説明

ベンゾイソチアゾリン誘導体及び農園芸用植物病害防除剤

【課題】本発明は、植物病害に対し、顕著な効果を示す1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体及びその活性成分として含有する農園芸用植物病害防除剤を提供する。
【解決手段】一般式[I]
【化1】


[式中、Wはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレンを表し、Rはピリジン、ピロール、フランを表す]で表される1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体又はその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体又はその塩、及びそれを有効成分とする農園芸用植物病害防除剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体は、例えば特許文献1で知られている。しかし、特許文献1は医薬に関する文献であって、農園芸用植物病害防除剤としての記載はない。
【特許文献1】特開平5−255287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
農園芸作物の栽培にあたり、作物の病害に対して多数の防除薬剤が使用されているが、従来の防除薬剤は、その防除効力が不十分であったり、薬剤耐性を有する病原菌の出現によりその使用が制限されたりすることがあり、また、植物体に薬害や汚染を生じさせたり、或いは人畜魚類に対する毒性や環境への影響という観点からは、必ずしも満足すべき防除薬剤とは言い難いものが少なくない。したがって、かかる欠点が少なく安全に使用できる防除薬剤の出現が強く要請されている。
【0004】
本発明の課題は、従来の植物病害防除剤が有していた前記の如き問題点を解決し、さらに、防除効果、残効性等に優れた植物病害防除剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、これまで植物病害防除活性の知られていない1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体を多数合成し、その植物病害防除活性と有用性について鋭意検討した。その結果、本発明の1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体(以下、本願化合物という)を植物に対して施用しておくことにより、長期間にわたって植物病害を防除し、植物に薬害を与えることなく顕著な植物病害防除効果を示すことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、下記を特徴とする要旨からなる。
【0007】
(1)一般式[I]
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、Wはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレン、又は
【0010】
【化2】

【0011】
(式中、Bはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレンを表す。)を表し、
は、C−Cアルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基より選択される1〜6個の同一又は相異なる基で置換されていてもよい複素環基(該複素環基は、ピリジン、ピロール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾイソチアゾール、インダゾール、1,2,3−ベンゾオキサジアゾール、1,2,3−ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、2,1,3−ベンゾオキサジアゾール又は2,1,3−ベンゾチアジアゾールである。)を表す。
但し、Rがピリジンの場合、Wはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレン又は
【0012】
【化3】

【0013】
(式中、Bはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレンを表す。)表す。]で表される1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
(2)一般式[I]
【0014】
【化4】

【0015】
[式中、Wは、フェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレン又は
又は
【0016】
【化5】

【0017】
(式中、Bはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレンを表す。)を表し、
は、C−Cアルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基より選択される、1〜6個の同一又は相異なる基で置換されていてもよい複素環基(該複素環基は、ピリジン、ピロール、フラン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾイソチアゾール、インダゾール、1,2,3−ベンゾオキサジアゾール、1,2,3−ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、2,1,3−ベンゾオキサジアゾール又は2,1,3−ベンゾチアジアゾールである。)を表す。
但し、Rがピリジンの場合、Wはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレン又は
【0018】
【化6】

【0019】
(式中、Bはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレンを表す。)表す。]で表される1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体又はその塩。
【0020】
(3)Rが、R−1、R−2、R−3又はR−4、
【0021】
【化7】

【0022】
(ここで、R、R及びR11は、ハロゲン原子を表し、Yは酸素原子又は硫黄原子を表し、Rはハロゲン原子又はC−Cアルキル基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、R10はC−Cアルキル基を表す。)のいずれかを表す前記(2)記載の1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体又はその塩。
【0023】
(4)前記(2)及び(3)に記載の1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
【発明の効果】
【0024】
本発明の農園芸用植物病害防除剤は、イネいもち病、コムギふ枯病、キュウリべと病などに対して高い防除効果を有し、しかも、作物に薬害を生ずることなく、残効性、耐雨性に優れるという特徴をも併せ持っているため、農園芸用植物病害防除剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明において、ハロゲン原子とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0026】
本発明において、C−Cアルキル基とは、特に限定しない限り、炭素数が1〜3の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルをあげることができる。
【0027】
本発明において、C−Cアルキレンとは、特に限定しない限り、炭素数が1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキレンを示し、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、エチルエチレン、をあげることができる。
【0028】
本発明において、C−Cアルキレンとは、特に限定しない限り、炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキレンを示し、前記C−Cアルキレンの例示に加え、1−エチルトリメチレン、2−エチルトリメチレン、1,2−ジメチルトリメチレン、1,3−ジメチルトリメチレン、1−n−プロピルトリメチレン、1−(1−メチルエチル)トリメチレン、1−エチル−1−メチルトリメチレン、1−エチル−2−メチルトリメチレン、1−エチル−3−メチルトリメチレン、2−エチル−1−メチルトリメチレン、2−n−プロピルトリメチレン、2−(1−メチルエチル)トリメチレン、1,1,2−トリメチルトリメチレン、1,1,3−トリメチルトリメチレン、1,2,2−トリメチルトリメチレン、1,2,3−トリメチルトリメチレン、1−メチルテトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、1−エチルテトラメチレン、1,2−ジメチルテトラメチレン、1,3−ジメチルテトラメチレン、1,4−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジメチルテトラメチレン、2,3−ジメチルテトラメチレン、ペンタメチレン、1−メチルペンタメチレン、2−メチルペンタメチレン、3−メチルペンタメチレン、ヘキサメチレンをあげることができる。
【0029】
本発明において、C−Cアルキレンとは、特に限定しない限り、炭素数が2〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキレンを示し、エチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、エチルエチレン、1−エチルトリメチレン、2−エチルトリメチレン、1,2−ジメチルトリメチレン、1,3−ジメチルトリメチレン、1−n−プロピルトリメチレン、1−(1−メチルエチル)トリメチレン、1−エチル−1−メチルトリメチレン、1−エチル−2−メチルトリメチレン、1−エチル−3−メチルトリメチレン、2−エチル−1−メチルトリメチレン、2−n−プロピルトリメチレン、2−(1−メチルエチル)トリメチレン、1,1,2−トリメチルトリメチレン、1,1,3−トリメチルトリメチレン、1,2,2−トリメチルトリメチレン、1,2,3−トリメチルトリメチレン、1−メチルテトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、1−エチルテトラメチレン、1,2−ジメチルテトラメチレン、1,3−ジメチルテトラメチレン、1,4−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジメチルテトラメチレン、2,3−ジメチルテトラメチレン、ペンタメチレン、1−メチルペンタメチレン、2−メチルペンタメチレン、3−メチルペンタメチレン、ヘキサメチレン等をあげることができる。
【0030】
次に、一般式[I]で示される本願化合物の具体例を表1〜表7に記載する。しかしながら、本願化合物はこれらの化合物に限定されるものではない。尚、化合物番号は以後の記載において参照される。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
【表4】

【0035】
【表5】

【0036】
【表6】

【0037】
【表7】




【0038】
本願化合物である一般式[I]で示される1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体の代表的な製造方法を以下に例示するが、これらの方法に限定されるものではない。
【0039】
<製造方法1>
【0040】
【化8】

【0041】
(式中、W及びRは前記と同じ意味を示し、Xは塩素原子等のハロゲン原子又は水酸基を示す。)
本工程で使用する一般式[III]で表される化合物は市販の試薬を用いてもよいし、例えば米国特許3393992号公報;ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティー(J. Chem. Soc. )3061頁、1959年;ジャーナル・オブ・ペスティサイド・サイエンス(J. Pestic. Sci.)第 28巻、416頁、2003年;ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティー・セクション・シー(J. Chem. Soc. C;) 3994頁、1971年に記載の方法に準じて製造することもできる。
【0042】
(工程1)
一般式[I]で表される化合物は、上記(化4)に示すように、一般式[II]で表される化合物と一般式[III]で表される化合物とを、塩基存在下又は非存在下、あるいは縮合剤の存在下又は非存在下、溶媒中又は溶媒非存在下で反応させることにより製造することができる。
【0043】
一般式[III]で表される化合物の使用量は一般式[II]で表される化合物1モルに対して0.8〜2モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1〜1.2モルである。
【0044】
本工程で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のカルボン酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン(DBU)等の有機塩基等があげられる。
【0045】
塩基の使用量は一般式[II]で表される化合物1モルに対して0〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは0〜1.2モルである。
【0046】
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素又はジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のウレア類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
【0047】
上記における溶媒の使用量は一般式[II]で表される化合物1モルに対して0〜100リットルであり、好ましくは0.5〜2リットルである。
【0048】
本工程で使用できる縮合剤はカルボニルジイミダゾール(CDI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などのカルボジイミド類、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジエチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスホネート(BOP試薬)等があげられる。
【0049】
縮合剤の使用量は一般式[II]で表される化合物1モルに対して0〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは0〜1.2モルである。
【0050】
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点域の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜100℃の範囲で行うのがよい。
【0051】
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常30分〜48時間である。
【0052】
反応の目的物である一般式[I]で表される化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することができる。
【0053】
<製造方法2>
【0054】
【化9】

【0055】
(式中、Wは前記と同じ意味を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
本工程で使用する一般式[II]で表される化合物は、例えば、ザ・ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミストリー(J.Am.Chem.Soc.)第77巻、5628ページ、1955年;ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(J.Heterocycl.Chem.)第23巻、1253ページ、1986年記載の方法に準じて製造することもできるが、(化5)に示すように、以下に記載する方法を用いて製造してもよい。
【0056】
(工程2)
一般式[VI]で表される化合物は、一般式[IV]で表される化合物と一般式[V]で表される化合物とを塩基存在下又は非存在下、溶媒中又は溶媒非存在下で反応させることにより製造することができる。
【0057】
一般式[V]で表される化合物の使用量は一般式[IV]で表される化合物1モルに対して0.5〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1〜1.2モルである。
【0058】
本工程で使用できる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のカルボン酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム等の金属水素化物、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン(DBU)等の有機塩基等があげられる。
【0059】
塩基の使用量は、一般式[IV]で表される化合物1モルに対して0〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは0〜1.2モルである。
【0060】
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素又はジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のウレア類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
【0061】
上記における溶媒の使用量は一般式[IV]で表される化合物1モルに対して0〜100リットルであり、好ましくは0.5〜5リットルである。
【0062】
反応温度は−20℃から使用する不活性溶媒の沸点域の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃〜100℃の範囲で行うのがよい。
【0063】
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常10分〜6時間である。
【0064】
反応の目的物である一般式[VI]で表される化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
【0065】
(工程3)
一般式[VII]で表される化合物は、一般式[VI]で表される化合物を塩基存在下、溶媒中又は溶媒非存在下で反応させることにより製造することができる。
【0066】
本工程で、使用できる塩基は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムターシャリーブトキシド等の金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物があげられる。
【0067】
塩基の使用量は一般式[VI]で表される化合物1モルに対して1〜10モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1〜2モルである。
【0068】
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のウレア類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類等、水、を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
【0069】
また、溶媒の使用量は一般式[VI]で表される化合物1モルに対して0〜100リットルであり、好ましくは0.5〜5リットルである。
【0070】
反応温度は0℃から使用する不活性溶媒の沸点域の範囲から選択すればよく、好ましくは室温〜100℃の範囲で行うのがよい。
【0071】
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常30分〜24時間である。
【0072】
反応の目的物である一般式[VII]で表される化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することができる。
【0073】
(工程4)
一般式[II]で表される化合物は、一般式[VII]で表される化合物を次にあげる試薬存在下、溶媒中又は溶媒非存在下で反応させることにより製造することができる。
【0074】
本工程で使用できる試薬は、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸類、五塩化リン、三塩化リン、オキシ塩化リン等のリン塩化物類、チオニルクロライド等の硫黄塩化物類、アセチルクロライド、クロロギ酸イソブチル等の酸塩化物類、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物類があげられる。
【0075】
この試薬の使用量は、一般式[VII]で表される化合物1モルに対して0.1〜100モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは0.3〜10モルである。
【0076】
本反応で使用できる溶媒としては、本反応の進行を阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム又はジグライム等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素又はジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン等のウレア類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、アセトニトリル等のニトリル類等を使用することができ、さらにこれらの混合溶媒も使用することができる。
【0077】
溶媒の使用量は、一般式[VII]で表される化合物1モルに対して0〜100リットルであり、好ましくは0.5〜5リットルである。
【0078】
反応温度は、0℃から使用する不活性溶媒の沸点域の範囲から選択すればよく、好ましくは0〜100℃の範囲で行うのがよい。
【0079】
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、通常10分〜2時間である。
【0080】
反応の目的物である一般式[II]で表される化合物は、反応終了後、常法により反応系から採取される。得られた目的物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することもできる。
【0081】
本発明の農園芸用植物病害防除剤は、一般式[I]で示される1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オキソ−1,1−ジオキシド誘導体又はその塩を有効成分として含有してなる。
【0082】
本願化合物を農園芸用植物病害防除剤として使用する場合には、単独で用いてもよいが、その目的に応じて有効成分を適当な剤型で用いることができる。
【0083】
通常は有効成分を不活性な液体又は固体の担体で希釈し、必要に応じて界面活性剤、その他をこれに加え、粉剤、水和剤、乳剤、粒剤等の製剤形態で使用できる。有効成分の配合割合は必要に応じ適宜選ばれるが、粉剤及び粒剤とする場合は0.1〜50%(重量)、また、乳剤及び水和剤とする場合は5〜80%(重量)が適当である。
【0084】
製剤化に際して用いられる担体としては、例えばタルク、ベントナイト、クレー、カオリン、珪藻土、ホワイトカーボン、バーミキュライト、炭酸カルシウム、消石灰、珪砂、硫安、尿素等の固体担体、イソプロピルアルコール、キシレン、シクロヘキサン、メチルナフタレン等の液体担体等があげられる。
【0085】
界面活性剤及び分散剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ジナフチルメタンジスルホン酸金属塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート等があげられる。補助剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、アラビアゴム等があげられる。
【0086】
さらに、本発明の農園芸用植物病害防除剤には、上記様々な製剤形態において有効成分である本願化合物以外に必要に応じて他の公知の活性化合物、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、昆虫生育調整剤、殺線虫剤、殺菌剤、植物病害防除剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料及び土壌改良剤等と混合してもよい。
【0087】
本発明の農園芸用植物病害防除剤は、これらの製剤をそのまま、あるいは希釈して茎葉散布、種子処理、土壌施用、水面施用又は育苗箱施用等により使用することができる。これらの施用量は、使用される化合物の種類、対象病害、発生傾向、被害の程度、環境条件、使用する剤型などによって変動する。
【0088】
例えば粉剤及び粒剤のようにそのまま使用する場合には、有効成分で10アール当り0.1g〜5kg、好ましくは1g〜1kgの範囲から適宜選ぶのがよい。
【0089】
また、乳剤及び水和剤のように液状で使用する場合には、0.1ppm〜10,000ppm、好ましくは10〜3,000ppmの範囲から適宜選ぶのがよい。
【0090】
また、育苗箱施用によって用いる場合、化合物の溶出性を制御した製剤化を行うことにより、長期にわたる効果を付与することが可能である。
【0091】
本発明の農園芸用植物病害防除剤は上記の施用形態により、糸状菌、細菌及びウィルスに起因する植物の病害を防除できる。
【0092】
次に、具体的な病害を非限定例としてあげる。
キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、リンゴ黒星病(Venturia inaequalis)、キュウリうどんこ病(Sphaerotheca cucurbitae)、コムギうどんこ病(Erysiphe graminis)、コムギふ枯病菌(Septoria nodorum)、イネいもち病(Pyricularia oryzae)、キュウリ灰色かび病(Botrytis cinerea)、イネ紋枯病(Rhizoctonia solani)、コムギ赤さび病(Puccinia recondita)、キュウリ斑点細菌病(Pseudomonas syringe)、イネ白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、イネもみ枯細菌病(Burkholderia glumae)、イネ苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、イネ褐状病(Acidovorax avenae)、内穎褐変病(Erwinia ananas)
以下、本発明の農園芸用植物病害防除剤で用いる一般式[I]の誘導体の製造法、製剤法並びに用途を下記の実施例で詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。尚、以下の説明において「%」は重量百分率を示す。
【実施例】
【0093】
〔実施例1〕
2,6−ジクロロイソニコチン酸 1−メチル−2−(1,1,3−トリオキソベンゾイソチアゾリン−2−イル)エチルエステルの製造(本願化合物番号10)
1−メチル−2−(1,1,3−トリオキソベンゾイソチアゾリン−2−イル)エタノール0.60g(2.49mmol)と2,6−ジクロロイソニコチン酸クロライド0.52g(2.49mmol)とをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、氷冷下、トリエチルアミン0.33g(3.2mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルを加えて水洗し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色結晶(融点147−149℃)の2,6−ジクロロイソニコチン酸 1−メチル−2−(1,1,3−トリオキソベンゾイソチアゾリン−2−イル)エチルエステル0.82g(収率79%)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ : 1.51(3H, d,6.6Hz), 3.97-4.13(2H, m), 5.54-5.62(1H, m), 7.78−7.94(5H, m), 8.08(1H, d, 6.8Hz)ppm
【0094】
〔実施例2〕
2,6−ジクロロイソニコチン酸 2−メチル−2−(1,1,3−トリオキソベンゾイソチアゾリン−2−イル)プロピルエステルの製造(本願化合物番号9)
製造方法2(工程2)記載の方法に準じて、2−アミノ−2−メチルプロパノール0.36g(4.02mmol)とトリエチルアミン0.49g(4.83mmol)のテトラヒドロフラン15ml溶液に、氷冷下、2−クロロスルホニル安息香酸エチル1.0g(4.02mmol)のテトラヒドロフラン5ml溶液を加え、室温で2時間撹拌した。酢酸エチルを加えて水洗し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濃縮し、粗製の2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチルスルファモイル安息香酸エチルを得た。
【0095】
製造方法2(工程3)記載の方法に準じ、粗製の2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチルスルファモイル安息香酸エチルをエタノール20mlに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液3mlを加えて、90℃で1時間撹拌した。1Mクエン酸水溶液3mlを加えた後、反応液を減圧下で濃縮し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濃縮乾固した。得られた固体をクロロホルムで洗浄し、無色結晶の2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチルスルファモイル安息香酸0.82g(収率75%)を得た。1H-NMR(CDCl3) δ : 1.19(6H, s), 3.42(2H, s), 6.46(1H, bs),7.59-7.62(2H, m), 7.87−7.90(1H, m), 8.09-8.12(1H, m)ppm
製造方法2(工程4)記載の方法に準じて、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチルスルファモイル安息香酸0.82g(3.0mmol)をジクロロメタン10mlに溶解し、無水トリフルオロ酢酸3mlを加えて、室温で30分撹拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチルを加え、有機層を水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られた固体をイソプロピルエーテルで洗浄し、無色結晶の2−メチル−2−(1,1,3−トリオキソベンゾイソチアゾリン−2−イル)プロパノール0.61g(収率80%)を得た。1H-NMR(CDCl3) δ : 1.76(6H, s), 2.82(1H, bs), 3.3.98(2H, bs), 7.79−7.87(3H, m), 8.01(1H, d, 6.8Hz)ppm
【0096】
製造方法1(工程1)記載の方法に準じて、2−メチル−2−(1,1,3−トリオキソベンゾイソチアゾリン−2−イル)プロパノール0.61gと2,6−ジクロロイソニコチン酸クロライド0.53g(2.50mmol)とをアセトニトリル7mlに溶解し、氷冷下、トリエチルアミン0.29g(2.87mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。反応終了後、水を加え、析出した結晶を濾取した。結晶を水及びイソプロピルアルコールで洗浄し、無色結晶(融点126−128℃)の2,6−ジクロロイソニコチン酸 2−メチル−2−(1,1,3−トリオキソベンゾイソチアゾリン−2−イル)プロピルエステル0.96g(収率94%)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ : 1.91(6H, s), 4.77(2H, s),7.79−7.88(3H, m), 7.84(2H, s), 8.03(1H, d, 6.8Hz)ppm
【0097】
前記実施例に準じて製造した本願化合物[I]の構造式と物性値を、前記実施例を含め表8に示す。ただし、表中の記号は前記と同様の意味を表す。
【0098】
【表8】

【0099】
化合物番号13、22、42、51については、H−NMRデータ(CDCl/TMS δ(ppm)値)を以下に示す。
化合物番号13:4.12(1H, dd, 2.9, 15.4Hz), 3.32(1H, dd, 10.0, 15.4Hz), 6.42(1H, dd, 2.9, 10.0Hz), 7.38-7.55(5H, m), 7.83-7.97(3H, m), 7.87(2H, s), 8.08(1H, d, 6.8Hz)
化合物番号22:1.51(3H, d, 6.3Hz), 3.95-4.06(2H, m), 5.55-5.61(1H, m), 7.01(1H, s), 7.83-7.93(3H, m), 8.08(1H, d, 6.8Hz)
化合物番号42:1.49(3H, d,5.0Hz), 2.52(3H, s), 3.92-4.09(2H, m), 5.51-5.57(1H, m),7.57(1H, s), 7.81−7.93(3H, m), 8.07(1H, d, 6.8Hz)
化合物番号51:1.47(3H, d, 6.4Hz), 3.91-4.07(2H, m), 4.08(3H, s), 5.48-5.53(1H, m), 6.85(1H, s), 7.82-7.94(3H, m), 8.08(1H, d, 6.8Hz)

〔実施例3〕 製剤例1 粉剤
化合物番号1の化合物2%、珪藻土5%及びクレー93%を均一に混合粉砕して粉剤とした。また、化合物番号1に代えて、表1〜7に記載の化合物各々を用いて同様に粉剤を得ることができた。
【0100】
〔実施例4〕 製剤例2 水和剤
化合物番号9の化合物50%、珪藻土45%、ジナフチルメタンジスルホン酸ナトリウム2%及びリグニンスルホン酸ナトリウム3%を均一に混合粉砕して水和剤とした。また、化合物番号9に代えて、表1〜7に記載の化合物各々を用いて同様に水和剤を得ることができた。
【0101】
〔実施例5〕 製剤例3 乳剤
化合物番号2の化合物30%、シクロヘキサノン20%、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル11%、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム4%及びメチルナフタリン35%を均一に溶解して乳剤とした。また、化合物番号2に代えて、表1〜7に記載の化合物各々を用いて同様に乳剤を得ることができた。
【0102】
〔実施例6〕 製剤例3 粒剤
化合物番号10の化合物24%、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩2%、リグニンスルホン酸ナトリウム5%、カルボキシメチルセルロース2%及びクレー67%を均一に混合粉砕する。この混合物に水20%相当量を加えて練合し、押出式造粒機を用いて14〜32メッシュの粒状に加工したのち、乾燥して粒剤とした。また、化合物番号10に代えて、表1〜7に記載の化合物各々を用いて同様に粒剤を得ることができた。
【0103】
次に、本発明の農園芸用植物病害防除剤の奏する効果について試験例をあげて具体的に説明する。
【0104】
試験例1 イネいもち病水面施用試験
直径9cmの白磁鉢に1.5葉期の水稲(品種:愛知旭)稚苗を3茎ずつ4カ所に移植し、温室内で育成した。2.5葉期に、実施例4に準じて調製した水和剤を有効成分濃度が10アールあたり100gになるように鉢に水面施用処理をした。処理10日後に、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)の分生胞子懸濁液を噴霧接種し、直ちに25℃の湿室内に24時間入れた。その後、温室内に移し、接種5日後に接種時の最高位葉の病斑数を調査した。数1により防除価を求め、表9の基準により評価した。結果を表10に示した。
【0105】
(数1)
防除価(%)=(1−処理区の病斑数/無処理区の病斑数)×100
【0106】
【表9】

【0107】
【表10】

【0108】
試験例2 キュウリべと病予防効果試験
直径5.5cmのプラスチックカップで育苗した4苗の子葉期のキュウリ(品種:相模半白)に実施例4に準じて調製した水和剤を、有効成分濃度が500ppmになるように水で希釈し、各々1鉢当たり15mlを噴霧散布した。風乾後、キュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)の遊走子嚢懸濁液を噴霧接種し、直ちに20℃の暗黒湿室内に24時間入れた。その後温室内に移し、接種7日後にポット全体の子葉の発病面積を調査し、表11の基準により評価した。結果を表12に示した。
【0109】
【表11】

【0110】
【表12】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式[I]
【化1】

[式中、Wはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレン、又は
【化2】

(式中、Bはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレンを表す。)を表し、
は、C−Cアルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基より選択される1〜6個の同一又は相異なる基で置換されていてもよい複素環基(該複素環基は、ピリジン、ピロール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾイソチアゾール、インダゾール、1,2,3−ベンゾオキサジアゾール、1,2,3−ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、2,1,3−ベンゾオキサジアゾール又は2,1,3−ベンゾチアジアゾールである。)を表す。
但し、Rがピリジンの場合、Wはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレン又は
【化3】

(式中、Bはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレンを表す。)表す。]で表される1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。
【請求項2】
一般式[I]
【化4】

[式中、Wは、フェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレン又は
又は
【化5】

(式中、Bはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレンを表す。)を表し、
は、C−Cアルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基より選択される、1〜6個の同一又は相異なる基で置換されていてもよい複素環基(該複素環基は、ピリジン、ピロール、フラン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾイソチアゾール、インダゾール、1,2,3−ベンゾオキサジアゾール、1,2,3−ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、2,1,3−ベンゾオキサジアゾール又は2,1,3−ベンゾチアジアゾールである。)を表す。
但し、Rがピリジンの場合、Wはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレン又は
【化6】


(式中、Bはフェニル基で置換されてもよいC−Cアルキレンを表す。)表す。]で表される1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体又はその塩。
【請求項3】
が、R−1、R−2、R−3又はR−4
【化7】

(ここで、R、R及びR11は、ハロゲン原子を表し、Yは酸素原子又は硫黄原子を表し、Rはハロゲン原子又はC−Cアルキル基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、R10はC−Cアルキル基を表す。)のいずれかである請求項2に記載の1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体又はその塩。
【請求項4】
請求項2及び請求項3に記載の1,2−ベンゾイソチアゾリン 1,1−ジオキシド誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用植物病害防除剤。


【公開番号】特開2007−91596(P2007−91596A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−279305(P2005−279305)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000000169)クミアイ化学工業株式会社 (86)
【出願人】(000102049)イハラケミカル工業株式会社 (48)
【Fターム(参考)】