厚さの範囲では、芯体3に体圧がかかった際でも必要とする剛性が得られ、且つ優れたクッション性も得られる。
【0041】
一方、芯体3の厚さが10mm未満の場合には、芯体3の厚みが足りず、人体を支持できるたけの剛性を得ることができない。よって、芯体3に体圧がかかった際に側面部の湾曲歪みによる反発弾性が得られず、必要なクッション性を得ることはできない。また、芯体3の厚さが40mmを超える場合には、芯体3の厚みが厚く、芯体3を二つ折りした際に歪む芯体3の上面が、硬くなりすぎて、体圧がかかった際、歪みが小さく、十分なクッション性を得ることができない。
【0042】
支持体2の表面に設けられる凹溝幅は15〜80mmとするものである。これは、芯体3を短辺の長辺方向を二つ折りにして、支持体2の凹溝に嵌合支持されるためであり、支持体2の凹溝幅は、芯体3の厚みの倍程度が好ましい。
【0043】
支持体2の凹溝幅を、芯体3の厚みの倍程度にすることで、芯体3を二つ折りにし、支持体2の凹溝に嵌合支持させた際、芯体3上面の歪んだ部分が十分に硬くなるため、人体を支えることができるだけの剛性を得ることができる。一方、支持体2の凹溝幅が15mm未満の場合には、二つ折りした芯体3の厚みに対して、支持体2の凹溝幅が狭く、芯体を嵌合支持させることができない虞がある。また、支持体2の凹溝幅が80mmを超える場合には、二つ折りした芯体3の厚みに対して、支持体2の凹溝幅が広く、凹溝間で芯体3の反発力により、芯体3の両端部同士の距離が広がる虞がる。よって、芯体3上面の歪んだ部分の硬さが不足し、人体を支えることができるだけの剛性が得られない虞がある。
【0044】
なお、支持体2における複数の凹溝に適宜嵌合支持される芯体3は、各々単独で存在しているため、体圧がかかった際、芯体3毎に異なる動きが可能である。そのため、人体の体圧が全体として均一に分散され、体圧分散性に優れるものとなる。
【0045】
支持体2の周囲を取り囲むように枠体4を設けることで、枠体4により支持体2の剛性が高められ、ベッド用マットレス全体としての剛性が高くなるほか、支持体2の凹溝に嵌合支持される芯体3が、支持体2の短辺方向にズレることを防止することもできる。なお、芯体としては木材や樹脂板等を使用することも可能であるが、重量の軽減や使用時の触感等を考慮すると、ポリウレタンフォームを使用することが好ましい。枠体4の硬さは、JIS K6400に準拠した試験で、100〜400Nであることが好ましく、支持体2より硬くすることが好ましい形態である。この際、枠体4の高さが前記支持体2の凹溝に嵌合支持される芯体3の高さより低くすることが好ましく、こうすることで、芯体3に体圧がかかった際、二つ折りした芯体3の内面に生じた隙間による通気が、枠体4により阻害されることがないほか、芯体3による人体の支持を枠体4により阻害されることがなく都合がよい。なお、具体的には、枠体4の高さが前記支持体2の凹溝に嵌合支持される芯体3の高さよりも芯体3の厚み10〜40mm低くすることが好ましい。
【0046】
枠体4としては、矩形のポリウレタンフォームを用いることができるが、これに限定されるものではなく、クッション性を有するものであれば、特に限定はされない。
【0047】
また、枠体4の寸法として、支持体2の短辺方向に設ける枠体4は、長辺800〜2200mm、短辺30〜70mm、高さ70〜200mm程度であり、支持体2の長辺方向に設ける枠体4は、長辺1500〜2200mm、短辺30〜70mm、高さ70〜200mmである。なお、枠体の寸法は、マットレスの使用形態に合わせて適宜変更することができる。
【0048】
支持体2には、短辺方向の両端部まで達する複数の凹溝を備えているが、全ての凹溝に芯体3を嵌合支持させる必要はなく、芯体3を嵌合支持させない部分を設けてもよい。例えば、芯体3を、一つずつ間隔を空けて嵌合支持させたり、マットレスにおいて最も体重がかかる腰部に対応する領域では、全ての凹溝に芯体3を嵌合支持させ、頭部及び脚部に対応する領域では、一つずつ間隔を空けて嵌合支持させたりする形態を採ることも可能である。
【0049】
そのほか、支持体の一つの凹溝には、一つの芯体3を嵌合支持させる必要はなく、複数の芯体3を設けてもよい。例えば、支持体の一つの凹溝に、2つの芯体3を平行に嵌合支持させたり、3つの芯体3を平行に嵌合支持させたりするほか、凹溝毎に芯材3の数を変更させたりする形態を採ることができる。
【0050】
また、本ベッド用マットレス1は、支持体2、芯体3及び枠体4として、ウレタンフォームのみから構成されているため、軽量であり、運搬や設置が容易であるほか、一種類の部材からなり、廃棄・分別が容易である。さらに、本ベッド用マットレス1は、スプリングマットレスと同等の反発弾性及び耐久性を有するものである。
【0051】
なお、芯体3及び枠体4として、ウレタンフォームを用いることができるが、ウレタンフォーム破砕チップ(所謂マーブルフォーム)からなるものを使用することが好ましい。このウレタンフォーム破砕チップは、一般のベッド用マットレスに用いられるウレタンフォームと比較すると、同じ硬さであっても密度が高いため、長期間経過してもへたりや変形等を招きにくいものである。
【0052】
また、図4に示す、支持体2の凹溝の幅Xと隣接凹溝の幅Xとの凹溝間の間隔を、10〜40mmとすることが好ましく、この範囲にすることで、前記凹溝間に芯体3を嵌合支持させた際、隣り合う芯体3間に適度な空間が保たれ、優れた通気性を得ることができるほか、芯体3が適度な間隔で配置されることになり、多くの芯体3が人体を支えることになるため、体圧分散性においても優れるものとなる。
【0053】
一方、10mm未満の場合には、支持体2の凹溝間の間隔が狭く、該凹溝に芯体3を嵌合支持させた際、隣り合う芯体3間の空間が不十分となり、通気性が若干劣るものである。また、40mmを超える場合には、支持体2の凹溝間の間隔が広く、該凹溝に芯体3を嵌合支持させた際、隣り合う芯体3間の空間が過剰となり、人体を支える芯体3の数が少なくなるため、芯体が凹溝より脱落する虞があると共に、一つの芯体に過度の体圧がかかるために良好な仰臥姿勢を保つことが出来なくなる可能性もある。
【0054】
さらに、支持体2の複数の凹溝に嵌合支持される芯体3は、全て同一の硬さのものを用いる必要はなく、場所によって硬さを適宜変更することができる。例えば、マットレスの頭部、腰部及び脚部に対応する領域に使用される芯体3の硬さを適宜変更することができ、この際、マットレスの腰部に対応する領域に使用される芯体を、頭部及び脚部に対応する領域に使用される芯体より硬くすれば、最も体重がかかる腰部の過度の沈み込みを抑え、身体のラインに無理のない、自然な寝姿勢を維持でき、芯体3による優れた体圧分散性を得ることができる。
【0055】
さらにまた、支持体2の裏面に、該支持体2の短辺方向及び/又は長辺方向の両端部まで達する溝を形成してもよく、この溝により、マットレス内部の通気を図ることができる。なお、溝を複数設ける場合には、溝の間隔は150〜200mm程度が好ましく、溝の形状としては、格子状、放射状等であり、格子状の場合には、溝の深さは20〜30mm程度、幅は15〜25mm程度とし、放射状の場合には、直径20〜30mm程度とするものである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
ベッド用のマットレスとして、健常の人が使用するマットレスのみならず、寝たきりの人や病院、介護施設等の褥瘡防止用のマットレスにも効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係るベッド用マットレスの斜視図
【図2】同側面図
【図3】図2におけるA−Aの断面図
【図4】支持体の凹溝の説明図
【符号の説明】
【0058】
1:マットレス、2:支持体、3:芯体、4:枠体
X:支持体の凹溝幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体、芯体及び枠体からなるベッド用マットレスであって、
支持体は、矩形のウレタンフォームからなり、短辺方向の両端部まで達する複数の凹溝を表面に備えており、該凹溝は深さ30〜70mm、幅15〜80mmであり、
芯体は、厚さ10〜40mm、硬さ100〜300Nである矩形のウレタンフォームからなり、短辺を長辺方向に二つ折りされ、長辺の両端部が支持体の一つの凹溝に嵌合支持されており、
枠体は、支持体の周囲を囲むように設けられていることを特徴とするベッド用マットレス。
【請求項2】
支持体の凹溝間の間隔は、10〜40mmであることを特徴とする請求項1に記載のベッド用マットレス。
【請求項3】
ベッド用マットレスの腰部に対応する領域に使用される芯体が、頭部及び脚部に対応する領域に使用される芯体より硬いことを特徴とする請求項1又は2に記載のベッド用マットレス。
【請求項4】
支持体の裏面に、該支持体の短辺方向及び/又は長辺方向の両端部まで達する溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のベッド用マットレス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate